JP5842592B2 - 使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法 - Google Patents

使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済みマグネシアカーボンレンガに含まれるカーボン(C)及びマグネシア(MgO)をそれぞれ分離して再利用する使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法に関する。
一般に、製鉄工場等では、転炉や電気炉等の精錬炉及び取鍋や樋等の付帯設備に耐火レンガや不定形耐火物等の耐火物が内張されている。このような耐火物は、溶鋼やスラグ等による溶損によって損耗するために、残存厚みが薄くなった時点で新しい耐火物に張り替えられる。一方、張り替えによって発生する使用済みの耐火物は、その表面に地金が付着したり、内部に地金や酸化鉄、スラグ等が浸潤したりしているために再利用することが困難であることから、従来まではその殆どが廃棄されていた。このような背景から、近年、資源の有効利用と原料費の削減とを実現するために、使用済みの耐火物の再利用方法が提案されている。具体的には、特許文献1〜3には、地金やスラグ浸潤層等の不純物を除去することによって、有用成分の純度を向上させて再原料化する方法が記載されている。
特開平09−328354号公報 特開2002−206867号公報 特開2003−212667号公報
従来の使用済みの耐火物の再利用方法では、有用成分の純度を向上させるために、粗粉砕、分級、微粉砕等の処理を行うことによって不純物を除去していた。しかしながら、粉砕や分級等の処理のみでは不純物を完全には除去することができない。このため、従来の使用済みの耐火物の再利用方法では、有用成分の純度には限界がある。また、この結果、バージン原料への有用成分の添加量が増大すると耐用性に悪影響を及ぼすことから、有用成分を再利用可能な量に制約が生じ、使用済みの耐火物を十分に処理できなくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、有用成分を純度高く再利用可能な使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、使用済みマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程によって得られた粉砕物を酸溶液と共に攪拌する酸処理工程と、前記酸処理工程後の酸溶液を残渣と溶液とに固液分離する固液分離工程と、前記固液分離工程によって得られた残渣を水洗、乾燥し、得られた回収物を耐火物原料として再利用する再利用工程と、を含むことを特徴とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第2の態様に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、使用済みマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程によって得られた粉砕物を酸溶液と共に攪拌する酸処理工程と、前記酸処理工程後の酸溶液を残渣と溶液とに固液分離する固液分離工程と、前記固液分離工程によって得られた残渣をpH13以上のアルカリ水溶液に浸漬させた後、残渣を水洗、乾燥し、得られた回収物を耐火物原料として再利用する再利用工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、上記発明において、前記酸溶液として、1規定以上の濃度の強酸を用いることを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、上記発明において、前記使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕後の最大粒径が0.5mm以下であることを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、上記発明において、前記固液分離工程によって得られた溶液にアルカリを添加してpHを調整することによって水酸化マグネシウムを回収する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、上記発明において、前記酸溶液として塩酸を用い、前記固液分離工程によって得られた溶液を焙焼することによって塩酸と酸化物とを回収し、回収した塩酸を前記酸溶液として再利用し、回収した酸化物を製鉄用原料として再利用する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、上記発明において、前記耐火物原料を炭素含有中性レンガの原料として用いることを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、上記発明において、前記耐火物原料をマグネシアカーボンレンガの原料として用いることを特徴とする。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法によれば、有用成分を純度高く再利用することができる。
図1は、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法について説明する。
マグネシアカーボンレンガの主要な用途は転炉や電気炉等の精錬炉の内張レンガであり、通常、使用済みレンガは用途毎に区別して管理されるため、使用済みマグネシアカーボンレンガに異種のレンガが混入することはない。このため、使用済みマグネシアカーボンレンガの不純物源として問題になるものは、稼動面等に付着したスラグや地金、目地に付着したモルタル等である。使用済みマグネシアカーボンレンガを再利用する際には、これらの不純物源をレンガ表面から除去してから破砕以降の処理を行ってもよいが、この作業は人手による作業になるためにコストが掛かり必ずしも得策ではない。そこで、本実施形態では、以下に示すようにして使用済みマグネシアカーボンレンガから有用成分を純度高く抽出して再利用する。以下、図1を参照して、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法の流れについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法の流れを示すフローチャートである。図1に示すように、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法では、始めに、使用済みマグネシアカーボンレンガを所定の大きさ以下に一次粉砕(粗粉砕)する(ステップS1)。なお、この一次粉砕処理では、使用済みマグネシアカーボンレンガを過粉砕して磁着物の粒度が過小にならないように、ロールクラッシャやロッドミル等の粉砕機を利用することが望ましい。
一次粉砕処理が完了すると、次に、磁力選鉱処理によって粉砕物に含まれる地金や酸化鉄を含有するスラグ等の磁着物を除去する(ステップS2)。粉砕物中における磁着物の混入量を低減することによって、その後の処理における酸使用量等を低減できるので、再利用コストを削減することができる。磁力選鉱処理が完了すると、次に、最大粒径が0.5mm以下になるように粉砕物を二次粉砕(微粉砕)する(ステップS3)。最大粒径が0.5mmより大きい場合、後述する酸処理に多くの時間を要するので効率的でない。一方、最大粒径が0.1mm以下程度になるまで粉砕してしまうと、後述する固液分離処理によって得られる残渣を耐火物原料として使用する場合、粒度構成の条件から配合可能量が低位に限定されるため好ましくない。なお、二次粉砕処理にはロッドミルやボールミル等の粉砕機を利用可能だが、ロッドミルでは1パスでの0.5mm以下の収率が低く、ボールミルでは過粉砕が懸念される。このため、二次粉砕処理では、分級と組み合わせて複数パス粉砕を行ったり、複数種類の粉砕機を組み合わせて使用したりすることが望ましい。
二次粉砕処理が完了すると、次に、反応槽に粉砕物と酸溶液とを入れて撹拌し、適宜酸溶液のpHを確認し、pHが2以下になるように酸溶液を補給することにより、粉砕物中に含まれるスラグ等の不純物やマグネシアを酸溶液に溶解させる(ステップS4)。この処理は、酸溶液を補給しなくてもpHが2以下になるまで継続して行われる。酸溶液としては、1規定以上の濃度の強酸(塩酸、硫酸、硝酸)を用いることが望ましい。1規定未満の濃度の強酸では、粉砕物中の不純物を十分に除去できないために、回収物を再利用した際に十分な耐食性が得られない場合がある。また、酸溶液に対するマグネシアの溶解速度が低下するため処理に多くの時間を要する。
酸溶液の温度は常温でもよいが、酸溶液に対する不純物やマグネシアの溶解速度を高めるためには、酸溶液の温度は50℃以上、好ましくは70℃以上にするとよい。この場合、蒸気や電熱器等で酸溶液を加熱して温度を制御しながら酸処理を行ってもよい。また、酸溶液の濃度は溶液量の観点からはできるだけ濃度が高いものを用いることが望ましいが、溶液中のマグネシウム塩の濃度が飽和値を超えないようにする必要がある。
酸処理が完了すると、次に、不純物やマグネシアが溶解した溶液を固液分離することによって残渣と溶液とに分離し(ステップS5)、残渣を水洗し、水洗後の残渣を沈降させてスラリーとして抽出し、フィルタープレス等でスラリーを脱水した後に乾燥したものを軽粉砕して解砕し、得られた回収物を耐火物炭素原料として配合する(ステップS6)。なお、残渣粒子の一部では酸溶液に溶解した結晶粒子の量に応じて気孔率が増大することになるが、耐火物炭素原料としての利用には問題はない。すなわち、気孔率の増大幅が大きい粒子は耐火物原料の混練やプレスの過程で破壊されて気孔率が大幅に減少し、また耐火物製造時に微粉分や樹脂バインダ等が侵入して気孔を埋めるため、耐火物の品質に対する影響は小さい。
なお、残渣は、スラリーとして抽出してフィルタープレス等で脱水した後に水洗することが望ましい。酸処理後の残渣を水洗しないで直接耐火物に配合すると、処理条件や配合量に応じて、酸の影響で熱間強度が低下したり、耐食性が低下したりする。また、水洗は溶液のpHが4〜8の範囲となるように実施し、脱水と水洗とを複数回繰り返してもよいし、アルカリ溶液等を添加してpHを調整しても効果的である。
また、残渣から製造する耐火物の種類は、回収した使用済み耐火物の種類と一致している必要はない。使用済みマグネシアカーボンレンガ中の塩基性成分は酸溶液に浸出して除去され、酸性酸化物が不純物成分として残留している可能性が高いので、使用済みマグネシアカーボンレンガから得られた残渣はアルミナ−SiC−C系レンガ、アルミナ−シリカ−SiC−C系レンガ、アルミナ−SiC−C系キャスタブル等の炭素含有中性レンガに利用できる。
また、酸溶解後の残渣をさらにアルカリ水溶液に浸漬し、残渣中のシリカ等の酸性酸化物成分を低減することによって、残渣中の炭素分を高純度化させてもよい。この場合、アルカリ水溶液としてはpH13以上の水酸化ナトリウム溶液又は水酸化カリウム溶液が適しており、処理速度の観点からアルカリ水溶液の液温は60℃以上、好ましくは80℃以上とするとよい。このようなアルカリ水溶液による処理を追加して得られた回収物は、マグネシアカーボンレンガ等の塩基性耐火物の炭素原料として配合しても、耐食性を低下させることなく使用できる。
一方、固液分離によって分離された溶液については、溶液のpHをアルカリ側に調整することによって水酸化物を沈降、分離させる(ステップS7)。これにより、溶液中のマグネシウムイオンは水酸化マグネシウムの結晶として回収される。溶液中に共存する鉄等の他の金属イオンの水酸化物と水酸化マグネシウムとを分離するためには、pHを段階的に調節して析出した水酸化物をその都度分離するとよい。例えば、溶液にアルカリ水溶液を添加して、pHを6〜8に調節すると共に曝気等により酸化して水酸化第二鉄等の沈殿物を生成、沈降、濾過等により分離した後、pHを9〜11に調節して水酸化マグネシウムの沈殿物を生成、沈降、濾過等により分離回収することによって、高純度の水酸化マグネシウムを回収することができる。この際、pHの調節には大量のアルカリ源が必要となるが、固液分離によって分離された残渣に対し上述のアルカリ水溶液による処理を実施する場合には、沈殿物を分離した廃液をこれに利用してもよい。
回収された水酸化マグネシウムは高温で焼結又は溶解してマグネシアクリンカとすることにより、高品位の耐火物原料として再利用できる。また、低温で焼成して焼成マグネシア粉末を得て、耐火物原料のほか各種工業用添加剤や表面処理剤等に使用したり、水酸化マグネシウムのまま、排煙脱硫剤や酸性排水の中和剤、建材原料、ガラス添加剤、肥料原料等に利用したりすることもできる。水酸化マグネシウムを析出させる際に溶液のpHを制御することにより、水酸化マグネシウムの結晶径を整えることができ、使用目的に応じて高純度、且つ、高付加価値の原料を得ることができる。
水酸化マグネシウムを分離した溶液中に残留するカルシウムイオンは、水酸化カルシウムとして回収して、排煙脱硫剤や水処理剤等として利用してもよいが、溶液のまま環境に排出してもよい(ステップS8)。溶液成分等に応じて、浮遊物の凝集分離や浮上物の除去、酸化剤又は還元剤による処理等を必要に応じて追加し、環境基準を満足する状態で海洋等に排出する。以上の工程で分離した水酸化マグネシウム以外の沈殿物等は、通常の製鉄工程で発生するダストやスラリーに混合して造粒し、焼結原料として再利用してもよい。固液分離によって分離された溶液を焙焼することによって酸溶液と酸化物とを回収し、回収した酸溶液を酸処理で再利用すると共に、回収した酸化鉄等の酸化物を製鉄用原料として再利用してもよい。
使用済みマグネシアカーボンレンガの酸処理に塩酸を使用する場合、マグネシア等の溶解によって高濃度の塩化マグネシウム等の塩化物塩を含む廃塩酸溶液が生成される。この廃塩酸溶液は、鋼板の酸洗廃液等と同様に溶液を高温で焙焼することによって、塩化水素ガスを生成して塩酸として回収し、これを使用済みマグネシアカーボンレンガの酸処理等に再利用することができる。焙焼には炭化水素等の燃料を酸素含有ガスで燃焼させて700℃以上、望ましくは800℃以上に維持した焙焼炉中に廃塩酸溶液を噴霧すればよく、排ガスから酸化物粉を除塵した後、排ガス中の塩化水素ガスを水溶液に溶解させて塩酸として回収する。この際に生成される酸化物はマグネシアを高濃度で含むが、鉄やカルシウム等の他の金属元素の酸化物からなる不純物濃度も比較的高いため、耐火物原料として使用する他、焼結や転炉等の製鉄プロセスでマグネシア源となる副原料として使用することも望ましい。
〔実施例1〕
本実施例では、粒径0.5mm以下に粉砕した使用済みマグネシアカーボンレンガの成分既知のサンプルに酸を添加して溶解し、マグネシアの溶解率を評価した。具体的には、塩酸の濃度を0.1規定(N)から5Nまで変更すると共に、サンプル量を所定量の酸で化学量論的に溶解可能なマグネシア量(例えば塩酸の場合、HClモル数の1/2のMgOのモル数)の1/2をサンプルが含有するように調節して以下の酸処理を行い、マグネシア溶解率を評価した。酸処理では、粉砕した所定量のサンプルに対し所定濃度の酸100mlを添加したものを、200mlのプラスチック製密閉ボトルに入れ、振とう器を利用して200rpmで往復横振とうし、常温で2時間処理した後、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで吸引濾過することによって、濾液と残渣とを回収した。また、同様の処理を濃度1Nの硝酸及び硫酸を用いて行った。評価結果を以下の表1に示す。
表1に示すように、各塩酸濃度に対するマグネシアの溶解率から、マグネシアの溶解率は酸濃度に依存し、耐食性の観点から1N以上の酸濃度とすることが好適であることが確認された。具体的には、マグネシアの溶解率が低下して残渣中のマグネシア濃度が高くなると、残渣をアルミナ−SiC−カーボンレンガの炭素原料として用いた場合、高温スラグによる耐食性を著しく劣化させる問題があるために、1N以上の濃度の強酸を用いることが望ましい。
Figure 0005842592
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1と同じサンプルを4つの粒度(0.075mm未満、0.075−0.5mm、0.5−1mm、1〜2mm)に粉砕し、1N塩酸を用いて実施例1と同様の方法で酸処理を行いマグネシアの溶解率を評価した。評価結果を以下の表2に示す。表2に示すように、各粒度に対するマグネシアの溶解率から、マグネシアの溶解率は粒度に依存し、0.5mm以下の粒度とすることが好適であることが確認された。
Figure 0005842592
〔実施例3〕
本実施例では、粒径0.5mm以下に粉砕した実施例1と同じサンプルを、1N塩酸を用いて実施例1と同様の方法で酸処理した後、濾過して得られた残渣をさらにアルカリ水溶液で処理して、残渣中の不純物濃度に及ぼす影響を評価した。また、残渣をフィルターごとビーカーに入れて所定pHの水酸化ナトリウム溶液100mlに浸漬し、ホットプレート上で所定温度に加熱して2時間処理した後、孔径0.2μmのメンブレンフィルターで吸引濾過しながら水洗して残渣を回収し、残渣中のシリカ濃度を評価した。評価結果を以下の表3に示す。
表3に示すように、各条件における残渣中のシリカ濃度から、アルカリ水溶液による処理によって残渣中のシリカ分が低減し、より高品位の炭素原料が得られることが知見された。このことから、シリカ成分が残留しているとマグネシアカーボンレンガの炭素原料として用いた場合、高温スラグによる耐食性を劣化させる問題があるために、アルカリ水溶液による処理を実施することが望ましい。
Figure 0005842592
〔実施例4〕
本実施例では、粒径0.5mm以下に粉砕した実施例1と同じサンプル12gを濃度5Nの塩酸100mLに添加し、実施例1と同様の酸処理を行って可溶物を溶解後、溶液を濾過した濾液に水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを調節して沈殿を生成させた。具体的には、濾液を所定pH(A)に調節した後、沈殿物を濾過した濾液を所定のpH(B)に調節して水酸化マグネシウムを析出させ、濾過して回収した。そして、各pH条件における回収した水酸化マグネシウムの純度を評価した。評価結果を表4に示す。表4に示すように、適当なpH条件で析出させることにより、高純度の水酸化マグネシウムが得られ、これを元に高品位の耐火物原料を製造できることが知見された。
Figure 0005842592
〔実施例5〕
本実施例では、使用済みマグネシアカーボンレンガ1000gを処理したマグネシウムイオンを含む6mol/L塩酸溶液6Lを、炭化水素と酸素との燃焼ガスで1000〜1100℃に加熱した焙焼炉中に噴霧し、生成した酸化物粉体を炉内で遠心力集塵して堆積させた。そして、スクラバーを介して集塵後の排気を排気し、初期にはpH約7の集塵水を循環させて焙焼炉で生成した塩化水素ガスを吸収させた。この結果、使用した塩酸の98%は回収可能であったことから、回収した塩酸は再びマグネシアカーボンレンガの処理に利用できることが確認された。また、炉内に堆積した酸化物は、マグネシアのほか、少量のFe、Al、CaO、SiO等を含有する微粉であったが、水を加えて転動造粒することによって転炉でのマグネシア源となる副原料として利用できることが確認された。
〔実施例6〕
本実施例では、転炉の修理時に発生する使用後の内張り耐火物を専用に保管している場所から、使用済みのマグネシアカーボンレンガの試料を回収した。これをジョークラッシャーで粉砕して5mm以下の粒径に整粒したもの、及びこれをさらにボールミルで軽粉砕して0.5mm以下の粒径に整粒したものを試料として用いた。粉砕後の使用済みマグネシアカーボンレンガ試料中の炭素含有率は15質量%であった。反応容器に1バッチ2kgの0.5mm以下に粉砕した使用済みレンガと20Lの1規定(N)塩酸溶液を入れて、電気ヒーターで75〜80℃に保持しつつ、撹拌羽根を用いて溶液中で粉体が運動する程度に撹拌して8時間処理を行った。随時溶液の試料を採取してpHを測定し、pH範囲を0.5〜1.5とするように濃塩酸を連続的又は間欠的に追加した。
酸処理後は静置して固形物を沈降させた後、上澄みの酸溶液を除いてから濾過して固形物と酸溶液とを回収した。回収した固形物に20Lの水を加えて撹拌しつつ、水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6〜8の範囲に調節して洗浄を行った。洗浄後は静置して固形物を沈降させた後、上澄みを除いてから濾過して固形物を回収し、これを乾燥した後に撹拌機で解砕して、耐火物に配合するための黒鉛代替の再利用原料とした。また、回収した固形物の一部にさらにアルカリ処理を施した再利用原料も作製して評価した。反応容器に酸処理後の乾燥試料1kgと1N水酸化ナトリウム溶液10Lとを入れて、75〜80℃に保持しつつ撹拌羽根を用いて溶液中で粉体が運動する程度に撹拌し、pHを13以上に維持するようにして8時間処理を行った。さらに、酸処理後と同様にして固形物を分離し、塩酸でpHを中性に維持しつつ水洗した後、固形物を回収して乾燥、解砕し、耐火物に配合するための黒鉛代替の再利用原料とした。
表5に示す各種条件で、作製した再利用原料を配合したマグネシアカーボンレンガを試作して、耐食性を評価した。マグネシアカーボンレンガの原料配合は焼結マグネシア及び黒鉛を配合した転炉用材質をベースとして、上記の処理で得た再利用原料で黒鉛の一部を置き換えるように配合した。また、比較材として使用済みマグネシアカーボンレンガを5mm以下に粉砕、整粒したものを使用して、焼結マグネシア及び黒鉛を置換した配合についても試作して評価した。各種原料と外掛けで3質量%のフェノール樹脂バインダを混練し、並型(65×114×230mm)にプレス成型した後、200℃で10時間キュアリングして硬化させ、レンガ試料を作製した。同様に、表6に示す条件でアルミナ-ロー石-SiC-カーボンレンガも作製した。
耐食性は回転ドラム侵食法によりスラグ侵食指数を求めて評価した。表5及び表6に示した各試料から台形断面の柱状試料を切り出した後、1400℃で3時間コークスブリーズ中で熱処理したものを回転ドラム炉に張り分けた。ドラム炉を回転させながら、プロパンバーナーで酸素:プロパン=4:1の気体体積流量比の火炎を吹き込んで、マグネシアカーボンレンガ試料では1750℃に加熱してCaO質量/SiO2質量=3.0、(T.Fe)=20質量%のスラグを侵食剤として用い、アルミナ-ロー石-SiC-カーボンレンガ試料では1500℃に加熱してCaO質量/SiO質量=1.5、(T.Fe)=10質量%のスラグを侵食剤として用いた。30分毎にスラグを交換して、合計5回のスラグ投入による損耗量を、柱状試料の中央縦断面で測定される侵食面積で評価し、バージン原料のみを用いたそれぞれの材質のベース材質における侵食面積を100とする指数で表した。スラグ侵食指数が大きいほど耐食性が劣ることを示している。
各試験結果を表5、表6に併せて示す。表5の本発明例1〜3では、再利用原料による黒鉛の置換比率が40〜80質量%で比較例に比べて高いにもかかわらず、侵食指数は大幅に低減しており、本発明による再利用原料が黒鉛代替の炭素原料として有効に使用できることが確認された。特にアルカリ処理も実施した本発明例3では、黒鉛置換比率が80質量%でもベース材に近い侵食指数となっていて、高品位の黒鉛代替の炭素原料が得られることが確認された。また、表6より、本発明による再利用原料をアルミナ-ロー石-SiC-カーボンレンガに黒鉛代替の炭素原料として配合しても、ベース材に近い侵食指数となっていて、良好に使用できることが確認された。
Figure 0005842592
Figure 0005842592

Claims (8)

  1. 使用済みマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程によって得られた粉砕物を酸溶液と共に攪拌し、適宜酸溶液のpHを確認し、pHが2以下になるように酸溶液を補給する酸処理工程と、
    前記酸処理工程後の酸溶液を残渣と溶液とに固液分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程によって得られた残渣を水洗、乾燥し、得られた回収物を耐火物原料として再利用する再利用工程と、
    を含むことを特徴とする使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  2. 使用済みマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程によって得られた粉砕物を酸溶液と共に攪拌し、適宜酸溶液のpHを確認し、pHが2以下になるように酸溶液を補給する酸処理工程と、
    前記酸処理工程後の酸溶液を残渣と溶液とに固液分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程によって得られた残渣をpH13以上のアルカリ水溶液に浸漬させた後、残渣を水洗、乾燥し、得られた回収物を耐火物原料として再利用する再利用工程と、
    を含むことを特徴とする使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  3. 前記酸溶液として、1規定以上の濃度の強酸を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  4. 前記使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕後の最大粒径が0.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  5. 前記固液分離工程によって得られた溶液にアルカリを添加してpHを調整することによって水酸化マグネシウムを回収する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  6. 前記酸溶液として塩酸を用い、前記固液分離工程によって得られた溶液を焙焼することによって塩酸と酸化物とを回収し、回収した塩酸を前記酸溶液として再利用し、回収した酸化物を製鉄用原料として再利用する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  7. 前記耐火物原料を炭素含有中性レンガの原料として用いることを特徴とする請求項1〜6のうち、いずれか1項に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  8. 前記耐火物原料をマグネシアカーボンレンガの原料として用いることを特徴とする請求項2に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
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