JP5666693B2 - 多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法に関する。
多価アルコールと脂肪酸との縮合物である糖アルコール脂肪酸エステルは、顕著な界面活性能を有する、良好な生分解性及び安全性を兼ね備える等の理由から、食品、化粧品、医薬品、台所用洗剤等に添加される非イオン性界面活性剤として幅広く利用されている。
多価アルコール脂肪酸エステルの工業製法としては、多価アルコール及び脂肪酸を触媒の存在下(又は無触媒で)加熱する方法等が知られている。
また、特許文献1には、アルカリ金属塩の存在下、炭素数4〜6の糖アルコールと脂肪酸の低級アルコールエステルとをエステル交換反応させることを特徴とする糖アルコール脂肪酸エステルの製造方法が記載されている。
また、非特許文献1及び2には、酵素を用いた糖脂肪酸エステルの製造方法が記載されている。
特開2004−269429号公報 特開平2−295995号公報
J.Am.Chem.Soc.,Vol.109(13),p3977〜3981(1987) Biotechnol.Lett.,Vol.31,p423−428(2009)
多価アルコール脂肪酸エステルには、モノエステル、ジエステル、トリエステル等が含まれるが、このうちジエステルを選択的に得ることは困難である。
例えば、上記工業製法では、多価アルコールと脂肪酸との脱水縮合により多価アルコール脂肪酸エステルが得られるが、ジエステルの選択率は著しく低く、高精度のジエステルを得るには煩雑な精製操作(例えば、特許文献2を参照)が必要である。
また、特許文献1に記載の方法でも、ジエステル比の高い糖アルコール脂肪酸エステルを得ようとするとトリエステルの生成が避けられず、ジエステルを選択的に合成することは難しい。
また、非特許文献1及び2に記載のような酵素を用いた方法は、高い選択性が得られる場合はあっても、反応速度が遅いこと、触媒である酵素が高価であるにも関わらず繰り返し反応に使用すると劣化が免れないこと等の欠点がある。
本発明は、効率的に多価アルコール脂肪酸ジエステルを得ることが可能な、多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討したところ、驚くべきことに、ハイドロタルサイト化合物を触媒として用いることで、多価アルコール脂肪酸モノエステル2分子から多価アルコール脂肪酸ジエステル1分子及び多価アルコール1分子を生成する不均化反応が進行することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下に記載する態様を有する。
[1]ハイドロタルサイト化合物を含有する触媒の存在下、多価アルコール脂肪酸モノエステルを反応させて、多価アルコール脂肪酸ジエステルを得る工程を備える、多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法。
[2]前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールが、糖又は糖アルコールである、[1]に記載の製造方法。
[3]前記ハイドロタルサイト化合物が、下記式(1)で表される化合物である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
(M2+1−x(M3+(OH2+x−y(An−y/n (1)
[式中、M2+は二価の金属イオンを示し、M3+は三価の金属イオンを示し、An−はn価の陰イオンを示し、xは0.1〜0.5の正数を示し、yは0.1〜0.5の正数を示し、nは1又は2の整数を示す。]
[4]前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸の炭素数が4〜24である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールが、単糖類である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記単糖類が、グルコース、フルクトース及びガラクトースからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[5]に記載の製造方法。
[7]前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールが、イノシトールである、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記イノシトールがミオイノシトールである、[7]に記載の製造方法。
[9]前記工程が、エーテル化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化アルキル化合物、3級アルコール化合物、アミド化合物、アミン化合物、スルホキシド化合物及び炭素数5〜8の鎖状炭化水素化合物からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒を含む反応溶液中で行われる、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]前記工程における反応温度が50〜100℃である、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、効率的に多価アルコール脂肪酸ジエステルを得ることが可能な、多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法を提供する。
実施例A−2で得られたグルコースラウリン酸エステル混合物の界面活性能の評価結果を示す図である。 実施例A−40〜A−47における不均化反応の反応温度とモノエステル転化率との関係を示す図である。
本発明の多価アルコール脂肪酸ジエステルの好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態の多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法は、ハイドロタルサイト化合物を含有する触媒の存在下、多価アルコール脂肪酸モノエステルを反応させて、多価アルコール脂肪酸ジエステルを得る工程を備える。
本実施形態に係る製造方法においては、ハイドロタルサイト化合物を含有する触媒を用いることで、多価アルコール脂肪酸モノエステル2分子から多価アルコール脂肪酸ジエステル1分子及び多価アルコール1分子を生成する不均化反応が進行する。ここで、ハイドロタルサイト化合物とは、金属イオンで構成された層と、陰イオン及び/または水分子とで構成された層と、を有する結晶性の層状複合金属水酸化物である。
このような不均化反応を、例えば塩基触媒を用いて行うと、生成した多価アルコール脂肪酸ジエステルが更に反応して、多価アルコール脂肪酸トリエステル及び多価アルコール脂肪酸テトラエステル等が逐次的に生成してしまう。そのため、このような方法では、選択性良く多価アルコール脂肪酸ジエステルを得ることは難しい。
これに対して、本実施形態の製造方法における不均化反応では、上記特定の触媒を用いているため、多価アルコール脂肪酸トリエステル及び多価アルコール脂肪酸テトラエステル等への逐次反応がほとんど起こらない。そのため、本実施形態の製造方法によれば、非常に高い選択率で多価アルコール脂肪酸ジエステルを得ることができる。
ハイドロタルサイト化合物としては、公知又は市販のものを使用することができる。また、公知の製法によって製造されるものを使用することができる。ハイドロタルサイト化合物は、天然ハイドロタルサイト化合物であっても合成ハイドロタルサイト化合物であってもよいが、合成ハイドロタルサイト化合物を用いることが好ましい。
本実施形態に係る製造方法においては、特に、下記式(1)で表されるハイドロタルサイト化合物を好適に用いることができる。
(M2+1−x(M3+(OH2+x−y(An−y/n (1)
式中、M2+は二価の金属イオンを示し、M3+は三価の金属イオンを示し、An−はn価の陰イオンを示し、xは0.1〜0.5の正数を示し、yは0.1〜0.5の正数を示し、nは1又は2の整数を示す。
二価の金属イオンとしては、例えば、Mg2+、Ca2+、Fe2+、Zn2+及びCu2+からなる群より選ばれる少なくとも1種を採用することができる。これらのうち、二価の金属イオンとしては、Mg2+、Ca2+が好ましい。M2+は、一種の金属イオンから構成されていてもよく、二種以上の金属イオンから構成されていてもよい。
三価の金属イオンとしては、例えば、Al3+及びFe3+からなる群より選ばれる少なくとも一種を採用することができる。M3+は、一種の金属イオンから構成されていてもよく、二種以上の金属イオンから構成されていてもよい。
ハイドロタルサイト化合物における、二価の金属イオンと三価の金属イオンとのモル比(M2+/M3+)は、2〜7であることが好ましく、2〜5であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。このようなハイドロタルサイト化合物を含有する触媒によれば、より優れた触媒活性が得られる。なお、モル比(M2+/M3+)は、(1−x)/xと表すこともできる。
陰イオンとしては、例えば、CO 2−、Cl、OH、NO 、NO 、SO 2−が挙げられる。これらのうち、陰イオンはCO 2−及びClのうち少なくとも一種を含むことが好ましい。
本実施形態に係る製造方法で使用されるハイドロタルサイト化合物は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
ハイドロタルサイト化合物としては、例えば、MgAl(OH)12Cl、MgAl(OH)12CO、MgAl(OH)16Cl、MgAl(OH)16CO、Mg10Al(OH)24Cl、Mg10Al(OH)24CO、CaAl(OH)10Cl、CaAl(OH)10CO、CaAl(OH)10Cl、CaAl(OH)10CO、CaMgAl(OH)10Cl、CaMgAl(OH)10CO等の組成式で表される化合物及びこれらの水和物(例えば、MgAl(OH)16CO・4HO)が挙げられる。
また、ハイドロタルサイト化合物としては、例えば、Mg2+を酸化マグネシウム換算で34〜38質量%、Al3+を酸化アルミニウム換算で13〜19質量%、それぞれ含有するハイドロタルサイト化合物を好適に用いることができる。
ハイドロタルサイト化合物の液性pHは、8〜10であることが好ましい。また、ハイドロタルサイト化合物の乾燥減量は、10%以下であることが好ましい。これら各物性を有するハイドロタルサイト化合物としては、例えば市販品「トミタ−AD 500NS」(富田製薬(株)製)が挙げられる。この市販品は、Mg2+を酸化マグネシウム換算で37重量%、Al3+を酸化アルミニウム換算で16重量%、それぞれ含み、液性pHが約8.9、乾燥減量が5.7%という物性を有する。
ハイドロタルサイト化合物の製造方法は特に限定されず、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、二価の金属イオン及び三価の金属イオンを含む溶液(第1溶液)、陰イオン及びアルカリを含む溶液(第2溶液)をそれぞれ調製し、両溶液を混合することにより析出した沈殿物を乾燥することにより、ハイドロタルサイト化合物を得ることができる。
より具体的には、例えば、二価の金属イオンがMg2+、三価の金属イオンがAl3+、陰イオンがCO 2−である場合は、水溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩を水に溶解して第1溶液を調製し、炭酸塩及び水酸化ナトリウムを水に溶解して第2溶液を調製し、両溶液を混合して60℃〜70℃で12〜24時間撹拌した後、析出した沈殿物を回収した。次いで、回収した沈殿物を必要に応じて水で洗浄した後、100℃〜120℃程度で乾燥させることにより、ハイドロタルサイト化合物が得られる。
多価アルコール脂肪酸モノエステルは、多価アルコール1分子と脂肪酸1分子との縮合物であり、多価アルコール脂肪酸ジエステルは、多価アルコール1分子と脂肪酸2分子との縮合物である。
多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸としては、直鎖構造の飽和脂肪酸、直鎖構造の不飽和脂肪酸等が挙げられる。また、該脂肪酸は、ジカルボン酸型の脂肪酸であってもよい。また、脂肪酸の炭素数は、好ましくは4〜24であり、6〜20であってもよく、6〜16であってもよい。
多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールは、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物である。多価アルコールが有するヒドロキシル基の数は、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上であり、12以下であってよく、10以下であってもよい。
多価アルコールとしては、例えば、糖、糖アルコール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ブタントリオール、シクロブタンジオール、ブタンテトラオール、シクロブタンテトラオール、ペンタンジオール、シクロペンタンジオール、ペンタントリオール、ペンタンテトラオール、シクロペンタントリオール、ハイドロキノン、カテコール、ベンゼントリオールが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸モノエステルは、如何なる方法で調製されたものでもよい。例えば、多価アルコール脂肪酸モノエステルは、1)脂肪酸クロライド又は無水脂肪酸と多価アルコールとを原料に用いて直接エステル化する方法、2)低炭素数のアルコールと脂肪酸との縮合物である脂肪酸エステル及び多価アルコールを原料にエステル交換する方法、3)リパーゼのような酵素を触媒とする酵素による方法、4)微生物を用いた発酵法、等の方法で調製することができる。
上記不均化反応に用いる原料としては、多価アルコール脂肪酸モノエステルを単独で用いることも、多価アルコール脂肪酸モノエステルと多価アルコール脂肪酸ジエステルとの混合物を用いることもできる。また、多価アルコール脂肪酸トリエステル、多価アルコール脂肪酸テトラエステル等をさらに含む混合物を原料として用いることもできる。
すなわち、例えば、多価アルコールと脂肪酸の縮合反応による反応生成物として多価アルコール脂肪酸モノエステル及び多価アルコール脂肪酸ジエステルの混合物が得られた場合に、当該混合物から多価アルコール脂肪酸モノエステルを単離して上記不均化反応に供することができ、また当該混合物をそのまま上記不均化反応に供することもできる。
本実施形態に係る製造方法における不均化反応では、上記特定の触媒を用いているため、多価アルコール脂肪酸ジエステルから、多価アルコール脂肪酸トリエステルや多価アルコール脂肪酸テトラエステルへの逐次反応がほとんど起こらない。そのため、原料に多価アルコール脂肪酸ジエステルが混在していても、多価アルコール脂肪酸トリエステル等の副生成物はほとんど生じず、高い選択率で多価アルコール脂肪酸ジエステルを得ることができる。
上記不均化反応は、例えば、反応溶媒中に上記触媒及び多価アルコール脂肪酸モノエステルを溶解及び/又は分散させた反応溶液を、所定の反応温度に保持することで行うことができる。
反応溶液中の多価アルコール脂肪酸モノエステルの量は、特に制限されず、例えば、反応溶媒に対する飽和溶解度に応じて適宜調整することができる。例えば、多価アルコール脂肪酸モノエステルを飽和溶解度付近まで反応溶液中に溶解させることで、反応性及び生産性を一層向上させることができる。
また、多価アルコール脂肪酸モノエステルは、反応溶液中で必ずしも溶解していなくてもよく、例えば、多価アルコール脂肪酸モノエステルを飽和溶解度以上に反応溶液中に供してもよい。この場合、反応初期に固体状の多価アルコール脂肪酸モノエステルが存在する、いわゆるスラリー状態での反応となるが、このような場合でも上記不均化反応は進行する。そして上記不均化反応が進行するにつれ、多価アルコール脂肪酸モノエステルは徐々に溶解し、最終的に平衡点に達するまで多価アルコール脂肪酸ジエステルに変換される。
反応溶媒は、不均化反応(エステル交換反応)を阻害しないものであればよく、様々な有機溶媒、イオン性液体、超臨界流体を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオン等のケトン化合物;アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル化合物;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル化合物;t−ブチルアルコール等の3級アルコール化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物;を挙げることができる。イオン性液体としては、例えば、イミダゾリウム系化合物、ピリジニウム系化合物、4級アンモニウム系化合物、ホスフォニウム系化合物等をあげることができ、具体的には、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。超臨界流体については、例えば超臨界二酸化炭素などが挙げられる。
反応溶媒は、脱水処理等を施して、できる限り水分が排除されたものを用いることが好ましい。ごく少量の水分であれば問題はないが、水分の含有量が多くなってくると不均化反応(エステル交換反応)に加えて加水分解反応が競合し、副生成物として脂肪酸が生じやすくなる。脂肪酸が副生成物として生じると、多価アルコール脂肪酸ジエステルの分離・精製が難しくなる場合がある。
反応温度は、35〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、50〜75℃がさらに好ましい。反応温度がこの範囲であると、反応性及び生産性が顕著に向上する。反応温度が低すぎると反応性及び生産性が向上しににくい傾向にあり、また反応温度が高すぎると反応性及び生産性が低下する場合がある。反応温度を高くすることで反応性及び生産性が低下する原因は定かではないが、高温による触媒の劣化や、触媒活性が阻害されること等が考えられる。
上記不均化反応における反応圧力は特に限定されず、大気圧でよい。また、上記不均化反応における気相部の組成は、特に限定されないが、通常、爆発防止等の安全性の観点及び酸化反応抑制の観点から、窒素等の不活性ガスが選択される。
上記不均化反応は、多価アルコール脂肪酸ジエステルの見かけ生成が停止する平衡点に達するまで行うことができる。平衡点に達するまでの時間は、使用する原料の組成、原料の濃度、反応温度、触媒の濃度、反応溶媒種等によって異なる。反応時間は、例えば1〜72時間とすることができる。
上記不均化反応における触媒の使用量は、使用する原料の組成、原料の濃度、反応温度、有機溶媒種等によって適宜調整できるが、少なすぎると生産性の観点から不利となり、多すぎると撹拌等に問題が生じる場合がある。よって、反応溶媒1Lに対する触媒の使用量は、1〜500g/Lとすることが好ましい。
上記不均化反応の反応終了後の反応液には、触媒と、多価アルコール脂肪酸ジエステルと、多価アルコールと、場合により未反応の(又は平衡反応で生じた)多価アルコール脂肪酸モノエステルと、が含まれている。反応溶媒として低極性溶媒を用いた場合には、例えば、固体状の触媒及び多価アルコールを一般的な固液分離方法で反応液から分離した後、反応溶媒を留去することで、多価アルコール脂肪酸ジエステル(又は多価アルコール脂肪酸ジエステルと多価アルコール脂肪酸モノエステルとの混合物)を得ることができる。
また、反応溶媒として極性溶媒を用いた場合には、例えば、反応液に低極性溶媒を添加することで多価アルコールを析出させ、固体状の触媒と析出した多価アルコールとを一般的な固液分離方法で反応液から分離した後、反応溶媒と添加した低極性溶媒とを留去することで、多価アルコール脂肪酸ジエステル(又は多価アルコール脂肪酸ジエステルと多価アルコール脂肪酸モノエステルとの混合物)を得ることができる。
反応液から回収した触媒は、そのまま再度不均化反応に用いることができる。なお、複数回繰り返して不均化反応に使用して、触媒に劣化が生じた場合には、触媒に付着する着色物質等の不純物を、一般的な溶媒洗浄、酸化処理、焼成処理等で除去して、賦活させることができる。
触媒及び多価アルコールを分離した後の反応液は、通常、無色透明であるが、着色が生じている場合には、一般的な過酸化水素水や次亜塩素酸を用いた漂白処理;活性炭、イオン交換樹脂、活性アルミナ等の吸着剤を用いた脱色処理;等で脱色した後、反応溶媒等の留去を行うこともできる。
上記不均化反応の反応形式は、特に制限されず、一般的な撹拌槽を用いたバッチ反応形式;必要原料を添加しながらのセミバッチ反応形式;触媒を一定粒径以上のものに成形して攪拌槽あるいは管型反応器の中に固定化し、必要原料の添加と反応生成物の抜き出しとを同時に行う連続反応形式;等を採用できる。
上記不均化反応における多価アルコール脂肪酸モノエステルの反応転化率は、反応温度、反応時間、触媒の使用量等により適宜調整することができる。好ましい反応転化率は、原料の組成、目的とする生成物に要求される界面活性能をはじめとした物理的特性、等によって異なるが、通常、原料と生成物との界面活性能を比較して差別化が可能な程度に転化させることが好ましい。なお、反応転化率は、原料組成、反応条件等によって定まる平衡転化率以下に限定されることはいうまでもない。多価アルコール脂肪酸モノエステルの反応転化率は、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。
以下、本実施形態に係る製造方法について、多価アルコールが糖である場合の態様、及び、多価アルコールが糖アルコールである場合の態様を例示して説明する。
(糖脂肪酸エステルについて)
糖と脂肪酸との縮合物である糖脂肪酸エステルは、顕著な界面活性能を有する、良好な生分解性及び安全性を兼ね備える等の理由から、食品、化粧品、医薬品、台所用洗剤等に添加する非イオン性界面活性剤として幅広く利用されている。
糖脂肪酸エステルの製法としては、1)脂肪酸クロライド又は無水脂肪酸と糖とを原料に用いて直接エステル化する方法、2)低炭素数のアルコールと脂肪酸との縮合物である脂肪酸エステル及び糖を原料にエステル交換する方法、3)リパーゼのような酵素を触媒とする酵素による方法、4)微生物を用いた発酵法、等がある。
このうち、1)の方法は、実験室規模の合成には使われてきたが、原料が高価なため、経済性に乏しく、現在に至るまで商業化されていない。
また、3)の方法は、エステル化反応の糖における位置選択性が高いため有力な方法である。例えば、上記非特許文献1には、リパーゼを用いた酵素法で選択的に糖脂肪酸エステルを合成する方法として、Chromobactrrium viscosum由来のリパーゼを用いて、n−Octyl−β−Glucopyranosideと6−O−butylglucoseを原料に、モノエステル(C−6位)とジエステル(C−3,6位)とを1:1で合成する方法が開示されている。
また、上記非特許文献2には、Candida Antarctica lipase B(Novozyme SP435)固定化リパーゼを用いて、ラウリン酸とマンノースを原料にジエステルの混合物(C−1,6位、C−3,6位、C−4,6位)を51%収率で合成する方法が開示されている。
しかしながら、3)の方法は、反応速度が遅い、触媒であるリパーゼ等の酵素が高価であるにも関わらず、繰り返し反応に使用すると劣化が免れない等の欠点があるため、大規模な商業化はなされていない。
さらに、昨今、4)の方法による糖脂肪酸エステルの合成が商業化されてきているが、4)の方法による糖脂肪酸エステルの合成は、水系発酵液からの生産物の分離・精製の負荷が大きく、コスト高であり、使用できる用途が限られている。
そのため、現在、工業的に大規模生産されている糖脂肪酸エステルの代表であるショ糖脂肪酸エステルは、2)の方法、具体的には、ショ糖と脂肪酸メチルエステルとを原料として、塩基触媒の存在下、ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒としてエステル交換させる方法により製造されている。
しかしながら、この方法で得られる糖脂肪酸エステルの組成は、モノエステル、ジエステル、トリエステル等の混合物であり、特に、ジエステル比の高い糖脂肪酸エステルを得ようとするとき、トリエステルの生成を避けることが不可能であった。このため、上記方法でジエステル比の高い糖脂肪酸エステルを得るためには、精製操作が必要であった。
この点、上記特許文献1には、塩基触媒によるエステル交換反応で取得した糖脂肪酸エステル混合物を分離・精製する方法、例えば、所定のショ糖脂肪酸エステル濃度に調製された水溶液を酸性側にすることで、親水性の高いショ糖脂肪酸エステル群と、親油性の高いショ糖脂肪酸エステル群と、に分離する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、親油性の高いショ糖脂肪酸エステル群を得ようとする場合に、主にジエステルとトリエステルとが混合した状態で得られ、また、親水性のショ糖脂肪酸エステル群(主に、モノエステル)を併産することが避けられず、必ずしも効率的な生産方法とはいえない。糖脂肪酸ジエステルに対して、糖脂肪酸モノエステルでは界面活性能が低く、一方で糖脂肪酸ジエステルが糖脂肪酸トリエステルまでになっても顕著な界面活性の向上はなく、脂肪酸エステルの原単位が悪くなるためコストアップにつながる。
これに対して、本実施形態に係る製造方法によれば、効率的に且つ実用的な反応時間で、糖脂肪酸ジエステルを得ることが可能となる。
糖脂肪酸モノエステルを構成する糖としては、例えば、ポリヒドロキシアルデヒド(アルドース)、ポリヒドロキシケトン(ケトース)のような単糖類;加水分解によって単糖類に変換され得る二糖類、三糖類等のオリゴ糖類;が挙げられる。
単糖類としては、ビオース、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース等が挙げられる。また、単糖類は、D体であってもL体であってもよい。
より具体的には、例えば、ケトトリオースとしてはジヒドロキシアセトン、アルドトリオースとしてはグリセルアルデヒドがそれぞれ挙げられる。また、例えば、ケトテトロースとしてはエリトルロース、アルドテトロースとしてはエリトロース及びトレオース、がそれぞれ挙げられる。また、例えば、ケトペントースとしてはリブロース及びキシルロース、アルドペントースとしてはリボース、アラビノース、キシロース及びリキソース、がそれぞれ挙げられる。
また、例えば、ケトヘキソースとしてはプシコース、フルクトース、ソルボース及びタガトース、アルドヘキソースとしてはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロース、がそれぞれ挙げられる。さらに、例えば、ケトヘプトースとしてはセドヘプツロースが挙げられる。
二糖類としては、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース及びセロビオースが挙げられる。
三糖類としては、例えば、ラフィノース、メレジトース及びマルトトリオースが挙げられる。
糖脂肪酸モノエステルを構成する糖としては、これらのうちスクロース、ラクトース、マルトース、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトースが好ましい。
また、糖脂肪酸モノエステルを構成する糖としては単糖類が好ましい。すなわち、糖脂肪酸モノエステルは、グルコースモノエステル、フルクトースモノエステル及びガラクトースモノエステルからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
糖脂肪酸モノエステルは、如何なる方法で調製されたものでもよい。例えば、糖脂肪酸モノエステルは、1)脂肪酸クロライド又は無水脂肪酸と糖とを原料に用いて直接エステル化する方法、2)低炭素数のアルコールと脂肪酸との縮合物である脂肪酸エステル及び糖を原料にエステル交換する方法、3)リパーゼのような酵素を触媒とする酵素による方法、4)微生物を用いた発酵法、等の方法で調製することができる。
これらのうち、経済性の観点からは、2)エステル交換する方法により糖脂肪酸モノエステルを調製することが好ましい。なお、2)の方法で糖脂肪酸モノエステルを調製する場合には、上記不均化反応に用いる原料中に、未反応の脂肪酸エステルが含まれないことが望ましい。未反応の脂肪酸エステルが混在すると、不均化反応で得られる糖脂肪酸ジエステルから未反応の脂肪酸エステルを分離して精製するのに多大な負荷が生じるおそれがある。
上記不均化反応に用いる原料には、糖脂肪酸モノエステルを単独で用いることも、糖脂肪酸モノエステルと糖脂肪酸ジエステルとの混合物を用いることもできる。また、糖脂肪酸トリエステル、糖脂肪酸テトラエステル等をさらに含む混合物を用いることもできる。
すなわち、例えば、糖脂肪酸モノエステルを塩基触媒によるエステル交換反応により調製しようとすると、得られる反応生成物が糖脂肪酸モノエステルと糖脂肪酸ジエステルとの混合物となる場合がある。この場合には、反応生成物から糖脂肪酸モノエステルを単離して上記不均化反応に供してもよく、反応生成物をそのまま上記不均化反応に供してもよい。
上述したように、本実施形態に係る製造方法における不均化反応では、上記特定の触媒を用いているため、糖脂肪酸ジエステルから、糖脂肪酸トリエステルや糖脂肪酸テトラエステルへの逐次反応がほとんど起こらない。そのため、原料に糖脂肪酸ジエステルが混在していても、糖脂肪酸トリエステル等の副生成物はほとんど生じず、高選択率で糖脂肪酸ジエステルを得ることができる。
上記不均化反応においては、糖脂肪酸モノエステルの種類に応じて適宜触媒を選択することができる。例えば、グルコースアジピン酸モノエステルの不均化反応においては、式(1)で表されるハイドロタルサイト化合物のうち、M2+がCa2+である化合物を触媒として用いることが好ましく、M2+がCaであり且つM3+がAl3+である化合物を触媒として用いることがより好ましい。このような触媒によれば、不均化反応の反応性及びジエステル選択率が一層向上する。
表1に、典型的な糖脂肪酸モノエステルと、その不均化反応の触媒として特に好適なハイドロタルサイト化合物と、の組合せを示す。なお、表1中のM2+及びM3+はそれぞれ、式(1)におけるM2+及びM3+を示す。
Figure 0005666693
上記不均化反応は、例えば、反応溶媒中に上記触媒及び糖脂肪酸モノエステルを溶解及び/又は分散させた反応溶液を、所定の反応温度に保持することで行うことができる。
反応溶液中の糖脂肪酸モノエステルの量は、特に制限されず、例えば、反応溶媒に対する飽和溶解度に応じて適宜調整することができる。例えば、糖脂肪酸モノエステルを飽和溶解度付近まで反応溶液中に溶解させることで、反応性及び生産性を一層向上させることができる。
また、糖脂肪酸モノエステルは、反応溶液中で必ずしも溶解していなくてもよく、例えば、糖脂肪酸モノエステルを飽和溶解度以上に反応溶液中に供してもよい。この場合、反応初期に固体状の糖脂肪酸モノエステルが存在する、いわゆるスラリー状態での反応となるが、このような場合でも上記不均化反応は進行する。そして上記不均化反応が進行するにつれ、糖脂肪酸モノエステルは徐々に溶解し、最終的に平衡点に達するまで糖脂肪酸ジエステルに変換される。
反応溶媒は、不均化反応(エステル交換反応)を阻害しないものであればよく、様々な有機溶媒を用いることができる。反応溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオン等のケトン化合物;アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル化合物;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル化合物;t−ブチルアルコール等の3級アルコール化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物;を挙げることができる。
また、炭素数5〜8の鎖状炭化水素化合物を反応溶媒として用いることもできる。なお、鎖状炭化水素化合物を反応溶媒とする場合、上記不均化反応は特異的な挙動を示す。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンを用いると問題なく反応が進行するが、オクタンを用いると反応性が低くなり、ノナン、デカン等の炭素数9以上の鎖状炭化水素化合物を用いると著しく反応性が低くなる傾向がある。
上記エーテル化合物のうち、ポリエチレングリコール等のポリマーを用いると反応性が低くなる傾向がある。したがって、反応溶媒としては、エーテル化合物のうち低分子鎖状エーテル化合物が好ましい。
また、環状構造を有する化合物(例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物、シクロヘキサン等の環状炭化水素化合物)を用いると、反応性が低くなる傾向がある。したがって、反応溶媒としては、環状構造を有しない化合物を用いることが好ましい。すなわち、例えば反応溶媒としては、該反応溶媒が有するアルキル基が直鎖状又は分岐状であることが好ましい。この他に反応溶媒として、イオン性液体や超臨界流体を用いてもかまわない。イオン性液体としては、例えば、イミダゾリウム系化合物、ピリジニウム系化合物、4級アンモニウム系化合物、ホスフォニウム系化合物等をあげることができ、具体的には、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。超臨界流体については、例えば超臨界二酸化炭素などが挙げられる。
反応溶媒は、脱水処理等を施して、できる限り水分が排除されたものを用いることが好ましい。ごく少量の水分であれば問題はないが、水分の含有量が多くなってくると不均化反応(エステル交換反応)に加えて加水分解反応が競合し、副生成物として脂肪酸が生じやすくなる。脂肪酸が副生成物として生じると、糖脂肪酸ジエステルの分離・精製が困難となる場合がある。
反応温度は、35〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、50〜75℃がさらに好ましい。反応温度がこの範囲であると、反応性及び生産性が顕著に向上する。反応温度が低すぎると反応性及び生産性が向上しににくい傾向にあり、また反応温度が高すぎると反応性及び生産性が低下する場合がある。反応温度を高くすることで反応性及び生産性が低下する原因は定かではないが、高温による触媒の劣化や、触媒活性が阻害されること等が考えられる。
上記不均化反応における反応圧力は特に限定されず、大気圧でよい。また、上記不均化反応における気相部の組成は、特に限定されないが、通常、爆発防止等の安全性の観点及び酸化反応抑制の観点から、窒素等の不活性ガスが選択される。
上記不均化反応は、糖脂肪酸ジエステルの見かけ生成が停止する平衡点に達するまで行うことができる。平衡点に達するまでの時間は、使用する原料の組成、原料の濃度、反応温度、触媒の濃度、反応溶媒種等によって異なる。反応時間は、通常は1〜72時間であり、好ましくは2〜20時間であり、より好ましくは3〜5時間程度である。
上記不均化反応における触媒の使用量は、使用する原料の組成、原料の濃度、反応温度、有機溶媒種等によって適宜調整できるが、少なすぎると生産性の観点から不利となり、多すぎると撹拌等に問題が生じる場合がある。よって、反応溶媒1Lに対する触媒の使用量は、1〜500g/Lとすることが好ましい。
上記不均化反応の反応終了後の反応液には、触媒と、糖脂肪酸ジエステルと、糖と、場合により未反応の(又は平衡反応で生じた)糖脂肪酸モノエステルと、が含まれている。反応溶媒として低極性溶媒を用いた場合には、例えば、固体状の触媒及び糖を一般的な固液分離方法で反応液から分離した後、反応溶媒を留去することで、糖脂肪酸ジエステル(又は糖脂肪酸ジエステルと糖脂肪酸モノエステルとの混合物)を得ることができる。
また、反応溶媒として極性溶媒を用いた場合には、例えば、反応液に低極性溶媒を添加することで糖を析出させ、固体状の触媒と析出した糖とを一般的な固液分離方法で反応液から分離した後、反応溶媒と添加した低極性溶媒とを留去することで、糖脂肪酸ジエステル(又は糖脂肪酸ジエステルと糖脂肪酸モノエステルとの混合物)を得ることができる。
反応液から回収した触媒は、そのまま再度不均化反応に用いることができる。なお、複数回繰り返して不均化反応に使用して、触媒に劣化が生じた場合には、触媒に付着する着色物質等の不純物を、一般的な溶媒洗浄、酸化処理、焼成処理等で除去して、賦活させることができる。
触媒及び糖を分離した後の反応液は、通常、無色透明であるが、着色が生じている場合には、一般的な過酸化水素水や次亜塩素酸を用いた漂白処理;活性炭、イオン交換樹脂、活性アルミナ等の吸着剤を用いた脱色処理;等で脱色した後、反応溶媒等の留去を行うこともできる。
上記不均化反応の反応形式は、特に制限されず、一般的な撹拌槽を用いたバッチ反応形式;必要原料を添加しながらのセミバッチ反応形式;触媒を一定粒径以上のものに成形して攪拌槽あるいは管型反応器の中に固定化し、必要原料の添加と反応生成物の抜き出しとを同時に行う連続反応形式;等を採用できる。
上記不均化反応における糖脂肪酸モノエステルの反応転化率は、反応温度、反応時間、触媒の使用量等により適宜調整することができる。好ましい反応転化率は、原料の組成、目的とする生成物に要求される界面活性能をはじめとした物理的特性、等によって異なるが、通常、原料と生成物との界面活性能を比較して差別化が可能な程度に転化させることが好ましい。なお、反応転化率は、原料組成、反応条件等によって定まる平衡転化率以下に限定されることはいうまでもない。糖脂肪酸モノエステルの反応転化率は、10%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。
(糖アルコール脂肪酸エステルについて)
糖アルコールと脂肪酸との縮合物である糖アルコール脂肪酸エステルは、顕著な界面活性能を有する、良好な生分解性及び安全性を兼ね備える等の理由から、食品、化粧品、医薬品、台所用洗剤等に添加する非イオン性界面活性剤として幅広く利用されている。
糖アルコール脂肪酸エステルの工業製法としては、糖アルコールと脂肪酸を触媒の存在下、または無触媒で加熱する方法などが知られている。また、特許文献1には、アルカリ金属塩の存在下、炭素数4〜6の糖アルコールと脂肪酸の低級アルコールエステルとをエステル交換反応させることを特徴とする糖アルコール脂肪酸エステルの製造方法が報告されている。
しかし、上記の工業製法では糖アルコール及び脂肪酸による脱水縮合が行われ糖アルコール脂肪酸エステルを得ることができるが、ジエステルの選択率は著しく低く、高濃度のジエステルを得るには煩雑な精製操作を必要とした。
また、特許文献1に記載の方法においてもジエステルを選択的に合成することは困難であり、ジエステル比の高い糖アルコール脂肪酸エステルを得ようとすると、トリエステルの生成を避けることが困難であった。
これに対して、本実施形態に係る製造方法によれば、高い選択率で糖アルコール脂肪酸ジエステルを得ることが可能となる。
糖アルコール脂肪酸モノエステルを構成する糖アルコールとしては、グリセリン、エリトリトール、トレイトール、アラビニトール、キシリトール、リビトール、イジトール、ガラクチトール、グルシトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイトール、クエルシトール、イノシトール等が挙げられる。糖アルコールは立体化学は特に制限されず、単一の立体異性体であっても立体異性体の混合物であってもよい。イノシトールの立体異性体としては、例えばミオイノシトール(myo−イノシトール)が好適に用いられる。
糖アルコール脂肪酸モノエステルは、如何なる方法で調製されたものでもよい。例えば、糖アルコール脂肪酸モノエステルは、1)脂肪酸クロライド又は無水脂肪酸と糖アルコールとを原料に用いて直接エステル化する方法、2)低炭素数のアルコールと脂肪酸との縮合物である脂肪酸エステル及び糖アルコールを原料にエステル交換する方法、3)リパーゼのような酵素を触媒とする酵素による方法、4)微生物を用いた発酵法、等の方法で調製することができる。
上記不均化反応に用いる原料としては、糖アルコール脂肪酸モノエステルを単独で用いることも、糖アルコール脂肪酸モノエステルと糖アルコール脂肪酸ジエステルとの混合物を用いることもできる。また、糖アルコール脂肪酸トリエステル、糖アルコール脂肪酸テトラエステル等をさらに含む混合物を原料として用いることもできる。
すなわち、例えば、糖アルコールと脂肪酸の縮合反応による反応生成物として糖アルコール脂肪酸モノエステル及び糖アルコール脂肪酸ジエステルの混合物が得られた場合に、当該混合物から糖アルコール脂肪酸モノエステルを単離して上記不均化反応に供することができ、また当該混合物をそのまま上記不均化反応に供することもできる。
上述したように、本実施形態に係る製造方法における不均化反応では、上記特定の触媒を用いているため、糖アルコール脂肪酸ジエステルから、糖アルコール脂肪酸トリエステルや糖アルコール脂肪酸テトラエステルへの逐次反応がほとんど起こらない。そのため、原料に糖アルコール脂肪酸ジエステルが混在していても、糖アルコール脂肪酸トリエステル等の副生成物はほとんど生じず、高い選択率で糖アルコール脂肪酸ジエステルを得ることができる。
上記不均化反応は、例えば、反応溶媒中に上記触媒及び糖アルコール脂肪酸モノエステルを溶解及び/又は分散させた反応溶液を、所定の反応温度に保持することで行うことができる。
反応溶液中の糖アルコール脂肪酸モノエステルの量は、特に制限されず、例えば、反応溶媒に対する飽和溶解度に応じて適宜調整することができる。例えば、糖アルコール脂肪酸モノエステルを飽和溶解度付近まで反応溶液中に溶解させることで、反応性及び生産性を一層向上させることができる。
また、糖アルコール脂肪酸モノエステルは、反応溶液中で必ずしも溶解していなくてもよく、例えば、糖アルコール脂肪酸モノエステルを飽和溶解度以上に反応溶液中に供してもよい。この場合、反応初期に固体状の糖アルコール脂肪酸モノエステルが存在する、いわゆるスラリー状態での反応となるが、このような場合でも上記不均化反応は進行する。そして上記不均化反応が進行するにつれ、糖アルコール脂肪酸モノエステルは徐々に溶解し、最終的に平衡点に達するまで糖アルコール脂肪酸ジエステルに変換される。
反応溶媒は、不均化反応(エステル交換反応)を阻害しないものであればよく、様々な有機溶媒、イオン性液体、超臨界流体を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオン等のケトン化合物;アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル化合物;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル化合物;t−ブチルアルコール等の3級アルコール化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物;を挙げることができる。イオン性液体としては、例えば、イミダゾリウム系化合物、ピリジニウム系化合物、4級アンモニウム系化合物、ホスフォニウム系化合物等をあげることができ、具体的には、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。超臨界流体については、例えば超臨界二酸化炭素などが挙げられる。
反応溶媒は、脱水処理等を施して、できる限り水分が排除されたものを用いることが好ましい。ごく少量の水分であれば問題はないが、水分の含有量が多くなってくると不均化反応(エステル交換反応)に加えて加水分解反応が競合し、副生成物として脂肪酸が生じやすくなる。脂肪酸が副生成物として生じると、糖アルコール脂肪酸ジエステルの分離・精製が難しくなる場合がある。
反応温度は、35〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、50〜75℃がさらに好ましい。反応温度がこの範囲であると、反応性及び生産性が顕著に向上する。反応温度が低すぎると反応性及び生産性が向上しににくい傾向にあり、また反応温度が高すぎると反応性及び生産性が低下する場合がある。反応温度を高くすることで反応性及び生産性が低下する原因は定かではないが、高温による触媒の劣化や、触媒活性が阻害されること等が考えられる。
上記不均化反応における反応圧力は特に限定されず、大気圧でよい。また、上記不均化反応における気相部の組成は、特に限定されないが、通常、爆発防止等の安全性の観点及び酸化反応抑制の観点から、窒素等の不活性ガスが選択される。
上記不均化反応は、糖アルコール脂肪酸ジエステルの見かけ生成が停止する平衡点に達するまで行うことができる。平衡点に達するまでの時間は、使用する原料の組成、原料の濃度、反応温度、触媒の濃度、反応溶媒種等によって異なる。反応時間は、例えば1〜72時間とすることができる。
上記不均化反応における触媒の使用量は、使用する原料の組成、原料の濃度、反応温度、有機溶媒種等によって適宜調整できるが、少なすぎると生産性の観点から不利となり、多すぎると撹拌等に問題が生じる場合がある。よって、反応溶媒1Lに対する触媒の使用量は、1〜500g/Lとすることが好ましい。
上記不均化反応の反応終了後の反応液には、触媒と、糖アルコール脂肪酸ジエステルと、糖アルコールと、場合により未反応の(又は平衡反応で生じた)糖アルコール脂肪酸モノエステルと、が含まれている。反応溶媒として低極性溶媒を用いた場合には、例えば、固体状の触媒及び糖アルコールを一般的な固液分離方法で反応液から分離した後、反応溶媒を留去することで、糖アルコール脂肪酸ジエステル(又は糖アルコール脂肪酸ジエステルと糖アルコール脂肪酸モノエステルとの混合物)を得ることができる。
また、反応溶媒として極性溶媒を用いた場合には、例えば、反応液に低極性溶媒を添加することで糖アルコールを析出させ、固体状の触媒と析出した糖アルコールとを一般的な固液分離方法で反応液から分離した後、反応溶媒と添加した低極性溶媒とを留去することで、糖アルコール脂肪酸ジエステル(又は糖アルコール脂肪酸ジエステルと糖アルコール脂肪酸モノエステルとの混合物)を得ることができる。
反応液から回収した触媒は、そのまま再度不均化反応に用いることができる。なお、複数回繰り返して不均化反応に使用して、触媒に劣化が生じた場合には、触媒に付着する着色物質等の不純物を、一般的な溶媒洗浄、酸化処理、焼成処理等で除去して、賦活させることができる。
触媒及び糖アルコールを分離した後の反応液は、通常、無色透明であるが、着色が生じている場合には、一般的な過酸化水素水や次亜塩素酸を用いた漂白処理;活性炭、イオン交換樹脂、活性アルミナ等の吸着剤を用いた脱色処理;等で脱色した後、反応溶媒等の留去を行うこともできる。
上記不均化反応の反応形式は、特に制限されず、一般的な撹拌槽を用いたバッチ反応形式;必要原料を添加しながらのセミバッチ反応形式;触媒を一定粒径以上のものに成形して攪拌槽あるいは管型反応器の中に固定化し、必要原料の添加と反応生成物の抜き出しとを同時に行う連続反応形式;等を採用できる。
上記不均化反応における糖アルコール脂肪酸モノエステルの反応転化率は、反応温度、反応時間、触媒の使用量等により適宜調整することができる。好ましい反応転化率は、原料の組成、目的とする生成物に要求される界面活性能をはじめとした物理的特性、等によって異なるが、通常、原料と生成物との界面活性能を比較して差別化が可能な程度に転化させることが好ましい。なお、反応転化率は、原料組成、反応条件等によって定まる平衡転化率以下に限定されることはいうまでもない。糖アルコール脂肪酸モノエステルの反応転化率は、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、多価アルコール脂肪酸モノエステルから多価アルコール脂肪酸ジエステルを製造する方法について記載したが、本発明は、脂肪酸又は脂肪酸誘導体(例えば脂肪酸メチル)と、多価アルコールと、を原料として多価アルコール脂肪酸モノエステル(又は多価アルコール脂肪酸モノエステルと多価アルコール脂肪酸ジエステルとの混合物)を合成する種々の方法と組み合わせて、結果的に、脂肪酸又は脂肪酸誘導体と、多価アルコールと、を原料として多価アルコール脂肪酸ジエステルを製造する方法、とすることもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、その要旨を超えない限り、様々な変更、修飾が可能である。
製造例及び比較例で得られた生成物の分析は、以下の方法で分析した。
(GPC分析)
生成物のGPC分析により、生成物中の多価アルコール脂肪酸モノエステル、多価アルコール脂肪酸ジエステル、多価アルコール脂肪酸トリエステル、多価アルコール脂肪酸テトラエステル、脂肪酸メチル及び脂肪酸の含有量を測定した。具体的には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(株式会社島津製作所製LC−10Avp)を用い、カラムをGPCカラム(東ソー製TSK−GEL G2500HXL(7.8mmID×30cmL×2本直列))、カラム温度を40℃、移動相をTHF、流速を0.5mL/min、検出器をRI(島津製作所製RID−6A)、注入量を10μLとして、測定を行った。
(界面活性能の評価)
生成物の界面活性能の評価は、以下のごとく実施した。すなわち、臨界ミセル濃度(cmc)と臨界ミセル形成時の表面張力(γcmc)とをそれぞれ自動表面張力計(協和界面科学株式会社製CBVP−Z型)で測定した。なお、測定温度は25℃、サンプル調製は0.001〜0.5質量%水溶液とした。
(製造例A−1:グルコースラウリン酸モノエステルの調製)
グルコースラウリン酸モノエステルを、以下の方法で調製した。すなわち、ラウリン酸メチル(和光純薬工業株式会社製)33mmol、D−グルコース(和光純薬工業株式会社製)132mmol、ジメチルスルホキシド(和光純薬工業株式会社製)100mL及び無水炭酸カリウム0.12gを、200mL三ツ口フラスコに仕込み、90℃のオイルバスに漬けて17mmHgの減圧下、スターラー攪拌で3時間反応させた。
得られた反応液を冷却し、エチレングリコールジメチルエーテルで5倍希釈して未反応グルコースを析出させた後、減圧濾過で固形物(無水炭酸カリウム、グルコース)を濾別し、エバポレーターで溶媒を留去して、濃縮乾固物を得た。次にn−ヘプタンで目的物を析出させた後、減圧濾過で未反応の脂肪酸を濾別し、更に減圧乾燥することで、目的物のグルコースラウリン酸モノエステルを固体として得た。
得られたグルコースラウリン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースラウリン酸モノエステルの純度はモル比で96%であった。
(製造例A−2:グルコースアジピン酸モノエステルの調製)
ラウリン酸メチルにかえてアジピン酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、グルコースアジピン酸モノエステルを調製した。得られたグルコースアジピン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースアジピン酸モノエステルの純度はモル比で97%であった。
(製造例A−3:グルコースカプリル酸モノエステルの調製)
ラウリン酸メチルにかえてカプリル酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、グルコースカプリル酸モノエステルを調製した。得られたグルコースカプリル酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースカプリル酸モノエステルの純度はモル比で98%であった。
(製造例A−4:グルコースペラルゴン酸モノエステルの調製)
ラウリン酸メチルにかえてペラルゴン酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、グルコースペラルゴン酸モノエステルを調製した。得られたグルコースペラルゴン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースペラルゴン酸モノエステルの純度はモル比で97%であった。
(製造例A−5:グルコースカプリン酸モノエステルの調製)
ラウリン酸メチルにかえてカプリン酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、グルコースカプリン酸モノエステルを調製した。得られたグルコースカプリン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースカプリン酸モノエステルの純度はモル比で96%であった。
(製造例A−6:グルコースペンタデシル酸モノエステルの調製)
ラウリン酸メチルにかえてペンタデシル酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、グルコースペンタデシル酸モノエステルを調製した。得られたグルコースペンタデシル酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースペンタデシル酸モノエステルの純度はモル比で97%であった。
(製造例A−7:グルコースパルミチン酸モノエステルの調製)
ラウリン酸メチルにかえてパルミチン酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、グルコースパルミチン酸モノエステルを調製した。得られたグルコースパルミチン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースパルミチン酸モノエステルの純度はモル比で96%であった。
(製造例A−8:グルコースドデカン二酸モノエステルの調製)
ラウリン酸(和光純薬工業株式会社製)120mmol、D−グルコース(和光純薬工業株式会社製)120mmol、アセトン(和光純薬工業株式会社製)150mL、固定化Lipase(NovozymeSP435)6.0g、及び、モレキュラーシーブ4A(和光純薬工業株式会社製)30gを、300mL三ツ口フラスコに仕込み、50℃のウォーターバスに漬けて、スターラー攪拌で48時間反応した。
得られた反応液を冷却後、エチレングリコールジメチルエーテルで20倍希釈して未反応グルコースを析出させた後、減圧濾過で、固形物(Lipase、モレキュラーシーブ4A、グルコース)を濾別し、エバポレーターで溶媒を留去して、濃縮乾固物を得た。次に酢酸ヘキシルで目的物を析出させた後、減圧濾過で未反応脂肪酸を濾別し、更に減圧乾燥することで、目的物のグルコースドデカン二酸モノエステルを固体として得た。得られたグルコースドデカン二酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースドデカン二酸モノエステルの純度はモル比で96%であった。
(製造例A−9:フルクトースラウリン酸モノエステルの調製)
D−グルコースにかえてフルクトース132mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、フルクトースラウリン酸モノエステルを調製した。得られたフルクトースラウリン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、フルクトースラウリン酸モノエステルの純度はモル比で97%であった。
(製造例A−10:ガラクトースラウリン酸モノエステルの調製)
D−グルコースにかえてガラクトース132mmolを用いたこと以外は、製造例A−1と同様の方法により、ガラクトースラウリン酸モノエステルを調製した。得られたガラクトースラウリン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、ガラクトースラウリン酸モノエステルの純度はモル比で98%であった。
(実施例A−1)
製造例A−1で調製したグルコースラウリン酸モノエステルを原料に、市販のMgAl(OH)16CO・zHOを触媒にして、不均化反応を行った。具体的には、グルコースラウリン酸モノエステル0.037g、触媒0.04g及び反応溶媒として1,2−ジメトキシエタン1mLを、2mLスクリュー管瓶に仕込み、恒温振とう式インキュベーターを用いて反応温度60℃、24時間反応を行った。
反応終了後、反応液を1,2−ジメトキシエタンで約5倍希釈した後、PTFE製0.2μmフィルター処理で触媒及びグルコースを除き、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は30%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。なお、モノエステル転化率は下記式(a)で求めることができ、ジエステル選択率は下記式(b)で求めることができる。
モノエステル転化率(%)=(原料モノエステル(mol)−未反応モノエステル(mol))/原料モノエステル(mol) …(a)
ジエステル選択率(%)=生成したジエステル(mol)/生成したジエステル、トリエステル及びテトラエステルの総量(mol) …(b)
(実施例A−2)
反応時間を48時間にしたこと以外は、実施例A−1と同様にしてグルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は75%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。また、得られた混合物中のグルコースラウリン酸ジエステルとグルコースラウリン酸モノエステルのモル比(ジエステル:モノエステル)は、4:6であった。
得られた混合物について、上記の方法で界面活性能の評価を行ったところ、cmc=5×10−5[M]、γcmc=33[mN/m]という値であり、高い界面活性能を有することが明らかとなった。また、グルコースラウリン酸モノエステルについて同様に界面活性能評価を行ったところ、cmc=1×10−3[M]、γcmc=46[mN/m]であった。実施例A−2の混合物とグルコースラウリン酸モノエステルの界面活性能評価結果を、図1に示す。
また、得られた混合物にn−ヘプタンを加えて、グルコースラウリン酸モノエステルを析出させた後、固形物を減圧濾過で濾別し、エバポレーターで溶媒を留去して、グルコースラウリン酸ジエステルを固体として得た。得られたグルコースラウリン酸ジエステルについて、GPC分析を行ったところ、グルコースラウリン酸ジエステルの純度はモル比で100%であった。
(実施例A−3)
触媒の使用量を0.12gとし、反応時間を3時間としたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は28%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−4)
触媒の使用量を0.12gとし、反応時間を7時間としたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は42%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−5)
触媒の使用量を0.4gとし、反応時間を3時間としたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は36%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−6)
触媒の使用量を0.4gとし、反応時間を7時間としたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は49%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−7)
触媒として市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は32%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−8)
触媒として市販のMgAl(OH)12CO・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は31%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−9)
触媒として市販のMg10Al(OH)24Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は28%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−10)
触媒として市販のMg10Al(OH)24CO・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は25%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−11)
触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は26%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−12)
触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は24%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−13)
触媒として市販のCaMgAl(OH)10Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は25%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
実施例A−1〜A−13の反応条件及び得られた混合物の分析結果を、表2に示す。
Figure 0005666693
(実施例A−14)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからジエチレングリコールに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は31%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−15)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからアセトンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は37%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−16)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからジエチルケトンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は20%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−17)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからジプロピルケトンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は24%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−18)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからジブチルケトンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は22%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−19)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからアセトニトリルに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は38%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−20)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからクロロホルムに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は25%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−21)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからヘキサメチレンジアミンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は38%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−22)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからジメチルスルホキシドに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は37%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−23)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからn−ヘキサンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は28%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−24)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからn−ヘプタンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は23%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−25)
反応溶媒を1,2−ジメトキシエタンからn−オクタンに変更したこと以外は実施例A−8と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率は6%、グルコースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
実施例A−8、A−14〜A−25の反応条件及び得られた混合物の分析結果を、表3に示す。
Figure 0005666693
(実施例A−26)
原料としてグルコースアジピン酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースアジピン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースアジピン酸モノエステル転化率は15%、グルコースアジピン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−27)
原料としてグルコースカプリル酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースカプリル酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースカプリル酸モノエステル転化率は9%、グルコースカプリル酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−28)
原料としてグルコースペラルゴン酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースペラルゴン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースペラルゴン酸モノエステル転化率は12%、グルコースペラルゴン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−29)
原料としてグルコースカプリン酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースカプリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースカプリン酸モノエステル転化率は32%、グルコースカプリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−30)
原料としてグルコースカプリン酸モノエステル0.037gを用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースカプリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースカプリン酸モノエステル転化率は30%、グルコースカプリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−31)
原料としてグルコースペンタデシル酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースペンタデシル酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースペンタデシル酸モノエステル転化率は25%、グルコースペンタデシル酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−32)
原料としてグルコースペンタデシル酸モノエステル0.037gを用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースペンタデシル酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースペンタデシル酸モノエステル転化率は30%、グルコースペンタデシル酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−33)
原料としてグルコースパルミチン酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースパルミチン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースパルミチン酸モノエステル転化率は28%、グルコースパルミチン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−34)
原料としてグルコースパルミチン酸モノエステル0.037gを用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースパルミチン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースパルミチン酸モノエステル転化率は32%、グルコースパルミチン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−35)
原料としてグルコースドデカン二酸モノエステル0.037gを用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法によりグルコースドデカン二酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、グルコースドデカン二酸モノエステル転化率は26%、グルコースドデカン二酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−36)
原料としてフルクトースラウリン酸モノエステル0.037gを用い、触媒として市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、フルクトースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、フルクトースラウリン酸モノエステル転化率は23%、フルクトースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−37)
原料としてフルクトースラウリン酸モノエステルを0.037gを用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、フルクトースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、フルクトースラウリン酸モノエステル転化率は30%、フルクトースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−38)
原料としてガラクトースラウリン酸モノエステルを0.037gを用い、触媒として市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを0.04g用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、ガラクトースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、ガラクトースラウリン酸モノエステル転化率は24%、ガラクトースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例A−39)
原料としてガラクトースラウリン酸モノエステルを0.037gを用いたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、ガラクトースラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、ガラクトースラウリン酸モノエステル転化率は32%、ガラクトースラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
実施例A−26〜A−39の反応条件及び得られた混合物の分析結果を、表4に示す。
Figure 0005666693
(実施例A−40〜A−47)
反応温度を、それぞれ35℃(実施例A−40)、40℃(実施例A−41)、45℃(実施例A−42)、50℃(実施例A−43)、60℃(実施例A−44)、75℃(実施例A−45)、90℃(実施例A−46)、100℃(実施例A−47)とし、反応時間を3時間としたこと以外は、実施例A−1と同様の方法により、グルコースラウリン酸エステル混合物を得た。
各実施例で得られた混合物の一部で、それぞれGPC分析を実施したところ、グルコースラウリン酸モノエステル転化率及びグルコースラウリン酸ジエステル選択率は表5に記載のとおりであった。また、図2は、実施例A−40〜A−47における不均化反応の反応温度とモノエステル転化率との関係を示す図である。
Figure 0005666693
(比較例A−1)
実施例A−1における触媒を、ハイドロタルサイト構造を有しない無機酸化物MgAlにかえて反応を行ったところ、不均化反応はまったく進行しなかった。
(製造例B−1:イノシトールカプリン酸モノエステルの調製)
カプリン酸メチル(和光純薬工業株式会社製)11mmol、ミオイノシトール(和光純薬工業株式会社製)33mmol、ジメチルスルホキシド(和光純薬工業株式会社製)100mL及び無水炭酸カリウム0.30gを、200mL三ツ口フラスコに仕込み、90℃のオイルバスに漬けて50mmHgの減圧下、スターラー攪拌で4時間反応させた。
得られた反応液を冷却し、エチレングリコールジメチルエーテルで5倍希釈して未反応ミオイノシトールを析出させた後、減圧濾過で固形物(無水炭酸カリウム、ミオイノシトール)を濾別し、エバポレーターで溶媒を留去して、濃縮乾固物を得た。次にn−ヘプタンで目的物を析出させた後、減圧濾過で未反応の脂肪酸を濾別し、更に減圧乾燥することで、目的物のイノシトールカプリン酸モノエステルを固体として得た。得られたイノシトールカプリン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、イノシトールカプリン酸モノエステルの純度はモル比で89%であった。
(製造例B−2:イノシトールラウリン酸モノエステルの調製)
カプリン酸メチルにかえてラウリン酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例B−1と同様の方法により、イノシトールラウリン酸モノエステルを調製した。得られたイノシトールラウリン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、イノシトールラウリン酸モノエステルの純度はモル比で83%であった。
(製造例B−3:イノシトールパルミチン酸モノエステルの調製)
カプリン酸メチルにかえてパルミチン酸メチル33mmolを用いたこと以外は、製造例B−1と同様の方法により、イノシトールパルミチン酸モノエステルを調製した。得られたイノシトールパルミチン酸モノエステルについて、GPC分析を行ったところ、イノシトールパルミチン酸モノエステルの純度はモル比で72%であった。
(実施例B−1)
製造例B−1で調製したイノシトールカプリン酸モノエステルを原料に、市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを触媒にして、不均化反応を行った。具体的には、イノシトールカプリン酸モノエステル0.4g、触媒0.04g及び反応溶媒としての1,2−ジメトキシエタン1mLを、2mLスクリュー管瓶に仕込み、恒温振とう式インキュベーターを用いて反応温度60℃、24時間反応を行った。
反応終了後、反応液を1,2−ジメトキシエタンで約5倍希釈した後、PTFE製0.2μmフィルター処理で触媒及びイノシトールを除き、イノシトールカプリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールカプリン酸モノエステル転化率は22%、イノシトールカプリン酸ジエステル選択率は100%であった。なお、モノエステル転化率は下記式(a)で求めることができ、ジエステル選択率は下記式(b)で求めることができる。
モノエステル転化率(%)=(原料モノエステル(mol)−未反応モノエステル(mol))/原料モノエステル(mol) …(a)
ジエステル選択率(%)=生成したジエステル(mol)/生成したジエステル、トリエステル及びテトラエステルの総量(mol) …(b)
(実施例B−2)
触媒として市販のMgAl(OH)12CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−1と同様の方法により、イノシトールカプリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールカプリン酸モノエステル転化率は25%、イノシトールカプリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−3)
触媒として市販のMgAl(OH)16CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−1と同様の方法により、イノシトールカプリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールカプリン酸モノエステル転化率は20%、イノシトールカプリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−4)
製造例B−2で調製したイノシトールラウリン酸モノエステルを原料に、市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを触媒にして、不均化反応を行った。具体的には、イノシトールラウリン酸モノエステル0.4g、触媒0.04g及び反応溶媒としての1,2−ジメトキシエタン1mLを、2mLスクリュー管瓶に仕込み、恒温振とう式インキュベーターを用いて反応温度60℃、24時間反応を行った。
反応終了後、反応液を1,2−ジメトキシエタンで約5倍希釈した後、PTFE製0.2μmフィルター処理で触媒及びイノシトールを除き、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は34%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−5)
触媒として市販のMgAl(OH)12CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は31%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−6)
触媒として市販のMgAl(OH)16CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は34%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−7)
触媒として市販のMg10Al(OH)24Cl・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は28%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−8)
触媒として市販のMg10Al(OH)24CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は26%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−9)
触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は28%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−10)
触媒として市販のCaAl(OH)10Cl・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は29%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−11)
触媒として市販のCaMgAl(OH)10Cl・zHOを用いたこと以外は、実施例B−4と同様の方法により、イノシトールラウリン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールラウリン酸モノエステル転化率は34%、イノシトールラウリン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−12)
製造例B−3で調製したイノシトールパルミチン酸モノエステルを原料に、市販のMgAl(OH)12Cl・zHOを触媒にして、不均化反応を行った。具体的には、イノシトールパルミチン酸モノエステル0.4g、触媒0.04g及び反応溶媒としての1,2−ジメトキシエタン1mLを、2mLスクリュー管瓶に仕込み、恒温振とう式インキュベーターを用いて反応温度60℃、24時間反応を行った。
反応終了後、反応液を1,2−ジメトキシエタンで約5倍希釈した後、PTFE製0.2μmフィルター処理で触媒及びイノシトールを除き、イノシトールパルミチン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールパルミチン酸モノエステル転化率は24%、イノシトールパルミチン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−13)
触媒として市販のMgAl(OH)12CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−12と同様の方法により、イノシトールパルミチン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールパルミチン酸モノエステル転化率は26%、イノシトールパルミチン酸ジエステル選択率は100%であった。
(実施例B−14)
触媒として市販のMgAl(OH)16CO・zHOを用いたこと以外は、実施例B−12と同様の方法により、イノシトールパルミチン酸エステル混合物を得た。得られた混合物の一部でGPC分析を実施したところ、イノシトールパルミチン酸モノエステル転化率は23%、イノシトールパルミチン酸ジエステル選択率は100%であった。
(比較例B−1)
実施例B−4における触媒を、ハイドロタルサイト構造を有しない無機酸化物MgAlにかえて反応を行ったところ、不均化反応はまったく進行しなかった。
実施例B−1〜B−14及び比較例B−1の反応条件及び得られた混合物の分析結果を、表6に示す。
Figure 0005666693
本発明の製造方法によれば、効率的に多価アルコール脂肪酸ジエステルを得ることが可能となる。

Claims (10)

  1. ハイドロタルサイト化合物を含有する触媒の存在下、多価アルコール脂肪酸モノエステルを反応させて、多価アルコール脂肪酸ジエステルを得る工程を備える、多価アルコール脂肪酸ジエステルの製造方法。
  2. 前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールが、糖又は糖アルコールである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ハイドロタルサイト化合物が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
    (M2+1−x(M3+(OH2+x−y(An−y/n (1)
    [式中、M2+は二価の金属イオンを示し、M3+は三価の金属イオンを示し、An−はn価の陰イオンを示し、xは0.1〜0.5の正数を示し、yは0.1〜0.5の正数を示し、nは1又は2の整数を示す。]
  4. 前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸の炭素数が4〜24である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールが、単糖類である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記単糖類が、グルコース、フルクトース及びガラクトースからなる群より選択される、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記多価アルコール脂肪酸モノエステルを構成する多価アルコールが、イノシトールである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記イノシトールがミオイノシトールである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記工程が、エーテル化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化アルキル化合物、3級アルコール化合物、アミド化合物、アミン化合物、スルホキシド化合物及び炭素数5〜8の鎖状炭化水素化合物からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒を含む反応溶液中で行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記工程における反応温度が50〜100℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
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