JP5665573B2 - 繊維強化プラスチック板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図5は、従来のドライファブリックを用いた一方向繊維強化プラスチック板の構造を模式的に示す断面図である。同図に示すように、繊維強化プラスチック100は、マトリックス樹脂102と、マトリックス樹脂102を補強する繊維シートS1〜S4とを有する。各繊維シートS1〜S4を構成する繊維束104は、開繊により扁平形状になっている。そして、繊維束104の断面長軸方向が繊維強化プラスチック100の板厚方向と直交している。
このように本来発現すべき圧縮強度が得られない原因は、板厚方向の繊維束104のうねり(蛇行)と、板厚方向に積層された繊維シートS1〜S4の層間のマトリックス樹脂102とにある。すなわち、板厚方向の繊維束104のうねりがあると、繊維方向に沿った圧縮荷重が繊維強化プラスチック板100に付与された場合に、面外方向の力が発生し座屈やせん断破壊が起こりやすくなる。また、マトリックス樹脂102自体の弾性率及び破断強さが小さいため、繊維方向に沿った圧縮荷重によって面外方向に変形しようとする繊維束104をマトリックス樹脂が支えられない、あるいはマトリックス樹脂102そのものが破壊されてしまうという現象が起きてしまう。
この繊維強化プラスチック板に圧縮荷重が付与された場合、圧縮荷重を負担するFRP層([A]層)の変形がFRP層([B]層)によって防止されるから、繊維強化プラスチック板全体としての圧縮荷重が向上する。
また、繊維束を板厚方向に略直交する方向に積層したので、単独での弾性率及び破断強さが小さいマトリックス樹脂が板厚方向の層間において少なくなる。このため、繊維方向に沿った圧縮荷重の付与時における繊維強化プラスチック板の面外方向の変形が抑制されるとともに、繊維強化プラスチック板の座屈破壊及びせん断破壊の起点が低減される。
したがって、繊維強化プラスチック板が本来発現すべき圧縮強度が得られやすくなり、圧縮強度を大幅に向上させることができる。
これに対し、上記繊維強化プラスチック板では、板厚方向に略直交する方向に繊維束が積層されているので、面内方向に湾曲させて成形可能であり、繊維束を湾曲方向に沿って連続させることができる。このため、湾曲形状であるにもかかわらず理論強度に近い強度が得られる。
また、繊維束を板厚方向に略直交する方向に積層したので、単独での弾性率及び破断強さが小さいマトリックス樹脂が板厚方向の層間において少なくなる。このため、繊維方向に沿った圧縮荷重の付与時における繊維強化プラスチック板の面外方向の変形が抑制されるとともに、繊維強化プラスチック板の座屈破壊及びせん断破壊の起点が低減される。
したがって、繊維強化プラスチック板が本来発現すべき圧縮強度が得られやすくなり、圧縮強度を大幅に向上させることができる。
第1実施形態に係る繊維強化プラスチック板について説明する。図1は、第1実施形態に係る繊維強化プラスチック板の構造を模式的に示す断面図である。同図に示すように、繊維強化プラスチック板1は、マトリックス樹脂2と、マトリックス樹脂2を補強する繊維束4とを有する。
また繊維束4は、多数のフィラメントが束にまとめられたものであり、繊維束4を構成する繊維には、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の公知の繊維を用いることができる。なお、繊維束4がカーボン繊維からなる場合、板厚方向の繊維束4のうねりが繊維強化プラスチック板1の圧縮荷重に与える影響が大きいから、本実施形態による圧縮強度改善の大きな効果を享受できる。
このため、繊維束4のうねりは板厚方向ではなく、板厚方向に略直交する方向に生ずることとなり、繊維強化プラスチック板1に繊維方向に沿った圧縮荷重が付与されても、繊維束4のうねりに起因する力は主として面内方向に生じ、面外方向の力はほとんど生じない。よって、圧縮荷重が付与された場合における、繊維強化プラスチック1の座屈やせん断破壊の発生を抑制できる。
また、繊維束4を板厚方向に略直交する方向に積層したので、単独での弾性率及び破断強さが小さいマトリックス樹脂2が板厚方向の層間において少なくなる。このため、繊維方向に沿った圧縮荷重の付与時における繊維強化プラスチック板1の面外方向の変形が抑制されるとともに、繊維強化プラスチック板1の座屈破壊及びせん断破壊の起点が低減される。
したがって、繊維強化プラスチック板1が本来発現すべき圧縮強度が得られやすくなり、圧縮強度を大幅に向上させることができる。
図2は、プリプレグの積層により繊維強化プラスチック板1を作製する様子を示す図である。同図に示すように、繊維束4にマトリックス樹脂2を含浸させたプリプレグ6を繊維強化プラスチック板1の板幅方向に積層して成形する。
このとき、繊維強化プラスチック板1の板厚に合わせて予め裁断されたプリプレグ6を板厚方向に積層して繊維強化プラスチック板1を得てもよいし、幅広のプリプレグ6を積層して得られた直方体状の積層体を所望の板厚に裁断して繊維強化プラスチック板1を得てもよい。前者の場合、プリプレグ6の積層数を減らして作業効率を向上させる観点から、繊維強化プラスチック板1の板厚の2倍の幅を有するプリプレグ6を二つ折にしたものを積層し、繊維強化プラスチック板1を作製してもよい。
次に、第2実施形態に係る繊維強化プラスチック板について説明する。図3は、第2実施形態に係る繊維強化プラスチック板の構成例を示す斜視図である。
図4は、従来の繊維強化プラスチック板において繊維を長手方向に分割した様子を示す図である。同図に示すように繊維強化プラスチック板110では、分割線L1〜L3において繊維束が分割されている。このため、繊維強化プラスチック板110は、繊維束が湾曲方向に沿って連続していないため、強度が十分とはいえない。
なお、図3に示す例では、繊維強化プラスチック板10は面内方向だけでなく面外方向にも湾曲している。
第1実施形態に係る繊維強化プラスチック板1を、以下のようにして作製した。
実施例1と同様に、第1実施形態に係る繊維強化プラスチック板1を、以下のようにして作製した。
第2実施形態に係る繊維強化プラスチック板10を、以下のようにして作製した。
2 マトリックス樹脂
4 繊維束
6 プリプレグ
10 繊維強化プラスチック板
100 繊維強化プラスチック板
102 マトリックス樹脂
104 繊維束
110 繊維強化プラスチック板
Claims (6)
- マトリックス樹脂と、
前記マトリックス樹脂を強化する複数の繊維束とを備える繊維強化プラスチック板であって、
前記繊維束は、板厚方向に略直交する板幅方向に積層され、
前記繊維束の断面は扁平形状を有し、前記繊維束の断面の長軸方向が前記繊維強化プラスチック板の板厚方向に沿っていることを特徴とする繊維強化プラスチック板。 - 前記繊維束は、前記板厚方向及び前記板幅方向を含む平面に直交する繊維方向に沿って連続していることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック板。
- 前記マトリックス樹脂が、前記板幅方向の層間よりも、前記板厚方向の層間において少ない請求項1に記載の繊維強化プラスチック板。
- 前記繊維束は、カーボン繊維からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック板。
- 面内方向に湾曲した形状を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック板であって、
前記繊維束が湾曲形状に沿って連続していることを特徴とする繊維強化プラスチック板。 - 前記繊維束に前記マトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを板幅方向に積層して成形することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の繊維強化プラスチック板の製造方法。
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