JP5664977B2 - 支持部材の配設構造、及び太陽電池パネルを含む外装構造 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載の固定構造は、ピース状の支持部材10に、流れ方向に連続する桟部材20を固定し、該桟部材20に太陽電池パネル2を載置して固定する構造である。
しかしながら、このように桟部材を流れ方向に連続させる場合、太陽電池を流れ方向に何枚配するかによって、2枚用、3枚用等のように異なる長さの桟部材を用意するか、長尺な桟部材を現場にて切断して用いられている。
前者の場合には、想定される枚数分の桟部材をそれぞれ準備(製品として)し、さらにこのような長さの異なる桟部材は、サイズが異なるパネル毎に用意する必要があり、部材数が膨大になり、管理が煩雑になるという問題があった。
後者の場合には、工場や現場にて都度切断するため手間がかかるという問題があるとともに、切断した余り(部材のロス)が発生するという問題もあった。
また、太陽電池を敷設する場合、このような桟部材を複数列配設するが、固定部材の施工誤差、固定部材へ支持部材を取り付けるときの施工誤差や、桟部材の長さ等に成形時(加工時)の誤差等があると、軒先、棟側等に出っ張りや引っ込みができ、太陽電池の周辺に取り付けられる化粧カバー等が「出」によって取り付けられない恐れもあった。このような「出」は、連続材であるが故に流れ方向の数カ所で固定されているため調整が難しいものである。
また、固定部材が、対向する側壁と、レベル調整手段とを有し、前記側壁には水上側に向かって開口する長孔溝が形成され、支持部材は、締着部材の大径部を収納し、且つ締着部材をスライド可能に保持する溝部を有し、前記支持部材を、前記固定部材の側壁間に配設し、前記支持部材の溝部に、締着部材の大径部を収納した状態で、水上側から固定部材に取り付け可能である場合には、締着部材の大径部を支持部材の溝部に収納した状態で固定部材に水上側から取り付け可能であり、しかも締着部材は溝部内をスライド可能(相対的に支持部材の位置調整が可能)であるため、任意の位置に調整して締着することができる。なお、この締着部材としては、汎用のボルトを用いることができる。
そのため、面倒な手間を必要とすることもなく、部材の落下等も生じ難く、特殊な構成のナットを用いる必要もなく、極めて容易に太陽電池パネルを設置する支持部材を取り付けることができる。
前記太陽電池は、特にその構成及び形状を限定するものではなく、多結晶,単結晶,アモルファス等のシリコン系、化合物系、有機系などどのような太陽電池を用いてもよい。
この態様の固定部材において、前記持出部とは側壁を指し、この持出部に設けられる取付部とは長孔溝を指す。
この態様の取付受部とは、溝部に保持される締着部材を指す。
この締着部材としては、予め緩くナットを連結しておいてもよく、この状態でも大径部(頭部)を支持部材の溝部に収納した状態で固定部材に水上側から取り付け可能であるから、ナットを落下させることなく、速やかに締着作業に取りかかることができる。
締着部材の大径部を支持部材の溝部に収納した状態で固定部材に水上側から取り付け可能であり、しかも締着部材は溝部内をスライド可能(相対的に支持部材の位置調整が可能)であるため、任意の位置に調整して締着することができる。なお、この締着部材としては、汎用のボルトを用いることができる。
特に締着部材として、予め緩くナットを連結しておくことにより、固定部材に水上側から取り付けて速やかに締着することができる。
したがって、前述の従来の固定構造に比べて面倒な手間を必要とすることもなく、部材の落下等も生じ難く、特殊な構成のナットを用いる必要もなく、極めて容易に太陽電池パネルを直接的又は間接的に設置する支持部材を取り付けることができる。
即ち図1(a)に示す第1実施例では、水下側及び水上側に、比較的短尺の定尺材である支持部材1A,1Aを用い、それ以外には比較的長尺の支持部材1A'を用いており、図1(b)に示す第2実施例では、水下側及び水上側を含む流れ方向の全体に沿って比較的短尺の定尺材である支持部材1Aのみを配設した構造である。
また、図2(b),(d)は、図2(c)と同様に太陽電池パネル6W,6Nを流れ方向に3枚ずつ(3列ずつ)敷設したものであり、図2(b)の太陽電池パネル6Wは前記太陽電池パネル6Aよりも幅広サイズであり、図2(d)の太陽電池パネル6Nは前記太陽電池パネル6Aより幅狭サイズであり、それぞれに応じて桟部材5Aの位置が設定され、微調整することができる。このように取り付ける太陽電池パネル6W,6A,6Nの寸法に応じてどのような屋根面の長さにも対応できることが明らかである。
即ち図示実施例の外装構造は、対向する側壁(持出部)22を有する固定部材2Aと、締着部材3aの大径部31を収納し、且つ締着部材3aをスライド可能に保持する溝部11a,11aを有する支持部材1Aとからなる持出構造により固定された支持部材1Aに、桟部材5Aを介して間接的に太陽電池パネル6Aを固定してなる。
図示実施例の固定部材2Aは、側壁22,22が水上側に設けられ、水下側には内側が、内側が開放する略コ字状の保持部23,23が設けられているピース材である。この保持部23は、上方への規制手段の一態様である。
また、前記固定部21には、複数の孔211が設けられ、孔211に固定具20にて下地4Cに固定するが、図3(b)に示すように孔211(固定具20頭部)や固定部21の下面及び周縁には接着材兼シーリング材25が配されている。
また、この側壁22に設けられる長孔溝222は、前述のように水上側に向かって開口しており、前記折曲部221より上方に設けられ、後述する支持部材1Aの溝部11aに大径部31が収容された状態の締着部材3Aが遊嵌可能である。
このレベル調整手段24の役割については、図5に示すように、一点鎖線で示された取付基準面にレベル調整したものであり、図面の右側が水上側、左側が水下側を示すが、この固定部材2Cの取付位置が水上側或いは水下側にずれたとしても、図示するように取付基準面に沿ってレベル調整手段24を調整した支持部材1Aを固定すればよく、太陽電池パネル6Aを敷設する際にレベル調整をする必要が無く、容易に太陽電池パネル6Aを敷設することができる。なお、ここで用いた固定部材2Cは、図6(c)に示すように側壁22に折曲部221が設けられない以外は、前記固定部材2Aと全く同様である。
図示実施例の支持部材1Aは、中央に空間部12を有する略門型成形体である比較的短尺な定尺材であって、左右及び頂部に合計5つの溝部11a〜11cを有する構成であり、各溝部11a〜11cは、何れも内部に断面が略矩形状の空間を備え、開放部に内側へせり出した突出部が設けられ、内部空間に収納する取付ボルト等の脱落を防止する構成である。
そして、図示実施例では、水下(軒側)、水上(棟側)が間隔を介して分割状(非連続状)に配するようにしている。図4(a)が水下側の納めを示し、図4(b)が水上側の納めを示している。なお、この図4において、7B,7Cは納めカバー材を示す。
なお、この締着部材3aは、前記支持部材1Aの溝部11aに保持されるので、取付受部に相当する。
図示実施例の桟部材5Aは、図4(c)に示すように高さの中程に、太陽電池パネル6Aのフレーム材6bの下端を支持する段状部51,51が設けられ、頂部53には、隣接する太陽電池パネル6A,6A間を塞ぐ覆い材7aや納めカバー材7B,7C等がビス止めされる。また、流れ方向に向く両下端に、略L字状の係止片52,52を有し、該係止片52に被さるように押さえ材5bが配設され、前記支持部材1Aの溝部11bに保持させた締着部材3cとナット3dにて取り付けられている。
また、流れ方向に隣接する太陽電池パネル6A,6A間に、覆い材7aを配してビス止めすることにより、水下側の太陽電池パネル6Aのフレーム材6bを、覆い材7aと桟部材5Aとで挟むように一体的に固定すると共に、太陽電池パネル6A,6A間へのゴミ等の浸入を防止している。
図3(a)には、(1)前記固定部材2Aの固定部21に設けた複数の孔211に、固定具20を打ち込んで下地4Cに固定すること、(2)前記固定部材2Aを前記六角ボルトである締着部材3aを支持部材1Aの溝部11aに挿入すること、(3)該締着部材3aを固定部材2Aの長孔溝222に遊嵌させること、(4)更に締着部材3aの雄ねじ部分に座金とワッシャーと共にナット3bを取り付けること、(5)固定部材2Aの水上側のスレート屋根材4Cの下面に水切り板4Dを配設すること、(6)支持部材1Aの溝部11bに締着部材3cを保持させ、押さえ部材5bにて前記桟部材5Aを押さえ付けて座金とワッシャーと共にナット3dを締め付けて取り付けること、が矢印で示され、加えて(7)前記桟部材5Aに対し、流れ方向に隣接する太陽電池パネル6A,6Aを、覆い材7aを介在させつつ取り付けることが示されているが、それらの手順は特に限定するものではない。
特に前記(2)〜(4)の作業に関し、前述のように予め締着部材3aには緩くナット3bを連結しておいてもよい。より詳しくは締着部材3aの雄ねじ部分の先端付近にナット3bを螺合しておき、この状態で、締着部材3aの頭部31を支持部材1Aの溝部11aに収納し、ナット3bを把持しつつ、既に下地4Cに固定した固定部材2Aの長孔溝222に、水上側からスライドさせるように臨ませて取り付ける。締着部材3aを固定部材2Aの長孔溝222にスライド状に取り付ける操作は、支持部材1Aを固定部材2Aの側壁22,22間にスライド状に取り付けつつ行う。
また、固定部材2Aにレベル調整手段24を設けているので、太陽電池パネル6A等の外設部材を敷設する際にレベル調整をする必要が無く、そのために部材や時間を必要とすることなく、容易に太陽電池パネル6A等の外設部材を敷設することができる。
また、この図示実施例では、固定部材2Aの側壁22が、支持部材1Aを包持する折曲部221を有するので、この構成自体が前記上方への規制手段の一態様となるばかりでなく、傾斜状の側壁22(の上半)に長孔溝222を設けることとなるため、締着作業をより容易に行うことができる。即ち前記支持部材1Aの溝部11aが外側やや上方が開放する構成と相俟って、締着部材3aの雄ねじ部分が外側やや上方へ向いているため、この状態でナット3bを締め付けるレンチ等の治具の回動操作も容易となる。
さらに、この図示実施例では支持部材1Aを、流れ方向に沿って、水下側、水上側が間隔を介して分割状(非連続状)に配するようにしたので、配設位置の微調整を行っても、他の支持部材1Aに影響を及ぼすことがない。しかも、部材作製(製造)や管理の観点からも、取り扱いが容易な所定寸法の支持部材1Aを用意しておけばよいので、この点でも望ましい。
図6(a)に示す固定部材2Aは、前記図示実施例にも用いたので、既に説明したとおりであるが、側壁22には長孔溝222の水下側に略円状の孔223を設けているので、この孔223から図示しないビスを打ち込んで支持部材1Aとビス止めしてもよい。このビスも、上方への規制手段の一態様である。
この固定部材2Bでは、前記上方への規制手段として前記固定部材2Aと同様に折曲部221が支持部材1Aを包持する効果が果たされる。さらに側壁22,22間に支持部材1Aを保持する部分が前記固定部材2Aより大きいので、支持部材1Aのぐらつき(仮置き)を押さえる作用が大きい。
この固定部材2Cでは、前記上方への規制手段として前記固定部材2Aと同様に保持部23が支持部材1Aの被保持部14を保持する効果が果たされる。
この固定部材2Dでは、前記上方への規制手段が設けられていないが、側壁22,22間に支持部材1Aを保持する部分が前記固定部材2Aより大きいので、支持部材1Aのぐらつき(仮置き)を押さえる作用は大きい。
図7(a),(b)の実施例における固定部材2Eは、屋根面4Cに固定する第1部材26と、該第1部材26の表面側の全外周を覆う第2部材27と、前記第1部材26及び前記第2部材27を連結する第3部材28とからなり、前記第1部材26は、屋根面に防水材261を介して固定する固定部262と該固定部262に立設した縦杆263とを備え、前記第2部材27は、前記第1部材26を覆う被覆部271の外側に屋根面に防水材272を介して接地させる接地部273を周設し、前記被覆部271には前記縦杆263を挿通させる挿通孔を設け、前記第3部材28は、前記縦杆263に取り付けて締着することにより、前記第2部材27を屋根面に圧着するものである。この固定部材2Eにおいて、縦杆263が持出部であり、ナットである第3部材28が取付部に相当する。
また、図7(a),(b)の実施例における支持部材1Bは、両側面16,16上端が内側へ折曲(折曲部161)された略樋状の断面構成を有し、底面17には、長さ方向に延びる通孔171が設けられている。この支持部材1Bにおいて、通孔171が取付受部に相当する。
そして、前記構成の固定部材2Eを下地4Cに固定すると共に一体的に組み付け、その縦杆(持出部)263に、前記支持部材1Bの通孔(取付受部)171を貫通させ、第3部材(ナット)28を締め付けることにより、前記固定部材2Eと前記支持部材1Bとを一体化することができる。
さらに、固定された支持部材1Bには、桟部材5Eがボルトナットにて固定され、更に流れ方向に隣接する太陽電池パネル6A,6Aが固定され、その配設間隔には覆い材7dが配設されている。
また、固定された支持部材1Cには、桟部材5Fがボルトナットにて固定され、該桟部材6Fには流れ方向に沿う流水部材8が取り付けられ、更に流れ方向に隣接する太陽電池パネル6A,6Aが固定され、その配設間隔には覆い材7eが配設されている。
11a〜11c 溝部
2A〜2E 固定部材
21 固定部
22 持出部(側壁)
222 長孔溝(取付部)
23 保持部
24 レベル調整手段
3a 締着部材(取付受部)
31 大径部
3b ナット
4C 下地(スレート屋根材)
5A 桟部材
6A 太陽電池パネル
7a 覆い材
7B,7C 納めカバー材
Claims (3)
- 下地上に固定される固定部材に取り付けられ、流れ方向に直交するように配される桟部材を介して外設部材が設置される支持部材の配設構造であって、
前記固定部材は、下地に固定する固定部と、固定部から立ち上がる持出部として左右一対の側壁と、レベル調整手段とを有し、前記持出部に設けられる取付部として水上側に向かって開口する長孔溝と、を有し、
前記支持部材は、締着部材の大径部を収納し、且つ締着部材をスライド可能に保持する溝部を有し、前記固定部材の取付部に取り付けられる取付受部として溝部に保持される締着部材を有し、
流れ方向に沿って配設される前記支持部材は、少なくとも水下側、水上側が間隔を介して分割状に構成され、前記支持部材を、前記固定部材の側壁間に配設し、前記支持部材の溝部に、前記締着部材の大径部を収納した状態で、水上側から前記固定部材の前記長孔溝に取り付け可能であり、任意の位置にて前記固定部材に対して前記支持部材を締着することができることを特徴とする支持部材の配設構造。 - 支持部材は、定尺材からなると共に、下地上に固定される固定部材毎に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の支持部材の配設構造。
- 請求項1又は2に記載の配設構造により固定された支持部材に桟部材を介して間接的に外設部材として太陽電池パネルを固定してなることを特徴とする太陽電池パネルを含む外装構造。
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