JP5664404B2 - 金属化合物−導電剤複合体およびそれを用いてなるリチウム二次電池、および金属化合物−導電剤複合体の製造方法 - Google Patents

金属化合物−導電剤複合体およびそれを用いてなるリチウム二次電池、および金属化合物−導電剤複合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属化合物−導電剤複合体とそれを用いてなるリチウム二次電池、および金属化合物−導電剤複合体の製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、リチウム2次電池の電極材の少なくとも一部に用いた際に高容量化と高出力化を共に達成しうる、リチウムイオンの電荷移動特性に適合した金属化合物−導電剤複合体と該複合体を用いたリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池は、従来のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて、高電圧・高エネルギー密度が得られる電池として小型・軽量化が図れることから、携帯電話やラップトップパソコンなど情報関連のモバイル通信電子機器に広く用いられている。今後更に環境問題を解決する一つの手段として電気自動車・ハイブリッド電気自動車などに搭載する車載用途あるいは電動工具などの産業用途に利用拡大が進むと見られている一方、リチウム二次電池の更なる高容量化と高出力化が切望されている。
リチウム二次電池は少なくともリチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正極と負極、そして正極と負極を隔絶するセパレータを容器内に配置し、非水電解液を充填して構成されている。
正極はアルミニウム等の金属箔集電体に活物質、導電助剤および結着剤を含有する電極剤を塗布し加圧成形したものである。一般的に正極の活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)などに代表されるリチウムと遷移金属の複合酸化物(以後、リチウム金属酸化物と称することがある。)の粉体が用いられているほか、V等の金属酸化物やTiS、MoS、NbSeなどの金属化合物等も利用されているが、特にリチウム金属酸化物は小型電池としての性能は優れている一方、クラーク数の低い、いわゆるレアアースを含有していて、コスト面や安定供給面から避けられる傾向にあり、特に近年では資源的に豊富で安価な材料である鉄を含有したリン酸鉄リチウム(LiFePO)等が開発・利用され始めている。
また負極は銅などの金属箔集電体に、正極同様に活物質や導電助剤および結着剤を含有する電極剤を塗布し加圧成形したものであり、一般に負極の活物質としては、金属リチウムやLi−Al合金等のリチウム合金、SiOやSiC、SiOC等を基本構成元素とするケイ素化合物、ポリアセチレンやポリピロール等のリチウムをドープした導電性高分子、リチウムイオンを結晶中に取り込んだ層間化合物や天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボンなどの炭素材料等が用いられており、最近ではリチウムイオンとコンバージョン反応しうる酸化マンガン(MnO)や酸化コバルト(CoO)などの金属酸化物も検討され始めている。
これら正極あるいは負極の電極剤の調製は、従来、以下のように行われていた。すなわち、炭酸リチウム(LiCO)や水酸化リチウム(LiOH)等のリチウム化合物粉末と、炭酸マンガン(MnCO)や酸化マンガン(MnO,Mn,Mn)、酸化コバルト(CO)等の金属化合物粉末とで構成される活物質前駆体数種の混合物を500〜1500℃で反応させる固相合成用により反応させて活物質を得て、更に粉砕して得られた活物質粉末に、活物質の重量比で数%〜数十%程度の導電助剤、例えば黒鉛粉末やカーボンブラック等の炭素粉を混ぜ、結着剤と呼ばれるPVdF(ポリフッ化ビリニデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)あるいはSBR(スチレン−ブタジエンゴム)等の高分子材料とNMP(n−メチル−2−ピロリドン)等の溶媒を混練してペースト状にして集電体箔上に厚み10μm〜200μmに塗布、乾燥、プレス工程を経て形成する手法である。特に近年、前記金属酸化物系の材料は比較的安価であることもあって、正極あるいは負極の活物質として採用が検討されつつあるが、従来の金属化合物も含め、電極の活物質として用いた場合、全般的に大きく2つの課題があった。
1点目は活物質粒子の大きさである。電池としての充放電レート特性向上には、リチウムの挿入・脱離の反応面積の増大あるいは活物質粒子内のリチウム拡散パス(拡散経路)の短小化が重要で、これは活物質粒子を微細にして比表面積を大きくすることによって達成しうる。しかし前記の固相合成法による製造では固相反応のため得られる活物質が大粒径化し易く、得られた化合物を活物質として用いるには粉砕して微細化する必要があった。しかも粉砕を行ったとしてもサブミクロン(数百nmオーダー)以下に粒子径を小さくするのは非常に困難であった。
2点目に活物質自体の導電性の低さである。リチウム二次電池の高容量化に寄与するとされる金属酸化物系の活物質の電気伝導率は10−1〜10−6S/cmと従来活物質として用いられてきたコバルト系活物質と比べて非常に低いことから、該活物質と集電体間もしくは活物質相互間の電気伝導率を更に高めるべく導電助剤が添加されている。しかし該導電助剤は粒子の凝集力が強いことから、導電助剤同士で凝集してしまい、活物質と導電助剤の均一分散あるいは活物質と導電助剤間の良好な接触(電子が通る導電パス)形成を達成することが難しかったため、結果的に、活物質の導電性向上は不十分で本来活物質が持ちうる容量を最大限利用できない等の課題があった。
これらの課題、すなわち活物質を微細粒子化しつつ導電助剤を効果的に担持させて活物質の性能を十分に引き出すという課題を解決する試みが多数なされている。例えば、液体中で導電助剤の存在下、活物質の前駆体を合成・共沈させ、最終的に焼成によって活物質を合成して複合粒子を得る技術が開示されている(例えば、特許文献1あるいは2参照。)。これら技術においては、液相中で活物質の前駆体を合成させるものの、やはり最終的には400℃以上の焼成処理が必須で、本質的に焼成での固相反応のため活物質は大粒径化しやすいこと、また導電助剤が水系液相で凝集しやすいため活物質−導電助剤間の良好な接触が望めず、結果的に複合粒子中の活物質−導電助剤間の電気的接触はバラツキが生じやすく性能向上効果は乏しいものであった。
また活物質に導電性を付与すべく、活物質の表面上に炭素を担持させる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。該技術は、あらかじめ炭素前駆体となる有機物が炭素−リン酸鉄複合体とリン酸リチウムの共沈物に含有され、焼成工程において該有機物が炭素ネットワークを形成することによって活物質の電気伝導性を高めるものであるが、前述特許文献1あるいは2と同様、コスト的に不利な焼成処理を経た活物質は大粒子径化しやすい点、また活物質表面に存在する炭素ネットワークは確かに良好な接触が発現しやすい一方、該炭素化物は導電性獲得に不利な不純物を含み易く、結果として活物質の導電性を向上させるには限界があった。
あるいは、活物質を導電剤表面に形成させる技術が開示されている(例えば非特許文献1参照。)。該技術は水熱法と呼ばれる高温・高圧下・水溶液中での合成手法を採用し、酸化グラフェン上に酸化マンガンのナノ粒子を生成させて活物質と導電助剤の間の良好な接触を有する複合体を得るものである。しかし該手法では、高圧下反応を行うために密閉系の特殊な製造設備が必要で汎用性に欠けかつ生産性に劣り、しかも水溶液を元にした反応であるためグラフェンの凝集が起こりやすく、ナノ粒子の酸化グラフェン上への生成率が低くなり、結果として導電性を向上させた均質な生成物を得るのは困難であった。
特開2002−117831号公報(特許請求の範囲、段落(0048)) 特開2007−35295号公報(特許請求の範囲) 特開2009−301813号公報(特許請求の範囲)
「Mn3O4−Graphene Hybrid as a High−Capacity Anode Material for Lithium Ion Batteries],Journal of American Chemical Society,2010年,第132号,p.13978−13980
前述のように、活物質表面上への炭素担持技術については十分な担持がなされておらず、活物質自体の導電性向上が不十分であった。またリチウムの挿入・脱離および固定に関しては、活物質の粒子径が過大だとスムーズなリチウム挿入・脱離が起こりにくく、過小でもリチウムが固定されにくいために容量の低減を招く恐れがあり、いずれにしても活物質の所望の性能が発現していなかった。従って本発明者らはこれら課題を解決すべく、活物質の粒子径をより成長させて適度にコントロールすると同時に導電剤表面への活物質の担持率向上を図るべく鋭意取り組んだものである。
すなわち本発明の目的は、リチウムの挿入・脱離挙動を制御しうる特性をもつことで電池の高容量化と高出力化を達成する金属化合物−導電剤複合体、その複合体を用いてなる電極剤、更には該電極剤を用いてなるリチウム2次電池、および前記金属化合物−導電剤複合体の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の構成を採用するものである。
(1)酸素原子を含有する金属化合物からなる粒子が導電剤表面に接合した金属化合物−導電剤複合体であって、金属化合物粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であり、金属化合物粒子が導電剤表面の30%以上の面積を占めて接合してなることを特徴とする金属化合物−導電剤複合体。
(2)広角X線回折法での回折ピーク強度の上位3つから算出される金属化合物粒子の結晶子サイズが25nm以上である前記(1)に記載の金属化合物−導電剤複合体。
(3)導電剤が繊維状またはシート状の炭素微粒子である前記(1)または(2)に記載の金属化合物−導電剤複合体。
(4)電子顕微鏡で観察される金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化合物−導電剤複合体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属化合物−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする電極材。
(6)前記(5)に記載の電極材を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
(7)金属化合物前駆体を非水系溶媒に混合する工程(A)、混合した液体状物を加熱する工程(B)、導電剤を混合する工程(C)、再び加熱して最小径の平均が5nm以上50nm以下の金属化合物粒子を導電剤上に担持させた金属化合物−導電剤複合体(熱処理前金属化合物−導電剤複合体)を得る複合化工程(D)と、該熱処理前金属化合物−導電剤混合物を200℃〜1200℃の温度で10分〜30時間熱処理する熱処理工程と、を含んでなることを特徴とする金属化合物−導電剤複合体の製造方法。
本発明の金属化合物−導電剤複合体は、金属化合物粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であることを特徴とする。例えば本発明の金属化合物−導電剤複合体をリチウム2次電池の電極剤となした場合に、粒子の最小径の平均が15nm以上であるという特徴を有することにより、挿入・脱離過程において金属化合物の結晶相にリチウムがしっかりと固定され、電池を構成する場合に高容量化に寄与しうると考えられる。
なぜなら、一般的に金属化合物粒子の表面から5nmの厚さの領域は、リチウムの挿入・脱離が頻繁に行われるもののリチウムは固定されない領域であり、すなわち粒子の最小径の平均が10nm以下の場合は、高容量化の観点で用をなさない。しかし粒子の最小径の平均が15nm以上であることにより、金属化合物粒子中にリチウムが固定される領域を設けることとなると考えられる。
また、粒子の最小径の平均が100nm以下であることにより、リチウムの挿入・脱離過程において金属化合物の結晶相に固定されたリチウムが脱離する際、スムーズに行われ、電池を構成する場合に高出力化に寄与しうるし、粒子径が小さいことにより充放電を繰り返した場合の劣化が少ない、すなわちサイクル特性にも優れることとなると考えられる。
そして本発明の金属化合物粒子は酸素原子を含有する金属化合物であることを特徴としており、これにより導電剤と複合体を形成する際に強固な接合が達成され、さらに本発明の金属化合物−導電剤複合体は金属化合物粒子が導電剤表面に30%以上接合していることにより、金属化合物と導電剤との間の電荷の授受がスムーズに達成される。
本発明の金属化合物は酸素原子を有する金属化合物である。酸素原子を含有することで金属化合物が導電剤と強固に接合しうるし、また金属化合物自体が後述するような用途で安定した電気化学的性能を発現しうる。そして本発明の金属化合物が含む金属原子の数および種類は、本発明の目的の1つとしているリチウム二次電池用電極剤に用いる場合やその他の目的など、それぞれに応じて適宜選択されればよいが、1種類でも2種以上の複数種類でも良い。ただし均質な化合物が安定して得られるという点で6種類以下が好ましい。
これら金属化合物に選ばれる金属原子としてはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y),チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、セレン(Se)、テルル(Te)等が挙げられる。
この中でも前記アルカリ金属二次電池用電極剤として用いるにあたって、好適な金属化合物に主として含有される場合に、電池の構成イオンとして存在するアルカリ金属としてリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく用いられ、その他に二次電池の電極剤中の活物質として良好な特性を発現しうるストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、鉛が好ましく用いられる。そして優れた拡散性能を持つという点で、アルカリ金属であるリチウムとナトリウムが特に好ましく用いられ、また活物質として優れた電気化学特性を発現しうるチタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ストロンチウム、亜鉛が特に好ましく用いられる。
そしてこれら金属化合物としては、酸素原子を含有する好ましいものとして金属酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらのハロゲン化物が挙げられる。具体的には、金属酸化物としては酸化鉄(FeO,Fe,Fe)、酸化コバルト(CoO,Co,Co)、酸化マンガン(MnO,MnO,Mn,Mn)、酸化ニッケル(NiO,Ni、NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO、CuO)、酸化セシウム(CsO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化スカンジウム(Sc)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化バナジウム(VO、V、VO、V)、酸化ニオブ(NbO,Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化クロム(CrO、Cr,CrO,)、酸化モリブデン(MoO、Mo、MoO、Mo、MoO)、酸化タングステン(WO、W、WO)、酸化ロジウム(Rh、RhO)、酸化イットリウム(Y)、酸化パラジウム(PdO)、酸化白金(PtO、PtO)、酸化銀(AgO、AgO)、酸化金(Au)、酸化カドミウム(CdO)、酸化ガリウム(Ga)、酸化インジウム(In)、酸化タリウム(TlO、Tl)、酸化ゲルマニウム(GeO、GeO)、酸化スズ(SnO、SnO、SnO)、酸化鉛(PbO、PbO、Pb)、酸化アンチモン(Sb,Sb)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セレン(SeO、Se、SeO、SeO)、酸化テルル(TeO、TeO、TeO)が挙げられ、また複数種の金属原子を含む複合酸化物としてはKFeO、NaFeO、LiFeO、CsFeO、AgFeO、SrFeO、MgFeO、CaFeO、BaFeO、YFe12、ZnFeO、ZnFe、MnFe等の鉄酸塩、PbCrO、FeCr、MgCr等のクロム酸塩、BaTiO、KTi13、SrTiO、CaTiO、MgTiO、PbTiO、AlTiO、FeTiO、(Bi0.5Na0.5)TiO等のチタン酸塩、KTaO等のタンタル酸塩、NaNbO、KNbO等のニオブ酸塩、FeWO、MnWO、PbWO、CaWO等のタングステン酸塩、PbMoO、CaMoO等のモリブデン酸、YVO等のバナジン酸塩、Pb(SbO等のアンチモン酸塩のほか、複数種の金属酸塩であるチタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti1−x)Oが挙げられる。またリン酸塩としてはCePO、Fe(PO、Zn(PO、Ni(PO等が挙げられる。
そしてこれら酸素原子を含有する更に好ましい金属化合物としては、前述の金属酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらのハロゲン化物の、リチウムまたはナトリウムをアルカリ金属源とするアルカリ金属複合化合物が挙げられる。具体的にはマンガン酸リチウム(LiMnO、LiMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、バナジウム酸リチウム(LiV、LiVO、LiV),ニオブ酸リチウム(LiNb、LiNbO)、鉄酸リチウム(LiFeO、LiFeO)、チタン酸リチウム(LiTi12、LiTiO)、クロム酸リチウム(LiCrO)、ルテニウム酸リチウム(LiRuO)、銅酸リチウム(LiCuO)、亜鉛酸リチウム(LiZnO)、モリブデン酸リチウム(LiMoO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、タングステン酸リチウム(LiWO)等の金属酸リチウム塩およびこれらリチウム塩のリチウムをナトリウムに置き換えたナトリウム塩あるいはリチウムとナトリウムの両方を含む複合塩といった金属酸アルカリ金属複合化合物(以下同様にアルカリ金属はリチウムまたはナトリウムを指す)が挙げられる。
そのほかには、LiMnPO、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiTi(POなどのリン酸アルカリ金属複合化合物、LiFeSiO、LiMnSiO、LiCoSiO、LiNiSiOなどのケイ酸アルカリ金属複合化合物、LiMnPOF、LiFePOF、LiCoPOF、LiNiPOF、LiTi(PO)F、LiMn(PO)F、LiCo0.75Mg0.25(PO)F、LiVAl(PO)F、LiFeV(PO)F、LiTi(PO)F、Li(PO)、LiTi(PO)F、LiFe(PO)、LiTiFe(PO)F、LiTiCa(PO)F、LiTi0.75Fe1.5(PO)F、LiFeZn(PO)F、LiFeZn(PO)F、Li(PO)、LiMn0.5Al0.5(PO)F3.5や、Li1+y1x2 1−xPOやLi1x2 1−xPO(ここでMとMは同じでも異なってもよくFe,Co,Ni,Mn,Mg、Cu、Sbから選ばれてなる金属で0≦x≦1、0≦y≦2)、などの一般式で表されるハロゲン化リン酸アルカリ金属複合化合物(ここでハロゲンとしてはフッ素原子以外に置換可能なものとして塩素;Cl、臭素;Brも含む)、LiMnSOF、LiFeSiOF、LiCoSiOF、LiNiSiOF、LiMnCo(SiO)F、LiMnNi(SiO)F、LiVAl(SiO)F、LiFeMn(SiO)、LiMn(SiO)F、LiFeAl(SiO)Fなどのハロゲン化ケイ酸アルカリ金属複合化合物、が本発明でのより好ましい金属化合物として挙げられる。
さらにその他にもリン酸・ケイ酸複合酸化物として、例えばリチウム化合物を具体的に記すと、LiFeCo(PO)(SiO)F、LiMnCo(PO)(SiO)F、LiVAl(PO)(SiO)F、LiMnV(PO)(SiO)F、LiCoFe(PO)(SiO)F、LiTi(SiO)(PO)F、などが挙げられる。
これら金属化合物は単独で用いても複数種を任意の割合で用いても良い。そしてこれら酸素原子を有する金属化合物は化合物自体の構造安定化のために極少量の金属原子、好ましくはMg,Ca,Ba,V,Sr,Zr,Cr,Mo、Rb、Cs、Sc、Y、Ti、V、Nb、W、Rh、Ir、Cu、Ag、Zn、Cd、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Seの金属原子を含有されるLi原子数の10分の1の割合以下で含んでも良い。なおこれら金属化合物の同定は下記実施例B.項の方法によりなされる。
本発明の金属化合物からなる粒子は、金属化合物の種類に応じて多種多様な形状を取り得る。具体的には球状、多面体、ラグビーボール型、棒状、中心から複数本の棒が突出している星型などが挙げられるが、後述する導電剤と確実に接合しやすいことから多面体あるいは棒状であることが好ましく、粒子としての比表面積がより大きいことから多面体が最も好ましい。
これらの中で特に好ましいものとして具体的には正四面体、正五面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体である正多面体、切頂四面体、切頂六面体、切頂八面体、切頂十二面体、切頂二十面体、立方八面体、二十・十二面体、斜方立方八面体、変形立方体である半正多面体、平行六面体、正六角柱、菱形十二面体、長菱形十二面体である平行多面体、三角錐、四角錐である角錐、その他にも錐台、柱体が挙げられる。
本発明の金属化合物−導電剤複合体は、金属化合物粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であることを特徴とする。例えば本発明の金属化合物−導電剤複合体をリチウム2次電池の電極剤となした場合に、粒子の最小径の平均が15nm以上であるという特徴を有することにより、挿入・脱離過程において金属化合物の結晶相にリチウムがしっかりと固定され、電池を構成する場合に高容量化に寄与しうると考えられる。
一般的に金属化合物粒子の表面から5nmの厚さの領域は、リチウムイオン(以後Liと略記することがある)の挿入・脱離が頻繁に行われるもののLiは固定されない領域であり、すなわち粒子の最小径の平均が10nm以下の場合は、高容量化の観点で用をなさないことを本発明者らは突き止めた。従来の文献にある検討例ではカーボン材料の上に成長した活物質粒子の大きさは10nm以下であった。するとLiが自由に出入りできる一方、リチウムイオンが固定化されるはずの結晶相が無いため、結果的に電池の活物質となした場合に容量が小さくなるのである。
しかし本発明では粒子の最小径の平均が15nm以上であることにより、金属化合物粒子中にLiが固定される領域を設けることとなる。また一方で粒子の最小径の平均が100nm以下であることにより、Liの挿入・脱離過程において金属化合物の結晶相に固定されたLi脱離がスムーズに行われる。前述のようにLiは表面から5nmよりも奥の結晶相に取り込まれ固定化されるが、粒径が大きすぎると結晶相に取り込まれた粒子の出入りが容易ではなく、電池の出力特性が悪くなる。よって100nm以下とすることで電池を構成する場合に高出力化に寄与しうるし、粒子径が小さいこと自体、充放電を繰り返した場合の劣化が少ない、すなわちサイクル特性にも優れることとなる。そして、該金属化合物粒子の最小径の平均は、Liの挿入・脱離がより効率的に達成可能であることから20nm以上80nm以下であることがより好ましい。なお該金属化合物粒子の最小径の平均は下記実施例A.項の方法にて測定して求める。
そして本発明の金属化合物−導電剤複合体における金属化合物の粒子中には粒子を構成する結晶子サイズが解析により求まり、広角X線回折法(XRD法)での回折ピーク強度の上位3つから算出される金属化合物粒子の結晶子サイズが25nm以上であることを好ましい特徴として採用しうる。該XRD法の解析により求まる金属化合物粒子の結晶子サイズは本質的に解析に供試された試料での平均値であり、前述のリチウムイオンの挿入・脱離に関して、該結晶子サイズが大きいほどLiが固定される大きな領域を有する、すなわち容量が大きくなることを意味するため、好ましい特性を有することとなる。そして該金属化合物粒子の結晶子サイズは30nm以上であることが特に好ましい。なお該結晶子サイズは下記実施例B.項の方法にて求める。
本発明における導電剤は金属微粒子をはじめとして多種多様のものを必要とされる性能や用いられる金属化合物に応じて適宜採用できるが、化学的に安定性が高いという点で炭素微粒子からなる導電剤であることが好ましい。具体的な炭素微粒子として、導電性ファーネスブラック、導電性ケッチェンブラックあるいは導電性アセチレンブラック等のカーボンブラック、単層カーボンナノチューブ(以下カーボンナノチューブをCNTと略記することがある)や2層以上を有する複層CNT、気相成長炭素繊維(以下VGCFと略記することがある)、カップスタック型CNT、カーボンナノホーン等のカーボンチューブ、カーボン六員環が連続してシートを形成した単層グラフェンあるいは複数枚のグラフェンからなる複層グラフェンなどの他、ポリマー繊維を焼成して得られた後に破砕して得られるミルドカーボン繊維やポリマー繊維からなる不織布を焼成して得られるカーボン不織布シートおよび破砕して得られるミルドカーボン不織布、ポリマーシートを焼成して得られた後に破砕して得られるミルドカーボンシート、などが挙げられ好適に用いられるが、導電性発現に関して近隣の導電剤同士の接触頻度が高まり、安定した導電パスが形成され高効率での電子授受がなされることから、繊維状またはシート状の構造を有する炭素微粒子がより好ましい。
また該繊維状またはシート状の構造であることで、特に本発明の金属化合物−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてリチウム二次電池の電極剤となした場合に、繊維状あるいはシート状の導電剤が三次元的なネットワーク構造を形成しやすく、二次電池中の集電体への電気伝導性がより高まることもあり、好ましい。
そして単層CNTや複層CNT、VGCF、カップスタック型CNT、カーボンナノホーン等のカーボンチューブや、単層グラフェンや複層グラフェン、ミルドカーボン繊維、ミルドカーボン不織布シート、ミルドカーボンシートが好ましい導電剤であり、更により高い導電性を有するという点で、単層CNTや複層CNT、VGCF、単層グラフェンや複層グラフェン、ミルドカーボン不織布シート、ミルドカーボンシートがより好ましく、比表面積が大きく金属化合物と密着性が高いという点で繊維状である複層CNTやVGCF、シート状である単層グラフェンや複層グラフェン、ミルドカーボン不織布シートが特に好ましい。ここでミルドカーボン不織布シートにおける不織布を形成するカーボン繊維の繊維径は2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが特に好ましく、300nm以下であることが最も好ましい。外カーボン繊維は細いほど好ましいものの、高い導電性を有しつつも構造を維持しうる強度を保持するために繊維径は1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。
なお比表面積が大きいという点では繊維状である複層CNTやVGCFの直径は2nm〜300nmであることが好ましく、5nm〜200nmであることがより好ましい。そしてこれら導電剤の導電性(体積抵抗率)は5000[Ω・cm]以下のものが好ましく用いられ、特に好ましい範囲としては、1.0×10−6[Ω・cm]〜500[Ω・cm]である。ここで該体積抵抗率は、下記実施例C.項の方法にて測定して求める。
本発明の金属化合物−導電剤複合体は金属化合物粒子が導電剤表面に30%以上接合してなる。接合とは本発明における金属化合物粒子が強い力を受けても導電剤上の付いている場所から動くことも離れることもない態様を指す。該接合していることの判断は下記実施例G.項の方法にてなされる。詳しいことはよく分かっていないが、おそらくは金属化合物中に存在する酸素原子が、金属化合物と導電剤とが複合体を形成する際に強固な接合を形成するものと推測している。そして本発明の金属化合物−導電剤複合体は金属化合物粒子が導電剤表面の30%以上の面積を占めて接合してなることで、金属化合物と導電剤との間の電荷の授受がスムーズに達成される。より好ましくは40%以上であり、特に好ましくは50%以上の面積を占めて接合してなることである。該導電剤表面の面積に占める割合は下記実施例H.項の方法にて判断される。
そして該金属化合物粒子と導電剤の接合部に関しては、電子顕微鏡で観察される金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行であることがより好ましい特徴となる。平行であることで前述した金属化合物と導電剤との接合が強固であることが証明されるとともに、金属化合物粒子が導電剤表面に電気伝導性が高い状態で接合していることとなり、金属化合物と導電剤との間の電荷の授受がロスを発生させることなく確実かつ迅速に達成され、電池を構成する場合に高容量化に寄与しうる。該電子顕微鏡で観察される金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行であることの確認は共に下記実施例A.項の方法にてなされる。
以下、本発明の金属化合物−導電剤複合体の好ましい製造方法を例示する。
本発明の金属化合物−導電剤複合体は、酸素や水分などが関与する副反応が抑制され、目的とする金属化合物−導電剤複合体の製造が効率的に達成されることから不活性気体雰囲気下で好ましく製造される。不活性気体としてはヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素が容易に安価で入手可能という点で好ましく採用され、不活性気体の割合(純度)は99.9%以上が好ましく用いられる。
本発明での金属化合物は、後述する金属化合物前駆体を用いて、化学反応を経て本発明で目的とする金属化合物に変化して得られる。従って金属化合物前駆体には金属となる原子が単数もしくは複数含まれる。
該金属化合物前駆体中に選ばれてなる金属となる原子の種類は前述しているが、化合物の一成分として用いられるにあたって、その化合物としては、塩酸塩、弗酸塩(フッ化物)、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などのカルボン酸塩、アセチルアセトン化合物、水酸化物が好ましく採用される。特に、金属化合物を好適な大きさに制御が容易という点で、炭酸塩、カルボン酸塩、水酸化物がより好ましく用いられる。その中でもカルボン酸が特に好ましく用いられ、ギ酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩が好ましいものとして挙げられる。
具体的に、好ましいとする金属化合物前駆体は、まずアルカリ金属源として、塩化リチウム、臭化リチウム、フッ化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、りん酸リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、ステアリン酸リチウム、リチウムアセチルアセトナート、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、メタケイ酸リチウム等のリチウム化合物およびその水和物、あるいは同様のナトリウム化合物およびその水和物が挙げられる。
また二次電池中の電気化学反応で優れた特性を発現しうる金属源として、2価の塩化マンガン、2価の臭化マンガン、2価の炭酸マンガン、2価の硝酸マンガン、2価の硫酸マンガン、2価または3価のリン酸マンガン、二ギ酸マンガン、2価または3価の酢酸マンガン、2価のステアリン酸マンガン、2価または3価のマンガンアセチルアセトナート、2価の乳酸マンガン、シュウ酸マンガン、2価の安息香酸マンガン、3価のトリフルオロ酢酸マンガン等のマンガン化合物およびその水和物、あるいは同様のチタン化合物、バナジウム化合物、モリブデン化合物、タングステン化合物、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、亜鉛化合物およびそれらの水和物が挙げられる。
これら金属化合物前駆体は単独で用いても、また本発明の目的を損ねない範囲で複数種を同時に用いてもよい。また本発明で用いる金属化合物前駆体は水和水を有する化合物であっても良いが、水和物を含有しないことが好ましい。
また本発明の金属化合物合成に供される前駆体として具体的にはリン酸、無水ケイ酸(SiO)などが好ましく用いられる。
これら前駆体を用いて、本発明の金属化合物−導電剤複合体は、金属化合物前駆体を、必要に応じて他の前駆体も添加して非水系溶媒に混合する工程(A)、混合した液体状物を加熱する工程(B)、導電剤を混合する工程(C)、再び加熱して金属化合物−導電剤複合体をえる複合化工程(D)、の4つの主な工程で、まず最小径の平均が5nm以上50nm以下の金属化合物粒子を導電剤上に担持させた金属化合物−導電剤複合体(以下「熱処理前金属化合物−導電剤複合体」という場合がある。)を得、これを熱処理することで、製造することができる。
工程(A)〜(D)においては、高沸点の非水系溶媒を採用することにより、水由来の副反応を抑制しつつ、反応温度を高くすることが可能となり反応効率が高まるため好ましく、溶媒の種類によっては、水の沸点よりも高温での反応を遂行可能である。また該手法の採用は、従来の固相反応法が高温気体中で反応を行う際に非効率な熱伝達であった点と比較して、熱伝達が良く低温で好ましく遂行されることを意味する。以後、これら4つの工程を具体的に説明する。
工程(A)での撹拌は混合効率の点から撹拌棒による撹拌や混練撹拌が好ましく採用される。そして非水系溶媒の種類としては、用いる溶媒中の水分が0.1wt%以下で50℃以下の温度で液体である溶媒が好ましく用いられ、さらに工程(B)で金属化合物前駆体と相互作用する溶媒が好ましく用いられ、具体的には飽和モノカルボン酸または不飽和モノカルボン酸が好ましく用いられる。この場合、非水系溶媒の沸点は150℃以上350℃以下であると高温反応に適しており好適に採用しうる。
工程(B)では、前記金属化合物前駆体と非水系溶媒との混合物を加熱することで、相互作用した溶液を得る。金属化合物前駆体は非水系溶媒と混合した際、殆ど溶解しない場合が多いが、工程(D)で導電剤と効率的に接合させるには工程(B)で加熱して金属化合物前駆体と非水系溶媒とが相互作用した複合体を調製しておくことが好ましい。この場合、既に極微細な、ナノオーダーの大きさの金属化合物微粒子が生成して非水系溶媒と複合化している場合がある。なおこの工程(B)での加熱温度は120℃以上320℃以下が好ましい。また金属化合物前駆体、あるいは他の前駆体など、前駆体が複数種となる場合には、添加する金属化合物前駆体の種類の数だけ、1種類ずつ(A)→(B)→(A)→(B)→・・・と工程操作を繰り返すことが好ましい。
工程(B)で加熱したのち、工程(C)で導電剤を混合する。導電剤の粒子は一般的に相互作用が強いため凝集し易い傾向にあり、特に前述のように好ましいとする繊維状あるいはシート状の構造を有するカーボン系微粒子の導電剤の場合は微粒子同士が互いに絡み合っていて、より強い力で混合して分散させる必要がることから、混練撹拌、メディア分散、超音波混合がより好ましい手法であり、メディア分散と超音波分散が特に好ましい。この特に好ましいとされる超音波分散に関しては、印可周波数と印可出力が高いほど混合する力が強くなり好ましいものの、印可周波数としては20kHz以上が好ましく、30kHz以上がより好ましい。また印可出力は50W以上が好ましく、100W以上がより好ましい。
なお工程(C)における導電剤を混合する手法は、1種のみでも複数種を併用しても良い。また混合にかける時間は一般的に長い方が導電剤が均一に分散する傾向があり好ましいものの、一方で過度に長時間行うことで導電剤自体が劣化して導電性が劣ることもあるため、5分以上3時間以下が好ましく、10分以上1時間以下が特に好ましい。なお該導電剤については、前述の通り水の副反応の影響を可能な限り除外するために、あらかじめ加熱乾燥によって乾燥した導電剤を混合に用いることが好ましい。
導電剤を混合したのち、工程(D)で再び加熱する。この時、工程(A)とは異なる別種の非水系溶媒を混合、均質化した後、加熱することが本発明の金属化合物−導電剤複合体を得るうえで生成量が増大するといった効果が現れやすく好ましい。ここで該別種の非水系溶媒としては、用いる溶媒中の水分が0.1wt%以下で50℃以下の温度で液体である溶媒が好ましく用いられ、工程(A)の非水系溶媒と異なる種類のものであって、直鎖状、分岐状あるいは環状の飽和脂肪族1級、2級または3級アミンや、不飽和脂肪族1級、2級または3級アミンが好適に用いられる。なおこれら好ましいとされる工程(D)での非水系溶媒の沸点は150℃以上350℃以下であることが好ましい。
なお工程(D)で加熱する際には撹拌してもしなくとも良いが、過度に撹拌した場合には金属化合物の粒子成長が発現しにくいこともあるため、弱い撹拌が好ましい。また(D)での加熱温度は高いほど好ましく、150℃以上350℃以下が好ましく、さらに加熱時の昇温速度が高いほど金属化合物が好ましい大きさでかつ揃った大きさになりやすいことから、5℃/分以上の昇温速度であることが好ましい。
上記工程(A)〜(D)では、用いる金属化合物前駆体および導電剤はあらかじめ加熱乾燥によって乾燥したものを用いることが好ましい。加熱雰囲気は窒素(N)やアルゴン、ヘリウムなどの不活性気体の雰囲気下あるいは真空ポンプなどによる真空下で乾燥することが好ましい。
工程(D)にて最小径の平均が5nm以上50nm以下の金属化合物粒子を導電剤上に担持させた金属化合物−導電剤複合体が得られ、該熱処理前金属化合物−導電剤複合体は濾過、遠心分離、スプレードライ等種々の分離方法で非水系溶媒を除去して単離される。一例として、n−ヘキサンなどの非極性溶媒で熱処理前金属化合物−導電剤複合体の表面に存在する非水系溶媒を洗浄、分離除去して、エタノールなどの揮発性溶媒でn−ヘキサンを更に除去するなどの操作を繰り返すことにより熱処理前金属化合物−導電剤複合体の粉末が得られる。
続いて、該熱処理前金属化合物−導電剤複合体は粉末で得たのち、200℃〜1200℃の温度で10分〜30時間熱処理する熱処理工程を経ることが好ましい。得られた粉末を200℃〜1200℃の高温で熱処理することにより、金属化合物と導電剤複合体を確実に接合することが可能となるほか、導電剤と複合した金属化合物粒子の結晶化度が高まり、また結晶サイズも大きくなることもあって後述するような用途で用いる際により性能が高まるため好ましく、さらに残存溶媒が除去される等の効果も生じる。
しかし熱処理温度が200℃未満であると接合の強化あるいは金属化合物粒子の結晶化が十分に進まないことがあり、不純物相が存在して均質な金属化合物−導電剤複合体を得られないことがある。一方熱処理温度が1200℃を上回ると結晶化が過剰に進行して金属化合物の粒子が過度に大きくなり、金属化合物粒子と導電剤との接触面積が減少して電子伝導性が下がり、十分な放電容量を得られないことがある。
そして該熱処理温度は、300℃〜1000℃とすることが特に好ましい。該熱処理方法としてはヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下での熱処理、あるいは真空下での熱処理が好ましく採用される。また熱処理時間は金属化合物粒子の結晶サイズがより適度な大きさになる点で20分〜12時間が特に好ましい。
熱処理後の金属化合物−導電剤複合体の取り出しについては、該熱処理後の金属化合物−導電剤複合体の取り出し温度、すなわち大気中に暴露する際の該熱処理後の金属化合物−導電剤複合体の温度は200℃未満とすることが好ましく、150℃以下とすることがより好ましい。該熱処理後の金属化合物−導電剤複合体の取り出し温度は低いほど好ましく、熱処理後の金属化合物−導電剤複合体中に不純物が生成されることを防止できる。そして取り出し温度の下限は季節に依らず室温(概ね0℃〜35℃の範囲)となる。なおこれら熱処理後の金属化合物−導電剤複合体の冷却は熱処理炉内で行うが、このときの冷却方法は自然冷却でも良くまた強制冷却でも良い。ただし冷却時間の短縮、すなわち作業効率を考慮した場合には強制冷却が好ましい。そして該強制冷却の場合には、熱処理炉内を上述の100ppm(体積)以下の酸素濃度とした不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
以上のように、本発明の金属化合物−導電剤複合体の製造方法では、金属化合物前駆体を非水系溶媒に混合する工程(A)、混合した液体状物を加熱する工程(B)、導電剤を混合する工程(C)、再び加熱して粒子の最小径の平均が5nm以上50nm以下の金属化合物粒子を導電剤上に担持させた金属化合物−導電剤複合体複合体(熱処理前金属化合物−導電剤複合体)を得る複合化工程(D)を含んでなることを特徴としている。
非水系液体中で行うことで、導電剤は均一分散が可能で金属化合物粒子が導電剤上に容易に担持しうる。また粒子の最小径の平均が5nm以上50nm以下の金属化合物粒子が担持されていることで、熱処理工程において金属化合物粒子は結晶化の進行と共に粒子径の成長が見られ、機能発現に適した粒子径、すなわち粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下の金属化合物粒子となる。
また本発明の金属化合物−導電剤複合体の製造方法では、該熱処理前金属化合物−導電剤複合体を200℃〜1200℃の温度で10分〜30時間熱処理する熱処理工程を含んでなることを特徴としている。該温度範囲とすることで採用した非水系液体の残留物が消失し、かつ前述の通り金属化合物粒子がより高性能な機能を有する粒子径となるべく成長させることが可能となる。また同様に非水系液体の残留物消失や金属酸化物の成長は10分〜30時間熱処理することで達成できる。
そして本発明の金属化合物−導電剤複合体の製造方法は、従来技術のような固相反応法を用いなくとも良く、結果として、電極剤の少なくとも一部に用いる際、得られた粉末を粉砕、混合する工程が不要となるため優れている。すなわち粉砕、混合するための装置、例えばボールミル等の装置を必要としないため、粉砕設備の導入が不要といったコスト面でのメリットが生じることとなる。
結果として本発明で得られた金属化合物−導電剤複合体は、導電剤上に金属化合物粒子が大量に接合しており、金属化合物粒子由来の機能発現に好適な形態を有している。そして該金属化合物−導電剤複合体を少なくとも一部に用いたリチウム二次電池用電極剤は、前述のように好ましい形態を有する金属化合物に由来して、リチウムイオンの挿入・脱離過程において金属化合物の結晶相に該リチウムイオンがしっかりと固定されつつもスムーズな挿入・脱離が達成される。そして当該電極剤を少なくとも一部に用いてなるリチウム二次電池となすことで、高容量化と高出力化を達成するし、材料特性の点では導電剤上の金属化合物の粒子径が小さいことにより充放電を繰り返した場合の劣化が少ない、すなわちサイクル特性にも優れることとなる。
上述のようにして得られた金属化合物−導電剤複合体を電極の活物質として用いたリチウム二次電池は、例えば次のようにして製造される。なお本発明の金属化合物−導電剤複合体は、電池のイオン源としてナトリウムやマグネシウム、カルシウム、アルミニウムを用いた二次電池にも好ましい材料として採用されうるが、リチウムをイオン源とするリチウム二次電池に最も高効率で適用しうる。
金属化合物が酸化ニッケル(II)(構造式NiO)、導電剤がカーボンナノファイバーである金属化合物−導電剤複合体を負極の活物質として用いる場合、まず、該活物質とポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒中に分散させてスラリーを調製する。次に該スラリーを銅箔などの集電体上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した後にプレス圧縮して負極板が作製される。
また金属化合物がコバルト酸リチウム(構造式LiCoO)、導電剤がグラフェンである金属化合物−導電剤複合体を正極の活物質として用いる場合、まず、該活物質とポリフッ化ビニリデンなどの結着剤とをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒中に分散させてスラリーを調製する。次に該スラリーをアルミニウム箔などの集電体上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した後にプレス圧縮して正極板が作製される。
非水電解液は、LiPFなどの電解質塩をエチレンカーボネートやジエチレンカーボネートなどの非水溶媒中に溶解することにより調製される。
そしてポリプロピレン製多孔質膜等からなるセパレータを用意し、水分が除去された(露点で−50℃以下)雰囲気下で、絶縁ガスケット中で負極、セパレータ、正極の順に配し、セパレータには前述の非水電解液を注入し、蓋でかしめて固定することによりリチウム二次電池が完成する。
該リチウム二次電池における正極板あるいは負極板中には、必要に応じて、金属化合物の性能を更に向上せしめ、かつ集電体と金属化合物−導電剤複合体とを介在して電気的特性を向上せしめるような新たな導電剤を添加しても良い。
上記においては、正極板、負極板共に活物質一種ずつ金属化合物−導電剤複合体を採用したが、所望の性能に対して複数種を用いても良い。また活物質としての性能を有する、導電剤と接合していない他の金属化合物を添加せしめても良い。
これらのことから、本発明の金属化合物−導電剤複合体は、リチウムイオン電池の電極材用の素材として好適に用いられる。また、本発明の金属化合物−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてなる電極材は、高容量化、高出力化およびサイクル特性の向上という優れた特性を有することから、リチウムイオン電池の少なくとも一部に用いることで高性能な電池を形成することが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的かつより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。なお実施例中の部は特に具体的な記載のない限り重量部を意味する。実施例中の物性値は、下記の方法によって測定した。
A.金属化合物粒子の最小径の平均の算出、電子顕微鏡で観察される金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行であることの確認。
解析する試料は窒素雰囲気下80℃で1時間以上乾燥して測定に供した。試料を銅製メッシュに載せた後、電界放出型電子顕微鏡(日本電子製JEM2100F)にて、加速電圧200kV、40万倍(粒子1粒が画面に入りきらない場合は20万倍または10万倍に下げる)で観察を行った。1つの粒子で最も粒子径が小さい長さを測定し、粒子50個の平均値を算出して最小径の平均とした。具体的には球状または多面体の形状であれば最も長さが短い部分を最小径とし、棒状であれば棒の長手方向に垂直な略断面での最も短い長さを最小径とした。また金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行であることの確認は、該電界放出型電子顕微鏡で金属化合物−導電剤複合体を前述の加速電圧、倍率で観察し、接合面の結晶格子が金属化合物部分、導電剤部分で共に平行であることを確認することで行った。
B.金属化合物の同定および結晶子サイズの解析方法
解析する試料は、窒素雰囲気下80℃で乾燥して測定に供した。試料をSi無反射板に載せ、Bruker AXS社製X線回折装置(D8ADVANCE)を用いて広角X線回折法(以下XRDと称することがある)により測定した。測定条件としては、X線源としてNiフィルターを使用したCuKα線を用い、出力40kV、40mA、スリット系としてDiv. Slit:0.3°を用い、検出器はLynxEye(高速検出器)を用い、測定範囲(2θ)5〜100°、ステップ幅(2θ)0.01712°、計数時間0.5秒/ステップで、2θ/θ連続スキャンのスキャン方式で測定した。得られた広角X線回折パターンデータはJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)標準データと対比して金属化合物の種類を同定した。また結晶子サイズの算出は、以下に示すシェラーの式を用いて算出した。
結晶子サイズ(nm)=Kλ/βcosθ
β=(β −β 0.5
ここでK=0.9、λ=0.154056nm、β:回折ピークの半値幅、β:半値幅の補正値(0.07°)
C.導電剤の導電性(体積抵抗率)の測定方法
測定は、温度23℃、湿度55%の大気中で測定すべき試料を少なくとも該雰囲気中に1時間保持した後に行った。導電剤の試料1.0gを直径2cmの円筒管に入れた後、20kNの荷重で試料を圧縮したのち、電極間隔3.0mm、電極半径0.7mmの四探針プローブを用いて、三菱化学アナリテック社製ロレスタGP(MCP−T610)にて体積抵抗率を求めた。そして3つの異なる試料について各々1回ずつ測定して3回の平均値をその導電剤の導電性(体積抵抗率値)とした。
D.溶媒の融点および沸点の測定。
パーキンエルマー社製示差走査熱量分析装置(DSC−2)を用い、試料10mgで測定した。融点(Tm)と沸点(Tb)の定義は、昇温速度5℃/分で室温(20℃)から350℃まで測定した際に観測される吸熱ピーク温度とし、室温(20℃)にて固体であるものについてのみTmを併せて測定した。
E.微細炭素繊維(CNF)の平均直径と平均長、グラフェンの最大幅の平均、平均厚みの確認、
CNFの平均直径、グラフェンの平均厚みについては、CNFまたはグラフェンを含有したエポキシ樹脂包埋ブロックをウルトラミクロトームにて切削して60〜100nmの厚さの超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察装置(日立製作所社製、H−7100FA型)にて、加速電圧75kVで、倍率2万〜10万倍の任意の倍率で観察を行い、得られた写真を白黒にデジタル化した。CNFについては得られた写真を、コンピュータソフトウェアの三谷商事社製WinROOF(バージョン5.9.0)において、黒で見えるCNFを画像解析することによって写真上に存在する全てのCNF断面の面積をそれぞれ計算し、該面積値から略円形と判断して計算したCNFの直径の平均値を求めることで平均直径とした。
グラフェンについては50個のグラフェン断面の最も厚い部分から平均厚みを算出した。またCNF平均長およびグラフェンの最大幅の平均については、FEI Company社製 走査型電子顕微鏡(SEM) STRATA DB235を用いて、加速電圧2kVで、白金−パラジウム蒸着(蒸着膜圧:25〜50オングストローム)処理を行った後、CNFあるいはグラフェンが全て視野に入る倍率(2万倍)で確認した。任意のCNF50本について観察、測定して得られた平均値を平均長とし、任意のグラフェン50個について観察、最大長を測定して得られた平均値を最大幅の平均とした。
F.金属化合物−導電剤複合体の複合状態の確認
得られた粉末を用いて、前記E.と同じSEMを用いて、加速電圧2kVで、白金−パラジウム蒸着(蒸着膜圧:25〜50オングストローム)処理を行った後、倍率3万倍で観察し、金属化合物からなる微粒子が導電剤に複合化した状態を観察し、導電剤上にあることを確認した。
G.金属化合物と導電剤との接合の確認
ポリプロピレンの密閉容器に30mlのn−ヘキサン中へ本発明の金属化合物−導電剤複合体300mgを添加し、発振周波数42kHz、出力125Wの超音波洗浄器内で水を容積の90%以上張り、25℃の水温下15分の超音波分散処理を行った。処理後、下記実施例1で用いる冷却遠心機を用いて、重力の2000倍(2000×g)に相当する遠心力で遠心分離を行い、得られた沈殿物を上記A.項と同様の方法で乾燥して、上記E.項のSEMを用いて金属化合物−導電剤複合体を観察し、導電剤上に金属化合物粒子が存在することを確認した。
H.導電剤表面上の金属化合物の占める割合の算出
観察する試料は窒素雰囲気下80℃で1時間以上乾燥して測定に供した。株式会社日立ハイテクノロジー社製走査型電子顕微鏡S−5500(SEM5500)にて反射電子像にて撮影した試料のデジタル写真を、上記E.項記載のWinROOFにて、白く見える金属化合物と暗灰色に見える導電剤との面積を算出して、金属化合物が導電剤上に占める割合を算出した。そしてSEM5500で試料を観察する際に観察視野が重ならないように撮影した別々の任意の場所5点について算出した平均値から当該試料での導電剤表面上の金属化合物の占める割合とした。
[参考例1](グラフェンの製造方法)
氷冷した405部の98%硫酸を撹拌しながら、平均粒径8μmの天然黒鉛10部、純度99%以上の硝酸ナトリウム5部を加え、更に純度99.3%以上の過マンガン酸カリウム30部を少しずつ添加して加えたのち、20℃で4時間反応させた。反応物は460部の純水で氷冷しながら希釈した後15分間強撹拌し、更に680部の純水で希釈しながら30分間強撹拌したのち、濃度30%の過酸化水素水60部を添加して更に10分間強撹拌して反応を停止した。得られた混合物は実施例1で採用した遠心分離操作で5000×gの遠心力で20分間かけて分離して固体を得た後、pHが6以上となるまで純水での洗浄と20000×gでの遠心分離処理を繰り返して50℃で真空乾燥することで酸化グラフェンを得た。
該酸化グラフェンをアルゴンガス雰囲気下、1000℃で50時間、加熱還元することで還元されたグラフェンの粉体を得た。
[実施例1](酸化マンガン(II)とグラフェンとの複合体の製造)
工程(A):金属化合物前駆体として125℃、0.1Paで3時間真空乾燥した純度95%以上の二ぎ酸マンガン(II)二水和物を5モル部を用い、非水系第1溶媒である純度99%以上のオレイン酸(融点16℃、沸点286℃)30モル部に室温で添加した。
工程(B):室温で1Paへの減圧(真空脱気;1Paに到達後30秒保持)および0.1MPaとなるまで純度99.99%のアルゴンガス印可を3回繰り返して大気圧(0.1MPa)のアルゴンガスに置換した。続いて非密閉、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒で撹拌翼最速部が1.0m/秒となるように撹拌して二ぎ酸マンガンとオレイン酸とを混合したのち、そのまま撹拌を続けながら12℃/分の昇温速度で240℃まで加熱して、240℃に到達後60分間その温度を保持して、極薄く黄色に着色した透明な溶液を得た。
工程(C):透明な溶液を得て50℃まで冷却したのち、導電剤として、参考例1で得た、最大幅の平均が3.6μm、平均厚みが0.73nm、体積抵抗率2.3×10−1Ω・cmのグラフェンを用い、計算上生成する酸化マンガン(II)の重量(5モル部;二ぎ酸マンガンと同モル部)の20分の1の質量となる量を前記透明な溶液に添加した。室温で1Paへの減圧(真空脱気;1Paに到達後30秒保持)および0.1MPaとなるまで純度99.99%のアルゴンガス印可を3回繰り返して大気圧(0.1MPa)のアルゴンガスに置換したのち、ヤマト科学株式会社製超音波洗浄器(型式:2510J−DTH、発振周波数42kHz、出力125W)で大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、15分間、超音波混合を行った。
工程(D):導電剤を混合したのち、透明な溶液と導電剤の混合物に、非水系第2溶媒として純度70%以上のオレイルアミン(融点22℃、沸点350℃)15モル部を室温で添加した。続いて室温で1Paへの減圧(真空脱気;1Paに到達後30秒保持)および0.1MPaとなるまで純度99.99%のアルゴンガス印可を3回繰り返して大気圧(0.1MPa)のアルゴンガスに置換した。置換後、非密閉、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒で撹拌翼最速部が0.5m/秒となるように撹拌して混合したのち、そのまま撹拌を続けながら15℃/分の昇温速度で260℃まで加熱した後260℃で5時間保持した。加熱終了後は放冷して濃褐色の不透明な液状の混合物を得た。
該液状の混合物に対し、該液状の混合物の体積の10倍量のn−ヘキサンを添加して、株式会社久保田製作所製高速冷却遠心機7780IIを用いて、重力の2000倍(2000×g)に相当する遠心力で遠心分離を行った。遠心分離後に上澄み液を除去して試料を得たのち、得られた試料に対して同様の遠心分離操作を合計3回行った。その後、n−ヘキサンとエタノールが同体積ずつ混合された混合液体を用いた以外は同様の遠心分離操作を更に2回行って、最終的に濃灰褐色の粉末試料を収率98%で得た。得られた粉末試料での金属化合物粒子の最小径の平均は31nmであった。
熱処理工程:そして該得られた粉末試料を、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら350℃で20分熱処理を行った。熱処理後に得られた粉末試料はXRD解析を行うことで、酸化マンガン(II)(化学式:MnO)と炭素のみからなる複合体であることが判明し、金属化合物粒子の最小径の平均は58nmであることが分かり、また導電剤表面での金属化合物粒子の接合割合は51%であった。また広角X線回折法での回折ピーク強度の上位3つから算出される金属化合物粒子の結晶子サイズは37nmであり、電子顕微鏡で観察される金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行であることも確認された。
該金属化合物−導電剤複合体30部に結着剤としてポリ弗化ビニリデン3部、混合用溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン60部を加えてメノウ製乳鉢で粗撹拌したのち、3本ロールミルを3回通すことで十分に混合された電極剤のペースト状物を得た。そして厚さ10μmの銅箔に、銅箔の一部は未塗布部分があってかつ乾燥後に平均25μmの厚さとなるように該電極剤ペースト状物をまず片面に塗布し、大気(空気)雰囲気下80℃で20分間乾燥し、続けて裏面にも同様に未塗布部分を設けかつペースト状物を同様の厚さになるよう塗布したのち、大気(空気)雰囲気下200℃で20分間乾燥して電極板を得た。
該電極板を未塗布部分が長さ2cm×幅1cm、塗布部分が長さ3cm×幅1cmとなるように切り出し、リチウム箔(厚さ30μm)を幅1cm×長さ5cmの大きさに切り出し、電解液としてLiPFを1M含有するエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=7:3の溶媒を電解液として、水分露点−76℃、酸素濃度1ppmのアルゴンガス雰囲気下、ガラス容器中にこれらを封入して電気化学セルを作製した。
該電気化学セルを用いて、レート0.1C、上限電圧1.5V、下限電圧0.1V、理論容量756mAh/g、測定温度25℃、の条件下で充放電測定を3回行ったところ、放電時に1回目に731mAh/g、2回目に720mAh/g、3回目に708mAh/gの値をそれぞれ算出して得て、本発明の製造方法によって金属化合物−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムをアルカリ源としたアルカリ金属二次電池用電極剤として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。結果一覧を表1に示す。
Figure 0005664404
[比較例1]
実施例1において導電剤を混合する工程を適用しなかった以外は実施例1と同様の方法で熱処理工程まで行って粉末を得て、XRDで酸化マンガン(II)であることを確認した。結果一覧を表1に示す。微粒子の収率は80%と実施例1に比べて低下したが、導電剤が存在しなかったことから金属化合物の微粒子の生成効率が低下したものと推測される。また熱処理時に結晶が粗大粒子化したことも分かった。
該金属化合物微粒子28.5部に対し、実施例1と同じ導電剤(グラフェン)を1.5部加えて、実施例1の金属化合物−導電剤複合体と同じ30部とした以外は実施例1と同様の方法、条件により結着剤と混合用溶媒も含めて十分に混合された電極剤ペースト状物を得た。そして実施例1と同様の方法により電極板を得た。そして該電極板を用いて実施例1と同様の方法によりガラス容器からなる電気化学セルを作製したのち実施例1と同様の方法・条件で充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、放電時に1回目に316mAh/g、2回目に283mAh/g、3回目に241mAh/gの値をそれぞれ算出して得たが、実施例1よりも低い容量を示し、金属化合物微粒子と導電剤とをただ単に混合・存在させるだけではアルカリ金属二次電池用電極剤としての性能が劣り、適用できないことが示された。
[実施例2]
比較例1において熱処理の前に、遠心分離によって得た粉末試料の段階で金属化合物微粒子28.5部に対し、実施例1と同じ導電剤(グラフェン)を1.5部加えた後に熱処理を行った以外は比較例1と同様の方法で金属化合物−導電剤複合体を得た。結果一覧を表1に示す。XRDで酸化マンガン(II)と炭素であることを確認した。SEMで確認したところ実際に得られたものは金属化合物の粒子が導電剤上に接合した複合体であることが分かった。
該金属化合物粒子と導電剤の混合物30部に対し、実施例1と同様の方法、条件により結着剤と混合用溶媒も含めて十分に混合された電極剤ペースト状物を得た。そして実施例1と同様の方法により電極板を得た。そして該電極板を用いて実施例1と同様の方法によりガラス容器からなる電気化学セルを作製したのち実施例1と同様の方法・条件で充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、放電時に1回目に605mAh/g、2回目に577mAh/g、3回目に558mAh/gの値をそれぞれ算出して得たが、実施例1と同様に良好な容量を示し、熱処理により金属化合物粒子と導電剤とが接合されて活物質としての十分な性能が発現したことが分かった。
[実施例3、4]
実施例1において金属化合物前駆体を2ぎ酸コバルト(II)二水和物(実施例3)、2ぎ酸ニッケル(II)二水和物(実施例4)とした以外は実施例1と同様の方法により、グラフェンと接合した金属化合物−導電剤複合体の熱処理物を得た。結果一覧を表1に示す。XRDでそれぞれ酸化コバルト(実施例3)、酸化ニッケル(実施例4)であることを確認し、またSEMで金属化合物−導電剤複合体となっていることを確認した。かつ金属化合物−導電剤複合体の収率は96%(実施例3)、94%(実施例4)と優れた結果であった。
これら金属化合物−導電剤複合体を用いて実施例1と同様の方法、条件により電極剤ペースト状物を得た。そして実施例1と同様の方法により電極板を得た。続いて該電極板を用いて実施例1と同様の方法によりガラス容器からなる電気化学セルを作製したのち実施例1と同様の方法・条件で充放電測定を行った。充放電測定3回の結果は、放電時に1回目に785mAh/g、2回目に761mAh/g、3回目に733mAh/g(以上実施例3)、1回目に674mAh/g、2回目に652mAh/g、3回目に632mAh/g(以上実施例4)の値をそれぞれ算出し、実施例1と同様に優れた結果を得た。
[実施例5](リン酸マンガンリチウムと微細炭素繊維との複合体の製造)
工程(A):金属化合物前駆体として125℃、0.1Paで3時間真空乾燥した純度95%以上の水酸化リチウム・1水和物を1モル部用い、非水系第1溶媒として実施例1で用いたオレイン酸30モル部に室温で添加した。室温で1Paへの減圧(真空脱気;1Paに到達後30秒保持)および0.1MPaとなるまで純度99.99%のアルゴンガス印可を3回繰り返して大気圧(0.1MPa)のアルゴンガスに置換した。続いて非密閉、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒で撹拌翼最速部が0.33m/秒となるように撹拌して水酸化リチウムとオレイン酸とを混合したのち、そのまま撹拌を続けながら10℃/分の昇温速度で140℃まで加熱して、140℃に到達後30分その温度を保持して、透明な溶液を得た。
工程(B):透明な溶液を得て50℃まで冷却したのち、2種類目の金属化合物前駆体として125℃、0.1Paで3時間真空乾燥した純度98%以上の硝酸マンガン・6水和物を1モル部用い、前記水酸化リチウムとオレイン酸とから得られた透明な溶液に添加した。続いて1Paへの減圧(真空脱気;1Paに到達後30秒保持)および0.1MPaとなるまで純度99.99%のアルゴンガス印可を3回繰り返して大気圧(0.1MPa)のアルゴンガスに置換した。その後非密閉、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒で撹拌翼最速部が0.33m/秒となるように撹拌して硝酸マンガンを混合したのち、そのまま撹拌を続けながら10℃/分の昇温速度で140℃まで加熱して、140℃に到達後60分間その温度を保持して透明な溶液を得た。
工程(C):透明な溶液を得て50℃まで冷却したのち、純度85%以上のリン酸を1モル部用い、前記水酸化リチウム、硝酸マンガンおよびオレイン酸とから得られた透明な溶液に添加し、非密閉、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、ポリテトラフルオロエチレン製の撹拌翼型撹拌棒で撹拌翼最速部が0.33m/秒となるように1分間撹拌した。そして導電剤として、160℃、0.1Paで1時間真空乾燥した平均直径153nm、平均長7.2μm、体積抵抗率1.3×10−2Ω・cmのカーボンナノファイバー(CNF)を用い、計算上生成するリン酸鉄リチウムの重量(1モル部)の20分の1の質量となる量を前記透明な溶液に添加した。室温で1Paへの減圧(真空脱気;1Paに到達後30秒保持)および0.1MPaとなるまで純度99.99%のアルゴンガス印可を3回繰り返して大気圧(0.1MPa)のアルゴンガスに置換したのち、実施例1で用いた超音波洗浄器で大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、15分間、超音波混合を行った。
工程(D):導電剤を混合したのち、透明な溶液と導電剤の混合物に、非水系第2溶媒として実施例1で用いたオレイルアミン15モル部を添加した。続いて実施例1と同様のアルゴンガス置換を行った後、非密閉、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら、ドイツ国ハイドルフ(Heidolph)社製の台座回転撹拌機UNIMAX1010を用いて、反応系内に撹拌体の存在無しで2回/秒の頻度で混合物を撹拌して混合したのち、そのまま撹拌を続けながら15℃/分の昇温速度で270℃まで加熱した後270℃で5時間保持した。加熱終了後は放冷して濃褐色の不透明な液状の混合物を得た。
該液状の混合物に対し、実施例1と同様の手法でn−ヘキサン、n−ヘキサンとエタノールの混合液体を用いて遠心分離操作を行って、最終的に濃灰褐色の粉末試料を収率95%で得た。得られた粉末試料での金属化合物粒子の最小径の平均は19nmであった。
熱処理工程:そして該得られた粉末試料を、大気圧の開放容器中アルゴンガスを100cm/分の流量で流しながら450℃で60分熱処理を行った。熱処理後に得られた粉末試料はXRD解析を行うことで、酸化マンガン(II)(化学式:MnO)と炭素のみからなる複合体であることが判明し、金属化合物粒子の最小径の平均は58nmであることが分かり、また導電剤表面での金属化合物粒子の接合割合は39%であった。結果一覧を表1に示す。また広角X線回折法での回折ピーク強度の上位3つから算出される金属化合物粒子の結晶子サイズは27nmであり、電子顕微鏡で観察される金属化合物粒子と導電剤の接合部の結晶格子が平行であることも確認された。
該リン酸マンガンリチウム−グラフェン複合体30部を用いた以外は実施例1と同様の手法で電極剤ペースト状物を得て、さらに厚さ20μmのアルミニウム(Al)箔を用いた以外は実施例1と同様の手法で電極板を得たのち、ガラス容器の電気化学セルを作製した。
該電気化学セルを用いて、レート0.1C、上限電圧4.5V、下限電圧3.0V、理論容量171mAh/g、測定温度25℃、の条件下で充放電測定を3回行ったところ、放電時に1回目に158mAh/g、2回目に149mAh/g、3回目に140mAh/gの値をそれぞれ算出して得て、本発明の製造方法によって金属化合物−導電剤複合体が効率よく得られ、また該複合体がリチウムをアルカリ源としたアルカリ金属二次電池用電極剤として適用可能であることが示され、更にアルカリ金属二次電池が製造可能であることも示された。
以上の如く、本発明の金属化合物−導電剤複合体に関して、電気的機能を有する金属化合物と導電剤とが確実に接合される場合に非常に優れた性能を有し、また本発明の製造方法は、従来の固相合成法と比べて粉砕処理を伴わない製造方法であって、導電剤上での金属化合物粒子の生成が効率的に遂行されるため粒子生成量が多くかつ均質であるため、該複合体を用いたリチウム二次電池用電極剤は、電池として機能する際の極初期の効率・再現性が高く、かつ電極剤としての性能を十分発揮する電極剤を構成しうるものであり、また該電極剤を用いてなるリチウム二次電池は非常に高容量を達成しうる。
本発明の金属化合物−導電剤複合体はリチウム二次電池用電極剤に適用した際に高容量という非常に高い性能を示すことから、高性能の二次電池製造に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 活物質である酸素原子を含有する金属化合物からなる粒子(金属化合物粒子)が導電剤表面に接合した金属化合物−導電剤複合体であって、前記金属化合物粒子の最小径の平均が15nm以上100nm以下であり、前記金属化合物粒子が前記導電剤表面の30%以上の面積を占めて接合してなり、かつ広角X線回折法での回折ピーク強度の上位3つから算出される前記金属化合物粒子の結晶子サイズが25nm以上であることを特徴とする、リチウム二次電池の電極材の素材として用いる金属化合物−導電剤複合体。
  2. 前記導電剤が繊維状またはシート状の炭素微粒子である請求項1に記載の金属化合物−導電剤複合体。
  3. 電子顕微鏡で観察される前記金属化合物粒子と前記導電剤の接合部の結晶格子が平行である請求項1または2に記載の金属化合物−導電剤複合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属化合物−導電剤複合体を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするリチウム二次電池用電極材。
  5. 請求項4に記載のリチウム二次電池用電極材を少なくとも一部に用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
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