JP5664301B2 - コンピュータ装置、電子ペン入力システム、及びプログラム - Google Patents

コンピュータ装置、電子ペン入力システム、及びプログラム Download PDF

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本発明は、電子ペンで読み取り可能なコード化パターンを利用した技術に関する。
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2及び特許文献3には、光学式タッチパネルに、ドットパターンを積層し、電子ペンによる入力と、指によるタッチパネル入力が可能なシステムが開示されている。さらに、特許文献4には、近接センサが設けられた電子ペンが開示されている。また、非特許文献1には、液晶を挿んで電磁誘導方式のタブレットを下部に、抵抗膜方式のタッチパネルを上部に配置された構成を有し、電子ペンによる入力と指による入力の両方が可能なタッチパネルが開示されている。
さらに、特許文献5には、ドットパターンと地図とが重畳印刷された専用シートに、電子ペンにより地図上の位置指定と、コメントとを書き込むことによって、カーナビゲーションの電子地図に指定位置とコメントとを登録する技術が開示されている。また、特許文献6には、ドットパターンと地図とが重畳印刷された用紙に、スキャナを当てることで、指定位置の周辺地図を、コンピュータ装置に表示させるものであって、用紙に印刷された「拡大」、「縮小」、「上へ」、「左へ」、「右へ」、「下へ」などのボタンにスキャナを当てることで、コンピュータ装置に表示させる地図を拡大・縮小させたり、移動させたりする技術が開示されている。
特表2003−511761号公報 米国特許出願公開第2010/1962号明細書 米国特許出願公開第2010/1963号明細書 特表2009−543181号公報 特開2009−244737号公報 特許第3830956号公報
越石健司他著、「要点解説 タッチパネル」、初版、株式会社工業調査会、2010年3月15日、P36〜37、50〜63、78〜80
タッチパネルを積層し、電子ペンによる入力と、指によるタッチパネル入力とが可能なディスプレイ装置において、電子ペンによる入力中に、電子ペンのペン先がディスプレイに当接すること等に起因して、タッチパネルが誤って入力を検知してしまう可能性がある。また、地図などに位置を指定し、書き込みを行う場合などに、電子ペンによる入力と、タッチパネルによる入力とを使い分けることができると便宜である。そこで、本発明は、電子ペンによる入力と、タッチパネルによる入力との両方を適切に検出可能かつ使い分け可能な電子ペン入力システム及び当該電子ペン入力システムに用いられるコンピュータ装置及びプログラムを提供することを主な目的とする。
本発明に係るコンピュータ装置は、タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段と、前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備え、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、を有する操作領域であり、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、をさらに備える。
この構成により、コンピュータ装置は、タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイを有し、電子ペンからタッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、タッチパネルによる入力機能を制限する。このように、コンピュータ装置は、タッチパネルによる入力機能が制限可能となることで、タッチパネルによる誤入力を抑制することができる。加えて、コンピュータ装置は、電子ペンによる入力とタッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を表示することで、ユーザによる操作の幅を広げ、利便性を向上させることができる。
さらに、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、を有する操作領域であり、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、をさらに備える。これにより、コンピュータ装置は、ユーザによる位置指定及び指定位置に関する書き込みを可能にし、かつ、適切にこれらの入力データを関連付けて記憶することができる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記位置指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、位置指定が可能である。一般に、表示された地図などで位置を指定する場合、タッチパネルを介して指により位置指定を行うと、電子ペンにより位置指定を行う場合と比較して、精度が悪くなり、ユーザが意図した位置を指定できない場合がある。従って、この態様により、コンピュータ装置は、位置指定領域が選択された状態では、電子ペンによる入力でのみ位置指定を可能にすることで、タッチパネルによる入力を異なる操作に当てることができると共に、ユーザに正確に位置指定を実行させることができる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記書き込み指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、書き込みが可能である。一般に、タッチパネルを介して指により書き込みを行うと、電子ペンにより書き込みを行う場合と比較して、ストロークが太くなり、コンパクトにかつ正確に書き込みができない可能性がある。従って、この態様により、コンピュータ装置は、書き込み指定領域が選択された状態では、電子ペンによる入力でのみ、書き込みを可能にすることで、タッチパネルによる入力を異なる操作に当てることができると共に、ユーザに正確に書き込みを実行させることができる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記位置指定領域または前記書き込み指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記静電容量方式タッチパネルへの入力でのみ、前記表示領域に表示される表示対象の拡大縮小の比率変更、又は/及び、前記表示対象の表示箇所の変更が可能である。このようにすることで、コンピュータ装置は、ユーザに適切に、タッチパネルによる入力と電子ペンによる入力とを使い分けさせることができ、利便性を向上させることができる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記位置情報生成手段は、前記位置指定領域が選択された状態において、前記第2領域への前記電子ペンによる入力があった場合、前記電子ペンがペンアップされる直前の位置に基づき、指定された位置の位置情報を生成する。このようにすることで、コンピュータ装置は、ユーザの意図した位置をより的確に特定することが可能となる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能制限を解除するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除する。これにより、好適に、コンピュータ装置は、タッチパネルによる入力機能制限の設定及び解除を切り替えることができる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記コード化パターンに関する情報を受信しなくなると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除する。これによっても、好適に、コンピュータ装置は、タッチパネルによる入力機能制限の設定及び解除を切り替えることができる。
上記コンピュータ装置の他の一態様では、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンによる記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限する。このように、記入位置から所定範囲に限りタッチパネルの入力を制限することで、コンピュータ装置は、電子ペンによる入力中での電子ペンを把持する手がディスプレイに接触することに起因したタッチパネルの誤入力等を抑制しつつ、タッチパネルへの誤入力のおそれがない範囲については有効にタッチパネルへの入力を処理することができる。
本発明に係る電子ペン入力システムは、タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、前記タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、を備え、前記電子ペンは、前記コンピュータ装置へ、前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信する制限信号処理手段を備え、前記コンピュータ装置は、前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段と、前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備え、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから、前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、を有する操作領域であり、前記コンピュータ装置は、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、をさらに備える。
この構成により、電子ペン入力システムは、タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイを備えるコンピュータ装置を有する。そして、コンピュータ装置は、電子ペンから、タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、タッチパネルによる入力機能を制限する。このようにタッチパネルによる入力機能を制限することで、ユーザが電子ペンにより入力を行う場合に、タッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。加えて、電子ペン入力システムは、電子ペンによる入力とタッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を表示することで、ユーザによる操作の幅を広げ、利便性を向上させることができる。
本発明に係る電子ペン入力システムの他の態様では、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタと、を備え、前記電子ペンは、前記コンピュータ装置へ、前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信する制限信号処理手段を備え、前記コンピュータ装置は、前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段と、前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面の前記画像信号を生成する表示制御手段と、を備え、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、を有する操作領域であり、前記コンピュータ装置は、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、をさらに備える。
この構成により、電子ペン入力システムは、コード化パターン層が積層されたタッチパネルに、表示画面を投影させるため、プロジェクタへ画像信号を送信するコンピュータ装置を有する。そして、電子ペンは、コンピュータ装置へ、タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信し、コンピュータ装置は、電子ペンから当該信号を受信すると、タッチパネルによる入力機能を制限する。従って、電子ペン入力システムは、タッチパネルの入力機能を制限し、タッチパネルの誤入力を防ぐことができる。加えて、電子ペン入力システムは、電子ペンによる入力とタッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を表示することで、ユーザによる操作の幅を広げ、利便性を向上させることができる。
また、上記いずれの電子ペン入力システムにおいても、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、を有する操作領域であり、前記コンピュータ装置は、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、をさらに備える。これにより、コンピュータ装置は、ユーザによる位置指定及び指定位置に関する書き込みを可能にし、かつ、適切にこれらの入力データを関連付けて記憶することができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記位置指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、位置指定が可能である。一般に、表示された地図などで位置を指定する場合、タッチパネルを介して指により位置指定を行うと、電子ペンにより位置指定を行う場合と比較して、精度が悪くなり、ユーザが意図した位置を指定できない場合がある。従って、この態様により、コンピュータ装置は、位置指定領域が選択された状態では、電子ペンによる入力でのみ位置指定を可能にすることで、タッチパネルによる入力を異なる操作に当てることができると共に、ユーザに正確に位置指定を実行させることができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記書き込み指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、書き込みが可能である。一般に、タッチパネルを介して指により書き込みを行うと、電子ペンにより書き込みを行う場合と比較して、ストロークが太くなり、コンパクトにかつ正確に書き込みができない可能性がある。従って、この態様により、コンピュータ装置は、書き込み指定領域が選択された状態では、電子ペンによる入力でのみ、書き込みを可能にすることで、タッチパネルによる入力を異なる操作に当てることができると共に、ユーザに正確に書き込みを実行させることができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記位置指定領域または前記書き込み指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記静電容量方式タッチパネルへの入力でのみ、前記表示領域に表示される表示対象の拡大縮小の比率変更、又は/及び、前記表示対象の表示箇所の変更が可能である。このようにすることで、コンピュータ装置は、ユーザに適切に、タッチパネルによる入力と電子ペンによる入力とを使い分けさせることができ、利便性を向上させることができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記位置情報生成手段は、前記位置指定領域が選択された状態において、前記第2領域への前記電子ペンによる入力があった場合、前記電子ペンがペンアップされる直前の位置に基づき、指定された位置の位置情報を生成する。このようにすることで、コンピュータ装置は、ユーザの意図した位置をより的確に特定することが可能となる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記電子ペンの前記制限信号処理手段は、前記電子ペンが、ペン先部への圧力検知の有無にかかわらず、前記ペン先部がコード化パターンに近接し、前記コード化パターンを認識したときに、タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信する。
この構成により、電子ペン入力システムの電子ペンは、ペン先部への圧力検知の有無にかかわらず、ペン先部がコード化パターンに近接し、コード化パターンを認識したときに、タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信する。コンピュータ装置は、電子ペンから当該信号を受信すると、タッチパネルによる入力機能を制限する。このようにすることで、ユーザが電子ペンにより入力を行う場合に、電子ペンのペン先部がディスプレイに当接する前、あるいは電子ペンを把持する手の側部がディスプレイに接触する前からタッチパネルの入力機能を制限することができる。従って、電子ペン入力システムは、電子ペン入力に伴うタッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記コンピュータ装置の前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除する。これにより、好適に、コンピュータ装置は、タッチパネルによる入力機能制限の設定及び解除を切り替えることができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記コンピュータ装置の前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから、コード化パターンに関する情報を受信しなくなると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除する。これによっても、好適に、コンピュータ装置は、タッチパネルによる入力機能制限の設定及び解除を切り替えることができる。
上記電子ペン入力システムの他の一態様では、前記コンピュータ装置の前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンによる記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限する。このように、記入位置から所定範囲に限りタッチパネルによる入力機能を制限することで、コンピュータ装置は、電子ペンによる入力中での電子ペンを把持する手がディスプレイに接触することに起因したタッチパネルの誤入力等を抑制しつつ、タッチパネルへの誤入力のおそれがない範囲については有効なタッチパネルへの入力として処理することができる。
本発明に係るプログラムは、タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイを備えるコンピュータ装置に搭載され実行されるプログラムであって、前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段、前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段、
前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段として前記コンピュータ装置を機能させ、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、を有する操作領域であり、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段として前記コンピュータ装置をさらに機能させる。
本発明に係るプログラムの他の態様では、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタと、を備える電子ペン入力システムの前記コンピュータ装置に搭載され実行されるプログラムであって、前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段、前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面の前記画像信号を生成する表示制御手段として前記コンピュータ装置を機能させ、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、
を有する操作領域であり、前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段、前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段、前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段として前記コンピュータ装置をさらに機能させる。
上記プログラムの他の一態様では、前記位置指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、位置指定が可能である。
上記プログラムの他の一態様では、前記書き込み指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、書き込みが可能である。
上記プログラムの他の一態様では、前記位置指定領域または前記書き込み指定領域が選択された状態では、前記第2領域は、前記タッチパネルへの入力でのみ、前記表示領域に表示される表示対象の拡大縮小の比率変更、又は/及び、前記表示対象の表示箇所の変更が可能である。
上記プログラムの他の一態様では、前記位置情報生成手段は、前記位置指定領域が選択された状態において、前記第2領域への前記電子ペンによる入力があった場合、前記電子ペンがペンアップされる直前の位置に基づき、指定された位置の位置情報を生成する。
上記プログラムの他の一態様では、前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンによる記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限する。
これらのプログラムをコンピュータ装置にインストールして機能させることで、本発明に係るコンピュータ装置を構成させることができる。
本発明によれば、電子ペンは、タッチパネルによる入力及び電子ペンによる入力が可能なコンピュータ装置へ、タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信することで、タッチパネルによる入力機能を制限することが可能である。従って、本発明によれば、タッチパネルの入力機能を制限し、タッチパネルの誤入力を防ぐことができる。同様に、コンピュータ装置は、電子ペンからタッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、タッチパネルによる入力機能を制限する。これにより、タッチパネルの入力機能を制限し、タッチパネルの誤入力を防ぐことができる。また、本発明によれば、コンピュータ装置は、電子ペンによる入力とタッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を表示する。これにより、ユーザによる操作の幅を広げ、利便性を向上させることができる。
第1実施形態における入力システムのシステム構成図である。 ディスプレイ装置の構造を示す概略図である。 ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。 (a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。 電子ペンの構造を示す概略図である。 地図移動操作に係る地図アプリ画面の表示例を示す。 位置指定操作に係る地図アプリ画面の表示例を示す。 書き込み操作に係る地図アプリ画面の表示例を示す。 地図拡大縮小操作に係る地図アプリ画面の表示例を示す。 第1実施形態の変形例1に係る入力システムのシステム構成図である。 第1実施形態におけるスイッチの変形例を示す。 第2実施形態における電子ペンの構造を示す概略図である。 第2実施形態における処理フローを示すフローチャートである。 第2実施形態における処理フローに基づく具体例を示す。 第3実施形態における電子ペンの構造を示す概略図である。 第3実施形態における処理フローを示すフローチャートである。 第3実施形態における処理フローに基づく具体例を示す。 第4実施形態における入力システムのシステム構成図である。 第4実施形態において設定される制限範囲について示した図である。 第4実施形態における処理フローを示すフローチャートである。 第5実施形態における処理フローを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態である第1実施形態乃至第5実施形態について順に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明に係る第1実施形態について説明する。
[入力システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る入力システムの構成を示す。図1に示すように、入力システムは、ユーザが使用する電子ペン1と、電子ペン1及びディスプレイ装置3から情報を受信して処理するコンピュータ装置2と、コンピュータ装置2に接続されたディスプレイ装置3と、通信網(ネットワーク)を介してコンピュータ装置2に地図情報を送信する地図情報提供サーバ4とを備える。入力システムは、後述するように、電子ペン1に基づく入力(「電子ペン入力」とも呼ぶ。)と、タッチパネル34に基づく入力(「タッチパネル入力」とも呼ぶ。)とに応じて所定の処理を行う。
(ディスプレイ装置)
図2は、第1実施形態に係るディスプレイ装置3の構成を示す。図2に示すように、ディスプレイ装置3は、多層構造を有し、上層から順に、ドットパターンオーバーレイヤ(ドットパターン形成層)(単に「DOL」とも呼ぶ。)30と、タッチパネル34と、ディスプレイパネル35と、を備える。
DOL30は、ディスプレイ装置3の最上層に配置される。DOL30は、ポリエチレンテレフタラートなどの透明樹脂基板である基材フィルム33に、電子ペン1により読み取ることができるよう赤外線を反射する素材(酸化チタン、コレステリック液晶、赤外線反射性顔料など)を含んだインクによりドットパターン(コード化パターン)のドット32が印刷され、さらに透明なEB硬化樹脂などの保護層31で保護された層構成を有している。ここで、ドットパターンを、赤外線を反射する素材で印刷しているのは、DOL30の下層にあるディスプレイパネル35から様々な色の可視光が放射されても、電子ペン1によってコントラストよくドットパターンを認識させるのに、望ましいからである。DOL30は、本発明における「コード化パターン層」の一例である。
DOL30の裏面には、タッチパネル34が接着されている。タッチパネル34は、DOL30上での接触位置を検出する。タッチパネル34は、例えば、抵抗膜方式タッチパネル、超音波方式タッチパネル、光学方式タッチパネル、静電容量方式タッチパネルなどである。
なお、本発明が適用可能なディスプレイ装置3の構成は、図2の構成に限定されない。これに代えて、ディスプレイ装置3は、ドットパターンと基材フィルム33との間、あるいは基材フィルム33とタッチパネル34との間に赤外線反射層が設けられ、さらにドットパターンが赤外線を吸収するカーボンを含んだインクにより印刷される構成であってもよい。
(ドットパターン)
続いて、ドット32により構成されるドットパターン(コード化パターン)について図3及び図4を用いて説明する。ドットパターンは、アノト社の方式によるものである。図3は、ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、DOL30上の位置座標が決定されるよう構成されている。
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、DOL30上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがDOL30上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
(電子ペン)
次に、電子ペン1について図5を用いて説明する。図5は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、ペン部104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111及びバッテリー112を備える。ペン部104の先端は、ペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1のペン先部103をDOL30上に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ここで、電子ペン1のペン先部103がDOL30に最初に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
バッテリー112は、電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1によりDOL30上に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103からペン部104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1でDOL30上に文字などを書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報と、後述する電子ペン1の識別情報(以後、「ペンID」と呼ぶ。)とを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。また、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をDOL30から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、DOL30上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がDOL30に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106には、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線フィルタが設けられており、CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、ドットのインク素材は、赤外線を反射するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットによって反射される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が比較的多く、ドット以外の部分は赤外線の反射量が比較的少ない。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、ドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)のDOL30におけるX、Y座標(以後、単に「座標データ」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上における配列を補正する回転補正処理機能を備えている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、DOL30における6×6のドットパターンは、DOL30内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がDOL30内のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報としてコンピュータ装置2へ送信する。通信ユニット111によるコンピュータ装置2への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されてコンピュータ装置2に送信された1個又は複数個の座標属性情報は、コンピュータ装置2によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、コンピュータ装置2は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。このように、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1によって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。また、ペン先部103は、プラスチックやステンレスなどの素材により形成される。ペン先部103は、インクを有さず、筆圧をペン部104を介して圧力センサ107に伝達する。
また、電子ペン1には、ユーザにより操作され、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替えるためのスイッチ113を備える。プロセッサ108は、スイッチ113へのユーザの操作を検知し、タッチパネル34の入力機能を制限する旨の制御信号、及び当該制限を解除する旨の制御信号(これらをまとめて「タッチパネル入力制御信号」とも呼ぶ。)を生成する。そして、プロセッサ108は、タッチパネル入力制御信号を通信ユニット111によりコンピュータ装置2へ送信する。
なお、電子ペン1は、ペン部104にインクカートリッジを装填し、ボールペンとして使用できるようにしてもよい。また、電子ペン1は、無線送信によってコンピュータ装置2へ記入情報を送信したが、これに限らず、コンピュータ装置2と有線により接続し、有線送信によってコンピュータ装置2へ記入情報を送信してもよい。
また、好適には、電子ペン1は、CMOSカメラ106がドットパターンを認識した際、ドットパターンが赤外線反射材で構成されているか、又は赤外線吸収材で構成されているか判断し、当該判断に基づきドットパターンの読み取りプログラムを切り替えてもよい。具体的には、電子ペン1は、まず、CMOSカメラ106が撮影した画像に対して所定の閾値を用いて2値化処理を行い、当該2値化処理された画像より赤外線反射領域及び赤外線吸収領域を判別し、赤外線反射領域の面積と赤外線吸収領域の面積との大小関係を比較する。そして、電子ペン1は、赤外線反射領域よりも赤外線吸収領域が大きい場合には、2値化処理された画像に対してネガポジ反転処理を行い、ネガポジ反転処理を行った場合にはネガポジ反転処理された画像に基づいてドットパターンを認識し、ネガポジ反転処理を行わなかった場合には2値化処理された画像に基づいてドットパターンを認識する。これにより、赤外線吸収性のインクにより印刷されたドットパターン及び赤外線反射性のインキにより印刷されたドットパターンの両方を適切に認識することが可能となる。
(コンピュータ装置)
次に、コンピュータ装置2について再び図1を参照して説明する。コンピュータ装置2は、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、マウスやキーボード等で構成される。なお、コンピュータ装置2は、ディスプレイ装置3を表示部として備えるPC(パーソナルコンピュータ)、iPad(登録商標)などのタブレットPCやPDA(Personal Data Assistance)等で構成されてもよい。コンピュータ装置2は、図1に示すように、機能的には、マウスやキーボードといった入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25、及びネットワークを介して地図情報提供サーバ4から地図情報を受信するためのインタフェース28を備える。そして、コンピュータ装置2は、電子ペン1から受信した記入情報、及びタッチパネル34から受信した入力情報(「タッチパネル入力情報」とも呼ぶ。)、及び地図情報提供サーバ4から受信した地図情報に基づいて所定の処理を行うものである。
受信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1から記入情報を受信し、処理手段24に伝送する。また、コンピュータ装置2は、DOL30に形成されたドットパターンにかかる座標系(「DOL座標系」とも呼ぶ。)をディスプレイパネル35にかかる座標系(「ディスプレイ座標系」とも呼ぶ。)に変換するための第1座標変換関数、及び、タッチパネル34にかかる座標系(「タッチパネル座標系」とも呼ぶ。)をディスプレイ座標系に変換するための第2座標変換関数、をそれぞれ求めるキャリブレーション処理機能を有している。さらに、コンピュータ装置2は、そのキャリブレーション処理により求められた第1座標変換関数を用いて、DOL座標系のデータを受信したときに、ディスプレイ座標系のデータに変換し、ストロークを描画したり、所定の処理を行ったりする機能、及び、第2座標変換関数を用いて、タッチパネル座標系のデータを受信したときに、ディスプレイ座標系のデータに変換し、アイコンの選択等の所定の処理を行う機能を有している。
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、コンピュータ装置2の全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、ディスプレイパネル35へコンピュータ装置2により生成された画像信号を送信して当該画像信号に相当する画像を表示させる。例えば、処理手段24のブラウザ表示制御手段240は、インタフェース28を介して、WEBブラウザ上に地図を表示するための地図情報を地図情報提供サーバ4から受信し、Google Map(登録商標)などの地図を表示する表示領域とその操作領域とを含む画面(「地図アプリ画面」とも呼ぶ。)をWEBブラウザ上に表示させる。ここで、後述するように、地図アプリ画面は、ユーザが、所望する場所の地図を表示領域に表示させたり、表示領域に表示された地図上の任意の位置を指定し、当該位置に関連したメモ書き(書き込み)を行ったりするための画面である。ブラウザ表示制御手段240は、例えばAjax(Asynchronous JavaScript + XML)技術により、この地図アプリ画面の表示制御を行う。また、処理手段24は、上記キャリブレーション処理機能により求めた第1座標変換関数及び第2座標変換関数を記憶手段25に記憶する。
コンピュータ装置2が電子ペン1から記入情報を受信すると、処理手段24の第1座標変換手段241は、DOL座標系のデータである、当該記入情報に含まれる座標データを、第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、変換後の座標データに基づいて、電子ペン1によって記入された位置が、DOL30のドットパターンであることを認識する。そして、処理手段24は、変換後の座標データを記憶手段25に記憶するとともに、当該変換後の座標データ等に基づくストロークをディスプレイパネル35に表示させたり、ストロークの該当する位置にフォルダやアプリケーション等のアイコンが表示されていた場合には、当該アイコンの選択等の処理を行ったりする。また、処理手段24は、ストロークの該当する位置が地図アプリ画面上であると判断した場合には、後述する[地図アプリ画面]のセクションで説明する処理を実行する。
また、コンピュータ装置2がタッチパネル34からタッチパネル入力情報を受信すると、処理手段24の第2座標変換手段242は、タッチパネル入力情報が示すタッチパネル座標系の座標データを、第2座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、ディスプレイパネル35が表示中の画像において、変換後の座標データ上にフォルダやアプリケーション等のアイコンが表示されていた場合には、当該アイコンの選択等の処理を行う。また、処理手段24は、変換後の座標データに該当する位置が地図アプリ画面上であると判断した場合には、後述する[地図アプリ画面]のセクションで説明する処理を実行する。
処理手段24のタッチパネル機能切替手段243は、コンピュータ装置2が電子ペン1から受信したタッチパネル入力制御信号に基づき、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替える。具体的には、タッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル入力制御信号が、タッチパネル34の入力機能をオフにすべき旨の信号である場合、タッチパネル34による入力機能をオフにする。この場合、タッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34が停止状態になるように、タッチパネル34に制御信号を送信してもよく、または、タッチパネル入力機能をオフにしている間は、タッチパネル34から送信されるタッチパネル入力情報を処理手段24で処理することなく破棄してもよい。
一方、タッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル入力制御信号が、タッチパネル34の入力機能をオンにすべき旨の信号である場合、タッチパネル34による入力機能をオンにする。そして、タッチパネル入力機能をオンにしている間は、処理手段24は、タッチパネル入力があった場合には、タッチパネル34から受信するタッチパネル入力情報に基づき所定の処理を行う。
記憶手段25は、ROMやRAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、第1座標変換関数及び第2座標変換関数を記憶する。また、記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶したり、プログラムの実行により生成される所定のデータを記憶したりする。
(地図情報提供サーバ)
次に、地図情報提供サーバ4について説明する。地図情報提供サーバ4は、ハードウェアとして、コンピュータ装置2とデータ通信が可能な通信装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ等で構成される。地図情報提供サーバ4は、地図情報をメモリに保持する。そして、地図情報提供サーバ4は、コンピュータ装置2の要求に応じて、地図アプリ画面の地図の表示に必要な地図情報をコンピュータ装置2へ送信する。
[地図アプリ画面]
次に、ディスプレイ装置3に表示される地図アプリ画面の具体例及びユーザの各操作に伴いコンピュータ装置2の処理手段24が実行する処理について具体的に説明する。
まず、図6を参照し、ディスプレイ装置3に表示される地図アプリ画面について説明する。図6は、地図アプリ画面の表示例を示す。図6に示すように、地図アプリ画面50は、WEBブラウザ上に表示され、位置指定領域51と、書き込み指定領域52と、表示領域53とを備える。位置指定領域51は、ユーザが表示領域53に表示された地図中で位置を指定する際に、指又は電子ペン1により選択される領域である。書き込み指定領域52は、指定した位置に関連するメモ書き(書き込み)を行う際に、指又は電子ペン1により選択される領域である。位置指定領域51及び書き込み指定領域52は、表示領域53に対する操作を指定するための操作領域であって、本発明における「第1領域」の一例である。表示領域53は、地図情報提供サーバ4により提供される地図情報に基づき地図を表示する領域である。後述するように、表示領域53に表示される地図は、ユーザの指又は電子ペン1による操作に応じて、適宜、表示箇所の変更及び縮尺率(即ち、拡大縮小の比率)の変更がなされると共に、電子ペン1による操作に応じて、位置の指定及び書き込みが行われる。表示領域53は、本発明における「第2領域」の一例である。
次に、図6乃至図9を参照し、ユーザの各操作に伴い、処理手段24が実行する処理について説明する。図6乃至図9は、ユーザの各操作に応じた地図アプリ画面50の一例である。
まず、ユーザは、例えば、図6に示すように、指で表示領域53にタッチしたままその指を移動させることで、地図の表示をスライドさせる操作(「地図移動操作」とも呼ぶ。)を行う。この場合、処理手段24は、タッチパネル34から送信されるタッチパネル入力情報に含まれるタッチパネル座標系の座標データを、第2座標変換手段242が第2座標変換関数を用いてディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、変換後の座標データに基づき、表示領域53上で移動された指の軌跡を検出し、これに応じて表示領域53に地図として表示する緯度及び経度の範囲を変更する。
なお、ユーザは、指に代えて、電子ペン1により表示領域53に1つのストロークを描くことで地図移動操作を行ってもよい。この場合、処理手段24は、電子ペン1から送信された記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する。そして、処理手段24は、変換後の座標データに基づき、表示領域53上で移動された電子ペン1の軌跡を検出し、これに応じて表示領域53に地図として表示する緯度及び経度の範囲を変更する。
次に、ユーザは、図7に示すように、「位置指定」と表示された位置指定領域51を電子ペン1によりタップする。この場合、処理手段24は、電子ペン1から送信される記入情報に基づき、位置指定領域51上に電子ペン入力がなされたことを検出し、位置指定領域51を特定の色に点灯させる。これにより、表示領域53上で位置指定が可能であることを明確にユーザに知らせる。以後では、この状態を「位置指定領域51が選択された状態」とも表現する。なお、ユーザは、電子ペン1に代えて、位置指定領域51を指でタッチすることにより、位置指定領域51を選択してもよい。この場合、処理手段24は、タッチパネル34から送信されるタッチパネル入力情報に基づき、位置指定領域51上にタッチパネル入力がなされたことを検出し、位置指定領域51を特定の色に点灯させる。
次に、ユーザは、図7に示すように、表示領域53に表示された地図上で電子ペン1によりタップすることで位置を指定する操作(「位置指定操作」とも呼ぶ。)を行う。この場合、処理手段24は、電子ペン1から送信された記入情報を受信し、処理手段24の第1座標変換手段241は、DOL座標系のデータである、当該記入情報に含まれる座標データを、第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、変換後の座標データに基づいて、電子ペン1によってタップされた位置が、表示領域53に配置されたドットパターンであることを認識する。そして、処理手段24は、特定した表示領域53上のドットパターンが示す位置に基づき、地図上の緯度及び経度を演算する。そして、処理手段24は、特定した位置の緯度及び経度の情報(「緯度経度情報」とも呼ぶ。)を記憶手段25に記憶させると共に、図7に示すように、特定した地図上の地点に、目印となる位置指定マーク55を表示する。緯度経度情報は、本発明における「位置情報」の一例である。なお、指定位置は、ペンアップ直前の位置を採用するよう構成するのが望ましい。ユーザの意図した位置を指定しやすいからである。
また、位置指定領域51が点灯した状態の場合であっても、処理手段24は、タッチパネル入力情報に基づき、指による地図移動操作を検出した場合には、当該操作に応じて表示領域53に表示された地図の表示をスライドさせる。また、処理手段24は、タッチパネル入力情報に基づき、後述する表示領域53に表示された地図の拡大又は縮小の操作(「地図拡大縮小操作」とも呼ぶ。)を検出した場合にも、同様に、当該操作に応じて表示領域53に表示された地図の表示を拡大又は縮小させる。一方、処理手段24は、位置指定領域51が点灯した状態の場合には、電子ペン1による地図移動操作、及び指による位置指定操作を受け付けない。即ち、処理手段24は、位置指定領域51が点灯した状態の場合には、表示領域53への電子ペン入力を位置指定操作による入力として取り扱うと共に、表示領域53へのタッチパネル入力を地図移動操作又は地図拡大縮小操作による入力として取り扱う。このように、処理手段24は、表示領域53に対する電子ペン入力とタッチパネル入力とで異なる処理を実行する。
次に、ユーザは、図8に示すように、「メモ書き」と表示された書き込み指定領域52を電子ペン1によりタップする。この場合、処理手段24は、電子ペン1から送信される記入情報に基づき、書き込み指定領域52上に電子ペン入力がなされたことを検出し、位置指定領域51を消灯させると共に、書き込み指定領域52を所定の色で点灯させる。以後では、この状態を「書き込み指定領域52が選択された状態」とも表現する。なお、ユーザは、電子ペン1に代えて、書き込み指定領域52を指でタッチすることにより、書き込み指定領域52を選択してもよい。この場合、処理手段24は、タッチパネル34から送信されるタッチパネル入力情報に基づき、書き込み指定領域52上にタッチパネル入力がなされたことを検出し、書き込み指定領域52を特定の色に点灯させる。
次に、ユーザは、図8に示すように、電子ペン1により、表示領域53上で、指定位置に関連したメモを記入する操作(「書き込み操作」とも呼ぶ。)を行う。ここでは、ユーザは、電子ペン1により、表示領域53上に「釣堀あり」と記入している。この場合、処理手段24の第1座標変換手段241は、DOL座標系のデータである、当該記入情報に含まれる座標データを、第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系のデータに変換する。そして、処理手段24は、変換後の座標データに基づいて、電子ペン1によって記入された位置が、DOL30の表示領域53上のドットパターンであることを認識する。そして、処理手段24は、当該変換後の座標データに基づくストロークを表示領域53上に表示させる。また、処理手段24は、位置指定操作により特定した緯度経度情報に、上述のストロークを表示するのに必要な情報(「書き込み情報」とも呼ぶ。)を関連付けて記憶手段25に記憶する。そして、処理手段24は、以後では、表示領域53上で位置指定を行った地点を含む地図を表示する際に、位置指定マーク55と共に書き込み操作により記入されたメモ用の文字を当該地図上に表示する。
好適には、処理手段24は、書き込み操作により記入されたメモ用の文字「釣堀あり」を、位置指定マーク55を指し示す吹き出し中に表示するなどにより、位置指定マーク55と、当該メモ用の文字との対応をより明確に表示する。なお、処理手段24は、当該吹き出しを、書き込み操作によるストロークの記入中に、当該ストロークを全て含むように動的に生成してもよい。
そして、ユーザは、表示領域53に表示されている地図上の別の位置を指定する場合は、「位置指定」と表示された位置指定領域51を、指によりタッチ又は電子ペン1によりタップする。すると、処理手段24は、書き込み指定領域52を消灯させると共に、位置指定領域51を所定の色で点灯させる。または、ユーザは、別の位置を指定せずに「メモ書き」を終了する場合は、書き込み指定領域52を、再び指によりタッチ又は電子ペン1によりタップする。この場合、処理手段24は、書き込み指定領域52を消灯させる。
なお、書き込み指定領域52が点灯した状態の場合であっても、処理手段24は、タッチパネル入力情報に基づき、指による地図移動操作又は地図拡大縮小操作を検出した場合には、当該操作に応じて表示領域53に表示された地図の移動又は拡大、縮小を行う。一方、処理手段24は、書き込み指定領域52が点灯した状態の場合には、電子ペン1による地図移動操作、及び指による書き込み操作を受け付けない。このように、処理手段24は、書き込み指定領域52が点灯した状態の場合に、表示領域53上での電子ペン入力とタッチパネル入力とで異なる処理を実行する。
また、図9に示すように、位置指定領域51の消灯又は点灯の状態、及び、書き込み指定領域52の消灯又は点灯の状態に関わらず、ユーザは、表示領域53に表示された地図を拡大させる場合、2つの指を表示領域53上にタッチしたままそれらの指を互いに離れる方向に移動させる。この場合、処理手段24は、タッチパネル入力情報に基づき、検出した2つの接触領域が互いに離れる方向に表示領域53上で移動したことを検出し、当該移動量に応じて表示領域53に表示された地図の表示を拡大させる。同様に、ユーザは、表示領域53に表示された地図を縮小させる場合、2つの指を表示領域53上にタッチしたままそれらの指を互いに近づく方向に移動させる。この場合、処理手段24は、タッチパネル入力情報に基づき、検出した2つの接触領域が互いに近づく方向に表示領域53上で移動したことを検出し、当該移動量に応じて表示領域53に表示された地図の表示を縮小させる。
[第1実施形態の入力システムによる作用効果]
第1実施形態の入力システムによれば、電子ペン1は、スイッチ113を備え、スイッチ113へのユーザの操作に基づき、コンピュータ装置2に対しタッチパネル入力制御信号を送信し、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替える。このようにすることで、入力システムは、ユーザの任意のタイミングでタッチパネル34の入力機能を制限し、タッチパネル34の誤入力を防ぐことができる。従って、入力システムは、電子ペン1による入力中に、電子ペン1のペン先がDOL30上に接触することに起因したタッチパネル入力の誤検出や、電子ペン1を把持する手の側部等がDOL30に接触することに起因したタッチパネル入力の誤検出等を防ぐことができる。
また、コンピュータ装置2は、地図アプリケーションを用いた地図アプリ画面50をディスプレイ装置3に表示し、位置指定操作に応じて、地図上で指定された位置の緯度経度情報を生成すると共に、書き込み操作により記入されたメモ書きに対応する書き込み情報を生成する。そして、コンピュータ装置2は、緯度経度情報と書き込み情報とを関連付けて記憶する。これにより、コンピュータ装置2は、表示領域53上で位置指定を行った地点を含む地図を再度表示する場合などに、位置指定マーク55と指定位置に関連して記入した手書きによるメモ書きとを当該地図上に表示することができる。
また、コンピュータ装置2は、地図アプリ画面50上で、電子ペン入力でもタッチパネル入力でも同じ処理を行う位置指定領域51及び書き込み指定領域52と、位置指定領域51が点灯した状態又は書き込み指定領域52が点灯した状態の場合に電子ペン入力とタッチパネル入力とで異なる処理を行う表示領域53とを備える。このようにすることで、コンピュータ装置2は、表示領域53上での電子ペン入力とタッチパネル入力とをユーザに使い分けさせることが可能となり、操作の幅を広げ、利便性を向上させることができる。
[第1実施形態の変形例]
次に、第1実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の第1実施形態に適用してもよい。
(変形例1)
図1及び図2では、DOL30及びタッチパネル34は、ディスプレイパネル35に積層されていた。しかし、本発明が適用可能な入力システムの構成は、これに限定されない。
図10は、第1実施形態の変形例1に係る入力システムのシステム構成図である。図10に示すように、第1実施形態の変形例1に係る入力システムは、コンピュータ装置2のディスプレイの表示画面と同じ画像をDOL30上に投影するプロジェクタ6を備える。また、DOL30及びタッチパネル34は、コンピュータ装置2のディスプレイと離れた位置に積層されて配置されている。また、タッチパネル34は、コンピュータ装置2と接続し、タッチパネル入力情報をコンピュータ装置2へ送信する。なお、図10に示すプロジェクタ6は、フロントプロジェクタであるが、リアプロジェクタであってもよい。また、DOL30またはタッチパネル34を構成する層に、投影された光を結像拡散する結像拡散層を採用するか、DOL30やタッチパネル34とは別に、結像拡散層を積層させるとよい。
このように、DOL30及びタッチパネル34がディスプレイに積層されていない構成であっても、コンピュータ装置2の処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換し、電子ペン1の入力処理を行う。また、処理手段24は、タッチパネル34から受信したタッチパネル入力情報が示すタッチパネル座標系座標情報を、記入手段25により記憶された第2座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換し、タッチパネル34の入力処理を行う。さらに、電子ペン1は、スイッチ113を有し、ユーザのスイッチ113への操作に基づき、タッチパネル入力制御信号を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。処理手段24は、受信したタッチパネル入力制御信号に基づき、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替える。
この構成によっても、入力システムは、好適に、電子ペン入力と、ユーザの指によるタッチパネル入力とを処理し、かつ、ユーザの任意のタイミングでタッチパネル34の入力機能を制限し、タッチパネル34の誤入力を防ぐことができる。
(変形例2)
図1に示す入力システムは、地図情報提供サーバ4を有していたが、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。これに代えて、入力システムは、地図情報提供サーバ4を有しなくてもよい。この場合、コンピュータ装置2は、地図情報を含む地図アプリケーションが予めインストールされている。そして、コンピュータ装置2は、地図アプリ画面50を表示中に、地図移動操作または地図拡大縮小操作があった場合には、インストールした地図アプリケーションに基づき、表示領域53の表示を更新する。
(変形例3)
上記第1実施形態では、コンピュータ装置2は、ユーザによる操作に応じて生成した、地図上で指定された位置の緯度経度情報と、指定位置に関連して記入されたメモ書きに対応する書き込み情報とを関連付けて記憶する構成であった。これに加えて、コンピュータ装置は、複数種類の絵柄の位置指定マーク55を記憶することとして、指定位置に表示する位置指定マーク55の種類(絵柄)を、ユーザが指定できるように構成してもよい。この場合、コンピュータ装置2は、緯度経度情報と位置指定マーク55の種類を特定するためのマーク識別情報と書き込み情報とを関連付けて記憶する。
(変形例4)
上述の実施形態では、コンピュータ装置2は、地図アプリ画面50で表示領域53に地図を表示し、位置指定操作や書き込み操作などに応じて処理を実行した。しかし、本発明が適用可能なアプリケーションは、これに限定されない。これに代えて、コンピュータ装置2は、設計図、天気図、バーチャルリアリティ、写真、イラスト、映像などを用いた種々のアプリケーションであっても、位置指定操作及び書き込み操作を受け付けてもよい。
これについて、3次元CAD(Computer Aided Design)などの設計図を用いたアプリケーションに本発明を適用する場合を例に具体的に説明する。
まず、処理手段24は、表示領域53上に、地図に代えて設計図を表示する。そして、処理手段24は、位置指定領域51が消灯状態かつ書き込み指定領域52が消灯状態では、表示領域53上に所定のタッチパネル入力又は電子ペン入力があった場合に、入力されたストロークに応じて表示領域53に表示中の設計図の投影角度、大きさ、位置等を変更する。
一方、処理手段24は、位置指定領域51が点灯した状態にあり、表示領域53上で電子ペン入力を検出した場合には、記入情報に基づきポリゴンなどで表現された設計図中から指定された位置を特定し、当該位置に所定のマークを付すと共に、当該位置の情報(位置情報)を記憶する。また、処理手段24は、書き込み指定領域52が点灯した状態にあり、表示領域53上で電子ペン入力を検出した場合には、当該電子ペン入力に対応するストロークを表示領域53上に表示すると共に、当該ストロークの情報(書き込み情報)を、位置の情報と関連付けて記憶手段25に記憶させる。
一方、処理手段24は、位置指定領域51が点灯した状態又は書き込み指定領域52が点灯した状態で、タッチパネル入力があった場合には、位置指定操作及び書き込み操作以外の操作(例えば拡大縮小などの操作)が行われたと判断し、タッチパネル入力に応じて、設計図の表示を変更する。このように、処理手段24は、位置指定領域51又は書き込み指定領域52が点灯した状態の場合には、地図アプリ画面50の場合と同様、表示領域53上での電子ペン入力とタッチパネル入力とで異なる処理を実行する。
以上のように、コンピュータ装置2は、地図以外の種々の表示対象を表示領域53上に表示し、位置指定操作及び書き込み操作に応じて上述した処理と同様の処理を実行することで、ユーザに表示対象中の任意の位置を指定させ、書き込みを実行させることができる。
(変形例5)
スイッチ113は、図5に示す形式のものに限定されず、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフをユーザが操作可能なスイッチであればよい。
図11は、スイッチ113と異なる形式のスイッチ113A乃至113Dの概略的な外観図を示す。図11(a)に示すスイッチ113Aは、ノック式のスイッチであり、押下に基づき両矢印の示す方向に位置が変位する。図11(b)に示すスイッチ113Bは、複数ノック式のスイッチであり、タッチパネル34の入力機能をオンにする場合に矢印に沿って押下される第1入力部113Bxと、タッチパネル34の入力機能をオフにする場合に矢印に沿って押下される第2入力部113Byと、を備える。図11(c)に示すスイッチ113Cは、スライド式のスイッチであり、両矢印に示す方向にスライドすることで、位置が変位する。図11(d)に示すスイッチ113Dは、筺体101上であって、電子ペン入力が行われる場合に、手により把持される部分(把持部)に設けられ、ユーザが電子ペン1を手で把持する場合に押下される。
そして、スイッチ113A乃至113Dは、状態が変わるごとに、当該状態に対応するタッチパネル入力制御信号をコンピュータ装置2へ送信し、タッチパネル機能切替手段243は、当該タッチパネル入力制御信号に基づき、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替える。
なお、ユーザが電子ペン1を把持したか否かを検出してタッチパネル入力制御信号を送信する形態は、スイッチ113Dに限定されない。
これに代えて、電子ペン1は、温度センサを有し、電子ペン1の温度変化に基づき、タッチパネル入力制御信号を生成してコンピュータ装置2へ送信してもよい。この場合、電子ペン1は、例えば、電子ペン1の温度の上昇を検出した場合、タッチパネル34の入力機能をオフにする旨のタッチパネル入力制御信号を生成し、その後電子ペン1の温度の下降を検出した場合、タッチパネル34の入力機能をオンにする旨のタッチパネル入力制御信号を生成する。同様に、電子ペン1は、スイッチ113Dに代えて、圧力センサを有し、手により把持される部分の圧力変化に基づき、タッチパネル入力制御信号を生成してコンピュータ装置2へ送信してもよい。
さらに、別の例では、電子ペン1は、検出物体の接触状態を連続的に検出可能な触覚センサ(接近・接触センサ)を有し、触覚センサの検出信号に基づき、タッチパネル入力制御信号を生成してコンピュータ装置2へ送信してもよい。触覚センサは、例えば、CMC(カーボンマイクロコイル)を弾性樹脂材料(エラストマー)に均一分散させたセンサ素子を有し、当該素子周辺のインピーダンス変化を検出することにより、物体(ここでは手)の接触状態を検知する。そして、電子ペン1は、物体の接触状態を検知した場合、タッチパネル34の入力機能をオフにする旨のタッチパネル入力制御信号を生成し、物体の接触状態を検知しなくなった場合、タッチパネル34の入力機能をオンにする旨のタッチパネル入力制御信号を生成する。
(変形例6)
図5の説明では、スイッチ113は、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフを切り替えるスイッチであった。これに代えて、スイッチ113は、電子ペン入力とタッチパネル入力とのいずれを有効にするか選択するためのスイッチであってもよい。この場合、電子ペン1は、スイッチ113へのユーザの操作に基づき、タッチパネル34の入力機能をオフにし電子ペン1による入力機能をオンにする旨の制御信号、及び、タッチパネル34の入力機能をオンにし電子ペン1による入力機能をオフにする旨の制御信号をコンピュータ装置2へ送信する。この場合であっても、入力システムは、電子ペン1による入力が行われる場合に、タッチパネル34の入力機能をオフにし、タッチパネル34への誤入力を抑制することができる。
(変形例7)
電子ペン1の構成は、図5に示す構成に限定されない。これに加えて、電子ペン1は、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの情報、又は変形例3の場合での電子ペン入力とタッチパネル入力のうちいずれが有効であるかの情報を、点灯色等の点灯の態様に基づきユーザに通知するLEDを有してもよい。また、電子ペン1は、これに加えて、又はこれに代えて、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの状態等を表示する液晶ディスプレイを有してもよい。この構成により、入力システムは、ユーザにタッチパネル34の状態等を明確に把握させることができ、操作性を向上させることができる。
(変形例8)
上記第1実施形態において、アノト方式のコード化パターン(ドットパターン)を用いたが、位置座標を示すコード化パターンであればよく、アノト方式に限られない。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、電子ペン1自体の電源がオンの間はLED105及びCMOSカメラ106のスイッチも常にオンに設定され、タッチパネル機能切替手段243は、電子ペン1から記入情報を受信している間、タッチパネル34の入力機能をオフにする点で第1実施形態と異なる。その他、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
まず、第2実施形態に係る電子ペン1について図12を用いて説明する。図12は、第2実施形態に係る電子ペン1の構造を示す概略構成図である。図12に示すように、第2実施形態に係る電子ペン1は、スイッチ113を備えていない。
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データによらず、LED105及びCMOSカメラ106を常時駆動させる。従って、電子ペン1のペン先103がドットパターンに近接して、プロセッサ108がCMOSカメラ106によって供給される画像データからドットパターンのX,Y座標を演算できるようになると、プロセッサ108は、ペン先103がDOL30に接触する前であっても、筆圧を0(ゼロ)とした記入情報を生成する。そして、プロセッサ108は、生成した記入情報を、通信ユニット111を介して、コンピュータ装置2へ送信する。
次に、第2実施形態において、タッチパネル機能切替手段243が実行する処理について説明する。
電子ペン1がドットパターンに近接して、筆圧を0とした記入情報をコンピュータ装置2へ送信した場合、タッチパネル機能切替手段243は、タッチパネル34の入力機能をオフにする。そして、タッチパネル機能切替手段243は、電子ペン1からコンピュータ装置2へ記入情報が送信されなくなると、タッチパネル34の入力機能をオンに戻す。これにより、タッチパネル機能切替手段243は、電子ペン入力が行われている間、電子ペンがDOL30に接触してもタッチパネル入力として誤認識することがなく、タッチパネル34への誤入力を防止する。
[処理フロー]
次に、第2実施形態の入力システムにおいて、コンピュータ装置2が実行する処理フローについて説明する。図13に示す処理フローは、コンピュータ装置2が電子ペン1により筆圧0の記入情報を受信するごとに繰り返し実行される。
ユーザが、電子ペン1をDOL30に対しドットパターンを読み取り可能な位置まで近接させると、電子ペン1は、タイムスタンプ、筆圧を0とした筆圧データ及びドットパターンが撮像されて演算された座標情報を含む座標属性情報とペンIDとが関連付けられた筆圧0の記入情報をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信された筆圧0の記入情報を受信すると、処理手段24は、カウントを開始して、初期値が0の変数「t」を所定時間幅ごとに1だけ加算していく(ステップS101)。そして、処理手段24は、タッチパネル34の入力機能をオフにする(ステップS102)。
次に、処理手段24は、筆圧(p)が0より大きい記入情報を受信したか否か判定する(ステップS103)。これにより、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われているか、又は、電子ペン1がDOL30に接触せずに近接しているか判断する。そして、筆圧が0より大きい記入情報を受信していない場合、換言すると筆圧が0の記入情報を受信している場合(ステップS103;No)、処理手段24は、変数tが所定値「T」より大きいか否か判定し(ステップS104)、変数tが所定値T以下の場合では(ステップS104;No)、処理手段24は、ステップS103の処理へ戻り、筆圧が0より大きい記入情報を受信したか否か引き続き監視する。一方、処理手段24は、変数tが所定値Tよりも大きいと判定した場合(ステップS104;Yes)、タッチパネル34の入力機能をオンに戻す(ステップS110)。このようにすることで、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に近接して筆圧0の記入情報を電子ペン1から受信した後、ペンダウンして筆圧が0より大きい記入情報を電子ペン1から受信するまでのタイムラグに起因して、不要にタッチパネル34の入力機能がオンに切り替わるのを抑制する。また、処理手段24は、ユーザが電子ペン入力のためDOL30上に電子ペン1を近づけ、その後ペンダウンせずに記入する内容を考える場合等に、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの切り替えが頻繁に発生するのを抑制する。ここで、所定値Tは、上述の場合を勘案し、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの切り替えが頻繁に発生しないように小さすぎない値に設定され、かつ、電子ペン1をDOL30上に近接させた後、ペンダウンせずに電子ペン入力を中止してタッチパネル入力を行う場合も勘案して大きすぎない値(例えば数秒)に実験等に基づき予め設定される。
一方、筆圧が0より大きい記入情報を受信したと判定した場合(ステップS103;Yes)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン入力が行われたと判断し、記憶手段25に、その記入情報をペンID毎に記憶させる(ステップS105)。次に、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS106)。そして、処理手段24は、電子ペン入力処理を行う(ステップS107)。例えば、処理手段24は、変換後の座標情報に基づいて、ディスプレイパネル35により現在表示中の画像に、記入されたストロークを重畳して描画し、ディスプレイパネル35による表示を更新させると共に、描画後の画像を記憶手段25に更新して記憶させる。また、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき、地図アプリ画面50の位置指定領域51、書き込み指定領域52、又は表示領域53への入力がなされたと判断した場合には、第1実施形態の[地図アプリ画面]のセクションで説明した処理を実行する。
次に、処理手段24は、筆圧が0より大きい記入情報を受信しているか否か判定し(ステップS108)、筆圧が0より大きい記入情報を受信していると判定した場合(ステップS108;Yes)、引き続きステップS105の処理へ移行し、記入情報に基づき処理を行う。一方、筆圧が0より大きい記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS108;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30から離れたと判断し、次に、筆圧0の記入情報を受信しているか否か判定する(ステップS109)。そして、筆圧0の記入情報を受信していると判定した場合(ステップS109;Yes)、処理手段24は、電子ペン1はDOL30に対してドットパターンが読み取り可能な近接状態にあると判断し、ステップS108の処理へ戻り、再び電子ペン1のペンダウンが行われるか否か判定する。
一方、筆圧0の記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS109;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に対してドットパターンを読み取れない位置まで離れ、ユーザによる電子ペン入力が終了したと判断し、タッチパネル機能をオンに戻す(ステップS110)。
[具体例]
次に、図13のフローチャートに示す処理の具体例について、図14を参照してさらに詳しく説明する。図14は、電子ペン1とDOL30との位置関係と、各位置関係の場合にコンピュータ装置2へ送信される記入情報の内容とを示す図である。なお、図14に示す記入情報において、(Xa、Ya)乃至(Xd、Yd)は、DOL座標系の座標値を示し、「PD」は、ペンダウンを示し、「PU」は、ペンアップを示すものとする。
まず、図14(a)では、ユーザが電子ペン1をDOL30に近接させる。これにより、電子ペン1は、ドットパターンを読み取り、DOL座標系の座標値と、筆圧0の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信し、変数tを増加させてカウントを開始し(ステップS101参照)、タッチパネル機能をオフにする(ステップS102参照)。そして、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信している間、変数tが所定値Tより大きくならないか否か監視する(ステップS103、ステップS104参照)。
次に、図14(b)では、ユーザは、電子ペン1をDOL30上にペンダウンする。この場合、電子ペン1は、ペンダウン情報と、0より大きい筆圧の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2は、筆圧が0より大きい記入情報を受信したことから(ステップS103参照)、記入情報に基づき電子ペン入力処理を行う(ステップS105乃至ステップS107参照)。その後、電子ペン1は、ユーザが電子ペン1のペンダウンをして記入を継続している間、DOL30座標系の座標値と、0より大きい筆圧の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。この場合、コンピュータ装置2は、筆圧が0より大きい記入情報を受信していることから(ステップS108参照)、引き続き電子ペン入力処理等を行う(ステップS105乃至ステップS107参照)。
次に、図14(c)では、ユーザは、電子ペン1をペンアップし、DOL30と近接させた状態とする。この場合、電子ペン1は、ペンアップ情報と、筆圧0の情報とを含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。この場合、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信しているか否か監視を行う(ステップS109参照)。
そして、図14(d)では、ユーザは、図14(c)の状態から再び電子ペン1をDOL30上にペンダウンする。この場合、コンピュータ装置2は、再び筆圧が0より大きい記入情報を電子ペン1から受信し(ステップS108参照)、記入情報に基づき電子ペン入力処理を行う(ステップS105乃至ステップS107参照)。
一方、図14(e)では、ユーザは、図14(c)の状態からさらに電子ペン1をDOL30から遠ざける。この場合、電子ペン1は、ドットパターンを読み取ることができないため、記入情報を生成しない。従ってこの場合、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信しなくなったことから(ステップS109参照)、タッチパネル機能をオンに戻す(ステップS110参照)。
[第2実施形態の入力システムによる作用効果]
第2実施形態の入力システムによれば、電子ペン1自体の電源がオンの間はLED105及びCMOSカメラ106も常にオンに設定され、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信した場合にタッチパネル34の入力機能をオフにし、電子ペン1から記入情報を受信している間、この状態を継続する。これにより、ユーザが電子ペン入力を行う場合に、電子ペン1のペン先がDOL30に当接する前、あるいは電子ペン1を把持する手の側部がDOL30に接触する前からタッチパネル34の入力機能をオフにすることができる。従って、第2実施形態の入力システムは、電子ペン入力に伴うタッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。
また、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信後に変数tによりカウントを開始し、その後、筆圧が0より大きい記入情報を受信しない場合であっても、変数tが所定値Tより大きくなるまでは、タッチパネル34の入力機能をオンに戻さない。これにより、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの切り替えが頻繁に発生するのを抑制することができる。
[第2実施形態の変形例]
上記実施形態では、電子ペン1のペン先の接触を筆圧P>0となることで判定していたが、ペン先の接触が確実であると考えられる筆圧閾値P1とし、検出筆圧P≧P1となることで、ペン先の接触と判定するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、第1実施形態の変形例を任意に組み合わせて適用可能である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、電子ペン1が後述する近接センサ114を備え、タッチパネル機能切替手段243は、電子ペン1から近接センサ114に基づく信号又は記入情報を受信している間では、タッチパネル34の入力機能をオフにする点で第1実施形態と異なる。また、第2実施形態では、タッチパネル機能切替手段243は、筆圧0の記入情報を受信したか否かに基づき、電子ペン1のDOL30に対する非接触状態での近接の有無を判断したのに対し、第3実施形態では、タッチパネル機能切替手段243は、近接センサ114に基づく信号の受信の有無に基づきこれを判断する点で第2実施形態と異なる。その他、第1実施形態又は第2実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき、地図アプリ画面50の位置指定領域51、書き込み指定領域52、又は表示領域53への入力がなされたと判断した場合には、第1実施形態の[地図アプリ画面]のセクションで説明した処理を実行する。
まず、第3実施形態に係る電子ペン1について図15を用いて説明する。図15は、第3実施形態に係る電子ペン1の構造を示す概略構成図である。図15に示すように、第3実施形態に係る電子ペン1は、近接センサ114を備える。
近接センサ114は、筺体101上に設けられ、電子ペン1のペン先方向における物体の近接の有無を検出する。近接センサ114は、例えば超音波センサなどである。そして、近接センサ114がDOL30に所定距離以内に近接した場合、近接センサ114がDOL30に対する近接状態を検知し、プロセッサ108は、近接センサ114の検出信号に基づき、電子ペン1のペン先部103がDOL30に近接した旨を示す近接信号を生成し、通信ユニット111を介してコンピュータ装置2へ送信する。
一方、プロセッサ108は、記入情報をコンピュータ装置2へ通信ユニット111を介して送信している場合には、近接信号をコンピュータ装置2へ送信しない。即ち、プロセッサ108は、電子ペン1がDOL30に対し接触している場合には、近接信号に代えて記入情報をコンピュータ装置2へ送信し、電子ペン1がDOL30に対し非接触状態で近接している場合に、近接信号をコンピュータ装置2へ送信する。
そして、タッチパネル機能切替手段243は、電子ペン1から近接信号又は記入情報を受信手段22により受信している間では、タッチパネル34の入力機能をオフにする。これにより、タッチパネル機能切替手段243は、電子ペン入力が行われている間では、電子ペン入力をタッチパネル入力よりも優先させ、電子ペン入力中でのタッチパネル34への誤入力を防止する。
[処理フロー]
次に、第3実施形態の入力システムにおいて、コンピュータ装置2が実行する処理フローについて説明する。図16に示す処理フローは、コンピュータ装置2が電子ペン1により近接信号を受信するごとに繰り返し実行される。
ユーザが、電子ペン1をDOL30に対し所定距離以内に近接させると、近接センサ114は、DOL30との近接状態を検知し、電子ペン1は、近接信号をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信された近接信号を受信すると、処理手段24は、カウントを開始して、初期値が0の変数tを所定時間幅ごとに1だけ加算していく(ステップS201)。そして、処理手段24は、タッチパネル34の入力機能をオフにする(ステップS202)。
次に、処理手段24は、記入情報を受信したか否か判定する(ステップS203)。これにより、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われているか否か判断する。そして、記入情報を受信していない場合(ステップS203;No)、処理手段24は、変数tが所定値Tより大きいか否か判定し(ステップS204)、変数tが所定値T以下の場合では(ステップS204;No)、処理手段24は、ステップS203の処理へ戻り、記入情報を受信したか否か引き続き監視する。一方、処理手段24は、変数tが所定値Tよりも大きいと判定した場合(ステップS204;Yes)、タッチパネル34の入力機能をオンに戻す(ステップS210)。このようにすることで、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に近接して電子ペン1から近接信号を受信した後、ペンダウンして電子ペン1から記入情報を受信するまでのタイムラグに起因して、不要にタッチパネル34の入力機能がオンに切り替わるのを抑制する。また、処理手段24は、ユーザが電子ペン入力のためDOL30上に電子ペン1を近づけ、その後ペンダウンせずに記入する内容を考える場合に、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの切り替えが不要に発生するのを抑制する。
一方、記入情報を受信したと判定した場合(ステップS203;Yes)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われたと判断し、記憶手段25に、その記入情報をペンID毎に記憶させる(ステップS205)。次に、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS206)。そして、処理手段24は、電子ペン入力処理を行う(ステップS207)。
次に、処理手段24は、記入情報を受信しているか否か判定し(ステップS208)、記入情報を受信していると判定した場合(ステップS208;Yes)、引き続きステップS205の処理へ移行し、記入情報に基づき処理を行う。一方、記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS208;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30から離れたと判断し、次に、近接信号を受信しているか否か判定する(ステップS209)。そして、近接信号を受信していると判定した場合(ステップS209;Yes)、処理手段24は、電子ペン1は近接状態にあると判断し、ステップS208の処理へ戻り、再び電子ペン1のペンダウンが行われるか否か判定する。
一方、近接信号を受信していないと判定した場合(ステップS209;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30と離れ、ユーザによる電子ペン入力が終了したと判断し、タッチパネル機能をオンに戻す(ステップS210)。
[具体例]
次に、図16のフローチャートに示す処理の具体例について、図17を参照してさらに詳しく説明する。図17は、電子ペン1とDOL30との位置関係と、各位置関係の場合にコンピュータ装置2へ送信される記入情報の内容とを示す図である。
まず、図17(a)では、ユーザが電子ペン1をDOL30に近接させる。これにより、電子ペン1は、近接信号を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。コンピュータ装置2は、近接信号を受信し、変数tを増加させてカウントを開始し(ステップS201参照)、タッチパネル機能をオフにする(ステップS202参照)。そして、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信している間、変数tが所定値Tより大きくならないか否か監視する(ステップS203、ステップS204参照)。
次に、図17(b)では、ユーザは、電子ペン1をDOL30上にペンダウンする。この場合、電子ペン1は、ペンダウン情報を含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2は、記入情報を受信したことから(ステップS203参照)、記入情報に基づき電子ペン入力処理等を行う(ステップS205乃至ステップS207参照)。その後、電子ペン1は、ユーザが電子ペン1のペンダウンをして記入を継続している間、DOL30座標系の座標値を含む記入情報を生成し、コンピュータ装置2へ送信する。この場合、コンピュータ装置2は、記入情報を受信していることから(ステップS208参照)、引き続き電子ペン入力処理を行う(ステップS205乃至ステップS207参照)。
次に、図17(c)では、ユーザは、DOL30から電子ペン1のペンアップを行い、電子ペン1はDOL30と近接した状態となる。この場合、電子ペン1は、ペンアップ情報を含む記入情報をコンピュータ装置2へ送信し、その後、電子ペン1とDOL30とが近接していることから、近接信号をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2は、この場合、記入情報を受信しているか判定すると共に(ステップS208参照)、近接信号を受信しているか判定する(ステップS209参照)。
そして、図17(d)では、ユーザは、図17(c)の状態から再び電子ペン1をDOL30上にペンダウンする。この場合、コンピュータ装置2は、再び記入情報を電子ペン1から受信し(ステップS208参照)、記入情報に基づき電子ペン入力処理を行う(ステップS205乃至ステップS207参照)。
一方、図17(e)では、ユーザは、図17(c)の状態からさらに電子ペン1をDOL30から遠ざける。この場合、近接センサ114がDOL30を検知しなくなり、電子ペン1は、近接信号を生成しない。従ってこの場合、コンピュータ装置2は、近接信号を受信しなくなったことから(ステップS209参照)、タッチパネル機能をオンに戻す(ステップS210参照)。
[第3実施形態の入力システムによる作用効果]
第3実施形態の入力システムによれば、電子ペン1はDOL30に近接したか否かを検出する近接センサ114を備え、コンピュータ装置2は、近接信号を受信した場合にタッチパネル34の入力機能をオフにし、電子ペン1から近接信号又は記入情報を受信している間、この状態を継続する。これにより、入力システムは、ユーザが電子ペン入力を行う場合に、電子ペン1のペン先がDOL30に当接する前、あるいは電子ペン1を把持する手の側部がDOL30に接触する前からタッチパネル34の入力機能をオフにすることができる。従って、第3実施形態の入力システムは、電子ペン入力に伴うタッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。
また、コンピュータ装置2は、近接信号を受信後に変数tによりカウントを開始し、その後、記入情報を受信しない場合であっても、変数tが所定値Tより大きくなるまでは、タッチパネル34の入力機能をオンに戻さない。これにより、入力システムは、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの切り替えが頻繁に発生するのを抑制することができる。
[第3実施形態の変形例]
第3実施形態では、第1実施形態の変形例を任意に組み合わせて適用可能である。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。図18は、第4実施形態における入力システムのシステム構成図を示す。第4実施形態では、処理手段24は、タッチパネル機能切替手段243に代えて、タッチパネル入力が有効な期間及び範囲を制限するタッチパネル機能制限手段244を備える点で、第2実施形態と異なり、電子ペン1自体の電源がオンの間はLED105及びCMOSカメラ106が常にオンに設定される点で第2実施形態と共通する。その他、第2実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき、地図アプリ画面50の位置指定領域51、書き込み指定領域52、又は表示領域53への入力がなされたと判断した場合には、第1実施形態の[地図アプリ画面]のセクションで説明した処理を実行する。
処理手段24のタッチパネル機能制限手段244は、コンピュータ装置2が電子ペン1から記入情報を受信している間、記入情報の座標情報が示す電子ペン1のペン先位置(「電子ペン入力位置」とも呼ぶ。)から所定範囲内でのタッチパネル34の入力機能をオフにする。そして、処理手段24は、電子ペン入力位置が変化した場合には、変化後の電子ペン入力位置に基づき、タッチパネル34の入力機能をオフにする範囲を定める。以後では、電子ペン入力位置に基づき、タッチパネル34の入力機能をオフにする範囲を「制限範囲Wr」とも呼ぶ。
タッチパネル機能制限手段244の具体的な処理についてさらに図19を参照して説明する。図19は、第4実施形態におけるディスプレイ装置3の表示画面の一例である。
図19では、ユーザがDOL30上に電子ペン1のペン先部103を当接させている。この場合、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報に含まれる座標データを、第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標データに変換し、当該座標データの位置を電子ペン入力位置に定める。そして、処理手段24は、当該電子ペン入力位置を中心とした半径Rの円領域を制限範囲Wrに定め、制限範囲Wrでのタッチパネル34の入力機能をオフにし、制限範囲Wr以外の領域でのタッチパネル34の入力機能をオンにする。上述の半径Rは、例えば10cm〜15cmに定められ、具体的には、DOL30上で電子ペン1による入力を行う場合に、電子ペン入力位置から、当該電子ペン1を把持する手の側部がDOL30上で接触する可能性がある位置までの最大距離を予め実験等によって求めて、半径Rを当該最大距離に定める。
また、処理手段24は、電子ペン入力位置が変化した場合には、変化後の電子ペン入力位置に基づき新たに制限範囲Wrを定め、その範囲でのタッチパネル34の入力機能をオフにする。したがって、電子ペン1によってストロークが描かれている間は、電子ペン入力位置の移動に伴って、制限範囲Wrも移動する。さらに、処理手段24は、複数の電子ペン1から記入情報を受信している場合には、それぞれの電子ペン1に対応した制限範囲Wrを設ける。具体的には、処理手段24は、この場合、各電子ペン1の記入情報に基づき、それぞれの電子ペン入力位置を特定し、当該電子ペン入力位置に基づき制限範囲Wrを定める。この場合、制限範囲Wrは、各電子ペン入力位置を中心とした半径Rの円領域をあわせたDOL30上の領域となる。
[処理フロー]
次に、第4実施形態の入力システムにおいて、電子ペン1による入力に基づく処理フローについて説明する。図20に示す処理フローは、コンピュータ装置2が電子ペン1により筆圧0の記入情報を受信するごとに繰り返し実行される。なお、図20に示す処理フローは、同時に複数の電子ペン1により記入情報が生成された場合には、電子ペン1のペンIDごとに並行して実行される。
ユーザが、電子ペン1をDOL30に対しドットパターンを読み取り可能な位置まで近接させると、電子ペン1は、ドットパターンが撮像されて演算された座標情報を含む座標属性情報とペンIDとが関連付けられた筆圧0の記入情報をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信された筆圧0の記入情報を受信すると、処理手段24は、カウントを開始して、初期値が0の変数tを所定時間幅ごとに1だけ加算していく(ステップS301)。そして、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS302)。そして、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき電子ペン入力位置を定め、当該電子ペン入力位置から所定範囲におけるタッチパネル34の入力機能を制限する(ステップS303)。具体的には、処理手段24は、電子ペン入力位置から半径Rの円領域のタッチパネル34の入力機能をオフにする。
次に、処理手段24は、筆圧(p)が0より大きい記入情報を受信したか否か判定する(ステップS304)。これにより、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われているか、又は、電子ペン1がDOL30に接触せずに近接しているか判断する。そして、筆圧が0より大きい記入情報を受信していない場合(ステップS304;No)、処理手段24は、変数tが所定値Tより大きいか否か判定し(ステップS305)、変数tが所定値T以下の場合では(ステップS305;No)、処理手段24は、ステップS304の処理へ戻り、筆圧が0より大きい記入情報を受信したか否か引き続き監視する。そして、処理手段24は、変数tが所定値Tよりも大きくなった場合に(ステップS305;Yes)、当該処理フローにおいて処理対象となっている電子ペン1の電子ペン入力位置に基づくタッチパネル34の入力機能の制限を解除する(ステップS312)。
一方、筆圧が0より大きい記入情報を受信したと判定した場合(ステップS304;Yes)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われたと判断し、記憶手段25に、その記入情報をペンID毎に記憶させる(ステップS306)。次に、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS307)。そして、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき電子ペン入力位置を定め、当該電子ペン入力位置から半径Rの円領域のタッチパネル34の入力機能をオフにする(ステップS308)。そして、処理手段24は、電子ペン入力処理を行う(ステップS309)。
次に、処理手段24は、筆圧が0より大きい記入情報を受信しているか否か判定し(ステップS310)、筆圧が0より大きい記入情報を受信していると判定した場合(ステップS310;Yes)、引き続きステップS306の処理へ移行し、記入情報に基づき処理を行う。一方、筆圧が0より大きい記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS310;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30から離れたと判断し、次に、筆圧0の記入情報を受信しているか否か判定する(ステップS311)。そして、筆圧0の記入情報を受信していると判定した場合(ステップS311;Yes)、処理手段24は、電子ペン1はDOL30に対してドットパターンが読み取り可能な近接状態にあると判断し、ステップS310の処理へ戻り、再び電子ペン1のペンダウンが行われるか否か判定する。
一方、筆圧0の記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS311;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に対してドットパターンを読み取れない位置まで離れ、ユーザによる電子ペン入力が終了したと判断し、当該処理フローにおいて処理対象となっている電子ペン1の電子ペン入力位置に基づくタッチパネル34の入力機能の制限を解除する(ステップS312)。
[第4実施形態の入力システムによる作用効果]
第4実施形態の入力システムによれば、電子ペン1自体の電源がオンの間はLED105及びCMOSカメラ106も常にオンに設定され、コンピュータ装置2は、記入情報を受信した場合に、電子ペン入力位置から所定範囲Wrにおけるタッチパネル34の入力機能を制限する。これにより、ユーザが電子ペン入力を行う場合に、電子ペン1のペン先がDOL30に当接する前、あるいは電子ペン1を把持する手の側部がDOL30に接触する前から、電子ペン入力位置から所定範囲Wrにおけるタッチパネル34の入力機能をオフにすることができる。従って、第4実施形態の入力システムは、電子ペン入力に伴うタッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。
また、コンピュータ装置2は、電子ペン入力位置から所定範囲に限ってタッチパネル34の入力機能をオフにすることで、電子ペン1を把持する手の側部等がDOL30に接触することに起因した誤入力を防ぎつつ、一方の手の指又は他のユーザの手の指によるタッチパネル入力を有効に処理することができる。従って、第4実施形態は、ディスプレイ装置3が大型の画面を有し、複数人によりタッチパネル入力とペン入力とを行う可能性がある場合にも好適に適用される。
また、コンピュータ装置2は、筆圧0の記入情報を受信後に変数tによりカウントを開始し、その後、筆圧が0より大きい記入情報を受信しない場合であっても、変数tが所定値Tより大きくなるまでは、タッチパネル34の入力機能の制限を解除しない。これにより、タッチパネル34の入力機能の制限の設定及び解除が頻繁に発生するのを抑制することができる。
[第4実施形態の変形例]
次に、第4実施形態の変形例について説明する。第4実施形態では、第1実施形態の変形例1〜4、変形例8並びに第2実施形態の変形例(検出筆圧P≧P1によるペン先接触判定)に加え、以下の変形例9を任意に組み合わせて適用可能である。
(変形例9)
図19の説明では、処理手段24は、電子ペン入力位置から半径Rの円領域を制限範囲Wrに定めたが、制限範囲Wrの設定方法は、これに限定されない。これに代えて、例えば、処理手段24は、楕円、その他円以外の予め定めた形状の領域を、電子ペン入力位置に基づき制限範囲Wrに定めてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、電子ペン1が近接センサ114を備え、処理手段24は、電子ペン1から近接センサ114に基づく信号又は記入情報を受信している間では、タッチパネル34の入力機能をオフにする点で第3実施形態と共通し、タッチパネル機能切替手段243に代えて、第4実施形態と同様、タッチパネル入力が有効な期間及び範囲を制限するタッチパネル機能制限手段244を備える点で、第3実施形態と異なる。その他、第3実施形態又は第4実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき、地図アプリ画面50の位置指定領域51、書き込み指定領域52、又は表示領域53への入力がなされたと判断した場合には、第1実施形態の[地図アプリ画面]のセクションで説明した処理を実行する。
[処理フロー]
第5実施形態の入力システムにおいて、コンピュータ装置2が実行する処理フローについて説明する。図21に示す処理フローは、コンピュータ装置2が電子ペン1による近接信号を受信するごとに繰り返し実行される。なお、図21に示す処理フローは、同時に複数の電子ペン1により記入情報が生成される近接信号を受信した場合には、電子ペン1のペンIDごとに並行して実行される。
電子ペン1をDOL30に対し所定距離以内に近接させると、近接センサ114は、DOL30との近接状態を検知し、電子ペン1は、近接信号をコンピュータ装置2へ送信する。そして、コンピュータ装置2では、受信手段22が、電子ペン1から送信された近接信号を受信すると、処理手段24は、カウントを開始して、初期値が0の変数tを所定時間幅ごとに1だけ加算していく(ステップS401)。そして、処理手段24は、この時点では、電子ペン入力位置が不明であることから、タッチパネル34の全範囲での入力機能を一旦オフにする(ステップS402)。
次に、処理手段24は、記入情報を受信したか否か判定する(ステップS403)。これにより、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われているか、又は、電子ペン1がDOL30に接触せずに近接しているか判断する。そして、記入情報を受信していない場合(ステップS403;No)、処理手段24は、変数tが所定値Tより大きいか否か判定し(ステップS404)、変数tが所定値T以下の場合では(ステップS404;No)、ステップS404の処理へ戻り、記入情報を受信したか否か引き続き監視する。そして、処理手段24は、変数tが所定値Tよりも大きくなった場合に(ステップS404;Yes)、タッチパネル34の入力機能をオンに戻す(ステップS411)。
一方、記入情報を受信したと判定した場合(ステップS403;Yes)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30に接触し、電子ペン1による入力が行われたと判断し、記憶手段25に、その記入情報をペンID毎に記憶させる(ステップS405)。次に、処理手段24は、受信した記入情報に含まれるDOL座標系の座標情報を、記憶手段25により記憶された第1座標変換関数を用いて、ディスプレイ座標系の座標情報に変換する(ステップS406)。そして、処理手段24は、変換後の座標情報に基づき電子ペン入力位置を定め、当該電子ペン入力位置から半径Rの円領域のタッチパネル34の入力機能をオフにする(ステップS407)。そして、処理手段24は、電子ペン入力処理を行う(ステップS408)。
次に、処理手段24は、記入情報を受信しているか否か判定し(ステップS409)、記入情報を受信していると判定した場合(ステップS409;Yes)、引き続きステップS405の処理へ移行し、記入情報に基づき処理を行う。一方、記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS409;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30から離れたと判断し、次に、近接信号を受信しているか否か判定する(ステップS410)。そして、近接信号を受信していると判定した場合(ステップS410;Yes)、処理手段24は、電子ペン1は近接状態にあると判断し、ステップS208の処理へ戻り、再び電子ペン1のペンダウンが行われるか否か判定する。
一方、記入情報を受信していないと判定した場合(ステップS410;No)、処理手段24は、電子ペン1がDOL30から所定距離より離れ、ユーザによる電子ペン入力が終了したと判断し、当該処理フローにおいて処理対象となっている電子ペン1の電子ペン入力位置に基づくタッチパネル34の入力機能の制限を解除する(ステップS411)。
[第5実施形態の入力システムによる作用効果]
第5実施形態の入力システムによれば、電子ペン1はDOL30に近接したか否かを検出する近接センサ114を備え、コンピュータ装置2は、電子ペン1から近接信号又は記入情報を受信している間、タッチパネル34の入力機能に一定の制限を設ける。これにより、ユーザが電子ペン入力を行う場合に、電子ペン1のペン先がDOL30に当接する前、あるいは電子ペン1を把持する手の側部がDOL30に接触する前からタッチパネル34の入力機能をオフにすることができる。従って、第4実施形態の入力システムは、電子ペン入力に伴うタッチパネル入力の誤検出を防ぐことができる。
また、コンピュータ装置2は、電子ペン入力位置に基づく所定範囲に限ってタッチパネル34の入力機能をオフにすることで、電子ペン1を把持する手の側部等がDOL30に接触することに起因した誤入力を防ぎつつ、一方の手の指又は他のユーザの手の指によるタッチパネル入力を有効に処理することができる。従って、第5実施形態は、ディスプレイ装置3が大型の画面を有し、複数人によりタッチパネル入力とペン入力とを行う可能性がある場合にも好適に適用される。
また、コンピュータ装置2は、近接信号を受信後に変数tによりカウントを開始し、その後、記入情報を受信しない場合であっても、変数tが所定値Tより大きくなるまでは、タッチパネル34の入力機能をオンに戻さない。これにより、入力システムは、タッチパネル34の入力機能のオン及びオフの切り替えが頻繁に発生するのを抑制することができる。
[第5実施形態の変形例]
第5実施形態では、第1実施形態の変形例1〜4、及び変形例8を任意に組み合わせて適用可能である。
また、電子ペン1のペンアップ後に、近接状態が続き、近接信号を受信しているが、記入情報は、受信しない状態のとき(S410:Yes→S409:No→S410:Yesのループ)は、S402と同様に、誤入力防止のため、タッチパネル機能を全範囲でOFFにしてもよい。
1…電子ペン
2…コンピュータ装置
3…ディスプレイ装置
4…地図情報提供サーバ
6…プロジェクタ
30…DOL
34…タッチパネル
35…ディスプレイパネル
50…地図アプリ画面
51…位置指定領域
52…書き込み指定領域
53…表示領域
55…位置指定マーク

Claims (25)

  1. タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、
    前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段と、
    前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段と、
    前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備え、
    前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、
    前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、
    前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、
    を有する操作領域であり、
    前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、
    前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とするコンピュータ装置。
  2. 前記位置指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、位置指定が可能であることを特徴とする請求項に記載のコンピュータ装置。
  3. 前記書き込み指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、書き込みが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンピュータ装置。
  4. 前記位置指定領域または前記書き込み指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記タッチパネルへの入力でのみ、前記表示領域に表示される表示対象の拡大縮小の比率変更、又は/及び、前記表示対象の表示箇所の変更が可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
  5. 前記位置情報生成手段は、
    前記位置指定領域が選択された状態において、前記第2領域への前記電子ペンによる入力があった場合、
    前記電子ペンがペンアップされる直前の位置に基づき、指定された位置の位置情報を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
  6. 前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能制限を解除するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
  7. 前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンからコード化パターンに関する情報を受信しなくなると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
  8. 前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンによる記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限することを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか一項に記載のコンピュータ装置。
  9. タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイと、
    前記タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、を備え、
    前記電子ペンは、
    前記コンピュータ装置へ、前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信する制限信号処理手段を備え、
    前記コンピュータ装置は、
    前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段と、
    前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段と、
    前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備え、
    前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから、前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、
    前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、
    前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、
    を有する操作領域であり、
    前記コンピュータ装置は、
    前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、
    前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする電子ペン入力システム。
  10. 電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、
    前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、
    前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタと、を備え、
    前記電子ペンは、
    前記コンピュータ装置へ、前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信する制限信号処理手段を備え、
    前記コンピュータ装置は、
    前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段と、
    前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段と、
    前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面の前記画像信号を生成する表示制御手段と、を備え、
    前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、
    前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、
    前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、
    を有する操作領域であり、
    前記コンピュータ装置は、
    前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
    前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段と、
    前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする電子ペン入力システム。
  11. 前記位置指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、位置指定が可能であることを特徴とする請求項9または10に記載の電子ペン入力システム。
  12. 前記書き込み指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、書き込みが可能であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  13. 前記位置指定領域または前記書き込み指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記タッチパネルへの入力でのみ、前記表示領域に表示される表示対象の拡大縮小の比率変更、又は/及び、前記表示対象の表示箇所の変更が可能であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  14. 前記位置情報生成手段は、
    前記位置指定領域が選択された状態において、前記第2領域への前記電子ペンによる入力があった場合、
    前記電子ペンがペンアップされる直前の位置に基づき、指定された位置の位置情報を生成することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  15. 前記電子ペンの前記制限信号処理手段は、
    前記電子ペンが、ペン先部への圧力検知の有無にかかわらず、前記ペン先部がコード化パターンに近接し、前記コード化パターンを認識したときに、タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を送信することを特徴とする請求項9乃至14のうちいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  16. 前記コンピュータ装置の前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除することを特徴とする請求項9乃至15のうちいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  17. 前記コンピュータ装置の前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから、コード化パターンに関する情報を受信しなくなると、前記タッチパネルによる入力機能制限を解除することを特徴とする請求項9乃至15のうちいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  18. 前記コンピュータ装置の前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンによる記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限することを特徴とする請求項9乃至17のうちいずれか一項に記載の電子ペン入力システム。
  19. タッチパネルと、電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層とが積層されたディスプレイを備えるコンピュータ装置に搭載され実行されるプログラムであって、
    前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段、
    前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段、
    前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段として前記コンピュータ装置を機能させ、
    前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、
    前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、
    前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、
    を有する操作領域であり、
    前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段、
    前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段、
    前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段として前記コンピュータ装置をさらに機能させることを特徴とするプログラム。
  20. 電子ペンで読取り可能なコード化パターンが形成されたコード化パターン層が積層されたタッチパネルと、
    前記タッチパネルと通信可能であり、当該タッチパネルによる入力と、前記電子ペンによる入力とが可能なコンピュータ装置と、
    前記コンピュータ装置から送信された画像信号に基づく表示画面を前記タッチパネルに投影するプロジェクタと、を備える電子ペン入力システムの前記コンピュータ装置に搭載され実行されるプログラムであって、
    前記タッチパネルへの入力の処理を行うタッチパネル入力処理手段、
    前記電子ペンによる入力の処理を行う電子ペン入力処理手段、
    前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、同じ処理が実行される第1領域と、前記電子ペンによる入力と、前記タッチパネルへの入力とで、異なる処理が実行されることが可能な第2領域と、を含む表示画面の前記画像信号を生成する表示制御手段として前記コンピュータ装置を機能させ、
    前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンから前記タッチパネルによる入力機能を制限するための信号を受信すると、前記タッチパネルによる入力機能を制限し、
    前記第2領域は、所定の表示対象を表示する表示領域であり、
    前記第1領域は、前記表示対象中の位置を指定する際に選択される位置指定領域と、前記位置指定がなされた位置に関する書き込みを行う際に選択される書き込み指定領域と、
    を有する操作領域であり、
    前記位置指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、指定された位置の位置情報を生成する位置情報生成手段、
    前記書き込み指定領域が選択された場合に、前記第2領域への入力に基づき、前記書き込みの入力データである書き込み情報を生成する書き込み情報生成手段、
    前記書き込み情報を、前記位置情報と関連付けて記憶手段に記憶させる記憶制御手段として前記コンピュータ装置をさらに機能させることを特徴とするプログラム。
  21. 前記位置指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、位置指定が可能であることを特徴とする請求項19または20に記載のプログラム。
  22. 前記書き込み指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記電子ペンによる入力でのみ、書き込みが可能であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載のプログラム。
  23. 前記位置指定領域または前記書き込み指定領域が選択された状態では、
    前記第2領域は、前記タッチパネルへの入力でのみ、前記表示領域に表示される表示対象の拡大縮小の比率変更、又は/及び、前記表示対象の表示箇所の変更が可能であることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか一項に記載のプログラム。
  24. 前記位置情報生成手段は、
    前記位置指定領域が選択された状態において、前記第2領域への前記電子ペンによる入力があった場合、
    前記電子ペンがペンアップされる直前の位置に基づき、指定された位置の位置情報を生成することを特徴とする請求項19乃至23のいずれか一項に記載のプログラム。
  25. 前記タッチパネル入力処理手段は、前記電子ペンによる記入位置から所定範囲内における前記タッチパネルへの入力の処理を制限することを特徴とする請求項19乃至24のうちいずれか一項に記載のプログラム。
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