JP5663752B2 - コロイド結晶の製造方法及びコロイド結晶 - Google Patents

コロイド結晶の製造方法及びコロイド結晶 Download PDF

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Description

本発明は、コロイドの技術分野に属し、さらに詳しくは、温度変化により結晶化するコロイド多結晶分散液を利用したコロイド結晶の製造方法及びそれを用いて製造されたコロイド結晶に関する。
コロイドとは、数nmから数μmの大きさを有するコロイド粒子が媒質中に分散している状態をいい、塗料や医薬品の分野等で幅広い産業的用途を持つ。
適切な条件を選ぶと、コロイド粒子はコロイド分散液中で規則正しく配列し、“コロイド結晶”と呼ばれる構造を形成する。このコロイド結晶には2つのタイプが存在する。第一は、粒子間に特別な相互作用が無いコロイド系(剛体球系)において、粒子体積分率が約0.5(濃度=50体積%)以上の条件で形成される結晶である。これは、巨視的な球を限られた空間に詰め込んでいくと、規則配列する現象に似ている。第二は、荷電したコロイド粒子の分散系(荷電コロイド系)において、粒子間に働く静電相互作用により形成される結晶構造である。例えば、表面に解離基を持つ高分子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど)製の粒子やシリカ粒子(SiO)を、水などの極性媒体に分散したコロイド系で結晶が形成される。静電相互作用は長距離に及ぶため、粒子濃度の低い(粒子間の距離の長い)、粒子体積分率が約0.001程度でも結晶が生成し得る。
コロイド結晶は、通常の結晶と同様に、電磁波をBragg回折する。その回折波長は、製造条件(粒子濃度と粒径)を選ぶことで可視光領域に設定できる。このため、フォトニック材料をはじめとする光学素子などへの応用展開が、国の内外で現在盛んに検討されている。現在、光学材料製造法の主流は、多層薄膜法およびリソグラフィー法である。いずれの手法も周期精度に優れるが、前者では1次元、後者では1又は2次元周期構造しか得られない。微粒子の堆積によって得られる3次元結晶構造(オパール構造)では、粒径の揃った粒子を用いると、面間隔の均一性は良好となる。しかし単結晶性のよい領域は10周期程度に限られ、マクロな3次元構造(すなわち大きなコロイド単結晶)の構築は微粒子の堆積法では困難である。
通常、コロイド結晶は1mm角程度の微結晶が集合した多結晶体として得られるが、光学素子として利用する場合には、cmオーダーの単結晶が必要とされることも多い。また、コロイド結晶には通常、さまざまな格子欠陥や不均一性が存在し、このことが光学素子としての利用を阻むこともある。以上のことから、(1)高品質(すなわち格子欠陥や不均一性ができるだけ存在しないこと)であって、(2)大きな単結晶を製造することができる、コロイド結晶の製造方法の確立が求められている。
荷電コロイド系由来のコロイド結晶の生成を制御する手法としては、これまでに、イオン性高分子ラテックス/水分散系に対して、0.1mm程度のギャップを持つ平行平板間において、荷電コロイド多結晶のせん断配向により単結晶を得る手法(非特許文献1)や、電場を付与して結晶化する方法(非特許文献2)が報告されている。しかし、これらの方法では前者の場合、せん断場印加のために特殊な装置が必要とされること、また後者については、電極反応により不純物イオンが生じ、これが結晶化を妨げること、等の難点がある。この他に、荷電コロイド結晶を高分子ゲルで固化し、温度変化によるゲルの体積変化を利用して結晶面間隔を制御した報告(非特許文献3)があるが、煩雑な工程が必要であり、また、無秩序な粒子配列状態からの結晶の生成は試みられていない。
また、本発明者らは、荷電コロイド分散系に特定の電離物質を共存させ、温度変化によりコロイド結晶を形成させるという、コロイド結晶の製造方法を開発している(特許文献1)。この方法によれば、各種の荷電コロイド系から、特殊な装置や複雑な工程を必要とせずに比較的簡単にコロイド結晶を製造することができる。しかし、この方法では1cmを超えるような大型の単結晶を製造することは困難である。
大型の単結晶を得ることのできるコロイド結晶の製造方法として、本発明者らは、pHとともに電荷数が増加して結晶化するシリカコロイド粒子/水系を用い、試料の一端から塩基を拡散させる新規手法により、長さ数cmに達する柱状結晶や、1辺が約1cmの立方体状結晶という世界最大級のコロイド結晶の製造に成功している(非特許文献4、特許文献2)。しかし、この方法は、結晶成長に極めて時間がかかるという欠点がある。また、分光測定により、こうして得られた大型結晶の格子面間隔には、大域的な不均一(傾斜及びゆらぎ)が存在することが明らかになった。これは、拡散現象に本質的な塩基濃度の時間・空間的な不均一性、および拡散の乱れ等に起因すると思われる。時間とともに面間隔の不均一性は減少するものの、塩基濃度がほぼ一様になっても、面間隔には10%程度の分布が存在する。このため、光学素子として用途が制限される。
このため、本発明者らはさらに鋭意研究を重ね、大型で格子欠陥や不均一性の少ない単結晶を容易かつ安価に製造することができるコロイド結晶の製造方法を開発した(特許文献3)。この方法では、シリカコロイドにピリジンを添加したコロイド分散液を用意しておく。ピリジンは温度によって解離度が変化するため、コロイド分散液は温度が高くなるとシリカ粒子の電荷密度が大きくなり、コロイド結晶が析出する性質を有することとなる。このコロイド分散液をコロイド結晶が析出していない状態で容器に入れる。そして、容器の一端側を温めて局所的に該コロイド結晶が析出する温度に設定する。さらにコロイド結晶が析出する温度に設定された範囲を徐々に拡大させて、コロイド結晶を成長させる。こうして得られたコロイド結晶は、極めて大きな単結晶となり、しかも格子欠陥や不均一性も少ないものとなった。このため、吸収スペクトル及び反射スペクトルにおける半値幅を20nm以下という極めて狭い範囲に設定することができた。また、回折波長の空間不均一性も2.0%以下と極めて高品質なものとすることができた。ここで空間不均一性とは、反射分光や透過分光によって測定されたコロイド結晶の回折波長の空間的な分布の標準偏差を、回折波長の加重平均値で除した値を100分率表示したものである(以下同じ)。
B. J. Ackerson and N. A. Clark, Phys. Rev. A 30, 906, (1984) T. Palberg, W. Moench, J. Schwarz and P. Leiderer, J. Chem. Phys. 102, 5082, (1995) J. M. Weissman, H. B. Sunkara, A. S. Tse and S. A. Asher, Science, 274, 959, (1996) N. Wakabayashi, J. Yamanaka, M. Murai, K. Ito, T.Sawada, and M.Yonese Langmuir ,22,7936-7941,(2006) 特開平11−319539号公報 特開2004−89996号公報 特開2008−93654号公報
上記特許文献3に記載のコロイド結晶の製造方法では、コロイド分散液からコロイド結晶が析出する温度が、ピリジンの濃度のみならず、僅かなイオン性の不純物によっても変化するため、再現性良くコロイド結晶を析出させるには、薬品や溶媒の純度や、容器の洗浄等に細心の注意が必要であるという問題があった。本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、大型で、格子欠陥や不均一性の少ないコロイド結晶を容易かつ安価であって確実に製造することができる、コロイド結晶の製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のコロイド結晶の製造方法は、所定の温度でコロイド多結晶が融解するコロイド多結晶分散液を用意する準備工程と、該コロイド多結晶分散液を容器に収容する収容工程と、該容器内のコロイド多結晶分散液の一部の領域又は全部の領域の温度をコロイド結晶が析出しない温度とした後、再びコロイド結晶が析出する温度に変化させることによってコロイド多結晶を再結晶させる再結晶工程とを有することを特徴とする。
本発明のコロイド結晶の製造方法では、まず準備工程において、所定の温度で該コロイド多結晶が融解するコロイド多結晶分散液を用意する。そして、収容工程において、コロイド多結晶が析出しているコロイド多結晶分散液を容器に収容する。さらに、再結晶工程において、容器内のコロイド多結晶分散液の一部の領域又は全部の領域の温度をコロイド結晶が析出しない温度とした後、再びコロイド結晶が析出する温度に変化させる。すなわち、前もってコロイド多結晶が析出していたコロイド多結晶分散液を用いて、これを融解後再結晶させるため、確実に再結晶を行うことができる。このため、薬品や溶媒の純度や、容器の洗浄等にそれほどの注意を払わなくても、再現性良くコロイド結晶を析出させることができる。また、発明者らの試験結果によれば、こうして得られたコロイド結晶は、極めて大きな単結晶となり、しかも格子欠陥や不均一性も少ないものとなった。
従って、本発明のコロイド結晶の製造方法によれば、大型で、格子欠陥や不均一性の少ないコロイド結晶を容易かつ安価であって確実に製造することができる。
本発明のコロイド結晶の製造方法において、再結晶工程では、温度調節手段によりコロイド多結晶分散液の一部をコロイド結晶が融解する温度に設定して融解領域を形成させ、該融解領域を移動させるゾーンメルト法によって再結晶させることができる。この方法によれば、巨大なコロイド単結晶を容易に製造することができる。しかも、コロイド多結晶分散液中に不純物コロイド粒子が存在している場合、コロイド単結晶中に不純物コロイド粒子が入ることが阻止されるという効果も有する。
ここで、融解領域の移動は温度調節手段と容器との相対移動を可能とする移動手段によって行なうことができる。融解領域の移動をこのようにして行なえば、融解領域の相対移動速度を遅くして融解状態から結晶状態への再結晶をゆっくりさせて単結晶の大型化を図ったり、融解領域の相対移動速度を速くして単結晶を速く作製したりして、再結晶化の制御が容易となる。このため、目的に応じてコロイド結晶の品質と製造の効率化とのバランスを図ることが可能となる。
なお、融解領域の移動は、容器を移動させることによって行なってもよいし、温度調節手段を移動させることによって行なってもよいし、容器及び温度調節手段の双方を移動させることによって行なってもよい。
また、融解領域の移動速度については、コロイド多結晶分散液の組成や融解領域の温度等によって適宜選択すればよいが、通常10mm/分以下が好ましく、さらに好ましいのは2mm/分以下である。融解領域の移動速度が速すぎると、大きなコロイド単結晶が析出し難くなるからである。
また、収容工程において、コロイド多結晶分散液は略平行に対面する2つの壁の間に充填されていることが好ましい。こうであれば、容器内での自由な対流が起こり難くなるため、コロイド結晶の成長が乱され難くなり、さらに大型で、格子欠陥や不均一性の少ない単結晶を製造することができる。この場合において、コロイド分散系の温度を変化させる方向としては、壁に平行の方向あるいは壁に垂直な方向のどちらでもよい。また、エチレングリコール、グリセリンなどの高粘性液体をコロイド分散媒として用いても、対流は起こりにくくなるため、同様の効果が得られる。
所定の温度においてコロイド多結晶が融解するコロイド多結晶分散液とするための方法として、温度変化によって解離度が変化する弱酸又は弱塩基を添加しておくことが挙げられる。例えば、弱塩基であるピリジンの解離度は昇温と共に増加する(電気伝導度測定により決定した、ピリジンの無塩水溶液におけるpKb値は、10及び50℃において9.28および8.53であり、温度と共に直線的に減少した)。従って、ピリジンをシリカコロイド分散系のようなコロイド分散系に共存させた場合、昇温に伴いコロイド粒子の有効表面電荷密度σe値が増加すると考えられる。しかも、種々の温度における上記の解離は、通常の使用条件において系の温度変化に要する時間よりもはるかに短時間で平衡状態となる。すなわち、σe値は試料温度により一義的に決まり、それまでの温度履歴等に依らないため、コロイド多結晶分散液の融解及び再結晶化が熱可逆的に起こる。
以下に、温度変化によって解離度が変化する弱塩基、弱酸および塩を例示するがこれらに限定されるものではない。好ましい弱塩基としては、例えば、ピリジンおよびピリジン誘導体(モノメチルピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン等)が挙げられ、これらは温度上昇とともに解離度が増加する。これらのピリジンまたはピリジン誘導体は、シリカ粒子の結晶化に対して好適なpKb値を有し、またpKb値の温度による変化が充分に大きいという理由から本発明において用いられるのに特に好ましい。弱塩基としては、この他に、ウラシル、キノリン、トルイジン、アニリン(及びそれらの誘導体)等も使用することができ、これらも昇温とともに解離度が増加する。
一方、弱酸としては、水溶液中で温度上昇とともに解離度が減少する酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クロル酢酸、リン酸、シュウ酸、マロン酸等を挙げることができる。一方、ホウ酸や炭酸のように、昇温とともに解離度が増加するような酸を用いることもできる。さらに、上記のごとき弱塩基と弱酸の中和により得られる塩も解離度に温度依存性があり、本発明における弱電離物質として使用できる。温度に依存して解離度が増加するか減少するかは、当該酸と塩基の強さの大小関係に依る。
また、弱酸や弱塩基を単独で用いるのではなく、弱酸−強塩基の混合系や、弱塩基−強酸の混合系等も用いることができる。
また、所定の温度においてコロイド結晶が析出するコロイド多結晶分散液とするための方法として、媒体の誘電率の温度変化を利用することもできる。すなわち、コロイド粒子間の静電相互作用は誘電率の減少とともに増加するが、通常の液体の誘電率は温度とともに減少するため、加熱により誘電率を変化させてコロイド結晶を析出させることもできる。
また、コロイド多結晶分散液のコロイド粒子はシリカ粒子であり、分散媒は水であり、弱塩基はピリジン及び/又はピリジン誘導体とすることができる。このようなコロイド多結晶分散液により、確実に大型で、格子欠陥や不均一性の少ない単結晶を製造することができる。
また、コロイド多結晶分散液に強塩基を添加しても、所定の温度でコロイド結晶を析出させることができる。強塩基の解離度に対する温度依存性は低いと考えられるが、それにもかかわらず、強塩基を添加してもコロイド結晶を析出することができるのは、温度変化による該コロイド多結晶分散液の誘電率の変化や、温度変化によるコロイド粒子表面の官能基の解離度の変化によるものと考えられる。さらには、コロイド多結晶分散液に何も添加しなくても、温度を変化させてコロイド多結晶分散液の誘電率や、コロイド粒子表面の官能基の解離度を変化させることにより、コロイド結晶を析出させることができる。
また、コロイド結晶を成長させた後、ゲル化により固化することもできる。このように、ゲル化によりコロイド結晶を固化すれば、温度をコロイド結晶が析出しない温度に戻したとしても、コロイド結晶の構造を保持することができる。また、コロイド結晶の機械的強度を飛躍的に高めることができる。さらに、ゲル化したコロイド結晶は、ゲルマトリクス固有の特性を併せ持つ材料となる。例えばゲル化したコロイド結晶を機械的に圧縮させて、変形させた場合、結晶格子面間隔も変化するため、回折波長を制御することができる材料となる。ゲル化したコロイド結晶は、液体の種類、温度やpHなどの物理的・化学的環境に応答して膨潤したり収縮したりする。また、特定の分子と特異的に結合する官能基を導入すると、その分子種の濃度に依存して体積が変化する。こうした性質を利用し、回折波長のシフトを測定することにより、温度、pH、様々な分子種等のセンシングが可能となる。
ゲル化の方法としては、コロイド多結晶分散液に光硬化性樹脂を分散させておき、コロイド結晶を析出させた後に、光を照射してゲル化する方法などが挙げられる。この場合において、光硬化性ゲル化剤は、イオンの発生の少ない材料を選択することが好ましい。イオンの発生する光硬化性ゲル化剤を用いた場合、コロイド多結晶分散液中に分散している荷電コロイドの表面電位が変化して、コロイドの状態変化が起きる可能性があるからである。このような、イオン発生の少ない光硬化性ゲル化剤としては、ゲルモノマー、架橋剤及び光重合開始剤を含む溶液等が挙げられる。ゲルモノマーとしては、アクリルアミド及びその誘導体などのビニル系モノマー、架橋剤としては、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、また光重合開始剤としては、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド]等が挙げられる。この他、アジド系感光基をポリビニルアルコールにペンダントした水溶性の感光性樹脂等も用いることができる。
本発明のコロイド結晶の製造方法において、再結晶工程では、温度調節手段により容器の一端側から冷却又は加熱してコロイド多結晶分散液中のコロイド多結晶を融解させた後、該温度調節手段による冷却又は加熱を停止して再結晶させることもできる。
本発明者らの試験結果によれば、このようなコロイド結晶の再結晶化方法を用いても大型で、格子欠陥や不均一性の少ないコロイド結晶を確実に製造することができる。また、この方法によれば、ゾーンメルト法のような融解領域を移動させる必要はないため、装置が簡単となり、ひいてはコロイド結晶の製造コストを低廉化することができる。
本発明の製造方法で得られたコロイド結晶は、吸収スペクトル及び反射スペクトルにおける半値幅を10nm以下という極めて狭い範囲に設定することができる。また、回折波長の空間不均一性も0.2%以下とすることができる。ここで空間不均一性とは、反射分光や透過分光によって測定されたコロイド結晶の回折波長の空間的な分布の標準偏差を、回折波長の加重平均値で除した値を100分率表示したものである(以下同じ)。
また、本発明の製造方法では、回折波長が400〜800nmの範囲内であり、該回折波長の不均一性が0.2%以下であり、該回折波長での透過率が厚さ1mmにおいて0.1%以下であり、結晶格子面の層数が3000層以上であり、最大径が1cm以上の単結晶からなるコロイド結晶を得ることができる。
このようなコロイド結晶では、回折波長が400〜800nmの範囲内であるため、可視光の回折が可能となる。また、回折波長の空間不均一性が0.2%以下であり、回折する波長の精度が極めて高い。また、回折波長での透過率が0.1%以下であることから、回折の効率も極めてよい。こうした特性から、フォトニック結晶として光通信コネクタ、光増幅等の光電子素子、カラー映像機器、高出力レーザー、化粧品・装飾品分野等へ適用することができる。
コロイド多結晶分散液の融解試験から求めたピリジン濃度と融点T及び凝固点Tとの関係を示すグラフである。 コロイド多結晶分散液の融解曲線を求めるための実験装置の模式図である。 コロイド多結晶分散液の融解曲線を示すグラフである。 ゾーンメルト法によるコロイド結晶の析出に使用した装置の模式図である。 ゾーンメルト法によるコロイド結晶の析出前後の写真である。 ペルチェ素子の移動速度を変えた場合の、コロイド結晶の外観及び結晶サイズを示す図である。 ゾーンメルト法によるコロイド結晶の単結晶化を行なった場合の、セル表面温度を赤外線式サーモグラフィー装置で測定した結果を示す写真である。 ゾーンメルト法による不純物排除試験後の写真である。 コロイド結晶について蛍光画像を撮影した写真の蛍光輝度分布を測定したグラフである。 ゾーンメルト法による再結晶化の原理を示す図である。 実施例3のコロイド結晶の製造方法に用いた装置の模式図である。 再結晶を行なった後のコロイド結晶の写真である。 一方向からの冷却後に冷却を停止してコロイド結晶を析出させる方法における経過時間と各部における温度との関係を示すグラフである。 ピリジン濃度が47.5μMOL/L、シリカコロイドの体積分率(φ)を0.035として再結晶を行なった後のコロイド結晶の写真及び多結晶領域及び再結晶領域の透過スペクトルを示すグラフである。 コロイド多結晶分散液中のピリジン濃度と半値幅との関係を示すグラフである。 再結晶領域のコッセル線解析で得られた回折像である。 実施例3−3においてゲル化されたコロイド結晶の写真である。 実施例3−3におけるゾーンメルト法が適用されていない部分とゾーンメルト法が適用された部分の透過スペクトルである。
1、C…石英セル(容器)
2,12…熱電対
3…水槽(温度調節手段)
4…自動X軸ステージ(移動手段)
5…基台
6…ステージ
7…ステッピングモータ
9…ペルチェ素子
10…凸部材
11a,b…断熱部材
本発明において用いられるコロイド多結晶分散液の例として特に好ましいのは、シリカ微粒子が水に分散された系である。このシリカ微粒子は水中に分散されると、その表面を覆っている弱酸性のシラノール基(Si−OH)のOHの一部が解離してSi−Oとなるとともに、その周囲に対イオンと呼ばれるプラスイオン(H)が分布する。この系にピリジンのような電離物質を添加するとシラノール基の解離度が変化し、粒子の有効表面電荷密度σeが変化するこのように有効表面電荷密度σeが比較的容易に制御できるという特性はシリカ粒子のメリットであり、これを利用してコロイド結晶を調製することができる。
しかし、本発明のコロイド結晶の製造方法において用いられるコロイド多結晶分散液は、シリカ−水系に限られるものではなく、表面に弱酸または弱塩基に由来する電荷を有するコロイド粒子が液体媒質に分散され、上述したような弱電離物質を添加すると該電離物質が液体媒質中で解離(電離)するとともに、コロイド粒子表面の電荷が変化し得るようなその他のイオン性コロイド分散系にも適用できる。
すなわち、コロイド粒子として、表面に弱酸を有するものであればシリカと同様に使用可能であり、例えば、酸化チタン微粒子やカルボキシ変成ラテックス(表面にカルボキシル基を有するラテックス)等を使用することができる。さらに、表面に弱塩基を持つものであれば、弱酸を添加することにより、シリカ+ピリジン系と類似の機能を発現させることもでき、これに該当するコロイド粒子としては酸化アルミニウムやアミノ基を有するラテックス等を挙げることができる。また、粒子の表面が上記のような性質を持っておればよいため、シリカや酸化チタン層などで表面をコートした粒子についても、本発明は適用できる。
また、弱酸と弱塩基の両方をもつ球状タンパク質や粘土鉱物から成るコロイド系にも適用可能である。さらに、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いてシリカ粒子表面に弱塩基を導入するなどの表面修飾法により、種々の弱酸や弱塩基が粒子表面に導入された各種のコロイド粒子を含むコロイド多結晶分散液にも本発明は適用できる。
また、分散媒に関しては、コロイド粒子表面の解離基(電荷付与基)及び添加した弱電離物質(弱酸、弱塩基、塩)が解離できるような高い誘電率を呈することができれば、水以外の液体も使用可能である。例えば、フォルムアミド類(例えば、ジメチルフォルムアミド)やアルコール類(例えば、エチレングリコール類)を使用することができる。これらはコロイド粒子および添加する弱電離物質の組合せによってはそのまま使用することもできるが、一般的には水との混合物として使用するのが好ましい。
弱酸や弱塩基を添加するコロイド多結晶分散液は、市販のコロイド用粒子を水などの適当な分散媒に分散させたり、ゾル−ゲル法などにより合成したものを用いればよいが、一般に、コロイド結晶は微量の塩(イオン性不純物)の存在によってその生成が阻害されるため、コロイド分散系の調製にあたっては充分な脱塩を行うことが好ましい。例えば、水を用いる場合には、まず精製水に対して、用いた水の電気伝導度が使用前の値と同程度になるまで透析を行い、次に充分に洗浄したイオン交換樹脂(陽イオンおよび陰イオン交換樹脂の混床)を試料に共存して少なくとも1週間保つことにより、脱塩精製を行う。
さらに、コロイド粒子の粒径およびその分布にも注意を払う必要がある。コロイド粒子の粒子径は600nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは300nm以下である。粒子径が600nmを超えるような大きな粒子径のコロイド粒子の場合には、重力の影響で沈降し易くなるからである。また、コロイド粒子の粒子径の標準偏差は、15%以内が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。標準偏差が大きくなると、結晶が生じにくく、また結晶を生じても、格子欠陥や不均一性が増し、高品質のコロイド結晶が得られ難くなる。
弱電離物質を添加することによって、温度変化でコロイド結晶を生成させるコロイド多結晶分散液の場合、荷電コロイド系における結晶化を支配するコロイド粒子間の静電的相互作用は、該粒子の有効表面電荷密度(σ)のみならず、粒子の体積分率(φ)や添加塩濃度(Cs)によっても影響される。したがって、コロイドの結晶化が起こる温度や弱電離物質の添加量は、当初のコロイド分散系のφやCsによって異なる。例えば、弱電離物質としてピリジン(Py)を添加する場合、一定温度およびφ条件下で比較したとき、一般に、Cs値が高いほどピリジン濃度の高い条件で結晶化が起こる。
一般的には、φ(コロイド粒子の体積分率)として0.01〜0.05程度とし、Cs(添加塩濃度)は2〜10μmol/L程度となるようにコロイド分散系を調製し、これに弱電離物質を添加する。このためには、コロイド粒子の比重をピクメーター法などにより求め、この値を用いて精製したコロイド分散系のコロイド粒子のφ値を絶乾法により決定することができる。そして、このコロイド分散系に精製した水などの液体媒質を加えて希釈することにより、所定のφ値を有する分散系を調製することができる。φ値は、コロイド結晶が望まれる特性に応じた結晶面間隔を有するように算出する。また、必要に応じ、NaClなどの低分子塩水溶液を添加してCs値を制御する。
以上のコロイド多結晶分散液の調製にあたっては、イオン性不純物による汚染を可能な限り避ける必要がある。この点において、塩基性不純物が水中に溶出するようなソーダ石灰ガラス等は、粒子のσe値を増加させるため、ガラス容器を用いる場合には、石英ガラスのような塩基性不純物が水中に溶出しないガラスの容器の方が好ましい。また空気中の二酸化炭素は水に溶解して炭酸を生じるため、窒素等の雰囲気下で調製を行うことが望ましい。さらに、コロイドの結晶化に用いる容器、器具類は精製水(電気伝導度 0.6μS/cm以下)で充分洗浄したのち使用する。
以上のように調製したコロイド系を加熱または冷却し、結晶の有無を確認し、結晶化温度を評価することができる。結晶生成の確認には、イリデセンスの観察の他、X線散乱法、光学顕微鏡法および分光光度法(反射または透過スペクトル測定)等が適用できる。
本発明のコロイド結晶の製造方法では、単に外部から系を加熱または冷却するという簡単な手段により、熱可逆的にコロイド粒子の結晶化を生じさせることができる。この結晶化は、ピリジン等の弱電離物質の濃度を変化させることにより制御できるが、その際、弱電離物質の濃度はNaOHのような強塩基を添加する場合のように厳密である必要もない。すなわち、添加した弱電離物質の濃度に比べその解離種の濃度がごく少量であるため、弱電離物質濃度に対するコロイド粒子の表面電荷密度(σe)の変化が強塩基を添加した場合より緩やかであり、ある程度の濃度範囲が許容されることが利点である。
また、弱電離物質の濃度を変化させることで、結晶化温度を容易に調節出来る。すでに、ピリジンを用いたシリカ/水系のコロイドでは、2〜60℃の範囲で調整出来ることを確認している。
また、本発明においては系を密閉系に保つことができるため、イオン性不純物による汚染を防いで高性能のコロイド結晶を得ることができる。かくして、本発明は、光応答特性を制御できる光学素子などの製造に、広範な応用が期待される。
本発明のコロイド結晶の製造方法は、表面に電荷を有するコロイド粒子、該コロイド粒子を分散させる分散媒、および該分散媒中において解離度が温度変化とともに変化する弱電離物質を含むコロイド系を利用し、これに外部から温度変化を与えてコロイド結晶を生成させることができる。このような弱電離物質含有コロイド系は温度変化により可逆的に結晶化し物性が変化するので、この性質を利用して、コロイド結晶の製造以外にも応用することが可能である。
例えば、温度変化により物性が変わることを利用した新規な感熱性材料(感熱性塗料、温度センサーなど)の開発が可能となる。また、昇温によりコロイド系が結晶化するような系を用いれば、系の粘性は温度とともに増加することが期待される。一方、通常の単純液体においては、一般に粘性は温度増加にともない単調に減少する。このような特異な粘性−温度特性を利用して、例えば従来の応力伝達系に用いられる液体(クラッチ用のオイルなど)の温度特性の改善などへの応用も期待される。
以下、本発明をさらに具体化した実施例について詳細に述べる。
<コロイド多結晶分散液の調製>
コロイド多結晶分散液は次のようにして調製した。
日本触媒社製シリカコロイド粒子KE−W10(直径0.11±0.01μm 比重2.1)を半透膜による透析及びイオン交換樹脂によるイオン交換法を用いて精製した。こうしてイオンが除かれたシリカコロイドを体積分率(φ)=0.050となるように調整し、ピリジンを所定の濃度となるように添加して、コロイド多結晶分散液とした。このコロイド多結晶分散液は、室温において強く振り混ぜたときには白濁した液となるが、そのまま静置すると1分以内にキラキラと干渉色で輝く微細なコロイド多結晶が肉眼によって観察された。
<コロイド多結晶分散液の融解試験>
こうして得られたコロイド多結晶分散液について、コロイド結晶の融解試験を行なった。すなわち、コロイド多結晶分散液を内法が厚さ1mm、幅1cm、長さ4.5cmの石英セル内に充填し、恒温槽内に入れ、全体の温度を低下させながら融点を測定した。融点に達したかどうかは肉眼による観察で行った。すなわち、コロイド結晶が融解すると、キラキラと干渉色に輝くコロイド多結晶状態から、輝く点が散在する固液共存状態を経て白濁した溶融状態に変化する。そして、融解状態から固液共存状態へ移行するときの温度を融点T、固液共存状態から結晶状態へ移行するときの温度を凝固点Tとし、さまざまなピリジン濃度で融点T及び凝固点Tを測定した。
その結果、図1に示すように、T及びTは添加したピリジンの濃度に依存し、ピリジンの濃度が高いほどT及びTが低下し、ピリジンの添加量によってT及びTの値を制御できることが分かった。
さらに、以下に示す溶融試験を行った。すなわち、図2に示すように、上記コロイド多結晶分散液を充填した石英セル1を水平方向に固定し、上面側に多数の熱電対2を幅方向の中央部分であって長さ方向に等間隔で設置し、各部の温度を計測可能とした。そして、石英セル1の一端側を図示しない冷却水循環装置に接続された水槽3に接触させて所定温度(0℃、3℃、7℃)の冷水を循環させながら、一端側から他端側へコロイド結晶を融解させた。コロイド結晶の融解の様子は肉眼によって明確に確認することができた。すなわち、水槽3を石英セル1に接触させる前は、セル全体が干渉色が観察される結晶領域であったのに対し、水槽3を石英セル1の一端に接触させた後は、コロイド結晶が融解した白濁した状態の融解領域が一端側から他端側に広がっていくのが観察された。さらに、融解領域と結晶領域の間には光る点が散在し、液晶状態と考えられる固液共存領域が認められた。そして、融解領域と固液共存領域との境界の温度を融点T、固液共存領域と結晶領域との境界の温度を凝固点Tとして測定した。
その結果、図3に示す融解曲線(図中のLは水槽3からの距離を示す)が得られた。各Tの値は図1で得られたTの値からの計算値とよい一致を示した。
<ゾーンメルト法によるコロイド結晶の析出>
(実施例1−1)
実施例1−1では以下に示すゾーンメルト法によって微細なコロイド多結晶から巨大なコロイド単結晶を調製した。
まず、日本触媒社製シリカコロイド粒子KE−W10(直径0.11±0.01μm 比重2.1)を半透膜による透析及びイオン交換樹脂によるイオン交換法を用いて精製した。こうしてイオンが除かれたシリカコロイドを体積分率(φ)=0.050となるように調整し、ピリジンを50μmol/Lとなるように添加して、コロイド多結晶分散液とした。このコロイド多結晶分散液は、室温で静置するとキラキラと輝く微細なコロイド多結晶が肉眼によって観察された。なお、このコロイド多結晶分散液を別途石英セルに入れ、微細なコロイド多結晶を析出させてから冷却し、コロイド結晶が融解する温度を測定したところ、10℃であった。
この微細なコロイド多結晶が分散されているコロイド多結晶分散液を、図4に示す、内法が厚さ1mm、幅1cm、長さ4.5cmの石英セルC内に充填し、市販の自動X軸ステージ4に、水平面と平行になるように石英セルCを設置した。この自動X軸ステージ4は基台5上に矩形のステージ6が設けられており、基台5の一端にステッピングモータ7が取り付けられている。ステージ6はステッピングモータ7の駆動により、図示しないラック−ピニオン機構を介して長手方向に移動可能とされており、図示しない制御装置によってステッピングモータ7を制御することにより、ステージ6は所定の速度で一方向に移動可能とされている。
また、自動X軸ステージ4を跨ぐようにしてコ字形状の治具8が設置されており、治具8の中央下側にはペルチェ素子9が下側を冷却側とするように取り付けられている。ペルチェ素子9の下面側中央にはアルミ製で薄板状の凸部材10が、ペルチェ素子9と当接しつつ下方に突出して設置されている。凸部材10の幅方向は石英セルCの幅方向と同じとされており、凸部材10の先端は石英セルCと接触している。ペルチェ素子9は図示しない電源からの電力の供給により、下面側が所定の温度となるように冷却可能とされている。また凸部材10と僅かな隙間を介して断熱部材11a、bが対面して両側に設けられている。さらに、凸部材10の先端近くには熱電対12が取り付けられている。
この自動X軸ステージ4のステージ6にコロイド多結晶分散液を入れた石英セルCを取り付けたところ、取り付け後1分以内にコロイド結晶が析出するのが肉眼で観察された。こうしてコロイド結晶が析出した後、ペルチェ素子9に電力を供給するとともに、制御装置によってステッピングモータ7を駆動し、ステージ6を2mm/分の速度で一方向に移動させた。これにより、ペルチェ素子9の冷却面に当接した凸部材10が冷却され、石英セルCの凸部材10と対面する部分が所定の温度に冷却される。そしてステージ6とともに石英セルCが移動することによって、石英セルCの冷却される部分を2mm/分の速度で一方向に移動させた。
図5に再結晶前と、ゾーンメルト法によって再結晶させた後との様子を示す。この写真から、再結晶前には微細な多結晶が数多く観察されたものが、再結晶化後には均質な干渉色となり、単結晶化が進んだことが分かった。さらに、こうして得られたコロイド結晶の反射スペクトル及び吸収スペクトルをファイバー分光法により測定した。その結果、その半値幅は再結晶前には6.33nmだったものが、再結晶化後には5.28nmとなり(回折波長は結晶化前後共に554nm)、再結晶化により結晶の光学特性が向上することが分かった。
得られたコロイド単結晶の結晶格子面の層数をBragg式より次のように算定した。すなわち、Bragg式より2d・sinθ=N・λ/n(ここでdは格子面の間隔、θは入射光と格子面のなす角、Nは自然数、λは回折波長、nは試料の屈折率)となる。実施例1の測定では、θ=90°(sinθ=1)、N=1であり、n=φnシリカ粒子+(1−φ)n(nシリカ粒子=1.46、n=1.33)と近似できる。φ=0.050ではn=1.45となり、d=λ/(2nr)=191nmと算出される。このため、厚さ1mmの結晶中では結晶格子面の数は約5200(層)となり、層数も極めて多いことが分かった。
また、場所による回折波長の違いを調べたところ、回折波長の変動もごく僅か(1nm以下)であり、その空間不均一性は反射スペクトル測定で0.04%:透過スペクトル測定で0.05%と算出され、極めて優れた均一性を有することが分かった。さらには、厚さ1mmにおける回折波長での透過率は0.009であり、回折格子として優れた性能を示すことが分かった。また、回折波長から少し外れた波長での透過率は大きく、回折波長以外では優れた透明性を有することが分かった。
(実施例1−2〜1−4)
実施例1−2〜1−4では、ペルチェ素子9の移動速度を実施例1−1の場合と異なる速度(すなわち、実施例1−2では18mm/分、実施例1−3では30mm/分、実施例1−4では42mm/分)でコロイド結晶を調製した。その他の調製条件は実施例1−1と同様である。結果を図6に示す。この図より、冷却部分(すなわちコロイド多結晶の融解域)の移動速度νが大きくなるほど、結晶サイズが小さくなることが分かった。
また、実施例1−1(すなわちν=2mm/分)のコロイド結晶調製において、ペルチェ素子9と反対側のセル表面温度を赤外線式サーモグラフィー装置(NEC/Avio社製TH6300型)を用いて測定した。結果を図7に示す。図7(a)は5分毎の温度分布の画像を示す。また、図7(b)は図7(a)の各画像中に示した横線上の位置x(セル左端からの距離)と温度との関係を示した図である。図7(a)において、15℃以下の最も暗く見える部分はペルチェ素子9であり、これに接触している部分がコロイド結晶の融解域である。
また、同様の表面温度測定を実施例1−4(ν=42mm/分)、実施例1−3(ν=30mm/分)及び実施例1−2(ν=18mm/分)についても行った。その結果、ペルチェ素子9と接触している側と反対側のセル表面の温度は、実施例1−4で23℃、実施例1−3で22℃、実施例1−2で18℃であった。
<ゾーンメルト法による不純物排除実験>
(実施例2−1)
実施例2−1では、蛍光ポリスチレン粒子を模擬不純物とし、ゾーンメルト法による不純物粒子の排除試験を行なった。以下にその試験方法を詳述する。
すなわち、精製したシリカコロイド(粒径=100nm、粒子濃度=5vol%)にピリジン50μmol/Lを添加した分散液に、モデル不純物として蛍光ポリスチレン微粒子(粒径=100nm)を粒子濃度=0.02vol%となるように加えた。このように調製したコロイド多結晶分散液は、1mm以下の微結晶の集合体であった。このコロイド多結晶分散液を1×1×4.5cmの石英セルに入れ、実施例1−1で用いたゾーンメルト装置を用い、25℃において、凸部材10の先端が3℃となるようにペルチェ素子9を制御しながら、速さ2mm/分でセルの右端から左向きに約3cm移動させて、ゾーンメルト処理を行なった。こうして得られたコロイド結晶の外観を図8に示す。図中に矢印で示した部分がゾーンメルト処理を施した部分であり、コロイド単結晶が析出していることが分かる。ゾーンメルト処理を施した部分の左側端には、多結晶領域が残存していた。さらに、蛍光顕微鏡を用いて蛍光粒子の分布を調べた結果を図8に示す。図8の上側の図に示す(a)(多結晶領域)、(b)(境界領域)及び(c)(再結晶領域)における蛍光顕微鏡像が図8の下の図である。(a)では明瞭な蛍光が観測されたが、(c)ではほとんど観察されなかった。以上の結果から、単結晶部分から模擬不純物である蛍光粒子が排除されたことが分かった。
(実施例2−2)
実施例2−2では、蛍光ポリスチレン微粒子(粒径=100nm)を粒子濃度=0.0005vol%となるように加え、ピリジン濃度は55μmol/Lとした。その他の条件は実施例2−1と同様であり、詳細な説明を省略する。
こうして得られたコロイド結晶について、1mm間隔で蛍光画像を撮影し,画像解析ソフトを用いて蛍光輝度を測定した。結果を図9に示す。この図からゾーンメルト処理後は、ゾーンメルト処理前に比べて、再結晶領域の輝度が減少し,境界部分で輝度が極大を持つことが明らかになった。すなわち、ゾーンメルト処理によって蛍光ポリスチレン粒子は再結晶部分から排除され、境界に集積することが分かった。
以上の結果は、従来シリコン等の単結晶を得るのに利用されていたゾーンメルト法が、コロイド結晶系においても適用できることを意味するものである。すなわち、結晶グレイン境界は結晶内部よりも融点が低いため、ゾーンメルト法によりコロイド多結晶を冷却して微小な結晶グレインを融解させ、再び加熱して結晶化させた場合、周囲の結晶配向と同じ配向を持つ結晶が再構築されて、単結晶化が進行する(図10参照)。また、その他の結晶欠陥(例えば空孔、双晶欠陥など)についても、同様に、融解/再結晶化を行なうゾーンメルト法によって、除去することができると推測される。
<一方向からの冷却後に冷却を停止してコロイド結晶を析出させる方法によるコロイド結晶の調製>
(実施例3)
実施例3では、コロイド多結晶からなるコロイド多結晶分散液を充填した石英セルを一方向から冷却した後、冷却を停止して再結晶させ、微細なコロイド多結晶から巨大なコロイド単結晶を調製した。
結晶化用コロイド多結晶分散液におけるシリカコロイドの体積分率(φ)を0.035とし、ピリジン濃度は50μmol/Lとした。コロイド多結晶分散液を調製するための他の条件は実施例1と同様であり、説明を省略する。こうして得られたコロイド多結晶分散液を実施例1の場合と同様の石英セルに充填し、図11に示すように石英セル20を水平方向に固定し、上面側に4つの熱電対21を幅方向の中央部分において当接させ、各部の温度を計測可能にセットした。そして、石英セル20の一端側を図示しない冷却水循環装置に接続された水槽22に接触させて0℃とし、一端側から他端側へコロイド結晶を融解させた後、水槽22を石英セル20から離して再びコロイド結晶を析出させた。熱電対21は、水槽22から距離が2.5mm、7.5mm、12.5mm及び17.5mmの位置に設置した。また、熱電対21からの信号はA/Dコンバータ23でデジタル化し、デジタルデータとしてパソコン24に取り込んだ。
コロイド結晶の析出の様子を肉眼で観察したところ、コロイド結晶の融解の様子が肉眼によって明確に確認できた。すなわち、水槽22による冷却を停止したところ、水槽22に近い側にはコロイド結晶が融解した白濁した状態の融解領域認められ、水槽22から遠い側にはコロイド結晶が融解しておらず干渉色が観察される結晶領域が認められた。
こうしてコロイド結晶を析出させた場合の写真を図12に示し、各部の温度を図13に示す(図13中のmmは水槽22からの距離を示す)。図12に示すように、コロイド多結晶が融解−再結晶した均質な干渉色を示す単結晶化領域と、コロイド多結晶が融解せずにそのまま残った領域とが明確に区別できた。また、再結晶した部分及び再結晶しなかった部分について反射スペクトルを測定したところ、どちらも中心波長は620nmであったが、その半値幅は再結晶しなかった部分は5.47nmであったのに対し、再結晶部分では4.64nmと小さくなり、優れた光学的性質を持つことが分かった。
また、透過スペクトルを測定したところ、図14に示すように、再結晶しなかった部分は場所ごとにスペクトルが異なっていたのに対し、再結晶領域ではどこでもほぼ同じスペクトルが得られ、光学的な均質性に優れていることが分かった。
さらに、コロイド多結晶分散液中のピリジン濃度を40μmol/L、47.5μmol/L及び50μmol/Lと変えて同様に試験を行ない、多結晶領域及び再結晶領域の反射スペクトルを測定した。その結果、図15に示すように、ピリジン濃度が低いほど、半値幅が小さくなった。
また、ピリジン濃度が50μmol/Lのコロイド多結晶分散液を用いて調製したコロイド再結晶領域のコッセル線解析を行った。コッセル線とは、元来、X線を単結晶物質に照射したとき、結晶内部で2次的に発生した特性X線が点光源として働き、その光を様々な結晶格子面が回折することにより得られる特徴的な回折パターンを指すものであり、コッセル線の解析により、結晶格子の配向や格子構造が決定できる。この方法を上記のコロイド結晶に応用し、澤田らの方法(T. Kanai, T. Sawada, I. Maki, K. Kitamura. Jpn. J. Appl. Phys., vol. 42, p. L655 (2003))にならってコッセル線解析を行なった。コロイド結晶は格子面間隔が光の波長のオーダーのため、X線ではなくレーザー光を用いた。点光源と同等なものとして試料セルとレーザー光源の間に光拡散板を設け、円錐状に広がった入射光を得た。(コッセル線解析装置の模式図はA.Toyotama, J.Yamanaka, M.Yonese, T.Sawada, F.Uchida、J.Am.Chem.Soc. vol.129, p.3044 (2007)のSupporting Informationに記載されている)。この方法によれば、コロイド結晶に入射した円錐状の光のうち、回折により除かれた部分が影となって観察される。図16に、このようにして得られた単結晶のコッセル線写真を示す。中央のリング状のパターンはセル壁面に平行に配向した、BCC{110}面からの回折であり、またリングの周囲にあるパターンは、BCC{200}面によるものであることが結論される(A.Toyotama, J.Yamanaka, M.Yonese, T.Sawada, F.Uchida、J.Am.Chem.Soc. vol.129, p.3044 (2007))。この図から分かるように、よく配向した単結晶が形成されていることが支持された。
<コロイド結晶のゲル化>
(実施例3−1〜3−3)
上記の方法で調製したコロイド結晶を、公知の方法(特願2004−375594:ゲル固定化コロイド結晶(発明者:山中淳平、村井雅子、山田浩司、尾崎宙志、内田文生、澤田勉、豊玉彰子、伊藤研策、瀧口義浩、平博仁 (特願2004-375594) 出願人:宇宙航空研究開発機構、富士化学(株))により固定化した。
すなわち、まずN-メチロールアクリルアミド(以下「N-MAM」という)と、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(以下「Bis」という)と、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド](以下「PA」という)と、シリカコロイド分散液と、ピリジンとを所定の割合で混合したシリカコロイド多結晶分散液を用意する。ここで、Bisは架橋剤としての役割を担い、PAは、光重合開始剤としての役割を担う。シリカコロイド多結晶分散液の組成は、シリカコロイドの体積分率(φ)を0.05、ピリジン濃度を42.5μmol/Lとし、Bisは5mmol/L、PAは50μg/ml、
N-MAMは195〜390mmol/L(すなわち実施例3−1は195mmol/L、実施例3−2はmmol/L、実施例3−3は390mmol/L)とした。
こうして得られたシリカコロイド多結晶分散液を実施例1−1で用いたセルに入れて、暗室内でゾーンメルト法によりコロイド単結晶を得、さらにコロイド単結晶に紫外線を照射してN-MAMを重合させた。
その結果、表1に示すように、N-MAMの濃度が高いほど硬いゲル状態になることが分かった(表中○は硬いゲル状態を示し、△は柔らかいゲル状態を示し、×は流動状態でゲル化していないことを示す)。
Figure 0005663752
実施例3−3のゲル化されたコロイド結晶の写真を図17に示す。ここで、ゾーンメルト法によってコロイド多結晶の再結晶が行なわれているのは、右端から左へ15mmまでの間であり、その間においては、ほぼ単一色からなる干渉色が認められた。これに対し、ゾーンメルト法によるコロイド多結晶の再結晶が行なわれていない部分は、様々な色からなるコロイド多結晶が認められた。さらに、こうして得られたゲル化したコロイド結晶の透過スペクトルを測定したところ、図18に示すように、ゾーンメルト法が適用されていない部分の測定結果(a)では、測定箇所によってスペクトルが大きく異なるのに対し、ゾーンメルト法が適用されている部分の測定結果(b)では、ほぼ均一のスペクトルが得られ、ゾーンメルト法の適用により、コロイド結晶の単結晶化が進行していることが分かった。
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

Claims (7)

  1. 所定の温度でコロイド多結晶が融解するコロイド多結晶分散液を用意する準備工程と、
    該コロイド多結晶分散液を容器に収容する収容工程と、
    該容器内のコロイド多結晶分散液の一部の領域又は全部の領域の温度をコロイド結晶が析出しない温度とした後、再びコロイド結晶が析出する温度に変化させることによってコロイド多結晶を再結晶させる再結晶工程と、を有し、
    該コロイド多結晶分散液には温度変化によって解離度が変化する弱酸又は弱塩基が添加されており、温度変化によるpHの変化によってコロイド結晶が析出することを特徴とするコロイド結晶の製造方法。
  2. 前記再結晶工程で、温度調節手段によりコロイド多結晶分散液の一部をコロイド結晶が融解する温度に設定して融解領域を形成させ、該融解領域を移動させるゾーンメルト法によって再結晶させることを特徴とする請求項1記載のコロイド結晶の製造方法。
  3. 融解領域の移動は前記温度調節手段と前記容器との相対移動を可能とする移動手段によって行なうことを特徴とする請求項2記載のコロイド結晶の製造方法。
  4. 収容工程において、コロイド多結晶分散液は略平行に対面する2つの壁の間に充填されることを特徴とする請求項1又は3に記載のコロイド結晶の製造方法。
  5. コロイド多結晶分散液のコロイド粒子はシリカ粒子であり、分散媒は水であり、弱塩基はピリジン及び/又はピリジン誘導体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のコロイド結晶の製造方法。
  6. コロイド結晶を成長させた後、ゲル化により固化することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のコロイド結晶の製造方法。
  7. 前記再結晶工程では、温度調節手段により容器の一端側から冷却又は加熟してコロイド多結晶分散液中のコロイド多結晶を融解させた後、該温度調節手段による冷却又は加熱を停止して再結晶させることを特徴とする請求項1記載のコロイド結晶の製造方法。
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