以下に本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び参照する図面の記載において、同一又は類似の構成には、それぞれ同一又は類似の符号が付されている。
(実施形態1)
図1乃至図6は、実施形態1を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず、「1.1」で実施形態に係るシステムの概要を説明する。次に、「1.2」でシステムの機能構成を説明すると共に、「1.3」でそれぞれの装置に係る処理の流れを説明する。「1.4」では、システムを構成する各装置を実現可能なハードウェア構成の具体例を説明する。最後に、「1.5」で本実施形態に係る効果などを説明する。
(1.1 概要)
(1.1.1 システムの概要)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムを含む広告配信システム1の機能構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る広告配信システム1は、広告媒体配信サーバ100と、広告ネットワークサーバ200と、広告応札装置300とを含む。ここで、広告媒体配信サーバ100、広告ネットワークサーバ200、広告応札装置300、及びクライアント端末400は、それぞれインターネットNを介して相互に通信可能であるものとする。
広告媒体配信サーバ100は、広告を表示するための広告表示枠が設定されたウェブサイトをクライアント端末400に対して提供するサーバである。広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトとしては、例えば、検索サービスを提供するウェブサイトやブログ閲覧/編集サービスを提供するサイト、ニュースを配信するウェブサイト等、種々考えることができる。図1の例において、広告媒体配信サーバ100は、ウェブサイト提供部110と、広告入札部120とを含む。ここで、広告入札部120は、ウェブサイト提供部110が提供するウェブサイトの広告表示枠に表示する広告を最終的に決定するための広告入札処理を行う。
広告ネットワークサーバ200は、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトのページ情報に含まれるプログラムからの要求に応じて、当該ウェブサイト上の広告表示枠に表示させる広告を決定するための入札処理を行う。図1の例において、広告ネットワークサーバ200は、SSP(Supply Side Platform)部210と、広告入札部220と、DSP(Demand Side Platform)部230とを含む。ここで、SSP部210は、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトの広告表示枠に表示させる広告を決定するための仕組みを提供する。また、広告入札部220は、SSP部210を介して通知を受けた広告表示枠に対する広告入札を行う。DSP部230は、広告入札部220が行う広告表示枠に対する広告入札に対して、予め定められた広告応札条件に基づいて応札する仕組みを、広告主に対して提供する。
広告応札装置300は、クライアント端末400に表示させる広告表示枠の入札に、応札するか否かを決定する機能を持つ。図1の例において広告応札装置300は、応札決定部310と、データベース(DB)311とを含む。広告応札装置300は、SSP部210から連絡を受けた広告表示枠の入札に対してどのような応札条件で応札するかを、DB311に格納された広告応札条件312に基づいて決定する。
(1.1.2 システムの処理の流れの概要)
簡単にシステムの処理の流れの概要を説明する。
クライアント端末400は、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト提供部110が提供するウェブサイトを、ブラウザ411を用いて閲覧することができる。
広告媒体配信サーバ100のサイトをクライアント端末400が閲覧すると、ウェブサイト提供部110が生成したページ情報がブラウザ411にダウンロードされる。当該ページ情報は、例えばHTML(HyperText Markup Language)で記述され、その中には、例えばJavaScript(登録商標)で記述されたプログラム(以下、当該プログラムを、広告用タグとも呼ぶ)が含まれる。ブラウザ411は、広告表示枠に対して設定される当該広告用タグの機能に基づき、広告ネットワークサーバ200のSSP(Supply Side Platform)部210へと広告表示枠の存在を通知する。この広告表示枠の通知には、例えば、広告表示枠の大きさ等の各種情報も含まれる。また、もし、1つのページに複数の広告表示枠が存在する場合には、それぞれの広告表示枠に関する情報が、当該広告表示枠の通知に含まれる。なお、図中には広告ネットワークサーバ200のSSP部210しか記述していないがこれに限られるものではなく、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトのタグは、SSP部210を含む複数のSSPへと、広告表示枠の存在を通知しても良い。
広告ネットワークサーバ200のSSP部210は、クライアント端末400から広告表示枠に応じたアクセスを受けると、クライアント端末400のブラウザ411にセットされているクッキーのドメインを確認する。なお、後述の通り、SSP部210は、ブラウザ411に設定されたDSP用クッキー421のドメインを確認することは可能である。
広告ネットワークサーバ200のSSP部210は、SSP部210が通知する広告表示枠に対する応札が可能な各広告主のドメインのリスト(後述するドメインリスト217)を管理しているので、当該ドメインリスト217と、クライアント端末400のブラウザ411にセットされているクッキーのドメインとを照合する。この結果、広告主のドメインのクッキーがクライアント端末400のブラウザ411にセット(設定)されている場合には、SSP部210は、クライアント端末400のブラウザ411に広告主のドメインのクッキーが入っている旨の情報を付加して、広告表示枠の入札が行われている旨を広告応札装置300へと通知する。広告応札装置300は、当該ドメインの情報と、どのようなウェブサイトに係る広告表示枠であるかの情報を用いて、広告応札条件312を参照することにより、広告ネットワークサーバ200の広告入札部220に対して応札する。
この時、複数の広告主のドメインのクッキーがクライアント端末400のブラウザ411にセットされている場合には、それぞれの広告主に係る応札を管理する広告応札装置300へと、広告表示枠の入札が行われている旨を通知する。
なお、ここでは、広告主のクッキーがクライアント端末400のブラウザ411にセットされているか否かの情報を、SSP部210が広告応札装置300へと通知するようにしているが、これに限られるものではなく、SSP部210は、クライアント端末400に含まれる全てのクッキーのドメインの情報を広告応札装置300に通知するようにしても良い。
また、SSP部210は、DSP部230に対しても、クライアント端末400の広告表示枠の入札が行われている旨を通知する。
DSP部230は、SSP部210から通知を受けると、DSP部230が予め発行したDSP用クッキー421の機能に基づいて収集しておいたユーザの閲覧履歴情報に基づき、どのような条件で広告表示枠に応札するかを決め、その結果を広告入札部220へと通知(応札要求)する。ここで、DSP部230が発行するクッキーは、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行されるものである。この点、後に詳述する。
広告ネットワークサーバ200の広告入札部220は、SSP部210から広告表示枠の通知を受けると、当該広告表示枠に対する広告入札を開始する。DSP部230や広告応札装置300から応札の要求がなされると、広告入札部220は、それらの応札の中から、好適な(例えば、提示金額の最も高い)応札要求に落札させる。ただし、この時点では最終的な落札ではなく、落札した広告に係る広告応札条件は、SSP部210へと通知される。SSP部210は、当該落札結果をもって、広告媒体配信サーバ100の持つ広告入札部120に対して応札する。広告入札部120は、SSP部210からの応札や、他の図示しないSSPからの応札を用いて、広告表示枠への最終的な入札を行う。その結果、広告入札部120は、例えば最も高い金額を広告応札条件として提示した広告を、最終的に広告表示枠に表示させる広告として決定する。もし、SSP部210が通知した広告が落札した場合には、SSP部210は、当該広告に係る広告ソース(例えば、表示される画像等が含まれる)のアドレス情報(URL)を含む落札結果を、クライアント端末400のブラウザ411の処理する広告用タグへと通知する。
クライアント端末400は、当該落札結果に基づき、広告表示枠を落札した広告主の広告ソースを読み込む。これにより、広告ソースに含まれる広告画像が、クライアント端末400のブラウザ411上に表示されることとなる。
このように実装することで、広告配信業者が管理する広告ネットワークサーバ200のドメインのクッキー(サードパーティクッキー)を使用することなく、広告媒体配信サーバ100のドメインで設定されクッキー(ファーストパーティクッキー)を用いて、ユーザの属性に応じた広告配信を行うことが可能となる。つまり、サードパーティクッキーの受け入れを拒否する設定となっているブラウザ411上に対しても、閲覧履歴に応じた広告配信(いわゆる行動ターゲティング広告)が可能となる。
つまり、広告配信システム1は、好適に広告を配信することができる。
(1.2 システムの機能構成)
続いて、図1を詳細に参照しながら、広告配信システム1を構成する各装置の機能構成を説明する。
(1.2.1 広告媒体配信サーバ100)
次に、広告媒体配信サーバ100について説明する。広告媒体配信サーバ100は、広告を表示するための広告表示枠が設定されたウェブサイトを、インターネットN上にあるクライアント端末400に対して提供するサーバである。広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトとしては、例えば、検索サービスを提供するウェブサイトやブログ閲覧/編集サービスを提供するサイト、ニュースを配信するウェブサイト等、種々考えることができる。
広告媒体配信サーバ100は、ウェブサイト提供部110及び広告入札部120を含む。ウェブサイト提供部110は、インターネットN上にあるクライアント端末400に対して、ウェブサイト配信サービスを提供する。この時、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブページを表示したユーザのブラウザ411上には、広告が表示される。つまり、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブページには、広告表示枠がある。
ウェブサイト提供部110は、アクセスしてきたクライアント端末400に対して、アドレス(URL)に応じたページ情報を送信する。ウェブページ情報は、例えばHTMLで記述されており、その中には、JavaScript(登録商標)等で記述された広告用タグが含まれる。広告用タグは、前述の広告表示枠に広告を表示させるためのものである。より詳細には、広告用タグは、広告ネットワークサーバ200のSSP部210に対して広告表示枠が存在する旨の通知をすると共に、DSP部230に対して、DSP用クッキー421をブラウザ411にセットするためのプログラム(JavaScript(登録商標))を送信するように要求する。
クライアント端末400のブラウザ411は、ウェブサイト提供部110から読み込んだウェブページ情報を表示する。この際、ブラウザ411は広告用タグによる制御に基づき、広告ネットワークサーバ200のSSP部210及びDSP部230にアクセスする。
広告入札部120は、広告ネットワークサーバ200のSSP部210を含む1以上のSSPから、広告表示枠に対する応札を受付けて広告表示枠に対する入札を行う。より具体的には、例えば、広告入札部120は、SSP部210を含む各SSPからの応札のうち、例えば最も高い金額を提示した応札等の広告を、当該広告表示枠に表示する広告として決定する。SSP部210が落札した場合には、広告入札部120は、その旨をSSP部210へと通知する。
(1.2.2 広告ネットワークサーバ200)
広告ネットワークサーバ200は、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトのページ情報に含まれるプログラムからの要求に応じて、当該ウェブサイト上の広告表示枠に表示させる広告を決定するための入札処理を行う。図1に示すように、広告ネットワークサーバ200は、大きく分けて、SSP部210と、広告入札部220と、DSP部230とを含む。
(1.2.2.1 SSP部210)
以下、図2を参照しながら、SSP部210について説明する。SSP部210は、広告媒体配信サーバ100の配信するウェブサイトに対して、広告を表示するためのSSP機能を提供する。本実施形態に係るSSP部210は、広告枠通知受信部211と、クッキー確認部212と、入札通知部213と、入札処理部214と、広告ソース通知部215とデータベース(DB)216とを含む。
広告枠通知受信部211は、広告用タグに従って動作するクライアント端末400のブラウザ411からの、広告表示枠が存在する旨の通知を受信する。このとき、もし広告表示枠が複数ある場合には、その旨の情報や、それぞれの広告表示枠の大きさ、識別子等の情報が、クライアント端末400からの通知に含まれる。
クッキー確認部212は、広告表示枠が存在する旨の通知をしてきたクライアント端末400のブラウザ411に、どのようなドメインのクッキーがセットされているかを確認する。また、クッキー確認部212は、ブラウザ411に設定されたクッキーのドメインが、DB216のドメインリスト217に含まれているか否かを確認する。ここで、ドメインリスト217は、SSP部210が通知する広告表示枠に対する応札が可能な各広告主のドメインのリストである。
入札通知部213は、DSP部230及び広告応札装置300に対して、クライアント端末400の広告表示枠に対する入札が行われている旨を通知する。ここで、入札通知部213は、広告応札装置300に対する広告表示枠に対する入札が行われている旨の通知を、例えば、広告応札装置300が提供するAPI(Application Programming Interface)に対して行う。
入札処理部214は、クライアント端末400からの広告表示枠が存在する旨の通知に対して、クライアント端末400の広告表示枠に関する入札を行うことを、広告入札部220へと要求する。また、広告入札部220から広告入札結果(落札した広告の広告応札条件等の情報)を受け取った際には、入札処理部214は、当該広告応札条件を用いて、広告媒体配信サーバ100の広告入札部120が行う広告入札に応札する。
広告ソース通知部215は、入札処理部214が、広告媒体配信サーバ100の広告入札部120に対して応札した広告応札条件の広告が広告表示枠を落札した場合に、当該落札した広告に係る広告ソースを取得するための位置情報(URL)等の情報を、クライアント端末400へと通知する。
DB216は、ドメインリスト217を管理する。ドメインリスト217は、前述の通り、SSP部210が通知する広告表示枠に対する応札が可能な各広告主のドメインのリストである。
(1.2.2.2 広告入札部220)
広告入札部220は、SSP部210の入札処理部214による要求に応じて、クライアント端末400の広告表示枠に関する広告入札を行う。広告入札部220は、この後、一定期間内に受信したDSP部230や広告応札装置300からの応札の中から、例えば最も提示料金の高い広告応札条件を提示した応札に係る広告に、広告表示枠を落札させる。広告入札部220は、落札結果をSSP部210の入札処理部214へと通知する。
(1.2.2.3 DSP部230)
以下、図3を参照しながら、DSP部230について説明する。DSP部230は、広告入札部220が行う広告表示枠に対する広告入札に対して、予め定められた広告応札条件238に基づいて応札する仕組みを、広告に対して提供する。本実施形態に係るDSP部230は、クッキー設定部231と、クッキー確認部232と、入札通知受信部233と、応札決定部234と、データベース235とを含む。
クッキー設定部231は、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトのページ情報に含まれる広告用タグに基づきDSP部230にアクセスしてきたクライアント端末400に対して、クライアント端末400にDSP用クッキー421を設定するためのプログラム(例えば、JavaScript(登録商標)で記述される)を送信する。当該プログラムを受信したクライアント端末400のブラウザ411は、ブラウザ411内に、広告媒体配信サーバ100のドメインによるDSP用クッキー421が設定されているか否かを確認し、もしDSP用クッキー421が設定されていなければ、ブラウザ411にDSP用クッキー421を設定する。なお、DSP用クッキー421は、前述の通り、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行しており、このときユーザがブラウザ411を用いてアクセスしている広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのドメインと一致しているため、ファーストパーティクッキーとなる。つまり、クライアント端末400のブラウザ411が、サードパーティクッキーの受け入れを拒否している場合であったとしても、DSP用クッキー421を設定することは可能である。
ここで、DSP用クッキー421には、ユーザを識別するためのユーザ識別子の情報をvalue値として含む。また、DSP用クッキー421は、ユーザが閲覧したウェブページに係る閲覧情報を収集してDSP部230へと通知する機能も持つ。
クッキー確認部232は、DSP用クッキー421の中身を確認する。ここで、通常は、ブラウザ411に設定されたクッキーは、ドメインが異なるサーバから中身を確認することはできず、単にクッキーのドメインを確認できるだけである。
しかしながら、DSP部230は、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトのページ情報に含まれる広告用タグ(JavaScript(登録商標)等)に基づきDSP部230にアクセスしてきたクライアント端末400に対して、JavaScript(登録商標)等のプログラムを送信する機能を持つ。即ち、DSP部230は、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトの一部として機能している。これにより、ブラウザ411が当該ウェブサイトにアクセスしている際には、DSP部230は、広告媒体配信サーバ100のドメインを持つDSP用クッキー421の内容を確認することができる。よって、DSP部230のクッキー確認部232は、ブラウザ411に設定されたDSP用クッキー421の中身を参照することにより、ユーザ識別子や閲覧情報を取得することが可能となる。クッキー確認部232が取得した閲覧情報は、ユーザ識別子と対応付けて、後述のユーザ閲覧情報237としてDB235に格納される。
入札通知受信部233は、SSP部210の入札通知部213から、広告表示枠に対する入札が広告入札部220で行われている旨の通知を受信する。
応札決定部234は、入札通知受信部233で通知を受けた広告表示枠に対して、どのような条件で応札をするかを決定する。この際、応札決定部234は、クッキー確認部232がDSP用クッキー421を参照することにより取得するユーザ識別子と対応付けられたユーザ閲覧情報237と、広告応札条件238とを参照した上で、応札するかを決める。ここで、ユーザ閲覧情報237には、ユーザがどのようなカテゴリのウェブページを閲覧しているか等の情報が含まれる。ウェブページのカテゴリは、例えば各ウェブページに含まれるテキストデータからキーワード抽出した上で、重要と推測されるキーワードがどのようなカテゴリであるかを推測することにより特定することができる。これにより応札決定部234は、例えば、「音楽関連のサイトを訪問したことのあるユーザに対して、○×円で応札する」等の条件が設定された広告応札条件238を用いて、広告表示枠へ応札することができる。
DB235は、ユーザ識別子情報236、ユーザ閲覧情報237、及び広告応札条件238を管理する。
ユーザ識別子情報236は、クッキー設定部231がクライアント端末400のブラウザ411に設定させ、クッキー確認部232が中身を確認するDSP用クッキー421に設定されたユーザ識別子の情報である。多数のクライアント端末400にDSP用クッキー421を設定している場合には、その全てのユーザ識別子の情報が、ユーザ識別子情報236に格納される。
ユーザ閲覧情報237は、クッキー確認部232がクライアント端末400から取得するクライアント端末400の閲覧履歴が、ユーザ識別子情報236と対応付けて管理される情報である。ここで、前述の通り、ユーザ閲覧情報237には、ユーザが閲覧した各ウェブサイトのカテゴリ等の情報も含まれる。
広告応札条件238は、広告表示枠に対する入札に対して応札する条件を決めるためのものである。より具体的には、どのようなカテゴリのサイトを訪問したことのあるユーザの広告に対して応札するかや、応札の際に提示する金額などの情報が含まれる。
(1.2.3 広告応札装置300)
広告応札装置300は、クライアント端末400に設定されたDSP用クッキー421に基づいて、クライアント端末400に表示させる広告表示枠の広告に、応札するか否かを決定する機能を持つ。このとき、広告応札装置300は、広告応札条件312を参照する。特に、本実施形態において、広告ネットワークサーバ200のSSP部210は、クライアント端末400のブラウザ411にセットされているクッキーのドメインの情報と共に、当該クライアント端末400に係る広告表示枠の入札を行なっている旨を広告応札装置300へと応札する。
よって、広告応札条件312には、例えば、「広告主のクッキーを持つクライアント端末400に係る広告表示枠に対して、○×円の応札を行う」といった設定がなされることが考えられる。
(1.2.4 クライアント端末400)
続いて、クライアント端末400について、図1を参照しながら説明する。クライアント端末400は、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトへアクセス可能な情報処理装置である。クライアント端末400の具体例としては、例えばPC(Personal Computer)や携帯電話端末(いわゆるフィーチャーフォンであるかスマートフォンであるかは問わない。)、スレート型のタブレット端末等が考えられる。
クライアント端末400は、一般的に、CPU410、記憶装置420、入力装置430、及び通信インタフェース(I/F)部440を含む。
CPU410は、記憶装置420等に記憶されているプログラムを実行することにより、クライアント端末400における様々な処理を制御する。広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトを閲覧することのできるブラウザ411は、主にCPU410上で動作する。
記憶装置420は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の各種記憶媒体である。記憶装置420は、CPU410によって実行されるブラウザ411等の各種プログラムコード、及びプログラムの実行時に必要となるデータを記憶する。特に、ブラウザ411にセットされるDSP用クッキー421は、記憶装置420が記憶する。
DSP用クッキー421は、前述の通り、広告ネットワークサーバ200のDSP部230により、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行される。DSP用クッキー421にも、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。
入力装置430は、ユーザが各種情報を入力するための装置である。例えば、マウスやタッチパッド等のポインティングデバイスや、キーボード等が入力装置430に該当する。ブラウザ411を用いたウェブサイトの閲覧に係る各種操作等は、全て入力装置430により入力される。
通信I/F部440は、クライアント端末400が、インターネットNを介して広告媒体配信サーバ100や、広告ネットワークサーバ200といった各種情報処理システムと通信するためのインタフェースである。
(1.3 処理の流れ)
以下、図4及び図5を参照しながら、本実施形態に係る広告配信システム1の処理の流れを説明する。なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することができるし、また、便宜上複数に分けて記載されているステップを1つのステップとして実行することもできる。
(1.3.1 SSP部210の処理の流れ)
まず、広告ネットワークサーバ200のSSP部210の処理の流れを、図4を参照しながら説明する。図4は、広告表示枠に表示する広告を決定する際の、SSP部210の処理の流れを示すフローチャートである。
広告媒体配信サーバ100がクライアント端末400に送信したウェブページに含まれる広告用タグ(プログラム)基づき、クライアント端末400のブラウザ411が、広告表示枠の存在をSSP部210に通知すると、SSP部210の広告枠通知受信部211は、当該広告表示枠が存在する旨の通知を受信する(S401)。なおこの時、「3.2」のDSP部230の処理の流れで説明するように、クライアント端末400に送信したウェブページに含まれる広告用タグ(プログラム)によるクライアント端末400のブラウザ411からの要求に基づき、DSP部230は、DSP用クッキー421をブラウザ411に設定させるためのプログラムをブラウザ411へ送信する。つまり、ブラウザ411がクッキーの受け入れを拒否していない限り、広告媒体配信サーバ100にアクセスしたブラウザ411には、DSP用クッキー421はセットされる。
広告表示枠が存在する旨の通知を受信すると、入札処理部214は、広告入札部220に、広告表示枠の存在を通知することにより、入札処理を開始するように要求する(S403)。また、クッキー確認部212は、クライアント端末400のブラウザ411にセットされた各クッキーのドメインを確認する(S405)。このとき、クッキー確認部212は、ドメインリスト217を参照することにより、ドメインリスト217の中に、ブラウザ411にセットされたクッキーのドメインが含まれているか否かを確認する(S407)。
その上で、入札通知部213は、DSP部230及び広告応札装置300に対し、広告表示枠の入札が行われている旨を通知する(S409)。このとき、入札通知部213は、クライアント端末400のブラウザ411にセットされているクッキーのドメインにかかる情報も、合わせてDSP部230や広告応札装置300に通知しても良い。
その後、入札処理部214は、広告入札部220及び広告媒体配信サーバ100の持つ広告入札部120との間で入札処理を行う(S411)。より具体的には、入札処理部214は、広告表示枠に係る落札結果を広告入札部220から受信し、当該落札した応札に係る広告応札条件を用いて広告入札部120に対して応札する。その結果、入札処理部214による応札が当該広告表示枠を落札できれば(S413のYes)、広告ソース通知部215は、当該応札の広告応札条件として設定されている広告ソースのアドレス等の情報を含む落札結果情報を、クライアント端末400のブラウザ411が実行する広告用タグへと通知する(S415)。
(1.3.2 DSP部230の処理の流れ)
次に、同じく広告ネットワークサーバ200が持つ、DSP部230の処理の流れを、図5を参照しながら説明する。図5は、広告表示枠の入札に対する応札処理を行う際の、DSP部230の処理の流れを示すフローチャートである。
広告媒体配信サーバ100のウェブサイトへクライアント端末400がアクセスすると、当該ウェブサイトのページ情報に含まれる広告用タグ(プログラム)に基づき、クライアント端末400のブラウザ411は、DSP部230に対して、プログラムコード(JavaScript(登録商標)で記述される)の発行要求を送信する。DSP部230は、当該要求を受信すると(S501)、DSP用クッキー421をブラウザ411に設定するためのプログラムコードを送信する(S503)。当該プログラムコードは、ブラウザ411により実行されると、ブラウザ411にDSP用クッキー421が設定されているか否かを確認した上で、もしDSP用クッキー421がブラウザ411に設定されていなければ、DSP用クッキー421をブラウザ411に設定する。
なお、DSP用クッキー421は、広告媒体配信サーバ100のウェブページの一部として実行されるプログラムコードにより設定されているため、広告ネットワークサーバ200のドメインではなく、広告媒体配信サーバ100のドメインを持つ。つまり、DSP用クッキー421は、ファーストパーティクッキーとしてブラウザ411に設定される。
また、DSP用クッキー421の中には、ユーザを識別するための識別子の情報が、value値として含まれる。また、DSP用クッキー421は、ブラウザ411による、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト内の閲覧情報を、DSP部230に対して通知する機能も持つ。クッキー確認部232は、DSP用クッキー421を用いて取得した閲覧情報を、随時ユーザ識別子と対応付けて、ユーザ閲覧情報237として格納しておく。
クッキー設定部231によるプログラムコードの送信後、クッキー確認部232は、ブラウザ411に設定されたDSP用クッキー421の中身を確認する(S505)。これにより、DSP用クッキー421がブラウザ411に設定されていることや、ユーザを識別するためのユーザ識別子の情報等を知ることが可能となる。
その後、入札通知受信部233が、SSP部210から広告表示枠の入札が開始された旨の通知を受信すると(S507)、ユーザ識別子を用いて、ユーザ閲覧情報237を参照する(S509)。その結果、ユーザ閲覧情報237が読み込めれば(S511のYes)、当該ユーザ閲覧情報237を元に、広告応札条件238を参照して、当該広告表示枠に対して、どのような条件で応札するかを決定する(S513)。
また、ユーザ閲覧情報237を読み込めない場合には(S511のNo)、応札決定部234は、広告表示枠に係るウェブサイトのドメイン情報を元に特定できる当該ウェブサイトのカテゴリを用いて広告応札条件238を参照することにより、応札しても良い(S515)。ウェブサイトのカテゴリは、例えば、予めページ情報に含まれるテキストデータからキーワードを抽出し、当該キーワードを解析することにより決定することができる。
その後、応札決定部234は、S513又はS515で決定した広告応札条件238を用いて、広告入札部220に対して入札する(S517)。ここで、広告応札条件238が、複数の広告主に係る条件を含む場合には、応札決定部234は、それぞれの広告主の広告応札条件238を用いて応札(即ち、1つの広告表示枠に対して複数の広告応札条件238で応札する)しても良い。
(1.4 ハードウェア構成)
以下、図6を参照しながら、上述してきた広告媒体配信サーバ100、広告ネットワークサーバ200、及び広告応札装置300をコンピュータ60により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することも可能である。
図6に示すように、コンピュータ60は、プロセッサ61、メモリ62、記憶装置63、入力インタフェース(I/F)64、データI/F65、通信I/F66、及び表示装置67を含む。
プロセッサ61は、メモリ62に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ60における様々な処理を制御する。例えば、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト提供部110や広告入札部120、広告ネットワークサーバ200のSSP部210や広告入札部220、DSP部230、広告応札装置300の応札決定部310は、メモリ62に一時記憶された上で、主にプロセッサ61上で動作するプログラムとして実現可能である。
メモリ62は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ62は、プロセッサ61によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。例えば、広告ネットワークサーバ200が持つDB216やDB235、広告応札装置300のDB311は、メモリ62上に一時記憶されることが可能である。
記憶装置63は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置63は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置63は、広告ネットワークサーバ200が持つDB216やDB235、広告応札装置300のDB311を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ62にロードされることにより、プロセッサ61から参照される。
入力I/F64は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F64の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ等が挙げられる。入力I/F64は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ60に接続されても良い。
データI/F65は、コンピュータ60の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F65の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F65は、コンピュータ60の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F65は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ60へと接続される。
通信I/F66は、コンピュータ60の外部の装置と有線又は無線により、例えばインターネットNを介したデータ通信するためのデバイスである。通信I/F66はコンピュータ60の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F66は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ60に接続される。
表示装置67は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置67の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、あるいは通信I/F66を通じて情報が提供されるヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブルデバイス等が挙げられる。表示装置67は、コンピュータ60の外部に設けられても良い。その場合、表示装置67は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ60に接続される。
(1.5 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態の広告配信システム1では、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行されたDSP用クッキー421(ファーストパーティクッキー)を用いて、ユーザの閲覧履歴に基づく広告配信が可能となる。
これにより、たとえサードパーティクッキーの受け入れが、クライアント端末400のブラウザ411で禁止されている場合であっても、ユーザの閲覧履歴に基づく広告をクライアント端末400に表示させることが可能となる。
(2 実施形態2)
以下、実施形態2について説明する。
図7乃至図13は、実施形態2を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず、「2.1」で実施形態に係るシステムの概要を説明する。次に、「2.2」でシステムの機能構成を説明すると共に、「2.3」でそれぞれの装置に係る処理の流れを説明する。「2.4」では、本実施形態に係る効果などを説明する。
以下の説明では、第1実施形態と同様の機能をもつ構成については同一の符号を付すと共に、説明を省略する場合がある。また、実施形態1と同様の作用効果が得られる場合にも、同様に説明を省略する場合がある。
なお、システムを構成する各装置を実現可能なハードウェア構成は、実施形態1の「1.4」で説明した構成と同様であるので、本実施形態では説明を省略する。
(2.1 概要)
(2.1.1 システムの概要)
図7は、本実施形態に係る情報処理システムを含む広告配信システム1の機能構成を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る広告配信システム1は、広告媒体配信サーバ100と、SSP用装置240と、広告入札用装置260と、DSP用装置280と、クライアント端末400と、広告主サーバ500と、応札決定用装置600とを含む。ここで、広告媒体配信サーバ100、SSP用装置240、広告入札用装置260、DSP用装置280、クライアント端末400、広告主サーバ500、及び応札決定用装置600は、それぞれインターネットNを介して相互に通信可能であるものとする。また、SSP用装置240、広告入札用装置260、及びDSP用装置280の間の通信は、図示しないイントラネットを介して通信可能としても良い。
広告媒体配信サーバ100は、広告を表示するための広告表示枠が設定されたウェブサイトをクライアント端末400に対して提供するサーバである。広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトとしては、例えば、検索サービスを提供するウェブサイトやブログ閲覧/編集サービスを提供するサイト、ニュースを配信するウェブサイト等、種々考えることができる。図7の例において、広告媒体配信サーバ100は、ウェブサイト提供部110と、広告入札部120とを含む。ここで、広告入札部120は、ウェブサイト提供部110が提供するウェブサイトの広告表示枠に表示する広告を最終的に決定するための広告入札処理を行う。なお、ウェブサイト提供部110が提供するウェブサイト上に、予め定められた1つのSSP用装置240から提供される広告しか表示しない場合(複数のSSP用装置240で決められる広告を順番に表示する場合等も含み、入札処理を必要としない場合を言う。)には、広告入札部120は不要である。この点、実施形態1に関しても同様である。
SSP用装置240は、実施形態1のSSP部210と類似した機能を有し、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトの広告表示枠に表示させる広告を決定するための仕組みを提供する。
広告入札用装置260は、実施形態1の広告入札部220と類似した機能を有し、SSP用装置240を介して通知を受けた広告表示枠に対する広告入札を行う。
DSP用装置280は、実施形態1のDSP部230と類似した機能を有し、広告入札用装置260が行う広告表示枠に対する広告入札に対して、予め定められた広告応札条件に基づいて応札する仕組みを、広告主に対して提供する。なお、図7ではDSP用装置280を1台しか示していないが、複数とすることも可能である。特に、1台のSSP用装置240及び広告入札用装置260が行う広告表示枠への入札処理に対して応札可能な広告主毎に複数台用意することができる。
広告主サーバ500は、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイト上に広告を配信する広告主が管理するサーバであり、例えば、広告主のウェブサイトを提供したり、メールマガジンを配信したりする。
応札決定用装置600は、クライアント端末400に設定されたクッキー(後述のDMP用クッキー425)に基づいて、クライアント端末400に表示させる広告表示枠の入札に対して応札するか否かを決定する機能を持つ。
なお、図7では広告主サーバ500及び応札決定用装置600を1台しか示していないが、これに限られるものではなく、複数とすることも可能である。特に、DSP用装置280と同様に、1台のSSP用装置240及び広告入札用装置260が行う広告表示枠への入札処理に対して応札可能な複数の広告主毎に広告主サーバ500及び応札決定用装置600を複数台用意することも考えられる。なおこの場合、広告主サーバ500、DSP用装置280、及び応札決定用装置600の台数は同数である必要はなく、各広告主は、DSP用装置280又は応札決定用装置600の少なくとも一方を用いた広告応札が可能である。
ここで、図7の例において、広告主サーバ500には「http://www.xxx.com」というドメインが割り当てられている。同様に、応札決定用装置600には「http://www.dmp.xxx.com」というドメインが、SSP用装置240、広告入札用装置260、DSP用装置280には「http://www.zzz.com」というドメインが、広告媒体配信サーバ100には「http://www.yyy.com」というドメインが、それぞれ割り当てられているものとする。
広告主サーバ500及び応札決定用装置600は、ドメインの「xxx.com」が共通していることからもわかるように、両方共広告主の管理するドメインである。SSP用装置240、広告入札用装置260及びDSP用装置280のドメインは広告配信業者の管理するドメインであり、広告媒体配信サーバ100のドメインは広告媒体配信事業者の管理するドメインであるものとする。必ずしも応札決定用装置600を広告主自身が管理する必要はないが、例えば応札決定用装置600を広告配信事業者が管理する場合には、応札決定用装置600に対して、広告主の管理するドメインを広告主に割り当ててもらう必要がある。
(2.1.2 システムの処理の流れの概要)
以下、簡単に処理の流れの概要を説明する。
(2.1.2.1 クッキーの設定)
まず、DSP用クッキー421、SSP用クッキー423、及びDMP用クッキー425を設定する際の処理について説明する。
クライアント端末400は、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト提供部110が提供するウェブサイトや、広告主サーバ500のウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトを、ブラウザ411を用いて閲覧することができる。また、広告主サーバ500が配信するメールマガジンを、メールソフト412を用いて閲覧することができる。
例えば、ユーザがクライアント端末400のブラウザ411を用いて広告主サーバ500のウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトを訪問すると、当該ウェブサイトのページ情報に含まれるJavaScript(登録商標)に基づいて、ブラウザ411は応札決定用装置600のDMP部610やDSP用装置280から発行されるプログラムを取得し、当該プログラムの機能に基づき、ブラウザ411にDMP用クッキー425又はDSP用クッキー421が設定される。この時、例えばユーザが広告主のウェブサイトにログイン等することにより個人を特定することができれば、その際には、会員を特定するためのユーザ識別子を、DMP部610はDMP用クッキー425に設定させる。また、会員個人が特定できない場合であっても、DMP部610やDSP用装置280から発行されるプログラムは、当該訪問ユーザを識別するための識別子(但し、ユーザが会員であるか否か等の情報は不明であるため、会員情報531との対応付けはできない)をSSP用装置240から取得した上で、DSP用クッキー421やDMP用クッキー425に格納する。
また、広告主サーバ500のウェブサイト提供部510が提供するウェブサイト上に広告媒体配信サーバ100へのリンクが貼られる場合には、当該リンクに、ユーザを識別するためのユーザ識別子の情報も埋め込まれる。ユーザが当該リンクをクリックして広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへとアクセスした際には、広告主サーバ500のウェブサイト上でのユーザ識別子に対応するユーザが広告媒体配信サーバ100にアクセスしたことがわかる。よって、ブラウザ411は、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトへアクセスすると、ブラウザ411は当該ウェブサイトのページ情報に含まれるJavaScript(登録商標)に基づいて、SSP用装置240から発行されるプログラムを取得し、当該プログラムの機能に基づき、ブラウザ411にSSP用クッキー423が設定される。この時、SSP用装置240はSSP用クッキー423にユーザ識別子を格納すると共に、SSP用クッキー423に設定したユーザ識別子と、リンク元である広告主サーバ500のウェブサイト訪問時にDSP用クッキー421やDMP用クッキー425に設定されたユーザ識別子とを、同一ユーザに係るものとして、マッチング情報として記憶しておく。
ユーザが広告媒体配信サーバ100のウェブサイトから他の広告媒体配信業者に係るウェブサイトや広告主サーバ500の提供するウェブサイトへ訪問する際にも、同様の処理を繰り返すことにより、それぞれのウェブサイトで設定されるクッキーに格納されるユーザ識別子が、他のウェブサイトで設定されたどのユーザ識別子と対応するかを示すマッチング情報254を、SSP用装置240は随時更新していく。
この他、広告主サーバ500のメールマガジン配信部520が配信するメールマガジンには、DMP部610に一時的に接続されるURLが記載される。このURLには会員を特定可能な識別子が含まれているため、DMP部610は、クライアント端末400からアクセスを受けたURLに基づいて、会員を識別することができる。よって、DMP部610は、会員を識別するためのユーザ識別子を、クライアント端末400のブラウザ411に設定されるDMP用クッキー425に格納することができる。
なお、DSP用クッキー421やDMP用クッキー425は、ユーザの使用するブラウザ411が広告主サーバ500の提供するウェブサイトにアクセスした際に、当該ウェブサイトのプログラムが応札決定用装置600やDSP用装置280から取得したプログラムに基づいてブラウザ411に設定される。つまり、広告主サーバ500のウェブサイトのページ情報の一部として実行されるプログラムがブラウザ411に設定するものであるため、DSP用クッキー421やDMP用クッキー425は、広告主サーバ500のドメインで発行されたファーストパーティクッキーとなる。つまり、クライアント端末400のブラウザ411がサードパーティクッキーの受け入れを拒否している場合であっても、DSP用クッキー421及びDMP用クッキー425はブラウザ411に設定可能である。
SSP用クッキー423も同様に、ユーザの使用するブラウザ411が広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトにアクセスした際に、当該ウェブサイトのプログラムがSSP用装置240から取得したプログラムに基づいてブラウザ411に設定される。つまり、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのページ情報の一部として実行されるプログラムがブラウザ411に設定するものであるため、SSP用クッキー423は、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行されたファーストパーティクッキーとなる。つまり、クライアント端末400のブラウザ411がサードパーティクッキーの受け入れを拒否している場合であっても、SSP用クッキー423はブラウザ411に設定可能である。
DSP用クッキー421、SSP用クッキー423、及びDMP用クッキー425は、それぞれ、DSP用装置280、SSP用装置240、及び応札決定用装置600から内容を確認することができる。
(2.1.2.2 広告表示時の処理)
クライアント端末400のブラウザ411にDSP用クッキー421やSSP用クッキー423、DMP用クッキー425の少なくとも一部が設定された後、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト提供部110が提供するウェブサイトへアクセスすると、当該ウェブサイトのページ情報がブラウザ411にダウンロードされる。当該ページ情報は、例えばHTMLで記述され、その中には、例えばJavaScript(登録商標)等で記述されたプログラム(以下、当該プログラムを、広告用タグとも呼ぶ。)が含まれる。ブラウザ411は、ページ情報に含まれる1以上の広告表示枠に対して設定される当該広告用タグの機能に基づき、SSP用装置240へとアクセス(当該アクセスを、広告表示枠の存在の通知と捉えることもできる)する。なお、図中にはSSP用装置240が1台しか示されていないがこれに限られるものではなく、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトの広告用タグは、SSP用装置240を含む複数のSSPへとアクセス(広告表示枠の存在を通知)しても良い。
SSP用装置240は、クライアント端末400からの広告表示枠に応じたアクセスを受けると、広告入札用装置260に対して広告入札を要求する。また、SSP用装置240はクライアント端末400にセットされているSSP用クッキー423内に含まれるユーザ識別子を確認した上で、当該ユーザ識別子に対応する、応札決定用装置600がDMP用クッキー425に設定したユーザ識別子やDSP用装置280がDSP用クッキー421に設定したユーザ識別子を確認する。その上で、DSP用装置280が設定したユーザ識別子や応札決定用装置600が設定したユーザ識別子の情報と共に、当該ユーザ識別子に係るユーザのクライアント端末400に表示させる広告表示枠に対する広告入札が行われている旨の通知をDSP用装置280や応札決定用装置600に通知する。
DSP用装置280や応札決定用装置600は、通知を受けたユーザ識別子に対応付けて管理されている会員情報や閲覧情報に基づき、好適な広告応札条件を用いて、広告入札用装置260に対して応札する。
入札処理の結果、広告表示枠に表示する広告の広告応札条件が決まる(落札)と、SSP用装置240は、クライアント端末400に対して、落札した広告応札条件に係る広告ソース633の位置情報(アドレス情報/URL)と、広告主サーバ500へのリンクにユーザ識別子等の情報を末尾に付与した、当該広告に埋め込まれるリンクの情報とを送る。クライアント端末400のブラウザ411はSSP用装置240から受信した位置情報に基づき広告配信部630から広告ソース633を取得し、当該広告ソース633に含まれる画像や動画等をバナー広告として表示すると共に、当該バナー広告に、受信したユーザ識別子の情報を含む広告主サーバ500へのリンクを埋め込む。
ユーザが当該バナー広告を選択すると、ブラウザ411はリンクに基づいて広告主サーバ500のウェブサイトのページ情報を取得すると共に、広告主サーバ500のサイトで設定したDSP用クッキー421のユーザ識別子と、SSP用装置240から設定されたユーザ識別子の情報とを、ウェブサイトのURLと共にDSP用装置280へと通知し、DSP用装置280は、これらの情報をマッチング情報として自身のDBへ格納すると共に、SSP用装置240へと通知する。
このように実装することで、広告主サーバ500のウェブサイトや広告媒体配信サーバ100のウェブサイトでファーストパーティクッキーとして設定されるDSP用クッキー421、SSP用クッキー423、及びDSP用クッキー421にそれぞれ含まれるユーザ識別子の対応関係をSSP用装置240のマッチング情報として一元管理することができる。SSP用装置240は、広告表示枠への広告入札処理を開始する際に、当該マッチング情報を用いて、DSP用装置280が管理するユーザ識別子や応札決定用装置600のDMP部610が管理するユーザ識別子をDSP用装置280やDMP部610へと通知することが可能である。これにより、DMP部610やDSP用装置280は、それぞれの装置で管理する会員情報(性別、年齢、居住地域、ポイントの有無、購買履歴などの情報を含むことができる)や閲覧履歴等に基づく広告応札が可能となる。つまり、サードパーティクッキーの受け入れを拒否する設定となっているブラウザ411に対しても、会員情報や閲覧履歴に応じた広告配信(いわゆる行動ターゲティング広告)を行うことが可能となる。換言すると、広告配信システム1は、好適に広告を配信することができる。
(2.2 システムの機能構成)
続いて、図7乃至図10を参照しながら、広告配信システム1を構成する各装置の機能構成を説明する。
(2.2.1 広告主サーバ500)
まず、広告主サーバ500について説明する。広告主サーバ500は前述の通り、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイト上に広告を配信する広告主が管理するサーバであり、例えば、広告主のウェブサイトの提供や、メールマガジンの配信を行う。広告主サーバ500は、ウェブサイト提供部510、メールマガジン配信部520及びデータベース530を含む。
なお、本実施形態では、広告主サーバ500はウェブサイト提供部510及びメールマガジン配信部520の双方を有するがこれに限られるものではなく、例えばメールマガジン配信部520は有さないことも考えられる。更に、広告主サーバ500の機能を、複数の情報処理装置により実現することも可能である。
ウェブサイト提供部510は、広告主のウェブサイト閲覧サービスをインターネットN上のクライアント端末400に対して提供する。ここで、ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトは、会員制のサイトであるものとする。これにより、クライアント端末400を操作するユーザがウェブサイト提供部510の提供するウェブサイトにログインした際には、当該ユーザを識別することが可能となる。
ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトのページ情報には、応札決定用装置600のDMP部610からDMP用クッキー425を発行するためのプログラム(例えばJavaScript(登録商標)等で記述される)を取得するためのタグ情報(例えばJavaScript(登録商標)等で記述されるプログラム)が含まれる。これにより、クライアント端末400を操作するユーザが、ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトを閲覧した際には、ブラウザ411に、応札決定用装置600のDMP部610が発行するプログラムに基づいて、DMP用クッキー425がセットされる。また、前述の通り、ユーザのログインに応じてユーザを識別することが可能となる(例えば氏名、性別、住所、年齢等を含み得る会員情報と紐付けることが可能となる)ため、DMP部610は、DMP用クッキー425に設定されたユーザ識別子と、会員情報とを対応付けて管理することが可能となる。なお、DMP用クッキー425に設定されたユーザ識別子は、SSP用装置240が一意に発行する。
また、ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトのページ情報には、DSP用装置280からDSP用クッキー421を発行するためのプログラム(例えばJavaScript(登録商標)等で記述される)を取得するためのタグ情報(例えばJavaScript(登録商標)等で記述されるプログラム)も含まれる。これにより、クライアント端末400を操作するユーザが、ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトを閲覧した際には、ブラウザ411に、DSP用装置280が発行するプログラムに基づいて、DSP用クッキー421がセットされる。なお、DSP用クッキー421にはユーザ識別子が設定されるが、当該ユーザ識別子は,SSP用装置240が一意に発行する。
なお、ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトのページ情報に埋め込まれるタグ情報は、応札決定用装置600のDMP部610からDMP用クッキー425を発行するためのプログラムとDSP用装置280からDSP用クッキー421を発行するためのプログラムの両方を取得しても良いし、いずれか一方のみを取得するようにしても良い。
メールマガジン配信部520は、会員情報531に登録された各ユーザ(各会員)のメールアドレスに対して、メールマガジンを配信する。当該メールマガジンは、応札決定用装置600中、DMP部610に一時的に接続するための各種URL(リンク)を含んでおり、当該URLには各ユーザを特定可能な識別子が含まれる。よって、ユーザがクライアント端末400のメールソフト412で当該メールマガジンを閲覧し、URLを選択すると、ブラウザ411が起動して応札決定用装置600のDMP部610からDMP用クッキー425を発行するためのプログラムを取得する。DMP用クッキー425には前述の通りSSP用装置240が発行したユーザ識別子が含まれ、更に、当該ユーザ識別子と、URLに含まれる会員を特定するための識別子とのマッチング情報がDMP部610等の管理するデータベースに登録される。
データベース530は、会員情報531を含む。会員情報531は、ウェブサイト提供部510が提供するウェブサイトやメールマガジン配信部520が配信するメールマガジンの会員に関する情報であり、少なくとも、ユーザ(会員)を識別するための識別子と、ユーザの属性を示す属性情報とを対応付けて管理する。ユーザの属性情報には、例えば、ユーザの性別や年齢、居住地域(都道府県や市町村など)、広告主のウェブサイトでのポイント数、会員歴、購入商品の履歴等の情報を含むことができる。
(2.2.2 広告媒体配信サーバ100)
次に、広告媒体配信サーバ100について説明する。広告媒体配信サーバ100は、広告を表示するための広告表示枠が設定されたウェブサイトを、インターネットN上にあるクライアント端末400に対して提供するサーバである。広告媒体配信サーバ100が提供するウェブサイトとしては、例えば、検索サービスを提供するウェブサイトやブログ閲覧/編集サービスを提供するサイト、ニュースを提供するウェブサイト等、種々考えることができる。
広告媒体配信サーバ100は、ウェブサイト提供部110及び広告入札部120を含む。ウェブサイト提供部110は、インターネットN上にあるクライアント端末400に対して、ウェブサイト配信サービスを提供する。この時、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブページを表示したユーザのブラウザ411上には、広告が表示される。つまり、広告媒体配信サーバ100が提供するウェブページには、広告表示枠がある。
ウェブサイト提供部110は、アクセスしてきたクライアント端末400に対して、アドレス情報(URL)に応じたページ情報を送信する。ウェブページ情報は、例えばHTMLで記述されており、その中にはJavaScript(登録商標)等で記述された広告用タグが含まれる。広告用タグは、前述の広告表示枠に広告を表示させるためのものである。より詳細には、広告用タグは、SSP用装置240に対して広告表示枠が存在する旨をブラウザ411に通知させると共に、SSP用装置240から、SSP用クッキー423をセットするためのプログラムを取得する。この時、クライアント端末400が、広告主サーバ500のウェブサイトや他の広告媒体配信事業者が管理する他の広告媒体配信サーバ100のウェブサイトに貼られたリンク(アドレス情報)から広告媒体配信サーバ100のウェブサイトへアクセスしてきた場合であって、当該リンクに、リンク元のウェブサイトでDSP用クッキー421、SSP用クッキー423又はDMP用クッキー425に割り当てたユーザ識別子に係る情報が埋め込まれていた場合には、SSP用装置240がSSP用クッキー423に対して割り当てたユーザ識別子と、リンク元のウェブサイトで割り当てられたユーザ識別子との対応関係を、広告用タグによる制御の下、ブラウザ411はSSP用装置240へと通知する。
広告入札部120は、SSP用装置240を含む1以上のSSPから広告表示枠に対する応札を受け付けて広告表示枠に対する入札を行う。より具体的には、例えば、広告入札部120は、SSP用装置240を含む各SSPからの応札のうち、例えば最も高い金額を提示した応札の条件を、入札対象の広告表示枠に表示する広告として決定する。SSP用装置240が落札した場合には、広告入札部120はその旨をSSP用装置240へと通知する。
(2.2.3 SSP用装置240)
以下、図8を参照しながら、SSP用装置240について説明する。SSP用装置240は、広告媒体配信サーバ100の配信するウェブサイトに対して、広告を表示するためのSSP機能を提供する。本実施形態に係るSSP用装置240は、ユーザ識別子発行部241と、マッチング情報登録部242と、クッキー発行用プログラム発行部243と、関数発行部244と、クッキー確認部245と、広告枠通知受信部246と、マッチング情報参照部247と、広告識別子発行部248と、入札通知部249と、入札処理部250と、パラメータ生成部251と、広告ソース通知部252とデータベース253とを含む。
ユーザ識別子発行部241は、DSP用装置280や、応札決定用装置600のDMP部610、SSP用装置240が発行したプログラムからの要求に基づいて、ブラウザ411に設定されるDSP用クッキー421やSSP用クッキー423、DMP用クッキー425に格納されるユーザ識別子を発行する。この時、ユーザ識別子発行部241は、それぞれのクッキーに対して割り当てるユーザ識別子が一意となるようにする。もし、DSP用クッキー421やSSP用クッキー423、DMP用クッキー425に対して、それぞれDSP用装置280やDMP部610、SSP用装置240がそれぞれユーザ識別子を割り当てる場合には、異なるユーザに対して同一のユーザ識別子を割り当ててしまう可能性もあるが、SSP用装置240のユーザ識別子発行部241が一元的にユーザ識別子を発行することで、このような重複を避ける事が可能となる。しかしながら、同じであることがわかっているユーザに対しては、ユーザ識別子発行部241は、同一のユーザ識別子を割り当てることも可能である。
マッチング情報登録部242は、広告主サーバ500の提供するウェブサイトや広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトにおいてそれぞれ発行されるDSP用クッキー421、SSP用クッキー423及びDMP用クッキー425内に格納されたユーザ識別子のうち、同一のユーザに対して割り当てたユーザ識別子の対応関係を示すマッチング情報254をDB253へと格納する。
前述の通り、広告主サーバ500の提供するウェブサイトからリンクを辿って広告媒体配信サーバ100のウェブサイトへとアクセスする際には、当該リンクには、広告主サーバ500のウェブサイトにおいてDSP用クッキー421やDMP用クッキー425に割り当てたユーザ識別子の情報が含まれる。よって、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのページ情報に含まれるプログラムは、当該広告媒体配信サーバ100のウェブサイトでSSP用クッキー423に割り当てたユーザ識別子と、リンク元である広告主サーバ500のウェブサイトで割り当てたユーザ識別子と、それぞれのウェブサイトのURLの情報とをSSP用装置240のマッチング情報登録部242へと通知する。マッチング情報登録部242は当該通知を受けて、DB253に含まれるマッチング情報254を更新する。
クッキー発行用プログラム発行部243は、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトのページ情報に埋め込まれたタグ情報(JavaScript(登録商標)等で記述されるプログラム。)からの要求に基づき、SSP用クッキー423を発行するためのプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)をクライアント端末400のブラウザ411に対して発行する。これにより、SSP用クッキー423に設定されるドメインは広告媒体配信サーバ100となるため、SSP用クッキー423はファーストパーティクッキーとして取り扱われ、ブラウザ411がサードパーティクッキーの受け入れを拒否している場合であっても、ブラウザ411にSSP用クッキー423を設定できる。また、SSP用クッキー423はSSP用装置240から中身を確認可能となる。
関数発行部244は、URLにユーザ識別子等の情報が含まれる場合に、当該URLからユーザ識別子に係る記載をブラウザ411に表示させないためのコールバック関数をクライアント端末400のブラウザ411へと送信する。
クッキー確認部245は、広告枠が存在する旨の通知をしてきたクライアント端末400のブラウザ411に、どのようなドメインのクッキーがセット(設定)されているかを確認する。このとき、クッキー確認部245は、ブラウザ411に設定されたクッキーのドメインが、DB253で管理するドメインリスト255に含まれているか否かを確認する。ここで、ドメインリスト255は、DSP用装置280や応札決定用装置600のDMP部610で応札可能な広告主のドメインのリストである。もしDSP用装置280で応札可能な広告主のドメインが含まれている場合には、後述の入札通知部249はDSP用装置280へと広告入札処理が行われている旨を通知し、また、DMP部610で応札可能な広告主のドメインが含まれている場合には、入札通知部249はDMP部610へと広告入札が行われている旨を通知する。
またクッキー確認部245はSSP用クッキー423がセットされている場合には、当該SSP用クッキー423に含まれるユーザ識別子や、SSP用クッキー423に格納される、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト上での当該ユーザの閲覧履歴256などの情報を読み込む。クッキー確認部245は、取得した閲覧履歴256を、DB253に格納すると共に、DSP用装置280へと通知する。
広告枠通知受信部246は、広告用タグに従って動作するクライアント端末400のブラウザ411からの、広告表示枠が存在する旨の通知を受信する。このとき、もし広告表示枠が複数ある場合には、その旨の情報や、それぞれの広告表示枠の大きさ、識別子等の情報が、クライアント端末400からの通知に含まれる。
マッチング情報参照部247は、SSP用クッキー423から取得したユーザ識別子をキーとしてマッチング情報254を参照することにより、当該ユーザ識別子に対応する、DSP用クッキー421に設定されたユーザ識別子やDMP用クッキー425に設定されたユーザ識別子がどのユーザのものであるかを識別する。
広告識別子発行部248は、クライアント端末400から通知されてきた各広告表示枠に対して、広告表示枠を識別するための識別子を割り当てる。当該広告表示枠の識別子は、広告入札時にユーザ識別子等の情報などと共にDSP用装置280や応札決定用装置600のDMP部610に通知される。また、落札した広告が決定した際には、落札した広告ソース633のURLの一部として、ユーザ識別子等の情報などと共にクライアント端末400のブラウザ411へと通知される。
入札通知部249は、DSP用装置280及び応札決定用装置600に対して、クライアント端末400の広告表示枠に対する入札が行われている旨を通知する。ここで、入札通知部249は、クライアント端末400のブラウザ411にもしDSP用装置280で応札可能な広告主のドメインが含まれている場合には、DSP用装置280へと広告入札処理が行われている旨を通知し、また、DMP部610で応札可能な広告主のドメインが含まれている場合には、DMP部610へと広告入札が行われている旨を通知する。なお、応札決定用装置600やDSP用装置280に対する広告表示枠に対する入札が行われている旨の通知は、例えば、応札決定用装置600やDSP用装置280が提供するAPI(Application Programming Interface)に対して行う。またこの際、当該通知には、ユーザ識別子や広告表示枠の識別子等の情報が含まれる。DMP部610やDSP用装置280へ通知されるユーザ識別子は、マッチング情報参照部247において、SSP用クッキー423に含まれるユーザ識別子に対してそれぞれ対応付けられた、DMP用クッキー425に設定されたユーザ識別子や、DSP用クッキー421に設定されたユーザ識別子である。
入札処理部250は、クライアント端末400からの広告表示枠が存在する旨の通知に対して、クライアント端末400の広告表示枠に関する入札を行うよう、広告入札用装置260へと要求する。また、広告入札用装置260から広告入札結果(落札した広告の広告応札条件などの情報)を受け取った際には、入札処理部250は、当該広告応札条件を用いて、広告媒体配信サーバ100の広告入札部120が行う広告入札に応札する。その結果、落札した場合には、入札処理部250は、落札した広告応札条件にかかる情報を広告ソース通知部252へと伝え、広告ソース通知部252は広告ソース633のアドレス情報(URL)をクライアント端末400へと通知する。
パラメータ生成部251は、入札処理部250による入札処理の結果、落札した広告に係る広告ソース633を取得するためのアドレス情報(URL)に付加するパラメータ情報を生成する。より具体的には、クライアント端末400とSSP用装置240との間のセッションに対して割り当てた識別子、ユーザに対して割り当てたユーザ識別子、広告表示枠に対して広告識別子発行部248が割り当てた識別子、広告ソース633に対して割り当てた識別子、及び広告主に対して割り当てた識別子を用いてパラメータを生成することが考えられる。ここで例えば、セッションに対して割り当てた識別子をS、ユーザに対して割り当てた識別子をA、広告表示枠に対して割り当てた識別子をF1、表示する広告ソース633に対して割り当てた識別子をB、広告主に対して割り当てた識別子をCとし、パラメータを含まない広告ソース633の位置情報を「http://dmp.xxx.com/image.png」とする。このとき、広告ソース通知部252が広告ソース633のアドレス情報としてクライアント端末400へと通知する値は、「http://dmp.xxx.com/image.png?para1=S×A×F1×B&para2=C×A」とすることが考えられる。「?」以降が、パラメータ生成部251が生成するパラメータに相当する部分である。
広告ソース通知部252は、入札処理部250による入札処理の結果、落札した広告に係る広告ソース633を取得するためのアドレス情報(URL)をクライアント端末400へと通知する。前述の通り、当該アドレス情報には、ユーザ識別子等の情報を含む、パラメータ生成部251が生成したパラメータが含まれる。
また、広告ソース通知部252がクライアント端末400へと通知する広告ソース633には、バナー広告に貼られる、広告主サーバ500へアクセスするためのリンクも含まれる。ここで、広告ソース通知部252は、当該リンクにも、パラメータ生成部251が生成した、ユーザ識別子等の各種情報を含むパラメータを付帯させる。より具体的には、「http://www.xxx.com/?para1=S×A×F1×B&para2=C×A」とすることが考えられる。「?」以降が、パラメータ生成部251が生成するパラメータに相当する部分である。
DB253は、マッチング情報254、ドメインリスト255、及び閲覧履歴256を管理する。マッチング情報254は、同一のユーザに対して割り当てたユーザ識別子を名寄せするための情報であり、例えば、ユーザ識別子の対応関係と、ユーザ識別子が割り当てられたウェブサイトのURLと、DSP用クッキー421/SSP用クッキー423/DMP用クッキー425のいずれに格納されたユーザ識別子なのかを示す情報とを含むことができる。
なお、マッチング情報254は、SSP用装置240が管理せずとも、SSP用装置240とは別に設けられた専用の情報処理装置が管理しても良い。
ドメインリスト255は、SSP用装置240が通知する広告表示枠に対する応札が可能な各広告主のドメインと、当該広告主が応札に用いるDSP用装置280やDMP部610の位置情報(APIの情報)とのリストを含むことが可能である。
閲覧履歴256は、SSP用クッキー423から取得される、クライアント端末400のブラウザ411が広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトを閲覧したウェブページに係る情報である。
(2.2.4 広告入札用装置260)
図7に示した広告入札用装置260は、SSP用装置240の入札処理部250からの要求に応じて、クライアント端末400のブラウザ411に表示させる広告表示枠に関する広告入札を行う。広告入札用装置260は、この後、一定期間内に受信したDSP用装置280や応札決定用装置600のDMP部610からの応札の中から、例えば最も提示料金の高い広告応札条件を提示した応札に係る広告に、広告表示枠を落札させる。広告入札用装置260は、落札結果をSSP用装置240の入札処理部250へと通知する。
(2.2.5 DSP用装置280)
以下、図9を参照しながら、DSP用装置280について説明する。DSP用装置280は、広告入札用装置260が行う広告表示枠に対する広告入札に対して、予め定められた広告応札条件289にもとづいて応札する仕組みを、広告表示枠に対して提供する。本実施形態に係るDSP用装置280は、クッキー発行用プログラム発行部281と、クッキー確認部282と、入札通知受信部283と、マッチング情報通知部284と、応札決定部285と、DB286とを含む。
クッキー発行用プログラム発行部281は、広告主サーバ500が提供するウェブサイトのページ情報に含まれるタグ情報(例えばJavaScript(登録商標)等で記述される。)からの要求に基づき、DSP用クッキー421を発行するためのプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)をクライアント端末400のブラウザ411に対して発行する。当該プログラムを受信したクライアント端末400のブラウザ411は、ブラウザ411内に、広告主サーバ500のドメインによるDSP用クッキー421が設定されているか否かを確認し、もしDSP用クッキー421が設定されていなければ、ブラウザ411にDSP用クッキー421を設定する。なお、DSP用クッキー421は、前述の通り、広告主サーバ500のドメインで発行しており、このときユーザがブラウザ411を用いてアクセスしている広告主サーバ500のドメインと一致しているため、ファーストパーティクッキーとなる。つまり、クライアント端末400のブラウザ411が、サードパーティクッキーの受け入れを拒否している場合であったとしても、DSP用クッキー421をブラウザ411に設定することは可能である。
ここで、DSP用クッキー421には、SSP用装置240から発行を受けた、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。また、DSP用クッキー421は、広告主サーバ500のウェブサイトにおいてユーザが閲覧したウェブページに係る閲覧情報を収集してDSP用装置280へと通知する機能も持つ。
クッキー確認部282は、DSP用クッキー421の中身を確認する。ここで、通常は、ブラウザ411に設定されたクッキーは、ドメインが異なるサーバから中身を確認することはできず、単にクッキーのドメインを確認できるだけである。
しかしながら、DSP用装置280は、クッキー発行用プログラム発行部281により、広告主サーバ500が提供するウェブサイトのページ情報に含まれるタグ情報(JavaScript(登録商標)等で記述されるプログラム)に基づきDSP用装置280にアクセスしてきたクライアント端末400に対して、JavaScript(登録商標)等の提供するプログラムを送信する機能を持つ。当該プログラムは、広告主サーバ500のウェプサイトのページ情報の一部として機能している。これにより、ブラウザ411が当該ウェブサイトにアクセスしている際には、DSP用装置280のクッキー確認部282は、広告主サーバ500のドメインを持つDSP用クッキー421の内容を確認することができる。よって、クッキー確認部282は、ブラウザ411に設定されたDSP用クッキー421の中身を確認することにより、ユーザ識別子や閲覧情報を取得することが可能となる。クッキー確認部282が取得した閲覧情報は、ユーザ識別子と対応付けて、DB286内のユーザ閲覧情報288として格納される。
入札通知受信部283は、SSP用装置240の入札通知部249からの、広告表示枠に対する入札が広告入札用装置260で行われている旨の通知を受信する。
マッチング情報通知部284は、広告媒体配信サーバ100や広告主サーバ500の提供する各ウェブサイトにおいて発行されるDSP用クッキー421、SSP用クッキー423及びDMP用クッキー425内に格納されたユーザ識別子のうち、同一のユーザに対して割り当てたユーザ識別子の対応関係を示すマッチング情報をSSP用装置240へと通知する。
広告媒体配信サーバ100のウェブサイトの広告に埋め込まれたリンクを辿って広告主サーバ500へとクライアント端末400がアクセスする際には、当該リンクには、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトにおいてSSP用クッキー423に割り当てたユーザ識別子の情報が含まれる。よって、広告主サーバ500のウェブサイトのページ情報に含まれるプログラムは、当該広告主サーバ500のウェブサイトでDSP用クッキー421やDMP用クッキー425に割り当てたユーザ識別子と、リンク元である広告媒体配信サーバ100のウェブサイトでSSP用クッキー423に割り当てたユーザ識別子と、それぞれのウェブサイトのURLの情報とをDSP用装置280へと通知する。マッチング情報通知部284は当該通知を受けて、SSP用装置240へと当該マッチング情報を出力する。SSP用装置240のマッチング情報登録部242は、DSP用装置280のマッチング情報通知部284から通知を受けたマッチング情報を用いて、DB253のマッチング情報254を更新する。
応札決定部285は、入札通知受信部283で広告入札の通知を受けた広告表示枠に対して、どのような条件で応札するかを検定する。この際、応札決定部285は、当該通知において取得されるユーザ識別子と対応づけられたユーザ閲覧情報288と、広告応札条件289とを参照した上で、応札するか否かを決める。ここで、ユーザ閲覧情報288には、ユーザがどのようなカテゴリのウェブページを閲覧しているか等の情報が含まれる。ウェブページのカテゴリは、例えば各ウェブページに含まれるテキストデータからキーワード抽出した上で、重要と推測されるキーワードがどのようなカテゴリであるかを推測することにより特定できる。これにより応札決定部285は、例えば、「音楽関連のサイトを訪問したことのあるユーザに対して、○×円で応札する」等の条件が設定された広告応札条件289を用いて、広告表示枠に係る入札に対して応札することができる。
DB286は、ユーザ識別子情報287、ユーザ閲覧情報288、及び広告応札条件289を管理する。
ユーザ識別子情報287は、クッキー発行用プログラム発行部281がクライアント端末400のブラウザ411に設定させ、クッキー確認部282が中身を確認するDSP用クッキー421に設定されたユーザ識別子の情報である。多数のクライアント端末400にDSP用クッキー421を設定している場合には、それら全てのユーザ識別子の情報が、ユーザ識別子情報287に格納される。
ユーザ閲覧情報288は、クッキー確認部282がクライアント端末400から取得するブラウザ411の閲覧履歴を、ユーザ識別子情報287と対応付けて管理する。ここで前述の通り、ユーザ閲覧情報288には、ユーザが閲覧した各ウェブページのカテゴリ等の情報も含まれる。
広告応札条件289は、広告表示枠に対する入札に対して応札する条件が設定されたものである。より具体的には、例えば、どのようなカテゴリのウェブページを訪問したことのあるユーザの広告表示枠の入札に対して応札するかや、応札の際に提示する金額、落札した際に表示する画像等を含む広告ソース633のアドレス情報等が含まれる。
(2.2.6 応札決定用装置600)
応札決定用装置600は、クライアント端末400に設定されたDMP用クッキー425にもとづいて、クライアント端末400に表示させる広告表示枠の広告入札に応札するか否かを決定するDMP機能を持つ。また、広告表示枠に表示する広告が決まった後、広告ソース633のアドレスを指定した広告ソース633の取得要求に基づき、広告ソース633をクライアント端末400へ送信する機能も持つ。図7に示すように、応札決定用装置600は、DMP部610と広告配信部630とを有する。なお、DMP部610と広告配信部630とは必ずしも同じ装置上に持たせる必要はなく、例えば、広告配信部630を広告主サーバ500やDSP用装置280に持たせたり、或いは図示しない他の情報処理装置に持たせたりすることも考えられる。
(2.2.6.1 DMP部610)
以下、図10を参照しながら、DMP部610について説明する。DMP部610は、広告入札用装置260が行う広告表示枠に対する広告入札に対して、予め定められた広告応札条件619にもとづいて応札する仕組みを、広告表示枠に対して提供する。本実施形態に係るDMP部610は、クッキー発行用プログラム発行部611と、クッキー確認部612と、入札通知受信部613と、マッチング情報通知部614と、応札決定部615と、DB616とを含む。
クッキー発行用プログラム発行部611は、広告主サーバ500が提供するウェブサイトのページ情報に含まれるタグ情報(例えばJavaScript(登録商標)等で記述される。)からの要求に基づき、DMP用クッキー425を発行するためのプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)をクライアント端末400のブラウザ411に対して発行する。当該プログラムを受信したクライアント端末400のブラウザ411は、ブラウザ411内に、広告主サーバ500のドメインによるDMP用クッキー425が設定されているか否かを確認し、もしDMP用クッキー425が設定されていなければ、ブラウザ411にDMP用クッキー425を設定する。なお、DMP用クッキー425は、前述の通り、広告主サーバ500のドメインで発行しており、このときユーザがブラウザ411を用いてアクセスしている広告主サーバ500のドメインと一致しているため、ファーストパーティクッキーとなる。つまり、クライアント端末400のブラウザ411が、サードパーティクッキーの受け入れを拒否している場合であったとしても、DMP用クッキー425をブラウザ411に設定することは可能である。
ここで、DSP用クッキー421には、SSP用装置240から発行を受けた、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。また、DMP用クッキー425は、広告主サーバ500のウェブサイトにおいてユーザが閲覧したウェブページに係る閲覧情報を収集してDMP部610へと通知する機能も持つ。
また、広告主サーバ500が発行するメールマガジンに含まれるURLに基づき、クライアント端末400のブラウザ411からアクセスを受けた際にも、クッキー発行用プログラム発行部611は、クライアント端末400のブラウザ411にDMP用クッキー425を設定させる。このとき、ログイン動作等によりユーザがどの会員なのかを特定できる場合には、マッチング情報通知部614は、DMP用クッキー425に会員を識別するためのユーザ識別子の情報を格納すると共に、当該会員を識別するために設定されたユーザ識別子の情報と、SSP用装置240が発行したユーザ識別子の情報とを対応付けてSSP用装置240へと出力する。SSP用装置240のマッチング情報登録部242は、通知を受けたユーザ識別子の対応関係をマッチング情報254へと登録する。
クッキー確認部612は、DMP用クッキー425の中身を確認する。ここで、通常は、ブラウザ411に設定されたクッキーは、ドメインが異なるサーバから中身を確認することはできず、単にクッキーのドメインを確認できるだけである。
しかしながら、DMP部610を含む応札決定用装置600は、クッキー発行用プログラム発行部281により、広告主サーバ500が提供するウェブサイトのページ情報に含まれるタグ情報(JavaScript(登録商標)等で記述されるプログラム)に基づき応札決定用装置600にアクセスしてきたクライアント端末400に対して、JavaScript(登録商標)等の提供するプログラムを送信する機能を持つ。当該プログラムは、広告主サーバ500のウェプサイトのページ情報の一部として機能している。これにより、ブラウザ411が当該ウェブサイトにアクセスしている際には、DMP部610のクッキー確認部612は、広告主サーバ500のドメインを持つDMP用クッキー425の内容を確認することができる。よって、クッキー確認部612は、ブラウザ411に設定されたDMP用クッキー425の中身を確認することにより、ユーザ識別子や閲覧情報を取得することが可能となる。クッキー確認部612が取得した閲覧情報は、ユーザ識別子と対応付けて、DB616内のユーザ閲覧情報618として格納される。
入札通知受信部613は、SSP用装置240の入札通知部249からの、広告表示枠に対する入札が広告入札用装置260で行われている旨の通知を受信する。
マッチング情報通知部614は、広告媒体配信サーバ100や広告主サーバ500の提供するウェブサイトにおいて発行されるDSP用クッキー421、SSP用クッキー423及びDMP用クッキー425内に格納されたユーザ識別子のうち、同一のユーザに対して割り当てたユーザ識別子の対応関係を示すマッチング情報254をSSP用装置240へと通知する。
広告媒体配信サーバ100のウェブサイトの広告に埋め込まれたリンクを辿って広告主サーバ500へとクライアント端末400がアクセスする際には、当該リンクには、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトにおいてSSP用クッキー423に割り当てたユーザ識別子の情報が含まれる。よって、広告主サーバ500のウェブサイトのページ情報に含まれるプログラムは、当該広告主サーバ500のウェブサイトでDSP用クッキー421やDMP用クッキー425に割り当てたユーザ識別子と、リンク元である広告媒体配信サーバ100のウェブサイトでSSP用クッキー423に割り当てたユーザ識別子と、それぞれのウェブサイトのURLの情報とをDMP部610へと通知する。マッチング情報通知部614は当該通知を受けて、SSP用装置240へと当該マッチング情報を出力する。SSP用装置240のマッチング情報登録部242は、DMP部610のマッチング情報通知部614から通知を受けたマッチング情報を用いて、DB253のマッチング情報254を更新する。
応札決定部615は、入札通知受信部613で広告入札の通知を受けた広告表示枠に対して、どのような条件で応札するかを検定する。この際、応札決定部615は、当該通知において取得されるユーザ識別子と対応づけられたユーザ閲覧情報618や会員情報620と、広告応札条件619とを参照した上で、応札するか否かを決める。ここで、ユーザ閲覧情報618には、ユーザがどのようなカテゴリのウェブページを閲覧しているか等の情報が含まれる。ウェブページのカテゴリは、例えば各ウェブページに含まれるテキストデータからキーワード抽出した上で、重要と推測されるキーワードがどのようなカテゴリであるかを推測することにより特定できる。これにより応札決定部615は、例えば、「音楽関連のサイトを訪問したことのあるユーザに対して、○×円で応札する」等の条件が設定された広告応札条件619を用いて、広告表示枠に係る広告入札に対して応札できる。
また、会員情報620は、広告主サーバ500が管理する会員情報531と同様の内容である。応札決定部615は会員情報531を参照することで、広告表示対象のユーザの性別や年齢、居住地域等の各種情報を知ることができる。これにより応札決定部615は、例えば、「30代男性であるユーザに対して、○×円で応札する」等の条件が設定された広告応札条件619を用いて、広告表示枠への広告入札に対して応札できる。
DB616は、ユーザ識別子情報617、ユーザ閲覧情報618、及び広告応札条件619、会員情報620を管理する。
ユーザ識別子情報617は、クッキー発行用プログラム発行部611がクライアント端末400のブラウザ411に設定させ、クッキー確認部612が中身を確認するDMP用クッキー425に設定されたユーザ識別子の情報である。多数のクライアント端末400にDMP用クッキー425を設定している場合には、それら全てのユーザ識別子の情報が、ユーザ識別子情報617に格納される。
ユーザ閲覧情報618は、クッキー確認部612がクライアント端末400から取得するブラウザ411の閲覧履歴を、ユーザ識別子情報617と対応付けて管理する。ここで前述の通り、ユーザ閲覧情報618には、ユーザが閲覧した各ウェブページのカテゴリ等の情報も含まれる。
広告応札条件619は、広告表示枠に対する入札に対して応札する条件が設定されたものである。より具体的には、例えば、どのようなカテゴリのウェブページを訪問したことのあるユーザの広告表示枠の入札に対して応札するか、どのような属性を持つユーザの広告表示枠の入札に対して応札するかや、応札の際に提示する金額、落札した際に表示する画像等を含む広告ソース633のアドレス情報等が含まれる。
会員情報620は、広告主サーバ500の会員情報531の少なくとも一部により構成される情報である。会員情報620では、ウェブサイトやメールマガジンの発行などに使用するユーザの性別や居住地域、年齢等の各種属性情報が、ユーザ識別子と対応付けて管理される。
(2.2.6.2 広告配信部630)
広告配信部630は、DB631を含み、広告配信部630へアクセスしてきたクライアント端末400に対して、DB631に含まれる広告ソース633を配信する。DB631には複数の広告ソース633が含まれており、クライアント端末400のブラウザ411は、アドレス情報(URL)により、どの広告ソース633かを指定する。ここで、広告ソース633は、例えばクライアント端末400のディスプレイ上に表示される広告画像や広告動画等を含む。
ここで、前述の通り、広告ソース633を指定するためアドレス情報には、SSP用装置240が付加した、ユーザ識別子や広告主等のパラメータ情報が付加されている。広告配信部630は、アドレス情報に付加されたパラメータ情報に基づき、広告ソース633を送信したクライアント端末400に係るユーザ識別子やどの広告ソース633を送信したかといった情報を、パラメータ情報635へと格納する。これにより、広告ソース633の送信回数やどのようなユーザに対して広告ソース633を送信したかといった情報を、パラメータ情報635を参照することにより確認することができる。
(2.2.7 クライアント端末400)
続いて、クライアント端末400について、図7を参照しながら説明する。クライアント端末400は、広告媒体配信サーバ100や広告主サーバ500が提供するウェブサイトへアクセス可能な情報処理装置である。クライアント端末400の具体例としては、例えばPC(Personal Computer)や携帯電話端末(いわゆるフィーチャーフォンであるかスマートフォンであるかは問わない。)、スレート型のタブレット端末などが考えられる。
クライアント端末400は、一般的に、CPU410、記憶装置420、入力装置430、及び通信インタフェース(I/F)部440を含む。
CPU410は、記憶装置420等に記憶されているプログラムを実行することにより、クライアント端末400における様々な処理を制御する。広告媒体配信サーバ100や広告主サーバ500が提供するウェブサイトを閲覧することのできるブラウザ411は、主にCPU410上で動作する。また、広告主サーバ500から送信されるメールを閲覧するためのメールソフト412も、主にCPU410上で動作する。
記憶装置420は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の各種記憶媒体である。記憶装置420は、CPU410によって実行されるブラウザ411等の各種プログラムコード、及びプログラムの実行時に必要となるデータを記憶する。特に、ブラウザ411にセットされるDSP用クッキー421、SSP用クッキー423、及びDMP用クッキー425は、記憶装置420が記憶する。
DSP用クッキー421は、前述の通り、DSP用装置280により、広告主サーバ500のドメインで発行される。DSP用クッキー421には、SSP用装置240から発行された、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。
SSP用クッキー423は、前述の通り、SSP用装置240により、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行される。SSP用クッキー423には、SSP用装置240から発行された、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。
DMP用クッキー425は、前述の通り、応札決定用装置600のDMP部610により、広告主サーバ500のドメインで発行される。DMP用クッキー425にも、SSP用装置240から発行された、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。
入力装置430は、ユーザが各種情報を入力するための装置である。例えば、マウスやタッチパッド等のポインティングデバイスや、キーボード等が入力装置430に該当する。ブラウザ411を用いたウェブサイトの閲覧に係る各種操作等は、全て入力装置430により入力される。
通信I/F部440は、クライアント端末400が、インターネットNを介して広告媒体配信サーバ100、や広告ネットワークサーバ200といった各種情報処理システムと通信するためのインタフェースである。
(2.3 処理の流れ)
以下、図11乃至図13を参照しながら、本実施形態に係る広告配信システム1の処理の流れを説明する。なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することができるし、また、便宜上複数に分けて記載されているステップを1つのステップとして実行することもできる。
(2.3.1 リンクによるページ遷移時の処理の流れ)
まず、クライアント端末400のブラウザ411の接続先が、広告主サーバ500の提供するウェブサイトに含まれるリンクから、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへと遷移する際の処理の流れを説明する。図11は、クライアント端末400のブラウザ411が、広告主サーバ500の提供するウェブサイトを閲覧した後、当該ウェブサイトに含まれるリンクに基づき、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへと接続先を変更する際の処理の流れを示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、広告主サーバ500のウェブサイトでは、DSP用クッキー421をクライアント端末400のブラウザ411にセット等するが、これに限られるものではなく、DMP用クッキー425をセットするようにしても良い。或いは、DSP用クッキー421及びDMP用クッキー425の双方をセットしても良い。「1.3.2」においても、DSP用クッキー421を用いる処理を中心に説明するが、同様にこれに限られるものではなく、DMP用クッキー425を用いても良いし、或いは、DSP用クッキー421及びDMP用クッキー425の双方を用いても良い。
また、以下の説明では、ユーザ識別子の対応付けに関係する処理を中心に説明しているため、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトへの接続時の、広告表示に係る処理は説明を省略している。広告表示に係る処理の流れは、「1.3.2」で詳細に説明する。
クライアント端末400のブラウザ411が広告主サーバ500のウェブサイトへとアクセスすると(S1101)、広告主サーバ500のウェブサイト提供部510は、例えばHTML等で記述されたページ情報をクライアント端末400へと送信する(S1103)。当該ウェブページ情報には、JavaScript(登録商標)等で記述されたプログラムであるタグ情報が含まれる。ブラウザ411は、当該タグ情報の記述に従い、まず、DSP用クッキー421がブラウザ411にセットされているか否かを確認する(S1105)。もしDSP用クッキー421がセットされていなければ(S1107のNo)、ブラウザ411はDSP用装置280からDSP用クッキー421発行用のプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)を取得する(S1109)。DSP用装置280のクッキー発行用プログラム発行部281は、ブラウザ411からの要求に応じて、DSP用クッキー421を発行するためのプログラムを発行する(S1111)。
ブラウザ411は、DSP用装置280からDSP用クッキー421を発行するためのプログラムを取得すると、当該プログラムによる制御の下、SSP用装置240からユーザ識別子を取得する(S1113)。SSP用装置240からユーザ識別子が取得できると、ブラウザ411は、取得したユーザ識別子を含むDSP用クッキー421を設定する。
SSP用装置240は、クライアント端末400のブラウザ411からの要求に対してユーザ識別子発行部241がユーザ識別子を発行すると(S1115)、マッチング情報登録部242は、発行したユーザ識別子と、広告主サーバ500のウェブサイトのドメインの情報とを対応付けて、マッチング情報254としてDB253へ登録する(S1117)。
その後、広告主サーバ500の提供するウェブサイト上にある、ユーザが広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへのリンクを選択すると(S1121のYes)、ブラウザ411は、JavaScript(登録商標)等で記述されたタグ情報による制御の下、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへのリンクに含まれるURLに、広告主サーバ500のウェブサイトでDSP用クッキー421に付したユーザ識別子の情報を付帯させる(S1123)。なお、当該URLへのユーザ識別子の情報の付帯は、ブラウザ411によるページ情報の読み込み時(S1119の後)に行なっても良い。
その後ブラウザ411は、変換後のURLに基づいて、広告媒体配信サーバ100へとアクセスし(S1125)、広告媒体配信サーバ100は当該要求に応じてウェブページ情報を送信する(S1127)。当該ウェブページ情報には、JavaScript(登録商標)等で記述されたプログラムであるタグ情報が含まれる。ブラウザ411は、当該タグ情報の記述に従い、まず、SSP用クッキー423がブラウザ411にセットされているか否かを確認する(S1129)。もしSSP用クッキー423がセットされていなければ(S1131のNo)、ブラウザ411はSSP用装置240からSSP用クッキー423発行用のプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)を取得する(S1133)。SSP用装置240のクッキー発行用プログラム発行部243は、ブラウザ411からの要求に応じて、SSP用クッキー423を発行するためのプログラムを発行する(S1135)。
ブラウザ411は、SSP用装置240からSSP用クッキー423を発行するためのプログラムを取得すると、当該プログラムによる制御の下、SSP用装置240からユーザ識別子を取得する(S1137)。SSP用装置240は、クライアント端末400のブラウザ411からの要求に対してユーザ識別子発行部241がユーザ識別子を発行する(S1139)。SSP用装置240からユーザ識別子が取得できると、ブラウザ411は、取得したユーザ識別子を含むSSP用クッキー423を設定する(S1141)。なお、図11のフローチャートでは、SSP用クッキー423を発行するためのプログラムとユーザ識別子とを別にSSP用装置240からブラウザ411へ送信しているがこれに限られるものではなく、SSP用クッキー423を発行するためのプログラムに、ユーザ識別子の情報を付与しても良い。
また、ブラウザ411は、リンク元である広告主サーバ500のウェブサイトで割り当てられ、URLに付加されていたユーザ識別子の情報と広告主サーバ500のウェブサイトのドメインの情報、及び、SSP用クッキー423に格納されたユーザ識別子と広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのドメインの情報とを、同一のユーザに係るユーザ識別子のマッチング情報として、SSP用装置240へと送信する(S1143)。SSP用装置240のマッチング情報登録部242は、受信した情報に従い(S1145)、広告主サーバ500のウェブサイトのドメイン及び当該ドメインでDSP用クッキー421に割り当てたユーザ識別子に対応づけて、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのドメイン及びSSP用クッキー423に割り当てたユーザ識別子を、マッチング情報254へと登録する(S1147)。このようなマッチング情報254の更新により、各ウェブサイトで同一のユーザに係るブラウザ411に対して設定したユーザ識別子の情報が、マッチング情報254上で管理できる。
また、SSP用装置240の関数発行部244は、クライアント端末400に対してコールバック関数を発行する(S1149)。クライアント端末400は、コールバック関数を受信すると、当該コールバック関数の機能に基づき、ブラウザ上に表示される、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのURLから、S1123においてURLに付帯されせたユーザ識別子の情報を含むパラメータ情報を削除する(S1151)。これにより、ユーザ識別子に係る処理の存在をユーザに意識させることなく、ユーザ識別子の対応付けにかかる処理を行うことができる。しかしながら、この点配慮しない場合には、S1149及びS1151に係る処理を省略することも可能である。
なお、上述の処理では、ブラウザ411の接続先が広告主サーバ500の提供するウェブサイトから広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへと遷移する場合を例に、ユーザ識別子の対応付け方法について説明したが、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトから、他の広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへとブラウザ411の接続先が遷移する場合にも、同様の処理(但し、リンク元である広告媒体配信サーバ100のウェブサイトからクッキー発行のためにアクセスする先は、DSP用装置280ではなく、SSP用装置240となる。)、により、ユーザの識別子の対応付けることが可能である。広告主サーバ500の提供するウェブサイトから、他の広告主サーバ500の提供するウェブサイトへとブラウザ411の接続先が遷移する場合も同様である(但し、リンク先である広告主サーバ500のウェブサイトからクッキー発行のためにアクセスする先は、SSP用装置240ではなく、DSP用装置280となる。)。
(2.3.2 広告表示に係る処理の流れ)
まず、クライアント端末400のブラウザ411の接続先が、広告主サーバ500の提供するウェブサイトに含まれるリンクから、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへと遷移する際の処理の流れを説明する。図12は、クライアント端末400のブラウザ411が、広告主サーバ500の提供するウェブサイトを閲覧した後、当該ウェブサイトに含まれるリンクに基づき、広告媒体配信サーバ100の提供するウェブサイトへと接続先を変更する際の処理の流れを示すフローチャートである。
クライアント端末400のブラウザ411が広告媒体配信サーバ100のウェブサイトへアクセスすると(S1201)、広告媒体配信サーバ100のウェブサイト提供部110は、例えばHTML等で記述されたページ情報をクライアント端末400へと送信する(S1203)。当該ウェブページ情報には、JavaScript(登録商標)等で記述されたプログラムであるタグ情報が含まれる。ブラウザ411は、当該タグ情報の記述に従い、まず、SSP用クッキー423がブラウザ411にセットされているか否かを確認する(S1205)。その結果、もしSSP用クッキー423がセットされていなければ(S1207のNo)、ブラウザ411はSSP用装置240からSSP用クッキー423発行用のプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)を取得する(S1209)。SSP用装置240のクッキー発行用プログラム発行部243は、ブラウザ411からの要求に応じて、SSP用クッキー423を発行するためのプログラムを発行する(S1211)。
ブラウザ411は、SSP用装置240からSSP用クッキー423を発行するためのプログラムを取得すると、当該プログラムによる制御の下、SSP用装置240からユーザ識別子を取得する(S1213)。SSP用装置240からユーザ識別子が取得できると、ブラウザ411は、取得したユーザ識別子を含むSSP用クッキー423を設定する(S1217)。
SSP用装置240は、クライアント端末400のブラウザ411からの要求に対してユーザ識別子発行部241がユーザ識別子を発行すると(S1215)、マッチング情報登録部242は、発行したユーザ識別子と、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのドメインの情報とを対応付けて、マッチング情報254としてDB253へ登録する(S1219)。また、SSP用装置240のクッキー確認部245は、ブラウザ411に正しくSSP用クッキー423が格納されたことを確認すべく、ブラウザ411からSSP用クッキー423の中身を読込み(S1223)、ブラウザ411は当該要求に対してSSP用クッキー423に含まれるユーザ識別子等の情報を送信する(S1221)。
また、ブラウザ411は、広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのページ情報に含まれる広告用タグ情報による制御の下、広告表示枠が存在する旨をSSP用装置240へと通知する(S1225)。
広告枠通知受信部246が、クライアント端末400から広告表示枠が存在する旨の通知を受信すると(S1227)、広告識別子発行部248は、当該広告表示枠に対して識別子を付与する(S1229)。また、入札処理部250は、広告表示枠に対する入札処理を広告入札用装置260へと要求する(S1231)。
また、SSP用装置240のマッチング情報参照部247は、マッチング情報254を参照することにより、S1221でブラウザ411から取得したユーザ識別子と対応する、DSP用クッキー421やDMP用クッキー425に割り当てられたユーザ識別子を確認する(S1233)。この結果、DSP用クッキー421に割り当てられたユーザ識別子が取得できた場合には、入札通知部249は、DSP用クッキー421に割り当てられたユーザ識別子の情報と共に、広告表示枠に対する入札が行われている旨をDSP用装置280へと通知する(S1235)。なお、図12では説明を省略しているが、応札決定用装置600のDMP部610に対しても、同様の通知を行うことが可能である。
DSP用装置280は、広告枠が存在する旨の通知を受信すると(S1239)、当該通知に含まれるユーザ識別子に対応するユーザ閲覧情報288を参照する(S1241)。なお、ユーザ閲覧情報288は、ユーザがどのようなウェブページを閲覧したかを示す履歴を、ユーザ識別子と対応付けて管理した情報である。DSP用装置280の応札決定部285は、当該ユーザ閲覧情報288を参照が広告応札条件289に合致するか否かを参照した上で(S1243)、広告応札条件289に合致する場合には、当該広告応札条件289を持って、広告入札用装置260に対して応札を通知する(S1245)。
SSP用装置240の入札処理部250は、広告入札用装置260及び広告媒体配信サーバ100の持つ広告入札用装置260との間で入札処理を行う(S1237)。より具体的には、入札処理部250は、広告表示枠に係る落札結果を広告入札用装置260から受信し、当該落札した広告にかかる広告応札条件を用いて広告入札部120に対して応札する。その結果、入札処理部250が提示した広告応札条件が落札出来れば(S1247のYes)、パラメータ生成部251は、当該広告応札条件に含まれる広告ソース633のURL情報に対して、ユーザ識別子の情報や、広告表示枠等の情報をパラメータとして付加し(S1249)、当該広告ソース633のURL情報をクライアント端末400のブラウザ411に対して通知する(S1251)。
クライアント端末400のブラウザ411は、広告ソース633のURL情報をSSP用装置240から受信すると(S1253)、当該URL情報に基づき、応札決定用装置600の広告配信部630に対して、広告ソース633を要求する(S1301)。広告配信部630は、当該要求を受けて広告ソース633(画像や映像、及びプログラムを含むことができる。)をクライアント端末400へと送信するとともに(S1303)、広告ソース633の取得要求に係るURL情報に含まれるパラメータ情報(ユーザ識別子、広告主等の情報が含まれる)を、DB631のパラメータ情報635として保存する(S1305)。クライアント端末400のブラウザ411は、受信した広告ソース633に基づき、バナー広告を構成する画像や映像を表示する(S1307)。またこのとき、バナー広告には、広告ソース633に含まれるリンクが設定される。当該リンクを構成するURL情報には、広告配信部630又は広告ソース633に含まれるプログラムにより、ユーザ識別子の情報がパラメータとして付帯されている。
その後、バナー広告をユーザが選択すると(S1309のYes)、ブラウザ411は、ユーザ識別子等の情報がパラメータとして付帯されたURLに基づき、広告主サーバ500のウェブサイトへとアクセスし(S1311)、広告主サーバ500のウェブサイト提供部510は、当該要求に応じてウェブページ情報を送信する(S1313)。当該ウェブページ情報には、JavaScript(登録商標)等で記述されたプログラムであるタグ情報が含まれる。ブラウザ411は、当該タグ情報の記述に従い、まず、DSP用クッキー421がブラウザ411にセットされているか否かを確認する(S1315)。もしDSP用クッキー421がセットされていなければ(S1317のNo)、ブラウザ411はDSP用装置280からDSP用クッキー421発行用のプログラム(JavaScript(登録商標)等で記述される。)を取得する(S1319)。DSP用装置280は、ブラウザ411からの要求に応じて、DSP用クッキー421を発行するためのプログラムを発行する(S1321)。
ブラウザ411は、DSP用装置280からDSP用クッキー421を発行するためのプログラムを取得すると、当該プログラムによる制御の下、SSP用装置240からユーザ識別子を取得する(S1323)。SSP用装置240は、クライアント端末400のブラウザ411からの要求に対して、ユーザ識別子発行部241がユーザ識別子を発行する。SSP用装置240からユーザ識別子が取得できると、ブラウザ411は、取得したユーザ識別子を含むDSP用クッキー421を設定する(S1325)。
また、ブラウザ413は、リンク元である広告媒体配信サーバ100のウェブサイトで割り当てられ、バナー広告のリンクに含まれるURLに付加されていたユーザ識別子の情報と、当該広告媒体配信サーバ100のウェブサイトのドメインの情報、及び、DSP用クッキー421に格納されたユーザ識別子と広告主サーバ500のウェブサイトのドメインの情報とを、同一のユーザに係るユーザ識別子のマッチング情報として、DSP用装置280へと送信する(S1327)。DSP用装置280のマッチング情報通知部284は、通知を受けたマッチング情報をSSP用装置240へと通知し(S1329)、SSP用装置240のマッチング情報登録部242はマッチング情報を受けて、DB253に含まれるマッチング情報254を更新する。
(2.4 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態の広告配信システム1では、広告主サーバ500のドメインで発行されたファーストパーティクッキーであるDSP用クッキー421及びDMP用クッキー425、並びに、広告媒体配信サーバ100のドメインで発行されたファーストパーティクッキーであるSSP用クッキー423をクライアント端末400のブラウザ411にセットする。これらのクッキーにはそれぞれユーザ識別子が設定されるが、同一ユーザに割り当てたユーザ識別子の情報は、マッチング情報254として、随時SSP用装置240で管理される。これにより、DSP用装置280や応札決定用装置600のDMP部610は、自身の管理する閲覧情報や会員情報に基づいて広告配信することができる。つまり、たとえサードパーティクッキーの受け入れが、クライアント端末400のブラウザ411で禁止されている場合であっても、ユーザの閲覧履歴に基づく広告をクライアント端末400に表示させることが可能となる。
(3 付記事項)
なお、前述の実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は前述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。