JP5661739B2 - エネルギーガイドチェーン - Google Patents

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Description

本発明は、互いに対して移動可能な2つの接続点間でケーブル、ホースなどを案内するエネルギーガイドチェーンに関する。このエネルギーガイドチェーンは、ヒンジで相互接続された管状のチェーンリンクを備えており、各チェーンリンクは、底壁と、横方向に隣接し向かい合って配置された側壁と、頂壁とをそれぞれ有し、頂壁は側壁に対して取外し可能に設けられている。また、各チェーンリンクは、側壁が隣接したチェーンリンクをヒンジ接続する個々のヒンジピンとヒンジ開口部とをそれぞれ有し、両方の枢動方向における枢動角(pivotal angle)が当接部によって制限され、隣接したチェーンリンクの頂壁、側壁及び底壁が枢動角全体にわたって入れ子式に重なった関係にある。
上記の種類の実質的に閉じたエネルギーガイドチェーンは、例えば、削屑がエネルギーガイドチェーンの表面に落ち、チェーンリンクが円弧状に撓んだ方向転換部(direction-changing deflection arc)の方向へ、または前記方向転換部から外れる方向へ枢動すると、チェーンリンクの間に入り込み、機械内部に入る可能性がある、工作機械、特に金属体を切断加工する機械など、異物がチェーンに入り込む危険がある環境で使用される。
部品をできるだけ少数にし、それによって接続位置をできるだけ少なくするため、底壁を側壁と一体的に形成することができる。
独国特許出願公開第3613431号明細書
本明細書の冒頭に記載した種類のエネルギーガイドチェーンは、DE3613431A1によって知られている。このチェーンの場合、連続したチェーンリンクの頂壁及び底壁は入れ子式に重なっている。クランク状になった側壁の形状と併せて、ごみ及び噴霧水が進入しないように実質的に保護された、管状の閉じた内部空間が提供される。
チェーンの既知の閉じた形状に関わらず、例えば削屑などの端の鋭い異物が、チェーンリンクの表面に留まる可能性があり、エネルギーガイドチェーンが移動すると、隣接したチェーンリンクの相互に重なった縁部の間を通る可能性があり、その際に重なった領域の損傷を引き起こし、チェーン内部へと入り込んでしまう可能性がある。
したがって、本発明の目的は、異物がチェーンの内部に入り込むのをより良好に回避することができるような形で、本明細書の冒頭に記載した種類のエネルギーガイドチェーンを開発することである。
本発明によれば、その目的は、頂壁、底壁及び少なくともそれらの壁と側壁との移行区域の表面を、凸状に湾曲させることによって達成される。
特に、管状のチェーンリンクの全表面を、外周方向に凸状に湾曲させた表面の形態にすることで提供することができる。
その場合、側壁、頂壁及び壁の間の移行区域の領域の曲率半径を変動させることができるので、それによって、壁が湾曲したチェーンリンク用のほぼ箱型の形状が得られる。
特に頂壁、底壁及びそれらの壁と側壁との間の移行区域の外周方向での曲率によって、異物は、それらがより良好に集まる平面領域のように簡単には留まることができない。エネルギーガイドチェーンが移動すると、それでも湾曲面に堆積する異物をより簡単に落下させることができる。
特に、チェーンリンクが、その断面の外側が2つの向かい合って配置された側壁の中心を接続する軸線に対して対称的に形作られているような構成の場合、有利なことがある。
好ましくは、ヒンジピン及びヒンジ開口部の枢動軸に対して垂直な断面で見た、チェーンリンクの入れ子式に重なった領域の外側は、枢動軸に対してほぼ同心の曲率を有する。それらは少なくとも枢動角全体にわたって延在することができる。
管状のチェーンリンクの外周方向だけでなく、枢動軸に垂直にも提供される表面の曲率によって、チェーンの長手方向でも、異物がより簡単に滑り落ちるようになる。
本発明の好ましい実施形態では、チェーンリンクの表面は、全方向に一定して湾曲した表面の形態である。
その構成により、異物が堆積する可能性があるいかなる縁部も形成されなくなる。表面はいかなる平面領域も有さないので、表面に当たる可能性があるすべての異物が、それに相応してより簡単にエネルギーガイドチェーンから落下する。
隣接したチェーンリンクの頂壁及び底壁それぞれの外側に入れ子式に重なる頂壁及び底壁の領域は、隣接したチェーンリンクの頂壁及び底壁それぞれに接するスクレーパーの形態であることができる。それに加えて、スクレーパーとして役立つ領域は、隣接したチェーンリンクの頂壁及び底壁それぞれに接してプレストレスを受けることができる。
頂壁及び必要に応じて底壁(別個に形成されている場合)は、好ましくはプレストレスを受けて側壁にも接することができる。
この具体的な手段は、異物及び流体がエネルギーガイドチェーンの内部に入り込むのを実質的に防ぐのに寄与する。
その目的に対するさらなる寄与は、ヒンジピン及びヒンジ開口部の枢動軸に対して垂直な断面で見た、チェーンリンクの入れ子式に重なる表面が、枢動軸に対してほぼ同心であって少なくとも枢動角全体にわたって延在する曲率を有するという特徴によっても提供される。
好ましい一実施形態では、チェーンリンクの側壁と頂壁との間の接続領域は、さねはぎ接続(groove-and-tongue
connection)の形態である。そのような接続は、ごみ及び他の異物が接続領域を通ってエネルギーガイドチェーンの内部に入るのをさらに防ぐという利点を有する。
好ましい代替例として、側壁及び頂壁の互いに接する縁部を互いに段状に張り出させることができる。縁部のその構成は、ごみ及び他の異物がチェーンの内部に入り込むのをさらに防ぐ。
本発明の有利な構成では、頂壁は、それらの側縁部から側壁へと下に延在し、側壁に解放可能に接続することができる固定舌部(fixing tongues)を有する。
特に、チェーンリンクの固定舌部と側壁との間のラッチ接続(latching
connection)を、その部分の接続として提供することができる。
固定舌部は、それらの内側では、側壁に設けられた外向きに開いた陥凹部にラッチ式に係合する突出部を有し、固定舌部の外側は陥凹部の縁部と一直線になる。
ラッチ接続を作るため、陥凹部は、突出部がその下で係合するラッチノーズ(latching
nose)を有することができる。
好ましくは、ラッチ接続は、頂壁がプレストレスを受けて側壁に接するような構成のものである。プレストレスは、ごみ及び他の異物が頂壁と側壁との間でチェーンの内部に入り込まないことを確保することにも寄与する。
ラッチ接続を開くため、頂壁の側面の外側から突出部内へと斜めに延在し、固定舌部と側壁との間のラッチ接続をてこの作用で開くことによって解放することができるツールを係合するように適合された溝を、固定舌部の外側に提供することができる。ツールが押し下げられると、突出部に回転モーメントが加えられて、ラッチノーズの下に係合している領域が外向きに枢動し、それによってラッチ接続を簡単に解放することができる。
チェーンリンクの頂壁と側壁との間の接続の別の構成では、頂壁に向かって開いた側壁の陥凹部にそれぞれ係合する固定舌部が提供される。固定舌部は、頂壁がプレストレスを受けて側壁に接するような形で中に固定することができる。
陥凹部の内向きに配置された表面に設けられるこの種の接続の好ましい構成では、側壁に垂直に開けられ、中央の突出部を有するほぼ回転対称のクロージャ部分を解放可能にラッチ留めすることができる開口部が提供される。クロージャ部分は、外部から貫通開口部を通して陥凹部に挿入することができ、その外向きに面する端面は貫通開口部の縁部と一直線になる。その内向きに面する端面は、陥凹部の内向きに配置された表面から間隔を空けて配置することができ、陥凹部に嵌合された固定舌部の領域は、陥凹部のその表面とクロージャ部分の内向きに面する端面との間を係合する。その領域及びクロージャ部分の内向きに面する端面において、クロージャ部分が閉止方向に回転すると、固定舌部がプレストレスの増加によって底壁に向かう方向に引っ張られるような形で、カム及びカムガイドを互いに係合させることができる。
カムは、クロージャ部分の内向きに面する端面では同心で配置され、閉止方向に狭まるカム曲線部(cam curve)の形態であることができ、カムガイドは、開口部に対して同心で配置され、やはり閉止方向に狭まる溝の形態である。より単純な構成では、カム曲線部またはカムガイドのどちらかが閉止方向に狭まることができる。
上述の実施形態の代替例として、カム曲線部が偏心的であり、それと協働する溝が同心であることができる。
さらなる好ましい実施形態では、クロージャ部分の突出部はほぼ円筒状であり、その自由端は、陥凹部の内側にある開口部に押しボタン式にラッチ留め可能である。好ましくは、開放位置にあるカムまたはカムガイドは、突出部の下方で、クロージャ部分の端部の頂壁から離れる方向に面する半分に配置される。その自由端において、固定舌部は、クロージャ部分の突出部上に嵌合することができる部分的に円形の溝を有することができ、固定舌部の前記領域に設けられるカムまたはカムガイドは、部分的に円形の溝の上に配置される。その設計構成により、クロージャ部分が側壁の貫通開口部に嵌合され、陥凹部の内向きに配置された表面の突出部にラッチ留めされた後、固定舌部は、側壁にある陥凹部の上に嵌合することができる。開放位置では、クロージャ部分を閉止方向に回転させることによってカムをカムガイドに導入することができるように、カム及びカムガイドを互いに対して配置することができる。
その構成の好ましい展開例では、カムはクロージャ部分上に設置され、固定舌部はプレート状の形体であり、カムガイドは、固定舌部の自由端から始まる部分的に円形の溝の周りで固定舌部に設けられる。
望ましくは、クロージャ部分の外向きに面する端部に、クロージャ部分を回転させることができるツールを係合するための陥凹部を設けることができる。例えば、ドライバーをツールとして提供することができる。
側壁にある固定舌部が頂壁に向かって面し、そこに解放可能に固定することができる、上述の構成とは反対の構造も考慮されることが理解されるであろう。
本発明の2つの実施形態を、図面を参照してより詳細に後述する。
エネルギーガイドチェーンの第1の実施形態の、3つのチェーンリンクから成る一部分を示す斜視図である。 頂壁が固定されたエネルギーガイドチェーンの図1に示される部分の縦断面図である。 図2の領域Cの拡大図である。 図2の領域Dの拡大図である。 図1の領域Bの拡大図である。 図1の左側に示されるチェーンリンクの頂壁を持ち上げた状態の側面領域を示す断面図である。 図1の右側に示されるチェーンリンクの頂壁を固定した状態の側面領域を示す断面図である。 左側に示されるチェーンリンクの頂壁を持ち上げた状態の、エネルギーガイドチェーンの第2の実施形態の一部分を示す斜視図である。 固定舌部及び閉止部分を含む図8の領域Bの拡大図である。 固定舌部を示す横平面図及び閉止部分の内側に面する端部を示す平面図である。 ヒンジピン及び固定舌部の領域における、エネルギーガイドチェーンの図8に示される部分の縦断面図である。
図1は、3つの管状のチェーンリンク1を備えるエネルギーガイドチェーンの一部分を示す。各チェーンリンク1は、底壁2と、横方向に隣接する相互に向かい合った側壁3及び4と、頂壁5とを備える。図1の左側にあるチェーンリンク1のように、ケーブル、ホースなどをエネルギーガイドチェーンの内部に導入し、またそこから除去するため、頂壁5を側壁3及び4から取り外すことができ、底壁2は側壁3及び4と一体的に形成されている。
互いにヒンジ接続されるチェーンリンク1は、図2に示すように、チェーンの長手方向に面する端部で外向きに突出するヒンジピン6と、それら内部の対向する端部に形成されたヒンジ開口部7とを有する。ヒンジ開口部7はめくら穴の形態なので、チェーンリンク1が組み立てられた後、ヒンジ接続は側壁3及び4の相互に重なる領域によって覆われる。
図1及び2からやはり分かるように、側壁3及び4の内側には、隣接したチェーンリンク1の側壁3及び4の陥凹部9内に係合し、陥凹部9の側縁部にある当接面10と協働して、図1及び2に示される直線位置及び角度を成す位置へのチェーンリンク1の枢動を制限する当接部(abutments)8が提供される。
図1及び特に図2の断面図から分かるように、隣接したチェーンリンクの頂壁、側壁及び底壁は、上述の位置の間で枢動角全体にわたって入れ子式に重なる。
図1に示すように、管状のチェーンリンク1の表面全体が、外周方向で凸状に湾曲した表面の形態となっている。特に、頂壁5及び底壁2はそれらの全幅にわたって顕著な凸状の曲率を有し、側壁3及び4の中央領域は、わずかに凸状の曲率を有するほぼ平面である。頂壁5と側壁3及び4との間、ならびに底壁2と側壁3及び4との間の移行区域11は、ほぼ同じ半径の均一な著しい曲率を含む。頂壁5、底壁2及び移行区域11の凸状に湾曲した上面は、異物、特に端の鋭い削屑がこれらの表面に堆積するのを防ぎ、そのような異物がそれら表面から落ちやすくするのに特に重要である。
エネルギーガイドチェーンは、通常、円弧状に撓んだ方向転換部において下側走行部(lower
run)が上側走行部(upper run)の中に入るような形で用いられるので、異物が下側走行部及び上側走行部の両方に堆積する可能性がある。したがって、チェーンリンク1の断面が、2つの相互に向かい合った側壁3及び4の中心を接続する軸線に対して対称的であって、それによって異物が、最上位走行部(top run)の領域にある底壁2から落ちるのと同じように、下側走行部の領域にある頂壁5からも等しく簡単に滑り落ちることができるようにすることが望ましい。側壁3及び4はほぼ垂直に向き付けられるので、移行区域11の外側には凸状の曲率は不要である。
特に図2から分かるように、チェーンリンク1の入れ子式に重なる領域の外側と、それらの領域の相互に向かい合った表面は両方とも、ヒンジピン6及びヒンジ開口部7の枢動軸に対して垂直な断面で見て、枢動軸に対してほぼ同心であって枢動角全体にわたって延在する曲率を有する。それらの凸状に湾曲した領域は、頂壁5と、頂壁5と側壁3及び4の間の移行区域とで、凹状に湾曲した領域12によって互いに接続される。V字形の形状であることもできる凹状に湾曲した領域に異物が集まる場合、それらは、周辺の側部で凹状に湾曲した、頂壁5及び底壁2ならびに移行区域11の表面から簡単に滑り落ちることができる。
隣接したチェーンリンク1の頂壁5及び底壁2の外側に入れ子式に重なる頂壁5及び底壁2の領域は、それぞれ、特に図2の領域C及びDを示す図3及び4の拡大図から分かるように、スクレーパー13及び14の形態である。それらの自由端領域にあるスクレーパー13及び14はそれぞれ、プレストレスを受けて隣接したチェーンリンクの頂壁及び底壁5の上面に接する、内向きに突出する部分15及び16を有する。
図2、3及び4からも分かるように、スクレーパー13及び14が重なる頂壁5及び底壁2の領域は、チェーンリンク1の長手方向に対して横に延在し、側壁3及び4の間の横断部材(図面には図示なし)を受け入れてチェーンリンク1の安定性を向上する役割を果たすことができるポケット17を有する。
チェーンリンク1の側壁3及び4と頂壁5との間の接続領域は、図1から分かるように、さねはぎ接続の形態である。
以下、図1、5〜7を参照して、側壁3及び4に対するチェーンリンク1の頂壁5の接続についてより詳細に記載する。
図1に示されるように、頂壁5は、それらの側縁部から側壁3及び4まで下向きに延在し、側壁3及び4に解放可能に接続することができる固定舌部18を有する。
接続は、ラッチ接続の形態であり、固定舌部18はその内部にそれぞれ、側壁3、4に配置される外向きに開いた陥凹部20にラッチ式に係合する個々の突出部19を有する。その場合、固定舌部18の外側は陥凹部20の縁部と一直線に並ぶので、図1の右側のチェーンリンク1に示されるような閉止位置では、頂壁5と側壁3及び4との間の移行区域11においてチェーンリンクの外側の連続して安定した曲率が確保される。
陥凹部20にはラッチノーズ21が設けられ、その下で、固定舌部18の内向きに配置された突出部19がラッチ式に係合する。
ラッチ接続はまた、底壁2に向かう方向で固定舌部18の外側に圧力を加えることによって、突出部19がラッチノーズ21の下に係合し、それとラッチ留めされるような構成のものである。そのようにして、プレストレス力によって頂壁5が側壁3及び4に接する。
図1は、次のように、左側から右側までの3ステップで、3つの図示されるチェーンリンク1を用いた側壁2及び3に対する頂壁5の固定を示す。図1の左側に示されるチェーンリンク1に関して、頂壁5は、断面がU字形の形体であり、底壁2と側壁3及び4から一体的に形成された、チェーンリンク1の他の部分から解放されたままである。次に、頂壁5は側壁3及び4上に置かれて、接続領域の舌部及び溝はすでに少なくとも部分的に互いに係合され、固定舌部18は側壁3及び4の陥凹部20のラッチノーズ21上にあるそれらの突出部19に接している。頂壁5のその位置は、中央に示されるチェーンリンク1に関して図1に示されている。さらなるステップにおいて、固定舌部18の頂部に圧力を加えることによって、その突出部19が陥凹部20のラッチノーズ21にラッチ留めされる。こうして、頂壁5と側壁3及び4との間の接続領域が、プレストレスを受けて互いに接する。
側壁4に対する頂壁5の開放位置は、図6の断面図にも示される。この断面図は、左側面領域に限定され、図1の左側のチェーンリンク1の領域に示されるように、固定舌部18及び2つのヒンジで相互接続されるチェーンリンクのヒンジ接続のほぼ中央を通る。
側壁4上における頂壁5の完全に閉止された位置は、図7の断面図に示される。その断面図は、図1の右側に示されるヒンジリンク1の場合の、固定舌部18及びヒンジ開口部7のほぼ中央を通る。
図6及び7からさらに分かるように、各固定舌部18の外側には、外側から底壁2に向かって突出部19内へと斜めに延在する溝22が設けられる。溝22は、固定舌部18と側壁4との間のラッチ接続をてこの作用で開くことによって解放することができるツール、例えばドライバーを係合するために設けられる。ツールが押し下げられると、突出部19に回転モーメントが加えられて、ラッチノーズ21の下に係合している領域が外向きに枢動し、それによってラッチ接続を簡単に解放することができる。
図8〜11は、頂壁5を側壁3及び4に締結する方式において、図1〜7に示される実施形態とは異なるさらなる実施形態を示す。
図1にほぼ対応する図8から分かるように、頂壁5はやはりその側部に固定舌部23を有し、それらは、図11のチェーンリンク1を通る縦断面図に示される、頂壁5に向かって開いた側壁3及び4の陥凹部24に係合するように適合される。
固定舌部23は、図9により詳細に示されるクロージャ部分25によって陥凹部24に固定することができる。
その目的のため、陥凹部24に対する個々の貫通開口部26が側壁3及び4に設けられ、クロージャ部分25を貫通開口部に嵌合し、固定舌部23によって係止することができる。クロージャ部分25の外向きに面する端面は、貫通開口部26の縁部と一直線に並ぶので、クロージャ部分はやはり、頂壁5と側壁3及び4との間の移行区域11において一定して凸状に湾曲した表面となる。
閉止位置では、内向きに面する端面27は陥凹部24の内向きに配置された表面から間隔を空けて配置され、陥凹部24に嵌合する固定舌部23は、陥凹部の表面とクロージャ部分25の内向きに面する端面27との間を係合する。
図9及び10から分かるように、クロージャ部分25はほぼ回転対称の形体のものである。ほぼ円筒状の中央突出部28を有し、その自由端領域は、陥凹部24の内向きに配置された側にある、図11に示される開口部29に押しボタン式にラッチ留め可能である。
固定舌部23を側壁3及び4の陥凹部24に係止するため、図9及び10から分かるように、クロージャ部分25は、それらの内向きに面する端面27の外周領域にカム曲線部30を有し、カム曲線部30は、プレート状の固定舌部23の外向きに面する側にある、補完的な溝31の形態のカムガイドに係合する。カム曲線部30は、クロージャ部材25を時計方向に回転させることによって、溝内でその自由端に向かって移動する。その目的のため、開放位置にあるカム曲線部30は、突出部28の下方で、クロージャ部分25の端面27の頂壁5から離れる方向に面する半分に配置される。
固定舌部23は、その自由端に、クロージャ部分25の突出部28上に嵌合することができる部分的に円形の溝32を有し、その場合、カムガイドとして設けられる溝31は部分的に円形の溝32の上に配置される。したがって、クロージャ部分25が側壁3及び4それぞれの貫通開口部26に嵌合され、その突出部28を用いて陥凹部24の内向きに配置された側面にある開口部29にラッチ留めされた後、固定舌部23を、側壁3及び4それぞれの陥凹部24に上から嵌合することができる。開放位置では、カム曲線部30及びカムガイドとして役立つ溝31は、クロージャ部分25を時計方向に回転させることによって、カム曲線部30をカムガイドとして役立つ溝31に導入することができるようにして、互いに対して配置される。
特に図10から分かるように、カム曲線部30は円筒状の突出部28に対して同心であり、カムガイドとして役立つ溝31は、部分的に円形の溝32及びそこに嵌合するクロージャ部分25の突出部28に対して偏心的である。カム曲線部30に対するカムガイドとして役立つ溝31の配置は、クロージャ部分25が閉止方向に回転すると、固定舌部23がプレストレス力の増加によってチェーンリンク1の底壁2に向かう方向に引っ張られるような配置である。したがって、閉止位置では、頂壁5はプレストレスによって側壁4に接する。
側壁4に対する頂壁5の固定は、図11に示される3ステップで示される。図11の左側に示されるチェーンリンク1の場合、頂壁5はまだ側壁4から完全に解放されている。この場合、クロージャ部分25は、側壁4の貫通開口部26において、カム曲線部30の内向きに面する端面27が突出部28の下方にあるように配置される。
図11に示される中央のチェーンリンク1の第2のステップでは、頂壁5が側壁4上に嵌合され、固定舌部23は陥凹部24内に係合される。次に、クロージャ部分25が時計方向に、つまり閉止方向に回転されて、カム曲線部30がカムガイドとして役立つ偏心的に配置された溝31内へと移動する。その場合、固定舌部23は、底壁2に向かう方向に頂壁5とともにさらに引っ張られて、さねはぎ接続が頂壁5と側壁4との間をさらに係合させる。
図11の右側に示されるチェーンリンク1については、図面は、カム曲線部30がカムガイドとして役立つ偏心的に延在する溝31に完全に引き込まれた閉止位置を示している。こうして、頂壁5がプレストレスによって側壁4に接する。
クロージャ部分25が閉止位置から外れて開放位置へと反時計方向に回転すると、頂壁5は側壁4からわずかに持ち上がるので、場合によっては頂壁5と側壁4の隣接した縁部にツールを挿入することによって、頂壁5を側壁4から簡単に解放することができる。
ドライバーを係合することができる、図8に示されるスロット状の陥凹部33は、クロージャ部分25を回転させるため、その外向きに面する端部に設けられる。
1 チェーンリンク
2 底壁
3 側壁
4 側壁
5 頂壁
6 ヒンジピン
7 ヒンジ開口部
8 当接部
9 陥凹部
10 当接面
11 移行区域
12 凹状に湾曲した領域
13 スクレーパー
14 スクレーパー
15 部分
16 部分
17 ポケット
18 固定舌部
19 突出部
20 陥凹部
21 ラッチノーズ
22 溝
23 固定舌部
24 陥凹部
25 クロージャ部分
26 貫通開口部
27 端面
28 突出部
29 開口部
30 カム曲線部
31 溝
32 溝
33 陥凹部

Claims (19)

  1. 底壁(2)と、横方向に隣接し向かい合って配置された側壁(3、4)と、頂壁(5)とをそれぞれ有し、ヒンジで相互接続された複数の管状のチェーンリンク(1)を備え、
    当該チェーンリンクは、前記頂壁(5)が前記側壁(3、4)に対して取外し可能に接続され、前記側壁(3、4)が隣接したチェーンリンク(1)をヒンジ接続する個々のヒンジピン(6)とヒンジ開口部(7)とをそれぞれ有し、両方の枢動方向における枢動角が当接部(8)によって制限され、
    隣接したチェーンリンク(1)の前記頂壁(5)、前記側壁(3、4)、および前記底壁(2)が前記枢動角全体にわたって入れ子式に重なった関係にある、互いに対して移動可能な2つの接続点間でケーブルまたはホースを案内するエネルギーガイドチェーンにおいて、
    前記頂壁(5)、前記底壁(2)、および少なくともそれらの壁と前記側壁(3、4)との移行区域(11)が、前記管状のチェーンリンク(1)の外周方向において凸状に湾曲して形成され、
    前記頂壁(5)が、その側縁部から前記側壁(3、4)へと下方に延在するとともに、前記側壁(3、4)に解放可能に接続することができる固定舌部を有し、
    当該固定舌部は、それぞれ、前記頂壁(5)に向かって開いた前記側壁(3、4)の陥凹部(24)に係合し、
    前記頂壁(5)がプレストレスを受けて前記側壁(3、4)に接するような形で中に固定することができることを特徴とするエネルギーガイドチェーン。
  2. 前記管状のチェーンリンク(1)の全表面が、外周方向において凸状に湾曲した表面の形態であることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーガイドチェーン。
  3. 前記チェーンリンクの断面の外側が、2つの向かい合って配置された前記側壁(3、4)の中心を接続する軸線に対して対称的に形作られた形体のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエネルギーガイドチェーン。
  4. 前記チェーンリンク(1)の前記入れ子式に重なる領域の外側が、前記ヒンジピン(6)および前記ヒンジ開口部(7)の枢動軸に対して垂直な断面で見て、前記枢動軸に対してほぼ同心の曲率を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  5. 隣接したチェーンリンク(1)の前記頂壁(5)および前記底壁(2)それぞれの外側に入れ子式に重なる前記頂壁(5)および前記底壁(2)の領域が、前記隣接したチェーンリンク(1)の前記頂壁(5)および前記底壁(2)のそれぞれにプレストレスによって接するスクレーパー(13)の形態であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  6. 前記頂壁(5)が、かつ別個に形成すべき場合は任意に前記底壁(2)が、プレストレスを受けて前記側壁(3、4)に接することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  7. 前記ヒンジピン(6)および前記ヒンジ開口部(7)の前記枢動軸に対して垂直な断面で見た、前記チェーンリンク(1)の前記入れ子式に重なる表面が、前記枢動軸に対してほぼ同心であって少なくとも前記枢動角全体に延在する曲率を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  8. 前記側壁(3、4)と前記頂壁(5)との間、かつ別個に形成すべき場合は任意に前記底壁(2)との間の前記接続領域が、さねはぎ接続の形態であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  9. 前記側壁(3、4)および前記頂壁(5)、かつ別個に形成すべき場合は任意に前記底壁(2)の互いに接する前記縁部部分が、互いに段状に張りだすことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  10. 前記固定舌部(18)と前記チェーンリンク(1)の前記側壁(3、4)との間にラッチ接続が設けられることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーガイドチェーン。
  11. 前記固定舌部(18)が、前記側壁(3、4)に配置された外向きに開いた陥凹部(20)にラッチ式に係合する突出部(19)を内側に有し、前記固定舌部(18)の外側が前記陥凹部(20)の縁部と一直線に並ぶことを特徴とする請求項10に記載のエネルギーガイドチェーン。
  12. 前記陥凹部(20)が、前記突出部(19)がその下に係合するラッチノーズ(21)を有することを特徴とする請求項11に記載のエネルギーガイドチェーン。
  13. 前記ラッチ接続が、前記頂壁(5)がプレストレスを受けて対象の前記側壁(3、4)に接するような構成のものであることを特徴とする請求項10から12のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  14. 前記固定舌部(18)の外側に、前記頂壁(5)の側面の外側から前記突出部(19)内へと斜めに延在し、前記固定舌部(18)と前記側壁(3、4)との間の前記ラッチ接続をてこの作用で開くことによって解放することができるツールを係合するように適合された溝(22)が設けられることを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
  15. 前記陥凹部(24)の前記内向きに配置された表面に、対象の前記側壁(3、4)に垂直に開けられ、
    中央の突出部(28)を有するほぼ回転対称のクロージャ部分(25)を解放可能にラッチ留めすることができる開口部(29)が設けられ、
    前記クロージャ部分(25)を外側から前記陥凹部(24)への貫通開口部(26)に挿入することができ、
    その外向きに面する端面が前記貫通開口部(26)の縁部と一直線に並び、その内側に面する端面(27)が前記陥凹部(24)の前記内向きに配置された表面から間隔を空けて配置され、
    前記陥凹部(24)に嵌合する前記固定舌部(23)の領域が、
    前記陥凹部の前記表面と前記クロージャ部分(25)の前記内向きに面する端面(27)の間に係合し、
    前記領域および前記クロージャ部分(25)の前記内向きに面する端面(27)において、
    前記クロージャ部分(25)が閉止方向に回転すると、前記固定舌部(23)がプレストレスの増加によって前記底壁(2)に向かう方向に引っ張られるような形で、カムおよびカムガイドが互いに係合することを特徴とする請求項1に記載のエネルギーガイドチェーン。
  16. 前記カムが、前記クロージャ部分(25)の前記内向きに面する端面(27)に同心に配置されるとともに、前記閉止方向に狭まるカム曲線部(30)の形態であり、前記カムガイドが、前記開口部(29)に対して同心で配置されるとともに、やはり前記閉止方向に狭まる溝(31)の形態であることを特徴とする請求項15に記載のエネルギーガイドチェーン。
  17. 前記クロージャ部分(25)の前記突出部(28)がほぼ円筒状の形体であり、その自由端が前記陥凹部(24)の内側にある前記開口部(29)に押しボタン式にラッチ留め可能であり、
    前記開放位置にある前記カムまたは前記カムガイドが、前記突出部(28)の下方で前記クロージャ部分(25)の前記端面(27)の前記頂壁(5)から離れる方向に面する半分に配置され、前記固定舌部(23)の自由端が、前記クロージャ部分(25)の前記突出部(28)上に嵌合することができる部分的に円形の溝(32)を有し、前記固定舌部(23)の対象の領域に設けられる前記カムまたは前記カムガイドが前記部分的に円形の溝(32)の上に配置され、
    前記クロージャ部分(25)が、前記側壁(3、4)の前記貫通開口部(26)に嵌合されて、前記陥凹部(24)の内向きに配置された表面の突出部(28)によりラッチ留めされた後、
    前記固定舌部(23)を対象の前記側壁(3、4)にある前記陥凹部(24)に上から嵌合することができ、前記開放位置における前記カムおよび前記カムガイドが、前記クロージャ部分(25)を閉止方向に回転させることによって前記カムを前記カムガイドに導入することができるように、互いに対して配置されることを特徴とする請求項15または16に記載のエネルギーガイドチェーン。
  18. 前記カムが前記クロージャ部分(25)上に設置され、前記固定舌部(23)がプレート状の形体であり、前記カムガイドが、前記固定舌部の前記自由端から始まる前記部分的に円形の溝の周りで前記固定舌部(23)に設けられることを特徴とする、請求項17に記載のエネルギーガイドチェーン。
  19. 前記クロージャ部分(25)の前記外向きに面する端部に、前記クロージャ部分(25)を回転させることができるツールを係合するための陥凹部が設けられることを特徴とする、請求項15から18のいずれか一項に記載のエネルギーガイドチェーン。
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