JP5659902B2 - カソードルミネッセンス特性の測定方法 - Google Patents
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Description
前記試料の隣接する測定点の間隔をマッピング間隔Sとし、前記電子線の電子の前記試料への侵入長をReとしたときに、
(a)前記試料の前記複数の測定点のうち第1の測定点のカソードルミネッセンス特性を測定する工程と、
(b)S<Reが成り立つ場合に、前記工程(a)に連続して、前記複数の測定点のうち、前記第1の測定点および前記第1の測定点に隣接する測定点以外であって、前記第1の測定点よりnS(nS>Re、n≧2)以上離れた第2の測定点のカソードルミネッセンス特性を測定する工程と、
を有する。
本発明の装置の構成例を図1に示す。カソードルミネッセンス装置において、電子線照射部は鏡筒1、電子線を出射する電子銃2、電子線の光軸を調整する軸あわせコイル3、絞り4を有する。試料5は試料ステージ6に載置される。試料5から発生した発光は、集光ミラー7で集光され、ライトガイド 8によってモノクロメータ9に導かれる。モノクロメータ9は、スキャナ10によって駆動される。モノクロメータ9により単色化された光は検出する光検出器11で検出される。光検出器11にCCDを用いた場合、スペクトルを検出することができる。代わって、光検出器11にホトマルを用いた場合には、カウントから単色光の強度を検出することができる。
(2)ビーム照射位置を固定し、ステージを本発明のスキャン方式で走査させる方式
また、いずれの方式においても、現点測定から次点測定までは電子線を一時遮断する必要がありそのためには以下の2つの方法が考えられる。
(b)パルス電子銃方式
ビームブランキング方式とは、電子線に電界を掛けることで測定時間以外は電子線を試料に当たるのを防ぐことができる方式を示す。対して、パルス電子銃方式とは、ある一定間隔で電子銃からパルスで電子線を発生することができる方式を示す。
上記装置構成を用いたカソードルミネッセンスによるマッピング評価を実施する場合、従来の方式では測定プログラム14に測定点数i×i、1点辺りの測定時間t、ウェイト時間τを入力する。従来の方式では、測定プログラム14の電子線スキャン方式は、隣接点を続けて測定するように設定されていた。
a(0,0)→a(1,0)→a(2,0)→・・・→a(i,0) →a(0,1) →a(1,1)→a(2,1) →・・・→a(i,1)→ ・・・→a(i−1,i) →a(i,i)
上記の電子線スキャン方式では、電子線照射に伴い得られる発光スペクトルに経時変化を生じる材料を評価する場合、カソードルミネッセンスの空間分解能以下の測定間隔で隣接点を連続的にマッピングすると、各測定点では事前測定点での電子線照射の影響を含んだ信号を検出することとなり、試料の本質的な情報を得ることが困難である。そのため、従来の電子線スキャン方式では、ビームブランキング装置とロックインアンプによる方法を用い、事前測定点の電子線照射の影響がなくなるまで次点に電子線を照射しないよう、制御用ソフトウェア上でウェイト時間τを設定することで、事前の電子線照射の影響を抑制していた。しかし、この方法を用いた場合、マッピング測定に掛かる時間Tは、
T=[測定点数(i×i)]×[1点あたりの測定時間(t+τ)]
となり、実際の測定時間(i×i×t)に加え測定点数分のウェイト時間(i×i×τ)が加算されることとなり、1回のマッピング測定に多大な時間を要してしまう。
以下にカソードルミネッセンスの空間分解能δの定義を示す。カソードルミネッセンスにおいて、空間分解能δは電子線照射によって物質中で生成された少数キャリアが生成領域から周囲に拡散し、発光性の再結合を起こす領域の大きさである。
定時間t、ウェイト時間τを入力する。測定プログラム14は
・マッピング評価において連続して測定する点はRe以上離して測定する、
・測定点から連続測定点間隔の下限値Re以内の距離にある点は、設定したウェイト時間τ以上の時間が経過してから測定する、
という条件を満たす電子線スキャン方式を採用することができる。
本実施形態において、電子線照射に伴い得られる発光スペクトルに経時変化を生じる材料を評価する場合、カソードルミネッセンスを用いたマッピング測定時間の短縮に有効な電子線スキャン方式とその効果に関して説明する。
a(x,y)、x=0〜i、y=0〜i、i=L/S
と表記する(図4)。マッピング点a(0,0)をX,Y座標の原点(0,0)と定義すると、マッピング各点の座標は順次以下のように指標付けることができる。
さらに、本実施例においては、測定領域L×Lに対し、a(0,0)を測定開始点、連続測定する間隔をQ(=nS)ずつ離してマッピング測定するならば、
a(0,0)→a(n,0)→a(2n,0)→・・・→a(i,0)
→a(0,n)→・・・→a(i,n)
→・・・
→a(0,i)・・・→a(i−n,i)→a(i,i)
のマッピング順序で測定を実施することとなる。しかし、上述したマッピングでは電子線照射の影響を避けるため間隔をQずつ離して測定しているため、i/n×i/nの測定点数しか測定できておらず、目的の測定点数i×iの測定を満足していない。上述した測定領域L×Lに対するスキャンを1サイクルとすると、目的の測定点数i×iの全マッピング点a(x,y)を測定するには、測定開始点をx、y方向にSずつ移動しながらn2 回サイクルのスキャンを実施することが必要である。なお、n2回サイクルにおける各スキャンの測定開始点は以下のように定義できる。
a(x,y)、x=0〜n−1、y=0〜n−1
n2回サイクルにおける各スキャンの測定開始点が
a(0,0)→a(1,0)→a(2,0)→・・・→a(n−1,0)
→a(0,1)→a(1,1)→・・・→a(n−1,1)
→・・・
→a(0,n−1)→a(1,n−1)→・・・→a(n−1,n−1)
の順に移動するならば、本実施形態において、目的の測定点数i×iの全マッピング点a(x,y)を測定することができる。n2回サイクルのスキャンは以下のような順序で実施される。
・1サイクル目のスキャン
a(0,0)→a(n,0)→a(2n,0)→・・・→a(i,0)
→a(0,n)→・・・→a(i,n)
→・・・
→a(0,i)・・・→a(i−n,i)→a(i,i)
・2サイクル目のスキャン
a(1,0)→a(1+n,0)→a(1+2n,0)→・・・→a(i−n+1,0)
→a(1,n)→・・・→a(i−n+1,n)
→・・・
→a(1,i)→・・・→a(i−n+1,i)
・nサイクル目のスキャン
a(n−1,0)→a(2n−1,0)→・・・→a(i−1,0)
→a(n−1,n)→・・・→a(i−1,n)
→・・・
→a(n−1,i)→・・・→a(i−1,i)
・n+1サイクル目のスキャン
a(0,1)→a(n,1)→a(2n,1)→・・・→a(i,1)
→a(0,n+1)→・・・→a(i,n+1)
→・・・
→a(0,i−n+1)・・・→a(i−n,i−n+1)→a(i,i−n+1)
・n2回サイクル目のスキャン
a(n−1,n−1)→a(2n−1,n−1)→・・・→a(i−1,n−1)
→a(n−1,2n−1)→・・・→a(i−1,2n−1)
→・・・
→a(n−1,i−1)→・・・→a(i−1,i−1)
(マッピング測定時間の評価)
上述した電子線スキャン方式では、1サイクルのスキャン点数はi/n×i/nであり、1サイクルのスキャンに掛かる時間はi/n×i/n×tとなる。
[マッピング測定時間T]=[測定点数i×i]×[1点あたりの測定時間t]
2.『1サイクルの測定時間i/n×i/n×t)<ウェイト時間τ』の場合
[マッピング測定時間T]=[測定点数i×i]×[1点あたりの測定時間t]
+[サイクル回数n2]×[待機時間{τ−(i/n×i/n×t)}]
すなわち、『1サイクルの測定時間i/n×i/n×t)>ウェイト時間τ』の場合は、マッピング測定においてウェイト時間が必要でないこと、『1サイクルの測定時間i/n×i/n×t)<ウェイト時間τ』の場合でも従来の電子線スキャン方式に比べ大幅にウェイト時間が短縮できることが分かる。
質量数A : 41.9[g/mol]
原子番号Z : 19
密度ρ : 6.11[g/cm3]
上記条件下ではRe=200nmと算出される。また、測定条件は以下のように設定した。
マッピング間隔S : 10nm
1点辺りの測定時間t : 100μs
ウェイト時間τ : 100μs
上記条件下ではマッピング測定点数は5000点×5000点となる。またマッピング間隔が10nmとRe=200nmよりも小さいため、従来のスキャン方式ではウェイト時間の設定が必要である。本発明を用いて上記測定を実施した場合、Q>Reとなる最小の値を採用すると、Q=210nmとなる。
=5000×5000(測定点数)
×{100μs(1点辺りの測定時間)+100μs(ウェイト時間)}
=5000000000μs
≒84min
それに対して、本発明による電子線スキャン方式を用いた場合、マッピング測定時間Tは以下のように算出できる。
=5000×5000(測定点数)×100μs(1点辺りの測定時間)
=5000000000μs
≒42min
なお、今回の条件化では、『1サイクルの測定時間i/n×i/n×t)>ウェイト時間τ』の条件に当たるため、サイクル間の待機時間は発生しない。そのため、今回の条件下では従来の方式に比べ、測定時間Tから測定点分のウェイト時間
i×i×τ=5000×5000×100μs
=5000000000μs
≒42min
の時間分削減可能である。
2 電子銃
3 軸あわせコイル
4 絞り
5 試料
6 試料ステージ
7 集光ミラー
8 ライトガイド
9 モノクロメータ
10 スキャナ
11 光検出器
12 計測系
13 コンピュータ
14 測定プログラム
15 ステージ駆動装置
16 カラーディスプレイ
17 キーボード・マウス
18 冷却システム
20 集束レンズ
21 対物絞り
22 走査コイル
23 微小移動コイル
24 対物レンズ
Claims (1)
- 1の試料に電子線を入射させて、前記1の試料の複数の測定点のカソードルミネッセンス特性を測定する方法であって、
前記試料の隣接する測定点の間隔をマッピング間隔Sとし、前記電子線の電子の前記試料への侵入長をReとしたときに、
(a)前記試料の前記複数の測定点のうち第1の測定点のカソードルミネッセンス特性を測定する工程と、
(b)S<Reが成り立つ場合に、前記工程(a)に連続して、前記複数の測定点のうち、前記第1の測定点および前記第1の測定点に隣接する測定点以外であって、前記第1の測定点よりnS(nS>Re、n≧2)以上離れた第2の測定点のカソードルミネッセンス特性を測定する工程と、
を有するカソードルミネッセンス特性の測定方法。
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JP2011071623A JP5659902B2 (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | カソードルミネッセンス特性の測定方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012207933A JP2012207933A (ja) | 2012-10-25 |
JP5659902B2 true JP5659902B2 (ja) | 2015-01-28 |
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-
2011
- 2011-03-29 JP JP2011071623A patent/JP5659902B2/ja active Active
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