JP2023541183A - レーザ誘起破壊分光法を行うためのシステム及び方法 - Google Patents

レーザ誘起破壊分光法を行うためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

組成分析のための方法は、表面を有するサンプルを提供することと、フラクタル経路に沿って表面上の複数の位置にアブレーションポイントを移動させることと、エネルギー源をパルス化して、アブレーションポイントにおいて材料をアブレーションする電磁エネルギービームを提供することと、エネルギー源のパルス化に応答して、発光スペクトルを収集することと、発光スペクトルを分析して、表面における組成を決定することと、を含む。【選択図】図7

Description

本開示は、概して、レーザ誘起破壊分光法を行うためのシステム及び方法に関する。
元素分析技術は、様々な形態の材料の元素組成を決定するのに役立つ。元素分析技術は、破壊的(例えば、テストにおいて材料が破壊される)から、半破壊的(例えば、材料がサンプリングされるか、又は表面が損傷される)へ、完全に非破壊的(例えば、材料が完全に無傷のまま残される)へと多岐にわたる。例示的な技術は、誘導結合プラズマ原子発光分光法(例えば、Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy、ICP-AES)、ICP-質量分析法(例えば、ICP-Mass Spectrometry、ICP-MS)、電熱原子化原子吸光分光法(例えば、Electrothermal Atomization Atomic Absorption Spectroscopy、ETA-AAS)、X線蛍光分光法(例えば、X-Ray Fluorescence Spectroscopy、XRF)、X線回折(例えば、X-Ray Diffraction、XRD)及びレーザ誘起破壊分光法(例えば、Laser-induced Breakdown Spectroscopy、LIBS)を含み得る。元素分析は、定性的又は定量的のいずれであってもよく、多くの場合、既知の標準に対する較正を必要とする。
レーザ誘起破壊分光法(LIBS)は、金属、ポリマー、ガラス、セラミック、及び鉱物を含む、多種多様な材料を分析するために使用される、分析技法である。LIBSは、周期表の元素を非常に正確に検出及び定量化することができる。それは、大きなサンプル及び小さなサンプルの分析を行うことができ、サンプル調製をほとんど又は全く必要とせず、バルク元素分析及び撮像用マイクロスキャニングの両方に使用することができる。LIBSは、物質をアブレーションし、原子化及びイオン化するためにサンプルに向けられる、パルスレーザ発光などのパルスエネルギー発光に依存する。サンプルの表面上への各レーザパルスの衝突は、定性分光測定及び定量分光測定を行うために分析され得る、プラズマ、光のプルームを生成する。したがって、LIBSは、高精度、高い検出限界値及び低コストで、使用しやすく迅速な現場での化学分析を提供することができる。
物質とのレーザ相互作用は、光子が原子によってどのように吸収又は放出されるかを説明する、量子力学によって支配される。原子が光子を吸収すると、1つ以上の電子が、基底状態から高エネルギー量子状態に移行する。電子は、可能な限り低いエネルギー準位を占める傾向があり、冷却/減衰プロセスにおいて、原子は光子を放出し、より低いエネルギー準位に戻る。異なる原子の異なるエネルギー準位は、原子の種類ごとに異なる光子エネルギーを生成し、それぞれの量子化に起因する狭帯域発光を伴う。このような発光は、LIBSスペクトルに見られるスペクトル輝線に対応する。
プラズマ寿命には3つの基本的な段階がある。第一段階は、レーザパルス中の初期結合破壊及びプラズマ形成を含む、点火プロセスである。これは、レーザのタイプ、レーザ出力及びパルス持続時間の影響を受ける。プラズマ寿命の第二段階は、冷却プロセス中にプラズマが原子発光を引き起こすため、LIBSスペクトルの取得及び測定の最適化にとって最も重要である。点火後、プラズマは膨張及び冷却を続ける。同時に、電子温度及び電子密度が変化する。このプロセスは、アブレーションされた質量、スポットサイズ、サンプルに結合されたエネルギー及び環境条件(サンプルの状態、圧力など)に依存する。
プラズマ寿命の最終段階は、LIBS測定にはあまり有用ではない。ある量のアブレーションされた質量は、蒸気又はプラズマとして励起されない。ゆえに、この量の材料は粒子としてアブレーションされ、これらの粒子は、放射線を放出しない、凝縮蒸気、液体サンプル排出及び固体サンプル剥離を引き起こす。更に、アブレーションされた原子は冷えて、プラズマの再結合プロセスにおいてナノ粒子を生成する。
本開示は、添付の図面を参照することによって、より良く理解され得、その多数の特徴及び利点が当業者に明らかにされ得る。
例示的なレーザ誘起破壊分光システムの図を含む。 例示的なレーザ誘起破壊分光システムの図を含む。 先行技術の走査パターン及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列の図を含む。 先行技術の走査パターン及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列の図を含む。 先行技術の走査パターン及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列の図を含む。 先行技術の走査パターン及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列の図を含む。 例示的なフラクタル経路及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列を含む。 例示的なフラクタル経路及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列を含む。 例示的なフラクタル経路及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列を含む。 例示的なフラクタル経路及びそれぞれに関連付けられたアブレーションポイントの配列を含む。 レーザ誘起破壊分光法のための例示的な方法を示す、ブロックフロー図を含む。 図1、図2及び図11の例示的なシステム及び方法とともに使用するための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 図1、図2及び図11の例示的なシステム及び方法とともに使用するための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 図1、図2及び図11の例示的なシステム及び方法とともに使用するための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 図1、図2及び図11の例示的なシステム及び方法とともに使用するための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 図1、図2及び図11の例示的なシステム及び方法とともに使用するための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 図1、図2及び図11の例示的なシステム及び方法とともに使用するための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 例示的なフラクタル経路の図を含む。 例示的なフラクタル経路の図を含む。 テスト領域をカバーするための、例示的な連結フラクタル幾何学的形状を含む。 異なる深さで組成をテストするための、例示的なフラクタル経路の図を含む。 レーザ誘起破壊分光法を行うための例示的な方法のブロックフロー図を含む。 例示的な位置分解組成マップの図を含む。 例示的な位置分解組成マップの図を含む。 ロッド上の例示的なテスト領域の図を含む。 位置分解組成を示す、例示的な画像の図を含む。 異なる深さにおける例示的な位置分解組成マップの図を含む。
異なる図面における同じ参照符号の使用は、類似又は同一の項目を示す。
一実施形態では、組成分析のためのシステムは、サンプルの表面上のアブレーションポイントに向けられるエネルギービームを提供する、エネルギー源を含む。エネルギー源は、例えば、レーザであり得る。アブレーションポイントは、フラクタル経路に沿って連続した、表面上の位置に移動され得る。一例では、位置は、位置の格子又は配列に配置され得る。一例では、フラクタル経路はフラクタルパターンから導出される。フラクタルパターンは、等方性曲線充填フラクタルパターンなどの曲線充填フラクタルパターンであってもよい。システムは、フラクタル経路に沿った位置へのアブレーションポイントの移動を指示する、コントローラを含み得る。システムは、レンズ及びミラー、又は任意選択的に、アブレーションポイントの移動を容易にするためのリニアステージプラットフォームを更に含み得る。エネルギービームは、アブレーションポイントにおいて、サンプルの表面から材料をアブレーションする。アブレーションされた材料は、発光スペクトルを発生する。システムは、発光スペクトルを収集するための収集システムを含み得る。一例では、収集システムは、アブレーションされた材料によって放出された波長を決定するために、スペクトル分析器又は分光計に光学的に接続された集光レンズを含む。システムは、発光スペクトルを使用して、どの元素が存在するか、及び任意選択的に、どのくらいの量で存在するかを決定することができる。
更なる例では、組成分析のための方法は、表面を有するサンプルを提供することを含む。フラクタル経路に沿って連続した各位置において、材料がその位置で表面からアブレーションされ、発光スペクトルが収集され、発光スペクトルが分析されて表面での組成を決定し、任意選択的に、発光スペクトルが、組成を決定するための更なる分析のために、デジタル信号に変換される。組成は、平均表面組成を決定するために、平均化などを通して分析され得る。別の例では、位置分解組成の画像又はマップを形成するために、位置における組成を使用することができる。
従来の走査方法は、位置分解画像又は位置分解マップとして表示されるときに、アーチファクトを残すことが明らかになっている。そのようなアーチファクトは、画像上のぼけ又はスミアとして現れる可能性がある。特に、そのようなアーチファクトの存在は、画像の精度と、組成測定から導出された任意の平均の精度との両方に問題をもたらす。このようなアーチファクトは、先に放出された材料によって引き起こされると考えられ、このような従来の走査方法は、パルスレーザを単一方向に移動させるときの強い材料輸送効果のために、ぼけの問題を悪化させることが明らかになっている。対照的に、表面上の位置を横断するフラクタル経路を使用することにより、材料輸送の効果が低減され、具体的には、ぼけ又はスミアなどのアーチファクトの出現が除去されることが明らかになっている。
図1は、例えば、レーザ誘起破壊分光法を通して組成分析を行うための、システム100の略図を含む。サンプル102がプラットフォーム104上に設置される。エネルギー源106は、エネルギービーム108を、レンズ110などの光学系を通して、サンプル102の表面上に位置決めされたアブレーションポイント112に向ける。サンプル102の表面から材料がアブレーションされ、アブレーションされた材料の少なくとも一部分が原子化又はイオン化されて、例えば光ファイバケーブルを使用して、分光計118に光学的に接続された集光レンズ116によって集光される、発光スペクトル114が得られる。
エネルギー源106は、レーザを含み得るか、又はレーザであり得る。一例では、エネルギー源は、1064nm、532nm又は266nmなどの、200nm~1100nmの範囲の典型的な波長を有する、パルスレーザであり得る。更に、エネルギー源は、サンプルの表面から材料をアブレーションし、元素組成を調べるのに十分な、少なくとも1MW/cm2などの、0.5MW/cm2~2GW/cm2の範囲のピーク電力を有することができる。例えば、レーザパルスは、100μJ~100mJの範囲のエネルギーと、MHz領域までのパルス繰り返し率の、フェムト秒、ピコ秒又はナノ秒領域のパルス幅と、を有することができる。レーザは、モードロックレーザ又はQスイッチレーザであってもよい。例えば、レーザは、受動Qスイッチレーザ又は能動Qスイッチレーザであってもよい。
レンズ110は、球面レンズ、フラットフィールド走査レンズ、例えば、F-tan(θ)走査レンズ又はFθ走査レンズを含み得る。具体的には、レンズ110はFθ走査レンズである。
収集システムは、集光レンズ116及び分光計118を含み得る。一例では、分光計は、電荷結合デバイス(Charge Coupled Device、CCD)撮像装置などの撮像装置を含む。
特に、システム100はコントローラ120を含む。一例では、コントローラ120は、サンプル102の表面上の位置へのアブレーションポイント112の相対移動を制御することができる。例えば、コントローラ120は、固定ビーム108に対してサンプル102を移動させるために、プラットフォーム104などのリニアステージ並進テーブルを制御することができる。別の例では、ガルボミラー、プリズム又はレンズなどのミラーを使用して、固定サンプル上のアブレーションポイントの相対位置を変更することができる。コントローラ120は、フラクタル経路に沿って連続した、サンプル102の表面上の位置へのアブレーションポイント112の相対移動を制御することができる。サンプル102の表面上の各位置における発光スペクトルの収集から、走査された表面の組成マップを構築することが可能である。
コントローラ120は、レーザ106のタイミングを更に制御して、サンプル表面上の所望の位置においてのみ材料をアブレーションすることができる。更に、コントローラ120は、分光計118などの収集システムを制御して、レーザ106の作動から遅延した時間に発光スペクトルを収集することができる。
別の例では、図2は、組成分析を行うためのシステム200を概略的に示す。システム200は、電磁エネルギービーム206を放出する、電磁エネルギー源204を含む。1つ以上の固定ミラー208と、ガルボミラー210などの可動位置決めミラーとのセットは、電磁エネルギービームを、レンズ212を通して、サンプル202の表面上のアブレーションポイント214に向けることができる。一例では、モータ駆動されるミラー210は、サンプル202の表面上のフラクタル経路に沿って連続的に配置された位置にアブレーションポイントを誘導するように、自動的に調整され得る。レンズ212は、球面レンズ、フラットフィールド走査レンズ又はFθ走査レンズであり得る。一例では、レンズ212は、フラットフィールド走査レンズ又はFθ走査レンズである。具体的には、レンズ212はFθ走査レンズである。
材料が、アブレーションポイント214において電磁エネルギービーム206によってアブレーションされると、発光スペクトル216が発生する。発光スペクトル216は、1つ以上のミラー218によって分光計220に向けられ得る。
一例では、電磁エネルギー源204はレーザである。一例では、エネルギー源204は、1064nm、532nm又は266nmなどの、200nm~1100nmの範囲の典型的な波長を有する、パルスレーザであり得る。更に、エネルギー源は、サンプルの表面から材料をアブレーションし、元素組成を調べるのに十分な、少なくとも1MW/cm2などの、0.5MW/cm2~2GW/cm2の範囲のピーク電力を有することができる。例えば、レーザパルスは、100μJ~100mJの範囲のエネルギーと、MHz領域までのパルス繰り返し率の、フェムト秒、ピコ秒又はナノ秒領域のパルス幅と、を有することができる。レーザは、モードロックレーザ又はQスイッチレーザであってもよい。例えば、レーザは、受動Qスイッチレーザ又は能動Qスイッチレーザであってもよい。
分光計220は、1つ以上のミラー、レンズ、開口、格子、プリズム及び発光収集装置などの、様々な光学構成要素を含み得る。一例では、発光収集装置は、電荷結合デバイス(CCD)装置である。他の例では、他の発光検出器が採用され得る。
システム200は、コントローラ222を含み得る。一例では、コントローラ222は、調整可能なミラー210を制御して、アブレーションポイント214が位置する、サンプル202の表面上の位置を調整する。具体的には、コントローラ222は、例えば、調整可能なミラー210を駆動するモータを制御することによって、フラクタル経路に沿って連続的に配置された位置に、アブレーションポイントを移動させるように構成される。更に、コントローラ222は、エネルギー源204の作動を制御することができ、分光計220が発光スペクトルを収集又は分析する時間を制御することができる。
コントローラ222は、コンピュータ(図示せず)を備えることができ、例えば、記憶媒体と、メモリと、プロセッサと、ユーザ出力インターフェース、ユーザ入力インターフェース及びネットワークインターフェースなどの、1つ以上のインターフェースと、を含み、これらは互いにリンクされる。記憶媒体は、ハードディスクドライブ、磁気ディスク、光ディスク、ROMなどのうちの1つ以上のような、任意の形態の不揮発性データ記憶デバイスであってもよい。記憶媒体は、アブレーションポイント214が位置する、サンプル202の表面上の位置をコントローラ222に調整させるための、1つ以上のコンピュータプログラムを記憶し得る。メモリは、データ又はコンピュータプログラムの記憶に好適な、任意のランダムアクセスメモリであってもよい。プロセッサは、1つ以上のコンピュータプログラム(記憶媒体上又はメモリ内に記憶されたコンピュータプログラムなど)の実行に好適な、任意の処理ユニットであってもよい。プロセッサは、単一の処理ユニット、又は、並列に、別々に若しくは互いに連携して動作する、複数の処理ユニットを備え得る。プロセッサは、処理動作を遂行する際に、記憶媒体若しくはメモリにデータを記憶し得るか、又は記憶媒体若しくはメモリからデータを読み取り得る。コンピュータと、可動ミラー210と、エネルギー源204との間のインターフェースを提供するための任意のユニットである、インターフェースが提供されてもよい。ユーザ入力インターフェースは、ユーザ又はオペレータからの入力を受信するように配設されてもよい。ユーザは、ユーザ入力インターフェースに接続された、又はユーザ入力インターフェースと通信する、マウス(若しくは他のポインティングデバイス)又はキーボードなどの、コントローラの1つ以上の入力デバイスを介して、この入力を提供し得る。しかしながら、ユーザは、(タッチスクリーンなどの)1つ以上の追加の入力デバイス又は代替の入力デバイスを介して、コンピュータに入力を提供し得ることが理解されよう。コンピュータは、ユーザ入力インターフェースを介して入力デバイスから受信された入力を、プロセッサが後でアクセス及び処理するためにメモリ記憶し得るか、又は、状況に応じてプロセッサがユーザ入力に応答することができるように、入力を直接プロセッサに渡し得る。ユーザ出力インターフェースは、グラフィカル/ビジュアル出力をユーザ又はオペレータに提供するように配設されてもよい。例えば、サンプルから収集された発光スペクトルは、グラフィカル/ビジュアル出力としてユーザ又はオペレータに提供し得る。そのため、プロセッサは、ユーザ出力インターフェースに、所望のグラフィカル出力を表す画像/ビデオ信号を形成するよう命令し、かつ、この信号を、ユーザ出力インターフェースに接続されたモニタ(又はスクリーンユニット若しくは表示ユニット)などのビデオ表示ユニット(Video Display Unit、VDU)に提供するように配設されてもよい。上述のコンピュータアーキテクチャは単に例示的なものであり、異なるアーキテクチャを有する(例えば、より少ない構成要素を有する、又は追加の構成要素若しくは代替の構成要素を有する)他のコンピュータシステムを使用され得ることが理解されよう。例として、コンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ラップトップなどのうちの1つ以上を備える場合もある。
図3及び図4は、従来の走査パターンを示す。例えば、図3は、従来のラスタ走査パターンを示す。図4は、従来のスネーク走査パターンを示す。図5及び図6は、従来のラスタ走査パターン及びスネーク走査パターンに対してアブレーションが行われる位置の格子又は配列などの、位置の分布を示す。これらの従来の走査パターンは、画像を、走査線としても知られる水平ストリップに分割することに基づいている。次に、各走査線を離散アブレーションポイントのセットに分割することができ、各ポイントは単一のアブレーションの位置を表す。図5及び図6に示す例では、位置は等間隔に分布している。図3及び図4に示されたそのような従来の走査方法又は従来の走査パターンは、位置分解組成画像にアーチファクトをもたらし、位置の格子又は配列にわたって平均化するときに、疑わしい平均組成をもたらすことが明らかになっている。そのため、従来の走査方法は、特に走査パターンがレーザを主に単一方向に走査させるときに、サンプルの表面上の均一に分布した位置の測定にエラーを引き起こすという問題がある。別の問題は、検流計又はリニアステージが急停止することができず、各走査線の端部を越えて移動する可能性があるので、検流計又はリニアステージのいずれかの慣性特性によって引き起こされる、各走査線の端部で調査中の領域の境界を越えて表面をサンプリングすることから生じ得る。
対照的に、フラクタル経路に沿って走査し、フラクタル経路に沿った位置にアブレーションポイントを順次移動させることにより、従来の走査方法と関連付けられたアーチファクトのない発光スペクトルの収集が可能になることが明らかになっている。例えば、フラクタル経路はフラクタルパターンから導出され得る。
フラクタルパターンは、曲線の各部分が、全体として同じ統計的特性を有する、自己相似特性を示す曲線である。本明細書で使用される場合、フラクタルパターンは、フラクタル次元が位相次元を超える、自己相似幾何形状である。フラクタルパターンは、位相次元を有する、曲線又は線分のセットである。特定例では、フラクタルパターンは、不連続な一次導関数を有する。一例では、線又は曲線の位相次元は1である。フラクタル次元又はハウスドルフ次元は、log(N)/log(S)として定義され、式中、Nは新しいセグメントの数を表し、Sはスケーリング係数を表す。フラクタルパターンは、1より大きく、かつ2以下のフラクタル次元又はハウスドルフ次元を有する。例えば、フラクタルパターンは、少なくとも1.9などの、少なくとも1.5のハウスドルフ次元を有することができる。特に、フラクタルパターンは、本明細書では曲線充填フラクタルパターンと称され、2のハウスドルフ次元を有することができる。更に、フラクタルパターンは、数値的に決定された、少なくとも1.5、かつ2以下の有界フラクタル次元を有することができる。例えば、有界フラクタル次元は、2などの、少なくとも1.9であり得る。
例示的なフラクタルパターンは、ジュリア、フィボナッチ語、トリフレーク、コッホ曲線、Vicsek、Quadratic von Koch、Quadratic Cross、ドラゴン曲線、ツインドラゴン曲線、シェルピンスキー三角形、シェルピンスキー六角形、ヘキサフレーク、H、ペンタフレーク、ペンローズタイリング、シェルピンスキー曲線、ヒルベルト曲線、ペアノ曲線、ムーア曲線、ルベーグ曲線、ゴスパー曲線又はギリシャ十字フラクタルなど、又はそれらの組み合わせを含む。一例では、フラクタルパターンは、ペンローズタイリング、シェルピンスキー曲線、ヒルベルト曲線、ペアノ曲線、ムーア曲線、ルベーグ曲線、ゴスパー曲線若しくはギリシャ十字フラクタルなど、又はそれらの組み合わせである。具体的には、フラクタルパターンは、ヒルベルトフラクタル、ムーアフラクタル若しくはペアノフラクタル、又はそれらの組み合わせである。例えば、フラクタルパターンは、2のハウスドルフ次元と、2の有界フラクタル次元と、を有する。2のハウスドルフ次元及び2の有界フラクタル次元を有する例示的なフラクタルパターンは、ヒルベルトフラクタル、ムーアフラクタル若しくはペアノフラクタル、又はそれらの組み合わせを含む。
有用なフラクタルパターンは、本明細書では等方性曲線充填フラクタルパターンと称され、均一に分布した位置の格子又は配列内の位置を連続的に接続する、フラクタルパターンを含む。したがって、そのようなフラクタルパターンは、調査中のサンプル表面の領域にわたるポイントの等方性配列を生成することができる。曲線充填フラクタルパターンは、2のハウスドルフ次元を有する。等方性曲線充填フラクタルパターンは、2のハウスドルフ次元と、2の有界フラクタル次元と、を有する。等方性曲線充填フラクタルパターンの例としては、ヒルベルトフラクタル、ムーアフラクタル若しくはペアノフラクタル、又はそれらの組み合わせが挙げられる。一例として、フラクタルパターンを充填する等方性曲線は、二次元単位正方形を充填する。
例えば、図7は、例示的なヒルベルトフラクタルパターンを示し、図8は、例示的なムーアフラクタルパターンを示す。そのようなフラクタルパターンを使用して、図9及び図10に示された格子又は配列などの、均一に分布した位置の格子又は配列内の位置を順次横断する、フラクタル経路を導出することができる。図9は、図7に示されたヒルベルトフラクタルパターンから導出されたフラクタル経路によって横断され得る、均一に分布した位置の格子又は配列を示す。図10は、図8に示されたムーアフラクタルパターンから導出されたフラクタル経路によって横断され得る、均一に分布した位置の格子又は配列を示す。そのような均一に分布した位置の格子又は配列でサンプリングすることによって、システムは、組成を示す位置分解マップを導出することができるか、又は、サンプル領域にわたって均一に取られた測定値を利用して、平均組成を導出することができる。
図11は、組成分析を行うための例示的な方法1100の図を含む。例えば、本方法は、ブロック1102に示すように、組成分析システムにサンプルを挿入することを含む。一般に、サンプルは、組成分析に使用することができる発光スペクトルを発生させるために、材料がアブレーションされる表面を有する。
ブロック1104に示すように、システムは、フラクタル経路に沿った連続位置にアブレーションポイントを移動させることができる。アブレーションポイントは、フラクタル経路に沿った様々な位置に位置決めすることができる。位置は、サンプルの表面上の位置の格子又は配列を形成することができる。
ブロック1106に示すように、選択された間隔で、レーザなどのエネルギー源を作動させることができる。例えば、レーザは、100Hz~1000Hzなどの、1Hz~数MHzの範囲の速度で作動され得る。作動されると、材料は、アブレーションポイントにおいて表面からアブレーションされ、発光スペクトルの発生を促進する。
例えば、アブレーションポイントは、リニアステージプラットフォームを用いて、固定電磁エネルギービームに対してビームに対してサンプルを移動させることによって、フラクタル経路に沿った位置の間で順次移動され得る。別の例では、アブレーションポイントは、調整可能なレンズ若しくは可動レンズ、プリズム又はミラー、例えば、ガルボミラーの使用などを通して、固定サンプル表面に対してエネルギービームの経路を変化させることによって、移動され得る。
ブロック1108に示すように、発光スペクトルを収集することができる。例えば、集光レンズのセットなどの光学系を使用して、アブレーションポイントから生じる発光スペクトルを収集することができる。発光スペクトルは、ブロック1110に示すように、発光スペクトルを収集してデジタル信号に変換する分光計に、光学的に提供され得る。デジタル信号は、組成を決定するために使用することができる、様々な波長で受信された光の強度を示すことができる。
ブロック1112に示すように、システムは、フラクタル経路の端部に到達しているかどうかを判定する。そうでない場合、システムは、ブロック1104に示すように、フラクタル経路に沿った次の位置にアブレーションポイントを移動させ、エネルギー源を作動させ、発光スペクトルを収集し、発光スペクトルを信号に変換する。
ブロック1114に示すように、システムは、変換された信号又はデジタル信号を分析して、組成を定性的に、及び任意選択的に定量的に決定することができる。一例では、分析は、アブレーションポイントの各々にわたって測定値が取得された後に行うことができる。代替的に、分析は、発光スペクトルの測定と平衡して行うことができる。分析は、フラクタル経路に沿った位置にわたる組成の平均化をもたらすことができる。別の例では、分析は、サンプルの表面の様々な位置における組成を示す、位置分解画像又は位置分解マップを提供することができる。分析は、分光計と関連付けられたコンピュータによって行われてもよい。いくつかの実施形態では、分析を行うためのコンピュータは、上述の図2のコントローラ222のコンピュータであってもよい。
所望の分析の性質、組成を示す画像の解像度又は他の要因に応じて、選択サンプル領域にわたる測定位置の数又は測定位置の密度を調整することができる。フラクタルの性質は、フラクタル経路が導出されるフラクタルパターンの反復を変更することによって、測定位置の密度又は数の調整を可能にする。例えば、図12、図13、図14、図15、図16及び図17は、ヒルベルトフラクタルパターンの異なる反復を示す。各反復では、自己相似幾何学的パターンはより複雑になり、パターンを通して延びる経路によって横断される測定ポイントの数は、4倍に増加する。例えば、図12に示すように、ヒルベルトパターンの第1の反復は、4つの測定ポイントを可能にする。図13に示されたヒルベルトフラクタルパターンの第2の反復は、16個の測定位置を通して延びる。したがって、所与の有界領域にわたる測定位置の数が増加し、密度もまた増加する。更に、図14に示されたヒルベルトフラクタルパターンの第3の反復は、64個の測定ポイントを提供し、図15に示されたヒルベルトフラクタルパターンの第4の反復は、256個の測定ポイントを提供し、図16に示された第5の反復は、1024個の測定ポイントを提供し、図17に示された6の反復は、4096個の測定ポイントを提供する。本プロセスは継続することができ、例えば、ヒルベルトフラクタルパターンの7の反復は、16384(47)個の測定ポイントを提供し、ヒルベルトフラクタルパターンの第8の反復は、65536(48)個の測定ポイントを提供する。一例では、フラクタルパターンの反復数は、4~8の範囲又は5~7の範囲など、3~12の範囲である。
反復ごとに、方向が変化する頂点又は角度のあるポイントの数が増加する。かなりの数の測定ポイントが、フラクタルパターンの頂点上にある。例えば、測定ポイントのうちの少なくとも40%が、フラクタルパターンの頂点上にある。別の例では、測定ポイントのうちの少なくとも60%、又は測定ポイントのうちの少なくとも70%など、測定ポイントのうちの少なくとも50%が、フラクタルパターンの頂点上にある。このようにして、表面上のアブレーションポイントの順次移動のうちのかなりの部分は同じ方向ではなく、これは、図3及び図4に示されるラスタパターン又はスネークパターンなどの従来の走査パターンとは対照的である。
更に、フラクタル経路に沿った測定ポイントの順次セットが同じ線分上にある、限られたセグメントがある。例えば、フラクタルパターンから導出されたフラクタル経路は、フラクタル経路に沿った5つより多い連続測定ポイントが同じ線分内にある、線分を含まなくてもよい。更なる例では、フラクタル経路は、4つより多い連続測定ポイントを含む線分がなくてもよい。
一般に、測定ポイントは、ポイントが両軸方向に等距離である格子又は配列に、分布され得る。例えば、図18に示すように、X方向の各ステップは、Y1方向のステップと同じ長さを有する。図18は、ヒルベルトフラクタルパターンの第3の反復を示す。
代替的に、1つの次元におけるステップサイズは、異なる次元におけるステップサイズに対して異なるスケールを有することができる。例えば、図19は、Y2方向のステップサイズが、X方向のステップサイズよりも大きい、ヒルベルトフラクタルパターンの修正された第3の反復を示す。一方向又は両方向におけるステップサイズのそのようなスケーリングは、入射放射線に対して垂直でない、テスト領域のサンプリングを可能にし得る。例えば、円錐面、三角形表面又はプリズム状の表面を有するサンプルが分析される場合、サンプルの表面上に等方性格子を正しく作成するために、X寸法若しくはY寸法のいずれか又は両方の寸法が、サンプルの表面の勾配に従って調整されなければならない。これは、x’=x/cos(α)又はy’=y/cos(β)である、基本的な三角法計算によって行うことができ、式中、α及びβは、分析されるサンプルの表面と、入射放射線に垂直な水平面との間の角度である。
図20に示された別の例では、フラクタルパターンのセットを連結して、より大きなテスト領域にわたって延びる、フラクタル経路を形成することができる。図20に示された例では、5つのヒルベルトフラクタルパターンのセットが連結されて、長方形のテスト領域の一端から、このテスト領域の他端への連続的なフラクタル経路を提供する。更なる例では、5つのヒルベルトフラクタルパターンの鏡像を、図20に示された5つセットの下方に連結して、より大きなテスト領域を通る連続的なフラクタル経路を形成することができる場合もある。
テスト領域の異なる形状は、テスト領域にわたる連続的なフラクタル経路を提供するように連結された、より多くの又はより少ないフラクタルパターンを使用して、カバーされ得る。図20は、フラクタル経路を形成するために連結されたヒルベルトフラクタルパターンのセットの使用を示す。同じ又は異なるフラクタルパターンを含む他のフラクタルパターン又はセットを利用し、互いに連結して、不規則な形状のテスト領域を通る連続的なフラクタル経路を形成することができる。例えば、ヒルベルトフラクタルパターン、ムーアフラクタルパターン若しくはペアノフラクタルパターンのうちの1つ以上、又はそれらの組み合わせを含むセットを互いに連結して、様々なテスト領域形状を形成し、様々なテスト領域形状を通る連続的なフラクタル経路を形成することができる。
フラクタル経路を更に使用して、同じ領域を異なる深さでテストすることができる。例えば、位置の格子又は配列内などの同じ位置を、表面下の深さに到達するために、2回以上テストすることができる。レーザによる第1のフラクタルパターン走査は、サンプルの表面を分析し、次に続く各フラクタルパターン走査は、追加の深さまでサンプルをエッチングする。このプロセスを継続することによって、複数の層を深さの関数として分析することができる。これらの層の分析を三次元で構築することによって、システムは三次元マップを生成することができ、すなわち、サンプルの組成を三次元で分析することができる。一例では、図21は、フラクタルパターンを利用して、深さの関数として組成をテストするために、同じテスト領域上にフラクタル経路を生成する図を含む。図示された例では、テスト位置の配列を通る第1のフラクタル経路を使用して、テスト(1)で表面分析が行われる。追加のフラクタル経路を、テスト(2)、テスト(3)又はテスト(4)などのそれぞれで使用して、エッチング深さ1、エッチング深さ2又はエッチング深さ3などで組成をテストすることができる。図21に示された例では、ヒルベルトフラクタルパターンを使用して、測定ポイントの格子又は配列を通るフラクタル経路を画定する。同じフラクタル経路を、後続のテスト(2)、テスト(3)又はテスト(4)のそれぞれで使用して、同じテストポイントにおける異なる深さで組成をテストすることができる。代替例では、フラクタルパターンが、測定位置の同じ配列を通るフラクタル経路を画定するという条件で、異なるフラクタルパターンを、追加テストのうちの1つ以上で利用することができる。例えば、第1のテストは、フラクタル経路を画定するためにヒルベルトフラクタルパターンを利用し得、後続のテストは、位置の配列をテストするために、ムーアフラクタル経路又はペアノフラクタル経路を利用し得る。フラクタル経路に沿ったレーザの走査方向は重要ではなく、テスト深さ1、テスト深さ2、テスト深さ3などのそれぞれに対して同じであり得、又はテスト深さの間で異なり得る。一例として、第1のテスト深さでは、レーザはフラクタル経路に沿って第1の方向に移動し、第2のテスト深さでは、レーザはフラクタル経路に沿って第2の又は反対の方向に移動し、レーザは、走査方向に関わらず、測定位置の同じ配列を通って移動する。
一般に、テスト領域が選択されると、種々の幾何学的形状、フラクタルパターン及びフラクタルパターンの反復を利用して、テスト領域にわたるフラクタル経路を画定することができる。具体的には、幾何学的形状は、フラクタルパターンの連結、ステップサイズ及び異なる寸法の調整、又は深さの関数として組成の測定値を生成するための、先にテストされたポイントにわたる後続のトレースを含むことができる。更に、テスト領域の一部分にわたって利用される所与のフラクタルパターンの反復を選択することは、テスト領域の一部分内の格子又は配列内の測定位置の数又は密度を確定する。
図22に示された例では、組成分析を行うための方法2200は、ブロック2202に示すように、サンプルをテストシステムに挿入することを含む。サンプルは、組成のテストを行う表面を含む。例えば、サンプルは、金属、ポリマー、ガラス、セラミック又は鉱物サンプルであってもよい。
ブロック2204に示すように、テスト領域を、挿入されたサンプルの表面上で選択することができる。一例では、テスト領域は正方形領域である。代替的に、テスト領域は、矩形形状又は別の幾何形状を取り得る。
テスト領域の性質及び形状に応じて、システムは、ブロック2206に示すように、テスト領域内に画定された測定位置を通るフラクタル経路を画定する際に利用される、幾何学的形状を決定することができる。例えば、幾何学的形状を画定することは、様々なフラクタルパターンの連結を画定すること、所与のフラクタルパターンのステップサイズを調整すること、又は2回以上テストされている測定位置にわたってパターンを選択することを含むことができる。
本方法は、ブロック2208に示すように、測定位置の配列の所望の密度を提供する、フラクタルパターンの反復数を選択することによって、測定位置の格子又は配列の密度を確定することを更に含み得る。反復回数が多いほど、配列内の測定位置の数が多くなり、所与の領域に対する測定位置の密度が高くなる。代替的に、密度が選択され得、システムは、選択された密度を達成するために使用する、フラクタルパターンの反復数を決定することができる。
幾何学的形状及び反復が選択されると、測定を行い得るフラクタル経路が画定される。例えば、ブロック2210に示すように、アブレーションポイントは、測定位置の格子又は配列内のフラクタル経路に沿った連続位置に、移動され得る。ブロック2212に示すように、所望の位置において、レーザなどのエネルギー源をパルス化させることができる。パルスは、サンプルの表面上のアブレーションポイント又は位置における材料のアブレーションをもたらし、発光スペクトルの発生を引き起こす。
ブロック2214に示すように、発光スペクトルは、集光レンズ又は他の光学系を使用するなどして収集され得る。収集された発光スペクトルは、ブロック2216に示すように、例えば、分光計を利用して、デジタル信号に変換され得る。
発光スペクトルの収集に続いて、システムは、ブロック2218に示すように、選択された幾何学的形状に沿ったフラクタル経路の端部に到達しているかどうかを判定することができる。そうでない場合、システムは、フラクタル経路に沿った次の位置にアブレーションポイントを移動させることができ、レーザのパルス化及び発光スペクトルの収集を繰り返すことができる。
経路の端部に到達している場合、システムは、ブロック2220に示すように、幾何学的形状の端部に到達しているかどうかを判定することができる。例えば、システムは、深さの全てがテストされたかどうか、又はテストされる追加のフラクタルパターンがあるかどうかを判定することができる。幾何学的形状の端部に到達していない場合、システムは、次に、ブロック2222に示すように、次の幾何学的形状を選択することができる。
幾何学的形状の性質に応じて、システムは、ブロック2226に示すように、レーザなどのエネルギー源の焦点をリセットすることができる。例えば、追加の深さをテストするとき、焦点は、次の深さに応じて調整され得る。次に、システムは、フラクタル経路内の連続位置に沿ってアブレーションポイントを移動させ、レーザをパルス化し、各位置において発光スペクトルを収集することができる。
ブロック2224に示すように、システムは、変換された信号を分析して、組成を決定することができる。例えば、システムは、位置における組成を平均化し、表面テスト領域にわたる平均を決定することができる。別の例では、システムは、位置における組成を示す、位置分解マップ又は位置分解画像を提供することができる。
上記のシステム及び方法の実施形態は、従来のシステムに勝る技術的利点を提供する。具体的には、実施形態は、従来のシステム及びテスト方法において見られる物質輸送効果の問題を克服し、位置の関数として組成を示す位置分解マップにおける、エラーと、ぼけ又はスミアなどのアーチファクトの出現と、を低減する。そのようなエラーは、位置のセットから収集された組成が平均化されるときにも低減される。ガルボ(又はリニアステージ)移動が最小限に抑えられるので、位置分解マップにおいて高精度が可能になる。
実施例
実施例1
プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)は、PCBの表面上のニッケル元素の有無をテストされる。同じPCBの異なる部分が、異なる走査パターンを利用するレーザ誘起破壊分光法を使用して、テストされる。パルス当たり2mJのエネルギー及び1kHzの繰り返し率を有する532nmのレーザを、各走査パターンに使用する。レーザは、パルス当たり2MWの出力及び4mmのビーム幅を有し、16MW/cm2を提供する。図23は、従来のスネーク走査方法を利用して測定された、組成の位置分解マップを示す。図24は、テスト領域を通るフラクタル経路を画定するための第8の反復ヒルベルトフラクタルパターンを利用して測定された、組成物の位置分解マップを示す。
図23に示すように、スネーク走査方法は、染み、追加の跡又はぼけ効果などのアーチファクトを生成する。スネーク走査は、1つのガルボミラーを使用する、X方向の高速走査を利用する。第2のガルボミラーは、線が走査された後、Y寸法の各行の端部において、1つの離散ステップで変化される。したがって、レーザ走査は単一方向に集中し、このことは、レーザがサンプル表面上を走査するときに、強い材料輸送効果を引き起こす。
対照的に、第8の反復ヒルベルトフラクタルパターンなどのフラクタル方法を利用することは、より正確で視覚的に鮮明な画像を提供する。走査速度は、小さな畳み込みでX方向及びY方向の両方に分散され、材料輸送効果を低減する。
実施例2
フラクタルパターンを連結して、正方形でないテスト領域をカバーすることができる。ヒルベルトフラクタルパターンのセットの連結から導出されたフラクタル経路を使用して、矩形テスト領域が走査される。パルス当たり2mJのエネルギー及び1kHzの繰り返し率を有する532nmのレーザを、各走査パターンに使用する。レーザは、パルス当たり2MWの出力及び4mmのビーム幅を有し、16MW/cm2を提供する。
小さな鋼棒(図25)の表面は、(図20に示されたパターンに類似した)ヒルベルトフラクタルパターンの連結から導出されたフラクタル経路を使用してマッピングされ、亜鉛元素及び酸素元素の相対強度を決定する。この場合、マッピングは、10回連結された第6の反復ヒルベルトセルを用いて行われている。これは、合計40,960ポイントに相当する(10×46)。
図26は、テスト領域内のテスト位置へのフラクタル経路を利用し、亜鉛(上)及び酸素(下)の両方の組成を示す、マップを示す。テスト領域のx寸法がy寸法に対して長いにも関わらず、亜鉛マップ及び酸素マップには材料輸送アーチファクトは見られない。亜鉛のマップは規則的なパターンを示し、鉄鋼製造プロセスの品質に関する重要な情報を提供する。酸素のマップは、局所的な構造的欠陥を明らかにする。
実施例3
組成は、同じ領域を複数回走査し、例えば、上述した図21に示すように、テスト領域上の対応する単一パス走査ごとに1つの層をエッチングすることによって、三次元でマッピングされ得る。図27に示すように、同じ領域上のフラクタル経路を繰り返し使用することにより、異なる深さにおける各ポイントでのサンプリングが可能になる。錆の兆候を示す非鉄セラミックサンプルにおける錆の深さを評価するために、鉄元素を異なるエッチング深さでテストし、マップごとに相対強度スケールで表示する。パルス当たり2mJのエネルギー及び1kHzの繰り返し率を有する532nmのレーザを、各走査パターンに使用する。レーザは、パルス当たり2MWの出力及び4mmのビーム幅を有し、16MW/cm2を提供する。走査は、ヒルベルトフラクタルパターンから導出されたフラクタル経路を使用して、位置の同一格子又は配列にわたって4回(表面及び3つの連続する深さのサンプリング)行われる。各層は、65,536(48)個のレーザアブレーションポイントからなる1cm×1cm領域のマップに相当する。これは、約400μmの空間分解能を有する256×256ポイントの格子に相当する。
図27に表示するように、セラミックサンプルは、より深いところで汚染が減少している、表面における交差汚染の兆候を示す。錆の濃度は、サンプル中の深さの関数として急速に減少し、錆が表面的な外部汚染であることを示す。
第1の実施形態では、組成分析のための方法は、表面を有するサンプルを提供することと、フラクタル経路に沿って、表面上の複数の位置のうちの1つの位置に、アブレーションポイントを移動させることと、エネルギー源をパルス化して、アブレーションポイントにおいて材料をアブレーションする電磁エネルギービームを提供することと、エネルギー源のパルス化に応答して、発光スペクトルを収集することと、発光スペクトルを分析して、表面における組成を決定することと、を含む。
第1の実施形態の一例では、本方法は、フラクタル経路に沿った表面上の第2の位置にアブレーションポイントを移動させることを更に含む。第2の位置は、フラクタル経路に沿った第1の位置に隣接する。
第1の実施形態の別の例及び上記の例では、アブレーションポイントを移動させることは、並進プレートを使用してサンプルを移動させることを含む。
第1の実施形態の更なる例及び上記の例では、アブレーションポイントを移動させることは、ミラーを位置決めすることを含む。
第1の実施形態の追加の例及び上記の例では、エネルギー源はレーザを含む。
第1の実施形態の別の例及び上記の例では、発光スペクトルを収集することは、電荷結合デバイス(CCD)撮像装置を用いて発光スペクトルを収集することを含む。
第1の実施形態の更なる例及び上記の例では、フラクタル経路は、曲線充填フラクタルパターンによって画定される。例えば、曲線充填フラクタルパターンは等方性曲線充填フラクタルパターンである。
第1の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路は、ペアノフラクタルパターン、ヒルベルトフラクタルパターン又はムーアフラクタルパターンから導出される。
第1の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路は、1より大きく、かつ2以下のハウスドルフ次元を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、ハウスドルフ次元は、少なくとも1.5である。一例では、ハウスドルフ次元は2である。
第1の実施形態の更なる例及び上記の例では、フラクタル経路は、1.5より大きく、かつ2以下の有界フラクタル次元を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、有界フラクタル次元は2である。
第1の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路は、3~12の範囲の反復数を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、繰り返し数は、4~8の範囲である。
第1の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路に沿った5つ以下の連続位置が、同じ線形セグメント内にある。例えば、フラクタル経路に沿った4つ以下の連続位置が、同じ線形セグメント内にある。
第1の実施形態の更なる例及び上記の例では、複数の位置のうちの少なくとも40%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。例えば、複数の位置のうちの少なくとも50%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。一例では、複数の位置のうちの少なくとも60%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。
第1の実施形態の追加の例及び上記の例では、本方法は、サンプリング密度を選択することと、選択されたサンプリング密度に少なくとも部分的に基づいて、フラクタルの反復数を決定することと、を更に含む。
第1の実施形態の別の例及び上記の例では、分析することは、位置における組成を決定することと、組成を、複数の位置のうちの他の位置において決定された他の組成と平均化することと、を含む。
第1の実施形態の更なる例及び上記の例では、分析することは、位置における組成を決定することと、他の相対位置に表示された他の組成との相対位置に表示された組成を含む位置分解画像を生成することと、を含む。
第2の実施形態では、システムは、エネルギービームを提供するエネルギー源と、サンプルの表面及びエネルギービームを相対的に位置決めし、表面上の複数の位置のうちの1つの位置においてアブレーションポイントを提供する、位置決め機構と、アブレーションポイントから発光スペクトルを収集するように向けられる、集光レンズと、集光レンズと光通信する分光計と、位置決め機構と通信するコントローラであって、表面上のアブレーションポイントの、フラクタル経路に沿った複数の位置への移動を指示する、コントローラと、を含む。
第2の実施形態の一例では、システムは、エネルギービームの経路内にFθレンズを更に含む。
第2の実施形態の別の例及び上記の例では、位置決め機構は調整可能なミラーを含む。
第2の実施形態の更なる例及び上記の例では、位置決め機構は、サンプルを平行移動させるためのプラットフォームを含む。
第2の実施形態の追加の例及び上記の例では、エネルギー源はレーザを含む。
第2の実施形態の別の例及び上記の例では、分光計は電荷結合デバイス(CCD)撮像装置を含む。
第2の実施形態の更なる例及び上記の例では、フラクタル経路は、曲線充填フラクタルパターンによって画定される。例えば、曲線充填フラクタルパターンは等方性曲線充填フラクタルパターンである。
第2の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路は、ペアノフラクタルパターン、ヒルベルトフラクタルパターン又はムーアフラクタルパターンから導出される。
第2の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路は、1より大きく、かつ2以下のハウスドルフ次元を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、ハウスドルフ次元は、少なくとも1.5である。一例では、ハウスドルフ次元は2である。
第2の実施形態の更なる例及び上記の例では、フラクタル経路は、1.5より大きく、かつ2以下の有界フラクタル次元を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、有界フラクタル次元は2である。
第2の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路は、3~12の範囲の反復数を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、繰り返し数は、4~8の範囲である。
第2の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路に沿った5つ以下の連続位置が、同じ線形セグメント内にある。例えば、フラクタル経路に沿った4つ以下の連続位置が、同じ線形セグメント内にある。
第2の実施形態の更なる例及び上記の例では、複数の位置のうちの少なくとも40%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。例えば、複数の位置のうちの少なくとも50%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。一例では、複数の位置のうちの少なくとも60%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。
第3の実施形態では、組成分析のための方法は、表面を有するサンプルを提供することと、表面上の複数の位置のうちの各位置において、レーザシステムを使用して、各位置において表面から材料をアブレーションすることと、収集デバイスを用いて発光スペクトルを収集することと、フラクタル経路に沿って、複数の位置のうちの次の位置に移動することと、収集された発光スペクトルを分析して、組成を決定することと、を含む。
第3の実施形態の一例では、本方法は、表面上のテスト領域を選択することを更に含み、複数の位置は、テスト領域内に配置される。例えば、本方法は、表面上のテスト領域内に幾何学形状のセットを画定することを更に含み、幾何学形状のセットのうちの各幾何学形状は、複数の位置のうちの位置のセットを画定する。一例では、幾何学形状のセットのうちの第1の幾何学形状は、表面に沿った同じ深さにおいて、幾何学形状のセットのうちの第2の幾何学形状に隣接する。更なる例では、幾何学形状のセットのうちの第1の幾何学形状は、表面における又は表面下の異なる深さにおいて、幾何学形状のセットのうちの第2の幾何学形状の上にある。追加の例では、本方法は、幾何学形状のセットのうちの各幾何学形状に対して、レーザシステムの焦点を調整することを更に含む。
第3の実施形態の別の例及び上記の例では、本方法は、サンプリング密度を選択することと、フラクタル経路のフラクタルパターンの反復を決定することと、を更に含む。
第3の実施形態の更なる例及び上記の例では、本方法は、フラクタル経路のフラクタルパターンの反復数を選択することを更に含む。
第3の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路に沿って移動することは、並進プレートを使用してサンプルを移動させることを含む。
第3の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路に沿って移動することは、ミラーを位置決めすることを含む。
第3の実施形態の更なる例及び上記の例では、収集デバイスは電荷結合デバイス(CCD)撮像装置を含む。
第3の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路は曲線充填フラクタルパターンから導出される。例えば、曲線充填フラクタルパターンは等方性曲線充填フラクタルパターンである。
第3の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路は、ペアノフラクタルパターン、ヒルベルトフラクタルパターン又はムーアフラクタルパターンから導出される。
第3の実施形態の更なる例及び上記の例では、フラクタル経路は、1より大きく、かつ2以下のハウスドルフ次元を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、ハウスドルフ次元は、少なくとも1.5である。一例では、ハウスドルフ次元は2である。
第3の実施形態の追加の例及び上記の例では、フラクタル経路は、1.5より大きく、かつ2以下の有界フラクタル次元を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、有界フラクタル次元は2である。
第3の実施形態の別の例及び上記の例では、フラクタル経路は、3~12の範囲の反復数を有するフラクタルパターンから導出される。例えば、繰り返し数は、4~8の範囲である。
第3の実施形態の更なる例及び上記の例では、複数の位置のうちの5つ以下の連続位置が、フラクタル経路に沿った同じ線形セグメント内にある。例えば、複数の位置のうちの4つ以下の連続位置が、フラクタル経路に沿った同じ線形セグメント内にある。
第3の実施形態の追加の例及び上記の例では、複数の位置のうちの少なくとも40%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。例えば、複数の位置のうちの少なくとも50%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。一例では、複数の位置のうちの少なくとも60%が、フラクタル経路内の頂点に配置される。
第3の実施形態の別の例及び上記の例では、分析することは、各位置における組成を決定することと、組成を、複数の位置のうちの他の位置において決定された他の組成と平均化することと、を含む。
第3の実施形態の更なる例及び上記の例では、分析することは、位置における組成を決定することと、他の相対位置に表示された他の組成との相対位置に表示された組成を含む位置分解画像を生成することと、を含む。
一般的な説明又は実施例において上述した活動の全てが必要とされるわけではないことと、特定の活動の一部分が必要とされなくてもよいことと、1つ以上の更なる活動が、説明されたものに加えて行われ得ることと、に留意されたい。更に、活動がリストされている順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して概念を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を加えることができることを理解する。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきであり、そのような修正は全て、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的にリストされていない、又はそのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の他の特徴を含んでもよい。更に、反対のことが明示的に述べられていない限り、「又は」は、包含的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指さない。例えば、条件A又はBは、以下のうちのいずれか1つによって満たされる:Aが真(又は存在する)かつBが偽(又は存在しない)、Aが偽(又は存在しない)かつBが真(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真(又は存在する)。
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を記載するために使用される。これは、単に便宜上のためであり、本発明の範囲の一般的な意味を与えるためである。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形は、それが他のことを意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
利益、他の利点、及び問題に対する解決策が、特定の実施形態に関して上で上述されている。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、及び任意の利益、利点又は解決策を生じさせ得るか、又はより顕著になり得る任意の特徴は、任意の又は全ての特許請求の範囲の重要な、必要な又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
本明細書を読んだ後、当業者は、明確にするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことを理解するであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別々に又は任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。更に、範囲で記載された値への言及は、その範囲内の各値及び全ての値を含む。

Claims (25)

  1. 組成分析のための方法であって、
    表面を有するサンプルを提供することと、
    フラクタル経路に沿って、前記表面上の複数の位置のうちの1つの位置に、アブレーションポイントを移動させることと、
    エネルギー源をパルス化して、前記アブレーションポイントにおいて材料をアブレーションする電磁エネルギービームを提供することと、
    前記エネルギー源のパルス化に応答して、発光スペクトルを収集することと、
    前記発光スペクトルを分析して、前記表面における組成を決定することと、を含む方法。
  2. 前記フラクタル経路に沿って、前記表面上の第2の位置に前記アブレーションポイントを移動させることを更に含み、前記第2の位置が、前記フラクタル経路に沿って第1の位置に隣接する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アブレーションポイントを移動させることが、並進プレートを使用して、前記サンプルを移動させることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記アブレーションポイントを移動させることが、ミラーを位置決めすることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記エネルギー源がレーザを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記発光スペクトルを収集することが、電荷結合デバイス(CCD)撮像装置を用いて前記発光スペクトルを収集することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記フラクタル経路が、曲線充填フラクタルパターンによって画定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記フラクタル経路が、ペアノフラクタルパターン、ヒルベルトフラクタルパターン又はムーアフラクタルパターンから導出される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記フラクタル経路が、1より大きく、かつ2以下のハウスドルフ次元を有するフラクタルパターンから導出される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記フラクタル経路が、1.5より大きく、かつ2以下の有界フラクタル次元を有するフラクタルパターンから導出される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記フラクタル経路が、3~12の範囲の反復数を有するフラクタルパターンから導出される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記フラクタル経路に沿った5つ以下の連続位置が、同じ線形セグメント内にある、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記複数の位置のうちの少なくとも40%が、前記フラクタル経路内の頂点に配置される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. サンプリング密度を選択することと、選択された前記サンプリング密度に少なくとも部分的に基づいて、フラクタルの反復数を決定することと、を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 分析することが、前記位置における組成を決定することと、前記組成を、前記複数の位置のうちの他の位置において決定された他の組成と平均化することと、を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 分析することが、前記位置における組成を決定することと、相対位置に表示された前記組成及び他の相対位置に表示された他の組成を含む位置分解画像を生成することと、を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. エネルギービームを提供するエネルギー源と、
    サンプルの表面及び前記エネルギービームを相対的に位置決めし、前記表面上の複数の位置のうちの1つの位置においてアブレーションポイントを提供する、位置決め機構と、
    前記アブレーションポイントから発光スペクトルを収集するように向けられる、集光レンズと、
    集光レンズと光通信する分光計と、
    前記位置決め機構と通信するコントローラであって、前記表面上の前記アブレーションポイントの、フラクタル経路に沿った前記複数の位置への移動を指示する、コントローラと、を備える、システム。
  18. 前記エネルギービームの経路内にFθレンズを更に備える、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記位置決め機構が調整可能なミラーを含む、請求項17又は18に記載のシステム。
  20. 前記フラクタル経路が、曲線充填フラクタルパターンによって画定される、請求項17~19のいずれか一項に記載のシステム。
  21. 前記フラクタル経路が、ペアノフラクタルパターン、ヒルベルトフラクタルパターン又はムーアフラクタルパターンから導出される、請求項17~20のいずれか一項に記載のシステム。
  22. 前記フラクタル経路が、1より大きく、かつ2以下のハウスドルフ次元を有するフラクタルパターンから導出される、請求項17~21のいずれか一項に記載のシステム。
  23. 前記フラクタル経路が、1.5より大きく、かつ2以下の有界フラクタル次元を有するフラクタルパターンから導出される、請求項17~22のいずれか一項に記載のシステム。
  24. 前記フラクタル経路が、3~12の範囲の反復数を有するフラクタルパターンから導出される、請求項17~23のいずれか一項に記載のシステム。
  25. 前記フラクタル経路に沿った5つ以下の連続位置が、同じ線形セグメント内にある、請求項17~24のいずれか一項に記載のシステム。
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