JP5659515B2 - 工事振動抑制方法 - Google Patents

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本発明は、工事振動抑制方法に関するものであり、具体的には、従来より低廉な導入コストで適宜な工事振動抑制効果が得られる技術や、重機により異なる荷重や必要な振動抑制レベル等を勘案して防振用部材の導入内容をコントロールする技術に関する。
建設現場等でバックホウやクレーンなど重機を使用する場合、周辺環境への配慮もあって防振措置を講じることが多い。従来採用されてきた防振措置の技術としては、例えば、ゴムマットやガラ、古タイヤを重機の稼働領域に単純に敷設して防振に役立てるものがあった。一方、こうしたゴムマットやガラ等を用いた従来技術では課題が残されているとして、いわゆる防振マットを採用する技術も提案されている。例えば、合成樹脂の硬質発泡フォームによる防振材が平面形状を矩形に形成され、前記防振材の上面に敷鉄板が積層されていると共に敷鉄板の周縁部には略直角下向きの抱持片が設けられ、該抱持片によって前記防振材が抱持されていることを特徴とする建設重機稼働用の防振マット(特許文献1)などがそれにあたる。
特開平7−279443号公報
一方、発明者らは、実際にゴムマットや防振マット、古タイヤを工事現場に敷設し、工事振動レベルの測定を行った。すると、図8の振動レベルのグラフに示すように、ゴムマットや防振マットを敷設した場合、無対策時よりは若干の振動抑制がなされるものの、実際には期待するほどの振動抑制効果が得られないという知見を得た。また、こうしたゴムマットや防振マット等は導入コストが低廉ではなく、幅広く工事現場に適用することも困難であった。更に、重機により異なる荷重や必要な振動抑制レベル等を勘案して防振用部材の導入内容をコントロールするといった配慮もなされていなかった。
他方、古タイヤを敷設した場合、グラフに示すように確かに振動抑制効果を得られることが定量的に測定できた。しかしやはり、重機により異なる荷重や必要な振動抑制レベル等を勘案して導入内容をコントロールする配慮は無く、過大な荷重や一定期間の荷重が加わると必要な弾性を失って再利用が困難な欠点もあった。
そこで本発明では、従来より低廉な導入コストで適宜な工事振動抑制効果が得られる技術の提供を目的とする。また、重機により異なる荷重や必要な振動抑制レベル等を勘案して防振用部材の導入内容をコントロールできる技術の提供も目的とする。
上記課題を解決する本発明の工事振動抑制方法は、工事用機械の稼働域に敷設し、上面に板材を載置するタイヤ群において、前記タイヤ群の外周を所定部材で囲むことで水平方向の変形を拘束し、前記タイヤ群が含む各タイヤの内空、各タイヤ間の間隙、タイヤ群の周辺領域、のうち少なくともいずれかに、前記工事用機械の重量に応じて前記板材の下端と前記所定部材の上端との間で上下させた嵩高まで弾性体片を配置し、前記タイヤ群の垂直方向の変形を前記弾性体片の略嵩高までで抑制することを特徴とする。
また、本発明の工事振動抑制方法は、工事用機械の稼働域に敷設し、上面に板材を載置するタイヤ群において、前記タイヤ群の外周のうち角隅部を枠体で囲み、前記タイヤ群の外周のうち前記枠体で囲まない箇所のタイヤ同士を所定部材で連結することで前記タイヤ群の水平方向の変形を拘束することを特徴とする。
また、前記タイヤ群が含むタイヤ同士を所定部材で連結することにより、前記タイヤ群の水平方向の変形を拘束するとしてもよい。例えば、ワイヤーや樹脂製ロープなど所定強度を有する結束具で、前記タイヤ群を構成する各タイヤ同士(例:全タイヤ、ないし外周を構成するタイヤ)を連結しタイヤ群を適宜一体化する。板材から伝達された重機等の荷重らで各タイヤが扁平化しタイヤ群全体として外側に膨らもうとしても、前記結束具で連結されたタイヤ同士で当接しあって水平方向の変形は拘束されるのである。工事現場で広く利用され入手容易なワイヤーや樹脂製ロープ等により前記連結を行うことができ、低廉かつ効率的に工事振動抑制の措置を講じることが可能である。
また、前記タイヤ群外周の形状およびサイズに応じた所定深さの地下領域を前記稼働域で開削し、前記地下領域に前記タイヤ群を収容することで、当該タイヤ群の水平方向の変形を拘束するとしてもよい。例えば、板材から伝達された重機等の荷重らで各タイヤが扁平化しタイヤ群全体として外側に膨らもうとしても、水平方向の変形は前記地下領域の壁面が限界となって変形は拘束されるのである。バックホウなど掘削機能を有する装置類が配置されることが多い工事現場で開削を行うことは比較的容易であり、低廉かつ効率的に工事振動抑制の措置を講じることが可能である。
また、前記タイヤ群が含む各タイヤの内空、各タイヤ間の間隙、タイヤ群の周辺領域、のうち少なくともいずれかに所定の嵩高まで弾性体片を配置し、前記タイヤ群の垂直方向の変形を前記弾性体片の略嵩高までで抑制するとしてもよい。例えば、板材から伝達された重機等の荷重らにより、各タイヤは扁平化し前記板材は下方に沈み込む挙動を示す。しかし前記板材の沈み込みは、各タイヤの内空等に配置された所定嵩高の弾性体片に板材が当接し支持された時点で抑制されることになる。つまり、前記タイヤ群の垂直方向の変形を前記弾性体片の略嵩高までで抑制するのである。なお、前記弾性体片は古タイヤ等を破砕するなどして生まれたゴムチップや、適宜な弾性を備えた樹脂片などを想定できる。
また、前記工事用機械の重量に応じて上下させた嵩高で前記弾性体片を配置するとしてもよい。工事用機械はその種類や吊下物等の違いにより板材に与える荷重、および稼働時に生じる振動レベルが異なってくる。従って、例えば工事用機械が板材に与える荷重の大きさや必要な振動抑制レベル等に応じて、前記防振用部材の嵩高など導入内容を変更するのである。例えば、荷重の大きな大型クレーンが板材上で稼働する場合、弾性体片の嵩高を他重機(大型クレーンより軽量)の場合より増して配置する。こうした考慮を行うことで、荷重の大きな工事用機械によりタイヤ群が大きく沈み込もうとしても、前記弾性体片により弾力的に支持されて振動も吸収される。また、タイヤ自体の過大な変形も抑えられることになり、過大な変形がある程度継続することでタイヤが弾性を失うといった事態も回避しやすくなる。
なお、重機等の荷重により板材が垂直下方に沈み込もうとする際、これを支持する形で前記外枠などの所定部材や前記結束具、前記地下領域周囲の地表面が当接すると、前記板材、ひいてはタイヤ群における垂直方向の変位が必要以上に抑制され、必要な弾性が得られず振動抑制効果が発揮されにくいことにつながる。従って、前記外枠などの所定部材や前記結束具の各天端、前記地下領域周囲の地表面と、前記板材の下面との垂直方向の離間距離を、例えば板材にかかる最大荷重が大きいほど広く設定しておくと好適である。
本発明によれば、従来より低廉な導入コストで適宜な工事振動抑制効果が得られることとなる。また、重機により異なる荷重や必要な振動抑制レベル等を勘案して防振用部材の導入内容をコントロールできる。
本実施形態における工事振動抑制方法の適用例1を示す図である。 本実施形態における工事振動抑制方法の適用例2を示す図である。 本実施形態における工事振動抑制方法の適用例3を示す図である。 本実施形態における工事振動抑制方法の適用例4を示す図である。 本実施形態における工事振動抑制方法の適用例5を示す図である。 本実施形態における工事振動抑制方法の手順例1を示す図である。 本実施形態における工事振動抑制方法の手順例2を示す図である。 従来技術適用時における工事振動の測定結果を示す図である。
−−−適用例1−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態における工事振動抑制方法の適用例1を示す図である。工事振動抑制方法を適用する工事現場としては、当然ながら振動抑制が要求される環境に所在する現場がまず想定される。図1に示す例では、工事現場1の周辺環境が、個人住居2など一般の建物が存在する住宅地3となっている状況を想定した。工事現場1と住宅地3とは遮音パネル4等で適宜区切られてはいるが、そのまま何ら措置を施さない場合、工事現場1で稼働する重機5(工事用機械)が発生させる工事振動については地盤6等を介して住宅地3に伝達されてしまう。
なお、工事用機械としては、クレーンやバックホウ、削岩機などの重機5の他、ダンプトラックやトレーラー、ミキサー車などの各種車両、コンクリート圧送装置など種々想定出来るが、工事現場で稼働し振動を発生する装置であれば種類は問わない。
そこで本実施形態では、水平方向の変形を拘束したタイヤ群10を、前記重機5の稼働域7に敷設し、前記タイヤ群10の上面11に板材20を載置することとした。なお、(a)上面図において、板材20とそれを支持するタイヤ群10との関係をわかりやすく示す為に、板材20の一部のみを図示しているが、当然ながら、稼働域7を全面的に板材20が覆っているものとする。
ここで示した例では、前記タイヤ群10の外周をH型鋼30(所定部材)で囲むことにより、前記タイヤ群10の水平方向の変形を拘束する形態を採用している。前記H型鋼30同士は、例えば、そのフランジ部に設けたボルト孔を利用してボルト結合等され一体化される。なお、図1の例では、前記H型鋼30で区画を区切ってタイヤ群10を収容し、こうした区画を連結して稼働域7を全面的に覆う形態を示したが、これは一例であり、特に区画を区切らずに、単純に稼働域7の外周を周回するようH型鋼30で囲み、この中にタイヤ群10を収容するとしても勿論よい。
このように、H型鋼30など所定強度を有する部材で、前記タイヤ群外周を囲む外枠を構成し、この外枠内に前記タイヤ群10を収容すれば、板材20から伝達された重機5の荷重らで各タイヤ15が扁平化しタイヤ群全体として外側に膨らもうとしても、水平方向の変形は前記外枠の位置(図1の例であればH型鋼30のフランジ面31)が限界となって変形は拘束される。
ここで、板材20の下面21と、前記H型鋼30の天端32との間に、離間距離sをとるよう配慮している。この離間距離sは、タイヤ群10を構成する各タイヤ15の高さHの半分程度となっている。例えば、重機5等の荷重により板材20が垂直下方に沈み込もうとする際、これを支持する形で前記H型鋼30の天端32が当接すると、前記板材20、ひいてはタイヤ群10における垂直方向の変位が必要以上に抑制され、必要な弾性が得られず振動抑制効果が発揮されにくいことにつながる。従って、前記H型鋼30の天端32と、前記板材20の下面21との垂直方向の離間距離sを、例えば板材20にかかる最大荷重が大きいほど広く設定しておくと好適である。
前記重機5の荷重が板材20を介してタイヤ群10に伝達し、タイヤ群10が扁平化しようとする流れを見てみる。例えば、前記重機5が稼働すると、その振動や荷重が前記板材20を介して前記タイヤ群10に伝達される。これを受けた前記タイヤ群10(を構成する各タイヤ15)はその内空を減じて扁平化する形で変形しようとする。つまり潰れようとする。しかし、タイヤ群10の水平方向の変形が前記H型鋼30で拘束されている為、前記扁平化はあるレベルで制限されることになる。換言すれば、タイヤ群10の扁平化が制限されることでタイヤ群10の垂直方向の変形も、例えば前記離間距離sの範囲で適宜制限されることになり、過大な変形を生じずにタイヤ群全体で適宜な弾性を維持することにつながる。
これにより板材20を介して伝達される重機5の振動は前記タイヤ群10の弾性により適切に吸収され、適宜な工事振動抑制効果が得られることになる。また、前記タイヤ群10は古タイヤで構成することができ、従来より低廉な導入コストで適宜な工事振動抑制効果が得られると言える。また、板材20上で稼働する重機5等が姿勢不安定になるような過大な変形がタイヤ群10に生じないことになるから、重機5等が安定して稼働できるという効果も奏する。また、前記H型鋼30などの部材は工事現場で広く利用され入手容易な材であり、低廉かつ効率的に工事振動抑制の措置を講じることが可能である。
−−−適用例2−−−
図2は本実施形態における工事振動抑制方法の適用例2を示す図である。この例では、タイヤ群10の水平方向の変形を拘束するために、地盤6を開削した形態を示す。なお、説明の簡便の為、本図では重機5とタイヤ群10等との関係に絞った構成を示している(住宅地3等は省略している)。
この場合、タイヤ群10の外周の形状およびサイズに応じた所定深さhの地下領域40を、バックホウなどの適宜な掘削機械で前記稼働域7の地盤6に開削し、前記地下領域40に前記タイヤ群10を収容することとなる。図示した例では、タイヤ群10の外周の形状が矩形であるため、地下領域40の形状も矩形となっている。また、所定深さhとしては、タイヤ群10を構成する各タイヤ15の高さHの半分程度となっている。ここで、板材20の下面21と、前記地盤6の地表面との間に、離間距離sをとるよう配慮している。この離間距離sは、タイヤ群10を構成する各タイヤ15の高さHの半分程度となっている。例えば、重機5等の荷重により板材20が垂直下方に沈み込もうとする際、これを支持する形で前記地盤6の地表面が当接すると、前記板材20、ひいてはタイヤ群10における垂直方向の変位が必要以上に抑制され、必要な弾性が得られず振動抑制効果が発揮されにくいことにつながる。従って、前記地盤6の地表面と、前記板材20の下面21との垂直方向の離間距離sを、例えば板材20にかかる最大荷重が大きいほど広く設定しておくと好適である。
重機5由来の荷重が板材20を介してタイヤ群10に伝達し、タイヤ群10が扁平化しようとする流れを見てみる。例えば、前記板材20から伝達された重機5等の荷重らで各タイヤ15が扁平化しタイヤ群全体として外側に膨らもうとしたとする。この時、タイヤ群10における水平方向の変形は前記地下領域40の壁面41が限界となって変形は拘束される。換言すれば、タイヤ群10の扁平化が制限されることでタイヤ群10の垂直方向の変形も、例えば前記離間距離sの範囲で適宜制限されることになり、過大な変形を生じずにタイヤ群全体で適宜な弾性を維持することにつながる。
これにより板材20を介して伝達される重機5の振動は前記タイヤ群10の弾性により適切に吸収され、適宜な工事振動抑制効果が得られることになる。また、バックホーなど掘削機能を有する装置類が配置されることが多い工事現場で上記開削作業を行うことは比較的容易であり、低廉かつ効率的に工事振動抑制の措置を講じることが可能である。また、鋼材など適宜な部材が調達しにくい現場であったとしても、掘削可能な地盤6がありさえすればこの実施形態を適用することができる。
なお、前記タイヤ群10が含むタイヤ15同士をワイヤーや樹脂製ロープ、鋼材片等の所定部材50で連結した上で、前記地下領域40に収容するとしてもよい。こうした構成とすれば、更に確実にタイヤ群10における水平方向の変形を拘束できる。
−−−適用例3−−−
図3は本実施形態における工事振動抑制方法の適用例3を示す図である。この例では、タイヤ群10の水平方向の変形を拘束するために、タイヤ同士を連結した形態を示す。なお、上記適用例2と同様に、説明の簡便の為、本図では重機5とタイヤ群10等との関係に絞った構成を示している(住宅地3等は省略している)。
この場合、前記タイヤ群10が含むタイヤ15同士をワイヤーや樹脂製ロープ、鋼材片等の所定部材50で連結することにより、前記タイヤ群10の水平方向の変形を拘束する。このタイヤ15同士の連結に際しては、所定強度を有する前記部材50=結束具で、前記タイヤ群10を構成する全タイヤ、ないしタイヤ群10の外周を構成するタイヤ同士を連結し、タイヤ群10を適宜一体化することとなる。連結や結束の手法については一般的な連結、結束の技術を採用すればよい。
図3(a)に示す上面図1では、全タイヤ同士を部材50で連結した例を示し、同図(b)に示す上面図2では、タイヤ群10の外周を構成するタイヤ同士のみを部材50で連結した例を示した。全タイヤ同士を連結すればタイヤ群10が堅固に一体となり、板材20を介して伝達されてくる重機5らの荷重によって各タイヤ15に水平方向の変形が生じたとしても、変形面が互いに当接しあってそれ以上の扁平化を良く抑制することができる。一方、タイヤ群10の外周を構成するタイヤ同士のみを連結すれば、連結の手間・コストが全タイヤ連結時より低減される他に、連結された外周タイヤ群18が、上記適用例1におけるH型鋼30で形成された外枠、同じく上記適用2における地下領域40の壁面41の役割を果たすことになり、板材20を介して伝達されてくる重機5らの荷重によって外周タイヤ群18以外の各タイヤ15に水平方向の変形が生じたとしても、連結され一体化した外周タイヤ群18によってそれ以上の扁平化を良く抑制することができる。
こうした連結は、工事現場で広く利用され入手容易なワイヤーや樹脂製ロープ等により実行することができ、低廉かつ効率的に工事振動抑制の措置を講じることが可能である。
−−−適用例4−−−
図4は本実施形態における工事振動抑制方法の適用例4を示す図である。この例では、タイヤ群10の水平方向の変形を拘束するために、前記タイヤ群10の外周の一部をH型鋼30など所定部材で囲み、また、前記所定部材で囲まない箇所のタイヤ同士をワイヤーや樹脂製ロープ、鋼材片等の所定部材50で連結した形態を示す。なお、説明の簡便の為、本図では重機5とタイヤ群10等との関係に絞った構成を示している(住宅地3等は省略している)。上記適用例1と適用例3の融合例と言える。
このような形態の場合、H型鋼30など所定強度を有する部材で構成された枠体35(図中の例では“く”の字型)の内側にタイヤ群10の角隅部位を収容する。また、タイヤ群10の外周のうち、前記枠体35でカバーされない部位については、外周を構成するタイヤ同士を前記所定部材50で連結し適宜一体化する。
前記板材20から伝達された重機5の荷重らで各タイヤ15が扁平化しタイヤ群全体として外側に膨らもうとしても、水平方向の変形のうち前記角隅部位のものは前記枠体35の配置位置が限界となって拘束され、前記枠体35でカバーしていない部位のタイヤ15に関する変形については、前記連結された一部のタイヤ群が、上記適用例1におけるH型鋼30で形成された外枠等の役割を果たして拘束し、タイヤ群18の扁平化を良く抑制することができる。
前記H型鋼30などの部材やワイヤー、樹脂製ロープ等は工事現場で広く利用され入手容易な材であり、低廉かつ効率的に工事振動抑制の措置を講じることが可能である。
−−−適用例5−−−
図5は本実施形態における工事振動抑制方法の適用例5を示す図である。タイヤ群10が含む各タイヤ15の内空17、各タイヤ15間の間隙70、タイヤ群10の周辺領域75、のうち少なくともいずれかに所定の嵩高まで弾性体片60を配置する形態について説明する。なお、弾性体片60としては、古タイヤ等を破砕するなどして生まれたゴムチップや、適宜な弾性を備えた樹脂片などを想定できる。
例えば、板材20から伝達された重機5等の荷重らにより、各タイヤ15は扁平化し前記板材20は下方に沈み込む挙動を示す。しかし前記板材20の沈み込みは、各タイヤ15の内空17等に配置された所定嵩高の前記弾性体片60に板材20が当接し支持された時点で抑制されることになる。つまり、前記タイヤ群10の垂直方向の変形を前記弾性体片60の略嵩高までで抑制するのである。
ここで、板材20の下面21と前記H型鋼30の天端32との間に設けた離間距離sよりも、前記弾性体片60の上面19と前記板材20の下面21との間の距離が小さくなるよう配慮すれば好適である。例えば、重機5等の荷重により板材20が垂直下方に沈み込もうとする際、弾性体片60に当接する前に、前記H型鋼30の天端32が当接すると、前記板材20、ひいてはタイヤ群10における垂直方向の変位が必要以上に抑制され、必要な弾性が得られず振動抑制効果が発揮されにくいことにつながる。従って、前記離間距離sおよび前記弾性体片60の上面19と前記板材20の下面21との間の距離を、例えば板材20にかかる最大荷重が大きいほど広く設定しておくと好適である。
なお、前記工事用機械たる重機5等の重量に応じて上下させた嵩高で前記弾性体片60を配置するとしてもよい。重機5はその種類や吊下物等の違いにより板材20に与える荷重、および稼働時に生じる振動レベルが異なってくる。従って、例えば重機5が板材20に与える荷重の大きさや必要な振動抑制レベル等に応じて、前記防振用部材たる弾性体片60の嵩高など導入内容を変更するのである。例えば、荷重の大きな大型クレーン(重機5)が板材20上で稼働する場合、弾性体片60の嵩高を他重機(大型クレーンより軽量)の場合より増して配置する。こうした考慮を行うことで、荷重の大きな工事用機械によりタイヤ群10が大きく沈み込もうとしても、前記弾性体片60により弾力的に支持されて振動も吸収される。また、タイヤ15自体の過大な変形も抑えられることになり、過大な変形がある程度継続することでタイヤ15が弾性を失うといった事態も回避しやすくなる。
−−−手順例1−−−
以下、本実施形態における工事振動抑制方法の実際手順について図に基づき説明する。図6は本実施形態における工事振動抑制方法の手順例1を示す図である。ここでは、上記適用例1(H型鋼30からなる外枠を利用)および上記適用例3(結束具でタイヤ連結)における処理手順に関して説明する。
この場合、まず、例えば複数の古タイヤを前記重機5の稼働域7に平置きしてタイヤ群10を形成する(s100)。次に、前記タイヤ群10における水平方向の変形を拘束すべく、その外周をH型鋼30(所定部材)で囲む(s102)か、或いは、前記タイヤ群10が含むタイヤ15同士をワイヤーや樹脂製ロープ、鋼材片等の所定部材50で連結する(s103)。
前記タイヤ群10が含む各タイヤ15の内空17、各タイヤ15間の間隙70、タイヤ群10の周辺領域75、のうち少なくともいずれかに弾性体片60を配置するか否か判定する(s104)。この判定は、例えば、タイヤ群10を構成するタイヤ15の弾性或いは(変形からの)復元力と、重機5からの荷重レベルとを比較し、重機5からの荷重に対してタイヤ15の水力方向の変位が一定レベル以下の場合、弾性体片60の投入は不要と判断し、一方、重機5からの荷重に対してタイヤ15の水力方向の変位が一定レベル以上の場合、弾性体片60の投入が必要と判断する。
前記判定により、弾性体片60の投入は不要と判断した場合(s104:NO)、前記タイヤ群10の上面11に板材20を載置し(s108)、処理を終了する。他方、前記判定により、弾性体片60の投入が必要と判断した場合(s104:YES)、重機5の荷重、吊荷の重量を確認する(s105)。重機5はその種類や吊下物等の違いにより板材20に与える荷重、および稼働時に生じる振動レベルが異なってくるためである。
また、前記確認した重機5の荷重や吊荷の重量に基づいて、板材20に加わる荷重の大きさを算定し、例えば、この荷重の大きさに比例させて必要な振動抑制レベルを高く判じる。前記荷重が○○kg以上であれば振動抑制レベル“A”、前記荷重が○□kg以上であれば振動抑制レベル“B”、前記荷重が△○kg以上であれば振動抑制レベル“C”などと判定できる(○○kg>○□kg>△○kg)。振動抑制レベルを判定したならば、例えば、この振動抑制レベルに応じて弾性体片60の嵩高を決定する(s106)。この場合、各振動抑制レベルに応じて弾性体片60の嵩高の基準が予め決められている。振動抑制レベル“A”で嵩高は“タイヤ内空高Hの70%”、振動抑制レベル“B”で嵩高は“タイヤ内空高Hの60%”、振動抑制レベル“C”で嵩高は“タイヤ内空高Hの50%”、などと決定できる。
こうして決定した所定の嵩高まで弾性体片60を投入し(s107)、前記タイヤ群10の上面11に板材20を載置して(s108)処理を終了する。
−−−手順例2−−−
図7は本実施形態における工事振動抑制方法の手順例2を示す図である。ここでは、ここでは、上記適用例2(地下領域40を開削)における処理手順に関して説明する。この場合、まず、タイヤ群10の外周の形状およびサイズに応じた所定深さhの地下領域40を、バックホウなどの適宜な掘削機械で前記稼働域7の地盤6に開削し(s200)、この地下領域40に前記タイヤ群10を敷設・収容する(s201)。
続いて、前記タイヤ群10が含む各タイヤ15の内空17、各タイヤ15間の間隙70、タイヤ群10の周辺領域75、のうち少なくともいずれかに弾性体片60を配置するか否か判定する(s202)。この判定の詳細は上記手順例1と同様である。前記判定により、弾性体片60の投入は不要と判断した場合(s202:NO)、前記タイヤ群10の上面11に板材20を載置し(s206)、処理を終了する。
他方、前記判定により、弾性体片60の投入が必要と判断した場合(s202:YES)、重機5の荷重、吊荷の重量を確認する(s203)。重機5はその種類や吊下物等の違いにより板材20に与える荷重、および稼働時に生じる振動レベルが異なってくるためである。また、前記確認した重機5の荷重や吊荷の重量に基づいて、板材20に加わる荷重の大きさを算定し、例えば、この荷重の大きさに比例させて必要な振動抑制レベルを高く判じる。振動抑制レベルを判定したならば、例えば、この振動抑制レベルに応じて弾性体片60の嵩高を決定する(s204)。前記工程s203、s204の詳細も上記手順例1と同様である。次に、こうして決定した所定の嵩高まで弾性体片60を投入し(s205)、前記タイヤ群10の上面11に板材20を載置して(s206)処理を終了する。
なお、前記板材上にゴムシートや樹脂シートなど各種の振動低減材を敷設してもよい。この場合、更なる振動抑制効果が期待できる。
以上、本実施形態によれば、従来より低廉な導入コストで適宜な工事振動抑制効果が得られることとなる。また、重機により異なる荷重や必要な振動抑制レベル等を勘案して防振用部材の導入内容をコントロールできる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 工事現場
2 個人住居
3 住宅地
4 遮音パネル
5 重機(工事用機械)
6 地盤
7 稼働域
10 タイヤ群
11 タイヤ群の上面
15 タイヤ
17 タイヤの内空
18 外周タイヤ群
20 板材
21 板材の下面
30 H型鋼(所定部材)
31 H型鋼のフランジ面
32 H型鋼の天端
35 枠体
40 地下領域
41 地下領域の壁面
50 所定部材(結束具)
60 弾性体片
70 タイヤ間の間隙
75 タイヤ群の周辺領域

Claims (2)

  1. 工事用機械の稼働域に敷設し、上面に板材を載置するタイヤ群において、
    前記タイヤ群の外周を所定部材で囲むことで水平方向の変形を拘束し、
    前記タイヤ群が含む各タイヤの内空、各タイヤ間の間隙、タイヤ群の周辺領域、のうち少なくともいずれかに、前記工事用機械の重量に応じて前記板材の下端と前記所定部材の上端との間で上下させた嵩高まで弾性体片を配置し、前記タイヤ群の垂直方向の変形を前記弾性体片の略嵩高までで抑制することを特徴とする工事振動抑制方法。
  2. 工事用機械の稼働域に敷設し、上面に板材を載置するタイヤ群において、前記タイヤ群の外周のうち角隅部を枠体で囲み、前記タイヤ群の外周のうち前記枠体で囲まない箇所のタイヤ同士を所定部材で連結することで前記タイヤ群の水平方向の変形を拘束することを特徴とする工事振動抑制方法。
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