JP5658111B2 - 格納ケージを三次元格納区画に自在に出納するシステム。 - Google Patents

格納ケージを三次元格納区画に自在に出納するシステム。 Download PDF

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本発明は格納ケージやパレットに格納、搭載した荷物を立体的に収納保管する立体収納システムであり、この格納ケージやパレットを縦横上下に自在に三次元移送して、目的の収納区画に出納、保管したり、入出庫する三次元出納システムである。
本発明を大規模に構成すれば、例えばサテライト貨物集配システムに利用可能であり、中規模に構成すれば例えばコインロッカーシステムになり、小規模に構成すれば例えば自動販売機等に使用される。
従来、立体倉庫システムと称して、荷物を格納ケージに入れて多数階の棚等に出納保管する立体倉庫は種々提案されている。これらの格納ケージを他階に出納する際には、一旦昇降装置が設置された特定箇所まで移送し、この昇降装置で目的階まで昇降していたため、移動に時間がかかっていた。また、この昇降装置の設置空間は移送のためにだけ使われ、保管用のスペースに供されないので収納効率が悪かった。(例えば 特許文献1参照)
その他、書籍等を保管箱に入れ、これを高さ方向の多段棚を多数個配列し、これを移動して通路空間を確保して出納するシステム等があったが、この様なシステムに於いては大規模な走行装置等が必要であり、この走行装置が走行するスペースが必要であった。
三次元に配列された格納区画に格納ケージを配置して、これを特定の昇降装置や走行装置を使う事無く、縦横高に自在に移動させて目的区画に出納して入出庫する立体倉庫システムやロッカーシステムがあれば便利であるが、その様な発想の三次元出納システムは皆無であった。
特開平6−156615号公報
本発明は、従来の様に特定箇所に設置している昇降装置を経由したり、移送のために通路空間を空ける機構や操作を不要にして、多層階に亘る三次元移送を自在に行う事により、収納時間の短縮と収納空間の有効利用を行うものである。
本発明は縦横高の三次元に駆動系を配置して、これににより形成される立体格子空間を出納区画にして、荷物を格納した格納ケージを配置し、この駆動系に沿って自在に三次元移動させて出納するものであり、この格納ケージを当該収納区画からそのまま昇降したり縦横に移送したりして、目的の階の目的区画に自在に移送して最短ルートでの出納、入出庫を可能にするものである。
荷物を格納した格納ケージやパレット(以下格納ケージと称す)を移送するための移送軌道とこれを固定保持するための固定桟を、東西、南北、高さ方向に施設し、これにより形成される三次元の格子状区画に、図1に示す様に少なくとも一カ所の空きスペースを設けて、多数個の格納ケージを配置し、この空きスペースに格納ケージを順送りして、次々と空きスペースを移動し、格子区画内の任意区画に移送して入出庫を行う。
格納ケージを移送する際には、この格納ケージに具備する軌道結合子を、対応する移送軌道に結合して移送するのであるが、この結合は、当該移送方向の結合のみが行われ、他の結合は行われない排他的結合であり、これにより目的方向移送に際して他の移送軌道と衝突する事が無い。
そして目的方向に移送して目的の区画に到達した格納ケージを当該位置で停止させるために、結合子のに具備する桟固定子で案内固定桟に係止させて当該位置に懸架保持する。
格納ケージを停止させたあと、軌道結合子を収縮させる。これは、軌道結合子が他の移送軌道との衝突を避けるためである。そして次なる方向に移送するために目的方向の軌道結合子を伸張して移送軌道と結合させたあと、案内固定桟に係止している現在の桟固定子の係止を解消して移送可能にし、この移送軌道を動作させて目的方向に移送する。そしてこの操作を、東西、南北、上下方向にそれぞれ適宜行って、目的の格納ケージを最短ルートで出納するのである。
多階層の大規模倉庫に於いて、縦横上下に自在な三次元移送を行い、最短ルートで入出庫を迅速に行う事が出来る。
コインロッカーに於いては、図9に示す様に、人間工学的に最適な位置にだけ出納口を設け、この箇所から適宜、左右上下隅の格納区画に移送することにより、従来のコインロッカーの様に、利用頻度が低いデッドスペースを無くす事が出来る。
動販売機に於いては、従来の様に、画一化した飲み物等の利益率の低い商品ではなく、高価な商品の他品種少量販売が行える。
本発明は主に人間が運ぶ程度の重さのものを想定しているが、螺旋軌条や軌道結合子の材質や機構を適宜選択して、自動車等の重量物を支承するに足る構造にすれば、三次元立体駐車場が実現出来る可能性もある。
東西南北上下の移送軌道により27個の格納空間が形成され、一カ所の空きスペースを有して格納ケージが配置されている斜視図 空きスペースに格納ケージを移送して新たな空きスペースが形成された図 視点Aから見た正面図 結合桿が収縮して結合子が格納スリーブに収納されている図 南北軌道と南北結合子が対結合している斜視図 結合桿が伸縮して結合子を移送軌道に押しつけ結合している図 南北螺旋軌道に南北螺旋軌道噛合子が噛合している図 南北固定桟に南北固定子が噛合している図 螺旋軌道が順方向と逆方向の2つを具備し、排他的結合されている図 本発明をコインロッカーに適用した図
以下、全ネジ螺旋軌条の移送軌道と、この背面を半鞘状に一体的覆う固定桟からなる軌道が東西3行×南北3列×上下3階配列され、これにより形成された格納スペースに格納ケージを配置し、格納ケージに具備する各軌道結合子と各固定子が、各螺旋軌条と各案内固定桟に結合して、この格納スペース内を東西南北上下に自在移送するロッカーシステムの例について説明する。
図1に示す様に、それぞれ9本の、東西軌道200、南北軌道300、上下送軌道400により27個の格納スペースが形成され、この格納スペースに、一カ所の空きスペースSを残して26個の格納ケージ100が配置されている。
図2に示す様に、この空きスペースSに格納ケージ100を移送する事により、これを移送した区画が新たな空きスペースS’となる。この様にして任意の格納ケージ100を縦横、上下自在に順送りして新たに空きスペースSを発生させ、この空きスペースSに更に格納ケージを移送する。この移送→新たな空きスペースの発生→この新たな空きスペースへの移送・・・の操作を適宜実行する事により、目的の格納区画に格納ケージを移送する事が出来る。
図2に於いては、空きスペースが一カ所であるが、格納ケージ100を少な目に配置して空きスペースを複数形成した際には、この複数の空きスペースを選んで、格納ケージを複数個同時移送する事が可能なので、より迅速な出納が可能になる。
図3は本発明を東西方向正面(図1のA方向)から見た図である。図示する最上段最左区画の格納ケージ100は南北軌道300に結合して南北移送されようとしている図である。この時、この区画以外の各格納ケージ100は直前の移送状況によりいずれか軌道にランダムに固定されている。
軌道結合子が軌道と非結合の時には、図4に示す様に結合桿が格納スリーブに格納されて格納ケージに引き付けられている。結合時には、図5に示す様に結合桿が伸張して結合子が軌道に押しつけられる。
図6は南北螺旋軌道310と、格納ケージ100から伸張した南北軌道結合子130が南北対結合している例であが、この対結合以外の他の軌道結合子は非結合である。この当該対結合だけの排他的対結合により、南北方向の移送に際し、他の軌道結合子が移送軌道と衝突する事無く移送する事が可能になるのである。
図6に於いて、南北軌道結合子130は南北結合桿137の伸張により南北螺旋軌道310に押しつけられているのであるが、このあと図7に示す様に、南北螺旋軌道噛合子135を南北結合力エンジン132により南北螺旋軌道310に押圧する事によりこれに噛合し、南北方向の移動力を獲得するのである。
この時、南北桟固定子136を中程度伸張して案内溝356に嵌入させる事により、南北結合子130は摺動可能に3点支持(両案内溝の嵌合と螺旋軌条との噛合)されるので、これにより格納ケージ100は安定的に懸架されつつ、この南北螺旋軌道310の回転方向に応じて、目的方向に移送されるのである。
目的の空きスペース区画に格納ケージ100を移送した後、図8に示すように当該区画で停止保持するため、南北螺旋軌道噛合子135を南北結合力エンジン132で収縮させて、南北螺旋軌道310との噛合を解消すると同時に、南北桟固定子136を南北結合力エンジン132で全伸張させる事により、両方の案内溝356の底部に南北桟固定子136が強く圧着されて、この南北軌道結合子130が南北固定桟350固定され、当該格納ケージ100は当該区画で停止保持されるのである。
そして、この固定保持状態から、格納ケージ100を東西移送するには、東西結合桿127を伸張して東西軌道結合子120を東西螺旋軌道210に結合する。この際、南北固定桟350と南北固定子136は対結合されたままとなり、この時に於いてのみ一時的に非排他的結合となるが、双方の螺旋軌道噛合子135、125は無効であり、螺旋軌条に噛合していないので双方の駆動力は格納ケージには伝わらないので、当該状態を保持し続ける。
この後、東西固定子126を有効にして東西固定桟250に固定保持すると同時に南北固定子136を無効にする。この時点で格納ケージ100は東西固定桟250だけに固定保持されるので、この後東西螺旋軌道噛合子125を有効にすると同時に、東西固定子126を無効にして格納ケージ100を東西方向に移送する。
格納ケージを上下に移送するには、上記説明したと同様要領で、当該格納ケージの現在の固定保持状態を保ったまま、上下軌道に結合して、そのあと現在の固定保持を解消してから上下螺旋軌道噛合子を有効にして、目的方向に移送する。
以上説明したような要領で任意の格納ケージを、目的の移送軌道に結合して、直前に移送されて空きスペースになった格納区画に移送する。この様な移送を適宜繰り繰り返し行い、空きスペース区画に格納ケージを順送りして、入出庫箇所まで移送する。
この移送手順は、いわゆる15ゲームと呼称され、盤面上に1箇所の空きスペースを設けて15個の番号を記載した駒を適宜移動して昇順又は降順に並べるこのゲームの言わば立体版である。
この15ゲームと同様に、格納ケージを移動して新たに発生した空きスペースに隣接するいずれの格納ケージをこの空きスペースに移送すればより早く出納、入出庫が行えるかをコンピューター等でシュミレーションして、最短移送ルートこの順送りを実行する。
以上の説明に於いては、各移螺旋軌道の駆動力源は一系統であり、モーターMの回転方向を切り替える事により、移送方向を順逆方向に切り替えて移送するのであるが、格納ケージの配置総数が多く、空きスペースを複数設ける場合等に於いては、同一の移送方向に対して順方向用と逆方向用の2本の螺旋軌条にして、格納ケージをこの双方向の移送軌道の一方に、排他的に対結合すれば、複数の格納ケージを同時に順方向と逆方向の両方向に移送する事が可能になるので、入出庫を更に短時間で行う事が可能になる
図9はそのように順逆両方向の移送軌道を有する南北移送軌道の結合例を示している。北方向螺旋軌道313と南方向螺旋軌道314の2系統の螺旋軌道が併設され、これに結合する北方向用結合子133と南方向用結合子134は、どちらか一方が結合してる際には、他方は非結合である排他的結合がなされる。図9に於いては、北方向螺旋軌道313と北方向用結合子133が結合して北方向に格納ケージ100を移送しようとしていて、南方向螺旋軌道314と南方向用結合子134が非結合になっている。この格納ケージ100を南移送するには、北方向螺旋軌道313と北方向用結合子133の結合を解消し、南方向螺旋軌道314と南方向用結合子134を結合する。
上記説明に於いては、移送軌道が螺旋軌条であり、格納ケージの固定保持手段が軌道結合子と併設した例について述べたが、格納する荷物の重量によって最適な方式の移送軌道を選択してもよく、例えば、移送軌道がベルト式のものやチェーン式等も考えられ、又、格納ケージを移送する手段と固定する手段と別に設置する事も考えられる。
100 格納ケージ
120 東西軌道結合子
122 東西結合力エンジン
125 東西螺旋軌道嵌合子
126 東西桟固定子
127 東西結合桿
128 東西収納スリーブ
130 南北軌道結合子
132 南北結合力エンジン
133 北方向用結合子
134 南方向用結合子
135 南北螺旋軌道嵌合子
136 南北桟固定子
137 南北結合桿
138 南北収納スリーブ
140 上下軌道結合子
142 上下用結合力エンジン
145 上下螺旋軌道嵌合子
146 上下桟固定子
147 上下結合桿
148 上下収納スリーブ
200 東西軌道
210 東西螺旋軌道
250 東西固定桟
256 東西案内固定溝
300 南北軌道
310 南北螺旋軌道
313 北方向螺旋軌道
314 南方向螺旋軌道
350 南北固定桟
356 南北案内固定溝
400 上下軌道
410 上下螺旋軌道
450 上下固定桟
456 上下用案内固定溝

Claims (2)

  1. 縦、横、高さ方向に立体格子状に施設された移送軌道及び固定桟により形成された立体格子状のスペース区画の少なくとも一箇所に空スペースを有して、格納ケージを複数個配置し、この格納ケージに伸縮自在に装備された、軌道結合子は移送軌道へ着脱自在に結合し、桟固定子は固定桟に脱着自在に結合して、この移送軌道の動きに従って往復移送し、目的の収納区画で停止保持する立体ケージ出納システムであって、前記各移送軌道と各軌道結合子及び、各固定桟と各桟固定子との結合手段及び固定手段が、前記縦、横、高さ方向のいずれか一対のみの排他的結合により目的方向に移送される事を特徴とする格納ケージを三次元格納区画に自在に出納するシステム。
  2. 各移送軌道が、それぞれ往路用と復路用からなり、この往路用移送軌道と復路用移送軌道と軌道結合子の結合が、排他的な一方結合である結合手段を有する事を特徴とする請求項1記載の格納ケージを三次元格納区画に自在に出納するシステム
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