(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図29に基づいて説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、特別図柄表示装置12の図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す。
特別図柄表示装置12には、複数種類(本実施形態では、106種類)の特図の中から、大当り抽選又は小当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。106種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる5種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
また、演出表示装置11には、各列毎に[1]〜[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。また、演出表示装置11における各列の飾図は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、特別図柄表示装置12において、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から当り(大当り又は小当り)又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にも大当り図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にもはずれ図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、原則、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、特図変動ゲームで小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11に確変示唆図柄が確定停止表示される。また、特図変動ゲームで大当りを認識し得る大当り図柄が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に確変示唆図柄が確定停止表示される場合もある。なお、確変示唆図柄は、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常確率)から高確率に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性があることを示唆する図柄である。本実施形態において、飾図による確変示唆図柄は、はずれの図柄組み合わせの中でも、特定の図柄組み合わせ([121]や[232]など)が該当する。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、一旦停止表示された左列と右列が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせからリーチ状態を認識できる。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。
特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図変動ゲーム(特図)用の始動保留球(以下、「特図保留記憶数」と示す)の記憶数を遊技者に報知する。特図保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動口としての始動入賞口(上始動入賞口15A又は下始動入賞口15B)に遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、特図変動ゲーム中にいずれかの始動入賞口へ遊技球が入賞すると、特図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。特図保留記憶数は、実行保留中の特図変動ゲームの実行回数を示す。
また、画像表示部GHの下方領域には、特図保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域Kが、形成されている。保留画像表示領域Kは、特図保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を有して構成されている。そして、保留画像表示領域Kでは、特図保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、保留記憶数「2」の場合には、対応する2個の個別表示領域が保留有表示の態様で画像表示される一方で、残りの個別表示領域が保留無表示の態様で画像表示される。すなわち、個別表示領域は、始動保留球毎に個別対応している。なお、図1では、保留有表示の態様として個別表示領域に「○」が画像表示されるようになっている。保留画像表示領域Kは、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されている。このため、遊技者は、保留画像表示領域Kのそれぞれにおいて保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から、特図保留記憶数を認識することになる。
また、特別図柄表示装置12の左方には、普通図柄表示装置14aが配設されている。普通図柄表示装置14aでは、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、本実施形態の普通図柄表示装置14aでは、普図当り図柄であれば、「○」を点灯させて報知する一方で、普図はずれであれば、「×」を点灯させて報知する。
特別図柄表示装置12と普通図柄表示装置14aとの間には、複数個(本実施形態では4個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置14bが配設されている。普通図柄保留表示装置14bは、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。普図保留記憶数は、遊技盤10に配設した普通図柄作動ゲート(以下、「ゲート」と示す)19に遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中にゲート19へ遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行保留中の普図ゲームの実行回数を示す。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての上入賞口15aを有する上始動入賞口15Aが配設されている。上始動入賞口15Aの奥方には入賞した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口15Aは、入賞した遊技球を上始動口スイッチSW1で検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、上始動入賞口15Aの下方には、遊技球の入球口としての下入賞口15bを有する下始動入賞口15Bが配設されている。下始動入賞口15Bは普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根16を備えている。下始動入賞口15Bは、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根16は、下始動入賞口15Bの下入賞口15bを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、下始動入賞口15Bの奥方には入賞した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。下始動入賞口15Bは、入賞した遊技球を下始動口スイッチSW2で検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、演出表示装置11の左方には、ゲート19が配設されている。ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、通過した遊技球を普通図柄変動スイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、下始動入賞口15Bの開閉羽根16を開放状態とするか否か(下始動入賞口15Bに遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果(普図当り抽選の結果)を導出するために行われる演出である。そして、開放抽選としての普図当り抽選に当選すると(開放条件の成立として)、開閉羽根16が開放される普図当り遊技が付与される。また、開閉羽根16の開放によって下始動入賞口15Bに遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。本実施形態では、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根16を開放状態に可変させるための開放条件が成立したことになる。
また、下始動入賞口15Bの下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた入賞手段としての大入賞口(特別入賞口)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば8個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態における大入賞口18は、小当り遊技中にも大入賞口扉17の開動作によって開放される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動(以下、「確変」と示す)状態が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率、例えば1439分の4)から高確率(例えば1439分の33)へ変動(向上)される。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
また、本実施形態では、遊技者にとって有利な入球率向上状態としての変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態が付与される場合がある。変短状態が付与された場合、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が低確率(通常確率、例えば251分の1)から高確率(例えば251分の250)へ変動(向上)される。このため、変短状態中は、単位時間当りの開閉羽根16の開放時間が増加することになる。すなわち、変短状態中は、単位時間当りの下始動入賞口15Bへの遊技球の入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となる。そして、変短状態は、単位時間当りの開閉羽根16の開放時間が増加することで、下始動入賞口15Bへの入球率が向上する入球率向上状態となる。
なお、本実施形態において、開閉羽根16は、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで、普図当りに当選した際、同一の動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、普図当りに当選する場合には、開閉羽根16が所定の開放時間(例えば、「5秒(5000(ms))」)経過するまで開放状態を維持するようになっている。
パチンコ遊技機では、遊技者が図示しない発射装置を操作して、該発射装置を駆動させることにより、遊技球が遊技盤10の遊技領域へ発射される。そして、遊技盤10へ発射された遊技球は、該遊技盤10を流下する際、遊技盤10上に配置された遊技釘等により各始動入賞口15A,15Bや、大入賞口18や、ゲート19などに誘導されるようになっている。そして、本実施形態において、普図当りに当選する場合の開閉羽根16の所定の開放時間は、遊技盤10の遊技領域へ発射された遊技球が、該遊技領域の流下に費やす時間よりも十分に長い時間に設定されている。このため、前記所定の開放時間を「5秒」に設定する場合には、遊技球の遊技領域の流下に費やす時間が「5秒」よりも十分に短い時間(例えば、「2.5秒」や「3秒」)などの仕様を想定していることになる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について図2を参照して以下に説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、2ラウンド又は15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。そして、特図の大当り図柄では、大当りの種類が特定されるとともに大当り遊技の種類と当該大当り遊技の終了後を確変状態とするか否か及び変短状態とするか否かに基づく内部制御状態が特定される。
図柄Aには、特図の大当り図柄として40種類が振分けられている。図柄Bには、特図の大当り図柄として25種類が振分けられている。図柄Cには、特図の大当り図柄として35種類が振分けられている。また、図柄Dには、特図の大当り図柄として5種類が振分けられている。また、特図の大当り図柄の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の大当り図柄には、各特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。このため、特図の大当り図柄は、特図振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。また、特図の小当り図柄の決定には、後述する小当り図柄振分用乱数が用いられ、その小当り図柄振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の小当り図柄には、各特図に対して、小当り図柄振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜4までの全5通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。このため、特図の小当り図柄は、小当り図柄振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。
図柄A,Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されている15R大当り遊技である。なお、「R」はラウンドを示す。15R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、15R大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口18の開放回数として「1回」が、各ラウンド遊技の大入賞口18の開放態様(最大開放時間)として「25秒」が設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、15R大当り遊技において、ラウンド遊技時間としては「25秒」が最大時間となる。
そして、図柄Aに基づく大当り遊技終了後には、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時(「次回」)まで変短状態が付与される。一方、図柄Cに基づく大当り遊技終了後、非確変状態と100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「15R確変大当り遊技」と示す。また、図柄Cに基づく大当り遊技を「15R非確変大当り遊技」と示す。
図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されている2R大当り遊技である。2R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、2R大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口18の開放回数として「1回」が、各ラウンド遊技の大入賞口18の開放態様(最大開放時間)として「0.06秒」が設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、2R大当り遊技において、ラウンド遊技時間としては「0.06秒」が最大時間となる。
そして、図柄Bに基づく大当り遊技終了後後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態に関係なく、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))が付与される。また、図柄Bに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態が非変短状態である場合、変短状態が付与されない(「無」)。一方、図柄Bに基づく大当り遊技終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態が変短状態である場合、確変状態の終了時まで(「次回」)まで変短状態が付与される。この場合には、確変状態と変短状態がともに付与される。以下、図柄Bに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す。
また、図柄Dに基づく小当り遊技は、特図変動ゲームにて小当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。小当り遊技では、小当り遊技中の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、小当り遊技では、小当り遊技中の大入賞口18の開放回数として「2回」が、各開放における大入賞口18の開放態様(最大開放時間)として「0.06秒」が設定されている。なお、この場合の最大開放時間とは、複数回の開放全体を通しての最大時間であり小当り遊技時間のことである。そして、本実施形態では、小当り遊技時間は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、小当り遊技時間は最大時間(最大開放時間)となる。
そして、本実施形態における小当り遊技では、大入賞口18が2R確変当り遊技における2回のラウンド遊技分の開放と見た目上に同一の開放態様で開閉制御される。また、小当り遊技では、オープニング時間及びエンディング時間として、2R確変当り遊技と同一時間が設定されている。このため、小当り遊技における2回分の開放の終了までと、2R確変当り遊技における2回目のラウンド遊技の終了までとでは、見た目上に違いを判別し得ないようになっている。
小当りでは、小当り遊技終了後の内部制御状態を、小当り抽選の当選時における内部制御状態で継続させるようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも確変状態を継続して付与させる一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも確変状態を付与しない。また、小当りでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも変短状態を継続して付与させる一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも変短状態を付与しない。
そして、本実施形態では、図柄Bの特図の大当りと図柄Dの特図の小当りとで、大入賞口18の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。その結果、これらが付与される場合には、確変状態であるか否かを遊技者に分かり難くするゲーム性を作り出している。そして、このような場面は、確変状態が付与されていることに対して期待を持てる場面となる。特に、非変短状態においては、これらいずれの当り遊技の終了後にも非変短状態となるので、確変状態であるか否かを遊技者に分かり難くする。
なお、本実施形態では、大当り遊技が付与される場合、原則、全列の図柄が同一図柄となる飾図の大当り図柄([111]〜[888])が導出されるようになっている。また、本実施形態では、15R確変大当り遊技が付与される場合、全列の図柄が同一の奇数図柄となる飾図の大当り図柄([111],[333],[555],[777])が演出表示装置11の図柄変動ゲームで導出されるようになっている。また、本実施形態では、15R非確変大当り遊技が付与される場合、全列の図柄が同一の偶数図柄となる飾図の大当り図柄([222],[444],[666],[888])が演出表示装置11の図柄変動ゲームで導出されるようになっている。一方、本実施形態では、大当り遊技の中でも2R確変大当り遊技又は小当り遊技が付与される場合、飾図による確変示唆図柄([121]や[232]など)が演出表示装置11の図柄変動ゲームで導出されるようになっている。
次に、パチンコ遊技機の電気的構成を図3にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、演出表示装置11の動作を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12及び特別図柄保留表示装置13が接続されている。また、主制御用CPU30aには、普通図柄表示装置14a及び普通図柄保留表示装置14bが接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動1次振分用乱数、変動2次振分用乱数、変動3次振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。小当り判定用乱数は、小当り抽選で用いる乱数である。小当り図柄振分用乱数は、小当り抽選で当選した場合に特別図柄の小当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選のいずれにも当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動1次振分用乱数は、特図変動パターンを選択する際の変動1次抽選で用いる乱数である。変動2次振分用乱数は、特図変動パターンを選択する際の変動2次抽選で用いる乱数である。変動3次振分用乱数は、特図変動パターンを選択する際の変動3次抽選で用いる乱数である。なお、前記変動1次抽選及び前記変動2次抽選は、特図変動パターンを振分けた特図変動パターン振分テーブルを主に選択するために行われる。また、前記3次抽選は、特図変動パターン振分テーブルから特図変動パターンを選択する際に用いる乱数である。なお、変動1次振分用乱数と変動2次振分用乱数と変動3次振分用乱数は、それぞれが取り得る数値の範囲(乱数更新処理において乱数値が更新される範囲)が異なっている。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、普図変動パターン振分用乱数は、普図ゲームの普図変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU30aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、小当り判定値、リーチ判定値、変動1次判定値、変動2次判定値、普図当り判定値)が記憶されている。
大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1236までの全1237通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、内部制御状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、内部制御状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では40個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1237分の4となる一方で、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1237分の40となる。
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1236までの全1237通りの整数)の中から、大当り判定値と重複しないように定められている。本実施形態では、小当り判定値として7個の値が設定されている。これにより、小当り抽選で当選する確率は1237分の7となる。
リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否か(リーチありか否か)の内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、内部制御状態が非変短状態の時のリーチ判定値と、内部制御状態が変短状態時のときのリーチ判定値とがある。具体的に言えば、図4に示すように、非変短状態時(変短状態「無」)におけるリーチ判定値では、1減算後の特図保留記憶数が「0」「1」の時に「0〜32」の値が当選に、「33〜240」の値が非当選に定められている。さらに1減算後の特図保留記憶数が「2」の時に「0〜17」の値が当選に、「18〜240」の値が非当選に定められている。さらに1減算後の特図保留記憶数が「3」の時に「0〜4」の値が当選に、「5〜240」の値が非当選に定められている。非変短状態時における「0〜4」のリーチ判定値は、特図保留記憶数に関係なくリーチ判定を肯定(当選)とすることが確定する値となる。また、「5〜32」のリーチ判定値は、特図保留記憶数に応じてリーチ判定を肯定(当選)及び否定(非当選)のいずれともし得る、すなわちリーチ判定を肯定とするかもしれない値となる。一方、「33〜240」のリーチ判定値は、特図保留記憶数に関係なくリーチ判を否定(非当選)とすることが確定する値となる。また、変短状態時(変短状態「有」)におけるリーチ判定値では、1減算後の特図保留記憶数が「0」〜「3」の時に「0〜4」の値が当選に、「5〜240」の値が非当選に定められている。
変動1次判定値は、特図変動パターン振分テーブルを選択する際の変動1次抽選で用いる判定値であり、変動1次抽選用乱数の取り得る数値(0〜232までの全233通りの整数)の中から定められている。
さらに、変動1次判定値は、大当りの決定時の変動1次抽選で用いる大当り用の変動1次判定値として、大当り用の通常1次判定値と特殊1次判定値がある。具体的に言えば、図5に示すように、大当り用の通常1次判定値には、233通りの整数のうち92個の値が当選に、それ以外の141個の値が非当選に定められている。また、大当り用の特殊1次判定値には、233通りの整数のうち92個の値が当選に、それ以外の141個の値が非当選に定められている。なお、本実施形態では、大当り用の通常1次判定値と特殊1次判定値として、同一の値(同一の個数)を定めている。
また、変動1次判定値は、はずれの決定時の変動1次抽選で用いるはずれ用の変動1次判定値として、はずれ用の通常1次判定値と特殊1次判定値がある。具体的に言えば、図5に示すように、はずれ用の通常1次判定値には、233通りの整数のうち5個の値が当選に、それ以外の228個の値が非当選に定められている。また、はずれ用の特殊1次判定値には、233通りの整数のうち10個の値が当選に、それ以外の223個の値が非当選に定められている。本実施形態では、はずれ用の通常1次判定値と特殊1次判定値として、特殊1次判定値の方が通常1次判定値よりも当選とする値を多く定めている。
本実施形態において、各通常1次判定値は、内部制御状態における特図変動パターンの選択状態が、後述する通常選択状態と定義される場合に用いられる。一方、各特殊1次判定値は、内部制御状態における特図変動パターンの選択状態が、後述する特殊選択状態と定義される場合に用いられる。なお、本実施形態では、小当りの決定時に変動1次抽選を行わない。
また、変動2次抽選判定値は、特図変動パターン振分テーブルを選択する際の変動2次抽選で用いる判定値であり、変動2次抽選用乱数の取り得る数値(0〜102までの全103通りの整数)の中から定められている。
さらに、変動2次判定値は、大当りの決定時の変動2次抽選で用いる大当り用の変動2次判定値として、大当り用の通常2次判定値と大当り用の特殊2次判定値がある。具体的に言えば、図6に示すように、大当り用の通常2次判定値には、103通りの整数のうち23個の値が「NR系」に、それ以外の80個の値が「SR系」に定められている。また、大当り用の特殊2次判定値には、103通りの整数のうち33個の値が「NR系」に、それ以外の70個の値が「SR系」に定められている。本実施形態では、大当り用の通常2次判定値と大当り用の特殊2次判定値として、特殊2次判定値の方が通常2次判定値よりも「NR系」とする値を多く(「SR系」とする値を少なく)定めている。
また、変動2次判定値は、はずれの決定時の変動2次抽選で用いるはずれ用の変動2次判定値として、はずれ用の通常2次判定値と特殊2次判定値とがある。具体的に言えば、図6に示すように、はずれ用の通常2次判定値には、103通りの整数のうち61個の値が「NR系」に、それ以外の42個の値が「SR系」に定められている。また、はずれ用の特殊2次判定値には、103通りの整数のうち66個の値が「NR系」に、それ以外の37個の値が「SR系」に定められている。本実施形態では、はずれ用の通常2次判定値とはずれ用の特殊2次判定値として、特殊2次判定値の方が通常2次判定値よりも「NR系」とする値を多く(「SR系」とする値を少なく)定めている。
本実施形態において、各通常2次判定値は、内部制御状態における特図変動パターンの選択状態が、後述する通常選択状態である場合に用いられる。一方、各特殊2次判定値は、内部制御状態における特図変動パターンの選択状態が、後述する特殊選択状態である場合に用いられる。なお、本実施形態では、小当りの決定時に変動1次抽選を行わないので、変動2次抽選も行わない。
普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、内部制御状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、内部制御状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。そして、変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では250個)は、非変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の250となる一方で、非変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の10となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。特図変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の特図変動パターンは、当り演出用の変動パターン、はずれリーチ演出用の変動パターン、及びはずれ演出用の変動パターンに分類される。当り演出は、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に行われる演出である。そして、当り演出では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り演出では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄又は確変示唆図柄を導出させる。また、はずれリーチ演出及びはずれ演出は、大当り抽選及び小当り抽選に非当選(当選しなかった)場合に行われる演出である。そして、はずれリーチ演出及びはずれ演出では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ演出及びはずれ演出では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、はずれリーチ演出における飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、はずれ図柄を導出させる。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における特図変動パターンについて、図7を参照して説明する。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる3種類の変動パターンHP1(「3秒」)と、変動パターンHP2(「6秒」)と、変動パターンHP3(「12秒」)とが用意されている。これら変動パターンHP1〜HP3は、はずれ(リーチ判定で否定)の内部抽選の場合に選択される。なお、はずれ演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターンHP1が、変動パターンHP2,HP3よりも短く設定されている。このため、変動パターンHP1の演出時間「3秒」は、本実施形態におけるはずれ演出用の変動パターンの最低変動時間に設定されている。
また、はずれリーチ演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる4種類の変動パターンNRP1(「20秒」)と、変動パターンNRP2(「28秒」)と、変動パターンSRP1(「30秒」)と、変動パターンSRP2(「40秒」)とが用意されている。これら変動パターンNRP1,NRP2,SRP1,SRP2は、はずれ(リーチ判定で肯定)の内部抽選の場合に選択され、それぞれに異なるリーチ演出の演出内容を特定する。変動パターンNRP1と変動パターンNRP2は、ノーマルリーチ系(以下、「NR系」と示す)のリーチ演出を特定する。変動パターンNRP1は、NR系の第1リーチ演出(以下、「NR1」と示す)のリーチ演出を特定する。また、変動パターンNRP2は、NR系の第2リーチ演出(以下、「NR2」と示す)のリーチ演出を特定する。なお、NR系のはずれリーチ演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターンNRP1が、変動パターンNRP2よりも短く設定されている。このため、変動パターンNRP1の演出時間「20秒」は、本実施形態におけるNR系のはずれリーチ演出用の変動パターンの最低変動時間に設定されている。また、変動パターンSRP1と変動パターンSRP2は、スーパーリーチ系(以下、「SR系」と示す)のリーチ演出を特定する。変動パターンSRP1は、SR系の第1リーチ演出(以下、「SR1」と示す)のリーチ演出を特定する。また、変動パターンSRP2は、SR系の第2リーチ演出(以下、「SR2」と示す)のリーチ演出を特定する。なお、SR系のはずれリーチ演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターンSRP1が、変動パターンSRP2よりも短く設定されている。このため、変動パターンSRP1の演出時間「30秒」は、本実施形態におけるSR系のはずれリーチ演出用の変動パターンの最低変動時間に設定されている。
また、当り演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる4種類の変動パターンANP1(「22秒」)と、変動パターンANP2(「30秒」)と、変動パターンASP1(「32秒」)と、変動パターンASP2(「42秒」)とが用意されている。これら変動パターンANP1,ANP2,ASP1,ASP2は、大当り又は小当りの内部抽選の場合に選択され、それぞれに異なるリーチ演出の演出内容を特定する。変動パターンANP1と変動パターンANP2は、NR系のリーチ演出を特定する。変動パターンANP1は、「NR1」のリーチ演出を特定する。また、変動パターンANP2は、「NR2」のリーチ演出を特定する。なお、NR系の当り演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターンANP1が、変動パターンANP2よりも短く設定されている。このため、変動パターンANP1の演出時間「22秒」は、本実施形態におけるNR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間に設定されている。また、変動パターンASP1と変動パターンASP2は、SR系のリーチ演出を特定する。変動パターンASP1は、「SR1」のリーチ演出を特定する。また、変動パターンASP2は、「SR2」のリーチ演出を特定する。なお、SR系の当り演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターンASP1が、変動パターンASP2よりも短く設定されている。このため、変動パターンASP1の演出時間「32秒」は、本実施形態におけるSR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間に設定されている。
なお、変動パターンNRP1と変動パターンANP1は、リーチ演出の演出内容を同一とする一方で、導出される飾図がはずれ図柄であるか大当り図柄又は確変示唆図柄であるかが異なるパターンとなっている。変動パターンANP1の演出時間は、大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる分(「2秒」)だけ変動パターンNRP1よりも長い演出時間が設定されている。また、変動パターンNRP2と変動パターンANP2は、リーチ演出の演出内容を同一とする一方で、導出される飾図がはずれ図柄であるか大当り図柄又は確変示唆図柄であるかが異なるパターンとなっている。変動パターンANP2の演出時間は、大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる分(「2秒」)だけ変動パターンNRP2よりも長い演出時間が設定されている。また、変動パターンSRP1と変動パターンASP1は、リーチ演出の演出内容を同一とする一方で、導出される飾図がはずれ図柄であるか大当り図柄又は確変示唆図柄であるかが異なるパターンとなっている。変動パターンASP1の演出時間は、大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる分(「2秒」)だけ変動パターンSRP1よりも長い演出時間が設定されている。また、変動パターンSRP2と変動パターンASP2は、リーチ演出の演出内容を同一とする一方で、導出される飾図がはずれ図柄であるか大当り図柄又は確変示唆図柄であるかが異なるパターンとなっている。変動パターンASP2の演出時間は、大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる分(「2秒」)だけ変動パターンSRP2よりも長い演出時間が設定されている。
本実施形態において、NR系のリーチ演出は、特定の2列(本実施形態では左列及び右列)に同一図柄を導出してリーチを形成し、残りの図柄列(本実施形態では中列)を所定時間の間、変動させて図柄を導出させる演出である。また、SR系のリーチ演出は、リーチを形成した後、原則としてNR系のリーチ演出を経由し、該リーチ演出を発展させて行われる演出である。また、NR系のリーチ演出のうち「NR1」と「NR2」の演出内容は、登場するキャラクタが異なる演出内容となっている。また、SR系のリーチ演出のうち「SR1」と「SR2」の演出内容は、登場するキャラクタが異なる演出内容となっている。
本実施形態では、NR系のリーチ演出の大当り信頼度よりもSR系のリーチ演出の大当り信頼度の方が高く設定されている。また、NR系の中でも「NR1」の演出内容の大当り信頼度よりも「NR2」の演出内容の大当り信頼度の方が高く設定されている。また、SR系の中でも「SR1」の演出内容の大当り信頼度よりも「SR2」の演出内容の大当り信頼度の方が高く設定されている。大当り信頼度は、各リーチ演出を特定する変動パターンを当り演出用とはずれリーチ演出用に振分ける際の振分け態様に応じて決定される。特定のリーチ演出の大当り信頼度を高くするためには、該特定のリーチ演出が出現する割合(当り演出の場合とはずれリーチ演出の場合に出現する全体の割合)に対して、当り演出の場合に該特定のリーチ演出が出現する割合を高くするようにすればよい。
そして、主制御用ROM30bには、これら特図変動パターンのうち選択可能な特図変動パターンを定めたデータをテーブル化して示した特図変動パターン振分テーブルが記憶されている。特図変動パターン振分テーブルは、選択可能に定めた各特図変動パターンの選択割合も定めている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における特図変動パターン振分テーブルについて、図8(a)〜(c)を参照して説明する。
本実施形態における特図変動パターン振分テーブルは、大当り抽選及び小当り抽選の内部抽選の結果に基づき遷移する内部制御状態に対応付けされている。また、特図変動パターン振分テーブルは、特図変動パターンを決定する際に行われる変動1次抽選及び変動2次抽選の結果に応じて分類されている。
そして、非変短状態(「変短なし」)時には、低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3が設定されている。低高なし用のテーブルTA1は、上記変動1次抽選に当選しない(非当選)結果に応じた1次非当選時テーブルとされる。また、低高なし用のテーブルTA2,TA3は、上記変動1次抽選の当選の結果に応じた1次当選時テーブルとされる。また、低高なし用のテーブルTA2は、上記変動1次抽選の当選の場合に、上記変動2次抽選で「NR系」とする結果に応じた1次当選時(NR系)テーブルとされる。一方、低高なし用のテーブルTA3は、上記変動1次抽選の当選の場合に、上記変動2次抽選で「SR系」とする結果に応じた1次当選時(SR系)テーブルとされる。ここでいう非変短状態時には、確変状態及び非確変状態のいずれもあるので、このような状態を「低高なし」と示している。
また、非変短状態の中でも特殊条件下における非変短状態時には、低高なし(特)用のテーブルTS1,TS2,TS3が設定されている。低高なし(特)用のテーブルTS1は、上記変動1次抽選に当選しない(非当選)結果に応じた1次非当選時テーブルとされる。また、低高なし(特)用のテーブルTS2,TS3は、上記変動1次抽選の当選の結果に応じた1次当選時テーブルとされる。また、低高なし(特)用のテーブルTA2は、上記変動1次抽選の当選の場合に、上記変動2次抽選で「NR系」とする結果に応じた1次当選時(NR系)テーブルとされる。一方、低高なし(特)用のテーブルTA3は、上記変動1次抽選の当選の場合に、上記変動2次抽選で「SR系」とする結果に応じた1次当選時(SR系)テーブルとされる。ここでいう特殊条件下における非変短状態時には、確変状態及び非確変状態のいずれもあるので、このような状態を「低高なし(特)」と示している。
本実施形態における特殊条件下における非変短状態は、図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの特図の小当りにより変遷された状態であって、変遷されてから規定回数となる30回分の特図変動ゲームを行うまでの間の状態に設定されている。すなわち、本実施形態では、確変状態であるか否かを遊技者に分かり難くする場面が、特殊条件下に相当する。一方、特殊条件下における特図変動ゲームが30回行われた場合、続く31回目の特図変動ゲームからは、特殊条件下でない非変短状態でのゲームが行われる。
なお、1次非当選テーブルTA1と特殊1次非当選テーブルTS1では、選択可能な特図変動パターンを同一に定めているとともに、各特図変動パターンの選択率(割合)も同一に定めている。また、1次当選(NR系)テーブルTA2と特殊1次当選(NR系)テーブルTS2では、選択可能な特図変動パターンを同一に定めているとともに、各特図変動パターンの選択率(割合)も同一に定めている。また、1次当選(SR系)テーブルTA3と特殊1次当選(SR系)テーブルTS3では、選択可能な特図変動パターンを同一に定めているとともに、各特図変動パターンの選択率(割合)も同一に定めている。
また、変短状態(「変短あり」)時には、低高あり用のテーブルTB1が設定されている。低高あり用のテーブルTB1は、上記変動1次抽選に当選しない(非当選)結果に応じた1次非当選時テーブルとされる。ここでいう変短状態時には、確変状態及び非確変状態のいずれもあるので、このような状態を「低高あり」と示している。なお、本実施形態における変短状態時には、変動1次抽選及び変動2次抽選自体を行わない構成とすることにより、変動1次抽選に当選し得ないとともに変動2次抽選の結果も導出されない。
また、1次非当選時テーブル(TA1,TS1,TB1)には、大当り抽選及び小当り抽選の内部抽選の結果に基づいて選択し得る特図変動パターンの全て(はずれ演出、NR系、SR系のいずれも)が振分けられている。一方、1次当選時テーブル(NR系)テーブル(TA2,TS2)には、大当り抽選及び小当り抽選の内部抽選の結果に基づいて選択し得る特図変動パターンのうち、NR系の演出内容を特定する変動パターンNRP1,NRP2,ANP1,ANP2のみが振分けられている。そして、各テーブルTA2,TS2には、大当り抽選及び小当り抽選のいずれかに当選する内部抽選の結果の場合、変動パターンANP1,ANP2のみが振分けられている。また、各テーブルTA2,TS2には、はずれの内部抽選の結果の場合、変動パターンNRP1,NRP2のみが振分けられている。すなわち、はずれリーチ演出用の変動パターンのうちNR系の演出内容を特定するもののみが振分けられている。このため、各テーブルTA2,TS2は、NR系の演出内容のみを特定するNR系専用のテーブルとなる。また、1次当選時テーブル(SR系)テーブル(TA3,TS3)には、大当り抽選及び小当り抽選の内部抽選の結果に基づいて選択し得る特図変動パターンのうち、SR系の演出内容を特定する変動パターンSRP1,SRP2,ASP1,ASP2のみが振分けられている。そして、各テーブルTA3,TS3には、大当り抽選及び小当り抽選のいずれかに当選する内部抽選の結果の場合、変動パターンASP1,ASP2のみが振分けられている。また、各テーブルTA3,TS3には、はずれの内部抽選の結果の場合、変動パターンSRP1,SRP2のみが振分けられている。すなわち、はずれリーチ演出用の変動パターンのうちSR系の演出内容を特定するもののみが振分けられている。このため、各テーブルTA3,TS3は、SR系の演出内容のみを特定するSR系専用のテーブルとなる。
そして、本実施形態における特図変動パターンは、状況に応じた特図変動パターン振分テーブルを用いた特図変動パターンの選択状態で特図変動パターンが決定される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における特図変動パターンの選択状態について、図9(a),(b)を参照して説明する。なお、図9(a),(b)は、大当り抽選及び小当り抽選の内部抽選の結果に基づいた特図変動パターンの選択状態の遷移を示している。また、「前」は遷移前の選択状態を示し、「後」は遷移後の選択状態を示す。
図9(a)に示すように、「低高なし」であれば、遷移前が、低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3を用いる選択状態となる。
図柄Aの特図の大当りに当選する場合には、内部制御状態が変短状態に遷移することから、「低高あり」となって低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態となる。
図柄Cの特図の大当りに当選する場合には、内部制御状態が変短状態に遷移することから、「低高あり」となって低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態となる。その後、この場合における変短状態の上限、100回分の図柄変動ゲームが経過するまでの間、低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態とされ、101回目の図柄変動ゲームからは、内部制御状態が非変短状態に遷移することから、「低高なし」となって低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3を用いる選択状態となる。
図柄Bの特図の大当りに当選又は図柄Dの特図の大当りに当選する場合には、内部制御状態が特定条件下の非変短状態に遷移することから、「低高なし(特)」となって特殊条件下の低高なし用のテーブルTS1,TS2,TS3を用いる選択状態となる。その後、特殊条件下となる30回分の図柄変動ゲームが経過するまでの間、特殊条件下の低高なし用のテーブルTS1,TS2,TS3を用いる選択状態とされ、31回目の図柄変動ゲームからは、特殊条件下でない非変短状態に遷移することから、「低高なし」となって低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3を用いる選択状態となる。
はずれの場合には、内部制御状態が遷移しないことから、「低高なし」が継続されて低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3を用いる選択状態が継続される。なお、「低高なし」が特に「低高なし(特)」であれば、はずれ以外の場合には、内部制御状態が遷移することから、遷移前に特殊条件下の低高なし用のテーブルTS1,TS2,TS3を用いる選択状態であっても、遷移後に応じたテーブルを用いる選択状態となる。一方、「低高なし」が特に「低高なし(特)」であれば、はずれの場合には、内部制御状態が遷移しないことから、遷移前の特殊条件下の低高なし用のテーブルTS1,TS2,TS3を用いる選択状態が継続される。
また、図9(b)に示すように、「低高あり」であれば、遷移前が、低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態となる。
図柄A又は図柄Bの特図の大当りに当選又は図柄Dの特図の小当りに当選する場合には、内部制御状態が変短状態に遷移することから、「低高あり」となって低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態となる。
図柄Cの特図の大当りに当選する場合には、内部制御状態が変短状態に遷移することから、「低高あり」となって低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態となる。その後、この場合における変短状態の上限、100回分の図柄変動ゲームが経過するまでの間、低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態とされ、101回目の図柄変動ゲームからは、内部制御状態が非変短状態に遷移することから、「低高なし」となって低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3を用いる選択状態となる。
はずれの場合には、内部制御状態が遷移しないことから、「低高あり」が継続されて低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態が継続される。
本実施形態では、上記のように特殊条件下の低高なし用のテーブルTS1、TS2,TS3を用いる選択状態を、特図変動パターンの特殊決定状態となる特殊選択状態と定義している。すなわち、本実施形態では、確変状態であるか否かを遊技者に分かり難くする場面において、特殊選択状態となる。また、本実施形態では、特殊選択状態に遷移させる契機となる図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの特図の小当りが特定の当りの種類となる。一方、本実施形態では、上記のように低高なし用のテーブルTA1,TA2,TA3又は低高あり用のテーブルTB1を用いる選択状態を、特図変動パターンの通常決定状態となる通常選択状態と定義している。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されている。普図変動パターンは、普図の変動が開始してから普図が確定停止表示されるまでの間の演出のベースとなるパターンであって、普図ゲームの変動内容(演出時間)を特定し得る。本実施形態における普図ゲームは、普図の変動が継続して実行されて演出時間の経過時に普図が確定停止表示される態様で実行される。本実施形態において、複数種類の普図変動パターンは、普図当り演出用の変動パターン、及び普図はずれ演出用の変動パターンに分類される。普図当り演出は、普図当り抽選に当選した場合に行われる演出である。そして、普図当り演出では、普図ゲームにおいて最終的に普図当り図柄を確定停止表示させる。普図はずれ演出は、普図当り抽選に非当選(当選しなかった)場合に行われる演出である。そして、普図はずれ演出では、普図ゲームにおいて最終的に普図はずれ図柄を確定停止表示させる。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における普図変動パターンについて、図10を参照して説明する。
本実施形態では、普図はずれ演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる2種類の変動パターンhp1(「8秒」)と、変動パターンhp2(「1.1秒」)とが用意されている。これら変動パターンhp1,hp2は、普図はずれの内部抽選の場合に選択される。また、変動パターンhp1は、非変短状態の内部制御状態で選択される。一方、変動パターンhp2は、変短状態の内部制御状態で選択される。このため、変動パターンhp1の演出時間「8秒」は、本実施形態における非変短状態時の普図はずれに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。一方、変動パターンhp2の演出時間「1.1秒」は、本実施形態における変短状態時の普図はずれに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。
また、普図当り演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる3種類の変動パターンap1(「5秒」)と、変動パターンap2(「8秒」)と、変動パターンap3(「1.1秒」)とが用意されている。これら変動パターンap1,ap2,ap3は、普図当りの内部抽選の場合に選択される。また、変動パターンap1,ap2は、非変短状態の内部制御状態で選択される。一方、変動パターンap3は、変短状態の内部制御状態で選択される。このため、変動パターンap1の演出時間「5秒」及び変動パターンap2の演出時間「8秒」は、本実施形態における非変短状態時の普図当りに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。一方、変動パターンap3の演出時間「1.1秒」は、本実施形態における変短状態時の普図当りに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
以下、主制御基板30、及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する制御内容を説明する。
まず、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態の主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に特別図柄入力処理(図11)及び特別図柄開始処理(図12〜図14)を実行するようになっている。なお、本実施形態の主制御用CPU30aでは、特別図柄入力処理を実行した後に特別図柄開始処理を実行するようになっている。
図11に示すように、特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、始動入賞口(各始動入賞口15A,15B)に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1において主制御用CPU30aは、遊技球を検知した各始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップSA1の判定結果が否定の場合(入賞していない場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップSA1の判定結果が肯定の場合(入賞した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2の判定結果が否定(特図保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップSA2の判定結果が肯定(特図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える(ステップSA3)。続いて、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数の値、変動1次抽選用乱数、変動2次抽選用乱数、及び変動3次抽選用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する(ステップSA4)。ステップSA4において合わせて主制御用CPU30aは、取得した各値を特図保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理(ステップSB1〜SB19)を実行し(ステップSA5)、特別図柄入力処理を終了する。この特図先読コマンド設定処理は、始動入賞口への入賞検知を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知に基づく特図変動ゲームの開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための特図先読コマンドを生成及び出力するための処理となっている。この特図先読コマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
なお、始動入賞口に入球した遊技球は始動保留球として主制御用RAM30cに記憶されることから、本実施形態において主制御用RAM30cは記憶手段として機能する。
また、ステップSA3において主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1加算した際、1加算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置11(画像表示部GH)の保留画像表示領域Kの個別表示領域の表示態様は、対応する表示態様に更新される。なお、保留コマンドは、更新後(1加算後)の保留記憶数を指示する内容となっている。合わせて主制御用CPU30aは、特図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように特別図柄保留表示装置13を制御する。
なお、主制御用CPU30aは、ステップSA2が否定の場合(特図保留記憶数=4)、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、肯定の場合にステップSA4で取得する各値も取得しない。
続いて、図12〜図14に基づいて、特別図柄開始処理について説明する。
本実施形態では、内部制御状態が変短状態であるか非変短状態であるかに応じて、特別図柄開始処理として異なる処理を実行させるようになっている。
最初に、内部制御状態が非変短状態時における特別図柄開始処理について説明する。なお、図12〜図14は、非変短状態時における特別図柄開始処理を示している。また、以下に説明する処理は、非変短状態である状況下で行うので、内部制御状態が「低高なし」又は「低高なし(特)」のいずれかの場合である。
そして、非変短状態時の特別図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、まず図柄(特図及び飾図)が変動表示中(変動中)であるか否か、又は当り中(大当り遊技中又は小当り遊技中)であるか否かを判定する(ステップSC1)。ステップSC1において、主制御用CPU30aは、後述する特別図柄変動処理フラグや大当り遊技中又は小当り遊技中である場合に設定される情報を確認することで、判定する。ステップSC1の判定結果が肯定の場合(変動中又は当り中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップSC1の判定結果が否定の場合(変動中又は当り中でない場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を読み出し(ステップSC2)、特図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップSC3)。この判定結果が肯定の場合(特図保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。ステップSC3の判定結果が肯定の場合(特図保留記憶数が「0」でない場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの特別図柄変動処理フラグに「1」を設定することにより、特図変動ゲームの実行中であることを示す情報を設定してから、特図保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える(ステップSC4)。そして、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップSA4で取得した各値)を読み出してから(ステップSC5)、図13のステップSC6に移行する。
また、ステップSC4において主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1減算した際、1減算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置11(画像表示部GH)の保留画像表示領域Kの個別表示領域の表示態様は、対応する表示態様に更新される。なお、保留コマンドは、更新後(1減算後)の保留記憶数を指示する内容となっている。合わせて主制御用CPU30aは、特図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように特別図柄保留表示装置13を制御する。
また、ステップSC5についてより詳しく主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を読み出すとともに、該乱数の各値を、特図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、特図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、特図保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、特別保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値をクリア(消去)する。
続いて、ステップSC5から図13のステップSC6に移行すると主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。ステップSC6において、主制御用CPU30aは、内部制御状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。この判定結果が否定の場合(大当りでない場合)主制御用CPU30aは、ステップSC16に移行する。本実施形態では、大当り判定を行う主制御用CPU30aが、当り抽選手段として機能する。
ステップSC6の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動1次抽選用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り用の変動1次判定値と一致するか否かを判定して変動1次抽選を行う(ステップSC7)。ステップSC7において、主制御用CPU30aは、図5に示した、特図変動パターンの選択状態に応じた大当り用の変動1次判定値を用いて変動1次抽選を行う。
そして、ステップSC7の判定結果が肯定の場合(変動1次抽選に当選の場合)、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動2次抽選用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り用の変動2次判定値の「NR系」に定めた判定値と一致するか否かを判定する変動2次抽選を行う(ステップSC8)。ステップSC8において、主制御用CPU30aは、図6に示した、特図変動パターンの選択状態に応じた大当り用の変動2次判定値を用いて変動2次抽選を行う。
ステップSC8の判定結果が肯定の場合(「NR系」の場合)、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択に際し、1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)を用いることを特定する(ステップSC9)。ステップSC9において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(NR系)テーブルTA2を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(NR系)テーブルTS2を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC9で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能な当り演出用の変動パターン(NR系)の中から変動パターンを決定するとともに、大当り図柄を決定する(ステップSC10)。ステップSC10において、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち特図振分用乱数の値に基づき、特図の大当り図柄の中から特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
一方、ステップSC8の判定結果が否定の場合(「SR系」の場合)、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択に際し、1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)を用いることを特定する(ステップSC12)。ステップSC12において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(SR系)テーブルTA3を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(SR系)テーブルTS3を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC12で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能な当り演出用の変動パターン(SR系)の中から変動パターンを決定するとともに、大当り図柄を決定する(ステップSC13)。ステップSC13において、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち特図振分用乱数の値に基づき、特図の大当り図柄の中から特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
一方、ステップSC7の判定結果が否定の場合(変動1次抽選に非当選の場合)、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択に際し、1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを特定する(ステップSC14)。ステップSC14において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC14で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能な当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定するとともに、大当り図柄を決定する(ステップSC15)。ステップSC15において、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち特図振分用乱数の値に基づき、特図の大当り図柄の中から特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いる当り演出用の変動パターン選択時において、変動3次抽選用乱数の取り得る数値は、各値が変動パターンANP1,ANP2,ASP1,ASP2のいずれかに対応付けされている。そして、変動3次抽選用乱数の値は、該値が範囲RAa(例えば、「0」〜「100」)に含まれる値であればNR系のリーチ演出を特定する変動パターンANP1,ANP2のいずれかに対応付けされる。一方、変動3次抽選用乱数の値は、該値が範囲RAb(例えば、「101」〜「233」)に含まれる値であればSR系のリーチ演出を特定する変動パターンASP1,ASP2のいずれかに対応付けされる。本実施形態における1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いる当り演出用の変動パターン選択時において、変動3次抽選用乱数の値からは、該値が範囲RAaに含まれるか範囲RAbに含まれるかにより、リーチ演出の種類(演出内容)を特定できる。本実施形態において、変動3次抽選用乱数の取り得る数値は、「0」〜「233」までの全234通りの整数の中から定められている。そして、変動3次抽選用乱数の数値は、「0」〜「100」の値が範囲RAaに設定されるとともに「101」〜「233」の値が範囲RAbに設定されている。
続いて、ステップSC6からステップSC16に移行すると主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う。この判定結果が否定の場合(小当りでない場合)主制御用CPU30aは、図14のステップSC19に移行する。本実施形態では、小当り判定を行う主制御用CPU30aが、当り抽選手段として機能する。
ステップSC16の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択に際し、変動1次抽選を行わないことから1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを特定する(ステップSC17)。なお、小当りの当選の場合、主制御用CPU30aは、変動1次抽選を行わないことから、変動2次抽選も行わない。ステップSC17において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC17で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能な当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定するとともに、小当り図柄を決定する(ステップSC18)。ステップSC18において、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち小当り図柄用乱数の値に基づき、特図の小当り図柄の中から特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
なお、本実施形態では、大当り又は小当りの当選時、特図を決定することで、当りの種類を決定する主制御用CPU30aが、当り決定手段として機能する。
続いて、ステップSC16から図14のステップSC19に移行すると主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動1次抽選用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されているはずれ用の変動1次判定値と一致するか否かを判定して変動1次抽選を行う(ステップSC19)。ステップSC19に移行することにより、主制御用CPU30aは、大当り抽選及び小当り抽選のいずれにも当選しないはずれであることを判定している。また、ステップSC19において、主制御用CPU30aは、図5に示した、特図変動パターンの選択状態に応じたはずれ用の変動1次判定値を用いて変動1次抽選を行う。
そして、ステップSC19の判定結果が肯定の場合(変動1次抽選に当選の場合)、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動2次抽選用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されているはずれ用の変動2次判定値の「NR系」に定めた判定値と一致するか否かを判定する変動2次抽選を行う(ステップSC20)。ステップSC20において、主制御用CPU30aは、図6に示した、特図変動パターンの選択状態に応じたはずれ用の変動2次判定値を用いて変動2次抽選を行う。
本実施形態では、ステップSC19の判定結果を肯定として、はずれ時に変動1次抽選に当選とする場合、はずれリーチ演出用の変動パターンのみが振分けられた特図変動パターン振分テーブルが特定される。このため、ステップSC19の判定結果を肯定とする場合、すなわちはずれ時に変動1次抽選に当選とする場合には、はずれリーチ演出用の変動パターンがリーチ判定の結果に関係なく強制的に決定されることになる。
ステップSC20の判定結果が肯定の場合(「NR系」の場合)、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択に際し、1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)を用いることを特定する(ステップSC21)。ステップSC21において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(NR系)テーブルTA2を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(NR系)テーブルTS2を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC21で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能なはずれリーチ演出用の変動パターン(NR系)の中から変動パターンを決定するとともに、はずれ図柄を決定する(ステップSC22)。ステップSC22において、主制御用CPU30aは、先のステップSC19を肯定判定としていることから、はずれ図柄として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれ図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄として決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
一方、ステップSC20の判定結果が否定の場合(「SR系」の場合)、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択に際し、1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)を用いることを特定する(ステップSC23)。ステップSC23において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(SR系)テーブルTA3を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(SR系)テーブルTS3を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC23で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能なはずれリーチ演出用の変動パターン(SR系)の中から変動パターンを決定するとともに、はずれ図柄を決定する(ステップSC24)。ステップSC24において、主制御用CPU30aは、先のステップSC19を肯定判定としていることから、はずれ図柄として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれ図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄として決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
一方、ステップSC19の判定結果が否定の場合(変動1次抽選に非当選の場合)、主制御用CPU30aは、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定を行う(ステップSC25)。そして、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうちリーチ判定用乱数の値に基づき、特図保留記憶数に応じたリーチ判定値を用いたリーチ判定を行う(ステップSC25)。なお、リーチ判定値は、ステップSC25の処理時における特図始動保留記憶数によって異なるようになっている。
そして、ステップSC25の判定結果が肯定の場合(リーチ判定に当選してリーチありの場合)、主制御用CPU30aは、既にステップSC19を否定判定していることから1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを特定する(ステップSC26)。ステップSC26において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC26で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能なはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定するとともに、はずれ図柄を決定する(ステップSC27)。ステップSC27において、主制御用CPU30aは、先のステップSC25を肯定判定としていることから、はずれ図柄として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれ図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄として決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いるはずれリーチ演出用の変動パターン選択時において、変動3次抽選用乱数の取り得る数値は、各値が変動パターンNRP1,NRP2,SRP1,SRP2のいずれかに対応付けされている。そして、変動3次抽選用乱数の値は、該値が範囲RRaに含まれる値であればNR系のリーチ演出を特定する変動パターンNRP1,NRP2のいずれかに対応付けされる。一方、変動3次抽選用乱数の値は、該値が範囲RRbに含まれる値であればSR系のリーチ演出を特定する変動パターンSRP1,SRP2のいずれかに対応付けされる。本実施形態において、変動3次抽選用乱数の値からは、該値が範囲RRaに含まれるか範囲RRbに含まれるかにより、リーチ演出の種類(演出内容)を特定できる。本実施形態において、変動3次抽選用乱数の数値は、「0」〜「132」の値が範囲RRaに設定されるとともに「133」〜「233」の値が範囲RRbに設定されている。
一方、ステップSC25の判定結果が否定の場合(リーチ判定に非当選でリーチなしの場合)、主制御用CPU30aは、既にステップSC19を否定判定していることから1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを特定する(ステップSC28)。ステップSC28において、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。
続いて、主制御用CPU30aは、先のステップSC4で読み出した乱数のうち変動3次抽選用乱数の値に基づき、ステップSC28で特定した特図変動パターン振分テーブルで選択可能なはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定するとともに、はずれ図柄を決定する(ステップSC29)。ステップSC29において、主制御用CPU30aは、先のステップSC25を否定判定としていることから、はずれ図柄として、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれ図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄として決定する。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC11に移行する。
1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いるはずれ演出用の変動パターン選択時において、変動3次抽選用乱数の取り得る数値は、各値が変動パターンHP1,HP2,HP3のいずれかに対応付けされている。そして、変動3次抽選用乱数の値は、ステップSC29の処理時における特図始動保留記憶数によって対応付けされる特図変動パターンが異なる。変動3次抽選用乱数の値は、ステップSC29の処理時の特図保留記憶数が多いほど演出時間の短い変動パターンHP1を決定し易く対応付けされる。一方、変動3次抽選用乱数の値は、ステップSC29の処理時における特図保留記憶数が少ないほど演出時間の長い変動パターンHP3を決定し易く対応付けされる。
このように特別図柄開始処理を実行することで、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す特図変動ゲームの演出内容を判定する。本実施形態では、特図変動パターンを決定することで特図変動ゲームの演出内容を決定する主制御用CPU30aが、変動内容決定手段として機能する。
なお、ステップSC7又はステップSC19の変動1次抽選において、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が通常選択状態であれば、対応する通常1次判定値を用いて変動1次抽選を行う。一方、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が特殊選択状態であれば、対応する特殊1次判定値を用いて変動1次抽選を行う。このため、本実施形態では、大当りの当選時、特殊選択状態及び通常選択状態のいずれであっても、同一確率で当選の結果を導出する変動1次抽選が行われる。また、本実施形態では、はずれ時、特殊選択状態で通常選択状態よりも、変動1次抽選に当選し易い変動1次抽選が行われる。その結果、本実施形態における変動1次抽選は、特殊選択状態で通常選択状態よりも、変動1次抽選に当選し易いことになる。
また、ステップSC8又はステップSC20の変動2次抽選において、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が通常選択状態であれば、対応する通常2次判定値を用いて変動2次抽選を行う。一方、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が特殊選択状態であれば、対応する特殊2次判定値を用いて変動2次抽選を行う。このため、本実施形態では、大当りの当選時、特殊選択状態で通常選択状態よりも、「NR系」を決定し易い(「SR系」を決定し難い)変動2次抽選が行われる。また、本実施形態では、はずれ時、特殊選択状態で通常選択状態よりも、「NR系」を決定し易い(「SR系」を決定し難い)変動2次抽選が行われる。その結果、本実施形態における変動2次抽選は、特殊選択状態で通常選択状態よりも、変動2次抽選で「NR系」を決定し易いことになる。
続いて、ステップSC11に移行した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、各特図変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、決定された特図変動パターンを指定すると共に図柄(特図及び飾図)の変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームを変動開始させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄となる特図を指示するための特図用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した特図変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した特図変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための図柄停止コマンドを出力する。
次に、内部制御状態が変短状態時における特別図柄開始処理について説明する。なお、変短状態時の処理は、ステップSC6以降の処理のうち特に変動1次抽選及び変動2次抽選を行わない構成とする点が、非変短状態時の処理とは異なっている。
このため、変短状態時の特別図柄開始処理において、ステップSC6と同様の処理により判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、変動1次抽選及び変動2次抽選を行うことなく(変動1次抽選を非当選とする場合と同様に)主制御用CPU30aは、1次非当選テーブル(TB1)を用いることを特定する。この場合の内部制御状態は、「低高あり」であるので、主制御用CPU30aは、特図変動パターン振分テーブルとして、1次非当選テーブルTB1を用いることを特定する。以降、主制御用CPU30aは、ステップSC15と同様の処理を実行して、ステップSC11の処理を実行する。なお、ステップSC16と同様の処理により判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU30aは、非変短状態時と同様の処理(ステップSC17→ステップSC18→ステップSC11)を実行する。
また、ステップSC16と同様の処理により判定結果が否定の場合(はずれの場合)、変動1次抽選及び変動2次抽選を行うことなく(変動1次抽選を非当選とする場合と同様に)主制御用CPU30aは、ステップSC25と同様にリーチ判定に関する処理を実行する。主制御用CPU30aは、非変短状態時と同様の処理(ステップSC26→ステップSC27→ステップSC11又はステップSC28→ステップSC29→ステップSC11)を実行する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した特図変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、特図で特定される大当りの種類に基づく大当り遊技の制御を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに大当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。
また、主制御用CPU30aは、小当りを決定した場合、決定した特図変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに小当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、小当り遊技において、小当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、小当り遊技中の大入賞口18の開放の開始を指示するコマンドを出力し、さらに小当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。大入賞口18の開放の開始を指示するコマンドは、小当り遊技の大入賞口18の開閉動作中における演出の開始を指示する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技において、対応する開放態様で大入賞口18の開閉動作を制御する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかを満たすことにより、大入賞口18を閉鎖させるように制御する。また、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、最大開放時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力して小当り遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、最大開放時間が経過する、及び入球上限個数の遊技球が入球するまでにおいて、大入賞口18を最大で2回開放させる。なお、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、大入賞口18を2回開放させる前に、入球上限個数の遊技球が入球することにより、大入賞口18を閉鎖させて小当り遊技を終了させるように制御する。
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、内部制御状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU30aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に100回を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態の終了条件の成立として変短状態を終了させる。合わせて主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非変短状態を付与する場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短コマンドを出力する。なお、小当り遊技の終了後、小当り当選時の内部制御状態が維持されることから、主制御用CPU30aは、小当り遊技中も小当り当選時の内部制御状態で制御するとともに、小当り遊技終了後も当選時の内部制御状態を維持する。すなわち、これに合わせて主制御用CPU30aは、確変状態や変短状態などの内部制御状態を指定するコマンドを出力しない。
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU30aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、演出制御用CPU31aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
また、本実施形態において主制御用CPU30aは、当選時が非変短状態における図柄Bの特図の大当り(2R確変大当り遊技)又は図柄Dの特図の小当り(小当り遊技)に当選している場合、特殊条件回数に30回を設定し、特図変動パターンの選択状態を特殊選択状態とすることを設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に特殊条件回数を1減算し、特殊条件回数が「0(零)」になると、特図変動パターンの選択状態を通常選択状態とすることを設定する。なお、これ以外で特殊選択状態を設定しない場面において、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態を通常選択状態とすることを設定する。
そして、大当り遊技又は小当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、終了時点における特図保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、特図変動ゲームに係る処理を実行し、特図変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技の終了時点における特図保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球する迄の間、特図変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態の主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に普通図柄入力処理(図15)及び普通図柄開始処理(図16)を実行するようになっている。なお、本実施形態の主制御用CPU30aでは、普通図柄入力処理を実行した後に普通図柄開始処理を実行するようになっている。
図15に示すように、普通図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、ゲート19へ遊技球が入賞(通過)したか否かを判定する(ステップSD1)。ステップSD1において主制御用CPU30aは、遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞(通過)したか否かを判定する。ステップSD1の判定結果が否定の場合(通過しなかった場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。ステップSD1の判定結果が肯定の場合(通過した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSD2)。ステップSD2の判定結果が否定(普図保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
ステップSD2の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算(+1)し、普図保留記憶数を書き換える(ステップSD3)。続いて、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数、普図振分用乱数、及び普図変動パターン振分用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する(ステップSD4)。ステップSD4において合わせて主制御用CPU30aは、取得した各値を普図保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理(ステップSE1〜SE6)を実行し(ステップSD5)、普通図柄入力処理を終了する。この普図先読コマンド設定処理は、ゲート19への入賞検知(通過検知)を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知(通過検知)に基づく普図ゲームの開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための普図先読コマンドを生成及び出力するための処理となっている。この普図先読コマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
なお、ゲート19に入球(通過)した遊技球は始動保留球として主制御用RAM30cに記憶されることから、本実施形態において主制御用RAM30cは普通記憶手段として機能する。
また、ステップSD3において主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算した際、普図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように普通図柄保留表示装置14bを制御する。
なお、主制御用CPU30aは、ステップSD2が否定の場合(普図保留記憶数=4)、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、肯定の場合にステップSD4で取得する各値も取得しない。
続いて、図16に示すように、普通図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、まず普通図柄が変動表示中(変動中)であるか否か、又は普図当り遊技中(普図当り中)であるか否かを判定する(ステップSF1)。ステップSF1において、主制御用CPU30aは、後述する普図ゲーム中である場合や普図当り遊技中である場合に設定される情報を確認することで、判定する。ステップSF1の判定結果が肯定の場合(変動中又は普図当り中である場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、ステップSF1の判定結果が否定の場合(変動中又は普図当り中でない場合)、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を読み出し(ステップSF2)、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップSF3)。この判定結果が否定の場合(普図保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
その一方で、ステップSF3の判定結果が肯定の場合(普図保留記憶数は「0」でない場合)、普図保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える(ステップSF4)。そして、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップSD4で取得した各値)を読み出す(ステップSF5)。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに普図ゲームを実行することを示す情報を設定してから、ステップSF6に移行する。
また、ステップSF4において主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1減算した際、普図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように対応する普通図柄保留表示装置14bを制御する。
また、ステップSF5についてより詳しく主制御用CPU30aは、普図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を読み出すとともに、該乱数の各値を、普図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、普図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、普図保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値をクリア(消去)する。
続いて、ステップSF6に移行すると主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定して普図当り判定(普図当り抽選)を行う。ステップSF6において、主制御用CPU30aは、内部制御状態に応じた普図当り判定値を用いて普図当り判定を行う。本実施形態では、普図当り判定(開放抽選)を行う主制御用CPU30aが、抽選手段として機能する。
ステップSF6の判定結果が肯定の場合(普図当りの場合)、主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図振分用乱数の値に基づき、普図当り図柄として普通図柄表示装置14aに確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップSF7)。なお、本実施形態の普図当り図柄は、1種類の普図当り図柄が設定されている。このため、ステップSF7で主制御用CPU30aは、1種類の普図当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得る普図当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップSF8)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSF9に移行する。
普図当り演出用の変動パターン選択時において、普図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンap1,ap2,ap3のいずれかに対応付けされている。そして、普図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSF8の処理時が変短状態であるか否かによって対応付けされる普図変動パターンが異なる。ステップSF8の処理時が変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンap3に対応付けされる。また、ステップSF8の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲Raa(例えば、「0」〜「116」)に含まれる値であれば演出時間が「5秒」を特定する変動パターンap1に対応付けされる。一方、ステップSF8の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲Rab(例えば、「117」〜「233」)に含まれる値であれば演出時間が「8秒」を特定する変動パターンap2に対応付けされる。本実施形態において、普図変動パターン振分用乱数の値からは、該値が範囲Raaに含まれるか範囲Rabに含まれるかにより、演出時間を特定できる。本実施形態において、普図変動パターン振分用乱数の取り得る数値は、「0」〜「233」までの全234通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン振分用乱数の数値は、「0」〜「116」の値が範囲Raaに設定されるとともに「117」〜「233」の値が範囲Rabに設定されている。
一方、ステップSF6の判定結果が否定の場合(普図当りでない場合)、主制御用CPU30aは、普図はずれ図柄を普通図柄表示装置14aに確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSF10)。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得る普図はずれ演出用の変動パターンの中から普図変動パターンを決定する(ステップSF11)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSF9に移行する。
普図はずれ演出用の変動パターンの選択時において、普図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンhp1,hp2のいずれかに対応付けされている。そして、普図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSF11の処理時が変短状態であるか否かによって対応付けされる普図変動パターンが異なる。ステップSF11の処理時が変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンhp2に対応付けされる。また、ステップSF11の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンhp1に対応付けされる。
このように普通図柄開始処理を実行することで、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す普図ゲームの演出内容(演出時間)を判定する。
ステップSF9に移行した主制御用CPU30aは、普図ゲームを変動開始させるように普通図柄表示装置14aの表示内容を制御する等、普図ゲームに関する各種処理を実行する。また、同時に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの演出時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その後、普通図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した普図変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように普通図柄表示装置14aの表示内容を制御する。
なお、普図ゲームに関する各種処理において、主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、普通図柄の変動を開始させたことを示す普図開始コマンドを出力する。これにより演出制御用CPU31aは、普図ゲームが開始されたことを把握する。
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、開閉羽根16の開放態様を制御する。そして、主制御用CPU30aは、普図当りを決定した場合、開閉羽根16を開放させるとともに、開放において開放してから5000(ms)(5秒)が経過するまで開放状態を維持する。また、主制御用CPU30aは、開閉羽根16の開放中に下始動入賞口15Bに入賞(入球)した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で開閉羽根16を閉動作させ、普図当りに基づく開閉羽根16の開放制御を終了する。普図当りに基づく開閉羽根16の開放制御を終了した主制御用CPU30aは、その終了時点の普図保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普図ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU30aは、開閉羽根16の開放制御の終了時点の普図保留記憶数が「0」の場合、ゲート19に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普図ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドに指示される表示態様となるように、演出表示装置11(画像表示部GH)の保留画像表示領域Kの個別表示領域の表示態様を制御する。具体的に、演出制御用CPU31aは、指定される保留記憶数となるように保留画像表示領域Kの表示態様を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを演出制御用RAM31cに設定する一方で、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを演出制御用RAM31cに設定する。また、演出制御用CPU31aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを演出制御用RAM31cに設定する一方で、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を演出制御用RAM31cに記憶維持させる。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの前記設定内容によって、内部制御状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。
また、演出制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の内部制御状態を遊技者に報知するための演出モードとなるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
そして、演出制御用CPU31aは、図柄Aの特図の大当りの場合で、内部制御状態が確変状態、かつ変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、確変確定モードに設定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄Bの特図の大当りの場合で、内部制御状態が確変状態、かつ変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、確変確定モードに設定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄Bの特図の大当りの場合で、内部制御状態が確変状態、かつ非変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、確変潜伏モードに設定する。確変潜伏モードは、非確変状態及び確変状態の何れの状態でも設定可能な演出モードであって、何れの状態であるかを遊技者に分かり難くする演出モードである。また、演出制御用CPU31aは、図柄Cの特図の大当りの場合で、内部制御状態が非確変状態、かつ変短状態のとき、大当り遊技終了後の演出モードを、非確変変短モードに設定する。なお、演出制御用CPU31aは、非確変変短モードの場合、変短状態の終了を指示する作動コマンドの入力によって演出モードを通常モードに設定する。通常モードは、非確変状態及び確変状態の何れの状態でも設定可能な演出モードであって、非確変状態である可能性が高いことを遊技者に報知する演出モードである。また、演出制御用CPU31aは、図柄Dの小当りの場合で、内部制御状態が変短状態のとき、現在の演出モードに維持する。また、演出制御用CPU31aは、図柄Dの特図の小当りの場合で、内部制御状態が非変短状態のとき、小当り遊技終了後の演出モードを、確変潜伏モードに設定する。このため、本実施形態では、図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの小当りの場合で、内部制御状態が非変短状態のとき、非確変状態及び確変状態の何れの状態であるかを遊技者に分かり難くする。
そして、演出制御用CPU31aは、現在の演出モードが確変潜伏モードの場合、所定の契機により演出モードを通常モードに設定する。本実施形態における所定の契機は、確変潜伏モードに滞在してからの特図変動ゲームの実行回数である。そして、演出制御用CPU31aは、確変潜伏モードを規定回数となる30回分の特図変動ゲームが実行されるまで滞在させ、確変潜伏モードに滞在してから31回目の特図変動ゲームからは演出モードに通常モードを設定する。このため、本実施形態では、主制御用CPU30aが設定する特図変動パターンの特殊選択状態での特図変動ゲームの回数と、演出制御用CPU31aが設定する確変潜伏モードでの特図変動ゲームの回数とが一致し、特殊選択状態で制御する期間と確変潜伏モードで制御する期間がパチンコ遊技機内で一致(同期)する。
また、演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、該特図変動パターン指定コマンドにより指定される演出内容をもとに、画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該停止図柄指定コマンドにより指定される特図をもとに、演出表示装置11の図柄変動ゲームで確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このとき、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、先に決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。また、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11の図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の実行に係る制御において、オープニングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じた画像表示データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示データをもとにオープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中にラウンドコマンドを入力すると、付与される大当り遊技の各ラウンド遊技に応じた画像表示データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示データをもとに各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中にエンディングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じた画像表示データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示データをもとにエンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中の各演出の開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。また、演出制御用CPU31aは、小当り遊技の実行に係る制御において、小当り遊技中の演出が2R確変大当り遊技と同一の演出となるように、各種演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、小当り遊技中の大入賞口18の開放の開始を指示するコマンドを入力すると、2R確変大当り遊技の2回分のラウンド演出と同一の演出を実行させる。
また、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力すると、主制御用CPU30aの制御のもと普図ゲームが開始されたことを把握する。また、演出制御用CPU31aは、普図ゲームが開始されたことの把握に伴って普図開始コマンドの入力からの経過時間、すなわち普図ゲームの開始を把握してからの経過時間を計時する。
次に、主制御用CPU30aが実行する特図先読コマンド設定処理(特別図柄入力処理のステップSA5)及び普図先読コマンド設定処理(普通図柄入力処理のステップSD5)について、図17〜図21に基づき説明する。
本実施形態では、特図先読コマンド設定処理及び普図先読コマンド設定処理の処理結果をもとに、事前演出としての連続演出(先読み演出)を実行させるようになっている。なお、事前演出は、演出表示装置11で行われ、該演出表示装置11の図柄変動ゲームの実行に関連して実行される。そして、連続演出は、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる1回以上の図柄変動ゲームから、所定の演出を各図柄変動ゲームで行い、該演出を連続する複数回の図柄変動ゲームを跨いで実行させることにより、特定の図柄変動ゲームが大当りとなる可能性があることを予告する演出である。本実施形態における所定の演出は、画像表示部GHの下方領域の保留画像表示領域Kのうち、特定の図柄変動ゲームに対応する個別表示領域の表示態様を変化させ、該表示態様を複数回の図柄変動ゲームを跨いで維持することによって行われる。このため、本実施形態における事前演出は、保留画像表示領域の個別表示領域の表示態様を変化させる「保留予告演出」である。
また、本実施形態における保留予告演出は、確変潜伏モードが設定され得る非変短状態である状況下で、行われるように構成している。すなわち、本実施形態における特図先読コマンド設定処理及び普図先読コマンド設定処理は、非変短状態である状況下で、各先読コマンドを設定するようになっている。
最初に、主制御用CPU30aが、始動入賞口への入賞検知時に行う特図先読コマンド設定処理の処理内容を図17に基づき説明する。なお、特図先読コマンド設定処理は、非変短状態である状況下で行うので、内部制御状態が「低高なし」又は「低高なし(特)」のいずれの場合である。
特図先読コマンド設定処理のステップSB1において、主制御用CPU30aは、変短状態であるか否かを判定する。ステップSB1の判定結果が肯定の場合(変短状態の場合)、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
一方、ステップSB1の判定結果が否定の場合(非変短状態の場合)、ステップSB2において、主制御用CPU30aは、図11の特別図柄入力処理のステップSA4で取得した当り判定用乱数の値が、大当り判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前大当り判定」と示す)。この事前大当り判定において主制御用CPU30aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)に応じた大当り判定値に定める各値を用いる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、入賞検知時の内部制御状態が確変状態である場合、高確率用の大当り判定値の各値を用いて事前大当り判定を行う。一方で、主制御用CPU30aは、入賞検知時の内部制御状態が非確変状態である場合、低確率用の大当り判定値の各値を用いて事前大当り判定を行う。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップSB2の判定結果が否定の場合(大当り判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、ステップSB9に移行する。一方、ステップSB2の判定結果が肯定の場合(大当り判定値の各値と一致の場合)、ステップSB3において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動1次抽選用乱数の値が、大当り用の変動1次判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前変動1次判定」と示す)。この事前変動1次判定において、主制御用CPU30aは、現在の特図変動パターンの選択状態(入賞検知時の選択状態)に応じた大当り用の変動1次判定値に定める各値を用いる。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された変動1次抽選用乱数の値が、後に行う変動1次抽選で当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップSB2の判定結果が肯定の場合(変動1次判定値の各値と一致の場合)、ステップSB4において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動2次抽選用乱数の値が、大当り用の変動2次判定値の「NR系」に定めた判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前変動2次判定」と示す)。この事前変動2次判定において、主制御用CPU30aは、現在の特図変動パターンの選択状態(入賞検知時の選択状態)に応じた大当り用の変動2次判定値に定める各値を用いる。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された変動2次抽選用乱数の値が、後に行う変動2次抽選で「NR系」とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップSB4の判定結果が肯定の場合(変動2次判定値の各値と一致の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(NR系)テーブルTA2を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(NR系)テーブルTS2を用いることを特定する。これにより、主制御用CPU30aは、変動3次抽選の結果を事前に判定しなくても、図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)が変動1次抽選の当選のもとのNR系であることを特定する。さらに主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB4を肯定判定することで特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB5)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定を肯定(ステップSB2を肯定)としているので、演出内容として大当りに基づく当り演出(リーチ演出)を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB5で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
ステップSB4の判定結果が否定の場合(変動2次判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(SR系)テーブルTA3を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(SR系)テーブルTS3を用いることを特定する。これにより、主制御用CPU30aは、変動3次抽選の結果を事前に判定しなくても、図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)が変動1次抽選の当選のもとのSR系であることを特定する。さらに主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB4を否定判定することで特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB6)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定を肯定(ステップSB2を肯定)としているので、演出内容として大当りに基づく当り演出(リーチ演出)を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB6で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
一方、ステップSB3の判定結果が否定の場合(変動1次判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。この場合に、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動3次抽選用乱数に基づき特図変動パターンとして選択されるパターンから図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)を特定する(ステップSB7)。さらにステップSB7において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSB7において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理で当り演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSB7において、主制御用CPU30aは、変動3次抽選用乱数の値が範囲RAaに含まれていれば「NR系」のリーチ演出を特定する。一方、ステップSB7において、主制御用CPU30aは、変動3次抽選用乱数の値が範囲RAbに含まれていれば「SR系」のリーチ演出を特定する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB7で特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB8)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定を肯定(ステップSB2を肯定)としているので、演出内容として大当りに基づく当り演出(リーチ演出)を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB8で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
続いて、ステップSB2からステップSB9に移行すると主制御用CPU30aは、図11の特別図柄入力処理のステップSA4で取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前小当り判定」と示す)。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う小当り判定で小当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップSB9の判定結果が否定の場合(小当り判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、図18のステップSB12に移行する。一方、ステップSB9の判定結果が肯定の場合(小当り判定値の各値と一致の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。この場合に、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動3次抽選用乱数に基づき特図変動パターンとして選択されるパターンから図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)を特定する(ステップSB10)。さらにステップSB10において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSB10において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理で当り演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSB10において、主制御用CPU30aは、変動3次抽選用乱数の値が範囲RAaに含まれていれば「NR系」のリーチ演出を特定する。一方、ステップSB10において、主制御用CPU30aは、変動3次抽選用乱数の値が範囲RAbに含まれていれば「SR系」のリーチ演出を特定する。なお、本実施形態では、事前小当り判定が肯定の場合、変動1次抽選及び変動2次抽選を行わないので、これらに対する事前判定を行わない。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB10で特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB11)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前小当り判定を肯定(ステップSB9を肯定)としているので、演出内容として小当りに基づく当り演出(リーチ演出)を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB11で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
一方、ステップSB9から図18のステップSB12に移行すると主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動1次抽選用乱数の値が、はずれ用の変動1次判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(事前変動1次判定)。この事前変動1次判定において、主制御用CPU30aは、現在の特図変動パターンの選択状態(入賞検知時の選択状態)に応じたはずれ用の変動1次判定値に定める各値を用いる。
ステップSB12の判定結果が肯定の場合(変動1次判定値の各値と一致の場合)、ステップSB13において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動2次抽選用乱数の値が、はずれ用の変動2次判定値の「NR系」に定めた判定値と一致するか否かを判定する(事前変動2次判定)。この事前変動2次判定において、主制御用CPU30aは、現在の特図変動パターンの選択状態(入賞検知時の選択状態)に応じたはずれ用の変動2次判定値に定める各値を用いる。
ステップSB13の判定結果が肯定の場合(変動2次判定値の各値と一致の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(NR系)テーブルTA2を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(NR系)テーブルTS2を用いることを特定する。これにより、主制御用CPU30aは、変動3次抽選の結果を事前に判定しなくても、図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)が変動1次抽選の当選のもとのNR系であることを特定する。さらに主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB13を肯定判定することで特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB14)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定及び事前小当り判定を否定(ステップSB2及びステップSB9を否定)としているので、演出内容としてはずれに基づくはずれリーチ演出を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB14で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
ステップSB13の判定結果が否定の場合(変動2次判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次当選(SR系)テーブルTA3を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次当選(SR系)テーブルTS3を用いることを特定する。これにより、主制御用CPU30aは、変動3次抽選の結果を事前に判定しなくても、図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)が変動1次抽選の当選のもとのSR系であることを特定する。さらに主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB13を否定判定することで特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB15)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定及び事前小当り判定を否定(ステップSB2及びステップSB9を否定)としているので、演出内容としてはずれに基づくはずれリーチ演出を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB15で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
一方、ステップSB12の判定結果が否定の場合(変動1次判定値の各値と不一致の場合)、ステップSB16において、特別図柄入力処理のステップSA4で取得したリーチ判定用乱数の値が、変短状態「無」の特図保留記憶数「3」のリーチ判定値の各値、すなわち「0〜4」であるか否かを判定する(以下、この判定を「事前リーチ判定」と示す)。本実施形態では、図4に示したように、リーチ判定用乱数の値が「0〜4」であれば、特別図柄開始処理でのリーチ判定時の内部制御状態や特図保留記憶数にかかわらずリーチ判定で肯定が確定する。したがって、ステップSB16において、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値が、「0〜4」であるか否かを判定することにより、リーチ確定(特別図柄開始処理でのリーチ判定で確実に肯定)とされるか否かを事前判定する。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶されたリーチ判定用乱数の値が、後に行うリーチ判定で確実にリーチとする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップSB16の判定結果が肯定の場合(リーチ確定の場合)、主制御用CPU30aは、後に行う特図変動パターンの選択に際し、1次非当選テーブル(TA1,TS1)を用いることを事前判定することになる。この場合に、主制御用CPU30aは、「低高なし」であれば、1次非当選テーブルTA1を用いることを特定する。一方、主制御用CPU30aは、「低高なし(特)」であれば、特殊1次非当選テーブルTS1を用いることを特定する。この場合に、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した変動3次抽選用乱数に基づき特図変動パターンとして選択されるパターンから図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)を特定する(ステップSB17)。さらにステップSB17において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSB17において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理ではずれリーチ演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSB17において、主制御用CPU30aは、変動3次振分用乱数の値が範囲RRaに含まれていれば「NR系」のリーチ演出を特定する。一方、ステップSB17において、主制御用CPU30aは、特図変動パターン振分用乱数の値が範囲RRbに含まれていれば「SR系」のリーチ演出を特定する。
一方、ステップSB16の判定結果が否定の場合(リーチ可能性ありの場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB16を否定判定することで特定した内容(演出内容及び保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB19)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定及び事前小当り判定及び事前リーチ判定を否定(ステップSB2及びステップSB9及びステップSB16を否定)としているので、演出内容としてはずれに基づくはずれ演出(リーチなし)を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB19で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、ステップSB3又はステップSB12の事前変動1次判定を肯定とする場合に、事前判定する始動保留球を対象とする保留予告演出を実行させること(「可」)を、主制御用CPU30aが決定する。すなわち、事前変動1次判定は、事前判定する始動保留球を対象とする保留予告演出を実行させるか否かを判定(抽選)する処理である。一方、本実施形態では、ステップSB3又はステップSB12の事前変動1次判定を否定とする場合に、事前判定する始動保留球を対象とする保留予告演出を実行させないこと(「否」)を、主制御用CPU30aが決定する。そして、主制御用CPU30aは、対応する特図先読コマンドを演出制御用CPU31aに出力することで、保留予告演出の実行に関する決定結果(「可」又は「否」)を指示する。したがって、本実施形態では、1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)又は1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)から決定される特図変動パターンに基づく特図変動ゲームを対象として、保留予告演出を実行させることになる。一方、本実施形態では、1次非当選テーブル(TA1,TS1,TB1)から決定される特図変動パターンに基づく特図変動ゲームを対象として、保留予告演出を実行させないことになる。
なお、本実施形態では、ステップSB3又はステップSB12の肯定判定に伴うステップSB4又はステップSB13の事前変動2次判定により、保留予告演出を実行させることを決定した特図変動ゲームにおける演出内容を特定している。
そして、ステップSB3又はステップSB12の事前変動1次判定において、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が通常選択状態であれば、対応する通常1次判定値の各値を用いて事前変動1次判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が特殊選択状態であれば、対応する特殊1次判定値の各値を用いて事前変動1次判定を行う。このため、本実施形態では、大当りの事前判定時、特殊選択状態及び通常選択状態のいずれであっても、同一確率で保留予告演出を実行させることを決定する事前変動1次判定が行われる。また、本実施形態では、はずれの事前判定時、特殊選択状態で通常選択状態よりも、保留予告演出を実行させることを決定し易い事前変動1次判定が行われる。その結果、本実施形態における事前変動1次判定は、特殊選択状態で通常選択状態よりも、保留予告演出を実行させることを決定し易い(高い割合で決定する)ことになる。したがって、図柄Bの大当り又は図柄Dの小当りの当選により、特図変動パターンの選択状態の特殊選択状態への遷移後には、事前変動1次判定を肯定とし易い状態、すなわち保留予告演出を実行させることを、通常選択状態よりも決定し易い状態に設定される。
このため、本実施形態では、保留予告演出の出現具合(到来具合)により、確変状態であるか否かを遊技者に分かり難い状態であって、確変状態が付与されていることに対して期待を持てることを遊技者に把握させ得る。また、このような特殊選択状態は、これと同期して設定される確変潜伏モードでの状態でもある。このため、本実施形態では、特殊選択状態において、演出モード(確変潜伏モード)と、演出(保留予告演出)により、確変状態が付与されていることに対して期待を持てる場面であることを遊技者に把握させ得る。なお、確変潜伏モードでは、通常モード(通常選択状態)よりも保留予告演出を実行させ易い(高い割合で実行させる)ことにもなる。本実施形態では、保留予告演出を実行させることになる演出内容(変動内容)が特定の変動内容となる。
また、ステップSB4又はステップSB13の事前変動2次判定において、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が通常選択状態であれば、対応する通常2次判定値の各値を用いて事前変動2次判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、特図変動パターンの選択状態が特殊選択状態であれば、対応する特殊2次判定値の各値を用いて事前変動2次判定を行う。
このため、本実施形態では、保留予告演出を実行させることの決定時、大当りの事前判定時であって、特殊選択状態で通常選択状態よりも、「NR系」を特定し易い(「SR系」を特定し難い)事前変動2次判定が行われる。また、本実施形態では、保留予告演出を実行させることの決定時、はずれの事前判定時であれば、特殊選択状態で通常選択状態よりも、「NR系」を特定し易い(「SR系」を特定し難い)事前変動2次判定が行われる。その結果、本実施形態における事前変動2次判定は、保留予告演出を実行させることの決定時、特殊選択状態で通常選択状態よりも、「NR系」を特定し易いことになる。
このようにして始動入賞口で遊技球の入球検知(入賞検知)時、その時に取得される乱数の各値が示す図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する主制御用CPU30aが事前判定手段として機能する。
次に、特図先読コマンド設定処理で設定し、出力する各種特図先読コマンドについて、図19に基づき説明する。なお、各種特図先読コマンドは、「CMD1」と示す上位バイトと、「CMD2」と示す下位バイトで構成されている。
特図先読コマンドは、各種事前判定(事前大当り判定、事前小当り判定、事前変動1次判定、事前変動2次判定、事前リーチ判定)に基づく保留予告演出を実行させるか否かなどの演出内容(図柄変動ゲームの演出内容)、及び事前判定時の特図保留記憶数として何番目であるか(保留)を指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU30aは、特図先読コマンドとして、上位バイトが「E5H」で下位バイトが「00H〜43H」で構成される43種類のコマンドを出力可能になっている。なお、本実施形態では、上位バイトが「E5H」のコマンドであれば特図先読コマンドが示され、下位バイトにより分類される。なお、図19で「抽選結果」は、事前大当り判定及び事前小当り判定で判定した特別図柄開始処理における抽選結果を示す。「大当り」は、事前大当り判定の判定結果が肯定の場合を示す。「小当り」は、事前小当り判定の判定結果が肯定の場合を示す。「はずれ」は、事前大当り判定及び事前小当り判定の判定結果が否定の場合を示す。また、図19で「保留」は、事前判定時の特図保留記憶数であって何番目に記憶されているかを示す。「保留」が「1」は「1番目に記憶されている」こと、「保留」が「2」は「2番目に記憶されている」こと、「保留」が「3」は「3番目に記憶されている」こと、「保留」が「4」は「4番目に記憶されている」ことを示す。また、図19で「保留予告演出」は、保留予告演出を実行させることが決定されているかを示す。「可」は事前判定する始動保留球を対象とする保留予告演出を実行させること、「否」は事前判定する始動保留球を対象とする保留予告演出を実行させないことを示す。また、図19で「演出内容」は、事前判定時に特定した演出内容を示す。
そして、特図先読コマンドは、下位バイトが「00H〜03H」であれば、「大当り」と、「可」と、「SR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「00H〜03H」は、保留予告演出を実行させること、特別図柄開始処理において、大当り判定で「当選」、変動1次抽選で「当選」、変動2次抽選により1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)が選択されること(SR系の特図変動パターンが決定されること)を事前判定する場合に設定される。なお、「00H」は保留「1」、「01H」は保留「2」、「02H」は保留「3」、「03H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「04H〜07H」であれば、「大当り」と、「可」と、「NR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「04H〜07H」は、保留予告演出を実行させること、特別図柄開始処理において、大当り判定で「当選」、変動1次抽選で「当選」、変動2次抽選により1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)が選択されること(NR系の特図変動パターンが決定されること)を事前判定する場合に設定される。なお、「04H」は保留「1」、「05H」は保留「2」、「06H」は保留「3」、「07H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「08H〜11H」であれば、「大当り」と、「否」と、「SR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「08H〜11H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、大当り判定で「当選」、変動1次抽選で「非当選」により1次非当選テーブル(TA1,TS1)が選択され、さらにSR系の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「08H」は保留「1」、「09H」は保留「2」、「10H」は保留「3」、「11H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「12H〜15H」であれば、「大当り」と、「否」と、「NR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「12H〜15H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、大当り判定で「当選」、変動1次抽選で「非当選」により1次非当選テーブル(TA1,TS1)が選択され、さらにNR系の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「12H」は保留「1」、「13H」は保留「2」、「14H」は保留「3」、「15H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「16H〜19H」であれば、「はずれ」と、「否」と、「リーチ可能性あり」を指定する。すなわち、下位バイトが「16H〜19H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、リーチ判定(大当り判定で「非当選」)で、当選が確定しないことを事前判定する場合に設定される。なお、「16H」は保留「1」、「17H」は保留「2」、「18H」は保留「3」、「19H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「20H〜23H」であれば、「はずれ」と、「可」と、「リーチ確定(NR系)」を指定する。すなわち、下位バイトが「20H〜23H」は、保留予告演出を実行させること、特別図柄開始処理において、リーチ判定で、当選が確定すること、変動1次抽選で「当選」、変動2次抽選により1次当選(NR系)テーブル(TA2,TS2)が選択されること(NR系の特図変動パターンが決定されること)を事前判定する場合に設定される。なお、「20H」は保留「1」、「21H」は保留「2」、「22H」は保留「3」、「23H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「24H〜27H」であれば、「はずれ」と、「可」と、「リーチ確定(SR系)」を指定する。すなわち、下位バイトが「24H〜27H」は、保留予告演出を実行させること、特別図柄開始処理において、リーチ判定で、当選が確定すること、変動1次抽選で「当選」、変動2次抽選により1次当選(SR系)テーブル(TA3,TS3)が選択されること(SR系の特図変動パターンが決定されること)を事前判定する場合に設定される。なお、「24H」は保留「1」、「25H」は保留「2」、「26H」は保留「3」、「27H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「28H〜31H」であれば、「はずれ」と、「否」と、「リーチ確定(NR系)」を指定する。すなわち、下位バイトが「28H〜31H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、リーチ判定で、当選が確定すること、変動1次抽選で「非当選」により1次非当選テーブル(TA1,TS1)が選択され、さらにNR系の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「28H」は保留「1」、「29H」は保留「2」、「30H」は保留「3」、「31H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「32H〜35H」であれば、「はずれ」と、「否」と、「リーチ確定(SR系)」を指定する。すなわち、下位バイトが「32H〜35H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、リーチ判定で、当選が確定すること、変動1次抽選で「非当選」により1次非当選テーブル(TA1,TS1)が選択され、さらにSR系の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「32H」は保留「1」、「33H」は保留「2」、「34H」は保留「3」、「35H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「36H〜39H」であれば、「小当り」と、「否」と、「NR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「36H〜39H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、小当り判定で「当選」、1次非当選テーブル(TA1,TS1)が選択され、さらにNR系の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「36H」は保留「1」、「37H」は保留「2」、「38H」は保留「3」、「39H」は保留「4」を指定する。
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「40H〜43H」であれば、「小当り」と、「否」と、「SR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「40H〜43H」は、保留予告演出を実行させないこと、特別図柄開始処理において、小当り判定で「当選」、1次非当選テーブル(TA1,TS1)が選択され、さらにSR系の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「40H」は保留「1」、「41H」は保留「2」、「42H」は保留「3」、「43H」は保留「4」を指定する。
本実施形態において図11の特別図柄入力処理におけるステップSA5の特図先読コマンド設定処理は、図13の特別図柄開始処理におけるステップSC6の大当り判定(ステップSC16の小当り判定)に対し、特定状況を除き、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、特図先読コマンド設定処理を含む特別図柄入力処理は、始動入賞口へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、特図先読コマンド設定処理は、図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)の実行中や当り遊技中(大当り遊技中又は小当り遊技中)であっても、始動入賞口へ入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、特別図柄開始処理は、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、特別図柄開始処理に基づく大当り判定(小当り判定)は、図柄変動ゲームの実行条件が成立した場合(図柄変動ゲームの実行中ではなく、かつ当り遊技中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、大当り判定(小当り判定)は、図柄変動ゲームの実行中や当り遊技中には実行されない。
このような構成により、特図先読コマンド設定処理は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、特図先読コマンド設定処理の対象となった始動保留球に基づく大当り判定(小当り判定)は、当該始動保留球の入球時の状態(図柄変動ゲームの実行中であるか否か、当り遊技中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、特図先読コマンド設定処理は、大当り判定(小当り判定)に比して先に実行されることから事前判定となる。なお、特定状況とは、始動保留球が「0(零)」であって、図柄変動ゲームも行われていない状況である。この場合、入球によって生じた始動保留球に対応する図柄変動ゲームが、見た目上、入球とほぼ同一タイミング(制御的には処理の関係上、所定の制御周期分ずれる)で行われることになる。したがって、特定状況の場合、特図先読コマンド設定処理と大当り判定(小当り判定)は、制御上、多少の時間差は生じ得るが、特定状況ではない場合に比べて時間差は生じ得ない。
次に、主制御用CPU30aが、ゲート19への入賞検知時に行う普図先読コマンド設定処理の処理内容を図20に基づき説明する。
普図先読コマンド設定処理のステップSE1において、主制御用CPU30aは、変短状態であるか否かを判定する。ステップSE1の判定結果が肯定の場合(変短状態の場合)、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理を終了する。
一方、ステップSE1の判定結果が否定の場合(非変短状態の場合)、ステップSE2において、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理のステップSD4で取得した普図当り判定用乱数の値が、普図当り判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前普図当り判定」と示す)。この事前普図当り判定において主制御用CPU30aは、低確率用の普図当り判定値の各値を用いて事前普図当り判定を行う。このように主制御用CPU30aは、ゲート19で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された普図当り判定用乱数の値が、後に行う普図当り判定で普図当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップSE2の判定結果が否定の場合(普図当り判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、ステップSE5に移行する。一方、ステップSE2の判定結果が肯定の場合(普図当り判定値の各値と一致の場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理のステップSD4で取得した普図変動パターン振分用乱数に基づき普図変動パターンとして選択されるパターンから普図ゲームの演出時間(変動内容)を特定する(ステップSE3)。さらにステップSE3において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された普通図柄入力処理のステップSD3の書き換え後の普図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理で普図当り演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普図変動パターン振分用乱数の値が範囲Raaに含まれていれば「5秒」の演出時間を特定する。一方、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普図変動パターン振分用乱数の値が範囲Rabに含まれていれば「8秒」の演出時間を特定する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSE3で特定した演出時間及び保留記憶数に応じた普図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSE4)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前普図当り判定を肯定(ステップSE2を肯定)としているので、演出時間として「5秒」及び「8秒」のいずれかを特定する。主制御用CPU30aは、ステップSE4で設定した普図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、普図先読コマンドについては、後で詳述する。その後、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理を終了する。
続いて、ステップSE2からステップSE5に移行すると、主制御用CPU30aは、演出時間、及び主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSD3の書き換え後の普図保留記憶数(保留記憶数)に応じた普図先読コマンドを設定(決定)する。なお、この場合には、主制御用CPU30aは、事前普図当り判定を否定としているので、演出時間として「8秒」のみを特定する。主制御用CPU30aは、ステップSE5で設定した普図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
このようにしてゲート19で遊技球の通過検知(入賞検知)時、その時に取得される乱数の各値が示す普図ゲームの演出内容(演出時間)を事前判定する主制御用CPU30aが普通事前判定手段として機能する。
次に、普図先読コマンド設定処理で設定し、出力する各種普図先読コマンドについて、図21に基づき説明する。なお、各種普図先読コマンドは、「CMD1」と示す上位バイトと、「CMD2」と示す下位バイトで構成されている。
普図先読コマンドは、事前普図当り判定(普通図柄開始処理における抽選結果)、事前普図当り判定時の普図保留記憶数として何番目であるか(保留)、及び演出時間(普図ゲームの演出内容)を指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU30aは、普図先読コマンドとして、上位バイトが「F5H」で下位バイトが「00H〜11H」で構成される12種類のコマンドを出力可能になっている。なお、本実施形態では、上位バイトが「F5H」のコマンドであれば普図先読コマンドが示され、下位バイトにより分類される。なお、図21で「抽選結果」は、事前普図当り判定で判定した普通図柄開始処理における抽選結果を示す。「普図当り」は、事前普図当り判定の判定結果が肯定の場合を示す。「普図はずれ」は、事前普図当り判定の判定結果が否定の場合を示す。また、図21で「保留」は、事前普図当り判定時の普図保留記憶数であって何番目に記憶されているかを示す。「保留」が「1」は「1番目に記憶されている」こと、「保留」が「2」は「2番目に記憶されている」こと、「保留」が「3」は「3番目に記憶されている」こと、「保留」が「4」は「4番目に記憶されている」ことを示す。また、図21で「演出内容」は、事前判定時に特定した演出内容(演出時間)を示す。
そして、普図先読コマンドは、下位バイトが「00H〜03H」であれば、「普図当り」と、「5秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「00H〜03H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「当選」、普通図柄開始処理で「5秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「00H」は保留「1」、「01H」は保留「2」、「02H」は保留「3」、「03H」は保留「4」を指定する。
また、普図先読コマンドは、下位バイトが「04H〜07H」であれば、「普図当り」と、「8秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「04H〜07H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「当選」、普通図柄開始処理で「5秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「04H」は保留「1」、「05H」は保留「2」、「06H」は保留「3」、「07H」は保留「4」を指定する。
また、普図先読コマンドは、下位バイトが「08H〜11H」であれば、「はずれ」と、「8秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「08H〜11H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「非当選」で、普通図柄開始処理で「8秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「08H」は保留「1」、「09H」は保留「2」、「10H」は保留「3」、「11H」は保留「4」を指定する。
また、本実施形態において図15の普通図柄入力処理におけるステップSD5の普図先読コマンド設定処理は、図16の普通図柄開始処理におけるステップSF6の普図当り判定に対し、特定状況を除き、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、普図先読コマンド設定処理を含む普通図柄入力処理は、ゲート19へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、普図先読コマンド設定処理は、普図ゲームの実行中や普図当り遊技中であっても、ゲート19を入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、普通図柄開始処理は、始動保留球に基づく普図ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、普通図柄開始処理に基づく普図当り判定は、普図ゲームの実行条件が成立した場合(普図ゲームの実行中ではなく、かつ普図当り遊技中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、普図当り判定は、普図ゲームの実行中や普図当り遊技中には実行されない。
このような構成により、普図先読コマンド設定処理は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、普図先読コマンド設定処理の対象となった始動保留球に基づく普図当り判定は、当該始動保留球の入球時の状態(普図ゲームの実行中であるか否か、普図当り遊技中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、普図先読コマンド設定処理は、普図当り判定に比して先に実行されることから事前判定となる。なお、特定状況とは、始動保留球が「0(零)」であって、普図ゲームも行われていない状況である。この場合、入球によって生じた始動保留球に対応する普図ゲームが、見た目上、入球とほぼ同一タイミング(制御的には処理の関係上、所定の制御周期分ずれる)で行われることになる。したがって、特定状況の場合、普図先読コマンド設定処理と普図当り判定は、制御上、多少の時間差は生じ得るが、特定状況ではない場合に比べて時間差は生じ得ない。
次に、特図先読コマンド及び普図先読コマンドの入力に基づいて演出制御用CPU31aが行う処理内容を図22〜図27に基づき説明する。
演出制御用CPU31aは、特図先読コマンドを入力すると、該コマンドで指定される特図保留記憶数に対応付けて演出制御用RAM31cの所定の記憶領域としての特別図柄種別エリアに必要な情報を格納(設定)する。演出制御用CPU31aは、保留「1」を指定する特図先読コマンドを入力すると、特図保留記憶数「1」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「2」を指定する特図先読コマンドを入力すると、特図保留記憶数「2」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「3」を指定する特図先読コマンドを入力すると、特図保留記憶数「3」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「4」を指定する特図先読コマンドを入力すると、特図保留記憶数「4」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。
そして、演出制御用CPU31aは、図22に示すように、入力する特図先読コマンドに基づき、特別図柄種別エリアに「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「10」の情報をそれぞれ設定する。なお、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに格納する情報から、事前判定による図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)の演出内容と、該図柄変動ゲームの最低変動時間を特定する。
演出制御用CPU31aは、下位バイトが「00H〜03H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「0」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「可」、「大当り」、「SR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンASP1,ASP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「0」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させることと、SR系の当り演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、SR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間である「32秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「04H〜07H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「1」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「可」、「大当り」、「NR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンANP1,ANP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「1」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させることと、NR系の当り演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、NR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間である「22秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「08H〜11H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「2」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「大当り」、「SR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンASP1,ASP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「2」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、SR系の当り演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、SR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間である「32秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「12H〜15H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「3」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「大当り」、「NR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンANP1,ANP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「3」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、NR系の当り演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、NR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間である「22秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「16H〜19H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「4」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「リーチ可能性あり」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンHP1,HP2,HP3,NRP1,NRP2,SRP1,SRP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「4」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、リーチ可能性ありを特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンの最低変動時間である「3秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「20H〜23H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「5」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「可」、「リーチ確定」、「NR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンNRP1,NRP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「5」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させることと、NR系のはずれリーチ演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、NR系のはずれリーチ演出用の変動パターンの最低変動時間である「20秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「24H〜27H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「6」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「可」、「リーチ確定」、「SR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンSRP1,SRP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「6」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させることと、SR系のはずれリーチ演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、SR系のはずれリーチ演出用の変動パターンの最低変動時間である「30秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「28H〜31H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「7」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「リーチ確定」、「NR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンNRP1,NRP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「6」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、NR系のはずれリーチ演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、NR系のはずれリーチ演出用の変動パターンの最低変動時間である「20秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「32H〜35H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「8」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「リーチ確定」、「SR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンSRP1,SRP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「8」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、SR系のはずれリーチ演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、SR系のはずれリーチ演出用の変動パターンの最低変動時間である「30秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「36H〜39H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「9」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「小当り」、「NR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンANP1,ANP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「9」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、NR系の当り演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、NR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間である「22秒」を特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「40H〜43H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「10」を格納する。この場合の特図先読コマンドは、「否」、「小当り」、「SR系」の演出内容を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンASP1,ASP2のいずれかであることが特定されている。したがって、特別図柄種別エリアに「10」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないことと、SR系の当り演出を特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、SR系の当り演出用の変動パターンの最低変動時間である「32秒」を特定する。
そして、演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると保留「1」に対応付けられた特別図柄種別エリアに記憶されている情報を読み出して、「変動中」に対応付けられた特別図柄種別エリアに設定(記憶)する。合わせて演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドで指定される特図変動パターンに基づく演出時間も設定する。「変動中」に対応付けられた特別図柄種別エリアは、実行中の図柄変動ゲームに関する情報を設定するための記憶領域である。そして、「変動中」の特別図柄種別エリアに設定される情報は、対象の図柄変動ゲームの終了(図柄停止コマンドの入力)に伴って消去される。
また、演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、保留「1」に対応付けられた特別図柄種別エリアの情報を、保留「2」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「2」に対応付けられた特別図柄種別エリアの情報を、保留「3」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「3」に対応付けられた特別図柄種別エリアの情報を、保留「4」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に、演出制御用CPU31aは、保留「4」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報を、クリア(消去)する。このように演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力して、図柄変動ゲームの実行が指示される毎に特別図柄種別エリアの情報を処理する。
なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了時(エンディング演出の終了時)に、特別図柄種別エリアの全情報を消去する。これにより、本実施形態において、大当りの当選後の事前判定や、大当り遊技中の始動保留球に基づく事前判定については、無効とされる(反映されない)。また、本実施形態において、事前判定時と実際の図柄変動ゲームの実行時とで内部制御状態が変化してしまう場面での事前判定については、無効とされる(反映されない)。すなわち、演出制御用CPU31aは、特図変動パターンの選択状態の遷移(通常選択状態→特殊選択状態、又は特殊選択状態→通常選択状態)に合わせて、特別図柄種別エリアの全情報を消去する。
また、演出制御用CPU31aは、普図先読コマンドを入力すると、該コマンドで指定される普図保留記憶数に対応付けて演出制御用RAM31cの所定の記憶領域としての普通図柄種別エリアに必要な情報を格納(設定)する。演出制御用CPU31aは、保留「1」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「1」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「2」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「2」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「3」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「3」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「4」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「4」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。
そして、演出制御用CPU31aは、図23に示すように、入力する普図先読コマンドに基づき、普通図柄種別エリアに「A」、「B」、「C」の情報をそれぞれ設定する。なお、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに格納する情報から、事前判定による普図ゲームの演出内容(演出時間)を特定する。
演出制御用CPU31aは、下位バイトが「00H〜03H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「A」を格納する。この場合の普図先読コマンドは、演出内容として「5秒」の普図当り(普図当り:5秒)を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンap1であることが特定されている。したがって、普通図柄種別エリアに「A」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「5秒」の普図当りを特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「04H〜07H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「B」を格納する。この場合の普図先読コマンドは、演出内容として「8秒」の普図当り(普図当り:8秒)を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンap2であることが特定されている。したがって、普通図柄種別エリアに「B」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「8秒」の普図当りを特定する。
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「08H〜11H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「C」を格納する。この場合の普図先読コマンドは、演出内容として「8秒」の普図はずれ(普図はずれ:8秒)を指定していることから、主制御用CPU30aの事前判定により、変動パターンhp1であることが特定されている。したがって、普通図柄種別エリアに「C」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「8秒」の普図はずれを特定する。
そして、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力すると保留「1」に対応付けられた普通図柄種別エリアに記憶されている情報を読み出して、「変動中」に対応付けられた普通図柄種別エリアに設定(記憶)する。「変動中」に対応付けられた普通図柄種別エリアは、実行中の普図ゲームに関する情報を設定するための記憶領域である。なお、本実施形態では、普通図柄種別エリアに記憶する情報(事前判定の情報)から普図ゲームの演出時間を特定できる。そして、「変動中」の普通図柄種別エリアに設定される情報は、対象となる普図ゲームの終了と判断する場合に消去される。演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドの入力からの経過時間を計時することで、普図ゲームの終了を判断する。なお、普通ゲームの終了に関しては、実際の終了と演出制御用CPU31aでの終了の判断にずれを生じる場合もある。このため、「変動中」の普通図柄種別エリアに設定される情報は、演出制御用CPU31aでの終了の判断よりも前に次の普図ゲームの開始が指示されれば、保留「1」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に更新される。
また、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力すると、保留「1」に対応付けられた普通図柄種別エリアの情報を、保留「2」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「2」に対応付けられた普通図柄種別エリアの情報を、保留「3」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「3」に対応付けられた普通図柄種別エリアの情報を、保留「4」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に、演出制御用CPU31aは、保留「4」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報を、クリア(消去)する。このように演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力して、普図ゲームの開始が指示される毎に普通図柄種別エリアの情報を処理する。
なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了時(エンディング演出の終了時)に、普通図柄種別エリアの全情報を消去する。これにより、本実施形態において、大当りの当選後の事前判定や、大当り遊技中の始動保留球に基づく事前判定については、無効とされる(反映されない)。また、本実施形態において、事前判定時と実際の普図ゲームの実行時とで内部制御状態が変化してしまう場面での事前判定については、無効とされる(反映されない)。
次に、本実施形態における保留予告演出について説明する。
本実施形態における保留予告演出は、特定の図柄変動ゲーム(保留予告演出の対象とする図柄変動ゲーム)であることを、特定の図柄変動ゲームでない場合の個別表示領域と異なる表示態様で画像表示させることにより、遊技者に報知する。そして、特定の図柄変動ゲームは、個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示させることで報知される。一方、特定の図柄変動ゲームでない図柄変動ゲームは、個別表示領域が白抜きの丸(「○」)で画像表示されることで報知される。そして、このように個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示されることにより、特定の図柄変動ゲームが報知されている状況は、保留予告演出の実行中(先読み中)という状況となる。なお、本実施形態における個別表示領域は、対象となる図柄変動ゲームの実行開始に伴って画像表示部GHから消去される。このため、特定の図柄変動ゲームの報知は、該特定の図柄変動ゲームの開始に伴って終了される。したがって、保留予告演出の実行中という状況は、個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示されてから、特定の図柄変動ゲームの開始に伴って該個別表示領域が画像表示部GHから消去されるまでとなる。
さらに本実施形態における保留予告演出の実行中は、該実行中に始動入賞口での入賞検知を契機に、該始動入賞口への入賞とほぼ同タイミング(入賞タイミング)で、特定の図柄変動ゲームに対応する個別表示領域の表示態様を、色付きの丸(「●」)からさらに変化(発展)させるようになっている。すなわち、保留予告演出の演出内容が、色付きの丸(「●」)から他の演出内容に変化する。そして、保留予告演出の実行中における個別表示領域の表示態様の発展は、該発展の態様から特定の図柄変動ゲームの演出内容(リーチ演出)を遊技者に報知するようになっている。本実施形態における図柄変動ゲームの演出内容は、リーチ演出がNR系であるかSR系であるかにより、大当り期待度が異なるようになっている。このため、本実施形態の保留予告演出の実行中における個別表示領域の表示態様の発展は、特定の図柄変動ゲームの大当り期待度を遊技者に示唆することになる。
次に、演出制御用CPU31aが、保留予告演出を実行させるために実行する保留予告演出設定処理や保留予告演出実行処理などの各種処理について説明する。本実施形態の演出制御用CPU31aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に保留予告演出設定処理(図25)及び保留予告演出実行処理(図26)を実行するようになっている。
最初に、演出制御用CPU31aが、特図先読コマンドを入力する場合に実行する保留予告演出設定処理について説明する。なお、演出制御用CPU31aは、所定の制御周期毎に特図先読コマンドを入力したか否か(すなわち、特別図柄種別エリアに新たに情報を格納したか否か)を判定し、特図先読コマンドを入力したと判定する場合に、保留予告演出を実行する。また、演出制御用CPU31aは、保留予告演出の実行中でない場合に、保留予告演出設定処理を実行する。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに保留予告演出の実行中であるかどうかを示す情報(後述する実行中フラグ)を設定している。なお、演出制御用CPU31aは、変短状態の終了後、4回分の特図変動ゲームの実行後、及び4回分の普図ゲームの実行後でなければ、保留予告演出設定処理を実行しないようになっている。すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリア及び普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」に情報が設定され得る場面で保留予告演出設定処理を実行する。
図25に示すように、保留予告演出設定処理において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出実行可か否かを判定する(ステップSG1)。ステップSG1において、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに「0」,「1」,「5」,「6」のいずれかの情報を新たに格納する場合に保留予告演出実行可を特定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aにより、保留予告演出を実行させることが事前判定されている場合に、ステップSG1を肯定とする。一方、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに「0」,「1」、「5」、「6」以外の情報を新たに格納する場合に保留予告演出実行不可を特定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aにより、保留予告演出を実行させることが事前判定されていない場合に、ステップSG1を否定とする。そして、ステップSG1の判定結果が否定の場合(保留予告演出実行不可の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理を終了する。
一方、ステップSG1の判定結果が肯定の場合(保留予告演出実行可の場合)、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの普通図柄種別エリアに「A」又は「B」が記憶されているか否かを判定する(ステップSG2)。ステップSG2において、演出制御用CPU31aは、処理時点における普通図柄種別エリアの「変動中」、保留「1」〜「4」の全てを確認することにより、判定する。そして、ステップSG2の判定結果が否定の場合(普通図柄種別エリアに「A」又は「B」が記憶されていない場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理を終了する。なお、ステップSG2において、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに情報が格納されているか(普図先読コマンドを入力しているか)を少なくとも判定することになる。すなわち、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに情報が格納されていない(普図先読コマンドを入力していない)状況であれば、ステップSG2の判定結果を肯定とはし得ない。
一方、ステップSG2の判定結果が肯定の場合(普通図柄種別エリアに「A」又は「B」が記憶されている場合)、演出制御用CPU31aは、保留発展可能期間t1及び特図入賞可能期間t2を算出する(ステップSG3)。ステップSG3において、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアの情報に基づいて保留発展可能期間t1を算出する。また、ステップSG3において、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアの情報に基づいて特図入賞可能期間t2を算出する。
以下、保留発展可能期間t1及び特図入賞可能期間t2の算出手法について説明する。
保留発展可能期間t1の算出に際し、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアにおいて、ステップSG1の判定の対象とした特図保留記憶数よりも先の情報を確認する。そして、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアの「変動中」の情報に基づく図柄変動ゲームの[残時間]と、各保留の情報に基づく[最低変動時間]とを加算することで、保留発展可能期間t1を算出する。[残時間]の算出に際し、演出制御用CPU31aは、「変動中」の特別図柄種別エリアの特図変動パターンに基づく演出時間から、ステップSG3処理時における演出表示装置11の図柄変動ゲームの開始からの経過時間を減算することで、[残時間]を算出する。なお、[残時間]は、「変動中」の図柄変動ゲームが終了して、次の図柄変動ゲームが開始される間であれば「0秒」又は[残時間]自体を加味しない。
以下に具体的な算出手法について図24(a)の例を用いて説明する。
図24(a)は、特別図柄種別エリア(「特図」)において、「変動中」、保留(特保)「1」,「2」,「3」にそれぞれ情報が存在し、保留(特保)「4」への情報の格納時を示す。また、図24(a)は、保留(特保)「4」の情報に基づくステップSG1が肯定判定の場合を示す。この場合、保留発展可能期間t1は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」に基づく[最低変動時間])+(保留「2」に基づく[最低変動時間])+(保留「3」に基づく[最低変動時間])、となる。
このため、本実施形態における保留発展可能期間t1は、ステップSG1の判定の対象とした特図先読コマンドに基づく情報の格納時から、該特図先読コマンドに基づく図柄変動ゲームが開始されるまでの最低時間である。すなわち、保留発展可能期間t1は、事前判定の結果である特別図柄種別エリアの情報に基づいて算出されるので、実際にステップSG1の判定の対象とした図柄変動ゲームが、主制御用CPU30aの特別図柄開始処理により実行されるまでの時間と異なる。
また、特図入賞可能期間t2の算出に際し、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、ステップSG3処理時における「A」又は「B」が格納されている情報とそれよりも先の情報を確認する。なお、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、例えば、保留「2」に「A」又は「B」が格納されていれば、「変動中」、保留「1」、保留「2」の情報を確認する。そして、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアの「変動中」の情報に基づく普図ゲームの[残時間]と、各保留の情報に基づく[変動時間]と、普図当り遊技に基づく[開放時間]とを加算することで、特図入賞可能期間t2を算出する。[残時間]の算出に際し、演出制御用CPU31aは、「変動中」の普通図柄種別エリアの演出時間から、ステップSG3処理時における普図ゲームの開始からの経過時間を減算することで、[残時間]を算出する。なお、[残時間]は、「変動中」の普図ゲームが終了して、次の普図ゲームが開始される間であれば「0秒」又は[残時間]自体を加味しない。また、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、例えば、「変動中」の情報が「A」又は「B」であれば、[残時間]と、[開放時間]とを加算することで、特図入賞可能期間t2を算出する。また、ステップSG3の処理は、普通図柄種別エリアにおいて、「A」又は「B」が格納されている場合に行われるので、「A」又は「B」が格納されている普図ゲームの後に普図当り遊技が行われる。また、本実施形態における[開放時間]は、「5秒」で算出される。
以下に具体的な算出手法について図24(b),(c)の例を用いて説明する。
図24(b)は、普通図柄種別エリア(「普図」)において、「変動中」及び保留(普保)「1」に「普図はずれ」の事前判定の結果が記憶され、保留(普保)「2」に「普図当り」の事前判定の結果が記憶されている場合を示す。この場合、特図入賞可能期間t2は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「2」の普図当りに基づく演出時間)+(普図当り遊技に基づく[開放時間])、となる。
また、図24(c)は、普通図柄種別エリア(「普図」)において、「変動中」及び保留(普保)「1」,「2」,「3」に「普図はずれ」の事前判定の結果が記憶され、保留(普保)「4」に「普図当り」の事前判定の結果が記憶されている場合を示す。この場合、特図入賞可能期間t2は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「2」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「3」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「4」の普図当りに基づく演出時間)+(普図当り遊技に基づく[開放時間])、となる。
このため、本実施形態における特図入賞可能期間t2は、ステップSG3処理時から、普図当り遊技が付与されて開閉羽根16の開放が終了されるまでの最低時間である。すなわち、特図入賞可能期間t2は、事前判定の結果である普通図柄種別エリアの情報に基づいて算出されるので、実際に始動入賞口に遊技球を入賞可能な時間と異なる。
このようにして保留発展可能期間t1及び特図入賞可能期間t2を算出した演出制御用CPU31aは、保留発展可能期間t1>特図入賞可能期間t2(t1>t2)であるか否かを判定する(ステップSG4)。ステップSG4の判定結果が肯定の場合(t1>t2の場合)、演出制御用CPU31aは、実際に保留予告演出を実行することを決定してステップSG6に移行する。
一方、ステップSG4の判定結果が否定の場合(t1≦t2の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実際に実行させるか否かの実行抽選に当選したか否かを判定する(ステップSG5)。本実施形態における実行抽選は、所定の乱数を用いて行われるようになっており、2分の1(50%)の当選確率で行われる。そして、ステップSG5の判定結果が肯定の場合(実行抽選に当選の場合)、演出制御用CPU31aは、実際に保留予告演出を実行することを決定してステップSG6に移行する。一方、ステップSG5の判定結果が否定の場合(実行抽選に非当選の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理を終了する。
ステップSG4又はステップSG5からステップSG6に移行すると演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの実行中フラグに「1」を設定し、保留予告演出設定処理を終了する。なお、本実施形態では、実行中フラグに「1」を設定する契機となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、特定の図柄変動ゲームとなる。具体的に、ステップSG4が肯定判定の場合には、図24(a)と図24(b)の例によれば、保留発展可能期間t1>特図入賞可能期間t2となる。このような状況では、保留予告演出を実行させると保留発展可能期間t1の間に、開閉羽根16が開放することから、始動入賞口へ遊技球を入賞させることができることが想定される。したがって、ステップSG4が肯定となる、保留予告演出の発展契機が訪れる状況において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させるようになっている。なお、本実施形態における特図入賞可能期間t2としては、[開放時間]の終了までとすることにより、開閉羽根16の開放中に保留発展可能期間t1が終了しないようになっている。このようにして事前普図当り判定の結果に基づき、開閉羽根16の開放の開始が、保留予告演出の実行中となるか否かを判定する演出制御用CPU31aが、可変判定手段として機能する。
一方、ステップSG4が否定判定でステップSG5が肯定判定の場合には、図24(a)と図24(c)の例によれば、保留発展可能期間t1≦特図入賞可能期間t2となる。このような状況では、保留予告演出を実行させると保留発展可能期間t1の間に、開閉羽根16が開放しないが、開閉羽根16が開放しなくても始動入賞口へ遊技球を入賞させることができることが想定される。なお、実際には、特定の図柄変動ゲームの開始までに開閉羽根16が開放することもある。したがって、ステップSG4が否定となる、保留予告演出の発展契機が訪れないと判定される状況においても、実行抽選(ステップSG5)に当選すれば、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させるようになっている。
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」の設定中、保留予告演出の実行中であって、次回の保留予告演出を実行不可能な状況を設定している。また、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させて保留予告演出の終了時(特定の図柄変動ゲームの開始に伴う個別表示領域の消去時)に、演出制御用RAM31cの実行中フラグに「0」を設定することで、次回の保留予告演出を実行可能な状況を設定する。
そして、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で実行中フラグに「1」を設定すると、ステップSG1の判定の対象とした保留に基づく個別表示領域が、特定の図柄変動ゲームであることを遊技者に報知するように、色付きの丸(「●」)で画像表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御することになる。なお、演出制御用CPU31aは、保留コマンドの入力に基づく個別表示領域の表示において、実行中フラグに「1」を設定する契機となる場合であれば、色付きの丸(「●」)を画像表示させる。一方、演出制御用CPU31aは、保留コマンドの入力に基づく個別表示領域の表示において、実行中フラグに「0」を設定する契機となる場合でなければ、白抜きの丸(「○」)を画像表示させる。また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの実行(各特図保留記憶数の減算)に伴って保留コマンドを入力すると、各個別表示領域の表示態様を維持させながら演出表示装置11の表示内容を更新する。
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった特図保留記憶数に基づいて保留予告演出の予告実行回数を演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」の設定後、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、予告実行回数を1減算するとともに、予告実行回数が「0(零)」になると実行中フラグに「0」をセットする(クリアする)。
次に、演出制御用CPU31aが、演出制御用RAM31cの実行中フラグに「1」が設定されている場合に実行する保留予告演出実行処理について説明する。
図26に示すように、保留予告演出実行処理において、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの実行中フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップSH1)。この判定結果が否定の場合(実行中フラグ=1でない場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出実行処理を終了する。一方、ステップSH1の判定結果が肯定の場合(実行中フラグ=1の場合)、演出制御用CPU31aは、特図保留記憶数の保留コマンドを入力したか否かを判定する(ステップSH2)。ステップSH2の保留コマンドは、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて入力する保留コマンドのことである。すなわち、演出制御用CPU31aは、加算による更新が指定される保留コマンドを入力する場合にステップSH2を肯定とする。一方、演出制御用CPU31aは、減算による更新が指定される保留コマンドを入力してもステップSH2を肯定とはしない。
ステップSH2の判定結果が否定の場合(保留コマンド入力でない場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出実行処理を終了する。一方、ステップSH2の判定結果が肯定の場合(保留コマンド入力の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出の発展態様を決定する(ステップSH3)。ステップSH3において、保留予告演出の発展態様の決定に際し、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった始動保留球の特別図柄種別エリアの情報に基づき、発展態様を決定するための態様決定抽選を実行する。なお、この場合の特別図柄種別エリアの情報は、保留予告演出設定処理を経て保留予告演出の実行に至っていることから、「0」、「1」、「5」、「6」のいずれかである。演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアの情報によって異なる抽選態様で保留予告演出の演出内容を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特別図柄種別エリアの情報をもとに保留予告演出の発展態様を決定する。
図27に示すように、本実施形態では、保留予告演出の実行中の発展態様として、個別表示領域の表示態様を色付きの丸(「●」)から「ハート型」、「星型」、「スマイル型」のいずれかへの変化(発展)を規定している。そして、「ハート型」の発展態様は、特定の図柄変動ゲームにおける演出内容がNR系のリーチ演出であることを遊技者に示唆する。また、「星型」の発展態様は、特定の図柄変動ゲームにおける演出内容がSR系のリーチ演出であることを遊技者に報知する。また、「スマイル型」の発展態様は、特定の図柄変動ゲームにおける演出内容がSR系の大当り演出(リーチ演出)であることを遊技者に報知する。すなわち、保留予告演出の実行中の発展態様は、特定の図柄変動ゲームにおける演出内容を示唆することにより、大当り期待度を遊技者に示唆することになる。このため、本実施形態における発展態様は、「ハート型」<「星型」<「スマイル型」の順に大当り期待度が高いことを示唆している。
そして、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった始動保留球の特別図柄種別エリアに「0」を格納している場合、すなわちSR系の当り演出(大当り(SR))の事前判定の結果を特定している場合、「星型」及び「スマイル型」のいずれかの発展態様を決定する。この場合に演出制御用CPU31aは、態様決定抽選において、「星型」を10分の9(90%)、「スマイル型」を10分の1(10%)の当選確率とする抽選態様で決定する。
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった始動保留球の特別図柄種別エリアに「1」を格納している場合、すなわちNR系の当り演出(大当り(NR))の事前判定の結果を特定している場合、「ハート型」及び「スマイル型」のいずれかの発展態様を決定する。この場合に演出制御用CPU31aは、態様決定抽選において、「ハート型」を10分の9(90%)、「スマイル型」を10分の1(10%)の当選確率とする抽選態様で決定する。
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった始動保留球の特別図柄種別エリアに「6」を格納している場合、すなわちSR系のはずれリーチ演出(はずれ(SR))の事前判定の結果を特定している場合、「星型」の発展態様を決定する。この場合に演出制御用CPU31aは、態様決定抽選において、「星型」を100%の当選確率とする抽選態様で決定する。
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった始動保留球の特別図柄種別エリアに「5」を格納している場合、すなわちNR系のはずれリーチ演出(はずれ(NR))の事前判定の結果を特定している場合、「ハート型」の発展態様を決定する。この場合に演出制御用CPU31aは、態様決定抽選において、「ハート型」を100%の当選確率とする抽選態様で決定する。
すなわち、本実施形態における態様決定抽選は、NR系のリーチ演出であれば「ハート型」の発展態様を決定し得る一方で、「星型」の発展態様を決定し得ないように設定されている。また、態様決定抽選は、SR系のリーチ演出であれば「星型」の発展態様を決定し得る一方で、「ハート型」の発展態様を決定し得ないように設定されている。なお、態様決定抽選は、当り演出であれば、「スマイル型」の発展態様を決定し得る。
このようにして保留予告演出の実行中の発展態様を決定した演出制御用CPU31aは、対象となる始動保留球の個別表示領域の表示態様(保留の表示画像)をステップSH3で決定した発展態様に変化させる(ステップSH4)。すなわち、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった始動保留球の大当り期待度を遊技者に示唆するように、発展態様に変化(発展)させる対象となる個別表示領域が、色付きの丸(「●」)から各発展態様で画像表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御することになる。なお、演出制御用CPU31aは、ステップSH2で確認している保留コマンドの入力に基づく個別表示領域の表示に合わせて、すなわち始動入賞口への入賞とほぼ同タイミング(入賞のタイミング)で発展態様に変化(発展)させる。また、演出制御用CPU31aは、保留予告演出の実行中に、発展態様に変化させた後は保留予告演出実行処理を実行しないようになっている。なお、演出制御用CPU31aは、同一の保留予告演出の実行中において、ステップSH2を複数回に亘って肯定とし得る(保留コマンドを入力する)場合、初回以外については否定として処理することもできる。
このようにして保留予告演出(事前演出)を実行させる演出制御用CPU31aが、事前演出実行手段として機能する。また、保留予告演出の実行中に、事前判定の結果に基づいた発展態様に変化させる演出制御用CPU31aが、演出変化手段として機能する。
以下、具体的な状況を想定した例について、図28(a)〜(c)及び図29(a)〜(h)に基づき説明する。なお、図28(a)〜(c)は、実行中フラグに「0」が設定されていて保留予告演出の未実行の状況を前提としている。また、図28(a)は、特別図柄種別エリアにおいて、「変動中」に「4」、保留(特保)「1」に「4」、保留(特保)「2」に「8」、保留(特保)「3」に「4」の情報がそれぞれに格納されている場合であって、いずれにおいてもステップSG1が否定判定(「×」)の場合を前提としている。また、図28(a)は、上記状況において、保留(特保)「4」に「0」の情報が格納されて、ステップSG1が肯定判定の(「○」)場合を前提としている。また、図28(b)は、図28(a)の前提において、その時の普通図柄種別エリアの格納状況を示す。また、図28(b)は、普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」に「C」、保留(普保)「1」に「C」の情報がそれぞれに格納されている場合であって、いずれにおいても普図当り抽選に非当選(「×」)の場合を前提としている。また、取得した乱数により、特図保留記憶数「2」の図柄変動ゲームの実行中に、普図保留記憶数「2」の普図ゲームが行われて普図当り遊技が付与される場合を前提としている。また、保留予告演出の実行中に発展態様としては、演出制御用CPU31aが、特別種別エリアにおける「0」の情報に基づいて「星型」の発展態様を決定する場合を前提としている。
なお、この場合の保留発展可能期間t1は、36秒(3(秒)+30(秒)+3(秒))+[残時間(図柄変動ゲーム)]、となる。また、この場合の特図入賞可能期間t2は、18秒(8(秒)+5(秒)+5(秒))+[残時間(普図ゲーム)]、となる。このため、[残時間(普図ゲーム)]が最大時間(8秒)であっても、保留発展可能期間t1>特図入賞可能期間t2となる。したがって、上記状況の前提において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定する。
その結果、演出表示装置11では、図29(a)〜(h)に示す実行態様で保留予告演出(図柄変動ゲーム)が実行される。
そして、図29(a)に示すように、特別図柄種別エリアにおいて、保留(特保)「4」に情報が設定される直前、演出表示装置11では、保留画像表示領域Kに特図保留記憶数「1」〜「3」に対応する3つ分の個別表示領域が白抜きの丸(「○」)で画像表示されている。なお、この場合に、演出表示装置11では、特別図柄種別エリアにおいて、「変動中」に対応する図柄変動ゲームが行われている。また、普通図柄表示装置14aでは、普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」に対応する普図ゲームが行われている。
続いて、図29(b)に示すように、特別図柄種別エリアにおいて、保留(特保)「4」への情報の格納に伴う保留予告演出の実行が決定されると、演出表示装置11では、保留画像表示領域Kに特図保留記憶数「4」に対応する4つ目の個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示される。なお、この場合に、演出表示装置11では、図柄変動ゲームが継続している。また、普通図柄表示装置14aでは、普図ゲームが継続している。
その後、図29(c),(d)に示すように、図柄変動ゲームが実行される毎に、演出表示装置11では、保留画像表示領域Kの個別表示領域が減少する。なお、この場合に、演出表示装置11では、特別図柄種別エリアにおいて、保留「1」及び保留「2」に対応する図柄変動ゲームが行われる。また、この場合に、普通図柄表示装置14aでは、普通図柄種別エリアにおいて、保留「1」及び保留「2」に対応する普図ゲームが行われる。
そして、図29(e)に示すように、このときの図柄変動ゲームの実行中、普通図柄表示装置14aでは、普通図柄種別エリアにおいて、保留「2」に対応する普図ゲームが普図当りとなり普図当り遊技が付与される。このため、始動入賞口の開閉羽根16が開放される。
そして、開閉羽根16の開放中(普図当り遊技中)に、始動入賞口への入賞ありであれば、図29(f)に示すように、演出表示装置11では、保留画像表示領域Kの色付きの丸(「●」)の個別表示領域が、「星型」の発展態様に変化(発展)する。合わせて演出表示装置11では、始動入賞口への入賞に対する個別表示領域が保留画像表示領域Kに画像表示される。なお、この場合に、演出表示装置11では、特別図柄種別エリアにおいて、保留「2」に対応する図柄変動ゲームが継続している。また、この場合に、普通図柄表示装置14aでは、ゲート19に遊技球が入賞されるまでの間、普図ゲームが行われない。続いて、図29(g)に示すように、図29(f)で継続している図柄変動ゲームが終了すると、演出表示装置11では、特図変動ゲームが実行される。合わせて演出表示装置11では、保留画像表示領域Kの個別表示領域が減少する。なお、本実施形態では、開閉羽根16が閉鎖中に始動入賞口へ遊技球が入賞する場合にも図29(f)に示すように、「星型」の発展態様に変化(発展)する場合もある。
一方、開閉羽根16の開放中(普図当り遊技中)に、始動入賞口への入賞なしであれば、図29(h)に示すように、演出表示装置11では、保留画像表示領域Kの色付きの丸(「●」)の個別表示領域が変化することなく維持される。なお、この場合に、演出表示装置11では、特別図柄種別エリアにおいて、保留「2」に対応する図柄変動ゲームが継続している。また、この場合に、普通図柄表示装置14aでは、ゲート19に遊技球が入賞されるまでの間、普図ゲームが行われない。
このように本実施形態における保留予告演出は、始動入賞口での入賞検知を契機に実行可能に構成される。一方で、保留予告演出は、さらに始動入賞口での入賞検知を契機に発展可能に構成される。このため、本実施形態における保留予告演出の実行可能な状況では、遊技球を発射させて始動入賞口へ遊技球が入賞されることで、図29(b)に示すように保留予告演出が実行されると、保留予告演出の実行中の状況となる。
そして、図29(b)において、遊技者は、保留予告演出が実行されたことを把握し得る。同様に遊技者は、保留予告演出の実行中にさらに始動入賞口への入賞契機が訪れるかもしれないことを把握し得る。同様に遊技者は、遊技球を発射し続けることにより、保留予告演出を変化(発展)させることができることを把握し得る。そして、遊技者は、保留予告演出が実行されてからも遊技球を発射し続けた結果、図29(e)において、さらに始動入賞口へ遊技球を入賞させることができれば、特定の図柄変動ゲームの演出内容を把握して大当り期待度を把握し得る。
一方、遊技者は、保留予告演出が実行されてから遊技球の発射を止めてしまうと、図29(e)において、始動入賞口へ遊技球を入賞させることができなくなり、特定の図柄変動ゲームの演出内容を把握し得ないだけでなく大当り期待度をも把握し得ない。なお、遊技者は、保留予告演出が実行されてからも遊技球を発射し続けたとしても、図29(e)において、始動入賞口へ遊技球を入賞させることができない場合もある。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)当選時が非変短状態時における図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの特図の小当り(特定の当りの種類)の当選後は、30回(規定回数)分の特図変動パターン(特図柄変動ゲームの変動内容)を特殊選択状態で決定するようにした。このため、当選時が非変短状態における図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの特図の小当り(特定の当りの種類)の当選後は、30回(規定回数)分の図柄変動ゲームに亘って保留予告演出を実行させる演出内容(特定の変動内容)が決定され易い状態であって、通常選択状態(通常決定状態)である場合よりも事前演出の実行の契機が到来し易い状態となる。したがって、保留予告演出(事前演出)の実行の契機の到来具合に工夫を施すことで、図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの特図の小当り(特定の当りの種類)の当選後であって、確変状態(高確率抽選状態)が付与されていることに対して期待を持てる場面であることを遊技者に把握させ得るようになる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(2)事前演出として始動記憶表示器の表示態様を変化させるパチンコ遊技機では、始動記憶表示器の表示態様の変化により事前演出の実行を遊技者に認識させるとともに、事前判定の結果、事前演出を実行可とされた図柄変動ゲームが存在していることを遊技者に認識させることになる。このように遊技者は、事前演出を実行可とされた図柄変動ゲームが存在していることを認識すると、事前演出の対象となる図柄変動ゲームが大当り(当り)であるかもしれないことからその結果を確認する迄の間、遊技球の発射を止めてしまう遊技者もいた。このため、遊技者の興趣を高めるために事前演出を設けたにもかかわらず、その事前演出が実行されることに伴っては、遊技者が遊技球の発射を止めてしまうような状況を招く可能性があった。そこで、本実施形態では、事前演出の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができるようにしている。
具体的に言えば、保留予告演出(事前演出)の実行中に、始動入賞口(始動口)へ入賞(入球)させることで実行中の保留予告演出の対象の個別表示領域の表示態様を、発展態様に変化させる(事前演出の演出内容を変化させる)ことができるようにした。また、発展態様(変化後の演出内容)として、実行中の保留予告演出(事前演出)に対しての事前判定の判定結果に基づいて決定するので、発展態様(変化後の演出内容)からは事前判定の対象とした特定の図柄変動ゲームの大当り期待度が把握され得る。すなわち、保留予告演出(事前演出)の実行中においては、遊技球を発射し続けて始動入賞口(始動口)へ入賞(入球)させることで、事前判定の対象とした特定の図柄変動ゲームの大当り期待度をさらに詳しく把握可能になる。したがって、保留予告演出(事前演出)の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる。
(3)さらに本実施形態では、普図先読コマンド設定処理を実行する主制御用CPU30aと保留予告演出設定処理を実行する演出制御用CPU31a(普通事前判定手段と可変判定手段)を備えた。そして、実行中の保留予告演出中(事前演出中)に、当該保留予告演出(事前演出)の発展態様への変化契機(演出内容を変化させる契機)を生起し得る場面、すなわち開閉羽根16(開閉部材)が開放(開放状態に可変)する場面において保留予告演出(事前演出)を実行可能に構成することができる。すなわち、遊技者は、保留予告演出(事前演出)の実行中であるから始動入賞口(始動口)へ遊技球を発射し続けることで、始動入手口(始動口)へ入球させるチャンスを獲得することができる。その結果、保留予告演出(事前演出)が実行されることで、保留予告演出(事前演出)を実行可とされた図柄変動ゲームが存在していることを遊技者に認識させても、遊技球の発射を促すことができる。したがって、保留予告演出(事前演出)の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる。
(4)保留予告演出設定処理を実行する演出制御用CPU31a(可変判定手段)を備えるとともに、特に保留予告演出設定処理のステップSG4(判定結果)が肯定でなくても事前演出を実行可能にした。このため、遊技者は、保留予告演出(事前演出)の実行中であるから始動入賞口(始動口)へ遊技球を発射し続けることで、始動入賞口(始動口)へ入球させ得るチャンスを獲得することができる。その結果、保留予告演出(事前演出)の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる。
(5)実行中の保留予告演出(事前演出)を変化させるタイミングとしては、当該変化させる契機になった入球のタイミングとするようにした。こうすることで、保留予告演出の発展態様への変化(事前演出の演出内容の変化)と当該変化の契機の関連性を把握させ易くすることができる。
(6)当選時が非変短状態における図柄Bの特図の大当り又は図柄Dの特図の小当り(特定の当りの種類)の当選後は、30回(規定回数)分の図柄変動ゲームに亘って、通常選択状態(通常決定状態)である場合よりも保留予告演出(事前演出)の実行の契機が到来し易くなる。さらには、通常選択状態(通常決定状態)である場合よりも保留予告演出(事前演出)を伴う結果、NR系の演出内容(低期待度の変動内容)の図柄変動ゲームが実行され易い状態となる。したがって、保留予告演出(事前演出)に工夫を施すことで、確変状態(高確率抽選状態)が付与されていることに対して期待を持てる場面であることを遊技者に把握させ得るようになる結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(7)本実施形態では、今後の遊技全体(図柄変動ゲーム及び普図ゲーム)の展開を事前に予測することにより、保留予告演出を実現している。すなわち、本実施形態では、図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)に関する事前判定に加えて普図ゲームに関しても事前判定も行うようにした。さらに本実施形態では、これら事前判定の結果を、個別に用いるのではなく、密接に関連付けて用いるようにした。これにより、これまで別々に起りえる現象を、密接に関連付けて新しいゲーム性を遊技者に提供することができる。その結果、新しいゲーム性を遊技者に提供する一方で、保留予告演出の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる。
(8)保留発展可能期間t1の算出に際しては、最低変動時間を用いるようにした。このため、特図先読コマンドとして、具体的な演出時間まで演出制御用CPU31a側に指定しなくても保留発展可能期間t1を算出することができる。したがって、具体的な演出時間まで演出制御用CPU31a側に指定する場合に比して、特図先読コマンドの種類を減少させることができる。したがって、保留予告演出に係る制御構成を簡素化することができる。
(9)また、本実施形態では、特図変動ゲームの事前判定に基づく保留予告演出を実行させるかどうかの判定を主制御用CPU30aで行わせる一方で、普図ゲームの事前判定を加味して保留予告演出を実行させるかどうかの最終的な判定を演出制御用CPU31a(サブ側)で行うようにした。このため、普図ゲームの事前判定を加味する場合であっても、主制御用CPU30aに関する構成の変化を最小限に抑えることができるとともに、主制御用CPU30aの制御に関するデータ量の増加も抑えることができる。
(10)保留予告演出は、特定の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出(大当り演出を含む)の事前判定がされている場合にも、実行されるようにした。このため、保留予告演出が出現する場面の到来を増加させることができる。
(11)普図先読コマンドでは、演出時間に関する事前判定の結果を演出制御用CPU31aに特定可能に構成した。このため、パチンコ遊技機の仕様が、普図変動パターンの演出時間として複数種類が設定される仕様であっても、特図入賞可能期間t2を算出可能にすることができる。したがって、保留予告演出の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる保留予告演出を、普図ゲームの仕様にとらわれることなく実現できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図30に基づいて説明する。なお、第2の実施形態は、普図当り抽選に関する構成(普通図柄、普図変動パターン、普図先読コマンド)が、第1の実施形態とは異なっている。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、普通図柄の普図当り図柄として、図30(a)に示すように、図柄FA及び図柄FBが設定されている。本実施形態における図柄FAには、普図当り図柄として複数種類(例えば、10種類)が振分けられている。また、図柄FBには、普図当り図柄として複数種類(例えば、10種類)が振分けられている。そして、普図当り図柄には、各普図に対して、普図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜19までの全20通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。このため、普図の普図当り図柄は、普図振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。そして、普図当り抽選に当選する場合には、普図当り図柄に基づく普図当り遊技が付与される。そして、図柄FAに基づく普図当り遊技における開閉羽根16の開放時間(例えば、3秒)は、図柄FBに基づく普図当り遊技における開閉羽根16の開放時間(例えば、5秒)よりも短く設定されている。なお、本実施形態の普通図柄表示装置14aでは、図柄FAの普図当り図柄であれば、「○」を点灯させて報知するとともに、図柄FBの普図当り図柄であれば、「○」及び「×」の両方を点灯させて報知する。一方、普通図柄表示装置14aでは、普図はずれであれば、「×」を点灯させて報知する。
また、本実施形態における主制御用ROM30bには、普図変動パターンとして、図30(b),(c)に示すように、非変短状態時(非変短時)に選択可能な変動パターンhp1,ap2と、変短状態時(変短時)に選択可能な変動パターンhp2,ap3が記憶されている。
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理のステップSF7において、普図当り図柄を決定するに際し、ステップSF5で読み出した普図振分用乱数に基づいて図柄FA及び図柄FBのいずれかを決定する。また、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理のステップSF8又はステップSF11において、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得る普図変動パターンの中から変動パターンを決定する。
本実施形態における普図変動パターン選択時において、処理時が非変短状態で普図当り抽選に当選していなければ、普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンhp1に対応付けされる。また、処理時が非変短状態で普図当り抽選に当選していれば、普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンap2に対応付けされる。
また、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理のステップSE3において、普通図柄入力処理のステップSD4で取得した普図振分用乱数に基づき普図当り図柄を特定する。さらにステップSE3において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された普通図柄入力処理のステップSD3の書き換え後の普図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。
そして、主制御用CPU30aは、ステップSE3で特定した普図当り図柄及び保留記憶数に応じた普図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSE4)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前普図当り判定を肯定(ステップSE2を肯定)としているので、図柄FA及び図柄FBのいずれかを特定する。
そして、本実施形態では、普図先読コマンド設定処理で設定し、出力する各種普図先読コマンドとして、図30(d)に示すように、上位バイトが「F5H」で下位バイトが「00H〜11H」で構成される12種類のコマンドが設定されている。
具体的に、普図先読コマンドは、下位バイトが「00H〜03H」であれば、抽選結果として「普図当り」と普図として「図柄FA」を指定する。すなわち、下位バイトが「00H〜03H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「当選」、普通図柄開始処理で「図柄FA」の普図当り図柄が決定されることを事前判定する場合に設定される。また、普図先読コマンドは、下位バイトが「04H〜07H」であれば、抽選結果として「普図当り」と普図として「図柄FB」を指定する。すなわち、下位バイトが「04H〜07H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「当選」、普通図柄開始処理で「図柄FB」の普図当り図柄が決定されることを事前判定する場合に設定される。また、普図先読コマンドは、下位バイトが「08H〜11H」であれば、抽選結果として「はずれ」と普図として普図はずれ図柄(「−」で示す)を指定する。すなわち、下位バイトが「08H〜11H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「非当選」で、普通図柄開始処理で普図はずれ図柄が決定されることを事前判定する場合に設定される。
そして、本実施形態における演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに「A」を格納している場合、普図当り図柄が「図柄FA」である普図当りを特定する。また、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに「B」を格納している場合、普図当り図柄が「図柄FB」である普図当りを特定する。また、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに「C」を格納している場合、普図はずれを特定する。なお、本実施形態では、普図先読コマンドを入力可能な場面(非変短状態の場面)であれば、「8秒」の演出時間の普図変動パターンしか選択されない。このため、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにいずれの情報が格納されていても普図ゲームの演出時間として、一律「8秒」を特定する。
このため、本実施形態における特図入賞可能期間t2の算出に際し、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアの「変動中」の情報に基づく普図ゲームの[残時間]と、各保留の情報に基づく一律「8秒」の演出時間と、普図当り図柄に基づく[開放時間]とを加算することで、算出する。本実施形態における[開放時間]の算出に際し、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアの情報から普図当り図柄を特定し、該普図当り図柄に応じた「3秒」又は「5秒」を用いる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(10)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(12)普図先読コマンドでは、普図当りにおける開放時間に関する事前判定の結果を演出制御用CPU31aに特定可能に構成した。このため、パチンコ遊技機の仕様が、普図当り図柄として複数種類が設定される仕様であっても、特図入賞可能期間t2を算出可能にすることができる。したがって、保留予告演出の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる保留予告演出を、普図ゲームの仕様にとらわれることなく実現できる。
なお、上記各実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・各実施形態は、大当りに関するスペックを変更することもできる。すなわち、2R確変大当り遊技と、大入賞口18の開閉動作態様や時間、当り遊技中の演出を同一に設定する一方で、変短状態の付与に関しては2R確変大当り遊技と同一条件のもと、当り遊技の終了後に非確変状態を付与する「2R非確変大当り遊技」を設定することもできる。これによれば、2R確変大当り遊技及び2R非確変大当り遊技が付与される場合には、確変状態であるか否かを遊技者に分かり難くするゲーム性を各実施形態同様に作り出せる。この場合には、2R確変大当り遊技及び2R非確変大当り遊技に加えて小当り遊技が付与される場合には、同様に確変状態であるか否かを遊技者に分かり難くすることができる。本別例では、2R確変大当り遊技を特定する大当り、及び2R非確変大当り遊技を特定する大当りの種類が特定の当りの種類となる。なお、小当り遊技に関しては、設定してもしなくてもどちらでもよく、設定する場合には小当り遊技を特定する小当りも特定の当りの種類となる。
・各実施形態は、大当り遊技の間で確変状態であるか否かを分かり難くすることもできる。この場合には、当り遊技の終了後、特殊選択状態に設定することで、各実施形態と同様の効果を奏し得る。例えば、図柄Aの特図の大当りと図柄Cの特図の大当りの間で、確変状態であるか否かを分かり難くすることもできる。また、本別例では、各大当り遊技の規定ラウンド数を同一数に設定することで、大当り遊技の間で、確変状態であるか否かを分かり難くすることもできる。この場合には、特に小当り遊技における大入賞口18の開放態様も上記規定ラウンド数分開放させる態様に変更することで、小当り遊技も含めて確変状態であるか否かを分かり難くすることもできる。なお、これら確変状態であるか否かを分かり難くする当り遊技を特定する当り(大当り又は小当り)が、特定の当りの種類となる。そして、特定の当りの種類に基づく当り遊技に関しては、大入賞口18の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定するとともに、当り遊技中の演出やその後の変短状態の付与態様からもその差異を遊技者が判別不能に設定する。
・各実施形態では、大当り用の変動2次判定値を、大当りの特図の種類により分けて設定することもできる。これにより、保留予告演出の対象となった特図変動ゲームの演出内容からは、大当りの種類を遊技者に推測させ得る。
・各実施形態では、特殊選択状態で変動1次抽選(事前変動1次判定)で当選を決定し易い振分態様であれば、変動1次判定値における値の振分態様を変更してもよい。例えば、大当り用においては、特殊1次判定値で通常1次判定値よりも「当選」に多くの値を振分けてもよい。また、各実施形態における大当り用とはずれ用の判定値を入れ替えて構成してもよい。
・各実施形態では、変動2次抽選(事前変動2次判定)を設定しなくてもよい。この場合には、変動1次抽選(事前変動1次判定)後、変動3次判定用乱数に基づいて特図変動パターンを決定(特定)する構成とすればよい。
・各実施形態では、大当り用(又ははずれ用)の特殊2次判定値と通常2次判定値における値の振分態様を変更してもよく、例えば、特殊2次判定値と通常2次判定値を同一の振分態様に設定することもできるし、特殊2次判定値で通常2次判定値よりも「SR系」に多くの値を振分けるようにすることもできる。また、大当り用においては特殊2次判定値で通常2次判定値よりも「SR系」に多くの値を振分ける一方、はずれ用においては特殊2次判定値で通常2次判定値よりも「NR系」に多くの値を振分けてもよい。
・各実施形態において、保留予告演出実行処理のステップSH2では、保留コマンドではなく始動入賞口への入賞を示す検知コマンドを入力したかを検知してもよい。この場合には、主制御用CPU30aが、保留コマンドとは別に始動入賞口での入賞検知を示す検知コマンドを別途出力することになる。
・各実施形態は、保留予告演出の実行中、始動入賞口の中でも下始動入賞口15B(下始動口スイッチSW2)に遊技球が入賞した場合に発展態様に変化させる構成にもできる。この場合には、各始動口スイッチでそれぞれに検知信号を出力するようにすればよい。
・各実施形態は、普図に関する構成を互いに併せ持った仕様のパチンコ遊技機に適用することもできる。このような仕様としては、第1の実施形態で言えば、さらに普図当り図柄として複数種類を設定する一方で、第2の実施形態で言えば、普図ゲームの演出時間として複数種類を設定する。この場合には、普図先読コマンドとして、第1の実施形態で言えば、普図当りにおけるそれぞれの普図先読コマンドをさらに普図当り図柄により分類して設定する一方で、第2の実施形態で言えば、普図当りにおける普図先読コマンドをさらに普図変動パターンにより分類して設定する。
・各実施形態において、主制御用CPU30aは、普図ゲームに関して該普図ゲームの終了を示す普図終了コマンドを演出制御用CPU31aに出力することもできる。また、普図開始コマンドでは、普図ゲームの開始に加えて普図変動パターンの種類を指定することもできる。これらによれば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aで制御される普図ゲーム状況をより正確に把握し得る。
・各実施形態において、保留発展可能期間t1及び特図入賞可能期間t2の算出に際しては、図柄変動ゲーム及び普図ゲームのゲーム間のインターバル時間を考慮することもできる。
・各実施形態において、特図入賞可能期間t2は、開閉羽根16の開放が終了するまでとしたが、開閉羽根16の開放が開始されるまでとしてもよい。また、特図入賞可能期間t2は、開閉羽根16の開放が開始されて開放が終了するまでの間の途中の所定期間までとしてもよい。
・各実施形態において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理のステップSG4を否定とする場合、保留予告演出を実行させない構成を採用することもできる。
・各実施形態は、保留予告演出の実行中、始動入賞口への入賞毎に発展態様を変化可能に構成することもできる。この場合には、発展態様に変化させるか否かを抽選で決定することもできる。また、この場合には、保留予告演出の発展態様を複数段階に設定し、始動入賞口への入賞毎に段階的に変化させることもできる。
・各実施形態は、発展態様により特定の図柄変動ゲームのリーチ演出を特定できなくてもよく、少なくとも大当り期待度を示唆可能であればよい。例えば、「ハート型」の発展態様は、SR系及びNR系のいずれにも対応付けてもよい。
・各実施形態において、保留予告演出設定処理では、ステップSG2を最初に判定し、該判定後にステップSG1を判定する順序で構成してもよい。また、ステップSG3及びステップSG4の処理は省くこともできる。すなわち、演出制御用CPU31aは、ステップSG2が肯定であれば、ステップSG6を実行する。また、ステップSG2では、普通図柄種別エリアに情報が格納されているか否かについてのみ判定してもよい。また、ステップSG4を肯定とするタイミングでは、発展態様を予め決定することもできる。また、ステップSG4では、「t1≧t2であるか否か」を判定することもできる。保留発展可能期間t1に関しては、最低変動時間により算出が行われるので、「t1=t2」の場合にステップSG4を肯定としてもよい。
・各実施形態は、保留予告演出設定処理又は該保留予告演出設定処理に代わる処理を、主制御用CPU30aで行わせることもできる。そして、主制御用CPU30aは、保留予告演出を実行させるかどうかを決定した後、保留予告演出を実行させるか否かを指定する先読コマンドを、演出制御用CPU31aに対して出力する構成とすることもできる。なお、保留予告演出実行処理又は該保留予告演出実行処理に代わる処理についても主制御用CPU30aで行わせることもできる。
・各実施形態は、事前演出として、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる1回以上の図柄変動ゲームから、所定の演出を各図柄変動ゲームで行わせる仕様にしてもよい。例えば、所定の演出は、図柄変動ゲームの開始に伴って演出表示装置11に予め定めた特定画像(事前演出時のみに画像表示される専用画像「連続中」等)を画像表示させることによって行われる。この仕様では、事前演出の実行中、下始動入賞口15Bへ入賞すると、次の特定画像を発展態様に変化させる。各実施形態で言えば、発展前に「白」ベースの演出を対応付け、「ハート型」に「黄色」ベースの演出を対応付け、「星型」に「赤色」ベースの演出を対応付け、「スマイル型」に「虹色」ベースの演出を対応付けたりする。
・各実施形態において、特図先読コマンドは、大当りにおけるそれぞれの特図先読コマンドをさらに大当り図柄により分類して設定することもできる。こうすることで、保留予告演出を実行させるための条件をさらに細かく設定することができる。例えば、図柄Aの場合にのみ保留予告演出を実行させるようにすれば、保留予告演出を伴っての大当りでは「15R確変大当り遊技」の当選とすることもできる。そして、発展態様によっては、「15R確変大当り遊技」の当選期待度が示唆されることになる。
・各実施形態において、特図先読コマンドは、特図変動パターンの種類について、リーチ可能性あり以外の事前判定の結果であれば、完全に特定できるように分類して設定することもできる。これによれば、保留発展可能期間t1をより正確に算出することができる。
・各実施形態は、特別図柄種別エリアにリーチ演出を特定する情報が格納されている場合に、普通図柄種別エリアに普図当りの事前判定を特定する情報が格納されていれば、普図保留記憶数にかかわらず保留予告演出設定処理のステップSG4を肯定とできるような普図変動パターンの変動時間を設定することもできる。
・各実施形態は、普通図柄種別エリアに普図当りの事前判定を特定する情報が格納されている場合に、特別図柄種別エリアの情報にかかわらず保留予告演出設定処理のステップSG4を肯定とできるような普図変動パターンの変動時間を設定することもできる。
・各実施形態は、保留予告演出設定処理のステップSG4を満たし得る場面が想定される範囲内において、普図変動パターンの変動時間及び普図当り遊技における開放時間を変更することもできる。そして、これら時間を調整することによっては、保留予告演出の出現頻度を調整することができる。
・各実施形態は、保留予告演出の実行中に、発展態様に変化させるタイミングを、入賞時ではなく入賞後に間を空けて設定してもよい。
・各実施形態は、変短状態時にも保留予告演出を実行させることもできる。この場合には、非変短状態特別図柄開始処理や特図先読コマンド設定処理に代わる処理を実行する。
・各実施形態は、はずれ時の変動1次抽選に当選する場合、はずれ演出用の変動パターンを選択可能に構成することもできる。これによれば、はずれ演出を対象としても保留予告演出を実行させることができる。この場合の発展態様としては、実際にはリーチ演出にもならないことを示唆する態様を設定する。
・各実施形態において、主制御基板30と演出制御基板31との間に、各種演出を統括的に制御する副制御基板を新たに設けることもできる。そして、副制御基板では、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)が実行する処理の一部の処理を行うようにすることもできる。例えば、保留予告演出に関しては、副制御基板が決定してその決定にしたがって演出制御基板31が演出表示装置11の表示内容を制御するといった制御構成とすることもできる。
・各実施形態は、普図ゲームに関する事前判定を行わないで構成することもできる。
・各実施形態は、特殊選択状態でのみ保留予告演出を実行させる構成としてもよい。
・各実施形態は、仕様の異なるパチンコ遊技機に具体化してもよく、始動入賞口毎に異なるタイミングで実行される特図変動ゲームをそれぞれに実行させる仕様や、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・各実施形態は、確変状態を付与する期間に上限を設定することもできる。例えば、10000回(確変状態中において十分に大当りに当選し得る回数)を設定したりすることもできる。また、確変状態の上限としては、4回、10回、100回など設定することもでき、このような場合には大当り遊技の終了後に必ず確変状態を付与する仕様を採用することもできる。
次に、上記各実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記変化決定手段は、前記実行中の事前演出の演出内容を変化させる場合、当該変化させる契機になった入球のタイミングで前記実行中の事前演出の演出内容を当該事前演出に対しての事前判定の判定結果に基づいて変化させることを特徴とする。
(ロ)前記変動内容決定手段は、前記変動内容の決定に際し、前記特定の変動内容とするか否かを決定してさらに詳細な変動内容を決定するようになっており、前記特別決定状態では、前記特定の変動内容のさらに詳細な変動内容として図柄変動ゲームが当りとなる期待度が低い低期待度に分類される変動内容を、前記期待度が高い高期待度に分類される変動内容よりも決定し易く構成されたことを特徴とする。