以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図19に基づいて説明する。
図1に示すようにパチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するとともに窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤13は、中枠12に装着される。また、遊技盤13及び前枠14には、発光演出を行う電飾表示部を構成する装飾ランプ16が配置されている。また、前枠14には、窓口14aの右下部に、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ17が配置されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤13に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。
次に、遊技盤13の構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤13の前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aが形成されている。そして、遊技盤13には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置H2が配設されている。また、遊技盤13には、各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)20が装着されている。演出表示装置H2には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
図2に示すように、遊技盤13の右下方には、表示手段としての第1特別図柄表示装置H0と第2特別図柄表示装置H1とが設けられている。本実施形態では、各特別図柄表示装置H0,H1を何れも7セグメント型の表示装置としている。第1特別図柄表示装置H0では、該第1特別図柄表示装置H0で変動させる図柄として設定される複数種類の第1特別図柄(以下、「第1特図」と示す)を1列で変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。また、第2特別図柄表示装置H1では、該第2特別図柄表示装置H1で変動させる図柄として設定される複数種類の第2特別図柄(以下、「第2特図」と示す)を1列で変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。各特別図柄(第1特図及び第2特図)は、当りか否かの内部抽選(大当り抽選と小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1特別図柄表示装置H0と第2特別図柄表示装置H1とで並行して、すなわち同時に図柄変動ゲームが行われることがないように構成している。このため、第1特別図柄表示装置H0における図柄変動ゲームの実行中には、第2特別図柄表示装置H1で図柄変動ゲームが実行されないようになっている。一方、第2特別図柄表示装置H1における図柄変動ゲームの実行中には、第1特別図柄表示装置H0で図柄変動ゲームが実行されないようになっている。
各特別図柄表示装置H0,H1で図柄変動ゲームが開始する場合、演出表示装置H2と対応する特別図柄表示装置(各特別図柄表示装置H0,H1)では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(各特図の何れか及び飾り図柄)の変動表示が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、各特別図柄表示装置H0,H1の何れかで対応する特別図柄(各特図)の変動が開始する一方で、演出表示装置H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置H2と各特別図柄表示装置H0,H1の何れかには、当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に当り図柄(大当り表示結果又は小当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。このとき、各特別図柄表示装置H0,H1の何れかと演出表示装置H2では、当り抽選の抽選結果が当り(大当り又は小当り)である場合には何れの表示装置にも当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄)が確定停止表示される一方で、当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選(当り抽選)の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであるとともに、小当り図柄は、小当り抽選(当り抽選)の抽選結果が小当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。また、はずれ図柄は、当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において各特別図柄表示装置H0,H1には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)の抽選結果(大当り、小当り又ははずれ)に対応する1つの特別図柄が選択されるとともに、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。第1特図は、大当りを認識し得る図柄となる4種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる1種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、第2特図は、大当りを認識し得る図柄となる3種類の大当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、はずれ図柄は、各特図で共通の図柄とされている。
そして、大当り抽選で大当りに当選した場合、各図柄変動ゲーム(第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲーム)において大当り図柄が確定停止表示された後、大当り遊技(当り遊技)が遊技者に付与される。また、小当り抽選で小当りに当選した場合、本実施形態では第1図柄変動ゲームにおいて小当り図柄が確定停止表示された後、小当り遊技(当り遊技)が遊技者に付与される。なお、本実施形態の大当り遊技及び小当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図2に示すように、演出表示装置H2の表示領域(画像表示面)を各特別図柄表示装置H0,H1の表示領域よりも遥かに大きく形成するとともに、演出表示装置H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、各特別図柄表示装置H0,H1よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置H2の表示内容に注目し、該演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから当り(大当り又は小当り)又ははずれを認識することになる。
また、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に[0]〜[7]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。演出表示装置H2に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。また、本実施形態の演出表示装置H2において、3列のうち、中列には、左右2列に表示された同一の数字図柄との組み合わせにより、大当り又は小当りに当選したことを認識できる符号図柄([☆(星)])が飾り図柄として表示されるようになっている。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる符号図柄からなる図柄組み合わせが、当りのうち大当りに当選している可能性を示唆する大当り示唆の図柄組み合わせとなる。なお、本実施形態では、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせの場合、規定ラウンド数が「15回」の大当り遊技が付与される一方で、大当り示唆の図柄組み合わせの場合、規定ラウンド数が「2回」の大当り遊技や小当り遊技が付与される。
また、本実施形態において、演出表示装置H2における各列は、各図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、各図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、各特別図柄表示装置H0,H1と演出表示装置H2では、同時に対応する図柄変動ゲームとその図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
また、演出表示装置H2には、各図柄変動ゲームが実行されている各特別図柄表示装置H0,H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。各特別図柄表示装置H0,H1に表示される特別図柄(各特図)と、演出表示装置H2に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、各図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄(各特図)と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、各特別図柄表示装置H0,H1に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。本実施形態では、第1特別図柄表示装置H0に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2に大当り示唆の図柄組み合わせ(例えば、[1☆1])が確定停止表示される場合もある。また、各特別図柄表示装置H0,H1にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、第1特別図柄表示装置H0に小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置H2にも大当り示唆の図柄組み合わせ(例えば、[1☆1])が確定停止表示される。なお、特別図柄(各特図)に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄(各特図)に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置H2では、各図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤13の右下方には、各特別図柄表示装置H0,H1を挟むように、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置H10が配設されている。この普通図柄表示装置H10では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。普通図柄表示装置H10では、当りか否かの当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根26の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置H10では、普図当り抽選で普図当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図当り用の図柄が確定停止表示(左側のLEDが点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置H10では、普図当り抽選で普図はずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図はずれ用の図柄が確定停止表示(右側のLEDが点灯)される。
また、遊技盤13の右下方で各特別図柄表示装置H0,H1の下方には、複数個(本実施形態では3個)の丸型の発光部(LEDランプなど)を備えたラウンド報知装置RHが設けられている。ラウンド報知装置RHは、今回付与される当り遊技の規定ラウンド数、すなわち今回の当り遊技で行われるラウンド遊技の上限回数を報知する。また、ラウンド報知装置RHは、今回付与される当り遊技の開始から終了迄の間、継続的に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図3に示すように、規定ラウンド数を「15回」又は「2回」に設定した大当り遊技と、規定ラウンド数を「1回」に設定した小当り遊技が付与されるようになっている。そして、ラウンド報知装置RHは、今回付与される当り遊技の規定ラウンド数を、ランプの点灯(発光)によって報知する。具体的には、15回報知ランプL1が点灯する表示内容によって規定ラウンド数を「15回」に設定した大当り遊技の付与を報知する。なお、15回報知ランプL1には、規定ラウンド数が「15回」であることを示す「15」が表記されている。また、2回報知ランプL2が点灯する表示内容によって規定ラウンド数を「2回」に設定した大当り遊技の付与を報知する。なお、2回報知ランプL2には、規定ラウンド数が「2回」であることを示す「2」が表記されている。また、小当り報知ランプL3が点灯する表示内容によって規定ラウンド数を「1回」に設定した小当り遊技の付与を報知する。なお、小当り報知ランプL3には、規定ラウンド数が「1回」であることを示す表記が何もされていない。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り報知ランプL3が点灯する表示内容によっては小当り遊技の付与が報知される一方で、小当り報知ランプL3が非点灯で15回報知ランプL1及び2回報知ランプL2のいずれかが点灯する表示内容によっては小当り遊技以外(大当り遊技)の付与が報知される。
また、遊技盤13において表示枠体20の下方には、遊技球の入球口25aを有する始動手段としての上始動入賞口25と遊技球の入球口27aを有する始動手段としての下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根26を備えており、開閉羽根26が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根26が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口25と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図5に示す)が配設されている。上始動入賞口25は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、第1図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。また、下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、第2図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤13において各始動入賞口25,27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この当り遊技は、内部抽選で当り(大当り又は小当り)が決定し、各図柄変動ゲームにて当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄を含む)が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、遊技盤13において各特別図柄表示装置H0,H1の下方には、第1特別図柄保留記憶表示装置Raと第2特別図柄保留記憶表示装置Rbとが設けられている。本実施形態では、各特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rbを何れも4つのLEDで構成している。そして、各特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rbは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を、各始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口27)毎に遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、各始動入賞口25,27へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を各始動入賞口25,27毎にそれぞれ始動保留球として記憶し、それぞれの始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。上始動入賞口25の始動保留球(第1特図始動保留球)の個数が、第1特図始動保留記憶数として記憶される。第1特図始動保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲームの待機中)の第1図柄変動ゲームの回数を示している。また、下始動入賞口27の始動保留球(第2特図始動保留球)の個数が、第2特図始動保留記憶数として記憶される。第2特図始動保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲームの待機中)の第2図柄変動ゲームの回数を示している。各特図始動保留記憶数は、各始動入賞口25,27に遊技球が入球することで対応する始動保留記憶数が1加算され、各図柄変動ゲームの開始により対応する始動保留記憶数が1減算される。したがって、各図柄変動ゲーム中に各始動入賞口25,27へ遊技球が入球すると、対応する特図始動保留記憶数は更に加算され、それぞれで所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図2に示すように、演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示領域の下部において、各特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rbで報知する保留記憶数に相当する数を保留表示画像Rha,Rhbとして表示するようになっている。保留表示画像Rhaは第1特別図柄保留記憶表示装置Raで報知する保留記憶数に対応しているとともに、該保留記憶数を「○」を模した左から順に保留画像Rha1〜Rha4の表示態様により報知する。また、保留表示画像Rhbは第2特別図柄保留記憶表示装置Rbで報知する保留記憶数に対応しているとともに、該保留記憶数を「△」を模した左から順に保留画像Rhb1〜Rhb4の表示態様により報知する。第1特図始動保留記憶数が、「1」であれば保留画像Rha1のみを、「2」であれば保留画像Rha1,Rha2の2つのみを、「3」であれば保留画像Rha1〜Rha3の3つのみを、「4」であれば保留画像Rha1〜Rha4の4つ全てを表示させる態様となる。また、第2特図始動保留記憶数が、「1」であれば保留画像Rhb1のみを、「2」であれば保留画像Rhb1,Rhb2の2つのみを、「3」であれば保留画像Rhb1〜Rhb3の3つのみを、「4」であれば保留画像Rhb1〜Rhb4の4つ全てを表示させる態様となる。
なお、本実施形態では、各特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rbが、実際に機内部で記憶されている保留記憶数を示す役割を担っている一方で、保留表示画像Rha,Rhbが、遊技者に保留記憶数を分かり易くする為の役割を担っている。これにより、遊技者は、保留表示画像Rha,Rhbの表示態様から各特図始動保留記憶数を把握し得る。なお、保留表示画像Rha,Rhbの表示態様は、後に詳述する演出表示制御基板37によって制御されるようになっている。
また、保留表示画像Rha,Rhbでは、各特図始動保留記憶数として機内部で記憶している始動保留球に基づく図柄変動ゲームの保留状態も報知している。保留状態とは、始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、各図柄変動ゲームの何番目に実行されるかのことである。保留表示画像Rhaでは第1図柄変動ゲームとして保留される図柄変動ゲームの保留状態が保留画像Rha1〜Rha4で報知されるとともに、保留表示画像Rhbでは第2図柄変動ゲームとして保留される図柄変動ゲームの保留状態が保留画像Rhb1〜Rhb4で報知される。例えば、保留表示画像Rhaで保留画像Rha1は、図柄変動ゲームが、保留中の第1図柄変動ゲームのうち1番目に実行される保留状態を報知する。この場合の図柄変動ゲームは、第1特図始動保留記憶数として記憶されている始動保留球のうち、最先に記憶されている始動保留球に基づくことになる。また、保留表示画像Rhbで保留画像Rhb2は、図柄変動ゲームが、保留中の第2図柄変動ゲームのうち2番目に実行される保留状態を報知する。この場合の図柄変動ゲームは、第2特図始動保留記憶数として記憶されている始動保留球のうち、2番目に記憶されている始動保留球に基づくことになる。これにより、遊技者は、各始動入賞口25,27で遊技球が入球検知されたことを契機に記憶される始動保留球に基づく各図柄変動ゲームが、保留中の各図柄変動ゲームの中で何番目に実行されるか保留画像から視覚的に認識し得る。
また、遊技盤13において表示枠体20の左方には、普通図柄作動ゲート23が配設されている。普通図柄作動ゲート23の奥方には、該普通図柄作動ゲート23へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図5に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート23は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤13において普通図柄表示装置H10の上方には、4つのLEDを備えた普通図柄保留記憶表示装置Mが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Mは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「普図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体20の左方に配置される普通図柄作動ゲート23へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普図始動保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普図始動保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普図始動保留記憶数は、普通図柄作動ゲート23に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート23へ遊技球が入球すると、普図始動保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利な特典であり、遊技者はこのような特典が付与される確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態では、第1特図の大当り図柄のうち、確変大当りとなる特別図柄A1,A2,Dの3種類が特定図柄に設定されているとともに、非確変大当りとなる特別図柄Eの1種類が非特定図柄に設定されている。また、本実施形態では、第2特図の大当り図柄のうち、確変大当りとなる特別図柄a1,b,cの3種類が特定図柄に設定されているとともに、非確変大当りとなる特別図柄fの1種類が非特定図柄に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2に確定停止表示される飾り図柄のうち[111][333][555][777]によって構成される大当りの図柄組み合わせが、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定されている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2に確定停止表示される飾り図柄のうち、[000][222][444][666]によって構成される大当りの図柄が、確変大当りに期待が持てることを認識し得る図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄)として設定されている。本実施形態では、確変非確定の大当り図柄によっては、非確変大当りを確定的に認識し得るわけではない。このように、確変確定の大当り図柄と確変非確定の大当り図柄では、確変状態が付与されることへの期待度が異なっており、確変非確定の大当り図柄よりも確変確定の大当り図柄の方が、遊技者にとって有利な図柄として設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート23の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普図当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口27の開閉羽根26は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、200ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1740ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根26は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根26が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口27への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態において変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の確変状態であるか否かに基づく内部制御状態に応じて変化する。本実施形態において、変短状態時に遊技者は、下始動入賞口27への入球率を上始動入賞口25への入球率よりも向上させることができる。その結果、変短状態時に遊技者は、該変短状態による恩恵を得ることができる。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根26の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根26の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根26が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技及び小当り遊技について、図3をもとに説明する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、各図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口29(の大入賞口扉28)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回又は2回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、7種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、7種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。特別図柄(大当り図柄)の決定には、後述する図柄特定情報としての図柄振分用乱数が用いられ、その図柄振分用乱数の抽出値をもとに特別図柄が選択されるようになっている。そして、本実施形態では、第1特図の大当り抽選で大当りに当選した時と、第2特図の大当り抽選で大当りに当選した時で選択可能な大当り図柄の種類、すなわち大当りの種類が異なっているとともに、その選択率も異なっている。
第1特図で選択可能な大当り図柄は、特別図柄A1、特別図柄A2,特別図柄D、及び特別図柄Eからなる4つのグループに属する図柄とされている。そして、本実施形態では、第1特図において、特別図柄A1には20種類の大当り図柄が、特別図柄A2には5種類の大当り図柄が、特別図柄Dには15種類の大当り図柄が、特別図柄Eには10種類の大当り図柄が属している。このため、これらの特別図柄A1,A2,D,Eからなるグループに属する各第1特図に対して、図柄振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜49までの全50通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。すなわち、第1特図において、各特別図柄A1,A2,D,Eの大当り全体の割合は、特別図柄A1の大当りが40%(50分の20)、特別図柄A2の大当りが10%(50分の5)、特別図柄Dの大当りが30%(50分の15)、特別図柄Eの大当りが20%(50分の10)となる。その結果、第1特図の大当りにおいては、大当り全体の80%が確変大当りとなり、大当り全体の20%が非確変大当りとなる。
一方、第2特図で選択可能な大当り図柄は、特別図柄a1、特別図柄b、特別図柄c、及び特別図柄fからなる4つのグループに属する図柄とされている。そして、本実施形態では、第2特図において、特別図柄a1には29種類の大当り図柄が、特別図柄bには6種類の大当り図柄が、特別図柄cには5種類の大当り図柄が、特別図柄fには10種類の大当り図柄が属している。このため、これらの特別図柄a1,b,c,fからなるグループに属する各第2特図に対して、図柄振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜49までの全50通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。すなわち、第2特図において、各特別図柄a1,b,c,fの大当り全体の割合は、特別図柄a1の大当りが58%(50分の29)、特別図柄bの大当りが24%(50分の12)、特別図柄cの大当りが10%(50分の5)、特別図柄fの大当りが20%(50分の10)になる。その結果、第2特図の大当りにおいては、大当り全体の80%が確変大当りとなり、大当り全体の20%が非確変大当りとなる。
また、本実施形態では、第1特図の特別図柄Dの大当りに基づく大当り遊技は、第1特図にのみ含まれている。また、第2特図の特別図柄b,c,fの大当りに基づく大当り遊技は第2特図にのみ含まれている。また、第1特図の大当りと第2特図の大当りでは、何れも確変大当りの割合が80%であって同一割合に設定されているとともに、何れも非確変大当りの割合が20%であって同一割合に設定されている。また、本実施形態において、第1特図には、小当りに基づく小当り遊技を付与する特別図柄Gが含まれている。なお、第2特図には、小当りに基づく小当り遊技を付与する特別図柄が含まれていない。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1図柄変動ゲームにおいてのみ小当りを付与し得るとともに、第1特別図柄表示装置H0においてのみ小当りに基づく特別図柄が確定停止表示され得る。
特別図柄A1,A2,a1,Eに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回目〜15回目のラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口29を1回開放させるようになっている。また、1回目〜15回目のラウンド遊技の大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が25秒に設定されている。また、最大開放時間とは、1回のラウンド遊技に定めた最大時間でありラウンド遊技時間のことである。また、特別図柄A1,a1,Eに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄A1,A2,a1に基づく大当り遊技を「15R確変当り遊技」、特別図柄Eに基づく大当り遊技を「15R非確変当り遊技」や、纏めて「15R系当り遊技」と示す場合もある。
特別図柄bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回目〜8回目と、10回目〜15回目のラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口29を1回開放させ、9回目のラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口29を複数回(本実施形態では「8回」)開放させるようになっている。また、1回目〜8回目、10回目〜15回目のラウンド遊技の大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が25秒に設定されている。また、9回目のラウンド遊技の大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が39秒に設定されている。なお、この場合の最大開放時間とは、このラウンド遊技に定めた複数回の開放全体を通しての最大時間でありラウンド遊技時間のことである。具体的に9回目のラウンド遊技中には、大入賞口29を0.2秒開放させる動作を7回繰り返させるとともに、各開放の間に2.0秒の開放間インターバル時間が設定されている。そして、7回目の開放の終了後、2.0秒の開放間インターバル時間の経過後、大入賞口29を23.6秒開放させることになる。この場合には、2.2秒(0.2秒+2.0秒)の7セット分と、23.6秒とで開放態様が39秒となる。また、特別図柄bに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄bに基づく大当り遊技を「ステップアップ当り遊技」と示す。
特別図柄c,fに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回目〜15回目のラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口29を1回開放させるようになっている。また、1回目〜8回目のラウンド遊技の大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が25秒に設定されている。また、9回目〜15回目のラウンド遊技の大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が0.2秒に設定されている。具体的に9回目〜15回目の各ラウンド遊技の間には、2.0秒のラウンド間インターバル時間が設定されている。このため、9回目〜15回目のラウンド遊技によっては、大入賞口29を0.2秒開放させる動作を7回繰り返させるとともに、各ラウンド遊技の間に2.0秒のラウンド間インターバル時間を伴わせることになる。その結果、本実施形態のパチンコ遊技機10では、ステップアップ当り遊技における9回目のラウンド遊技の7回分の開放と、特別図柄c,fに基づく大当り遊技における9回目〜15回目のラウンド遊技分の開放とで、大入賞口29を見た目上に同一の開放態様で開閉制御されることになる。また、特別図柄c,fに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄cに基づく大当り遊技を「擬似8R確変当り遊技」、特別図柄fに基づく大当り遊技を「擬似8R非確変当り遊技」や、纏めて「擬似8R系当り遊技」と示す。なお、本実施形態では、擬似8R系当り遊技の開放態様によれば、実質的に大入賞口29へ遊技球を入賞させ得る場面が、1回目〜8回目のラウンド遊技となるため、恰も8回分のラウンド遊技で構成される大当り遊技が行われているかのように表現される。
そして、15R確変当り遊技、擬似8R確変当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。また、15R非確変当り遊技、擬似8R非確変当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態に関係なく、大当り遊技終了後に非確変状態と50回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される。また、15R系当り遊技、ステップアップ当り遊技、擬似8R系当り遊技では、各ラウンド遊技の間にラウンド間インターバル時間として「2.00秒」が、オープニング時間として「7.00秒」が、エンディング時間として「14.60秒」が設定されている。このため、ステップアップ当り遊技における9回目のラウンド遊技の7回分の開放の終了までと、特別図柄c,fに基づく大当り遊技における15回目のラウンド遊技の終了までとでは、見た目上に違いを判別し得ないようになっている。
特別図柄Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回目、2回目のラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口29を1回開放させるようになっている。また、1回目、2回目のラウンド遊技の大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が0.06秒に設定されている。具体的に1回目、2回目の各ラウンド遊技の間には、1.5秒のラウンド間インターバル時間が設定されている。このため、1回目、2回目のラウンド遊技によっては、大入賞口29を0.2秒開放させる動作を2回繰り返させるとともに、各ラウンド遊技の間に1.5秒のラウンド間インターバル時間を伴わせることになる。また、特別図柄Dに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄Dに基づく大当り遊技を「2R確変当り遊技」や「2R系当り遊技」と示す場合もある。
そして、2R確変当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における内部制御状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし(次回大当りまで))のみが付与される場合とがある。また、2R確変当り遊技では、オープニング時間として「0.02秒」が、エンディング時間として「0.05秒」が設定されている。
また、特別図柄Gによって付与される小当り遊技は、規定ラウンド数を「1回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29を複数回(本実施形態では「2回」)開放させるようになっている。また、大入賞口29の開放態様(最大開放時間)が1.62秒に設定されている。なお、この場合の最大開放時間とは、複数回の開放全体を通しての最大時間でありラウンド遊技時間のことである。具体的には、大入賞口29を0.06秒開放させる動作を2回繰り返させるとともに、各開放の間に1.5秒の開放間インターバル時間が設定されている。そして、1回目の開放の終了後、1.5秒の開放間インターバル時間の経過後、大入賞口29を0.06秒開放させることになる。この場合には、0.12秒(0.06秒)2セット分と、開放間インターバル時間とで開放態様が1.62秒となる。その結果、本実施形態のパチンコ遊技機10では、2R確変当り遊技における2回のラウンド遊技分の開放と、特別図柄Gに基づく小当り遊技における2回分の開放とで、大入賞口29を見た目上に同一の開放態様で開閉制御されることになる。また、特別図柄Gに基づく小当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄Gに基づく小当り遊技を「2R系当り遊技」と示す。
また、小当りは、小当り遊技の終了後における内部制御状態を、小当り抽選の当選時における内部制御状態で継続(維持)させるようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時の内部制御状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の内部制御状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の内部制御状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の内部制御状態を変短状態に継続させる。また、小当りでは、小当り抽選の当選時の内部制御状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の内部制御状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の内部制御状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の内部制御状態を非変短状態に継続させる。また、小当り遊技では、オープニング時間及びエンディング時間として、2R確変当り遊技と同一時間が設定されている。このため、小当り遊技における2回分の開放の終了までと、2R確変当り遊技における2回目のラウンド遊技の終了までとでは、見た目上に違いを判別し得ないようになっている。
なお、本実施形態では、各当り遊技の各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間(最大開放時間)となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、規定ラウンド数を15回とする大当り遊技では、規定ラウンド数を2回とする大当り遊技よりも大入賞口29の合計開放時間及び合計開放回数が多くなることで、1回の大当り遊技で遊技者に多くの賞球を獲得させることができる。したがって、規定ラウンド数を2回とする大当り遊技に対応する特別図柄Dが設定されていない第2特図の大当りの当選によっては、第1特図の大当りの当選よりも大当りの当選時に多くの賞球を獲得し得る可能性が高まる。その結果、第2特図の大当りの当選は、第1特図の大当りの当選よりも遊技者にとって有利となる。また、第2特図の抽選においては、小当りに当選することがなくなっている。その結果、第2特図の抽選においては、第1特図の抽選よりも時間効率が良いことから遊技者にとって有利となる。
なお、賞球とは、大入賞口29への1球の入球に対して遊技者に賞として付与される遊技球である。そして、前述した各大当り遊技との比較において賞球の獲得数が少量又は多量とは、各大当り遊技の終了までに得られる総獲得賞球数を比較した場合の少量又は多量である。本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞口29への1球の入球に対して、例えば「13球」の遊技球を賞球として払出すような設定がなされており、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「8球」に設定し、「8球」の遊技球が大入賞口へ入球したならば遊技者には「104球」の遊技球が賞球として払出されていることになる。
本実施形態では、獲得賞球が遊技者の獲得利益となる。そして、見込むことができる遊技者の獲得利益は、大入賞口29の開放態様によって異なる。すなわち、本実施形態では、規定ラウンド数の回数によって異なっており、設定している規定ラウンド数(15回又は2回)のうち、規定ラウンド数を2回とする大当り遊技よりも規定ラウンド数を15回とする大当り遊技で見込むことができる遊技者の獲得利益が、大きく設定されている。また、本実施形態において獲得利益は、規定ラウンド数は同じであるが開放態様に基づく大入賞口29の合計開放時間によって異なっており、25秒の開放が8回の特別図柄c,fに基づく大当り遊技よりも、25秒(23.6秒を含む)が15回の特別図柄A1,A2,a1,b,Eで見込むことができる遊技者の獲得利益が、大きく設定されている。なお、特別図柄A1,A2,a1,Eに基づく大当り遊技と特別図柄bに基づく大当り遊技とでは、同等の獲得利益が設定されている。
また、本実施形態では、特別図柄bに基づく大当り遊技の9回目のラウンド遊技中に大入賞口29の8回目の開放までと特別図柄c,fに基づく大当り遊技とで、大入賞口29の開放態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、開放態様や時間からその差異を遊技者が判別不能な場面に関して、大当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。また、これらでは、ラウンド報知装置RHの表示内容からもその差異を遊技者が判別不能となるようにしている。その結果、これらが付与される場合には、いずれの大当り遊技が付与されるのかを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。さらに本実施形態では、特別図柄bに基づく大当り遊技であれば、確変大当りであることも確定するためこれら大当り遊技中には何れであるかを把握するまでの間、特別図柄bに基づく大当り遊技の付与に対する期待を遊技者に抱かせることができる。
また、本実施形態では、特別図柄A2に基づく大当り遊技と特別図柄Eに基づく大当り遊技とで、大入賞口29の開放態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、大当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。また、これらでは、ラウンド報知装置RHの表示内容からもその差異を遊技者が判別不能となるようにしている。その結果、これらが付与される場合には、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
また、本実施形態では、特別図柄cに基づく大当り遊技と特別図柄fに基づく大当り遊技とで、大入賞口29の開放態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、大当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。また、これらでは、ラウンド報知装置RHの表示内容からもその差異を遊技者が判別不能となるようにしている。その結果、これらが付与される場合には、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
また、本実施形態では、特別図柄Dに基づく大当り遊技と特別図柄Gに基づく小当り遊技とで、大入賞口29の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。その結果、これらが付与される場合には、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。具体的に、上始動入賞口25へ遊技球が入球し易いことで、第1図柄変動ゲームが主に実行される非変短状態においては、特別図柄D,Gに基づく当り遊技が実行され得る。この場合には、特別図柄D,Gのいずれの当り遊技の終了後にも変短状態が付与されないので、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させ得る。その一方で、下始動入賞口27へ遊技球が入球し易いことで、第2図柄変動ゲームが主に実行される変短状態においては、特別図柄D,Gのような2R系当り遊技に当選し難い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図4に示すように、演出表示装置H2で行われる演出として、内部制御状態が確変状態(又は非確変状態)であることを遊技者に示唆する複数(本実施形態では4つ)の演出モードを実行可能に構成されている。具体的には、変短状態の付与中であって高確率抽選状態(確変状態)であることを確定的に遊技者に示唆する(報知する)確変演出モードMAが演出表示装置H2で実行可能に構成されている。また、変短状態の付与中であって高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する変短時潜確演出モードMBが演出表示装置H2で実行可能に構成されている。また、非変短状態の付与中であって高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆する非変短時潜確演出モードMCが演出表示装置H2で実行可能に構成されている。また、非変短状態の付与中であって低確率抽選状態(非確変状態)である可能性が高いことを遊技者に示唆する通常演出モードMDが演出表示装置H2で実行可能に構成されている。
そして各演出モードMA〜MDにおいて演出表示装置H2では、図4に示すように、対応する背景画像GA〜GDが画像表示される。なお、本実施形態において、演出表示装置H2では、図柄変動ゲームに関連して画像表示される背景画像が画像表示され、当該背景画像に重なるように各列の飾り図柄が画像表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2に画像表示される背景画像により各種演出モードを実行させ、背景画像の種類から現在滞在している演出モードの種類を遊技者が把握し得るようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される図柄を除いて構成し得る画像であり、図柄変動ゲームで変動表示される飾り図柄毎に対応付けて画像表示されるものとは異なっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図3に示すように、当りの基になる特別図柄(当り図柄)毎に演出モードの移行先(移行態様)を予め定めている。具体的に言えば、特別図柄A1,a1,bに基づく確変大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に確変演出モードMAへの移行を定めている。なお、この場合には、特別図柄A1,a1であれば図柄変動ゲームで確変確定の飾り図柄による大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される一方で、特別図柄bであれば図柄変動ゲームで確変非確定の飾り図柄による大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、特別図柄A2,cに基づく確変大当り、又は特別図柄E,fに基づく非確変大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後に変短時潜確演出モードMBへの移行を定めている。なお、この場合には、図柄変動ゲームで確変非確定の飾り図柄による大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、特別図柄Dに基づく確変大当りに当選した場合には、当り時が非変短状態であれば非変短時潜確演出モードMCへの移行を定めている一方で、当り時が変短状態であれば確変演出モードMAへの移行(再び移行)を定めている。なお、この場合には、図柄変動ゲームで大当り示唆の図柄組み合わせが確定停止表示される。また、特別図柄Gに基づく小当りに当選した場合には、当り時が非変短状態であれば非変短時潜確演出モードMCへの移行を定めている一方で、当り時が変短状態であれば滞在中の演出モードを現状維持(再び移行)させることを定めている。なお、この場合には、図柄変動ゲームで大当り示唆の図柄組み合わせが確定停止表示される。
このように本実施形態では、当り遊技のうち大入賞口29の開閉動作態様や時間や演出表示装置H2での演出内容から当り遊技の種類を判別不能とする当り遊技を対象としては演出モードの移行態様も同一態様に設定している。具体的に言えば、特別図柄A2,Eとなる大当り遊技では、演出モードの移行態様も同一態様に設定されている。すなわち、これら大当り遊技では、演出モードの移行態様からも確変状態が付与されるか否かを遊技者に判別不能となるので、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させ得る。また、特別図柄c,fとなる大当り遊技では、演出モードの移行態様も同一態様に設定されている。すなわち、これら大当り遊技では、演出モードの移行態様からも確変状態が付与されるか否かを遊技者に判別不能となるので、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させ得る。また、特別図柄Dとなる大当り遊技と特別図柄Gとなる小当り遊技では、演出モードの移行態様も同一態様に設定されている。すなわち、これら当り遊技では、演出モードの移行態様からも確変状態が付与されるか否かを遊技者に判別不能となるので、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させ得る。なお、特別図柄Dとなる大当り遊技と特別図柄Gとなる小当り遊技では、変短時潜確演出モードMBの滞在中における演出モードの移行態様を異ならせている。この場合には、小当り遊技に当選してもその時点で確変状態であったか否かに関しては遊技者に継続して推測させ得る。
次に、遊技の進行に伴う演出モードの移行態様について、図4に基づき説明する。また、図4では、特別図柄(当り図柄)を「A1」、「a1」などと示している。
最初に、確変演出モードMAの滞在中におけるモード移行態様を説明する。
確変演出モードMAの滞在中に、特別図柄A1,a1,b,D,G(15R確変当り遊技、ステップアップ当り遊技、2R確変当り遊技、小当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、確変演出モードMAへ再び移行する。また、確変演出モードMAの滞在中に、特別図柄A2,E,c,f(15R確変当り遊技、15R非確変当り遊技、擬似8R確変当り遊技、擬似8R非確変当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、変短時潜確演出モードMBへ移行する。
次に、変短時潜確演出モードMBの滞在中におけるモード移行態様を説明する。
変短時潜確演出モードMBの滞在中に、特別図柄A1,a1,b,D(15R確変当り遊技、ステップアップ当り遊技、2R確変当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、確変演出モードMAへ移行する。また、変短時潜確演出モードMBの滞在中に、特別図柄A2,E,c,f,G(15R確変当り遊技、15R非確変当り遊技、擬似8R確変辺り遊技、擬似8R非確変当り遊技、小当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、変短時潜確演出モードMBへ再び移行する。また、変短時潜確演出モードMBの滞在中に、変短状態の終了条件(50回の図柄変動ゲームの終了)が成立した場合、通常演出モードMDへ移行する。なお、変短時潜確演出モードMBの滞在中に、変短状態の終了条件が成立しない場合(リミットなしの変短状態であれば)、50回の図柄変動ゲームの終了を経ても非変短時潜確演出モードMBが継続する。
次に、非変短時潜確演出モードMCの滞在中におけるモード移行態様を説明する。
非変短時潜確演出モードMCの滞在中に、特別図柄A1,a1,b(15R確変当り遊技、ステップアップ当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、確変演出モードMAへ移行する。また、非変短時潜確演出モードMCの滞在中に、特別図柄A2,E,c,f(15R確変当り遊技、15R非確変当り遊技、擬似8R確変当り遊技、擬似8R非確変当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、変短時潜確演出モードMBへ移行する。また、非変短時潜確演出モードMCの滞在中に、特別図柄D,G(2R確変当り遊技、小当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、非変短時潜確演出モードMCへ再び移行する。また、非変短時潜確演出モードMCの滞在中に、予め定めた終了条件が成立している場合には、通常演出モードMDへ移行する。一方で、終了条件が成立していない場合には、非変短時潜確演出モードMCが継続する。本実施形態において非変短時潜確演出モードMCの滞在中には、図柄変動ゲームの開始毎に、終了条件の成立とするか否かの移行抽選を実行する。なお、移行抽選では、「終了」の抽選結果とする場合に終了条件の成立として通常演出モードMDへの移行を決定する。また、移行抽選では、「継続」の抽選結果とする場合に終了条件の非到来として非変短時潜確演出モードMCの継続を決定する。移行抽選では、「終了」及び「継続」を決定する確率を所定の確率となるように乱数を振分けて乱数抽選が実行される。
次に、通常演出モードMDの滞在中におけるモード移行態様を説明する。
通常演出モードMDの滞在中に、特別図柄A1,a1,b(15R確変当り遊技、ステップアップ当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、確変演出モードMAへ移行する。また、通常演出モードMDの滞在中に、特別図柄A2,E,c,f(15R確変当り遊技、15R非確変当り遊技、擬似8R確変当り遊技、擬似8R非確変当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、変短時潜確演出モードMBへ移行する。また、通常演出モードMDの滞在中に、特別図柄D,G(2R確変当り遊技、小当り遊技)の何れかに当選した場合、図柄変動ゲームの終了後、これら当り遊技を経て、非変短時潜確演出モードMCへ移行する。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図5に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口25に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3、普通図柄作動ゲート23を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、各特別図柄表示装置H0,H1及び普通図柄表示装置H10が接続されている。なお、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、各特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rb、普通図柄保留記憶表示装置M、及びラウンド報知装置RH(L1〜L3)が接続されている。
また、主制御用CPU35aは、当り判定用乱数(大当り判定用乱数及び小当り判定用乱数)、リーチ判定用乱数、図柄振分用乱数、普図当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。小当り判定用乱数は、小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選で大当り及び小当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。図柄振分用乱数は、大当り抽選で大当りに当選した場合に第1特別図柄表示装置H0に確定停止表示させる第1特図としての大当り図柄又は小当り図柄、第2特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる第2特図としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置H2及び各特別図柄表示装置H0,H1において図柄の変動開始による各図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置H2及び各特別図柄表示装置H0,H1において図柄が確定停止表示されて各図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、当り演出用(大当り演出用又は小当り演出用)、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に当りの図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又は小当りの図柄組み合わせ)を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置H2の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、各特別図柄表示装置H0,H1では、各図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄D(2R確変当り遊技)と特別図柄G(小当り遊技)の当選時、当り演出用の変動パターンのうち同一の変動パターンを選択するように構成されている。このため、この変動パターンが小当り演出用の変動パターンになるとともに、大当り及び小当りのいずれに当選しているかを把握し得ないようにする潜確演出用の変動パターンになる。なお、特別図柄A2(15R確変当り遊技)と特別図柄E(15R非確変当り遊技)、特別図が柄b(ステップアップ当り遊技)と特別図柄c(擬似8R確変当り遊技)と特別図柄f(擬似8R非確変当り遊技)などの他の当選時には、当り演出用の変動パターンのうち同一の変動パターンを選択するように構成されている。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1438までの全1439通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、内部制御状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、内部制御状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では33個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1439分の4となる一方で、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1439分の33となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態時の大当り判定値として、「7,12,21,34」の4個の値が定めてられている一方で、確変状態時の大当り判定値として「7,12,21,34,47,51,65,75,88,96,・・・」の33個の値が定められている。そして、本実施形態の大当り判定値の中には、確変状態時及び非確変状態時のいずれでも大当り判定値に含まれる共通大当り判定値「7,12,21,34」が定められている。また、本実施形態の大当り判定値の中には、確変状態時の大当り判定値に確変用大当り判定値「47,51,65,75,88,96,・・・(共通大当り判定値以外)」が設定されている。これにより、共通大当り判定値と一致する当り判定用乱数に基づく大当り抽選では、確変状態の有無にかかわらず大当りとなる一方、確変用大当り判定値と一致する当り判定用乱数に基づく大当り抽選では、確変状態が付与されているときにのみ大当りとなる。
また、主制御用ROM35bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、特別図柄用の当り判定用乱数(小当り判定用乱数)の取り得る数値(0〜1438の全1439通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、小当り判定値として第1特図では「9」個の数値が定められている。このため、小当り抽選で小当りに当選する確率は、第1特図で1439分の9となる。なお、小当り判定値は、確変状態が付与されているか否か、及び変短状態が付与されているか否かによってその値が異なることはない(同じ値が定められている)。すなわち、小当り抽選で小当りに当選する確率は、内部制御状態(抽選確率状態)に関係なく、一定とされている。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、内部制御状態が非変短状態の時のリーチ判定値と、内部制御状態が変短状態時のときのリーチ判定値とがある。具体的に言えば、図9に示すように、非変短状態時(変短状態「無」)におけるリーチ判定値では、1減算後の各特図始動保留記憶数が「0」「1」の時に「34個(0〜33の値)」が、「2」の時に「17個(0〜16の値)」が、「3」の時に「4個(0〜3の値)」が定められている。また、変短状態時(変短状態「有」)におけるリーチ判定値では、1減算後の各特図始動保留記憶数が「0〜3」の時に「4個(0〜3の値)」が定められている。
また、非変短状態の時のリーチ判定値の数は、図柄変動ゲームの開始に伴う1減算後の各特図始動保留記憶数によって異なっている。例えば、図柄変動ゲーム実行前の各特図始動保留記憶数が「1」である場合には、1減算後の各特図始動保留記憶数は「0」となる。すなわち、非変短状態時(変短状態「無」)において1減算後の各特図始動保留記憶数が「0」「1」の時のリーチ判定値の数は、1減算後の各特図始動保留記憶数が「2」,「3」の時のリーチ判定値の数(この例では3個)よりも多く設定されている。また、変短状態時のリーチ判定値の数は、図柄変動ゲームの開始に伴う1減算後の各特図始動保留記憶数にかかわらず同じに設定されている。
このように、非変短状態時においては、特図始動保留記憶数が多いほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、リーチ判定の当選確率が低くなる。このため、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。その一方、特図始動保留記憶数が少ないほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが少ないほど、リーチ判定の当選確率が高くなる。このため、非変短状態時において特図始動保留記憶数が少ないときには、リーチ演出を実行させて変動時間を長くする確率を高くして、図柄変動ゲームが途切れないようにすることができる。なお、本実施形態では、はずれリーチ演出よりもはずれ演出の方が変動時間を短く設定している。また、変短状態時は、非変短状態時に比して開閉羽根26が第2開放時間で第2回数開放されるとともに、普図当りの当選確率も高く設定され、さらに普通図柄変動ゲームの変動時間が長く設定されている。このため、変短状態時は、非変短状態時に比して各特図始動保留記憶数が上限数に達し易くなっている。したがって、変短状態時におけるリーチ判定の当選確率を低く設定することで、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。
また、主制御用ROM35bには、変動パターン振分テーブルが記憶されている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、主制御用CPU35aが、前回の大当り遊技の種類を示す情報(種別情報)を記憶しておくことにより、該種別情報と内部制御状態(確変状態の有無及び変短状態の有無)から用いる変動パターン振分テーブルを特定するようになっている。すなわち、変動パターン振分テーブルは、種別情報と内部制御状態毎に用意されており、内部抽選の結果(当りか否かや当りの種類(特別図柄)やはずれの場合にはリーチありか否か)毎に変動パターン振分用乱数に基づいて変動パターンを特定するためのテーブルである。そして、変動パターン振分テーブルは、変動パターン振分用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)に対して変動パターンを対応付けている。
種別情報と内部制御状態の関係においては、確変演出モードMAの滞在中における変動パターンの選択態様、変短時潜確演出モードMBの滞在中における変動パターンの選択態様、非変短状態における演出モード(非変短時潜確演出モードMC又は通常演出モードMD)の滞在中における変動パターンの選択態様をそれぞれに特定可能になっている。具体的に、前回が特別図柄A1,a1,bである種別情報であれば、演出の上では確変演出モードMAの滞在中を特定する。また、前回が特別図柄A2,cである種別情報であれば、演出の上では変短時潜確演出モードMBの滞在中を特定する。また、前回が特別図柄Dである種別情報であって非変短状態であれば、演出の上では非変短状態における演出モード(非変短時潜確演出モードMC又は通常演出モードMD)の滞在中を特定する。また、前回が特別図柄Dである種別情報であって変短状態であれば、演出の上では確変演出モードMAの滞在中を特定する。また、前回が特別図柄E,fである種別情報であって非変短状態であれば、演出の上では非変短状態における演出モード(非変短時潜確演出モードMC又は通常演出モードMD)の滞在中を特定する。また、前回が特別図柄E,fである種別情報であって変短状態であれば(変短状態の終了条件が成立していない)、演出の上では変短時潜確演出モードMBの滞在中を特定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、例えば、はずれリーチの内部抽選結果に対応する変動パターン振分テーブルにおいて、種別情報と内部制御状態に応じて変動パターンの選択態様を異ならせている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、リーチ演出が、ノーマルリーチ演出(「ノーマル」)と、弱SPリーチ演出(「弱SP」)と、強SPリーチ演出(「強SP」)と、強強SPリーチ演出(「強強SP」)との何れかに分類されている。そして、はずれリーチ演出用の変動パターンは、これらに分類されるそれぞれの演出内容を特定する変動パターンが設けられている。
そして、非変短状態である演出モード(非変短時潜確演出モードMC及び通常演出モードMD)に対するはずれリーチの内部抽選結果に応じた変動パターン振分テーブルでは、「ノーマル」、「弱SP」、「強SP」、「強強SP」のそれぞれに分類される各演出内容を選択可能に構成されている。また、変短時潜確演出モードMBに対するはずれリーチの内部抽選結果に応じた変動パターン振分テーブルでは、「弱SP」に分類される演出内容を選択可能に構成されている。また、確変演出モードMAに対するはずれリーチの内部抽選結果に応じた変動パターン振分テーブルでは、「ノーマル」、「弱SP」に分類される演出内容を選択可能に構成されている。
また、主制御用ROM35bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、内部制御状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、内部制御状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。そして、変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では250個)は、非変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の250となる一方で、非変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の10となる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置H2(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35の主制御用CPU35aについて説明する。
まず、主制御用CPU35aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態の主制御用CPU35aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に特別図柄入力処理(図6)及び特別図柄開始処理(図7及び図8)を実行するようになっている。なお、本実施形態の主制御用CPU35aでは、特別図柄入力処理を実行した後に特別図柄開始処理を実行するようになっている。
図6に示すように、特別図柄入力処理において、主制御用CPU35aは、上始動入賞口25に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において主制御用CPU35aは、遊技球を検知した始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合(入賞していない場合)、主制御用CPU35aは、ステップS6へ移行する。ステップS1の判定結果が肯定の場合(入賞した場合)、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている第1特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(第1特図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、ステップS6へ移行する。
ステップS2の判定結果が肯定(第1特図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、第1特図始動保留記憶数を1加算(+1)し、第1特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。続いて、主制御用CPU35aは、当り判定用乱数、図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM35cから読み出して取得する(ステップS4)。ステップS4において合わせて主制御用CPU35aは、取得した各値を第1特図始動保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、ステップS6へ移行する。この先読みコマンド設定処理は、上始動入賞口25への入賞検知を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知に基づく図柄変動ゲームの開始時期よりも前にサブ統括制御基板36に把握させるための各種先読みコマンドを生成及び出力するための処理となっている。この先読みコマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップS1,S2,S5からステップS6に移行すると主制御用CPU35aは、下始動入賞口27に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS6において主制御用CPU35aは、遊技球を検知した始動口スイッチSW2が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS6の判定結果が否定の場合(入賞していない場合)、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS6の判定結果が肯定の場合(入賞した場合)、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている第2特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定結果が否定(第2特図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS7の判定結果が肯定(第2特図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、第2特図始動保留記憶数を1加算(+1)し、第2特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS8)。続いて、主制御用CPU35aは、当り判定用乱数、図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM35cから読み出して取得する(ステップS9)。ステップS9において主制御用CPU35aは、取得した各値を第2特図始動保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を実行し(ステップS10)、特別図柄入力処理を終了する。この先読みコマンド設定処理は、下始動入賞口27への入賞検知を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知に基づく図柄変動ゲームの開始時期よりも前にサブ統括制御基板36に把握させるための各種先読みコマンドを生成及び出力するための処理となっている。この先読みコマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
なお、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)に入球した遊技球は始動保留球として主制御用RAM35cに記憶されることから、本実施形態において主制御用RAM35cは保留記憶手段として機能する。また、始動入賞口(上始動入賞口25又は下始動入賞口27)での入球検知時、乱数(各種判定用乱数)の各値を取得する主制御用CPU35aは乱数取得手段として機能する。
また、ステップS4,S9において主制御用CPU35aは、対応する特図始動保留記憶数を1加算した際、1加算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置H2(画像表示部GH)に画像表示されている対応する保留表示画像Rha,Rhbの表示態様が、対応する表示態様に更新される。合わせて主制御用CPU35aは、対応する特図始動保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように対応する特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rbを制御する。
なお、主制御用CPU35aは、ステップS2,S7が否定の場合(対応する始動保留記憶数=4)、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、肯定の場合にステップS4,S9で取得する各値も取得しない。
続いて、図7及び図8に示すように、特別図柄開始処理において、主制御用CPU35aは、まず図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中(変動中)であるか否か、又は当り遊技中(大当り遊技中又は小当り遊技中の当り中)であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、主制御用CPU35aは、後述する特別図柄変動処理フラグや当り遊技中(大当り遊技中及び小当り遊技中)である場合に設定される情報を確認することで、判定する。ステップS11の判定結果が肯定の場合(変動中又は当り中である場合)、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合(変動中又は当り中でない場合)、主制御用CPU35aは、第2特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS12)、第2特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定の場合(第2特図始動保留記憶数が「0」でない場合)、主制御用CPU35aは、ステップS19に移行して、第2特図による第2図柄変動ゲームに係る制御(ステップS20以降の処理)を実行する。その際に主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの特別図柄変動処理フラグに「1」を設定することにより、第2図柄変動ゲームを実行することを示す情報を設定してから(ステップS19)、ステップS20に移行する。
その一方で、ステップS13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU35aは、第1特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS14)、該保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。また、ステップS15の判定結果が肯定の場合(第1特図始動保留記憶数が「0」でない場合)、主制御用CPU35aは、ステップS16に移行して、第1特図による第1図柄変動ゲームに係る制御(ステップS17以降の処理)を実行する。その際に主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの特別図柄変動処理フラグに「0」を設定することにより、第1図柄変動ゲームを実行することを示す情報を設定してから(ステップS16)、ステップS17に移行する。
このため、主制御用CPU35aは、第1特図始動保留記憶数と第2特図始動保留記憶数とが共に存在すれば、第1図柄変動ゲームよりも第2図柄変動ゲームに係る制御を優先的に実行する。また、主制御用CPU35aは、いずれかの図柄変動ゲームに係る制御を実行する際、特別図柄変動処理フラグを設定することで、もう一方の図柄変動ゲームに係る制御を行わないようにする。これにより、主制御用CPU35aは、各図柄変動ゲームに係る制御を同時に実行しないで、各図柄変動ゲームを同時に実行させないようにしている。
そして、ステップS17に移行することで、第1図柄変動ゲームに係る制御を実行する主制御用CPU35aは、第1特図始動保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える。そして、主制御用CPU35aは、第1特図始動保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップS4で取得した各値)を読み出してから(ステップS18)、図8のステップS22に移行する。
その一方で、ステップS20に移行することで、第2図柄変動ゲームに係る制御を実行する主制御用CPU35aは、第2特図始動保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える。そして、主制御用CPU35aは、第2特図始動保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップS9で取得した各値)を読み出してから(ステップS21)、図8のステップS22に移行する。
また、ステップS17,S20において主制御用CPU35aは、制御に対応する特図始動保留記憶数を1減算した際、1減算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置H2(画像表示部GH)に画像表示されている対応する保留表示画像Rha,Rhbの表示態様が、対応する表示態様に更新される。合わせて主制御用CPU35aは、対応する特図始動保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように対応する特別図柄保留記憶表示装置Ra,Rbを制御する。
また、ステップS18,S21についてより詳しく主制御用CPU35aは、制御に対応する特図始動保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を読み出すとともに、該乱数の各値を、制御に対応する特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU35aは、制御に対応する特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、制御に対応する特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU35aは、制御に対応する特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、制御に対応する特図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。
続いて、ステップS18,S21から図8のステップS22に移行すると主制御用CPU35aは、先のステップS18又はステップS21で読み出した乱数のうち当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。ステップS22において、主制御用CPU35aは、内部制御状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。また、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、ステップS22において第1特別図柄用(第1図柄変動ゲーム)の大当り抽選を実行する一方で、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、ステップS22において第2特別図柄用(第2図柄変動ゲーム)の大当り抽選を実行する。
ステップS22の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU35aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」を設定する(ステップS23)。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、先のステップS18で読み出した乱数のうち図柄振分用乱数の値に基づき、第1特図による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置H0に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS24)。一方、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、先のステップS21で読み出した乱数のうち図柄振分用乱数の値に基づき、第2特図による大当り図柄の中から第2特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS24)。なお、各特別図柄表示装置H0,H1に確定停止表示される特別図柄の大当り図柄は、確変図柄又は非確変図柄のいずれかに分類されている。その後、主制御用CPU35aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定し、選択し得る当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS25)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS26に移行する。
一方、ステップS22の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU35aは、先のステップで読み出した乱数のうち当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う(ステップS27)。本実施形態において、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合にのみ、すなわちステップS27において第1特別図柄用(第1図柄変動ゲーム)の小当り抽選のみを実行する。その一方で、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、ステップS27〜S30に相当する処理を実行しないで、ステップS22が否定であればステップS31からの処理を実行する。なお、本実施形態では、同一のフローチャートで説明をしたが、ステップS18以降又はステップS21以降の処理に関し、特別図柄変動処理フラグが「0」であるか「1」であるかによって個別の処理を用いてもよい。また、本実施形態では、特別図柄変動処理フラグが「1」の場合、ステップS27の判定結果を必ず否定とする、すなわち第2特図用の小当り判定値を設けて、判定値として何れの値も設定しないように構成することもできる。また、本実施形態では、第2特図においても小当りに当選し得る構成を採用すれば、ステップS22以降の処理を共通化することもできる。
ステップS27の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU35aは、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」を設定する(ステップS28)。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合にのみステップS28の処理を実行し得るので、先のステップS18で読み出した乱数のうち図柄振分用乱数の値に基づき、第1特図による小当り図柄の中から第1特別図柄表示装置H0に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS29)。その後、主制御用CPU35aは、小当り遊技を特定し、選択し得る当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS30)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS26に移行する。
一方、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合でステップS27の小当り判定の判定結果が否定の場合(当りでない場合)、主制御用CPU35aは、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS31)。また、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合でステップS22の大当り判定の判定結果が否定の場合(当りでない場合)、主制御用CPU35aは、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS31)。本実施形態では、主制御用CPU35aは、ステップS31の処理時において、先のステップS18又はステップS21で主制御用RAM35cから読み出したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。なお、リーチ判定値は、ステップS18又はステップS21の処理時における各特図始動保留記憶数によって異なるようになっている。
そして、ステップS31の判定結果が肯定の場合(リーチありの場合)、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置H0にて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS32)。一方、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、はずれ図柄を第2特別図柄表示装置H1にて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS32)。次に、主制御用CPU35aは、選択し得るはずれリーチ演出用の中から変動パターンを決定する(ステップS33)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS26の処理に移行する。
一方、ステップS31の判定結果が否定の場合(リーチなしの場合)、主制御用CPU35aは、ステップS34に移行する。ステップS34にて主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置H0にて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS34)。一方、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、はずれ図柄を第2特別図柄表示装置H1にて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS34)。次に、主制御用CPU35aは、選択し得るはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS35)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS26の処理に移行する。
なお、ステップS25,S30,S33,S35で変動パターンの決定に際し、主制御用CPU35aは、そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される変動パターン振分テーブルを特定して、先のステップS18又はステップS21で読み出した乱数のうち変動パターン振分用乱数の値をもとに変動パターンを決定する。このようにして各図柄変動ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す各図柄変動ゲームの演出内容を判定する主制御用CPU35aは開始時判定手段として機能する。
ステップS26に移行した主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、各図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、決定された変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、第1特図(第1図柄変動ゲーム)を変動開始させるように第1特別図柄表示装置H0の表示内容を制御する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、第2特図(第2図柄変動ゲーム)を変動開始させるように第2特別図柄表示装置H1の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、最終停止図柄となる第1特図を指示するための第1特図用(第1図柄変動ゲーム用)の停止図柄指定コマンドを出力する。その一方で、主制御用CPU35aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、最終停止図柄となる第2特図を指示するための第2特図用(第2図柄変動ゲーム用)の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように制御に対応する各特別図柄表示装置H0,H1の表示内容を制御する。また、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための図柄停止コマンドを出力する。
そして、主制御用CPU35aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに「1」が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始する。また、主制御用CPU35aは、小当りを決定した場合(小当りフラグに「1」が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御を開始する。
主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される当り遊技において、当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。
また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、対応する開放態様で大入賞口29の開閉動作を制御する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口29を閉鎖させるように制御する。なお、主制御用CPU35aは、ステップアップ当り遊技の9回目のラウンド遊技の開放態様の制御中や小当り遊技の開放態様の制御中、何れかの終了条件を満たない場合でも開放態様に基づいて大入賞口29を閉鎖させる場合もある。
そして、主制御用CPU35aは、15R系当り遊技が特定される場合、該15R系当り遊技に定める開放態様で規定ラウンド数分(15回分)のラウンド遊技を実行させる。また、主制御用CPU35aは、ステップアップ当り遊技が特定される場合、該ステップアップ当り遊技に定める開放態様で規定ラウンド遊技数文(15回分)のラウンド遊技を実行させる。この場合には、特に9回目のラウンド遊技において、大入賞口29を複数回(8回)開放させるように開閉動作を制御する。また、主制御用CPU35aは、擬似8R系当り遊技が特定される場合、該擬似8R系当り遊技に定める開放態様で規定ラウンド数分(15回分)のラウンド遊技を実行させる。また、主制御用CPU35aは、2R系当り遊技が特定される場合、該2R系当り遊技に定める開放態様で規定ラウンド数分(2回分又は1回分)のラウンド遊技を実行させる。この場合には、特に小当り遊技において、大入賞口29を複数回(2回)開放させるように開閉動作を制御する。また、主制御用CPU35aは、15R系当り遊技中、ステップアップ当り遊技中、擬似8R系当り遊技中、ラウンド報知装置RHにおいて、ラウンド遊技の回数として「15回」を報知する15回報知ランプL1を点灯させるように制御する。また、主制御用CPU35aは、2R確変当り遊技中、ラウンド報知装置RHにおいて、ラウンド遊技の回数として「2回」を報知する2回報知ランプL2を点灯させるように制御する。また、主制御用CPU35aは、小当り遊技中、ラウンド報知装置RHにおいて、ラウンド遊技の回数として「1回」を報知する小当り報知ランプL3を点灯させるように制御する。
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技終了後、内部制御状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU35aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に50回を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態の終了条件の成立として変短状態を終了させる。合わせて主制御用CPU35aは、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、非変短状態を付与する場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短コマンドを出力する。なお、小当り遊技の終了後、小当り当選時の内部制御状態が維持されることから、主制御用CPU35aは、小当り遊技中も小当り当選時の内部制御状態で制御するとともに、小当り遊技終了後も当選時の内部制御状態を維持する。すなわち、これに合わせて主制御用CPU35aは、確変状態や変短状態などの内部制御状態を指定するコマンドを出力しない。
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU35aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、統括制御用CPU36aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
そして、各当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、各当り遊技終了時点における各特図始動保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、対応する図柄変動ゲームに係る処理を実行し、図柄変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU35aは、各当り遊技終了時点における各特図始動保留記憶数が「0」の場合、各始動入賞口25,27に遊技球が入球する迄の間、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU35aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート23へ遊技球が入球したか否か、すなわち、普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている普図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が否定(普図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、上限数を超える普図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。一方、保留判定の判定結果が肯定(普図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数を+1(1加算)し、普図始動保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、1加算後の普図始動保留記憶数を表すように普通図柄保留記憶表示装置Mの表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから読み出して取得し、該値を普図始動保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM35cの所定の記憶領域に設定する。
そして、主制御用CPU35aは、まず、図柄(普通図柄)が変動表示中であるか否か、及び普図当り遊技中であるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、普図始動保留記憶数を読み出し、普図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数を−1(1減算)する。そして、主制御用CPU35aは、当該普図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を取得する。
より詳しくは、主制御用CPU35aは、最も早く記憶した普図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を読み出す。また、主制御用CPU35aは、乱数を読み出した後、普図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU35aは、1減算後の普図始動保留記憶数を表すように普通図柄保留記憶表示装置Mの表示内容を変更させる。
次に、主制御用CPU35aは、取得した普図当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定して普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、本実施形態において、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置H10の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(普図当り図柄又は普図はずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の内部制御状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、非変短状態の場合には変動時間として「10000ms」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1100ms」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。また、主制御用CPU35aは、普図当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根26の開放態様を制御する。そして、主制御用CPU35aは、普図当り時の内部制御状態に応じて、開閉羽根26の開放態様を制御する。
また、主制御用CPU35aは、開閉羽根26の開放中に下始動入賞口27に入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で開閉羽根26を閉動作させ、普図当りに基づく開閉羽根26の開放制御を終了する。普図当りに基づく開閉羽根26の開放制御を終了した主制御用CPU35aは、その終了時点の普図始動保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、開閉羽根26の開放制御の終了時点の普図始動保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート23に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aについて説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、第1特図用の停止図柄指定コマンド又は第2特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する一方で、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する一方で、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM36cに記憶維持させる。統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機10の内部制御状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド及び非変短コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にも出力する。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置H2で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、各特図用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、15R系当り遊技に対する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、全列の図柄が同一図柄の図柄組み合わせ([111]など)を決定する。その大当り図柄が特別図柄A1,a1(確変演出モードMAへの移行を定めた15R確変当り遊技)であれば、統括制御用CPU36aは、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせとして、確変確定の大当り図柄を決定する。また、大当り図柄が特別図柄b(確変演出モードMAへの移行を定めたステップアップ当り遊技)であれば、統括制御用CPU36aは、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせとして、確変非確定の大当り図柄を決定する。なお、特別図柄b(ステップアップ当り遊技)の場合には、確変非確定の大当り図柄を決定するが、大当り演出中に確変演出モードMAへの移行が報知されることになる。また、大当り図柄が特別図柄A2,c,E,f(変短時潜確演出モードMBへの移行を定めた15R確変当り遊技、15R非確変当り遊技、擬似8R確変当り遊技、擬似8R非確変当り遊技)であれば、統括制御用CPU36aは、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせとして、確変非確定の大当り図柄を決定する。
一方、統括制御用CPU36aは、停止図柄(特別図柄)が、2R系当り遊技に対する当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄)の場合、すなわち特別図柄D,Gであれば、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせとして、符号図柄からなる大当り示唆の図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU36aは、各特図用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成するはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU36aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の実行に係る制御において、主制御基板35から大当り遊技に関する各種コマンドを入力すると、オープニング演出、各ラウンド遊技演出、エンディング演出の実行を指示する。この場合に統括制御用CPU36aは、付与される当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)に応じて予め定めた演出内容を指示する演出指示コマンドを、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。すなわち、統括制御用CPU36aは、確定停止表示させた特別図柄に基づいて付与される大当り遊技に対応した各種演出の演出内容を指示する。この場合、統括制御用CPU36aは、変短時潜確演出モードMBへの移行を定めた15R系当り遊技(特別図柄A2,E)に関して、各種演出の演出内容として同一内容の演出内容を指示する。また、統括制御用CPU36aは、擬似8R系当り遊技(特別図柄b,c)に関して、各種演出の演出内容として同一内容の演出内容を指示する。また、統括制御用CPU36aは、ステップアップ当り遊技(特別図柄b)に関しては、9回目のラウンド遊技の7回目の開放の終了までにおいて各種演出の演出内容として擬似8R系当り遊技のラウンド遊技の終了までと同一内容の演出内容を指示する。なお、ステップアップ当り遊技の場合には、9回目のラウンド遊技の7回目の開放の終了後、確変演出モードMAへの移行が報知される演出が実行される。また、統括制御用CPU36aは、2R系当り遊技(特別図柄D,G)に関して、各種演出の演出内容として同一内容の演出内容を指示する。
また、統括制御用CPU36aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、変短状態の作動/未作動に係る各コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。また、統括制御用CPU36aは、非変短時潜確演出モードMCの滞在中、移行抽選を実行するようになっている。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御用RAM36cに設定される。統括制御用CPU36aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドに指示される表示態様となるように保留表示画像Rha,Rhbの表示態様を制御する。また、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aから当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)に応じた各種演出(オープニング演出、各ラウンド遊技演出、エンディング演出)の演出内容を指示する演出指示コマンドを入力すると、該コマンドに指示される演出内容の演出を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
また、表示制御用CPU37aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。具体的に言えば、表示制御用CPU37aは、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを入力すると、指示される演出モードで演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、例えば、確変演出モードMAの滞在中である場合、演出表示装置H2では、確変演出モードMAでの表示画像が表示されるとともに、確変演出モードMAでの実行態様による図柄変動ゲームが実行される。
なお、音声・ランプ制御基板38は、各種コマンドを入力すると、装飾ランプ16の発光態様、及びスピーカ17の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板38は、演出表示制御基板37と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
次に、主制御用CPU35aが実行する先読みコマンド設定処理(図6に示す特別図柄入力処理のステップS5及びステップS10)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、先読みコマンド設定処理の処理結果をもとに、事前演出としての連続演出(先読み演出)を実行させるようになっている。連続演出は、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる1回以上の図柄変動ゲームから、所定の演出を各図柄変動ゲームで行い、当該演出を連続する複数回の図柄変動ゲームを跨いで実行させることにより、特定の図柄変動ゲームが大当り(特定の演出内容)となる可能性があることを予告する演出である。本実施形態において所定の演出は、図柄変動ゲームの開始に伴って演出表示装置H2に予め定めた特定画像(連続演出時のみに画像表示される専用画像「連続演出」等)を画像表示させることによって行われる。
以下、主制御用CPU35aが、入賞検知時に行う先読みコマンド設定処理の処理内容を図10に基づき説明する。
先読みコマンド設定処理のステップS101において主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理(図6)のステップS4又はステップS9で取得した乱数のうち当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前大当り判定」と示す)。ここで主制御用CPU35aは、上始動入賞口25への入賞検知時、特別図柄入力処理のステップS4で取得した乱数に基づいて事前大当り判定する一方で、下始動入賞口27への入賞検知時、特別図柄入力処理のステップS9で取得した乱数に基づいて事前大当り判定する。この事前大当り判定において主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)に応じた大当り判定値を用いる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態が確変状態である場合、高確率用の大当り判定値(共通大当り判定値と確変用大当り判定値)を用いて事前大当り判定を行う。一方で、主制御用CPU35aは、現在の内部制御状態(入賞検知時の内部制御状態)が非確変状態である場合、低確率用の大当り判定値(共通大当り判定値)を用いて事前大当り判定を行う。このように主制御用CPU35aは、各始動入賞口25,27で遊技球の入賞検知時(入球検知時)、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS101の判定結果が否定の場合(大当り判定値と不一致の場合)、主制御用CPU35aは、ステップS104に移行する。一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合(大当り判定値と一致の場合)、主制御用CPU35aは、先のステップS4又はステップS9で取得した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームの事前判定結果を指定するための大当り先読みコマンドを生成する大当り先読みコマンド設定処理を実行する(ステップS102)。主制御用CPU35aは、ステップS102で設定した大当り先読みコマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、大当り先読みコマンド(図12)については、後で詳述する。
続いて、大当り先読みコマンドを決定した主制御用CPU35aは、先のステップS4又はステップS9で取得した図柄振分用乱数に基づく特別図柄(大当り図柄)の種類を指定するための図柄先読みコマンドを生成する図柄先読みコマンド設定処理を実行する(ステップS103)。主制御用CPU35aは、ステップS103で設定した図柄先読みコマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、図柄先読みコマンド(図13(a),(b))については、後で詳述する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
一方、ステップS101からステップS104に移行すると主制御用CPU35aは、先のステップで取得した乱数のうち当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前小当り判定」と示す)。本実施形態において、主制御用CPU35aは、上始動入賞口25への入賞検知時、特別図柄入力処理のステップS4で取得した乱数に基づいて事前小当り判定する。その一方で、主制御用CPU35aは、下始動入賞口27への入賞検知時、事前小当り判定に相当する処理を実行しないで、ステップS101が否定であればステップS105からの処理を実行する。なお、本実施形態では、同一のフローチャートで説明をしたが、先読みコマンド設定処理に関し、ステップS4の後に(上始動入賞口25への入賞検知時に)実行されるか、ステップS9の後に(下始動入賞口27への入賞検知時に)実行されるかによって個別の処理を用いてもよい。また、本実施形態では、ステップS9の後(下始動入賞口27の入賞検知時に)実行される場合、ステップS104の判定結果を必ず否定とする、すなわち第2特図用の小当り判定値を設けて、判定値として何れの値も設定しないように構成することもできる。また、本実施形態では、第2特図においても小当りに当選し得る構成を採用すれば、先読みコマンド処理を共通化することもできる。
そして、主制御用CPU35aは、上始動入賞口25への入賞検知時、特別図柄入力処理のステップS4で取得した乱数に基づいてした事前小当り判定(ステップS104)の判定結果が肯定の場合(小当り判定値と一致の場合)、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。一方、主制御用CPU35aは、上始動入賞口25への入賞検知時、特別図柄入力処理のステップS4で取得した乱数に基づいてした事前小当り判定(ステップS104)の判定結果が否定の場合(小当り判定値と不一致の場合)、主制御用CPU35aは、ステップS105へ移行する。
続いて、ステップS105に移行すると主制御用CPU35aは、先のステップS4又はステップS9で取得したリーチ判定用乱数の値が、「3以下(≦3)」であるか、すなわち「0〜3」であるか否かを判定する(以下、この判定を「事前リーチ判定」と示す)。本実施形態では、図9に示すように、変短状態及び非変短状態において、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定時の各特図始動保留記憶数がいくつであってもリーチ判定用乱数が「3以下(≦3)」の「0〜3」である場合には、リーチ判定で肯定が確定する。その一方で、本実施形態では、図9に示すように、変短状態及び非変短状態において、リーチ判定用乱数が「3よりも大きい(>3)」である場合には、リーチ判定で否定とされる可能性がある。したがって、主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数の値が、「3以下(≦3)」であるか否かを判定することにより、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定で確実に肯定とされるか否かを事前判定することができる。そして、ステップS105が肯定とされる場合は、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定で確実に肯定とされることが確定する一方で、ステップS105で否定とされる場合は、特別図柄開始処理(図7)でのリーチ判定で否定とされる可能性があることになる。このように主制御用CPU35aは、各始動入賞口25,27で遊技球の入賞検知時(入球検知時)、該入賞検知時に主制御用RAM35cに記憶されたリーチ判定用乱数の値が、後に行うリーチ判定で確実にリーチとする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS105の判定結果が否定の場合(3以下でない場合)、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。一方、ステップS105の判定結果が肯定の場合(3以下の場合)、主制御用CPU35aは、先のステップS4又はステップS9で取得した変動パターン振分用乱数に基づく図柄変動ゲームに関する演出内容の事前判定結果を指定するためのはずれ先読みコマンドを生成するはずれ先読みコマンド設定処理を実行する(ステップS106)。ステップS106において主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルに基づき、演出内容(はずれリーチ)を特定した上ではずれ先読みコマンドを生成する。また、主制御用CPU35aは、ステップS106で設定したはずれ先読みコマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、はずれ先読みコマンド(図11(a)〜(c))については、後で詳述する。その後、主制御用CPU35aは、先読みコマンド設定処理を終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、先読みコマンド設定処理のステップS101及びステップS104で共に否定、ステップS101及びステップS105で共に否定となる場合、すなわち小当りの当選、はずれ且つはずれリーチが確定しない場面で、いずれの先読みコマンドも生成しない。このため、これらの場合には、いずれの先読みコマンドも生成しないことから、対象となる始動保留球を先読み演出の基とし得ないようになっている。なお、この対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームでは、先読み演出の基としないだけであって、他の始動保留球に基づく図柄変動ゲームが先読み演出の基となることにより、先読み演出を伴う場合はある。このようにして始動入賞口で遊技球の入球検知時、その時に取得される乱数の各値が示す図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する主制御用CPU35aは入球時判定手段として機能する。
次に、先読みコマンド設定処理(図10)で生成し、出力する各種先読みコマンド(はずれ先読みコマンド(図11(a)〜(c))、大当り先読みコマンド(図12)、図柄先読みコマンド(図13(a),(b)))について、説明する。なお、各種先読みコマンドは、「CMD1」と示す上位バイトと、「CMD2」と示す下位バイトで構成されている。
最初に、はずれ先読みコマンドについて説明する。
はずれ先読みコマンドは、図11(a)〜(c)に示すように、リーチ演出の演出内容の種類、制御に対応する特図(第1特図(第1図柄変動ゲーム)であるか第2特図(第2図柄変動ゲーム)であるか)の種類、事前判定時の制御に対応する特図始動保留記憶数として何番目であるかを指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU35aは、はずれ先読みコマンドとして、上位バイトが「DAH」、「D9H」、「D8H」、「D7H」で下位バイトが「01H〜04H」で構成されるそれぞれ4種類の4系統と、下位バイトが「11H〜14H」で構成されるそれぞれ4種類の4系統の計8系統のコマンドを出力可能になっている。
はずれ先読みコマンドは、上位バイトによりリーチ演出の演出内容を特定可能である。具体的に言えば、上位バイト「DAH」により「ノーマル」を、上位バイト「D9H」により「弱SP」を、上位バイト「D8H」により「強SP」を、上位バイト「D7H」により「強強SP」を特定可能である。
また、はずれ先読みコマンドは、下位バイト「01H〜04H」により「制御に対応する特図が第1特図であること」とともに「制御に対応する特図始動保留記憶数として何番目であること」を特定可能である。すなわち、下位バイトが「01H」であれば第1特図で「1番目に記憶されている」こと、「02H」であれば第1特図で「2番目に記憶されている」こと、「03H」であれば第1特図で「3番目に記憶されている」こと、「04H」であれば第1特図で「4番目に記憶されている」ことを特定可能である。また、はずれ先読みコマンドは、下位バイト「11H〜14H」により「制御に対応する特図が第2特図であること」とともに「制御に対応する特図始動保留記憶数として何番目であること」を特定可能である。すなわち、下位バイトが「11H」であれば第2特図で「1番目に記憶されている」こと、「12H」であれば第2特図で「2番目に記憶されている」こと、「13H」であれば第2特図で「3番目に記憶されている」こと、「14H」であれば第2特図で「4番目に記憶されている」ことを特定可能である。
そして、図11(a)に示すように、ステップS106において、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルが、非変短状態時の演出モードMC,MDに対応する場合には、「ノーマル」、「弱SP」、「強SP」、「強強SP」の演出内容が決定され得る。このため、この場合には、「DAH」、「D9H」、「D8H」、「D7H」の系統のはずれ先読みコマンドを生成し得る。
また、図11(b)に示すように、ステップS106において、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルが、変短時潜確演出モードMBに対応する場合には、「弱SP」の演出内容が決定され得る。このため、この場合には、「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドを生成し得る。
また、図11(c)に示すように、ステップS106において、特別図柄開始処理(図7)で用いることになる(そのとき(現在)の種別情報と内部制御状態から特定される)変動パターン振分テーブルが、確変演出モードMAに対応する場合には、「ノーマル」、「弱SP」の演出内容が決定され得る。このため、この場合には、「DAH」、「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドを生成し得る。
次に、大当り先読みコマンドについて説明する。
大当り先読みコマンドは、図12に示すように、制御に対応する特図(第1特図(第1図柄変動ゲーム)であるか第2特図(第2図柄変動ゲーム)であるか)の種類、事前判定時の制御に対応する特図始動保留記憶数として何番目であるかを指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU35aは、大当り先読みコマンドとして、上位バイトが「D6H」で下位バイトが「01H〜04H」で構成される4種類と、上位バイトが「D6H」で下位バイトが「11H〜14H」で構成される4種類の2系統のコマンドを出力可能になっている。
大当り先読みコマンドは、上位バイト「D6H」により「事前判定が大当りであること」を特定可能である。また、大当り先読みコマンドは、下位バイト「01H〜04H」により「制御に対応する特図が第1特図であること」とともに「制御に対応する特図始動保留記憶数として何番目であること」を特定可能である。すなわち、下位バイトが「01H」であれば第1特図で「1番目に記憶されている」こと、「02H」であれば第1特図で「2番目に記憶されている」こと、「03H」であれば第1特図で「3番目に記憶されている」こと、「04H」であれば第1特図で「4番目に記憶されている」ことを特定可能である。また、大当り先読みコマンドは、下位バイト「11H〜14H」により「制御に対応する特図が第2特図であること」とともに「制御に対応する特図始動保留記憶数として何番目であること」を特定可能である。すなわち、下位バイトが「11H」であれば第2特図で「1番目に記憶されている」こと、「12H」であれば第2特図で「2番目に記憶されている」こと、「13H」であれば第2特図で「3番目に記憶されている」こと、「14H」であれば第2特図で「4番目に記憶されている」ことを特定可能である。
そして、図12に示すように、ステップS102で上始動入賞口25への入賞検知時の事前大当り判定であれば、第1特図における大当りが決定され得る。このため、この場合には、上位バイトが「D6H」の「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドを生成し得る。また、ステップS102で下始動入賞口27への入賞検知時の事前大当り判定であれば、第2特図における大当りが決定され得る。このため、この場合には、上位バイトが「D6H」の「11H〜14H」の系統の大当り先読みコマンドを生成し得る。
次に、図柄先読みコマンドについて説明する。
図柄先読みコマンドは、図13(a),(b)に示すように、制御に対応する特図(第1特図(第1図柄変動ゲーム)であるか第2特図(第2図柄変動ゲーム)であるか)の種類、特別図柄(図柄番号)を指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU35aは、図柄先読みコマンドとして、上位バイトが「DBH」、「DCH」で下位バイトが「00H〜31H」で構成されるそれぞれ50種類の2系統のコマンドを出力可能になっている。なお、この下位バイトは、16進数に基づいており、「00H〜31H」では50種類を有する。
図柄先読みコマンドは、上位バイト「DBH」により「制御に対応する特図が第1特図であること」こととともに「事前判定が大当りであること」を特定可能である。また、図柄先読みコマンドは、上位バイト「DCH」により「制御に対応する特図が第2特図であること」を特定可能である。また、図柄先読みコマンドは、下位バイト「00H〜31H」により「図柄番号、すなわち特別図柄の種類」を特定可能である。
そして、図13(a)に示すように、ステップS103で上始動入賞口25への入賞検知時の事前大当り判定であれば、第1特図が決定され得る。このため、この場合には、上位バイトが「DBH」の「00H〜31H」の系統の図柄先読みコマンドを生成し得る。具体的には、「DBH」のもと、特別図柄A1(図柄番号1〜20)であれば「00H〜13H」、特別図柄A2(図柄番号21〜25)であれば「14H〜18H」、特別図柄D(図柄番号26〜40)であれば「19H〜27H」、特別図柄E(図柄番号41〜50)であれば「28H〜31H」の図柄先読みコマンドを生成し得る。
また、図13(b)に示すように、ステップS103で下始動入賞口27への入賞検知時の事前大当り判定であれば、第2特図が決定され得る。このため、この場合には、上位バイトが「DCH」のもと、特別図柄a1(図柄番号1〜29)であれば「00H〜1CH」、特別図柄b(図柄番号30〜35)であれば「1DH〜22H」の図柄先読みコマンドを生成し得る。また、この場合には、特別図柄c(図柄番号36〜40)であれば「23H〜27H」、特別図柄f(図柄番号41〜50)であれば「28H〜31H」の図柄先読みコマンドを生成し得る。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、先読みコマンド設定処理の事前大当り判定で肯定とする場合、大当り先読みコマンドと図柄先読みコマンドとを合わせて(セットで)生成し、出力することになる。これら先読みコマンドの組み合わせによっては、事前大当り判定が肯定であることと、大当りとなる場合の大当りの種類(特別図柄の種類)とを合わせて(セットで)特定可能となる。
事前判定処理における事前大当り判定、事前小当り判定及び事前リーチ判定は、先に説明した特別図柄開始処理における大当り判定、小当り判定及びリーチ判定に対し、特定状況を除き、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、事前判定処理を含む特別図柄入力処理は、各始動入賞口へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、事前大当り判定、事前小当り判定及び事前リーチ判定は、図柄変動ゲームの実行中や当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中であっても、各始動入賞口へ入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、特別図柄開始処理は、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、特別図柄開始処理に基づく大当り判定、小当り判定及びリーチ判定は、図柄変動ゲームの実行条件が成立した場合(図柄変動ゲームの実行中ではなく、かつ当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、当り判定(大当り判定及び小当り判定)やリーチ判定は、図柄変動ゲームの実行中や当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中には実行されない。
このような構成により、事前大当り判定、事前小当り判定及び事前リーチ判定と、大当り判定、小当り判定及びリーチ判定は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、先読みコマンド設定処理の対象となった始動保留球に基づく当り判定(大当り判定及び小当り判定)やリーチ判定は、当該始動保留球の入球時の状態(図柄変動ゲームの実行中であるか否か、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、事前大当り判定や事前小当り判定や事前リーチ判定は、当り判定(大当り判定及び小当り判定)やリーチ判定に比して先に実行されることから事前判定となる。そして、これらの事前大当り判定や事前小当り判定や事前リーチ判定により、その判定対象となる始動保留球を連続演出における特定の図柄変動ゲーム(最終回の図柄変動ゲーム)とし、当該図柄変動ゲームの対象始動保留球よりも前に実行される始動保留球に対応する図柄変動ゲームから所定の演出を実行させることが可能となる。
なお、特定状況とは、始動保留球が「0(零)」であって、図柄変動ゲームも行われていない状況である。この場合、入球によって生じた始動保留球に対応する図柄変動ゲームが、見た目上、入球とほぼ同一タイミング(制御的には処理の関係上、所定の制御周期分ずれる)で行われることになる。したがって、この特定状況の場合には、事前大当り判定、事前小当り判定及び事前リーチ判定と、当り判定(大当り判定及び小当り判定)及びリーチ判定は、制御上、多少の時間差は生じ得るが、特定状況ではない状況に比べて時間差は生じ得ない。
次に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aの処理内容について説明する。
最初に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aが、当該コマンドの対象となった始動保留球に基づいた先読み演出(連続演出)を実行し得る条件について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態であれば、第1特図(第1図柄変動ゲーム)に対応する第1特図始動保留球を対象として先読み演出を実行可能に構成されている一方で、変短状態であれば、第2特図(第2図柄変動ゲーム)に対応する第2特図始動保留球を対象として連続演出を実行可能に構成されている。換言すれば、非変短状態である場合には、第2特図始動保留球を対象として連続演出を実行不可能に構成されている一方で、変短状態である場合には、第1特図始動保留球を対象として連続演出を実行不可能に構成されている。また、本実施形態では、事前大当り判定が肯定の場合、その大当りが特別図柄Dに基づく2R確変当り遊技でなければ、内部制御状態で定めた各特図始動保留球を対象として連続演出を実行可能に構成されている。換言すれば、事前大当り判定が肯定であってもその大当りが特別図柄Dに基づく2R確変当り遊技である場合には、連続演出を実行不可能に構成されている。なお、事前大当り判定が否定(事前小当り判定も否定)で、且つ事前リーチ判定が肯定の場合には、内部制御状態に定めた各特図始動保留球を対象として連続演出を実行可能に構成されている。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、各種先読みコマンドを入力しない場合、すなわち事前小当り判定で肯定の場合や事前リーチ判定で否定の場合、このような始動保留球を基に連続演出を実行させることを決定しないようになっている。
具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、内部制御状態と演出モードに基づき、大当り先読みコマンドと図柄先読みコマンドの組み合わせによって連続演出を実行可能か実行不可能か定めている。
そして、確変演出モードMA(変短状態)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、図柄先読みコマンドとのいずれの組み合わせでも連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、確変演出モードMA(変短状態)であるので、第1特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。また、確変演出モードMA(変短状態)の場合には、下位バイト「11H〜14H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、図柄先読みコマンドとのいずれの組み合わせでも連続演出の実行可能を定めている。なお、第2特図始動保留球においては、2R確変大当りに基づく特別図柄が決定され得ないので、いずれの第2特図(大当り図柄)であっても連続演出を実行可能になる。すなわち、統括制御用CPU36aは、確変演出モードMA(変短状態)であるので、事前大当り判定による第2特図始動保留球を対象とする連続演出の実行可能を特定する。
また、変短時潜確演出モードMB(変短状態)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、図柄先読みコマンドとのいずれの組み合わせでも連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、変短時潜確演出モードMB(変短状態)であるので、第1特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。また、変短時潜確演出モードMB(変短状態)の場合には、下位バイト「11H〜14H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、図柄先読みコマンドとのいずれの組み合わせでも連続演出の実行可能を定めている。なお、第2特図始動保留球においては、2R確変大当りに基づく特別図柄が決定され得ないので、いずれの第2特図(大当り図柄)であっても連続演出を実行可能になる。すなわち、統括制御用CPU36aは、変短時潜確演出モードMB(変短状態)であるので、事前大当り判定による第2特図始動保留球を対象とする連続演出の実行可能を特定する。
また、非変短時の演出モード(「MC」,「MD」)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、特別図柄D以外に対応する「DB00H〜DB18H」、「DB28H〜DB31H」の図柄先読みコマンドとの組み合わせで連続演出の実行可能を定めている。その一方で、非変短時の演出モード(「MC」,「MD」)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、特別図柄Dに対応する「DBH19H〜DB27H」の図柄先読みコマンドとの組み合わせで連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)であるので、事前大当り判定による大当りが特別図柄D以外であることを特定している第1特図始動保留球を対象とする連続演出の実行可能を特定する。その一方で、統括制御用CPU36aは、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)であるので、事前大当り判定による大当りが特別図柄Dであることを特定している第1始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。また、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)の場合には、下位バイト「11H〜14H」の系統の大当り先読みコマンドであれば、いずれの図柄先読みコマンドとの組み合わせでも連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)であるので、第2特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、内部制御状態と演出モードに基づき、はずれ先読みコマンドによって連続演出を実行可能か実行不可能か定めている。
そして、変短状態時の演出モード(「MA」,「MB」)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統のはずれ先読みコマンドであれば連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、変短状態時の演出モード(「MA」,「MB」)であるので、第1特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。また、変短状態時の演出モード(「MA」,「MB」)の場合には、下位バイト「11H〜14H」の系統のはずれ先読みコマンドであれば連続演出の実行可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、変短状態時の演出モード(「MA」,「MB」)であるので、第2特図始動保留球を対象とする連続演出の実行可能を特定する。
なお、確変演出モードMAの場合には、変動パターン振分テーブルの関係上、上位バイト「DAH」,「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドのみが決定され得る。また、変短時潜確演出モードMBの場合には、変動パターン振分テーブルの関係上、上位バイト「D9H」の系統のはずれ先読みコマンドのみが決定され得る。
また、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)の場合には、下位バイト「01H〜04H」の系統のはずれ先読みコマンドであれば連続演出の実行可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)であるので、第1特図始動保留球を対象とする連続演出の実行可能を特定する。また、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)の場合には、下位バイト「11H〜14H」の系統のはずれ先読みコマンドであれば連続演出の実行不可能を定めている。すなわち、統括制御用CPU36aは、非変短状態時の演出モード(「MC」,「MD」)であるので、第2特図始動保留球を対象とする連続演出の実行不可能を特定する。
なお、非変短時潜確演出モードMC及び通常演出モードMDの場合には、変動パターン振分テーブルの関係上、上位バイト「DAH」,「D9H」,「D8H」,「D7H」の系統のはずれ先読みコマンドが決定され得る。
次に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aの連続演出の実行可能を特定する場合の処理内容について説明する。
そして、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aは、連続演出の実行可能を特定する場合、当該コマンドの対象となった始動保留球を特定の図柄変動ゲーム(最終回の図柄変動ゲーム)とする連続演出を実際に実行するか否かを判定する。本実施形態において連続演出は、原則、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球(既に保留されている特図始動保留球)に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている場合、実行されないようになっている。各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている状況とは、既に連続演出を実行している状況や連続演出を実行可能であったが実際には実行していない状況である。なお、この場合に統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の各特図始動保留球を確認し、各種先読みコマンドが対応付けられているか否かを判定することになる。また、これに関しては、先読みコマンドが対応付けられている特図始動保留球が存在するか否かを示す情報(フラグなど)を設定するといったこともできる。すなわち、統括制御用CPU36aは、この場合には連続演出を実行可能であっても実際には実行しないことを決定する。これらの条件が成立した場合には連続演出を実行するか否かの判定を否定判定するとともに、前記条件が成立していない場合には実行抽選に当選することによって連続演出を実行するか否かの判定を肯定判定する。実行抽選は、所定の乱数を用いて行われるようになっており、始動保留球の数が多いほど当選確率が高められている。このようにして連続演出を実行させるか否かを決定する統括制御用CPU36aは事前決定手段として機能する。
したがって、本実施形態において統括制御用CPU36aは、連続演出の対象となる図柄変動ゲームが待機していなければ、事前判定の対象とした図柄変動ゲームを含むその時に保留されている特図始動保留球に基づく図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行させることを決定し得る。なお、これは既に保留されている特図始動保留球に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されていない場合に限られる。
また、連続演出の実行を決定した統括制御用CPU36aは、連続演出の実行中であることを示す実行フラグを統括制御用RAM36cに設定する。合わせて統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドに示される保留情報(何番目に記憶されているか、その前にどれだけ分の保留が存在しているか)にしたがって連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を統括制御用RAM36cに設定する。その際に、統括制御用CPU36aは、連続演出の具体的な演出内容(連続演出の対象となる各図柄変動ゲームで実行させる演出(実行態様))を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、実行フラグ及び回数の設定後、前記回数分の変動パターン指定コマンドを入力する毎に、所定の演出(決定している具体的な演出内容)の実行を指示する連続演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力する。なお、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に前記回数を1減算するとともに、前記回数が「0(零)」になると実行フラグをクリアする。そして、連続演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って所定の演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。このようにして連続演出を実行させるように制御する表示制御用CPU37aは実行制御手段として機能する。
次に、連続演出の対象となる各図柄変動ゲームで実行させる具体的な演出内容(実行態様)の決定について、確変演出モードMA(変短状態)である場合を例に説明する。
確変演出モードMAにおいて、連続演出の具体的な演出内容の決定に際して統括制御用CPU36aは、入力した各種先読みコマンドに基づき演出内容抽選を実行する。統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドの種類によって異なる抽選態様で具体的な演出内容を決定するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と入力した先読みコマンドをもとに具体的な演出内容を決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、連続演出の対象とする各図柄変動ゲームにおいて、「白」を基調とした背景、「青」を基調とした背景、「緑」を基調とした背景、「赤」を基調とした背景、の何れかの背景のもと特定画像を画像表示させるようになっている。なお、本実施形態では、連続演出の対象とする図柄変動ゲームで、「特定画像を画像表示しない(何もなし)」という演出内容も含んでいる。すなわち、本実施形態では、連続演出の対象となる図柄変動ゲームの初回(1回目の図柄変動ゲーム)、途中、最終回(特定の図柄変動ゲーム)で「何もなし」という演出内容が特定される場合もある。なお、「何もなし」という演出内容が特定される場合にも統括制御用CPU36aは、制御の上で内部的には連続演出の実行中として処理することになる。このため、特定の図柄変動ゲームで「何もなし」となる場合や対象となる全てで「何もなし」という演出内容であっても内部的には、実行フラグや連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を統括制御用RAM36cに設定しており、連続演出の実行中と処理される。
そして、本実施形態では、特定の図柄変動ゲーム(連続演出の基になった図柄変動ゲーム)の具体的な演出内容により、特定の図柄変動ゲームが大当りになる可能性(演出期待度)を遊技者に示唆する。すなわち、本実施形態では、連続演出による予告が実現させる可能性(期待度)を遊技者に示唆するようになっている。なお、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる連続演出の対象とする各図柄変動ゲームでは、前後の図柄変動ゲームで特定画像に基づく演出期待度が前の図柄変動ゲームよりも後の図柄変動ゲームで低く(低期待度に)ならない特定画像が特定される。なお、特定画像の特定に関しては、「何もなし」の演出内容との比較においては該当する図柄変動ゲームを省いた前後での比較としている。また、後述するが、本実施形態では演出期待度によっては特定の図柄変動ゲームが特別図柄a1に基づく大当りになる可能性を示唆することになる。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特定の図柄変動ゲームを含む連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数に基づいて予め各図柄変動ゲームでの具体的な演出内容をパターン化した複数種類(本実施形態では、図14に示す15種類)の特定画像パターンGP1〜GP15を設けている。このため、統括制御用CPU36aは、特定画像パターンを決定することにより各図柄変動ゲームでの具体的な演出内容を決定(特定)するようになっている。なお、特定画像パターンは統括制御用ROM36bに記憶されている。
図14に示すように、各特定画像パターンは、連続演出の対象となるうち1回目〜4回目の各図柄変動ゲームでの具体的な演出内容を特定する。例えば、特定画像パターンGP2は、1回目に「白」、2回目〜4回目に「何もなし」の演出内容を特定する。その結果、特定画像パターンGP2に基づいて連続演出が実行される場合には、図15(a)に示すように、1回目で「白」、2回目〜4回目で「何もなし(×)」となる態様で実行される。なお、特定画像パターンGP2は、連続演出の対象が1回〜4回で選択され得るので、該回数までの演出態様となる。また、特定画像パターンGP7は、1回目、4回目に「何もなし」、2回目に「白」、3回目に「青」の演出内容を特定する。その結果、特定画像パターンGP7に基づいて連続演出が実行される場合には、図15(b)に示すように、1回目で「×」、2回目で「白」、3回目で「青」となる態様で実行される。なお、特定画像パターンGP7は、連続演出の対象が3回で選択され得るので、3回までの演出態様となる。また、特定画像パターンGP9は、1回目に「白」、2回目に「青」、3回目に「緑」、4回目に「赤」の演出内容を特定する。その結果、特定画像パターンGP9に基づいて連続演出が実行される場合には、図15(c)に示すように、1回目で「白」、2回目で「青」、3回目で「緑」、4回目で「赤」となる態様で実行される。なお、特定画像パターンGP9は、連続演出の対象が4回で選択され得るので、4回までの演出態様となる。
そして、本実施形態において統括制御用CPU36aは、図16(a)〜(d)に示すように、抽選態様テーブルに基づいて各種先読みコマンドに応じた演出内容抽選を実行する。
すなわち、統括制御用CPU36aは、入力する先読みコマンドが、第2特図で「1番目に記憶されている」ことを特定可能な場合、図16(a)に示す、入力時「保1」用の抽選態様テーブルTB1で演出内容抽選を実行する。この場合の先読みコマンドは、はずれ先読みコマンド又は大当り先読みコマンドのうち下位バイトが「11H」のものである。また、統括制御用CPU36aは、入力する先読みコマンドが、第2特図で「2番目に記憶されている」ことを特定可能な場合、図16(b)に示す、入力時「保2」用の抽選態様テーブルTB2で演出内容抽選を実行する。この場合の先読みコマンドは、はずれ先読みコマンド又は大当り先読みコマンドのうち下位バイトが「12H」のものである。また、統括制御用CPU36aは、入力する先読みコマンドが、第2特図で「3番目に記憶されている」ことを特定可能な場合、図16(c)に示す、入力時「保3」用の抽選態様テーブルTB3で演出内容抽選を実行する。この場合の先読みコマンドは、はずれ先読みコマンド又は大当り先読みコマンドのうち下位バイトが「13H」のものである。また、統括制御用CPU36aは、入力する先読みコマンドが、第2特図で「4番目に記憶されている」ことを特定可能な場合、図16(d)に示す、入力時「保4」用の抽選態様テーブルTB4で演出内容抽選を実行する。この場合の先読みコマンドは、はずれ先読みコマンド又は大当り先読みコマンドのうち下位バイトが「14H」のものである。本実施形態のパチンコ遊技機10では、統括制御用ROM36bに演出内容抽選を実行するためのそれぞれの抽選態様テーブルTB1〜TB4に相当するテーブルが記憶されている。
統括制御用CPU36aは、演出内容抽選を実行する際、演出内容抽選で特定画像パターンを決定するための乱数の値を統括制御用RAM36cから取得して該値に基づいて実行する。各抽選態様テーブルTB1〜TB4には、特定画像パターンを決定するための乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜252までの全253通りの整数)が、各特定画像パターンにそれぞれ振分けられている。
そして、各抽選態様テーブルTB1〜TB4では、各種先読みコマンドに対して、選択し得る特定画像パターンのそれぞれに所定個数ずつの乱数を振分けている。すなわち、入力時「保1」用の抽選態様テーブルTB1では、特定画像パターンGP1,GP2を選択し得る。また、入力時「保2」用の抽選態様テーブルTB2では、特定画像パターンGP1〜GP4を選択し得る。また、入力時「保3」用の抽選態様テーブルTB3では、特定画像パターンGP1,GP2,GP4〜GP8を選択し得る。また、入力時「保4」用の抽選態様テーブルTB4では、特定画像パターンGP1,GP2,GP4,GP8〜GP15を選択し得る。
また、確変演出モードMAにおいて連続演出を実行可能とする先読みコマンドは、「D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の図柄先読みコマンドとをセットで入力している場合と、「D9H」、「DAH」系のはずれ先読みコマンドであって下位バイトが「11H〜14H」を示すはずれ先読みコマンドである。そして、本実施形態では、各抽選態様テーブルTB1〜TB4において、「DCH」系の「00H〜1CH」(特別図柄a1)の図柄先読みコマンドの入力時と、「DCH」系の「1DH〜31H」(特別図柄b,c,f)の図柄先読みコマンドの入力時とに分類している。さらに、各抽選態様テーブルTB1〜TB4においては、「D9H」系のはずれ先読みコマンドの入力時と、「DAH」系のはずれ先読みコマンドの入力時とに分類している。すなわち、事前大当り判定が肯定とされる場面では、確変確定の大当り図柄が導出される大当り(特別図柄a1)であるか、確変非確定の大当り図柄が導出される大当り(特別図柄b,c,f)であるかによって分類している。また、事前大当り判定が否定される場面では、「ノーマル」のリーチ演出であるか、「弱SP」のリーチ演出であるかによって分類している。
そして、例えば、入力時「保1」用の抽選態様テーブルTB1において、「D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄a1)に対しては、47個の乱数を「GP1」に、206個の乱数を「GP2」にそれぞれ振分けている。
このような本実施形態では、入力時「保1」用の抽選態様テーブルTB1において、「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄a1)に対しては、連続演出の特定の図柄変動ゲームで「何もなし」又は「白」を特定するパターンのうち、「何もなし」<「白」の順に決定し易くなっている。また、入力時「保2」用の抽選態様テーブルTB2において、「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄a1)に対しては、連続演出の特定の図柄変動ゲームで「白」又は「青」を特定するパターンのうち、「白」<「青」の順に決定し易くなっている。また、入力時「保3」用の抽選態様テーブルTB3において、「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄a1)に対しては、連続演出の特定の図柄変動ゲームで「白」又は「青」又は「緑」を特定するパターンのうち、「白」<「青」<「緑」の順に決定し易くなっている。また、入力時「保4」用の抽選態様テーブルTB4において、「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄a1)に対しては、連続演出の特定の図柄変動ゲームで「白」又は「青」又は「緑」又は「赤」を特定するパターンのうち、「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に決定し易くなっている。
このため、本実施形態では、「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄a1)には、連続演出の特定の図柄変動ゲームで、「白」又は「青」又は「緑」又は「赤」による特定画像のうち「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に出現し易くなる。したがって、連続演出の特定の図柄変動ゲームで、「白」又は「青」又は「緑」又は「赤」による特定画像のうち「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に、特定の図柄変動ゲームが特別図柄a1に基づく大当りになる可能性(演出期待度)が高まることになる。なお、演出期待度は、連続演出の特定の図柄変動ゲームが、特別図柄a1以外となる場合も考慮されており、これらを考慮しても「白」又は「青」又は「緑」又は「赤」による特定画像のうち「白」<「青」<「緑」<「赤」の順に、特定の図柄変動ゲームが特別図柄a1に基づく大当りになる可能性(演出期待度)が高まることになる。なお、「何もなし」に関しては、見た目上に連続演出であることが把握されないだけでなく、そもそも連続演出の対象でない図柄変動ゲームでは特別図柄a1以外にも当選し得ることから「白」、「青」、「緑」、「赤」のような演出期待度が設定されていないことになる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、連続演出の対象となる図柄変動ゲームでは、該図柄変動ゲームが実行される毎に、演出期態度の異なる複数に特定画像が変化可能な変化演出を伴うようになっている。なお、この変化演出の変化態様は、特定画像パターンにより特定されている。また、特定画像パターンは、前後の図柄変動ゲームで演出期待度が前の図柄変動ゲームよりも後の図柄変動ゲームで低くならないように構築されている。
また、このような本実施形態のパチンコ遊技機10では、「D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄b,c,f)に対しては、連続演出の特定の図柄変動ゲームで「何もなし」となる特定画像パターンを振分けている。具体的に入力時「保1」用の抽選態様テーブルTB1において、「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄b,c,f)に対しては、1回目の図柄変動ゲームで「何もなし」を特定する特定画像パターンGP1のみを振分けている。また、入力時「保2」用の抽選態様テーブルTB2において、「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄b,c,f)に対しては、2回目の図柄変動ゲームで「何もなし」を特定する特定画像パターンGP2のみを振分けている。また、入力時「保3」用の抽選態様テーブルTB2において、「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄b,c,f)に対しては、3回目の図柄変動ゲームで「何もなし」を特定する特定画像パターンGP2,GP4のみを振分けている。また、入力時「保4」用の抽選態様テーブルTB4において、「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドの入力時(特別図柄b,c,f)に対しては、4回目の図柄変動ゲームで「何もなし」を特定する特定画像パターンGP2,GP4,GP8のみを振分けている。
このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変演出モードMAで連続演出を伴えば、そのことにより大当りとなれば単なる大当りではなく確変大当り(特別図柄a1)が確定する(特別状態時連続演出)ことになる。本実施形態において連続演出を伴うとは、遊技者が見た目上に連続演出であることを認識できることであり、図柄変動ゲームで特定画像が画像表示されるということである。このため、「何もなし」の演出内容に基づく図柄変動ゲームでは、内部的には連続演出と処理しているものの遊技者の見た目上には、特定画像が画像表示されないことにより、連続演出の対象となっているか否かを認識させ得ないようになっている。したがって、確変演出モードMAで特定画像を伴う図柄変動ゲームで大当りとなれば単なる大当りではなく確変大当り(特別図柄a1)が確定することになる。なお、特別図柄a1に基づく大当りは、第2特図のうち唯一の15R系当り遊技であるとともに、確変演出モードMAへの移行が確定する(確変状態の付与が確定する)大当りであって、第2特図の中で最も有利な大当りに位置付けられている。
したがって、連続演出の対象となるうち特定の図柄変動ゲームの状況(大当りの当否や大当りであればその種類)及び演出内容に関連付けられるように、上記具体的な演出内容に演出期待度が設定される。
なお、他の演出モードMB,MC,MDにおいては、各種先読みコマンドが大当り先読みコマンド(図柄先読みコマンド)であるかはずれ先読みコマンドであるかによって特定画像パターンの決定態様を異ならせるようになっている。このため、大当り先読みコマンド(図柄先読みコマンド)の入力時、連続演出を実行可能であれば、対象となる特図始動保留球が何番目に記憶されているかに基づいて決定する。このため、これら演出モードにおいては、特定画像を伴う図柄変動ゲームで大当りとなっても確変大当りの場合もあれば非確変大当りの場合もあることになる。なお、はずれ先読みコマンドの入力時、連続演出を実行可能であれば、その種類と対象となる特図始動保留球が何番目に記憶されているかに基づいて決定する。また、他の演出モードMB,MC,MDにおいては、特定の図柄変動ゲーム(連続演出の基になった図柄変動ゲーム)の具体的な演出内容により、特定の図柄変動ゲームが大当り(確変大当り又は非確変大当り)になる可能性(演出期待度)を遊技者に示唆する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、連続演出の対象でない、且つ、事前大当り判定及び事前リーチ判定が否定(リーチにもならないはずれ)となる図柄変動ゲームの開始時、恰も連続演出の対象となっているかのように演出表現させる特殊演出を伴わせる(実行させる)ようになっている。なお、特殊演出の実行に関しては、連続演出と同様に実行可能か実行不可能かを設定しており、変短状態であれば第2図柄変動ゲームを対象に実行可能(第1図柄変動ゲームを対象に実行不可能)とする一方で、非変短状態であれば第1図柄変動ゲームを対象に実行可能(第2図柄変動ゲームを対象に実行不可能)とする。特殊演出では、連続演出の対象となっている場合と同様の演出内容となるように、特定画像を画像表示させることによって行われる。また、特殊演出を伴う図柄変動ゲームの演出表示装置H2では、特定画像が画像表示されるが最終的にリーチにもならないで、はずれの図柄組み合わせが導出されることになる。このため、本実施形態において特殊演出は、特定画像の画像表示(連続演出と思わせる)による予告が実現させることがない「ガセ演出」となる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特殊演出を伴うことによる特定画像として、演出期待度(確変大当り又は大当り(確変大当り又は非確変大当り)への期待度)の最も低い「白」の演出内容とする特定画像を画像表示させるようになっている。
そして、連続演出の対象でない、且つ、事前大当り判定及び事前リーチ判定が否定(リーチにもならないはずれ)となる図柄変動ゲームの開始の指示時に、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームで特殊演出を伴わせるか否かを決定する。この場合には、対象となる特図始動保留球に基づく先読みコマンド設定処理におけるステップS101,S104が共に否定であって、各種先読みコマンドの何れも入力していない場面であって、実行フラグも設定されていない場面となっている。
また、特殊演出を伴わせることを決定した統括制御用CPU36aは、対象とする図柄変動ゲームの開始時に、該図柄変動ゲームの実行指示に合わせて特殊演出(「白」の演出内容の特定画像)の実行を指示する特殊演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力する。なお、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aからの変動パターン指定コマンドに基づき、図柄変動ゲームの演出内容を決定することに合わせて特殊演出を伴わせるか否かを決定している。また、ここで出力する特殊演出実行コマンドは、連続演出実行コマンドの1種として設定することもできる。そして、特殊演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特殊演出(「白」の演出内容の特定画像)を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
次に、図柄変動ゲームで特殊演出を伴わせるか否かの決定について説明する。
特殊演出を伴わせるか否かの決定に際して統括制御用CPU36aは、特殊演出抽選を実行する。統括制御用CPU36aは、その図柄変動ゲームの開始時(変動前)の特図始動保留記憶数によって異なる(特図始動保留記憶数に応じた)抽選態様で特殊演出を伴わせるか否かを決定するようになっている。この特図始動保留記憶数は、制御に対応する図柄変動ゲームの特図始動保留記憶数であって、第1図柄変動ゲームの制御においては第1特図始動保留記憶数であるとともに、第2図柄変動ゲームの制御においては第2特図始動保留記憶数である。以下、特殊演出の決定に関する特図始動保留記憶数は、制御に対応する図柄変動ゲームの特図始動保留球のことである。そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特殊演出を伴わせるかを決定する対象とする図柄変動ゲームの開始時(変動前)の特図始動保留記憶数をもとに特殊演出を伴わせるか否かを決定する。
そして、本実施形態において統括制御用CPU36aは、図17に示すように、対象となる図柄変動ゲームの開始時(変動前)の特図始動保留記憶数によってそれぞれに特徴的な傾向を有する抽選態様で特殊演出抽選を実行する。
変動前の特図始動保留記憶数が「1」(更新後が「0」)の場合、「非実行」すなわち特殊演出を伴わせないことを253分の169(253個の乱数のうち169個の乱数)、「実行」すなわち特殊演出を伴わせることを253分の84(253個の乱数のうち84個の乱数)の確率で決定するように構成されている。また、変動前の特図始動保留記憶数が「2」(更新後が「1」)の場合、「非実行」を253分の202(253個の乱数のうち202個の乱数)、「実行」を253分の51(253個の乱数のうち51個の乱数)の確率で決定するように構成されている。また、変動前の特図始動保留記憶数が「3」(更新後が「2」)の場合、「非実行」を253分の203(253個の乱数のうち203個の乱数)、「実行」を253分の50(253個の乱数のうち50個の乱数)の確率で決定するように構成されている。また、変動前の特図始動保留記憶数が「4」(更新後が「3」)の場合、「非実行」を253分の186(253個の乱数のうち186個の乱数)、「実行」を253分の67(253個の乱数のうち67個の乱数)の確率で決定するように構成されている。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が最小数の「1」(更新後が「0」)の場合に、特殊演出を伴わせること(「実行」)を最も決定し易くなっている。このため、変動前が最小数の「1」の特殊演出抽選では、他の特図始動保留記憶数よりも特殊演出を伴わせ易い傾向を有している。したがって、変動前の特図始動保留球数が最小数の場面で想定され易い、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球していないような場面に遊技者が遭遇してしまって退屈にさせてしまう場合には、特殊演出を伴い易くなっている。
また、本実施形態では、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が上限数の「4」(更新後が「3」)の場合に、変動前が規定数の「2」以上(更新後が「1」以上)よりも特殊演出を伴わせること(「実行」)を最も決定し易くなっている。このため、変動前が上限数の「4」の特殊演出抽選では、規定数の「2」以上(「2」又は「3」)の特図始動保留記憶数よりも特殊演出を伴わせ易い傾向を有している。その一方で、本実施形態では、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が上限数未満の「3」以下(更新後が「2」以下)の場合に、特図始動保留記憶数の大小で大きい場合に小さい場合よりも特殊演出を伴い易くならないようになっている。このため、変動前が上限数未満の「3」以下(「3」又は「2」又は「1」)の場合の特殊演出抽選では、小さい特図始動保留記憶数ほど特殊演出を伴わせ易い傾向を有している。具体的には、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が「3」(更新後が「2」)<「2」(更新後が「1」)<「1」(更新後が「0」)の順に特殊演出を伴い易くなっている。このため、変動前の特図始動保留記憶数が上限数の場面で想定され易い、特定画像が出現するとその時点で保留されている図柄変動ゲームまで連続演出を伴うかもという期待を抱かせることができるような場面では、最小数を除いて(変動前の特図始動保留記憶数が「2」以上)特殊演出を最も伴い易くなっている。その一方で、変動前の特図始動保留記憶数が上限数に達していない場合には、始動入賞口へ遊技球がなかなか入球していないような場面を想定して、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が「3」よりも「2」、「2」よりも「1」で特殊演出を伴い易くなっている。このようにして統括制御用CPU36aは特殊演出の実行を決定した場合には、対象とした1回分の図柄変動ゲームで特殊演出を伴わせる(実行させる)ことになる。
したがって、特殊演出の対象となる図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数に関連付けられるように、上記特殊演出を伴わせる確率(割合)が設定される。このようにして特殊演出を伴わせるか否かを決定する統括制御用CPU36aは特殊演出決定手段として機能する。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変演出モードMAで連続演出を伴えば、そのことにより大当りとなれば単なる大当りではなく確変大当り(確変演出モードMAへの移行)が確定する(特別状態時連続演出)ことになる。このため、大当り(この場合には確変大当り)の場合に経由するリーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で、連続演出を伴わなければ大当り(非確変大当り又は確変大当り)となる一方で、連続演出を伴っていれば単なる大当りではなく確変大当りとなる。したがって、本実施形態では、確変演出モードMAで連続演出を伴っているか否かに応じて、リーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で期待を抱くことができる結果(大当りの種類)が変化することになる。
そして、確変演出モードMAでは、連続演出を伴ってリーチとなれば、その時点で確変大当りとなるかはずれリーチとなるかの何れかとなる。このため、確変演出モードMAで連続演出を伴う場合には、リーチに対して大きな期待を抱かせることができるだけでなく、リーチになれば確変大当りという遊技者にとって有利な大当りに対して大きな期待を抱かせることができる。なお、本実施形態において確変演出モードMAでは、連続演出に基づいて所定の演出が実行される図柄変動ゲームで、確変確定の大当り図柄を構成し得る[1]、[3]、[5]、[7]の飾り図柄を演出表示装置H2の左右列に確定停止表示させるように、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aが制御する構成としている。
また、本実施形態では、変短状態(特別状態)であってリーチとなる確率(リーチ確率)が本機中で低く(非変短状態(非特別状態よりも)設定されている確変演出モードMAの滞在中を対象として、連続演出を伴っての大当りでは確変大当りが確定するようにした。このようにリーチ確率が非変短状態よりも低い変短状態では、リーチとなる場合に非変短状態でリーチとなる場合よりもリーチ時における大当りに対する期待度(大当り期待度)が高まることになる。このため、確変演出モードMAでは、リーチに関わる場面(リーチになるまで又はリーチとなる場面)で、連続演出を伴わなくても大当り(非確変大当り又は確変大当り)の可能性を高める一方で、連続演出を伴っていれば単なる大当りではなく確変大当りの可能性を高めることになる。したがって、本実施形態では、リーチ時における大当りに対する期待度が高まる確変演出モードMAで連続演出を伴っているか否かに応じて、リーチに関わる場面で期待を抱くことができる結果(大当りの種類)が変化することになる。
そして、このような確変演出モードMAでは、特図始動保留記憶数が大きいほど実行抽選に当選し易くなっていることから、特図始動保留記憶数が上限数で特殊演出を伴う場合には、特殊演出によるものであってもその図柄変動ゲームの間において、連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせることができる。また、遊技者は、特に確変状態であることを把握していれば、次の大当りさらには確変大当り(確変状態が継続するか否か)に対して興味、関心が向いている。このため、このような場面で遊技者は、連続演出を伴わない特にはずれ(リーチなし)の図柄変動ゲームに対して興味、関心が向き得ない。したがって、遊技者の興味、関心が向き得ない図柄変動ゲームでも、特殊演出を伴わせることで、その図柄変動ゲームに関しては遊技者も興味、関心を向け得るようになる。しかしながら、特殊演出を伴う場合には、内部抽選でははずれ(しかもリーチなし)であるので、遊技者の興味、関心を向けさせ得る期間を1回の図柄変動ゲーム限りに止めるようにした。この実現に際しては、図17に示すように、図柄変動ゲームの開始による変動前の特図始動保留記憶数が上限数で最小数を除く個数よりも特殊演出を伴わせ易くしている。また、このような確変演出モードMAでは、リーチ確率が本機中で低く(非変短状態よりも)設定されているが特殊演出を伴わせ得ることから、連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせる場面を到来させ易くなる。
なお、非確変演出モードMBでは、大当りの場合に経由するリーチに関わる場面で、連続演出を伴うか否かによって期待を抱くことができる結果(大当りの種類)は確変大当り又は非確変大当りの何れでもある。また、本実施形態では、非確変演出モードMBにおいても特殊演出を伴う場合、非確変演出モードMBで連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせることができる。この場合にも特殊演出によって連続演出を伴う場合には、内部抽選ではずれ(しかもリーチなし)であるので、連続演出を伴う場合と同様の期待を抱かせる期間を1回の図柄変動ゲーム限りに止めるようにした。
なお、統括制御用CPU36aは、各種先読みコマンドを入力すると、当該コマンドを始動保留球に対応付けて統括制御用RAM36cに記憶するとともに、始動保留球に基づく図柄変動ゲームの開始に伴って当該始動保留球に対応付けて記憶した各種先読みコマンドを消去する。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了時(エンディング演出の終了時)に、始動保留球に対応付けて記憶した各種先読みコマンドを消去する。これにより、本実施形態では、大当り遊技中の始動保留球に基づく図柄変動ゲームを対象とする連続演出は実行されないようになっている。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了後、第1図柄変動ゲームを対象としての連続演出(特殊演出を含む)を、4回分の第1図柄変動ゲームの実行後でなければ実行させないようになっている。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了後、第2図柄変動ゲームを対象としての連続演出(特殊演出を含む)を、4回分の第2図柄変動ゲームの実行後でなければ実行させないようになっている。これにより、事前大当り判定の肯定後から大当り遊技の終了時までの始動保留球に基づく各図柄変動ゲームを対象とする連続演出は実行されないようになっている。また、本実施形態において統括制御用CPU36aは、大当り遊技の終了後に50回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与される場合(非特定図柄)、該大当り遊技の終了後から44回目以降(ここまで大当りに非当選)の図柄変動ゲームが実行される場面で連続演出の実行を決定しないようになっている。これにより、本実施形態では、変短状態から非変短状態に移行する場面を跨いでの連続演出は実行されないようになっている。なお、44回は、特図始動保留記憶数の上限数を加算したとしても、50回(最大値)に達し得ない回数としている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、原則、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球(既に保留されている特図始動保留球)に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている場合、実行されないようになっている。その一方で、確変演出モードMAに限っては、特定の条件(以下の条件[1]と条件[2])を満たせば、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球よりも前の特図始動保留球(既に保留されている特図始動保留球)に対して各種先読みコマンドが対応付けて記憶されている場合でも連続演出を実行可能とする構成としている。
具体的に、特別図柄a1,b,cの当選又ははずれリーチの事前判定に基づく実行フラグが設定されていることを条件[1]としている。このため、特別図柄fの当選の事前判定に基づく実行フラグが設定されている場合には、条件[1]を満たし得ない。また、「D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドをセットで入力することを条件[2]としている。このため、「D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドをセット又ははずれ先読みコマンドを入力する場合には、条件[2]を満たし得ない。そして、特定の条件を満たすとは、これら条件[1]と条件[2]を共に満たす場合としている。なお、条件[1]を満たす場面でも既に追加実行の対象となり得る始動保留球が存在している場合には、条件[2]を満たし得ないようになっている。それは、条件[1]を満たす場面で、D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の「1DH〜31H」の図柄先読みコマンドをセット又ははずれ先読みコマンドを入力した後のことである。
条件[1]は、各種先読みコマンドの対象となった特図始動保留球に対し、事前大当り判定時に肯定の場合に、実際の大当り判定時で否定となり得ない場合を想定するために設定している。具体的に、条件[1]を満たす場面では、事前大当り判定時には肯定としていた判定結果が、その後の特別図柄開始処理時(実際の図柄変動ゲームの開始時)の大当り判定で肯定とならない場面が発生し得ないことになる。例えば、事前大当り判定が低確率用の大当り判定値(共通大当り判定値)で実行されたとしても、条件[1]を満たす特別図柄a1の大当りを経由した後の実際の大当り判定が高確率用の大当り判定値(共通大当り判定値を含む)で実行されるので、事前大当り判定時に肯定の場合に、実際の大当り判定時で否定となり得ないのである。また、条件[2]は、特定の条件を満たす場合、最終的に連続演出を伴って大当りとなるようにしているため、確変演出モードMAにおける演出の整合性を図って特別図柄a1に基づく大当りを対象とするために設定している。また、条件[2]は、第2特図の中で最も有利な大当りに位置付けられている特別図柄a1に基づく大当りを対象とするためにも設定している。
そして、統括制御用CPU36aは、特定の条件を満たす場合(条件[1]と条件[2]を共に満たす場合)、連続演出の追加実行を決定するか否かの追加実行抽選を実行する。なお、追加実行抽選では、「実行」の抽選結果とする場合に追加実行することを決定する。また、追加実行抽選では、「非実行」の抽選結果とする場合に追加実行しないことを決定する。追加実行抽選では、「実行」及び「非実行」を決定する確率を所定の確率(本実施形態では、「実行」を11分の6(6/11)、「非実行」を11分の5(5/11))となるように乱数を振分けて乱数抽選が実行される。なお、追加実行抽選は、特図始動保留球の数にかかわらず一定の当選確率で行われる。
次に、各種先読みコマンドを入力した統括制御用CPU36aの連続演出の追加実行を決定した場合の処理内容について説明する。この場合には、条件[2]を満たしていることから、「D6H」系の大当り先読みコマンドと「DCH」系の「00H〜1CH」の図柄先読みコマンドをセットで入力している。
そして、連続演出の追加実行を決定した統括制御用CPU36aは、入力した大当り先読みコマンドに示される保留情報(何番目に記憶されているか、その前にどれだけ分の保留が存在しているか)にしたがって連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を統括制御用RAM36cに設定する。この場合に統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに既に記憶されている連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を、入力した大当り先読みコマンドに示される保留情報にしたがった回数に書き換えて更新する。その際に、統括制御用CPU36aは、連続演出の追加実行の対象とする図柄変動ゲームの具体的な演出内容(実行させる演出(実行態様))を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、更新した回数分の変動パターン指定コマンドを入力する毎に、所定の演出(決定している具体的な演出内容)の実行を指示する連続演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力する。なお、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に更新した回数を1減算するとともに、前記回数が「0(零)」になると実行フラグをクリアする。そして、連続演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って所定の演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。なお、統括制御用CPU36aは、実行フラグについては条件[1]を満たしていることから、既に設定しているのでその設定状態を維持する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、追加実行の決定時、それよりも前の始動保留球に基づいて連続演出が実行されており、該連続演出の実行が決定されたのとは異なるタイミングで追加実行による連続演出が決定されることになる。そして、本実施形態の追加実行では、連続演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を書き換える一方で、その時点で決定している具体的な演出内容に関しては書き換えないようになっている。
したがって、本実施形態において統括制御用CPU36aは、連続演出の対象となる図柄変動ゲームが待機していれば、事前判定の対象とした図柄変動ゲームを含むその時に保留されている特図始動保留球のうち連続演出の対象でない図柄変動ゲームを対象として連続演出を追加実行させることを決定し得る。なお、これは特定の条件を満たす場合に限られる。
そして、連続演出の追加実行の対象とする具体的な演出内容の決定に際して統括制御用CPU36aは、追加実行の決定時に既に実行させている(具体的な演出内容を決定している)連続演出に関連付けるように、その具体的な演出内容(特定画像パターン)に応じて決定する。この場合に統括制御用CPU36aは、特定画像パターンから追加実行時に実行されている連続演出の特定の図柄変動ゲームの具体的な演出内容を特定して、その演出内容に応じて決定する。なお、統括制御用CPU36aは、特定画像パターンを決定している場合(連続演出を実行させている場合)、いずれの特定画像パターンを決定しているかや連続演出の対象とする各図柄変動ゲームでの演出内容を特定する情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶している。統括制御用CPU36aは、追加実行の決定時に実行されている(追加実行直前の)連続演出がはずれ(リーチ)の事前判定に基づくか、大当りの事前判定に基づくかで決定態様を異ならせている。
具体的に統括制御用CPU36aは、追加実行時に実行されている連続演出がはずれ(リーチ)の事前判定に基づく場合、特定の図柄変動ゲームの具体的な演出内容に対応する演出期待度を特定して、その演出内容の演出期待度よりも低くならないような具体的な演出内容を決定する。なお、「何もなし」の演出内容との比較においては該当する図柄変動ゲームを省いた前後での比較としている。
その例として、追加実行時に実行されている連続演出の特定の図柄変動ゲームの具体的な演出内容が演出期待度の最も高い「赤」の演出内容であれば、追加実行の対象となる各図柄変動ゲームで「赤」の演出内容を決定することになる。例えば、前記はずれリーチの事前判定が「保4」に対しての事前判定であって、特定画像パターンGP9に基づく具体的な演出内容であれば、図18(a)に示すように、第2特図始動保留球のそれぞれの図柄変動ゲームの具体的な演出内容が対応付けされている。すなわち、「保1」に「白」、「保2」に「青」、「保3」に「緑」、「保4」に「赤」が、対応付けされている。なお、「保1」は1番目の第2特図始動保留球、「保2」は2番目の第2特図始動保留球、「保3」は3番目の第2特図始動保留球、「保4」は4番目の第2特図始動保留球のそれぞれに対応する図柄変動ゲームを示している。そして、2回の図柄変動ゲームが実行されて「保1」と「保2」の図柄変動ゲームが実行された後、「保4」に対して特別図柄a1の大当りの事前判定に基づいて連続演出の追加実行が決定されると、追加実行の対象とする「保3」、「保4」に「赤」が、対応付けされることになる。
その結果、図19(a)に示すように、表示制御用CPU37aが制御する演出表示装置H2では、「白」→「青」→「緑」→「赤」ではずれリーチ演出が実行され、さらに「赤」→「赤」で特別図柄a1となる大当り演出(確変確定の大当り図柄の導出)が実行される。このため、「赤」の演出内容の図柄変動ゲームでのはずれ後、演出期待度を低下させることなくさらに「赤」の演出内容での図柄変動ゲームが実行されることにより、連続演出が恰も連続して行われているかのように演出表現してなされる。
また、別の例として、追加実行時に実行されている連続演出の特定の図柄変動ゲームの具体的な演出内容が「何もなし」であって、それよりも前の演出内容が「白」であれば、追加実行の対象となる最初の図柄変動ゲームで「白」、「青」、「緑」、「赤」の何れかを決定する。そして、追加実行の対象となる前後の図柄変動ゲームで特定画像に基づく演出期待度が後の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで高く(高期待度に)ならない演出内容が決定される。例えば、前記はずれリーチの事前判定が「保4」に対しての事前判定であって、特定画像パターンGP15に基づく具体的な演出内容であれば、図18(b)に示すように、第2特図始動保留球のそれぞれの図柄変動ゲームの具体的な演出内容が対応付けされている。すなわち、「保1」に「×」、「保2」に「×」、「保3」に「×」、「保4」に「白」が、対応付けされている。そして、2回の図柄変動ゲームが実行されて「保1」と「保2」の図柄変動ゲームが実行された後、「保4」に対して特別図柄a1の大当りの事前判定に基づいて連続演出の追加実行が決定されると、追加実行の対象とする「保3」に「青」が、「保4」に「緑」が、対応付けされ得る。
その結果、図19(b)に示すように、表示制御用CPU37aが制御する演出表示装置H2では、「×」→「×」→「×」→「白」ではずれリーチ演出が実行され、さらに「青」→「緑」で特別図柄a1となる大当り演出(確変確定の大当り図柄の導出)が実行される。このため、「白」の演出内容の図柄変動ゲームでのはずれ後、演出期待度を低下させることなくさらに「青」→「緑」の演出内容での図柄変動ゲームが実行されることにより、連続演出が恰も連続して行われているかのように演出表現してなされる。
また、具体的に統括制御用CPU36aは、追加実行時に実行されている連続演出が大当り(条件[2]を満たし得る特別図柄a1,b,c)の事前判定に基づく場合、最も演出期待度の高い具体的な演出内容(本実施形態では、「赤」の演出内容)を決定する。この場合には、大当り遊技(特別図柄a1,b,c)を跨いでの連続演出となる。
この場合には、追加実行時に実行されている連続演出の特定の図柄変動ゲームの具体的な演出内容にかかわらず、追加実行の対象となる各図柄変動ゲームで「赤」の演出内容を決定することになる。例えば、前記大当りの事前判定が「保4」に対しての事前判定であって、特定画像パターンGP8に基づく具体的な演出内容が決定されている場合であれば、図18(c)に示すように、第2特図始動保留球のそれぞれの図柄変動ゲームの具体的な演出内容が対応付けされている。すなわち、「保1」に「×」、「保2」に「×」、「保3」に「白」、「保4」に「×」が、対応付けされている。そして、2回の図柄変動ゲームが実行されて「保1」と「保2」の図柄変動ゲームが実行された後、「保4」に対して特別図柄a1の大当りの事前判定に基づいて連続演出の追加実行が決定されると、追加実行の対象とする「保3」、「保4」に「赤」が、対応付けされることになる。
その結果、図19(c)に示すように、表示制御用CPU37aが制御する演出表示装置H2では、「×」→「×」→「白」→「×」で特別図柄a1となる大当り演出(確変確定の大当り図柄の導出)又は特別図柄b,cとなる大当り演出(確変非確定の大当り図柄の導出)が実行される。その大当り遊技の終了後に「赤」→「赤」で特別図柄a1となる大当り演出(確変確定の大当り図柄の導出)が実行される。このため、「×」の演出内容の図柄変動ゲームでの大当り遊技後、演出期待度の最も高い「赤」の演出内容での図柄変動ゲームが実行されることにより、特別図柄a1に基づく大当り遊技が付与されることを把握させ得る。また、大当り遊技の終了後、大当り遊技の前よりも演出期待度を低下させることなくさらに「赤」の演出内容での図柄変動ゲームが実行されることにより、大当り遊技の前から連続演出が恰も連続して行われているかのように演出表現してなされる。
なお、本実施形態において統括制御用CPU36aは、原則、大当り遊技の終了後、変短状態が付与される場合に、4回分の図柄変動ゲームを対象としては連続演出を実行させないようになっている。その一方で、確変演出モードMAに限っては、特定の条件(以下の条件[1]と条件[2])を満たしていれば、大当り遊技の終了後、4回分の図柄変動ゲームを対象としては連続演出を実行させるようになっている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、初回の図柄変動ゲームから特定画像を伴って(連続演出の対象として)の図柄変動ゲームが実行されると、特定の条件が満たされたことを把握し得るとともに、その時点で特別図柄a1に基づく大当りが付与されることを把握し得る。このため、大当り遊技を跨いでの追加実行による連続演出の対象となる図柄変動ゲームは、特別図柄a1,b,cの後に移行し得る確変演出モードMA又は変短時潜確演出モードMBにおいて実行されることになる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)確変演出モードMAにおいて、連続演出の対象となる図柄変動ゲームが待機している場合には、事前判定の対象とした図柄変動ゲームを含むその時に保留されている第2特図始動保留球のうち連続演出の対象となっていない図柄変動ゲームを対象として連続演出を追加実行させることを決定し得るようにした。なお、これは特定の条件を満たしている場合に限る。そして、追加実行の対象となる図柄変動ゲームでは、該追加実行直前の連続演出の演出内容に応じた演出内容とする連続演出を実行させるようにした。これにより、追加実行直前の連続演出と追加実行される連続演出による別々のタイミングで決定された連続演出が、恰も連続して行われているかのように演出表現してなされる。その結果、これら別々のタイミングで決定された連続演出が継続される場合にその間では、追加実行直前の連続演出で抱く遊技者の期待感を低下させることなく追加実行の連続演出に引き継ぐことができる。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
(2)こうすることで、特に確変演出モードMAにおいて、特別図柄a1に基づく大当りとなる場合に連続演出を伴わせる場面を増加させることができる。すなわち、特に確変演出モードMAにおいて、連続演出では、該連続演出を伴えば特別図柄a1に基づく大当りに結ぶ付く感覚を遊技者に与えることができる。したがって、別々のタイミングで決定される連続演出の演出内容に工夫を加えることで、連続演出のゲーム性の幅を拡げることができる。
(3)連続演出を伴う場合には、リーチを伴うといった仕様のもと、リーチを伴ってもさらに連続演出が継続する場合におけるゲーム性というものを付加することができる。したがって、別々のタイミングで決定される連続演出の演出内容に工夫を加えることで、連続演出のゲーム性の幅を拡げることができる。
(4)ゲーム毎に特定画像が変化する演出を伴わせる仕様とすることで連続演出中の連続性を遊技者に認識させ易い。そして、このような仕様において、追加実行直前の連続演出と追加実行の連続演出とで演出内容を対応させることでこれらの間での連続性をさらに把握させ易くすることができる。
(5)追加実行の連続演出の対象とする図柄変動ゲームの具体的な演出内容の決定に際しては、追加実行直前の連続演出の対象となる特定(最終回)の図柄変動ゲームにおける演出期待度よりも低くならないようにした。このため、追加実行直前の連続演出と追加実行される連続演出との連続性を、より顕著に演出表現することができる。
(6)特殊演出を伴わせることにより、連続演出と思わせることができる場面を増加させることができる。特に確変演出モードMAにおいては、特殊演出の出現時、特別図柄a1に基づく大当りの付与に対して大きな期待を遊技者に抱かせることができる。このため、連続演出と思わせることができる場面の出現頻度を高めることで遊技の興趣の向上に寄与することができる。
(7)また、連続演出の対象にもなっていないし大当りでもない図柄変動ゲームであっても、特殊演出を伴わせることによりで遊技者を楽しませることができる。したがって、図柄変動ゲームにおける興趣の向上に寄与することができる。
(8)また、本実施形態では、優先的に実行されない第1図柄変動ゲームに対しては、変短状態時に先読み演出を実行可能にしてしまうと、第2図柄変動ゲームが連続して実行され易いことから、第1図柄変動ゲームに対して先読みした結果を一向に遊技者に伝えることができなくなる。これは、下始動入賞口27への入球率が向上するほど、すなわち第2図柄変動ゲームが実行され易いほどに顕著となる。このため、変短状態時には、第2特図始動保留球に対して先読みを行うことが、先読み演出を遊技者に楽しませる点においてより効果的となる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・本実施形態は、先読み演出として、保留表示画像Rha,Rhbの保留画像を変化させる演出態様で、該保留画像に対応する始動保留球(保留記憶数)に基づく図柄変動ゲームが大当りである可能性を示唆する保留連続演出を実行させることもできる。なお、保留連続演出では、対象となる複数回の図柄変動ゲームと図柄変動ゲーム間で継続して保留画像が変化した状態を維持する。また、保留連続演出では、図柄変動ゲームの消化に伴って対応する特図始動保留記憶数の減少に合わせて変化する保留状態に応じて、変化させる対象となる保留画像も変化していくことになる。この演出の実現に際しては、先読みコマンドを入力する統括制御用CPU36aが、当り遊技中でないことを条件に、保留連続演出実行指示コマンドを出力することにより、対応する保留画像の変化を指示する。この保留連続演出は、入賞検知と基づく保留画像の表示に合わせて実行される。また、保留画像の変化としては、保留画像の色を通常色(例えば、白色)から他の色「赤」や「金」などのように、見た目上に変化を把握させ得る態様で実行される。そして、本実施形態では、場面毎(演出モードの種類や大当り中)に、実行させる先読み演出の種類(連続演出、確変大当り予告演出、保留連続演出)を異ならせることもできる。
・本実施形態では、特殊演出(ガセ演出)を設定しなくてもよい。
・本実施形態では、追加実行の決定に基づく具体的な演出内容の決定の際、特定画像パターンに基づくのではなく特定の図柄変動ゲームの演出内容にのみ基づいて決定することもできる。
・本実施形態では、追加実行による連続演出の演出内容の決定の処理内容を、直前の連続演出の演出内容を引き継げる形態であれば、変更することもできる。例えば、追加実行の決定に基づく具体的な演出内容は、特定画像パターンのようにパターン化することもできる。そして、追加実行の対象とする図柄変動ゲームの回数や直前の連続演出の演出内容に応じて前記パターンを決定するといった構成とすることもできる。また、追加実行が決定される場面では、直前の連続演出が最大で4回と、追加実行の連続演出が最大で4回の合計8回分の図柄変動ゲームに跨って、これらが恰も連続して行われているかのように演出表現してなされる。このため、特定画像パターンとしては、8回分の図柄変動ゲームを対象として具体的な演出内容を特定するように構成することもできる。
・本実施形態では、連続演出を伴う図柄変動ゲームにおいて、演出内容が図柄変動ゲームの実行毎に変化可能な演出であればよい。また、連続演出を伴う図柄変動ゲームでは、対象となる各図柄変動ゲームで同じ演出内容を伴わせるようにすることもでき、その演出内容を伴うように追加実行の対象となる図柄変動ゲームを実行させるようにすることもできる。
・本実施形態は、リーチとならない場合(リーチなしはずれの場合)にも事前判定により連続演出を実行可能な構成にすることもできる。この場合には、事前リーチ判定をなくすとともに事前大当り判定が否定であれば、演出内容を特定して先読みコマンドを設定する構成とすればよい。すなわち、リーチなしはずれ用の先読みコマンドを設定することになる。
・本実施形態では、特定の条件の条件[2]を、連続演出を実行可能な各種先読みコマンドを入力した場合と変更することもできる。このため、条件[1]を満たす場合には、連続演出を実行可能であれば追加実行を決定し得ることになる。
・本実施形態では、確変演出モードMA以外の演出モードでも該確変演出モードMAと同様の制御により、追加実行による連続演出を実行可能にすることもできる。
・本実施形態では、連続演出をリーチとなることを示唆する演出に位置付けることもできる。大当りには、リーチを経由して到達し得るのでリーチとなることを示唆しても遊技の興趣を向上させることができる。
・本実施形態では、確変演出モードMAにおいて、第2特図始動保留球が大当りであれば先読み演出(連続演出)を実行可能にすることもできる。
・本実施形態では、図柄振分用乱数と特別図柄と図柄先読みコマンドが一対一の関係で構成したが、図柄先読みコマンドでは特別図柄の種類を特定可能な構成であればよい。
・本実施形態では、先読みコマンドとして、特別図柄入力処理のステップS4やステップS9で取得する乱数の各値自体を特定する構成としてもよい。この場合には、主制御用CPU35aでは、何も判定をしないで、そのまま取得した乱数を特定する情報を先読みコマンドとして出力するといった構成とすることもできる。そして、統括制御用CPU36aは、先読みコマンドの乱数の各値に基づいて各種事前判定(先読みコマンド設定処理に相当する処理)を実行することになる。これによっては、主制御用CPU35aの処理負担を軽減することができる。
・本実施形態は、各図柄変動ゲームが交互に実行されるようなパチンコ遊技機及び始動入賞口への入賞順に基づいて図柄変動ゲームが実行されるようなパチンコ遊技機に適用することもできる。また、特別図柄を1種類のみ(第1特図のみ)とするパチンコ遊技機に適用することもできる。
・本実施形態では、高確率用の大当り判定値と低確率用の大当り判定値で値が異なっていれば共通に含まれる判定値を含んでいなくてもよい。
・本実施形態において、変短状態中には、第1図柄変動ゲームを対象として先読み演出を実行可能にすることもできる。その一方で、非変短状態中には、第2図柄変動ゲームを対象として先読み演出を実行可能にすることもできる。
・本実施形態は、特殊演出の演出内容を演出期待度の最も低い演出としなくてもよく、例えば、「青」や「緑」と同様の演出を伴わせるようにしてもよい。
・本実施形態は、非確変演出モードMBでも連続演出を伴って大当りとなれば確変大当りとなる仕様とすることもできる。なお、この場合には、変短状態及び非変短状態でリーチ確率を異ならせいなくてもよい。また、本別例は、非確変演出モードMBの変短状態でのみ適用することもできる。
・本実施形態は、特殊演出に関して連続演出を伴わないことのみを条件に実行可能にすることもできる。この場合には、事前大当り判定が肯定で実行抽選の当選にもれたとしても、その図柄変動ゲームのみを対象に連続演出を伴って大当りとする場面を作り出すことができる。また、はずれリーチに関しても同様のことが言える。
・本実施形態において、演出モードMA,MBの種類を変更してもよく、変短状態の有無のみで種類を分けたりすることもできる。また、各演出モードMA,MBの演出態様は、遊技者がその違いを把握可能であれば任意に変更することもできる。
・本実施形態では、第1始動手段及び第2始動手段(各始動入賞口25,26)を打ち分け可能に構成することもできる。また、特に第2始動手段に関しては、変短状態中でなければ入球し得ない構成とすることもできる。このような場合には、第1図柄変動ゲームに対する連続演出の実行中に第2図柄変動ゲームが実行される場面が生じ難くなる(ほとんど生じ得ない)。このため、第1図柄変動ゲームに対する連続演出の実行中に第2図柄変動ゲームが実行される場面の出現を抑制する(ほとんどなくす)ことができる。
・本実施形態では、当りに関するスペックを変更することもでき、例えば、大当りの終了後に非確変状態を付与する大当りを設けないで、全ての大当りの終了後に確変状態を付与するスペックも考えられる。また、大当りの終了後には、当選時の遊技状態にかかわらず変短状態を必ず付与するスペックも考えられる。
・そして、本実施形態では、第1図柄変動ゲームで大当りになる場合よりも第2図柄変動ゲームで大当りになる場合に遊技者にとっての獲得利益が大きくなる範囲内で、大当りに関するスペックを変更することもできる。また、獲得利益の内容は、大当りでの賞球獲得数だけでなく、例えば、変短状態の付与態様によって設定することもできる。この場合には、第1図柄変動ゲームでの大当りによっては、全ての大当りの終了後に変短状態が付与されないで、第2図柄変動ゲームの大当りによっては、全ての大当り終了後に変短状態が付与されるようなスペックが考えられる。
・但し、上記別例のように当りに関するスペックを変更する場合には、スペックとして設定する当りの中でも獲得利益を最も大きく設定する(最も有利な)大当り、すなわち本実施形態の特別図柄a1に相当する大当りの当選を事前判定するときに、特定の条件(条件[2])を満たすとして連続演出の追加実行を決定可能に構成する。
・本実施形態では、大当り先読みコマンドと図柄先読みコマンドとを1つのコマンドとして設定することもできる。
・本実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、主制御基板35からの各種コマンドを、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力するようにしてもよい。
・本実施形態では、連続演出の具体的な演出内容まで主制御基板35(主制御用CPU35a)で特定できる構成を採用して主制御基板35(主制御用CPU35a)に事前決定手段の機能を持たせることができる。この場合には、各先読み演出を実行可能となる場合にのみ先読みコマンドを出力するような構成とすることもできる。そして、統括制御用CPU36aは、先読みコマンドに基づいた連続演出の実行を所定のタイミングで指示する。
・本実施形態では、第1特図と第2特図とで変動態様の異なる図柄変動ゲームを演出表示装置H2で実行させることもできる。ここで変動態様とは、飾り図柄のスクロール方向や、有効ライン数や、飾り図柄のテーマ(モチーフ)などのことである。この場合には、第1特図とこれに対応する上記変動態様による図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームとなるとともに、第2特図と対応する上記変動態様による図柄変動ゲームが第2図柄変動ゲームとなる。また、第1特図と第2特図とでは、演出表示装置を別々に設けることもできる。この場合には、第1特図とこれに対応する演出表示装置による図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームとなるとともに、第2特図とこれに対応する演出表示装置による図柄変動ゲームが第2図柄変動ゲームとなる。また、この場合には、第1特図とこれに対応して変動する飾り図柄が第1図柄となるとともに、第2特図とこれに対応して変動する飾利図柄が第2図柄となる。