JP5384422B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、始動手段を複数設けた遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に始動入賞口(始動手段)を複数設け、それらの始動入賞口へ遊技球が入球した場合に、図柄変動ゲームを1つの表示装置で行うようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1のパチンコ遊技機においては、始動入賞口毎に大当りとなる抽選確率を異ならせるようになっている。すなわち、特許文献1では、第1始動入賞口への入球に基づいては大当りとなる抽選確率が1/300に設定されているとともに、第2始動入賞口への入球に基づいては大当りとなる抽選確率が1/100に設定されている。
特開2005−304932号公報(段落[0026]及び段落[0032])
ところで、パチンコ遊技機では、始動入賞口への遊技球の入球時に乱数を取得し、図柄変動ゲームの開始時に該乱数の値が予め定められた値であるか否かを判定することで、大当りか否かの大当り抽選を行っている。このため、特許文献1ように始動入賞口を複数設けるとともに、始動入賞口毎に大当りとなる抽選確率を異ならせた場合には、始動入賞口毎に前記乱数の種類を異ならせたり、前記予め定められた値を異ならせたりする必要がある。その結果、始動入賞口を複数設けるとともに、始動入賞口毎に大当りとなる抽選確率を異ならせた場合には、これらの間で大当り抽選に関する処理が異なることになる。
そして、近年では、何回かの連続する図柄変動ゲームに亘って、特定の演出内容を実行させ、大当りが迫っているかのような演出を行うことで、大当りになることを期待させる演出、所謂、連続演出を実行するようにしたものもある。しかしながら、特許文献1のように始動入賞口を複数設けるとともに、始動入賞口毎に大当りとなる抽選確率を異ならせた場合に連続演出を実行するときには、始動入賞口毎に大当り抽選に関する処理が異なるがために、始動入賞口毎に連続演出に関する処理も異ならせなければいけなかった。その結果、始動入賞口を複数設けるとともに、始動入賞口毎に大当りとなる抽選確率を異ならせた場合に連続演出を実行するときには、大当り抽選及び連続演出に関する処理が複雑化してしまう可能性があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、始動手段を複数設けるとともに始動手段毎に当りとなる抽選確率を異ならせた場合において、連続演出を実行するようにしても当該連続演出に関する処理を簡素化することができる遊技機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される複数種類の第1図柄を変動させて行う第1図柄変動ゲーム及び第2始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される前記第1図柄とは別に定めた複数種類の第2図柄を変動させて行う第2図柄変動ゲームが表示手段で実行され、前記第1図柄変動ゲーム及び前記第2図柄変動ゲームのいずれかにて当り表示結果が表示された場合に当り遊技が行われる遊技機において、各始動手段で遊技球の入球検知時、当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、各始動手段で入球検知された遊技球を始動手段毎の始動保留球として各始動手段で遊技球の入球検知時に前記乱数取得手段が取得した当り判定用乱数を対応付けて検知順に上限数まで記憶する保留記憶手段と、前記第1図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と第1当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第1図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第1当り判定を実行する第1当り判定手段と、前記第2図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値よりも少ない個数であって当該第1当り判定値の一部から構成される第2当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第2図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第2当り判定を実行する第2当り判定手段と、各始動手段で遊技球の入球検知時、前記乱数取得手段が取得した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームが当りであるか否かを事前判定する事前判定手段と、前記各始動手段で遊技球の入球検知時、当該入球検知時に前記事前判定手段の事前判定に基づいて、当該事前判定の対象とする前記図柄変動ゲームが当りである可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続演出を実行させるか否かを事前決定する事前決定手段と、を備え、前記連続演出には、前記事前判定の判定結果に基づいて出現し得る連続演出が予め対応付けられた複数種類の連続演出を含んでいるとともに、前記事前判定の判定結果にかかわらず共通に出現し得る通常連続演出を含み、前記事前判定手段は、いずれの始動手段の入球検知時においても前記乱数取得手段が取得した前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致するか否かに基づいて前記事前判定するようになっており、前記事前決定手段は、前記各始動手段で遊技球の入球検知時、前記事前判定手段が前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致することを前記事前判定で導出する場合、前記事前判定が前記第1始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出を含む複数種類の連続演出の何れかを実行させ得る一方で、前記事前判定が前記第2始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出のみを実行させることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、第1始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される複数種類の第1図柄を変動させて行う第1図柄変動ゲーム及び第2始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される前記第1図柄とは別に定めた複数種類の第2図柄を変動させて行う第2図柄変動ゲームが表示手段で実行され、前記第1図柄変動ゲーム及び前記第2図柄変動ゲームのいずれかにて当り表示結果が表示された場合に当り遊技が行われる遊技機において、各始動手段で遊技球の入球検知時、当り判定用乱数及び変動判定用乱数を含む所定の判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、各始動手段で入球検知された遊技球を始動手段毎の始動保留球として各始動手段で遊技球の入球検知時に前記乱数取得手段が取得した前記所定の判定用乱数の値を対応付けて検知順に上限数まで記憶する保留記憶手段と、前記第1図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と第1当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第1図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第1当り判定を実行する第1当り判定手段と、前記第2図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値よりも少ない個数であって当該第1当り判定値の一部から構成される第2当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第2図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第2当り判定を実行する第2当り判定手段と、各始動手段で遊技球の入球検知時、前記乱数取得手段が取得した前記当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームが当りであるか否かの判定と、少なくとも当該判定の結果が当りでない場合に、前記乱数取得手段が取得した前記変動判定用乱数の値に基づく図柄変動ゲームが特定の変動内容であるか否かの判定と、を含む事前判定を実行する事前判定手段と、前記各始動手段で遊技球の入球検知時、当該入球検知時に前記事前判定手段の事前判定に基づいて、当該事前判定の対象とする前記図柄変動ゲームが当りである可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続演出を実行させるか否かを事前決定する事前決定手段と、を備え、前記連続演出には、前記事前判定の判定結果に基づいて出現し得る連続演出が予め対応付けられた複数種類の連続演出を含んでいるとともに、前記事前判定の判定結果が前記特定の変動内容の場合に出現し得る通常連続演出と、前記特定の変動内容の場合には出現しない特別連続演出と、を含み、前記事前判定手段は、いずれの始動手段の入球検知時においても前記乱数取得手段が取得した前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致するか否かに基づいて前記事前判定するようになっており、前記事前決定手段は、前記各始動手段で遊技球の入球検知時、前記事前判定手段が前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致することを前記事前判定で導出する場合、前記事前判定が前記第1始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出または前記特別連続演出を実行させることを可能とする一方で、前記事前判定が前記第2始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出のみを実行させることを可能とすることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記当りには、前記当り表示結果が表示された場合に小当り遊技が行われるとともに当選時の遊技状態を維持させる小当りと、前記当り表示結果が表示された場合に前記小当り遊技よりも見込むことができる遊技者の獲得利益を大きく設定した大当り遊技が行われるとともに当該大当り遊技の終了後から前記確変状態を付与し得る大当りと、を含み、前記第1当り判定値は、前記当り判定用乱数と一致する場合に前記小当りを決定する第1小当り判定値と、前記当り判定用乱数と一致する場合に前記大当りを決定する大当り判定値と、から構成されるとともに、前記第2当り判定値は、前記当り判定用乱数と一致する場合に前記小当りを決定する前記第1小当り判定値よりも少ない個数であって当該第1小当り判定値の一部から構成される第2小当り判定値と、前記大当り判定値と、から構成され、前記当り判定の当選確率が通常確率よりも高確率な確変状態では、前記大当りとする当選確率が変動することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記第1当り判定値及び前記第2当り判定値は、前記当り判定用乱数と一致する場合に大当りを決定する大当り判定値であり、前記第2図柄変動ゲームに対応する前記第2当り判定値は、前記第1図柄変動ゲームに対応する前記第1当り判定値よりも少ない個数であることを要旨とする。
本発明によれば、始動手段を複数設けるとともに始動手段毎に当りとなる抽選確率を異ならせた場合において、連続演出を実行するようにしても当該連続演出に関する処理を簡素化することができる。
パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。 遊技盤を示す拡大図。 大当り遊技の種類を説明する説明図。 (a),(b)は演出モードの種類を説明する説明図。 パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。 変動パターンを説明する説明図。 リーチ判定値を説明する説明図。 小当り判定値を説明する説明図。 第1連続演出判定処理を示すフローチャート。 第2連続演出判定処理を示すフローチャート。 保留指定コマンドを説明する説明図。 保留指定コマンドを説明する説明図。 (a)〜(c)は、連続演出を説明する説明図。 (a),(b)は表示態様決定用テーブルを説明する説明図。 (a),(b)は実行態様決定用テーブルを説明する説明図。
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。
図1に示すようにパチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠13が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠13は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠13は、中央部に窓口13aを有するとともに、該窓口13aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)14を一体成形した構成とされている。前枠13の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護するとともに窓口13aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠13には、発光演出を行う電飾表示部を構成する上側ランプ部15aと、左側ランプ部15bと、右側ランプ部15cとが配置されている。また、前枠13には、窓口13aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ16aと、右スピーカ16bとが配置されている。
中枠12の前面側であって前枠13の下部には、上皿14から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)17が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿17の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル18が装着されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル18の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1が形成されている。そして、遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)20が装着されている。表示枠体20には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置21をセット(装着)するためのセット口20aが、開口形成されている。演出表示装置21には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置21の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置21の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
図2に示すように、遊技盤YBにおいて表示枠体20(演出表示装置21)の左下方には、表示手段としての第1特別図柄表示装置22と第2特別図柄表示装置23とが設けられている。本実施形態では、各特別図柄表示装置22,23を何れも7セグメント型の表示装置としている。第1特別図柄表示装置22では、該第1特別図柄表示装置22で変動させる図柄として設定される複数種類の第1特別図柄(以下、「第1特図」と示す)を1列で変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。また、第2特別図柄表示装置23では、該第2特別図柄表示装置23で変動させる図柄として設定される複数種類の第2特別図柄(以下、「第2特図」と示す)を1列で変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。各特別図柄(第1特図及び第2特図)は、当りか否かの内部抽選(大当り抽選と小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1特別図柄表示装置22と第2特別図柄表示装置23とで並行して、すなわち同時に図柄変動ゲームが行われることがないように構成している。このため、第1特別図柄表示装置22における図柄変動ゲームの実行中には、第2特別図柄表示装置23で図柄変動ゲームが実行されないようになっている。一方、第2特別図柄表示装置23における図柄変動ゲームの実行中には、第1特別図柄表示装置22で図柄変動ゲームが実行されないようになっている。
各特別図柄表示装置22,23で図柄変動ゲームが開始する場合、演出表示装置21と対応する特別図柄表示装置(各特別図柄表示装置22,23)では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(各特図の何れか及び飾り図柄)の変動表示が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、各特別図柄表示装置22,23の何れかでは対応する特別図柄(各特図)の変動が開始する一方で、演出表示装置21では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置21と各特別図柄表示装置22,23の何れかには、当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に当り図柄(大当り表示結果又は小当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。このとき、各特別図柄表示装置22,23の何れかと演出表示装置21では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄)が確定停止表示される一方で、当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選(当り抽選)の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであるとともに、小当り図柄は、小当り抽選(当り抽選)の抽選結果が小当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。また、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、各特別図柄表示装置22,23の何れで図柄変動ゲームが実行されても、該図柄変動ゲームに対応するように演出表示装置21で飾り図柄による図柄変動ゲームが実行される。このため、本実施形態において、第1特別図柄表示装置22で第1特図が変動するとともに、演出表示装置21で飾り図柄が変動する図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームとなる。そして、第1図柄変動ゲームとして変動する第1特図と、該第1特図に合わせて変動する飾り図柄とが第1図柄となる。また、第2特別図柄表示装置23で第2特図が変動するとともに、演出表示装置21で飾り図柄が変動する図柄変動ゲームが第2図柄変動ゲームとなる。そして、第2図柄変動ゲームとして変動する第2特図と、該第2特図に合わせて変動する飾り図柄とが第2図柄となる。以下の説明では、第1特別図柄表示装置22で第1特図が変動する状況における図柄変動ゲームを、第1図柄変動ゲームと示す。また、第2特別図柄表示装置23で第2特図が変動する状況における図柄変動ゲームを、第2図柄変動ゲームと示す。
本実施形態において各特別図柄表示装置22,23には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)の抽選結果(大当り、小当り又ははずれ)に対応する1つの特別図柄が選択されるとともに、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。第1特図は、大当りを認識し得る図柄となる3種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる1種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、第2特図は、大当りを認識し得る図柄となる3種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる1種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、はずれ図柄は、各特図で共通の図柄とされている。
そして、大当り抽選で大当りに当選した場合、各図柄変動ゲーム(第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲーム)において大当り図柄が確定停止表示された後、大当り遊技(当り遊技)が遊技者に付与される。また、小当り抽選で小当りに当選した場合、各図柄変動ゲーム(第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲーム)において小当り図柄が確定停止表示された後、小当り遊技(当り遊技)が遊技者に付与される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図2に示すように、演出表示装置21の表示領域(画像表示面)を各特別図柄表示装置22,23の表示領域よりも遥かに大きく形成するとともに、演出表示装置21を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、各特別図柄表示装置22,23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置21の表示内容に注目し、該演出表示装置21の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから当り(大当り又は小当り)又ははずれを認識することになる。
また、本実施形態において演出表示装置21には、各列毎に[1]〜[9]の9種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。演出表示装置21に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置21に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。また、本実施形態の演出表示装置21において、3列のうち、中列には、左右2列に表示された同一の数字図柄との組み合わせにより、大当り又は小当りに当選したことを認識できる符号図柄([☆(星)])が飾り図柄として表示されるようになっている。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる符号図柄からなる図柄組み合わせが、当りのうち大当りに当選している可能性を示唆する大当り示唆の図柄組み合わせとなる。なお、本実施形態では、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせの場合、規定ラウンド数が「8回」又は「15回」で大入賞口29がロング開放の大当り遊技が付与される一方で、大当り示唆の図柄組み合わせの場合、規定ラウンド数が「8回」で大入賞口29がショート開放の大当り遊技や小当り遊技が付与される場面もある。
また、本実施形態において、演出表示装置21における各列は、各図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、各図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置21において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、各特別図柄表示装置22,23と演出表示装置21では、同時に対応する図柄変動ゲームとその図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
また、演出表示装置21には、各図柄変動ゲームが実行されている各特別図柄表示装置22,23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。各特別図柄表示装置22,23に表示される特別図柄(各特図)と、演出表示装置21に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、各図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄(各特図)と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、各特別図柄表示装置22,23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として演出表示装置21にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。本実施形態では、各特別図柄表示装置22,23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置21に大当り示唆の図柄組み合わせ(例えば、[1☆1])が確定停止表示される場合もある。また、各特別図柄表示装置22,23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置21にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、各特別図柄表示装置22,23に小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置21にも大当り示唆の図柄組み合わせ(例えば、[1☆1])が確定停止表示される。なお、特別図柄(各特図)に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄(各特図)に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置21では、各図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤YBにおいて表示枠体20(演出表示装置21)の左下方で各特別図柄表示装置22,23の左上方に位置するように、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置24が配設されている。この普通図柄表示装置24では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。普通図柄表示装置24では、当りか否かの当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)とは別に行う普図当りか否か(開閉部材27の開動作により右始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図当り用の図柄が確定停止表示される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図はずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図はずれ用の図柄が確定停止表示される。
また、遊技盤YBにおいて表示枠体20(演出表示装置21)の下方であって各特別図柄表示装置22,23の右方に位置するように、遊技球の入球口25aを有する第1始動手段としての左始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する第2始動手段としての右始動入賞口26が左右方向に並ぶように配置されている。左始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、右始動入賞口26は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉部材27を備えており、開閉部材27(所謂、「ベロ部材」)が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。換言すれば、右始動入賞口26は、開閉部材27が開動作して入球口26aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
本実施形態では、開閉部材27が遊技盤YBに対して前側に進出する進出位置に動作(開動作)するとともに、該進出位置に対して後退する後退位置に動作(閉動作)するようになっている。進出位置における開閉部材27は、遊技盤YBの前面側に進出することで遊技球を入球口26aへ入球するように誘導する働きをする。また、後退位置における開閉部材27は、遊技盤YBの前面に進出しないことで遊技球を入球口26aへ入球するように誘導しない(入球させないようにする)働きをする。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、開閉部材27が進出位置にある場合に入球口26aが開放されて遊技球が入球し得る状態とされる一方で、開閉部材27が後退位置にある場合に入球口26aが開放されないで(閉鎖されて)遊技球の入球が不能となる状態とされる。
左始動入賞口25と右始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図5に示す)が配設されている。左始動入賞口25は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、第1図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。また、右始動入賞口26は、入球した遊技球を検知(入球検知)することにより、第2図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤YBにおいて各始動入賞口25,26の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この当り遊技は、内部抽選で当り(大当り又は小当り)が決定し、各図柄変動ゲームにて当り図柄(大当り図柄又は小当り図柄)が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、遊技盤YBにおいて表示枠体20(演出表示装置21)の左方と右方のそれぞれには、2つの普通図柄作動ゲート30が配設されている。普通図柄作動ゲート30の奥方には、該普通図柄作動ゲート30へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図5に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート30は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、表示枠体20によって遊技球の流路が大きく左流路と右流路に分類されるようになっている。そして、左流路では、遊技球が左始動入賞口25、大入賞口29、及び左側の普通図柄作動ゲート30へ向かうように釘などの遊技構成部材が遊技盤YBに配置されている。これにより、遊技球の流路が左流路となる場合には、表示枠体20の左側を遊技球が流下するとともに、左始動入賞口25や大入賞口29や左側の普通図柄作動ゲート30へと向かうことになる。また、右流路では、遊技球が右始動入賞口26、大入賞口29、及び右側の普通図柄作動ゲート30へ向かうように釘などの遊技構成部材が遊技盤YBに配置されている。これにより、遊技球の流路が右流路となる場合には、図2の仮想線に示すように、表示枠体20の右側を遊技球が通過するとともに、右始動入賞口26や大入賞口29や右側の普通図柄作動ゲート30へ向かうことになる。そして、遊技盤YBに発射された後、各流路を流下する遊技球は、遊技盤YBの最下方に位置するとともに何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口31に向かうことになる。
したがって、本実施形態において、遊技者は、発射ハンドル18の遊技球の発射強度を調整することで各始動入賞口25,26へ遊技球を打ち分けることができる。具体的に遊技者は、遊技球が左流路を流下する発射強度で発射ハンドル18を操作することで、左始動入賞口25へと遊技球を向かわせ得る。また、遊技者は、遊技球が右流路を流下する発射強度で発射ハンドル18を操作することで、右始動入賞口26へと遊技球を向かわせ得る。この場合に遊技者は、右始動入賞口26の開閉部材27を開動作させる契機を付与する右側の普通図柄作動ゲート30にも遊技球を向かわせ得る。なお、遊技者は、遊技球が左流路及び右流路の何れを流下する発射強度で発射ハンドル18を操作しても大入賞口29へと遊技球を向かわせ得る。
また、遊技盤YBにおいて表示枠体20(演出表示装置21)の左下方であって普通図柄表示装置24付近に、第1特別図柄保留記憶表示装置22aと第2特別図柄保留記憶表示装置23aとが設けられている。本実施形態では、各特別図柄保留記憶表示装置22a,23aを何れも4つのLEDで構成している。そして、各特別図柄保留記憶表示装置22a,23aは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を、各始動入賞口(左始動入賞口25と右始動入賞口26)毎に遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、各始動入賞口25,26へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を各始動入賞口25,26毎にそれぞれ始動保留球として記憶し、それぞれの始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。左始動入賞口25の始動保留球の個数が、第1特別図柄用の保留記憶数として記憶される。第1特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲームの待機中)の第1図柄変動ゲームの回数を示している。また、右始動入賞口26の始動保留球の個数が、第2特別図柄用の保留記憶数として記憶される。第2特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲームの待機中)の第2図柄変動ゲームの回数を示している。各特別図柄用の保留記憶数は、各始動入賞口25,26に遊技球が入球することで対応する保留記憶数が1加算され、各図柄変動ゲームの開始により対応する保留記憶数が1減算される。したがって、各図柄変動ゲーム中に各始動入賞口25,26へ遊技球が入球すると、対応する特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、それぞれで所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図2に示すように、演出表示装置21(画像表示部GH)の表示領域の下部において、各特別図柄保留記憶表示装置22a,23aで報知する保留記憶数に相当する数を保留表示画像Ra,Rbとして表示するようになっている。保留表示画像Raは第1特別図柄保留記憶表示装置22aで報知する保留記憶数に対応しているとともに、該保留記憶数を「○」を模した保留画像Ra1〜Ra4の表示態様により報知する。また、保留表示画像Rbは第2特別図柄保留記憶表示装置23aで報知する保留記憶数に対応しているとともに、該保留記憶数を「△」を模した保留画像Rb1〜Rb4の表示態様により報知する。第1特別図柄用の保留記憶数が、「1」であれば保留画像Ra1のみを、「2」であれば保留画像Ra1,Ra2の2つのみを、「3」であれば保留画像Ra1〜Ra3の3つのみを、「4」であれば保留画像Ra1〜Ra4の4つ全てを表示させる態様となる。また、保留表示画像Rbの表示態様は、第2特別図柄用の保留記憶数が、「1」であれば保留画像Ra1のみを、「2」であれば保留画像Ra1,Ra2の2つのみを、「3」であれば保留画像Ra1〜Ra3の3つのみを、「4」であれば保留画像Ra1〜Ra4の4つ全てを表示させる態様となる。
なお、本実施形態では、各特別図柄保留記憶表示装置22a,23aが、実際に機内部で記憶されている保留記憶数を示す役割を担っている一方で、保留表示画像Ra,Rbが、遊技者に保留記憶数を分かり易くする為の役割を担っている。これにより、遊技者は、保留表示画像Ra,Rbの表示態様から各特別図柄用の保留記憶数を把握し得る。なお、保留表示画像Ra,Rbの表示態様は、後に詳述する演出表示制御基板37によって制御されるようになっている。
また、保留表示画像Ra,Rbでは、各特別図柄用の保留記憶数として機内部で記憶している始動保留球に基づく図柄変動ゲームの保留状態も報知している。保留状態とは、始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、各図柄変動ゲームの何番目に実行されるかのことである。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、保留状態として始動保留球に基づく図柄変動ゲームが大当り(当り)となる可能性を示唆するようにもなっている。保留表示画像Raでは第1図柄変動ゲームとして保留される図柄変動ゲームの保留状態が保留画像Ra1〜Ra4で報知されるとともに、保留表示画像Rbでは第2図柄変動ゲームとして保留される図柄変動ゲームの保留状態が保留画像Rb1〜Rb4で報知される。例えば、保留表示画像Raで保留画像Ra1は、図柄変動ゲームが、保留中の第1図柄変動ゲームのうち1番目に実行される保留状態を報知する。この場合の図柄変動ゲームは、第1特別図柄用の保留記憶数として記憶されている始動保留球のうち、最先に記憶されている始動保留球に基づくことになる。また、保留表示画像Rbで保留画像Rb2は、図柄変動ゲームが、保留中の第2図柄変動ゲームのうち2番目に実行される保留状態を報知する。この場合の図柄変動ゲームは、第2特別図柄用の保留記憶数として記憶されている始動保留球のうち、2番目に記憶されている始動保留球に基づくことになる。これにより、遊技者は、各始動入賞口25,26で遊技球が入球検知されたことを契機に記憶される始動保留球に基づく各図柄変動ゲームが、保留中の各図柄変動ゲームの中で何番目に実行されるか保留画像から視覚的に認識し得る。
また、遊技盤YBにおいて表示枠体20(演出表示装置21)の左下方であって各特別図柄保留記憶表示装置22a,23a付近に、4つのLEDを備えた普通図柄保留記憶表示装置24aが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置24aは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体20の両側に配置される普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート30に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態を低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。また、確変状態は、予め定めた確変付与回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、確変付与回数(本実施形態では、85回)分の図柄変動ゲームが実行されるまでを上限として付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、各特図(第1特図及び第2特図)の大当り図柄のうち、2種類の特別図柄が特定図柄に設定されているとともに、1種類の特別図柄が非特定図柄に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート30の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普図当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで右始動入賞口26の開閉部材27は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉部材27が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、200ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉部材27が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1740ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉部材27は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉部材27が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの右始動入賞口26への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた変短付与回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、変短状態は、変短付与回数(本実施形態では、85回)分の図柄変動ゲームが実行されるまでを上限として付与される。本実施形態において変短状態が付与されるか否か(変短状態が付与される回数が85回であるか0回であるか)は、大当りの種類と大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。本実施形態において、変短状態時に遊技者は、遊技球が右流路を流下する発射強度で発射ハンドル18を操作することで、右始動入賞口26へと遊技球を向かわせ得る。その結果、変短状態時に遊技者は、該変短状態による恩恵を得ることができる。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉部材27の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉部材27の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉部材27が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技及び小当り遊技について、図3をもとに説明する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、各図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口扉28の開動作により大入賞口29が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(上限ラウンド数)を上限(本実施形態では15回又は8回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、5種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、5種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。特別図柄(大当り図柄)の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特別図柄が選択されるようになっている。そして、本実施形態では、第1特図の大当り抽選で大当りに当選した時と、第2特図の大当り抽選で大当りに当選した時で選択可能な大当り図柄の種類、すなわち大当りの種類が異なっているとともに、その選択率も異なっている。
第1特図で選択可能な大当り図柄は、特別図柄A、特別図柄B、及び特別図柄Dからなる3つのグループに属する図柄とされている。そして、本実施形態では、第1特図において、特別図柄Aには25種類の大当り図柄が、特別図柄Bには60種類の大当り図柄が、特別図柄Dには15種類の大当り図柄が属している。このため、これらの特別図柄A,B,Dからなるグループに属する各第1特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。すなわち、第1特図において、各特別図柄A,B,Dの大当り全体の割合は、特別図柄Aの大当りが25%(100分の25)、特別図柄Bの大当りが60%(100分の60)、特別図柄Dの大当りが15%(100分の15)となる。その結果、第1特図の大当りにおいては、大当り全体の85%が確変大当りとなり、大当り全体の15%が非確変大当りとなる。
一方、第2特図で選択可能な大当り図柄は、特別図柄b、特別図柄c、及び特別図柄eからなる3つのグループに属する図柄とされている。そして、本実施形態では、第2特図において、特別図柄bには2種類の大当り図柄が、特別図柄cには83種類の大当り図柄が、特別図柄eには15種類の大当り図柄が属している。このため、これらの特別図柄b,c,eからなるグループに属する各第2特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。すなわち、第2特図において、各特別図柄b,c,eの大当り全体の割合は、特別図柄bの大当りが2%(100分の2)、特別図柄cの大当りが83%(100分の83)、特別図柄eの大当りが15%(100分の15)になる。その結果、第2特図の大当りにおいては、大当り全体の85%が確変大当りとなり、大当り全体の15%が非確変大当りとなる。
また、本実施形態では、第1特図の特別図柄A,Dの大当りに基づく大当り遊技は、第1特図にのみ含まれている一方で、第2特図の特別図柄c,eの大当りに基づく大当り遊技は、第2特図にのみ含まれている。また、第1特図の大当りと第2特図の大当りでは、何れも確変大当りの割合が85%であって同一割合に設定されているとともに、何れも非確変大当りの割合が15%であって同一割合に設定されている。
特別図柄A,Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「8回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29をロング開放(本実施形態では、25000(ms))で「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口29を「8回(ロング8回開放)」開放させるようになっている。また、特別図柄A,Dに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「8R確変ロング大当り遊技」、特別図柄Dに基づく大当り遊技を「8R非確変ロング大当り遊技」や、纏めて「ロング系当り遊技」と示す場合もある。
特別図柄c,eに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「15回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29をロング開放(本実施形態では、25000(ms))で「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口29を「15回(ロング15回開放)」開放させるようになっている。また、特別図柄c,eに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄cに基づく大当り遊技を「15R確変ロング大当り遊技」、特別図柄eに基づく大当り遊技を「15R非確変ロング大当り遊技」や、纏めて「ロング系当り遊技」と示す場合もある。
そして、8R確変ロング大当り遊技及び15R確変ロング大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態(85回)とその確変状態の終了時まで変短状態(85回)が付与される。また、8R非確変ロング大当り遊技及び15R非確変ロング大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に非確変状態と変短状態(85回)が付与される。
また、ロング系当り遊技では、オープニング時間として「10.00秒(10000(ms))」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.00秒(25000(ms))」が、エンディング時間として「10.00秒(10000(ms))」が設定されている。
特別図柄B,bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「8回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29をショート開放(本実施形態では、40(ms))で「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口29を「8回(ショート8回開放)」開放させるようになっている。また、特別図柄B,bに基づく大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄B,bに基づく大当り遊技を「8R確変ショート大当り遊技」や、「ショート系当り遊技」と示す場合もある。
そして、ショート大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態(85回)とその確変状態の終了後時まで変短状態(85回)が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態(85回)のみが付与される場合とがある。
また、ショート系当り遊技では、オープニング時間として「0.68秒(680(ms))」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04秒(40(ms))」が、エンディング時間として「10.00秒(10000(ms))」が設定されている。
また、特別図柄F,fによって付与される小当り遊技は、規定ラウンド数を「1回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口29をショート開放(本実施形態では、40(ms))で複数回(本実施形態では「8回」)開放させることにより、小当り遊技中に大入賞口29を「8回(ショート8回開放)」開放させるようになっている。また、小当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。以下、特別図柄F,fに基づく小当り遊技を「ショート系当り遊技」と示す場合もある。
また、小当りは、小当り遊技の終了後における遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続(維持)させるようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を変短状態に継続させる。また、小当りでは、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非変短状態に継続させる。
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0.68秒(680(ms))」が、ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「10.82秒(10820(ms))」が、エンディング時間として「10.00秒(10000(ms))」が設定されている。なお、小当り遊技のラウンド遊技時間の「10.82秒(10820(ms))」は、「40(ms)」の8回分(320(ms))と、開放間のインターバル時間の「1500(ms)」の7回分(10500(ms))とから構成されている。また、本実施形態では、8R確変ショート大当り遊技で、ラウンド間のインターバル時間が「1500(ms)」に設定されている。このため、小当り遊技のラウンド遊技時間(最大時間)と、8R確変ショート大当り遊技における1回目〜8回目のラウンド遊技が終了するまでの時間(最大時間)が、これらで一致するように設定されている。
なお、本実施形態では、各当り遊技の各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄A,Dに基づく大当り遊技と特別図柄c,eに基づく大当り遊技とで、規定ラウンド数が異なっている。すなわち、特別図柄c,eに基づく規定ラウンド数を15回とする大当り遊技では、特別図柄A,Dに基づく規定ラウンド数を15回よりも少ない8回とする大当り遊技よりも大入賞口29の合計開放時間及び合計開放回数が多くなることで、1回の大当り遊技で遊技者に多くの賞球を獲得させることができる。したがって、規定ラウンド数を8回とする大当り遊技に対応する特別図柄A,Dが設定されていない第2特図の大当りの当選によっては、第1特図の大当りの当選よりも大当りの当選時に多くの賞球を獲得し得る可能性が高まる。その結果、第2特図の大当りの当選は、第1特図の大当りの当選よりも遊技者にとって有利となる。また、第2特図の大当りの当選によっては、第1特図の大当りの当選よりもロング系当り遊技に当選し易くなっている。このことからも、第2特図の大当りの当選は、第1特図の大当りの当選よりも遊技者にとって有利となる。
なお、賞球とは、大入賞口29への1球の入球に対して遊技者に賞として付与される遊技球である。そして、前述した各大当り遊技との比較において賞球の獲得数が少量又は多量とは、各大当り遊技の終了までに得られる総獲得賞球数を比較した場合の少量又は多量である。本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞口29への1球の入球に対して、例えば「13球」の遊技球を賞球として払出すような設定がなされており、1回のラウンド遊技における入球上限個数を「8球」に設定し、「8球」の遊技球が大入賞口へ入球したならば遊技者には「104球」の遊技球が賞球として払出されていることになる。
本実施形態では、獲得賞球が遊技者の獲得利益となる。そして、見込むことができる遊技者の獲得利益は、大入賞口29の開放態様によって異なる。すなわち、本実施形態では、規定ラウンド数の回数によって異なっており、設定している規定ラウンド数(15回又は8回)のうち、規定ラウンド数を8回とする大当り遊技(第1特図の特別図柄A,D)よりも規定ラウンド数を15回とする大当り遊技(第2特図の特別図柄c,e)で見込むことができる遊技者の獲得利益が、大きく設定されている。
また、本実施形態では、特別図柄Aに基づく大当り遊技(8R確変ロング大当り遊技)と特別図柄Dに基づく大当り遊技(8R非確変ロング大当り遊技)とで、大入賞口29の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、大当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。その結果、特別図柄A,Dに基づく大当り遊技が付与される場合には、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。また、本実施形態では、特別図柄cに基づく大当り遊技(15R確変ロング大当り遊技)と特別図柄eに基づく大当り遊技(15R非確変ロング大当り遊技)とで、大入賞口29の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、大当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。その結果、特別図柄c,eに基づく大当り遊技が付与される場合には、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
また、本実施形態では、特別図柄B,bに基づく大当り遊技(8R確変ショート大当り遊技)と特別図柄F,fに基づく小当り遊技とで、大入賞口29の開閉動作態様や時間からその差異を遊技者が判別不能に設定している。また、これらでは、当り遊技中の演出からもその差異を遊技者が判別不能となるように演出を設定している。その結果、特別図柄B,bに基づく大当り遊技と特別図柄F,fに基づく小当り遊技が付与される場合には、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。具体的に、左始動入賞口25へ遊技球が主に入球する非変短状態においては、特別図柄B,b,F,fの中で、特別図柄B,Fに基づく当り遊技が実行され得る。この場合には、特別図柄B,Fのいずれの当り遊技の終了後にも変短状態が付与ないので、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させ得る。その一方で、右始動入賞口26へ遊技球が主に入球する変短状態においては、特別図柄B,b,F,fの中で、特別図柄b,fに基づく当り遊技が実行され得る。この場合には、特別図柄b,fのいずれの当り遊技の終了後にも変短状態が付与、又は継続されるので、確変状態が付与されるか否かを遊技者に推測させ得る。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図4に示すように、演出表示装置21で行われる演出として、遊技状態を遊技者に報知する複数(本実施形態では3つ)の演出モード(示唆演出)を実行可能に構成されている。具体的には、変短状態の付与中(遊技状態)であることを遊技者に報知する変短時演出モードMAが演出表示装置21で実行可能に構成されている。また、非変短状態の付与中(遊技状態)であることを遊技者に報知する非変短時演出モードMBが演出表示装置21で実行可能に構成されている。なお、本実施形態では、変短状態中及び非変短状態中のいずれであっても、大当り抽選の抽選確率が高確率抽選状態(確変状態)である可能性もある。このため、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBでは、高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持てることが遊技者に報知されていることにもなる。また、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBから移行し得る演出モードで、変短状態及び非変短状態のいずれの場合にも特別演出モードMCが演出表示装置21で実行可能に構成されている。特別演出モードMCは、他の演出モードとは演出表示装置21での図柄変動ゲームに関する演出態様が異なることを遊技者に報知する。そして、本実施形態では、各演出モードMA〜MCの何れかの演出モードが行われるようになっている。
そして、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBの滞在中には、図4(a)に示すように、図柄変動ゲームを画像表示するための表示領域として単一の表示領域Qが形成され、その表示領域Qで図柄変動ゲームが画像表示されるようになっている。また、表示領域Qの下部に保留表示画像Ra,Rbが表示されるようになっている。なお、変短時演出モードMAと非変短時演出モードMBとでは、表示領域Qにおいて、飾り図柄が重なって画像表示されるとともに、該飾り図柄の背面に画像表示される背景画像の種類を異ならせることにより、演出モードの種類を遊技者に把握させるようになっている。
また、特別演出モードMCの滞在中には、図4(b)に示すように、他の演出モードMA,MBとは図柄変動ゲームに関する演出態様が異なり、図柄変動ゲームを画像表示するための表示領域として複数(本実施形態では4つ)の表示領域Q1,Q2,Q3,Q4が形成され、各表示領域Q1〜Q4で図柄変動ゲームが画像表示される。すなわち、特別演出モードMCの滞在中には、表示領域が4つの表示領域Q1〜Q4に等分割され、且つ各表示領域Q1〜Q4のそれぞれで飾り図柄が変動する態様で、飾り図柄による図柄変動ゲームが行われる。このため、各表示領域Q1〜Q4で異なる始動条件に基づく別々の飾り図柄による図柄変動ゲームが行われるわけではなく、同一の始動条件に基づいて各表示領域Q1〜Q4のそれぞれで飾り図柄が変動する態様で、飾り図柄による図柄変動ゲームが実行される。すなわち、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBの滞在中に実行される図柄変動ゲームと、特別演出モードMCの滞在中に実行される図柄変動ゲームは、何れも1球の始動保留球に対して行われる1回の図柄変動ゲームであり、表示演出として表示領域に同時に画像表示される飾り図柄の数が相違している。なお、特別演出モードMCでは、表示領域Q1〜Q4を画像表示させることで、特別演出モードMCの滞在中であることを遊技者に把握させるようになっている。
また、特別演出モードMCの滞在中、表示領域Q1〜Q4には、各表示領域Q1〜Q4の左右方向に延びる1本の有効ラインY(二点鎖線で示す)が形成されている。そして、各表示領域Q1〜Q4では、それぞれの有効ラインY上に各列の飾り図柄が停止表示され、その有効ラインYに形成された1つの図柄組み合わせが有効な図柄組み合わせとして認識されるようになっている。なお、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBにおける表示領域Qには、該表示領域Qの左右方向に延びる1本の有効ラインY(二点鎖線で示す)が形成される。したがって、特別演出モードMCでは、4つの表示領域のそれぞれで飾り図柄が変動する態様で図柄変動ゲームが行われることにより、他の演出モードMA,MBに比して、見かけ上の大当り期待度が4倍に増加したような感覚を遊技者に与え得る。そして、特別演出モードMCの滞在中には、4つの表示領域のうち1つに最終停止図柄に応じた飾り図柄による図柄組み合わせ(表示結果)を表示させる一方、その他の表示領域に任意のはずれ図柄を表示させるようになっている。また、見た目上の図柄変動ゲームの回数と、実際の実行回数(内部的に処理される回数)について遊技者を混乱させないために、特別演出モードMCの滞在中には、表示領域に保留表示画像Ra,Rbが画像表示されないようになっている。
次に、遊技の進行に伴う演出モードの移行態様について説明する。
各大当り遊技に当選した場合には、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されるのであれば、変短時演出モードMAに移行する一方で、大当り遊技の終了後に非変短状態が付与されるのであれば、非変短時演出モードMBに移行するようになっている。また、小当り遊技に当選した場合には、小当り遊技の終了後に変短状態が継続(維持)されるのであれば、変短時演出モードMAに移行する一方で、小当り遊技の終了後に非変短状態が継続(維持)されるのであれば、非変短時演出モードに移行するようになっている。
また、変短時演出モードMAの滞在中には、該変短時演出モードMAの開始から何れの大当り遊技(小当り遊技は除く)に当選することなく86回目の図柄変動ゲームで変短状態が継続しないこと、すなわち、変短状態の付与が終了されて変短状態から非変短状態となることを契機に、非変短時演出モードMBに移行するようになっている。
そして、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBの滞在中に、モード移行抽選に当選した場合には、原則として、特別演出モードMCに移行するようになっている。また、特別演出モードMCへの移行後、所定回数の図柄変動ゲームが実行された場合には、変短状態であれば変短時演出モードMAへ移行する一方で、非変短状態であれば非変短時演出モードMBへ移行するようになっている。また、後述する複数回の図柄変動ゲームに亘って実行が保留されている図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する連続演出が実行されているときには、特別演出モードMCへは移行しないようになっている。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図5に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置21の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部15a〜15cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ16a,16bの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、左始動入賞口25に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1と、右始動入賞口26に入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3、普通図柄作動ゲート30を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、各特別図柄表示装置22,23、普通図柄表示装置24、各特別図柄保留記憶表示装置22a,23a、及び普通図柄保留記憶表示装置24aが接続されている。
また、主制御用CPU35aは、当り判定用乱数(大当り判定用乱数及び小当り判定用乱数)、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、普図当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。小当り判定用乱数は、小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選で大当り及び小当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、当り抽選で当りに当選した場合に第1特別図柄表示装置22に確定停止表示させる第1特図としての大当り図柄又は小当り図柄、第2特別図柄表示装置23に確定停止表示させる第2特図としての大当り図柄又は小当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置21及び各特別図柄表示装置22,23において図柄の変動開始による各図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置21及び各特別図柄表示装置22,23において図柄が確定停止表示されて各図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、当り演出用(大当り演出用又は小当り演出用)、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に当りの図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又は小当りの図柄組み合わせ)を確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置21の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、各特別図柄表示装置22,23では、各図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動状態の有無により、選択し得る変動パターンを振り分けている。具体的には、図6に示すように、非変短状態時に選択し得る非変短時用に分類される変動パターンP(X)と、変短状態時に選択し得る変短時用に分類される変動パターンP(Y),P(Z)とがある。なお、変短時用の変動パターンP(Z)は、変短状態及び非変短状態の何れでも選択し得るようになっている。また、変短時用の変動パターンP(Y),P(Z)は、さらに変短状態での図柄変動ゲームの残り回数(後述する残り作動回数)により、選択し得る変動パターンをさらに振分けている。そして、変短状態で前記残り作動回数が85回〜11回の場合に選択し得る変短前半時用に分類される変動パターンP(Y)と、変短状態で前記残り作動回数が10回〜0回の場合に選択し得る変短後半用に分類される変動パターンP(Z)とがある。そして、非変短時用、変短前半用(変短時用)、及び変短後半用(変短時用)のそれぞれに大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用の変動内容となる変動パターンがそれぞれ含まれている。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選(当り抽選)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1278までの全1279通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では40個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1279分の4となる一方で、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1279分の40となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態時の大当り判定値として「7,12,21,34」の4個の値が定めてられている一方で、確変状態時の大当り判定値として「7,12,21,34,47,51,65,75,88,96,・・・」の40個の値が定められている。そして、本実施形態の大当り判定値の中には、確変状態時及び非確変状態時のいずれでも大当り判定値に含まれる共通大当り判定値「7,12,21,34」が定められている。また、本実施形態の大当り判定値の中には、確変状態時の大当り判定値に確変用大当り判定値「12,21,34,47,51,65,75,88,96,・・・(共通当り判定値以外)」が設定されている。これにより、共通大当り判定値と一致する当り判定用乱数に基づく大当り抽選では、確変状態の有無にかかわらず大当りとなる一方、確変用大当り判定値と一致する当り判定用乱数に基づく大当り抽選では、確変状態が付与されているときにのみ大当りとなる。
小当り判定値は、小当りか否かの小当り抽選(当り抽選)で用いる判定値であり、当り判定用乱数(小当り判定用乱数)の取り得る数値(0〜1278の全1279通りの整数)の中から定められている。さらに、小当り判定値は、第1特図(第1図柄変動ゲーム)に対する小当り抽選で用いる第1小当り判定値(第1当り判定値)と、第2特図(第2図柄変動ゲーム)に対する小当り抽選で用いる第2小当り判定値(第2当り判定値)とがある。そして、第1小当り判定値の数(本実施形態では5個)は、第2小当り判定値の個数(本実施形態では1個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1特図(第1図柄変動ゲーム)に対する小当り抽選で小当りに当選する確率(小当り確率)が、1279分の5なる一方で、第2特図(第2図柄変動ゲーム)に対する小当り抽選で小当りに当選する確率が、1279分の1となる。なお、各小当り判定値は、確変状態が付与されているか否か、及び変短状態が付与されているか否かによってその値が異なることはない(同じ値が定められている)。すなわち、小当り抽選で小当りに当選する確率は、遊技状態に関係なく、各特図(各図柄変動ゲーム)に対して一定とされている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図8に示すように、第1小当り判定値として「17,151,157,163,173」の5個の値が定めてられている一方で、第2小当り判定値として「17」の1個の値が定められている。そして、本実施形態の各小当り判定値の中には、第1小当り判定値及び第2小当り判定値のいずれにも「17」が定められている。このため、第2小当り判定値は、第1小当り判定値よりも少ない個数で第1小当り判定値の一部で構成されている。また、これにより、第2小当り判定値と一致する当り判定用乱数に基づく小当り抽選では、第1特図及び第2特図にかかわらず小当りとなる。その一方で、第1小当り判定値と一致する当り判定用乱数に基づく小当り抽選では、第1特図でのみ小当りとなるとともに、第2特図では小当りである可能性があることになる。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、遊技状態が非変短状態の時のリーチ判定値と、遊技状態が変短状態時のときのリーチ判定値とがある。そして、非変短状態の時のリーチ判定値の数は、図柄変動ゲームの開始に伴う1減算後の各特別図柄用の保留記憶数(判定用の保留記憶数)によって異なっている。例えば、図柄変動ゲーム実行前の各特別図柄用の保留記憶数が「1」である場合には、1減算後の各特別図柄用の保留記憶数は「0」となる。
なお、リーチ判定値は、図7に示すように、変短状態の有無及び保留記憶数により、リーチ判定値として定められる値(数又は種類)が異なっている。具体的に、変短状態がなし時(非変短状態時)、1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が「0」「1」の場合、リーチ判定値には、「0〜34」の値が定められている。また、変短状態がなし時(非変短状態時)、1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が「2」の場合、リーチ判定値には、「0〜19」の値が定められている。また、変短状態がある時(変短状態時)、1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、リーチ判定値には、「0〜2」の値が定められている。
そして、非変短状態時において1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が「0」「1」の時のリーチ判定値の数(この例では35個)は、1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が、「2」の時のリーチ判定値の数(この例では20個)及び1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が「3」の時のリーチ判定値の数(この例では3個)よりも多く設定されている。また、変短状態時のリーチ判定値の数(各特別図柄用の保留記憶数にかかわらず3個)は、非変短状態時において1減算後の各特別図柄用の保留記憶数が「3」の時のリーチ判定値の数と同じに設定されている。
このように、非変短状態時においては、特別図柄用の保留記憶数が多いほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、リーチ判定の当選確率が低くなる。このため、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。その一方、特別図柄用の保留記憶数が少ないほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが少ないほど、リーチ判定の当選確率が高くなる。このため、非変短状態時において特別図柄用の保留記憶数が少ないときには、リーチ演出を実行させて変動時間を長くする確率を高くして、図柄変動ゲームが途切れないようにすることができる。なお、本実施形態では、はずれリーチ演出よりもはずれ演出の方が変動時間を短く設定している。また、変短状態時は、非変短状態時に比して開閉部材27が第2開放時間で第2回数開放されるとともに、普図当りの当選確率も高く設定され、さらに普通図柄変動ゲームの変動時間が長く設定されている。このため、変短状態時は、非変短状態時に比して各特別図柄用の保留記憶数が上限数に達し易くなっている。したがって、変短状態時におけるリーチ判定の当選確率を低く設定することで、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。
また、主制御用ROM35bには、変動パターン振分用乱数1判定値と変動パターン振分用乱数2判定値とが記憶されている。変動パターン振分用乱数1判定値は、非変短状態時において、変動パターン振分用乱数に基づいて変動パターンを特定するための判定値である一方で、変動パターン振分用乱数2判定値は、変短状態時において、変動パターン振分用乱数に基づいて変動パターンを特定するための判定値である。そして、変動パターン振分用乱数1判定値及び変動パターン振分用乱数2判定値は、変動パターン振分用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態時、当り判定(大当り判定及び小当り判定)で否定、且つリーチ判定で肯定とされる場合に関して、変動パターン振分用乱数1判定値が、「0〜231」であれば後述するリーチA演出に分類される演出内容を特定する変動パターンを選択するように構成されている。その一方で、本実施形態では、当り判定(大当り判定及び小当り判定)で否定、且つリーチ判定で肯定とされる場合に関して、変動パターン振分用乱数1判定値が、「232〜251」であれば後述するリーチB演出に分類される変動パターンを選択するように構成されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変短状態時、当り判定(大当り判定及び小当り判定)で否定とされる場合に関して、リーチ判定の判定結果がいずれであっても変動パターン振分用乱数2判定値が、「0〜216」であればはずれ演出に相当する演出内容を特定する変動パターンを選択するように構成されている。一方、本実施形態では、変短状態時、当り判定(大当り判定及び小当り判定)で否定とされる場合に関して、リーチ判定の判定結果がいずれでも変動パターン振分用乱数2判定値が、「217,218」であれば後述するリーチA演出に分類される演出内容を特定する変動パターンを選択し得る(選択する可能性がある)。また、本実施形態では、変短状態時、当り判定(大当り判定及び小当り判定)で否定とされる場合に関して、リーチ判定の判定結果がいずれでも変動パターン振分用乱数2判定値が、「219〜251」であれば後述するリーチB演出に分類される演出内容をそれぞれ特定する変動パターンを選択し得る(選択する可能性がある)ように構成されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変短状態時、後述する残り作動回数が85回〜11回で選択され得る変動パターンP(Y)に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、リーチ判定の結果にかかわらずはずれ演出に相当する演出内容に設定されている。すなわち、変動パターンP(Y)を選択し得る状況下では、変動パターン振分用乱数が「217〜251」であってもはずれ演出に相当した演出内容となる。このため、本実施形態では、変短状態時、内部的にリーチ判定を行って肯定としてもはずれ演出に相当する演出が実行される場合もある一方で、変短状態時、内部的にリーチ判定を行って否定としてもリーチ演出に相当する演出が実行される場合もある。
その一方で、本実施形態では、変短状態時、後述する残り作動回数が10回〜0回で選択され得る変動パターンP(Z)に基づく図柄変動ゲームの演出内容が、リーチ判定が肯定であればリーチ演出の演出内容に設定されている。すなわち、変動パターンP(Z)を選択し得る状況下では、変動パターン振分用乱数が「217,218」であればリーチA演出に、変動パターン振分用乱数が「219〜251」であればリーチB演出のそれぞれに分類される演出内容が設定されている。
したがって、変短状態時には、変動パターン振分用乱数が「217,218」であれば上記残り作動回数によりリーチA演出に分類される演出内容を特定する変動パターンを選択し得るとともに、変動パターン振分用乱数が「219〜251」であれば上記残り作動回数によりリーチB演出に分類される演出内容を特定する変動パターンを選択し得る。また、変短状態時では、変短状態の付与から75回までの図柄変動ゲームで選択され得る演出内容群(変動パターンP(Y))と、それ以降の図柄変動ゲームで選択され得る演出内容群(変動パターンP(Z))とでそれぞれに選択され得る演出内容群が異なる。
また、主制御用ROM35bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、遊技状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、遊技状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。そして、変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では250個)は、非変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の10となる一方で、変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の250となる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置21(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35が実行する制御内容として、各図柄変動ゲーム及び普通図柄変動ゲームの実行に係る制御内容を説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、左始動入賞口25又は右始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている対応する特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、対応する特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、対応する特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、対応する特別図柄用の保留記憶数を1加算した際、1加算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置21(画像表示部GH)に画像表示されている保留表示画像Ra,Rbの表示態様が、対応する表示態様に更新される。合わせて主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、当り判定用乱数の値と、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値と、変動パターン振分用乱数の値とを主制御用RAM35cから取得し、その値を対応する特別図柄用の保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲーム中でなく、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、第2特別図柄用の保留記憶数を確認し、該保留記憶数が存在する場合(「0」よりも大きい場合)、第2特図による第2図柄変動ゲームに係る制御を実行する。その一方で、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲーム中でなく、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、第2特別図柄用の保留記憶数を確認し、該保留記憶数が存在しない場合(「0」の場合)、第1特別図柄用の保留記憶数を確認する。そして、主制御用CPU35aは、第1特別図柄用の保留記憶数が存在する場合(「0」よりも大きい場合)、第1特図による第1図柄変動ゲームに係る制御を実行する。これにより、主制御用CPU35aは、第1特別図柄用の保留記憶数と第2特別図柄用の保留記憶数とが共に存在すれば、第1図柄変動ゲームよりも第2図柄変動ゲームに係る制御を優先的に実行する。また、主制御用CPU35aは、いずれかの図柄変動ゲームに係る制御を実行する際、制御に対応する図柄変動ゲームを実行することを示す情報(フラグなど)を設定することで、もう一方の図柄変動ゲームに係る制御を行わないようにする。これにより、主制御用CPU35aは、各図柄変動ゲームに係る制御を同時に実行しないで、各図柄変動ゲームを同時に実行させないようにしている。
そして、主制御用CPU35aは、各図柄変動ゲームに係る制御において、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数の数を「1」減算(−1)する。なお、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数は、主制御用CPU35aが第1図柄変動ゲームに係る制御を実行するのであれば、第1特別図柄用の保留記憶数となる一方で、主制御用CPU35aが第2図柄変動ゲームに係る制御を実行するのであれば、第2特別図柄用の保留記憶数となる。続いて、主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、変動パターン振分用乱数の値を読み出して取得する。
より詳しくは、主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数のうち最も早く記憶した(最先の)保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各乱数の値を読み出すとともに、該各乱数の値を、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各乱数の値に書き換える。同様に、主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各乱数の値を、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各乱数の値に書き換える。同様に、主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各乱数の値を、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている各乱数の値に書き換える。また、主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数を1減算した際、1減算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置21(画像表示部GH)に画像表示されている保留表示画像Ra,Rbの表示態様が、対応する表示態様に更新される。合わせて主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。
次に、主制御用CPU35aは、読み出して取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定し、大当り遊技を付与するか否かを判定する大当り判定(大当り抽選)を行う。本実施形態では、大当り判定(大当り抽選)を行う主制御基板35(主制御用CPU35a)が、大当り判定手段となる。より詳しくは、大当り判定において、主制御用CPU35aは、遊技状態が非確変状態である場合、当り判定用乱数が、共通大当り判定値(「7,12,21,34」)と一致するか否かを判定する。その一方で、大当り判定において、主制御用CPU35aは、遊技状態が確変状態である場合、当り判定用乱数が、共通大当り判定値(「7,12,21,34」)又は確変用大当り判定値(「12,21,34,47,・・・」)と一致するか否かを判定する。なお、各図柄変動ゲームに係る制御における大当り判定では、遊技状態が確変状態であるか否かに応じた同一の大当り判定値を用いての大当り判定が行われるようになっている。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。合わせて主制御用CPU35aは、これから実行を指示する図柄変動ゲームが大当りの変動であることを主制御用RAM35cに記憶する(設定する)。大当りを決定した主制御用CPU35aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、制御に対応する特別図柄表示装置で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。なお、制御に対応する特別図柄表示装置は、主制御用CPU35aが第1図柄変動ゲームに係る制御を実行するのであれば、第1特別図柄表示装置22となる一方で、主制御用CPU35aが第2図柄変動ゲームに係る制御を実行するのであれば、第2特別図柄表示装置23となる。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、そのとき(現在)の変短状態の有無と変短状態中であれば後述する残り作動回数の回数に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。本実施形態では、変動パターンを決定する主制御基板35(主制御用CPU35a)が、演出内容決定手段となる。
一方、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、当り判定用乱数の値と主制御用ROM35bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当り遊技を付与するか否かの小当り判定(小当り抽選)を行う。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図8に示すように、各小当り判定値で定められている小当り判定値の個数を異ならせて、各図柄変動ゲームで小当りの当選確率を異ならせている。このため、各図柄変動ゲームに係る制御における小当り判定では、同一の小当り判定値を用いての小当り判定を行うことができず、各図柄変動ゲームに応じた小当り判定値を用いての小当り判定を行う必要がある。すなわち、主制御用CPU35aは、各図柄変動ゲームに係る制御に応じて、異なる小当り判定値を用いることにより、異なる処理を実行する。
具体的に、主制御用CPU35aは、第1図柄変動ゲームに係る制御における小当り判定に際し、当り判定用乱数の値と第1小当り判定値を比較する第1小当り判定(第1小当り抽選)を行う。すなわち、主制御用CPU35aは、第1図柄変動ゲームに係る制御において、図8に示す第1小当り判定値を用いることにより、小当りの当選確率が1279分の4となる第1小当り判定を行っている。その一方で、主制御用CPU35aは、第2図柄変動ゲームに係る制御における小当り判定に際し、当り判定用乱数の値と第2小当り判定値を比較する第2小当り判定(第2小当り抽選)を行う。すなわち、主制御用CPU35aは、第2図柄変動ゲームに係る制御において、図8に示す第2小当り判定値を用いることにより、小当りの当選確率が1279分の1となる第2小当り判定を行っている。本実施形態では、第1小当り判定を行う主制御基板35(主制御用CPU35a)が、第1当り判定手段となるとともに、第2小当り判定を行う主制御基板35(主制御用CPU35a)が、第2当り判定手段となる。
そして、小当り判定の判定結果が肯定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、小当りを決定する。なお、主制御用CPU35aは、第1図柄変動ゲームに係る制御であれば、第1小当り判定の肯定により小当りを決定する一方で、第2図柄変動ゲームに係る制御であれば、第2小当り判定の肯定により小当りを決定する。小当りを決定した主制御用CPU35aは、各特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に基づいて対応する特別図柄表示装置(各特別図柄表示装置22,23)で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として小当り図柄を決定する。また、小当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに変動パターンを選択し、決定する。
また、主制御用CPU35aは、小当り判定の判定結果が否定(当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。なお、主制御用CPU35aは、第1図柄変動ゲームに係る制御であれば、第1小当り判定の否定によりはずれを決定する一方で、第2図柄変動ゲームに係る制御であれば、第2小当り判定の否定によりはずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、制御に対応する特別図柄表示装置で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。はずれを決定した主制御用CPU35aは、取得したリーチ判定用乱数の値が、主制御用ROM35bに記憶されているリーチ判定値と一致するか否かを判定するリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値は、そのとき(現在)における制御に対応する特別図柄用の保留記憶数により異なっている。そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合(はずれリーチ演出を実行する場合)、主制御用CPU35aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、そのとき(現在)の変短状態の有無と変短状態中であれば後述する残り作動回数の回数に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
一方、リーチ判定結果が否定の場合(はずれリーチ演出を実行しない場合)、主制御用CPU35aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、変動パターンの選択に際し、そのとき(現在)の変短状態の有無と変短状態中であれば後述する残り作動回数の回数に応じて選択可能な変動パターンとして定められている変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。この場合に、主制御用CPU35aは、開始させる図柄変動ゲームに対応する特別図柄表示装置(各特別図柄表示装置22,23)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。この場合に、主制御用CPU35aは、開始させる図柄変動ゲームに対応する特別図柄(第1特図又は第2特図)を指示する停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。この場合に、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した特別図柄を表示させるように対応する特別図柄表示装置(各特別図柄表示装置22,23)の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている普通図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(普通図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、普通図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、普通図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を普通図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(普通図柄用の保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普通図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した普図当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定を行う。普図当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態が非変短状態である場合には低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が変短状態である場合には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(普図当り用の図柄又は普図はずれ用の図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、非変短状態の場合には変動時間として「7000(ms)」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1100(ms)」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、当該停止図柄指定コマンドにより大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄の大当り図柄を統括制御用RAM36cに記憶する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置21で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、ロング系当り遊技に対応する特別図柄A,D,c,e(大当り図柄)の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、全列の図柄が同一図柄の図柄組み合わせ([111]など)を決定する。一方、統括制御用CPU36aは、停止図柄(特別図柄)が、ショート当り遊技に対応する特別図柄B,b,F,f(大当り図柄又は小当り図柄)の場合、確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせとして、符号図柄からなる図柄組み合わせ([1☆1]など)を決定する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成するはずれの図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU36aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、変短状態の作動/未作動に係る後述する各指定コマンドと、変短残り図柄変動ゲーム数を示すサブ側残り作動回数の回数と、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。また、統括制御用CPU36aは、変短時演出モードMA及び非変短時演出モードMBの滞在中、移行抽選を実行するようになっている。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御用RAM36cに設定される。統括制御用CPU36aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
また、統括制御用CPU36aは、後述する変短コマンドを入力すると、遊技者に遊技球が右流路を流下する発射強度で発射ハンドル18を操作させることを促す右打ち推奨遊技演出の実行を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。すなわち、統括制御用CPU36aは、変短時演出モードMAの開始に伴って、右打ち推奨遊技演出の実行を指示する。これにより、変短状態中の遊技として、右始動入賞口26を狙うことが推奨されていることが遊技者に把握され得る。
また、統括制御用CPU36aは、後述する非変短コマンドを入力すると、遊技者に遊技球が左流路を流下する発射強度で発射ハンドル18を操作させることを促す左打ち推奨遊技演出の実行を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。すなわち、統括制御用CPU36aは、非変短時演出モードMBの開始に伴って、左打ち推奨遊技演出の実行を指示する。これにより、非変短状態中の遊技として、左始動入賞口25を狙うことが推奨されていることが遊技者に把握され得る。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドに指示される表示態様となるように保留表示画像Ra,Rbの表示態様を制御する。また、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、演出モードの移行に係る制御を実行する。具体的に言えば、表示制御用CPU37aは、滞在中の演出モードを指示する演出指示コマンドを入力すると、指示される演出モードで演出表示装置21(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、例えば、特別演出モードMCの滞在中である場合、演出表示装置21では、特別演出モードMCでの表示画像が表示されるとともに、特別演出モードMCでの実行態様による図柄変動ゲームが実行される。また、表示制御用CPU37aは、各推奨遊技演出の実行を指示する演出指示コマンドを入力すると、指示される推奨遊技演出を実行させるように演出表示装置21(画像表示部GH)の表示内容を制御する。右打ち推奨遊技演出が実行されると、演出表示装置21では、「右打ち」の文字が画像表示される一方で、左打ち推奨遊技演出が実行されると、演出表示装置21では、「左打ち」の文字が画像表示される。
次に、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容として、大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、大当り演出となる図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を付与する。このとき、主制御用CPU35aは、大当り演出となる図柄変動ゲームの開始直前に決定した特別図柄(大当り図柄)の種類から、付与する大当り遊技の種類を特定し、その特定した大当り遊技に応じた制御を実行する。
主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉28のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉28が開動作される。また、主制御用CPU35aは、特別図柄に基づき特定される大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口29を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉28のアクチュエータに対して出力され、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉28が閉動作される。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄A,D,c,eに基づきロング系当り遊技が特定される場合、規定ラウンド数分(15回分又は8回分)のラウンド遊技をロング開放で実行させる。また、主制御用CPU35aは、特別図柄B,F,b,fに基づきショート系当りが特定される場合、規定ラウンド数分(8回分又は1回分)のラウンド遊技をショート開放で実行させる。
そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技を終了させると、付与した大当り遊技に応じて該大当り遊技の終了後の遊技状態を設定する。主制御用CPU35aは、8R確変ロング大当り遊技(特別図柄A)又は15R確変ロング大当り遊技(特別図柄c)を付与したならば、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU35aは、8R確変ショート大当り遊技(特別図柄B,b)を付与したならば、確変フラグに「1」を設定するとともに、当選時の遊技状態に応じて作動フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU35aは、8R非確変ロング大当り遊技(特別図柄D)又は15R非確変ロング大当り遊技(特別図柄e)を付与したならば、確変フラグに「0」を設定するとともに、当選時の遊技状態に応じて作動フラグに「1」を設定する。
なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。同様に、作動フラグに「1」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。なお、各フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、各フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。また、主制御用CPU35aは、確変フラグに「1」を設定する場合に確変コマンド、確変フラグに「0」を設定する場合に非確変コマンドをサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。また、主制御用CPU35aは、作動フラグに「1」を設定する場合に変短コマンド、作動フラグに「0」を設定する場合に非変短コマンドをサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。なお、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、主制御用CPU35aは、小当り遊技中も小当り当選時の遊技状態で制御するとともに、小当り遊技終了後も当選時の遊技状態を維持する。すなわち、これに合わせて主制御用CPU35aは、確変状態や変短状態などの遊技状態を指定するコマンドを出力しない。
また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、85回の図柄変動ゲームが実行されるまでの残り図柄変動ゲーム数を示す残り作動回数に85回を設定する。なお、残り作動回数は、確変状態の付与中であれば、確変状態での図柄変動ゲームの残り図柄変動ゲーム数を示すとともに、変短状態の付与中であれば、変短状態での図柄変動ゲームの残り図柄変動ゲーム数を示すことになる。そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが実行される毎に残り作動回数を1減算する。主制御用CPU35aは、残り作動回数が「0」になると、確変状態を付与していたならば確変状態を終了させ、確変フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、残り作動回数が「0」になると、変短状態を付与していたならば変短状態を終了させ、作動フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、残り作動回数の減算に合わせて減算後の回数を特定可能な変動回数コマンドをサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。これにより、統括制御用CPU36aは、サブ側残り作動回数を更新可能になるとともに、残り図柄変動ゲーム数を把握可能になる。本実施形態では、確変フラグの設定により、高確率抽選状態(確変状態)を付与し得る主制御基板35(主制御用CPU35a)が確変付与手段となる。
これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、統括制御用CPU36aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
そして、各当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、各当り遊技終了時点における各特別図柄用の保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、対応する図柄変動ゲームに係る処理を実行し、図柄変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU35aは、各当り終了時点における各特別図柄用の保留記憶数が「0」の場合、各始動入賞口25,26に遊技球が入球する迄の間、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
そして、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、大当り遊技の実行に係る制御において、主制御基板35から大当り遊技に関する各種コマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じて予め定めた演出内容を指示する演出指示コマンドを、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。すなわち、統括制御用CPU36aは、確定停止表示させた特別図柄に基づいて付与される大当り遊技に対応した各種演出の演出内容を指示する。この場合、統括制御用CPU36aは、8R確変ロング大当り遊技及び8R非確変ロング大当り遊技に関して、各種演出の演出内容として同一内容の演出内容を指示する。また、統括制御用CPU36aは、15R確変ロング大当り遊技及び15R非確変ロング大当り遊技に関して、各種演出の演出内容として同一内容の演出内容を指示する。また、統括制御用CPU36aは、8R確変ショート大当り遊技及び小当り遊技に関して、各種演出の演出内容として同一内容の演出内容を指示する。
そして、表示制御用CPU37aは、サブ統括制御基板36から大当り遊技に応じた各種演出の演出内容を指示する演出指示コマンドを入力すると、該コマンドに指示される演出内容の演出を実行させるように演出表示装置21(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
なお、音声・ランプ制御基板38は、各種コマンドを入力すると、各種ランプ部15a〜15cの発光態様、及びスピーカ16a,16bの音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板38は、演出表示制御基板37と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
次に、主制御基板35が実行する制御内容として、普通図柄当り時における開閉部材27の制御について説明する。
主制御用CPU35aは、普通図柄当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉部材27を開放させるための開放信号と開閉部材27を閉鎖させるための閉鎖信号を出力し、開閉部材27の開放態様を制御する。開放信号及び閉鎖信号は、開閉部材27のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉部材27が開動作されるとともに、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉部材27が閉動作される。そして、主制御用CPU35aは、普通図柄当り時の遊技状態に応じて、開閉部材27の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU35aは、開閉部材27を第1開放時間(例えば、200(ms))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU35aは、開閉部材27を第2開放時間(例えば、1740(ms))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
また、主制御用CPU35aは、開閉部材27の開放中に右始動入賞口26に入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では10個)に達した場合、その時点で閉鎖信号を出力して開閉部材27を閉動作させ、普通図柄当りに基づく開閉部材27の開放制御を終了する。普通図柄当りに基づく開閉部材27の開放制御を終了した主制御用CPU35aは、その終了時点の普通図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、開閉部材27の開放制御の終了時点の普通図柄用の保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート30に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームが大当りである可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続演出を実行可能に構成されている。連続演出は、大当りとなる可能性がある図柄変動ゲームよりも前に行われる図柄変動ゲーム毎に複数回の図柄変動ゲームに亘って、所定の演出態様によって連続的に遊技者に示唆するものである。本実施形態の連続演出には、所定の演出態様として複数回の図柄変動ゲームに亘って、図柄変動ゲーム毎に所定の演出画像を表示させる演出態様で、該演出画像が表示される対象となる最後の図柄変動ゲームが大当りである可能性を示唆する画像連続演出がある。また、本実施形態の連続演出には、所定の演出態様として、保留表示画像Ra,Rbの保留画像を変化させる演出態様で、該保留画像に対応する始動保留球(保留記憶数)に基づく図柄変動ゲームが大当りである可能性を示唆する保留連続演出がある。なお、保留連続演出では、対象となる複数回の図柄変動ゲームと図柄変動ゲーム間で継続して保留画像が変化した状態を維持する。また、保留連続演出では、図柄変動ゲームの消化に伴って対応する特別図柄用の保留記憶数の減少に合わせて変化する保留状態に応じて、変化させる対象となる保留画像も変化していくことになる。また、本実施形態において、連続演出の対象とする図柄変動ゲームとしては、連続する第1図柄変動ゲーム又は連続する第2図柄変動ゲームとするとともに、途中に対象とする他方の図柄変動ゲームを挟むような状況下では連続演出が実行されない又は中止(途中で強制終了)されることにしている。
以下、連続演出に係る制御内容について説明する。
最初に、主制御用CPU35aが実行する演出設定処理について説明する。なお、主制御用CPU35aは、演出設定処理を所定周期(例えば、4(ms))毎に実行するとともに、所定周期の開始からの処理順序として、各始動入賞口25,26での遊技球の入球検知に伴っての各乱数の値の取得、及び対応する特別図柄用の保留記憶数の更新の処理後に実行するようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、左始動入賞口25での遊技球の入球検知時、大当り遊技中でなく、非変短状態中である場合、第1連続演出判定処理を実行する。なお、この場合には、左始動入賞口25での遊技球の入球検知に基づいて、各乱数の値が既に取得されて所定の記憶領域に記憶されているとともに、第1特別図柄用の保留記憶数も既に更新されている状態となっている。また、第1連続演出判定処理は、第1図柄変動ゲームに対する連続演出に係る処理である。第1連続演出判定処理については、後で詳述する。
その一方で、主制御用CPU35aは、左始動入賞口25での遊技球の入球検知時、大当り遊技中及び変短状態中のいずれかの場合、第1連続演出判定処理を実行しない。すなわち、上記状況下においては、連続演出の実行が決定され得ないことになる。このため、本実施形態では、第1図柄変動ゲームに関しては、変短状態中に連続演出を実行し得ない構成とする一方で、非変短状態中にのみ連続演出を実行し得る構成としている。
また、主制御用CPU35aは、右始動入賞口26での遊技球の入球検知時、大当り遊技中でなく、変短状態中である場合、第2連続演出判定処理を実行する。なお、この場合には、右始動入賞口26での遊技球の入球検知に基づいて、各乱数の値が既に取得されて所定の記憶領域に記憶されているとともに、第2特別図柄用の保留記憶数も既に更新されている状態となっている。また、第2連続演出判定処理は、第2図柄変動ゲームに対する連続演出に係る処理である。第2連続演出判定処理については、後で詳述する。
その一方で、主制御用CPU35aは、右始動入賞口26での遊技球の入球検知時、大当り遊技中及び変短状態中でないいずれかの場合、第2連続演出判定処理を実行しない。すなわち、上記状況下においては、連続演出の実行が決定され得ないことになる。このため、本実施形態では、第2図柄変動ゲームに関しては、非変短状態中に連続演出を実行し得ない構成とする一方で、変短状態中にのみ連続演出を実行し得る構成としている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態中、右始動入賞口26への遊技球の入球がほとんど見込めないことより、左始動入賞口25への遊技球の入球が大半を占めることになる(入球率が高いことになる)。このように第1図柄変動ゲームが実行され易い状況下では、第1図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能にすることで、連続演出を実行し得る状況を好適に作り出すことができる。また、本実施形態では、各始動入賞口25,26の打ち分けをすることができることにより、非変短状態中に第2図柄変動ゲームが行われることがほとんどなく、例えば、第1図柄変動ゲームを対象とする連続演出の途中に、第2図柄変動ゲームを挟むことがほとんどないようになっている。
その一方で、本実施形態では、変短状態中、左始動入賞口25よりも右始動入賞口26への遊技球の入球率が向上することより、右始動入賞口26への遊技球の入球が大半を占めることになる(入球率が高いことになる)。このように第2図柄変動ゲームが実行され易い状況下では、第2図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能にすることで、連続演出を実行し得る状況を好適に作り出すことができる。また、本実施形態では、第2図柄変動ゲームが優先的実行されることにより、例えば、第2図柄変動ゲームを対象とする連続演出の途中に、第1図柄変動ゲームを挟むことがないようになっている。
次に、主制御用CPU35aが実行する第1連続演出判定処理について図9に基づき説明する。なお、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を所定周期(例えば、4(ms))毎に実行するとともに、所定周期の開始からの処理順序として、演出設定処理後に実行するようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、大当り判定値をセットする(ステップS101)。ステップS101で主制御用CPU35aは、大当り判定値として共通大当り判定値をセットする。本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態中であれば、非確変状態となっているのでステップS101で共通大当り判定値がセットされる。続いて、主制御用CPU35aは、演出設定処理で遊技球の入球検知の基になる左始動入賞口25での遊技球の入球検知に基づいて主制御用RAM35cに記憶された当り判定用乱数を読み出し、該値がセットした大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS102)。このように主制御用CPU35aは、左始動入賞口25で遊技球の入球検知時、該入球検知時に主制御用RAM35cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS102の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、ステップS102で読み出した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する(ステップS103)。その後、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を終了する。
保留指定コマンドは、図11及び図12に示すように、制御に対応する特別図柄の種類、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容、及び事前判定時の制御に対応する特別図柄用の保留記憶数のうち必要な情報を指定するためのコマンドである。なお、制御に対応する特別図柄及び特別図柄用の保留記憶数は、主制御用CPU35aが第1連続演出判定処理を実行していれば、第1特図及び第1特別図柄用の保留記憶数となる一方で、主制御用CPU35aが第2連続演出判定処理を実行していれば、第2特図及び第2特別図柄用の保留記憶数となる。そして、事前判定で大当りの当選とする場合の保留指定コマンドとして、制御に対応する特別図柄の種類及び事前判定時の制御に対応する特別図柄用の保留記憶数を指定するための保留指定コマンドY1〜Y4,Y21〜Y24,Z1〜Z4,Z17〜Z20が設定されている。これら保留指定コマンドY1〜Y4,Y21〜Y24,Z1〜Z4,Z17〜Z20は、当り判定用乱数、特図振分用乱数、及び特別図柄用の保留記憶数によって決定される一方で、これらの値を保留コマンドにより特定することができる。なお、保留指定コマンドY1〜Y4,Z1〜Z4は、大当りの中でもロング系当り遊技(ロング)を特定する大当りの当選とする場合の保留指定コマンドとされている。また、保留指定コマンドY21〜Y24,Z17〜Z20は、大当りの中でもショート系当り遊技(ショート)を特定する大当りの当選とする場合の保留指定コマンドとされている。また、事前判定で小当りの当選とする場合の保留指定コマンドとして、第1図柄変動ゲームの制御に対応する特別図柄の種類、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容、及び事前判定時の制御に対応する特別図柄用の保留記憶数を指定するための保留指定コマンドY25〜Y28が設定されている。また、事前判定で小当りの当選とする可能性がある(小当り又ははずれ)場合の保留指定コマンドとして、第2図柄変動ゲームの制御に対応する特別図柄の種類、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容、及び事前判定時の制御に対応する特別図柄用の保留記憶数を指定するための保留指定コマンドZ21〜Z24が設定されている。これら保留指定コマンドY25〜Y28,Z21〜Z24は、当り判定用乱数、特図振分用乱数、及び特別図柄用の保留記憶数によって決定される一方で、これらの値を保留コマンドにより特定することができる。また、事前判定で大当り及び小当りの当選としない場合の保留指定コマンドとして、制御に対応する特別図柄の種類、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容、及び事前判定時の制御に対応する特別図柄用の保留記憶数を指定するための保留指定コマンドY5〜Y20,Z5〜Z16が設定されている。これら保留指定コマンドY5〜Y20,Z5〜Z16は、当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、特図振分用乱数、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数によって決定される一方で、これらの値を保留コマンドにより特定することができる。
また、図11及び図12において、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容とは、事前判定の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームの演出内容のことである。具体的には、図11及び図12に示すように、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容は、リーチ判定用乱数に基づくリーチ演出の実行可能性、及びリーチ演出実行時のリーチ演出の演出内容を示している。なお、保留指定コマンドが示す図柄変動ゲームの演出内容において、「完全はずれ」と示されている場合には、実行が保留されている図柄変動ゲームで特別図柄用の保留記憶数や変短状態の有無にかかわらず、リーチ演出なしのはずれとなることを示す。また、保留指定コマンドが示す演出内容において、「リーチ可」と示されている場合には、実行が保留されている図柄変動ゲームでリーチ演出となる可能性がある(リーチ演出が実行されない場合もある)ことを示す。また、保留指定コマンドが示す演出内容において、「リーチA」と示されている場合には、実行が保留されている図柄変動ゲームでリーチA演出に分類される演出内容が実行される(図12では、実行される可能性がある)ことを示す。同様に、保留指定コマンドの演出内容において、「リーチB」と示されている場合には、実行が保留されている図柄変動ゲームでリーチB演出に分類される演出内容が実行される(図12では、実行される可能性がある)ことを示す。なお、本実施形態では、上述したように、変短状態中、サブ側残り作動回数が85回〜11回でリーチ判定などにかかわらず大当り及び小当りでなければ、はずれ演出に相当する演出が実行されることにより、後述する保留指定コマンドZ9〜Z16の演出内容において、統括制御用CPU36aが「完全はずれ」とみなすことになる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、リーチA演出に分類される演出内容よりもリーチB演出に分類される演出内容の方が大当り遊技が付与される割合が高くなるように設定されている。すなわち、リーチB演出に分類される演出内容では、リーチA演出に分類される演出内容よりも大当り期待度が高まることを示している。大当り遊技が付与される割合は、各演出内容を特定する変動パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振り分ける際の振り分け態様に応じて決定される。
すなわち、特定の演出内容の大当り遊技が付与される割合を高くするためには、当該演出内容が出現する割合(全体の割合)に対して、大当りの場合に当該演出内容が出現する割合を高めると共にはずれリーチの場合に当該演出内容が出現する割合を低める(又はいずれか一方を行う)ように変動パターンを振り分ければよい。このように大当り遊技が付与される割合を異ならせることにより、演出内容の種類に応じて遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。
そして、ステップS103で主制御用CPU35aは、図11に示す保留指定コマンドY1〜Y4,Y21〜Y24の中から、第1特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドを決定する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1特図に関して、特別図柄A,Dと特別図柄Bとで異なる保留指定コマンドを対応付けているので、特別図柄の種類と保留記憶数とに基づく保留指定コマンドが出力される。
一方、ステップS102の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、第1小当り判定値をセットする(ステップS104)。本実施形態のパチンコ遊技機10では、この場合、第1図柄変動ゲームに対する連続演出の処理の実行中であるのでステップS104で第1小当り判定値がセットされる。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS102で読み出した当り判定用乱数がセットした第1小当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS105)。このように主制御用CPU35aは、左始動入賞口25で遊技球の入球検知時、該入球検知時に主制御用RAM35cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う第1小当り判定(小当り判定)で小当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS105の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、ステップS102で読み出した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する(ステップS106)。その後、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を終了する。
そして、ステップS106で主制御用CPU35aは、図11に示す保留指定コマンドY25〜Y28の中から、第1特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドを決定する。
一方、ステップS105の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、リーチ判定値「3」をセットする(ステップS107)。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS102で読み出した当り判定用乱数と合わせて主制御用RAM35cに記憶されたリーチ判定用乱数を読み出し、該値がセットしたリーチ判定値「3」以上であるか否かを判定する(ステップS108)。図7にも示したように、非変短状態時、リーチ判定時の保留記憶数がいくつであってもリーチ判定用乱数が「0〜2」である場合には、後で行うリーチ判定で肯定とされることが確定する。したがって、主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数が、「3」以上であるか否かを判定することにより、確実に後で行うリーチ判定で肯定とされるか否かを判定することができる。そして、ステップS108が否定とされる場合は、確実に後で行うリーチ判定で肯定とされることが確定する一方で、ステップS108で肯定とされる場合は、後で行うリーチ判定で肯定とされる可能性があることになる。
そして、ステップS108の判定結果が肯定の場合(後で行うリーチ判定で肯定とされる可能性がある場合)、主制御用CPU35aは、リーチ判定値「35」をセットする(ステップS109)。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS108で読み出したリーチ判定用乱数の値が、セットしたリーチ判定値「35」以上であるか否かを判定する(ステップS110)。図7にも示したように、非変短状態時、リーチ判定値時の保留記憶数がいくつであってもリーチ判定用乱数が「35」以上である場合には、後で行うリーチ判定で否定とされることが確定する。したがって、主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数が「35」以上であるか否かを判定することにより、確実に後で行うリーチ判定で否定とされるか否かを判定することができる。そして、ステップS110が肯定とされる場合は、確実に後で行うリーチ判定で否定とされることが確定する一方で、ステップS110が否定とされる場合は、後で行うリーチ判定で肯定とされる可能性があることになる。
そして、ステップS110の判定結果が肯定の場合(確実に後で行うリーチ判定で否定とされる場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS111)。その後、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を終了する。
ステップS111で主制御用CPU35aは、ステップS110の処理を通じて確実に後で行うリーチ判定で否定とされることを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS111において、第1特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドY5〜Y8の中から、保留指定コマンドを決定する。
一方、ステップS110の判定結果が否定の場合(後で行うリーチ判定で肯定とされる可能性がある場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS112)。その後、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を終了する。
ステップS112で主制御用CPU35aは、ステップS110の処理を通じて後で行うリーチ判定で肯定とされる可能性があることを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS112において、第1特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドY9〜Y12の中から、保留指定コマンドを決定する。
また、ステップS108の判定結果が否定の場合(確実に後で行うリーチ判定で肯定とされる場合)、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数1判定値「232」をセットする(ステップS113)。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS102で読み出した当り判定用乱数と合わせて主制御用RAM35cに記憶された変動パターン振分用乱数を読み出し、該値がセットした変動パターン振分用乱数1判定値「232」以上であるか否かを判定する(ステップS114)。上述したように、非変短状態時、リーチ判定で肯定とする条件下で変動パターン振分用乱数が「232」以上である場合には、リーチB演出に分類される演出内容とされることが確定する。したがって、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数が「232」以上であるか否かを判定することにより、図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類されるか否かを判定することができる。そして、ステップS114が否定とされる場合は、図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出に分類されることが確定する一方で、ステップS114が肯定とされる場合は、図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類されることが確定する。
そして、ステップS114の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出に分類される場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS115)。その後、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を終了する。
ステップS115で主制御用CPU35aは、ステップS114の処理を通じて図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出に分類されることを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS115において、第1特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドY13〜Y16の中から、保留指定コマンドを決定する。
一方、ステップS114の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類される場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS116)。その後、主制御用CPU35aは、第1連続演出判定処理を終了する。
ステップS116で主制御用CPU35aは、ステップS114の処理を通じて図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類されることを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS116において、第1特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドY17〜Y20の中から、保留指定コマンドを決定する。
次に、主制御用CPU35aが実行する第2連続演出判定処理について図10に基づき説明する。なお、主制御用CPU35aは、第2連続演出判定処理を所定周期(例えば、4(ms))毎に実行するとともに、所定周期の開始からの処理順序として、演出設定処理後に実行するようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、大当り判定値をセットする(ステップS201)。ステップS201で主制御用CPU35aは、非確変状態であれば大当り判定値として共通大当り判定値をセットする一方で、確変状態であれば大当り判定値として共通大当り判定値と確変用大当り判定値をセットする。続いて、主制御用CPU35aは、演出設定処理で遊技球の入球検知の基になる右始動入賞口26での遊技球の入球検知に基づいて主制御用RAM35cに記憶された当り判定用乱数を読み出し、該値がセットした大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS202)。このように主制御用CPU35aは、右始動入賞口26で遊技球の入球検知時、該入球検知時に主制御用RAM35cに記憶された大当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
ステップS202の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、ステップS202で読み出した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する(ステップS203)。その後、主制御用CPU35aは、第2連続演出判定処理を終了する。
そして、ステップS203で主制御用CPU35aは、図12に示す保留指定コマンドZ1〜Z4,Z17〜Z20の中から、第2特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドを決定する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2特図に関して、特別図柄c,eと特別図柄bと異なる保留指定コマンドを対応付けているので、特別図柄の種類と保留記憶数とに基づく保留指定コマンドが出力される。
一方、ステップS202の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、第1小当り判定値をセットする(ステップS204)。本実施形態のパチンコ遊技機10では、この場合、第2図柄変動ゲームに対する連続演出の処理の実行中ではあるものの、第1図柄変動ゲームに対する連続演出の処理の実行中と同様にしてステップS204で第1小当り判定値がセットされる。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS202で読み出した当り判定用乱数がセットした第1小当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS205)。このように主制御用CPU35aは、右始動入賞口26で遊技球の入球検知時、該入球検知時に主制御用RAM35cに記憶された当り判定用乱数の値が、後に行う第2小当り判定(小当り判定)で小当りの当選とする判定結果となる可能性があるか否かを事前判定するようになっている。
すなわち、本実施形態では、本来なら第2図柄変動ゲームに対する連続演出であるので、第2小当り判定値に基づき後に行う第2小当り判定(小当り判定)で小当りの当選とするか否かを事前判定するところを、第1小当り判定に基づき後に行う第2小当り判定(小当り判定)で小当りの当選とする可能性を事前判定することになる。具体的に、本実施形態では、読み出した当り判定用乱数が、第1小当り判定値のうち「17」以外のいずれかと一致する場合、第2連続演出判定処理で小当りの当選とする可能性があることを事前判定するととともに、実際の第2小当り判定で小当りの非当選とする判定結果となる。その結果、この場合には、第2連続演出処理で小当りの当選とする可能性があるとともに、「完全はずれ」、「リーチA演出(完全はずれ)」、「リーチB演出(完全はずれ)」のいずれかの可能性があるということを事前判定することになる。その一方で、本実施形態では、読み出した当り判定用乱数が、第1小当り判定値のうち「17」と一致する場合、第2連続演出判定処理で小当りの当選とする可能性があることを事前判定するとともに、実際の第2小当り判定で小当りの当選とする判定結果となる。
そして、本実施形態では、第2連続演出判定処理をこのように構成することで、図柄変動ゲームの開始時に実行される第1小当り判定と第2小当り判定とで用いる小当り判定値が異なることにより小当り確率が異なる場合であっても、連続演出の処理のうち事前判定の処理に関しては共通化するようにしている。
ステップS205の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、ステップS102で読み出した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する(ステップS206)。その後、主制御用CPU35aは、第2連続演出判定処理を終了する。
そして、ステップS206で主制御用CPU35aは、図12に示す保留指定コマンドZ21〜Z24の中から、第2特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドを決定する。なお、保留指定コマンドZ21〜Z24は、小当りの当選とする可能性があるとともに、「完全はずれ」、「リーチA演出(完全はずれ)」、「リーチB演出(完全はずれ)」のいずれかの可能性があるという図柄変動ゲームの演出内容を特定するものである。
一方、ステップS205の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数2判定値「217」をセットする(ステップS207)。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS202で読み出した当り判定用乱数と合わせて主制御用RAM35cに記憶された変動パターン振分用乱数を読み出し、該値がセットした変動パターン振分用乱数2判定値「217」以上であるか否かを判定する(ステップS208)。上述したように、変短状態時、リーチ判定の判定結果がいずれでも変動パターン振分用乱数が「0〜216」である場合には、はずれ演出に相当する演出内容とされることが確定する。したがって、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数が「217」以上であるか否かを判定することにより、図柄変動ゲームの演出内容がはずれ演出に相当するか否かを判定することができる。そして、ステップS208が否定とされる場合は、図柄変動ゲームの演出内容がはずれ演出に相当することが確定する一方で、ステップS208が肯定とされる場合は、図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出又はリーチB演出に分類される可能性があることになる。
そして、ステップS208の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲームの演出内容がはずれ演出に相当することが確定する場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS209)。その後、主制御用CPU35aは、第2連続演出判定処理を終了する。
ステップS209で主制御用CPU35aは、ステップS208の処理を通じて図柄変動ゲームの演出内容がはずれ演出に相当することを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS209において、第2特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドZ5〜Z8の中から、保留指定コマンドを決定する。
一方、ステップS208の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出又はリーチB演出に分類される可能性がある場合)、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数2判定値「219」をセットする(ステップS210)。続いて、主制御用CPU35aは、ステップS208で読み出した変動パターン振分用乱数の値がセットした変動パターン振分用乱数2判定値「219」以上であるか否かを判定する(ステップS211)。上述したように、リーチ判定の判定結果がいずれでも変動パターン振分用乱数が「219」以上である場合には、リーチB演出に分類される可能性がある。したがって、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数が「219」以上であるか否かを判定することにより、図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類される可能性があるか否かを判定することができる。そして、ステップS211が否定とされる場合は、図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出に分類される可能性がある一方で、ステップS211が肯定とされる場合は、図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類される可能性があることになる。
そして、ステップS211の判定結果が否定の場合(図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出に分類される可能性がある場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS212)。その後、主制御用CPU35aは、第2連続演出判定処理を終了する。
ステップS212で主制御用CPU35aは、ステップS211の処理を通じて図柄変動ゲームの演出内容がリーチA演出に分類される可能性があることを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS212において、第2特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドZ9〜Z12の中から、保留指定コマンドを決定する。
一方、ステップS211の判定結果が肯定の場合(図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類される可能性がある場合)、主制御用CPU35aは、実行が保留されている図柄変動ゲームの演出内容等を指定するための保留指定コマンドを決定し、出力する(ステップS213)。その後、主制御用CPU35aは、第2連続演出判定処理を終了する。
ステップS213で主制御用CPU35aは、ステップS211の処理を通じて図柄変動ゲームの演出内容がリーチB演出に分類される可能性があることを特定している。これにより、主制御用CPU35aは、ステップS213において、第2特別図柄用の保留記憶数に基づき、保留指定コマンドZ13〜Z16の中から、保留指定コマンドを決定する。
本実施形態では、事前判定及び大当り判定のために当り判定用乱数を取得する主制御基板35(主制御用CPU35a)が乱数取得手段となる。また、本実施形態では、各連続演出判定処理により事前判定を実行する主制御基板35(主制御用CPU35a)が事前判定手段となる。また、主制御用CPU35aが取得した乱数を始動保留球数に対応付けて記憶する主制御基板35(主制御用RAM35c)が保留記憶手段となる。
次に、遊技球の入賞検知時に出力された保留指定コマンドに基づき、統括制御用CPU36aが実行する連続演出に係る制御内容について説明する。
最初に、統括制御用CPU36aが連続演出の実行を決定し得る条件について図13(a),(b)に基づき説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13(a),(b)に示すように、統括制御用CPU36aに入力する保留指定コマンドが、遊技状態に応じて異なるようになっている。そして、非変短状態中、主制御用CPU35aが非変短状態中であることを条件として第1連続演出判定処理を実行する一方で、第2連続演出判定処理を実行しない。このため、非変短状態中に統括制御用CPU36aには、第1図柄変動ゲームに対する保留指定コマンドY1〜Y28は入力される一方で、第2図柄変動ゲームに対する保留指定コマンドZ1〜Z24は入力されない。また、変短状態中に統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aが変短状態中であることを条件として第2連続演出判定処理を実行する一方で、第1連続演出判定処理実行しない。このため、変短状態中に統括制御用CPU36aには、第2図柄変動ゲームに対する保留指定コマンドZ1〜Z24は入力される一方で、第1図柄変動ゲームに対する保留指定コマンドY1〜Y28は入力されない。
そして、非変短状態中及び変短状態中の場合、統括制御用CPU36aは、図13(a),(b)に示すように、サブ側残り作動回数が「85回」〜「11回」の区間、すなわち大当り遊技の終了から75回の図柄変動ゲームが実行されるまでの区間であることを、連続演出の実行を決定し得る条件に設定している。さらに加えて、非変短状態中及び変短状態中の場合、統括制御用CPU36aは、図13(a)に示すように、保留表示画像Ra,Rbが画像表示される非変短時演出モードMB及び変短時演出モードMAの滞在中であることを、保留連続演出の実行を決定し得る条件に設定している。また、非変短状態中及び変短状態中の場合、統括制御用CPU36aは、図13(b)に示すように、サブ側残り作動回数が「85回」〜「11回」の区間、すなわち大当り遊技の終了から75回の図柄変動ゲームが実行されるまでの区間であることを、画像連続演出の実行を決定し得る条件に設定している。なお、演出モードに関してはいずれの演出モードであっても画像連続演出を実行し得る。
次に、本実施形態で変短状態中に連続演出の実行を決定し得る条件について、図13(c)に基づき詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、85回の確変付与回数を上限として確変状態が付与される。なお、この場合には、ともに非変短状態が付与されるときもあれば、ともに変短状態が付与されるときもある。そして、特に、確変状態であれば、大当りに当選しないで85回の図柄変動ゲームの経過時に非確変状態に抽選確率状態が変化することになる。このため、確変状態が付与されている可能性がある非変短状態中及び変短状態中には、大当り遊技の終了から確変付与回数となる85回目の図柄変動ゲームを跨いで連続演出の実行を決定し得ない構成とした。
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13(c)に示すように、大当り遊技の終了から85回の図柄変動ゲームが経過する間、連続演出の実行を決定し得る区間(実行可能区間)を、大当り遊技の終了から確変付与回数(確変付与区間)よりも短い区間(確変付与回数以下)に設定するようにした。その一方で、連続演出の実行を決定し得る区間以外(76回目以降の実行不能区間)で連続演出の実行を決定し得ないようにした。また、本実施形態では、図13(c)に示すように、大当り遊技の終了から85回の図柄変動ゲームが経過する間、連続演出の実行を決定し得る区間(実行可能区間)を、確変付与回数(確変付与区間)から各特別図柄用の保留記憶数の総数(8個)分を減算した回数よりも短い区間に設定している。このため、大当り遊技の終了から85回の図柄変動ゲームが経過する間、74回目や75回目(連続演出を実行し得る区間の末端)の図柄変動ゲームの実行中に各特別図柄用の保留記憶数が上限値に達している状態で、連続演出を実行させたとしても確変付与回数を跨いでの連続演出を実行させ得ないことになる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、後でも詳述するが連続演出の途中に大当りを挟むことによって抽選確率状態が変化してしまう状況下でも連続演出の実行を決定し得ない構成を採用している(すなわち、連続演出の途中の図柄変動ゲームがはずれである状況下でのみ連続演出の実行を決定し得る構成を採用している)。
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、抽選確率状態が変化し得る場面を跨いで連続演出の実行を決定し得ないようになっている。抽選確率状態が変化し得る場面を跨ぐとは、図13(c)に示すように、該場面前に連続演出の実行に関する事前判定(処理)が行われ、且つ該場面後に実際の図柄変動ゲームの実行に関する大当り判定(処理)が行われる場面である。このような場面では、内部的に抽選確率状態が変化していると、事前判定での予測結果と実際の大当り判定での判定結果が相違する可能性がある。さらに、このような場合では、図13(c)にも示すように、内部的に抽選確率状態が変化していると、事前判定時の抽選確率状態と実際の連続演出の対象となる図柄変動ゲームの実行時の抽選確率状態が相違する可能性がある。しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機10では、上記のような相違が起こり得ない構成となっている。なお、本実施形態では、確変付与回数以下、且つ確変付与回数から各特別図柄用の保留記憶数の総数分減算した回数以下である76回(残り図柄変動ゲーム数が10回となる回数)が特定回数となる。
次に、遊技球の入賞検知時に出力された保留指定コマンドに基づき、統括制御用CPU36aが実行する連続演出のうち保留連続演出に係る制御内容について詳しく説明する。
連続演出の実行を決定し得る条件下で、統括制御用CPU36aは、連続演出の実行中であることが統括制御用RAM36cに設定されていないことを条件として、保留連続演出の実行を決定し得る。すなわち、連続演出中は、保留連続演出が実行されないようになっている。
上記条件を満たす条件下で、統括制御用CPU36aは、入力した保留指定コマンドが指定する特別図柄用の保留記憶数よりも前の保留記憶数に対応付けて記憶されている全ての保留指定コマンドにより、完全はずれの演出内容を特定できる場合、保留連続演出の具体的な表示態様(実行態様)を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、この表示態様として「赤」、「金」、「紅白」を決定する場合に保留連続演出の実行を決定する一方で、この表示態様として「白」を決定する場合に保留連続演出、すなわち連続演出の実行を決定しない。なお、上述したように、変短状態中であってサブ側残り作動回数が85回〜11回であれば、保留指定コマンドZ5〜Z16で完全はずれの演出内容を特定している。これにより、本実施形態では、サブ側残り作動回数が85回〜11回であれば、入力した保留指定コマンドが指定する特別図柄用の保留記憶数よりも前の保留記憶数で大当りに当選していない限り常に連続演出を実行し得ることになる。このため、変動パターンP(Y)には、大当りに当選していない限り常に連続演出を実行し得るような演出内容が対応付けられていることになる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、入力した保留指定コマンドにより特定できる演出内容が何れであっても(完全はずれ、リーチ可、リーチA演出、リーチB演出、大当り)、該コマンドが指定する図柄変動ゲームを対象とし、該ゲームに対応する保留画像を変化させる保留連続演出の実行を決定し得るようになっている。
保留連続演出として実行させる保留表示画像の具体的な表示態様の決定に際して統括制御用CPU36aは、入力した保留指定コマンドに基づき図14(a),(b)に示す表示態様決定用テーブルTA1,TA2にしたがって決定する。なお、統括制御用CPU36aは、保留指定コマンドY1〜Y28を入力する場合、図14(a)に示す表示態様決定用テーブルTA1にしたがって決定するとともに、保留指定コマンドZ1〜Z24を入力する場合、図14(b)に示す表示態様決定用テーブルTA2にしたがって決定する。本実施形態では、図14(a),(b)に示すように、上記具体的な表示態様として、保留画像の色を通常色(例えば、白色)から「赤」、「金」、「紅白」のいずれかに変化させる表示態様が設定されている。なお、保留連続演出を実行させない場合には、「白」のままで保留画像が変化しないことになる。
そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と入力した保留指定コマンドをもとに具体的な表示態様を決定する。例えば、保留指定コマンドY16を入力していた場合には、表示態様決定用テーブルTA1にしたがって乱数の値をもとに、「白」及び「赤」の中から何れか1つを決定する。そして、表示態様決定用テーブルTA1,TA2は、図14(a),(b)に示すように、保留画像の色が、「白」<「赤」<「金」<「紅白」の順に大当りへの期待が高まるように構築されている。このため、保留連続演出の対象となる図柄変動ゲームの大当りの当否及び演出内容に関連付けられるように、上記具体的な表示態様に大当り期待度が設定される。そして、この具体的な表示態様によっては、保留状態として、対象となる図柄変動ゲームが大当りとなる可能性の高低が示唆される。
次に、表示態様決定用テーブルTA1,TA2について図14(a),(b)に基づき詳しく説明する。
表示態様決定用テーブルTA1,TA2は、保留指定コマンドで特定される内容に基づいて、事前判定の判定結果に対して決定し得る表示態様(保留連続演出)が予め対応付けられて構築されている。
そして、表示態様決定用テーブルTA1では、「大当り」のうちロング系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY1〜Y4)に対して、「白」、「赤」、「金」、「紅白」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA1では、「完全はずれ」と「リーチ可」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY5〜Y12)に対して、「白」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA1では、「リーチA演出」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY13〜Y16)に対して、「白」、「赤」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA1では、「リーチB演出」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY17〜Y20)に対して、「白」、「赤」、「金」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA1では、「大当り」のうちショート系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY21〜Y24)に対して、「白」、「赤」、「金」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA1では、「小当り」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY25〜Y28)に対して、「白」、「赤」、「金」の表示態様が対応付けられている。
そして、表示態様決定用テーブルTA2では、「大当り」のうちロング系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ1〜Z4)に対して、「白」、「赤」、「金」、「紅白」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA2では、「完全はずれ」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ5〜Z8)に対して、「白」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA2では、「リーチA演出(完全はずれ)」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ9〜Z12)に対して、「白」、「赤」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA2では、「リーチB演出(完全はずれ)」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ13〜Z16)に対して、「白」、「赤」、「金」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA2では、「大当り」のうちショート系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ17〜Z20)に対して、「白」、「赤」、「金」の表示態様が対応付けられている。また、表示態様決定用テーブルTA2では、「小当り(完全はずれ、リーチA演出、リーチB演出)」となる可能性がある事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ21〜Z24)に対して、「白」の表示態様が対応付けられている。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、「白」の表示態様によってはいずれの事前判定の判定結果の可能性もある。また、本実施形態では、「赤」の表示態様によっては「リーチA演出」、「リーチB演出」、「小当り」、「大当り」のいずれかの事前判定の判定結果の可能性がある一方で、「完全はずれ」(保留指定コマンドZ9〜Z16を除く)の可能性がないようになっている。また、本実施形態では、「金」の表示態様によっては「リーチB演出」、「小当り」、「大当り」のいずれかの事前判定の判定結果の可能性がある一方で、「完全はずれ」(保留指定コマンドZ9〜Z16を除く)、「リーチA演出」の可能性がないようになっている。また、本実施形態では、「紅白」の表示態様によっては「大当り」(大当りの中でもロング系当り遊技)の事前判定の判定結果であることが確定するようになっている。すなわち、本実施形態では、事前判定の判定結果に基づいて決定し得る(出現し得る)表示態様(保留連続演出)が予め対応付けられている一方で、事前判定の判定結果にかかわらず「白」の表示態様が対応付けられている。このため、本実施形態において、「白」の表示態様が通常連続演出となる。
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「小当り(完全はずれ、リーチA演出、リーチB演出)」となる可能性がある事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ21〜Z24)に対して、「白」の表示態様のみを対応付けることにより、いずれの判定結果であっても対応可能に構成している。すなわち、実際のところ図柄変動ゲームの開始時には、「小当り」ではなく「完全はずれ」や「リーチA演出」や「リーチB演出」となることが特定される場合であっても、いずれの演出でも決定し得る(出現し得る)表示態様(保留連続演出)しか決定されないことになる。その結果、本実施形態では、第1連続演出判定処理と第2連続演出判定処理とで、第1小当り判定値を用いることで小当りに関する処理を共通化させても、演出上の不整合が起こり得ない構成としている。
そして、統括制御用CPU36aは、保留連続演出の実行を決定し得る条件下で、保留連続演出の実行とともに上記具体的な表示態様を決定すると、該連続演出が実行中であることを統括制御用RAM36cに記憶する(設定する)。なお、統括制御用CPU36aは、保留連続演出の実行中であることを、連続演出の対象となる最後の図柄変動ゲームの終了から次の図柄変動ゲームの開始までに消去(リセット)すればよい。この場合、統括制御用CPU36aは、具体的な表示内容に基づき、保留指定コマンドで指定されている保留記憶数を特定し、どの保留記憶数に対応する保留画像の表示態様を変更するか決定する。すなわち、統括制御用CPU36aは、保留指定コマンドで指定されている保留記憶数に基づき、何回の図柄変動ゲーム数に亘って保留連続演出を実行させるかを決定する。その決定後、統括制御用CPU36aは、決定した保留画像の表示態様を先に決定した表示態様に変化させることを指示する保留連続演出実行指示コマンドを、演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)に出力する。これにより、表示制御用CPU37aは、保留連続演出実行指示コマンドで指示された保留画像の表示態様を変化させるように、演出表示装置21(画像表示部GH)の保留表示画像Ra,Rbの表示態様を制御する。
例えば、遊技球が入球検知されることにより、対応する特別図柄用の保留記憶数が4となるとき、保留連続演出を実行させると決定した場合、統括制御用CPU36aは、対応する特別図柄用の保留記憶数「4」に対応する保留画像の表示態様を変化させる(例えば、「○(白)」→「●(赤)」又は「△(白)」→「▲(赤)」へ変化させる)。また、本実施形態では、保留連続演出が実行中であることを統括制御用RAM36cに設定している場合には、移行抽選の当否にかかわらず特別演出モードMCへの移行が規制されている。
このように統括制御用CPU36aは、保留指定コマンドの入力時、該コマンドに基づき保留連続演出(連続演出)を実行させるか否か(具体的な表示態様)を事前決定するようになっている。
次に、遊技球の入賞検知時に出力された保留指定コマンドに基づき、統括制御用CPU36aが実行する連続演出のうち画像連続演出に係る制御内容について詳しく説明する。
連続演出の実行を決定し得る条件下で、統括制御用CPU36aは、連続演出の実行中であることが統括制御用RAM36cに設定されていないことを条件として、画像連続演出の実行を決定し得る。すなわち、連続演出中は、画像連続演出が実行されないようになっている。
上記条件を満たす条件下で、統括制御用CPU36aは、入力した保留指定コマンドが指定する特別図柄用の保留記憶数よりも前の保留記憶数に対応付けて記憶されている全ての保留指定コマンドにより、完全はずれの演出内容を特定できる場合、画像連続演出の具体的な実行態様(画像連続演出を実行させる回数)を決定する。この実行態様により、画像連続演出の対象となる図柄変動ゲーム数が、特定される。そして、統括制御用CPU36aは、この回数として「1回」以上を決定する場合に画像連続演出の実行を決定する一方で、この回数として「なし」を決定する場合に画像連続演出、すなわち連続演出の実行を決定しない。なお、上述したように、変短状態中であってサブ側残り作動回数が85回〜11回であれば、保留指定コマンドZ5〜Z16で完全はずれの演出内容を特定している。これにより、本実施形態では、サブ側残り作動回数が85回〜11回であれば、入力した保留指定コマンドが指定する特別図柄用の保留記憶数よりも前の保留記憶数で大当りに当選していない限り常に連続演出を実行し得ることになる。このため、変動パターンP(Y)には、大当りに当選していない限り常に連続演出を実行し得るような演出内容が対応付けられていることになる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、入力した保留指定コマンドにより特定できる演出内容が、何れであっても(完全はずれ、リーチ可、リーチA演出、リーチB演出、大当り)、該コマンドが指定する図柄変動ゲームを含むその時点で保留されている図柄変動ゲームを対象とし、画像連続演出の実行を決定し得るようになっている。
画像連続演出の具体的な実行態様の決定に際して統括制御用CPU36aは、入力した保留指定コマンドに基づき図15(a),(b)に示す実行態様決定用テーブルTB1,TB2にしたがって決定する。なお、統括制御用CPU36aは、保留指定コマンドY1〜Y28を入力する場合、図15(a)に示す実行態様決定用テーブルTB1にしたがって決定するとともに、保留指定コマンドZ1〜Z24を入力する場合、図15(b)に示す実行態様決定用テーブルTB2にしたがって決定する。本実施形態では、図15(a),(b)に示すように、上記具体的な実行態様として、保留指定コマンドに指定される保留記憶数を上限としてその範囲内で画像連続演出を実行可能になっている。
そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と入力した保留指定コマンドをもとに具体的な実行態様を決定する。例えば、保留指定コマンドY16を入力していた場合には、実行態様決定用テーブルTB1にしたがって乱数の値をもとに、「なし」、「1回」〜「3回」の中から何れか1つを決定する。そして、実行態様決定用テーブルTB1,TB2は、図15(a),(b)に示すように、画像連続演出の「なし」よりも「1回」以上の場合に大当りへの期待が高まるように構築されている。このため、画像連続演出の対象となる図柄変動ゲームの大当りの当否及び演出内容に関連付けられるように、上記具体的な実行態様に大当り期待度が設定される。
次に、実行態様決定用テーブルTB1,TB2について図15(a),(b)に基づき詳しく説明する。
実行態様決定用テーブルTB1,TB2は、保留指定コマンドで特定される内容に基づいて、事前判定の判定結果に対して決定し得る実行態様(画像連続演出)が予め対応付けられて構築されている。
そして、実行態様決定用テーブルTB1では、「大当り」のうちロング系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY1〜Y4)に対して、「Y1」に「なし」、「Y2」に「なし」、「1回」、「2回」、「Y3」に「なし」、「1回」〜「3回」、「Y4」に「なし」、「1回」〜「4回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB1では、「完全はずれ」と「リーチ可」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY5〜Y12)に対して、「Y5,Y9」に「なし」、「Y6〜Y8」,「Y10〜Y12」に「なし」、「1回」、「2回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB1では、「リーチA演出」と「リーチB演出」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY13〜Y20)に対して、「Y13,Y17」に「なし」、「Y14,Y18」に「なし」、「1回」、「2回」、「Y15,Y16,Y19,Y20」に「なし」、「1回」〜「3回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB1では、「大当り」のうちショート系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY21〜Y24)に対して、「Y21」に「なし」、「Y22」に「なし」、「1回」、「2回」、「Y23,Y24」に「なし」、「1回」〜「3回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB1では、「小当り」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドY25〜Y28)に対して、「Y25」に「なし」、「Y26」に「なし」、「1回」、「2回」、「Y27,Y28」に「なし」、「1回」〜「3回」の実行態様が対応付けられている。
そして、実行態様決定用テーブルTB2では、「大当り」のうちロング系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ1〜Z4)に対して、「Z1」に「なし」、「Z2」に「なし」、「1回」、「2回」、「Z3」に「なし」、「1回」〜「3回」、「Z4」に「なし」、「1回」〜「4回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB2では、「完全はずれ」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ5〜Z8)に対して、「Z5」に「なし」、「Z6〜Z8」に「なし」、「1回」、「2回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB2では、「リーチA演出(完全はずれ)」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ9〜Z12)に対して、「Z9」に「なし」、「Z10」に「なし」、「1回」、「2回」、「Z11,Z12」に「なし」、「1回」〜「3回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB2では、「リーチB演出(完全はずれ)」となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ13〜Z16)に対して、「Z13」に「なし」、「Z14」に「なし」、「1回」、「2回」、「Z15,Z16」に「なし」、「1回」〜「3回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB2では、「大当り」のうちショート系当り遊技となる事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ17〜Z20)に対して、「Z17」に「なし」、「Z18」に「なし」、「1回」、「2回」、「Z19,Z20」に「なし」、「1回」〜「3回」の実行態様が対応付けられている。また、実行態様決定用テーブルTB2では、「小当り(完全はずれ、リーチA演出、リーチB演出)」となる可能性がある事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ21〜Z24)に対して、「Z21」に「なし」、「Z22〜Z24」に「なし」、「1回」、「2回」の実行態様が対応付けられている。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、「なし」、「1回」、「2回」の実行態様によってはいずれの事前判定の判定結果の可能性もある。また、本実施形態では、「3回」の実行態様によっては「リーチA演出」、「リーチB演出」、「小当り」、「大当り」のいずれかの事前判定の判定結果の可能性がある一方で、「完全はずれ」(保留指定コマンドZ9〜Z16を除く)の可能性がないようになっている。また、本実施形態では、「4回」の実行態様によっては「大当り」(大当りの中でもロング系当り遊技)の事前判定の判定結果であることが確定するようになっている。すなわち、本実施形態では、事前判定の判定結果に基づいて決定し得る(出現し得る)実行態様(画像連続演出)が予め対応付けられている一方で、事前判定の判定結果にかかわらず「なし」、「1回」、「2回」の実行態様が対応付けられている。このため、本実施形態において、「なし」、「1回」、「2回」の実行態様が通常連続演出となる。
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「小当り(完全はずれ、リーチA演出、リーチB演出)」となる可能性がある事前判定の判定結果(保留指定コマンドZ21〜Z24)に対して、「なし」、「1回」、「2回」の実行態様を対応付けることにより、いずれの判定結果であっても対応可能に構成している。すなわち、実際のところ図柄変動ゲームの開始時には、「小当り」ではなく「完全はずれ」や「リーチA演出」や「リーチB演出」となることが特定される場合であっても、いずれの演出でも決定し得る(出現し得る)実行態様(画像連続演出)しか決定されないことになる。その結果、本実施形態では、第1連続演出判定処理と第2連続演出判定処理とで、第1小当り判定値を用いることで小当りに関する処理を共通化させても、演出上の不整合が起こり得ない構成としている。
そして、統括制御用CPU36aは、画像連続演出の実行を決定し得る条件下で、画像連続演出の実行とともに上記具体的な実行態様を決定すると、該連続演出が実行中であることを示すことを統括制御用RAM36cに記憶する(設定する)。なお、統括制御用CPU36aは、画像連続演出の実行中であることを、連続演出の対象となる最後の図柄変動ゲームの次の図柄変動ゲームの終了からさらに次の図柄変動ゲームの開始までに消去(リセット)すればよい。これによれば、画像連続演出の対象となる最後の図柄変動ゲーム後に、少なくとも画像連続演出を伴わない図柄変動ゲームを挟むことにより、複数の実行態様に基づく画像連続演出がむやみに続いてしまうことを防止することができる。この場合、統括制御用CPU36aは、具体的な実行態様に基づき、どの図柄変動ゲームに対して画像連続演出を実行させるかを特定し、決定する。すなわち、統括制御用CPU36aは、具体的な実行態様に基づき、何回の図柄変動ゲーム数に亘って画像連続演出を実行させるかを決定する。その決定後、統括制御用CPU36aは、決定した図柄変動ゲームで画像連続演出を伴わせることを指示する画像連続演出実行指示コマンドを、演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)に出力する。これにより、表示制御用CPU37aは、画像連続演出実行指示コマンドで指示された画像連続演出の対象となる図柄変動ゲームで画像連続演出を伴わせるように、演出表示装置21(画像表示部GH)の表示内容を制御する。
例えば、図柄変動ゲームの開始時、実行態様として3回の図柄変動ゲームを対象として画像連続演出を実行させると決定した場合、統括制御用CPU36aは、対象となる図柄変動ゲームで画像連続演出を伴わせる。
このように統括制御用CPU36aは、保留指定コマンドの入力時、該コマンドに基づき画像連続演出(連続演出)を実行させるか否か(具体的な実行態様)を事前決定するようになっている。
なお、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームの開始時において、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数のうち最も早く記憶した(最先の)保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドを読み出し、該コマンドを実行中の図柄変動ゲームに対応付けられた統括制御用RAM36cの所定の記憶領域に記憶する。同様に、統括制御用CPU36aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドを、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドに書き換える。同様に、統括制御用CPU36aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドを、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドに書き換える。同様に、統括制御用CPU36aは、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドを、制御に対応する特別図柄用の保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている保留指定コマンドに書き換える。
本実施形態では、主制御基板35(主制御用CPU35a)の事前判定に基づいて事前決定を行うサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)が事前決定手段となる。また、連続演出の決定に関する要素を特定するとともに、大当り判定用乱数の取得に合わせて取得されるリーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特図振分用乱数が演出判定用乱数となる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第2小当り判定値を第1小当り判定値よりも少ない個数であって当該第1小当り判定値の一部で構成することにより、小当りの当選確率が、第2小当り判定(第2図柄変動ゲーム)よりも第1小当り判定(第1図柄変動ゲーム)で小当りの当選を決定し易くなる。すなわち、入球検知がいずれの始動入賞口25,26に基づくかで小当りの当選確率(小当り確率)が異なることになり、この場合には、各始動入賞口25,26に対応した各小当り判定が必要になる。その一方で、各連続演出判定処理に関しては、いずれの始動入賞口25,26の入球検知時でも第1小当り判定値に基づいて共通の処理(本実施形態では、ステップS104,S105、ステップS204,S205)を実行させるようにした。これによっては、右始動入賞口26(第2連続演出判定処理)に関する事前判定において、実際のところ(図柄変動ゲームの開始時の)第2小当り判定で小当りとならない場合にも小当りになることを事前判定してしまう場合もある。この場合、特に通常連続演出となる、「白」の表示態様(保留連続演出)又は「なし」、「1回」、「2回」の実行態様(画像連続演出)以外の連続演出を実行可能な構成では、演出上の不整合が起こり得る。このため、事前判定の判定結果が上記不整合が起こり得る場合には、上記通常連続演出のみを実行させるようにした。その結果、各連続演出判定処理に関しては、第1小当り判定と第2小当り判定が必要な前提下で、いずれの始動入賞口25,26の入球検知時に共通化しても、上記不整合を生じさせることなく連続演出を実行させることができる。したがって、いずれの始動入賞口25,26の入球検知時にも各連続演出判定処理を共通化する分、連続演出に関する処理を簡素化することができる。
(2)連続演出の具体的な態様(表示態様及び実行態様)の決定に際しては、事前判定の対象となる図柄変動ゲームの直近の大当り遊技の終了後からの実行回数が、確変付与回数(85回)以下で設定される76回に到達しない間で連続演出の実行を決定し得るようにした。その一方で、連続演出の具体的な態様(表示態様及び実行態様)の決定に際しては、上記実行回数が76回到達後から確変付与回数(85回)に到達する間で連続演出の実行を決定し得ないようにした。このため、大当り遊技の終了後、確変付与回数(85回)目となる図柄変動ゲームを跨いで連続演出を実行させることがなくなる。その結果、大当り判定に関して、連続演出の決定時において予想された大当りか否かの結果と、実際の図柄変動ゲームの開始時における大当りか否かの結果とが不一致となる不具合を解消することができる。したがって、確変付与回数(85回)分の図柄変動ゲームを上限として確変状態を付与する場合であっても不具合を生じることなく連続演出を実行させることができる。
(3)図柄変動ゲームの開始時の処理では、各始動入賞口25,26に対応する小当り判定に応じて小当りを決定する小当り判定値を異ならせるとともに、各始動入賞口25,26に対応する大当り判定に応じて大当りを決定する大当り判定値を同一にした。このため、大当りの当選確率を各始動入賞口25,26で同一にする一方で、小当りの当選確率を各始動入賞口25,26で異ならせることができる。これによっては、右始動入賞口26に関する事前判定において、実際のところ第2小当り判定で小当りとならない場合にも小当りになることを事前判定してしまう場合もある。したがって、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に関しては、小当りとする事前判定が右始動入賞口26での入球検知(第2連続演出判定処理)に基づく場合、上記通常連続演出のみを実行させることになる。このようにして連続演出に関する処理を簡素化するにあたっては、小当りとする事前判定が右始動入賞口26での入球検知(各連続演出判定処理)に基づく場合、上記通常連続演出しか実行されないことになってしまう。しかしながら、小当りよりも獲得利益を大きく設定するとともに、確率変動状態が付与され得る大当りの当選に対して遊技者が大きく期待し得る。したがって、連続演出に関する処理の簡素化にあたっては小当りに関する処理を工夫することにより、遊技の興趣の低下を最小限に抑えて実現することができる。
(4)各図柄変動ゲームでは、第2図柄変動ゲームよりも第1図柄変動ゲームで小当りに当選し易くなっている。その結果、各図柄変動ゲームでは、第1図柄変動ゲームよりも第2図柄変動ゲームで当りのうち大当りが占める割合が高くなる。このため、各図柄変動ゲームでは、第1図柄変動ゲームよりも第2図柄変動ゲームに遊技球を入球させることで遊技者にとって有利になる。したがって、連続演出に関する処理を簡素化しつつ始動入賞口を複数(本実施形態では、2個)設けた場合の遊技の興趣も向上させることができる。
(5)上記実行回数が76回の到達後、連続演出を実行させ得ない期間としては、少なくとも各始動入賞口25,26毎に記憶可能な上限数(4個)の合計分(8個)の図柄変動ゲームを残すことができる。このため、上記実行回数が76回の到達後、単に連続演出を実行させないようにするのではなく連続演出を伴わない大当りに対して期待を持つことができるゲーム性を作り出すことができる。したがって、確変付与回数(85回)分の図柄変動ゲームを上限として確変状態を付与する場合の不具合を解消しながらその構成を利用して遊技の興趣も向上させることができる。
(6)変短状態中、連続演出を実行させ得る区間においては、連続演出の実行の決定時、大当りとなる図柄変動ゲームが途中に含まれていない限り常に連続演出を実行し得るようにした。すなわち、変短状態の付与から75回の図柄変動ゲームの区間では、大当りでなければリーチ判定の結果にかかわらず完全はずれと判定されるようにした。このため、変短状態中、連続演出を遊技者に楽しませることができる間においては、積極的に連続演出を実行させる状況を作り出すことができる。このため、確変付与回数(85回)分の図柄変動ゲームを上限として確変状態を付与する場合の不具合を解消しながらそのための構成を利用して遊技の興趣も向上させることができる。
(7)変短状態中、連続演出を実行させ得ない区間においては、連続演出を実行し得る区間とは異なる演出内容群の図柄変動ゲームを実行させる状況を作り出すようにした。このため、変短状態中、連続演出を実行させ得ない区間では、連続演出とは異なる図柄変動ゲームを遊技者に楽しませることができる。したがって、確変付与回数(85回)分の図柄変動ゲームを上限として確変状態を付与する場合の不具合を解消しながらそのための構成を利用して遊技の興趣も向上させることができる。
(8)本実施形態のように、左始動入賞口25よりも右始動入賞口26への遊技球の入球率が向上することにより、右始動入賞口26への入球が大半を占める(入球率が高くなる)変短状態中においては、第2図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能にするようにした。このため、連続演出を実行し得る状況を好適に作り出すことができる。例えば、本実施形態では、変短状態中で第1図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能にしたとしても、左始動入賞口25への入球がほとんどないことから連続演出を実行可能な場面の到来が、第2図柄変動ゲームを対象とする場合に比べて極端に低いことになる。したがって、連続演出による興趣を向上させることができる。
(9)また、本実施形態のように、右始動入賞口26への遊技球の入球がほとんど見込めないことにより、左始動入賞口25への入球が大半を占める(入球率が高くなる)非変短状態中においては、第1図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能にするようにした。このため、連続演出を実行し得る状況を好適に作り出すことができる。例えば、本実施形態では、非変短状態中で第2図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能にしたとしても、右始動入賞口26への入球がほとんど見込めないことから連続演出を実行可能な場面の到来が、第1図柄変動ゲームを対象とする場合に比べて極端に低いことになる。したがって、連続演出による興趣を向上させることができる。
(10)本実施形態の主制御基板35(主制御用CPU35a)では、大当り判定用乱数が確変用大当り判定値に一致する場合であれば、大当り判定が変短付与回数(85回)前に実行されると大当りとなる一方で、大当り判定が変短付与回数(85回)後に実行されると大当りとならないような場合がある。すなわち、連続演出に係る事前判定時(連続演出の実行決定時)において予想された大当りか否かの結果と、実際の図柄変動ゲームの開始時における大当りか否かの結果とが不一致となることから、不具合が生じ得る。このため、主制御基板35(主制御用CPU35a)及びサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)は、変短状態の付与から76回の到達後から変短付与回数(85回)に到達する間で連続演出の実行を決定し得ないようにした。したがって、主制御基板35(主制御用CPU35a)が本実施形態のように構成される場合であっても不具合を生じることなく連続演出を実行させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態は、各図柄変動ゲームが交互に実行されるようなパチンコ遊技機及び始動入賞口への入賞順に基づいて図柄変動ゲームが実行されるようなパチンコ遊技機に適用することもできる。また、特別図柄を1種類のみ(第1特図のみ)とするパチンコ遊技機に適用することもできる。
・本実施形態では、各図柄変動ゲームで大当りの当選確率を異ならせたパチンコ遊技機に適用することもできる。そして、このようなパチンコ遊技機は、本実施形態で小当りに対して適用している部分を大当りに置き換えて実現することができる。例えば、大当り判定値として、第1図柄変動ゲームに対応する第1大当り判定値(第1当り判定値)と、第2図柄変動ゲームに対応する第1大当り判定値よりも少ない個数であって当該第1大当り判定値の一部から構成される第2大当り判定(第2当り判定値)とが設定されることになる。また、これら各大当り判定値には、確変状態時と非確変状態時とでそれぞれに大当り判定値を設ける。なお、この場合には、小当りを設けなくてもよい。
・本実施形態では、大当り遊技の終了後、確変付与回数(85回)となる図柄変動ゲームを跨いで連続演出を実行させてもよい。この場合には、実行不能区間を設定しなくてもよいことになる。
・本実施形態では、第2小当り判定が第1小当り判定値よりも少ない個数であって当該第1小当り判定値の一部から構成されていれば、各小当り判定値の構成を変更することもできる。
・本実施形態では、通常連続演出となる演出を変更することもできる。また、連続演出には、「大当り」及び「小当り」であることが確定する確定連続演出を設定することもできる。そして、確定連続演出を設定する場合には、保留指定コマンドZ21〜Z24に対しては確定連続演出を対応付けない構成とすればよい。
・本実施形態では、高確率用の大当り判定値と低確率用の大当り判定値で値が異なっていれば共通に含まれる判定値を含んでいなくてもよい。
・本実施形態において、変短状態中には、第1図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能に構成することもできる。その一方で、非変短状態中には、第2図柄変動ゲームを対象として連続演出を実行可能に構成することもできる。
・本実施形態では、第1始動手段及び第2始動手段(各始動入賞口25,26)を打ち分け不能に構成することもできる。また、特に第2始動手段に関しては、変短状態中でなくても入球し得る構成とすることもできる。このような場合には、第1図柄変動ゲームに対する連続演出の実行中に第2図柄変動ゲームが実行される場面も大いに生じ得る。このため、第1図柄変動ゲームに対する連続演出の実行中に第2図柄変動ゲームが実行される場合には、その時点で連続演出を中止(強制的に終了)させたり、第2図柄変動ゲームを跨いで(一旦中断して再開、又は第2図柄変動ゲームでも連続演出を継続)実行させるたりもできる。
・本実施形態では、変短状態の付与から75回の図柄変動ゲームの経過前後で選択し得る変動パターンを異ならせていなくてもよく、例えば、同一に設定したり一部同一に設定したりしてもよい。
・本実施形態では、変短状態中で特に変短状態の付与から75回の図柄変動ゲームの間、大当りでない場合、リーチ判定の結果に基づいて肯定であればリーチ演出、否定であればはずれ演出の演出内容を特定するようにしてもよい。
・本実施形態では、変短状態中で特に変短状態の付与から75回の図柄変動ゲームの間、大当りでない場合、リーチ判定の結果と変動パターン振分用乱数に基づき、演出内容の中でも大当り期待度が高い部類に分類される演出内容に関してのみリーチ演出と取り扱うようにすることもできる。
・本実施形態では、保留指定コマンドに基づき連続演出を実行させるか否かを決定するに際し、保留指定コマンドに指定される保留記憶数よりも前にはずれリーチ演出や大当りを含んでいるか否かにかかわらず連続演出の実行を決定し得る構成を採用することもできる。また、このような構成においては、大当りの前後で抽選確率状態が変化し得るので、大当りの終了後、連続演出に関する情報を消去して新たに連続演出に係る処理を実行すればよい。
・上記のようなパチンコ遊技機では、各始動入賞口25,26での入球検知時、少なくとも当り判定用乱数を取得していればよく、例えば、リーチ判定用乱数や変動パターン振分用乱数に関しては大当り判定用乱数と合わせて取得しなくても図柄変動ゲームの開始時のリーチ判定時や変動パターンの決定時に取得するといった構成を採用することもできる。
・本実施形態において、特定回数は、確変付与回数以下で該回数から各特別図柄用の保留記憶数の総数分を減算した78回以下に設定されていればよい。
・本実施形態において、特定回数は、確変付与回数以下であれば変更することもできる。この場合にも、特定回数が確変付与回数以下に設定されていれば不具合の発生の抑制には十分に貢献することができる。
・本実施形態では、変短状態中、保留指定コマンドで指定される図柄変動ゲームの実際の実行時の実行回数を確認可能にすることにより、実際の実行時の実行回数が、特定回数に達しているか否かを判定する手法も考えられる。
・本実施形態では、当りのうち特に大当りに関するスペックを変更することもでき、例えば、大当りの終了後に非確変状態を付与する大当りを設けないで、全ての大当りの終了後に確変状態を付与するスペックも考えられる。また、大当りの終了後には、当選時の遊技状態にかかわらず変短状態を付与するスペックも考えられる。
・また、大当りの終了後に当選時の遊技状態にかかわらず変短状態を付与するスペックでは、変短付与回数によって連続演出の実行を決定し得る区間(実行可能区間)であるか否かを把握する構成とすることができる。
・また、大当りの終了後に当選時の遊技状態にかかわらず変短状態を付与するスペックでは、非変短状態中であれば非確変状態となる。この場合には、非変短状態中に関して、実行不能区間を設定しなくてもよくなる。
・本実施形態では、第1図柄変動ゲームで大当りになる場合よりも第2図柄変動ゲームで大当りになる場合に遊技者にとっての獲得利益が大きくなる範囲内で、大当りに関するスペックを変更することもできる。また、獲得利益の内容は、大当りでの賞球獲得数だけでなく、例えば、変短状態の付与態様によって設定することもできる。この場合には、第1図柄変動ゲームでの大当りによっては、全ての大当りの終了後に変短状態が付与されないで、第2図柄変動ゲームの大当りによっては、全ての大当り終了後に変短状態が付与されるようなスペックが考えられる。
・本実施形態において、連続演出は、保留連続演出及び画像連続演出のいずれか実行可能になっていればよい。また、連続演出では、大当りである可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆可能であれば、演出態様を変更してもよい。
・本実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、主制御基板35からの各種コマンドを、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力するようにしてもよい。
・本実施形態では、連続演出の具体的な実行態様まで主制御基板35(主制御用CPU35a)で特定できる構成を採用して主制御基板35(主制御用CPU35a)に事前決定手段の機能を持たせることができる。この場合、主制御用CPU35aは、保留指定コマンドとして連続演出の具体的な実行態様まで特定可能な情報を対応付けて出力することになる。そして、統括制御用CPU36aは、保留指定コマンドに基づいた連続演出の実行を所定のタイミングで指示する。
・本実施形態では、特別図柄の種類も保留指定コマンドに対応付けるようにすることもできる。すなわち、保留指定コマンドによっては、特別図柄の種類(図柄種別)も特定することができるようになる。この構成によれば、特別図柄の種類(図柄種別)に応じた連続演出に係る処理を設定することもできる。
・本実施形態では、第1特図と第2特図とで変動態様の異なる図柄変動ゲームを演出表示装置21で実行させることもできる。ここで変動態様とは、飾り図柄のスクロール方向や、有効ライン数や、飾り図柄のテーマ(モチーフ)などのことである。この場合には、第1特図とこれに対応する上記変動態様による図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームとなるとともに、第2特図と対応する上記変動態様による図柄変動ゲームが第2図柄変動ゲームとなる。また、第1特図と第2特図とでは、演出表示装置を別々に設けることもできる。この場合には、第1特図とこれに対応する演出表示装置による図柄変動ゲームが第1図柄変動ゲームとなるとともに、第2特図とこれに対応する演出表示装置による図柄変動ゲームが第2図柄変動ゲームとなる。また、この場合には、第1特図とこれに対応して変動する飾り図柄が第1図柄となるとともに、第2特図とこれに対応して変動する飾り図柄第2図柄となる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)各図柄変動ゲームでは、各当り判定で当りとなる場合に当りのうち大当りが占める割合が高くなる第2当り判定に基づく前記第2図柄変動ゲームが優先的に実行される。
(ロ)前記特定回数は、前記付与回数から前記保留記憶手段で各始動手段毎に記憶可能な上限値の合計を減算した回数以下に設定されている。
(ハ)前記大当り判定用乱数の取得時には、前記乱数取得手段によって前記図柄変動ゲームの演出内容を決定するための演出判定用乱数の値も合わせて取得されるとともに前記保留記憶手段に前記始動保留球に対応付けて記憶されるように構成されており、前記図柄変動ゲームの開始時、前記大当り判定手段の判定結果と最先の始動保留球に対応付けられた演出判定用乱数の値に基づき、該図柄変動ゲームの演出内容を決定する演出内容決定手段と、を備え、前記事前決定手段は、前記事前決定の対象となる前記図柄変動ゲームの前記実行回数に加えて前記事前決定の対象となる前記図柄変動ゲームの演出内容にしたがって前記連続演出を実行させるか否かを決定し、前記演出内容決定手段は、直近の大当り遊技の終了後からの前記実行回数が、前記特定回数に到達しない間で前記事前決定手段が前記連続演出を実行させることを決定し得る演出内容を決定する。
(ニ)前記演出内容決定手段は、直近の大当り遊技の終了後からの前記実行回数が、前記特定回数の到達前後で異なる演出内容群から演出内容を決定する。
A,B,D,F…第1特図(特別図柄)、b,c,e,f…第2特図(特別図柄)、GH…画像表示部、SW1,SW2…始動口スイッチ、Ra,Rb…保留表示画像、Ra1〜Ra4,Rb1〜Rb4…保留画像、10…パチンコ遊技機、21…演出表示装置、22…第1特別図柄表示装置、23…第2特別図柄表示装置、25…左始動入賞口、26…右始動入賞口、25a,26a…入球口、35…主制御基板、35a…主制御用CPU、35b…主制御用ROM、35c…主制御用RAM、36…サブ統括制御基板、36a…統括制御用CPU、36b…統括制御用ROM、36c…統括制御用RAM。

Claims (4)

  1. 第1始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される複数種類の第1図柄を変動させて行う第1図柄変動ゲーム及び第2始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される前記第1図柄とは別に定めた複数種類の第2図柄を変動させて行う第2図柄変動ゲームが表示手段で実行され、前記第1図柄変動ゲーム及び前記第2図柄変動ゲームのいずれかにて当り表示結果が表示された場合に当り遊技が行われる遊技機において、
    各始動手段で遊技球の入球検知時、当り判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、
    各始動手段で入球検知された遊技球を始動手段毎の始動保留球として各始動手段で遊技球の入球検知時に前記乱数取得手段が取得した当り判定用乱数を対応付けて検知順に上限数まで記憶する保留記憶手段と、
    前記第1図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と第1当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第1図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第1当り判定を実行する第1当り判定手段と、
    前記第2図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値よりも少ない個数であって当該第1当り判定値の一部から構成される第2当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第2図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第2当り判定を実行する第2当り判定手段と、
    各始動手段で遊技球の入球検知時、前記乱数取得手段が取得した当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームが当りであるか否かを事前判定する事前判定手段と、
    前記各始動手段で遊技球の入球検知時、当該入球検知時に前記事前判定手段の事前判定に基づいて、当該事前判定の対象とする前記図柄変動ゲームが当りである可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続演出を実行させるか否かを事前決定する事前決定手段と、を備え、
    前記連続演出には、前記事前判定の判定結果に基づいて出現し得る連続演出が予め対応付けられた複数種類の連続演出を含んでいるとともに、前記事前判定の判定結果にかかわらず共通に出現し得る通常連続演出を含み、
    前記事前判定手段は、いずれの始動手段の入球検知時においても前記乱数取得手段が取得した前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致するか否かに基づいて前記事前判定するようになっており、
    前記事前決定手段は、前記各始動手段で遊技球の入球検知時、前記事前判定手段が前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致することを前記事前判定で導出する場合、前記事前判定が前記第1始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出を含む複数種類の連続演出の何れかを実行させ得る一方で、前記事前判定が前記第2始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出のみを実行させることを特徴とする遊技機。
  2. 第1始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される複数種類の第1図柄を変動させて行う第1図柄変動ゲーム及び第2始動手段で遊技球を入球検知することで始動条件が付与される前記第1図柄とは別に定めた複数種類の第2図柄を変動させて行う第2図柄変動ゲームが表示手段で実行され、前記第1図柄変動ゲーム及び前記第2図柄変動ゲームのいずれかにて当り表示結果が表示された場合に当り遊技が行われる遊技機において、
    各始動手段で遊技球の入球検知時、当り判定用乱数及び変動判定用乱数を含む所定の判定用乱数の値を取得する乱数取得手段と、
    各始動手段で入球検知された遊技球を始動手段毎の始動保留球として各始動手段で遊技球の入球検知時に前記乱数取得手段が取得した前記所定の判定用乱数の値を対応付けて検知順に上限数まで記憶する保留記憶手段と、
    前記第1図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と第1当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第1図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第1当り判定を実行する第1当り判定手段と、
    前記第2図柄変動ゲームの開始時、最先の始動保留球に対応付けられた前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値よりも少ない個数であって当該第1当り判定値の一部から構成される第2当り判定値とが一致するか否かを判定することで、該第2図柄変動ゲームが当りとなるか否かを判定する第2当り判定を実行する第2当り判定手段と、
    各始動手段で遊技球の入球検知時、前記乱数取得手段が取得した前記当り判定用乱数に基づく図柄変動ゲームが当りであるか否かの判定と、少なくとも当該判定の結果が当りでない場合に、前記乱数取得手段が取得した前記変動判定用乱数の値に基づく図柄変動ゲームが特定の変動内容であるか否かの判定と、を含む事前判定を実行する事前判定手段と、
    前記各始動手段で遊技球の入球検知時、当該入球検知時に前記事前判定手段の事前判定に基づいて、当該事前判定の対象とする前記図柄変動ゲームが当りである可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続演出を実行させるか否かを事前決定する事前決定手段と、を備え、
    前記連続演出には、前記事前判定の判定結果に基づいて出現し得る連続演出が予め対応付けられた複数種類の連続演出を含んでいるとともに、前記事前判定の判定結果が前記特定の変動内容の場合に出現し得る通常連続演出と、前記特定の変動内容の場合には出現しない特別連続演出と、を含み、
    前記事前判定手段は、いずれの始動手段の入球検知時においても前記乱数取得手段が取得した前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致するか否かに基づいて前記事前判定するようになっており、
    前記事前決定手段は、前記各始動手段で遊技球の入球検知時、前記事前判定手段が前記当り判定用乱数の値と前記第1当り判定値とが一致することを前記事前判定で導出する場合、前記事前判定が前記第1始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出または前記特別連続演出を実行させることを可能とする一方で、前記事前判定が前記第2始動手段での入球検知に基づく場合には前記通常連続演出のみを実行させることを可能とする遊技機。
  3. 前記当りには、前記当り表示結果が表示された場合に小当り遊技が行われるとともに当選時の遊技状態を維持させる小当りと、前記当り表示結果が表示された場合に前記小当り遊技よりも見込むことができる遊技者の獲得利益を大きく設定した大当り遊技が行われるとともに当該大当り遊技の終了後から前記確変状態を付与し得る大当りと、を含み、
    前記第1当り判定値は、前記当り判定用乱数と一致する場合に前記小当りを決定する第1小当り判定値と、前記当り判定用乱数と一致する場合に前記大当りを決定する大当り判定値と、から構成されるとともに、
    前記第2当り判定値は、前記当り判定用乱数と一致する場合に前記小当りを決定する前記第1小当り判定値よりも少ない個数であって当該第1小当り判定値の一部から構成される第2小当り判定値と、前記大当り判定値と、から構成され、
    前記当り判定の当選確率が通常確率よりも高確率な確変状態では、前記大当りとする当選確率が変動する請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記第1当り判定値及び前記第2当り判定値は、前記当り判定用乱数と一致する場合に大当りを決定する大当り判定値であり、
    前記第2図柄変動ゲームに対応する前記第2当り判定値は、前記第1図柄変動ゲームに対応する前記第1当り判定値よりも少ない個数である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
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