実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機等の他の遊技機であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい))した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開放状態とされる。可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開放状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、確変状態ではないが時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)である場合にも、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高ベース状態になる。高ベース状態でない状態を低ベース状態という。
なお、可変入賞球装置15が開放状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉鎖状態から開放状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。
また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている遊技状態を示すデータにもとづいて、復旧した遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合にはその旨を示す高確率状態コマンドを演出制御基板80に送信し、復旧した遊技状態が通常状態(非確変状態)である場合にはその旨を示す通常状態コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の可変表示が再開される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、この実施の形態では、CPU56は、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認するが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、遊技制御処理は4ms毎に起動される。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
小当りは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態(高確率状態)から低確率状態に移行したり低確率状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当り(突確大当りともいう。)とは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、突然確変大当りや小当りにおける大入賞口の開放パターンを、例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同数(例えば、15回)にして、大入賞口の開放時間が極めて短い(例えば、0.1秒)開放パターンとしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない非確変状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の可変表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の可変表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示を行うときの方が、第2特別図柄の可変表示を行うときに比べて小当りになる確率が高いが、第2特別図柄の可変表示を行うときの方が小当りになる確率が高いようにしてもよい。この実施の形態では、小当りの発生を契機にして、使用する変動パターン決定テーブルが切り替えられるが、第2特別図柄の可変表示を行うときの方が小当りになる確率が高い場合には、変動パターン決定テーブルの切り替えの頻度が高くなる。このことは、特に、第2特別図柄の変動を優先して実行する場合に有効である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には100分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この実施の形態では、特別図柄の各変動パターンは、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様、報知演出をするか否かなど、各種の演出態様の違いおよび遊技状態に応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出および報知演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。報知演出は、現在の遊技状態や大当りとなるか否か等を報知する演出である。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチA」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を伴う変動パターンである。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「スーパーリーチ」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。なお、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
「時短状態のときの通常変動」は、時短状態におけるはずれ時に使用され、「通常変動」よりも短い変動時間の変動パターンであってリーチ演出を伴わない変動パターンである。「時短状態のときのリーチ演出A」は、時短状態において使用され、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」よりも短い変動時間の変動パターンであってリーチ演出を伴う変動パターンである。「時短状態のときのリーチ演出B」は、時短状態において使用され、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」よりも短い変動時間の変動パターンであってリーチ演出を伴う変動パターンである。なお、「時短状態のときのリーチ演出A」と「時短状態のときのリーチ演出B」の変動態様は異なる。
また、「小当り/突確時変動」は、小当りになるときと突然確変大当りになるとき使用される変動パターンである。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される演出制御コマンドにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定のタイミングで現在の遊技状態や大当りとなるか否か等を報知する演出である報知演出を実行するように構成されているが、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が報知判定用乱数にもとづいて報知演出を実行するか否か判定し、報知演出を実行すると判定したときに所定のタイミングで報知演出を実行するように構成されていてもよい。
図9は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン決定テーブルを示す説明図である。図9に示すテーブルははずれにすることに決定された場合に使用される。図9に示す例では、低ベース状態(非時短状態)で使用されるテーブル(図9(A))と、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブル(図9(B))とがある。
なお、合算保留記憶数に応じて、使用されるテーブルをさらに分けてもよい。
図10は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン決定テーブルおよび小当り/突確変動パターン決定テーブルを示す説明図である。図10(A)に示すテーブルは遊技状態が低ベース状態であって大当りにすることに決定された場合に使用される。図10(B)に示すテーブルは遊技状態が高ベース状態であって大当りにすることに決定された場合に使用される。図10(C)に示すテーブルは小当りにすることに決定された場合および突然確変大当りにすることに決定された場合に使用される。
図10に示す大当り変動パターン決定テーブルには、各々の変動パターンに対応する判定値が設定されている。なお、「小当り/突確時変動」は、リーチ演出を伴わない変動パターンである。
図11および図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りまたは小当りとするか否かや大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図16参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるか否かを判定するとともに、その始動入賞にもとづく可変表示の変動パターンを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11および図12に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
また、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行(ステップS321)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていない場合には、ステップS211Bに移行する。第1始動口スイッチ13aがオンした場合には、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数(合計保留記憶数)をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS215A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図15(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図15(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS216A)。ステップS216Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図15(B)は、保留記憶に対応する乱数等の保存領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
また、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS217A)。また、合算保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS218A)。そして、ステップS211Bに移行する。なお、入賞時判定結果指定コマンドは、入賞時判定処理において、例えばRAM55に設定される。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
また、この実施の形態では、第1始動入賞であるか第2始動入賞であるかに関わらず始動入賞が発生した順に第1特別図柄または第2特別図柄の変動(可変表示)が開始されるが、第2特別図柄の変動を優先して実行する場合には、高ベース中(時短フラグがセットされているとき)および大当り遊技中には、ステップS217Aの処理を実行しないようにしてもよい。
ステップS211Bでは、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する。第2始動口スイッチ14aがオンしていない場合には、処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオンした場合には、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS215B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS216B)。ステップS216Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS217B)。また、CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS218B)。
図16は、ステップS217A,S217Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、ステップS216A,S216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否か(大当りになるか否か)を確認する(ステップS221)。なお、CPU56は、始動入賞にもとづいて開始される変動(可変表示)の開始時の遊技状態が確変状態になる場合には、確変時の大当り判定値によって大当りになるか否か判定してもよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行する。入賞時判定処理における判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することによって、演出図柄の変動が実行されるより前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りやリーチになることを予告する予告演出を実行することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS216A,S216Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り種別決定用乱数と大当り種別判定テーブルとを用いて、大当り種別を判定する(ステップS222)。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして大当り種別に対応するデータ(「06」または「07」)を例えばRAM55に設定する(ステップS223)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、変動パターンがリーチ変動パターンになる場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンであるが、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「02」、「03」、「04」または「05」:図12参照)を設定する(ステップS231,S232)。そして、処理を終了する。
変動パターンがリーチ変動パターンにならない場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、非リーチ(変動パターンはリーチ変動パターンではない)に対応するデータ(「01」:図12参照)を設定する(ステップS231,S233)。そして、処理を終了する。なお、「小当り/突確時変動」は、非リーチ変動パターンに含まれる。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図15(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の可変表示または第2特別図柄の可変表示が実行される。
なお、第1特別図柄の変動(可変表示)に対して、第2特別図柄の変動が優先して実行されるようにしてもよい。つまり、CPU56は、第2特別図柄の可変表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の可変表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御してもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS60)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aの処理や第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bの処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態が終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の可変表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップS63)。そして、ステップS75に移行する。
ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62)、すなわち、はずれである場合には、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の可変表示が実行される場合には、第2特別図柄の可変表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り(時短あり)」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り(時短なし)」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、例えば、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当りの種別が突確大当りでなければ、大当り変動パターン決定テーブル(図10(A),(B)参照)を用いることに決定する(ステップS92,S93)。大当りの種別が突確大当りであれば、小当り/突確変動パターン決定テーブル(図10(C)参照)を用いることに決定する(ステップS92,S94)。そして、ステップS105に移行する。
大当りフラグがセットされていなければ、小当りにすることに決定されている場合には、小当り/突確変動パターン決定テーブル(図10(C)参照)を用いることに決定する(ステップS95,S96)。なお、「小当り/突確時変動」は、リーチ演出を伴わない変動パターンである。小当りにすることに決定されていない場合、すなわち、はずれの場合には、はずれ変動パターン決定テーブル(図9(A),(B)参照)を用いることに決定する(ステップS99)。そして、ステップS105に移行する。
ステップS105では、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS93,S94,S96,S99の処理で選択した変動パターン決定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、および小当りかはずれかに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS112に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を確認し、大当りの種別に応じた表示結果2〜4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。なお、具体的には、CPU56は、大当りの種別を、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS112)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。小当りフラグがセットされていない場合には、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS142に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし、時短回数カウンタをクリア(値を0にする)する(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS142では、CPU56は、時短回数カウンタの値が0であるか否か確認する。時短回数カウンタの値が0である場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS143)。
また、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ステップS162の処理において、CPU56は、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。通常大当りでない場合には、ステップS171に移行する。通常大当りである場合には、CPU56は、時短回数カウンタに100をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグをセットする(ステップS173)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
ステップS171では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグをセットする。また、CPU56は、大当り種別が突然確変大当りであるか否か確認する(ステップS172)。突然確変大当りでない場合、すなわち、15ラウンド確変大当りである場合には、ステップS173に移行する。
突然確変大当りである場合には、ステップS174に移行する。
なお、時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の可変表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。
図25は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS185)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS186)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図26は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図27は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファとして、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11および図12参照)であるのか解析する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS636)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS637)。具体的には、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示の数を1増やす。また、合算保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS638)。そして、合算保留記憶数指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS639)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS642)。具体的には、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示(最左の保留表示)を消去し、残りの保留表示を1つずつ左にシフトする。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS643)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS671)。そして、ステップS611に移行する。なお、後述する保留表示態様変化予定フラグがセットされている場合には(図32参照)、演出制御用CPU101は、記憶されている保留表示の位置も1つ分左にシフトされた位置にする。
図28は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図28に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、演出状態決定用乱数SR2、および保留表示態様決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
演出状態決定用乱数SR2は、演出状態(通常演出状態または特殊演出状態)を変更するか否かを決定するために用いられる乱数である。保留表示態様決定用乱数SR3は、合算保留記憶数表示部18cの表示態様を特別態様にするか否か決定するために用いられる乱数である。
図29は、図26に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理において、保留予告演出決定処理を実行した後(ステップS800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間が経過すると、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り/小当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り/小当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中または小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り/小当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図30は、保留予告演出を示す説明図である。 図30の左側には、保留予告演出の一例が示されている。図30(A1)に示すように特別図柄の可変表示に同期して演出図柄の可変表示を実行しているときに、始動入賞があったとする。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時判定処理を実行する(図14におけるステップステップS217A,S217B参照)。そして、CPU56は、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図30(B1)に示すように、所定の条件が成立すると特別態様で合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を1増やす。そして、図30(C1)に示すように、変動期間(可変表示期間)が終了してはずれ図柄が停止表示される。なお、保留表示の通常態様は青色であり、特別態様は赤色であるが、図30において、特別態様であることが黒丸で示されている。また、特別態様での保留表示は、保留予告演出の一例である。
図30の左側には、次いで、次の演出図柄の可変表示が開始され(図30(D1))、はずれ図柄が停止表示される例が示されている(図30(E1))。
なお、この実施の形態では、特別態様と通常態様とは色で区別されるが、他の態様(例えば、保留表示のサイズの違い)で特別態様と通常態様とを区別するようにしてもよい。
図30の右側には、保留予告演出の他の例が示されている。図30(A2)に示すように特別図柄の可変表示に同期して演出図柄の可変表示を実行しているときに、始動入賞があったとする。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図30(B2)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を1増やす。
図30の右側に示す例では、始動入賞は、スーパーリーチ演出中に生じたとする。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の条件が成立しても、保留表示の態様を特別態様にしない。通常態様で保留表示の表示を行う(図30(B2)参照)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別態様で保留表示の表示を行う代わりに(保留予告演出を実行する代わりに)、スーパーリーチ演出が終了したときに、演出表示装置9の表示画面に特殊画像(図30において、星印で示す示唆画像9a)を表示する。そして、図30(C2)に示すように、変動期間(可変表示期間)が終了して演出図柄が停止表示される。なお、図30では、演出図柄の変動終了時に示唆画像の表示が開始されたかのように示されているが、実際には、スーパーリーチ演出が終了したときに示唆画像9aが表示される。
示唆画像9aの表示は、保留予告演出の代わりに実行される特別演出の一例であり、保留予告演出が実行されることを示唆するための画像である。従って、図30に示す例では、示唆画像9aは、保留表示の近傍に表示される星印であるが、保留予告演出が実行されることが示唆される画像であれば、特殊画像(示唆画像)として、他の態様の画像を使用可能である。
また、図30に示された例では、スーパーリーチ演出が終了したときに示唆画像9aが表示される。しかし、始動入賞が生じて、それに対応する保留表示の表示が開始されるときに、特別態様で保留表示の表示を行うことに決定されたが、スーパーリーチ演出が実行されていることに起因して保留予告演出の開始を遅らせる場合(すなわち、図30における右側に示す例の場合)、そのとき(保留表示の表示が開始されるとき)に、特別演出(示唆画像9aの表示)を開始してもよい。
図30の右側には、次いで、次の演出図柄の可変表示が開始され(図30(D2))、はずれ図柄が停止表示される例が示されている(図30(E2))。保留予告演出の代わりに特別演出を実行した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、次の演出図柄の可変表示開始時、換言すれば、合算保留記憶表示部18cにおいて、保留表示をシフトするときに、保留予告演出を開始する。すなわち、保留表示の態様を特別態様にする(図30(D2)参照)。
この実施の形態では、特殊演出状態であるときには、通常演出状態であるときに比べて、保留表示の表示態様が特別態様になる頻度(保留予告演出が実行される頻度)が高いので(図33参照)、表示態様が特別態様になる(または、示唆画像9aが表示される。)かならないかによって、遊技者は、特殊演出状態であるのか通常演出状態であるのかを、ある程度推測することができる。よって、以降に保留記憶が発生するときの遊技状態をある程度把握することができる。
図31は、演出状態およびスーパーリーチ演出を示す説明図である。図31において、(A)には、特殊演出状態の一例が示されている。この実施の形態では、特殊演出状態は、演出表示装置9の表示画面として山の背景(特殊演出の一例:特殊背景ともいう。)が表示されることによって実現される。(B)には、スーパーリーチ演出の一例が示されている。スーパーリーチ演出における背景は、特殊背景に類似している。図31に示す例では、雲が表示されるか否かの違いがあるが(図31(A),(B)参照)、山の背景であることは共通している。すなわち、スーパーリーチ演出は、特殊演出に類似する演出であって、遊技者が両者を容易に特殊演出と判別できないような演出である。
なお、この実施の形態では、特殊演出は演出表示装置9に表示される山の背景で実現されるが、スーパーリーチ演出と類似する演出であって、スーパーリーチ演出との判別が困難であれば、特殊演出は、演出表示装置9に表示される背景以外で実現されてもよい。
また、この実施の形態では、スーパーリーチ演出は、遊技者が特殊演出と判別困難な演出であるが、演出状態が特殊演出状態(本来、特殊演出を実行すべき状態)であるか否かが不明であるように、すなわち、遊技者が特殊演出状態であるか否かを把握することが困難な状況でスーパーリーチ演出が実行されるのであれば、スーパーリーチ演出は特殊演出と判別困難な演出(類似する演出)でなくてもよい。特殊演出状態であるか否かを把握することが困難な状況でスーパーリーチ演出を実行することは、例えば、特殊演出を全く実行せずにスーパーリーチ演出を実行することによって実現される。つまり、演出状態が特殊演出状態であって本来は特殊演出が実行されるべきであるが、特殊演出を実行せず、スーパーリーチ演出のみを実行することによって実現される。
また、図31(A)に示すように、特殊演出状態であるときには、特殊演出が実行されている状態であることを報知するための報知画像(文字画像9b)が表示画面に表示される。なお、報知の手段は文字画像9bに限られず、キャラクタ画像等の他の画像や、音声等であってもよい。ただし、特殊演出状態であっても、スーパーリーチ演出実行中であるときには、報知画像は表示されない。
図31において、(C)には、通常演出状態の一例が示されている。この実施の形態では、通常演出状態は、演出表示装置9の表示画面として空の背景(通常演出の一例:通常背景ともいう。)が表示されることによって実現される。
図32は、保留予告演出決定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS500)。セットされていない場合には、処理を終了する。
合算保留記憶数指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS501)。そして、演出制御用CPU101は、保留表示態様決定用乱数を抽出し、保留表示態様決定用乱数の値と保留表示態様決定テーブルとにもとづいて、保留表示の表示態様を変えるか否か決定する(ステップS502)。具体的には、特別態様にするか否か決定する。
図33は、保留表示態様決定テーブルを示す説明図である。保留表示態様決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに格納されている。図33(A)には、演出状態が特殊演出状態であるときに使用されるテーブルが示され、図33(B)には、演出状態が通常演出状態であるときに使用されるテーブルが示されている。図33に示すように、保留表示態様決定テーブルには、大当りの種別および変動パターンに応じて、保留表示の表示態様を特別態様にすることに対応する判定値と、特別態様にしない(通常態様のままにする。)ことに対応する判定値とが設定されている。
図33に示すように、特殊演出状態であるときには、通常演出状態であるときに比べて、全体的に保留表示の表示態様が特別態様になる頻度(保留予告演出が実行される頻度)が高くなるが(通常演出状態の場合に比べて、はずれに対して割り当てられている判定値数が多いので)、保留予告演出が実行されたことによる大当りの信頼度(遊技者から見ると期待度(期待できる程度))は通常演出状態であるときに比べて低くなる(通常演出状態の場合に比べて、はずれに対して割り当てられている判定値数が多いので、また、図33(B)に示すテーブルにおいて大当りに対して割り当てられている判定値数が多いので)。
演出制御用CPU101は、ステップS502の処理で、保留表示態様決定用乱数の値が、保留表示態様決定テーブルにおける特別態様にすることに対応する判定値のいずれかと一致したら、保留表示の表示態様を変えることに決定する。なお、演出制御用CPU101は、受信されている入賞時判定結果指定コマンド(図12参照)にもとづいて、通常大当りになるのか、確変大当たりになるのか、ノーマルリーチはずれになるのか、スーパーリーチはずれになるのかを判別することができる。また、保留表示態様決定テーブルには、特別態様にすることに対応する判定値のみが設定されていてもよい。
演出制御用CPU101は、保留表示の表示態様を変えないことに決定した場合には(ステップS503)、処理を終了する。なお、保留表示の表示態様を変えるということは、保留表示の表示態様を特別態様にするということである。保留表示の表示態様を変えることに決定した場合には、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出中であるか否か確認する(ステップS504)。スーパーリーチ演出中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応する値であり、かつ、変動時間タイマの値がスーパーリーチ演出中の期間に相当する値であるか否かによって確認される。
スーパーリーチ演出中でない場合には、演出制御用CPU101は、最新の(表示画面において最も右にある)保留表示の態様を特別態様(この実施の形態では、赤色)にする(ステップS505)。
スーパーリーチ演出中である場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタの値が1であるか否か確認する(ステップS506)。1であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数カウンタの値が1でなければ(2以上である。)、演出制御用CPU101は、態様を変化させるべき保留表示の位置(表示画面において最も右の位置)をRAMに記憶する(ステップS507)。すなわち、何番目の保留表示であるかを記憶する。そして、保留表示態様変化予定フラグをセットする(ステップS508)。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合にはステップS507,S508の処理を実行しないが、すなわち、発生した始動入賞にもとづいて保留予告演出が実行されることはないが、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合に、ステップS505の処理を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出が実行されているときには保留予告演出を実行しないようにするが、スーパーリーチ演出が実行される変動パターンによる可変表示の実行中において保留予告演出を実行しないようにしてもよい。
また、演出状態が特殊演出状態である場合に使用される保留表示態様決定テーブル(図33(A))において、大当りに対する特別態様にすることに対応する判定値の数を、通常演出状態である場合に使用される保留表示態様決定テーブル(図33(B))における大当りに対する特別態様にすることに対応する判定値の数よりも多くし、かつ、はずれに対する特別態様にすることに対応する判定値の数を、通常演出状態である場合に使用される保留表示態様決定テーブル(図33(B))におけるはずれに対する特別態様にすることに対応する判定値の数よりも多くしてもよい。
また、演出状態が通常演出状態である場合に使用される保留表示態様決定テーブル(図33(B))において、大当りに対する特別態様にすることに対応する判定値の数を、特殊演出状態である場合に使用される保留表示態様決定テーブル(図33(A))における大当りに対する特別態様にすることに対応する判定値の数よりも多くし、かつ、はずれに対する特別態様にすることに対応する判定値の数を、特殊演出状態である場合に使用される保留表示態様決定テーブル(図33(A))におけるはずれに対する特別態様にすることに対応する判定値の数よりも多くしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタの値が2以上であることを確認した場合に、特殊演出状態における演出図柄の変動回数(可変表示回数)計数するための変動回数カウンタ(図38におけるステップS517、図41におけるステップS8304,S8307〜S8310参照)の値が1であるときには、通常背景に切り替わるときに保留表示の表示態様が変わって(保留予告演出が実行されて)遊技者を混乱させることがないように、すなわち、保留表示の表示態様の変化がいずれの遊技状態(特殊演出状態、通常演出状態)で変化したのか不明になることを防止するために、ステップS507,S508の処理を実行しないようにしてもよい。または、保留表示の表示態様の変化前後で遊技状態が変わらないようにするために、変動回数カウンタの値を増やす(特殊演出状態の終了時点を遅らせる。)ようにしてもよい。
図34は、図29に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図35は、図29に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。また、RAMの表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(最終停止図柄)を決定する(ステップS822)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図36は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図36に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などのチャンス目を決定する。
なお、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。また、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
また、演出制御用CPU101は、保留表示態様変化予定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS823)。セットされている場合には、保留表示態様変化予定フラグをリセットし(ステップS824)、記憶されている保留表示の位置の態様を特別態様にする(ステップS825)。
図32に示されたステップS504,S507,S508の処理と、ステップS823,S825の処理とによって、スーパーリーチ演出が実行されているときには保留予告演出を実行せず、スーパーリーチ演出が終了した後に保留予告演出を実行する処理が実現される。
また、演出制御用CPU101は、演出状態を特殊演出状態に変えるか否か決定するための演出状態決定処理を実行する(ステップS826)。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS831)。次いで、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
図37は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図37に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS834)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS835)。
図38は、ステップS826の演出状態決定処理を示すフローチャートである。演出状態決定処理において、演出制御用CPU101は、演出状態が特殊演出状態であるか否か確認する(ステップS510)。特殊演出状態である場合には、処理を終了する。
特殊演出状態でない場合には、演出制御用CPU101は、演出状態決定用乱数を抽出し(ステップS511)、演出状態決定用乱数の値と演出状態決定テーブルとにもとづいて、演出状態を変えるか否か決定する(ステップS512)。具体的には、特殊演出状態にするか否か決定する。
図39は、演出状態決定テーブルを示す説明図である。図39に示すように、演出状態決定テーブルには、特殊演出状態にすることに対応する判定値と、特殊演出状態にしない(通常演出状態のままにする。)ことに対応する判定値とが設定されている。
演出制御用CPU101は、ステップS512の処理で、演出状態決定用乱数の値が、演出状態決定テーブルにおける特殊演出状態にすることに対応する判定値と一致したら、特殊演出状態に変えることに決定する。なお、演出状態決定テーブルには、特殊演出状態にすることに対応する判定値のみが設定されていてもよい。
演出制御用CPU101は、演出状態(特殊演出状態であることまたは通常演出状態であること)をRAMに記憶する(ステップS513)。
演出制御用CPU101は、特殊演出状態にすることに決定した場合には(ステップS514)、演出表示装置9の表示画面における背景を特殊演出状態に応じた背景(図31(A)参照)に変更する(ステップS515)。そして、特殊演出状態であることを示す特殊演出状態フラグをセットし(ステップS516)、変動回数カウンタに30をセットする(ステップS517)。変動回数カウンタは、特殊演出状態における演出図柄の変動回数(可変表示回数)計数するためのカウンタであり、値が0になると、特殊演出状態から通常演出状態に戻る。
また、演出制御用CPU101は、実行される可変表示の変動パターンがスーパーリーチ演出を伴う変動パターンであるか否か判定する(ステップS518)。スーパーリーチ演出を伴う変動パターンであるか否かは、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンによって確認される。スーパーリーチ演出を伴う変動パターンである場合には、処理を終了する。
スーパーリーチ演出を伴う変動パターンでない場合には、演出制御用CPU101は、特殊演出が実行されている状態であることを報知するための報知画像(図31(A)参照)を演出表示装置9の表示画面に表示する(ステップS519)。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出を伴う変動パターンによる可変表示の実行中では報知画像が表示されないが、スーパーリーチ演出の実行中において報知画像の表示を消去するようにしてもよい。
図40は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS844)。
スーパーリーチ演出を伴う変動パターンで演出図柄の可変表示が実行されているときには、スーパーリーチ演出を伴う変動パターンに応じたプロセステーブルにおけるプロセスデータにもとづいて演出が実行されているが、そのようなプロセステーブルには、スーパーリーチ演出の実行中の期間においてスーパーリーチ演出が実行されることに対応するプロセスデータが設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出の実行開始時から、演出表示装置9の表示画面において、特殊演出に代えて(特殊演出状態である場合)、スーパーリーチの画像演出が実行される。
なお、スーパーリーチ演出の実行中には特殊演出が実行されないが、演出状態は特殊演出状態である。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、演出制御用CPU101は、ステップS853の処理を実行する。
図41は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS8300)、ステップS822の処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
また、保留表示態様変化フラグ(図32参照)がセットされている場合には(ステップS8302)。演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面に示唆画像9a(図30(C2)参照)を表示する(ステップS8303)。
なお、保留表示態様変化フラグのセット状態は維持される。そして、演出制御用CPU101は、次の演出図柄の変動開始時に、保留表示態様変化フラグがセットされていることにもとづいて、RAMに記憶されている保留表示の位置の態様を特別態様にする(図35におけるS823,ステップS825参照)。
また、演出制御用CPU101は、特殊演出状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8304)。特殊演出状態フラグがセットされていない場合には、ステップS8305に移行する。
特殊演出状態フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、変動回数カウンタの値を−1する(ステップS8307)。変動回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS8305に移行する。
変動回数カウンタの値が0になった場合には、演出制御用CPU101は、特殊演出状態フラグをリセットし(ステップS8309)、演出表示装置9の表示画面における背景を通常演出状態に応じた背景(図31(C)参照)に変更する(ステップS8310)。そして、ステップS8311に移行する。
なお、この実施の形態では、演出図柄の可変表示が終了したときに背景が通常演出状態に応じた背景に戻されるが、次の可変表示開始時に通常演出状態に応じた背景に戻すようにしてもよい。
ステップS8305では、演出制御用CPU101は、RAMに記憶されている演出状態に応じた背景を演出表示装置9の表示画面に表示する。なお、ステップS8305の処理では、演出状態は変更されないが、例えば、リーチ演出から、特殊演出状態または通常演出状態に戻すために実行される。
また、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ演出が実行されたことによって、特殊演出が実行されている状態(特殊演出状態)であることを報知するための報知画像(図31(A)参照)を演出表示装置9の表示画面に表示しなかった場合には(図38におけるステップS518,S519参照)、報知画像(文字画像9b)の表示を開始する(ステップS8306)。なお、例えば、演出制御用CPU101は、ステップS518の処理でスーパーリーチ演出を伴う変動パターンであると判定したときにその旨を示すフラグをセットし、そのフラグがセットされている場合に、特殊演出状態であることを報知するための報知画像を表示しなかったと判定できる。
図38に示すステップS515〜S517の処理とステップS8307〜S8310の処理とによって、30回の可変表示を実行する期間に亘って特殊演出が実行される。
なお、この実施の形態では、特殊演出が実行される期間(特殊演出状態期間)は可変表示の回数で規定されるが、他の所定条件(終了条件)の成立に応じて特殊演出状態期間が終了するようにしてもよい。他の終了条件として、一例として、所定回の大当りが発生したこと、特定の変動パターンによる可変表示が所定回実行されたこと、特殊演出状態の開始時から所定時間が経過したこと、例えば乱数を用いた抽選によって終了することに決定されたこと、いわゆるリアルタイムクロック機能(内蔵されているRTC回路があらかじめ決められている所定時刻になったことを計時したときに所定の演出を実行する機能)にもとづく終了条件(すなわち、所定時刻になったとき)がある。
また、この実施の形態では、通常演出状態から特殊演出状態への変更は抽選で決定されるが(図38参照)、その変更についても、他の変更条件を用いてもよい。他の変更条件として、例えば、通常演出状態において、所定回の可変表示が実行されたこと、所定回の大当りが発生したこと、特定の変動パターンによる可変表示が所定回実行されたこと、特殊演出状態の終了時から所定時間が経過したこと、いわゆるリアルタイムクロック機能にもとづく変更条件(すなわち、所定時刻になったとき)がある。
ステップS8311では、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8312に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、大当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)または小当り遊技の開始に関する演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8313)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8314)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8315)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8316)。
ステップS8312では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
なお、大当り/小当り表示処理(ステップS804)において、演出制御用CPU101は、ステップS8313の処理で選択されたプロセステーブルに設定されているデータに従って、ファンファーレ演出または小当り遊技の開始に関する処理を実行する。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、以下のような制御を実行することによって以下のような効果を得ることができる。
(1)演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の実行中に、遊技者が特殊演出状態になっている(図33に示すように、保留予告演出の信頼度が低くなっている。)か否かを判別困難な態様でスーパーリーチ演出を実行し、特殊演出状態では、通常演出状態である場合と比較して大当りの信頼度が異なるように保留予告演出を実行し、スーパーリーチ演出を実行しているときには保留予告演出を実行しないので、予告演出に関する遊技者の誤認を防止することができる。
(2)演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の実行中に、遊技者が特殊演出状態になっているか否かを判別困難な態様でスーパーリーチ演出を実行し、特殊演出状態では、通常演出状態である場合と比較して大当りの信頼度が異なるように保留予告演出を実行し、スーパーリーチ演出が実行されているときには保留予告演出を実行せず、スーパーリーチ演出が終了した後に保留予告演出を実行するので、予告演出に関する遊技者の誤認を防止することができる。
(3)演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の実行中に、遊技者が特殊演出状態になっているか否かを判別困難な態様でスーパーリーチ演出を実行し、特殊演出状態では、通常演出状態である場合と比較して大当りの信頼度が異なるように保留予告演出を実行し、スーパーリーチ演出が実行され保留予告演出が実行されないときに、特別演出を実行するので、予告演出に関する遊技者の誤認を防止することができる。
なお、上記の実施の形態では、上記の(1)〜(3)における構成の全てが備えられているが、上記の(1)〜(3)における構成のうち、1つまたは2つを備えた場合でも、予告演出に関する遊技者の誤認を防止することができるという効果を得ることができる。
また、上記の実施の形態では、始動入賞が生じたときに保留表示の表示態様が変化するが(図32等参照)、可変表示が開始されるときに保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、特定演出としてスーパーリーチ演出を例にしたが、特定演出はスーパーリーチ演出に限られず他の演出(例えば、特定の変動パターンによる可変表示の演出)であってもよい。さらに、予告演出やエラー表示の演出であってもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチ演出が実行されているときには保留予告演出を実行せず、スーパーリーチ演出が終了した後に保留予告演出を実行したが、スーパーリーチ演出中に生じた始動入賞について保留予告演出を実行しない(スーパーリーチ演出終了後にも)ようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチ演出が終了した後の次の可変表示開始時に保留予告演出を実行したが(図35参照)、スーパーリーチ演出が終了して演出表示装置9の表示画面における背景が特殊背景または通常背景に戻ったときに(図41におけるステップS8305参照)、保留予告演出を実行するようにしてもよい。その場合には、特殊画像(示唆画像)は、早めに(例えば、保留表示が表示されたとき)表示されることが好ましい。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチ演出が実行され保留予告演出が実行されないときに、特別演出を実行したが、スーパーリーチ演出中に、専用の保留予告演出(例えば、特別態様(例えば、「赤」)とは異なる態様:上記の実施の形態場合とは異なり、特殊演出状態と通常演出状態とで予告の期待度は同じ)を実行するようにしてもよい。すなわち、専用の保留予告演出については、特殊演出状態であるか通常演出状態であるか否かに関わらず期待度は同じである。
実施の形態2.
図43は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図43に示す遊技機は、可変入賞球装置15の右方において、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置20aが設けられている。第1特別可変入賞球装置20aは開閉板を備え、大当り遊技状態において、ソレノイド21aによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。
また、図43に示すように、第1特別可変入賞球装置20aの下方には、第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置20bが設けられている。第2特別可変入賞球装置20bは開閉板を備え、大当り遊技状態において、ソレノイド21bによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ23bで検出される。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されて大当り遊技状態に制御された場合に、大当り遊技状態中に第1特別可変入賞球装置20aと第2特別可変入賞球装置20bとが所定の順序に従って開放状態になる。
また、第2特別可変入賞球装置20bを、第1特別可変入賞球装置20aよりも大きく形成してもよい。その場合には、大当り遊技中に第2特別可変入賞球装置20bが開放状態に制御されているときの方が、第1特別可変入賞球装置20aが開放状態に制御されているときに比べて、大入賞口に遊技球が入賞しやすい。以下、第1大入賞口と第2大入賞口とを、一括して「大入賞口」と表現することがある。
また、この実施の形態では、第1特別可変入賞球装置20aと第2特別可変入賞球装置20bとはともに遊技領域7の右方に設けられている。よって、大当り遊技中において、遊技者は、遊技領域7の右方を狙って発射操作を行うことによって第1大入賞口および第2大入賞口の両方への入賞を狙うことができる。
図44は、第2の実施の形態における主基板の回路構成例を示すブロック図である。第2の実施の形態では、入力ドライバ回路58には、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ23bからの検出信号が入力される。また、出力回路59は、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置20aを開閉するソレノイド21a、および第2大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置20bを開閉するソレノイド21bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する。
図45は、大入賞口の開放パターンを示す説明図である。図45(A)には、通常大当りや確変大当りにもとづく大当たり遊技状態(すなわち、15ラウンドの大当たり遊技状態)における大入賞口の開放パターンが例示されている。図45(B)には、突然確変大当りにもとづく大当たり遊技状態(すなわち、2ラウンドの大当たり遊技状態)や小当りにもとづく小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが例示されている。
この実施の形態では、通常大当りや確変大当りにもとづく大当り遊技状態では、図45(A)に示すように、第1ラウンドでは第1大入賞口が開放状態にされ、第2ラウンドでは第2大入賞口が開放状態にされ(開放状態に制御され)、第3ラウンドでは第1大入賞口が開放状態にされるという順序で、第1大入賞口と第2大入賞口とが交互に開放状態にされる。また、通常大当りや確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、図45(A)に示すように、1ラウンドあたり、大入賞口は、T1時間(この実施の形態では、29秒間)開放状態になった後、所定時間にわたって閉鎖状態になる(閉鎖状態に制御される)。
通常大当りや確変大当りにもとづく大当り遊技状態では、大入賞口の開放が終了した後閉鎖状態に制御される時間は、第1大入賞口の開放が終了した後と第2大入賞口の開放が終了した後とで異なる。この実施の形態では、図45(A)に示すように、第1大入賞口の開放が終了した後、次のラウンドで第2大入賞口を開放するまでの閉鎖時間はT3時間(この実施の形態では、3秒+1秒=4秒とする。)であるのに対して、第2大入賞口の開放が終了した後、次のラウンドで第1大入賞口を開放するまでの閉鎖時間はT4時間(この実施の形態では、1秒+1秒=2秒とする。)である。すなわち、図45(A)に示すように、閉鎖時間T3は閉鎖時間T4よりも長い時間に設定されている。
T3>T4となるように設定されているのは、以下のような理由による。この実施の形態では、第1大入賞口は第2大入賞口に対して上方に位置するように配置されていることから遊技球が第1大入賞口から第2大入賞口に到達するまでには多少の時間差がある。例えば、遊技球が第1大入賞口に到達したタイミングが第1大入賞口の閉鎖タイミングであったとしても、遊技球が第2大入賞口に到達するまでに第2大入賞口の開放が開始されて第2大入賞口に入賞可能な場合もある。よって、第1大入賞口を閉鎖してから第2大入賞口の開放開始までの閉鎖時間T3を多少長くしても、実質的な閉鎖時間はそれほど長くはならない。しかし、第2大入賞口は第1大入賞口の下方に位置しているので、第2大入賞口の開放が終了すると第1大入賞口の開放が開始されるまで全く入賞不能になり、第2大入賞口を閉鎖してから第1大入賞口の開放開始までの閉鎖時間T4を長くしすぎてしまうと、実質的な閉鎖時間が長くなってしまう。そこで、この実施の形態では、閉鎖時間T3は閉鎖時間T4よりも長い時間にすることによって、大入賞口に遊技球させやすくし、遊技に対する興趣を向上させる。
なお、上流側に設けられた第1大入賞口に入賞することなく第1大入賞口の開口部付近を遊技球が通過してから下流側の第2大入賞口の開口部付近まで到達するのにかかる時間をTx時間とすると、閉鎖時間T3はTx時間よりも短い時間であることが好ましい。また、例えば、60秒間に遊技球を連続して100個発射可能であって、遊技球を連続して発射するときの遊技球発射の時間間隔(発射間隔)が60秒/100=0.6秒である場合に、閉鎖時間T4は、その発射間隔0.6秒からTx時間を減算した時間よりも短い時間であることが好ましい。
また、この実施の形態では、閉鎖時間T3を閉鎖時間T4よりも長くするが、閉鎖時間T3と閉鎖時間T4とは同じであってもよい。例えば、閉鎖時間T4については上記の理由によりある程度短い時間にする必要があるが、閉鎖時間T3については必ずしも長い時間にする必要はないので、閉鎖時間T4と同様に短い時間に設定してもよい。
突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、図45(B)に示すように、第1ラウンドでは第1大入賞口が開放状態にされ、第2ラウンドでは第2大入賞口が開放状態にされ、第1大入賞口と第2大入賞口とが交互に開放状態にされる。また、小当り遊技状態に制御される場合、図45(B)に示すように、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態と同様の態様で、第1大入賞口と第2大入賞口とが交互に開放状態にされる。
また、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合や小当り遊技状態に制御される場合、図45(B)に示すように、1回あたり、第1大入賞口をT2時間(本例では、1秒間)開放状態にする。そして、この実施の形態では、図45(A),(B)に示すように、突然確変大当りや小当りにおける開放時間T2は、通常大当りや確変大当りにおける開放時間T1よりも短い時間(T1>T2)に設定されている。
また、この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技や小当り遊技において、第1大入賞口が閉鎖してから第2ラウンドで第2大入賞口の開放を開始するまでの閉鎖時間T5は、5秒+1秒=6秒である。通常大当りや確変大当りにもとづく大当り遊技における第1大入賞口が閉鎖してから次のラウンドで第2大入賞口の開放を開始するまでの閉鎖時間T3は、3秒+1秒=4秒である。第2大入賞口を閉鎖してから次のラウンドで第1大入賞口の開放を開始するまでの閉鎖時間T4は、1秒+1秒=2秒である。従って、閉鎖時間T3および閉鎖時間T4のいずれと比較しても、突然確変大当りや小当りにおける閉鎖時間T5(この実施の形態では、5秒+1秒=6秒)の方が長い。通常大当りや確変大当りにもとづく大当り遊技では不利期間(大入賞口の閉鎖時間)が相対的に短いので、すなわち、突然確変大当りや小当りでは不利期間が相対的に長いので、複数の大入賞口を備えた遊技機において、不利期間の制御によって遊技の興趣を向上させることができる。
具体的には、通常大当りや確変大当りとなった場合には、不利期間(大入賞口の閉鎖時間)を相対的に短くし、より大入賞口に遊技球が入賞しやすくなるようにする。本来賞球の獲得を期待できない突然確変大当りや小当りとなった場合には、不利期間を相対的に長くして、より大入賞口に遊技球が入賞しにくくなるようする。
なお、図45(B)では突然確変大当りや小当りにおける1回目の第1大入賞口の開放が終了してから2回目の第2大入賞口の開放を開始するまでの閉鎖時間は、例えば6秒である。
図46は、第2の実施の形態における演出制御コマンドの内容の一部を示す説明図である。図46に示すように、この実施の形態では、第1異常入賞指定コマンドと第2異常入賞指定コマンドも使用される。コマンドD001(H)は、第1大入賞口への異常入賞が検出されたときに送信される演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。ただし、第1異常入賞指定コマンドは、遊技機に対して電力供給が開始された後、3回の第1大入賞口への異常入賞について使用される。
コマンドD002(H)は、大入賞口(第1大入賞口または第2大入賞口)への異常入賞が検出されたときに送信される演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。ただし、第1異常入賞指定コマンドを送信すべき場合には、第2異常入賞指定コマンドではなく、第1異常入賞指定コマンドが送信される。
図47は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する異常入賞検出処理を示すフローチャートである。異常入賞検出処理において、CPU56は、第1大入賞口が開放中であるか否か確認する(ステップS531)。第1大入賞口が開放中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値が大入賞口開放中処理(図13参照)に対応する値であるか否か、および、大当り遊技中のラウンド回数(例えば、1ラウンドが終了する毎に−1される開放回数カウンタの値で特定される。)によって確認される。第1大入賞口が開放中である場合には、ステップS536に移行する。
第1大入賞口が開放中でない場合には、CPU56は、第1カウントスイッチ23aがオンしたか(検出信号が出力されたか)否か確認する(ステップS532)。第1カウントスイッチ23aがオンしていない場合には、ステップS536に移行する。
第1カウントスイッチ23aがオンした場合には、CPU56は、異常入賞カウンタの値を+1する(ステップS533)。なお、異常入賞カウンタは、RAM55の一領域であり、遊技機に対して電力供給が開始されたときに実行されるRAMクリア処理(図4参照)で0に初期化される。CPU56は、異常入賞カウンタの値が3より大きいか否か確認する(ステップS534)。異常入賞カウンタの値が3より大きい場合には、ステップS538に移行する。
異常入賞カウンタの値が3以下である場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1異常入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS535)。
また、CPU56は、第2大入賞口が開放中であるか否か確認する(ステップS536)。第2大入賞口が開放中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値が大入賞口開放中処理(図13参照)に対応する値であるか否か、および、大当り遊技中のラウンド回数によって確認される。第2大入賞口が開放中である場合には、処理を終了する。
第2大入賞口が開放中でない場合には、CPU56は、第2カウントスイッチ23bがオンしたか(検出信号が出力されたか)否か確認する(ステップS537)。第2カウントスイッチ23bがオンしていない場合には、処理を終了する。第2カウントスイッチ23bがオンした場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2異常入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS538)。
以上のような処理によって、CPU56は、遊技機に対して電力供給が開始された後、3回目までの第1大入賞口への異常入賞(実際に第1大入賞口に遊技球が入賞したことによる場合もあるが、遊技球が入賞していないにも関わらず第1カウントスイッチ23aが検出信号を出力した場合もある。)の検出時には、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1異常入賞指定コマンドを送信する。また、その他の場合の大入賞口への異常入賞(第1大入賞口または第2大入賞口)の検出時には、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2異常入賞指定コマンドを送信する。なお、CPU56が、遊技球が入賞していないにも関わらず第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bが検出信号を出力したと判定される状況として、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bの故障などがある。
図48は、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1異常入賞指定コマンドを受信したときに(ステップS651)、左枠LED28bを常時点灯状態にする(ステップS652)。また、第2異常入賞指定コマンドを受信したときに(ステップS653)、右枠LED28cを常時点灯状態にする(ステップS654)。
以上のような制御によって、大入賞口への異常入賞(第1大入賞口または第2大入賞口)が検出されたときに、遊技機に対して電力供給が開始された後の3回目までの第1大入賞口への異常入賞と、その他の場合の異常入賞とが区別して報知される。そのような報知が行われるので、遊技機の出荷前の検査等において、第1大入賞口の異常と第2大入賞口の異常とを容易に区別できる。また、遊技球が入賞していないにも関わらず第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ23bが検出信号を出力したと判定する状況として不正行為を受けた場合があるが、遊技機の出荷前の検査等において、第1大入賞口に関する異常を検出する部分と、第2大入賞口に関する異常を検出する部分とが、正常に機能しているか否かを、区別して容易に判定することができ、遊技店における不正行為の検出をより確実化することができる。
なお、この実施の形態では、遊技機に対して電力供給が開始された後の3回目までの第1大入賞口への異常入賞とその他の場合の異常入賞とを区別するが、第1大入賞口に関する異常と第2大入賞口に関する異常とを区別して検出できるのであれば、他の検出方法(例えば、3回を2回に変える。)を用いてもよく、左枠LED28bと右枠LED28cとによる報知の仕方も一例である。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。
また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類等(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出である擬似連演出等の特殊演出を実行する場合にはそれも含む。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、本明細書において、「高い(大きい)割合」(または、「率を高くする})と表現される場合は、100%である場合(または、100%にする場合)も含まれる。また、「割合が異なる」と表現された場合には、A:B=70%:30%やA:B=50%:50%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含まれる。「低い(小さい)割合」(または、「率を低くする})には、0%である場合(または、0%にする場合)も含まれる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出:ただし、上記の実施の形態では使用されていない))の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態の遊技機は、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機であったが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい。)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に対して上記の実施の形態における機能を適用することもできる。