JP6978044B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は弾球遊技機、特に、始動口への入球に起因して抽出された数値データの保留記憶に基づき、先読み予告演出が実行される弾球遊技機に関する。
従来の弾球遊技機は、遊技盤の遊技領域に設けられた始動口への入球に起因して数値データ(乱数)が抽出され、抽出された乱数が所定数を限度に保留記憶として記憶される。そして、記憶された乱数が予め定められた大当りになる値であるか否かの当否判定を行うと共に、特別図柄を変動表示した後に確定表示して、当否判定の結果が大当りのときに、賞球の獲得増加が期待でき遊技者に有利な大当り遊技(特別遊技)に移行するものが主流である。尚、保留記憶された乱数は、記憶された数と同数の保留表示を表示することで遊技者に分かりやすくしている。
また、従来の弾球遊技機では、保留記憶されている乱数を当否判定よりも前の段階で確認し、当該乱数が大当りとなる可能性を示唆する先読み予告演出を実行することで、遊技者に対して当否判定の結果が表示される前に大当りとなる期待感を持たせるものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2010−099203号公報 特開2016−067886号公報
ところで、特許文献1に記載された弾球遊技機では、当否判定が保留されている保留記憶の乱数がない状態で開始された特別図柄の変動中において、最初に保留記憶された乱数が大当りである場合、その保留記憶の乱数については、先読み予告演出が実行されない。また、特許文献2に記載された弾球遊技機では、特別遊技にて、保留記憶に一つ又は複数の特定の保留記憶があることが、先読み予告演出の実行条件であるが、該条件を満たす場合でも、特別遊技における特別演出が実行されている場合は演出が実行されない。
従来の先読み予告演出は、複数の特別図柄の変動を跨いで行なう演出の特性から、乱数が抽出されて先読みが行われた際に、条件が成立せずに演出が実行されないと、後続して抽出された乱数の先読みとの関係から、そのまま行なわれない場合がある。従って、従来構成では、先読み予告演出の実行の頻度が高いとは言えず、先読み予告演出が十分に活用されているとは言えない。
そこで本発明は前記事情に鑑み、先読み予告演出の実行の頻度が高く、先読み予告演出が十分に活用され、興趣の豊かな弾球遊技機を実現することを課題としてなされたものである。
請求項1に記載の発明は、
始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留記憶として複数記憶可能な保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶された数値データに基づいて遊技者に有利な特別遊技に移行するか否かの当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示し、後に前記特別図柄を確定表示して前記結果を報知する特別図柄表示装置と、
前記数値データ抽出手段により抽出された数値データの内容を、当該数値データに基づく前記当否判定よりも前に確認する数値データ確認手段と、
前記数値データ確認手段により確認された確認結果が所定の確認結果であるとき、確認された数値データの前記特別遊技に移行する期待度を示唆する先読み予告演出を実行する先読み予告演出制御手段と、を備え、
前記先読み予告演出制御手段は、
所定の変動態様による前記特別図柄の変動中に前記始動口へ入球があると第1実行開始条件が成立したとして、当該入球に起因して抽出された数値データの前記先読み予告演出を前記入球に応じて開始可能とし、
前記入球の後に前記第1実行開始条件の成立又は不成立に拘らず、新たな前記特別図柄の変動の開始時に前記保留記憶の数が所定記憶数以上ある第2実行開始条件が成立したとして、前記入球に起因して抽出された数値データの前記先読み予告演出を前記変動の開始に応じて開始可能とし、
前記第1実行開始条件の成立により開始された前記先読み予告演出の演出態様と前記第2実行開始条件の成立により開始された前記先読み予告演出の演出態様とを相違させ、
前記第1実行開始条件の成立により実行される前記先読み予告演出と、前記第2実行開始条件の成立により実行される前記先読み予告演出の、大当り期待度を異ならせることを特徴とする。
本発明は、始動口への入球に起因して抽出された数値データを保留記憶手段に記憶する場合に、以下の手順で行うことが望ましい。例えば、始動口への入球に起因して数値データが抽出されると、保留記憶手段に記憶された数値データの数が上限数に達しているか否かを確認する。上限数に達していなければ、抽出された数値データを予め設定された所定の記憶領域に記憶する。その後、所定の記憶領域に記憶された数値データを保留記憶手段に記憶する。
また、保留記憶手段に記憶された数値データの数が上限数に達していなければ、抽出された数値データを、所定の記憶領域と保留記憶手段とにそれぞれ記憶するようにしてもよい。
更に、始動口への入球に起因して数値データが抽出されると、抽出された数値データを所定の記憶領域に記憶する。そして保留記憶手段に記憶された数値データの数が上限数に達しているか否か確認し、上限数に達していなければ、所定の記憶領域に記憶された数値データを保留記憶手段に記憶するようにしてもよい。この場合、保留記憶手段に記憶された数値データが上限数に達していれば、所定の記憶領域に記憶した数値データを消去する。
数値データ確認手段は、所定の記憶領域に記憶された数値データを確認する構成が望ましい。これに限らず、保留記憶手段に記憶された数値データを確認するようにしてもよい。また、数値データを記憶する手段を介さずに、数値データを抽出した時にそのまま確認し、確認結果を記憶する構成も考えられる。
数値データ確認手段は、例えば、数値データの内容が、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)となる内容であるかを確認する。この場合、特別遊技の遊技内容(ラウンド数)や特別遊技後に次回の特別遊技への移行に有利な遊技が付与されるかを確認することが望ましい。この他、通常のリーチ演出が実行される内容であるか、スーパーリーチ演出が実行される内容であるか、リーチ演出が実行されないハズレとなる内容であるか等を確認する。また、演出内容を確認する構成も考えられる。この場合、数値データ確認手段が演出内容を事前に指定していく構成になる。
先読み予告演出制御手段は、数値データ抽出手段により数値データが、特別遊技になる可能性がある(スーパーリーチ、リーチを含む)等の所定の確認結果に応じて、先読み予告演出を実行可能である。
先読み予告演出制御手段は、制御の流れとして、先読み判定で特定の判定内容であるかの判定、第1実行開始条件成立であるかの判定、第2実行開始条件成立であるかの判定の順に行う構成が望ましい。しかし、これに限らず、例えば、先ず第1実行開始条件成立であるかの判定、先読み判定で特定の判定内容であるかの判定、第2実行開始条件成立であるかの判定、先読み判定で特定の判定内容であるかの判定の順に行う構成も考えられる。
第1実行開始条件では、特別図柄の変動における所定の変動態様は、例えば、リーチ演出が行われないハズレ変動が望ましい。変動演出の期待感が低い時に先読み予告演出が行なわれる可能性があるようにすることにより、ハズレ変動でも期待を持つことができるようになる。
第2実行開始条件では、新たな特別図柄の変動が開始されたときに、保留記憶の所定記憶数として、例えば、当否判定が行われていない保留記憶が一つ以上あれば、その先読み予告演出を行うことが望ましい。保留記憶が一つ以上あれば、当該変動も含めて複数の変動に跨る演出が可能になる。
本発明によれば、先読み予告演出は、第1実行開始条件が満たされたときに演出が行われる一方、第1実行開始条件が満たされなくても、第2実行開始条件が満たされたときに実行される。よって先読み予告演出の実行の頻度を高め、先読み予告演出を十分に活用することができ、興趣の豊かな弾球遊技機を提供することができる。
なお、本発明では、先読み演出として、第1実行開始条件の成立に基づいて開始可能な第1先読み演出と、第2実行開始条件の成立に基づいて開始可能な第2先読み演出と、を個別に異ならせて備える。第1および第2先読み演出を、異なるタイミングで実行することによって、一層大きな効果を奏することができる。例えば、第1および第2先読み演出としては、保留図柄の表示態様によって先読み予告演出を実行する構成を前提とした場合、先読み予告演出の保留図柄として、異なる表示態様の保留図柄を表示するようにしても良い。また、音声や発光態様等の他の手段によって実行される演出において、異なる第1および第2先読み演出を実現するようにしても良い。
また、弾球遊技機は、
前記先読み予告演出制御手段は、前記数値データ確認手段により確認された数値データの確認結果が特定の確認結果であるときに、前記第1実行開始条件が成立していても前記先読み予告演出を開始せず、前記第2実行開始条件が成立することにより前記先読み予告演出を開始することが可能な構成としても良い。
例えば、先読み予告演出制御手段は、数値データ確認手段の確認結果が特別遊技になる場合に、第1実行開始条件が成立していても前記先読み予告演出を実行せず、第2実行開始条件が成立することにより先読み予告演出を実行することが望ましい。このようにすると、遊技者は第2実行開始条件のタイミングで先読み予告演出が開始されることを期待するようになり、始動口入球時(第1実行開始条件のタイミング)に開始されなくても期待感が持続するようになる。
このような構成によれば、先読み予告演出が、第1実行開始条件の成立により実行されるのか、第2実行開始条件の成立により実行されるのかといった演出開始タイミングを遊技者に意識させることで、一方のタイミングでは予告演出の信頼性が高く、他方のタイミングでは信頼性が低いといった興趣を添えることができる。
また、弾球遊技機は、
前記先読み予告演出制御手段は、前記数値データ確認手段により確認された数値データの確認結果が特定の確認結果であるときに、前記第1実行開始条件及び前記第2実行開始条件がいずれも成立しなかった場合に、特別先読み予告演出を実行可能な構成としても良い。
第1実行開始条件及び前記第2実行開始条件がいずれも成立しなかった場合は、始動口への入球後に直ちに保留記憶された数値データに基づく特別図柄の変動が開始される状況である。そこで、特別先読み予告演出として、数値データ確認手段の確認結果に基づいて変動中の演出図柄で期待度の演出(例えば、色を変化させる)行う、又は、変動演出において期待度アップの予告演出を行うことが望ましい。
このような構成によれば、第1実行開始条件及び前記第2実行開始条件がいずれも成立しなくても、特別先読み予告演出を行うことで、数値データ確認手段の確認結果を活かすことができ、予告演出の実行の頻度を高めることができる。
本発明を適用した第1実施形態の弾球遊技機の正面図である。 前記弾球遊技機の遊技盤の正面図である。 前記弾球遊技機の背面図である。 前記弾球遊技機の電気ブロック図である。 前記弾球遊技機の遊技仕様を示す図である。 前記弾球遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される特図始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。 前記主制御装置で実行される特図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記特図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。 前記特別遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。 前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される第1実行開始条件処理Aの制御内容を示すフローチャートである。 前記サブ制御装置で実行される第2実行開始条件処理Aの制御内容を示すフローチャートである。 前記弾球遊技機で実行される先読み予告演出の第1の表示態様を示す図である。 前記先読み予告演出の第2の表示態様を示す図である。 本発明を適用した第2実施形態の弾球遊技機のサブ制御装置で実行される第2実行開始条件処理Bの制御内容を示すフローチャートである。 前記先読み予告演出の第3の表示態様を示す図である。 本発明を適用した第3実施形態の弾球遊技機のサブ制御装置で実行される第1実行開始条件処理理Cの制御内容を示すフローチャートである。 前記弾球遊技機のサブ制御装置で実行される第2実行開始条件処理Cの制御内容を示すフローチャートである。 本発明を適用した第4実施形態の弾球遊技機のサブ制御装置で実行される第2実行開始条件処理Dの制御内容を示すフローチャートである。
〈第1実施形態〉
本発明を適用した弾球遊技機たるパチンコ機1を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けられている。尚、これら前枠11及び前記内枠は、シリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けられている。
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が配置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けられている。
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けられ、発射ハンドル14が時計回りに操作されることで発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接されている。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けられている。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な操作手段である演出ボタン15と、その外周を囲むように操作手段であるジョグダイヤル16が設置されている。
遊技盤2について説明する。図2に示すように、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
遊技領域20のセンターケース200の左横位置には、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が設けてある。更にその直下位置にはチューリップ式普通電動役物(以下、単に普電役物という)からなり、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。尚、第2特図始動口24は普電役物の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、前記普図の抽選で当りとなると所定の時間、所定の開放態様で開放する構成である。
第2特図始動口24の直下位置には、特別電動役物の開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配置されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291が設けられている。
図3はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成である。
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けられている。
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が配置され、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いられているが、本実施形態では、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータへ送信される。
図4はパチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技進行等の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置はいずれもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502の検出信号が入力される。更に主制御装置40には、第1特図始動口23への入球を検出する第1特図始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2特図始動口SW504、普図作動ゲート22への入球を検出する普図作動SW505の検出信号が入力される。更にまた主制御装置40には、複数の一般入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW506、大入賞口25への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成する。そして主制御装置40は、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドを出力する。また主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、普図表示装置29及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド508、普電役物ソレノイド509が接続されている。そして主制御装置40は、大入賞口ソレノイド508を制御して前記特別電動役物の開閉板を作動させて大入賞口25を開放せしめる。また主制御装置40は普電役物ソレノイド509を制御して前記普電役物を作動させて第2特図始動口24の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や特図の大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41には、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520の検出信号が入力される。また払出制御装置41には、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球の払い出しを行う。また、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球の払い出しを行う。精算表示装置173を介して球貸SW171及び精算SW172による貸出要求、精算要求の操作信号がCRユニットCRに入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニットCRによって制御される。
発射制御装置44は、発射を停止する発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。発射制御装置は、払出制御装置41を経て主制御装置40から送られるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に応じて発射モータ526を制御して遊技球の発射及び停止を行う。
サブ統合制御装置42は、音量調節SWを備えている。サブ統合制御装置42は、演出ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する演出や特図の擬似演出図柄の表示態様のコマンドを送信する。
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
この様に構成されたパチンコ機1は、普図作動ゲート22に遊技球が入球すると、普図表示装置29で普図が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、当選であれば普電役物ソレノイド509を駆動させ、第2特図始動口24への入球が可能となる。尚、パチンコ機1では、普電役物の開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、遊技者にとって有利な時短状態(開放延長状態)では1.8秒(2回)である。また、第2特図始動口24は、普電役物が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成である。
第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、第1特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第1特図表示装置28Aにおいて第1特図が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、第2特図の保留記憶として所定数記憶される。そして該保留記憶の乱数に基づいて当否判定が実施され、これに伴い第2特図表示装置28Bにおいて第2特図が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
尚、第1特図と第2特図の当否判定は、第1特図始動口23と第2特図始動口24への入球順に関係なく、第2特図の当否判定を優先して実施する。具体的には、第1特図の保留記憶がある場合、第2特図の変動が停止し且つ第2特図の保留記憶が無い状態となってから、第1特図の保留記憶分の当否判定を実施する。
第1特図及び第2特図の変動表示、確定表示は、遊技領域20の隅に小さく表示されるだけであるので、遊技領域20の中央に設けられた演出図柄表示装置21にて第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄を用いた疑似演出表示を行う。そして、疑似演出表示にて当否判定の結果を遊技者に報知することが行われている。例えば、疑似演出表示では、三つの疑似演出図柄を変動させ、三つの図柄が同一図柄で停止すると大当りとなるように構成されている。疑似演出表示としては二つの図柄が同じ図柄で停止するリーチ演出が実施され、残りの変動中の図柄が同じ図柄で停止するか否かで遊技者の期待感を高めることが行われている。
パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の確定表示した態様に応じ、大当り(当選)であれば、賞球の獲得増加が期待でき遊技者に有利な大当り遊技(特別遊技)が実行される。大当り遊技は、所定の開放態様にて大入賞口25の開放し、大入賞口25への遊技球の入球が可能となる。尚、大当り遊技として、例えば、所定の開放態様で大入賞口25を開放するラウンド遊技を5ラウンド行う5R通常大当り遊技と、8ラウンド行う8R確変大当り遊技と、10ラウンド行う10R確変大当り遊技とからいずれか一つの遊技が選択される。
パチンコ機1は確率変動機として構成されている。具体的には、パチンコ機1による遊技は、大入賞口25を閉鎖した遊技状態と、大入賞口25を開放する大当り遊技状態とに大別される。更に、大入賞口25を閉鎖した遊技状態は、大きく分類して、通常確率状態(通常遊技状態)と、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利(大当りとなる確率が高く、大当りし易い)な高確率遊技状態(以下、確変遊技状態とも記載する)とが存在する。例えば、5R通常大当り遊技が終了した後には通常確率遊技状態へ移行し、8R確変大当り遊技又は10R確変大当り遊技が終了した後には高確率遊技状態に移行する。
第1特図及び第2特図は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確変遊技状態は確率変動図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定され、通常遊技状態、確変遊技状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変遊技状態に移行する。同様に通常遊技状態は、非確率変動図柄での大当り遊技終了後に移行可能に設定され、通常遊技状態、確変遊技状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、通常遊技状態に移行する。
通常遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、かつ普電役物の開放延長機能が作動する時短状態となる。第1特図、第2特図及び普図の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、時短状態では、第1及び第2特図の変動時間の短縮とともに、普図表示装置29に表示される普図の時間短縮も行われるが、この普図の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回、普図の確定表示を行う。従って、一定時間内での普図が当りとなる回数が増大し、これにより第2特図始動口24の開放回数も増大する。また、第2特図始動口24(普電役物)の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特図の変動表示回数が更に増大されるとともに、第2特図始動口24の入賞で得る賞球により、遊技者の持ち球が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確変遊技状態では、時短状態と同様に第1特図、第2特図及び普図の変動時間が短縮され、普電役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普電役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確変遊技状態は時短状態に加えて特図の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
パチンコ機1は、第1特図始動口23への入球に起因して抽出又は第2特図始動口24への入球に起因して抽出された乱数(数値データ)を、この乱数に基づいて行われる当否判定よりも前に、大当りとなる可能性があるか否かを確認する先読み判定を行う。
また、パチンコ機1は、当否判定の結果を示す第1特図又は第2特図が確定表示される前に、前記先読み判定の結果に応じて、大当りとなる期待度を示唆する先読み予告演出を実行可能である。例えば、先読み予告演出は、演出図柄表示装置21において、第1特図の保留記憶及び第2特図の保留記憶に応じて表示される保留表示を、通常の保留図柄とは異なる図柄を表示することにより大当りとなる期待度を示す。先読み予告演出は、演出が開始されると(通常の保留図柄とは異なる図柄が表示されると)、特図の複数の変動を跨いで、先読み予告演出が実行された乱数を対象とした当否判定に伴う特図の変動が開始されるまで継続される。
図5はパチンコ機1の遊技仕様を示す。パチンコ機1は、大当り遊技が発生する当選確率が、第1特図と第2特図とに拘わらず、例えば、低確率遊技状態(通常遊技状態)が「300分の1」に、高確率遊技状態(確変遊技状態)が「30分の1」に設定されている。
第1特図と第2特図とに拘わらず、大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する確変突入率は、「65%」に設定されている。
確変遊技状態が継続される確変回数は、第1特図及び第2特図の当否判定に伴う図柄変動が「100回」に達するまで継続される。
時短状態が継続される時短回数は、第1特図及び第2特図の当否判定に伴う図柄変動が「100回」に達するまで継続される。
次に、賞球について説明する。第1特図始動口23の賞球は、1個の入球につき「3個」に設定されている。第2特図始動口24の賞球は、1個の入球につき「1個」に設定されている。その他の入賞口(例えば、一般入賞口27)の賞球数は1個の入球につき「10個」に設定されている。大入賞口25の賞球は、1個の入球につき「15個」に設定されている。
大当り遊技における大入賞口25の規定入球個数は「10個」に設定されている。
普図の当選確率は、通常遊技状態では「5分の1」に設定され、時短状態では「5分の4」に設定される。
普通電動役物の開放時間は、通常遊技状態では「0.1秒×1回」に設定され、時短状態では「2.2秒×1回」に設定される。
以下、パチンコ機1の作動の詳細を、主制御装置40及びサブ統合制御装置42等で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判定する(S100)。この判定処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判定することにより行われ、CPUにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行してよいのか否かを判定するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるCPUの暴走等が考えられるが、CPUの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えてよいので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
ここで正常割り込みでないとの否定判定(S100:no)ならS115の処理において初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値の書き込み、普図及び特図を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)を実行する。前記正常割り込みか否かを判定するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
前記S100の処理において正常割り込みとの肯定判定がなされると(S100:yes)、S101の初期値乱数更新処理が実行される。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理である。この処理実行前の初期値乱数の値に「1」を加算するが、この処理を実行する前の乱数が最大値としての例えば「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
続く大当り決定用乱数更新処理(S102)では、前記初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に「1」を加算するインクリメント処理である。最大値としての例えば「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。尚、大当り決定用乱数の最初の値は、前記初期値乱数更新処理(S101)で設定(作成)された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
尚、大当り決定用乱数が一巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする。大当り決定用乱数は、その初期値から「1」を加算していく。そして、再び大当り決定用乱数が一巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前記の例では大当り決定用乱数が「149」になると一巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
続く大当り図柄決定用乱数更新処理(S103)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く当り決定用乱数更新処理(S104)は、「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。尚、当選することとなる値は、常に「7」である。この当り決定用乱数は普図の抽選に使用し、初期値乱数、大当り決定用乱数、リーチ判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数は、特図の抽選に用いられる。
リーチ判定用乱数更新処理(S105)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
変動パターン決定用乱数更新処理(S106)は、「0」〜「119」の120個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に「1」を加算して最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S107)では、第1特図始動口23、第2特図始動口24の入球(入賞)確認、普図作動ゲート22の遊技球の通過の確認、一般入賞口27の入球(入賞)確認、及び主制御装置40に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
次の当否判定処理(S108)では、普図及び特図のそれぞれに対応した当否判定や、当否判定に付随する図柄変動や特別遊技処理などの処理を行なう。
続く各出力処理(S109)では、遊技の進行に応じて主制御装置40は、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、大入賞口ソレノイド508等に対して各々出力処理を実行する。即ち、前記入賞確認処理(S107)により遊技盤上の各入賞口に遊技球の入球があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置41に賞球信号を送信する処理を実行する。また、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置42に出力する処理を実行する。更に、パチンコ機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置43にエラー信号を出力する処理等を実行する。
続く不正監視処理(S110)は、一般入賞口27に対する不正が行われていないか監視する処理である。所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判定して、多かった場合には不正と判定され、その旨を報知する処理である。
本処理に続く前記残余処理は、S111の初期値乱数更新処理から構成されるが、前記S101と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前記S100〜S111までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特図の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が一巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか300分の1である。また、前記当り決定用乱数更新処理(S104)も残余処理内において実行するよう構成してもよい。
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図7に示す「特図始動入賞確認処理」は、第1特図始動口23、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される大当り決定用乱数など種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態において、第1特図始動口23への入球に起因して記憶可能な保留記憶数及び第2特図始動口24への入球に起因して記憶可能な保留記憶数は各4個である。
「特図始動入賞確認処理」は、先ず、第1特図始動口SW503により第1特図始動口23への入球を検出したか否かを判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S205の処理へ移行する。処理を終了して主制御装置40のメインルーチンへリターンする。第1特図始動口23への入球が有れば(S200:yes)、S201の処理において主制御装置40に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認(上限数に達しているか否かを確認)する。満杯であれば(S201:yes)、S205の処理へ移行する。
第1特図の保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理において、第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を主制御装置40の所定の記憶領域に記憶する。更に所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、第1特図の保留記憶数が0であっても、第1特図始動口23に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。尚、前記S202の処理は特許請求の範囲に記載の「数値データ抽出手段」及び「保留記憶手段」に相当する。
続いて第1特図の先読み判定処理を実行する(S203)。本先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、前記所定の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変大当りであるか否か、ラウンド数の多い大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第1特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。本処理は特許請求の範囲に記載の「数値データ確認手段」に相当する。その後、保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S204)。
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。無論、判定内容に関わらず、サブ統合制御装置42に毎回先読みコマンドを送信する構成でもよい。
続くS205の処理において、第2特図始動口SW504により第2特図始動口24への入球を検出したか否かを判定する。入球が無ければ(S205:no)、本処理を終了して主制御装置40のメインルーチンへリターンする。第2特図始動口24への入球が有れば(S205:yes)、S206の処理において主制御装置40に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否かを確認(上限数に達しているか否かを確認)する。満杯であれば(S206:yes)、リターンする。
第2特図の保留記憶が満杯でなければ(S206:no)、S207の処理において、第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を主制御装置40の所定の記憶領域に記憶する。更に所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶として主制御装置40の保留記憶領域に記憶する。尚、第2特図の保留記憶数が0であっても、第2特図始動口24に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。尚、前記S207の処理は特許請求の範囲に記載の「数値データ抽出手段」及び「保留記憶手段」に相当する。
続いて第2特図の先読み判定処理を実行する(S208)。本先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、前記所定の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変大当りであるか否か、ラウンド数の多い大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第2特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。本処理は特許請求の範囲に記載の「数値データ確認手段」に相当する。その後、保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する(S209)。
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。
本「特図始動入賞確認処理」では、保留記憶の数が満杯なければ、抽出された乱数を予め設定された所定の記憶領域に記憶し、その後、所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶領域に記憶する構成である。これに限らず、保留記憶の数が満杯でなければ、抽出された乱数を、所定の記憶領域と保留記憶領域とにそれぞれ記憶するようにしてもよい。更に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因して乱数が抽出されると、抽出された乱数を所定の記憶領域に記憶する。そして保留記憶の数が満杯であるか否か確認し、満杯でなければ、所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、保留記憶の数が満杯であれば、所定の記憶領域に記憶した乱数を消去する。
本「特図始動入賞確認処理」では、先読み判定処理は、所定の記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するが、これに限らず、保留記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するようにしてもよい。
図8乃至図11は「特図当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定と第2特図の当否判定は個別に実行され、且つ第2特図の保留記憶があるときは第2特図の当否判定が優先して実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
図8に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。特別電動役物が作動中(S300:no)であれば「特別遊技処理」に移行する(図9参照)。特別電動役物が未作動で大当り遊技中でなければ(S300:yes)、第1特図又は第2特図が変動停止中であるか否かを判定する(S301)。変動停止中であれば(S301:yes)、第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する(S302)。
前記S302の処理で第1特図又は第2特図の確定図柄が未表示中であれば(S302:yes)、第2特図の保留記憶があるか否かを判定する(S303)。第2特図の保留記憶があれば(S303:yes)、第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S304)。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
前記S303の処理で第2特図の保留記憶がなければ(S303:no)、第1特図の保留記憶があるか否かを判定する(S305)。第1特図の保留記憶があれば(S305:yes)、第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S306)。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
第1特図の保留記憶がなければ(S305:no)、「特別遊技処理」に移行する。
前記S304の処理又前記S306の処理に続いて、図9に示すS310の処理において、確変フラグを確認して現在の遊技状態が特図の確変遊技状態であるか否かを判定する。確変中であれば(S310:yes)、確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる大当り決定用乱数とを対比して判定を行う(S311)。
前記S310の処理において確変中でない場合(S310:no)、通常確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる大当り決定用乱数とを対比して判定を行う(S312)。
続いてS313の処理において、前記S311又は前記S312の処理の当否判定が大当りか否かの判定を行う。特許請求の範囲に記載の「当否判定手段」に相当する。
大当りであれば(S313:yes)、S314の処理において、前記当否判定の対象となる大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続いて前記当否判定の対象となる変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する(S315)。
変動パターンの決定後、大当り設定処理を行う(S316)。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、前記10R確変大当り遊技とするか、前記8R確変大当り遊技とするか、前記5R通常大当り遊技とするかといった大当り遊技の内容、大当り遊技終了後の確変遊技への移行や時短への移行、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
前記S313の処理において、大当りでなくハズレであれば(S313:no)、S317の処理において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次にハズレ設定処理を行う(S318)。
前記S316の処理又は前記S318の処理の後、当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う(S319)。
続くS320の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。尚、構成によっては変動時間の終了を指示するための図柄確定コマンドを送ってもよい。但し、変動パターンなどで予め変動時間は指定されているため必須のものではない。
前記図8のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:no)、図10に示すように、図柄の変動時間が経過すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
前記図8のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:no)、図11のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了していれば(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
続いて特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否かを判定し(S342)、大当りになる組み合わせであったときは(S342:yes)、確変遊技状態を示す確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S344)。続いて時短状態を示す時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変状態及び時短状態に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
続いて条件装置の作動を開始させる(S347)。尚、条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。更に役物連続作動装置の作動を開始させる(S348)とともに、大当り開始演出処理を行ない(S349)、「特別遊技処理」へ移行する。また、この処理により、サブ統合制御装置42へ向けて大当り遊技開始コマンドが送信される。
前記S342の処理で大当りになる組み合わせでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか否かを判定し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、S351の処理において確率変動状態の継続期間をカウントする確変カウンタを減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否かを判定する。確変カウンタが「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
次に時短フラグが「1」であるか否かを判定し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、S354の処理において時短の継続期間をカウントする時短カウンタを減算し、減算した後の時短カウンタが「0」であるか否かを判定する。時短カウンタが「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にリセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
図12に示す「特別遊技処理」は、先ず、前記役物連続作動装置が作動中か否かを確認し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)リターンする。
前記S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理で大当り遊技のインターバル中か否かを確認し、インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理で特図大当り終了演出中か否かを確認し、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理で大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し、大当り開始演出時間の経過を確認すれば(S404:yes)、大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放してリターンする(S405)。
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、図13に示すように、大入賞口25に10個の入賞があったか否か(規定入賞数)の確認(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できれば大入賞口25を閉鎖し(S412)、大当りインターバル処理を実行して(S413)、リターンする。
前記S402の処理で大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、図14に示すように、大当りインターバル時間が経過したか否かを確認し(S420)、経過していれば(S420:yes)、S421の処理において最終ラウンド(例えば、5ラウンドの大当り遊技であれば第5ラウンド、8ラウンドの大当り遊技であれば第8ラウンド、10ラウンドの大当り遊技であれば第10ラウンド)であるか否かを確認し、最終ラウンドであれば、(S421:yes)、S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、図15に示すように、大当り終了演出時間が経過したか否かを確認し(S430)、該時間の経過を確認すれば(S430:yes)、S431の役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続いて条件装置の作動を停止する処理を実行する(S432)。
続く、S433の処理において前記大当り図柄に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があるか否かを確認し、確変の設定があれば(S433:yes)、S434の処理において確変遊技状態の繰り返し回数(100回)を設定し、S435の処理において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確変遊技状態が付与される。
次にS436の処理では前記大当り図柄に応じて時短設定があるか否かを確認し、時短設定があれば(S436:yes)、時短状態の繰り返し回数(100回)を設定し(S437)、時短フラグに「1」をセットする(S438)。これにより大当り遊技終了後に時短状態が付与される。その後、特図の大当り終了コマンド送信の処理(S439)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
次に、図16及び図17に基づいて、前記先読み予告演出を実行するか否かの制御を司る「第1実行開始条件処理A」及び「第2実行開始条件処理A」について説明する。「第1実行開始条件処理A」及び「第2実行開始条件処理A」は、サブ統合制御装置42により実行されるサブルーチンである。
図16に示すように、「第1実行開始条件処理A」は、先ず、主制御装置40から先読み判定信号(先読みコマンド)を受信したか否かを確認する(S500)。先読みコマンドの受信がなければ(S500:no)、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチン(図略)にリターンして、本処理を終了する。
先読みコマンドの受信があれば(S500:yes)、S501の処理において、先読みコマンドの判定内容が、大当り、スーパーリーチ、リーチ等の所定の判定内容であるか否かを判定する。尚、先読みコマンドの判定内容は、当該保留記憶の変動が終了するまで、サブ統合制御装置42の所定の記憶領域に記憶しておくことが望ましい。
否定判定であれば(S501:no)、リターンする。
肯定判定であれば(S501:yes)、S502の処理において、受信した先読みコマンドが生起された保留記憶の特図始動口への入球時、特図が変動中であるか否かを判定する。変動中であれば(S502:yes)、S503の処理において変動中の特図の変動内容を参照する。
続いて、変動内容が、リーチを行わない「ノーマルハズレ変動」であるか否かを判定する(S504)。肯定判定であれば(S504:yes)、S505の処理において受信した先読みコマンドに対応する保留記憶の先読み予告演出を実行する。その後、リターンする。本処理においてサブ統合制御装置42は、先読み予告演出の実行に関するコマンドを演出図柄制御装置43へ送信し、これにより演出図柄表示装置21にて演出が行われる。
「第1実行開始条件処理A」は、第1特図又は第2特図のノーマルハズレ変動中に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球があり、入球に起因する保留記憶の先読み判定の内容(結果)が所定の判定内容であれば、第1実行開始条件が成立し、先読み予告演出を実行する。第1実行開始条件の成立により実行される先読み予告演出は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への始動口入球時に開始される。
前記S502の処理で特図の変動中でない場合(S502:no)、又は、前記S504の処理で「ノーマルハズレ変動」でない場合には(S502:no)、S506の処理において第1条件不成立フラグに「1」をセットする。その後、リターンする。
尚、「第1実行開始条件処理A」は、先読み判定信号の判定、判定内容の判定、特図変動中の判定、変動内容の判定の順に処理を実行しているが、これに限らず、判定順序を変えてもよい。例えば、先に、特図変動中の判定、変動内容の判定を行い、次に、先読み判定信号の判定、判定内容の判定を行う構成でもよい。このようにすれば、先読み予告演出が可能な変動の時だけ先読みコマンドの判定を行えばよくなる。但し、先読み予告演出を複数種類備えている場合などは、本件の先読み予告演出だけに用いるものでないため、先に先読みコマンドを判定する流れの方が好適である。どのような先読み予告演出を備えているか、どのような変動内容を備えているか等で適宜選べばよい。
「第1実行開始条件処理A」に続いて、「第2実行開始条件処理A」が実行される。図17に示すように、「第2実行開始条件処理A」は、先ず、主制御装置40から第1特図又は第2特図の特図変動開始コマンド(変動開始信号)を受信したか否かを判定する(S600)。即ち、主制御装置40から第1特図又は第2特図の疑似演出図柄を変動させるように指示があるか無いかを判定する。否定判定であれば(S600:no)、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンにリターンして本処理を終了する。
前記S600の処理において肯定判定であれば(S600:yes)、S601の処理において、第1条件不成立フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(S601:no)、リターンする。
肯定判定であれば(S601:yes)、S602の処理において、第1特図及び第2特図の保留記憶数が「2個」以上(特許請求の範囲に記載の「所定記憶数」に相当する)であるか否かを判定する。所定記憶数は、「2個」に設定することが望ましい。例えば、保留記憶が「2個」以上であれば、保留表示を用いた先読み予告演出を、複数の変動に跨って連続して行うことが可能になる。
尚、所定記憶数は、「1個」以上でもよい。この場合、先読み予告演出は、当否判定前に保留表示を用いた演出と、当該保留記憶の当否判定に伴う変動時に演出(保留表示を使わない演出)ができることから、辛うじて連続演出とすることもできる。
S602の処理において否定判定であれば(S602:no)、リターンする。
前記S602の処理において肯定判定であれば(S602:yes)、S603の処理において、第1条件不成立フラグを「0」にリセットする。続いて、先読み予告演出を実行する(S604)。本処理においてサブ統合制御装置42は、先読み予告演出の実行に関するコマンドを演出図柄制御装置43へ送信し、これにより演出図柄表示装置21にて演出が行われる。その後、リターンする。
「第2実行開始条件処理A」は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因する保留記憶の先読み判定の内容(結果)が所定の判定内容であるが、第1実行開始条件が不成立である場合に、新たな第1特図又は第2特図の変動の開始時に、保留記憶の数が所定記憶数以上あれば、第2実行開始条件が成立し、先読み予告演出を実行する。第2実行開始条件の成立により実行される先読み予告演出は、第1特図又は第2特図の変動開始時に開始される。
尚、「第2実行開始条件処理A」は、処理を、変動開始信号の判定、第1条件不成立フラグの判定、保留記憶数の判定の順に実行しているが、これに限らず判定順序を変えてもよい。例えば、変動開始信号の判定に続いて、保留記憶数の判定を行い、次に、第1条件不成立フラグ判定を行う構成でもよい。
次に、図18及び図19を用いて、演出図柄表示装置21で実行される疑似演出図柄を用いた疑似演出及び先読み予告演出の表示態様の代表例を説明する。
図18(a)は、先読み予告演出が実行されていない通常の疑似演出の代表的な表示態様を示す。疑似演出は、演出図柄表示装置21の表示画面に、3桁の数字図柄からなる疑似演出図柄701が変動表示される。また、パチンコ機1のキャラクタである「熊の達吉」730が表示される。
更に演出図柄表示装置21の表示画面には、下端部の左側に第1特図の保留記憶数を示す第1保留表示710が表示され、下端部の右側に第2特図の保留記憶数を示す第2保留表示720が表示される。例えば、第1保留表示710は、第1特図の保留記憶数と同数の円形(図例では白丸)からなる保留図柄の表示を行う。例えば、第2保留表示720は、第2特図の保留記憶数と同数の四角形(図例では白正方形)からなる保留図柄の表示を行う。尚、図例では、特図の変動中に、第1特図の未処理の保留記憶が2個あることを示している。また第2特図の保留記憶は記憶されておらず、第2保留表示720は破線で示した。
図18(b)は、第1実行開始条件が成立したときの先読み予告演出の一例を示す。
前記図18(a)の変動中に、第1特図始動口23へ遊技球が入球すると、図18(b)に示すように、第1保留表示710に、三つ目の保留記憶を示す保留図柄713が追加表示される。更に、三つ目の保留記憶が、先読み判定により大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性があるとの所定の判定内容であると、三つ目の保留記憶に対応する三つ目の保留図柄713は、大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性がある先読み予告演出図柄として、通常の保留図柄とは異なる円形(図例では黒丸)からなる保留図柄が表示される。このように、第1実行開始条件の成立による先読み予告演出図柄は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球後、当該入球に起因する保留記憶に対応する保留図柄が表示されるタイミング(始動口入球時)で表示される。
図略ではあるが、図18(a)の変動中に、第2特図始動口24へ遊技球が入球し、更に先読み判定により大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性があると判定されると、第2保留表示720に、一つ目の保留記憶を示す保留図柄が表示される。この場合、保留図柄は、大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性がある先読み予告演出図柄として、通常の保留図柄とは異なる四角形の保留図柄が表示される。
図18(c)は、第1実行開始条件が不成立で、先読み予告演出が行われない一例を示す。図例は、第1特図又は第2特図のリーチ演出中に、第1特図始動口23へ遊技球が入球し、第1特図の三つ目の保留記憶を示す保留図柄が追加された状態を示す。この場合、第1特図の三つ目の保留記憶が、先読み判定により大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性があると判定されても、リーチ演出中の第1特図始動口23への入球であるので、先読み予告演出は行われず、三つ目の保留記憶を示す保留図柄は通常の保留図柄が表示される。
図19(a)は、第2実行開始条件が成立したときの先読み予告演出の一例を示す。図例は、前記図18(c)のリーチ演出により、第1実行開始条件が不成立で先読み予告演出が行われない状態から、リーチ演出の特図変動終了後に、新たに第1特図の変動が開始された状態を示すものである。この場合、新たな変動により最も古い保留記憶が消化される。これにより保留記憶が2個となるので、第1保留表示710では、二つの保留図柄が表示される。そして、二つ目の保留記憶は、先の変動中の第1特図始動口23への入球時に大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性があるとの所定の先読み判定がされているので、第2実行開始条件の成立により、先読み予告演出図柄として、通常の保留図柄とは異なる円形(図例では黒丸)からなる保留図柄712が表示される。このように、第2実行開始条件の成立による先読み予告演出図柄は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球後、新たな特図の変動が開始されるタイミング(変動開始時)で表示される。
尚、図18(b)、図19(a)に示す図例では、第1実行開始条件の先読み予告演出の保留図柄(図18(b)の713)と、第2実行開始条件の先読み予告演出の保留図柄(図19(a)の712)とを同一図柄としたが、これに限るものではない。例えば、第1実行開始条件の先読み予告演出の保留図柄と、第2実行開始条件の先読み予告演出の保留図柄とを異なる保留図柄としてもよい。同一図柄の場合は、実行タイミングが異なっても同一の先読み予告演出として扱い、一律の演出をもって大当りへの期待度を示すことができる。異なる図柄の、図柄表示態様の違いや種類数の違いにより別の先読み演出として見せることができ、延いては、異なる先読み演出として期待度を異ならせることが可能であり、加えて、両演出の実行タイミングの違いにより大当りへの期待度が異なる構成とすることで、より効果を発揮する。
尚、先読み予告演出図柄として、通常の保留図柄とは異なる保留図柄は、複数種類で構成することが望ましい。例えば、大当りとなる期待度の高い保留図柄、スーパーリーチとなる期待度の高い保留図柄、ノーマルリーチとなる期待度の高い保留図柄とを区別することが望ましい。更には、確変大当りとなる期待度の高い保留図柄、ラウンド数が最長の大当りとなる期待度の高い保留図柄を設けてもよい。
一方、先読み予告演出は、保留記憶を示す保留図柄を用いる構成に限るものではない。他の予告演出として、例えば、図19(b)に示すように、特図の変動中に、10秒ほどの短い物語演出(図例では空手家の格闘シーン)を差し込む構成でもよい。物語演出は、保留記憶内に大当り、スーパーリーチ又はリーチの可能性があると所定の先読み判定がされた保留記憶が存在する期間、複数の変動に跨って同一の物語を連続して差し込むことが望ましい(連続ストーリー予告)。尚、この種の先読み予告演出は、保留図柄を用いる構成とは異なり、どの保留記憶が大当りとなる期待を持てるものかを示すものではない。
更に他の予告演出として、例えば、図19(c)に示すように、特図の変動中に表示されるキャラクタの「熊の達吉」を、通常とは異なる「笑顔の熊の達吉」731に変更するようにしてもよい。尚、この種の先読み予告演出は、物語を用いる構成と同様に、どの保留記憶が大当りとなる期待を持てるものかを示すものではない。
第1実施形態のパチンコ機1では、第1実行開始条件が成立したか否かを判定する際に、前の保留記憶に対して既に先読み予告演出は実行されているか否かを判定し、実行されていれば、第1実行開始条件が成立しない構成でもよい。この場合、第1条件不成立フラグに「1」をセットする。これによれば、第2実行開始条件が成立したときに先読み予告演出を実行することができる。
また第1実施形態のパチンコ機1では、第1実行開始条件の不成立時に、第2実行開始条件が成立することで先読み予告演出を実行可能な構成であるが、第1実行条件の成立、不成立に拘わらず、第2実行開始条件の成立により先読み予告演出を実行可能な構成でもよい。この場合、第2実行開始条件が成立したか否かを判定する際に、保留記憶が所定記憶数以上存在し、且つ先読み判定内容が所定の判定内容であれば、先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
第1実施形態のパチンコ機1は、始動口〔図2:23、24〕に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段〔図7:S202、S207〕と、数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留記憶として複数記憶可能な保留記憶手段〔図7:S202、S207〕と、保留記憶手段に記憶された数値データに基づいて遊技者に有利な特別遊技に移行するか否かの当否判定を実行する当否判定手段〔図2:S313〕と、当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示し、後に特別図柄を確定表示して結果を報知する特別図柄表示装置〔図2:28A、28B〕と、数値データ抽出手段により抽出された数値データの内容を、当該数値データに基づく当否判定よりも前に確認する数値データ確認手段〔図7:S203、S208〕と、数値データ確認手段により確認された確認結果が所定の確認結果であるとき、確認された数値データの特別遊技に移行する期待度を示唆する先読み予告演出を実行する先読み予告演出制御手段〔図16:S505、図17:S604〕と、を備え、先読み予告演出制御手段は、所定の変動態様による特別図柄の変動中に、始動口へ入球したことを第1実行開始条件として、当該入球に起因して抽出された数値データの先読み予告演出を開始可能とし、又は、前記始動口への入球後、前記第1実行開始条件にて前記先読み予告演出が開始されていない場合、新たな特別図柄の変動の開始時に、保留記憶の数が所定記憶数以上あることを第2実行開始条件として、前記入球に起因して抽出された数値データの先読み予告演出を開始可能とする。
第1実施形態のパチンコ機1によれば、リーチ演出が行われないハズレの特図変動中に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24へ入球し、抽出された乱数が先読み判定により大当りやリーチ等の可能性があれば、第1実行開始条件が成立したとされ、先読み予告演出が実行される。一方、第1実行開始条件が成立しない場合でも、新たに特図変動が開始され、当否判定が未処理の保留記憶が一つ以上存在しており、保留記憶に先読み判定により大当りやリーチ等の可能性のあるものがあれば、第2実行開始条件が成立したとされ、先読み予告演出が実行される。従って、先読み予告演出の実行の頻度を高めることができ、先読み予告演出を十分に活用することができる。拠って、先読み予告演出が頻繁に行われ、遊技者の期待感を高かめることができる興趣の豊かな構成である。
〈第2実施形態〉
本発明を適用した第2実施形態のパチンコ機を説明する。
前記第1実施形態のパチンコ機1は、先読み判定の結果が大当りとなる判定であっても、第1実行開始条件及び第2実行開始条件がいずれも不成立であれば、先読み予告演出が行われない。そこで、第2実施形態のパチンコ機は、先読み判定の結果が大当りで、第1実行開始条件及び第2実行開始条件が成立しなくても、先読み予告演出を実行可能な構成として、先読み予告演出をより多彩に活用することができるようにしたものである。尚、第2実施形態のパチンコ機の基本構成は、第1実施形態のそれとほぼ同一で、相違点を中心に説明する。
パチンコ機は、サブ統合制御装置42において、第1実施形態と同様に「第1実行開始条件処理A」(図16)が実行される。続いて、図20に示す「第2実行開始条件処理B」が実行され、先読み予告演出の制御を行う。この処理は、先ず、第1特図又は第2特図の特図変動開始コマンド(変動開始信号)を受信したか否かを判定する(S610)。否定判定であれば(S610:no)、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンにリターンして本処理を終了する。
前記S610の処理において肯定判定であれば(S610:yes)、S611の処理において、第1条件不成立フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(S611:no)、リターンする。
肯定判定であれば(S611:yes)、S612の処理において、第1特図及び第2特図の保留記憶数が「2個」以上であるか否かを判定する。肯定判定であれば(S612:yes)、S613の処理において、第1条件不成立フラグを「0」にリセットする。続いて、先読み予告演出を実行する(S614)。本処理においてサブ統合制御装置42は、先読み予告演出の実行に関するコマンドを演出図柄制御装置43へ送信し、これにより演出図柄表示装置21にて演出が行われる。その後、リターンする。
前記S612の処理において否定判定であれば(S612:no)、S615の処理において、第1条件不成立フラグを「0」にリセットする。続いて、先読み判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S616)。否定判定であれば(S616:no)、リターンする。肯定判定であれば(S616:yes)、特別先読み予告演出を実行する(S617)。本処理においてサブ統合制御装置42は、特別先読み予告演出の実行に関するコマンドを演出図柄制御装置43へ送信し、これにより演出図柄表示装置21にて演出が行われる。その後、リターンする。
このように、パチンコ機は、第1実行開始条件又は第2実行開始条件が成立することで通常の先読み予告演出を実行し、これらの条件が不成立では特別先読み予告演出を実行する。第1実行開始条件及び第2実行開始条件がいずれも不成立の場合は、変動中のもの以外の保留記憶が存在しない状態である。従って、特別先読み予告演出は、当否判定に基づいて変動する保留記憶の大当りとなる期待度を示す予告を行う演出である。
特別先読み予告演出は、図21に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面において、下端部の中央に特別先読み図柄750が表示される。尚、特別先読み図柄750は、第1保留表示710及び第2保留表示720の保留図柄とは異なる図柄(図例では星図柄)を用いる。
尚、特別先読み演出は、特図の変動中に表示され、第1特図の変動であるか第2特図の変動であるかを示す変動中図柄を用いる構成でもよい。その上で、特別先読み演出の条件が成立した場合に、特別先読み図柄750に変更することが望ましい。尚、特別先読み演出は、先読み対象となる保留記憶の変動中に予告表示することから、先読み演出とは言えないとされるおそれがある。しかしながら、特別先読み演出は、開始起因が先読みコマンドの判定に基づいているため先読み予告演出に属するものである。無論、通常の予告として、変動開始時に先読み予告演出が行なわれていなかった事を条件に開始する予告演出として処理する構成も考えられる。
更に、特別先読み予告演出は、特図の変動中に、10秒ほどの短時間の前記物語演出(図19(b)参照)を差し込む構成でもよい。また、特図の変動中に表示されるキャラクタの「熊の達吉」を、通常とは異なる「笑顔の熊の達吉」(図19(c)参照)に変更するようにしてもよい。
第2実施形態のパチンコ機は、先読み予告演出制御手段〔図16:S505、図20:S614〕を備えている。先読み予告演出制御手段は、数値データ確認手段〔図7:S203、S208〕により確認された数値データの確認結果が特定の確認結果(大当り)であるときに、第1実行開始条件及び第2実行開始条件がいずれも成立しなかった場合に、特別先読み予告演出を実行可能な構成である。
第2実施形態のパチンコ機によれば、第1実行開始条件及び第2実行開始条件がいずれも成立しなくても、先読み判定の結果が大当りのときに、特別先読み予告演出を行う。よって、先読み判定を活かすことができ、予告演出の実行の頻度を高めることができる。
尚、第2実施形態のパチンコ機において、「第2実行開始条件処理B」は、処理を、変動開始信号の判定、第1条件不成立フラグの判定、保留記憶数の判定の順に実行しているが、これに限らず、判定順序を変えてもよい。例えば、先に、特図変動中の判定、変動内容の判定を行い、次に、先読み判定信号の判定、判定内容の判定を行う構成でもよい。
〈第3実施形態〉
本発明を適用した第3実施形態のパチンコ機を説明する。第3実施形態のパチンコ機は、先読み判定の判定内容が大当りであるときに(特定の確認結果)、第1実行開始条件が成立していても先読み予告演出を実行せず、第2実行開始条件が成立することにより先読み予告演出を開始することが可能な構成である。第3実施形態のパチンコ機の基本構成は、第1実施形態のそれとほぼ同一で、相違点を中心に説明する。
第3実施形態のパチンコ機は、サブ統合制御装置42において、図22に示す「第1実行開始条件処理C」が実行され、先読み予告演出の制御を行う。この処理は、先ず、主制御装置40から先読み判定信号(先読みコマンド)を受信したか否かを確認する(S520)。先読みコマンドの受信がなければ(S520:no)、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンにリターンして、本処理を終了する。
先読みコマンドの受信があれば(S520:yes)、S521の処理において、先読みコマンドの判定内容が、大当り、スーパーリーチ、リーチ等の所定の判定内容であるか否かを判定する。尚、先読みコマンドの判定内容は、当該保留記憶の変動が終了するまで、サブ統合制御装置42の所定の記憶領域に記憶しておくことが望ましい。
前記S521の処理において、否定判定であれば(S521:no)、リターンする。肯定判定であれば(S521:yes)、S522の処理において、受信した先読みコマンドが生起された保留記憶の特図始動口への入球時、特図が変動中であるか否かを判定する。変動中であれば(S522:yes)、S523の処理において変動中の特図の変動内容を参照する。
続いて、変動内容が、リーチを行わない「ノーマルハズレ変動」であるか否かを判定する(S524)。肯定判定であれば(S524:yes)、S525の処理において受信した先読みコマンドの判定内容が、大当りとなる特定の判定内容であるか否かを判定する。否定判定であれば(S524:yes)、S527の処理において、受信した先読みコマンドに対応する所定の判定内容での先読み予告演出を実行する。その後、リターンする。
前記S525の処理において肯定判定であれば(S525:yes)、S526の処理において、特定の判定内容での先読み予告演出を実行するか否かを判定する。この場合、例えば、乱数を抽出し、乱数を用いた抽選で先読み予告演出を実行するか否かを判定する構成が望ましい。
前記S526の処理において肯定判定であれば(S526:yes)、前記S526の処理において特定の判定内容での先読み予告演出を実行する。その後、リターンする。
一方、前記S526の処理において否定判定であれば(S526:no)、S528の処理において、特定の判定内容での先読み予告演出が実行されていないことを示す特定判定フラグに「1」をセットする。その後、リターンする。
前記S522の処理で特図の変動中でない場合(S522:no)、又は、前記S524の処理で「ノーマルハズレ変動」でない場合(S523:no)には、S529の処理において第1条件不成立フラグに「1」をセットする。その後、リターンする。
「第1実行開始条件処理C」は、第1特図又は第2特図のノーマルハズレ変動中に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24へ遊技球が入球し、入球に起因する保留記憶の先読み判定の内容(結果)が大当り以外のスーパーリーチやリーチの判定内容であれば、先読み予告演出を実行する。この場合、先読み予告演出は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球後、直ちに開始される。
一方、判定内容が大当りのときは、先読み予告演出を実行しないようにできる。
尚、「第1実行開始条件処理C」は、処理を、先読み判定信号の判定、判定内容の判定、特図変動中の判定、変動内容の判定の順に実行しているが、これに限らず、判定順序を変えてもよい。
「第1実行開始条件処理C」に続いて、「第2実行開始条件処理C」が実行される。図23に示すように、「第2実行開始条件処理C」は、先ず、主制御装置40から第1特図又は第2特図の特図変動開始コマンド(変動開始信号)を受信したか否かを判定する(S620)。即ち、主制御装置40から第1特図又は第2特図の疑似演出図柄を変動させるように指示があるか無いかを判定する。否定判定であれば(S620:no)、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンにリターンし、本処理を終了する。
前記S620の処理において肯定判定であれば(S620:yes)、S621の処理において、第1条件不成立フラグが「1」であるか否かを判定する。肯定判定であれば(S621:yes)、S623の処理において、第1特図及び第2特図の保留記憶数が「2個」以上であるか否かを判定する。否定判定であれば(S623:no)、リターンする。
肯定判定であれば(S623:yes)、S624の処理において、第1条件不成立フラグを「0」にリセットする。続いて、特定判定フラグを「0」にリセットする(S625)。そして、所定の判定内容での先読み予告演出を実行する(S626)。その後、リターンする。
前記S621の処理において、否定判定であれば(S621:no)、S622の処理において、特定判定フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(S622:no)、リターンする。
肯定判定であれば(S622:yes)、S623の処理において、第1特図及び第2特図の保留記憶数が「2個」以上であるか否かを判定する。肯定判定であれば(S623:yes)、S624の処理において、第1条件不成立フラグを「0」にリセットする。続いて、特定判定フラグを「0」にリセットする(S625)。そして、特定の判定内容での先読み予告演出を実行する(S626)。その後、リターンする。
「第2実行開始条件処理C」は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因する保留記憶の先読み判定の内容(結果)が所定の判定内容であるが、第1実行開始条件が不成立である場合に、新たな第1特図又は第2特図の変動の開始時に、保留記憶の数が所定記憶数以上あれば、先読み予告演出を実行する。この場合、先読み予告演出は、第1特図又は第2特図の変動開始時に開始される。
一方、保留記憶の先読み判定による判定内容が大当り(特定の判定内容)であって、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球後、直ちに先読み予告演出が開始されていない場合、新たな第1特図又は第2特図の変動の開始時に、保留記憶の数が所定記憶数以上あれば、判定内容が大当りの保留記憶の先読み予告演出を実行する。この場合も、先読み予告演出は、第1特図又は第2特図の変動開始時に開始される。
尚、第3実施形態のパチンコ機は、第2実施形態と同様に、特別先読み予告演出を実行可能な構成としてもよい。
第3実施形態のパチンコ機は、先読み予告演出制御手段〔図22:S527、図23:S626〕を備えている。先読み予告演出制御手段は、数値データ確認手段〔図7:S202、S207〕により確認された数値データの確認結果が特定の確認結果であるときに、第1実行開始条件が成立していても先読み予告演出を開始せず、第2実行開始条件が成立することにより先読み予告演出を開始することが可能な構成である。
第3実施形態のパチンコ機は、大当りの期待度の高い先読み予告演出を、始動口への入球直後には実行せず、特図の変動開始時に実行するようにできる。これにより、遊技者に、特図の変動開始時に実行された先読み予告演出が大当りの期待度の高いものと認識させることができる。従って、大当りの期待度の高い先読み予告演出が、第1実行開始条件の成立により実行されるのか、第2実行開始条件の成立により実行されるのかといった演出開始タイミングを遊技者に意識させることで、一方のタイミングでは予告演出の信頼性が高く、他方のタイミングでは信頼性が低いといった興趣を添えることができる。
尚、第3実施形態のパチンコ機において、「第2実行開始条件処理C」は、処理を、変動開始信号の判定、第1条件不成立フラグの判定の順に実行しているが、これに限らず、判定順序を変えてもよい。
また、第3実施形態のパチンコ機は、第2実施形態と同様に、特別先読み予告演出を実行可能な構成としてもよい。
〈第4実施形態〉
本発明を適用した第4実施形態のパチンコ機を説明する。第4実施形態のパチンコ機は、先読み判定の判定内容が大当りであるときに(特定の確認結果)、第1実行開始条件が成立することで先読み予告演出を実行する。一方、第2実行開始条件が成立しても、先読み判定の判定内容が大当りであるときには先読み予告演出を実行しないことが可能な構成である。第4実施形態のパチンコ機の基本構成は、第1実施形態のそれとほぼ同一で、相違点を中心に説明する。
パチンコ機は、サブ統合制御装置42において、第1実施形態と同様に「第1実行開始条件処理A」(図16)が実行される。続いて、図24に示す「第2実行開始条件処理D」が実行され、先読み予告演出の制御を行う。この処理は、先ず、第1特図又は第2特図の特図変動開始コマンド(変動開始信号)を受信したか否かを判定する(S630)。否定判定であれば(S630:no)、サブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンにリターンして、本処理を終了する。
前記S630の処理において肯定判定であれば(S630:yes)、S631の処理において、第1条件不成立フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(S631:no)、リターンする。
前記S631の処理において肯定判定であれば(S631:yes)、S632の処理において、第1特図及び第2特図の保留記憶数が「2個」以上であるか否かを判定する。否定判定であれば(S632:no)、リターンする。
前記S632の処理において肯定判定であれば(S632:yes)、S633の処理において受信した先読みコマンドの判定内容が、大当りとなる特定の判定内容であるか否かを判定する。否定判定であれば(S633:yes)、S635の処理において、第1条件不成立フラグを「0」にリセットする。続いて、所定の判定内容での先読み予告演出を実行する(S636)。その後、リターンする。
前記S633の処理において肯定判定であれば(S633:yes)、S634の処理において、特定の判定内容での先読み予告演出を実行するか否かを判定する。この場合、例えば、乱数を抽出し、乱数を用いた抽選で先読み予告演出を実行するか否かを判定する構成が望ましい。
前記S634の処理において肯定判定であれば(S634:yes)、前記635の処理を経て、前記S526の処理において特定の判定内容での先読み予告演出を実行する。その後、リターンする。
一方、前記S634の処理において否定判定であれば(S634:no)、特定の判定内容での先読み予告演出を実行せず、リターンする。
「第2実行開始条件処理D」は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因する保留記憶の先読み判定の内容が所定の判定内容であるが、第1実行開始条件が不成立である場合に、新たな第1特図又は第2特図の変動の開始時に、保留記憶の数が所定記憶数以上あれば、所定の判定内容の先読み予告演出を実行する。この場合、先読み予告演出は、第1特図又は第2特図の変動開始時に開始される。
一方、先読み判定による判定内容が大当り(特定の判定内容)であるときは、第1実行開始条件の成立、不成立に拘わらず先読み予告演出を実行しないようにできる。
第4実施形態のパチンコ機は、先読み予告演出制御手段〔図22:S527、図23:S626〕を備えている。先読み予告演出制御手段は、数値データ確認手段〔図7:S202、S207〕により確認された数値データの確認結果が特定の確認結果であるときに、第1実行開始条件が成立することにより先読み予告演出を開始するが、第2実行開始条件が成立しても先読み予告演出を開始しないことが可能な構成である。
第4実施形態のパチンコ機は、大当りの期待度の高い先読み予告演出を、始動口への入球直後には実行するが、特図の変動開始時に実行しないようにできる。これにより、遊技者に、始動口への入球直後に実行された先読み予告演出が大当りの期待度の高いものと認識させることができる。従って、大当りの期待度の高い先読み予告演出が、第1実行開始条件の成立により実行されるのか、第2実行開始条件の成立により実行されるのかといった演出開始タイミングを遊技者に意識させることで、一方のタイミングでは予告演出の信頼性が高く、他方のタイミングでは信頼性が低いといった興趣を添えることができる。
尚、第4実施形態のパチンコ機において、「第2実行開始条件処理D」は、処理を、変動開始信号の判定、第1条件不成立フラグの判定、保留記憶数の判定の順に実行しているが、これに限らず、これらの判定順序を変えてもよい。
また、第4実施形態のパチンコ機は、第2実施形態と同様に、特別先読み予告演出を実行可能な構成としてもよい。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、第3実施形態に記載の先読み判定の判定内容が特定の判定内容であるときに、第1実行開始条件では先読み予告演出を実行せず、第2実行開始条件で先読み予告演出を開始することが可能な構成と、第4実施形態に記載の先読み判定の判定内容が特定の判定内容であるときに、第1実行開始条件で先読み予告演出を実行する一方、第2実行開始条件では先読み予告演出を実行しないことを可能な構成とを組み合わせてもよい。この場合、特定の判定内容を複数種類設け、特定の判定内容の種類に応じて、第3実施形態の構成と、第4実施形態の構成とを使い分けることが望ましい。例えば、特定の判定内容が通常の大当りであれば、第3実施形態の構成を用い、特定の判定内容が確変大当りであれば、第4実施形態の構成を用いるようにしてもよい。また、先読み予告演出を複数種類備え、第1先読み予告演出は第3実施形態の構成、第2先読み予告演出は第4実施形態の構成とすることも考えられる。このようにすれば、始動口入球時には第2先読み予告演出をより期待させるようにでき、変動開始時には第1先読み予告演出をより期待させるようにでき、先読み予告演出を複合して同時期に実施しても期待するポイントをずらして用いることができる。
更に、第1実施形態のどちらのタイミングでも期待ができる第3先読み予告演出を組み合わせることもできる。これによれば、始動口入球時では第2先読み予告演出、第3先読み予告演出をより期待させ、変動開始時には第1先読み予告演出、第3先読み予告演出をより期待させることとなる。
また本発明は、特別図柄の当否判定で、小当りを備えたパチンコ機に適用してもよい。その場合、先読み予告演出として、主に大当りの期待度を示す第1先読み予告演出と、主に小当りの期待度を示す第2先読み予告演出とを実行可能とし、それぞれが第1実施形態乃至第4実施形態の構成のいずれかで実施することも考えられる。例えば第1先読み予告演出を第4実施形態で実施し、第2先読み予告演出を第3実施形態で実施するならば、始動口入球時は大当りするか否かを第1先読み予告演出で期待させるようにし、変動開始時は小当りするか否かを第2先読み予告演出で期待させるようにできる。
更に、本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射すると共に、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
1 パチンコ機(弾球遊技機)
21 演出図柄表示装置
23 第1特図始動口(始動口)
24 第2特図始動口(始動口)
25 大入賞口
28A 第1特図表示装置(特別図柄表示装置)
28B 第2特図表示装置(特別図柄表示装置)
40 主制御装置(数値データ抽出手段、保留記憶手段、当否判定手段、数値データ確認手段)
42 サブ統合制御装置(先読み予告演出制御手段)

Claims (1)

  1. 始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
    前記数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留記憶として複数記憶可能な保留記憶手段と、
    前記保留記憶手段に記憶された数値データに基づいて遊技者に有利な特別遊技に移行するか否かの当否判定を実行する当否判定手段と、
    前記当否判定の結果を示す特別図柄を変動表示し、後に前記特別図柄を確定表示して前記結果を報知する特別図柄表示装置と、
    前記数値データ抽出手段により抽出された数値データの内容を、当該数値データに基づく前記当否判定よりも前に確認する数値データ確認手段と、
    前記数値データ確認手段により確認された確認結果が所定の確認結果であるとき、確認された数値データの前記特別遊技に移行する期待度を示唆する先読み予告演出を実行する先読み予告演出制御手段と、を備え、
    前記先読み予告演出制御手段は、
    所定の変動態様による前記特別図柄の変動中に前記始動口へ入球があると第1実行開始条件が成立したとして、当該入球に起因して抽出された数値データの前記先読み予告演出を前記入球に応じて開始可能とし、
    前記入球の後に前記第1実行開始条件の成立又は不成立に拘らず、新たな前記特別図柄の変動の開始時に前記保留記憶の数が所定記憶数以上ある第2実行開始条件が成立したとして、前記入球に起因して抽出された数値データの前記先読み予告演出を前記変動の開始に応じて開始可能とし、
    前記第1実行開始条件の成立により開始された前記先読み予告演出の演出態様と前記第2実行開始条件の成立により開始された前記先読み予告演出の演出態様とを相違させ、
    前記第1実行開始条件の成立により実行される前記先読み予告演出と、前記第2実行開始条件の成立により実行される前記先読み予告演出の、大当り期待度を異ならせることを特徴とする弾球遊技機。
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