JP5657873B2 - 脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体 - Google Patents
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この脆性破壊の発生を防止するための手法としては、CTOD(Crack-Tip Opening Displacement)試験等の材料評価試験により破壊靭性値(CTOD値)の優れた素材を厳選し、脆性破壊発生危険部位に用いる防止法が提案されるとともに、当該CTOD値が各種規格に取り入れられ、脆性破壊の発生防止を可能にしてきている。
(1)隅肉溶接および/または部分開先溶接で組み立てられる、十字溶接継手および/またはT字溶接継手を有する溶接構造体において、前記十字溶接継手および前記T字溶接継手は、その構成部材である貫通側鋼板および非貫通側鋼板のいずれもが複数の鋼板を突合せ溶接して構成され、それらの突合せ溶接継手の位置が、前記十字溶接継手または前記T字溶接継手の溶接方向で相互に重ならないようにシフト配置されて組み立てられ、前記十字溶接継手またはT字溶接継手の貫通側鋼板側の隅肉脚長または溶着断面長さL2を、溶接線方向の一部で、十字溶接継手またはT字溶接継手の非貫通側鋼板の板厚t1の1/4以上であって、10mm≦L2≦50mmの範囲、前記L2がt1の1/4以上を満足しない溶接線方向の範囲で、十字溶接継手またはT字溶接継手の非貫通側鋼板側の脚長または溶着断面長さL1を、貫通側鋼板側の隅肉脚長または溶着断面長さL2の0.7倍以下とすることにより、突合せ溶接継手に発生し十字溶接継手またはT字溶接継手に突入後に停止した脆性き裂に起因する、隅肉溶接および/または部分開先溶接での延性き裂または脆性き裂の発生を防止することを特徴とする、脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体。
(2)前記隅肉脚長または溶着断面長さL2の条件が、貫通側鋼板の突合せ溶接のビード端部から100mm以内の範囲において満足されることを特徴とする、上記(1)に記載の溶接構造体。
(3)前記鋼板が厚さ50〜100mmの厚板鋼板であり、該厚板鋼板の降伏強度が400MPa以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の溶接構造体。
(4)前記非貫通側鋼板と貫通側鋼板を接合する溶接金属がシャルピー衝撃値70J以上かつ脆性破面率30%以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶接構造体。
(5)前記非貫通側鋼板が船のハッチサイドコーミングであり、前記貫通側鋼板が船の強力甲板であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の溶接構造体。
まず、表1に示す鋼材を用いて非貫通側鋼板31を形成した。この非貫通側鋼板31は、2片の鋼板を突合せ溶接継手31aによって接合させたものを用いた。また、表1に示す鋼材を用いて、貫通側鋼板32を形成した。この貫通側鋼板32は、2片の鋼板を突合せ溶接継手32aによって接合させたものを用いた。そして、貫通側鋼板32に、非貫通側鋼板31を隅肉溶接または部分開先溶接することで溶接金属33を形成し、貫通側鋼板23と非貫通側鋼板31とT字溶接継手34によって接合した。なお、接合の際には、各溶接継手31a、32aの位置が相互に重ならないようにシフトさせた。また、突合せ溶接継手31aには、脆性き裂の起点となる切欠部38を設けた。
なお、図3に示す試験体1には、貫通側鋼板32の下側に、別の非貫通側鋼板を溶接した。これは、試験中に貫通側鋼板32の変形を防止する補強材となる。
このようにして、試験体1を製造した。
まず、表1に示す鋼材を用いて非貫通側鋼板41を形成した。この非貫通側鋼板41は、2片の鋼板を突合せ溶接継手41aによって接合させたものを用いた。また、表1に示す鋼材を用いて、貫通側鋼板42を形成した。この貫通側鋼板42は、2片の鋼板を突合せ溶接継手42aによって接合させたものを用いた。そして、貫通側鋼板42に、非貫通側鋼板41を隅肉溶接または部分開先溶接することで溶接金属43を形成し、貫通側鋼板42と非貫通側鋼板41とT字溶接継手44によって接合した。なお、接合の際には、各溶接継手41a、42aの位置が相互に重ならないようにシフトさせた。また、突合せ溶接継手42aには、脆性き裂の起点となる切欠部48を設けた。
このようにして、試験体2を製造した。
試験例2の部分開先溶接と、試験例3及び試験例4とはいずれも、L2≧t1/4を満たすものであった。従って、L2≧t1/4を満たす場合に、延性き裂が発生しないことが判る。
試験例5の場合と同様にして、表1に示す鋼材を用いて非貫通側鋼板41を形成した。この非貫通側鋼板41は、2片の鋼板を突合せ溶接継手41aによって接合させたものを用いた。また、表1に示す鋼材を用いて、貫通側鋼板42を形成した。この貫通側鋼板42は、2片の鋼板を突合せ溶接継手42aによって接合させたものを用いた。そして、貫通側鋼板42に、非貫通側鋼板41を隅肉溶接または部分開先溶接することで溶接金属43を形成し、貫通側鋼板42と非貫通側鋼板41とT字溶接継手44によって接合した。なお、接合の際には、各溶接継手41a、42aの位置が相互に重ならないようにシフトさせた。また、突合せ溶接継手42aには、脆性き裂の起点となる切欠部48を設けた。
このようにして、試験体2を製造した。
一方、試験例25の部分開先溶接および試験例26、27は、本発明例であり、請求項1の条件を満たしており、延性き裂および脆性破壊の再発生を防止することができ、本発明の有効性を確認できた。
また、試験例28も本発明例であり、請求項2の条件を満たしており、延性き裂は伝播したが、非貫通側鋼板の側のL1の側をき裂が伝播しており、貫通側鋼板の破壊を防止することができ、本発明の有効性が確認できた。
Claims (5)
- 隅肉溶接および/または部分開先溶接で組み立てられる、十字溶接継手および/またはT字溶接継手を有する溶接構造体において、
前記十字溶接継手および前記T字溶接継手は、その構成部材である貫通側鋼板および非貫通側鋼板のいずれもが複数の鋼板を突合せ溶接して構成され、それらの突合せ溶接継手の位置が、前記十字溶接継手または前記T字溶接継手の溶接方向で相互に重ならないようにシフト配置されて組み立てられ、
前記十字溶接継手またはT字溶接継手の貫通側鋼板側の隅肉脚長または溶着断面長さL2を、溶接線方向の一部で、十字溶接継手またはT字溶接継手の非貫通側鋼板の板厚t1の1/4以上であって、10mm≦L2≦50mmの範囲、
前記L2がt1の1/4以上を満足しない溶接線方向の範囲で、十字溶接継手またはT字溶接継手の非貫通側鋼板側の脚長または溶着断面長さL1を、貫通側鋼板側の隅肉脚長または溶着断面長さL2の0.7倍以下とすることにより、
突合せ溶接継手に発生し十字溶接継手またはT字溶接継手に突入後に停止した脆性き裂に起因する、隅肉溶接および/または部分開先溶接での延性き裂または脆性き裂の発生を防止することを特徴とする、脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体。 - 前記隅肉脚長または溶着断面長さL2の条件が、貫通側鋼板の突合せ溶接のビード端部から100mm以内の範囲において満足されることを特徴とする、請求項1に記載の脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体。
- 前記鋼板が厚さ50〜100mmの厚板鋼板であり、該厚板鋼板の降伏強度が400MPa以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体。
- 前記非貫通側鋼板と貫通側鋼板を接合する溶接金属がシャルピー衝撃値70J以上かつ脆性破面率30%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体。
- 前記非貫通側鋼板が船のハッチサイドコーミングであり、前記貫通側鋼板が船の強力甲板であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脆性き裂停止後の破壊発生防止特性に優れた溶接構造体。
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