JP3854415B2 - アレスト性に優れた鋼材を用いた建築構造物 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、アレスト性に優れた鋼材を、通しダイヤフラムとH形鋼梁フランジあるいは通しダイヤフラムとH形鋼梁フランジと拡幅プレートに使用して構築される建築構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、建築構造物は、大地震に対してある一定の塑性変形能力を持つものとして耐震設計されており、各々の建築構造物の有する塑性変形能力はその構造特性により判断されている。
鉄骨構造においては、鋼材が高い靭性を持つこと等を理由に建築構造物自体も高い塑性変形能力を持つものとして設計されている。
【0003】
しかしながら先の阪神大震災では、一部の被災鉄骨建築構造物で構造部材の脆性破断が観察された。
例えば、
(1)通しダイヤフラム4を用いて角形鋼管柱3とH形鋼梁5を溶接wした図8に示すようなラーメン構造の柱梁接合部において、図9に示すように、応力集中部であるH形鋼梁5のフランジ5f母材のスカラップ6底を起点として、脆性亀裂ckが発生して伝播し、H形鋼梁5のフランジ5f母材の全面が十分な塑性変形なくしてフランジ5f母材で脆性破断ccする例。
(2)通しダイヤフラム4を用いて角形鋼管柱3とH形鋼梁5を溶接wしたラーメン構造の柱梁接合部において、図10に示すように、H形鋼梁5のフランジ5fとダイヤフラム4が突き合わせ溶接された溶接w接合始終点を起点として、脆性亀裂ckが発生して伝播し、H形鋼梁5のフランジ5f母材の全面が十分な塑性変形なくして溶接部で脆性破断ccする例。
などが挙げられる。
【0004】
脆性破断は、切欠・亀裂、欠陥、構造的な応力・歪み集中部を起点として、最大主応力とほぼ直交する方向に瞬時に亀裂が伝播し、断面の一部または全断面が破断する現象である。
前述の(1)、(2)の事例は、地震力により梁端に曲げモーメントが作用し、上下フランジの内、破断した側のフランジ全面に材軸に沿って引張応力が作用した状態で発生したものと推測される。
【0005】
これら震災の被災事例や脆性破断の特徴を鑑みると、脆性破断は切欠・亀裂、欠陥、構造的な応力・歪み集中部を有し、曲げまたは引張力を受ける建築構造部材すべてに発生する可能性がある。
例えば、次の(3),(4),(5)などが考えられる。
(3)角形鋼管8aと角形鋼管8bを溶接接合するために、図11に示すようにエレクションピース9a、9bを溶接wした角形鋼管柱3aにおいては、材軸に沿って引張力が作用した場合、角形鋼管8a、8bとエレクションピース9a、9bとの溶接we接合部近傍において、角形鋼管柱3aの材軸の方向と直交する方向に脆性亀裂ckが発生して伝播し、角形鋼管柱3a母材全面が脆性破断ccする例。
【0006】
(4)デッキプレートを設置するための付属金物であるデッキプレート受け金物10を、フランジ5fに溶接したH形鋼梁5においては、図12に示すように、デッキプレート受け金物が取り付く側のフランジ5fに引張力が作用するような曲げモーメントが作用した場合、溶接wおよび断面変化による歪み集中が発生するデッキプレート受け金物10端部のH形鋼梁5のフランジ5fとの溶接w部を起点として、脆性亀裂ckが発生し伝播して、H形鋼梁5のフランジ5f母材全面が脆性破断ccする例。
【0007】
(5)角形鋼管8aと角形鋼管8bを溶接w接合して長さを確保した角形鋼管柱3aにおいては、図13に示すように、材軸に沿って引張力が作用した場合、溶接wによる歪み集中が発生する角形鋼管8aと角形鋼管8bの溶接w接合部を起点として、脆性亀裂ckが発生して溶接線に沿って伝播し、角形鋼管柱3a全面が脆性破断ccする例。
【0008】
脆性破断が発生した建築構造部材においては、十分な塑性変形を伴わずに急激に耐力が低下するため、このような建築構造部材で構築された建築構造物は、設計で期待した塑性変形能力を十分に発揮することなく崩壊に至る可能性がある。
【0009】
現状の建築構造物の設計・施工における脆性破断防止に向けた対応としては、母材に切欠が存在する場合には、極力応力集中の緩和ができるように角部にRを設けたり、全断面が突き合わせ溶接されるような梁フランジとダイヤフラムの溶接部ではフランジ両側にプレートを溶接して拡幅し、作用する応力を低減する等して、脆性破断の起点となる亀裂発生を防止するような配慮がなされている。
【0010】
一方、タンク、船舶等の分野では、特開昭60−49890号公報、実開昭59−43800号公報に、アレスト性(脆性亀裂伝播停止特性を意味する。以下「アレスト性」と略。)を付与して、万が一脆性亀裂が発生しても、亀裂の伝播を停止させる構造について開示がある。
【0011】
さらに、建築構造物を構成する建築構造部材は、脆性破断が生じた場合には、即、建築構造物の崩壊に直結する可能性があり、アレスト性を利用して建築構造部材の脆性破断を防止するためには、設計で期待する塑性変形の範囲内で亀裂が発生した場合、この亀裂の伝播を数十mmの範囲内で停止させる必要がある上、建築構造物の大地震に対する耐震設計においては、降伏後の塑性変形を考慮しており、降伏点以下の応力で数百mm〜数mの亀裂伝播の停止が必要とされる前記タンク、船舶とは異質で、厳しい特性が求められるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、建築構造部材の脆性破断による建築構造物の全体または部分的な崩壊、急激な耐力低下の防止を目的とするものである。即ち、建築構造部材母材での脆性破断の防止、及び溶接部での脆性破断の防止を目的とするものである。
【0013】
この脆性破断を防止するためには、2種類のアプローチがあると考えられる。
1つ目は、脆性破断の起点となる亀裂の発生を防止することである。具体的には、溶接による材料の局所的な脆化、急激な断面変化による応力集中等の亀裂発生要因を改善する従来技術で行われているアプローチである。しかしながら、こは特定箇所に対する対応であり、脆性亀裂が発生する可能性があるすべてに対して対応するのは困難である。したがって、現状の対応のみでは万が一亀裂が発生した場合には、脆性破断を回避することは難しい。
2つ目は、脆性亀裂の伝播をごく短い長さで停止させることで断面全体の脆性破断を防止するアプローチである。
【0014】
本発明は、後者のアプローチに関わるものであり、建築構造部材に脆性亀裂が発生した場合に、この脆性亀裂の伝播を数十mmの範囲内で停止させ、設計で期待する塑性変形の範囲内で断面全体の脆性破断を防止できる建築構造物を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、最低使用温度での靭性値Kcaが300Kgf/mm1.5 以上で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた鋼材を、通しダイヤフラムとH形鋼梁フランジあるいは通しダイヤフラムとH形鋼梁フランジと拡幅プレートに使用したことを特徴とする建築構造物である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(1)本発明は、建築構造物を構成する通しダイヤフラム、H形鋼梁、拡幅プレートのすべてまたは一部にアレスト性に優れた鋼材を用いることを特徴とするものであるが、本発明でアレスト性に優れた鋼材とは、最低使用温度での靭性値Kcaが300Kgf/mm1.5 以上で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有する鋼材である。
【0020】
ここで、小型アレスト試験とは、例えば、図1(a)、(b)に示すように、供試体1表面に隅肉溶接awにより厚さ10〜15mm、幅10〜20mmのスチフナー2を溶接し、供試体1の中間部分に位置する隅肉廻し溶接部bw中に切欠ckを施し、降伏応力以上で引張力を作用させて切欠cを起点として脆性亀裂を発生させるもので、母材表面からの脆性亀裂の伝播を停止させる能力を把握する試験である。
この際、隅肉溶接awは、試験温度に応じて脆性亀裂が発生しやすい、例えば60K〜80K級の溶接材料を選択し、脆性亀裂の発生を可能とさせるものである。
【0021】
脆性亀裂を発生させる溶接部は、供試体1とスチフナー2との間に形成することは不可欠ではなく、スチフナー2を用いず溶接材料を供試体1に直接溶接することにより形成してもよい。
なお、最低使用温度での靭性値Kcaは、通常温度勾配型ESSO試験または温度勾配型の二重引張試験等の破壊靭性試験により求められるもので、板材の側面からの亀裂の伝播を停止させる特性を評価するものであり、小型アレスト試験は、板材の表面からの亀裂の伝播を停止させる特性を評価するものである。
【0022】
(2)ここで、溶接する際の溶接材料には、基本的には普通鋼材に用いるものを使用してもよいが、部材に作用する主応力と直交する面の全面が突き合わされて溶接される際には、以下(2−1,2−2)に示すような手段で溶接部での破断を防止するようにする。
【0023】
(2−1)アレスト性に優れた鋼材としてNi含有鋼を用いる場合には、溶接材料にも最低使用温度での靭性値Kcaが300Kgf/mm1.5 以上で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた少なくとも0.1%以上のNiを含有する溶接材料(以下「Ni含有溶接材料」という。)を用いる。これにより、溶接部にもアレスト性を付与することができ、溶接部での全面脆性破断を防止することができる。
【0024】
なお、ここでは、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れたNi含有鋼を用いると限定的に規定しているが、亀裂伝播の長さ、深さは、サイズ、形状、構成部位等によっては、この規定値より大きくしても問題がない場合もある。
なお、アレスト性に優れたNi含有溶接材料は非常に高価であるため、その他として、溶接部にプレートを溶接して拡幅し作用する応力を低減することにより、溶接部での脆性破断を回避し、亀裂が必ずアレスト性を有する母材部で発生するようにしてもよい。
【0025】
(2−2)アレスト性に優れた鋼材としてNi含有鋼よりも安価である表層超細粒鋼を用いる場合には、溶接部にプレートを溶接して拡幅し作用する応力を低減することにより、溶接部での脆性破断を回避し、亀裂が必ずアレスト性を有する母材部に伝播するようにする。
なお、表層超細粒鋼は表層の超細粒部で亀裂の伝播を停止させるため、溶接により粗粒化した溶接熱影響部(HAZ)ではアレスト性が低下する。したがって、アレスト性に優れたNi含有の溶接材料を用いても粗粒HAZではアレスト性を失うこともあるため、拡幅等の処置が好適である。
【0026】
本発明の建築構造構造物を形成する際に、使用鋼材すべてに最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた鋼材を用いることは絶対条件ではなく、この建築構造部材の適用部位と要求されるアレスト性を考慮して各々のアレスト性能を選定すればよい。構成部位によっては通常の一般構造用鋼を用いてもよい。
【0027】
(3)本発明の建築構造物を形成する際に、鋼材のすべてまたは一部を、最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた鋼材とすることを特徴とするものであるが、この建築構造物を構築する場合において用いる鋼材は、全て最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有することは絶対条件ではなく、各構成部位に求められるアレスト性能を適宜選定すればよい。構成部位によっては通常の一般構造用鋼を用いてもよい。
また、建築構造部材を接合する際に溶接接合を用いる場合には、前記(2−1)、(2−2)のような手段で溶接部での脆性破断を防止することにより、建築構造物全体を脆性破壊し難くすることができる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
厚み25mm、一辺が400mmの角形鋼管柱3に厚み28mm、幅470mmの通しダイヤグラム4を取り付け、この通しダイヤフラム4に、フランジ厚24mm、ウエブ厚13mm、梁背500mm、梁幅200mmのH形鋼梁5を、突き合わせて溶接w接合した図2、図3に示したようなラーメン構造において、ダイヤフラム4とH形鋼梁5との溶接w接合部に対して、使用状態で規定される最大荷重を付与し、亀裂の発生とその伝播について調べた。
【0029】
(1)通しダイヤフラム4、H形鋼梁5、溶接材料を全て最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れたNi含有鋼とNi含有溶接材とで形成した、本発明の実施例では、通しダイヤグラム4とH形鋼梁5との溶接w接合部端部において、フランジ幅方向に脆性亀裂ckが発生したものの、その亀裂は40mmで停止した。
また、この例で、H形鋼梁5のフランジ5fを最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れたNi含有鋼で形成し、ウエブ5uを一般構造用鋼材で形成したビルドタイプのH形鋼梁で代替した例でも、同様な結果が得られた。
【0030】
(2)これに対して、通しダイヤフラム4、H形鋼梁5、溶接材を全て一般構造用鋼材で形成した比較例では、図4(a)に示すように、通しダイヤグラム4とH形鋼梁5との溶接w部で脆性亀裂ckが発生し、この亀裂ckは溶接w線に沿って伝播して脆性破断ccした。
また、図4(b)に示すように、スカラップ6底のフランジ5f母材で脆性破断する場合もあった。
【0031】
(実施例2)
厚み25mm、一辺が400mmの角形鋼管柱3に厚み28mm、幅470mmの通しダイヤグラム4を取り付け、この通しダイヤフラムに、フランジ厚24mm、ウエブ厚13mm、梁背500mm、梁幅200mmのH形鋼梁5を、突き合わせて溶接接合する場合に、通しダイヤフラム4とH形鋼梁5のフランジ5fに拡幅プレート7を溶接wした図5に示したようなラーメン構造において、ダイヤフラム4とH形鋼梁5および拡幅プレート7の溶接w接合部に対して、使用状態で規定される最大荷重を付与し、亀裂の発生とその伝播について調べた。
【0032】
(1)通しダイヤフラム、H形鋼梁5、拡幅プレート7、溶接材料を全て最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた表層超細粒鋼材で形成した本発明の実施例では、拡幅プレート7とH形鋼梁5のフランジ5fの溶接w接合部端で、H形鋼梁5のフランジ5f母材に脆性亀裂ckが発生したが、この亀裂は、H形鋼梁5のフランジ5f母材に40mm伝播して停止し、脆性破断することはなかった。
【0033】
また、この例で、H形鋼梁のフランジを最低使用温度での靭性値Kca300Kgf/mm1.5 で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた表層超細粒鋼材で形成し、ウエブを一般構造用鋼材で形成したビルドタイプのH形鋼梁で代替した例でも、拡幅プレートとH形鋼梁のフランジの溶接接合部端で、H形鋼梁のフランジ母材に同様の脆性亀裂ckが発生したが、この亀裂はH形鋼梁のフランジ母材に40mm伝播して停止し、脆性破断することはなかった。
【0034】
(2)これに対して、通しダイヤフラム4、H形鋼梁5、拡幅プレート7、溶接材を全て一般構造用鋼材で形成した比較例では、図7(a)に示すように、拡幅プレート7とH形鋼梁5のフランジ5fの溶接w接合部端で、H形鋼梁5のフランジ5f母材に脆性亀裂ckが発生し、この亀裂は、H形鋼梁5のフランジ5f母材の全幅に脆性破断ccを生じ、図7(b)に示すように、H形鋼梁5のウエブ5u母材にも、その高さの約1/2の亀裂を発生した。
【0035】
なお、本発明は、上記の実施例1、2に示すような建築構造物に限定されるものではない。また、各種の溶接接合を行う建築構造鋼材だけではなく、ボルト接合による接合を行う建築構造物においても適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、
(1)アレスト性に優れた鋼材、例えばNi含有鋼を用いることにより、地震時に脆性亀裂が発生しても建築構造物の一部または全体の崩壊を回避することができ、地震による被害を大幅に低減することができる。
(2)鋼材として、アレスト性に優れ、Ni含有鋼より安価な表層超細粒鋼を用いることにより、Ni含有鋼を用いる場合より低コストで上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明でアレスト性を評価するための小型アレスト試験方法例を示す説明図で、(a)図は立体説明図、(b)図は(a)図の一部平面説明図。
【図2】本発明を適用するラーメン構造例を示す立体説明図。
【図3】図2のラーメン構造例で本発明を適用した場合の、通しダイヤフラムとH形鋼梁の溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す平面説明図。
【図4】(a)図は、図2のラーメン構造例での比較例における通しダイヤフラムとH形鋼梁の溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す平面説明図、(b)図は(a)図の立面説明図。
【図5】本発明を適用する他のラーメン構造例を示す立体説明図。
【図6】図5のラーメン構造例で本発明を適用した場合の、通しダイヤフラムとH形鋼梁の溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す平面説明図。
【図7】(a)図は、図5のラーメン構造例での比較例における、通しダイヤフラムとH形鋼梁の溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す平面説明図、(b)図は (a)図の立面説明図。
【図8】従来の一般的なラーメン構造例を示す立体説明図。
【図9】図8のラーメン構造例でのH形鋼梁のスカラップ部付近での亀裂発生、伝播状況を示す立面説明図。
【図10】図8のラーメン構造例での通しダイヤフラムとH形鋼梁の溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す平面説明図。
【図11】従来の角形鋼管と角形鋼管をエレクションピースを用いて溶接接合して角形鋼管柱を形成した場合の、エレクションピース溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す立体説明図。
【図12】従来のH形鋼梁とデッキプレート受け金物との溶接部付近での亀裂発生、伝播状況を示す立体説明図。
【図13】従来の角形鋼管と角形鋼管を溶接接合して長さを確保した角形鋼管柱の、溶接部での亀裂発生、伝播状況を示す立体説明図。
【符号の説明】
1 :供試体
2 :スチフナー
aw:隅肉溶接
bw:隅肉廻し溶接部
c :脆性亀裂
cc:脆性破断
3、3a:角形鋼管柱
4 :ダイヤフラム
5 :H形鋼梁
5f:フランジ
5u:ウェブ
6 :スカラップ
7 :拡幅プレート
w、we:溶接
8a、8b:角形鋼管
9a、9b:エレクションピース
10 :デッキプレート受け金物
Claims (1)
- 最低使用温度での靭性値Kcaが300Kgf/mm1.5 以上で、小型アレスト試験による脆性亀裂を長さ40mm、深さ15mm以下で停止させる能力を有するアレスト性に優れた鋼材を、通しダイヤフラムとH形鋼梁フランジあるいは通しダイヤフラムとH形鋼梁フランジと拡幅プレートに使用したことを特徴とする建築構造物。
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JP33989598A JP3854415B2 (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | アレスト性に優れた鋼材を用いた建築構造物 |
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JP33989598A JP3854415B2 (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | アレスト性に優れた鋼材を用いた建築構造物 |
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Family Applications (1)
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