JP5656591B2 - 裸眼式立体画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レンチキュラー層を有する裸眼式の立体画像表示装置で発生する、モアレ(干渉縞)や画素の明暗によるギラツキを、表面部材によって、立体感を損なわずに抑制する技術に関する。
従来、裸眼式の立体画像表示装置の一つとして、特許文献1に記載されているように、レンチキュラーレンズにより左目用画像と右目用画像を分離して、特定の観察範囲において立体画像が観察可能な表示装置がある。このレンチキュラーレンズは、シート状のものや、電圧を印加することで液晶をレンズ形状にする液晶層を設けるなどの方法から形成される。
このレンチキュラー方式による立体画像表示では、非特許文献1に記載されているように、いくつかの要因によってモアレが認識される。また、画素間に存在するブラックマトリックスは光を遮断しているが、観察範囲では画素とブラックマトリックスが拡大されて見えるため、その明暗がギラツキと認識される。このギラツキは特に白表示において顕著である。
このモアレを解決する手段として、特許文献2、3では、レンチキュラーの視認側にディフューザ(拡散体)を配置することが記載されている。
また、特許文献4では、表示部とレンチキュラーとの間に拡散板を配置することが記載されている。
しかしながら、前述の特許文献2には、モアレを消失するための条件(例えばヘイズ)については記載されておらず、実施例においても層構成のみの記載であり、立体感に関しては記載すらない。
また、レンチキュラーの前に拡散体を配置すると立体画像の立体感が失われ、平面画像となることも知られており(特許文献5参照)、これまで立体視感とギラツキ抑制の両立については充分な検討がなされていなかった。
特許第4196889号 特開平9−133893号 特開2005−172969号 特開2005−316372号 特開2001−330713号
SID2009 31.3「Reduction and Measurement of 3D Moire Caused by Lenticular Sheet and Backlight」 S.Uehara et.al.
本発明は前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、その目的は、レンチキュラー層を有する裸眼式の立体画像表示装置で発生する、モアレ(干渉縞)や画素の明暗によるギラツキを、表面部材によって、立体感を損なわずに抑制できる裸眼式立体画像表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の手段により達成できる。
<1>
視認側から、表面部材、レンチキュラー層、表示部を有する裸眼式立体画像表示装置であって、
該表面部材の表面ヘイズが1〜32%で、内部ヘイズが2.1〜28%で、全ヘイズが8.5〜45%である裸眼式立体画像表示装置。
<2>
前記表面部材の表面ヘイズが3〜25%で、内部ヘイズが2.1〜15%である<1>記載の裸眼式立体画像表示装置。
<3>
前記表面部材が、表面凹凸を有する<1>又は<2>記載の裸眼式立体画像表示装置。
<4>
前記表面部材が、バインダーと少なくとも1種の直径1〜20μmの粒子とを含む散乱構造を有し、該バインダーと該粒子との屈折率差が0.0〜0.2である<1>〜<3>のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
<5>
前記表面部材が、相分離によるドメイン間の屈折率差が0.02〜0.1である海島構造を有する<1>〜<3>のいずれか一項記載の裸眼式立体画像装置。
<6>
前記表面部材が、さらに機能性層を有してなる<1>〜<5>のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
<7>
前記機能性層が、反射防止層、耐擦傷性層、防汚性層及び帯電防止層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層である<6>記載の裸眼式立体画像表示装置。
<8>
前記表面部材が、光学フィルムである<1>〜<5>のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
<9>
前記表示部が、液晶セルと、少なくとも該液晶セルの視認側に偏光板とを有し、前記光学フィルムが視認側偏光板の保護フィルムである<8>記載の裸眼式立体画像表示装置
発明は、上記<1>〜<>に関するものであるが、その他の事項(たとえば下記(1)〜(14)に記載した事項など)についても参考のために記載した。
(1)
視認側から、表面部材、レンチキュラー層、表示部を有する裸眼式立体画像表示装置であって、
該表面部材の表面ヘイズが1〜35%で、内部ヘイズが0〜30%である裸眼式立体画像表示装置。
(2)
前記表面部材の全ヘイズが1〜45%である(1)記載の裸眼式立体画像表示装置。
(3)
前記表面部材の表面ヘイズが3〜25%で、内部ヘイズが0〜15%である(1)又は(2)記載の裸眼式立体画像表示装置。
(4)
前記表面部材が、表面凹凸を有する(1)〜(3)のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
(5)
前記表面部材が、バインダーと少なくとも1種の直径1〜20μmの粒子とを含む散乱構造を有し、該バインダーと該粒子との屈折率差が0.0〜0.2である(1)〜(4)のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
(6)
前記表面部材が、相分離によるドメイン間の屈折率差が0.02〜0.1である海島構造を有する(1)〜(4)のいずれか一項記載の裸眼式立体画像装置。
(7)
前記表面部材が、更に機能性層を有してなる(1)〜(6)のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
(8)
前記機能性層が、反射防止層、耐擦傷性層、防汚性層及び帯電防止層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層である(7)記載の裸眼式立体画像表示装置。
(9)
前記表面部材が、光学フィルムである(1)〜(6)のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
(10)
前記表示部が、液晶セルと、少なくとも該液晶セルの視認側に偏光板とを有し、前記光学フィルムが視認側偏光板の保護フィルムである(9)記載の裸眼式立体画像表示装置。
(11)
(9)又は(10)記載の光学フィルムを含む裸眼式立体画像表示装置用フィルムであって、該光学フィルムが、支持体上に、バインダーと少なくとも1種の直径1〜20μmの粒子とを含む散乱構造が塗布により作製された層である裸眼式立体画像表示装置用フィルム。
(12)
前記支持体が、セルロースアシレート、アクリル樹脂、ポリエステル及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む(11)記載の裸眼式立体画像表示装置用フィルム。
(13)
前記光学フィルムが、更に機能性層を有してなる(11)又は(12)記載の裸眼式立体画像表示装置用フィルム。
(14)
前記機能性層が、反射防止層、耐擦傷性層、防汚性層及び帯電防止層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層である(13)記載の裸眼式立体画像表示装置用フィルム。
本発明によれば、モアレ(干渉縞)や画素の明暗によるギラツキが立体感を損なわずに抑制された裸眼式立体画像表示装置が提供される。
以下、本発明について更に詳細に説明する。なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
<立体画像表示装置>
立体画像表示装置は人間の両眼視差(右目と左目で見える映像位置のずれ)により、立体視を提供するものであり、この視差を提供する手段としては、眼鏡を使う方式や裸眼によるものが知られている。
例えば、眼鏡を使う方式としては右目用、左目用にそれぞれ用意された画像をそれぞれの目のみに映る様に眼鏡で分割する方法であり、よく知られた方式しては青赤メガネで赤と青の像を見せるアナグラフ方式や偏光メガネと偏光フィルターでそれぞれの像を見せる偏光方式、高速に左右の像を切り替え、同期する眼鏡の左右のシャッターを切り替えて、左右の像を時分割で見せるアクティブシャッター方式等が知られている。
一方、立体視を達成する方法としては、それぞれ片方の目にしか像が届かない光路を形成する方式があり、パララックスバリア方式、レンチキュラーレンズ方式が挙げられる。
パララックスバリア方式は、右目用と左目用のそれぞれの映像を専用のスリットを通して見せる方式で、レンチキュラーレンズ方式はそれぞれの映像をかまぼこ板状(半楕円筒)のレンズの列(レンチキュラーレンズ又はレンチキュラー層。以下、「レンチキュラー層」とも呼ぶ)を通して見せる方式である。
本発明の裸眼式立体画像表示装置は、これらの中でレンチキュラー層を用いた方式に関するものである。
即ち、本発明の裸眼式立体画像表示装置は、視認側から、表面部材、レンチキュラー層、表示部を有し、該表面部材の表面ヘイズが1〜35%で、内部ヘイズが0〜30%である。レンチキュラー層の視認側に上記特定のヘイズ値を有する表面部材を設けることにより、画像の立体感を損なうことなく、モアレの縞模様や特に白表示や明るい画像表示時にモアレ様の周期性成分に起因する明暗によるギラツキ感を防止することができる。
<レンチキュラー層>
レンチキュラー層は、レンチキュラーレンズの繰返し単位の中に複数の画素を持ち、これら複数の画素のうち基本的に1つの画素が特定の方向にのみ観察できる様になっているため、レンチキュラーレンズの単位の中で観察方向を変える事により複数の画像を提供することができる。
これらの繰返し単位の中には、製造上若しくは迷光防止のため、画素間にはブラックマトリクスや配線、トランジスタ等の構造材も規則的に配列されている。
これらの構造材もレンチキュラーレンズによって特定方向において、干渉、強調、拡大される事によってギラツキが生じる事が検討の結果明らかになっており、このギラツキは
本発明に係る特定のヘイズ値を有する表面部材との組合せによって立体視感を損なわずに解消することができる。
本発明に用いることのできるレンチキュラーレンズは、特に限定は無く、既知のものを用いることができる。
<表面部材>
本発明に係る表面部材は、表面ヘイズが1〜35%で、内部ヘイズが0〜30%となるものであり、該ヘイズ値は、例えば表面部材に散乱構造を持たせることにより達成できる。表面部材は、レンチキュラー層のレンチキュラーレンズ表面に直接形成することもできるが、レンチキュラー層とは別部材として提供することもできる。別部材として提供する事で、製造適性上の制約が軽減される他にも、既存の製品に本願の機能を提供する事ができるため好ましい。
本発明において、上記ヘイズ値を達成できる散乱構造は、大きく分けて「表面散乱構造」と「内部散乱構造」の2種に分けることができる。この2種の散乱構造による光散乱の度合いは、それぞれ、「表面ヘイズ」、「内部ヘイズ」として、下記の測定方法により測定することができる。
(へイズの測定方法)
[1]JIS−K7136に準じて、表面部材の全ヘイズ値(H)を測定。
[2]表面部材の表面及び裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られた表面部材を密着し、表面ヘイズを除去した状態でヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズ(Hi)として算出。
[3]上記[1]で測定した全ヘイズ(H)から上記[2]で算出した内部ヘイズ(Hi)を引いた値をフィルムの表面ヘイズ(Hs)として算出。
本発明において、表面部材の全ヘイズ(=表面ヘイズ+内部ヘイズ)は、1〜45%であることが好ましく、その表面ヘイズ及び内部ヘイズの好ましい範囲としては、表面ヘイズが3〜25%で、内部ヘイズが0〜15%であり、より好ましい範囲としては、表面ヘイズが5〜20%で、内部ヘイズが0〜10%である。
(散乱構造)
上述の測定方法で得られる「表面ヘイズ」は「表面散乱構造」によるもので、表面性状によって起こる散乱(表面散乱)に起因する。
一方で、「内部ヘイズ」は「内部散乱構造」によるもので、散乱構造体の主たる媒質(以降、「バインダー」とも称する)中に該バインダーとは異なる物質が存在することで、該物質とバインダーとの界面等で反射や屈折等により起こる散乱(内部散乱)に起因する。
(表面散乱構造の制御)
表面における散乱は、光の入出射面、特に出射面における形状によって大きく左右される。
そのため、表面散乱構造の制御については防眩構造で知られる表面凹凸の制御方法を適用することができ、本発明に係る表面部材は表面凹凸を有することが好ましい。
なお、従来、防眩構造で改善が図られたギラツキは反射光によるものである。これに対して、本発明で改善を図るギラツキは、立体画像表示装置の内部構造による透過光のギラツキであるため、改善される対象がまったく異なる。
表面の凹凸形状を制御する方法としては、型押しによる賦型(エンボスとも言われる)方法や、散乱構造体を形成するバインダー中に粒子を添加することで粒子形状により表面に凹凸を形成する方法、散乱構造体を形成するバインダーを良溶媒と貧溶媒の混合溶媒中に溶解又は分散させて、乾燥時に貧溶媒が相分離によりドメインを形成し、貧溶媒のドメインが平坦部の形成を阻害して凹部を形成する方法などが知られている。
型押しによる賦型の方法としては、賦型したい凹凸形状と逆のエンボス版を構造体に押し当てることでエンボス版と逆の形状を構造体に転写することにより凹凸形状を形成する方法が挙げられる。賦型の方法としては、エンボス版を押し当てて加圧により構造体を変形させる方法、溶融状態の表面にエンボス版を押し当てて冷却により形状を固定化する方法、また透明なフィルム状のエンボス版を紫外線硬化性重合性組成物からなる塗膜に押し当ててエンボス版背面から紫外線を照射して紫外線硬化により形状を固定化する方法や、これらの組み合わせなどが知られている。
具体的には、特開平9-193332号公報、特開2005-070436号公報、特開2005-234554号公報、特開2006-062240号公報、WO2006/088203パンフレットの記載を参考に行うことができる。
粒子の添加による方法としては、バインダーとなる重合性組成物中に直径1〜20μmの粒子を添加することで、重合性組成物を塗工後に溶媒の揮発や、重合収縮により粒子が存在する周囲以外の膜厚が薄くなり、粒子が存在する部分は粒子に堆積した重合性組成物又は粒子自体が膜厚を保つため、その膜厚の変化が凹凸となって表面構造が形成される方法が挙げられる。
添加粒子のサイズやバインダー種、成膜条件によってその形状を制御することができる。
具体的には、特開2005-316450号公報、特開2006-293334号公報、特開2008-262190号公報、特開2010-085759号公報の記載を参考に行うことができる。
相分離を利用する方法としては、誘電率の異なる相溶しない溶媒により重合性組成物を調整し、相溶しない溶媒が相分離により海島構造を形成し、島を構成した溶媒のドメインが表面形状に残り、凹部を形成する方法が挙げられる。
具体的には特願2009-229023号による方法が挙げられる。
(内部散乱構造の制御)
散乱構造体内部における散乱は、散乱構造体の素材や構造によって大きく左右される。
そのため、内部散乱構造の制御については拡散シートなどの制御方法を適用することができる。
内部の性状を制御する方法としては、前述の粒子添加やポリマーブレンドによる相分離、微小欠陥の作成等が挙げられる。
粒子添加による方法は前述の表面散乱構造の制御に挙げた方法と同じ方法を用いることができる。
添加する粒子の屈折率をバインダーの屈折率と差を持たせることで、散乱体内部の粒子表面での屈折や反射が起こり、内部散乱を起こすことができる。一方、粒子の屈折率とバインダーの屈折率に差が無ければ、屈折や反射などの内部散乱はほとんど起こらずに表面散乱だけを制御することができる。本発明の表面部材の好ましい態様においては、バインダーと直径1〜20μmの粒子とを含む散乱構造体で、バインダーと粒子との屈折率差を0.0〜0.2としたものが挙げられる。
粒子の直径として、2〜15μmがより好ましく、3〜10μmが更に好ましい。バインダーと粒子との屈折率差としては、0.0〜0.15がより好ましい。
相溶しない複数種のポリマーを混合して成膜すると、ポリマーの一部が相分離を起こし、海島構造を形成する。この島部分が粒子添加よる方法の粒子の様な挙動を示し、内部散乱構造を形成することができる。
具体的には特開2008-058723号公報などによる方法が挙げられる。
相分離による海島構造は表面散乱構造と内部散乱構造を兼ねることができ、この場合、ドメイン間の屈折率差は0.005〜0.1が好ましく、0.01〜0.15がより好ましく、0.02〜0.1が更に好ましい。
塗布液に用いる溶媒を沸点が異なる複数種で構成し、揮発温度の差から故意に発泡させ、気泡を生じさせる方法や、結晶性樹脂を延伸などの応力を加えることで「クレイズ」や「クラック」などの微細欠陥を故意に発生させる微細欠陥は周囲のバインダーポリマーとは異なる屈折率を有するので、内部散乱因子とすることできる。
具体的には特開平11-320670号公報や特開2008-296421号公報などによる方法が挙げられる。
以上のうち、粒子添加は、表面散乱構造と内部散乱構造の設計のし易さ、及び高い製造適性などの理由から好ましい。粒子添加による散乱構造は、バインダーと粒子を含む光散乱層として形成することができる。
光散乱層の膜厚は、ハードコート性を付与する観点並びにカールの発生及び脆性の悪化の抑制の観点から、1μm〜30μmが好ましく、3μm〜20μmがより好ましい。
光散乱層のバインダーとしては、飽和炭化水素鎖又はポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることが更に好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。バインダーポリマーを高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むものを選択することもできる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、上記のエチレンオキサイド変性体、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。
光散乱層に粒子を添加する場合は直径(平均粒径)が1〜20μmの無機化合物の粒子又は樹脂粒子を用いることができる。
上記粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋アクリルスチレン粒子、シリカ粒子が好ましい。粒子の形状は、球状あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、直径の異なる2種以上の粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径の粒子で表面の光散乱性を主に付与し、屈折率の異なるより小さな粒子径の粒子で内部の光散乱性や別の光学特性を付与することが可能である。
更に、上記粒子の粒子径分布としては単分散であることが最も好ましく、各粒子の粒子径は、それぞれ同一に近ければ近いほど良い。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合には、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つマット粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布のマット剤を得ることができる。
<光学フィルム>
本発明に係る表面部材は、上記散乱構造による光散乱機能に加えて、光学機能(反射防止機能など)を有していてもよい。この目的あるは他の目的で、表面部材は上記散乱構造以外の構造を有することができる。
光学機能を有する場合、表面部材はフィルム形態として、光学フィルムとすることが好ましい。
<支持体>
上記散乱構造を有する表面部材は直接レンチキュラー層のレンチキュラーレンズ上に形成することも可能であるが、別部材として提供する場合は散乱構造が積層できる支持体を用いることができる。
支持体は透明度と自己支持性があれば、特に材質は限定されないが、フィルムとして製造する場合はその加工適性などから、セルロースアシレート、アクリル樹脂、ポリエステル、シクロオレフィンポリマーからなる群より選ばれる素材からなる支持体であることが好ましい。
なお、光学的性能としては、透明度が高いはもちろん低内部ヘイズであることが好ましい。支持体が内部ヘイズを有すると、表面部材総体としての内部ヘイズが上昇するため、低内部ヘイズである方が散乱構造の設計上、容易となるためである。
また、支持体として、自己支持性のほか、適度の機械性能、積層体を形成する場合に隣接する層との高い密着性を有することが好ましい。
<機能性層>
本発明の表面部材は画像表示装置の最表面で用いられることから、各種の機能性層を有するか、その機能を兼ねた層の積層や、部材そのものが機能を有していても良い。
機能性層の例としては、反射防止層、耐擦傷性層、防汚層、帯電防止層等が挙げられる。前記光散乱層を含め、各層は他の層の機能を兼ねていていてもよい。
[反射防止層]
(低屈折率層)
本発明の表面部材には、前記光散乱層の上に、反射防止層(低屈折率層など)を有することができる。
低屈折率層は、層厚200nm以下の薄膜層とすることが好ましい。更に、光学層厚で設計波長の約1/4の層厚で形成すればよい。但し、最も単純な構成である低屈折率層1層で反射防止を行う1層薄膜干渉型の場合は、反射率0.5%以下を満足し、かつ、ニュートラルな色味、高い耐擦傷性、耐薬品性、耐候性を有する実用的な低屈折率材料がないため、更に低反射化が必要な場合には、支持体と低屈折率層との間に高屈折率層を形成する2層薄膜干渉型、又は、支持体と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層を順次形成する3層薄膜干渉型など、多層の光学干渉によって反射を防止する多層薄膜干渉型反射防止フィルムとすればよい。
この場合、低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.51であることが好ましい。1.30〜1.46であることが好ましく、1.32〜1.38が更に好ましい。上記範囲内とすることで反射率を抑え、膜強度を維持することができ、好ましい。低屈折率層の形成方法も化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、低屈折率層用組成物を用いてオールウェット塗布による方法を用いることが好ましい。
低屈折率層は上記屈折率範囲の層であれば特に限定されないが、構成成分としては公知のものを用いることができ、具体的には特開2007−298974号公報に記載の含フッ素硬化性樹脂と無機微粒子を含有する組成物や、特開2002−317152号公報、特開2003−202406号公報、及び特開2003−292831号公報に記載の中空シリカ微粒子含有低屈折率コーティングを好適に用いることができる。
(高屈折率層及び中屈折率層)
高屈折率層の屈折率は、1.65〜2.20であることが好ましく、1.70〜1.80であることがより好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.65であることが好ましく、1.58〜1.63であることが更に好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層の形成方法は化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、オールウェット塗布による方法が好ましい。
中屈折率層、高屈折率層は上記屈折率範囲の層であれば特に限定されないが、構成成分として公知のものを用いる事ができ、具体的には特開2008−262187の段落番号[0074]〜[0094]に示される。
<耐擦傷性層>
表面部材の表面の引っ掻き傷等への耐性を向上させるために耐擦傷性層を設けることも好ましい。耐擦傷性層の具体的な構成は、例えば、特開2009−098666号公報や特開2010−85760号公報に記載され、本発明でも用いることができる。
<表面部材の形成方法>
本発明において、バインダーと少なくとも1種の直径1〜20μmの粒子とを含む光散乱層を散乱構造として支持体上に有する表面部材は、例えば、該バインダーを形成する化合物と粒子を含む塗布液を支持体上に塗布することで形成することができる。
バインダーを形成する化合物は、前述のエチレン性不飽和モノマーの重合体や多官能エポシキシ化合物の開環重合体等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、粒子を含有する塗布液を調製し、該塗布液を支持体上に塗布後電に離放射線又は熱による重合反応により硬化して光散乱層を形成することができる。これらの光ラジカル開始剤等は公知のものを使用することができる。
また、多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、粒子を含有する塗布液を調製し、該塗布液を支持体上に塗布後、電離放射線又は熱による重合反応により硬化して光散乱層を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに又はそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
<界面活性剤>
光散乱層形成用の塗布液には、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を光散乱層用の塗布液中に含有することが好ましい。特に、フッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。フッ素系の界面活性剤の好ましい例としては、例えば、特開2007−188070号公報の段落番号0049〜0074に記載の化合物が挙げられる。
光散乱層用塗布液で用いられる界面活性剤(特に、フッ素系ポリマー)の好ましい添加量は、塗布液中、0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。界面活性剤の添加量が0.001質量%以上で効果が十分であり、また5質量%以下とすることで、塗膜の乾燥が十分に行われ、塗膜としての良好な性能(例えば反射率、耐擦傷性)が得られる。
<有機溶媒>
光散乱層を形成する塗布液には、有機溶媒を添加することができる。
有機溶媒としては、例えばアルコール系では、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、イソアミルアルコール、1−ペンタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール等、ケトン系では、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等、エステル系では、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル等、エーテル、アセタール系では、1,4ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルアセタール等、炭化水素系では、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、リグロイン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、ジビニルベンゼン等、ハロゲン炭化水素系では、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、1,1,1,2−テトラクロルエタン等、多価アルコール及びその誘導体系では、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール、グリセリンモノアセテート、グリセリンエーテル類、1,2,6−ヘキサントリオール等、脂肪酸系では、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、絡酸、イソ絡酸、イソ吉草酸、乳酸等、窒素化合物系では、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル等、イオウ化合物系では、ジメチルスルホキシド等、が挙げられる。
有機溶媒の中でメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、1−ペンタノール等が特に好ましい。また、有機溶媒には、凝集性制御の目的でアルコール、多価アルコール系の溶媒を適宜混合して用いてもよい。これらの有機溶媒は、単独でも混合して用いてもよく、塗布液中の有機溶媒総量として、20質量%〜90質量%含有することが好ましく、30質量%〜80質量%含有することがより好ましく、40質量%〜70質量%含有することが最も好ましい。光散乱の表面形状の安定化のためには、沸点が100℃未満の溶媒と沸点が100℃以上の溶媒を併用することが好ましい。
<光散乱層の硬化>
光散乱層は、塗布液を支持体に塗布後、光照射、電子線ビーム照射、加熱処理などを実施して、架橋又は重合反応させて形成できる。紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。紫外線による硬化は、窒素パージ等で酸素濃度が4体積%以下、更に好ましくは2体積%以下、最も好ましくは0.5体積%以下の雰囲気下で硬化することが好ましい。
また、上記の態様以外に散乱性支持体そのものを作成する方法も挙げられる。
製造方法としては、前述の製造方法による表明性状の変更や内部散乱性の付与の手法が適用できる。
なお、表面性状と内部散乱性の制御を好ましく行う方法として、例えば、以下に示す
セルロースフィルムの成膜における共流延法(重層同時流延)、逐次流延法等の積層流延する方法が挙げられる。
これらの方法は特開2010-237339号公報にある様な、同種の樹脂をバインダーとした複数の層形成材料を準備し、支持体のコアとなるコア層と表面を形成する表層を同時又は逐次に積層する事で、コア層と表層を独立に制御しながら、同種の樹脂を用いることにより一体化した部材を提供することができる。
<表示部>
本発明の立体画像表示装置における表示部は、液晶セルと、少なくとも該液晶セルの視認側に偏光板とを有する。好ましくは、液晶セルの視認側とその反対側(バックライトを有する場合にはバックライト側に相当)に偏光板を有する。
<偏光板>
偏光板は、それぞれ、偏光膜とその両側意に保護フィルムとを有する。本発明に係る表面部材は、液晶セルに対して視認側の偏光板の視認側保護フィルムとして用いることも好ましい。
偏光板の偏光膜としては、公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の厚さは、通常の偏光板で採用されている厚さを特に制限無く採用できる。
偏光板の保護フィルムとしては、前述の表面部材の支持体として挙げるものを用いることができる。
<液晶セル>
本発明では、様々な表示モードの液晶セルを用いることができる。例えば、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードに好ましく用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
[実施例1−1]
紫外線硬化型樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名(PET−30):日本化薬製、屈折率1.53)を26.64質量部、同じく紫外線硬化型樹脂である、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)(日本化薬製、屈折率1.51)を1.44質量部、アクリル系ポリマー(三菱レイヨン製、分子量75,000)を2.88質量部、光硬化開始剤であるイルガキュア184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を1.37質量部、第1の透光性微粒子としてのアクリル−スチレンビーズ(綜研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.55)を1.49質量部、第2の透光性微粒子としてのスチレンビーズ(綜研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.60)を4.64質量部、界面活性剤R−30(商品名、DIC(株)製)を0.046質量部、オルガノシラン化合物であるKBM−5103(商品名、信越化学工業製)を6.19質量部、トルエンを38.71質量部、及び、シクロヘキサノンを16.59質量部を十分混合して塗布液として調整した。この塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して塗布液1を調製した。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TD80U:商品名、富士フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、前記工程で調製した塗布液1を、乾燥膜厚が7μmになるように塗布し、110℃で1分間溶剤乾燥の後、更に窒素パージ下(酸素濃度0.1%以下)で、紫外線を55mJ/cm照射して光硬化させ、光散乱層を形成した。得られたフィルムの表面ヘイズは32%、内部ヘイズは13%で全ヘイズは45%であった。
[実施例1−2]
紫外線硬化型樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名(PET−30):日本化薬製、屈折率1.53)を19.1質量部、 同じく紫外線硬化型樹脂である、ビスコート360(大阪有機化学工業(株)社製、屈折率1.50)を19.1質量部、光硬化開始剤であるイルガキュア127(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を1.5質量部、第1の透光性微粒子としての架橋アクリル−スチレンビーズ(綜研化学製、粒径8μm、屈折率1.555)を12.0質量部、 第2の透光性微粒子としての架橋アクリルビーズ(綜研化学製、粒径8μm、屈折率1.50)を12.0質量部、粘度調整剤としてセルロースアセテートブチレートを3.6質量部、フッ素系界面活性剤を1.1質量部、 メチルイソブチルケトンを17.1質量部、及び、メチルエチルケトンを14.7質量部を十分混合して塗布液として調整した。この塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して塗布液2を調製した。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TD80U:商品名、富士フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、前記工程で調製した塗布液2を、乾燥膜厚が15μmになるように塗布し、溶剤乾燥の後、更に窒素パージ下で、紫外線を100mJ/cm照射して光硬化させ、光散乱層を形成した。
得られたフィルムの表面ヘイズは4%、内部ヘイズは22%で全ヘイズは26%であった。
[実施例1−3〜1−11、比較例1−1〜1−3]
下記評価において表面部材を用いないで評価を行ったものを比較例1−1とした。
実施例1−3〜1−11、比較例1−2〜1−3として、実施例1−1に準じて光散乱層に用いるバインダー種と添加する粒子の屈折率、粒径と形成する膜厚を変更して表1の各ヘイズ値を有するフィルムを表面部材として得た。
以上の方法で得られた各表面部材をレンチキュラー層を有する立体画像表示装置である富士フイルム(株)製「3DデジタルカメラW3」のモニターに粘着剤で貼合し、以下の評価基準で評価を行った。
(評価)
評価は、モニターに立体画像を表示し、該画像を40名に観察してもらい、画像の立体視感を”3D感”として、モアレや周期性明暗の不快度のギラツキ感を“モアレ感”として、以下の5段階で官能評価した。全員の評価の中で最頻値評価結果として表1に示す。3D感、ギラツキ感とも、ともに2以上であれば実用上問題ない基準であるとした。
5:非常によい
4:とてもよい
3:よい
2:許容できる
1:悪い(許容できない)
以下の表1に、表面ヘイズ、内部ヘイズ、及び全ヘイズと評価結果を示す。なお、各ヘイズについは、前述の方法で測定した。
Figure 0005656591
[実施例2−1]
特開2010-237339号公報の実施例に記載されたフィルム30を実施例2−1の表面部材として作成し実施例1−1と同様に評価を行った。
実施例2−2〜2−11、比較例2−1、2−2については、実施例2−1のフィルム30の作製において使用するドープ種や添加する粒子を変更して、同様に製造して得られたフィルムを評価した。
評価結果を表2に示した。
Figure 0005656591
表1及び表2の結果より、表面ヘイズが1〜35%で、内部ヘイズが0〜30%である表面部材を視認側表面に設けることで、3D感を損なうことなく、ギラツキを低減することができることが分かる。

Claims (9)

  1. 視認側から、表面部材、レンチキュラー層、表示部を有する裸眼式立体画像表示装置であって、
    該表面部材の表面ヘイズが1〜32%で、内部ヘイズが2.1〜28%で、全ヘイズが8.5〜45%である裸眼式立体画像表示装置。
  2. 前記表面部材の表面ヘイズが3〜25%で、内部ヘイズが2.1〜15%である請求項1記載の裸眼式立体画像表示装置。
  3. 前記表面部材が、表面凹凸を有する請求項1又は2記載の裸眼式立体画像表示装置。
  4. 前記表面部材が、バインダーと少なくとも1種の直径1〜20μmの粒子とを含む散乱構造を有し、該バインダーと該粒子との屈折率差が0.0〜0.2である請求項1〜3のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
  5. 前記表面部材が、相分離によるドメイン間の屈折率差が0.02〜0.1である海島構造を有する請求項1〜3のいずれか一項記載の裸眼式立体画像装置。
  6. 前記表面部材が、さらに機能性層を有してなる請求項1〜5のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
  7. 前記機能性層が、反射防止層、耐擦傷性層、防汚性層及び帯電防止層からなる群より選ばれる少なくとも1つの層である請求項6記載の裸眼式立体画像表示装置。
  8. 前記表面部材が、光学フィルムである請求項1〜5のいずれか一項記載の裸眼式立体画像表示装置。
  9. 前記表示部が、液晶セルと、少なくとも該液晶セルの視認側に偏光板とを有し、前記光学フィルムが視認側偏光板の保護フィルムである請求項8記載の裸眼式立体画像表示装置。
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