JP5655691B2 - 透明導電膜およびその製造方法、並びに透明導電物品 - Google Patents

透明導電膜およびその製造方法、並びに透明導電物品 Download PDF

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本発明は、可視光領域の光を透過する透明導電膜およびその製造方法、並びに前記透明導電膜を用いた透明導電物品に関する。
現在、透明導電膜は液晶表示素子、プラズマ発光表示素子、太陽電池等の透明電極の他、赤外線吸収反射膜、防曇膜、電磁遮蔽膜等に利用されている。
特に液晶表示装置は、近年、パソコンやワープロ等のOA機器への採用が活発であり、それとともに透明電極の需要も高まっている。液晶表示素子用の透明電極については、材料中に多くの伝導電子(自由電子)を保有し、導電性が高く、エッチングによるパターニング性が比較的容易なことから、酸化インジウムにスズを数モル%ドープしたITO(Indium−Tin−Oxide)が主に用いられている(特許文献1、2)。このITOの母体であるInは、酸化物半導体であり、結晶中に含まれる酸素欠陥からキャリア電子が供給され導電性を示す透明導電物質である。このInにSnを添加すると、キャリア電子が大幅に増加し高い導電性を示すようになると考えられている。
ところで、最近の液晶表示装置は大面積化、多画素子化、高精細化、低コスト化の傾向にあり、表示欠陥の無い高画質の液晶表示素子を得る上で、透明電極の性能、特にシート抵抗の低減と可視光透過率の向上が望まれている上、透明電極そのもののコストダウンが極めて重要な課題になっている。ITOの成膜技術改良やスパッタリングターゲットの改良等により透明導電膜の物性向上とコストダウンが進められてきているが、ITOの物性には限界があり、最近のより進んだニーズへの対応が困難になってきている。
特許文献3では、Inの酸化物を主成分とし、Geを含有して可視光透過率が90%以上である高透過率透明導電膜が提案されている。
また、特許文献4では、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、酸素(O)の3成分を主構成成分とし、欠陥蛍石型結晶構造を有する複酸化物であり、一般式:InSb1−X7−δ(−0.2≦X≦0.2、および−0.5≦δ≦0.5の範囲である)で表される透明導電膜で、Sn、Si、Ge、Ti、Zr、Pb、Cr、Mo、W、Te、V、Nb、Ta、Bi、As、Ceの高原子価金属元素及びF、Br、Iのハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を0.01〜20原子%の割合でドープした透明導電膜であり、さらに還元アニールにより酸素空孔を生成させ、それによりキャリア電子を注入した、ITOよりも優れた可視光透過性と良好な抵抗率を示す透明導電膜が提案されている。
特許文献5では、メタ型タングステン酸アンモニウムと水溶性の各種金属塩とを原料とし、その混合水溶液の乾固物を約300〜700℃の加熱温度に対して不活性ガス(添加量;約50vol%以上)または水蒸気(添加量;約15vol%以下)を添加した水素ガスを供給することによりMWO(M;アルカリ、アルカリ土類、希土類などの金属元素、0<x<1)で表される種々のタングステンブロンズを得る製造方法や、同様の操作を支持体上で行わせ、種々のタングステンブロンズ被覆複合体を製造する方法が提案されている。しかし、当該タングステンブロンズは、燃料電池等の電極触媒等へ利用される固体材料として考えられており、透明導電性に関する考察はされていない。
特開2003−249125号公報 特開2004−026554号公報 特開平11−322333号公報 特開平11−302017号公報 特開平8−73223号公報
特許文献1、2に記載されたITO導電膜や、特許文献3、4に記載されたIn酸化物を主成分とする導電膜は、可視光透過率や膜の表面抵抗(シート抵抗)に優れるが、インジウムを使用しているため高価であり、安価な透明導電膜が工業的に望まれている。
本発明の第1の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、可視光透過率及び導電性に優れ、安価な透明導電膜を提供することにある。
本発明の第2の目的は、可視光透過率及び導電性に優れ安価な透明導電膜を、簡便に製造できる透明導電膜の製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、可視光透過率及び導電性に優れ安価な透明導電膜を用いた透明導電物品を提供することにある。
本発明の第4の目的は、可視光透過率及び導電性に優れ安価な透明導電膜を用いた可視光透過型の赤外線遮蔽物品を提供することにある。
三酸化タングステンは、透明導電膜の材料として、可視光領域で光を透過するワイドバンドギャップ材料であるが、導電性が無い。本発明者は、この三酸化タングステンの骨格構造を利用し、さらに、この三酸化タングステンの酸素量を減少させ、あるいは陽イオンを添加することで、伝導電子を生成させ、可視光領域の光を透過させながら、導電性を維持する透明導電膜を作製するに至った。
さらに、上述したタングステンと同様の性質を持つ元素として、Mo、Nb、Ta、Mn、V、Re、Pt、Pd、Tiがある(以下、これらの元素を、A元素と略記する場合がある。)。そして、これらA元素の酸化物も、タングステン酸化物と同様に、結晶中に陽性元素を含むいわゆるタングステンブロンズ構造をとる。そこで、本発明者らは、A元素とタングステン酸化物との複合化、または、A元素を用いた所謂タングステンブロンズ構造を利用した導電膜にも想到し、これら導電膜を作製するに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
一般式M(1−G)(但し、M元素は、アルカリ金属のうちから選択される1種類以上の元素、A元素は、Mo、Nb、Taのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、E=0.33、0.1≦G<1、2≦J≦3)で表記される複合酸化物を含み、波長400nm以上780nm以下の領域で透過率の最大値が10%以上92%未満であり、膜の表面抵抗が1.0×1010Ω/□以下であることを特徴とする透明導電膜である。
第2の発明は、
前記一般式M(1−G)で表される複合酸化物が、六方晶のタングステンブロンズ構造を含むこと特徴とする第1の発明に記載の透明導電膜である。
第3の発明は
前記M元素が、Cs、Rb、K、Liのうちのいずれか1種類以上を含み、前記一般式M(1−G)で表される複合酸化物が、六方晶の結晶構造を有することを特徴とする第1または第2の発明に記載の透明導電膜である。
第4の発明は
第1乃至第3の発明のいずれかに記載の透明導電膜が基材上に形成されていることを特徴とする透明導電物品である。
第5の発明は
前記透明導電膜の膜厚が1nm以上5000nm以下であることを特徴とする第4の発明に記載の透明導電物品である。
第6の発明は、
一般式M(1−G)(但し、M元素は、アルカリ金属のうちから選択される1種類以上の元素、A元素は、Mo、Nb、Taのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、E=0.33、0.1≦G<1、2≦J≦3)で表記される複合酸化物を含む透明導電膜の製造方法であって、
前記複合酸化物の原料化合物を含む溶液を、基材に塗布後、還元性ガスまたは/及び不活性ガス雰囲気中で熱処理して、前記透明導電膜を製造することを特徴とする透明導電膜の製造方法である。
第7の発明は
前記複合酸化物の原料化合物を含む溶液に、界面活性剤を添加した後、基材に塗布することを特徴とする第6の発明に記載の透明導電膜の製造方法である。
第8の発明は
前記複合酸化物の原料化合物を含む溶液が、タングステンを含有する時、6塩化タングステンをアルコールに溶解させた溶液、または/及び、タングステン酸アンモニウム水溶液、であることを特徴とする第6または第7の発明に記載の透明導電膜の製造方法である。
第9の発明は
第8の発明に記載の6塩化タングステンをアルコールに溶解させた溶液、または/及び、タングステン酸アンモニウム水溶液と、
M元素(但し、M元素は、アルカリ金属のうちから選択される1種類以上の元素)を含有する化合物と、を溶解混合した溶液を、そのまま、または、界面活性剤を添加した後、基材に塗布することを特徴とする第6乃至第8の発明のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法である。
第10の発明は
前記熱処理は、還元性ガス雰囲気中にて100℃以上800℃以下で熱処理し、次いで、必要に応じて、不活性ガス雰囲気中にて550℃以上1200℃以下の温度で熱処理することを特徴とする第6乃至第9の発明のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法である。
第1乃至第5の発明によれば、可視光領域で光を透過するが導電性の無い三酸化タングステン、または、タングステンとA元素との複合酸化物の骨格を利用し、この三酸化タングステン、または、タングステンとA元素との複合酸化物に伝導電子を生成させるために酸素量を減少させたタングステン酸化物や、陽イオンを添加することで伝導電子を生成させた複合タングステン酸化物を含む可視光透過率及び導電性に優れ、安価な透明導電膜を得ることが出来、また、この透明導電膜を用いた透明導電物品は、可視光領域の光を透過すると同時に、前記伝導電子によって導電性を発現することが可能となる。
第6乃至第10の発明によれば、前記透明導電膜は、出発タングステン原料溶液を基材に塗布後、還元性ガスまたは/及び不活性ガス雰囲気中で熱処理して製造するという簡便な方法で得られることから、従来のインジウム化合物と比較すると、安価な材料を用いて容易に製造できるので、工業的に有用である。
酸化タングステンの結晶構造を示す概略図であり、W1849の結晶構造((010)投影)である。 酸化タングステンの結晶構造を示す概略図であり、立方晶タングステンブロンズの結晶構造((010)投影)である。 酸化タングステンの結晶構造を示す概略図であり、正方晶タングステンブロンズの結晶構造((001)投影)である。 酸化タングステンの結晶構造を示す概略図であり、六方晶タングステンブロンズの結晶構造((001)投影)である。 参考例1のRb0.33WO膜の透過反射プロファイルを示すグラフである。 参考例2のRb0.33WO膜の透過反射プロファイルを示すグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
一般に、三酸化タングステン(WO)には有効な伝導電子が存在しないため、可視光領域の光を透過するが、導電性が無い。この三酸化タングステンの骨格を利用し、タングステンに対する酸素の比率を3よりも低減することによってWO中に伝導電子を生成させたタングステン酸化物、あるいは陽イオンを添加することで伝導電子を生成させた複合タングステン酸化物は、可視光領域の光を透過すると同時に、前記伝導電子によって導電性を発現することが可能となることが見出された。
さらに、上述したタングステンと同様の性質を持つ元素として、上述したA元素がある。そして、これらA元素の酸化物も、タングステン酸化物と同様に、結晶中に陽性元素を含むいわゆるタングステンブロンズ構造をとる。このことから、タングステンのサイトの一部をA元素と置換してタングステン酸化物との複合化したり、タングステンの代わりにA元素を用いて、所謂タングステンブロンズ構造とした導電膜を形成しても、可視光領域の光を透過すると同時に、前記伝導電子によって導電性を発現することが可能となることが見出された。
更に、前記透明導電膜は、後述するタングステン酸化物または/及び複合タングステン酸化物の原料であるタングステン化合物を含む溶液もしくはA元素化合物を含む溶液を出発原料溶液とし、当該出発原料溶液を基材に塗布後、この出発原料溶液が塗布された基材を還元性ガスまたは/及び不活性ガス雰囲気中で熱処理して製造するという簡便な方法で得られることが見出された。
1−(A).タングステン酸化物及び複合タングステン酸化物
本実施形態の透明導電膜は、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物、または/及び、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物を含み、波長400nm以上780nm以下の領域で透過率の最大値が10%以上92%未満であり、膜の表面抵抗は1.0×1010Ω/□以下である。
前記一般式W(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物において、タングステンと酸素との組成範囲は、タングステンに対する酸素の組成比が3未満であり、さらには、当該透明導電膜をWと記載したとき、2.2≦z/y≦2.999であることが好ましい。このz/yの値が、2.2以上であれば、膜中に目的以外であるWOの結晶相が現れるのを回避することが出来るとともに、材料としての化学的安定性を得ることが出来るので有効な透明導電膜として適用できる。一方、このz/yの値が、2.999以下であれば、必要とされる量の伝導電子が生成され透明導電膜となる。
本発明に係る透明導電膜は、波長400nm以上780nm以下の可視光領域において透過率の最大値が10%以上92%未満であった。透過率の最大値が10%以上であれば、可視光透過用途としての応用範囲が広い。また、透過率の最大値が92%未満までは、技術的に製造が容易であった。尚、光学測定はJIS R3106(光源:A光)に基づき測定を行い、可視光透過率を算出した。
また、本発明に係る透明導電膜の表面抵抗値は、1.0×1010Ω/□以下であった。当該表面抵抗値であれば、導電膜としての応用範囲が広いので好ましい。尚、表面抵抗値は、三菱化学製の表面抵抗測定機(ローレスタMP MCP−T350)を用いて測定を行った。
また、本実施形態の透明導電膜において、前記タングステン酸化物が、一般式W(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.45≦z/y≦2.999)で表記される組成比のマグネリ相を含むことが好ましい。
ここで、本発明に係る透明導電膜の導電機構について簡単に説明する。
三酸化タングステンの構造は、WOで構成される8面体構造を1単位として考えることができる。この8面体構造の中にW原子が位置し、8面体構造の各頂点に酸素が位置し、すべての8面体構造で、各頂点を、隣接する8面体構造と共有する構造である。このとき、この構造中に伝導電子は存在しない。一方、WO2.9等の組成比で表されるマグネリ相は、WOの8面体構造が規則的に稜共有と頂点共有した構造となる。また、図1(A)に示したような構造のW1849(WO2.72)は、WO10を1単位とした10面体構造とWOの8面体構造とが、稜共有や頂点共有した規則的な構造である。このような構造のタングステン酸化物は、酸素から放出された電子が伝導電子として寄与し、導電性が発現すると考えられている。
三酸化タングステンの前記構造は、全体が均一でも、不均一でも、またアモルファスでも伝導電子が生成し、導電特性が得られる。
また、当該三酸化タングステン(WO)へ、M元素(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちのうちから選択される1種類以上の元素)を添加することで、当該WO中に伝導電子が生成され、導電特性が得られる。すなわち、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物においては、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0であることが好ましい。
前記範囲内であれば、伝導電子の生成により良好な導電性が得られ、また、特に、Wに対するOの比率(z/y)が前記2.2以上であれば、可視光領域の光吸収が増大せず、透光性膜としての応用が容易になるので好ましい。
さらに、前記MxWyOzで表記される前記複合タングステン酸化物が、アモルファス構造、または、立方晶もしくは正方晶もしくは六方晶のタングステンブロンズ構造を含むことが好ましい。
本発明で用いている用語において、立方晶とは、一般に、タングステンブロンズ構造を分類する時に、立方晶タングステンブロンズ構造タイプまたはペロブスカイトタングステンブロンズ構造タイプと分類されるものの代表として使用している。また、本発明で用いている用語において、正方晶とは、一般に、タングステンブロンズ構造を分類する時に、正方晶タングステンブロンズ構造タイプと分類されるものの代表として使用している。また、本発明で用いている用語において、六方晶とは、一般にタングステンブロンズ構造を分類する時に、六方晶タングステンブロンズ構造タイプと分類されるものの代表として使用している。
この複合タングステン酸化物では、図1(B)〜(D)に示すように、8面体構造が頂点を共有して出来た空隙にM元素が位置する。これらM元素の添加により伝導電子が生じると考えられる。複合タングステン酸化物の構造は、立方晶、正方晶、六方晶が代表的であり、それぞれの構造例を図1の(B)、(C)、(D)に示す。これらの複合タングステン酸化物には、構造に由来した添加元素量の上限があり、1モルのWに対する添加M元素の最大添加量は、立方晶の場合が1モルであり、正方晶の場合が0.5モル程度(添加元素により変化するが、工業的に作製が容易なのは0.5モル程度である)であり、六方晶の場合が0.33モルである。ただし、これらの構造は単純に規定することが困難であり、前記添加M元素の最大添加量の範囲は特に基本的な範囲を示した例であり、この発明がこれに限定されるわけではない。また、結晶構造においても材料の複合化により多種の構造を採り得るものであり、上述した構造も代表例であり、これに限定されるものではない。
複合タングステン酸化物においては、前記構造によって光学特性が変化する。特に、伝導電子由来の近赤外線領域の光吸収領域は、六方晶が最も長波長側になる傾向があり、また可視光領域の吸収も少ない。次は正方晶であり、立方晶は伝導電子由来の光吸収がより短波長側になる傾向があり、可視光領域の吸収も多くなる。よって、より可視光を透過する透明導電膜には上述の理由から、六方晶の構造をもつ複合タングステン酸化物が好ましい。但し、前記構造を基本として構成された酸化物であれば、アモルファス構造であっても、導電特性や近赤外線遮蔽特性を発現する。
一般的に、イオン半径の大きなM元素を添加したとき六方晶を形成することが知られており、具体的には、Cs、K、Rb、Tl、Ba、In、Li、Ca、Sr、Fe、Snの各元素を添加したとき、六方晶を形成しやすく好ましい。これらの元素以外でもWO単位で形成される、例えば図1(D)に示されるような六角形の空隙に添加M元素が存在すれば良く、前記元素に限定される訳ではない。また、これらの六方晶の構造をもつ複合タングステン酸化物は均一な結晶構造でも良く、不規則でも構わない。
ここで、当該三酸化タングステン(WO)に対し、上述した酸素量の制御と、伝導電子を生成するM元素の添加とを併用しても良い。また、前記透明導電膜を近赤外線遮蔽膜として利用する場合は、適時目的に合った材料、例えばM元素を選定すればよい。
1−(B).A元素を含む複合酸化物微粒子
1−(A)で説明したタングステン酸化物及び複合タングステン酸化物以外では、一般式M(1−G)(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、A元素は、Mo、Nb、Ta、Mn、V、Re、Pt、Pd、Tiのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0<E≦1.2、0<G≦1、2≦J≦3)で表記される複合酸化物がある。但し、G=1の場合は、タングステンが含まれず、A元素を主体とした複合酸化物となる。
一般に、WOや、MoO、Nb、Ta、V、TiO、MnO中には有効な自由電子が存在しないため、導電性が無く(もしくは小さく)、伝導電子による近赤外線領域の光の吸収(反射)も無い(もしくは、少ない)。しかし、これらの物質へ、M元素を添加し、一般式M(1−Y)(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、A元素は、Mo、Nb、Ta、Mn、V、Re、Pt、Pd、Tiのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0<X≦1.2、0<Y≦1)で表記される複合酸化物微粒子とすると、当該M元素は、WもしくはA元素の酸化物構造中に伝導電子を放出し、自らは陽イオンになる。
そして、当該放出された伝導電子は、近赤外線領域の光を吸収(反射)する効果があり、また、当該複合酸化物微粒子の導電性にも寄与する。尤も、PtO、PdO、ReO等は、M元素の添加が無くても導電性を示すものがあるが、M元素を添加することで更に伝導電子が増加し、近赤外線領域の吸収(反射)や導電特性が向上する。
これら、A元素、タングステン、酸素で構築される母体構造は、A元素およびタングステンから選択される1種類の元素と酸素とで構築されていても良いし、複数の元素と酸素とで構築されていても良い。当該A元素またはタングステンと、酸素とで構成された構造の空隙にM元素が添加されると、伝導電子が生成され、近赤外線吸収や導電特性に効果がある。
前記M(1−G)において、Eの範囲は0<E≦1.2が好ましい。E>0であれば、M元素により伝導電子が生成され、近赤外線吸収や導電特性の効果が発揮される。Eの値が1.2以下であれば、M元素を含む不純物の生成が回避され、特性の低下を防止できるので好ましい。
前記M(1−G)において、Gの範囲は0<G≦1が好ましい。G=0であってもM元素が存在していれば、伝導電子が生成され、近赤外線吸収や導電性特性が発揮されるが、当該複合酸化物中にタングステンと異なるA元素が存在することで、当該複合酸化物の光学特性を変化させることができるなど、従来にない特長を発揮させることができるので、0<Gであることが好ましい。A元素の好ましい添加量は、目的によって変化するが、1以下であることが好ましい。G≦1であれば、過剰なA元素が存在することに起因するA元素を含む不純物が生成しないので、当該複合酸化物の特性低下を回避できるからである。
まず、G<1の場合について説明する。
上述のM(1−G)なる組成の複合酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有する場合、当該複合酸化物微粒子の可視光領域における光の透過特性が向上し、近赤外領域における光の吸収特性も向上する。この六方晶の結晶構造の模式的な図である図1(D)を参照しながら説明する。図1(D)において、W(もしくはA元素)O単位にて形成される8面体が6個集合して六角形の空隙が構成され、当該空隙中に、M元素が配置されて1箇の単位を構成し、この1箇の単位が多数集合して六方晶の結晶構造を構成する。これは、所謂、六方晶タングステンブロンズ構造と呼ばれる構造である。
可視光領域における光の透過特性を向上させ、近赤外線領域における光の吸収特性を向上させる効果を得るためには、複合酸化物微粒子中に、図1(D)で説明した単位構造(W(もしくはA元素)O単位で形成される8面体が6個集合して六角形の空隙が構成され、当該空隙中にM元素が配置された構造)が含まれていれば良く、当該複合酸化物微粒子が、結晶質であっても非晶質であっても構わない。
この六角形の空隙にM元素の陽イオンが添加されて存在すると、他の結晶構造と比べて可視光領域おける光の透過特性が向上し、近赤外線領域おける光の吸収特性が向上するので好ましい。また、導電性用途からの観点においても、当該複合酸化物微粒子の可視光領域における光の吸収が少ないために、多量に使用しても可視光透過率の低下が少なく、可視光透過型導電性材料としての導電性を向上させるのに有効である。ここで、一般的には、イオン半径の大きなM元素を添加したとき当該六方晶が形成され、具体的には、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちの1種類以上を添加したとき六方晶が形成されやすい。勿論これら以外の元素でも、W(もしくはA元素)O単位で形成される六角形の空隙にM元素が存在すれば良く、前記元素に限定される訳ではない。
前記タングステンブロンズ構造において、六方晶の結晶構造を有する複合酸化物微粒子が均一な結晶構造を有するとき、M元素の添加量は、0.2以上、0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33程度である。M元素の値が0.33となることで、タングステンブロンズ構造において、M元素が六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。このとき、タングステンブロンズ構造のタングステンサイトがA元素で置換されていたり、A元素とタングステンのブロンズ構造が共存、またはおのおの単独で存在しても構わない。
また、タングステンブロンズ構造において、上述した六方晶以外の、正方晶、立方晶のタングステンブロンズ構造も赤外線遮蔽材料として有効である。結晶構造によって、近赤外線領域の光の吸収位置が変化する傾向があり、立方晶より正方晶、正方晶より六方晶と吸収位置が長波長側に移動する傾向がある。また、それとともに可視光領域の光の吸収特性は、六方晶が最も少なく、正方晶、立方晶の順で大きくなる。従って、より可視光領域の光を透過し、より近赤外線領域の光を遮蔽させたい用途には、六方晶のタングステンブロンズ構造を用いることが好ましい。このとき、タングステンブロンズ構造のタングステンサイトがA元素で置換されていたり、A元素のブロンズ構造が共存しても構わない。ただし、ここで述べた光学特性の傾向は、添加元素の種類や、添加量によって変化するものであるので、適宜、試験を行って最適解を求めれば良く、本発明がこれに限定されるわけではない。
次に、G=1の場合について説明する。
上述のM(1−G)なる組成の複合酸化物微粒子において、G=1の場合は、MAOとなりタングステンを含まない材料となる。しかし、当該タングステンを含まない材料においても、M元素が添加されることで電子が生成し、上述のM(1−G)(但し、G<1)の場合と同様の機構により伝導電子の生成による導電特性の発現や、近赤外域の光遮蔽が起きるので、上述のタングステンを含む場合(G<1の場合)と、同様に扱うことができる。
2−(A).タングステン酸化物を用いた透明導電膜の製造方法、及び複合タングステン酸化物を用いた透明導電膜の製造方法
前記一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物、および/または、MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物を含む透明導電膜は、これらタングステン酸化物または/及び複合タングステン酸化物の原料であるタングステン化合物を含む溶液を出発タングステン原料溶液とし、当該タングステン化合物出発原料溶液を、基材に塗布後、このタングステン化合物出発原料溶液が塗布された基材を不活性ガス雰囲気または/及び還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
前記タングステン化合物出発原料溶液に、界面活性剤を添加した後、基材に塗布すると、基材に均一に薄膜を形成することができ好ましい。界面活性剤としては、非イオン系、陰イオン系、陽イオン系、両性系等各種使用可能である。特に、メタタングステン酸アンモニウム水溶液のように、水系溶液を使用する場合は、水の表面張力が大きいため、界面活性剤を添加して、基材に均一にコーティングできるよう表面張力を低下させることが必要である。
タングステン化合物出発原料溶液としては、6塩化タングステンをアルコールに溶解させた溶液と、タングステン酸アンモニウム水溶液とから選択されるいずれか1種類以上であることが好ましい。当該タングステン出発原料であれば、水やアルコールに容易に溶解可能であり、安価な塗布法で基材へのコーティングが簡単に出来るため好ましい。
また、複合タングステン酸化物の出発原料溶液には、前記タングステン化合物出発原料溶液(6塩化タングステンをアルコールに溶解させた溶液と、タングステン酸アンモニウム水溶液とから選択されるいずれか1種類以上、またはこの出発原料溶液に界面活性剤を添加したもの)と、M元素(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素)を含有する化合物とを溶解混合した溶液を、透明導電膜のタングステン化合物出発原料溶液として用いることが好ましい。
添加M元素の原料としては、例えば、M元素を含有するタングステン酸塩、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば良い。
本実施形態の透明導電膜は、タングステン化合物出発原料溶液を基材に塗布後、不活性ガス雰囲気または/及び還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。このように、タングステン化合物出発原料溶液を基材に塗布後、不活性ガス雰囲気または/及び還元性ガス雰囲気中で熱処理して得る場合、熱処理は、還元性ガス雰囲気中にて100℃以上800℃以下で熱処理し、次いで、必要に応じて、不活性ガス雰囲気中にて550℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが好ましい。このときの還元性ガスは、特に限定されないがHが好ましい。また還元性ガスとしてHを用いる場合は、還元雰囲気の組成として、Hが体積比で0.1%以上が好ましく、さらに好ましくは2%以上が良い。Hが体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。不活性ガスとしては、Nやアルゴンガスが用いられる。
また、本実施形態の透明導電膜は、蒸着法やスパッタリング法を応用して成膜しても良く、得られる膜が前記タングステン酸化物もしくは複合タングステン酸化物であれば、製造方法は問わない。スパッタリング法や蒸着法を用いて本実施形態の透明導電膜を得る場合には、それぞれの方法に適した原料、例えば所望の透明導電膜組成に合わせたターゲット、蒸着用ペレットを使用すればよい。
2−(B).A元素を含む複合酸化物微粒子を用いた透明導電膜の製造方法
前記一般式M(1−G)で表記される複合酸化物は、出発原料を不活性ガス雰囲気、もしくは/及び還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
タングステンおよびA元素の出発原料は、タングステンもしくはA元素を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、酸化物、酸化物の水和物、塩化物、アンモニウム塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、過酸化物、各金属単体、から選択されるいずれか1種類以上があげられる。また、有機化合物、2種類以上の金属元素を含有する化合物(例えば、タングステン酸ナトリウム等)でも良い。工業的製造方法としては、各種塩を用いで、水や溶剤に混合して使用すると、好ましい。
また、前記一般式M(1−G)で表記される複合酸化物微粒子のうち、M元素の出発原料はM元素を含んでいればよく、A元素の出発原料はA元素を含んでいればよく、特に限定されないが、好ましい例として、塩化物、アンモニウム塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、過酸化物から選択されるいずれか1種類以上があげられる。また、有機錯体、2種類以上の金属元素を含有する化合物(例えば、タングステン酸ナトリウム等)でも良い。工業的製造方法としては、炭酸塩、水和物等を使用すると、加熱還元時に不純物を生成しないため好ましい。
前記タングステンW、前記A元素、前記M元素のそれぞれの出発原料のうち、溶液化できるもの(塩化物や硝酸塩など)は溶液化して混合し出発原料とすることで、十分な混合を実現することができ好ましい。
ここで、前記タングステンおよびA元素の出発原料、及びM元素の出発原料を混合した後の熱処理条件としては、250℃以上が好ましい。250℃以上で熱処理されて得られた膜は、十分な近赤外線吸収力や導電性を有する。
熱処理雰囲気は、Ar、N等の不活性ガスを用いることが良い。また還元性ガスとしては、アンモニアや水素ガスが使用可能である。
水素ガスを用いる場合には、還元雰囲気の組成として、水素ガスが体積比で0.1%以上が好ましく、さらに好ましくは1%以上が良い。0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
尚、G=1のとき、前記一般式M(1−G)で表記される複合酸化物は、タングステンを含まない材料となる。しかし、当該タングステンを含まない場合であっても、出発原料としてタングステンを用いないこと以外は、G<1の場合と同様の製造方法により、A元素を主体とする複合酸化物を製造することが出来る。
3.透明導電物品及び赤外線遮蔽物品
本実施形態の透明導電膜を基材上に形成して透明導電物品が得られる。前記透明導電膜の基材としては特に限定されないが、透明なガラス、透明樹脂フィルムが一般的である。
本実施形態による透明導電膜の膜厚は、目的によって変更可能であるが、1nm以上5000nm以下であることが好ましい。1nm以上の膜厚であれば有効な導電特性を得ることができる。また、5000nm以下の膜厚であれば、可視光領域の光の透過率が減少せず好ましい。
本実施形態の透明導電膜は、近赤外から赤外領域に伝導電子に起因した吸収、反射性能を示すことから、赤外線及び近赤外線において遮蔽機能を有しており、可視光透過型の赤外線遮蔽物品として好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例及び比較例における光学測定はJIS R3106(光源:A光)に基づき測定を行い、可視光透過率を算出した。導電特性は、三菱化学製の表面抵抗測定機(ローレスタMP MCP−T350、または、ハイレスタIP MCP−HT260)を用いて測定を行った。
(参考例1)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gと、塩化ルビジウム(RbCl)の水溶液(塩化ルビジウム0.80gを水80gに溶解した水溶液)をWとRbの原子比がRb/W=0.33となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約110nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は六方晶のRbタングステンブロンズであった。得られた膜の透過率と反射率を測定した。透過プロファイルと反射プロファイルの測定結果を図2に示す。図2は、横軸に光の波長をとり、縦軸に光の透過率及び反射率をとったグラフである。そして透過率の測定結果を実線で、反射率の測定結果を破線でプロットしたものである。
当該測定結果より、この膜の可視光透過率は77.38%で透明性が高く、800nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は57%であり、太陽光線の透過を43%遮蔽していることが分った。一方、この膜の表面抵抗は、6.9×10Ω/□であり導電性が高いことが分った。
(参考例2)
参考例1で得られた焼成後の膜に参考例1の成膜用溶液を用いて、同様の方法で、片面に重ねてディップコートを行った。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約200nmであった。
得られた膜の透過率と反射率を測定した。透過プロファイルと反射プロファイルの測定結果を図3に示す。図3も図2と同様に、横軸に光の波長をとり、縦軸に光の透過率及び反射率をとったグラフである。そして透過率の測定結果を実線で、反射率の測定結果を破線でプロットしたものである。
当該測定結果より、この膜の可視光透過率は48.86%で膜は透明性が高く、800nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は26%であり、太陽光線の透過を74%遮蔽していることが分った。一方、この膜の表面抵抗は、2.6×10Ω/□であり、参考例1よりも導電性が高いことが分った。
(参考例3)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gと、塩化セシウム(CsCl)の水溶液(塩化セシウム1.11gを水80gに溶解した水溶液)をWとCsの原子比がCs/W=0.33となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約120nmであった。
得られた膜の可視光透過率は78.16%、膜の表面抵抗は1.2×10Ω/□であり、この膜は透明性が高く、導電性が高いことが分った。この膜の日射透過率は61%であり、太陽光線の透過を39%遮蔽していることが分った。
(参考例4)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gに、水80gを混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理した。その後、窒素雰囲気中で800℃10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約100nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は、W1849だった。得られた膜の可視光透過率は52.16%、膜の表面抵抗は7.3×10Ω/□であり、この膜は透明性が高く、導電性が高いことが分った。この膜の日射透過率は37%であり、太陽光線の透過を63%遮蔽していることが分った。
(参考例5)
6塩化タングステンをエタノールに溶解し、このときの溶液中のタングステン濃度を0.02mol/90gとした。この溶液を透明石英基板(厚さ2mm)の片面にデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理した。その後、窒素雰囲気中で800℃10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約80nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は、W1849だった。得られた膜の可視光透過率は67.16%、膜の表面抵抗は2.1×10Ω/□であり、この膜は透明性が高く、導電性が高いことが分った。この膜の日射透過率は57%であり、太陽光線の透過を43%遮蔽していることが分った。
(参考例6)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gと、塩化インジウムの水溶液をWとInの原子比がIn/W=0.33となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、500℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約100nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は六方晶のInタングステンブロンズであった。得られた膜の光学特性を測定した結果、可視光透過率は75.22%で透明性が高く、800nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は69%であり、太陽光線の透過を31%遮蔽していることが分った。
さらに、この膜の表面抵抗は、2.3×10Ω/□であり導電性が高いことが分った。
(参考例7)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gと、塩化スズの水溶液をWとSnの原子比がSn/W=0.33となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、500℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約100nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は六方晶のSnタングステンブロンズであった。得られた膜の光学特性を測定した結果、可視光透過率は72.52%で透明性が高く、800nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は67%であり、太陽光線の透過を33%遮蔽していることが分った。
さらに、この膜の表面抵抗は、6.7×10Ω/□であり導電性が高いことが分った。
(実施例1)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gと、塩化ルビジウムの水溶液と塩化タンタルの水溶液をW:Ta:Rb=0.9:0.1:0.33の原子比となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約100nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は六方晶のタングステンブロンズが主に観察された。得られた膜の光学特性を測定した結果、可視光透過率は75.36%で透明性が高く、800nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は58%であり、太陽光線の透過を42%遮蔽していることが分った。
さらに、この膜の表面抵抗は、9.1×10Ω/□であり導電性が高いことが分った。
(実施例2)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gと、塩化ルビジウムの水溶液と塩化ニオブの水溶液をW:Nb:Rb=0.9:0.1:0.33の原子比となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、550℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約110nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜は六方晶のタングステンブロンズが主に観察された。得られた膜の光学特性を測定した結果、可視光透過率は71.25%で透明性が高く、800nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は52%であり、太陽光線の透過率を48%遮蔽していることが分った。
さらに、この膜の表面抵抗は、1.3×10Ω/□であり導電性が高いことが分った。
(参考例8)
塩化モリブテンと塩化ルビジウムの水溶液をMo:Rb=1:0.33の原子比となるように混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、水素5%の雰囲気(その他は窒素)で、500℃で10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約150nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜はモリブデンブロンズであることが分った。得られた膜の光学特性を測定した結果、可視光透過率は55.21%で透明性が高く、700nm以上の赤外線を反射吸収しており、赤外線遮蔽材料として有効であることが分った。この膜の日射透過率は40%であり、太陽光線の透過を60%遮蔽していることが分った。
さらに、この膜の表面抵抗は、1.5×10Ω/□であり導電性が高いことが分った。
(比較例1)
メタタングステン酸アンモニウム水溶液(0.02mol/9.28g)9.28gに、水80gを混合した。この溶液に、界面活性剤(FZ2105(アデカ製))が全体の0.002%になるように添加して、成膜用溶液とした。透明石英基板(厚さ2mm)の片面に前記成膜用溶液をデップコーティングした。これを、大気中で、550℃で10分間熱処理し、その後、大気中で800℃10分間熱処理して基板上に透明導電膜を得た。膜厚は約100nmであった。
この膜のXRD測定の結果、得られた膜はWOであった。得られた膜の可視光透過率は87.52%であったが、膜の表面抵抗は測定不能な程高く、この膜に導電性がないことが分った。

Claims (10)

  1. 一般式M(1−G)(但し、M元素は、アルカリ金属のうちから選択される1種類以上の元素、A元素は、Mo、Nb、Taのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、E=0.33、0.1≦G<1、2≦J≦3)で表記される複合酸化物を含み、波長400nm以上780nm以下の領域で透過率の最大値が10%以上92%未満であり、膜の表面抵抗が1.0×1010Ω/□以下であることを特徴とする透明導電膜。
  2. 前記一般式M(1−G)で表される複合酸化物が、六方晶のタングステンブロンズ構造を含むこと特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
  3. 前記M元素が、Cs、Rb、K、Liのうちのいずれか1種類以上を含み、前記一般式M(1−G)で表される複合酸化物が、六方晶の結晶構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の透明導電膜。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の透明導電膜が基材上に形成されていることを特徴とする透明導電物品。
  5. 前記透明導電膜の膜厚が1nm以上5000nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の透明導電物品。
  6. 一般式M(1−G)(但し、M元素は、アルカリ金属のうちから選択される1種類以上の元素、A元素は、Mo、Nb、Taのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、E=0.33、0.1≦G<1、2≦J≦3)で表記される複合酸化物を含む透明導電膜の製造方法であって、
    前記複合酸化物の原料化合物を含む溶液を、基材に塗布後、還元性ガスまたは/及び不活性ガス雰囲気中で熱処理して、前記透明導電膜を製造することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  7. 前記複合酸化物の原料化合物を含む溶液に、界面活性剤を添加した後、基材に塗布することを特徴とする請求項6に記載の透明導電膜の製造方法。
  8. 前記複合酸化物の原料化合物を含む溶液が、タングステンを含有する時、6塩化タングステンをアルコールに溶解させた溶液、または/及び、タングステン酸アンモニウム水溶液、であることを特徴とする請求項6または7に記載の透明導電膜の製造方法。
  9. 請求項8に記載の6塩化タングステンをアルコールに溶解させた溶液、または/及び、タングステン酸アンモニウム水溶液と、
    M元素(但し、M元素は、アルカリ金属のうちから選択される1種類以上の元素)を含有する化合物と、を溶解混合した溶液を、そのまま、または、界面活性剤を添加した後、基材に塗布することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
  10. 前記熱処理は、還元性ガス雰囲気中にて100℃以上800℃以下で熱処理し、次いで、必要に応じて、不活性ガス雰囲気中にて550℃以上1200℃以下の温度で熱処理することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
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