JP5655595B2 - 剥離性を有する難燃性組成物、難燃性樹脂の製造方法および絶縁電線 - Google Patents

剥離性を有する難燃性組成物、難燃性樹脂の製造方法および絶縁電線 Download PDF

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Description

本発明は、剥離性を有する難燃性組成物、難燃性樹脂の製造方法および絶縁電線に関し、さらに詳しくは、例えば自動車のエンジンルーム等の高い耐熱性が要求される場所で使用される絶縁電線の被覆材として好適な難燃性組成物、難燃性樹脂の製造方法および絶縁電線に関するものである。
従来、自動車のエンジンルーム等の高温環境下で使用される絶縁電線には、高い耐熱性が要求されている。そのため、このような場所で使用される絶縁電線の被覆材には、電子線照射等の手段により架橋した架橋ポリ塩化ビニル(PVC)や架橋ポリエチレンなどが用いられてきた。
例えば特許文献1には、シラン架橋性ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂と、難燃剤と、架橋触媒を含有する難燃性樹脂組成物、及びそれを絶縁体として有する絶縁電線について開示されている。
また特許文献2には、熱可塑性樹脂に、2−ビス(ブロモフェニル)エタン、三酸化アンチモン等を添加した難燃性組成物および絶縁電線について開示されている。
国際公開第2008/146921号パンフレット 特開平6−345979号公報
しかしながら、上記特許文献1〜2等に記載されている従来のシラン架橋性ポリエチレン系樹脂を含有する難燃組成物や、架橋ポリエチレン等の難燃性組成物は、難燃性、耐熱性に優れるものの、絶縁電線の被覆材として使用した場合には以下のような問題が生じることが判明した。
すなわち、自動車などの車両において絶縁電線を使用する場合、一般に複数の絶縁電線をひとまとまりに束ねて電線束とし、この電線束の外周に保護材を巻くことによりワイヤーハーネスとして使用することが多い。この際、電線束は電線表面どうしが接触した状態で、高温環境下で長期間使用される。
このような高温環境下で長期間電線同士を束ねて放置すると、電線表面同士が接着する。この原因としては、詳細なメカニズムまでは解明されていないが、ベース樹脂のポリエチレン系樹脂のうち未架橋の部分同士が、高温環境下で溶融し接着するものと考えられる。
本発明の解決しようとする課題は、上記問題点を解決しようとするものであり、組成物から形成される樹脂被膜の表面同士が高温で接触しても、表面同士を剥離することが可能であり、難燃性、機械特性等の他の特性も良好である剥離性を有する難燃性組成物、難燃性樹脂の製造方法、および絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る難燃性組成物は、
シラン変性ポリエチレン系樹脂40〜80質量部と、
ポリエチレン系樹脂20〜60質量部を含有する、
ポリマー成分100質量部に対し、
難燃剤として金属水酸化物系難燃剤30〜200質量部と、
安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン0.5〜5質量部を含有してなることを要旨とするものである。
また本発明に係る難燃性樹脂組成物は、
シラン変性ポリエチレン系樹脂40〜80質量部と、
ポリエチレン系樹脂20〜60質量部を含有する、
ポリマー成分100質量部に対し、
難燃剤として臭素系難燃剤20〜70質量部、三酸化アンチモン5〜40質量部と、
安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン0.5〜5質量部を含有してなることを要旨とするものである。
本発明に係る難燃性樹脂の製造方法は、
ポリエチレン系樹脂にシランカップリング剤をグラフト重合させたシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するA成分と、
ポリエチレン系樹脂に難燃剤と、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンとを配合してなるB成分と、
ポリエチレン系樹脂にシラン架橋触媒を配合してなるC成分を、
混練して成形した後、水架橋を行うことを要旨とするものである。
本発明に係る絶縁電線は、上記の難燃性組成物から形成された絶縁体により、導体の外周が被覆されていることを要旨とするものである。
本発明に係る難燃性組成物は、シラン変性ポリエチレン系樹脂40〜80質量部と、ポリエチレン系樹脂20〜60質量部を含有する、ポリマー成分100質量部に対し、
量部に対し、特定の難燃剤と、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン0.5〜5質量部を含有するものであるから、難燃性組成物から得られた難燃性樹脂が、表面同士が接触している状態で高温の状態に放置された後であっても、表面同士を剥離することが可能である剥離性を有するものである。
本発明に係る難燃性樹脂の製造方法は、ポリエチレン系樹脂にシランカップリング剤をグラフト重合させたシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するA成分と、ポリエチレン系樹脂に難燃剤と、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンとを配合してなるB成分と、ポリエチレン系樹脂にシラン架橋触媒を配合してなるC成分を、混練して成形した後、水架橋を行う方法を採用したことにより、ポリエチレン系樹脂にシランカップリング剤をグラフト重合させたシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するA成分と、難燃剤を含むB成分とが別に混練されて添加される。そのため難燃剤や安定剤中の水分が、シラン変性ポリエチレン系樹脂を製造する際にシランカップリング剤が反応しないので、ポリエチレン系樹脂とシランカップリング剤のグラフト反応を阻害する虞がない。また、シラン変性ポリエチレン系樹脂を製造する際にゲル状物質が発生する虞もない。そのため難燃性組成物から形成される難燃樹脂組成物の成形品の外観が悪化したり、架橋不足が発生して、耐熱性が低下したりすることがないといった効果が得られる。
本発明に係る絶縁電線は、上記の難燃性組成物から形成された絶縁体により、導体の外周が被覆されていることにより、難燃性を有すると共に、絶縁電線を束ねた電線束を高温環境下で長期間放置した場合、電線表面同士が接着することがなく電線表面の剥離性に優れている。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明に係る難燃性組成物は、少なくとも、ポリマー成分と、難燃剤成分と、安定剤とを含有する。上記ポリマー成分は、シラン変性ポリエチレン系樹脂を主成分とし、非シラン変性ポリエチレン系樹脂(単にポリエチレン系樹脂ということもある)を含有している。また難燃剤成分は、水酸化マグネシウムまたは/および水酸化アルミニウムからなる金属水酸化物系難燃剤、或いは臭素系難燃剤と三酸化アンチモンを含有している。また安定剤としては、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンを含有している。
シラン変性ポリエチレン系樹脂のポリエチレン系樹脂としては、例えばエチレンの重合体が挙げられる。また上記ポリエチレン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのエチレン系共重合体を用いても良い。これらは単独で使用しても良いし、併用しても良い。
エチレンの重合体としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレンなどを例示することができる。これらは、単独で用いても良いし、併用しても良い。
シラン変性ポリエチレン系樹脂のポリエチレン系樹脂としては、柔軟性の観点から、好ましくは超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体である。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂とシランカップリング剤などのシラン架橋剤とを有機過酸化物などのラジカル発生剤を用いてグラフト反応させるなどの方法により得ることができる。
本発明においては、シラン架橋を十分なものとするために、予めシラン変性ポリエチレン系樹脂を合成しておき、これと難燃剤や安定剤等の添加剤とを接触させるようにする(具体的な樹脂組成物の製造方法については、後述する)。上記添加剤とポリエチレン系樹脂とシランカップリング剤と同時に混練すると、添加剤中の水分がシランカップリング剤と反応して、ポリエチレン系樹脂とシランカップリング剤のグラフト反応が阻害される虞がある。
また添加剤中の水分により、ゲル状物質が生成すると、それが組成物から形成した樹脂皮膜の表面に現れて、絶縁体の外観が悪化したり、架橋不足が発生して、耐熱性が低下したりする虞がある。これに対し、予めシラン変性ポリエチレン系樹脂を合成しておいて、後から水分を含む可能性がある添加剤と混合することにより、シラン変性ポリエチレン系樹脂を高い架橋度でシラン架橋することができる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどのビニルアルコキシシランやノルマルへキシルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどを例示することができる。これらは、1種または2種以上併用しても良い。
上記ラジカル発生剤としては、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ブチルパーアセテート、tert−ブチルパーベンゾエート、2,5−ジメチル2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどを例示することができる。より好ましくは、ジクミルパーオキサイド(DCP)である。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、ポリマー成分の合計量100質量部中の、40〜80質量部の範囲で使用される。
上記非シラン変性ポリエチレン系樹脂は、特に限定されるものではなく、シラン変性ポリエチレン系樹脂に用いられるポリエチレン系樹脂として例示したものと同様のものを用いることができる。これらは1種または2種以上併用することができる。相溶性の観点からは、ポリエチレン系樹脂はシラン変性ポリエチレン系樹脂と同種のものを用いると良い。
ポリエチレン系樹脂は、ポリマー成分の合計量100質量部中の20〜60質量部の範囲で使用される。ポリエチレン系樹脂がポリマー成分の合計量100質量部中の20質量部未満では、B成分混練時に取り込める難燃剤の量が少なくなり、難燃性が不足しやすい。またポリエチレン系樹脂が60質量部を超えると、A成分のシラン変性ポリエチレン系樹脂が少なくなる、即ち架橋成分が少なくなり、ゲル分率が不足しやすい。
難燃剤成分として用いられる金属水酸化物系難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムは、単独で使用しても、併用してもいずれでもよい。
難燃性組成物中の金属水酸化物系難燃剤の添加量は、ポリマー成分100質量部に対して、30質量部以上〜200質量部以下の範囲内である。金属水酸化物系難燃剤の添加量は、その種類、被覆材として用いる電線のサイズ、電線の導体のサイズ、種類、絶縁体(被覆材)の構成などにより、上記範囲内で決められる。
金属水酸化物系難燃剤の添加量が、上記の範囲内であれば、例えば自動車用電線の絶縁体として要求されるのに十分な難燃性を得ることができる。金属水酸化物系難燃剤の添加量が、シラン変性ポリエチレンを主成分とするポリマー成分100質量部に対して30質量部未満では十分な難燃性が得られず、200質量部超では十分な機械的特性が得られない。
難燃剤成分として用いられる臭素系難燃剤は、エチレンビステトラブロモフタルイミドなどのフタルイミド構造を持つフタルイミド系の臭素系難燃剤が適している。これらは、熱キシレンへの溶解性が他の臭素系難燃剤に比べ低く、ゲル分率が良好になるからである。臭素系難燃剤は、上記のフタルイミド系の臭素系難燃剤を単独で用いてもよいが、他の臭素系難燃剤と併用しても良い。
上記の他の臭素系難燃剤としては、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、ヘキサブロモシクロドデカン、TBBAカーボネイト・オリゴマー、TBBAエポキシ・オリゴマー、臭素化ポリスチレン、TBBA−ビス(ジブロモプロピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼンなどが挙げられる。
難燃剤成分として臭素系難燃剤を使用する場合、シラン変性ポリエチレン系樹脂を含むポリマー成分100質量部に対し、臭素系難燃剤を20〜70質量部添加すると、例えば自動車用電線の絶縁体として要求されるのに十分な難燃性が得られやすい。臭素系難燃剤が20質量部未満では難燃性が不足する。臭素系難燃剤が70質量部を超えると、ゲル分率評価において熱キシレンへの臭素系難燃剤の溶解があるため、高いゲル分率が得られない。
難燃剤成分の三酸化アンチモンは、臭素系難燃剤の難燃助剤として用いられる。三酸化アンチモンは、純度99%以上が好ましい。シラン変性ポリエチレンを主成分とするポリマー成分100質量部に対し、三酸化アンチモンを5〜40質量部の範囲内に設定すれば、例えば自動車用電線の絶縁体として要求されるのに十分な難燃性が得られやすい。また三酸化アンチモンが5質量部未満では十分な難燃性が得られない。また三酸化アンチモンが40質量部を超えると、コストが高くなりすぎてしまう。
安定剤成分は1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンを、シラン変性ポリエチレン系樹脂を主成分とするポリマー成分100質量部に対し、0.5〜5質量部含有する。上記安定剤が、0.5質量部未満では十分な剥離性が得られない。また上記安定剤が5質量部を超えると、コストが高くなりすぎる。
本発明に係る難燃性組成物においては、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、シラン架橋触媒、酸化防止剤、銅害防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤(ワックス、滑剤など)、難燃助剤、顔料などの添加剤を添加することができる。
難燃性組成物に添加されるシラン架橋触媒としては、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト、バリウム、カルシウムなどの金属カルボン酸塩、チタン酸エステル、有機塩基、無機酸、有機酸などを例示することができる。具体的にはジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メルカプトチド(ジブチル錫ビスオクチルチオグリコールエステル塩、ジブチル錫β−メルカプトプロピオン酸塩ポリマーなど)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ジブチルアミン、へキシルアミン、ピリジン、硫酸、塩酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などを例示することができる。好ましくは、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メルカプチドである。
シラン架橋触媒の配合量は、シラン変性ポリエチレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂等の合計量であるポリマー成分100質量部に対して、0.005〜0.3質量部の範囲である。シラン架橋触媒の配合量は、好ましくは、ポリマー成分100質量部に対して0.01〜0.1質量部である。シラン架橋触媒の配合量がポリマー成分100質量部に対し0.005質量部未満では架橋度が不足し、0.3質量部を超えると成形品の外観が悪化する。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3、5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]などを例示することができる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、これらの亜鉛塩などを例示することができる。
上記銅害防止剤としては、例えば、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、2,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジなどを例示することができる。
難燃性組成物から難燃性樹脂を形成するには、シラン変性ポリエチレン系樹脂と、ポリエチレン系樹脂と、安定剤と、難燃剤或と、必要に応じてシラン架橋触媒、酸化防止剤、銅害防止剤、その他の添加剤などの各成分を、通常の混練機を用いて混練し、成形した後、シラン架橋することにより得られる。上記の混練機としては、バンバリミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどが挙げられる。またシラン架橋は、水あるいは水蒸気等による水架橋を用いることができる。
特に好ましい難燃性樹脂の製造方法は、以下の方法である。シラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するA成分と、ポリエチレン系樹脂と、難燃剤と、安定剤を含有するB成分と、ポリエチレン系樹脂にシラン架橋触媒を含有するC成分とに分けておき、成形直前にこれらを加熱溶融して混練する。混練した難燃性樹脂を所定の形状に成形した後、水架橋を行いシラン架橋を行うことで、架橋した難燃性樹脂が得られる。
上記の製造方法では、シラン変性ポリエチレン系樹脂と金属水酸化物や臭素系難燃剤等の難燃剤は、A成分とB成分として別々に混練されるので、難燃剤中の水分がシランカップリング剤と直接反応することが避けられる。シラン変性ポリエチレン系樹脂を調製する際、ポリエチレン系樹脂とシランカップリング剤のグラフト反応が阻害されずゲル状物質が発生する虞がない。そのため難燃性組成物から形成される難燃樹脂の成形品の外観が悪化したり、架橋不足が発生して、耐熱性が低下したりすることがない。
上記難燃性樹脂の製造方法において、上記A成分、B成分、C成分に分けて混練する場合、上記A成分のシラン変性ポリエチレン系樹脂40〜80質量部に対し、上記B成分とC成分のポリエチレン系樹脂の合計は、5〜60質量部が好ましい。尚、この場合、上記A成分〜C成分のシラン変性ポリエチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の合計量であるポリマー成分の合計量は100質量部である。上記C成分に配合するポリエチレン系樹脂は、1〜20質量部が好ましい。上記C成分に配合するポリエチレン系樹脂の配合量が1質量部未満では架橋度が不足する虞があり、20質量部を超えると耐熱性が低下する虞がある。
また上記B成分の安定剤、難燃剤、上記C成分のシラン架橋触媒等は、それぞれ難燃組成物に配合される全量が各成分に含有している。
本発明の難燃性組成物は、耐熱性に優れるなどの観点から、難燃性組成物を水架橋させた難燃性樹脂のゲル分率が50%以上であることが好ましい。難燃性樹脂のゲル分率は、より好ましくは60%以上である。ゲル分率は、例えば架橋電線などにおいて架橋状態を表す指標として一般的に用いられているものである。例えば自動車用架橋電線におけるゲル分率は、JASO−D608−92に準拠して測定することができる。難燃性樹脂のゲル分率を上記のように形成するには、例えば、シラン変性ポリエチレン系樹脂の原料となるポリエチレン系樹脂の種類や、シランカップリング材のグラフト量等を選択する方法が挙げられる。
本発明の難燃性組成物は、自動車、電子・電気機器に使用される部材や絶縁材料に利用することができ、特に絶縁電線の絶縁層の形成材料(被覆材)として好適に用いられる。
難燃性組成物から得られる難燃性樹脂を絶縁電線の被覆材として用いる場合、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などよりなる導体の外周に上記各成分の混練物を押出成形した後、シラン架橋(水架橋)することで、架橋した難燃性樹脂からなる絶縁体を形成することができる。
本発明に係る絶縁電線は、上記の難燃性組成物から形成された絶縁体により導体の外周が被覆されているものである。上記導体は、その導体径や導体の材質などは特に限定されるものではなく、絶縁電線の用途などに応じて適宜選択することができる。また難燃性組成物からなる絶縁体の被覆層は、単層であっても、2層以上の複数層であってもいずれでも良い。また絶縁体の被覆層の厚さについても特に制限はなく、導体径などを考慮して適宜定めることができる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。各種の難燃性組成物を被覆層として用いた絶縁電線を作成し、難燃性、耐熱性、剥離性、機械特性、剥離性等の試験を行い、各組成物の特性を評価した。本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔供試材料および製造元など〕
本実施例および比較例において使用した供試材料を製造元、商品名などとともに示す。
[A成分]
・シラン変性樹脂
下記のA成分の調整方法に記載したシラン変性ポリエチレン樹脂を用いた。尚、A成分では下記の材料を用いた。
・ポリエチレン系樹脂(1)[デュポン ダウ エラストマージャパン社製、商品名「エンゲージ 8003」、密度0.885g/cm
・シランカップリング剤[東レダウコーニング社製、商品名「SZ6300」]
・ジクミルパーオキサイド(DCP)[日本油脂社製、商品名「パークミルD」]
[B成分]
・ポリエチレン系樹脂(1)[デュポン ダウ エラストマージャパン社製、商品名「エンゲージ 8003」、密度0.885g/cm
・水酸化マグネシウム[協和化学社製、商品名「キスマ5」]
・臭素系難燃剤[アルベマール日本社製、商品名「SAYTEX BT93」
・三酸化アンチモン[日本精鉱社製、商品名「PATOX−M」
・安定剤:1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン[BASF社製、商品名「イルガノックス3114」]
・酸化防止剤(1)[BASF社製、商品名「イルガノックス1010」]
・酸化防止剤(2)[BASF社製、商品名「イルガノックス1330」]
・酸化防止剤(3)[大内新興化学社製、商品名「ノクラックMB」]
・酸化防止剤(4)[シプロ化成社製、商品名「SEENOX412S」]
・酸化防止剤(5)[精工化学社製、商品名「ノンフレックスDCD」]
・銅害防止剤[アデカ社製、商品名「CDA−1」]
[C成分]
・ポリエチレン系樹脂(1)[デュポン ダウ エラストマージャパン社製、商品名「エンゲージ 8003」、密度0.885g/cm
・シラン架橋触媒(ジブチル錫ジラウレート)[アデカ社製、商品名「Mark BT−1」]
〔A成分(シラン変性ポリエチレン系樹脂:シラングラフトバッチということもある)の調製〕
ポリエチレン系樹脂(1)65質量部と、シランカップリング剤0.33質量部と、過酸化物(DCP)0.07質量部とを2軸押出混練機に加え200℃で0.1〜2分間加熱混練した後、ペレット化して、シラン変性樹脂を調製した。
〔B成分(難燃剤バッチ)の調製〕
表1〜2に示す配合質量比で、B成分の各成分を2軸押出混練機に加え、200℃で0.1〜2分間加熱混練した後、ペレット化して、難燃剤バッチを調製した。
〔C成分(触媒バッチ)の調製〕
表1〜2に示す配合質量比でポリエチレン系樹脂(1)とシラン架橋触媒を2軸押出混練機に加え、200℃で0.1〜2分間加熱混練した後、ペレット化して、触媒バッチを調製した。
〔絶縁電線の作製〕
上記シラングラフトバッチと(A成分)、上記難燃剤バッチ(B成分)と上記触媒バッチ(C成分)とを押出機のホッパーで混合して押出機の温度を約180〜200℃に設定して、押出加工を行った。外径2.4mmの導体上に厚さ0.7mmの絶縁体を押出被覆した(被覆外径3.8mm)。その後、60℃、90%湿度の高湿高温槽で24時間水架橋処理を施して絶縁電線を作製した。
得られた絶縁電線について、下記方法に従って難燃性、耐熱性(実施例1−1〜7、比較例1−1〜9)、機械特性、剥離性、ゲル分率(実施例2−1〜9、比較例2−1〜9)の評価を行った。その結果を表1〜2に合わせて示す。
〔難燃性〕
JASO D608−92に従い、300mmの試料を用意し、水平燃焼試験を実施した。口径10mmのブンゼンバーナーを用いて還元炎の先端を試料中央部の下側から10秒間当て、炎を静かに取り去った後の残炎時間を測定した。炎がすぐに消えるものを「◎」、この残炎時間が30秒以内のものを合格「○」、残炎時間が30秒を超えるものを不合格「×」とした。
〔耐熱性)
150mm以上の試料を用意し、160℃の炉に216時間投入し、その後、室温で電線径の1.5倍の直径のマンドレルに巻付けて絶縁体のヒビ割れ有無を観察した。変色が少なくヒビ割れのないものを「◎」、ヒビ割れが無かったものを「○」、ヒビ割れが有ったものを「×」とした。
〔機械特性の評価〕
JIS C 3005の引張試験に準拠して、引張試験および引張伸びを測定した。すなわち絶縁電線を150mmの長さに切り出し、導体を取り除いて絶縁被覆材のみの管状試験片とした後、23℃±5℃の室温下にて、試験片の両端を引張試験機チャックに取り付けた後、引張速度200mm/分で引っ張り、試験片の破断時の荷重および伸びを測定した。引張強度11MPa以上かつ伸び200%以上のものを「◎」、引張強度10MPa以上かつ伸び150%以上のものを「○」、引張強度10MPa未満あるいは伸び150%未満のものを「×」とした。
〔剥離性の評価〕
100mmの電線2本をテープで巻付けたものを、150℃×24時間の条件下に放置した後、テープを取り去り2本の電線を剥がした。すぐに剥がれ接着跡がほとんどついていないものを「◎」、剥がれるが接着跡がまばらについているものを「○」、剥がれにくく接着跡が全面的についているものを「×」とした。
〔ゲル分率の測定方法〕
JASO−D608−92に準拠して、ゲル分率を測定した。すなわち、電線の絶縁体試料を約0.1g秤量しこれを試験管に入れ、キシレン20mlを加えて、120℃の恒温油槽中で24時間加熱する。その後試料を取り出し、100℃の乾燥機内で6時間乾燥後、常温になるまで放冷してから、その重量を精秤し、試験前の質量に対する質量百分率をもってゲル分率とした。ゲル分率60%以上のものを「◎」、ゲル分率50%以上のものを「○」、ゲル分率50%未満のものを「×」とした。なお、ゲル分率は、水架橋の架橋状態を表す指標として架橋電線には一般的に用いられている。規格は50%以上である。
Figure 0005655595
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実施例1−1〜1−7は、難燃剤として水酸化マグネシウムを用いた実施例である。また実施例2−1〜2−9は、難燃剤として臭素系難燃剤と三酸化アンチモンを用いた実施例である。表1に示すように、実施例1−1〜1−7、2−1〜2−9に係る絶縁電線は、いずれもシラン変性ポリエチレン系樹脂に対して、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンを特定量配合し、難燃剤を特定量配合したものであるから、難燃性、剥離性機械特性が良好であった。
これに対し表2に示すように、比較例1−1〜1−5は、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンを含有しないので、剥離性が不良である。
比較例1−6は、難燃剤を含有しないので難燃性が不良である。比較例1−7は難燃剤として水酸化マグネシウムの配合量が多すぎるため、機械特性が不良である。比較例1−8は、シラン変性ポリエチレン系樹脂の量が少なすぎるため耐熱性が不良である。比較例1−9は、シラン変性ポリエチレン系樹脂の含有量が多くなっているが水酸化マグネシウムの量が少ないので、難燃性が不良である。
比較例2−1〜2−5は、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンを含有しないので、剥離性が不良である。
比較例2−6、2−7は、難燃剤の配合量が不適当なので、難燃性が不良である。比較例2―8は、シラン変性ポリエチレン系樹脂が少なすぎるので、機械特性が不良である。比較例2−9は、比較例2−6、2−7と比較してシラン変性ポリエチレン系樹脂の配合量を増やしているが、臭素系難燃剤の量が少なすぎるので、依然として難燃性が不十分である。
表2に示すように、比較例1−1〜1−9、比較例2−1〜2−9は、シラン変性ポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、難燃剤、安定剤が適正に含有されていないため、難燃性、機械特性、剥離性のいずれかが劣っていて、これらの特性を全て満足するものは得られなかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (3)

  1. シラン変性ポリエチレン系樹脂40〜80質量部と、
    ポリエチレン系樹脂20〜60質量部を含有する、
    ポリマー成分100質量部に対し、
    難燃剤として臭素系難燃剤20〜70質量部、三酸化アンチモン5〜40質量部と、
    安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン0.5〜5質量部を含有してなることを特徴とする難燃性組成物。
  2. 請求項1に記載の難燃性組成物の成分組成を有する難燃性樹脂の製造方法であって、
    ポリエチレン系樹脂にシランカップリング剤をグラフト重合させたシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有するA成分と、
    ポリエチレン系樹脂に、難燃剤として臭素系難燃剤及び三酸化アンチモンと、安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンとを少なくとも配合してなるB成分と、
    ポリエチレン系樹脂にシラン架橋触媒を配合してなるC成分を、
    混練して成形した後、水架橋を行うことを特徴とする難燃性樹脂の製造方法。
  3. 請求項1に記載の難燃性組成物から形成された絶縁体により、導体の外周が被覆されていることを特徴とする絶縁電線。
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