JP5654728B2 - 開環重合体水素化物及びこれを含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、技術の急速な進歩に従い、従来の熱可塑性ノルボルネン系樹脂製のシート、フィルムまたはチューブの柔軟性が不十分な場合があり、適度な防湿性および耐熱性を有し、かつ柔軟性に富んだ熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物が求められるようになった。
そこで、2−ノルボルネン由来の構造単位90〜99重量%と置換基含有ノルボルネン由来の構造単位1〜10重量%からなる開環重合体水素化物が検討された(例えば、特許文献3参照)。当該開環重合体水素化物は、耐熱性、防湿性に優れているが、柔軟性に劣るという問題を有している。
更に、熱可塑性炭化水素重合体と液体炭化水素ポリマーを含有する熱可塑性炭化水素重合体組成物が検討された(例えば、特許文献4参照)。当該樹脂組成物は、柔軟性に優れるが、防湿性が劣るという問題を有している。
更に、本発明は、上記ノルボルネン系開環重合体水素化物を含む樹脂組成物を提供する。
本発明のノルボルネン系開環重合体水素化物は、2−ノルボルネンと置換基含有ノルボルネン系単量体を開環重合して得られる開環重合体の2重結合の水素化より得られ、2−ノルボルネン由来の構造単位(A)及び置換基含有ノルボルネン系単量体由来の構造単位(B)を含有し、構造単位(A)の含有量が75〜89重量%、構造単位(B)の含有量が11〜25重量%であり、かつ、示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク温度が55〜95℃であることを特徴とする。
置換基含有ノルボルネン系単量体の量が多いと耐熱性および防湿性が低下し、置換基含有ノルボルネン系単量体の量が少ないと柔軟性が低下する。
なお、ノルボルネン開環重合体水素化物の融解ピーク温度は、ノルボルネン開環重合体水素化物の組成、分子量、分子量分布、水素添加率、異性化率、使用するモノマーの純度等により調節する。
融解エンタルピーは前記の2−ノルボルネン由来の構造単位(A)及び置換基含有ノルボルネン系単量体由来の構造単位(B)の含有量、異性化率及び水添率により適宜調整される。2−ノルボルネン由来の構造単位が多いと融解エンタルピーは高くなり、2−ノルボルネン由来の構造単位が少ないと融解エンタルピーは低くなる。また、異性化率が高いと融解エンタルピーが低くなり、水素添加率が低いと融解エンタルピーが低くなる。
損失正接(tanδ)のピーク温度は前記の2−ノルボルネン由来の構造単位(A)及び置換基含有ノルボルネン系単量体由来の構造単位(B)の含有量、置換基含有ノルボルネン系単量体の種類、異性化率及び水添率により適宜調整される。2−ノルボルネン由来の構造単位が多いとピーク温度は低くなり、2−ノルボルネン由来の構造単位が少ないとピーク温度が高くなる。また、置換基含有ノルボルネン系単量体の分子量が大きいほどピーク温度が高くなり、置換基含有ノルボルネン系単量体の分子量が小さいほどピーク温度は低くなる。
なお、このピーク温度は一つだけ存在することが好ましく、ピーク温度の下限は好ましくは0℃である
本発明の開環重合体水素化物の原料である2−ノルボルネンは公知化合物である。2−ノルボルネンは、例えば、シクロペンタジエンとエチレンの反応により得られる。ただし、工業的に入手できる2−ノルボルネンは通常不純物を含有している。不純物としては、例えば、シクロペンタジエン、ノルボルナン、メチルノルボルネン、ジメチルジシクロペンタジエンなどがあげられる。これらの中でも、メチルノルボルネン、ジメチルシクロペンタジエンは、2−ノルボルネンと開環共重合可能な単量体成分である。2−ノルボルネン中の不純物の含有量は通常、1重量%未満、好ましくは、0.8重量%未満、より好ましくは、0.5重量%未満である。2−ノルボルネン中の不純物の含有量が1重量%未満であると、得られるノルボルネン開環重合体水素化物の耐熱性が高く維持される。
本発明の開環重合体水素化物の原料である置換基含有ノルボルネン系単量体は、分子内にノルボルネン骨格を有する化合物である(ただし、2−ノルボルネンを除く)。置換基を有する2−ノルボルネン系誘導体のほか、縮合した環を有するノルボルネン化合物も、本発明の開環重合体水素化物の原料である「置換基含有ノルボルネン系単量体」に含まれる。
ノルボルネン系単量体の開環重合は、無溶媒又は適当な溶媒中で、メタセシス重合触媒の存在下に実施することができる。
重合時間は、特に制限されないが、通常、1分間〜100時間である。
圧力条件も特に限定されないが、通常、0〜1MPaの加圧下で重合を行う。
後述するように、開環重合を行った反応溶液に水素化触媒を添加して、ノルボルネン系開環重合体を単離することなく、連続的に水素化反応を行うこともできる。
ノルボルネン系開環重合体の水素化反応は、ノルボルネン系開環重合体の主鎖に存在する炭素−炭素二重結合に水素添加する反応である。この水素化反応は、ノルボルネン系開環重合体の不活性溶媒溶液に水素化触媒を添加し、反応系内に水素を供給して行う。
開環重合体水素化物の水素添加率は、溶媒に重クロロホルムを用い、1H−NMRにより測定して求めることができる。
本発明の開環重合体水素化物の異性化率は、溶媒に重クロロホルムを用い、13C−NMRにより測定した33.0ppmピーク積分値/(31.8ppmピーク積分値+33.0ppmピーク積分値)×100から算出することができる。
なお、31.8ppmピークは、該重合体中の2−ノルボルネンの繰り返し単位のシス体由来のもの、33.0ppmピークは、該重合体中の2−ノルボルネンの繰り返し単位のトランス体由来のものである。
本発明の樹脂組成物は、本発明の開環重合体水素化物を含有することを特徴とする。
用いる酸化防止剤としては、特に制限されないが、その分子量が700以上であるものが好ましい。酸化防止剤の分子量が低すぎると、成形品から酸化防止剤が溶出するおそれがある。
これらの紫外線吸収剤及び耐候安定剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物を周知の成形方法で成形して、各種成形体を製造することができる。
半導体・エネルギー分野としては、有機EL、太陽電池、燃料電池、半導体容器などの封止材、電線被膜、搬送フィルム、保護フィルム、繊維、不織布などがあげられる。
(1)開環共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、トルエンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。
標準ポリスチレンとしては、東ソー社製標準ポリスチレン(Mwが500、2630、10200、37900、96400、427000、1090000、5480000のものの計8点)を用いた。
標準ポリスチレンとしては、東ソー社製標準ポリスチレン(Mwが988、2580、5910、9010、18000、37700、95900、186000、351000、889000、1050000、2770000、5110000、7790000、20000000のものの計16点)を用いた。
なお、31.8ppmピークは、該重合体中の2−ノルボルネンの繰り返し単位のシス体由来のもの、33.0ppmピークは、該重合体中の2−ノルボルネンの繰り返し単位のトランス体由来のものである。
開環重合
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.55部、ジイソプロピルエーテル1.78部、トリイソブチルアルミニウム0.39部、及びイソブチルアルコール0.15部を室温で反応器に入れ混合した。そこへ、2−ノルボルネン(以下、「NB」ということがある。)200部、ジシクロペンタジエン(以下、「DCP」ということがある。)50部及び六塩化タングステン1.0%トルエン溶液30部を、65℃に保ちながら、2時間かけて連続的に添加し、重合を行った。
得られた開環重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、70,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
上記で得た重合反応液を耐圧の水素化反応器に移送し、そこへ、ケイソウ土担持ニッケル触媒(T8400、ニッケル担持率58%、日産ズードヘミー社製)0.5部を加え、200℃、水素圧4.5MPaで6時間反応させた。この溶液を、ラジオライト#500(昭和化学社製)を濾過床として、加圧濾過器(フンダフィルター、石川島播磨重工社製)を使用し、圧力0.25MPaで加圧濾過して、開環重合体水素化物(A)の無色透明な溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(A)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、69,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.8、異性化率は5.0%、融解ピーク温度は67℃、融解エンタルピーは28J/g、tanδピーク温度は28℃であった。
得られた反応溶液を3000部のイソプロピルアルコール中に撹拌下に注ぎ、析出物を濾取した。アセトン500部で洗浄した後、重合体固形分100部当り、酸化防止剤(テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、イルガノックス1010、チバガイギー社製)0.1部を加え、0.13×103Pa以下、50℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、開環重合体水素化物(A)を190重量部得た。
開環重合体水素化物(A)を、片面を鏡面加工した熱さ1mm×長さ200mm×幅100mmの金型を用いて、真空加熱プレス装置(井元製作所社製)にて、プレス圧8Mpa、型温度180℃で5分の条件でプレス後、冷却速度0.5℃/分で室温まで冷却して、樹脂シート(A)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例1において、用いる単量体を2−ノルボルネン223部、ジシクロペンタジエン27部とし、1−ヘキセン0.60部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、60,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(B)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(B)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、61,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、異性化率は6.4%、融解ピーク温度は90℃、融解エンタルピーは35J/g、tanδピーク温度は26℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(B)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(B)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例1において、用いる単量体を2−ノルボルネン195部、ジシクロペンタジエンに代えてテトラシクロドデセン(以下、「TCD」ということがある。)55部とし、1−ヘキセン0.70部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は、54,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(C)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(C)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、53,100、分子量分布(Mw/Mn)は2.4、異性化率は4.8%、融解ピーク温度は63℃、融解エンタルピーは25J/g、tanδピーク温度は39℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(C)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(C)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例3において、用いる単量体を2−ノルボルネン220部、テトラシクロドデセン30部とし、1−ヘキセン0.75部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(D)の重量平均分子量(Mw)は、44,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.3であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(D)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(D)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、43,300、分子量分布(Mw/Mn)は2.3、異性化率は4.3%、融解ピーク温度は84℃、融解エンタルピーは31J/g、tanδピーク温度は30℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(D)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(D)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例3において、用いる単量体を2−ノルボルネン200部、ジシクロペンタジエンに代えて5−メチルノルボルネン(以下、「MeNB」ということがある。)50部とし、1−ヘキセン0.58部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(E)の重量平均分子量(Mw)は、59,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(E)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(E)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、58,300、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、異性化率は5.1%、融解ピーク温度は88℃、融解エンタルピーは30J/g、tanδピーク温度は17℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(E)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(E)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例3において、用いる単量体を2−ノルボルネン208部、ジシクロペンタジエンに代えて5−エチリデンノルボルネン(以下、「EdNB」ということがある。)42部とし、1−ヘキセン0.50部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(F)の重量平均分子量(Mw)は、65,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.7であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(F)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(F)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、64,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.7、異性化率は5.7%、融解ピーク温度は73℃、融解エンタルピーは32J/g、tanδピーク温度は16℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(F)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(F)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例1において、用いる単量体を2−ノルボルネン238部、ジシクロペンタジエン12部とし、1−ヘキセン0.53部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(G)の重量平均分子量(Mw)は、72,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(G)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(G)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、71,300、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は5.3%、融解ピーク温度は131℃、融解エンタルピーは50J/g、tanδピーク温度は15℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(G)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(G)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例1において、用いる単量体を2−ノルボルネン185部、ジシクロペンタジエン75部とし、1−ヘキセン0.80部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(H)の重量平均分子量(Mw)は、40,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.2であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(H)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(H)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、40,100、分子量分布(Mw/Mn)は2.2、異性化率は6.1%、融解ピーク温度は51℃、融解エンタルピーは18J/g、tanδピーク温度は33℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(H)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(H)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例3において、用いる単量体を2−ノルボルネン233部、テトラシクロドデセン17部とし、1−ヘキセン0.55部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、63,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(I)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(I)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、62,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.4、異性化率は5.3%、融解ピーク温度は115℃、融解エンタルピーは43J/g、tanδピーク温度は13℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(I)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(I)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例3において、用いる単量体を2−ノルボルネン183部、テトラシクロドデセン67部とし、1−ヘキセン0.40部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(J)の重量平均分子量(Mw)は、85,600、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(J)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(J)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、83,800、分子量分布(Mw/Mn)は3.1、異性化率は6.8%、融解ピーク温度は52℃、融解エンタルピーは16J/g、tanδピーク温度は37℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(J)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(J)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
開環重合・水素化反応
実施例1において、用いる単量体を2−ノルボルネン50部、ジシクロペンタジエン200部とし、1−ヘキセン0.80部にした以外は同様にして開環共重合を行った。
得られた開環重合体(K)の重量平均分子量(Mw)は、44,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.4であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(K)の溶液を得た。
得られた開環重合体水素化物(K)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、43,800、分子量分布(Mw/Mn)は4.4、融解ピークは観察されず、tanδピーク温度は72℃であった。
実施例1と同様にして、開環重合体水素化物(K)を190部得た。
実施例1と同様にして、樹脂シート(K)を作製した。得られたシートの透湿度、引張弾性率、引張伸びの評価を行った。結果を表1に示す。
一方、比較例1および3の樹脂シートは、水蒸気バリア性に優れているものの、融解エンタルピーが高く結晶化度が高いため、引張伸びは小さく、柔軟性に劣っていた。比較例2および4の樹脂シートは、引張伸びに優れているものの、融解エンタルピーが低く結晶化度が低いために、水蒸気バリア性に劣っている。比較例5の樹脂シートは、水蒸気バリア性に優れているものの、融解ピーク温度が観測されず、tanδピーク温度が高いために、引張弾性率が高く、柔軟性に劣っていた。
Claims (4)
- 2−ノルボルネン由来の構造単位(A)及び置換基含有ノルボルネン系単量体由来の構造単位(B)を含有し、構造単位(A)の含有量が75〜89重量%、構造単位(B)の含有量が11〜25重量%であり、かつ、示差走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク温度が55〜95℃であるノルボルネン系開環重合体水素化物。
- 融解エンタルピーが20〜40J/gの範囲である、請求項1に記載のノルボルネン系開環重合体水素化物。
- 動的粘弾性の温度依存性から得られる損失正接(tanδ)のピークが40℃以下の温度域に1つだけ存在する、請求項1または2に記載のノルボルネン系開環重合体水素化物。
- 請求項1〜3のいずれか記載のノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する樹脂組成物。
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