JP4715716B2 - 多層紙および包装体 - Google Patents
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Description
本発明の第2によれば、本発明の多層紙を二次加工して得られる包装体が提供される。
本発明の包装体は、牛乳、ジュース類、コーヒー飲料、スープ類等の液状物を長期間保存する食品容器として特に好適に用いることができる。
1)多層紙
本発明の多層紙は、2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化することにより得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が90〜100重量%、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が0〜10重量%であり、かつ、融点が110〜145℃の範囲であるノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層と、紙層とを少なくともそれぞれ1層有することを特徴とする。
本発明に用いるノルボルネン系開環重合体水素化物は、(i)2−ノルボルネンを、メタセシス重合触媒の存在下に開環重合することにより、2−ノルボルネン単独開環重合体を得た後、得られる開環重合体の炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化して得られるものであるか、(ii)2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を、メタセシス重合触媒の存在下に開環重合することにより、2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体の開環共重合体を得た後、得られる開環共重合体の炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化して得られるものである。
000、より好ましくは1:5,000〜1:8,000である。触媒量が多すぎると重合反応後の触媒除去が困難になったり、また、分子量分布が広がるおそれがあり、一方、少なすぎると十分な重合活性が得られない。
用いる有機溶媒としては、重合体及び重合体水素化物が所定の条件で溶解もしくは分散し、かつ、重合及び水素化反応に影響しないものであれば特に限定されないが、工業的に汎用されている溶媒が好ましい。
開環重合を行う温度は、特に限定されないが、通常−20〜+100℃、好ましくは10〜80℃で重合を行う。温度が低すぎると反応速度が低下し、高すぎると副反応により、分子量分布が広がるおそれがある。
重合時間は、1分間〜100時間で、特に制限はない。
重合時の圧力条件は特に限定されないが、通常、0〜1MPaの加圧下で重合を行う。
また後述するように、開環重合を行った反応溶液に水素化触媒を添加して、ノルボルネン系開環重合体を単離することなく、連続的に水素化反応を行うこともできる。
帯電防止剤を用いる場合、その配合量は、ノルボルネン系開環重合体水素化物100重量部に対して、通常、0.001〜5重量部の範囲である。
本発明の多層紙は、紙層を少なくとも1層有する。
前記紙層に用いられる紙としては、特に制限されない。例えば、薄葉紙、雑種紙、板紙、合成紙等の、従来公知の包装材として用いられている紙が挙げられる。
本発明の多層紙においては、前記NB層及び紙層の他に、その他の樹脂材料を含有する層(合成樹脂層)や遮光層等のその他の層を有していてもよい。
また、前記合成樹脂層には、前記NB層の中に用いることができる配合剤を含有させてもよい。
(2) 紙層/NB層/合成樹脂層
(3) 紙層/合成樹脂層/NB層
(4) NB層/紙層/合成樹脂層/合成樹脂層
(5) NB層/紙層/合成樹脂層/NB層
(6) 合成樹脂層/NB層/紙層/合成樹脂層
(7) NB層/合成樹脂層/紙層/合成樹脂層/NB層
(8) NB層/合成樹脂層/紙層/NB層/合成樹脂層
(9) NB層/紙層/遮光層
(10) NB層/紙層/遮光層/合成樹脂層
(11) NB層/紙層/合成樹脂層/遮光層
成形条件は、使用する層の種類、層構成に応じて適宜選択すればよい。
本発明の包装体は、本発明の多層紙を二次加工することにより得られるものである。
本発明の多層紙を二次加工する方法は、特に制約されない。例えば、ヒートシール、プレス成形、真空成形、圧空成形、溶着、ラミネートチューブ加工等が挙げられる。
成形条件は、使用する樹脂の種類や層構成に応じて適宜選択すればよい。
(1)開環重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、トルエンを溶離とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。
標準ポリスチレンとしては、標準ポリスチレン〔東ソー社製、重量平均分子量(Mw)が988、2580、5910、9010、18000、37700、95900、186000、351000、889000、1050000、2770000、5110000、7790000、20000000のものの計16点〕を用いた。
(6)ガラス転移温度は、示差走査熱量分析計(DSC6220SII、ナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K6911に基づいて測定した。
(8)耐衝撃性は、多層紙を用いて袋を作製し、これに水を充填して55℃で2週間保管した後、高さ2mの地点から垂直落下させ、内容物が漏れたものの数を数えることで評価した(n=100)。
漏れた容器の数が少ないものほど耐衝撃性に優れることを意味する。
(10)酸素バリア性は、JIS K7126(B法)に基づいて温度:23℃、湿度:0%RHの条件下の酸素透過度を MOCON(R)酸素透過率測定装置(MOCON社製:OX−TRAN2型)で測定することにより評価した。酸素透過度(cm3/(m2・24h・atm))が小さいとガスバリア性が良好であることを示す。
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500重量部に、1−ヘキセン0.55重量部、ジイソプロピルエーテル0.30重量部、トリイソブチルアルミニウム0.20重量部、及びイソブチルアルコール0.075重量部を反応器に入れ、内容物を室温で十分に混合した。この溶液を55℃に保ちながら、2−ノルボルネン(以下「NB」と略す。)250重量部、及び六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液15重量部を2時間かけて連続的に添加して、開環重合を行った。得られた開環重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、83,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。
上記で得た開環重合体(A)を含む重合反応液を耐圧の水素化反応器に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒(日産ズードヘミー社製;T8400、ニッケル担持率58重量%)0.5重量部を加え、160℃、水素圧4.5MPaで6時間反応させた。この溶液を、珪藻土をろ過助剤としてステンレス製金網を備えたろ過器によりろ過し、触媒を除去した。
得られた開環重合体水素化物(A)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、82,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は5%、融点は140℃であった。
開環重合体水素化物(A)100重量部に酸化防止剤(チバガイギー社製;イルガノックス1010、テトラキス〔メチレン-3-(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、以下、「酸化防止剤A」と略記する)0.1重量部を加え、2軸混練機(TEM35B、東芝機械社製)で混練し、ペレット(A)を得た。
ペレット(A)を、スクリュー径20mmφ、圧縮比3.1、L/D=30のスクリューを備えたハンガーマニュホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出成形機(据置型、GSIクレオス社製)を使用して以下の条件でTダイ成形を行い、単層フィルム(A)(厚み:30μm)を得た。
ダイリップ :0.8mm
溶融樹脂温度 :180℃
Tダイの幅 :300mm
冷却ロール :120℃
キャストロール :130℃
(開環共重合)
製造例1において、用いる単量体を、2−ノルボルネン245重量部、メチルノルボルネン(以下「MNB」と略す。)5重量部とし、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液15重量部、1−ヘキセン0.40重量部、ジイソプロピルエーテル0.31重量部、トリイソブチルアルミニウム0.20重量部、イソブチルアルコール0.08重量部とした以外は製造例1と同様にして開環共重合を行った。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、103,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。
製造例1において、開環重合体(A)に代えて開環重合体(B)を用いた以外は製造例1と同様にして水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(B)を190重量部得た。
得られた開環共重合体水素化物(B)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、100,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は8%、融点は136℃であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(B)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(B)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(B)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(B)(厚み:30μm)を得た。
(開環共重合・水素化反応)
製造例1において、用いる単量体を、2−ノルボルネン240重量部、メチルノルボルネン10重量部とし、1−ヘキセン0.55重量部とした以外は製造例1と同様に開環共重合を行なった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は、81,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。その後、製造例1と同様にして、水素化反応を行い、開環重合体水素化物(C)を得た。
得られた開環共重合体水素化物(C)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、80,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は8%、融点は133℃であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(C)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(C)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(C)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(C)(厚み:30μm)を得た。
(開環共重合・水素化反応)
製造例1において、用いる単量体を、2−ノルボルネン227.5重量部、メチルノルボルネン22.5重量部とし、1−ヘキセン0.4重量部、ジイソプロピルエーテル0.40重量部、トリイソブチルアルミニウム0.27重量部、イソブチルアルコール0.10重量部、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液20重量部とした以外は製造例1と同様にして、開環共重合を行った。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(D)の重量平均分子量(Mw)は、101,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.8であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環重合体水素化物(D)を得た。
得られた開環共重合体水素化物(D)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、98,800、分子量分布(Mw/Mn)は3.8、異性化率は7%、融点は114℃であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(D)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(D)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(D)を用い、溶融樹脂温度を170℃、冷却ロールを100℃、キャストロールを110℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(D)(厚み:30μm)を得た。
(開環共重合・水素化反応)
実施例2において、用いる単量体を、2−ノルボルネン240重量部、ジシクロペンタジエン(以下「DCP」と略す。)10重量部とし、1−ヘキセン0.55重量部、ジイソプロピルエーテル0.40重量部、トリイソブチルアルミニウム0.27重量部、イソブチルアルコール0.10重量部、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液20重量部とした以外は実施例1と同様にして、開環共重合を行った。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(E)の重量平均分子量(Mw)は、83,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.7であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(E)を190重量部得た。
得られた開環共重合体水素化物(E)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、81,300、分子量分布(Mw/Mn)は3.8、異性化率は9%、融点は134℃であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて、開環共重合体水素化物(E)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(E)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(E)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(E)(厚み:30μm)を得た。
(開環共重合及び水素化反応)
製造例1において、2−ノルボルネンに代えてメチルテトラシクロドデセン(以下「MTD」と略す。)200重量部、及びジシクロペンタジエン50重量部を用い、1−ヘキセンを0.40重量部とした以外は製造例1と同様にして、開環共重合を行った。
得られた開環共重合体(F)の重量平均分子量(Mw)は、56,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。
その後、製造例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(F)を得た。
得られた開環共重合体水素化物(F)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、55,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.1、ガラス転移温度は140℃であり、融点は観察されなかった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(F)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(F)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(F)を用い、溶融樹脂温度を250℃、冷却ロールを125℃、キャストロールを135℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(F)(厚み:30μm)を得た。
(開環共重合・水素化反応)
製造例1において、モノマーを2−ノルボルネン222.5重量部、テトラシクロドデセン(以下「TCD」と略す。)27.5重量部とし、1−ヘキセン0.07重量部、ジイソプロピルエーテル0.4重量部、トリイソブチルアルミニウム0.27重量部、イソブチルアルコール0.10重量部、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液20重量部とした以外は製造例1と同様にして、開環共重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(G)の重量平均分子量(Mw)は、319,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.4であった。
その後、珪藻土担持ニッケル触媒を3重量部とした以外は製造例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(G)を得た。
得られた開環共重合体水素化物(G)の水素化率は99.0%、重量平均分子量(Mw)は、315,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.9、異性化率は9%、融点は100℃であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(G)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(G)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(G)を用い、溶融樹脂温度を150℃、冷却ロールを80℃、キャストロールを90℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(G)(厚み:30μm)を得た。
(開環重合)
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブに、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド・ジエチルエーテル1.1重量部とシクロヘキサン18.5重量部を添加した。さらにジエチルアルミニウムエトキシド0.87重量部をヘキサン9.26重量部に溶解した溶液を添加して、室温にて30分攪拌した。得られた混合物に、ジシクロペンタジエン139重量部、1−ヘキセン0.33重量部を添加し、50℃で3時間重合反応を行なった。
得られた開環重合体(H)の重量平均分子量(Mw)は、78,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.5であった。
上記で得た開環重合体(H)を含む重合反応溶液に、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.87重量部、及びエチルビニルエーテル20.4重量部を、シクロヘキサン650重量部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧1.0MPa、160℃で20時間水素化反応を行なった。反応溶液を大量のイソプロパノールに注いでポリマーを完全に析出させ、析出物を濾取した。アセトン500重量部で洗浄した後、0.13×103Pa以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥して、開環重合体水素化物(H)を130重量部得た。
得られた開環重合体水素化物(H)は、GPCの溶剤に溶解せず、分子量の測定はできなかった。また、融点は273℃であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(H)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(H)を得た。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(H)を用い、溶融樹脂温度を310℃、冷却ロールを220℃、キャストロールを230℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(H)(厚み:30μm)を得た。
ペレット(B)と、融点126℃、密度0.937g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン(以下「LDPE」と略す。)(ユメリット4040F、宇部興産社製)を、スクリュー径20mmφ、圧縮比3.1、L/D=30のスクリューを備えたハンガーマニュホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出成形機(据置型、GSIクレオス社製)を使用して以下の条件で2層Tダイ成形を行い、多層フィルム(I)(総厚み:60μm、各層の厚み:ペレット(B)/直鎖状低密度ポリエチレン=30/30μm)を得た。
ダイリップ :0.8mm
(ペレット(B))溶融樹脂温度 :180℃
(直鎖状低密度ポリエチレン)溶融樹脂温度:180℃
Tダイの幅 :300mm
冷却ロール :110℃
キャストロール :120℃
(付加重合)
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブに、トルエン1000重量部、ジクロロエトキシオキソバナジウム0.91重量部、テトラシクロドデセン30重量部を入れた。エチレンガスを100L/hrで反応器内に通しながら、エチルアルミニウムセスキクロリド12.4重量部を滴下して、10℃で30分間重合反応を行なった。メタノールを10重量部添加して反応を停止させた。反応溶液を大量のイソプロパノールに注いでポリマーを完全に析出させ、析出物を濾取した。アセトン500重量部で洗浄した後、0.13×103Pa以下、80℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、付加重合体(J)(組成:エチレン70モル%)を45重量部得た。
得られた付加重合体のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算における重合分子量は36,000であった。
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(J)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(J)(厚み:30μm)を得た。
坪量105g/m2、120μmの上質紙(OKプリンス上質 厚口、王子製紙社製)上に、フィルム(A)をウレタン系接着剤(タケネート/タケラック、三井武田ケミカル社製、以下「AD」と略す。)で接着し、多層紙(A)(総厚み155μm)を作製した。
得られた多層紙(A)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(B)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(B)を作製し、多層紙(B)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(B)を作製し、得られた袋(B)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(C)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(C)を作製し、多層紙(C)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(C)を作製し、得られた袋(C)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(D)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(D)を作製し、多層紙(D)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(D)を作製し、得られた袋(D)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(E)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(E)を作製し、多層紙(E)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(E)を作製し、得られた袋(E)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
坪量105g/m2、120μmの上質紙(OKプリンス上質 厚口、王子製紙社製)上に、フィルム(I)のペレット(B)側をウレタン系接着剤(タケネート/タケラック、三井武田ケミカル社製)で接着し、多層紙(I)(総厚み185μm)を作製した。得られた多層紙(I)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(I)を作製し、得られた袋(I)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(F)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(F)を作製し、多層紙(F)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(F)を作製し、得られた袋(F)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(G)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(G)を作製し、多層紙(G)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(G)を作製し、得られた袋(G)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(H)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(H)を作製し、多層紙(H)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1において、多層紙(A)に代えて多層紙(H)を用い、ヒートシール条件を290℃、0.2MPa、2秒の条件にした以外は実施例1と同様にして袋(H)を作製し、得られた袋(H)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(J)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(J)を作製し、多層紙(J)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(J)を作製し、得られた袋(J)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
一方、比較例1〜4の多層紙(F)〜(H)、(J)は、水蒸気バリア性、酸素バリア性に劣っていた。
実施例1〜6の多層紙(A)〜(E)、(I)、及び比較例3の多層紙(H)は、耐油性に優れていた。一方、比較例1,2,4の多層紙(F)、(G)、(J)は、耐油性に劣っていた。
また、実施例1〜6の袋(A)〜(E)、(I)は、優れた耐衝撃性を有していたが、比較例1〜4の袋(F)〜(H)、(J)は耐衝撃性に劣っていた。
Claims (4)
- 2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化することにより得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が90〜100重量%、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が0〜10重量%であり、かつ、融点が110〜145℃の範囲であるノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層と、紙層とを少なくともそれぞれ1層有する多層紙。
- 前記ノルボルネン系開環重合体水素化物の、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)が、50,000〜200,000であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5〜5.0である請求項1に記載の多層紙。
- ポリオレフィン系樹脂を含有する層をさらに少なくとも一層有する請求項1または2に記載の多層紙。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の多層紙を二次加工して得られる包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006288680A JP4715716B2 (ja) | 2006-10-24 | 2006-10-24 | 多層紙および包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
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