JP4715716B2 - 多層紙および包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合、水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層と、紙層とを少なくともそれぞれ1層有する多層紙、この多層紙を二次加工して得られる包装体に関する。
紙基材上に樹脂フィルム等の被覆層を設けた多層紙は、薬剤、食料品、日用雑貨等を被包装物とする各種包装材や包装容器として、また、家具、床材、天井、壁紙、装飾用紙等の建材類等として広く用いられている。
従来、このような多層紙として、紙基材上に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン層を設けたポリオレフィン多層紙が知られている。このポリオレフィン多層紙は人体への安全性や耐熱性、表面光沢性等に優れており、上記のような食品容器、建材等に広く利用されている。しかしながら、このポリオレフィン多層紙は防湿性が不十分であり、例えば、ポリオレフィン多層紙を二次加工して得られる食品容器を用いた場合、充填された内容物中の水分が容器外部に漏れて、内容物が減少してしまう場合があった。
このような問題を解決する手段として、例えば、特許文献1には、防湿性に優れる環状オレフィン系樹脂からなる樹脂層を有する多層紙が提案されている。しかし、特許文献1に記載された多層紙を食品容器に用い、食品を高温下、長期保管した場合においては、食品中の水分の透過を十分に抑制できず、また、酸素等のガスが容器内に透過し、食品の品質劣化が起こる場合があった。
また、特許文献2には、融点を有するノルボルネン系開環重合体、又はこの開環重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化して得られた、融点を有するノルボルネン系開環重合体水素化物を成形材料として用いるフィルム及びシートが提案されている。この文献に記載のフィルム及びシートは、高強度で、耐熱性及び耐薬品性に優れるとされている。
しかしながら、この文献に具体的に開示されたジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物は、その融点が270℃以上と非常に高いため、成形が困難であった。また、得られる成形体は、水蒸気バリア性、ガスバリア性、機械的特性等に劣る場合があった。
特開平8−134800号公報 特開2002−194067号公報
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、防湿性(水蒸気バリア性)、ガスバリア性、耐衝撃性等の機械的特性、及び耐油性に優れる多層紙、及びこの多層紙を二次加工して得られる包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、紙基材上に樹脂層を有する多層紙について鋭意研究した。その結果、前記樹脂層の形成材料として、2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化することにより得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が90〜100重量%、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が0〜10重量%であり、かつ、融点が110〜145℃の範囲であるノルボルネン系開環重合体水素化物を用いることにより、水蒸気バリア性、ガスバリア性、耐衝撃性等の機械的特性、及び耐油性に優れる多層紙を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化することにより得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が90〜100重量%、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が0〜10重量%であり、かつ、融点が110〜145℃の範囲であるノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層と、紙層とを少なくともそれぞれ1層有する多層紙が提供される。
本発明の多層紙においては、前記ノルボルネン系開環重合体水素化物の、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)が、50,000〜200,000であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5〜5.0であることが好ましい。
本発明の多層紙においては、ポリオレフィン系樹脂を含有する層をさらに少なくとも一層有することが好ましい。
本発明の第2によれば、本発明の多層紙を二次加工して得られる包装体が提供される。
本発明の多層紙及び包装体は、水蒸気バリア性、ガスバリア性、耐衝撃性等の機械的特性、及び耐油性に優れるため、薬剤、食料品、日用雑貨等を被包装物とする各種包装材や容器として、また、家具、床材、天井、壁紙、装飾用紙等の建材類等として好適に用いることができる。
本発明の包装体は、牛乳、ジュース類、コーヒー飲料、スープ類等の液状物を長期間保存する食品容器として特に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1)多層紙
本発明の多層紙は、2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化することにより得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が90〜100重量%、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が0〜10重量%であり、かつ、融点が110〜145℃の範囲であるノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層と、紙層とを少なくともそれぞれ1層有することを特徴とする。
(ノルボルネン系開環重合体水素化物)
本発明に用いるノルボルネン系開環重合体水素化物は、(i)2−ノルボルネンを、メタセシス重合触媒の存在下に開環重合することにより、2−ノルボルネン単独開環重合体を得た後、得られる開環重合体の炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化して得られるものであるか、(ii)2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を、メタセシス重合触媒の存在下に開環重合することにより、2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体の開環共重合体を得た後、得られる開環共重合体の炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化して得られるものである。
2−ノルボルネンは、公知の化合物であり、例えば、シクロペンタジエンとエチレンとを反応させることにより得ることができる。
置換基含有ノルボルネン系単量体は、分子内にノルボルネン骨格を有する化合物である(ただし、2−ノルボルネンを除く)。本発明に用いる「置換基含有ノルボルネン系単量体」には、置換基を有する2−ノルボルネン誘導体のほか、縮合した環を有するノルボルネン化合物も含まれる。
置換基含有ノルボルネン系単量体としては、分子内にノルボルネン環と縮合する環を有しないノルボルネン系単量体、及び3環以上の多環式ノルボルネン系単量体等が挙げられる。
前記分子内にノルボルネン環と縮合する環を有しないノルボルネン系単量体の具体例としては、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−シクロヘキシルノルボルネン、5−シクロペンチルノルボルネン等のアルキル基を有するノルボルネン類;5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−プロペニルノルボルネン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、5−シクロペンテニルノルボルネン等のアルケニル基を有するノルボルネン類;5−フェニルノルボルネン等の芳香環を有するノルボルネン類;5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−エトキシカルボニルノルボルネン、ノルボルネニル−2−メチルプロピオネイト、ノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、5−ヒドロキシメチルノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5−ヒドロキシイソプロピルノルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシノルボルネン、等の酸素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;5−シアノノルボルネン等の窒素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;等が挙げられる。
3環以上の多環式ノルボルネン系単量体とは、分子内にノルボルネン環と、該ノルボルネン環と縮合している1つ以上の環とを有するノルボルネン系単量体である。その具体例としては、下記に示す式(1)又は式(2)で示される単量体が挙げられる。
Figure 0004715716
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基;又はケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基;を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の二価の炭化水素基である。)
Figure 0004715716
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基;又はケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基;を表し、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。mは1又は2である。)
式(1)で示される単量体としては、具体的には、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン等を挙げることができる。また、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、等の芳香環を有するノルボルネン誘導体も挙げることができる。
式(2)で示される単量体としては、mが1であるテトラシクロドデセン類、mが2であるヘキサシクロヘプタデセン類が挙げられる。
テトラシクロドデセン類の具体例としては、テトラシクロドデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペンチルテトラシクロドデセン等の無置換又はアルキル基を有するテトラシクロドデセン類;8−メチリデンテトラシクロドデセン、8−エチリデンテトラシクロドデセン、8−ビニルテトラシクロドデセン、8−プロペニルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、8−シクロペンテニルテトラシクロドデセン等の環外に二重結合を有するテトラシクロドデセン類;8−フェニルテトラシクロドデセン等の芳香環を有するテトラシクロドデセン類;8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物等の酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−シアノテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−クロロテトラシクロドデセン等のハロゲン原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセン等のケイ素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類等が挙げられる。
ヘキサシクロヘプタデセン類の具体例としては、ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセン等の無置換又はアルキル基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−メチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセン等の環外に二重結合を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−フェニルヘキサシクロヘプタデセン等の芳香環を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘキサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸無水物等の酸素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−シアノヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−クロロヘキサシクロヘプタデセン等のハロゲン原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセン等のケイ素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、上記した2−ノルボルネン及び/又は置換基含有ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体とを組み合わせて用いることもできる。
2−ノルボルネン及び/又は置換基含有ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のモノ環状オレフィン類及びその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン等の環状ジエン及びその誘導体;等が挙げられる。
2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物の組成は、2−ノルボルネンが、通常、90〜100重量%、好ましくは95〜99重量%、より好ましくは97〜99重量%であり、置換基含有ノルボルネン系単量体は、通常、0〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
メタセシス重合触媒としては、例えば、特公昭41−20111号公報、特開昭46−14910号公報、特公昭57−17883号公報、特公昭57−61044号公報、特開昭54−86600号公報、特開昭58−127728号公報、特開平1−240517号公報等に記載された、本質的に(a)遷移金属化合物触媒成分と(b)金属化合物助触媒成分からなる一般のメタセシス重合触媒;シュロック型重合触媒(特開平7−179575号公報、Schrock et al.,J.Am.Chem.Soc.,1990年,第112巻,3875頁〜等)や、グラブス型重合触媒(Fu et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993年,第115巻,9856頁〜;Nguyen et al.,J.Am.Chem.Soc.,1992年,第114巻,3974頁〜;Grubbs et al.,WO98/21214号パンフレット等)等のリビング開環メタセシス触媒;等が挙げられる。
これらの中でも、得られる重合体の分子量分布を好適な範囲に調節するには、(a)遷移金属化合物触媒成分と(b)金属化合物助触媒成分とからなるメタセシス重合触媒が好ましい。
前記(a)遷移金属化合物触媒成分は、周期律表第3〜11族の遷移金属の化合物である。例えば、これらの遷移金属のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセトネート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリド錯体、これらの誘導体、これら又はこれらの誘導体のP(C等の錯化剤による錯化物が挙げられる。
具体例としては、TiCl、TiBr、VOCl、WBr、WCl、WOCl、MoCl、MoOCl、WO、HWO等が挙げられる。なかでも、重合活性等の点から、W、Mo、Ti、又はVの化合物が好ましく、特にこれらのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、又はアルコキシハロゲン化物が好ましい。
前記(b)金属化合物助触媒成分は、周期律表第1〜2族、及び第12〜14族の金属の化合物で少なくとも一つの金属元素−炭素結合、又は金属元素−水素結合を有するものである。例えば、Al、Sn、Li、Na、Mg、Zn、Cd、B等の有機化合物等が挙げられる。
具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物;テトラメチルスズ、ジエチルジメチルスズ、テトラブチルスズ、テトラフェニルスズ等の有機スズ化合物;n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物;n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物;メチルマグネシウムイオジド等の有機マグネシウム化合物;ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物;トリメチルホウ素等の有機ホウ素化合物;等が挙げられる。これらの中で、第13族の金属の化合物が好ましく、特にAlの有機化合物が好ましい。
また、前記(a)成分、(b)成分の他に第三成分を加えて、メタセシス重合活性を高めることができる。用いる第三成分としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含ハロゲン化合物、その他のルイス酸等が挙げられる。
これらの成分の配合比は、(a)成分:(b)成分が金属元素のモル比で、通常、1:1〜1:100、好ましくは1:2〜1:10の範囲である。また、(a)成分:第三成分がモル比で、通常、1:0.005〜1:50、好ましくは1:1〜1:10の範囲である。
また、重合触媒の使用割合は、(重合触媒中の遷移金属):(全単量体)のモル比で、通常、1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:1,000〜1:20,
000、より好ましくは1:5,000〜1:8,000である。触媒量が多すぎると重合反応後の触媒除去が困難になったり、また、分子量分布が広がるおそれがあり、一方、少なすぎると十分な重合活性が得られない。
開環重合は無溶媒で行うこともできるが、適当な溶媒中で行うことが好ましい。
用いる有機溶媒としては、重合体及び重合体水素化物が所定の条件で溶解もしくは分散し、かつ、重合及び水素化反応に影響しないものであれば特に限定されないが、工業的に汎用されている溶媒が好ましい。
このような有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル類等の溶媒を使用することができる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、工業的に汎用されている芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及びエーテル類が好ましい。
重合を有機溶媒中で行う場合には、2−ノルボルネン及び所望により2−ノルボルネンと開環共重合可能なその他の単量体、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物、並びに所望によりこれらと開環共重合可能なその他の単量体(以下、これらをまとめて「単量体」ということがある。)の濃度は、1〜50重量%が好ましく、2〜45重量%がより好ましく、3〜40重量%が特に好ましい。前記モノマー混合物の濃度が1重量%より小さいと生産性が低くなるおそれがあり、50重量%より大きいと重合後の溶液粘度が高すぎて、その後の水素化反応が困難となるおそれがある。
開環重合においては、反応系に分子量調節剤を添加することができる。分子量調節剤を添加することで、得られる開環重合体の分子量を調整することができる。
用いる分子量調節剤としては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエーテル類;アリルクロライド等のハロゲン含有ビニル化合物;グリシジルメタクリレート等酸素含有ビニル化合物;アクリルアミド等の窒素含有ビニル化合物;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン等の非共役ジエン、又は1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン等を挙げることができる。これらの中で、分子量調節のし易さから、α−オレフィン類が好ましい。
分子量調節剤の添加量は、所望の分子量を持つ重合体を得るに足る量であればよく、(分子量調節剤):(全単量体)のモル比で、通常、1:50〜1:1,000,000、好ましくは1:100〜1:5,000、より好ましくは1:300〜1:3,000である。
開環重合は、単量体と重合触媒とを混合することにより開始される。
開環重合を行う温度は、特に限定されないが、通常−20〜+100℃、好ましくは10〜80℃で重合を行う。温度が低すぎると反応速度が低下し、高すぎると副反応により、分子量分布が広がるおそれがある。
重合時間は、1分間〜100時間で、特に制限はない。
重合時の圧力条件は特に限定されないが、通常、0〜1MPaの加圧下で重合を行う。
反応終了後においては、通常の後処理操作により目的とするノルボルネン系開環重合体を単離することができる。
得られたノルボルネン系開環重合体は、次の水素化反応工程へ供される。
また後述するように、開環重合を行った反応溶液に水素化触媒を添加して、ノルボルネン系開環重合体を単離することなく、連続的に水素化反応を行うこともできる。
ノルボルネン系開環重合体の水素化反応は、ノルボルネン系開環重合体の主鎖又は/及び側鎖に存在する炭素−炭素二重結合に水素化する反応である。この水素化反応は、ノルボルネン系開環重合体の不活性溶媒溶液に水素化触媒を添加し、反応系内に水素を供給して行う。
水素化触媒としては、オレフィン化合物の水素化に際して一般に使用されているものであれば、均一系触媒、不均一系触媒のいずれも使用することができる。得られる重合体中の残留金属の除去等を考慮すると、不均一系触媒が好ましい。
均一系触媒としては、例えば、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウム等の組み合わせ等の遷移金属化合物とアルカリ金属化合物の組み合わせからなる触媒系;ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の貴金属錯体触媒;等が挙げられる。
不均一触媒としては、例えば、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等の、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、又はこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた固体触媒系が挙げられる。
水素化触媒の使用量は、ノルボルネン系開環重合体100重量部に対し、通常、0.05〜10重量部である。
水素化反応に用いる不活性有機溶媒としては、前述した2−ノルボルネンと置換基含有ノルボルネン系単量体との開環重合において用いることができる有機溶媒として例示したものと同様の、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン系芳香族炭化水素、含窒素炭化水素、エーテル類等が挙げられる。
水素化反応の温度は、使用する水素化触媒によって適する条件範囲が異なるが、水素化温度は、通常、−20℃〜+300℃、好ましくは0℃〜+250℃である。水素化温度が低すぎると反応速度が遅くなるおそれがあり、高すぎると副反応が起こる可能性がある。
水素圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.1〜10MPa、より好ましくは1〜5MPaである。水素圧力が低すぎると水素化速度が遅くなり、高すぎると高耐圧反応装置が必要となるので好ましくない。
ノルボルネン系開環重合体水素化物(以下、「開環重合体水素化物」ということがある)は、重合体中の炭素−炭素二重結合の水素化率が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上、特に好ましくは99.9%以上である。上記の範囲にあると、得られる多層紙の耐候性に優れ、得られる包装体を長期保存しても機械的強度の低下が起こり難い。
開環重合体水素化物の水素化率は、溶媒に重クロロホルムを用い、1H−NMRにより測定して求めることができる。
水素化反応終了後は、反応溶液から水素化触媒等を濾別し、濾別後の重合体溶液から溶媒等の揮発成分を除去することにより、目的とする開環重合体水素化物を得ることができる。
溶媒等の揮発成分を除去する方法としては、凝固法や直接乾燥法等公知の方法を採用することができる。
凝固法は、重合体溶液を重合体の貧溶媒と混合することにより、重合体を析出させる方法である。用いる貧溶媒としては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;等の極性溶媒が挙げられる。
凝固して得られた粒子状の成分は、例えば、真空中又は窒素中若しくは空気中で加熱して乾燥させて粒子状にするか、さらに必要に応じて溶融押出機から押し出してペレット状にすることができる。
直接乾燥法は、重合体溶液を減圧下加熱して溶媒を除去する方法である。この方法には、遠心薄膜連続蒸発乾燥機、掻面熱交換型連続反応器型乾燥機、高粘度リアクタ装置等の公知の装置を用いて行うことができる。真空度や温度はその装置によって適宜選択され、限定されない。
以上のようにして得られるノルボルネン系開環重合体水素化物の2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が、90〜100重量%、好ましくは95〜99重量%、より好ましくは97〜99重量%であり、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が、0〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%である。
繰り返し単位(B)の存在割合が多すぎると、得られる多層紙の耐熱性やガスバリア性、水蒸気バリア性が悪化するおそれがある。繰り返し単位(B)の存在割合が上記範囲であると、ガスバリア性、水蒸気バリア性に優れ、また、得られる多層紙の機械的特性にも優れ好適である。また、繰り返し単位(B)の存在割合が少なすぎると、包装体の機械的特性が低下するおそれがある。
得られるノルボルネン系開環重合体水素化物は、その重量平均分子量(Mw)が、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算で、好ましくは50,000〜200,000、より好ましくは70,000〜180,000、さらに好ましくは80,000〜150,000である。Mwがこの範囲にあると、得られる包装体は十分な機械的特性を有し、かつ耐油性にも優れるため好ましい。一方、Mwが高すぎると、包装体の成形性が悪化するおそれがある。また、Mwが低すぎると、包装体の機械的特性が低下し、耐油性も劣るおそれがある。
得られるノルボルネン系開環重合体水素化物は、その分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは1.5〜5.0、より好ましくは2.0〜4.5、さらに好ましくは2.5〜4.0、特に好ましくは2.5〜3.5である。Mw/Mnが狭すぎると、該重合体の温度に対する溶融粘度が敏感に変化し易くなるため、包装体の成形性が悪化するおそれがある。また、Mw/Mnが広すぎると、包装体の機械的特性が低下するおそれがある。
ちなみに、Mnは1,2,4−トリクロロベンゼンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算として測定した数平均分子量である。
得られるノルボルネン開環重合体水素化物の融点は、110〜145℃、好ましくは120〜145℃、より好ましくは130℃〜145℃である。上記の範囲にあると、包装体の耐熱性に優れるため好ましい。
なお、ノルボルネン開環重合体水素化物の融点は、ノルボルネン開環重合体水素化物の分子量、分子量分布、異性化率、組成比率等により変化する。
前記ノルボルネン系開環重合体水素化物は、融点を有する重合体、すなわち結晶構造を形成する重合体であるので、フィルム及びシート状の多層紙内部に結晶部を形成し、これと非晶部とが相俟って機械的特性を向上させる。それでいて、しかも結晶が大きくないので透明性の良さをも与えるのである。
得られるノルボルネン系開環重合体水素化物の異性化率は、通常、0〜40%、好ましくは0〜20%、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは3〜9%である。
異性化率は、溶媒に重クロロホルムを用い、13C−NMRにより測定した33.0ppmピーク積分値/(31.8ppmピーク積分値+33.0ppmピーク積分値)×100から算出することができる。
ちなみに、31.8ppmピークは、該重合体中の2−ノルボルネンの繰り返し単位のシス体由来のもの、33.0ppmピークは、該重合体中の2−ノルボルネンの繰り返し単位のトランス体由来のものである。
本発明では、開環重合により、実質的にシス体の開環重合体を合成し、これを水素化して開環重合体水素化物とすることが好ましい。水素化反応の際に、通常、トランス体への異性化が生じるが、この異性化を抑制して、トランス体の含有量を低く抑えることが好ましい。
ノルボルネン系開環重合体水素化物の異性化率が高すぎると、耐熱性が低下するおそれがある。一方、異性化率が低すぎると、該開環重合体水素化物の有機溶剤に対する溶解性が低下し、析出するおそれがある。そのため、ノルボルネン系開環重合体水素化物の異性化率は、10%以下の範囲内で、かつ、ある程度の異性化率を示すものであることが好ましい。
異性化率を上記範囲にするためには、開環重合体の水素化反応において、反応温度を好ましくは120〜170℃、より好ましくは130〜160℃とし、かつ、使用する水素化触媒の使用量を、開環重合体100重量部に対し、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.2〜1重量部とする。
ノルボルネン系開環重合体水素化物には、目的に応じて配合剤を添加することができる。用いる配合剤としては、酸化防止剤、ゴム質重合体、その他の樹脂、紫外線吸収剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤、染料、顔料、着色剤、天然油、合成油、可塑剤、有機又は無機の充填剤、抗菌剤、消臭剤、脱臭剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、その分子量が700以上であるものが好ましい。酸化防止剤の分子量が低すぎると、成形品から酸化防止剤が溶出するおそれがある。
酸化防止剤の具体例としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン等リン系酸化防止剤;ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリル−チオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;等が挙げられる。これらの酸化防止剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤の配合量は、ノルボルネン系開環重合体水素化物100重量部に対し、通常、0.01〜1重量部、好ましくは、0.05〜0.5重量部である。酸化防止剤の添加量が多すぎると、多層紙から酸化防止剤が溶出するおそれがある。
ゴム質重合体は、ガラス転移温度が40℃以下の重合体である。ゴム質重合体にはゴムや熱可塑性エラストマーが含まれる。ブロック共重合体のごとくガラス転移温度が2点以上ある場合は、最も低いガラス転移温度が40℃以下であればゴム質重合体として用いることができる。ゴム質重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、5〜300である。
ゴム質重合体としては、例えば、エチレン−α−オレフィン系ゴム;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体ゴム;エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブチルアクリレート等のエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸アルキルエステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンとブタジエン又はイソプレンとのランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体等のジエン系ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体;スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体等の芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリブタジエン樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹脂等が挙げられる。
ゴム質重合体の配合量は、使用目的に応じて適宜選択される。耐衝撃性や柔軟性が要求される場合にはゴム質重合体の量は、ノルボルネン系開環重合体水素化物100重量部に対して、通常、0.01〜100重量部、好ましくは、0.1〜70重量部、より好ましくは、1〜50重量部の範囲である。
その他の樹脂としては、例えば、非晶性ノルボルネン系開環重合体、非晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物、結晶性ノルボルネン系付型加重合体、非晶性ノルボルネン系付加型重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、水素化ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。これらのその他の樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合割合は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択することができる。
紫外線吸収剤及び耐候安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−1−{2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のヒンダードアミン系化合物;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベゾエート系化合物等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤及び耐候安定剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤及び耐候安定剤を用いる場合、その配合量は、ノルボルネン系開環重合体水素化物100重量部に対して通常、0.001〜5重量部、好ましくは、0.01〜2重量部の範囲である。
帯電防止剤としては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の長鎖アルキルアルコール;アルキルスルホン酸ナトリウム塩及び/又はアルキルスルホン酸ホスホニウム塩;ステアリン酸のグリセリンエステル等の脂肪酸エステル;ヒドロキシアミン系化合物;無定形炭素、酸化スズ粉、アンチモン含有酸化スズ粉等を例示することができる。
帯電防止剤を用いる場合、その配合量は、ノルボルネン系開環重合体水素化物100重量部に対して、通常、0.001〜5重量部の範囲である。
本発明の多層紙のノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層(以下、「NB層」と略記することがある。)中のノルボルネン系開環重合体水素化物の割合は、通常、50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは、90〜100重量%である。この範囲にあると、ノルボルネン系開環重合体水素化物が有する水蒸気バリア性、ガスバリア性等の特性が損なわれず好ましい。
本発明の多層紙のNB層の厚みは特に限定されないが、通常、5μm〜5mm、好ましくは10μm〜1mm、さらに好ましくは20μm〜0.5mmの範囲である。この範囲にあると、ノルボルネン系開環重合体水素化物が有する水蒸気バリア性、ガスバリア性等の特性が損なわれず好ましい。
(紙層)
本発明の多層紙は、紙層を少なくとも1層有する。
前記紙層に用いられる紙としては、特に制限されない。例えば、薄葉紙、雑種紙、板紙、合成紙等の、従来公知の包装材として用いられている紙が挙げられる。
前記紙層の厚さは特に限定されないが、10μm〜5mm、好ましくは20μm〜1mm、より好ましくは50μm〜0.5mmである。
(その他の層)
本発明の多層紙においては、前記NB層及び紙層の他に、その他の樹脂材料を含有する層(合成樹脂層)や遮光層等のその他の層を有していてもよい。
合成樹脂層を形成するその他の樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアミド等のガスバリア性樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、アイオノマー樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスルホン等の各種合成樹脂;等が挙げられる。
これらの中でも、合成樹脂層を構成する樹脂材料としては、耐衝撃性、耐油性、低溶出性に優れるため、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、直鎖状又は分岐鎖状の高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;直鎖状又は分岐鎖状の高密度ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂;エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリメチルブテン、ポリメチルヘキセン等からなる群で示されるポリオレフィン系結晶性樹脂;特許公開公報2001−143323号記載の脂環式構造含有重合体等の非晶性ポリオレフィン系樹脂;等が挙げられる。これらの中でも、突き刺し強度、引張り強度等に優れることからポリエチレン系樹脂が好ましく、低密度ポリエチレンが特に好ましい。
また、前記合成樹脂層には、前記NB層の中に用いることができる配合剤を含有させてもよい。
遮光層としては、アルミニウム箔等の金属箔、アルミニウム蒸着フィルム、金属箔と合成樹脂フィルムとのラミネートフィルム、顔料を練り込んだ合成樹脂フィルム等の遮光性を有する層が挙げられる。
本発明の多層紙がその他の層を有するものである場合、その層構成としては、前記NB層と紙層とを含むものであれば特に限定されないが、具体的には、次のような構成が挙げられる。
(1) NB層/紙層/合成樹脂層
(2) 紙層/NB層/合成樹脂層
(3) 紙層/合成樹脂層/NB層
(4) NB層/紙層/合成樹脂層/合成樹脂層
(5) NB層/紙層/合成樹脂層/NB層
(6) 合成樹脂層/NB層/紙層/合成樹脂層
(7) NB層/合成樹脂層/紙層/合成樹脂層/NB層
(8) NB層/合成樹脂層/紙層/NB層/合成樹脂層
(9) NB層/紙層/遮光層
(10) NB層/紙層/遮光層/合成樹脂層
(11) NB層/紙層/合成樹脂層/遮光層
これらの多層を含むさらに多層の構成等については、使用目的に応じて所望の多層構成を採用することができる。
本発明の多層紙においては、必要に応じて、各層間に層間接着剤からなる接着剤層を配置することができる。
用いる層間接着剤としては、フィルムの特性を損なわないものであれば、特に制約されない。例えば、接着性ゴム、接着性熱可塑性樹脂、接着性熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂接着剤、ポリビニルエーテル、アクリル樹脂、酢酸ビニルーエチレン共重合体等の熱可塑性樹脂接着剤、ポリアミド樹脂系ホットメルト接着剤、ニトリルゴム等のゴム系接着剤等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤、接着性オレフィン重合体が好ましい。
本発明の多層紙を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、紙層、NB層、及び所望によりその他の層を前記層間接着剤で接着して形成する方法;熱溶融が可能な層を熱溶融して、該層と他の層とを貼り合わせる方法;同時押し出し成形が可能な層を同時押し出し成形して積層する方法;それらを組み合わせる方法;等、従来多層紙を製造する際に行われている方法のいずれも採用することができる。
成形条件は、使用する層の種類、層構成に応じて適宜選択すればよい。
例えば、層間を層間接着剤で接着する方法により、紙層とNB層とからなる多層紙を形成する場合、先ず、ノルボルネン系開環重合体水素化物を、所望により添加剤と共に混練機を用いて混練してペレットとし、このものをTダイ式フィルム溶融押出成形機でTダイ成形してフィルムを作成する。このフィルムを、紙上に接着剤で接着することにより、多層紙を形成することができる。
本発明の多層紙の形状は、特に制限されない。通常はフィルム状又はシート状であるが、チューブ状になっていてもよい。
以上のようにして得られる本発明の多層紙の厚みは、特に限定されないが、通常、500μm〜10mm、好ましくは80μm〜5mm、さらに好ましくは100μm〜1mmの範囲である。
本発明の多層紙は耐衝撃性に優れる。耐衝撃性は、例えば、多層紙で袋を作製し、これに水を充填して55℃で2週間保管した後、2m上空から垂直落下させ、内容物が漏れないことで確認することができる。
本発明の多層紙は水蒸気バリア性に優れる。水蒸気バリア性は、例えば、JIS K7129(A法)に基づいて温度:50℃、湿度:90%RHの条件下の水蒸気透過度を、水蒸気透過度テスターで測定することにより評価することができる。
本発明の多層紙は、酸素バリア性に優れる。酸素バリア性は、例えば、JIS K7126(B法)に基づいて温度:23℃、湿度:0%RHの条件下の酸素透過度を、酸素透過率測定装置で測定することにより評価することができる。
本発明の多層紙は、耐油性に優れる。耐油性は、例えば、多層紙のフィルム側にサラダ油を塗布し、40℃に加温したオーブンに入れ、多層紙の外観が変化するまでの時間を測定することによって評価することができる。
本発明の多層紙は、薬剤、食料品、日用雑貨等を被包装物とする各種包装材や容器として、また、家具、床材、天井、壁紙、装飾用紙等の建材類等として、広範な用途に好適に利用することができる。特に後述するように、本発明の多層紙は、二次加工することにより、所望の形状、大きさを有する包装体を製造する原料として有用である。
2)包装体
本発明の包装体は、本発明の多層紙を二次加工することにより得られるものである。
本発明の多層紙を二次加工する方法は、特に制約されない。例えば、ヒートシール、プレス成形、真空成形、圧空成形、溶着、ラミネートチューブ加工等が挙げられる。
成形条件は、使用する樹脂の種類や層構成に応じて適宜選択すればよい。
例えば、ヒートシールの方法としては、多層紙のヒートシール可能な層側を折り重ねるか、又は、ヒートシール可能な層側を向かい合わせに重ね、さらにその外周の周辺端部を、例えば側面シール型、2方シール型、3方シール型、4方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型、ひだ付きシール型、平底シール型、角底シール型等のヒートシール形態等により、シールする方法が挙げられる。
ヒートシールする方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が挙げられる。例えば、バーシール法、回転ロールシール法、ベルトシール法、インパルスシール法、高周波シール法、超音波シール法等である。
本発明の包装体は、人体への安全性に優れ、水蒸気バリア性、酸素バリア性、耐油性、耐衝撃性が良好であるため、特に、乳製品、酒類、ジュース類、コーヒー飲料、スープ類等の液状物を長期間保存する食料包装容器等に好適である。
以下、本発明を、実施例及び比較例により、さらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部又は%は、特に断りがない限り、重量基準である。
以下の実施例及び比較例において、各種物性の測定法は次のとおりである。
(1)開環重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、トルエンを溶離とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。
測定装置としては、GPC測定装置(東ソー社製、GPC−8020シリーズ:DP8020、SD8022、AS8020、CO8020、RI8020)を用いた。
標準ポリスチレンとしては、標準ポリスチレン〔東ソー社製、重量平均分子量(Mw)が500、2630、10200、37900、96400、427000、1090000、5480000のものの計8点〕を用いた。
サンプルは、サンプル濃度1mg/mlになるように、測定試料をトルエンに溶解後、カートリッジフィルター(ポリテトラフルオロエチレン製、孔径0.5μm)でろ過して調製した。
測定条件としては、カラムとして、TSKgel GMHHR・H(東ソー社製)を2本直列に繋いで用い、流速1.0ml/min、サンプル注入量100μml、カラム温度40℃の条件で測定した。
(2)開環重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。
測定装置としては、GPC測定装置(東ソー社製、HLC8121GPC/HT)を用いた。
標準ポリスチレンとしては、標準ポリスチレン〔東ソー社製、重量平均分子量(Mw)が988、2580、5910、9010、18000、37700、95900、186000、351000、889000、1050000、2770000、5110000、7790000、20000000のものの計16点〕を用いた。
サンプルは、サンプル濃度1mg/mlになるように、140℃にて測定試料を1,2,4−トリクロロベンゼンに加熱溶解させて調製した。
測定条件としては、カラムとして、GPC測定装置(東ソー社製、TSKgel GMHHR・H(20)HT)を3本直列に繋いで用い、流速1.0ml/min、サンプル注入量300μml、カラム温度140℃の条件で測定した。
(3)開環重合体水素化物の水素化率は、溶媒に重クロロホルムを用い、1H−NMRにより測定して求めた。
(4)異性化率は、溶媒に重クロロホルムを用い、13C−NMRにより測定した33.0ppmピーク積分値/(31.8ppmピーク積分値+33.0ppmピーク積分値)×100から算出した。
(5)融点は、示差走査熱量分析計(DSC6220SII、ナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K7121に基づき、試料を融点より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/minで室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/minで測定を行った。
(6)ガラス転移温度は、示差走査熱量分析計(DSC6220SII、ナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K6911に基づいて測定した。
(7)フィルムの厚みは、マイクロゲージを用いて測定した。
(8)耐衝撃性は、多層紙を用いて袋を作製し、これに水を充填して55℃で2週間保管した後、高さ2mの地点から垂直落下させ、内容物が漏れたものの数を数えることで評価した(n=100)。
漏れた容器の数が少ないものほど耐衝撃性に優れることを意味する。
(9)水蒸気バリア性は、JIS K7129(A法)に基づいて温度:50℃、湿度:90%RHの条件下の水蒸気透過度を水蒸気透過度テスター(LYSSY社製:L80−5000型)で測定することにより評価した。水蒸気透過度(g/(m・24h))が小さいと水蒸気バリア性が良好であることを示す。
(10)酸素バリア性は、JIS K7126(B法)に基づいて温度:23℃、湿度:0%RHの条件下の酸素透過度を MOCON(R)酸素透過率測定装置(MOCON社製:OX−TRAN2型)で測定することにより評価した。酸素透過度(cm/(m・24h・atm))が小さいとガスバリア性が良好であることを示す。
(11)耐油性は、多層紙のフィルム側にサラダ油(日清オイリオグループ株式会社)を塗布し、40℃に加温されたオーブンに入れ、多層紙の外観が変化するまでの時間を測定することによって評価した。多層紙の外観が変化するまでの時間が長いほど耐油性が良好であることを示す。
[製造例1]
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500重量部に、1−ヘキセン0.55重量部、ジイソプロピルエーテル0.30重量部、トリイソブチルアルミニウム0.20重量部、及びイソブチルアルコール0.075重量部を反応器に入れ、内容物を室温で十分に混合した。この溶液を55℃に保ちながら、2−ノルボルネン(以下「NB」と略す。)250重量部、及び六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液15重量部を2時間かけて連続的に添加して、開環重合を行った。得られた開環重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、83,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。
(水素化反応)
上記で得た開環重合体(A)を含む重合反応液を耐圧の水素化反応器に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒(日産ズードヘミー社製;T8400、ニッケル担持率58重量%)0.5重量部を加え、160℃、水素圧4.5MPaで6時間反応させた。この溶液を、珪藻土をろ過助剤としてステンレス製金網を備えたろ過器によりろ過し、触媒を除去した。
得られた反応溶液を3000重量部のイソプロピルアルコール中に撹拌下に注ぎ、析出物を濾取した。アセトン500重量部で洗浄した後、0.13×10Pa以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、開環重合体水素化物(A)を190重量部得た。
(重合体物性)
得られた開環重合体水素化物(A)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、82,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は5%、融点は140℃であった。
(ペレットの調製)
開環重合体水素化物(A)100重量部に酸化防止剤(チバガイギー社製;イルガノックス1010、テトラキス〔メチレン-3-(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、以下、「酸化防止剤A」と略記する)0.1重量部を加え、2軸混練機(TEM35B、東芝機械社製)で混練し、ペレット(A)を得た。
(フィルム成形)
ペレット(A)を、スクリュー径20mmφ、圧縮比3.1、L/D=30のスクリューを備えたハンガーマニュホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出成形機(据置型、GSIクレオス社製)を使用して以下の条件でTダイ成形を行い、単層フィルム(A)(厚み:30μm)を得た。
(成形条件)
ダイリップ :0.8mm
溶融樹脂温度 :180℃
Tダイの幅 :300mm
冷却ロール :120℃
キャストロール :130℃
[製造例2]
(開環共重合)
製造例1において、用いる単量体を、2−ノルボルネン245重量部、メチルノルボルネン(以下「MNB」と略す。)5重量部とし、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液15重量部、1−ヘキセン0.40重量部、ジイソプロピルエーテル0.31重量部、トリイソブチルアルミニウム0.20重量部、イソブチルアルコール0.08重量部とした以外は製造例1と同様にして開環共重合を行った。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、103,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.9であった。
(水素化反応)
製造例1において、開環重合体(A)に代えて開環重合体(B)を用いた以外は製造例1と同様にして水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(B)を190重量部得た。
(重合体物性)
得られた開環共重合体水素化物(B)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、100,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は8%、融点は136℃であった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(B)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(B)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(B)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(B)(厚み:30μm)を得た。
[製造例3]
(開環共重合・水素化反応)
製造例1において、用いる単量体を、2−ノルボルネン240重量部、メチルノルボルネン10重量部とし、1−ヘキセン0.55重量部とした以外は製造例1と同様に開環共重合を行なった。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は、81,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。その後、製造例1と同様にして、水素化反応を行い、開環重合体水素化物(C)を得た。
(重合体物性)
得られた開環共重合体水素化物(C)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、80,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.9、異性化率は8%、融点は133℃であった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(C)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(C)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(C)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(C)(厚み:30μm)を得た。
[製造例4]
(開環共重合・水素化反応)
製造例1において、用いる単量体を、2−ノルボルネン227.5重量部、メチルノルボルネン22.5重量部とし、1−ヘキセン0.4重量部、ジイソプロピルエーテル0.40重量部、トリイソブチルアルミニウム0.27重量部、イソブチルアルコール0.10重量部、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液20重量部とした以外は製造例1と同様にして、開環共重合を行った。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(D)の重量平均分子量(Mw)は、101,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.8であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環重合体水素化物(D)を得た。
(重合体物性)
得られた開環共重合体水素化物(D)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、98,800、分子量分布(Mw/Mn)は3.8、異性化率は7%、融点は114℃であった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(D)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(D)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(D)を用い、溶融樹脂温度を170℃、冷却ロールを100℃、キャストロールを110℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(D)(厚み:30μm)を得た。
[製造例5]
(開環共重合・水素化反応)
実施例2において、用いる単量体を、2−ノルボルネン240重量部、ジシクロペンタジエン(以下「DCP」と略す。)10重量部とし、1−ヘキセン0.55重量部、ジイソプロピルエーテル0.40重量部、トリイソブチルアルミニウム0.27重量部、イソブチルアルコール0.10重量部、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液20重量部とした以外は実施例1と同様にして、開環共重合を行った。重合転化率は、ほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(E)の重量平均分子量(Mw)は、83,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.7であった。その後、実施例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(E)を190重量部得た。
(重合体物性)
得られた開環共重合体水素化物(E)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、81,300、分子量分布(Mw/Mn)は3.8、異性化率は9%、融点は134℃であった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて、開環共重合体水素化物(E)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(E)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(E)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(E)(厚み:30μm)を得た。
[製造例6]
(開環共重合及び水素化反応)
製造例1において、2−ノルボルネンに代えてメチルテトラシクロドデセン(以下「MTD」と略す。)200重量部、及びジシクロペンタジエン50重量部を用い、1−ヘキセンを0.40重量部とした以外は製造例1と同様にして、開環共重合を行った。
得られた開環共重合体(F)の重量平均分子量(Mw)は、56,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。
その後、製造例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(F)を得た。
(重合体物性)
得られた開環共重合体水素化物(F)の水素化率は99.9%、重量平均分子量(Mw)は、55,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.1、ガラス転移温度は140℃であり、融点は観察されなかった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(F)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(F)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(F)を用い、溶融樹脂温度を250℃、冷却ロールを125℃、キャストロールを135℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(F)(厚み:30μm)を得た。
[製造例7]
(開環共重合・水素化反応)
製造例1において、モノマーを2−ノルボルネン222.5重量部、テトラシクロドデセン(以下「TCD」と略す。)27.5重量部とし、1−ヘキセン0.07重量部、ジイソプロピルエーテル0.4重量部、トリイソブチルアルミニウム0.27重量部、イソブチルアルコール0.10重量部、六塩化タングステン1.0重量%トルエン溶液20重量部とした以外は製造例1と同様にして、開環共重合を行った。重合転化率はほぼ100%であった。
得られた開環共重合体(G)の重量平均分子量(Mw)は、319,500、分子量分布(Mw/Mn)は3.4であった。
その後、珪藻土担持ニッケル触媒を3重量部とした以外は製造例1と同様にして、水素化反応を行い、開環共重合体水素化物(G)を得た。
(重合体物性)
得られた開環共重合体水素化物(G)の水素化率は99.0%、重量平均分子量(Mw)は、315,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.9、異性化率は9%、融点は100℃であった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(G)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(G)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(G)を用い、溶融樹脂温度を150℃、冷却ロールを80℃、キャストロールを90℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(G)(厚み:30μm)を得た。
[製造例8]
(開環重合)
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブに、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド・ジエチルエーテル1.1重量部とシクロヘキサン18.5重量部を添加した。さらにジエチルアルミニウムエトキシド0.87重量部をヘキサン9.26重量部に溶解した溶液を添加して、室温にて30分攪拌した。得られた混合物に、ジシクロペンタジエン139重量部、1−ヘキセン0.33重量部を添加し、50℃で3時間重合反応を行なった。
得られた開環重合体(H)の重量平均分子量(Mw)は、78,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.5であった。
(水素化反応)
上記で得た開環重合体(H)を含む重合反応溶液に、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.87重量部、及びエチルビニルエーテル20.4重量部を、シクロヘキサン650重量部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧1.0MPa、160℃で20時間水素化反応を行なった。反応溶液を大量のイソプロパノールに注いでポリマーを完全に析出させ、析出物を濾取した。アセトン500重量部で洗浄した後、0.13×10Pa以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥して、開環重合体水素化物(H)を130重量部得た。
得られた開環重合体水素化物(H)は、GPCの溶剤に溶解せず、分子量の測定はできなかった。また、融点は273℃であった。
(ペレットの調製)
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて開環共重合体水素化物(H)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(H)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(H)を用い、溶融樹脂温度を310℃、冷却ロールを220℃、キャストロールを230℃にした以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(H)(厚み:30μm)を得た。
製造例1〜8で得た単層フィルム(A)〜(H)の製造に用いた開環重合体水素化物(A)〜(H)の水素化率(%)、重量平均分子量、分子量分布、融点(℃)、及び異性化率(%)を第1表にまとめた。
Figure 0004715716
[製造例9]
ペレット(B)と、融点126℃、密度0.937g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン(以下「LDPE」と略す。)(ユメリット4040F、宇部興産社製)を、スクリュー径20mmφ、圧縮比3.1、L/D=30のスクリューを備えたハンガーマニュホールドタイプのTダイ式フィルム溶融押出成形機(据置型、GSIクレオス社製)を使用して以下の条件で2層Tダイ成形を行い、多層フィルム(I)(総厚み:60μm、各層の厚み:ペレット(B)/直鎖状低密度ポリエチレン=30/30μm)を得た。
(成形条件)
ダイリップ :0.8mm
(ペレット(B))溶融樹脂温度 :180℃
(直鎖状低密度ポリエチレン)溶融樹脂温度:180℃
Tダイの幅 :300mm
冷却ロール :110℃
キャストロール :120℃
[製造例10]
(付加重合)
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブに、トルエン1000重量部、ジクロロエトキシオキソバナジウム0.91重量部、テトラシクロドデセン30重量部を入れた。エチレンガスを100L/hrで反応器内に通しながら、エチルアルミニウムセスキクロリド12.4重量部を滴下して、10℃で30分間重合反応を行なった。メタノールを10重量部添加して反応を停止させた。反応溶液を大量のイソプロパノールに注いでポリマーを完全に析出させ、析出物を濾取した。アセトン500重量部で洗浄した後、0.13×10Pa以下、80℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、付加重合体(J)(組成:エチレン70モル%)を45重量部得た。
得られた付加重合体のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算における重合分子量は36,000であった。
製造例1において、開環重合体水素化物(A)に代えて付加共重合体(J)を用いた以外は製造例1と同様にして、ペレット(J)を得た。
(フィルム成形)
製造例1において、ペレット(A)に代えてペレット(J)を用いた以外は製造例1と同様にして、単層フィルム(J)(厚み:30μm)を得た。
[実施例1]
坪量105g/m、120μmの上質紙(OKプリンス上質 厚口、王子製紙社製)上に、フィルム(A)をウレタン系接着剤(タケネート/タケラック、三井武田ケミカル社製、以下「AD」と略す。)で接着し、多層紙(A)(総厚み155μm)を作製した。
得られた多層紙(A)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、多層紙(A)を20cm角の正方形にカットし、カットした多層紙を2枚用い、それぞれのフィルム側を向い合せに重ね、ヒートシールテスター(TP−701−B、テスター産業社製)を用いて150℃、0.2MPa、2秒の条件で三辺をヒートシールして袋(A)を作製した。得られた袋(A)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[実施例2]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(B)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(B)を作製し、多層紙(B)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(B)を作製し、得られた袋(B)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[実施例3]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(C)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(C)を作製し、多層紙(C)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(C)を作製し、得られた袋(C)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[実施例4]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(D)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(D)を作製し、多層紙(D)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(D)を作製し、得られた袋(D)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[実施例5]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(E)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(E)を作製し、多層紙(E)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(E)を作製し、得られた袋(E)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[実施例6]
坪量105g/m、120μmの上質紙(OKプリンス上質 厚口、王子製紙社製)上に、フィルム(I)のペレット(B)側をウレタン系接着剤(タケネート/タケラック、三井武田ケミカル社製)で接着し、多層紙(I)(総厚み185μm)を作製した。得られた多層紙(I)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(I)を作製し、得られた袋(I)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[比較例1]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(F)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(F)を作製し、多層紙(F)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(F)を作製し、得られた袋(F)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[比較例2]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(G)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(G)を作製し、多層紙(G)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(G)を作製し、得られた袋(G)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[比較例3]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(H)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(H)を作製し、多層紙(H)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1において、多層紙(A)に代えて多層紙(H)を用い、ヒートシール条件を290℃、0.2MPa、2秒の条件にした以外は実施例1と同様にして袋(H)を作製し、得られた袋(H)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
[比較例4]
実施例1において、フィルム(A)に代えてフィルム(J)を用いた以外は実施例1と同様にして多層紙(J)を作製し、多層紙(J)の水蒸気バリア性、酸素バリア性試験、耐油性試験を行なった。
また、実施例1と同様にして袋(J)を作製し、得られた袋(J)の耐衝撃性試験を行なった。結果を第2表に示す。
Figure 0004715716
第2表より、多層フィルム(A)〜(E)及び(I)を用いた実施例1〜6の多層紙(A)〜(E)及び(I)は、優れた水蒸気バリア性、酸素バリア性を有していた。
一方、比較例1〜4の多層紙(F)〜(H)、(J)は、水蒸気バリア性、酸素バリア性に劣っていた。
実施例1〜6の多層紙(A)〜(E)、(I)、及び比較例3の多層紙(H)は、耐油性に優れていた。一方、比較例1,2,4の多層紙(F)、(G)、(J)は、耐油性に劣っていた。
また、実施例1〜6の袋(A)〜(E)、(I)は、優れた耐衝撃性を有していたが、比較例1〜4の袋(F)〜(H)、(J)は耐衝撃性に劣っていた。

Claims (4)

  1. 2−ノルボルネン、又は2−ノルボルネン及び置換基含有ノルボルネン系単量体からなる単量体混合物を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化することにより得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、2−ノルボルネン由来の繰り返し単位(A)の全繰り返し単位に対する存在割合が90〜100重量%、置換基含有ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位(B)の全繰り返し単位に対する存在割合が0〜10重量%であり、かつ、融点が110〜145℃の範囲であるノルボルネン系開環重合体水素化物を含有する層と、紙層とを少なくともそれぞれ1層有する多層紙。
  2. 前記ノルボルネン系開環重合体水素化物の、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)が、50,000〜200,000であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が、1.5〜5.0である請求項1に記載の多層紙。
  3. ポリオレフィン系樹脂を含有する層をさらに少なくとも一層有する請求項1または2に記載の多層紙。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多層紙を二次加工して得られる包装体。
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