JP5654502B2 - 電子時計 - Google Patents

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Description

本発明は、ステップモータの制御方法及びステップモータを有する電子時計に関するものであり、特にステップモータの駆動電力を低減する為の電力回収を行う制御方法、及びその制御手段を備えた電子時計に関するものである。
従来、腕時計等の電子時計は、指針駆動を行う為のステップモータを有し、水晶発振子等を用いた発振回路からの基準信号から生成された駆動パルスにより、秒針等を運針させるようにしている。なお、以降では電子時計においてステップモータにより駆動される指針等の部材を一括して表示体と呼ぶ。
また近年では、太陽電池等の発電システムと充電可能なリチウムイオン等の二次電池を組み合わせ、電池の廃棄や交換の不要な電子時計も多く市販されている。
これらの電子時計においては、小型薄型を実現する為、搭載可能な電源が限られているので、長時間安定した動作を行う為にはステップモータ等によって消費される電力を出来るだけ低減することが必要である。
この為、従来より、ステップモータを駆動する為に用いられた電力の一部を回収することにより、消費電力を低減する制御手段を備えた電子時計が提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、図面に基づいて特許文献1より、従来の電力回収制御手段を備えた電子時計を説明する。
図8(a)は、特許文献1に開示された従来の電力回収制御手段を備えた電子時計の構成を示すブロック図である。11aは発振回路111、分周回路112、駆動パルス出力回路113から構成されるモータ制御回路であり、発振回路111で生成した基準信号を分周回路112で分周して各種タイミング信号を生成し、駆動パルス出力回路113はそのタイミング信号を受けて、駆動パルスS1を出力する。3は駆動パルスS1を入力し、駆動パルスS2を出力するモータドライバー、4は駆動パルスS2を元に指針5を運針させるステップモータである。1aは、モータ制御回路11aとモータドライバー3からなる計時回路であり、リチウムイオン等の二次電池からなる電源2により動作エネルギーを得る。
図8(b)は、前記モータドライバー3の構成を示す等価回路図である。21pは制御信号φp1をゲート入力し、ソースが電源2のプラス側に接続され、ドレイン側がOUT1端子に接続されたPMOSトランジスタであり、21nは制御信号φn1をゲート入力し、ソースが電源2のマイナス側に接続され、ドレイン側がOUT1端子に接続されたNMOSトランジスタであり、各ソースドレイン間には、MOSトランジスタの構造上生じる寄生ダイオード23pと23nが接続される。また、22pは制御信号φp2をゲート入力し、ソースが電源2のプラス側に接続され、ドレイン側がOUT2端子に接続されたPMOSトランジスタであり、22nは制御信号φn2をゲート入力し、ソースが電源2のマイナス側に接続され、ドレイン側がOUT2端子に接続されたNMOSトランジスタであり、各ソースドレイン間には、MOSトランジスタの構造上生じる寄生ダイオード24pと24nが接続される。OUT1端子とOUT2端子の間には、前記ステップモータ4を構成するコイル25とそのコイル25の直列抵抗成分26が直列に接続される。尚、MOSトランジスタ21p、21n、22p、22nの各ゲートに入力される制御信号φp1、φn1、φp2、φn2は、前記駆動パルスS1を構成する信号である。
図8(c)に、前記制御信号φp1、φn1、φp2、φn2、OUT1端子、OUT2端子の信号波形と、コイル25に流れる電流波形をタイミングチャートとして示した。以下に、このタイミングチャートに基づき、図8(b)に示した従来の電力回収制御手段を備えた電子時計のモータドライバー3の動作を説明する。通常(時刻t0より前)、制御信号φp1、φn1、φp2、φn2はLowレベルに保持される為、PMOSトランジスタ21p及び22pはオンし、NMOSトランジスタ21n及び22nはオフする。これにより、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25に流れる電流はゼロである。
時刻t0になると、制御信号φp1及びφn1がHighレベルになる為、PMOSトランジスタ21pはオフし、NMOSトランジスタ21nはオンする。これにより、OUT1端子がLowレベル、OUT2端子がHighレベルとなる為、コイル25に電流が流れる。即ち、コイル25に発生した磁界により、前記ステップモータ4を構成するロータ(図示せず)が回転する。時刻t1に制御信号φp1及びφn1がLowレベルになると、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25への通電は遮断される。しかし、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が発生している。ロータが所定の停止位置に向かって回転し、その後自由振動によりコイル25を通るロータが発する磁束が変化し、その変化の方向によってコイル25に流れる誘起電流の向きも変化する。
時刻t2に、制御信号φp1及びφp2をHighレベルにすると、PMOSトランジスタ21p及び22pがオフとなるので、コイル25に誘起電流が流れなくなる。この電流の急激な変化により、コイル25に大きな逆起電力が発生する。このときの逆起電圧が電源2より高くなると、コイル25と電源2を接続するように設けられる寄生ダイオード23p、23n、24p、24nを介して、コイル25から電源2に電流が流れることで、電源2が充電される。
次に時刻t3に、制御信号φp1及びφn1がLowレベルになると、PMOSトランジスタ21p及び22pがオンとなるので、コイル25に誘起電流が流れる。この電流の急激な変化により、コイル25に時刻t2とは逆極性の逆起電力が発生する。このときの逆起電圧が電源2より高くなると、時刻t2と同様に電源2が充電される。このような動作は、ロータによってコイル25に誘起電力が発生している間、例えば時刻t4まで連続して続けることにより、前記ステップモータ4を駆動する為に用いられた電力の一部を回収することが出来る。
時刻t4では、制御信号φp1、φn1、φp2、φn2はLowレベルになる為、PMOSトランジスタ21p及び22pはオンし、NMOSトランジスタ21n及び22nはオフする。これにより、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になると共に、ロータの自由振動も停止しているため、コイル25に流れる電流はゼロである。
次に、時刻t5になると、制御信号φp2及びφn2がHighレベルになる為、PMOSトランジスタ22p及びNMOSトランジスタ21nはオフし、PMOSトランジスタ21p及びNMOSトランジスタ22nはオンする。これにより、OUT1端子がHighレベル、OUT2端子がLowレベルとなる為、時刻t0とは逆向きにコイル25に電流が流れる。以降、時刻t6より上記と同様に電力回収動作を行う。
また、電子時計に用いられるステップモータでは、ロータが正常に回転したか否かを検出する回転検出が行われる場合がある。特許文献2に記載されているように、この回転検出は、ロータを回転させるための出力である駆動パルスを出力したのち、ロータが慣性で回転していることによる誘起電流の電流波形を検知することにより行われる。ロータが正常に回転していることがある一定期間連続で検出された場合には、駆動パルスの出力を下げ、消費電力を削減する。ロータが回転していなかった場合には、ロータを回転させるための補正パルスを出力し、ロータを確実に回転させることにより電子時計の遅れが防止されるとともに、駆動パルスの出力を上げ、次回以降の動作においてロータを確実に回転させる。
このとき、駆動パルスの出力の程度は、駆動パルスが出力可能な期間における、実際に駆動パルスが出力された期間の比で表現され、デューティ比と呼ばれる。電子時計において上述の制御が行われた場合、ロータを正常に回転させうる最も低いデューティ比が自動的に選択され、出力される。
特許第3653850号公報 特公平8−33457号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の技術は、PMOSトランジスタ21p及び22pをオンオフすることにより発生するコイル25の逆起電圧が、電源2の電圧に加え、前記寄生ダイオード23pと24nの2段分の順方向電圧(約1V)、もしくは24pと23nの2段分を介した順方向電圧(約1V)分の電圧が発生しなければ、コイル25から電源2に充電することが出来ない為、回収効率が非常に低い恐れがある。また、コイル25で発生する逆起電圧が、回収可能となる程度よりも低い場合でも、前記PMOSトランジスタ21p及び22pをオンオフする動作をし続ける為、時間的にも無駄が多い。
また、特許文献1の電力回収動作は、モータのコイルに電源電圧を重畳するものであると同時に、慣性により回転しているロータの運動エネルギーを電力として回収するものであるため、ロータに対しブレーキとして働く。そのため、電力回収動作を行うと、電源電圧が重畳されるためにコイルより取り出せる電流値が変化し、また、慣性で回転しているロータにより発生する誘起電流の電流波形が変化することから、回転検出において誤検出がなされる恐れがある。しかしながら、特許文献1においては、回転検出については何ら考慮されていない。
本発明の目的は上記問題点を解決し、より効率良く且つ無駄の無い動作で電力回収を行うことが出来るシステムを提供することである。
また、本発明のさらなる目的は、回転検出において誤検出を生じることなく電力回収を行うことができるシステムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の電力回収を行う制御手段を備えた電子時計は、下記記載の構成を採用する。
電源と、表示体を駆動するステップモータと、該モータを駆動するモータドライバーと、該モータドライバーに対し前記モータを制御する為の制御信号を出力するモータ制御回路と、前記モータドライバーに対して前記モータを駆動する為の駆動パルスを出力する駆動パルス出力回路と、前記駆動パルス出力後の前記モータのロータの自由振動による誘起電流波形のピーク地点近傍において、前記ロータが回転しない程度の回収パルスを出力させる回収パルス出力回路と、を有する電子時計であって、該モータ制御回路は、前記駆動パルスと前記回収パルスを切り替え出力し、前記回収パルス出力時に前記誘起電流の電力が前記電源に回生される構成。
これにより、ロータが回転したことによるコイルに発生した誘起電力のうち、回収可能であるタイミングのみで回収制御を行うことが出来る為、無駄なく迅速に電力回収が可能である。また、モータドライバーの寄生ダイオードを介さずに回収することが出来る為、効率良く電力回収が可能である。
また、前記誘起電流波形の検出に使用するための検出パルスを前記ステップモータ制御回路に出力する回転検出パルス出力回路と、前記回転検出パルスにより検出した前記誘起電流波形により前記ステップモータの回転の有無を判定する回転検出回路と、前記回転検出回路における回転の有無の誤判定を防止するため、前記回転検出パルス出力回路と、前記回収パルス出力回路の動作を制御する調整回路と、を有する構成。
これにより、回転検出において誤検出を生じることなく電力回収を行うことができる。このより詳細な構成として、以下のものがある。
前記回転検出パルス出力回路は、前記駆動パルスにより生じた電流波形と同極性の誘起電流波形を検出するための第1検出パルスと、その後に出力される、前記駆動パルスにより生じた電流波形と反対極性の誘起電流波形を検出するための第2検出パルスと、を出力し、前記調整回路は、前記回収パルス出力回路が、前記第1検出パルスによる検出の終了後に前記回収パルスを出力し、所定期間経過後に、前記回転検出パルス出力回路が、前記第2検出パルスの出力を開始するように制御する構成。
前記回転検出パルス出力回路は、前記ステップモータの回転の有無を予備的に検出する予備検出を行うための予備検出パルスと、前記予備検出の後に前記ステップモータの回転の有無を検出する本検出を行うための本検出パルスを出力し、前記調整回路は、前記予備検出により前記回転検出手段が非回転であることを検出した場合に、前記回収パルス出力回路からの回収パルスの出力を禁止する構成。
前記回転検出回路は前記誘起電流波形の検出感度を変更する感度設定回路を有し、前記調整回路は、前記回収パルス出力回路から回収パルスが出力された場合に、前記感度設定回路が検出感度を上げるように制御する構成。
また、前記調整回路は、前記駆動パルスのデューティ比が前記電源の電源電圧に応じてあらかじめ定められた安定デューティ比と等しい場合に、前記回転検出パルス出力回路が前記回収パルスを出力するように制御する構成。
これにより、変化する電源電圧の幅広い領域において効率のよい電力回収が実現されると同時に、回収パルスを出力することによる悪影響を低減することができる。
さらに、本発明は、次にあげる構成を含んでいてもよい。それらは次の通りである。
前記電源の電圧を検出する電源電圧検出回路を有し、該電源電圧検出回路の検出結果に基づき、前記回収パルス出力回路が前記回収パルスのパルス幅を制御する構成。
また、前記電源電圧検出回路の検出結果に基づき、前記回収パルス出力回路が前記回収パルスの出力タイミングを制御する構成。
上記の如く本発明によれば、ステップモータによる電力回収を行う制御手段を備えた電子時計において、より効率良く且つ無駄の無い動作で電力回収を行うことが出来るシステムを提供することが出来る。また、回転検出において誤検出を生じることなく電力回収を行うことができるシステムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態の電力回収制御手段を備えた電子時計の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の動作を示すタイミングチャート図である。 本発明の第1の実施形態において、回収パルスの出力タイミングがピーク近傍から大きく外れた場合の動作を示すタイミングチャート図である。 本発明の第1の実施形態のモータドライバーの状態を示す等価回路図であって、t10より前の状態を示すものである。 本発明の第1の実施形態のモータドライバーの状態を示す等価回路図であって、t10−t11間の状態を示すものである。 本発明の第1の実施形態のモータドライバーの状態を示す等価回路図であって、t12直前の状態を示すものである。 本発明の第1の実施形態のモータドライバーの状態を示す等価回路図であって、t12−t13間の状態を示すものである。 本発明の第1の実施形態のモータドライバーの状態を示す等価回路図であって、図2(b)のt18直前の状態を示すものである。 本発明の第1の実施形態のモータドライバーの状態を示す等価回路図であって、図2(b)のt18−t19間の状態を示すものである。 本発明の第2の実施形態の電力回収制御手段を備えた電子時計の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の動作を示すタイミングチャート図である。 本発明の第3の実施形態の電力回収制御手段を備えた電子時計の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の動作を示すタイミングチャート図である。 従来の電力回収制御手段を備えた電子時計の構成を示すブロック図である。 従来のモータドライバーの構成を示す等価回路図である。 従来の電力回収制御手段を備えた電子時計の動作を示すタイミングチャート図である。 比較例において、ロータが非回転である場合において、ステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 第4の実施形態において、ロータが非回転である場合において、ステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 第5の実施形態において、ロータが回転した場合において、ステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 第5の実施形態において、ロータが非回転の場合において、ステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 第5の実施形態において、予備検出においてロータが回転したと予測されたが、本検出において、ロータが非回転と検出される場合のステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 第5の実施形態において、予備検出においてロータが非回転であると予測されたが、本検出において、ロータが回転と検出される場合のステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 第6の実施形態において、ロータが回転した場合において、ステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。 検出抵抗を切り替えることにより閾値電圧を変更する感度設定回路の例を示す図である。 駆動パルスのデューティ比が安定デューティ比である場合に回収パルスを出力する制御のフロー図である。
以下図面により本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の電力回収制御手段を備えた電子時計の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図2(a)〜(b)は本発明の第1の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。図3(a)〜(f)は本発明の第1の実施形態におけるモータドライバーの動作状態を示す説明図である。図4は本発明の電力回収制御手段を備えた電子時計の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。図5は本発明の第2の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。図6は本発明の電力回収制御手段を備えた電子時計の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。図7は本発明の第3の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。
図1に基づいて本発明の電力回収制御手段を備えた電子時計の第1の実施形態を説明する。尚、従来例の図8(a)と同じ部分は同じ符号を付して説明を省略する。
図1において、114は分周回路112で生成された各種タイミング信号を受けて、回収パルスS3を出力する回収パルス出力回路である。6は前記駆動パルス出力回路113からの駆動パルスS1と前記回収パルスS3を入力して、前記モータドライバー3へいずれかを選択出力するセレクタである。すなわち、駆動パルスS1と回収パルスS3とは、セレクタにより切り替え出力される。
次に、図2(a)、図3(a)〜(d)に基づいて本発明の第1の実施形態による動作を説明する。
図2(a)において、通常(時刻t10より前)、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になっているため、前記モータドライバー3は図3(a)に示すような等価回路状態となっている。即ち、前記PMOSトランジスタ21pと22pが共にオンしているため、それぞれ低抵抗210p、220pで示される。また、前記NMOSトランジスタ21nと22nは共にオフしているため、それぞれ前記寄生ダイオード23nと24nで示される。この場合、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25に流れる電流はゼロである。
時刻t10になると、前記駆動パルス出力回路113からの駆動パルスS1が、セレクタ6によりモータドライバー3から駆動パルスとして選択出力され、OUT1端子がLowレベル、OUT2端子がHighレベルとなるため、コイル25に電流が流れて前記ステップモータ4が回転し、指針5が1ステップ進む。この時、前記モータドライバー3は図3(b)に示すような等価回路状態となっている。即ち、前記PMOSトランジスタ22pと、前記NMOSトランジスタ21nが共にオンしているため、それぞれ低抵抗220p、210nで示される。また、前記PMOSトランジスタ21pと前記NMOSトランジスタ22nは共にオフしているため、それぞれ前記寄生ダイオード23pと24nで示される。モータドライバー3に流れる電流31は、前記電源2から、低抵抗220p→OUT2端子→直列抵抗成分26→コイル25→OUT1端子→低抵抗210nの方向で流れ、消費する方向である。
時刻t11になると、前記駆動パルスS1が停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25への通電は遮断される。しかし、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が発生している。
この誘起電流がピーク付近になる時刻t12の直前において、前記モータドライバー3は図3(c)に示すような等価回路状態となっている。即ち、前記PMOSトランジスタ21pと22pが共にオンしているため、それぞれ低抵抗210p、220pで示される。また、前記NMOSトランジスタ21nと22nは共にオフしているため、それぞれ前記寄生ダイオード23nと24nで示される。モータドライバー3に流れる電流32は、コイル25から、OUT1端子→低抵抗210p→低抵抗220p→OUT2端子→直列抵抗成分26の方向で流れる、ロータの自由振動によって発生する誘起電流である。
時刻t12になると、前記誘起電流がピーク近傍となり、最も効率良く電力回収出来る状態となる。ここで、前記回収パルス出力回路114からの回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3から回収パルスとして選択出力され、前記ステップモータ4を回転させるための時刻t10からt11の駆動パルスとは逆となる、OUT1端子がHighレベル、OUT2端子がLowレベルとする。この時、前記モータドライバー3は図3(d)に示すような等価回路状態となっている。即ち、前記PMOSトランジスタ21pと、前記NMOSトランジスタ22nが共にオンしているため、それぞれ低抵抗210p、220nで示される。また、前記PMOSトランジスタ22pと前記NMOSトランジスタ21nは共にオフしているため、それぞれ前記寄生ダイオード24pと23nで示される。
この時、起電力を発生しているコイル25と電源2が、低抵抗210pと低抵抗220nと直列抵抗成分26を介して並列接続される構成となる。即ち、前記モータドライバー3には、前記コイル25からOUT1端子→低抵抗210p→電源2→低抵抗220n→OUT2端子→直列抵抗成分26の方向で流れる電流33と、前記電源2から低抵抗210p→OUT1端子→コイル25→直列抵抗成分26→OUT2端子→低抵抗220nの方向で流れる電流34が合成された電流が流れるが、前記誘起電流がピーク近傍で非常に多いため、電流33が支配的となる。前記電流33は電源2を充電、即ち電力を回収する方向である。
時刻t13になると、前記回収パルスS3が停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25への通電は遮断される。しかし、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が未だ若干残っているため、前記モータドライバー3は図3(c)に示すような等価回路状態に戻り、電力回収動作は終了する。
尚、時刻t12からt13の回収パルスの時間幅は、出願人の実験測定により、1ms未満程度が適正と考えている。1ms以上であると、前記ステップモータ4が回転してしまう恐れがあることに加え、コイル25に生じている回収可能な誘起電力が少なくなり、図3(d)における、電力を回収する方向である電流33に対し、電力を消費する方向である電流34が支配的になってしまうからである。
また、時刻t14からt15は、前記時刻t10からt11の駆動パルスとは逆にOUT1端子がHighレベル、OUT2端子がLowレベルとなるため、コイル25に前記駆動パルスとは逆向きに電流が流れて前記ステップモータ4が回転し、指針5が1ステップ進む。時刻t16からt17は、前記時刻t12からt13の回収パルスとは逆にOUT1端子がLowレベル、OUT2端子がHighレベルとする。即ち、前記時刻t10からt13の駆動パルス出力制御と回収パルス出力制御の極性が逆になっただけであるので、詳細な説明は省略する。
ところで、前記回収パルスが、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流のピーク近傍から大きく外れた場合の動作について、図2(b)と図3(e)〜(f)に基づき説明する。
図2(b)において、時刻t10からt11の駆動パルス出力後、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が発生している時刻t18の直前において、前記モータドライバー3は図3(e)に示すような等価回路状態となっている。この時、モータドライバー3に流れる電流35は、コイル25から、直列抵抗成分26→OUT2端子→低抵抗220p→低抵抗210p→OUT1端子の方向、即ち前記電流32と逆方向である。
時刻t18になり、前記回収パルス出力回路114からの回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3から回収パルスとして選択出力され、前記ステップモータ4を回転させるための時刻t10からt11の駆動パルスとは逆となる、OUT1端子がHighレベル、OUT2端子がLowレベルとする。この時、前記モータドライバー3は図3(f)に示すような等価回路状態となっている。
この時、起電力を発生しているコイル25と電源2が、低抵抗210pと低抵抗220nと直列抵抗成分26を介して直列接続される構成となる。即ち、前記モータドライバー3には、前記コイル25から直列抵抗成分26→OUT2端子→低抵抗220n→電源2→低抵抗210p→OUT1端子の方向で流れる電流36と、前記電源2から低抵抗210p→OUT1端子→コイル25→直列抵抗成分26→OUT2端子→低抵抗220nの方向で流れる電流37が合成された電流が流れることになり、前記電源2は充電されず、回収パルスが出力される時刻t19まで、逆に電力を消費する方向となってしまう。
従って、前記回収パルスは、図2(a)の時刻t12からt13に示されるように、誘起電流のピーク近傍で出力するのが望ましいことが分かる。
次に、図4、図5に基づいて本発明の電力回収制御手段を備えた電子時計の第2の実施形態を説明する。
図4において、7は前記電源2の電圧を検出する電源電圧検出回路であり、その結果を前記回収パルス出力回路114へ出力する。
次に、図5に基づいて本発明の第2の実施形態による動作を説明する。
図5において、通常(時刻t20より前)、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になっているため、コイル25に流れる電流はゼロである。
時刻t20になると、電源電圧検出回路7の結果に基づき、電源電圧41のレベルに対応した前記駆動パルス出力回路113からの駆動パルスS1が、セレクタ6によりモータドライバー3に駆動パルスとして選択出力され、OUT1端子がLowレベル、OUT2端子がHighレベルとなるため、コイル25に電流が流れて前記ステップモータ4が回転し、指針5が1ステップ進む。
時刻t21になると、前記駆動パルスS1が停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25への通電は遮断される。しかし、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が発生している。
ところで、この誘起電流は電源電圧により幅や大きさが異なる。例えば、電圧が高い電源電圧41のレベルの場合、ロータの自由振動が強くなり、誘起電流のピーク付近の幅が広くなる。即ち、電力を回収できる時間が増えるので、それに合わせて前記回収パルス出力回路114が制御され、幅の広い回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3に回収パルスとして選択出力される(時刻t22から時刻t23)。
また、この誘起電流は電源電圧によりピークが発生する時間が異なる。例えば、電圧が高い電源電圧41のレベルの場合、ロータの自由振動が強くなり、誘起電流のピークが駆動パルス(時刻t20からt21)に近くなるので、それに合わせて前記回収パルス出力回路114が制御され、適正なタイミングにて回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3に回収パルスとして選択出力される。
時刻t28になると、例えば前記ステップモータ4を回転させたことによる電源電圧低下、或いはその他時計機能を使用したことによる電源電圧低下が生じ、電源電圧42のレベルの状態が生じたとする。
時刻t24になると、電源電圧検出回路7の結果に基づき、電源電圧42のレベルに対応した前記駆動パルス出力回路113からの駆動パルスS1が、セレクタ6によりモータドライバー3に駆動パルスとして選択出力され、OUT1端子がHighレベル、OUT2端子がLowレベルとなるため、コイル25に電流が流れて前記ステップモータ4が回転し、指針5が1ステップ進む。
時刻t25になると、前記駆動パルスS1が停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25への通電は遮断される。しかし、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が発生している。
電圧が低い電源電圧42のレベルの場合、ロータの自由振動が弱くなり、誘起電流のピーク付近の幅が狭くなる。即ち、電力を回収できる時間が減るので、それに合わせて前記回収パルス出力回路114が制御され、幅の狭い回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3に回収パルスとして選択出力される(時刻t26から時刻t27)。
また、電圧が低い電源電圧42のレベルの場合、ロータの自由振動が弱くなり、誘起電流のピークが駆動パルス(時刻t24からt25)から遠くなるので、それに合わせて前記回収パルス出力回路114が制御され、適正なタイミングにて回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3に回収パルスとして選択出力される。
次に、図6、図7に基づいて本発明の電力回収制御手段を備えた電子時計の第3の実施形態を説明する。
図6において、115は前記ステップモータ4の回転/非回転を判別するための回転検出パルスS4を出力する回転検出パルス出力回路である。9はステップモータ4が回転したことによる誘起電流のうち、駆動パルスによる電流と同極性の誘起電流をモータドライバー3より検出する(第1検出モード)第1電流波形検出回路、10は前記ステップモータ4が回転したことによる誘起電流のうち、駆動パルスによる電流と反対の極性の誘起電流をモータドライバー3より検出する(第2検出モード)第2電流波形検出回路である。8は前記第1電流波形検出回路9と前記第2電流波形検出回路10の検出信号を受けて、前記ステップモータ4の回転/非回転を判別する回転検出回路であり、その結果を前記回収パルス出力回路114へ出力する。
尚、前記第1検出モードと第2検出モードによりステップモータの回転/非回転を判別する方法に関しては、本出願人によって前述の特許文献2に開示されている為、詳細な説明は省略する。
次に、図7に基づいて本発明の第3の実施形態による動作を説明する。
図7において、通常(時刻t30より前)、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になっているため、コイル25に流れる電流はゼロである。
時刻t30になると、電源電圧検出回路7の結果に基づき、電源電圧43のレベルに対応した前記駆動パルス出力回路113からの駆動パルスS1が、セレクタ6によりモータドライバー3に駆動パルスとして選択出力され、OUT1端子がLowレベル、OUT2端子がHighレベルとなるため、コイル25に電流が流れて前記ステップモータ4が回転し、指針5が1ステップ進む。
時刻t31になると、前記駆動パルスS1が停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、コイル25への通電は遮断される。しかし、ロータが慣性により回転していることによる誘起電流が発生している。
時刻t32になると、前記ステップモータ4の回転/非回転を判別する為の回転検出パルスS4が、セレクタ6によりモータドライバー3に回転検出パルスとして選択出力される。この結果、前記駆動パルスと同極性の誘起電流が、前記第1電流波形検出回路が備える検出抵抗(図示せず)により電圧変換され、OUT2端子がLowレベルに変化することで回転検出信号となる。時刻t33になると、前記回転検出パルスが停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる。これを予め定めた所定回数だけ繰り返し、第1電流波形検出回路による検出を終了する。
この検出終了直後の時刻t34に、前記回収パルス出力回路114からの回収パルスS3が、セレクタ6によりモータドライバー3から回収パルスとして選択出力され、前記ステップモータ4を回転させるための時刻t30からt31の駆動パルスとは逆となる、OUT1端子がHighレベル、OUT2端子がLowレベルとする。これにより、電力回収を行う。
時刻t35になると、前記回収パルスS3が停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる為、電力回収動作は終了する。
更に、時刻t36になると、前記ステップモータ4の回転/非回転を判別する為の回転検出パルスS4が、セレクタ6によりモータドライバー3に回転検出パルスとして選択出力される。この結果、前記駆動パルスと反対極性の誘起電流が、前記第2電流波形検出回路が備える検出抵抗(図示せず)により電圧変換され、OUT1端子がLowレベルに変化することで回転検出信号となる。時刻t37になると、前記回転検出パルスが停止し、OUT1端子及びOUT2端子が共にGND(+)で同電位になる。これを予め定めた所定回数だけ繰り返し、第2電流波形検出回路による検出を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、ステップモータの回転検出に影響を与えることなく、簡素な構成でより効率良く且つ無駄の無い動作で電力回収を行うことができ、消費電力を低減した電子時計が実現できる。
なお、上述した回転検出パルス出力回路115及び回収パルス出力回路114から出力されるパルスのタイミングは、調整回路12により制御される。すなわち、調整回路12は、回転検出回路8における回転の有無の誤判定を防止するため、回転検出パルス出力回路115と、回収パルス出力回路114の動作を制御するものである。本実施形態では、調整回路12は回転検出パルス出力回路115及び回収パルス出力回路114から出力されるパルスのタイミングを制御するものであるが、以降説明する実施形態の電子時計が行うように、各パルスの有無を制御するものであってもよいし、回転検出回路8における検出の閾値を制御するものであってもよい(図6中では破線による矢印で示した)。
また、調整回路12は必ずしも回転検出パルス出力回路115、回収パルス出力回路114及び回転検出回路8から独立して設けられている必要はなく、回転検出パルス出力回路115、回収パルス出力回路114及び回転検出回路8が相互に通信を行い制御を行うようそれぞれの回路に設けられたものであってもよい。
続いて、以下に説明する実施形態では、回転検出パルスの出力タイミングが可変である場合に、回転検出において誤検出を生じることなく電力回収を行う例を説明する。
最初に、本発明の第4の実施形態を図9、図10を用いて説明する。なお、本実施形態の電力回収手段を備えた電子時計の構成は、先に説明した第3の実施形態のものと同様であるため、図6を本実施形態の電子時計の構成を示すブロック図として援用する。
まず、本実施形態における電子時計の動作を説明する前に、図9を用いて、電力回収を行うことにより、回転検出において誤検出を生じるケースを比較例として説明する。図9は、比較例において、ロータが非回転である場合において、ステップモータ4に生じる電流波形と、ステップモータ4のコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。図中(a)は、コイルに生じる誘起電流の電流波形、(b)はコイルの一方の端子OUT1における電位、(c)はコイルの他方の端子OUT2における電位を示している。
まず、正秒毎に、ステップモータ4のロータを回転させるための駆動パルスSPが出力され、それにより電流波形c1が生じる。この例では、ロータは回転に至らなかったものとする。なお、駆動パルスSPが櫛歯状の波形となっているのは、駆動パルスSPのデューティ比が最大値より小さな値となっているため、駆動パルスSPの出力期間に対し、実際に駆動パルスSPが出力されている期間が短くなっているためである。電流波形c1の形状は、駆動パルスSPの形状に対応して鋸歯状となっている。
その後、正秒より5ms経過後に、回転検出のための第1検出モードが開始され、端子OUT2に1ms毎に回転検出パルスが印加される。この回転検出パルスは、端子OUT2側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するものであり、端子OUT2側において検出された電圧値が閾値電圧Vthより小さい(すなわち、検出された電圧値の絶対値が閾値電圧Vthの絶対値より大きい)場合に検出成功と判定する。そして、第1検出モードにおいて、2回検出に成功したならば、次に説明する第2検出モードに移行するものとなっている。本例では、正秒より5ms及び6msの時点で電流波形c5が正となっているため、回転検出パルスV5及びV6において検出に成功することとなる。
その後、第2検出モードに移行し、端子OUT1に1msごとに回転検出パルスが印加される。この回転検出パルスは、端子OUT1側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するものであり、端子OUT1側において検出された電圧値が閾値電圧Vthより小さい(すなわち、検出された電圧値の絶対値が閾値電圧Vthの絶対値より大きい)場合に検出成功と判定する。そして、第2検出モードとしてあらかじめ定められた期間(本例では6ms)内に、検出に成功すれば、ロータが回転したものと判定するようになっている。本例では、回転検出パルスV7が第2検出モードの検出パルスであり、正秒より7msの時点での電流波形c6が負となっているため、回転検出パルスV7において検出に成功したものと判断されている。
また、図中RPは回収パルスである。
ここで、同図(a)より容易にみて取れるように、電流波形は、回収パルスRPが出力されていなければ、電流波形c5及びc7がなだらかに連続する波形となるため、負となることがなく、第2検出モードにおいて検出成功と判定されることはないので、ロータが非回転であることが正しく検出される。ところが、回収パルスRPが印加されている時点では、ステップモータ4のコイルに電源電圧が重畳されることになるため、その値が負となる電流波形c6が生じており、そのために回転検出パルスV7において検出成功と判定される。その結果、ロータが非回転であるにもかかわらず回転と誤判定され、電子時計に遅れが生じることとなってしまう。
図10は、上記の点を考慮した本実施形態において、ロータが非回転である場合において、ステップモータ4に生じる電流波形と、ステップモータ4のコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。
まず、正秒毎に駆動パルスSPが端子OUT1に出力され、それにより電流波形c1が発生する。そして、正秒より5ms経過時点より第1検出モードが開始され、回転検出パルスV5,V6が出力される。この両パルスは電流波形c5により検出成功と判定される。2回検出に成功したため、第2検出モードに移行する点は、先の比較例と同様である。
本実施形態の電子時計では、回収パルスRPを第1検出モードの検出に成功した直後に出力するとともに、回収パルスRPによる第2検出モードでの誤検出を防止するため、一定期間第2検出モードでの回転検出パルスの出力を禁止する。換言すれば、本実施形態の電子時計は、駆動パルスSPによる電流波形と同極性の誘起電流波形を検出するための第1検出パルス(=第1検出モードにおける回転検出パルス)による検出終了後に回収パルスRPを出力し、所定期間経過後に、駆動パルスSPによる電流波形と反対極性の誘起電流波形を検出するための第2検出パルス(=第2検出モードにおける回転検出パルス)の出力を開始させる。
このようにすることにより、回収パルスRPによる影響が除去され、誤判定が防止される。この例では、回収パルスRPが出力されてから1msの間、第2検出モードでの回転検出パルスの出力が禁止される。そのため、第2検出モードでの回転検出パルスは、正秒から7ms経過時においては出力されず、正秒から8ms経過時点より出力される(図中V8,V9,V10,V11,V12及びV13)。これらの回転検出パルスは、電流波形c7が正であるためいずれも検出に失敗し、第2検出モードの期間である6ms内に検出に成功しなかったため、ロータが非回転であると正しく判定される。
続いて、本発明の第5の実施形態を図11、図12を用いて説明する。なお、本実施形態の電力回収手段を備えた電子時計の構成についても、先に説明した第3の実施形態のものと同様であるため、図6を本実施形態の電子時計の構成を示すブロック図として援用する。
図11は、本実施形態において、ロータが回転した場合において、ステップモータ4に生じる電流波形と、ステップモータ4のコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。
まず、正秒毎に駆動パルスSPが端子OUT1に出力され、それにより電流波形c1が発生する。
そして、本実施形態では、正秒より5ms経過時に、第1検出モードによる回転検出パルスV5を出力する。この回転検出パルスV5は、先の第4の実施形態における第1検出モードとは異なり、端子OUT2側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するものであり、端子OUT2側において検出された電圧値が閾値電圧Vthより小さい(すなわち、検出された電圧値の絶対値が閾値電圧Vthの絶対値より大きい)場合に回転である可能性が高いと判定する。この検出は、ロータが正常に回転している場合に、駆動パルスSPによる電流波形c1の直後に、電流値が負となる電流波形c2が発生することから、この電流波形c2を検知するものであり、かかる電流波形c2が検知されたならば、ロータが回転している可能性が高いのである。換言するならば、本実施形態の第1検出モードは、ロータの回転の有無を予備的に検出する予備検出を行うための予備検出パルスを出力するモードである。本実施形態の電子時計は、この第1検出モードによる検出により、簡易に回転の成否を判定し、回転の可能性が低い場合、すなわち、電流波形c2が検知できなかった場合には誤検出を防止するため回収パルスRPの出力を禁止するように構成されているものである。すなわち、予備検出モードにおける予備検出により、回転検出回路8(図6参照)がロータが非回転であることを検出した場合には、調整回路12(図6参照)は回収パルス出力回路114(図6参照)からの回収パルスRPの出力を禁止する。この例では、回転検出パルスV5は電流波形c2により、回転である可能性が高いと判定され、回収パルスRPの出力は禁止されない。
続いて、正秒より6ms経過時点より第2検出モードが開始され、回転検出パルスV6,V7が出力される。この第2検出モードは、先の第4の実施形態における第1検出モードと同様であり、端子OUT1側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するものである。この例では、電流波形c3により回転検出パルスV6,V7による検出は成功と判定される。2回検出に成功したため、続く第3検出モードに移行する。
一方、回収パルスRPは、第1検出モードによる検出が成功しているために出力され、電力回収が行われる。回収パルスRPの出力タイミングは、回収効率が高くなるよう選択され、例えば、電流波形c3のピーク位置付近となるようにあらかじめ定められる。なお、回収パルスRPの出力タイミングを、第2検出モードによる検出が成功した直後としてもよい。
さらに、第3検出モードがこの例では正秒より8ms経過時点より開始される。この第3検出モードは、先の第4の実施形態における第2検出モードと同様であり、端子OUT1側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するものである。この例では、回転検出パルスV8は未だ電流値が正である電流波形c3を検出するものであるため、検出に失敗するが、続く回転検出パルスV9は電流値が負である電流波形c4を検出するものであるため、検出に成功する。そして、第3検出モードにおいて検出に成功したことから、ロータが回転していると正しく判定される。以上の説明の通り、本実施形態では、第2検出モード及び第3検出モードは、予備検出の後、さらにロータの回転の有無を検出するモードである。換言するならば、本実施形態の第2検出モード及び第3検出モードは、予備検出の後にロータの回転の有無を検出する本検出を行うための本検出パルスを出力するモードである。第2検出モード及び第3検出モードにおいて出力される回転検出パルス、この場合は、回転検出パルスV6乃至V9が本検出パルスに該当する。
図12は、本実施形態において、ロータが非回転の場合において、ステップモータ4に生じる電流波形と、ステップモータ4のコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。
この場合、同図に示すように、駆動パルスSPによる電流波形c1の直後から電流値が正である電流波形c5が現れ、図11に示したような、電流値が負となる電流波形が現れない。そのため、第1検出モードにおける回転検出パルスV5による検出は失敗し、回収パルスRPの出力が禁止される。
続く第2検出モードでは、回転検出パルスV6,V7は電流値が正である電流波形c5を検知するため、いずれも検出に成功する。そして、2回検出に成功したため、続く第3検出モードに移行する。一方、回収パルスRPは、第1検出モードによる検出が失敗しているために出力されない。
そのため、第3検出モードにおいては、回収パルスRPの影響による誤検出が生じることはない。そして、第3検出モードでの回転検出パルスV8乃至V13は、電流波形c5の電流値が正であることからいずれも検出に失敗し、結果、ロータが非回転であると正しく判定される。
なお、本実施形態における予備検出は、ロータの回転の有無を予備的に検出する、すなわち、ロータの回転及び非回転の可能性が高いことを予測するものであって、実際のロータの回転及び非回転の確定的な判定は、本検出によらなければならない。すなわち、予備検出においてロータの回転の可能性が高いと予測されたにもかかわらず、ロータが非回転であったことを本検出にて検出する場合、あるいは、予備検出においてロータが非回転である可能性が高いと予測されたにもかかわらず、ロータが回転したことを本検出にて検出する場合があり得る。
図13は、本実施形態において、予備検出においてロータが回転したと予測されたが、本検出において、ロータが非回転と検出される場合のステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。
同図中(a)に示した電流波形は、電源電圧が低下したり、外力の作用や姿勢の変化等の影響により運針にばらつきが生じ、わずかに駆動力が低下した等の場合に発生する電流波形である。この場合、同図に示すように、駆動パルスSPによる電流波形c1の直後に、電流値が負となる電流波形c2が現れる。そのため、第1検出モードにおける回転検出パルスV5による検出は成功と判断される。そのため、この場合、予備検出においてはロータは回転している可能性が高いと判断され、回収パルスRPの出力は禁止されない。
続く第2検出モードでは、回転検出パルスV6,V7は電流値が正である電流波形c5を検知するため、いずれも検出に成功する。そして、2回検出に成功したため、続く第3検出モードに移行するとともに、回収パルスRPが電流波形c3のピーク位置付近と予測されるタイミング若しくは第2検出モードによる検出が成功した直後に出力され、電力の回収が行われる。
しかしながら、第3検出モードにて出力される回転検出パルスV8乃至V13では、電流波形c5の電流値が正であるためいずれも検出に失敗する。そして、第3検出モードの期間である6ms内に検出に成功しなかったため、ロータが非回転であると正しく判定される。すなわち、本検出において、ロータが非回転であることが正しく判定されるのである。
このとき、ロータが実際には非回転であるにも関わらず回収パルスRPが出力されることになる。しかしながら、本例のように、電流波形c2が生じる場合には、続く電流波形c5における電流波形の電流値は高いものとなり、しかも、回収パルスRPはロータが回転しない程度の弱いパルスであることから、図示のように、第3検出モードにおいて、電流波形の電流値が負となることはない。そのため、本検出においては、ロータが非回転であることが正しく判定される。
図14は、本実施形態において、予備検出においてロータが非回転であると予測されたが、本検出において、ロータが回転と検出される場合のステップモータに生じる電流波形と、ステップモータのコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。
同図中(a)に示した電流波形は、例えばカレンダ機構を駆動する等、一時的に大きな負荷が生じた場合に発生する。一時的に大きな負荷が生じた場合には、駆動パルスのデューティ比は、ロータを正常に回転させうる最も低いデューティ比ではなく、一時的に高いデューティ比となる。そして、カレンダ機構等の駆動を終えた後も、しばらくの間はこの高いデューティ比が維持される。このような場合、同図に示すように、駆動パルスSPによる電流波形c1の直後に、電流値が負となる電流波形は現れない。そのため、第1検出モードにおける回転検出パルスV5による検出は失敗し、予備検出においてはロータは非回転の可能性が高いと判断され、回収パルスRPの出力が禁止される。
続く第2検出モードでは、回転検出パルスV6,V7は電流値が正である電流波形c3を検知するため、いずれも検出に成功する。そして、2回検出に成功したため、続く第3検出モードに移行する。このとき、回収パルスRPはその出力が禁止されているため、出力されない。
そして、続く第3検出モードにて出力される回転検出パルスV8において、電流値が負である電流波形c4を検出するため、検出は成功と判断される。第3検出モードにおいて検出に成功したため、この場合、ロータは回転していると正しく判断される。すなわち、本検出において、ロータが回転したことが正しく判定されるのである。
このとき、ロータが実際には回転であるにも関わらず回収パルスRPが出力されないため、電力の回生はできないことになる。しかしながら、本例のように、駆動パルスSPのデューティ比が高い状態において、ロータが回転していることを一定期間連続で正しく検出していれば、駆動パルスSPのデューティ比が下げられる。その結果、ロータの駆動に要する電力は少なくなり、また、電流波形も図11(a)に示したものとなることから、電力の回生がおこなわれるようになる。すなわち、結果的に低消費電力化が達成されることになる。
続いて、本発明の第6の実施形態を図15、図16を用いて説明する。なお、本実施形態の電力回収手段を備えた電子時計の構成についても、先に説明した第3の実施形態のものと同様であるため、図6を本実施形態の電子時計の構成を示すブロック図として援用する。
図15は、本実施形態において、ロータが回転した場合において、ステップモータ4に生じる電流波形と、ステップモータ4のコイルの両端の端子に印加されるパルスを示すタイミングチャートである。
まず、正秒毎に駆動パルスSPが端子OUT1に出力され、それにより電流波形c1が発生する。
そして、本実施形態では、正秒より5ms経過時に、第1検出モードによる回転検出パルスV5を出力する。この第1検出モードは、先の第4の実施形態における第1検出モードと同様であり、端子OUT1側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するものである。このとき、端子OUT2側において検出された電圧値と比較する閾値電圧Vth1は、先の第4の実施形態における第1検出モードにおける閾値電圧Vthと同様の値である。この例では、正秒より5ms及び6ms経過時点における回転検出パルスV5及びV6においては、電流波形c2の電流値が負であるため検出に失敗するが、続く回転検出パルスV7及びV8による検出は電流波形c3の電流値が正であるため成功と判定される。そして、第1検出モードにおいて2回検出に成功したため、第2検出モードへと移行する。
一方、回収パルスRPは、本実施形態では、第1検出モードによる検出が成功した直後、この例では、回転検出パルスV8の出力後に出力される。なお、回収パルスRPを、回収効率が高くなるようあらかじめ定めたタイミングで出力するようにしてもよい。
ここで、前述の通り、回収パルスRPは、ロータに対するブレーキとして作用するため、ロータはその回転運動エネルギーを失い、以降のロータにより発生する誘起電流の電流波形は小さくなる。図示の例では、電流波形c4の値(絶対値)は、回収パルスRPが出力されない場合に比して小さくなるため、その検出が難しくなる。
また、図15の(a)に示す電流波形と先の実施形態において示した図11の(a)に示す電流波形とはその形状が異なっており、そのピーク位置が異なる。これは、電子時計においては、衝撃等の外力やその姿勢の変化等の種々の要因により運針のばらつきが生じるため、正秒毎に得られる電流波形が必ずしも同一とはならないためである。そのため、上述の方法によっても、回収パルスRPを、必ず電流波形c3のピーク位置で出力できるわけではなく、図15に示すようにずれる場合がある。そして、電流波形c3のピーク位置でないタイミングで回収パルスが出力されると、続く電流波形c4の値(絶対値)が小さくなり、より一層その検出が難しくなることになる。
そこで、本実施形態では、電流波形c4を検出するための検出感度を変更する。すなわち、回収パルスRPが出力されている場合に、第2検出モードにおいて、端子OUT2側がLレベルとなる向きに誘起電流が発生していることを検出するための検出感度を上げる。
なお、検出感度を変更する方法は特に限定されない。例えば、回転検出のための回路において、あらかじめ閾値電圧を発生する電圧レギュレータを複数用意しておき、回転検出において入力された電圧値を閾値電圧と比較するコンパレータの閾値電圧を切り替えるようにすればよい。この場合、閾値電圧の絶対値が小さいほど、検出感度が高いことになる。図15に示した例は、この閾値電圧をVth1とVth2の2種用意し、相互に切り替える例である。あるいは、コイルの端子に接続される検出抵抗の抵抗値を変化させることにより、発生する誘起電圧の絶対値を変化させてもよい。例えば、抵抗値の異なる複数の検出抵抗を切り替え可能にコイルの端子に接続しておき、高抵抗の検出抵抗に切り替えるようにすれば、誘起電圧が高くなり検出が容易になる。この場合、コイルの端子に接続される検出抵抗の抵抗値が大きいほど、検出感度が高いことになる。図15に即して説明するならば、回収パルスRPが出力されている場合の第2検出モードにおいて、高抵抗の検出抵抗に切り替えることにより、図中(b)の回転検出パルスV9及びV10の絶対値が大きなものとなり、検出が容易となる。さらに、上述の閾値電圧を切り替えることと、検出抵抗の抵抗値を変化させることの両方を同時に行ってもよい。なお、これらの検出感度を変更するための回路を以下、感度設定回路と称する。
図16は、検出抵抗を切り替えることにより検出抵抗を変化させ、検出感度を変更する感度設定回路の例を示す図である。図中81は検出抵抗切り替え回路、82はコンパレータ回路である。
検出抵抗切り替え回路81には、PMOSトランジスタ83a乃至83dを介し、検出抵抗84a乃至84dがそれぞれ接続されている。そして、図示の通り、検出抵抗84a及び84bは端子OUT1に、検出抵抗84c及び84dは端子OUT2にそれぞれ並列に接続されている。また、検出抵抗84aと84b、検出抵抗84cと84dはそれぞれ抵抗値が異なっている。この例では、検出抵抗84a及び84cの抵抗値よりも、検出抵抗84b及び84dの抵抗値の方が大きいため、検出抵抗84b又は84dを選択した場合の検出感度は、検出抵抗84a又は84cを選択した場合の検出感度より高い。
この例では、PMOSトランジスタ83a乃至83dを適宜切り替えることにより、回転検出に用いる検出抵抗84a乃至84dが切り替えられ、それにより検出感度を変更することができる。例えば、図15に示した例に即して説明するならば、第1検出モードにおいては、端子OUT2側において電圧を検出する際に検出抵抗84cを選択すべくPMOSトランジスタ83cをONとする。同様に、回収パルスRPが出力されている場合の第2検出モードにおいては、端子OUT1側において電圧を検出する際に検出抵抗84bを選択すべく、PMOSトランジスタ83bをONとする。これにより、検出感度が高いものとなる。回収パルスRPが出力されていなければ、第2検出モードにおいて検出抵抗84aを選択すべく、PMOSトランジスタ83aをONとすればよい。端子間の極性が反転した場合も同様にして検出感度が選択される。
コンパレータ回路82は、端子OUT1及びOUT2にそれぞれ対応してコンパレータが設けられた構造となっており、制御線からの制御信号φc1により、閾値電圧が切り替えられるようになっている。なお、コンパレータにおける閾値電圧を切り替える必要がなければ、閾値電圧は固定とし、図示の制御線を省略してもよい。
さらに、以上説明した各実施形態において、回収パルスは、駆動パルスのデューティ比が、電源電圧に応じてあらかじめ定められたデューティ比である安定デューティ比にあるときに出力するようにしてもよい。
すでに説明したとおり、駆動パルスのデューティ比は、ロータを正常に回転させうる最も低いデューティ比が自動的に選択され、出力される。このデューティ比を安定デューティ比と呼んでおり、ロータを駆動する時点での電源電圧と、ロータにより駆動される針等の機構の質量や形状などの負荷及び、ロータやコイル等のモータの構成により決定される。そのため、電子時計の設計若しくは試作の段階で、電源電圧に応じた安定デューティ比をあらかじめ実験的に求めておくことが可能である。なお、安定デューティ比は、必ずしも一つには限られず、電子時計の駆動に伴う電源電圧の低下に応じて、複数用意しておいてもよい。その数には特段の制限はないが、一般的な電子時計の使用中において現れる安定デューティ比は2乃至5程度であるから、これに応じて安定デューティ比を2乃至5程度求めておくのが好ましく、本発明の各実施形態においては、4としている。
図17は、駆動パルスのデューティ比が安定デューティ比である場合に回収パルスを出力する制御のフロー図である。
まず、ステップS1において電子時計の現時点での電源電圧を検出する。この検出は、図6における電源電圧検出回路7の検出結果を用いるとよい。続いて、ステップS2で、検出された電源電圧に応じて、あらかじめ実験的に求めておいた安定デューティ比を選択する。そして、ステップS3において、運針タイミングであるか否か、すなわち、現時点が毎正秒であるか否かを判断し、運針タイミングであれば、続くステップS4へと進み、そうでなければ、運針タイミングが到来するまで待機する。
ステップS4では、モータ駆動パルスを出力し、ステップモータ4を回転させる。このとき、駆動パルスにおけるデューティ比は、前述した方法により決定されたものである。すなわち、ロータが正常に回転していることがある一定期間連続で検出された場合には、デューティ比を下げ、また、ロータが非回転であった場合にはデューティ比を上げる制御が行われることにより選択されるデューティ比である。
ステップS5では、回収パルスを出力するタイミングであるか否かが判断される。このとき、回収パルスを出力するタイミングは電子時計の設計に応じて定めるとよい。例えば、前述の第1の実施形態のように、誘起電流がピーク付近になる時刻をあらかじめ実験的に求めておき、その時刻を回収パルスを出力するタイミングとしてよい。また、前述の第2の実施形態のように、回収パルスを出力するタイミングを、電源電圧の検出結果に応じて異なるものとしてもよい。さらに、前述の第4の実施形態のように、第1検出モードによる回転検出の終了後に回収パルスを出力するようにしてもよい。回収パルスを出力するタイミングであれば続くステップS6へと進み、そうでなければ、かかるタイミングが到来するまで待機する。
ステップS6では、ステップS2で選択された安定デューティ比と、現在選択されている駆動パルスのデューティ比とを比較し、両者が等しい場合にはステップS7へと進み回収パルスを出力する。一方、ステップS6で両者が等しくないと判断された場合には、回収パルスは出力されない。
このように構成することで、変化する電源電圧の幅広い領域において効率のよい電力回収が実現される。また同時に、回収パルスは安定した動作がなされているときにのみ出力されるので、回収パルスを出力することによる悪影響、例えば、回転検出における誤判定がなされる可能性等を低減することができる。
一例として、前述の第1の実施形態において、駆動パルスのデューティ比が安定デューティ比である場合に回収パルスを出力する制御を、デューティ比が22/32、23/32、24/32及び25/32である場合を安定デューティ比として設定した場合に、かかる構成を有しない場合に比して、およそ5〜6%の消費電力の削減を見た。なお、デューティ比を表現する際の表記として、n/mとあるのは、駆動パルスを出力しうる期間全体の長さをmとした際に、実際に駆動パルスが出力されている期間がnであることを示す。
尚、本発明の実施例では秒を1秒ごとに歩進させるステップモータの動作で説明したが、当然秒修正時やその他機能を実現する際の高速歩進時にも適用出来る。また、提示したブロック図や回路部品構成、タイミングチャート図はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することが出来る。

Claims (6)

  1. 電源と、表示体を駆動するステップモータと、
    該モータを駆動するモータドライバーと、
    該モータドライバーに対し前記モータを制御する為の制御信号を出力するモータ制御回路と、
    前記モータドライバーに対して前記モータを駆動する為の駆動パルスを出力する駆動パルス出力回路と、
    前記駆動パルス出力後の前記モータのロータの自由振動による誘起電流波形のピーク地点近傍において、前記ロータが回転しない程度の回収パルスを出力させる回収パルス出力回路と、
    を有する電子時計であって、
    該モータ制御回路は、前記駆動パルスと前記回収パルスを切り替え出力し、前記回収パルス出力時に前記誘起電流の電力が前記電源に回生される電子時計。
  2. 前記誘起電流波形の検出に使用するための検出パルスを前記ステップモータ制御回路に出力する回転検出パルス出力回路と、
    前記回転検出パルスにより検出した前記誘起電流波形により前記ステップモータの回転の有無を判定する回転検出回路と、
    前記回転検出回路における回転の有無の誤判定を防止するため、前記回転検出パルス出力回路と、前記回収パルス出力回路の動作を制御する調整回路と、
    を有する請求項1記載の電子時計。
  3. 前記回転検出パルス出力回路は、前記駆動パルスにより生じた電流波形と同極性の誘起電流波形を検出するための第1検出パルスと、その後に出力される、前記駆動パルスにより生じた電流波形と反対極性の誘起電流波形を検出するための第2検出パルスと、を出力し、
    前記調整回路は、前記回収パルス出力回路が、前記第1検出パルスによる検出の終了後に前記回収パルスを出力し、所定期間経過後に、前記回転検出パルス出力回路が、前記第2検出パルスの出力を開始するように制御する
    請求項2記載の電子時計。
  4. 前記回転検出パルス出力回路は、前記ステップモータの回転の有無を予備的に検出する予備検出を行うための予備検出パルスと、前記予備検出の後に前記ステップモータの回転の有無を検出する本検出を行うための本検出パルスを出力し、
    前記調整回路は、前記予備検出により前記回転検出手段が非回転であることを検出した場合に、前記回収パルス出力回路からの回収パルスの出力を禁止する
    請求項2記載の電子時計。
  5. 前記回転検出回路は前記誘起電流波形の検出感度を変更する感度設定回路を有し、
    前記調整回路は、前記回収パルス出力回路から回収パルスが出力された場合に、前記感度設定回路が検出感度を上げるように制御する
    請求項2記載の電子時計。
  6. 前記調整回路は、前記駆動パルスのデューティ比が前記電源の電源電圧に応じてあらかじめ定められた安定デューティ比と等しい場合に、前記回転検出パルス出力回路が前記回収パルスを出力するように制御する
    請求項1乃至5のいずれかに記載の電子時計。
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