JP5651826B2 - スピン注入電極構造、スピン伝導素子及びスピン伝導デバイス - Google Patents

スピン注入電極構造、スピン伝導素子及びスピン伝導デバイス Download PDF

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Description

本発明は、スピン注入電極構造、スピン伝導素子及びスピン伝導デバイスに関する。
近年、半導体からなるチャンネルにスピンを蓄積する技術が知られている。半導体からなるチャンネルにおけるスピン拡散長は、金属からなるチャンネルにおけるスピン拡散長よりも格段に長い。例えば下記非特許文献1〜4には、シリコンにスピンを注入する技術が記載されている。
Tomoyuki Sasaki et al., "Electrical Spin Injection into Silicon Using MgO Tunnel Barrier," Applied Physics Express 2, The Japan Society of Applied Physics, 2009年, 053003-1頁〜053003-3頁. O. M. J. van't Erve et al., "Electrical injection and detection of spin-polarized carriers in silicon in a lateral transport geometry," APPLIED PHYSICS LETTERS 91, American Institute of Physics, 2007年, 212109-1頁〜212109-3頁. Y. Ando et al., "Electrical injection and detection of spin-polarized electrons in silicon through an Fe3Si/Si Schottky tunnel barrier," APPLIED PHYSICS LETTERS 94, American Institute of Physics, 2009年, 182105-1頁〜182105-3頁 Saroj P. Dash et al., "Electrical creation of spin polarization in silicon at room temperature," nature, Macmillan Publishers Limited, 2009年11月26日, vol.462, 491頁〜494頁
ところで、シリコンにおけるスピンの注入・伝導・検出の応用のためには、室温での十分な出力特性を得ることが望まれている。上記非特許文献1〜3では、シリコンにおけるスピンの注入・伝導・検出が報告されているものの、いずれも150K以下の低温での事象である。上記非特許文献4では、300Kでのシリコンにおけるスピンの蓄積を観測するものの、室温でのシリコンにおけるスピンの伝導現象は観測されておらず、幅広い応用が期待できないのが現状である。このように、室温でのシリコンにおけるスピンの伝導を実現する効果的な注入を実現することが望まれている。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、室温でのシリコンチャンネル層におけるスピンの効果的な注入を可能とするスピン注入電極構造、スピン伝導素子およびスピン伝導デバイスを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明のスピン注入電極構造は、シリコンチャンネル層と、シリコンチャンネル層の第一部分上に設けられた第一酸化マグネシウム膜と、第一酸化マグネシウム膜上に設けられた第一強磁性層とを備える。第一酸化マグネシウム膜には、シリコンチャンネル層および第一強磁性層の両方と格子整合している第一格子整合部分が部分的に存在している。
このスピン注入電極構造では、第一酸化マグネシウム膜がシリコンチャンネル層と第一強磁性層との間に設けられている。この第一酸化マグネシウム膜は、シリコンチャンネル層および第一強磁性層の両方と格子整合している第一格子整合部分を部分的に有する。スピン注入電極構造がこのような結晶形態であることにより、室温でのシリコンチャンネル層におけるスピンの効率的な注入が可能となる。これは、スピン注入用電流を第一格子整合部分に狭窄させることで、スピンの注入効率が向上されることに起因すると考えられる。
また、第一酸化マグネシウム膜全体の体積に対する、第一酸化マグネシウム膜における第一格子整合部分の体積の比は5〜50%であることが好適である。この場合、スピン分極率を高くすることができる。
また、第一酸化マグネシウム膜の膜厚は、0.6nm以上1.6nm以下であることが好適である。第一酸化マグネシウム膜の膜厚が1.6nm以下である場合、得られるスピン出力に対して界面抵抗率を低くしてノイズを抑えることができるので、スピンの注入を好適にできる。また、第一酸化マグネシウム膜の膜厚が0.6nm以上である場合、シリコンチャンネル層上に均一に成膜された第一酸化マグネシウム膜を用いることができる。
また、第一格子整合部分とシリコンチャンネル層との界面の面積は、第一格子整合部分と第一強磁性層との界面の面積以下であることが好適である。このような面積の関係により、スピン注入用電流を第一格子整合部分によりいっそう狭窄でき、スピン注入効率をよりいっそう向上できる。
また、第一強磁性層の結晶構造は、体心立方格子構造(BCC)であることが好適である。この場合、第一酸化マグネシウム膜上に第一強磁性層を部分的にエピタキシャル成長させることができる。
また、第一強磁性層は、CoおよびFeからなる群から選択される金属、前記群の元素を1以上含む合金、又は前記群から選択される1以上の元素とBとを含む化合物であることが好適である。これらの材料はスピン分極率の大きい強磁性材料であるため、スピンの注入電極としての機能を好適に実現することが可能である。
また、第一強磁性層上に形成された反強磁性層を更に備え、反強磁性層は、第一強磁性層の磁化の向きを固定することが好適である。反強磁性層が第一強磁性層と交換結合することにより、第一強磁性層の磁化方向に一方向異方性を付与することが可能となる。この場合、反強磁性層を設けない場合よりも、高い保磁力を一方向に有する第一強磁性層を得られる。
また、本発明に係るスピン伝導素子は、上述のいずれかのスピン注入電極構造と、更に、シリコンチャンネル層の第二部分上に設けられた第二酸化マグネシウム膜と、第二酸化マグネシウム膜上に設けられた第二強磁性層と、を備え、第二酸化マグネシウム膜には、シリコンチャンネル層および第二強磁性層の両方と格子整合している第二格子整合部分が部分的に存在していることが好ましい。これにより、スピンの相互作用が第二格子整合部分に狭窄して行われるので、スピンの検出効率も上がる。第二酸化マグネシウム膜は、第一酸化マグネシウム膜と同じ構成であることが好ましく、第二強磁性層は、第一強磁性層と同じ構成であることが好ましい。
また、第一強磁性層および第二強磁性層には、形状異方性によって保磁力差が付けられていることが好適である。この場合、保磁力差をつけるための反強磁性層を省略することができる。
一般に、シリコンチャンネル層には、導電性を付与するためのイオンが打ち込まれる。シリコンチャンネル層の表面は、このイオンの打ち込みに起因するダメージが形成されるおそれがある。そこで、シリコンチャンネル層は、第一部分と第二部分との間に窪みを有し、窪みの深さは10nm以上20nm以下であることが好適である。この場合、表面ダメージの抑制されたシリコンチャンネル層を用いることができる。
また、スピン伝導デバイスは、上述のスピン注入電極構造を有することが好適であり、室温でのシリコンチャンネル層におけるスピンの効果的な注入を可能とするスピン伝導デバイスを提供できる。
本発明によれば、室温でのシリコンチャンネル層におけるスピンの効果的な注入を可能とするスピン注入電極構造、スピン伝導素子およびスピン伝導デバイスを提供できる。
図1は、本実施形態に係るスピン伝導素子の斜視図である。 図2(a)は、本実施形態に係るスピン伝導素子の上面図である。図2(b)は、図2(a)に示す領域Bの拡大図である。 図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。 図4(a)は、第一強磁性層14A及び第二強磁性層14Bの上面図である。図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿ったスピン注入電極構造の結晶形態を示す断面図である。 図5は、本実施形態に係るスピン注入電極構造の結晶形態によるスピン注入を示す模式図である。 図6は、実施例1で作製されたスピン伝導素子の上面写真図である。 図7(a)は、In−plane法でのXRD測定結果を示すグラフである。図7(b)は、Out−of−plane法でのXRD測定結果を示すグラフである。 図8は、NL測定法における印加磁場と電圧出力の関係を示すグラフである。 図9は、NL−Hanle測定法における印加磁場と電圧出力の関係を示すグラフである。 図10は、体積比とスピン分極率との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るスピン伝導素子の好適な実施形態について詳細に説明する。図中には、必要に応じてXYZ直交座標軸系が示されている。図1は、本実施形態に係るスピン伝導素子の斜視図である。図2(a)は、本実施形態に係るスピン伝導素子の上面図である。図2(b)は、図2(a)に示す領域Bの拡大図である。図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。
図3に示すように、スピン伝導素子1は、基板10と、酸化珪素膜11と、シリコンチャンネル層12と、第一酸化マグネシウム膜13Aと、第二酸化マグネシウム膜13Bと、第一強磁性層14Aと、第二強磁性層14Bと、第一参照電極15Aと、第二参照電極15Bと、酸化膜7aと、酸化膜7bと、を備える。シリコンチャンネル層12と、第一酸化マグネシウム膜13Aと、第一強磁性層14Aとが、スピン注入電極構造IEを構成している。
基板10、酸化珪素膜11、およびシリコンチャンネル層12として、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を用いることができる。基板10はシリコン基板であり、酸化珪素膜11は基板10上に設けられている。酸化珪素膜11の膜厚は例えば200nmである。
シリコンチャンネル層12は、スピンが拡散し伝導する層として機能する。シリコンチャンネル層12の上面は例えば(100)面である。シリコンチャンネル層12は、例えばZ軸方向(厚み方向)から見てX軸を長軸方向とする矩形状を有している。シリコンチャンネル層12はシリコンからなり、シリコンチャンネル層12には必要に応じて一導電性を付与するための不純物イオンが添加されている。イオン濃度は、例えば5.0×1019cm−3である。シリコンチャンネル層12の膜厚は例えば100nmである。あるいは、第一酸化マグネシウム膜13Aまたは第二酸化マグネシウム膜13Bと、シリコンチャンネル層12との界面におけるショットキー障壁を調整できるように、当該界面からシリコンチャンネル層12における10nmの深さにイオン濃度のピークがあるような構造を有するシリコンチャンネル層12でもよい。また、シリコンチャンネル層12のイオン濃度が低い場合、酸化珪素膜11に電圧を印加し、シリコンチャンネル層12にキャリアを誘起させるなどの手法も考えられる。
図3に示すように、シリコンチャンネル層12は側面に傾斜部を有しており、その傾斜角θは50度から60度である。この傾斜角θとは、シリコンチャンネル層12の底部と側面のなす角度である。なお、シリコンチャンネル層12はウェットエッチングにより形成することができる。
図3に示すように、シリコンチャンネル層12は、第一凸部(第一部分)12A、第二凸部(第二部分)12B、第三凸部(第三部分)12C、第四凸部(第四部分)12D、および主部12Eを含む。第一凸部12A、第二凸部12B、第三凸部12C、および第四凸部12Dは、主部12Eから突出するように延在する部分であり、この順に所定軸(図3に示す例ではX軸)方向に所定の間隔を置いて配列している。
第一凸部12A、第二凸部12B、第三凸部12C、および第四凸部12Dの膜厚(図3に示す例ではZ軸方向の長さ)H1は、例えば20nmである。主部12Eの膜厚(図3に示す例ではZ軸方向の長さ)H2は、例えば80nmである。第一凸部12Aと第三凸部12Cとの間の距離L1は、例えば100μm以下である。第一凸部12AのX軸方向の長さの中央部と、第二凸部12BのX軸方向の長さの中央部との間の距離dは、スピン拡散長以下であることが好ましい。室温(300K)でのシリコンチャンネル層12におけるスピン拡散長は例えば1μm以下である。第一強磁性層14Aから第一凸部12Aに注入されたスピン、あるいは第二強磁性層14Bから第二凸部12Bに注入されたスピンは、主部12Eにおける第一凸部12Aと第二凸部12Bとの間の領域を拡散・伝導する。
第一酸化マグネシウム膜13Aおよび第二酸化マグネシウム膜13Bは、強磁性体(第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14B)のスピン分極と、シリコンチャンネル層12のスピン分極とを効率的に接続するためのトンネル絶縁膜として機能する。第一酸化マグネシウム膜13Aは、シリコンチャンネル層12の第一部分である第一凸部12A上に設けられている。第二酸化マグネシウム膜13Bは、シリコンチャンネル層12の第二部分である第二凸部12B上に設けられている。第一酸化マグネシウム膜13Aおよび第二酸化マグネシウム膜13Bは、シリコンチャンネル層12の例えば(100)面上に結晶成長されたものである。これらの第一酸化マグネシウム膜13Aまたは第二酸化マグネシウム膜13Bが設けられていることにより、第一強磁性層14Aまたは第二強磁性層14Bからシリコンチャンネル層12へスピン偏極した電子を多く注入することが可能となり、スピン伝導素子1の電位出力を高めることが可能となる。
第一酸化マグネシウム膜13Aおよび第二酸化マグネシウム膜13Bの膜厚は1.6nm以下であることが好ましい。この場合、得られるスピン出力に対して界面抵抗率を100kΩμm以下に低くしてノイズを抑えることができるので、スピンの注入や出力を好適に行える。また、第一酸化マグネシウム膜13Aおよび第二酸化マグネシウム膜13Bの膜厚は、一原子層厚を考慮して、0.6nm以上であることが好適であり、この場合、シリコンチャンネル層12上に均一に成膜された第一酸化マグネシウム膜13Aおよび第二酸化マグネシウム膜13Bを用いることができる。
第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bの一方は、シリコンチャンネル層12にスピンを注入するための電極として機能し、他方は、シリコンチャンネル層12内のスピンを検出するための電極として機能する。第一強磁性層14Aは、第一酸化マグネシウム膜13A上に設けられている。第二強磁性層14Bは、第二酸化マグネシウム膜13B上に設けられている。
第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bは強磁性材料からなる。第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bの材料の一例として、CoおよびFeからなる群から選択される金属、前記群の元素を1以上含む合金、又は、前記群から選択される1以上の元素とBとからなる化合物が挙げられる。第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bの結晶構造は、体心立方格子構造であることが好適である。これにより、第一酸化マグネシウム膜上に第一強磁性層を部分的にエピタキシャル成長させることができるとともに、第二酸化マグネシウム膜上に第二強磁性層を部分的にエピタキシャル成長させることができる。
図1に示す例では、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bは、Y軸方向を長軸とした直方体形状を有している。第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bの形状異方性によって、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bとは保磁力差が付けられていることが好適である。第一強磁性層14Aの幅(X軸方向の長さ)は、例えば350nm程度となっている。第二強磁性層14Bの幅(X軸方向の長さ)は、例えば2μm程度となっている。図1に示す例では、第一強磁性層14Aの保磁力は、第二強磁性層14Bの保磁力よりも大きくなっている。
第一参照電極15Aおよび第二参照電極15Bは、シリコンチャンネル層12に検出用電流を流すための電極としての機能と、スピンによる出力を読み取るための電極としての機能を有する。第一参照電極15Aは、シリコンチャンネル層12の第三凸部12C上に設けられている。第二参照電極15Bは、シリコンチャンネル層12の第四凸部12D上に設けられている。第一参照電極15A及び第二参照電極15Bは、導電性材料からなり、例えばAlなどのSiに対して低抵抗な非磁性金属からなる。
酸化膜7aは、シリコンチャンネル層12の側面に形成されている。また、酸化膜7bは、シリコンチャンネル層12、酸化膜7a、第一酸化マグネシウム膜13A、第二酸化マグネシウム膜13B、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15A、及び第二参照電極15Bの側面上に形成されている。また、シリコンチャンネル層12の上面のうち、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15A、および第二参照電極15Bの設けられていない主部12E上には、酸化膜7bが形成されている。酸化膜7bは、第一酸化マグネシウム膜13Aと第二酸化マグネシウム膜13Bとの間において、シリコンチャンネル層12の主部12E上に設けられている。酸化膜7bは、シリコンチャンネル層12、第一酸化マグネシウム膜13A、第二酸化マグネシウム膜13B、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15A、および第二参照電極15Bの保護膜として機能し、これらの層の劣化を抑制する。酸化膜7bは、例えば酸化珪素膜である。
図1に示すように、第一参照電極15A上及び酸化膜7b(シリコンチャンネル層12の傾斜した側面)上に、配線18Aが設けられている。同様に、第一強磁性層14A上及び酸化膜7b上に、配線18Bが設けられている。第二強磁性層14B上及び酸化膜7b上に、配線18Cが設けられている。第二参照電極15B上及び酸化膜7b上に、配線18Dが設けられている。配線18A〜18Dは、Cuなどの導電性材料からなる。酸化膜7b上に配線を設けることにより、この配線によってシリコンチャンネル層12内を伝導するスピンが吸収されることを抑制できる。また、酸化膜7b上に配線を設けることにより、配線からシリコンチャンネル層12へ電流が流れることを抑制でき、スピン注入効率を向上できる。また、配線18A〜18Dのそれぞれの端部には、測定用の電極パッドE1〜E4が設けられている。配線18A〜18Dの端部及び測定用の電極パッドE1〜E4は、酸化珪素膜11上に形成されている。電極パッドE1〜E4は、Auなどの導電性材料からなる。
図4(a)は、第一強磁性層14A及び第二強磁性層14Bの上面図である。図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿ったスピン注入電極構造の結晶形態を示す断面図である。スピン注入電極構造IEでは、シリコンチャンネル層12の例えば(100)面上に、第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)と、第一強磁性層14A(または第二強磁性層14B)とが積層された構造となっている。第一酸化マグネシウム膜13Aには、シリコンチャンネル層12および第一強磁性層14Aの両方と格子整合している部分(第一格子整合部分)Pが部分的に存在している。この「格子整合している部分Pが部分的に存在している」とは、第一酸化マグネシウム膜13Aの少なくとも一部には、シリコンチャンネル層12および第一強磁性層14Aの両方と格子整合していない部分が含まれていることを表す。より具体的には、第一酸化マグネシウム膜13Aには、シリコンチャンネル層12の第一凸部12Aおよび第一強磁性層14Aの両方と格子整合している部分(第一格子整合部分)Pと、シリコンチャンネル層12の第一凸部12Aおよび第一強磁性層14Aの両方と格子整合していない部分(第一非格子整合部分)Nとが混在している。第一非格子整合部分Nは、第一酸化マグネシウム膜13Aの非晶質(アモルファス)部分、あるいは第一格子整合部分Pの面内の結晶方位と45°ずれた結晶方位を有する結晶部分が非晶質層上に存在する部分であると考えられる。
同様に、第二酸化マグネシウム膜13Bには、シリコンチャンネル層12および第二強磁性層14Bの両方と格子整合している部分(第二格子整合部分)Pが部分的に存在している。この「格子整合している部分Pが部分的に存在している」とは、第二酸化マグネシウム膜13Bの少なくとも一部には、シリコンチャンネル層12および第二強磁性層14Bの両方と格子整合していない部分が含まれていることを表す。より具体的には、第二酸化マグネシウム膜13Bには、シリコンチャンネル層12の第二凸部12Bおよび第二強磁性層14Bの両方と格子整合している部分(第二格子整合部分)Pと、シリコンチャンネル層12の第一凸部12Aおよび第二強磁性層14Bの両方と格子整合していない部分(第二非格子整合部分)Nとが混在している。第二非格子整合部分Nは、第二酸化マグネシウム膜13Bの非晶質(アモルファス)部分、あるいは第二格子整合部分Pの面内の結晶方位と45°ずれた結晶方位を有する結晶部分が非晶質層上に存在する部分であると考えられる。
また、第一酸化マグネシウム膜13A全体の体積に対する、第一酸化マグネシウム膜13Aにおける第一格子整合部分Pの体積の比は5〜50%であることが好適である。同様に、第二酸化マグネシウム膜13B全体の体積に対する、第二酸化マグネシウム膜13Bにおける第一格子整合部分Pの体積の比は5〜50%であることが好適である。このような体積比である場合、スピン分極率を高くすることができる。なお、上記体積比が5%未満である場合、第一酸化マグネシウム膜13Aまたは第二酸化マグネシウム膜13Bのほぼ全体がアモルファス状態であるので、スピン分極率が低くなる。また体積比が50%を超える場合、第一酸化マグネシウム膜13Aまたは第二酸化マグネシウム膜13Bの大部分が単結晶部分であるので、スピン分極率が低くなる。
「格子整合している」とは、隣接する2つの層の界面において結晶格子の連続性が保たれている状態を表す。厳密には、連続性は保たれているものの、隣接する2つの層の界面付近では隣接する2つの層の結晶格子が歪み、それぞれの層が安定な結晶格子を保てる範囲で隣接する層の結晶格子に合わせて歪む状態を表す。また、「格子整合していない」とは、隣接する2つの層の界面において結晶格子が不連続である状態を表し、例えば、隣接する2つの層の界面において、アモルファス層による格子緩衝層が形成された状態や、方位の異なる結晶が接合して結晶粒界が形成された状態を表す。
図4(b)に示すように、シリコンチャンネル層12上における第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)の結晶成長は、シリコンチャンネル層12の最表面の結晶を種にしてなされる。具体的には、図4(b)における左側の第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pで示す例では、成膜方向に棒状にエピタキシャル成長した膜となっている。この場合、シリコンチャンネル層12の第一凸部12A(または第二凸部12B)と、第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)との界面における幅X1は、第一強磁性層14A(または第二強磁性層14B)と、第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)との界面における幅X2と同程度となっている。
あるいは、図4(b)における右側の第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pで示す例では、結晶成長後期の方がより大きな結晶化領域となるようにエピタキシャル成長した膜である。この場合、第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)と、第一強磁性層14A(または第二強磁性層14B)との界面における幅X2は、第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)と、シリコンチャンネル層12の第一凸部12A(または第二凸部12B)との界面における幅X1より大きくなっている。また、第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pとシリコンチャンネル層12の第一凸部12A(または第二凸部12B)との界面の面積は、第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pと第一強磁性層14A(または第二強磁性層14B)との界面の面積以下である。このような面積の関係により、スピン注入用電流を第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pに、よりいっそう狭窄でき、スピン注入効率をよりいっそう向上できる。
図5は、本実施形態に係るスピン注入電極構造IEの結晶形態におけるスピン注入を示す模式図である。上述したように、第一酸化マグネシウム膜13A(または第二酸化マグネシウム膜13B)において、第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pと第一非格子整合部分(または第二非格子整合部分)Nとが混在している。このため、スピン注入用電流は、第一強磁性層14Aから第一酸化マグネシウム膜13Aを介してシリコンチャンネル層12へ流れ、第一格子整合部分(または第二格子整合部分)Pでは第一非格子整合部分(または第二非格子整合部分)Nに比べて結晶格子の乱れが少ないため低抵抗になり、高いスピン分極率を持った電流が狭窄されると考えられる。これにより、スピンの注入効率が向上されると考えられる。また、第二酸化マグネシウム膜13Bを介して第二強磁性層14Bと第二凸部12Bとの間で、スピンの伝導効率が良い第二格子整合部分Pが支配的になる。これにより、スピンの検出効率が向上されると考えられる。従って、スピン注入電極構造IEあるいはスピン伝導素子1がこのような結晶形態であることにより、室温でのシリコンチャンネル層におけるスピンの効果的な注入が可能となる。
なお、シリコンチャンネル層へのスピン注入で効果的な手法として、シリコンチャンネル層上に酸化マグネシウム膜を全面的にエピタキシャル成長させ、コヒーレントなトンネル電流を流すことによって、強磁性層からシリコンチャンネル層へスピンを注入する方法が考えられている。しかしながら、シリコンチャンネル層上に酸化マグネシウム膜が全面的にエピタキシャル成長した例はない。
以下、本実施形態に係るスピン伝導素子1のNL(非局所)測定法を用いる動作の一例について説明する。NL測定法では、図3に示すように、スピン伝導素子1は例えばY軸方向の外部磁場B1を検出する。第一強磁性層14Aの磁化方向G1(Y軸方向)を第二強磁性層14Bの磁化方向G2(Y軸方向)と同一方向に固定する。また、図1に示すように、電極パッドE1及びE3を交流電流源70に接続することにより、第一強磁性層14Aに検出用電流を流す。強磁性体である第一強磁性層14Aから、第一酸化マグネシウム膜13Aを介して、非磁性体のシリコンチャンネル層12へ検出用電流が流れることにより、第一強磁性層14Aの磁化の向きG1に対応するスピンを有する電子がシリコンチャンネル層12へ注入される。注入されたスピンは第二強磁性層14B側へ拡散していく。このように、シリコンチャンネル層12に流れる電流及びスピン流が、主に所定の軸(X軸)方向に流れる構造とすることができる。そして、外部磁場B1によって変化される第一強磁性層14Aの磁化の向き、すなわち電子のスピンと、シリコンチャンネル層12の第二強磁性層14Bと接する部分の電子のスピンとの相互作用により、シリコンチャンネル層12と第二強磁性層14Bの間において出力が発生する。この出力は、電極パッドE2及びE4に接続した出力測定器80により検出する。
次に、本実施形態に係るスピン伝導素子1のNL−Hanle測定法を用いる動作の一例を説明する。NL−Hanle測定法ではHanle効果を利用する。Hanle効果とは、電流によって強磁性電極からチャンネルに注入されたスピンが他の強磁性電極に向かって拡散・伝導する際に、スピンの向きと垂直な方向から外部磁場が印加されたときに、ラーモア歳差を起こす現象である。NL−Hanle測定法では、図3に示すように、スピン伝導素子1は例えばZ軸方向の外部磁場B2を検出する。第一強磁性層14Aの磁化方向G1(Y軸方向)は、第二強磁性層14Bの磁化方向G2(Y軸方向)と同一方向に固定する。そして、第一強磁性層14Aおよび第一参照電極15Aを交流電流源70に接続することにより、第一強磁性層14Aにスピンの検出用電流を流すことができる。強磁性体である第一強磁性層14Aから第一酸化マグネシウム膜13Aを介して、非磁性体のシリコンチャンネル層12へ電流が流れることにより、第一強磁性層14Aの磁化の向きG1に対応する向きのスピンを有する電子がシリコンチャンネル層12の第一凸部12Aへ注入される。第一凸部12Aに注入されたスピンは、主部12Eを通って第二強磁性層14B側へ拡散していく。このように、シリコンチャンネル層12に流れる電流およびスピン流が主にX軸方向に流れる構造となる。
ここで、シリコンチャンネル層12に外部磁場B2を印加しないとき、すなわち外部磁場がゼロのとき、シリコンチャンネル層12のうち第一強磁性層14Aと第二強磁性層14Bとの間の領域を拡散するスピンの向きは回転しない。よって、予め設定された第二強磁性層14Bの磁化の向きG2と同一方向のスピンが、シリコンチャンネル層12における第二強磁性層14B側の領域に拡散してくることとなる。従って、外部磁場がゼロのとき、出力(例えば抵抗出力や電圧出力)は極値となる。なお、電流や磁化の向きで極大値または極小値をとりうる。出力は、第二強磁性層14Bおよび第二参照電極15Bに接続した電圧測定器などの出力測定器80により評価できる。
対して、シリコンチャンネル層12に外部磁場B2を印加する場合を考える。外部磁場B2は、第一強磁性層14Aの磁化方向G1(図3の例ではY軸方向)および第二強磁性層14Bの磁化方向G2(図3の例ではY軸方向)に対して垂直な方向(図3の例ではZ軸方向)から印加する。外部磁場B2を印加すると、シリコンチャンネル層12内を拡散・伝導するスピンの向きは、外部磁場B2の軸方向(図3の例ではZ軸方向)を中心として回転する(いわゆるHanle効果)。シリコンチャンネル層12における第二強磁性層14B側の領域まで拡散してきたときのこのスピンの回転の向きと、予め設定された第二強磁性層14Bの磁化の向きG2、すなわちスピンの向きと、の相対角により、シリコンチャンネル層12と第二強磁性層14Bの界面の出力(例えば抵抗出力や電圧出力)が決定される。外部磁場B2を印加する場合、シリコンチャンネル層12内を拡散するスピンの向きは回転するので、第二強磁性層14Bの磁化の向きと向きが揃わない。よって、出力は、外部磁場がゼロのときに極大値をとる場合、外部磁場B2を印加するときには極大値以下となる。また、出力は、外部磁場がゼロのときに極小値をとる場合、外部磁場B2を印加するときには極小値以上となる。
従って、NL−Hanle測定法では、外部磁場がゼロのときに出力のピークが現われ、外部磁場B2を増加または減少させると出力が減少していく。つまり、外部磁場B2の有無によって出力が変化するので、本実施形態に係るスピン伝導素子1は、例えば磁気センサーとして使用できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。シリコンチャンネル層12には、導電性を付与するためのイオンが打ち込まれる。このイオン打ち込みに起因して、シリコンチャンネル層12の表面にはダメージが残る。そこで、シリコンチャンネル層12の表面から底部に向かってミリングすることが好ましく、シリコンチャンネル層は、第一部分と第二部分との間に窪みを有し、窪みの深さは10nm以上であることが好ましい。この場合、表面ダメージの抑制されたシリコンチャンネル層12を得ることができる。
また、第二強磁性層14Bの磁化方向は、第二強磁性層14B上に設けられた反強磁性層によって、固定されていてもよい。この場合、反強磁性層を設けない場合よりも、高い保磁力を一方向に有する第二強磁性層14Bが得られる。また、第二強磁性層14Bの磁化方向を固定する磁場は、評価対象である外部磁場B1,B2よりも大きいことが好ましい。これにより、安定して外部磁場B1,B2を検出することができる。また、NL−Hanle測定法では、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bは、反強磁性層によって同一の方向に同程度の保磁力をもっていることが好ましい。
また、上述のスピン伝導素子1を複数備えた磁気検出装置とすることができる。例えば、上述のスピン伝導素子1を複数並列あるいは複数積層して、磁気検出装置とすることができる。この場合、各スピン伝導素子1の出力を合算することができる。このような磁気検出装置は、例えば癌細胞などを検知する生体センサーなどに適用できる。
また、上述のスピン注入電極構造IEやスピン伝導素子1は、例えば磁気ヘッド、磁気抵抗メモリ(MRAM)、論理回路、核スピンメモリ、量子コンピュータなどの種々のスピン伝導デバイスに用いることができる。
また、スピン検出部(第二強磁性層14B、第二酸化マグネシウム膜13B、およびシリコンチャンネル層12の第二凸部12B)の構成は、上記実施形態に限定されず、例えば電流を流すことによってスピンを検出するものでもよい。
以下、実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
まず、基板、絶縁膜、及びシリコン膜からなるSOI基板を準備した。基板にはシリコン基板、絶縁膜には200nmの酸化珪素層を用い、シリコン膜は100nmであった。シリコン膜に導電性を付与するイオンの打ち込みを行った。その後、900℃のアニールにより不純物を拡散させて、シリコン膜の電子濃度の調整を行った。この際、シリコン膜全体の平均電子濃度が5.0×1019cm−3となるようにした。
次いで、RCA洗浄を用いて、SOI基板の表面の付着物、有機物、及び自然酸化膜を除去した。その後、HF洗浄液を用いてSOI基板の表面を水素で終端させた。続いて、SOI基板を分子線エピタキシー(MBE)装置に搬入した。ベース真空度(積層処理を実際に施す前の装置内の真空度)を2.0×10−9Torr以下とした。SOI基板の加熱によるフラッシング処理を行った。これにより、シリコン膜表面の水素を離脱させ、清浄表面を形成した。
続いて、MBE法を用いて、シリコン膜上に酸化マグネシウム膜、鉄膜、及びチタン膜をこの順に成膜し、積層体を得た。成膜時における真空度は5×10−8Torr以下であった。チタン膜は、鉄膜の酸化による特性劣化を抑制するためのキャップ層である。ここで、シリコン膜、酸化マグネシウム膜、鉄膜の結晶構造をIn−plane法でのXRD測定およびOut−of−plane法でのXRD測定により行った。
次いで、積層体の表面の洗浄を行った後、フォトリソグラフィ法およびリフトオフにより、Taのアライメントマークを基板に形成した。続いて、マスクを用いて、シリコン膜を異方性ウェットエッチングによりパターニングした。これにより、側面に傾斜部を有するシリコンチャンネル層12を得た。この際、シリコンチャンネル層12のサイズは、23μm×300μmとなった。また、得られたシリコンチャンネル層12の側面を酸化させて、酸化珪素膜(酸化膜7a)を形成した。
次いで、フォトリソグラフィ法を用いて、鉄膜をパターニングすることにより、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bを形成した。シリコンチャンネル層12と、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bとの間以外に位置する酸化膜とマグネシウム膜を除去した。これにより、第一酸化マグネシウム膜13Aおよび第二酸化マグネシウム膜13Bを得た。露出したシリコンチャンネル層12の一端側と他端側に、Al膜を形成し、第一参照電極15Aおよび第二参照電極15Bをそれぞれ得た。
更に、イオンミリングおよびエッチングを用いて、シリコンチャンネル層12の表面のうち、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15Aおよび第二参照電極15Bの形成されていない部分において、シリコンチャンネル層12の表面から20nmの深さまでシリコンチャンネル層12を掘り込んだ。これにより、シリコンチャンネル層12は、第一凸部12A、第二凸部12B、第三凸部12C、第四凸部12D、および主部12Eを含む構造となった。第一凸部12A、第二凸部12B、第三凸部12C、および第四凸部12Dは、この順にX軸方向に所定の間隔を置いて配列され、主部12Eから突出するように延在する部分である。第一凸部12A、第二凸部12B、第三凸部12C、および第四凸部12Dの膜厚H1は、10nmであった。このような構造により、シリコンチャンネル層12となるシリコン膜に、導電性を付与するイオンの打ち込みの際に形成された表面ダメージが除去された。
さらに、酸化膜7a、第一酸化マグネシウム膜13A、第二酸化マグネシウム膜13B、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15Aおよび第二参照電極15Bの側面上と、シリコンチャンネル層12の上面のうち、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15Aおよび第二参照電極15Bの形成されていない主部12E上とに、酸化珪素膜(酸化膜7b)を形成した。
次に、第一強磁性層14A、第二強磁性層14B、第一参照電極15Aおよび第二参照電極15B上に配線18A〜18Dをそれぞれ形成した。配線18A〜18Dとして、Ta(厚さ10nm)、Cu(厚さ50nm)、及びTa(厚さ10nm)の積層構造を用いた。さらに、各配線18A〜18Dの端部にそれぞれ電極パッドE1〜E4を形成した。電極パッドE1〜E4として、Cr(厚さ50nm)とAu(厚さ150nm)の積層構造を用いた。こうして、図1〜3に示すスピン伝導素子1と同様の構成を有する実施例1のスピン伝導素子を作成した。図6に、実施例1で作製したスピン伝導素子の上面写真図を示す。
(XRD測定の結果)
上述したシリコン膜、酸化マグネシウム膜、および鉄膜の結晶構造のXRD測定結果を図7に示す。なお、酸化マグネシウム膜の膜厚が薄いので、酸化マグネシウム膜に起因するピークは図7に現われない。
まず、図7(b)は、Out−of−plane法でのXRD測定結果を示すグラフである。Out−of−plane法は、試料表面に対して平行な格子面を評価する手法である。図7(b)の横軸は2θ/ω(deg.)を示し、縦軸は強度の対数(arb.unit)を示す。ここで、2θは入射X線と回折X線のなす角度を表し、ωは入射X線と評価試料の表面のなす角度を表す。図7(b)に示されるように、シリコン膜の(400)面の強度ピークと、鉄膜の(200)面の強度ピークが観測されており、鉄膜が(100)配向していることがわかる。また、鉄膜の(200)面の配向性をロッキングカーブ測定法により評価した結果、Δω(配向性のバラつきを表す)は4.6°であった。以上により、この積層構造では、シリコン膜の(100)面上に、鉄膜の(100)面が積層していることがわかる。
次いで、図7(a)は、In−plane(面内測定)法でのXRD測定結果を示すグラフである。In−plane法は、試料表面に対して垂直な格子面を評価する手法である。図7(a)に示されるように、シリコン膜では4本の強度ピークが出ており、鉄膜では8本の強度ピークが出ている。ここで、シリコン膜の(0−2−2)面に起因する強度ピークと、鉄膜の(0−1−1)面に起因する強度ピークが試料面内における相対角度でほぼ同じ角度で観測されている。また、シリコン膜の(0−2 2)面に起因する強度ピークと、鉄膜の(0−1 1)面に起因する強度ピークが試料面内における相対角度でほぼ同じ角度で観測されている。また、シリコン膜の(0 2 2)面に起因する強度ピークと、鉄膜の(0 1 1)面に起因する強度ピークが試料面内における相対角度でほぼ同じ角度で観測されている。また、シリコン膜の(0 2−2)面に起因する強度ピークと、鉄膜の(0 1−1)面に起因する強度ピークが試料面内における相対角度でほぼ同じ角度で観測されている。シリコン膜の(0 2 2)面のブラッグ角と鉄膜の(0 1 1)面のブラッグ角を考慮すると、この結果は、シリコン膜と鉄膜の面内の結晶方位が部分的に一致していることを示している。また、結晶格子が一致する結晶方位と、その結晶方位に対して45度回転した結晶方位と、がほぼ同程度あることがわかる。
ここで、酸化マグネシウム膜上に鉄膜がエピタキシャル成長した場合には、酸化マグネシウム膜と鉄膜の面内の結晶方位は45度回る。よって、本実施例では、シリコン膜と鉄膜との面内の結晶方位が一致していることから、シリコン膜、酸化マグネシウム膜、および鉄膜の積層構造において、シリコン膜と酸化マグネシウム膜の面内の結晶方位が45度回っていることが推測される。
また、図7(a)に示される強度の値は数百(arb. unit)となっている。この値は、シリコン膜、酸化マグネシウム膜、および鉄膜をすべてエピタキシャル成長した場合の強度の値(例えば数万〜数十万(arb. unit))と比較して、数桁小さいものとなっている。さらに、鉄膜の強度ピークのうちシリコン膜の強度ピークと重なる部分から45度ずれたところにも4つの強度ピークがある。鉄膜のこの残りの4つの強度ピークは、シリコン膜の強度ピークと重なっていない。よって、シリコン膜と鉄膜の結晶方位が一致していない部分があることがわかる。これは、酸化マグネシウム膜中に非晶質部分などの非格子整合部分があると推測される。以上のような測定結果により、酸化マグネシウム膜には、シリコン膜および鉄膜の両方と格子整合している部分(第一格子整合部分)と、シリコン膜および鉄膜の両方と格子整合していない部分(第一非格子整合部分)とが混在していることがわかる。
(NL測定の結果)
NL測定法では、実施例1で作製したスピン伝導素子において、第一強磁性層14Aの磁化方向G1および第二強磁性層14Bの磁化方向G2を外部磁場B1の磁化方向と同一方向(図3に示すY軸方向)に固定した。このスピン伝導素子に対して、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bの磁化方向と平行な方向(Y軸方向)から外部磁場B1を印加した。交流電流源70からの検出用電流を第一強磁性層14Aへ流すことにより、第一強磁性層14Aからシリコンチャンネル層12へスピンを注入した。そして、外部磁場B1による磁化変化に基づく出力を出力測定器80により測定した。この際、温度が8Kである場合と300Kである場合の測定を行った。
図8は、NL測定法における印加磁場と電圧出力の関係を示すグラフである。図8(a)は、温度8Kにおける測定結果を示し、図8(b)は、温度300Kにおける測定結果を示す。図8(a)のF1および図8(b)のF3は、外部磁場B1をマイナス側からプラス側に変化させた場合を示し、図8(a)のF2および図8(b)のF4は、外部磁場B1をプラス側からマイナス側に変化させた場合を示す。
図8(a)のF1及びF2に示されるように、温度8Kにおけるスピン伝導素子では、約50〜60μVの電圧出力であった。対して、図8(b)のF3及びF4に示されるように、温度300Kにおけるスピン伝導素子では、約3〜4μVの電圧出力であった。以上のように温度依存を評価した結果、出力の減少が伴うものの、スピンによる出力は室温まで観測された。
(NL−Hanle測定の結果)
NL−Hanle測定法では、実施例1で作製したスピン伝導素子において、印加する外部磁場B2の方向(図3に示すZ軸方向)を第一強磁性層14Aの磁化方向(図3に示すY軸方向)G1および第二強磁性層14Bの磁化方向(図3に示すY軸方向)G2と垂直方向とした。図9は、NL−Hanle測定法における印加磁場と電圧出力の関係を示すグラフである。図9(a)におけるQ1は、第一強磁性層14Aの磁化方向を第二強磁性層14Bの磁化方向と平行に固定した場合の温度8Kにおける測定結果である。図9(a)におけるQ2は、第一強磁性層14Aの磁化方向を第二強磁性層14Bの磁化方向と反平行に固定した場合の温度8Kにおける測定結果である。図9(b)のQ6は、第一強磁性層14Aの磁化方向を第二強磁性層14Bの磁化方向と平行に固定した場合の温度300Kにおける測定結果である。図9(b)のQ7は、第一強磁性層14Aの磁化方向を第二強磁性層14Bの磁化方向と反平行に固定した場合の温度300Kにおける測定結果である。
図9(a)におけるQ1や図9(b)におけるQ6の測定結果からわかるように、外部磁場B2の印加によって、シリコンチャンネル層を伝導しているスピンが回転・減衰を起こしていることがわかる。また、図9(b)におけるQ6およびQ7の測定結果からわかるように、第一強磁性層14Aの磁化の向きと第二強磁性層14Bの磁化の向きの組み合わせが異なることで波形が反転している。この波形の反転は、シリコンチャンネル層でのスピン伝導を証明する有力な情報である。以上のように温度依存を評価した結果、出力の減少が多少伴うもののHanle効果は室温まで観測された。
(体積比とスピン分極率の評価)
まず、図4(b)と同様の断面のTEM画像を観察することにより、酸化マグネシウム膜全体の面積に対する、酸化マグネシウム膜におけるシリコン膜および鉄膜の両方と格子整合している部分の面積の比を求めた。さらに、断面の構成が断面に垂直な方向に連続していると仮定し、面積比を体積比Tと置き換えた。すなわち、体積比Tは、酸化マグネシウム膜全体の体積に対する、酸化マグネシウム膜におけるシリコン膜および鉄膜の両方と格子整合している部分の体積の比である。ここでは、複数のスピン伝導素子を作製し、それぞれのスピン伝導素子の体積比Tを見積もった。表1に、これらの体積比Tとスピン分極率Psとの関係を示す。
ここでいうスピン分極率Psとは、シリコンチャンネル層12であるシリコン膜にスピンが注入されたときの効率、あるいはスピンを検出するときの効率である。スピン分極率Psは下記式(1)により表され、シリコンチャンネル層12に注入された直後の電流のスピン分極、あるいはシリコンチャンネル層12からスピンが検出される直後の電流のスピン分極である。式(1)におけるIは、アップスピンの状態密度を示し、I↓は、ダウンスピンの状態密度を示す。なお、表1ではスピン分極率Psに100を掛けて%表記としている。
このスピン分極率Psは数値解析により求めることができる。具体的には図9(b)に示したように、第一強磁性層14Aおよび第二強磁性層14Bの磁化方向が平行と反平行の状態についてそれぞれNL−Hanle測定を行い、電圧出力ΔVを求めた。なお、平行と反平行における測定データは原理的に符号が反転するので、平行と反平行における測定データの平均をバックグラウンドとして差し引いた。Hanle効果におけるスピン歳差運動は下記式(2)により表される。
さらに、式(2)を解析計算して求まる下記式(3)をフィッティングに用いた。
式(2)または(3)において、Iは電流、Psはスピン分極率、eは素電荷、N(E)は半導体のフェルミ準位での状態密度、Sはシリコンチャンネル層12であるシリコン膜の断面積、φ(t)は時間tにおける電子の拡散密度、tは拡散時間、τはスピン寿命、Dはスピン拡散定数である。また、dは第一強磁性層14AのX軸方向の長さの中央部と、第二強磁性層14BのX軸方向の長さの中央部との間の距離(電極間距離)である。ωは、ラーモア周波数を表し、gを電子のg因子とし、μを透磁率とし、Bを外部磁場とするとω=gμBを満たす。σはシリコン膜の導電率を示し、λはスピン拡散長を示す。これらの各パラメータを用いて、スピン分極率Psを求めた。ただし、シリコンチャンネル層12に電流を注入したときのスピン分極と、シリコンチャンネル層12からスピンが検出されるときのスピン分極との分離はできないので、これらの値の2乗の平方根をスピン分極率Psとした。
図10は、表1の結果をグラフにしたものである。スピン分極率Psは体積比Tに依存することがわかる。出力が最大となったのは、体積比Tが8.9%でスピン分極率Psが12%の場合である。この半値の6%を満たすのは、体積比Tが5〜49.9(ほぼ50)%の場合であり、スピン分極率が相対的に高い。これは、格子整合部分に電流やスピンが狭窄され、高効率の分極が生じたためと考えられる。より望ましい体積比Tの範囲は8.9〜33.3%であり、特にスピン分極率Psが高く、高出力が観察された。
IE…スピン注入電極構造、1…スピン伝導素子、10…基板、11…酸化珪素膜、12…シリコンチャンネル層、13A…第一酸化マグネシウム膜、13B…第二酸化マグネシウム膜、14A…第一強磁性層、14B…第二一強磁性層、15A…第一参照電極、15B…第二参照電極、70…交流電流源、80…出力測定器、P…格子整合部分、N…非格子整合部分。

Claims (8)

  1. シリコンチャンネル層と、
    前記シリコンチャンネル層の第一部分上に設けられた第一酸化マグネシウム膜と、
    前記第一酸化マグネシウム膜上に設けられた第一強磁性層と、を備え、
    前記第一酸化マグネシウム膜には、前記シリコンチャンネル層および前記第一強磁性層の両方と格子整合している第一格子整合部分が部分的に存在し、
    前記第一酸化マグネシウム膜全体の体積に対する、前記第一酸化マグネシウム膜における前記第一格子整合部分の体積の比は5〜50%である、スピン注入電極構造。
  2. 前記第一酸化マグネシウム膜の膜厚は0.6nm以上1.6nm以下である、請求項1に記載のスピン注入電極構造。
  3. 前記第一格子整合部分と前記シリコンチャンネル層との界面の面積は、前記第一格子整合部分と前記第一強磁性層との界面の面積以下である、請求項1又は2に記載のスピン注入電極構造。
  4. 前記第一強磁性層の結晶構造は体心立方格子構造である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピン注入電極構造。
  5. 前記第一強磁性層は、CoおよびFeからなる群から選択される金属、前記群の元素を1以上含む合金、又は前記群から選択される1以上の元素とBとを含む化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスピン注入電極構造。
  6. 前記第一強磁性層上に形成された反強磁性層を更に備え、
    前記反強磁性層は、前記第一強磁性層の磁化の向きを固定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピン注入電極構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のスピン注入電極構造と、更に
    前記シリコンチャンネル層の第二部分上に設けられた第二酸化マグネシウム膜と、
    前記第二酸化マグネシウム膜上に設けられた第二強磁性層と、を備え、
    前記第二酸化マグネシウム膜には、前記シリコンチャンネル層および前記第二強磁性層の両方と格子整合している第二格子整合部分が部分的に存在している、スピン伝導素子。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のスピン注入電極構造を有するスピン伝導デバイス。
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