JP5651418B2 - 放射能除染方法 - Google Patents

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Description

この発明は、軽水型原子炉の一次冷却材が流通する一次配管の内部の放射能汚染を当該原子炉の運転停止時に除去する放射能除染方法に関する。
放射能に汚染された機器、設備等から放射能を除去する技術として、その除去を行なう対象物の形状が複雑な場合や、大型機器、配管である場合に、化学除染が用いられている。この技術は既に確立されたものとして広く用いられている。
沸騰水型原子炉(BWR)の一次系配管に付着している放射能には外部から水に分散して運ばれてきて沈積するソフトクラッドと、母材から成長した酸化皮膜のハードクラッドとがある。放射能はハードクラッドの方に高い密度で存在する。ハードクラッドは溶解による化学除染が有効である。しかしながら、ハードクラッドのうち、ニッケルフェライトのように酸化物の化学形態によっては溶解速度の極めて小さいものもあり、完全にすべてを溶解しようとすると酸濃度を高くしたり、強酸を用いたりしなければならず、母材の健全性が損なわれる可能性がある。多少なりとも放射能が除去できればよい場合なら従来技術によって目的が達成できるが、ほぼ完全に近い形で放射能を除去し、かつ母材の健全性を維持できる技術が要求される。
そのためには化学除染でソフトクラッドの溶解およびハードクラッドの一部溶解と、残りの不溶解物を機械的に剥離させることの組み合わせが有効である。そのような方法としては、配管、機器、設備等の除染対象物内に付着した放射性同位元素を有機酸または酸化剤と有機酸により化学除染した後、前記除染対象物内の残留不溶解物を磁気プローブで捕集して除去する方法がある(たとえば特許文献1参照)。
特開2000−214293号公報
たとえば従来のジェットポンプを備えたBWRの一次配管で、ジェットポンプを駆動する一次冷却材が原子炉圧力容器へ流入する上流側には十数mにも及ぶ水平配管がある。水平配管の長さの中間位置下部に第1の鉛直配管が繋がっている。水平配管の上部に第2の鉛直配管が複数本、互いに水平方向の間隔をあけて林立しており、この第2の鉛直配管の上部が原子炉圧力容器に繋がっている。
原子炉の通常運転時に、一次冷却水は、第1の鉛直配管内を上向きに流れて水平配管に至り、ここで左右に分岐し、さらに複数の第2の鉛直配管に分岐して上向きに流れ、原子炉圧力容器へ流入する。これらの一次配管では、定期点検時に、化学除染により、ソフトクラッドとハードクラッドが除去される。化学除染後、除染液は第1の鉛直配管の上流側にあるドレン用孔から抜かれる。
化学除染時、原子炉圧力容器に繋がっている第2の鉛直配管のハードクラッドが溶解して剥がれた皮膜は、水平配管の底部に溜まり、堆積溶解皮膜となる。化学除染後にドレン用孔から除染液を抜く際も、抜かれる流量が小さいため、水平配管の底部に沈んだ堆積溶解皮膜を動かすことができず、除去しきれないという課題があった。
この課題に対して、特許文献1に記載の磁気プローブ挿入による捕集が可能ではあるが、プローブを挿入可能な孔から水平配管までの形状が複雑なこと、また、水平配管の長さが長いことなどから、挿入作業が困難であり、実現には至っていない。
このように、BWR一次配管の化学除染では、化学除染後、放射能を帯びた皮膜が溶解したものが原子炉圧力容器への冷却材流入部にある水平配管の底部に堆積し、それを除去できないという課題があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、軽水型原子炉の一次冷却材が流通する一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を、原子炉の運転停止時に除去することができる放射能除染方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る放射能除染方法は、軽水型原子炉の一次冷却材が流通する一次配管の内部の放射能汚染を当該原子炉の運転停止時に除去する放射能除染方法であって、前記一次配管は、水平配管と、前記水平配管の下方に接続された第1の鉛直配管と、互いに水平方向に間隔をあけて前記水平配管の上方に接続された複数の第2の鉛直配管と、を備えており、当該放射能除染方法は、前記第1の鉛直配管および前記水平配管を介して前記複数の第2の鉛直配管内に除染液を注入してその除染液を前記第1の鉛直配管、前記水平配管および前記複数の第2の鉛直配管内に溜め、前記一次配管の内面に付着した皮膜を剥離させて前記水平配管内に堆積させる除染液注入ステップと、前記除染液注入ステップによって前記第1の鉛直配管内に溜められた除染液中に蒸気を注入して前記第1の鉛直配管内で凝縮させ、前記水平配管内に堆積された前記皮膜を前記第1の鉛直配管内に流下させる蒸気注入ステップと、前記蒸気注入ステップの後に、前記第1の鉛直配管、前記水平配管および前記複数の第2の鉛直配管内に溜められていた除染液を、前記第1の鉛直配管を通じて排出する排液ステップと、を有することを特徴とする。
この発明によれば、軽水型原子炉の一次冷却材が流通する一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を、原子炉の運転停止時に除去することができる。
本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態における除染液注入ステップの状況を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態における蒸気注入ステップで第1の鉛直配管内に蒸気を注入した状況を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態における蒸気注入ステップで第1の鉛直配管内に注入された蒸気が凝縮する状況を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態の手順を示すフロー図である。 本発明に係る放射能除染方法の第2の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第2の実施形態の手順を示すフロー図である。 本発明に係る放射能除染方法の第3の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第3の実施形態の手順を示すフロー図である。 本発明に係る放射能除染方法の第4の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第5の実施形態における循環加熱ステップの状況を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第5の実施形態における蒸気注入ステップの状況を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第5の実施形態の手順を示すフロー図である。 本発明に係る放射能除染方法の第6の実施形態における蒸気注入ステップでの蒸気吹き込み量の時間変化を示すグラフである。 本発明に係る放射能除染方法の第7の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。 本発明に係る放射能除染方法の第7の実施形態の手順を示すフロー図である。 本発明に係る放射能除染方法の第7の実施形態の変形例における蒸気注入ステップでの蒸気吹き込み量の時間変化を示すグラフである。
以下、本発明に係る放射能除染方法およびその装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同じまたは類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1ないし図4を参照して、本発明に係る放射能除染方法およびそのための装置の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態における除染液注入ステップの状況を模式的に示す立断面図である。図2は、本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態における蒸気注入ステップで第1の鉛直配管内に蒸気を注入した状況を模式的に示す立断面図である。図3は、本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態における蒸気注入ステップで第1の鉛直配管内に注入された蒸気が凝縮する状況を模式的に示す立断面図である。図4は、本発明に係る放射能除染方法の第1の実施形態の手順を示すフロー図である。
この実施形態で放射能除染の対象とするのは、たとえばジェットポンプ(図示せず)を内蔵するBWRの一次配管である。この一次配管は、水平方向にたとえば数十mにわたって延びる水平配管1と、この水平配管1の中ほどから鉛直方向下方に向かって延びる第1の鉛直配管3と、水平配管1から鉛直方向上方に向かって延びる複数の第2の鉛直配管2とを含んでいる。複数の第2の鉛直配管2は、水平配管1に沿って互いに水平方向に間隔をあけて配列されている。第1の鉛直配管3の下方は、下部配管20に接続され、下部配管20は再循環ポンプ(図示せず)を経て原子炉圧力容器(図示せず)に接続されている。また、第2の鉛直配管2の上方は、原子炉圧力容器内のジェットポンプの駆動流配管(図示せず)に接続されている。
第1の鉛直配管3には枝管21が接続され、枝管21に、除染液注入系5が除染液注入弁22を介して接続されている。また、枝管21に、蒸気注入系6が蒸気注入弁23を介して接続されている。蒸気注入系6は、たとえば、BWRプラントにあるハウスボイラ(図示せず)を蒸気源とする。下部配管20にはさらに、開閉可能なドレン用孔13が設けられている。
BWRの通常運転時には、除染液注入弁22、蒸気注入弁23および、ドレン用孔13は閉じられており、一次冷却材である軽水は、原子炉圧力容器から再循環ポンプおよび下部配管20を経て、第1の鉛直配管3の下端から上向きに流れて水平配管1に至り、ここで左右に分岐し、さらに複数の第2の鉛直配管2に分岐して上向きに流れ、原子炉圧力容器へ流入する。
BWRの定期点検時に、原子炉の運転は停止され、再循環ポンプは停止され、一次配管の内部の放射能汚染を除去する放射能除染が行なわれる。すなわち、第1の鉛直配管3、水平配管1および第2の鉛直配管2の内部の冷却材を排出した後に、除染液注入弁22を開いて、除染液注入系5からの除染液を、枝管21を通して第1の鉛直配管3、水平配管1および第2の鉛直配管2の内部に注入し、除染液の液面が第2の鉛直配管2の途中にある状態にする(除染液注入ステップS1)。図1はこの状態を示している。このとき、蒸気注入弁23およびドレン用孔13は閉じている。
つぎに、図2に示すように、除染液注入弁22を閉じ、蒸気注入弁23を開いて、枝管21を通して第1の鉛直配管3内に蒸気を注入する(蒸気注入ステップS2)。このとき、第2の鉛直配管2内の液位が押し上げられるが、その後、図3に示すように、第1の鉛直配管3内の蒸気が急激に凝縮する。このとき、蒸気注入量よりも凝縮量が大きいと、水平配管1内の除染液が第1の鉛直配管3内に流入する。蒸気注入量を適当に調節することにより、水平配管1の底部に堆積している放射能を帯びた堆積溶解皮膜4を第1の鉛直配管3へ流下させることができる。
以上のステップS1およびS2を一度行なっても堆積溶解皮膜4を第1の鉛直配管3へ流下させることはできない場合、これらのステップを複数回繰り返せばよい。堆積溶解皮膜4を第1の鉛直配管3へ流下させることができれば、除洗液の循環により、堆積溶解皮膜4を、ドレン用孔13を通じて配管外へ除去することができる(排液ステップS3)。
以上説明したように、この実施形態によれば、一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を、原子炉の運転停止時の除染作業で、確実に除去することができる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明に係る放射能除染方法の第2の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。図6は、本発明に係る放射能除染方法の第2の実施形態の手順を示すフロー図である。
第1の実施形態の場合、蒸気注入時に第1の鉛直配管3および水平配管1内の除染液の温度があまり低いと、蒸気凝縮速度が速くなり、水撃を生ずる可能性がある。そこで、第2の実施形態では、第1の鉛直配管3および水平配管1の外側に配管外部加熱装置8を設ける。配管外部加熱装置8は、たとえば電熱ヒータあるいは蒸気ジャケットである。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この実施形態では、蒸気注入ステップS2の前に、配管外部加熱装置8によって除染液を加熱しておく(配管外部加熱ステップS11)。その他の手順は第1の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、蒸気が注入される時の除染液の温度が高められているので、蒸気の凝縮速度が緩和され、蒸気注入時の水撃による衝撃が緩和される。
図5に示す例では、配管外部加熱装置8は第1の鉛直配管3および水平配管1の外側に設けられているが、さらに第2の鉛直配管2の外側にも配管外部加熱装置8を設けてもよい。
また、配管外部加熱装置8による加熱(配管外部加熱ステップS11)の時期は、蒸気を注入するのみならず、蒸気を注入しながら加熱を続けてもよい。
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様に一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を確実に除去することができるとともに、蒸気注入時の水撃による衝撃を緩和することができる。
[第3の実施形態]
図7は、本発明に係る放射能除染方法の第3の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。図8は、本発明に係る放射能除染方法の第3の実施形態の手順を示すフロー図である。
第3の実施形態は第1の実施形態の変形であって、枝管21に、飽和水注入系9が飽和水注入弁30を介して接続されている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この実施形態では、蒸気凝縮による水撃を緩和するために、蒸気注入弁23を開いて蒸気注入系6から蒸気を注入する際に、飽和水注入弁30を開いて飽和水注入系9から飽和水を供給し、蒸気と飽和水を混合して、枝管21を介して第1の鉛直管3へ注入する(蒸気・飽和水注入ステップS21)。その他の手順は第1の実施形態と同様である。なお、ここで「飽和水」とは飽和温度の水を意味する。
この実施形態によれば、蒸気とともに飽和水が注入されるので、除染液の温度が飽和水によって上昇し、蒸気の凝縮速度が緩和される。その結果、第2の実施形態と同様に、蒸気注入時の水撃による衝撃を緩和することができる。また、第1および第2の実施形態と同様に、一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を確実に除去することができる。
[第4の実施形態]
図9は、本発明に係る放射能除染方法の第4の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。
第4の実施形態は第3の実施形態の変形である。第3の実施形態では、蒸気と飽和水を単純に混合して注入しても、蒸気泡の上昇速度の方が速いため、第1の鉛直配管3内において、蒸気泡が飽和水領域を外れて上昇して低温水に触れてしまい、水撃を発生する可能性がある。
そこで、第4の実施形態においては、図9に示すように、蒸気注入弁23と飽和水注入弁30の下流側に、蒸気と飽和水を混合して蒸気の気泡サイズを小さくする気泡小細化装置10が設けられている。気泡小細化装置10によって気泡サイズが小さくなった蒸気が枝管21を通って第1の鉛直管3へ注入される。その他の構成および手順は第3の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、気泡サイズを小さくすることにより蒸気泡の上昇速度を低下させることができる。その他、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第5の実施形態]
図10は、本発明に係る放射能除染方法の第5の実施形態における循環加熱ステップの状況を模式的に示す立断面図である。図11は、本発明に係る放射能除染方法の第5の実施形態における蒸気注入ステップの状況を模式的に示す立断面図である。図12は、本発明に係る放射能除染方法の第5の実施形態の手順を示すフロー図である。
第5の実施形態は第1の実施形態の変形である。すなわち、蒸気を注入する前の除染液注入の際に、図10に示すように、ドレン用孔13の下方にバッファタンク11を配置し、ドレン用孔13から、バッファタンク11、循環ポンプ35、除染液注入系5、枝管21、第1の鉛直配管3、下部配管20を順次経て除染液が循環する循環ループ36を形成する。
そして、この循環ループ36に温水を循環し第1の鉛直配管3や水平配管1、第2の鉛直配管2の温度を飽和温度に近い所定の温度、たとえば90℃まで上昇させる(循環加熱ステップS31)。
その後に、図11に示すように、除染液注入弁22およびドレン用孔13を閉じて、蒸気注入弁23を開き、蒸気注入系6から、枝管21を経て第1の鉛直配管3に蒸気を注入する(蒸気注入ステップS2)。
その他の構成や手順は第1の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、蒸気注入前に除染液の温度が飽和温度近くに高められるので、蒸気注入時の水撃による衝撃を緩和することができる。さらに、第1の実施形態と同様に一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を確実に除去することができる。
[第6の実施形態]
図13は、本発明に係る放射能除染方法の第6の実施形態における蒸気注入ステップでの蒸気吹き込み量の時間変化を示すグラフである。
この実施形態は第1の実施形態の変形であって、この実施形態では、蒸気注入系6から枝管21を通して第1の鉛直管3に注入される蒸気吹込みを図13に示すように間欠的に行なう。その他の構成や手順は第1の実施形態と同様である。
この実施形態によれば、水平配管1に脈動流が発生するので、水平配管1の底部に堆積している放射能を帯びた堆積溶解皮膜4を揺動させることができる。これにより、第1の実施形態と同様またはそれ以上に、一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を確実に除去することができる。
[第7の実施形態]
図14は、本発明に係る放射能除染方法の第7の実施形態において利用される放射能除染装置を模式的に示す立断面図である。図15は、本発明に係る放射能除染方法の第7の実施形態の手順を示すフロー図である。
第7の実施形態は第1の実施形態の変形であって、水平配管1および第2の鉛直配管2の部分に水ジャケット12を設置する。水ジャケット12には、冷水供給弁40を介して冷水供給系41が接続され、さらに温水供給弁42を介して温水供給系43が接続されている。装置構成上のその他の点では、第7の実施形態は第1の実施形態と同様である。
原子炉停止後の一次配管の除染作業においては、第1の実施形態と同様に、はじめに除染液注入ステップS1を行なう。つぎに、温水供給弁42を開いて温水供給系43から温水を水ジャケット12に供給して、水平配管1および第2の鉛直配管2を外側から加熱し、水平配管1および第2の鉛直配管2の内部の除染液の温度を飽和温度近くまで上昇させる(配管外部加熱ステップS41)。
つぎに、蒸気注入系6より蒸気を注入して水平配管1および第2の鉛直配管2を蒸気気泡で充満させる(蒸気注入ステップS2)。
その後に、冷水供給弁40を開いて冷水供給系41から冷水を水ジャケット12に供給することにより水平配管1および第2の鉛直配管2を冷却する(配管外部冷却ステップS42)。これにより、水平配管1および第2の鉛直配管2内に充満した気泡が急激につぶれ、その衝撃により配管表面の皮膜を引き剥がすことができる。
さらに、上記の手順を複数回繰り返すと効果的である。衝撃が激しすぎる場合には、第4の実施形態(図9)に示したように、気泡小細化装置10により気泡サイズを小さくして注入してもよい。
引き剥がした皮膜は、第1の実施形態と同様に第1の鉛直配管3へ流入させ、ドレン用孔13から配管外へ排出・回収すればよい(排液ステップS3)。
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様に一次配管のうちの水平配管の底部に堆積した皮膜を確実に除去することができるとともに、必要に応じて、蒸気注入時の水撃による衝撃を緩和することができる。
上記説明では水ジャケット12を加熱するために温水を供給するものとしたが、温水の代わりに蒸気を供給してもよい。また、冷却は水でなくとも、たとえば低温ガスを用いてもよい。
以上説明した第7の実施形態では、第2の鉛直配管2の温度を第1の鉛直配管3の温度よりも意図的に低下させる例を示した。このような状態で、第1の鉛直配管3に蒸気を連続的に注入すると、上昇する蒸気気泡がやがて、第2の鉛直配管2における低温の水と接触する。すると、蒸気気泡が凝縮して、第2の鉛直配管2内の水が第1の鉛直配管3へ流入する。これはガイセリングと呼ばれる不安定現象と類似の機構である。このような現象が生じることから、蒸気を間欠的に注入しなくとも、図16に示すように連続的に蒸気を注入するだけでも、水平配管1内の水の第1の鉛直配管3への流入を繰り返し発生させることができる。これにより、水平配管1の底部に堆積している放射能を帯びた堆積溶解皮膜4を第1の鉛直配管3へ流下させることができる。
[第8の実施形態]
第8の実施形態は第1の実施形態の変形であって、第1の実施形態で懸念される水撃を緩和する措置を施すものである。すなわち、第5の実施形態(図10)と同様に、蒸気を注入する前の除染液注入の際に、ドレン用孔13の下方にバッファタンク11を配置し、ドレン用孔13から、バッファタンク11、循環ポンプ35、除染液注入系5、枝管21、第1の鉛直配管3、下部配管20を順次経て除染液が循環する循環ループ36を形成する。
そして、除染液に、水よりも低沸点の液体、たとえばアルコールを混ぜておき、第1の鉛直配管3内の温度を低沸点の液体の沸点近くに上昇させておく。この状態で、第1の鉛直配管3へ蒸気を注入すると、蒸気凝縮による熱が低沸点液体の蒸発に使われるので、蒸気が凝縮しても、真空になることはなく、低沸点流体の蒸気が満たされ、水撃を回避あるいは緩和することが可能となる。
[他の実施形態]
以上、種々の実施形態について説明したが、これらは単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変形を取ることができる。たとえば、異なる実施形態の特徴を組み合わせることもできる。
1… 水平配管
2… 第2の鉛直配管
3… 第1の鉛直配管
4… 堆積溶解皮膜
5… 除染液注入系
6… 蒸気注入系
7… 蒸気泡
8… 配管外部加熱装置
9… 飽和水注入系
10… 気泡小細化装置
11… バッファタンク
12… 水ジャケット
13… ドレン用孔
20… 下部配管
21… 枝管
22… 除染液注入弁
23… 蒸気注入弁
30… 飽和水注入弁
35… 循環ポンプ
36… 循環ループ
40… 冷水供給弁
41… 冷水供給系
42… 温水供給弁
43… 温水供給系

Claims (10)

  1. 軽水型原子炉の一次冷却材が流通する一次配管の内部の放射能汚染を当該原子炉の運転停止時に除去する放射能除染方法であって、
    前記一次配管は、水平配管と、前記水平配管の下方に接続された第1の鉛直配管と、互いに水平方向に間隔をあけて前記水平配管の上方に接続された複数の第2の鉛直配管と、を備えており、
    当該放射能除染方法は、
    前記第1の鉛直配管および前記水平配管を介して前記複数の第2の鉛直配管内に除染液を注入してその除染液を前記第1の鉛直配管、前記水平配管および前記複数の第2の鉛直配管内に溜め、前記一次配管の内面に付着した皮膜を剥離させて前記水平配管内に堆積させる除染液注入ステップと、
    前記除染液注入ステップによって前記第1の鉛直配管内に溜められた除染液中に蒸気を注入して前記第1の鉛直配管内で凝縮させ、前記水平配管内に堆積された前記皮膜を前記第1の鉛直配管内に流下させる蒸気注入ステップと、
    前記蒸気注入ステップの後に、前記第1の鉛直配管、前記水平配管および前記複数の第2の鉛直配管内に溜められていた除染液を、前記第1の鉛直配管を通じて排出する排液ステップと、
    を有することを特徴とする放射能除染方法。
  2. 前記蒸気注入ステップは、前記第1の鉛直配管に注入された蒸気が前記水平配管に移動する前にすべて凝縮する程度の量の蒸気を注入すること、を特徴とする請求項1に記載の放射能除染方法。
  3. 前記除染液注入ステップは、除染液が前記第2の鉛直配管内の途中に液面が形成されるまで続けられ、その状態から前記蒸気注入ステップが開始されること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射能除染方法。
  4. 前記除染液注入ステップに平行して、または、前記除染液注入ステップもしくは前記蒸気注入ステップの前に、前記第1の鉛直配管および前記水平配管の少なくとも一部を外側から加熱する配管外部加熱ステップをさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
  5. 前記除染液注入ステップの後に、前記蒸気注入ステップの前または前記蒸気注入ステップと平行して前記第1の鉛直配管に飽和水を注入する飽和水注入ステップをさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
  6. 前記蒸気注入ステップは、前記第1の鉛直配管内に注入される蒸気の気泡を小さくするための気泡小細化ステップを含むこと、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
  7. 前記蒸気注入ステップの前に、少なくとも前記第1の鉛直配管内に温水を循環させて前記第1の鉛直配管を加熱する循環加熱ステップをさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
  8. 前記蒸気注入ステップは、間欠的な蒸気注入を複数回繰り返すものであること、を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
  9. 前記蒸気注入ステップの途中またはその後に、前記第2の鉛直配管および前記水平配管の少なくとも一部を外側から冷却する配管外部冷却ステップをさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
  10. 前記除染液注入ステップは、前記除染液に水よりも低沸点の液体を混合させる低沸点液混合ステップを含むこと、を特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の放射能除染方法。
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