JP6184846B2 - ボイラ配管の化学洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラ配管の化学洗浄方法に関するものである。
例えば、ボイラ配管は、その連続使用により、配管内壁に、酸化スケールが生成する。この酸化スケールは、例えばFe3 4 やCr2 3 が主成分であり、従来では、所定期間経過後、化学洗浄がなされている(特許文献1)。
この化学洗浄の工程は、下記の各工程により行われている。
1)ボイラユニットを停止し、冷却する。
2)次いで、仮配管、ポンプ、排水槽、バルブ及び補助蒸気ラインの繋ぎ込みを行う。
3)ボイラ、仮配管系統の耐圧チェックを行い、系統の水洗い及び系統の充水を循環・水張り用ポンプで行う。
4)循環ポンプを用いて系統水を循環させながら、熱交換器に補助蒸気を投入して洗浄水を加温(例えば60〜90℃)する。
5)循環ポンプを用いて系統水を循環させながら、酸液を投入して化学洗浄を開始する。
6)化学洗浄終了後、仮設配管を含む系統の水洗いを行う。
7)洗浄終了後、仮設配管等の化学洗浄付帯設備を撤去する。
8)ボイラ配管の耐圧テストを行う。
特開2005−147797号公報
しかしながら、従来の化学洗浄工程は、以下のような問題がある。
1)ボイラ化学洗浄は、ボイラユニット停止・冷却後に、仮設機器を設置して実施するため、ユニット停止期間が2〜4週間程度必要となるので、ボイラユニットの稼動率が低下する、という問題がある。
2)ボイラ化学洗浄は、仮配管・仮設ポンプ・仮設排水槽・仮設バルブ等の設置を要するため、高額となると共に洗浄工事コストが高い、という問題がある。
3)仮設備を設置するために、化学洗浄実施のために、ボイラ近くに広範囲なスペースを確保する必要がある。
4)仮設備施工工事、化学洗浄工事に人手がかかるので、化学洗浄費用が高くなる、という問題がある。
5)化学洗浄液は60〜90℃で実施するため、洗浄液を加温する仮設備と加温用補助蒸気が必要となる。
よって、化学洗浄のための付帯設備に設置が簡易なボイラ配管の化学洗浄方法の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、ボイラ配管の化学洗浄を簡易に実施するボイラ配管化学洗浄方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、ボイラ停止後、ボイラ水を水ドラムから排水するボイラ水排水工程と、既設の純水タンクから純水を供給する純水供給ラインに接続された第1仮設ラインを介して、前記純水を前記水ドラムに供給すると共に、前記第1仮設ラインに隣接設備からの圧力差を持った温水を第2仮設ラインにより導入して前記純水を所定温度に加温調整する温度調整工程と、所定温度となった前記温水に酸洗浄液を供給し、所定濃度とした酸洗浄液を、空の水ドラムに供給し、その後蒸気ドラムまで所定時間かけて所定濃度の前記酸洗浄液を圧力差により満水とし、ボイラ配管を化学洗浄する酸洗浄液供給工程と、前記酸洗浄液の供給終了後、前記酸洗浄液を排水する酸洗浄液排水工程と、前記酸洗浄液の排水後、純水を用いてボイラ配管内を洗浄する水洗浄工程と、を備えることを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記酸洗浄液排出工程の後に、炭酸塩のアルカリ剤を供給して中和洗浄する工程を備えることを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記酸洗浄液供給工程中に、前記水ドラム内へファインバブルを導入することを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記酸洗浄液供給工程中に、酸洗浄液を連続して供給した後、蒸気ドラムから酸洗浄液を排水し、次いで酸洗浄液の供給及び排水を繰り返すことを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第5の発明は、2系統のボイラ設備を用いて、1系統はボイラを運転している際に、他の1系統のボイラを停止し、停止したボイラ配管の化学洗浄を行うボイラ配管の化学洗浄方法であって、他の1系統のボイラを停止後、停止したボイラのボイラ水を水ドラムから排水するボイラ水排水工程と、運転中の1系統のボイラの蒸気ドラムからの温水又は本設系統の給水を用い、所定温度以下の温度に調節した温水とした後、該所定温度以下の温水に酸洗浄液を供給し、所定濃度とした酸洗浄液を、空の前記水ドラムに供給し、その後蒸気ドラムまで所定時間かけて所定濃度の前記酸洗浄液を満水とし、ボイラ配管を化学洗浄する酸洗浄液供給工程と、前記酸洗浄液の供給終了後、前記酸洗浄液を含むボイラ水を排水するボイラ水排水工程と、前記酸洗浄液を含むボイラ水の排水後、純水を用いてボイラ配管内を洗浄する水洗浄工程と、を備えることを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第6の発明は、第5の発明において、前記ボイラ水排水工程の際に、ボイラ水貯留タンクに排水するボイラ水を貯留するボイラ水貯留工程と、前記水洗浄工程に先立って、貯留したボイラ水を用いて、粗洗浄する粗洗浄工程とを備えることを特徴とする2系統ボイラ設備のボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第7の発明は、第5又は6の発明において、前記ボイラ水排水工程の後に、炭酸塩のアルカリ剤を供給して中和洗浄する工程を備えることを特徴とする2系統ボイラ設備のボイラ配管の化学洗浄方法にある。
第8の発明は、第5乃至7のいずれか一つの発明において、前記酸洗浄液供給工程中に、前記水ドラム内へファインバブルを導入することを特徴とする2系統ボイラ設備のボイラ配管の化学洗浄方法にある。
本発明によれば、隣接設備の温水を用いて化学洗浄を実施するようにしている。この結果、温水を供給する仮設ライン及びこの温水に酸洗浄液を供給する薬液タンクのみを設けるのみでよいので、従来のような付帯設備の増設なしに、ボイラ配管の化学洗浄を簡易に実施することができる、化学洗浄費用の低廉化を図ることができる。
本発明によれば、2系統のボイラ設備において、1系統を停止し、他の1系統の設備の温水を用い化学洗浄を実施するようにしている。この結果、温水を供給する仮設ライン及びこの温水に酸洗浄液を供給する薬液タンクのみを設けるのみでよいので、従来のような付帯設備の増設なしに、ボイラ配管の化学洗浄を簡易に実施することができる、化学洗浄費用の低廉化を図ることができる。
図1は、実施例1に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。 図2は、実施例2に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。 図3は、実施例3に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。 図4は、実施例4に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。 図5は、実施例5に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。 図6は、実施例6に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、実施例1に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。本実施例では、図1に示すように、水ドラム11と蒸気ドラム12との間には、降水管13と蒸発管14とが接続されており、図示しない給水ポンプで送られてきたボイラ水10は節炭器15で暖められてから蒸気ドラム12に入る。蒸気ドラム12内に入ったボイラ水10は降水管13を通って水ドラム11に入り、蒸発管14で更に高温となって蒸気ドラム12に戻る。高温となった蒸気ドラム12内の熱水の一部は飽和蒸気となり、蒸気管を通ってボイラ内の過熱管(図示せず)へと導かれ、再び熱せられてより高圧高温の過熱蒸気となってタービン(図示せず)に送られる。図1中、符号16はボイラ火炉(火炉)、L11はボイラ水10が給水される本設ライン、V11は逆流防止の逆止弁を図示する。
このような水管ボイラを連続使用した後、定期点検のボイラ配管内のスケール除去の手順を説明する。
図1に示すように、純水22をボイラ設備に供給する既設の純水ラインL12により、純水タンク21から一部抜出され、この既設の純水ラインL12に接続する第1仮設ラインL21を介して水ドラム11に導入される。
この第1仮設ラインL21には、隣接するボイラ設備(図示せず)の温水23を供給する第2仮設ラインL22が接続されている。
そして、第2仮設ラインL22により導入される温水23を用いて、純水22を所定温度まで加温する。加温は温度計T1により、所定温度となるように監視している。
所定温度に冷却された温水23には、薬液タンク25から酸洗浄液26が薬液ラインL23を介して導入されるようにしている。
ここで、図中点線ラインは既設のボイラ設備に常設されるものではない仮設ラインを図示する。
工程1:排水工程
この排水工程は、稼働していたボイラを停止後、ボイラ水10を本設排水タンク28へ全量排水し、蒸気ドラム12、水ドラム11、降水管13及び蒸発管14内を空とする工程である。
工程2:酸洗浄液供給工程
先ず、隣接設備(図示せず)の例えば100℃以上の温水23を用い、所定温度以下の温度まで純水22により冷却した後、所定温度の温水23に酸洗浄液(30%HCl)26を供給し、所定濃度に希釈した(5%HCl)酸洗浄液26Aとし、この所定濃度に希釈した(5%HCl)酸洗浄液26Aを、空の水ドラム11に供給する。
この酸洗浄液供給工程では、この所定濃度に希釈した酸洗浄液26Aが、降水管13及び蒸発管14内をゆっくりと上昇し、その後蒸気ドラム12まで所定時間(約2〜3時間)かけて通水し、蒸気ドラム12を希釈した酸洗浄液26Aで満水とし、ボイラ配管を化学洗浄する。
ここで、温水23を純水22により冷却する所定温度とは、酸洗浄液26の可溶温度以下であり、例えば酸洗浄液26として塩酸を用いた場合には、約80℃以下とするのが好ましい。
本実施例では、隣接設備からの温水23として、蒸気ドラム12からの蒸気ドラム水としているが、水ドラム11の水ドラム水、給水を用いるようにしてもよい。
ここで、酸洗浄液26は、塩酸を例示しているが、塩酸に限定されるものではなく、例えばクエン酸等の有機酸を用いるようにしてもよい。
塩酸の場合には、例えば30%塩酸を用いるのが好ましい。なお、本実施例では、30%塩酸としているが、本発明はこれに限定されず、濃度範囲としては、10%〜35%塩酸とするのが好ましい。薄める所定濃度としては、例えば5%〜7%塩酸となるように調節するのが好ましい。
本実施例では、化学洗浄に要する温水23は、隣接設備の温水23として、例えば蒸気ドラム水、水ドラム水、または給水系統水(例えば脱気器出口、節炭器出口、各給水ヒータ出口)等を活用するのが好ましい。
本実施例では、温水23は純水22による所定温度(例えば80℃程度)に調整がなされた後、洗浄用の酸洗浄液26を注入し、希釈した酸洗浄液26Aとする。この希釈した酸洗浄液26Aを水ドラム11へ導入し、その後ボイラ配管内の水張りがなされる。
ここで、隣接設備から温水23は水ドラム11との圧力差によって、採水されるためポンプは不要である。なお、この温水23の導入流量は、流量調整弁V3により所定量と調整される。また、純粋22は、バルブV2を開きポンプP2により、第1仮設ラインL21に純水タンク21から供給され、温水23により加温される。
希釈された酸洗浄液26Aによる洗浄においては、その水張り時に生じる上昇流速を利用している。この上昇流速によりボイラ配管内のスケールが徐々に剥離され、除去される。
なお、酸洗浄液26Aにより発生する水素ガス等を逃がす為に蒸気ドラム12の上部に設置されるエアベントV13は開操作しておく。
工程3:酸洗浄液排出工程
この酸洗浄液排出工程は、希釈した酸洗浄液26Aの供給終了後、この希釈した酸洗浄液26Aを排出する工程である。希釈した酸洗浄液26Aは、バルブV12を開いて、本設排水タンク28に排出する。
なお、希釈した酸洗浄液26Aの供給終了後、直ちに排出するようにしてもよいが、希釈した酸洗浄液26Aの供給終了後、所定時間(例えば1〜3時間程度)そのままの満水状態を維持するようにしてもよい。
また、希釈した酸洗浄液26Aを排出した後、また新たな希釈した酸洗浄液26Aを用いて、蒸気ドラム12は満水とする作業を、複数回繰り返すようにしてもよい。
この繰り返す回数としては、例えば3時間程度で満水する場合、2〜3回とするのが好ましい。これにより、週末のボイラ停止時において、化学洗浄を実施することが可能となる。
なお、蒸気ドラム12内に希釈した酸洗浄液26Aを満水とした場合でも、本設ラインL11に介装された逆止弁V11により節炭器15側に、希釈した酸洗浄液26Aが流入することが阻止される。
本実施例では、ボイラの運転を停止し、ボイラ水10を排水した後、希釈した酸洗浄液26Aを水ドラム11に流入するときから、希釈した酸洗浄液26Aを排水し、洗浄が完了するまでの時間は、約10時間とするのが好ましい。
なおこの10時間とするのは、週末にボイラを停止する時間に完了するようにするためである。
工程4:水洗浄工程
この水洗浄工程は、希釈した酸洗浄液26Aの全量排水後、バルブV12を閉じ、隣接設備の温水23を水ドラム11に導入し、ボイラ配管内を洗浄する工程である。
ここで、薬液タンク25からの酸洗浄液26の供給は、バルブV1を開き、送液ポンプP1により行う。また、隣接設備の温水23の供給は、バルブV3を開き行う。
以上、本実施例によれば、酸洗浄液26を貯留する薬液タンク25と、薬液ラインL23と、第1仮設ラインL21及び第2仮設ラインL22とを従来のボイラ設備に対して設けるだけであるので、従来のような仮設設備を多数の化学洗浄仮設機器が不要となる。また、これを設置するスペースと施工が不要となる。
また、従来のような仮配管を撤去した後、系統の耐圧テストを実施する必要がなくなる。
また、本設の系統ラインのみで実施するため、従来のように仮設配管の設置と抜去がなくなると共に、系統の耐圧テスト工程を省略することができる。
また、従来のように、加温用補助蒸気の投入が不要となる。
さらに、耐圧試験や仮配管水洗が無くなるため、純水の使用量を大幅に減らすことが可能となる。
以上の結果、仮設備が薬液タンク25及び第1仮設ラインL21及び第2仮設ラインL22とのみとなるため、化学洗浄に使用するスペースの省略が可能となる。
本実施例の化学洗浄方法を実施する場合、通常の1〜2年毎の定期点検の際においても、週末のみボイラを停止して、3週間にわけて3回での化学洗浄によるスケール除去が可能となり、ボイラ操業効率が低下することを防止できる。
また、通常のボイラ操業中においても、定期的に本実施例の化学洗浄を週末のみ行うことで、ボイラ配管内にスケールが付着する前に除去することができ、定期点検でのスケール除去作業時間の低減を図ることができる。
また、工程4の酸洗浄液排出工程の後において、図示しない薬液タンクから、炭酸塩のアルカリ剤を供給し、中和洗浄する工程を行う。
ここで、アルカリ剤の供給は、酸洗浄液26を供給するバルブV1を閉じ、次に、アルカリの薬液タンクから行うようにしてもよい。
このアルカリ剤の供給で中和させつつスケールの除去ができる。この際、アルカリ剤として、炭酸塩を注入することで、中和の際に発生するCO2ガスが、スケール表面で破裂する結果、スケールの剥離を助長することとなる。
また、中和処理により、洗浄工程の温水23の使用量の低減を図ることができる。
また、外部から例えば超音波発生器等で振動を与え、スケール剥離を助長するようにしてもよい。
また、図示しない窒素ガス供給部から水ドラム11内に窒素(N2)ガス等の不活性ガスを供給するようにしてもよい。ここで、供給する窒素ガスはファインバブルとするのが好ましい。
この窒素ガスの導入は、工程2の酸洗浄液供給工程中に行うようにしている。
この窒素ガスの導入により、酸洗浄液26Aの攪拌及び上昇流を作り出し化学洗浄工程での液の循環を促進することとなる。
また、窒素ガスをファインバブルのような微細径のガスを導入することで、蒸発管14内を上昇する際、ファインバルブが破裂することで、脈動を助長し、スケールの除去が可能となる。
なお、注入した窒素ガスを逃がす為に蒸気ドラム12の上部に設置されるエアベントV13は開操作しておく。
次に、本発明の実施例2にボイラ配管化学洗浄方法について説明する。図2は、実施例1に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。以下においては、実施例1に係るボイラ配管化学洗浄方法との相違点を中心に説明する。なお、実施例1に係る地熱発電システムと同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
本実施例では、図2に示すように、化学洗浄に使用する隣接設備の温23の温度調節を、河川水や海水を用いた熱交換器31で行うものである。
本実施例では、第2仮設ラインL22に温度調節ラインL24のバイパスラインを設け、この温度調節ラインL24には、温度計T2及び温度計T3を設け、所定温度(例えば80℃以下)となるように監視している。
実施例1では、温水23の冷却のために純水22を用いていたが、本実施例では河川水等を用いることで、本設設備で使用する純水22を使用することがなくなる。
熱交換が不十分な場合には、第2仮設ラインL22のバルブV31及びV32を閉じ、再循環ラインL25のバルブV33を開き、循環ポンプP3を駆動させ、温水23を再度循環させて、温度調節を行うようにしている。
これにより、常に適切な温度として酸洗浄液26の希釈が可能となる。
次に、本発明の実施例3にボイラ配管化学洗浄方法について説明する。図3は、実施例3に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。以下においては、実施例1に係るボイラ配管化学洗浄方法との相違点を中心に説明する。なお、実施例1に係る地熱発電システムと同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図3に示すように、本実施例では、A系統ボイラと、B系統ボイラとの2系統のボイラ設備を用いて、1系統はボイラを運転している際に、他の1系統のボイラを停止し、停止したA系統のボイラ配管の化学洗浄を行うボイラ配管の化学洗浄を実施する。
工程1:排水工程
この排水工程は、稼働していたA系統のボイラを停止後、そのボイラ水10を本設排水タンク28へ全量排水し、A系統の蒸気ドラム12、水ドラム11、降水管13及び蒸発管14内を空とする工程である。
工程2:酸洗浄液供給工程
運転中のB系統のボイラの蒸気ドラム12から温水23の一部を仮設ラインL32により抜き出す。その抜き出した温水23に、第1仮設ラインL21により純水タンク21からの純水22を供給し、所定温度以下の温度に調節した温水23とする。この温度調節した温水23に、酸洗浄液(30%HCl)26を薬液タンク25から供給し、所定濃度(5%HCl)とした酸洗浄液26Aとする。この希釈した酸洗浄液26Aを、空の前記水ドラム11に供給する。
ここで、薬液タンク25からの酸洗浄液26は、バルブV1を開き、送液ポンプP1により第5仮設ラインL33に供給され、温度調節した温水23に供給される。温度調整は温度計T1を用いて純水22により所定温度(例えば80℃)に調節される。なお、B系統ボイラの蒸気ドラム12からの温水23の供給は、第4、第6仮設ラインL32及びL34に設けたバルブV22及びV23を開き行う。この際、第3、第7及び第8仮設ラインL31、L35、L36に設けたバルブV21、V24、V25は閉じている。
この酸洗浄液供給工程では、この所定濃度に希釈した酸洗浄液26Aが、A系統ボイラの降水管13及び蒸発管14内をゆっくりと上昇し、その後蒸気ドラム12まで所定時間(約2〜3時間)かけて通水し、蒸気ドラム12を希釈した酸洗浄液26Aで満水とし、ボイラ配管を化学洗浄する。
工程3:酸洗浄液排水工程
この酸洗浄液排水工程は、希釈した酸洗浄液26Aの供給終了後、この希釈した酸洗浄液26Aを排水する工程である。希釈した酸洗浄液26Aは、バルブV12を開いて、本設排水タンク28に排水する。
工程4:水洗浄工程
この水洗浄工程は、希釈した酸洗浄液26Aの全量排水後、バルブV12を閉じ、B系統ボイラの蒸気ドラム12からの温水23を水ドラム11に導入し、ボイラ配管内を洗浄する工程である。
以上、本実施例によれば、A系統及びB系統の2系統のボイラ設備において、例えばA系統のボイラを停止し、このA系統のボイラ配管を化学洗浄するに際し、稼働しているB系統の蒸気ドラム12から一部温水23を抜出して、純水22で温度調節した後、酸洗浄液26を供給して、所定濃度に希釈したものを用いて、A系統のボイラ配管を洗浄する。設置するのは貯留する薬液タンク25と、薬液ラインL22と、第3仮設ラインL31から第8仮設ラインL36とを従来のボイラ設備に対して設けるだけであるので、従来のような仮設設備を多数の化学洗浄仮設機器が不要となる。
次に、本発明の実施例4にボイラ配管化学洗浄方法について説明する。図4は、実施例4に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。以下においては、実施例1及び3に係るボイラ配管化学洗浄方法との相違点を中心に説明する。なお、実施例1及び3に係る地熱発電システムと同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
本実施例では、図4に示すように、工程1のボイラ水排水工程の際に、ボイラ水を一時的に貯蔵する貯留タンク29にボイラ水10を貯留するボイラ水貯留工程を有している。
そして、化学洗浄を実施した後、工程4の水洗浄工程に先立って、貯留タンク29に貯留したボイラ水10を用いて、粗洗浄する粗洗浄工程を有している。
また、実施例1と同様に、工程1のボイラ水排水工程の後に、炭酸塩のアルカリ剤を供給して中和洗浄する工程を備えるようにしてもよい。
また、工程2の洗浄液供給工程中に、水ドラム11内へファインバブル(例えば窒素等の不活性ガス)を導入するようにしてもよい。
本実施例によれば、2系統のボイラ設備において、ユニットの運転を継続したまま、A系統ボイラ及びB系統ボイラを個別に洗浄することができる。
例えばA系統ボイラの運転を停止し、ボイラ水10を排出した後、希釈した酸洗浄液26Aにより化学洗浄を実施する。その際、B系統ボイラは運転を継続する。
A系統ボイラの洗浄が完了し、水洗い後、A系統ボイラの運転を再開させる。
A系統ボイラの化学洗浄が終了した後、同様に、B系統ボイラを停止させ、化学洗浄を実施する。
この結果、本実施例では、ユニットを全面停止させる必要がないので、従来よりもユニット稼働率が向上する。
次に、本発明の実施例5にボイラ配管化学洗浄方法について説明する。図5は、実施例5に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。以下においては、実施例1及び3に係るボイラ配管化学洗浄方法との相違点を中心に説明する。なお、実施例1及び3に係る地熱発電システムと同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
本実施例では、工程4の水洗浄工程において、純水タンク21から純水22を洗浄ラインL41により節炭器15の前流側に各々供給する。
本設ラインL11に設けた節炭器及び逆止弁V11に純水22を供給して、仮に節炭器15側に洗浄液が混入した場合でも洗浄工程で洗い流して、除去することができる。
次に、本発明の実施例6にボイラ配管化学洗浄方法について説明する。図6は、実施例6に係るボイラ配管化学洗浄方法を実施するボイラの概略図である。以下においては、実施例1及び3に係るボイラ配管化学洗浄方法との相違点を中心に説明する。なお、実施例1及び3に係る地熱発電システムと同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
本実施例では、工程2の酸洗浄液供給工程において、本設ラインL11の給水30を用いるものである。実施例3と比較して温度の低い給水を温水23として採取できるので、洗浄液の温度調節が容易となる。
10 ボイラ水
11 水ドラム
12 蒸気ドラム
13 降水管
14 蒸発管
16 ボイラ火炉(火炉)
21 純水タンク
22 純水
23 隣接設備の温水(温水)
25 薬液タンク
26 酸洗浄液

Claims (8)

  1. ボイラ停止後、ボイラ水を水ドラムから排水するボイラ水排水工程と、
    既設の純水タンクから純水を供給する純水供給ラインに接続された第1仮設ラインを介して、前記純水を前記水ドラムに供給すると共に、前記第1仮設ラインに隣接設備からの圧力差を持った温水を第2仮設ラインにより導入して前記純水を所定温度に加温調整する温度調整工程と、
    所定温度となった前記温水に酸洗浄液を供給し、所定濃度とした酸洗浄液を、空の水ドラムに供給し、その後蒸気ドラムまで所定時間かけて所定濃度の前記酸洗浄液を圧力差により満水とし、ボイラ配管を化学洗浄する酸洗浄液供給工程と、
    前記酸洗浄液の供給終了後、前記酸洗浄液を排水する酸洗浄液排水工程と、
    前記酸洗浄液の排水後、純水を用いてボイラ配管内を洗浄する水洗浄工程と、を備えることを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法。
  2. 請求項1において、
    前記酸洗浄液排出工程の後に、
    炭酸塩のアルカリ剤を供給して中和洗浄する工程を備えることを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記酸洗浄液供給工程中に、
    前記水ドラム内へファインバブルを導入することを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記酸洗浄液供給工程中に、
    酸洗浄液を連続して供給した後、蒸気ドラムから酸洗浄液を排水し、次いで酸洗浄液の供給及び排水を繰り返すことを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法。
  5. 2系統のボイラ設備を用いて、1系統はボイラを運転している際に、他の1系統のボイラを停止し、停止したボイラ配管の化学洗浄を行うボイラ配管の化学洗浄方法であって、
    他の1系統のボイラを停止後、停止したボイラのボイラ水を水ドラムから排水するボイラ水排水工程と、
    運転中の1系統のボイラの蒸気ドラムからの温水又は本設系統の給水を用い、所定温度以下の温度に調節した温水とした後、該所定温度以下の温水に酸洗浄液を供給し、所定濃度とした酸洗浄液を、空の前記水ドラムに供給し、その後蒸気ドラムまで所定時間かけて所定濃度の前記酸洗浄液を満水とし、ボイラ配管を化学洗浄する酸洗浄液供給工程と、
    前記酸洗浄液の供給終了後、前記酸洗浄液を含むボイラ水を排水するボイラ水排水工程と、
    前記酸洗浄液を含むボイラ水の排水後、純水を用いてボイラ配管内を洗浄する水洗浄工程と、を備えることを特徴とするボイラ配管の化学洗浄方法。
  6. 請求項5において、
    前記ボイラ水排水工程の際に、ボイラ水貯留タンクに排水するボイラ水を貯留するボイラ水貯留工程と、
    前記水洗浄工程に先立って、貯留したボイラ水を用いて、粗洗浄する粗洗浄工程とを備えることを特徴とする2系統ボイラ設備のボイラ配管の化学洗浄方法。
  7. 請求項5又は6において、
    前記ボイラ水排水工程の後に、
    炭酸塩のアルカリ剤を供給して中和洗浄する工程を備えることを特徴とする2系統ボイラ設備のボイラ配管の化学洗浄方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれか一つにおいて、
    前記酸洗浄液供給工程中に、
    前記水ドラム内へファインバブルを導入することを特徴とする2系統ボイラ設備のボイラ配管の化学洗浄方法。
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