JP2011145057A - 復水器 - Google Patents
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Abstract
【課題】復水器において、入口水室から複数の細管への冷却媒体の流れをスムーズにして冷却効率の向上を可能とする。
【解決手段】中空形状をなして蒸気流入口51と水の排出口を有するハウジング41と、このハウジング41の端部に区画される入口水室42(42a,42b)及び出口水室43(43a,43b)と、ハウジング41の内部で入口水室42と出口水室43を連結して内部に冷却水が流れると共に蒸気の流れと交差するように配置される多数の細管44とを設けて構成し、入口水室42における多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27(27a,27b)を連結する。
【選択図】図1
【解決手段】中空形状をなして蒸気流入口51と水の排出口を有するハウジング41と、このハウジング41の端部に区画される入口水室42(42a,42b)及び出口水室43(43a,43b)と、ハウジング41の内部で入口水室42と出口水室43を連結して内部に冷却水が流れると共に蒸気の流れと交差するように配置される多数の細管44とを設けて構成し、入口水室42における多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27(27a,27b)を連結する。
【選択図】図1
Description
本発明は、発電プラントにおいて、例えば、蒸気タービンで使用した蒸気を冷却水との熱交換により冷却凝縮して水に戻す復水器に関するものである。
例えば、従来の原子力発電プラントでは、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電している。この場合、タービン発電機の発電に使用した蒸気は、復水器で冷却されて復水となり、再び蒸気発生器に戻される。
従来の復水器において、中空形状をなすハウジングの上部に蒸気の流入口が設けられ、下部に水(復水)の排出口が設けられると共に、ハウジングの一端部に入口水室が設けられ、他端部に出口水室が設けられ、この入口水室と出口水室を連結するように内部に冷却媒体が流れる多数の細管が配置されて構成されている。従って、冷却媒体は、多数の細管内に常時流動しており、流入口からハウジングの内部に流入した蒸気は、この冷却媒体との間で熱交換(冷却)が行われることで、水となり、排出口から排出される。
このような復水器にあっては、入口水室に冷却媒体の流入管が連結され、出口水室に冷却媒体の排出管が連結されており、冷却媒体は、流入管を通って入口水室に流入し、多数の細管を通って出口水室に流れ、排出管により排出される。原子力プラントでは、冷却媒体として海水が使用されることが一般的であり、流入管の基端部が海中に潜って配置されている。そのため、海水が流入管を通って入口水室に流入し、多数の細管に流れることとなる。
この海水には、貝類や藻類などの微生物が生息しており、多数の細管に微生物を含む海水が流れ込むと、この微生物が細管の内壁面に付着し、貝類や藻類に生育することで、この海洋生物が細管を閉塞させてしまうおそれがある。このような問題を解決するものとして、例えば、下記に記載した特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1では、定期的に、海水に洗浄用スポンジボールを混ぜ、水室や細管にこのスポンジボールを流通させることで、付着した水垢を除去している。
上述した特許文献1に記載された洗浄ボールの滞留防止装置では、スポンジボールによる水室や細管の洗浄時に、このスポンジボールが水室に滞留してしまうことを防止するため、この水室に滞留防止板を設けている。
この従来の復水器では、入口水室の下部に冷却水入口配管を連結し、冷却水がほぼ直角に曲がって流れることで複数の細管に導入される構造となっている。そのため、冷却水入口配管の冷却水がほぼ直角に曲がって各細管に導入されるとき、内側を流れる冷却水の流速は遅く、外側を流れる冷却水の流速が速いものとなる。すると、水室における冷却水の流れの外側に滞留防止板を設けたとしても、内側を流れる冷却水の流速が遅いため、この内側の領域に洗浄ボールが堆積しやすい。そのため、洗浄ボールによる細管の洗浄不良や洗浄ボールの回収不良などの問題が発生し、冷却効率の低下を招いてしまう。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、入口水室から複数の細管への冷却媒体の流れをスムーズにして冷却効率の向上を可能とする復水器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の復水器は、中空形状をなして蒸気の流入口と水の排出口を有するハウジングと、該ハウジングの端部に区画される入口水室及び出口水室と、前記ハウジングの内部で前記入口水室と前記出口水室を連結して内部に冷却媒体が流れると共に蒸気の流れと交差するように配置される多数の細管と、を備え、前記入口水室における前記多数の細管の連結部に対向する位置に冷却媒体の流入部が設けられる、ことを特徴とするものである。
本発明の復水器では、前記細管における冷却媒体の流動方向と前記流入部における冷却媒体の流動方向とがほぼ直線状となるように設定されることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記細管と前記流入部とがほぼ平行となるように配置されることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記細管に対して前記流入部が所定角度だけ傾斜して配置されることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記流入部は、前記入口水室に連結される流入管を有し、前記入口水室と前記流入管との連結部に、冷却媒体の流動方向の下流側に向かって通路断面積が拡大する通路拡大部が設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記流入部は、前記入口水室に連結される流入管を有し、該流入管が前記入口水室における前記多数の細管の連結部に対向する壁面に連結され、前記流入管と前記入口水室の連結部に多数の貫通孔が設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記流入部は、前記入口水室に連結される流入管を有し、該流入管の先端部が前記入口水室内に嵌入され、該流入管の先端部における前記多数の細管の連結部に対向する位置に多数の貫通孔が設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記入口水室内に前記流入部から流入した冷却媒体を前記複数の細管に導くガイド板が設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記複数の細管は、所定数の細管からなる複数の細管ブロックをなし、前記ガイド板は、前記入口水室内に前記流入部から流入した冷却媒体の流量が前記各細管ブロックにほぼ均等に分流されるように配置されることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記ガイド板は、冷却媒体のガイド面の角度が調整可能に設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記多数の細管は、蒸気の流れ方向に分割される複数の細管ブロックを構成し、前記入口水室は、該複数の細管ブロックに対応して複数設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記複数の入口水室における前記細管ブロックの連結部に対向する位置にチャンバが連結され、該チャンバに冷却媒体が導入されることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記チャンバは、冷却媒体の流れが前記多数の細管を流れる冷却媒体の流れと交差するように前記取水部が設けられ、該取水部から前記チャンバに流れ込んだ冷却媒体を前記複数の入口水室に導くガイドが設けられることを特徴としている。
本発明の復水器では、前記ハウジングは、分割される細管ブロックの分割数に対応して複数に分割されることを特徴としている。
本発明の復水器によれば、ハウジングの端部に入口水室と出口水室を区画し、ハウジングの内部で入口水室と出口水室とを多数の細管により連結し、入口水室における多数の細管の連結部に対向する位置に冷却媒体の流入部を設けている。従って、冷却媒体は、流入部から入口水室を通って多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。例えば、多数の細管の付着物を除去するために冷却媒体に洗浄ボールを混入した場合であっても、この洗浄ボールは、入口水室に滞留せずに各細管にスムーズに流れ込むことで、細管の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
本発明の復水器によれば、細管における冷却媒体の流動方向と流入部における冷却媒体の流動方向とがほぼ直線状となるように設定するので、流入部から入口水室に流入した冷却媒体は、多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、細管と流入部とをほぼ平行となるように配置するので、流入部から入口水室に流入した冷却媒体は、多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、細管に対して流入部を所定角度だけ傾斜して配置するので、流入部から入口水室に流入した冷却媒体は、多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、流入部として入口水室に連結される流入管を設け、入口水室と流入管との連結部に冷却媒体の流動方向の下流側に向かって通路断面積が拡大する通路拡大部を設けるので、冷却媒体は、通路拡大部により流入部から入口水室にスムーズに流れ、この入口水室から多数の細管によどみなく流れ込むこととなり、滞留領域を減少することができる。
本発明の復水器によれば、流入部として、入口水室に連結される流入管を設け、流入管を入口水室における多数の細管の連結部に対向する壁面に連結し、流入管と入口水室の連結部に多数の貫通孔を設けるので、冷却媒体は、流入管から多数の貫通孔を通って入口水室に流入し、更に多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、流入部として、入口水室に連結される流入管を設け、流入管の先端部を入口水室内に嵌入し、流入管の先端部における多数の細管の連結部に対向する位置に多数の貫通孔を設けるので、冷却媒体は、流入管から多数の貫通孔を通って入口水室に流入し、更に多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、入口水室内に流入部から流入した冷却媒体を複数の細管に導くガイド板を設けるので、冷却媒体は、流入管からガイド板に案内され、入口水室を通って多数の細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、複数の細管を所定数の細管からなる複数の細管ブロックとして構成し、ガイド板を入口水室内に流入部から流入した冷却媒体の流量が各細管ブロックにほぼ均等に分流されるように配置するので、各細管に対してほぼ同じ流量の冷却媒体を供給することができ、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、ガイド板における冷却媒体のガイド面の角度を調整可能とするので、冷却媒体の流動形態に応じて最適なガイド面の角度を設定することができる。
本発明の復水器によれば、多数の細管を蒸気の流れ方向に分割される複数の細管ブロックにより構成し、入口水室を複数の細管ブロックに対応して複数設けるので、冷却媒体は、流入部から複数の入口水室に流れ、各細管ブロックの細管にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、複数の入口水室における細管ブロックの連結部に対向する位置にチャンバを連結し、チャンバに冷却媒体が導入するので、冷却媒体は、一旦チャンバに流入し、このチャンバで動圧が低下してから各入口水室に流れ込むことで圧力損失が低減され、冷却媒体を各細管にスムーズに流し込むことができる。
本発明の復水器によれば、チャンバに冷却媒体の流れが多数の細管を流れる冷却媒体の流れと交差するように取水部を設け、取水部からチャンバに流れ込んだ冷却媒体を複数の入口水室に導くガイドを設けるので、冷却媒体は、流入管からチャンバに流入してからガイド板に案内されて各入口水室に流れ込み、その後に各細管に流れ込むこととなり、冷却媒体を各細管に安定して案内することができ、冷却効率の向上を可能とすることができる。
本発明の復水器によれば、ハウジングを分割される細管ブロックの分割数に対応して複数に分割するので、分割された一つのハウジングの小型化が可能となり、搬送を容易に行うことが可能となる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る復水器の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る復水器を表す全体構成図、図2は、実施例1の復水器における入口水室の正面概略図、図3は、実施例1の復水器における入口水室の平面概略図、図4は、実施例1の復水器が適用された原子力発電プラントの概略構成図である。
実施例1の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
実施例1の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図4に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ15aが設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水(冷却材)として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料(原子燃料)として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、蒸気タービン17と冷却水配管18を介して連結されており、この蒸気タービン17は高圧タービン19及び低圧タービン20を有すると共に、発電機21が接続されている。また、高圧タービン19と低圧タービン20との間には、湿分分離加熱器22が設けられており、冷却水配管18から分岐した冷却水分岐配管23が湿分分離加熱器22に連結される一方、高圧タービン19と湿分分離加熱器22は低温再熱管24により連結され、湿分分離加熱器22と低圧タービン20は高温再熱管25により連結されている。
更に、蒸気タービン17の低圧タービン20は、復水器26を有しており、この復水器26には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管27及び排水管28が連結されている。この取水管27は、循環水ポンプ29を有し、排水管28と共に他端部が海中に配置されている。そして、この復水器26は、冷却水配管30を介して脱気器31に連結されており、この冷却水配管30に復水ポンプ32及び低圧給水加熱器33が設けられている。また、脱気器31は、冷却水配管34を介して蒸気発生器13に連結されており、この冷却水配管34には給水ポンプ35及び高圧給水加熱器36が設けられている。
従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管18を通して蒸気タービン17(高圧タービン19から低圧タービン20)に送られ、この蒸気により蒸気タービン17を駆動して発電機21により発電を行う。このとき、蒸気発生器13からの蒸気は、高圧タービン19を駆動した後、湿分分離加熱器22で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン20を駆動する。そして、蒸気タービン17を駆動した蒸気は、復水器26で海水を用いて冷却されて復水となり、低圧給水加熱器33で、例えば、低圧タービン20から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器31で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、高圧給水加熱器36で、例えば、高圧タービン19から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器13に戻される。
このように構成された原子力発電プラントに適用される復水器26は、図1乃至図3に示すように、ハウジング41と、入口水室42(42a,42b)及び出口水室43(43a,43b)と、多数の細管44(細管ブロック44a,44b)とから構成されている。
ハウジング41は、箱型で上部が四角錐台の中空形状をなし、上部に低圧タービン20で使用された蒸気が流入する蒸気流入口51が形成される一方、下部には、この蒸気が凝縮して生成された水(復水)を冷却水配管30(図4参照)に排出する図示しない排水口が形成されている。
ハウジング41は、その長手方向(水平方向)の一端部に2つの入口水室42a,42bが水平方向に並んで設けられ、他端部に2つの出口水室43a,43bが水平方向に並んで設けられている。この場合、入口水室42a,42bと出口水室43a,43bは、水平方向に対向した位置に配置されており、各管板52,53によりハウジング41の内部に対して区画され、閉塞した各水室として機能することができる。
多数の細管44は、ハウジング41の内部に配設され、同数の細管44からなる2つの細管ブロック44a,44bとして構成されている。そして、各細管ブロック44a,44bを構成する複数の細管44は、一端部が管板52に貫通するように支持され、他端部が管板53に貫通するように支持されている。そのため、入口水室42a,42bと出口水室43a,43bは、細管ブロック44a,44bの各細管44によりそれぞれ連通している。また、各細管44は、ハウジング41内にて、複数の支持板54を貫通して支持されている。
この場合、低圧タービン20からの蒸気は、ハウジング41内を蒸気流入口51から排水口へと上下に流れ、この蒸気と熱交換(冷却)する冷却水(冷却媒体としての海水)は、入口水室42a,42bから各細管44を通って出口水室43a,43bへ水平に流れることから、蒸気の流れと冷却水の流れは、混合せずに交差するものとなっている。
入口水室42a,42bは、ほぼ同様に形状をなし、断面が半円の中空形状をなし、ハウジング41の端部に管板52を介して固定されている。そして、入口水室42a,42bは、側部に取水管(流入部、流入管)27a,27bの端部が連結され、この取水管27a,27bを通して各入口水室42a,42bに冷却水を流入可能となっている。
この場合、取水管27a,27bは、入口水室42a,42bにおける多数の細管44の連結部、つまり、管板52に対向する位置であって、入口水室42aにおける上下方向の中間部に連結されている。そして、細管44における冷却水の流動方向と、取水管27a,27bから入口水室42a,42bに流入する冷却水の流動方向とが、ほぼ直線状となるように取水管27a,27bの連結角度が設定されている。即ち、取水管27a,27bは、入口水室42a,42bへの連結端部が細管44とほぼ平行となるように配置されている。
一方、出口水室43a,43bは、ほぼ同様に形状をなし、断面が半円の中空形状をなし、ハウジング41の端部に管板53を介して固定されている。そして、出口水室43a,43bは、下部に排水管28a,28bの端部が連結され、この排水管28a,28bを通して各出口水室43a,43bの冷却水を排出可能となっている。
なお、一般に、復水器26は、地盤の上に基礎を構築し、この基礎上に設置されており、従来は、取水管27a,27bが入口水室42a,42bの下部に連結されていたが、本実施例では、正面、つまり、各細管44の連結部に対向する壁面に連結している。そのため、取水管27a,27bの設置のための掘削作業などが不要となり、製造コストが低減される。
従って、低圧タービン20からの蒸気は、蒸気流入口51からハウジング41内に入り、複数の細管44と接触する。一方、冷却水は、取水管27a(27b)から入口水室42a(42b)に流入し、この入口水室42a(42b)から各細管44に流れ込む。そのため、ハウジング41内を上部から下部に流れる蒸気と各細管44内を水平に流れる冷却水との間で熱交換が行われ、蒸気は凝縮して復水となり、排水口から冷却水配管30に排出される。また、蒸気を冷却した冷却水は、各細管44から出口水室43a(43b)に流れ、排水管28a(28b)に排出され、海に放水、または取水管27a(27b)に循環される。
この冷却水の流れにおいて、本実施例では、取水管27a,27bの端部が入口水室42a,42bにおける各細管44の連結部(管板52)に対向する位置に連結されている。そのため、取水管27a(27b)から入口水室42a(42b)に流入した冷却水は、この入口水室42a(42b)内を広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。
また、入口水室42a(42b)や各細管44の内面が貝類などの付着や水垢などで汚れた場合には、洗浄ボールを用いてこの付着物を除去する洗浄作業を行う。即ち、取水管27a(27b)の所定の箇所から多数の洗浄ボールを入れ、入口水室42a(42b)を通して各細管44に導入し、内面の付着物をこの洗浄ボールにより除去する。このとき、上述したように、冷却水は、取水管27a(27b)から入口水室42a(42b)に流入し、この入口水室42a(42b)内を広がるように流れて各細管44に流れ込むため、洗浄ボールも同様に、取水管27a(27b)から入口水室42a(42b)に流入する冷却水の偏流により適正に各細管44に流れ込むこととなる。そのため、洗浄ボールが入口水室42a(42b)の隅部などに滞留することはなく、ほぼ全量が細管44内に流れ込んで適正に洗浄することができる。
このように実施例1の復水器にあっては、中空形状をなして蒸気流入口51と水の排出口を有するハウジング41と、このハウジング41の端部に区画される入口水室42(42a,42b)及び出口水室43(43a,43b)と、ハウジング41の内部で入口水室42と出口水室43を連結して内部に冷却水が流れると共に蒸気の流れと交差するように配置される多数の細管44とを設けて構成し、入口水室42における多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27(27a,27b)を連結している。
従って、冷却水は、取水管27から入口水室42を通って多数の細管44にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。この場合、多数の細管44の付着物を除去するために、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行う場合であっても、この洗浄ボールは、入口水室42に滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
また、実施例1の復水器では、細管44における冷却水の流動方向と入口水室42に連結される取水管27の端部における冷却水の流動方向とがほぼ直線状となるように取水管27の取付角度や取付位置を設定している。この場合、細管44と取水管27の端部とをほぼ平行となるように配置している。従って、取水管27から入口水室42に流入した冷却水は、その流れ方向がほぼ同様な各細管44にスムーズに流れ込むこととなり、各細管44へほぼ均等に洗浄ボールが入り込むこととなり、洗浄効率を向上することができる。
図5は、本発明の実施例2に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の復水器は、図5に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aは、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部、つまり、管板52に対向する位置に連結されている。そして、細管44における冷却水の流動方向に対して、取水管27aから入口水室42aに流入する冷却水の流動方向が、所定角度だけ傾斜して配置されている。
即ち、取水管27aは、冷却水の流動方向の下流側が上方に向かうように傾斜して配置され、先端部が入口水室42aの下部に連結されている。この場合、取水管27aは、先端部を、上述した実施例1と同様に、入口水室42aにおける上下方向の中間部に連結してもよいが、傾斜状態に配置された場合には、下部に連結する方が冷却水の流れがスムーズとなる。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42aから各細管44に流れ込み、ここで蒸気との熱交換が行われる。この冷却水の流れにおいて、本実施例では、取水管27aの端部が入口水室42aにおける各細管44の連結部(管板52)に対向する位置の下部に傾斜して連結されている。そのため、取水管27aから入口水室42aに流入した冷却水は、この入口水室42a内で下部から上部に向かって広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。
また、入口水室42aや各細管44の洗浄時には、取水管27aに投入された多数の洗浄ボールが、冷却水の流れと同様に、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内で下部から上部に向かって広がるように流れて各細管44に流れ込むため、取水管27aから入口水室42aに流入する冷却水の偏流により適正に各細管44に流れ込むこととなる。そのため、洗浄ボールが入口水室42aの隅部などに滞留することはなく、ほぼ全量が細管44内に流れ込んで適正に洗浄することができる。
このように実施例2の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置の下部に冷却水の取水管27aの端部を傾斜状態で連結している。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を上方に広がるように流れて多数の細管44にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
図6は、本発明の実施例3に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の復水器は、図6に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、入口水室42aを水平方向に長くし、取水管27aの端部を入口水室42aにおける多数の細管44の連結部、つまり、管板52に対向する位置に連結している。
即ち、入口水室42aの奥行き、つまり、取水管27aの端部が連結される壁面から管板52までの距離は、取水管27aの径の5倍程度に設定している。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内で広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内で広がるように流れて各細管44に流れ込むため、入口水室42aの隅部などに滞留することはない。
このように実施例3の復水器にあっては、入口水室42aの奥行きを取水管27aの径の5倍程度に設定し、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27aの端部を連結している。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を上方に広がるように流れて多数の細管44にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
図7は、本発明の実施例4に係る復水器における入口水室の正面概略図、図8は、実施例4の復水器における入口水室の平面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の復水器は、図7及び図8に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aは、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に連結されている。そして、取水管27aの端部と入口水室42aとの連結部には、冷却水の流動方向の下流側に向かって通路断面積が拡大する通路拡大部としてのスロープ61が設けられている。
即ち、取水管27aは、冷却水の流動方向の下流側端部がラッパ状をなすスロープ61を介して入口水室42aに連結されている。この場合、取水管27aの先端部にあるスロープ61は、曲線をなす斜面により形成され、全周が広がる形状となっているが、入口水室42aが上下に長い形状をなすことから、取水管27aの先端部は、上側及び下側のみ広がる形状としてもよい。
従って、冷却水は、取水管27aからスロープ61を通して入口水室42aに流入することから、この入口水室42a内を広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内を広がるように流れて各細管44に流れ込むため、入口水室42aの隅部などに滞留することはない。
このように実施例4の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27aの端部を通路断面積が拡大するスロープ61を介して連結している。
従って、冷却水は、取水管27aからスロープ61を通って入口水室42aに流入するため、ここで広がるように流れて多数の細管44にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
図9は、本発明の実施例5に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の復水器は、図9に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aは、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に連結されている。そして、取水管27aの端部と入口水室42aとの連結部には、冷却水の流動方向の下流側に向かって通路断面積が拡大する通路拡大部としてのテーパ部62が設けられている。
即ち、取水管27aは、冷却水の流動方向の下流側端部がラッパ状に傾斜するテーパ部62を介して入口水室42aに連結されている。この場合、取水管27aの先端部にあるテーパ部62は、直線をなす斜面により形成され、先端部が入口水室42aの角部に一致している。なお、このテーパ部62は、全周が広がる形状となっているが、入口水室42aが上下に長い形状をなすことから、上側及び下側のみ広がる形状としてもよい。
従って、冷却水は、取水管27aからテーパ部62を通して入口水室42aに流入することから、この入口水室42a内を広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内を広がるように流れて各細管44に流れ込むため、入口水室42aの隅部などに滞留することはない。
このように実施例5の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27aの端部を通路断面積が拡大するテーパ部62を介して連結している。
従って、冷却水は、取水管27aからテーパ部62を通って入口水室42aに流入するため、ここで広がるように流れて多数の細管44にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
また、実施例5の復水器では、取水管27aの先端部にあるテーパ部62は、直線をなす斜面により形成され、先端部が入口水室42aの角部に一致、つまり、テーパ部62が入口水室42aの広さまで拡大している。従って、入口水室42a内で冷却水や洗浄ボールにおける流れの死角をなくし、この冷却水や洗浄ボールを各細管44にスムーズに流すことができる。
なお、上述した実施例4、5にて、スロープ61やテーパ部62の広がり形状や入口水室42aへの連結位置は、各実施例に限定されるものではなく、適宜設定すればよく、例えば、スロープ61を逆に湾曲させたりしてもよい。
図10は、本発明の実施例6に係る復水器における入口水室の正面概略図、図11は、実施例6の復水器における入口水室の平面概略図、図12は、実施例6の変形例における復水器の入口水室の平面概略図、図13は、実施例6の別の変形例における復水器の入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の復水器は、図10及び図11に示すように、ハウジング41と、入口水室71及び出口水室(図示略)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aは、入口水室71における多数の細管44の連結部に対向する壁面に連結され入口水室71との連結部に多数の貫通孔72が設けられている。
即ち、取水管27aは、先端部が下方から上方に延設され、先端(上端)から所定長さの領域で、入口水室71側に対向する半円部がこの入口水室71に形成された開口部に嵌合している。そして、取水管27aは、入口水室71内に配設される半円部に多数の貫通孔72が形成されている。即ち、取水管27aは、多数の貫通孔72を通して入口水室71に連通している。
従って、冷却水は、取水管27a内を上昇し、多数の貫通孔72によりほぼ直角に曲がるように流れてこの各貫通孔72を通って入口水室71に流入し、この入口水室71から各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから各貫通孔72を通って入口水室71に流入し、この入口水室71内を流れて各細管44に流れ込むため、入口水室71の隅部などに滞留することはない。
なお、取水管27aと入口水室71との連結方法は、この実施例に限定されるものではない。
例えば、実施例6の変形例の復水器は、図12に示すように、ハウジング41と、入口水室73及び出口水室(図示略)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aの先端部が入口水室73の下部から内部に嵌入され、この取水管27aの先端部における多数の細管44の連結部に対向する位置に多数の貫通孔74が設けられている。
即ち、取水管27aは、先端部が下方から上方に延設され、先端(上端)から所定長さの領域で、入口水室73内に下部から嵌入している。そして、取水管27aは、入口水室73内に配設される領域にて、管板52に対向する半円部に多数の貫通孔74が形成されている。即ち、取水管27aは、多数の貫通孔74を通して入口水室73に連通している。
従って、冷却水は、取水管27a内を上昇し、多数の貫通孔74によりほぼ直角に曲がるように流れてこの各貫通孔74を通って入口水室73に流入し、この入口水室73から各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから各貫通孔74を通って入口水室73に流入し、この入口水室73内を流れて各細管44に流れ込むため、入口水室73の隅部などに滞留することはない。
また、実施例6の他の変形例の復水器は、図13に示すように、ハウジング41と、入口水室75及び出口水室(図示略)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aは、入口水室75における多数の細管44の連結部に対向する壁面に連結され、入口水室75との連結部に多数の貫通孔76が設けられている。
即ち、取水管27aは、先端部が下方から上方に延設され、先端(上端)から所定長さの領域で、入口水室75側に対向する面側に開口部が形成され、この開口部がこの入口水室75に閉塞されるように連結されている。そして、入口水室75における取水管27aが連結された領域に多数の貫通孔76が形成されている。即ち、取水管27aは、多数の貫通孔76を通して入口水室75に連通している。
従って、冷却水は、取水管27a内を上昇し、多数の貫通孔76によりほぼ直角に曲がるように流れてこの各貫通孔76を通って入口水室75に流入し、この入口水室75から各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから各貫通孔76を通って入口水室75に流入し、この入口水室75内を流れて各細管44に流れ込むため、入口水室75の隅部などに滞留することはない。
なお、上述した実施例6にて、入口水室71,73,75に対する取水管27aの先端部の連結方法は、上記したものに限定されるものではなく、取水管27aと入口水室71,73,75との間に各細管44に向かう冷却水の流れが形成されるような貫通孔72,74,76が形成されていれば、どのような連結方法であってもよい。
このように実施例6の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室71,73,75を区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室71,73,75に連通するように連結し、入口水室71,73,75における多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27aの端部を連結し、取水管27aの端部と入口水室71,73,75との間に多数の貫通孔72,74,76を形成している。
従って、冷却水は、取水管27aから各貫通孔72,74,76を通って入口水室71,73,75に流入し、この入口水室71,73,75から多数の細管44にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室71,73,75に滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
また、実施例6の復水器では、取水管27aを上下方向に沿って配設し、上端部を入口水室71,73,75に連結しており、入口水室71,73,75の側方への突出を防止して装置の小型化を可能とする一方で、蒸気との冷却効率の向上や細管44の洗浄作業の効率化、洗浄ボールの回収効率の向上を可能とすることができる。
図14は、本発明の実施例7に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例7の復水器は、図14に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aの端部を入口水室42aにおける多数の細管44の連結部、つまり、管板52に対向する位置に連結している。
そして、取水管27a及び入口水室42aは、内部に冷却水を複数の細管44に導くガイド板81,82が設けられている。この場合、複数の細管44からなる細管ブロック44aは、更に、所定数の細管44からなり、上下に分割された複数(本実施例では3つ)の細管ブロックA1,A2,A3からなる。ガイド板81,82は、入口水室42a内に流入した冷却水の流量が各細管ブロックA1,A2,A3にほぼ均等に分流されるように配置されている。
即ち、上部のガイド板81は、基端部が取水管27aの端部であって、管径の上方1/3に位置し、先端部が入口水室42aにおける管板52の近傍であって、細管ブロックA1,A2の間に位置し、全体として上下方向に湾曲した形状となっている。一方、下部のガイド板82は、基端部が取水管27aの端部であって、管径の下方1/3に位置し、先端部が入口水室42aにおける管板52の近傍であって、細管ブロックA2,A3の間に位置し、全体として上下方向に湾曲した形状となっている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内で広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。このとき、取水管27a内の冷却水は、各ガイド板81,82によりほぼ3等分されて入口水室42aに流入し、3つの細管ブロックA1,A2,A3の各細管44に均等に流れ込む。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、ガイド板81,82により3つの細管ブロックA1,A2,A3の各細管44に均等に流れ込み、入口水室42aに滞留することはない。
このように実施例7の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27aの端部を連結し、取水管27aと入口水室42aに冷却水を複数の細管44に導くガイド板81,82を設けている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を流入するとき、各ガイド板81,82によりほぼ均等に分割されることとなり、3つの細管ブロックA1,A2,A3における各細管44に対してスムーズに、且つ、均等に流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに、且つ、均等に流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
また、実施例7の復水器では、細管ブロック44aを、所定数の細管44からなり、上下に分割された3つの細管ブロックA1,A2,A3として、ガイド板81,82を、入口水室42a内に流入した冷却水の流量が各細管ブロックA1,A2,A3にほぼ均等に分流されるように配置している。従って、各細管ブロックA1,A2,A3に対して均等に冷却水を供給することで、各細管44に対してほぼ同じ流量の冷却水を供給することができ、冷却効率の向上を可能とすることができる。
なお、この実施例7にて、取水管27a及び入口水室42a内に2つのガイド板81,82を設けたが、入口水室42aだけに設けてもよく、その数も2つに限定されず、3つ以上設けてもよい。
図15は、本発明の実施例8に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例8の復水器は、図15に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aの端部を入口水室42aにおける多数の細管44の連結部、つまり、管板52に対向する位置に連結している。
そして、入口水室42aは、内部に支持軸83,84によりガイド板85,86が回動自在に支持され、駆動装置87によりガイド面の角度を調整可能としている。この場合、ガイド板85,86は、上面及び下面がガイド面となる。また、駆動装置87は、支持軸83,84を介してガイド板85,86を回動可能であるが、同期駆動可能としても、単独駆動可能としてもよい。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42a内で広がるように流れ、この流れと略平行な各細管44にスムーズに流れ込むこととなる。このとき、取水管27a内の冷却水は、各ガイド板85,86によりほぼ3等分されて入口水室42aに流入し、3つの細管ブロックA1,A2,A3の各細管44に均等に流れ込む。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、ガイド板85,86により3つの細管ブロックA1,A2,A3の各細管44に均等に流れ込み、入口水室42aに滞留することはない。
また、冷却水の流動形態、例えば、冷却水に洗浄ボールが混入していないときと冷却水に洗浄ボールが混入したとき、または、冷却水の流量や流速、偏流などに応じて、駆動装置87によりガイド板85,86を回動し、冷却水のガイド面の角度を調整する。そのため、入口水室42a内で冷却水の最適な流れを生成することができる。
このように実施例8の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aにおける多数の細管44の連結部に対向する位置に冷却水の取水管27aの端部を連結し、入口水室42aに冷却水を複数の細管44に導くガイド板85,86を設け、このガイド板85,86における冷却水のガイド面の角度を駆動装置87により調整可能としている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を流入するとき、各ガイド板85,86によりほぼ均等に分割されることとなり、3つの細管ブロックA1,A2,A3における各細管44に対してスムーズに、且つ、均等に流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに、且つ、均等に流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
また、実施例8の復水器では、冷却水の流動形態に応じて、駆動装置87によりガイド板85,86を回動して冷却水のガイド面の角度を調整可能としている。従って、入口水室42a内で冷却水の最適な流れを生成することができる。
図16は、本発明の実施例9に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例9の復水器は、図16に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aの端部を入口水室42aにおける下部に連結している。そして、取水管27a及び入口水室42aは、内部に冷却水を複数の細管44に導くガイド板91が設けられている。このガイド板91は、基端部が取水管27aの端部であって、管径の中央に位置し、先端部が入口水室42aにおける管板52の近傍であって、上下方向における中間部に位置し、全体として左右方向に湾曲した形状となっている。
従って、冷却水は、ガイド板91に案内され、且つ、2分割されて取水管27aから入口水室42aに流入し、この入口水室42aの上方と下方にほぼ同量の冷却水が供給され、各細管44にスムーズにほぼ均等に流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、ガイド板91により上下にほぼ2分割され、各細管44に均等に流れ込むこととなり、入口水室42aに滞留することはない。
このように実施例9の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aの下部に冷却水の取水管27aの端部を連結し、取水管27aと入口水室42aに冷却水を複数の細管44に導くガイド板91を設けている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を流入するとき、ガイド板91によりほぼ均等に分割されることとなり、細管ブロック44aにおける各細管44に対してスムーズに、且つ、均等に流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに、且つ、均等に流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
図17は、本発明の実施例10に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例10の復水器は、図17に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aの端部を入口水室42aにおける下部に連結している。そして、入口水室42aは、内部に冷却水を複数の細管44に導くガイド板92a,92b,92c,92dが設けられている。このガイド板92a,92b,92c,92dは、入口水室42aにおける各細管44の連結部に対向する壁面から水平に延出され、上方側のガイド板92aが最も長く、下方側のガイド板92dが最も短くなっている。この場合、各ガイド板92a,92b,92c,92dの先端位置は、入口水室42aにおける上端の管板52の連結位置と、取水管27aの端部における入口水室42aの端面側の位置とを結ぶ直線L上に位置している。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42aに流入し、この、入口水室42aでガイド板92a,92b,92c,92dにより案内され、各細管44にスムーズにほぼ均等に流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、ガイド板92a,92b,92c,92dにより案内されて各細管44に均等に流れ込むこととなり、入口水室42aに滞留することはない。この場合、冷却水は、ガイド板92a,92b,92c,92dの取付領域には流れにくいことから、この領域への洗浄ボールの流れ込みはほとんどない。
このように実施例10の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aの下部に冷却水の取水管27aの端部を連結し、入口水室42aに冷却水を複数の細管44に導くガイド板92a,92b,92c,92dを設けている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を流入するとき、ガイド板92a,92b,92c,92dにより案内されることとなり、細管ブロック44aにおける各細管44に対してスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
図18は、本発明の実施例11に係る復水器における入口水室の正面概略図、図19は、実施例11の変形例における復水器の入口水室の正面概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例11の復水器は、図18に示すように、ハウジング41と、入口水室42a及び出口水室43a(図1参照)と、多数の細管44(細管ブロック44a)とから構成され、取水管27aの端部を入口水室42aにおける下部に連結している。そして、入口水室42aは、内部に冷却水を複数の細管44に導くガイド板92a,92b,92c,92dが設けられている。そして、このガイド板92a,92b,92c,92dは、入口水室42aに設けられた駆動装置93a,93bにより水平方向に移動可能に設けられている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42aに流入し、この、入口水室42aでガイド板92a,92b,92c,92dにより案内され、各細管44にスムーズにほぼ均等に流れ込むこととなる。また、多数の洗浄ボールも、取水管27aから入口水室42aに流入し、ガイド板92a,92b,92c,92dにより案内されて各細管44に均等に流れ込むこととなり、入口水室42aに滞留することはない。この場合、冷却水は、ガイド板92a,92b,92c,92dの取付領域には流れにくいことから、この領域への洗浄ボールの流れ込みはほとんどない。
また、冷却水の流動形態、例えば、冷却水に洗浄ボールが混入していないときと冷却水に洗浄ボールが混入したとき、または、冷却水の流量や流速、偏流などに応じて、駆動装置93a,93bによりガイド板92a,92b,92c,92dを移動し、入口水室42aへの突出量を調整する。そのため、ガイド板92a,92b,92c,92dを、洗浄ボールが混入した冷却水が流れるときに突出する使用位置と、冷却水だけが流れるときに退避させる退避位置とに移動し、入口水室42a内で冷却水の最適な流れを生成することができる。
なお、ガイド板92a,92b,92c,92dの移動形態は、上記構成に限るものではない。例えば、図19に示すように、ガイド板92a,92b,92c,92dを、入口水室42aに設けられた駆動装置94a,94bにより上下方向に回動可能に設けてもよい。
このように実施例11の復水器にあっては、ハウジング41の端部に入口水室42aを区画し、複数の細管44の一端部をこの入口水室42aに連通するように連結し、入口水室42aの下部に冷却水の取水管27aの端部を連結し、入口水室42aに冷却水を複数の細管44に導くガイド板92a,92b,92c,92dを設け、駆動装置93a,93bにより移動可能、または、駆動装置94a,94bにより回動可能に設けられている。
従って、冷却水は、取水管27aから入口水室42a内を流入するとき、ガイド板92a,92b,92c,92dにより案内されることとなり、細管ブロック44aにおける各細管44に対してスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、細管44の洗浄作業時に、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行うとき、この洗浄ボールは、入口水室42aに滞留せずに各細管44にスムーズに流れ込むことで、細管44の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
また、実施例11の復水器では、冷却水の流動形態に応じて、駆動装置93a,93bによりガイド板92a,92b,92c,92dを移動、または、駆動装置94a,94bによりガイド板92a,92b,92c,92dを回動し、使用位置と退避位置に移動可能としている。従って、入口水室42a内で冷却水の最適な流れを生成することができ、また、ガイド板92a,92b,92c,92dが退避位置にあるときには,冷却水の圧力損失を低減することができる。
図20は、本発明の実施例12に係る復水器を表す全体構成図、図21は、実施例12の復水器における入口水室の正面概略図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例12にて、図20及び図21に示すように、復水器100は、ハウジング101と、入口水室102(102a,102b),103(103a,103b)及び出口水室104(104a,104b),105(105a,105b)と、多数の細管106(細管ブロック106a,106b),107(細管ブロック107a,107b)とから構成されている。ここで、細管ブロック107bは、図示を省略している。
ハウジング101は、蒸気の流れ方向(本実施例では、上下方向)に2分割されており、上部ハウジング101aと下部ハウジング101bが溶接により接合されて構成されている。ハウジング101は、その長手方向(水平方向)の一端部に4つの入口水室102a,102b,103a,103bが鉛直方向及び水平方向に並んで設けられ、他端部に2つの出口水室104a,104b,105a,105bが同様に並んで設けられている。
多数の細管106,107は、ハウジング101の内部に配設され、同数の細管106,107からなる4つの細管ブロック106a,106b,107a,107bとして構成されている。そして、各細管ブロック106a,106b,107a,107bを構成する複数の細管106,107は、一端部が管板108a,108b,109a,109bに貫通するように支持されている。そのため、入口水室102a,102b,103a,103bと出口水室104a,104b,105a,105bは、細管ブロック106a,106b,107a,107bの各細管106,107によりそれぞれ連通している。また、各細管106,107は、ハウジング101内にて、複数の支持板110を貫通して支持されている。
この場合、多数の細管106,107は、蒸気の流れ方向に分割される複数の細管ブロック106a,106b,107a,107bを構成し、入口水室102a,102b,103a,103bは、複数の細管ブロック106a,106b,107a,107bに対応して複数設けられることとなる。
入口水室102a,102b,103a,103bは、ほぼ同様に形状をなし、半球の中空形状をなし、ハウジング101の端部に管板108a,108b,109a,109bを介して固定されている。そして、一方の入口水室102a,103aと他方の入口水室102b,103bは、細管ブロック106a,106b,107a,107bの連結部に対向する位置にチャンバ111,112が連結され、このチャンバ111,112は、下部に取水管113,114が連結され、この取水管113,114を通して各入口水室102a,102b,103a,103bに冷却水を流入可能となっている。
この場合、チャンバ111,112から入口水室102a,102b,103a,103bへの冷却水の流入口(流入部)111a,111b,112a,112bは、入口水室102a,102b,103a,103bにおける多数の細管106,107の連結部、つまり、管板108a,108b,109a,109bに対向する位置である。そして、細管106,107における冷却水の流動方向と、流入口111a,111b,112a,112bから入口水室102a,102b,103a,103bに流入する冷却水の流動方向とが、ほぼ直線状となっている。また、チャンバ111,112は、冷却水の流れが多数の細管106,107を流れる冷却水の流れと交差するように取水管113,114が配置されている。
一方、出口水室104a,104b,105a,105bは、ほぼ同様に形状をなし、半球の中空形状をなし、ハウジング101の端部に固定されている。そして、一方の出口水室104a,105aと他方の出口水室104b,105bは、細管ブロック106a,106b,107a,107bの連結部に対向する位置にチャンバ115,116が連結され、このチャンバ115,116は、下部に排水管117,118が連結され、この取水管117,118を通して各出口水室104a,104b,105a,105bの冷却水を排出可能となっている。
従って、蒸気は、蒸気流入口からハウジング101内に入り、複数の細管106,107と接触する。一方、冷却水は、取水管113,114からチャンバ111,112の下部に流入し、このチャンバ111,112から入口水室102a,102b,103a,103bに流れ込む。そして、この入口水室102a,102b,103a,103bに流れ込んだ冷却水は、各細管ブロック106a,106b,107a,107bの細管106,107に流れ込む。そのため、ハウジング101内を上部から下部に流れる蒸気と各細管106,107内を水平に流れる冷却水との間で熱交換が行われ、蒸気は凝縮して復水となり、排水口から排出される。また、蒸気を冷却した冷却水は、各細管106,107から出口水室104a,104b,105a,105bを通してチャンバ115,116に流れ、排水管117,118から排出される。
この冷却水の流れにおいて、本実施例では、取水管113,114がチャンバ111,112を介して入口水室102a,102b,103a,103bに連結されることで、チャンバ111,112から入口水室102a,102b,103a,103bを介して各細管106,107へ流れる冷却水の流れが直線状となっている。そのため、取水管113,114からチャンバ111,112に流入した冷却水は、動圧が低下して静圧が上昇してから入口水室102a,102b,103a,103bに流入し、この入口水室102a,102b,103a,103b内を広がるように流れ、この流れと略平行な各細管106,107にスムーズに流れ込むこととなる。
また、入口水室102a,102b,103a,103bや各細管106,107の内面が貝類などの付着や水垢などで汚れた場合には、洗浄ボールを用いてこの付着物を除去する洗浄作業を行う。即ち、117,118の所定の箇所から多数の洗浄ボールを入れ、チャンバ111,112から入口水室102a,102b,103a,103bを介して各細管106,107に導入し、内面の付着物をこの洗浄ボールにより除去する。このとき、上述したように、冷却水は、チャンバ111,112で動圧が低下してから入口水室102a,102b,103a,103bに流入され、各細管106,107に流れ込むため、洗浄ボールも同様に、チャンバ111,112から入口水室102a,102b,103a,103に流入される冷却水の偏流により適正に各細管106,107に流れ込むこととなる。そのため、洗浄ボールがチャンバ111,112や入口水室102a,102b,103a,103bの隅部などに滞留することはなく、ほぼ全量が細管106,107内にほぼ均等に流れ込んで適正に洗浄することができる。
このように実施例12の復水器にあっては、ハウジング101の端部に入口水室102a,102b,103a,103を区画し、複数の細管106,107の一端部をこの入口水室102a,102b,103a,103bに連通するように連結し、入口水室102a,102b,103a,103bにおける多数の細管106,107の連結部に対向する位置にチャンバ111,112を連結し、このチャンバ111,112の下部に冷却水の取水管113,114の端部を連結している。
従って、冷却水は、取水管113,114からチャンバ111,112に入り、このチャンバ111,112で動圧が低下した後、流入口111a,111b,112a,112bから入口水室102a,102b,103a,103bに入り、ここでの圧力損失が減少することから、多数の細管106,107にスムーズに流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。この場合、多数の細管106,107の付着物を除去するために、冷却水に洗浄ボールを混入して洗浄作業を行う場合であっても、この洗浄ボールは、チャンバ111,112や入口水室102a,102b,103a,103bに滞留せずに各細管106,107にスムーズで、且つ、均等に流れ込むことで、細管106,107の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
この場合、多数の細管106,107を、蒸気の流れ方向に分割される複数の細管ブロック106a,106b,107a,107bにより構成し、入口水室102a,102b,103a,103bを複数の細管ブロック106a,106b,107a,107bに対応して複数設けている。従って、冷却水は、チャンバ111,112の流入口111a,111b,112a,112bから複数の入口水室102a,102b,103a,103bに流れ、この入口水室102a,102b,103a,103bから各細管ブロック106a,106b,107a,107bの細管106,107にスムーズに流れ込むこととなり、冷却効率の向上を可能とすることができる。
また、複数の入口水室102a,102b,103a,103bにおける細管ブロック106a,106b,107a,107bの連結部に対向する位置にチャンバ111,112を連結し、チャンバ111,112に入口水室102a,102b,103a,103bへの流入口111a,111b,112a,112bを設けている。従って、冷却水は、一旦チャンバに流入し、このチャンバ111,112で動圧が低下した後、流入口111a,111b,112a,112bから入口水室102a,102b,103a,103bに流れ込むことで圧力損失が低減され、冷却水を各細管106,107にスムーズに流し込むことができる。
また、実施例12の復水器では、ハウジング101を分割される細管ブロック106a,106b,107a,107bの分割数に対応して複数に分割している。この場合、細管ブロック106a,106b,107a,107bを上下に2分割することで、ハウジング101も上下に2分割している。従って、分割された各ハウジング101a,101bの小型化が可能となり、搬送を容易に行うことが可能となる。
図22は、本発明の実施例13に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例13の復水器は、図22に示すように、ハウジング101と、入口水室102a,103a及び出口水室104a,105a(図20参照)と、多数の細管106(細管ブロック106a,107a)とから構成されている。そして、入口水室102a,103aは、半球の中空形状をなし、ハウジング101の端部に管板108a,109aを介して固定されており、上下の入口水室102a,103aは、細管ブロック106a,107aの連結部に対向する位置にチャンバ111が連結され、このチャンバ111は、下部に取水管113が連結されている。即ち、チャンバ111は、流入口111a,111bを介して入口水室102a,103aが連結されている。
また、チャンバ111は、内部に取水管113からチャンバ111に流れ込んだ冷却水を複数の入口水室102a,103aに導くガイド121,122を設けている。ガイド121は、取水管113から入口水室103aの流入口111bに流れる冷却水経路の内側に固定されており、取水管113の出口部と入口水室103aの流入口111bとを滑らかに連続させるような湾曲形状をなしている。また、ガイド122は、取水管113から入口水室102aの流入口111aに流れる冷却水経路の内側に固定されており、取水管113からチャンバ111内に導入された冷却水と入口水室102aの流入口111aとを滑らかに連続させるような湾曲形状をなしている。
従って、冷却水は、取水管113からチャンバ111の下部に流入し、このチャンバ111から各入口水室102a,103aに流れ込み、各入口水室102a,103aから各細管ブロック106a,107aの細管106,107に流れ込む。このとき、取水管113内の冷却水は、各ガイド板121,122にガイドされながら流入口111a,111bを介して入口水室102a,103aに流れ込む。そのため、チャンバ111に流入した冷却水は、動圧が低下し、且つ、ガイド121,122により整流されてから入口水室102a,103aに流入することとなり、ここでの圧力損失が低下し、各細管106,107にスムーズに流れ込む。また、多数の洗浄ボールも、チャンバ111から入口水室102a,103aに流入される冷却水の偏流により適正に各細管106,107に流れ込むこととなり、チャンバ111,112や入口水室102a,102b,103a,103bに滞留することはなく、細管106,107内にほぼ均等に流れ込んで適正に洗浄することができる。
このように実施例13の復水器にあっては、ハウジング101の端部に入口水室102a,103aを区画し、複数の細管106,107の一端部をこの入口水室102a,103aに連通するように連結し、入口水室102a,103aにおける多数の細管106,107の連結部に対向する位置に冷却水が胴に有されるチャンバ111を連結し、このチャンバ111に流れ込んだ冷却水を各入口水室102a,103aに導くガイド121,122を設けている。
従って、冷却水は、取水管113からチャンバ111に入り、このチャンバ111で動圧が低下した後、ガイド121,122にガイドされて流入口111a,112aから入口水室102a,103aに入り、ここでの圧力損失が減少することから、多数の細管106,107に安定して流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、洗浄ボールは、チャンバ111や入口水室102a,103aに滞留せずに各細管106,107にスムーズで、且つ、均等に流れ込むことで、細管106,107の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
図23は、本発明の実施例14に係る復水器における入口水室の正面概略図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例14の復水器は、図23に示すように、ハウジング101と、入口水室102a,103a及び出口水室104a,105a(図20参照)と、多数の細管106(細管ブロック106a,107a)とから構成されている。そして、入口水室102a,103aは、半球の中空形状をなし、ハウジング101の端部に管板108a,109aを介して固定されており、上下の入口水室102a,103aは、細管ブロック106a,107aの連結部に対向する位置にチャンバ111が連結され、このチャンバ111は、下部に取水管113が連結されている。即ち、チャンバ111は、流入口111a,111bを介して入口水室102a,103aが連結されている。
また、チャンバ111は、内部に取水管113からチャンバ111に流れ込んだ冷却水を複数の入口水室102a,103aに導くフローガイド131,132を設けている。フローガイド131は、取水管113から入口水室103aの流入口111bに流れる冷却水経路に沿って固定されており、この冷却水経路に沿った湾曲形状をなしている。また、フローガイド132は、取水管113から入口水室102aの流入口111aに流れる冷却水経路に沿って固定されており、この冷却水経路に沿った湾曲形状をなしている。
従って、冷却水は、取水管113からチャンバ111の下部に流入し、このチャンバ111から各入口水室102a,103aに流れ込み、各入口水室102a,103aから各細管ブロック106a,107aの細管106,107に流れ込む。このとき、取水管113内の冷却水は、各ガイド板121,122にガイドされながら流入口111a,111bを介して入口水室102a,103aに流れ込む。そのため、チャンバ111に流入した冷却水は、動圧が低下し、且つ、フローガイド131,132により整流されてから入口水室102a,103aに流入することとなり、ここでの圧力損失が低下し、各細管106,107にスムーズに流れ込む。また、多数の洗浄ボールも、チャンバ111から入口水室102a,103aに流入される冷却水の偏流により適正に各細管106,107に流れ込むこととなり、チャンバ111,112や入口水室102a,102b,103a,103bに滞留することはなく、細管106,107内にほぼ均等に流れ込んで適正に洗浄することができる。
このように実施例14の復水器にあっては、ハウジング101の端部に入口水室102a,103aを区画し、複数の細管106,107の一端部をこの入口水室102a,103aに連通するように連結し、入口水室102a,103aにおける多数の細管106,107の連結部に対向する位置に冷却水が胴に有されるチャンバ111を連結し、このチャンバ111に流れ込んだ冷却水を各入口水室102a,103aに導くフローガイド131,132を設けている。
従って、冷却水は、取水管113からチャンバ111に入り、このチャンバ111で動圧が低下した後、フローガイド131,132にガイドされて流入口111a,112aから入口水室102a,103aに入り、ここでの圧力損失が減少することから、多数の細管106,107に安定して流れ込むこととなり、蒸気との冷却効率の向上を可能とすることができる。また、洗浄ボールは、チャンバ111や入口水室102a,103aに滞留せずに各細管106,107にスムーズで、且つ、均等に流れ込むことで、細管106,107の洗浄作業を適正に行うことができ、また、この洗浄ボールの回収効率を向上することができる。
なお、上述した各実施例では、本発明の復水器を、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に適用して説明したが、沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)に適用することもできる。また、原子力プラントに拘らず、火力プラントなど別の発電プラントであってもよい。
本発明に係る復水器は、入口水室における多数の細管の連結部に対向する位置に冷却媒体の流入部を設けることで、入口水室から複数の細管への冷却媒体の流れをスムーズにして冷却効率の向上を可能とするものであり、いずれの発電プラントにも適用することができる。
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
17 蒸気タービン
19 高圧タービン
20 低圧タービン
21 発電機
26,100 復水器
27,27a,27b 取水管(流入部、流入管)
28,28a,28b 排水管
30 冷却水排管
41,101 ハウジング
42,42a,42b,71,73,75,102,102a,102b,103,103a,103b 入口水室
43,43a,43b,104,104a,104b,105,105a,105b 出口水室
44,106,107 細管
44a,44b,106a,106b,107a,107b 細管ブロック
52,53,108a,108b,109a,109b 管板
61 スロープ(通路拡大部)
62 テーパ部(通路拡大部)
72,74,76 貫通孔
81,82,85,86,91,92a,92b,92c,92d ガイド板
87,93a,93b,94a,94b 駆動装置
111,112,115,116 チャンバ
111a,11b,112a,112b 流入口(流入部)
113,114 取水管(取水部)
121,122 ガイド
131,132 フローガイド
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
17 蒸気タービン
19 高圧タービン
20 低圧タービン
21 発電機
26,100 復水器
27,27a,27b 取水管(流入部、流入管)
28,28a,28b 排水管
30 冷却水排管
41,101 ハウジング
42,42a,42b,71,73,75,102,102a,102b,103,103a,103b 入口水室
43,43a,43b,104,104a,104b,105,105a,105b 出口水室
44,106,107 細管
44a,44b,106a,106b,107a,107b 細管ブロック
52,53,108a,108b,109a,109b 管板
61 スロープ(通路拡大部)
62 テーパ部(通路拡大部)
72,74,76 貫通孔
81,82,85,86,91,92a,92b,92c,92d ガイド板
87,93a,93b,94a,94b 駆動装置
111,112,115,116 チャンバ
111a,11b,112a,112b 流入口(流入部)
113,114 取水管(取水部)
121,122 ガイド
131,132 フローガイド
Claims (14)
- 中空形状をなして蒸気の流入口と水の排出口を有するハウジングと、
該ハウジングの端部に区画される入口水室及び出口水室と、
前記ハウジングの内部で前記入口水室と前記出口水室を連結して内部に冷却媒体が流れると共に蒸気の流れと交差するように配置される多数の細管と、を備え、
前記入口水室における前記多数の細管の連結部に対向する位置に冷却媒体の流入部が設けられる、
ことを特徴とする復水器。 - 前記細管における冷却媒体の流動方向と前記流入部における冷却媒体の流動方向とがほぼ直線状となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の復水器。
- 前記細管と前記流入部とがほぼ平行となるように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の復水器。
- 前記細管に対して前記流入部が所定角度だけ傾斜して配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の復水器。
- 前記流入部は、前記入口水室に連結される流入管を有し、前記入口水室と前記流入管との連結部に、冷却媒体の流動方向の下流側に向かって通路断面積が拡大する通路拡大部が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の復水器。
- 前記流入部は、前記入口水室に連結される流入管を有し、該流入管が前記入口水室における前記多数の細管の連結部に対向する壁面に連結され、前記流入管と前記入口水室の連結部に多数の貫通孔が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の復水器。
- 前記流入部は、前記入口水室に連結される流入管を有し、該流入管の先端部が前記入口水室内に嵌入され、該流入管の先端部における前記多数の細管の連結部に対向する位置に多数の貫通孔が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の復水器。
- 前記入口水室内に前記流入部から流入した冷却媒体を前記複数の細管に導くガイド板が設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の復水器。
- 前記複数の細管は、所定数の細管からなる複数の細管ブロックをなし、前記ガイド板は、前記入口水室内に前記流入部から流入した冷却媒体の流量が前記各細管ブロックにほぼ均等に分流されるように配置されることを特徴とする請求項8に記載の復水器。
- 前記ガイド板は、冷却媒体のガイド面の角度が調整可能に設けられることを特徴とする請求項8または9に記載の復水器。
- 前記多数の細管は、蒸気の流れ方向に分割される複数の細管ブロックを構成し、前記入口水室は、該複数の細管ブロックに対応して複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の復水器。
- 前記複数の入口水室における前記細管ブロックの連結部に対向する位置にチャンバが連結され、該チャンバに冷却媒体が導入されることを特徴とする請求項11に記載の復水器。
- 前記チャンバは、冷却媒体の流れが前記多数の細管を流れる冷却媒体の流れと交差するように取水部が設けられ、該取水部から前記チャンバに流れ込んだ冷却媒体を前記複数の入口水室に導くガイドが設けられることを特徴とする請求項12に記載の復水器。
- 前記ハウジングは、分割される細管ブロックの分割数に対応して複数に分割されることを特徴とする請求項11から13のいずれか一つに記載の復水器。
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- 2010-12-18 JP JP2010282473A patent/JP2011145057A/ja active Pending
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