JP3833411B2 - 循環水冷却システムおよびこの循環水冷却システムを備えた発電設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンを用いる発電設備に係り、特に蒸気タービンで使用した蒸気を凝縮させる復水器の冷熱源として給排される循環水の冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
発電設備に設けられた復水器を含む循環水冷却システムは、海や河川・湖沼等からの冷却水を発電設備内の復水器に取入れ、復水器にて蒸気タービンからの蒸気と熱交換したのち、発電設備外に放出する系統を備えている。
【0003】
図4は、このような従来の循環水冷却システムの系統図を示している。蒸気タービン1にて作動流体としての仕事を終えた蒸気は、復水器2に導かれ、復水器2の内部に所定数設けられた復水器チューブ3の表面と接触し熱交換することにより凝縮する。ここで凝縮した復水(蒸気タービン1からの蒸気)は図示しない系統により、発電設備の加熱源であるボイラ等に導かれて気化し、再び蒸気タービン1に流入する。
【0004】
一方、復水器チューブ3には先に述べた冷却水を導くことにより、復水器チューブ3の雰囲気である蒸気タービン1からの蒸気を凝縮させる。すなわち、海や河川・湖沼等から得られる冷却水は取水口4から発電設備に取入れられ、循環水ポンプ5にて昇圧されたのち復水器2の内部に設けられた復水器チューブ3に流入し、ここで外表面と接する蒸気タービン1からの蒸気と熱交換することになる。復水器チューブ3で熱交換を行って温度を上昇させた冷却水は、後述するボール洗浄装置6のボール回収ストレーナ7や冷却塔8を経て、放水口9から発電設備外へ放水される。
【0005】
ボール洗浄装置6は、復水器2の系統上流側から復水器チューブ3の管径に見合う大きさの多数のスポンジボールを復水器2に冷却水とともに流し、復水器2の系統下流側に設けたボール回収ストレーナ7からスポンジボールを回収、循環させることにより復水器チューブ3の内面に付着あるいは停滞したスライム・異物を除去するためのものである。これら異物等を除去することにより、復水器2の伝熱特性の維持や復水器チューブ3内面の腐食の防止が可能となる。
【0006】
冷却塔8は、復水器2と放水口9との間に設けられ、復水器2にて熱交換することにより昇温された冷却水を発電設備外に放水するまでにその昇温の程度を減じさせるために設けられるものであり、ヘルパー冷却塔とも称する。復水器2にて熱交換し昇温した冷却水は、冷却塔8に導かれ、ここで大気と直接に接触することにより減温され、放水口9を経て発電設備外へ放水される。これにより、冷却塔8を設けない発電設備と比べて放水口9から放出する発電設備からの熱量を抑制できるため、発電設備の発電容量を低下させることなしにその周辺の環境・生態への影響を低減することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで次の観点から、発電設備に冷却塔8を設けることを避けたい、という要請が強いのが実情である。すなわち、(イ)冷却水が海水である場合に冷却塔8から冷却水が飛散することによる周辺への塩害の考慮、(ロ)冷却塔8の高さに起因する冷却水の水頭確保(循環水ポンプ1の出力増、補助ポンプの増設)、(ハ)内部構造が複雑となる冷却塔8の内面に付着・停滞する異物の除去のための清掃、(ニ)建設費用等の経済的なコスト、の面で冷却塔8を設けることに消極的となる。
【0008】
本発明の循環水冷却システムおよびこの循環水冷却システムを備えた発電設備の目的は、発電設備の発電容量を低下させることなしにその周辺の環境・生態への影響を低減することが可能とし、かつ冷却塔8を必要としない循環水冷却システムおよびこの循環水冷却システムを備えた発電設備を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る循環水冷却システムは、発電設備に設けられこの発電設備の内部に設けられた蒸気タービンから排出される蒸気を凝縮させる復水器に発電設備外部からの冷却水を流入させるための取水口と、この取水口と復水器との間に設けられ冷却水を復水器に供給させる循環水ポンプと、復水器の内部に設けられた復水器チューブを延長し復水器の外部にて冷却水の温度を低下させる熱交換手段と、復水器を通過した冷却水を発電設備外部へ流出させるための放水口とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る循環水冷却システムは、熱交換手段として少なくとも復水器チューブを復水器の外部に延長させた復水器チューブ延長部と、この復水器チューブ延長部を復水器と対峙するように包囲する側面部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また本発明の請求項3に係る循環水冷却システムは、復水器チューブを延長した復水器チューブ延長部の外表面に冷却水よりも温度の低い流体を給排する流体給排手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の発電設備は、少なくとも蒸気タービンと、この蒸気タービンに駆動される発電機と、復水器と、請求項1ないし3のうちのいずれかに記載の循環水冷却システムとを備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に係る循環水冷却システムの実施の形態は、課題を解決するための手段に示した構成をとる。すなわち、図1の一部を参照すれば、従来の技術の項で説明した内容と比較して図4中の冷却塔8を設けない点、そして図1中に新たに熱交換手段10を設けた点に相違がある。この場合の熱交換手段10は、復水器2内に直線的に複数配置される各復水器チューブ3(図面には1本のみ描いている。以下同じ。)を延長することにより、復水器2の外部に復水器チューブ延長部11(図面には1本のみ描いている。以下同じ。)を形成し、これらの各復水器チューブ延長部11の内部を流れる冷却水と復水器2の外部の大気等の冷熱源との熱交換をすることにより冷却水の冷却を可能とする。また、必要により冷却ファン12を復水器チューブ延長部11の近傍に設けることも考えられる。
【0014】
図1ないし図3において、各復水器チューブ延長部11を含む熱交換手段10については、図面の上で復水器2の上流側、すなわち、復水器2にて蒸気タービン1からの蒸気と熱交換をする前の段階で、復水器の外部で冷却水の温度を低下させるように熱交換させているが、この構成に限らず、復水器2の下流側に各復水器チューブ延長部11を設けるようにすることも考えられる。以下、他の実施の形態についても同様である。なお、これらの配置に関しての特徴は後述する。
【0015】
請求項2に係る循環水冷却システムの実施の形態は、請求項1に係る実施の形態に加えて側面部13を設けたものである。すなわち、復水器2内に複数設けられた復水器チューブ3を復水器2の外部へ延長するように構成した各復水器チューブ延長部11を、復水器2の外壁14と対峙するように包囲する側面部13を設けている(図2)。この実施の形態の場合では、循環水ポンプ5からの冷却水は、図示しない系統により、側面部13と水室カバー15とから成る水室部16へ流入し、各復水器チューブ延長部11を経て、復水器2内の各復水器チューブ3に導かれることになる。この冷却水は、各復水器チューブ延長部11を通過する際に復水器2の外壁14と、これと対峙するように設けられた側面部13とから成る包囲部17内の冷熱源と熱交換することにより冷却される。
【0016】
ここで、復水器2の外壁14を貫通して復水器チューブ3を復水器2の外部に復水器チューブ延長部11が包囲部17に形成されるが、復水器2内部の気密および包囲部17の気密を保つために、外壁14と各復水器チューブ3(各復水器チューブ延長部11)とは、円筒状に形成したゴムスリーブ18を介して固定する。あるいは、他の手段としてゴムスリーブ18を設けずに、外壁14と各復水器チューブ3(各復水器チューブ延長部11)とをエキスパンダにより溶着させてもよい。
【0017】
次にこれらの実施の形態により構成された本発明の作用について説明する。復水器2の「上流側」に、熱交換手段10または包囲部17(以下、熱交換手段等という。)を配置した場合、ここに導かれる冷熱源は、この熱交換手段等で各復水器チューブ延長部11を介して、各復水器チューブ3へ流入する前の冷却水と熱交換をすることにより冷却水の温度を低下させる。これにより、熱交換手段等で温度が下がった冷却水が復水器2内の各復水器チューブ3を流れることにより、復水器2内での温度勾配を大きくとれるので、ボール回収ストレーナ7、放水口を介して発電設備から放出される排熱量を抑制できる循環水冷却システムを得ることが可能となる。さらに、熱交換手段等で温度が下がった冷却水が復水器2内の各復水器チューブ3を流れるため、復水器2内の真空度が高まるとともに蒸気タービン1の背圧の程度が増大され、タービン効率が向上される分、蒸気タービン1に接続される発電機を含む発電設備としての発電容量を向上できるという特徴がある。
【0018】
一方、復水器2の「下流側」に、熱交換手段等を配置した場合は、復水器2内にて各復水器チューブ3を介して蒸気タービン1からの蒸気と熱交換を終えて温度が上昇した冷却水が、熱交換手段等に設けた各復水器チューブ延長部11に流入することになる。熱交換手段等では、ここに導かれる冷熱源が、各復水器チューブ延長部11を介して温度が上昇した冷却水と熱交換を行うことにより冷却水の温度を低下させる。これにより、ボール回収ストレーナ7、放水口を介して発電設備から放出される排熱量を抑制できる循環水冷却システムを得ることが可能となる。さらに、発電設備から放出される排熱量は、最終的には復水器2の「下流側」に配置した熱交換手段等における熱交換の程度に帰結するので、より厳密な排熱量の調整を可能とする特徴がある。
【0019】
これまでに述べた熱交換手段等に案内する冷熱源としては、復水器2の外部の大気を想定しているが、他の流体として例えば、発電設備内の補助冷却水を用いることも考えられる。この場合は、図3に示す補助流体供給手段19と補助流体排出手段20とからなる流体給排手段21を備えることにより本発明の実現が可能となる。すなわち、図示しない蒸気タービン1の作動流体としての蒸気(復水)の系統は、サージタンクを発電設備内に有し、このタンクに補助冷却水を備えることで作動流体である蒸気(復水)の循環量を調節している。
【0020】
流体給排手段21は、このタンクからの補助冷却水を補助流体供給手段19により熱交換手段等に冷熱源として導き、ここで熱交換を終えた補助冷却水を補助流体排出手段19によりタンクへ戻し、これを循環させるものである。
【0021】
これら補助流体供給手段19、補助流体排出手段20、流体給排手段21を備えることにより、上述と同様の作用・効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、発電設備外に放出する循環水を熱交換手段10により冷却することができるので、発電設備の発電容量を低下させることなしにその周辺の環境・生態への影響を低減することが可能とし、かつ冷却塔を必要としない循環水冷却システムおよびこの循環水冷却システムを備えた発電設備を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る循環水冷却システムの系統図。
【図2】図1の要部断面図。
【図3】本発明の一実施の形態に係る循環水冷却システムの系統図。
【図4】従来の循環水冷却システムの系統図。
【符号の説明】
1…蒸気タービン、2…復水器、3…復水器チューブ、4…取水口、5…循環水ポンプ、6…ボール洗浄装置、7…ボール回収ストレーナ、8…冷却塔、9…放水口、10…熱交換手段、11…復水器チューブ延長部、12…冷却ファン、13…側面部、14…外壁、15…水室カバー、16…水室部、17…包囲部、18…ゴムスリーブ、19…補助流体供給手段、20…補助流体排出手段、21…流体給排手段。
Claims (4)
- 発電設備に設けられこの発電設備の内部に設けられた蒸気タービンから排出される蒸気を凝縮させる復水器に前記発電設備外部からの冷却水を流入させるための取水口と、この取水口と前記復水器との間に設けられ前記冷却水を前記復水器に供給させる循環水ポンプと、前記復水器の内部に設けられた復水器チューブを延長し前記復水器の外部にて前記冷却水の温度を低下させる熱交換手段と、前記復水器を通過した前記冷却水を前記発電設備外部へ流出させるための放水口とを備えたことを特徴とする循環水冷却システム。
- 前記熱交換手段は、少なくとも前記復水器チューブを前記復水器の外部に延長させた復水器チューブ延長部と、この復水器チューブ延長部を前記復水器と対峙するように包囲する側面部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の循環水冷却システム。
- 前記復水器チューブを延長した復水器チューブ延長部の外表面に前記冷却水よりも温度の低い流体を給排する流体給排手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の循環水冷却システム。
- 少なくとも前記蒸気タービンと、この蒸気タービンに駆動される発電機と、前記復水器と、請求項1ないし3のうちのいずれかに記載の循環水冷却システムとを備えたことを特徴とする発電設備。
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