JP5650838B2 - 内燃機関弁駆動装置用の調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、請求項1の上位概念による内燃機関弁駆動装置用の調整装置、とりわけカムシャフト調整装置に関する。
特許文献1から、内燃機関弁駆動装置用の調整装置、とりわけカムシャフト調整装置がすでに公知である。この調整装置は、通常動作モードで位相位置を調整するために結合ユニットを備える位相調整ユニットと、少なくともフェイルセール動作モードで規定の非常位相位置を調整するよう構成された調整ユニットとを有し、前記結合ユニットは調整ギヤエレメントに制動力を印加するよう構成されている。
独国特許出願公開第102005037158号明細書
本発明の課題は、安価で簡単な調整装置を提供することである。
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。さらなる構成は従属請求項から明らかである。
本発明は、内燃機関弁駆動装置用の調整装置、とりわけカムシャフト調整装置に関するものであり、この調整装置は、通常動作モードで位相位置を調整するために結合ユニットを備える位相調整ユニットと、少なくともフェイルセール動作モードで規定の非常位相位置を調整するよう構成された調整ユニットとを有し、前記結合ユニットは調整ギヤエレメントに制動力を印加するよう構成されている。
調整ユニットが少なくともフェイルセーフ動作モードでは、位相調整ユニットの結合ユニットの制動力を変化するように構成されることが提案される。これにより非常位相位置を調整するための別個の結合ユニットを省略することができ、これにより構成部材を節約することができる。これにより調整装置の複雑さと重量を低く維持することができ、これにより安価で簡単な調整装置を提供することができる。「調整ユニット」とはとりわけ、電子制御に依存せずに非常位相位置として形成された規定の位相位置を調整するよう構成されたユニットであると理解すべきである。「調整ギヤエレメント」とはとりわけ、位相位置および/または位相位置の調整を規定することのできる調整ギヤのギヤエレメントであると理解すべきである。この関連で「調整ギヤ」とはとりわけ、位相位置を調整することのできる3軸減算加算ギヤであると理解すべきである。「構成されている」とは、とりわけ特別に装備されおよび/または設計されていると理解すべきである。
さらに、結合ユニットがフェイルセーフ動作モードでは非常位相位置を調整し、通常動作モードでは調整角度を調整するように構成されていることが提案される。これにより結合ユニットを有利にはフェイルセーフ動作モードと通常動作モードの両方に使用することができ、これにより2つの結合ユニットを制御するための複雑なアクチュエータを省略することができる。
さらに位相調整ユニットが、調整角度を調整するために結合ユニットの制動力を磁気的に調整するよう構成された磁気アクチュエータを有することが提案される。これにより簡単で効率的な位相調整ユニットを実現することができる。ここで「磁気的に調整可能な位相調整ユニット」とはとりわけ、位相位置を調整するために少なくとも部分的に磁力が印加される位相調整ユニットであると理解すべきであり、位相位置の調整は好ましくは磁力の調整によって行われる。「磁力」とはとりわけ、磁界の磁束によって調整可能な力であると理解すべきである。ここで「磁気アクチュエータ」とはとりわけ、調整可能な磁界および/または磁束を提供するためのユニットであって、たとえば電磁石を形成するために少なくとも1つのコイルを備えるユニットであると理解すべきである。
さらに磁気アクチュエータが、通常動作モードでは調整角度を調整し、この調整角度に調整ユニットが位相位置を制御するよう構成されていることが提案される。これによりとりわけ基本位相位置としての非常位相位置から出発した規定の調整角度だけの調整により、位相位置を磁気アクチュエータを用いて簡単に調整することができ、所定の調整角度への制御は有利には非常ユニットの調整機構を介して行うことができる。
好ましくは調整ユニットが、位相位置を非常位相位置および/または調整角度に機械的に制御するよう構成された調整機構を有する。これにより通常動作モードの故障時にも、位相位置を所定の角度に機械的に制御することができ、これにより位相調整装置の駆動確実性を有利に高めることができる。ここで「調整機構」とはとりわけ、位相位置の変化を機械的構成部材だけによって磁気エレメントの調整に置き換えるユニットであると理解すべきである。とりわけ電気的、空気力学的および/または流体力学的アクチュエータに依存しないユニットであると理解すべきである。
さらに調整ユニットが、結合ユニットを操作するための磁界を形成する少なくとも1つの永久磁石を有することが提案される。これにより有利なフェイルセーフ動作モードを実現することができ、このフェイルセーフ動作モードでは調整ユニットが自立的に、外部の制御に依存しないで非常位相位置を調整する。
本発明の有利な改善形態では、調整ユニットが互いに調整可能な少なくとも2つの磁気エレメントを有し、これらの磁気エレメントは制動力を調整するために磁力を機械的に変化するよう構成されていることが提案される。これにより調整ユニットは、互いに調整可能な磁気エレメントによって磁束を有利には変化することにより、位相位置を簡単に調整することができる。これによりとくに確実で簡単な機械的制御をフェイルセーフ動作モードに対して提供することができる。ここで「磁気エレメント」とはとりわけ、磁化可能および/または磁化されたエレメントであると理解すべきである。とりわけ強磁性エレメントであると理解すべきであり、磁気エレメントは基本的に軟磁性または硬磁性に構成することができる。「磁力を機械的に変化」とはとりわけ、磁気エレメントの機械的調整が相互に磁力の変化に作用することであると理解すべきである。
さらに結合ユニットが、位置固定された固定子と、この固定子に結束されており軸方向に調整可能な少なくとも1つの第1の結合エレメントとを有すると有利である。これにより、結合ユニットの固定子と結合ユニットの回転子との間の公差補償を簡単に実現することができる。とりわけ軸方向の公差をこれにより簡単に補償することができ、これにより有利な磨耗補償を達成することができる。基本的に本発明の構成により半径方向の公差補償も達成可能である。
とりわけ結合ユニットが、固定子に結束された少なくとも1つの別の結合エレメントを有し、この結合エレメントが第1の結合エレメントに対して空間的に離間して配置されていることが提案される。これにより、結合ユニットの固定子と結合ユニットの回転子との間の公差補償を簡単に実現することができる。とりわけ軸方向の公差をこれにより簡単に補償することができ、これにより有利な磨耗補償を達成することができる。基本的に本発明の構成により半径方向の公差補償も達成可能である。
とくに好ましくは、少なくとも1つの結合エレメントが固定子と軸方向に可動に結合されている。これにより閉じた磁束案内ユニットを提供することができ、これにより結合ユニットを操作するために磁束をとくに有利に案内し調節することができる。
さらに少なくとも1つの結合エレメントが磁化可能な材料から作製されると有利である。これにより結合エレメントは有利には、結合ユニットを操作するよう構成された磁束を案内する磁束案内エレメントとして構成することができる。「磁束案内エレメント」とはとりわけ、外部磁界により誘導される磁界のみを有することのできる軟磁性磁気エレメントであると理解すべきである。とりわけ「磁束案内エレメント」を永久磁石エレメントと理解すべきではない。
さらに結合ユニットが軸方向に固定的に配置された回転子を有し、この回転子が磁化可能な材料からなる少なくとも1つの部品内に作製されていることが提案される。これにより回転子に結束された対応する第2の結合エレメントをとくに簡単に実施することができる。有利には結合エレメントは回転子によって互いにワンピースに実施されている。とりわけこれにより磁束を有利には回転子を通して案内することができる。「軸方向に固定的に配置された回転子」とはとりわけ、その軸方向位置が結合ユニットの操作の際に維持される回転子であると理解すべきである。ここで有利には回転子は、この回転子に固定結合された2つの第2の結合エレメントを有する。
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかである。図面には本発明の実施例が示されている。図面、明細書、および請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者は適切に、これらの特徴を個別に適用することも、意味のあるさらなる組合せにまとめることもできよう。
本発明の調整装置を備える内燃機関弁駆動装置の断面図である。 位相位置が中央に調整された調整装置の部分図である。 位相位置が遅れ方向に調整された図2の部分図である。
図1から3は、本発明の調整装置を備える内燃機関弁駆動装置の実施例を示す。内燃機関弁駆動装置は、詳細に図示しないクランクシャフトによって駆動されるカムシャフト10を含む。カムシャフト10はチェーン伝動によってクランクシャフトと接続されている。ここでカムシャフト10の回転数はクランクシャフトの回転数の半分である。調整装置は電磁的カムシャフト調整装置を形成する。調整装置は、自動車の内燃機関で使用するように構成されている。
位相位置を調整するために調整装置は調整ギヤ11を有する。調整ギヤ11は3軸減算加算ギヤとして構成されている。これは3つの調整ギヤエレメント12、13、14を含み、これらによってカムシャフト10の位相位置を調整することができる。調整ギヤ11はたとえばプラネタリギヤとして構成されている。調整装置は、主回転軸15を有し、この主回転軸を中心に3つの調整ギヤエレメント12、13、14が回転可能に配置されている。しかし基本的に他の3軸減算加算ギヤも考えられる。
トルクを導くために調整装置は駆動ユニット16を有し、この駆動ユニットは第1の調整ギヤエレメント12を有する。調整ギヤエレメント12はプラネタリギヤ支持体として構成されており、プラネタリギヤ支持体は調整ギヤ11のプラネタリギヤ19を円軌道上で案内する。駆動ユニット16はさらにチェーンホイールを有し、このチェーンホイールは調整ギヤエレメント12と回動不能に結合されている。チェーンホイールによって駆動ユニット16はクランクシャフトと接続されている。トルクを出力するために調整装置は被駆動ユニット17を有し、この被駆動ユニットは第2の調整ギヤエレメント13を有する。調整ギヤエレメント13はリングギヤとして構成されており、これはプラネタリギヤ支持体により案内されるプラネタリギヤ19と噛合している。調整ギヤエレメント13は回動不能にカムシャフト10と結合している。位相位置を調整するために調整装置は位相調整ユニット18を有し、この位相調整ユニットは第3の調整ギヤエレメント14を有する。調整ギヤエレメント14はサンギヤとして構成されており、これも同様にプラネタリギヤ支持体により案内されるプラネタリギヤ19と噛合している。
位相位置を調整するために位相調整ユニット18は結合ユニット20を有する。結合ユニット20は制動ユニットとして構成されている。結合ユニット20は操作装置を有し、この操作装置は主回転軸15に対して平行に配向されている。結合ユニット20は、位置固定して配置された固定子21と回転可能に配置された回転子22とを有する。回転子22は第3の調整ギヤエレメントに回動不能かつ軸方向に固定して結合されている。したがって回転子は軸方向に固定して配置されている。結合ユニット20により提供可能な制動トルクが第3の調整ギヤエレメント14に作用する。結合ユニット20により、調整ギヤエレメント14の回転数を規定のように調整することができる。結合ユニット20は、固定子21に回動不能に結合した2つの第1の結合エレメント23、24と回転子22に回動不能に結合した2つの第2の結合エレメント25、26とを有する。結合エレメント23、24、25、26はそれぞれ1つの摩擦面を有する。摩擦面を互いに摩擦結合することのできる2つの結合エレメント23、25は半径方向で外側に配置されている。摩擦面を互いに摩擦結合することのできる2つの結合エレメント24、26は半径方向で内側に配置されている。固定子21に回動不能に結合された結合エレメント23、24と、回転子22に回動不能に結合された結合エレメント25、26とはそれぞれ空間的に互いに離間して配置されている。
半径方向で外側にある第1の結合エレメント23はリング形に構成されている。第1の結合エレメント23は、固定子21の外径よりも大きな内径を有する。半径方向で外側にある結合エレメント23は固定子21を取り囲む。固定子21は結合エレメント23内に入れ子型に配置されている。半径方向で内側にある第1の結合エレメント24も同様にリング形に構成されている。結合エレメント24は、固定子21の内径よりも小さな外径を有する。固定子21は、半径方向で内側にある結合エレメント24を取り囲む。固定子24は結合エレメント21内に入れ子型に配置されている。
固定子21はリング形に構成されている。外側の外套面に固定子21は外側歯部を有する。内側の外套面に固定子21は内側歯部を有する。外側歯部と内側支部は直線歯部として構成されている。基本的に外側歯部も内側歯部も他の歯部形状を有することができる。
2つの結合エレメント23、24は互いに別個に実施されている。外側にある結合エレメント23は、固定子21の外側歯部に対応する内側歯部を有する。外側にある結合エレメント23の内側歯部が固定子21の外側歯部と結束している。軸方向に向けられた操作方向に沿って結合エレメント23は固定子21と可動に結合されている。内側にある結合エレメント24は、固定子21の内側歯部に対応する外側歯部を有する。内側にある結合エレメント24の外側歯部が固定子21の内側歯部と結束している。軸方向に向けられた操作方向に沿って結合エレメント24は固定子21と可動に結合されている。2つの結合エレメント23、24は、軸方向歯部によって回動不能に、しかしながら軸方向に可動に固定子21と結合されている。操作方向に沿った運動のために、2つの結合エレメント23、24は互いに独立して動くことが出来る。
回転子22は主回転軸15に沿って軸方向に、固定子21と調整ギヤエレメント12との間に配置されている。回転子22の2つの部品が結合エレメント25、26を形成する。結合エレメント25、26を形成する回転子22の部品は磁化可能な材料から作製されている。結合エレメント25を形成する回転子22の部品は、回転子22の軸方向で外側にある領域として構成されている。結合エレメント26を形成する回転子22の部品は、回転子22の軸方向で内側にある領域として構成されている。回転子22の2つの部品は結合部材によって互い強固に結合されている。ここで回転子22全体は1つの材料からワンピースで作製されている。部品内で回転子22は、結合部材の軸方向の太さよりも大きな軸方向の太さを有する。2つの結合エレメント25、26は回転子によってワンピースに構成されている。
位相調整ユニット19は磁気的に制御可能である。位相調整ユニット18は磁気アクチュエータ27を有し、この磁気アクチュエータによって位相位置を調整するために調整可能な磁界を提供することができる。磁気アクチュエータ27は詳細に図示しない磁気コイル28を有し、この磁気コイルによって結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁界を形成することができる。磁気コイル28を配置するために磁気アクチュエータ27はヨークエレメント29を有し、このヨークエレメントは内燃機関の詳細に図示しないエンジンブロックと結束している。ヨークエレメント29は結合ユニット20の固定子21を形成する。
ヨークエレメント29は半断面ではU字形に構成されている。磁気コイル28は、ヨークエレメント29により張架された内空間内に配置されている。ヨークエレメント29の開口部は回転子23の方向に向けられている。ヨークエレメント29により張架された内空間は、主回転軸15を中心にリング形に延在している。磁気コイル28は、ヨークエレメント29により張架された内空間内に配置されたコイル巻線を有する。ここでコイル巻線は、主回転軸15を基準にして周方向に延在している。磁気コイル28のコイル軸は主回転軸15に対して同軸に配向されている。磁気コイル28に通電することにより磁界が形成され、この磁界は磁気コイル28の領域内では実質的にヨークエレメント29内に延在する。
結合エレメント23、24、25、26は、磁化可能な材料から作製されている。結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26は、磁気的に互いに結合されている。位相位置を調整することのできる磁力が、結合エレメント23、24、25、26間で吸引力を生じさせる。したがって結合ユニット20の制動力は磁力に直接依存する。磁力はさらに、結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束に比例する。ここで結合エレメント23、24、25、26は磁束案内エレメントとして構成されている。すなわち結合エレメントは軟磁性材料から作製されている。したがって結合エレメント23、24、25、26は磁束を案内するためにだけ設けられている。これらは固有の磁界を形成しない。
規定された非常位相位置を調整するために、調整装置は調整ユニット30を有する。調整ユニット30は磁気アクチュエータ27には依存しない。調整ユニット30は、駆動ユニット16と被駆動ユニット17との間の位相位置を、磁気アクチュエータ27の機能性に依存しないで調整することができる。ここで調整ユニット30は自立的ユニットとして構成されており、外部のエネルギー供給に依存しないでカムシャフト10を調整することができる。
調整ユニット30は互いに調整可能な2つの磁気エレメント31、32を有し、これらによって結合エレメント23、24、25、26に作用する磁力を機械的に変化することができる。さらに調整ユニット30は永久磁石33を有し、この永久磁石は磁気アクチュエータ27に依存しないで磁界を形成し、この磁界の磁束が結合エレメント23、24、25、26および磁気エレメント31、32を貫通する。永久磁石33はヨークエレメント29に組み込まれている。永久磁石33により形成された磁界は、フェイルセーフ動作モードおよび通常動作モードでは、結合ユニット20により提供される制動力を調整するためのものである。フェイルセーフ動作モードでは永久磁石33だけによって形成される磁束が、通常動作モードでは磁気アクチュエータ27によって変化される。
永久磁石33および磁気アクチュエータ27により形成される磁界を案内するために調整装置は磁束案内ユニット34を有し、この磁束案内ユニットは調整ギヤ11、位相調整ユニット18および調整ユニット30によって形成されている。磁束案内ユニット34全体は磁化可能な材料によって形成されている。磁界により形成された磁束は、永久磁石33および磁気アクチュエータ27から発する磁界線41によって記述することができる。磁界線41は常に閉じた力線として形成されている。磁束案内ユニット34は、空気を基準にして低減された磁気抵抗を磁束に対して差し向ける。磁束案内ユニット34により調節される磁界線41は、磁化可能な材料内を延在する。ここで磁束案内ユニット34は磁気的に完全に閉じることができる。すなわち磁束案内ユニットにより調節される磁界線41は、磁化可能な材料内をほぼ完全に延在する。
磁界が永久磁石33だけによって形成される動作状態では、磁界線41は永久磁石33から発する。磁界が永久磁石33と磁気アクチュエータ27によって共通に形成される動作状態で、磁界線41の一部は同様に永久磁石33から発する。したがって以下に説明する磁束は、磁気アクチュエータ27と永久磁石33により形成することのできる全体磁束の一部であると理解すべきである。基本的に、磁束案内ユニット34の外側の部分領域内を延在する別の磁界線が存在してもよい。
永久磁石33により形成された磁界線41は、位相調整ユニット18、調整ギヤ11および調整ユニット30を貫通する。永久磁石33から発して磁束はまずヨークエレメント29を貫通する。結合エレメント23はヨークエレメント29と直接境を接しており、これにより磁束はヨークエレメント29から結合エレメント23にさらに案内される。結合エレメント23から発する磁束は結合エレメント25を通って調整ギヤエレメント13に案内される。続いて磁束は、調整ユニット30の2つの磁気エレメント31、32を貫通する。磁気エレメント32は結合ユニット20の回転子22と直接境を接しており、回転子の半径方向で内側の部品によって磁束が結合エレメント26に導かれる。結合エレメント26から発する磁束は、ヨークエレメント29と直接境を接する結合エレメント24によって案内される。ヨークエレメント29はさらに磁束を永久磁石33に導き、これにより磁束の回路は完全に閉じられる。
固定子21のヨークエレメント29は磁束案内ユニット34の一部を形成する。したがって固定子は磁束案内ユニット34に部分的に配設されている。さらに磁束案内ユニット34には調整ギヤ11の調整ギヤエレメント12が配設されている。とりわけ調整ユニット30の両方の磁気エレメント31、32は磁束案内ユニット34の一部を形成する。さらに結合ユニット20の回転子22は部分的に磁束案内ユニット34に配設されている。さらに4つの結合エレメント23、24、25、26が磁束案内ユニット34に配設されている。
結合エレメント23、25は結合ユニット20の動作状態に依存しないで常に接触している。結合エレメント25を形成する回転子22の部品は、第1の調整ギヤエレメント12に対して滑り支承されている。回転子22と第1の調整ギヤエレメント12は結合エレメント25の領域で磁気的に相互に結合されている。調整ギヤエレメント12は、調整ユニット30の第1の磁気エレメント31を形成する。磁気エレメント31と磁気エレメント32は共通の接触面を介して同様に磁気的に相互に結合可能である。磁気エレメント32は回転子22に滑り支承されており、したがって結合エレメント26を形成する回転子22の部品と磁気的に結合されている。結合エレメント24も結合ユニット20の動作状態に依存しないで常に接触している。これにより磁束案内ユニット34は、2つの磁気エレメント31、32がゼロより大きな接触面を有する動作状態では磁気的に閉じられている。磁束案内ユニット34の磁気抵抗は、磁気エレメント31、32の共通の接触面を介して調整ユニット30により調整可能である。ここで磁気エレメント31、32は互いに完全に分離することができる。すなわち磁気エレメント31、32によって磁気エレメント31、32を通る磁束の開放を調整することができる。
結合ユニット20と磁気エレメント31、32は、磁界線41を基準にして磁気的に直列に配置されている。2つの磁気エレメント31、32は、磁界線41を基準にして磁気的に直列に配置されている。磁界線は、結合エレメント23、25、両磁気エレメント31、32および結合エレメント24、26を順次貫通する。ここで磁気エレメント31、32は磁束案内エレメントとして構成されている。これらは軟磁性材料から作製されている。永久磁石33により形成される磁界は、磁気エレメント31、32によって規定され、調整ユニット30によって導かれる磁束を有する。調整ギヤエレメント12は、固定子21の結合エレメント23、24と回転子22の結合エレメント25、26を介し、磁気エレメント31、32を基準にして磁気的に直列に配置されている。磁界線41に沿って固定子21の結合エレメント23、24は、調整ギヤエレメント12と磁気エレメント31、32によって磁気的に互いに結合可能である。
磁力を調整するために、調整ユニット30は調整機構35を有する。調整機構はフェイルセーフ動作モードでは2つの磁気エレメント31、32を互いにずらす。調整機構35は、2つの調整ギヤエレメント12、13に結合されている。調整ギヤエレメント12、13によって規定された位相位置が変化するときに、調整機構は2つの磁気エレメント31、32を互いにずらす。2つの磁気エレメント31、32の接触面の大きさは、調整ユニット30の調整機構35によって変化可能である。調整ユニット30は接触面の大きさを位相位置に依存して調整する。
2つの結合エレメント31、32は部分的に楔形に構成されている。第1の磁気エレメント31は接触面領域36を有し、この接触面領域は約25°の角度だけ磁気エレメント31、32の調整方向に対して傾斜している。さらに磁気エレメント31は接触面領域37を有し、この接触面領域は調整方向に沿って配向されている。第2の磁気エレメント32も同様に、調整方向に対して傾斜した接触面領域38と、調整方向に沿って配向された接触面領域39とを有する。接触面領域36、38と接触面領域37、39はそれぞれ互いに接触することができる。2つの磁気エレメントの接触面は、磁気エレメント31、32が接触する領域として構成されている。すなわち、接触面領域36、37が接触面領域38、39と部分的にまたは完全に接触する領域である。非常位相位置を調整するために、調整ユニット30は接触面の大きさを変化する。接触面の大きさは調整ユニット30の調整機構35によって調整することができる。接触面を変化するために、調整機構35は2つの磁気エレメント31、32を互いにずらす。ここで磁気エレメント31、32の調整方向は、調整装置の主回転軸15に対して平行に配向されている。
2つの磁気エレメント31、32を調整するために、調整ユニット30の調整機構35は操作エレメント40を有する。操作エレメント40はその操作方向45に沿って磁気エレメント32と結合されている。ここで操作エレメント40は軸方向に可動なプレスピンとして構成されており、第2の調整ギヤエレメント13に対して支承されている。操作エレメント40は、第1の調整ギヤエレメントを貫通し、この第1の調整ギヤエレメントに対して操作エレメント40は軸方向に可動に支承されている。操作エレメント40はプラネタリギヤ19を貫通案内されている。これは第1の調整ギヤエレメント12内に滑り支承されている。ここで操作エレメント40が沿って動くことのできる調整方向45は、調整装置の主回転軸15に対して平行に配向されている。
さらに調整ユニット30の調整機構は熱電素子42を有しており、この熱電素子によって非常位相位置を温度に依存して調整することができる。熱電素子42は位相位置を調整するための幾何形状を有し、この幾何形状は動作温度に依存して変化する。非常位相位置は、熱電素子42の幾何形状の温度依存性によって調整される。熱電素子42は傾斜面43を形成し、この傾斜面によって位相位置の変化が操作エレメント40の軸方向の調整に変換される。熱電素子は第2の調整ギヤエレメント13と強固に結合されている。傾斜面43は第2の調整ギヤエレメント13上に配置されている。
傾斜面43は調整ランプ44を形成し、その高さは位相位置の調整に沿って遅れ方向に減少する。軸方向に可動に支承された操作エレメント40はその操作方向45に沿って熱電素子42と結合されている。位相位置を調整する際に、調整ギヤエレメント12、13は互いに相対的に捩れ、これにより操作エレメント40は熱電素子42によって形成された傾斜面43の上を走行する。熱電素子42は位相位置の変化を操作エレメント40の線形運動に変換する。
操作エレメント40が傾斜面43上で周方向に向けられた走行をすることによって、熱電素子42は操作エレメント40を軸方向に移動させる。位相位置を早めから遅れ方向に調整する際に、傾斜面43は操作エレメント40を第2の調整ギヤエレメント13の軸方向に移動させる。位相位置を遅れから早め方向に調整する際に、傾斜面43は操作エレメント40を第1の調整ギヤエレメント12の軸方向に移動させる。
熱電素子42は、バイメタルエレメントとして構成されている。バイメタルエレメントはバイメタル薄板として成形されており、その主伸長方向は周方向に向けられている。熱電素子42は、動作温度が異なると異なる形状を有する。熱電素子42は、周方向に向けられた傾斜面43の傾きを動作温度に依存して変化する。傾斜面43を形成するために、バイメタル薄板として成形された熱電素子42は第2の調整ギヤエレメント13の一方の端部に固定されている。熱電素子42が第2の調整ギヤエレメント13と結合された方の端部は、位相位置の調整方向で早め方向に向けられている。冷えた動作状態で熱電素子42は、第1の調整ギヤエレメント12の方向に成形されている。傾斜面43は冷えた動作状態では大きな勾配を有する。熱電素子42が固定された端部とは反対側の端部と第2の調整ギヤエレメント13との間の間隔は、冷えた動作状態において最大である。動作温度が高くなると間隔が減少する。暖まった動作状態で熱電素子42は平坦なランプを形成する。熱電素子42は、操作エレメント40が位相位置の最大調整の際に移動される操作エレメント40の調整領域を動作温度に依存して変化する。動作温度が高くなると領域が縮小する。冷えた動作状態で熱電素子42は、調整ユニット30の磁気エレメント31、32の接触領域36、37、38、39を、位相位置に依存して部分的にまたは完全に互いに分離する。非常に暖かい動作状態で磁気エレメント31、32は常に完全に互いに結合されている。
熱電素子42は冷えた動作状態で角度に依存して、第1の調整ギヤエレメント12の方向で操作エレメント40を軸方向に移動させる。暖まった動作状態で熱電素子42は、第1の調整ギヤエレメント12の方向で操作エレメント40を軸方向に移動させない。熱電素子42はこれにより、内燃機関を駆動することのできる種々の動作温度に対して規定の非常位相角度を設定する。
操作エレメント40の軸方向位置の変化は、磁気エレメント31、32の相互に変位に作用する。したがって調整ユニット30の傾斜面43は、位相位置の変化を磁気エレメント31、32の調整に変換する。磁気エレメント31、32の調整によって、2つの磁気エレメント31、32間の接触面の大きさが変化する。したがい傾斜面43によって、磁束案内ユニットが磁束に対抗する磁気抵抗が調整可能である。熱電素子42によって互いに調整可能な磁気エレメント31、32を介して、結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束、ひいては結合エレメント23、24、25、26間の磁力を機械的に直接変化することができる。熱電素子42によって、磁束案内ユニット34の機械的に調整される磁気抵抗は温度に依存する。
位相位置が遅れ方向に調整されると、2つの磁気エレメント31、32間の接触面は大きくなる。したがって永久磁石33により提供される磁束に対抗する磁気抵抗は小さい。これにより、結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束は大きく、これにより結合ユニット20により提供される制動力も同様に大きくなる。これにより調整ユニット30は、位相位置を早め方向に調整する制動力を調整する(図1参照)。
位相位置が早め方向に調整されると、2つの磁気エレメント31、32間の接触面は小さくなる。したがって永久磁石33により提供される磁束に対抗する磁気抵抗は大きい。これにより、結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束は小さく、これにより結合ユニット20により提供される制動力も同様に小さくなる。これにより調整ユニット30は、位相位置を遅れ方向に調整する制動力を調整する(図3参照)。
結合ユニット20の2つの結合エレメント23、25と2つの結合エレメント24、26は共通にしか操作できないから、4つの結合エレメント23、24、25、26が1つの結合ユニット20を形成する。調整ユニット30は、磁気エレメント31、32によって結合ユニット20の摩擦力を変化することができる。調整ユニット30は、これが位相調整ユニット18の結合ユニット20の制動力を変化することにより非常位相位置を調整する。結合ユニット20は、位相調整ユニット18と調整ユニット30のために設けられている。調整装置は1つの結合ユニット20を有するだけである。
第3の調整ギヤエレメント14に対して第1の調整ギヤエレメント12の回転数と同じ回転数が調整される動作状態では、クランクシャフトとカムシャフト10との間で調整される目下の位相位置が一定に維持される。第3の調整ギヤエレメント14の回転数が第1の調整ギヤエレメント12の回転数より大きい動作状態では、カムシャフト10の位相位置が遅れ方向に調整される。第3の調整ギヤエレメント14の回転数が第1の調整ギヤエレメント12の回転数より小さい動作状態では、カムシャフト10の位相位置が早め方向に調整される。
位相位置を遅れ方向に調整するために結合ユニット20が開放される。カムシャフト10は動作中にたとえばカムシャフト10のベアリング位置に起因するエンジンブレーキトルクを有し、このトルクによってカムシャフト10は遅れ方向に調整される。結合ユニット20が開放されると、第3の調整ギヤエレメント14の回転数がカムシャフト10のエンジンブレーキトルクによって、第1の調整ギヤエレメント12の回転数よりも大きくなる。これによりカムシャフト10は遅れ方向に調整される。
目下の位相位置を維持するために、位相調整ユニット18は磁気アクチュエータ27によって磁界強度を調整する。磁気アクチュエータの磁力は結合ユニット20におけるちょうど必要な制動力に作用する。ここで制動力は、第3の調整ギヤエレメント14の回転数が第1の調整ギヤエレメント12の回転数と同じ大きさになる値に制御される(図2参照)。
位相位置を早め方向に調整するために結合ユニット20が閉鎖される。第3の調整ギヤエレメント14の回転数は、第1の調整ギヤエレメント12の回転数より小さくなる。これにより第2の調整ギヤエレメント13の回転数は第1の調整ギヤエレメント12の回転数より大きくなり、これによりカムシャフト10は早め方向に調整される。
フェイルセーフ動作モードでは調整ユニット30がカムシャフト10の位相位置を非常位相位置に機械的に制御する。非常位相位置を調整するために、調整ユニット30は位相調整ユニット18の結合ユニット20の制動力を変化する。熱電素子42によって非常位相位置は動作温度に適合した基本位相位置に常に対応する。調整ユニット30はフェイルセーフ動作モードでは位相位置を非常位相位置に自動的かつ機械的に制御する。フェイルセーフ動作モードでは位相調整ユニット18の磁気アクチュエータ27には通電されない。基本位相位置は調整ユニット30を介して調整され、調整ユニットは磁気エレメント31、32によって、対応する制動力を調整するのに必要な磁束を調整する。
調整ユニット30は位相位置を磁気エレメント31、32によって制御する。位相位置が基本位相位置から出発して早め方向に調整されると、磁気エレメント31、32は結合エレメント23、24、25、26を通る磁束の減少に作用し、これにより結合ユニット20の制動力が低減される。調整ユニット30は位相位置を機械的に遅れ方向に調整する。位相位置が基本位相位置から出発して遅れ方向に調整されると、磁気エレメント31、32は結合エレメント23、24、25、26を通る磁束の上昇に作用し、これにより結合ユニット20の制動力が増大される。調整ユニット30は位相位置を機械的に早め方向に調整する。このとき調整ユニット30は位相位置を自動的に制御する。すなわち外部の制御部または調整部に依存せずに持続的に非常位相位置に制御する。
温度が中程度である通常動作モードでは、調整ユニット30がカムシャフト10の位相位置をまず基本位相位置に機械的に制御する。基本位相位置は、磁気アクチュエータ27に対してゼロの磁界が調整されるときに調整される非常位相位置に相当する。位相調整ユニット18は、調整ユニット30によって調整された基本位相位置から出発して位相位置を磁気アクチュエータ27によって調整する。基本位相位置から出発して位相位置を早め方向または遅れ方向に調整するために、磁気アクチュエータ27に対して位相調整ユニットはゼロでない磁界を調整する。位相位置を非常位相位置から出発して早め方向に調整するために、磁気アクチュエータ27によって永久磁石33の磁界を増強する磁界が調整される。位相位置を非常位相位置から出発して遅れ方向に調整するために、磁気アクチュエータ27によって永久磁石33の磁界を緩和する磁界が調整される。
通常動作モードでは、フェイルセーフ動作モードで非常位相位置を調整するために設けられていた結合ユニット20が調整角度を調整するために設けられる。調整角度を調整するために、位相調整ユニット18の磁気アクチュエータ27は、結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束を変化することにより結合ユニット20の制動力を変化する。フェイルセーフ動作モードで2つの磁気エレメント31、32を互いにずらす調整機構35は、通常動作モードでは2つの磁気エレメント31、32を互いにずらすことにより位相位置を一定の値に制御する。目下の位相位置は、通常動作モードでは調整機構の制御または調整に依存せずに磁気アクチュエータ27によって調整される。
非常位相位置が調整され、磁気アクチュエータ27が磁界を増強する動作状態では、結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束がまず上昇する。上昇した磁束は結合ユニット20の制動力の増強に作用し、これにより位相位置が早め方向に調整される。位相位置の早め方向への調整により、調整機構35は2つの磁気エレメント31、32間の接触面を縮小する。接触面の縮小により磁束に対抗する磁気抵抗が高まり、結合ユニット20によって提供される制動力が再び低減される。制動力が位相位置の調整によって、位相位置が一定に保たれる値に低減されると直ちに、位相位置は非常位相位置を基準にして早め方向に調整される。
位相位置の遅れ方向への調整も同様に行われる。非常位相位置が調整され、磁気アクチュエータ27が磁界を低減する動作状態では、結合ユニット20の結合エレメント23、24、25、26を貫通する磁束がまず低減する。減少した磁束は結合ユニット20の制動力の減少に作用し、これにより位相位置が遅れ方向に調整される。位相位置の遅れ方向への調整により、調整機構35は2つの磁気エレメント31、32間の接触面を増大する。接触面の増大により磁束に対抗する磁気抵抗が低減し、結合ユニット20によって提供される制動力が再び高められる。制動力が位相位置の調整によって、位相位置が一定に保たれる値に上昇されると直ちに、位相位置は非常位相位置を基準にして遅れ方向に調整される。
位相位置の調整方向とは関係なく、調整ユニット30により調整された基本位相位置から位相位置が磁気アクチュエータ27によって偏向される調整角度は、磁気アクチュエータ27によって形成される磁界に直接依存する。ここで磁気アクチュエータ27によって形成される磁界は調整角度、すなわち基本位相位置からの偏りを規定するだけである。したがって調整ユニット30の調整機構35は、温度に依存して基本位相位置を、位相調整ユニット18によって調整可能な調整角度に機械的に調整する。
非常位相位置およびひいては基本位相位置を温度に依存して調整する調整機構35の熱電素子42は、冷えた動作状態では基本位相位置を早め方向にずらす。暖まった動作状態では基本位相位置は遅れ方向にずらされる。
調整装置は詳細に図示しない2つのストッパを有しており、これらのストッパにより位相位置が調整可能である角度範囲全体が制限される。位相位置は、0°から140°の範囲にわたり調整可能である。ここで0°は遅れ方向での位相位置の最大調整に対応する。140°は早め方向での位相位置の最大調整に対応する。
暖まった動作状態で、磁気エレメント31、32の接触面のための調整機構35は、冷えた動作状態よりも平均的に大きな値を調整する。したがって磁気アクチュエータ27によって生じた磁界の変化は、暖まった動作状態では冷えた動作状態よりも大きな調整角度の変化を生じさせる。

Claims (11)

  1. 内燃機関弁駆動装置用の調整装置であって、前記調整装置は、通常動作モードで位相位置を調整するために結合ユニット(20)を備える位相調整ユニット(18)と、少なくともフェイルセーフ動作モードで規定の非常位相位置を調整するよう構成された調整ユニット(30)とを有し、前記結合ユニットは、調整ギヤエレメント(14)に制動力を印加するよう構成されている調整装置であって、
    前記調整ユニット(30)が少なくともフェイルセーフ動作モードでは、前記位相位置に依存して前記位相調整ユニット(18)の前記結合ユニット(20)の制動力を変化させるように構成されている、ことを特徴とする調整装置。
  2. 前記結合ユニット(20)が、フェイルセーフ動作モードでは非常位相位置を調整し、通常動作モードでは調整角度を調整するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の調整装置。
  3. 前記位相調整ユニット(18)が磁気アクチュエータ(27)を有し、該磁気アクチュエータは、前記結合ユニット(20)の制動力を磁気的に調整するために前記調整角度を調整するよう構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の調整装置。
  4. 前記調整ユニット(30)は、前記位相位置を前記非常位相位置および/または前記調整角度に機械的に制御するよう構成された調整機構(35)を有する、ことを特徴とする少なくとも請求項2に記載の調整装置。
  5. 前記調整ユニット(30)が、前記結合ユニット(20)を操作するための磁界を形成する少なくとも1つの永久磁石(33)を有する、ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の調整装置。
  6. 前記調整ユニット(30)が、互いに調整可能な少なくとも2つの磁気エレメント(31、32)を有し、当該磁気エレメントは、制動力を調整するために磁力を機械的に変化するよう構成されている、ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の調整装置。
  7. 前記結合ユニット(20)は、位置的に固定された固定子(21)と、該固定子(231)に軸方向に可動に結束された少なくとも1つの第1の結合エレメント(23、24)とを有する、ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の調整装置。
  8. 前記結合ユニット(20)は、前記固定子(21)に結束された少なくとも1つの別の結合エレメント(24)を有し、該別の結合エレメントは前記第1の結合エレメント(23)に対して空間的に離間して配置されている、ことを特徴とする請求項7に記載の調整装置。
  9. 前記少なくとも1つの結合エレメント(23、24)は、前記固定子(21)と軸方向に可動に結合されている、ことを特徴とする請求項7または8に記載の調整装置。
  10. 前記少なくとも1つの結合エレメント(23、24)は磁化可能な材料から作製されている、ことを特徴とする少なくとも請求項7に記載の調整装置。
  11. 前記結合ユニット(20)が軸方向に固定的に配置された回転子(22)を有し、該回転子が磁化可能な材料からなる少なくとも1つの部品内に作製されている、ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載の調整装置。
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