JP2003206711A - 可変バルブタイミング機構の制御装置 - Google Patents
可変バルブタイミング機構の制御装置Info
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Abstract
フトの回転位相を遅角方向及び進角方向へ変位させる可
変バルブタイミング機構において、制御方向によって応
答性に差が生じることを回避する。 【解決手段】2つの電磁ブレーキの径(回転中心からの
距離),摩擦面積,摩擦係数(せん断力)の違い、更
に、遊星歯車機構の増速比を考慮し、制御方向が異なっ
ても応答性が略同じになるように、予めフィードバック
ゲインを制御方向毎に適合する。そして、目標に近づけ
るための制御方向、及び、そのときの摩擦係数を示す機
関回転速度及び潤滑油温度に応じてゲインを設定し、該
ゲイン及び制御偏差に基づいて電磁ブレーキのフィード
バック制御量を演算する。
Description
バルブ)のバルブタイミングを変化させる可変バルブタ
イミング機構の制御装置に関する。
て、内燃機関のクランクシャフトから回転を伝達される
駆動回転体と、カムシャフト側の従動回転体との組付角
度を、組付角調整機構によって変化させることによっ
て、機関弁の開閉タイミングをクランク角に対して進角
側及び遅角側に変化させる構成のものが知られている。
報に開示される可変バルブタイミング機構の組付角調整
機構は、一端の回転部が駆動回転体と従動回転体との一
方に回転可能に連結されると共に、他端のスライド部が
駆動回転体と従動回転体との他方に設けられた径方向ガ
イドにより径方向にスライド可能に連結されたリンクア
ームを備え、前記スライド部の径方向の移動に伴って回
転部の位置が周方向に相対変位して、駆動回転体と従動
回転体との組付角度が相対的に変化するように構成さ
れ、前記リンクアームのスライド部が係合する渦巻き状
ガイドが形成されたガイドプレートの相対回転角を電磁
ブレーキの制動力で制御することで、前記スライド部を
径方向に変位させ、以って、バルブタイミングを進・遅
角変位させるようになっている。
可変バルブタイミング機構を、スパイラルラジアルリン
ク式と称するものとする。
001−041013号公報に開示されたスパイラルラ
ジアルリンク式の可変バルブタイミング機構では、ゼン
マイばねによってガイドプレートがバルブタイミングの
遅角方向に付勢される構成であるため、電磁ブレーキを
オフすることで、ゼンマイばねの付勢力によって最遅角
位置に戻ることになる。
1−319908号のように、2つの電磁ブレーキで進
角方向及び遅角方向の制御をそれぞれ行う場合には、進
角方向と遅角方向とのいずれの変化方向に対しても電磁
ブレーキの制動力を作用させる必要がある。しかし、2
つの電磁ブレーキを径方向の内外に配置する構造や遊星
歯車を用いる構成によって、同じ制御量を電磁ブレーキ
に与えても、最終的に組付角度の変更に作用する発生ト
ルクが異なり、進角方向と遅角方向とで異なる制御応答
性を示す可能性があった。
進角方向及び遅角方向の制御を行う可変バルブタイミン
グ機構において、バルブタイミングの変化方向に因らず
に所望の応答性でフィードバック制御することができる
制御装置を提供することを目的とする。
発明は、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャ
フトの回転位相を2つの電磁ブレーキの制動力によって
進角方向及び遅角方向に変化させることで、機関弁のバ
ルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング機構
において、前記機関弁のバルブタイミングを検出し、該
検出したバルブタイミングに基づいて前記2つの電磁ブ
レーキへの通電をフィードバック制御するときに、バル
ブタイミングを変化させる方向に応じてフィードバック
ゲインを異なる値に設定する構成とした。
で同じゲインでフィードバック制御させるのではなく、
進角方向と遅角方向とで異なるゲインでフィードバック
制御を行わせる。請求項2記載の発明では、前記可変バ
ルブタイミング機構が、内燃機関のクランクシャフトか
ら回転を伝達される駆動回転体と、カムシャフト側の従
動回転体とが組付角調整機構を介して同軸に連結され、
前記組付角調整機構によって前記駆動回転体と従動回転
体との組付角度を変化させることで、機関弁のバルブタ
イミングを変化させる構成であって、前記組付角調整機
構が、一端の回転部が前記駆動回転体と従動回転体との
一方に回転可能に連結されると共に、他端のスライド部
が前記駆動回転体と従動回転体との他方に設けられた径
方向ガイドにより径方向にスライド可能に連結されるリ
ンクアームを備え、前記スライド部を径方向に変位させ
る渦巻き状ガイドが形成されたガイドプレートを、2つ
の電磁ブレーキによって前記駆動回転体に対して相対回
転させることによって、前記回転部の位置を周方向に相
対変位させ、前記駆動回転体と従動回転体との組付角度
を変化させる構成とした。
制動力によってガイドプレートが進角方向及び遅角方向
に相対回転することで、リンクアームのスライド部が径
方向に変位し、該変位に伴ってリンクアームの回転部の
位置が周方向に相対変位し、駆動回転体と従動回転体と
の組付角度、即ち、クランクシャフトに対するカムシャ
フトの回転位相が変化する構成において、ガイドプレー
トを相対回転させる方向によって異なるゲインでフィー
ドバック制御を行わせる。
ブレーキがガイドプレートの径方向の内外に配置される
構成であり、前記2つの電磁ブレーキの回転中心からの
距離に応じてフィードバックゲインが設定される構成と
した。上記構成によると、2つの電磁ブレーキがガイド
プレートの径方向の内外に配置されることから、同じ通
電量を2つの電磁ブレーキそれぞれに与えても、外側の
電磁ブレーキでの制動力が大きくなることに対応すべ
く、2つの電磁ブレーキの回転中心からの距離に応じて
フィードバックゲインを設定する。
ートが、キャリア部材を入力要素とし、サンギヤとリン
グギヤとの一方を出力要素、他方をフリー要素とする遊
星歯車機構を介して回転伝達される構成であって、前記
2つの電磁ブレーキの一方が前記出力要素に制動を与
え、他方が前記フリー要素に制動を与える構成であり、
前記遊星歯車機構の増速比に応じてフィードバックゲイ
ンが設定される構成とした。
によって、組付角度(回転位相)の変更に作用する発生
トルクが異なるので、前記増速比によってフィードバッ
クゲインを設定する。請求項5記載の発明では、前記2
つの電磁ブレーキの摩擦面の面積に応じてフィードバッ
クゲインが設定される構成とした。
磁ブレーキそれぞれに与えても、摩擦面積の違いによっ
て、回転位相の変更に作用する発生トルクが異なるよう
になることに対応すべく、2つの電磁ブレーキそれぞれ
の摩擦面積に応じてフィードバックゲインを設定する。
請求項6記載の発明では、前記2つの電磁ブレーキの摩
擦面における摩擦係数に応じてフィードバックゲインが
設定される構成とした。
違いによって見かけの摩擦係数が異なることに対応すべ
く、フィードバックゲインを設定する。請求項7記載の
発明では、前記2つの電磁ブレーキの摩擦面における摩
擦係数を、機関回転速度及び/又は潤滑油温度に応じて
推定する構成とした。上記構成によると、機関回転速度
による周速度の違い及び油温による粘性の違いによる摩
擦係数の変化を考慮して、制御方向毎のフィードバック
ゲインが設定される。
磁ブレーキを用いて遅角方向・進角方向にバルブタイミ
ングを制御する構成において、制御方向に応じてゲイン
を切り換えることで、制御方向に因らずに応答良くバル
ブタイミングをフィードバック制御することができると
いう効果がある。
ブレーキを用いて遅角方向・進角方向にバルブタイミン
グを制御するスパイラルラジアルリンク式可変バルブタ
イミング機構において、制御方向に因らずに応答良くバ
ルブタイミングをフィードバック制御することができる
という効果がある。請求項3記載の発明によると、2つ
の電磁ブレーキが回転中心から異なる距離に配置される
ことで、回転位相(組付角度)の変更に作用する発生ト
ルクに差が生じても、制御方向に因らずに応答良くバル
ブタイミングをフィードバック制御することができると
いう効果がある。
構の増速比によって、2つの電磁ブレーキの回転位相
(組付角度)の変更に作用する発生トルクに差が生じて
も、制御方向に因らずに応答良くバルブタイミングをフ
ィードバック制御することができるという効果がある。
請求項5記載の発明によると、2つの電磁ブレーキの摩
擦面積の違いによって、回転位相の変更に作用する発生
トルクに差が生じても、制御方向に因らずに応答良くバ
ルブタイミングをフィードバック制御することができる
という効果がある。
電磁ブレーキの摩擦面における摩擦係数(せん断力)の
違いによって、回転位相の変更に作用する発生トルクに
差が生じても、制御方向に因らずに応答良くバルブタイ
ミングをフィードバック制御することができるという効
果がある。請求項7記載の発明によると、機関回転速度
及び/又は潤滑油温度の違いによる摩擦係数の変化に対
応して、適正なフィードバックゲインを設定させること
ができるという効果がある。
基づいて説明する。図1は、実施形態における車両用内
燃機関の構成図であり、内燃機関101の吸気管102
には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ1
03bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装
され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ10
5を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
07を介して排出され、フロント触媒108及びリア触
媒109で浄化された後、大気中に放出される。前記吸
気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ排気
側カムシャフト110,吸気側カムシャフト134に設
けられたカムによって開閉駆動されるが、吸気側カムシ
ャフト134には、クランクシャフト120に対する回
転位相を変化させることで、バルブタイミングを変化さ
せるスパイラルラジアルリンク式の可変バルブタイミン
グ機構VTC113が設けられている。
変バルブタイミング機構VTC113を備える構成とし
たが、吸気バルブ側に代えて又は吸気バルブ側と共に、
排気バルブ側に可変バルブタイミング機構VTC113
を備える構成であっても良い。また、各気筒の吸気バル
ブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料
噴射弁131が設けられ、該燃料噴射弁131は、前記
ECU114からの噴射パルス信号によって開弁駆動さ
れると、所定圧力に調整された燃料を吸気バルブ105
に向けて噴射する。
コントロールユニット(ECU)114には、各種セン
サからの検出信号が入力され、該検出信号に基づく演算
処理によって、前記前記電子制御スロットル104,可
変バルブタイミング機構VTC113及び燃料噴射弁1
31などを制御する。前記各種センサとしては、アクセ
ル開度を検出するアクセル開度センサAPS116、機
関101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ1
15、クランクシャフト120から回転信号を取り出す
クランク角センサ117、スロットルバルブ103bの
開度TVOを検出するスロットルセンサ118、機関1
01の潤滑油温度を検出する油温センサ119、吸気側
カムシャフト134から回転信号を取り出すカムセンサ
132などが設けられている。
される回転信号に基づいてECU114において機関回
転速度Neが算出される。次に、前記可変バルブタイミ
ング機構VTC113の構成を、図2〜図5に基づいて
説明する。前記可変バルブタイミング機構VTC113
は、カムシャフト134と、駆動プレート2と、組付角
調整機構4と、作動装置15と、VTCカバー6から構
成される。
ンクシャフト120)から回転が伝達されて回転する部
材であり、前記組付角調整機構4は、前記カムシャフト
134と駆動プレート2との組付角度を変化させる機構
であって、作動装置15によって作動する。前記VTC
カバー6は、図示省略したシリンダヘッドとロッカカバ
ーの前端に跨って取り付けられて、駆動プレート2と組
付角調整機構4の前面とその周域を覆うカバーである。
おける左側)には、スペーサ8が嵌合され、更に、この
スペーサ8は、カムシャフト134のフランジ部134
fに貫通されるピン80によって回転規制されている。
また、前記カムシャフト134には、径方向に油供給孔
134rが複数貫通形成されている。
盤状の係止フランジ8aと、この係止フランジ8aの前
端面から軸方向に延びる円管部8bと、同じく係止フラ
ンジ8aの前端面であって円管部8bの基端側から外径
方向の3方に延びて軸方向と平行な圧入穴8cが形成さ
れた軸支持部8dとが形成されている。尚、上記軸支持
部8d及び圧入穴8cは、図3に示すように、それぞれ
周方向に120°毎に配置される。
油供給孔8rが径方向に貫通形成されている。前記駆動
プレート2は、中心に貫通穴2aが形成された円盤状に
形成されており、前記スペーサ8に対して係止フランジ
8aによって軸方向の変位を規制された状態で相対回転
自在に組み付けられている。
に、その後部外周に、クランクシャフト120から図示
省略したチェーンを介して回転が伝達されるタイミング
スプロケット3が形成されている。更に、駆動プレート
2の前端面には、貫通穴2aと外周とを結んで外径方向
に3つのガイド溝2gが形成されており、前記ガイド溝
2gは、前記軸支持部8dと同様に、周方向に120°
毎に配置される。
は、円環状のカバー部材2cが溶接或いは圧入により固
定されている。本実施形態において、従動回転体は、カ
ムシャフト134及びスペーサ8によって構成され、駆
動回転体は、タイミングスプロケット3を含む駆動プレ
ート2によって構成される。
34と駆動プレート2との前端部側に配置されて、カム
シャフト134と駆動プレート2との組付相対角度を変
更するものである。この組付角調整機構4は、図3に示
すように、3本のリンクアーム14を有している。
イド部としての円筒部14aが設けられ、また、この円
筒部14aから外径方向に延びるアーム部14bが設け
られている。前記円筒部14aには、収容孔14cが貫
通して形成されている一方、アーム部14bの基端部に
は、回動部としての回動穴14dが貫通して形成されて
いる。
の圧入穴8cにきつく圧入された回動ピン81に対して
回動穴14を装着して、回動ピン81を中心に回動可能
に取り付けられている。一方、リンクアーム14の円筒
部14aは、前記駆動プレート2の径方向ガイドとして
のガイド溝2gに挿入されて、駆動プレート2に対して
径方向に移動可能(スライド可能)に取り付けられてい
る。
受けてガイド溝2gに沿って径方向にスライド変位する
と、リンクアーム14によるリンク作用により回動ピン
81が前記円筒部14aの径方向の変位量に応じた角度
だけ周方向に移動することになるもので、この回動ピン
81の変位によりカムシャフト134が駆動プレート2
に対して相対回転することになる。
作動を示すもので、図4に示すように、円筒部14aが
ガイド溝2gにおいて駆動プレート2の外周側に配置さ
れているときには、基端部の回動ピン81がガイド溝2
gに近い位置に引っ張られているもので、この位置が最
遅角位置となる。一方、図5に示すように、円筒部14
aがガイド溝2gにおいて駆動プレート2の内周側に配
置されているときには、回動ピン81が周方向に押され
てガイド溝2gから離れるもので、この位置が最進角位
置となる。
14aの径方向への移動は、前記作動装置15により行
われ、この作動装置15は、作動変換機構40と増減速
機構41とを備えている。前記作動変換機構40は、リ
ンクアーム14の円筒部14aに保持された球22と、
前記駆動プレート2の前面に対向して同軸に設けられた
ガイドプレート24とを備え、このガイドプレート24
の回転を前記リンクアーム14における円筒部14aの
径方向の変位に変換する機構である。
8の円管部8bの外周に金属系のブッシュ23を介して
相対回転可能に支持されている。また、前記ガイドプレ
ート24の後面には、断面略半円状で周方向の変位に伴
って径方向に変位する渦巻きガイドとしての渦巻状ガイ
ド溝28が形成され、かつ、径方向の中間部には、油の
供給を行う油供給孔24rが前後方向に貫通して形成さ
れている。
が係合されている。即ち、前記リンクアーム14の円筒
部14aに設けられた収容孔14cには、図2及び図3
に示すように、円盤状の支持パネル22aと、コイルス
プリング22bと、リテーナ22cと、球22とが順に
挿入されている。また、前記リテーナ22cは、前端部
に球22が飛び出した状態で支持する椀状の支持凹部2
2dが形成されていると共に、外周に前記コイルスプリ
ング22bが着座するフランジ22fが形成されてい
る。
スプリング22bが圧縮され、支持パネル22aが駆動
プレート2の前面に押し付けられ、かつ、前記球22が
渦巻状ガイド溝28に押し付けられて上下方向で係合す
ると共に、渦巻状ガイド溝28の延在方向には相対移動
可能となっている。また、前記渦巻状ガイド溝28は、
図4,5に示すように、駆動プレート2の回転方向Rに
沿って次第に縮径するように形成されている。
22が渦巻状ガイド溝28に係合した状態で、ガイドプ
レート24が駆動プレート2に対して回転方向Rに相対
回転すると、球22が渦巻状ガイド溝28の渦巻き形状
に沿って半径方向外側に移動し、これによりスライド部
としての円筒部14aが、図4に示す外径方向に移動
し、リンクアーム14に連結された回動ピン81がガイ
ド溝2gに近づくように引きつけられ、カムシャフト1
34は遅角方向に移動する。
駆動プレート2に対して回転方向Rとは逆方向に相対回
転すると、球22は渦巻状ガイド溝28の渦巻き形状に
沿って半径方向内側に移動し、これによりスライド部と
しての円筒部14aが、図5に示す内径方向に移動し、
リンクアーム14に連結された回動ピン81がガイド溝
2gから離れる方向に押され、この場合、カムシャフト
134は進角方向に移動する。
する。前記増減速機構41は、前記ガイドプレート24
を駆動プレート2に対して増速及び減速、即ち、ガイド
プレート24を駆動プレート2に対して回転方向R側に
移動(増速)させたり、ガイドプレート24を駆動プレ
ート2に対して回転方向Rとは反対側に移動(減速)さ
せたりするものであり、遊星歯車機構25と第1電磁ブ
レーキ26と第2電磁ブレーキ27とを備えている。
と、リングギヤ31と、両ギヤ30,31に噛み合わさ
れたプラネタリギヤ33とを備えている。図2,図3に
示すように、前記サンギヤ30は、ガイドプレート24
の前面側の内周に一体的に形成されている。前記プラネ
タリギヤ33は、前記スペーサ8の前端部に固定された
キャリアプレート32に回転自在に支持されている。
アプレート32の外側に回転自在に支持された環状の回
転体34の内周に形成されている。尚、前記キャリアプ
レート32は、前記スペーサ8の前端部に嵌合されて、
ワッシャ37を前端部に当接させた状態でボルト9を貫
通させてカムシャフト134に締結させて固定されてい
る。
を向いた制動面35bを有した制動プレート35がねじ
止めされている。また、前記サンギヤ30が一体に形成
されたガイドプレート24の外周にも、前方を向いた制
動面36bを有した制動プレート36が溶接や嵌合など
により固定されている。
タリギヤ33が自転せずにキャリアプレート32と共に
公転したとすると、第1電磁ブレーキ26ならびに第2
電磁ブレーキ27が非作動状態では、サンギヤ30とリ
ングギヤ31はフリー状態で同速回転する。この状態か
ら第1電磁ブレーキ26のみを制動作動すると、ガイド
プレート24がキャリアプレート32に対して(カムシ
ャフト134に対して)遅れる方向(図4,5のR方向
とは逆方向)に相対回転し、駆動プレート2とカムシャ
フト134とが、図5に示す進角方向に相対変位するこ
とになる。
動すると、リングギヤ31のみに制動力が付与され、リ
ングギヤ31がキャリアプレート32に対して遅れ方向
に相対回転することによってプラネタリギヤ33が自転
し、このプラネタリギヤ33の自転がサンギヤ30を増
速させ、ガイドプレート24を駆動プレート2に対して
回転方向R側に相対回転し、駆動プレート2とカムシャ
フト134とが図4に示す遅角方向に相対回転すること
になる。
ト32が入力要素であり、サンギヤ30が出力要素であ
り、リングギヤ31がフリー要素となる。前記第1電磁
ブレーキ26及び第2電磁ブレーキ27は、それぞれ前
述した制動プレート36,35の制動面36b,35b
に対向するよう内外2重に配置されて、前記VTCカバ
ー6の裏面にピン26p,27pによって回転のみを規
制された浮動状態で支持された円管部材26r,27r
を有している。
イル26c,27cが収容されていると共に、各コイル
26c,27cへの通電時に各制動面35b,36bに
押し付けられる摩擦材26b,27bが装着されてい
る。また、各円管部材26r,27r及び各制動プレー
ト35,36は、コイル26c,27cへの通電時に磁
界を形成するために鉄などの磁性体により形成されてい
る。
電時に磁束の漏れを生じさせないために、また、摩擦材
26b,27bは、永久磁石化して非通電時に制動プレ
ート35,36に貼り付くのを防止するために、アルミ
などの非磁性体により形成されている。前記遊星歯車機
構25の出力要素としてのサンギヤ30が設けられたガ
イドプレート24と駆動プレート2の相対回動は、最遅
角位置および最進角位置において組付角ストッパ60に
より規制されるようになっている。
ングギヤ31と一体的に設けられている制動プレート3
5と、キャリアプレート32との間には、遊星歯車スト
ッパ90が設けられている。ところで、上述した前記作
動変換機構40は、リンクアーム14の円筒部14aの
位置を保持して、駆動プレート2とカムシャフト134
との相対組付位置が変動しない構成となっているもの
で、その構成について説明する。
4には、リンクアーム14およびスペーサ8を介して駆
動トルクが伝達されるが、カムシャフト134からリン
クアーム14には、機関弁(吸気バルブ105)からの
反力によるカムシャフト134の変動トルクが、回動ピ
ン81からリンクアーム14の両端の枢支点を結ぶ方向
の力Fとして入力される。
径方向ガイドとしてのガイド溝2gに沿って径方向に案
内されているとともに、円筒部14aから前面に突出し
た球22が、渦巻状ガイド溝28に係合されているた
め、各リンクアーム14を介して入力される力Fは、ガ
イド溝2gの左右の壁とガイドプレート24の渦巻状ガ
イド溝28とによって支持される。
た力Fは互いに直交する二つの分力FA,FBに分解さ
れるが、これらの分力FA,FBは、渦巻状ガイド構2
8の外周側の壁と、ガイド溝2gの一方の壁とに略直交
する向きで受け止められ、リンクアーム14の円筒部1
4aがガイド溝2gに沿って移動することが阻止され、
これにより、リンクアーム14が回動することが阻止さ
れる。
力によってガイドプレート24が回動されてリンクアー
ム14が所定の位置に回動操作された後には、基本的に
は制動力を付与し続けなくてもリンクアーム14の位置
を維持、つまり、駆動プレート2とカムシャフト134
の回転位相をそのまま保持することができる。尚、前記
力Fは、外径方向に作用することに限られず、逆向きの
内径方向に作用することもあるが、このとき分力FA,
FBは渦巻状ガイド溝28の内周側の壁と、ガイド構2
gの他方側とに略直角の向きに受け止められる。
C113の作用を説明する。クランクシャフトとカムシ
ャフト134の回転位相を遅角側に制御する場合には、
第2電磁ブレーキ27に通電する。第2電磁ブレーキ2
7に通電すると、第2電磁ブレーキ27の摩擦材27b
が制動プレート35に摩擦接触し、遊星歯車機構25の
リングギヤ31に制動力が作用し、タイミングスプロケ
ット3の回転に伴ってサンギヤ30が増速回転される。
プレート24が駆動プレート2に対して回転方向R側に
回転させられ、これに伴ってリンクアーム14に支持さ
れた球22が渦巻状ガイド溝28の外周側に移動する。
この遅角側への移動は、組付角ストッパ60により図4
に示す最遅角位置において規制される。
転を第2電磁ブレーキ27により制動するにあたり、瞬
時に回転を規制するのではなく所定量の回転を許しなが
ら制動を行うもので、この回転量が所定量となると遊星
歯車ストッパ90によりリングギヤ31の回転が規制さ
れるようになっている。一方、カムシャフト134の組
付角度を進角方向に変位させるときには、第1ブレーキ
26に通電する。
が作用してガイドプレート24は駆動プレート2に対し
て回転方向Rとは反対方向に回動し、カムシャフト13
4は進角側に組付角度が変位される。この進角側への移
動は、組付角ストッパ60により図5に示す最進角位置
において規制される更に、ガイドプレート24の回転が
規制されると、プラネタリギヤ33が自転してリングギ
ヤ31が増速回転されるが、この回転量が所定量となる
と遊星歯車ストッパ90により回転が規制される。
20に対するカムシャフト134の目標進角値(目標の
回転位相差)を設定し、クランク角センサ117の検出
信号とカムセンサ132の検出信号とから検出される実
際の進角値と前記目標値との偏差及び偏差の方向に基づ
いて、前記第1電磁ブレーキ26及び第2電磁ブレーキ
27への通電をフィードバック制御し、実際の進角値が
目標に一致すると、両電磁ブレーキ26,27への通電
を停止させて、そのときの進角位置を維持させる。
ック制御を示すものである。ステップS1では、機関運
転条件に基づいて目標進角値(目標のバルブタイミン
グ)を設定する。ステップS2では、クランク角センサ
117の検出信号とカムセンサ132の検出信号とから
実際の進角値を検出する。
の進角値との偏差を演算する。ステップS4では、実際
の進角値を目標に近づける方向が、進角方向であるか遅
角方向であるかを、前記偏差に基づいて判別する。ステ
ップS4で、進角方向に変化させる必要があると判断さ
れたとき、即ち、第1電磁ブレーキ26に通電する場合
には、ステップS5へ進む。
関回転速度の条件毎に、進角方向への制御に適合するフ
ィードバックゲインGを記憶したマップから、そのとき
の潤滑油温度及び機関回転速度に対応するゲインGを検
索する。また、ステップS4で、遅角方向に変化させる
必要があると判断されたとき、即ち、第2電磁ブレーキ
27に通電する場合には、ステップS6へ進む。
関回転速度の条件毎に、遅角方向への制御に適合するフ
ィードバックゲインGを記憶したマップから、そのとき
の潤滑油温度及び機関回転速度に対応するゲインGを検
索する。尚、油温センサ119を備えない場合には、冷
却水温度を潤滑油温度に相当する値として、冷却水温度
と機関回転速度とからゲインを設定させることができ、
また、潤滑油温度と機関回転速度とのいずれか一方から
ゲインGを設定させることができる。
されるゲインGは、第1電磁ブレーキ26,第2電磁ブ
レーキ27の径(回転中心からの距離),摩擦面積,摩
擦係数(せん断力)、更に、前記遊星歯車機構25の増
速比を考慮し、バルブタイミング制御の応答性が、制御
方向が異なっても略同じになるように、予め適合されて
いる。
レーキ27の径(回転中心からの距離)のみに着目する
と、径が大きくより外側に配置される第1電磁ブレーキ
26の発生トルクは、第2電磁ブレーキの発生トルクよ
りも大きく、同じゲインで制御したときには、進角方向
の応答に比べて、遅角方向の応答が低下することになっ
てしまう。
ブレーキ27の径(回転中心からの距離)のみに着目す
ると、遅角方向のフィードバックゲインを進角方向に比
べて大きくするようにしてある。また、第1電磁ブレー
キ26,第2電磁ブレーキ27の摩擦面積に着目する
と、摩擦面積が大きい方(径の大きい方)の電磁ブレー
キを用いる制御方向の応答が相対的に高くなるので、係
る摩擦面積の違いを考慮してゲインが予め設定される。
が異なることで発生するが、径が同じであっても、摩擦
面積が異なる設定になる場合がある。更に、本実施形態
のように、遊星歯車機構25を用いる構成では、遊星歯
車機構25の増速比によって進角方向と遅角方向とで応
答が変化するので、係る増速比の設定を考慮してゲイン
が予め設定される。
レーキ27とで摩擦係数(制動時の摩擦面でのせん断
力)が異なる場合があり、かつ、係る摩擦係数が機関回
転速度や潤滑油の温度(潤滑油の粘性)によって変化す
るので、機関回転速度及び潤滑油温度に応じてそれぞれ
の制御方向でのゲインGが決定されるようにしてある。
尚、フィードバックゲインGとしては、比例・積分・微
分制御における比例ゲイン・積分ゲイン・微分ゲインが
含まれる他、スライディングモード制御におけるゲイン
であっても良い。
ップS6で設定したゲインGと、ステップS3で求めた
制御偏差とに基づいてフィードバック制御量を演算す
る。ステップS8では、ステップS7で演算したフィー
ドバック制御量に基づいて前記第1電磁ブレーキ26又
は第2電磁ブレーキ27への通電を制御する。上記構成
によると、第1電磁ブレーキ26,第2電磁ブレーキ2
7の径,摩擦面積,摩擦係数(摩擦面でのせん断力)の
違い、また、遊星歯車機構による増速比の影響で、組付
角度の変更に作用するトルクが制御方向で異なっても、
応答性を略揃えることができ、目標進角値(目標のバル
ブタイミング)へのフィードバック制御性を向上させる
ことができ、更に、機関回転速度及び潤滑油温度による
摩擦係数の変化に対応して、常に所望の応答性でフィー
ドバック制御を行わせることができる。
形成されたガイドプレートを2つの電磁ブレーキによっ
て進角方向及び遅角方向に相対回転させる構成のスパイ
ラルラジアルリンク式可変バルブタイミング機構を対象
としたが、スパイラルラジアルリンク式に限定されるも
のではなく、2つの電磁ブレーキの制動力でクランクシ
ャフトに対するカムシャフトの回転位相を進角方向及び
遅角方向に変化させる構成の可変バルブタイミング機構
であれば、同様なフィードバック制御を適用して同様の
効果を得ることが可能である。
図。
を示す断面図。
示す図2のA−A断面図。
示す図2のA−A断面図。
フローチャート。
Claims (7)
- 【請求項1】内燃機関のクランクシャフトに対するカム
シャフトの回転位相を2つの電磁ブレーキの制動力によ
って進角方向及び遅角方向に変化させることで、機関弁
のバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング
機構において、 前記機関弁のバルブタイミングを検出し、該検出したバ
ルブタイミングに基づいて前記2つの電磁ブレーキへの
通電をフィードバック制御するときに、バルブタイミン
グを変化させる方向に応じてフィードバックゲインを異
なる値に設定することを特徴とする可変バルブタイミン
グ機構の制御装置。 - 【請求項2】前記可変バルブタイミング機構が、 内燃機関のクランクシャフトから回転を伝達される駆動
回転体と、カムシャフト側の従動回転体とが組付角調整
機構を介して同軸に連結され、前記組付角調整機構によ
って前記駆動回転体と従動回転体との組付角度を変化さ
せることで、機関弁のバルブタイミングを変化させる構
成であって、 前記組付角調整機構が、一端の回転部が前記駆動回転体
と従動回転体との一方に回転可能に連結されると共に、
他端のスライド部が前記駆動回転体と従動回転体との他
方に設けられた径方向ガイドにより径方向にスライド可
能に連結されるリンクアームを備え、前記スライド部を
径方向に変位させる渦巻き状ガイドが形成されたガイド
プレートを、2つの電磁ブレーキによって前記駆動回転
体に対して相対回転させることによって、前記回転部の
位置を周方向に相対変位させ、前記駆動回転体と従動回
転体との組付角度を変化させる構成であることを特徴と
する請求項1記載の可変バルブタイミング機構の制御装
置。 - 【請求項3】前記2つの電磁ブレーキがガイドプレート
の径方向の内外に配置される構成であり、 前記2つの電磁ブレーキの回転中心からの距離に応じて
フィードバックゲインが設定されることを特徴とする請
求項2記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。 - 【請求項4】前記ガイドプレートが、キャリア部材を入
力要素とし、サンギヤとリングギヤとの一方を出力要
素、他方をフリー要素とする遊星歯車機構を介して回転
伝達される構成であって、 前記2つの電磁ブレーキの一方が前記出力要素に制動を
与え、他方が前記フリー要素に制動を与える構成であ
り、 前記遊星歯車機構の増速比に応じてフィードバックゲイ
ンが設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載
の可変バルブタイミング機構の制御装置。 - 【請求項5】前記2つの電磁ブレーキの摩擦面の面積に
応じてフィードバックゲインが設定されることを特徴と
する請求項1〜4のいずれか1つに記載の可変バルブタ
イミング機構の制御装置。 - 【請求項6】前記2つの電磁ブレーキの摩擦面における
摩擦係数に応じてフィードバックゲインが設定されるこ
とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の可
変バルブタイミング機構の制御装置。 - 【請求項7】前記2つの電磁ブレーキの摩擦面における
摩擦係数を、機関回転速度及び/又は潤滑油温度に応じ
て推定することを特徴とする請求項6記載の可変バルブ
タイミング機構の制御装置。
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- 2002-01-16 JP JP2002007923A patent/JP4027670B2/ja not_active Expired - Fee Related
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