JP5649356B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
基板材料に炭化珪素(SiC)を用いた半導体装置が知られている。例えば、基板上に窒化物系の半導体層(例えば、GaN系半導体層)を積層することで、高出力の高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)を形成することができる。SiC基板は通常のシリコン基板に比べて硬いため、SiC基板へのビアホール(貫通孔)の形成は、例えば反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)のドライエッチング等により行われる。エッチングのガスとしては、例えばSFを用いることができる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−322811号公報
基板にビアホールを形成する場合、従来のエッチング条件では、ビアホールの内壁面が基板表面に対して垂直な形状となってしまう。その結果、ビアホールの内部に施されるメタライズが悪化し、基板表面の配線との間で断線が生じてしまう場合がある。このような現象は、ビアホールのアスペクト比を高くするほど(ビアホールの開口部の面積が小さくなるほど)発生しやすい。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板に形成されるビアホール内のメタライズを改善することのできる半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本半導体装置の製造方法は、SiCを材料とする基板を備える半導体装置の製造方法であって、フッ化炭素を含むエッチングガス及びマスクを用いて前記基板の裏面をエッチングし、前記基板の表面から裏面に貫通するビアホールを形成する工程を有し、前記ビアホールを形成する工程は、前記基板の裏面から表面に向かって開口断面積が次第に小さくなるテーパ形状を形成する工程であり、かつエッチング条件は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式のドライエッチングを含み、ガス流量が、フッ化炭素=10〜200sccm、ガス圧力が、Press=0.1〜10.0Pa、誘導結合プラズマパワーが、ICP=100〜5000W、バイアスパワーが、Bias=10〜1000W、であることを特徴とする。
上記構成において、前記マスクは、Niを含む構成とすることができる。
上記構成において、前記基板の裏面及び前記ビアホールの内壁面に金属層を形成する工程を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記金属層を形成する工程は、前記基板の裏面及び前記ビアホールの内壁面にスパッタ成膜によりシード層を形成する工程と、前記シード層上にめっき層を形成する工程とを含む構成とすることができる。
上記構成において、前記テーパ形状の傾斜角は、前記基板の表面に対して50度から70度である構成とすることができる。
本発明によれば、基板に形成されるビアホール内のメタライズを改善することができる。
図1は、比較例に係る半導体装置の構成を示す図である。 図2は、実施例1に係る半導体装置の製造方法を示す図である。 図3は、実施例1に係る半導体装置の構成を示す図である。
(比較例)
最初に、比較例に係る半導体装置について説明する。
図1(a)は、比較例に係る半導体装置80の構成を示す図である。SiCを材料とする基板10の表面に、窒化物半導体層12が形成されている。基板10及び窒化物半導体層12を貫通するビアホール20が設けられており、窒化物半導体層12の表面におけるビアホール20の開口部には、ビアパッド40が設けられている。以下の説明において、基板10の2つの主面のうち窒化物半導体層12が設けられている側の主面を表面、反対側の主面を裏面と称する。また、基板10の厚みAは例えば100μmとすることができ、ビアホール20の開口部の直径Bは例えば50μmとすることができる。
ビアホール20は、例えばエッチングガスとしてSF(フッ化硫黄)を用いたRIE方式のドライエッチングにより形成される。このとき、ビアホール20の断面形状は、内壁面が基板10の表面に対して垂直な形状となる。
図1(b)は、基板10の裏面及びビアホール20の内壁面にメタライズを施し、金属層30を形成した例である。金属層30により、基板10の表面と裏面が電気的に接続される。しかし、前述のように、ビアホール20の内壁面が基板10の表面に対し垂直である場合、ビアホール20内におけるメタライズが悪化し、断線が発生してしまう場合がある(例えば、図中の符号50で示す箇所を参照)。
図2は、実施例1に係る半導体装置100の製造方法を示す図である。図2(a)に示すように、SiCを材料とする基板10の表面に、窒化物半導体層12が形成されている。窒化物半導体層12は、例えば、AlNを材料とする300nmのバッファ層、i−GaNを材料とする1000nmのチャネル層(電子走行層)、n−AlGaNを材料とする20nmの電子供給層、及びn−GaNを材料とする5nmのキャップ層が順に積層された構造を有する。窒化物半導体層12としては、GaN、AlN、InN、InGaN、AlGaN、InAlN、InAlGaN等を用いることができる。窒化物半導体層12の表面におけるビアホールの形成予定領域には、ビアパッド40が設けられている。ビアパッド40には、例えばNi及びAuの積層体を用いることができる。
最初に、図2(a)に示すように、基板10の裏面にNiを含むメタルマスク14を形成する。次に、図2(b)に示すように、基板10を裏面からエッチングすることによりビアホール20の形成を行う。エッチングの方法にはICP方式によるドライエッチングを採用し、エッチングガスにはCF(フッ化炭素)を用いる。以下の説明では、エッチングの際のガス圧力をPress、誘導結合プラズマのアンテナパワーをICP、バイアスパワーをBiasで示す。エッチング条件は、CF=100sccm(ガス流量)、Press=5.0Pa、ICP/Bias=2000/500Wとする。ビアホール20は、基板10の裏面から表面に向かって開口断面積が次第に小さくなるテーパ形状を有する。テーパー形状の傾斜角は、基板の表面に対して、50度から70度である。
次に、図2(c)に示すように、メタルマスク14を除去する。最後に、図2(d)に示すように、基板10の裏面及びビアホール20の内部に金属層30を形成する。金属層30の形成は、例えば、最初にTi及びAuからなるシード層32をスパッタ成膜により形成した後に、Auからなるめっき層34をめっきにより形成する。金属層30は、ビアパッド40と電気的に接続される。
図3は、実施例1に係る半導体装置100の構成を示す図である。図3(a)はメタライズ前の状態を、図3(b)はメタライズ後の状態をそれぞれ示す。図3(a)に示すように、基板10の厚みAは100μm、ビアホール20の裏面側における開口部の直径Bは150μm、表面側における開口部の直径Cは50μmとすることができるが、各部の寸法はこれに限定されるものではない。また、図3(b)に示すように、ビアホール20の形状がテーパ形状であるため、スパッタ成膜によるシード層32の付着がしやすく、めっき層30の厚みも大きくしやすい。その結果、金属層30(シード層32及びめっき層34)のメタライズが比較例よりも良好となっている。
実施例1に係る半導体装置によれば、エッチングガスをCFとしたICP方式のドライエッチングを行うことにより、SiCを材料とする基板10にテーパ形状のビアホール20を形成することができる。CFを用いたエッチングの際に生じるC系の残渣物(C、Si、Niの混合物及び化合物)は、デポジットの成長速度が早く、SiCとの選択比が高い。このため、デポジットの成長に伴いエッチングが斜めに進行し、テーパ形状のビアホール20が形成されると考えられる。
ビアホール20をテーパ形状とすることにより、ビアホール20内のメタライズを改善することができる。また、基板10の裏面の開口部に比べて表面の開口部が小さくなるため、表面側のビア用の開口寸法を小さくすることができる。また、半導体装置100をパッケージ等にダイ付けする場合、基板10の裏面側におけるビアホール20の傾斜が90°よりも小さいため、パッケージの熱膨張に起因するビアホール20の端部への応力集中を軽減することができる。
また、実施例1では、エッチングの方法としてICP方式によるドライエッチングを用いているが、フッ化炭素のプラズマ及びメタルマスクを用いたドライエッチングであれば、他の方式を用いてもよい。ただし、ICP方式によれば、プラズマパワーとバイアスパワーを独立して制御することができるため、高密度プラズマ且つ低バイアス環境下でのエッチングが可能となる。また、低圧力(例えば、Press≦10Pa)でのエッチングが可能となる。その結果、ビアホール側壁へのデポジットの堆積が促進されるため、テーパ形状の断面を形成することが可能となる。また、ICP方式ではプラズマとウェハ(基板10)との距離を小さくすることができるため、エッチングが途中で止まってしまうことを抑制する。以上のことから、ICP方式のドライエッチングは、テーパ形状のビアホール20を形成するのに適している。また、デポジットの速度及び傾斜角の調整も容易である。
実施例1にて示したエッチング条件は一例であり、上記の形態に限定されるものではないが、好ましいエッチング条件を以下に示す。
エッチング条件は、CF=10〜200sccm、Press=0.1〜10.0Pa、ICP/Bias=100〜5000W/10〜1000Wであることが好ましい。また、CF=50〜150sccm、Press=3.0〜7.0Pa、ICP/Bias=1500〜3000W/300〜700Wであることが更に好ましい。
また、実施例1では、エッチングの際のメタルマスク14としてNiを用いたが、他にもCu、Al、Cr等を用いることができる。ただし、メタルマスク14としてNiを用いる(デポジットにNiが含まれるようにする)ことにより、ビアホール20のテーパ部の表面が滑らかになるため、より良好なビア形状を得ることができる。
また、実施例1では、第1工程のエッチングガスとしてCFを用いたが、CFの代わりに他のフッ化炭素系のガス(例えば、C)を用いてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 窒化物半導体層
20 ビアホール
30 金属層
32 シード層
34 めっき層
40 ビアパッド

Claims (5)

  1. SiCを材料とする基板を備える半導体装置の製造方法であって、
    フッ化炭素を含むエッチングガス及びマスクを用いて前記基板の裏面をエッチングし、前記基板の表面から裏面に貫通するビアホールを形成する工程を有し、
    前記ビアホールを形成する工程は、前記基板の裏面から表面に向かって開口断面積が次第に小さくなるテーパ形状を形成する工程であり、かつエッチング条件は、誘導結合プラズマ方式のドライエッチングを含み、
    ガス流量が、フッ化炭素=10〜200sccm、
    ガス圧力が、Press=0.1〜10.0Pa、
    誘導結合プラズマパワーが、ICP=100〜5000W、
    バイアスパワーが、Bias=10〜1000W、
    であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記マスクは、Niを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記基板の裏面及び前記ビアホールの内壁面に金属層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記金属層を形成する工程は、
    前記基板の裏面及び前記ビアホールの内壁面にスパッタ成膜によりシード層を形成する工程と、
    前記シード層上にめっき層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記テーパ形状の傾斜角は、前記基板の表面に対して50度から70度であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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