JP5648720B2 - 導電性フィルムを用いたスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ベアターゲット本体とバッキングプレートが特定の導電性フィルムにより接着されたスパッタリングターゲット、及びその製造方法に関するものである。
半導体デバイス、平面型ディスプレイ、記録メディア等に使用される薄膜の形成には現在スパッタリング法が工業的に広く使用されている。スパッタリング法で使用される薄膜材料(ベアターゲット本体)は、スパッタ薄膜形成工程において真空チャンバー装置内に固定する必要があるが、この際、電極として使用されるバッキングプレートと接合して使用することが一般的である。従来、ベアターゲット本体とバッキングプレートの接合には主に高価なインジウムハンダが用いられており(例えば、特許文献1)、更に、この接合においてはベアターゲット本体の全側面とバッキングプレートを接合する必要があるが、本接合工程は比較的煩雑であるため、より安価で簡便な接合方法が求められていた。
特開平11−200028号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベアターゲット本体とバッキングプレートを比較的低温で加熱することにより接着可能な導電性フィルムで、ベアターゲット本体とバッキングプレートを接着したスパッタリングターゲット、及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、金属と強固に接着し、更に、導電性微粒子を分散させる媒体として不飽和カルボン酸をグラフトした特定のポリオレフィンが有効であること、さらに、導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸をグラフトした特定のポリオレフィンをフィルム化することによりベアターゲット本体とバッキングプレートを容易に加熱接着することができ、また、ベアターゲット本体とバッキングプレート間の導電性を確保できることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は、ベアターゲット本体とバッキングプレートを、導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなる導電性フィルムを用いて接着してなることを特徴とするスパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における導電性フィルムは、導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなるものである。
本発明での導電性フィルムにおける不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィン(以下、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンという)とは、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸をグラフトしたものをいう。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、本発明における導電性フィルムをベアターゲット本体とバッキングプレートを接着した際の接着面内におけるフィルムの電気伝導性の均一性を維持するため、該不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは140℃に加熱したキシレンに不溶のゲルを含まないことが好ましい。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンにおける不飽和カルボン酸のグラフト量は特に制限されないが、充分な接着性を有し、かつ、ポリオレフィンの溶融粘度を適度に維持するため、好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜8重量%である。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、後に述べるような原料であるポリオレフィンの種類に従い、例えば、不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・プロピレン共重合体、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・ブテン共重合体、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・ヘキセン共重合体、不飽和カルボン酸グラフトエチレン・酢酸ビニル共重合体、不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、不飽和モノカルボン酸類及びその誘導体、不飽和ジカルボン酸類及びその誘導体、不飽和ジカルボン酸の酸無水物類及びその誘導体等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられ、不飽和モノカルボン酸類の誘導体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸類としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられ、不飽和ジカルボン酸類の誘導体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の酸無水物類及びその誘導体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは単独又は2種類以上併用しても良い。特に接着性の観点から無水マレイン酸単独又は無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステル類の組み合わせが好ましい。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンに含有する導電性微粒子としては、フィルム表面の平滑性を損なわず、接着後に導電性が発現すれば何らの制限もないが、例えば、金、銀、銅、モリブデン、ニッケル、炭素、錫、インジウム、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、アルミニウム、鉄、インジウム、マグネシウム、白金、珪素、錫、亜鉛、コバルト、クロム、チタン、タンタル、タングステン、カーボンブラック等が例示されるが、好ましくは金、銀、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白金、コバルト、ニッケル、カーボンブラックである。これら粒子から選ばれる1種以上の微粒子が例示される。本発明でいう微粒子とは平均粒子径が0.5nm〜50μmのものをいう。
導電性微粒子の平均粒子径は用途により適宜選択すれば良く、特に制限はないが、導電性を付与する場合にはナノ粒子を用いるのが好ましく、平均粒子径として1〜50nmが好適に用いられ、必要に応じて異なる平均粒子径の粒子を混合して使用することができる。特に平均粒子径がナノサイズの金属粒子は融点降下現象による自発的融合を起こすことが知られており、目的に応じて平均粒子径の小さな金属粒子も選択できる。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンにおける導電性微粒子の含有量は目的により適宜変更され得るが、導電性及び接着強度を維持するためには、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン100重量部に対して、導電性微粒子が30〜99重量部であることが好ましい。
不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、接着性等の特性を向上させる目的で他樹脂、エラストマー又はゴム成分、各種添加剤を含有してもよい。また、本発明における導電性フィルムは、接着性等の特性を向上させる目的で他樹脂、エラストマー又はゴム成分、各種添加剤を含有してもよい。
他樹脂としては、例えば、グラフト反応が施されていない上記ポリオレフィン樹脂のみならず、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸−メチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテル−エーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリオキシメチレン樹脂(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、セルロース、石油樹脂などが挙げられる。必要に応じて、反応性の官能基、又は末端基を有する他の樹脂と本発明の不飽和カルボン酸基とを化学反応させることが可能であり、これら官能基間の物理的相互作用を利用したブレンドが可能である。さらにシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を第三成分として添加し他樹脂との相溶性を向上させる、又は接着性を向上させることも可能である。
エラストマー又はゴム成分としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、熱可塑性エラストマー(TPE)としてはSBS、SIS等のスチレン系TPE(SBC)、ポリオレフィン系TPE(TPO)、ウレタン系TPE(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(TPA)、シリコーン系TPE、フッ素系TPEが例示される。
各種添加剤としては次のものが挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、これらの複合系酸化防止剤等が挙げられる。その他安定剤としては有機ホスファイト系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。また、充填剤としては、例えば、球状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラー等が挙げられる。接着剤としては、例えば、液体および固体ビスフェノールAエポキシ樹脂、エポキシクレゾールノボラック、エポキシフェノールノボラックおよびビスフェノールAエポキシ樹脂とエポキシクレゾールノボラックまたはエポキシフェノールノボラックとの混合物、ビスフェノールFエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ架橋剤としては、三フッ化硼素の錯化合物、ジシアンジアミド、ポリアミド類、ポリアミン類等が挙げられる。難燃剤としては、例えば、エチレンビステトラブロモフタールイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、SAYTEX8010、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンなどの臭素化系難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硼酸亜鉛、FIREBRAKE ZBなどの難燃助剤、DECLORANE PLUSなどの塩素化系難燃剤等が挙げられる。滑剤としては、高級脂肪酸金属塩として例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、さらにはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカリ金属塩などが使用できる。その他の添加剤としては、着色剤、天然油、合成油、ワックス、可塑剤、造核剤、加工助剤、ワックス類等が挙げられる。
これらの他樹脂、エラストマー又はゴム成分、各種添加剤は、本発明で提供する導電性フィルムの皮膜の機能を損なわない範囲で含有することができる。その含有量は不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィン100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。また、その含有量は本発明における導電性フィルム100重量部に対して0.13〜20.9重量部が好ましく、0.13〜10.45重量部がさらに好ましい。
原料であるポリオレフィンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、超低密度ポリエチレン(V−LDPE)等が挙げられる。線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)としては、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。その他、エチレン−4−メチルペンテン−1樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびそのケン化物、エチレン−ビニルアルコール樹脂(EVOH)、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)等のエチレン系コポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー等が挙げられる。
これらのポリオレフィンを合成するための重合方法は通常知られている方法でよく、高圧ラジカル重合、中低圧重合、溶液重合、スラリー重合等があげられ、使用触媒は過酸化物系触媒、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒が挙げられ、これらの触媒で重合されたポリオレフィンを使用することができる。
ポリオレフィンの分子量の目安となるメルトマスフローレート(MFR)は特に制限されないが、溶剤への溶解性を加温時でも良好とし、また、最終的なグラフト反応物の材料強度を維持するため、好ましくは0.01〜50000(g/10分)であり、さらに好ましくは0.01〜100(g/10分)である。
また、塩素化ポリオレフィンを用いることができるが、その製造方法は公知であり、例えば、四塩化炭素等のハロゲン系溶剤に溶解させた溶液を、紫外線照射下で塩素含有ガスと接触させてポリオレフィンを塩素化する方法(例えば、特開昭47−8643号公報)、ポリオレフィンの粒子を水に懸濁させたスラリー中に塩素ガスを吹き込んでオレフィンを塩素化する方法(例えば、特公昭36−4745号公報)、溶剤を使用せず、ポリオレフィンを、その融点以上に加熱し、溶融させた状態で塩素ガスと接触させることで、ラジカル発生剤、紫外線照射等を用いずにポリオレフィンを塩素化する方法(例えば、特開平3−199206号公報)が開示されている。本発明で用いる塩素化したポリオレフィンはこれらの何れの方法でも製造することができる。
本発明での導電性フィルムにおける不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンは、ハロゲン系溶剤中で、ラジカル発生剤を用いて不飽和カルボン酸をポリオレフィンにグラフトさせることで製造できる。
ハロゲン系溶剤としては、例えば、1,1,2−トリクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。なお、ハロゲン系溶剤として1,1,2−トリクロロエタンを用いる場合、市販されている1,1,2−トリクロロエタン中には、しばしば0.5〜2.0重量%のアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を不純物として含有している。ここに、アルコール化合物とは水酸基を有する化合物であり、例えば、エチルアルコールやブチルアルコール等が挙げられ、エポキシ化合物とはエポキシ基を有する化合物であり、例えば、1,2−エポキシプロパンや1,2−エポキシブタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを無色透明とし、かつ熱安定性も良好でゲルを含有しない不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを得るためには、1,1,2−トリクロロエタンを溶剤として用いる場合には、1,1,2−トリクロロエタン中に不純物として含まれるアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物をあらかじめ除去することが好ましい。
ラジカル発生剤としては、アゾ系化合物又は有機過酸化物等が用いられる。アゾ系化合物としては、α,α−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化t−ブチル、過安息香酸t−ブチル等が挙げられる。
アゾ系化合物又は有機過酸化物の添加量は特に制限されないが、不飽和カルボン酸のグラフト量を維持し、また、樹脂の溶融粘度の増加を防止することで成形性の低下を防止して製品品質を維持するため、ポリオレフィン100重量部に対して好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
反応温度は特に制限されないが、グラフト反応の効率を高め、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンの着色、及び架橋等を防止するため、好ましくは40〜130℃、さらに好ましくは60〜130℃である。反応圧力は特に制限されないが、充分な量の不飽和カルボン酸をグラフトし、また、ゲルの発生を抑制して品質低下を防ぐため、好ましくは0〜1MPa、さらに好ましくは0〜0.7MPaである。本反応においては反応温度、及び、反応させるポリオレフィンの種類によっては均一な溶液状態からけん濁状態でグラフト反応が進行するが、できる限り均一な溶液状態でグラフト反応を進めるため、ポリオレフィンの種類によって反応温度を適宜選択することが好ましい。
グラフト反応の終了後、必要に応じて安定剤を添加する。安定剤はグラフト反応時に発生するラジカルを消滅させ、グラフト反応を停止させるために添加し、通常ポリオレフィンに添加する酸化防止剤を用いるのが好ましく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、これらの複合系酸化防止剤が好適に用いられる。
グラフト反応に使用する反応容器は通常回分式(バッチ式)反応に使用する容器を用いることができ、上記反応温度、反応圧力に耐えられるものであれば差し支えなく、材質は通常ステンレス製が用いられ、必要に応じて内面がガラスライニング、フッ素コーティン
グ処理を施したものも使用できる。
グラフト反応で生成した不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンと溶剤との分離には、ドラムドライヤー、水蒸気蒸留、ベント付き押出機等、通常用いられる方法を用いることができるが、ドラムドライヤーを用いることが経済的利用から特に好ましい。一方、本発明における導電性フィルムの製造に用いる溶剤と上記のグラフト反応の溶剤が同一の場合には、該不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを反応溶液から単離する必要はなく、反応溶剤を添加する、又は反応溶液を濃縮する等の方法により該不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンの濃度を調整し、そのまま、導電性微粒子を溶液に添加し、溶液キャスト法等の公知の手法により導電性フィルムを製造できる。
反応工程で不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを溶剤と分離する場合には、反応工程を終了した後、その反応溶液を反応器から、例えば、加熱したドラムドライヤーに連続的にフィードして、生成物をポリマー溶液から単離することができる。この際のドラムドライヤーの温度としては、乾燥を促進しつつ、ポリマーの着色、熱劣化、架橋を抑制するため、好ましくは120〜200℃の範囲であり、さらに好ましくは150〜165℃である。ポリマーは薄膜状でドラムから剥離して単離する。
また、ドラムドライヤーにより揮発した1,1,2−トリクロロエタンはドラムドライヤー上部に設置された回収ラインを用いて、回収し、再び反応に用いることができる。
ドラムドライヤーによるポリマー溶液からの溶剤除去に必要な時間は、用いる溶剤の種類、及びドラムドライヤーの温度により異なり、適宜選定し得るが、通常10秒〜5分である。
単離されたポリマーは必要に応じて紐状、シート状、ストランド状又はチップ状に加工することができ、これらの1次賦形したポリマーを更に、1軸、又は必要に応じて2軸押出機へ供給し、ポリマーを溶融させて押出し、ストランドカット、又は水中カットによりペレット化することも可能である。この際の押出温度は特に制限されないが、用いたポリオレフィンを充分に溶融させてスムーズに押し出し、さらにポリオレフィンの分解、着色等を抑制するため、好ましくは100〜300℃であり、さらに好ましくは150〜250℃である。
本発明における導電性フィルムに用いる導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンの製造には種々の方法を用いることができる。即ち、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンと導電性微粒子を公知の方法、例えば、2軸押出機を用いて溶融混練する方法の他、該ポリオレフィンを前述の溶剤に溶解し、得られた溶液に導電性微粒子を添加し、室温から好ましくは溶剤の沸点以下の温度範囲で、溶液を撹拌し分散させる方法等を用いることができる。得られた溶液から前述の方法を用いて、溶剤を除去することで導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンを製造できる。
本発明における導電性フィルムは、導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのペレットを溶融押出法により溶融状態でフィルム化するキャスト成形、ブロー成形等方法の他、熱プレス等によってもフィルム化でき、また、該ペレットを前述の有機溶剤に溶解させた後、溶液キャスト法によりフィルム化することもできる。この際、溶液調製は攪拌機を備えた反応器等を用いて行えるが、ホモジナイザー等の機械を用いて行うこともできる。この際、溶解温度は特に制限されないが、通常、室温から使用する溶剤の沸点以下で行うことが好ましい。得られたポリオレフィン溶液に導電性微粒子を添加し、超音波洗浄器、ホモジナイザー等を用いて導電性微粒子を分散させる。この際の温度は溶剤が揮発しない温度である限り特に制限はなく、室温から溶剤の沸点以下である。また、耐圧容器を用いて溶剤の沸点以上の温度で導電性微粒子の分散を行うことができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、ベアターゲット本体とバッキングプレートを本発明における導電性フィルムを用いて接着してなるものである。
本発明のスパッタリングターゲットは、ベアターゲット本体とバッキングプレートを本発明における導電性フィルムを用いて接着することにより製造することができる。ベアターゲット本体とバッキングプレートの接着方法は両者の電気電導性が確保できれば何らの制限もないが、その接着方法の一例を挙げれば、バッキングプレート、本発明における導電性フィルム、及びベアターゲット本体をこの順で積層した後、必要に応じて加圧下で加熱チャンバー内に入れて溶融接着する方法が挙げられる。この際の温度はバッキングプレートとベアターゲット本体が接着可能であれば特に制限はないが、通常90℃から300℃であり、更に好ましくは120℃から250℃である。接着温度は用いる導電性フィルムの融点により適宜変更されるが、フィルムの溶融温度以上であれば良く、また該フィルムの熱分解温度以下であれば良い。十分な接着強度を確保するためには、例えば、該接着温度はフィルムの融点に100℃を加えた温度以下で行うのが好ましい。接着時間はバッキングプレートとベアターゲット本体が均一かつ実用上十分な接着強度を有する限り特に制限はないが、通常、1〜60分、好ましくは1〜30分、さらに好ましくは1〜10分である。接着にあたっては、あらかじめバッキングプレートとベアターゲット本体を接着温度まで加熱しておくことも可能であり、この場合、接着時間を短縮することができる。接着の際の圧力はバッキングプレートとベアターゲット本体が均一かつ実用上十分な接着強度を有する限り特に制限はないが、通常0.2〜10MPaであり、好ましくは0.2〜5MPa、さらに好ましくは0.2〜3MPaである。十分なスパッタリング性能を得るためには、本発明における導電性フィルムが接着面外へ溶融時に流出しないよう上記の圧力条件下で接着するのが好ましい。
本発明により、導電性フィルム、特にベアターゲット本体とバッキングプレートを簡便に熱接着し、両者間に電気電導性を付与できる導電性フィルムでバッキングプレートが接着された経済性に優れたスパッタリングターゲット、及びその製造方法を提供することができる。
以下に実施例にもとづき本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。
<原料>
(1)ポリオレフィン
EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体):東ソー株式会社製 ウルトラセン(登録商標)751
ケン化EVA−1(エチレン・酢酸ビニル共重合体のケン化物):東ソー株式会社製 H−6410M
ケン化EVA−2(エチレン・酢酸ビニル共重合体のケン化物):東ソー株式会社製 H−6051K
(2)反応薬品
ベンゾイルパーオキサイド(BPO):日本油脂株式会社製 ナイパーB
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT):株式会社エーピーアイコーポレーション ヨシノックスBHT
無水マレイン酸、アクリル酸、1,1,2−トリクロロエタン、キシレン:関東化学株式会社製の1級試薬
(3)導電性微粒子
銅微粒子:(株)高純度化学研究所製 CUE08PB 平均粒子径 1μm
カーボンブラック:三菱化学株式会社製 ケッチェンブラック EC
<ゲル分率の測定>
ポリマー50mgをキシレン50mlに添加し、140℃で12時間溶解させた後、この溶液を200メッシュのステンレス製のメッシュ(75μm)で濾過して金網上の未溶融分を105℃、5時間乾燥して算出した。
<導電性微粒子の混練>
東洋精機(株)製のラボプラストミルR30を用いて、回転数60rpmの条件で変性ポリオレフィンに導電性微粒子を添加し、溶融状態で混練を行い、導電性微粒子を含有する変性ポリオレフィンを得た。
<フィルムの成形>
プレス成形機として(株)神藤金属工業所製 復動式圧縮成形機WFA−50を用いて加熱温度150℃、圧力10MPa、10分間、冷却温度30℃、圧力10MPa、5分間のプレス条件にて厚さ100μmのプレスフィルムを得た。
<T型剥離試験>
(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機RTE−1210を用いて引張速度(剥離速度)300mm/分の条件にてT型剥離試験により、その接着強度を評価した。
製造例1
1,1,2−トリクロロエタンを17500重量部と26%硫酸水溶液を2500重量部とを下口付き10リッターフラスコに入れ激しく撹拌し、静置後下層の有機層を抜き出した。次に、抜き出した有機層と蒸留水を5kgとを下口付き10リッターフラスコに入れ激しく撹拌し、静置後下層の有機層を抜き出す操作を3回繰り返し、不純物の1−ブタノール及び1,2−エポキシブタンを除いた。さらに抜き出した有機層にモレキュラーシーブス4Aを150重量部添加して、スターラーで撹拌することにより脱水し、精製した1,1,2−トリクロロエタン(以下、精製TCEと記す)を得た。
4リッターのガラス製反応容器に精製TCE1750重量部とEVAを100重量部、並びに無水マレイン酸を5重量部仕込んだ。反応器を80℃に昇温し、その後80℃で4時間保持することによってEVAを均一に溶解した。またこの間、反応器に5リッター/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空気を排除した。グラフト反応の触媒として0.16重量部のBPOを精製TCE100重量部に溶解した。この溶液を連続的に反応器へ添加しつつ、反応器の圧力を1MPaに保った状態で、3時間グラフト反応を行った。反応終了後、反応器の圧力を常圧に戻した後、反応器の温度を70℃に下げ、安定剤として0.1重量部のBHTを添加した後、この溶液を160℃に加熱したドラムドライヤーにフィードして、無水マレイン酸をグラフトしたEVAを溶剤から分離した。生成物中のゲル量は、分析の結果0重量%であった。
製造例2
4リッターのガラス製反応容器に精製TCE1750重量部とケン化EVA−1を100重量部、並びに無水マレイン酸を7重量部仕込んだ。反応器を80℃に昇温し、その後80℃で4時間保持することによってケン化EVA−1を均一に溶解した。またこの間、反応器に5リッター/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空気を排除した。グラフト反応の触媒として0.2重量部のBPOを精製TCE100重量部に溶解した。この溶液を連続的に反応器へ添加しつつ、反応器の圧力を1MPaに保った状態で、3時間グラフト反応を行った。反応終了後、反応器の圧力を常圧に戻した後、反応器の温度を70℃に下げ、安定剤として0.1重量部のBHTを添加した後、この溶液を160℃に加熱したドラムドライヤーにフィードして、無水マレイン酸をグラフトしたケン化EVA−1を溶剤から分離した。生成物中のゲル量は、分析の結果0重量%であった。
製造例3
ケン化EVA−1をケン化EVA−2に代えた以外は製造例2と同様の手法により無水マレイン酸をグラフトしたケン化EVA−2を得た。生成物中のゲル量は、分析の結果0重量%であった。
製造例4
無水マレイン酸をアクリル酸に代えた以外は製造例1と同様の手法によりアクリル酸をグラフトしたEVAを得た。生成物中のゲル量は、分析の結果0重量%であった。
実施例1
製造例1で得られた無水マレイン酸をグラフトしたEVA(以下、変性EVAという)30g、カーボンブラック9gをラボプラストミルを用いて、150℃で10分間、溶融混練後、冷却することによりカーボンブラックが分散した変性EVAを得た。得られた樹脂を180℃でプレスすることにより厚みが100ミクロンのフィルムを得た。得られたフィルムを用いて、図1に示すように60mm×13mm×5mmの銅板を接着した。この際、接着面積部分は10mm×13mmであり、接着部分をバインダークリップ2個で挟み、表1に示す条件で接着した。接着後、銅板間の抵抗をテスターで測定したところすべてのサンプルで0Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで引張り強度を測定したところ、すべてのサンプルが500N以上の強度を示し、優れた接着性を示した。
Figure 0005648720
実施例2
製造例1で得られた変性EVA30g、銅微粒子18gをラボプラストミルを用いて、150℃で10分間、溶融混練後、冷却することにより銅微粒子が分散した変性EVAを得た。得られた樹脂を180℃でプレスすることにより厚みが100ミクロンのフィルムを得た。カーボンブラックを含有するフィルムの代わりに、上記の方法により得られた銅微粒子を含有するフィルムを使用したこと以外は実施例1と同様にして試験を行なった。熱処理条件を表1に示す。接着後、銅板間の抵抗をテスターで測定したところすべてのサンプルで0Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで引張り強度を測定したところ、すべてのサンプルが500N以上の強度を示し、優れた接着性を示した。
実施例3
実施例1と同様にカーボンブラック含有フィルムを使用した接着試験を行なった。ただし、本実施例では、片方の銅版をITO板(SnO10重量%含有のIn)及びZAO板(Al2重量%含有のZnO)を使用し、200℃、1時間の熱処理条件とした。接着後、板間の抵抗をテスターで測定したところ、ITO板/銅板接着サンプルは5Ω、ZAO板/銅板接着サンプルは1Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで引張り強度を測定したところ両サンプルとも500Nの試験力でも剥がれず良好な接着性を確認した。
実施例4
製造例1で得られた変性EVA30g、銅微粒子18gをラボプラストミルを用いて、150℃で10分間、溶融混練後、冷却することにより銅微粒子が分散した変性EVAを得た。得られた樹脂を180℃でプレスすることにより厚みが100ミクロンのフィルムを得た。カーボンブラックを含有するフィルムの代わりに、上記の方法により得られた銅微粒子を含有するフィルムを使用したこと以外は実施例1と同様にして試験を行なった。熱処理条件を表1に示す。接着後、銅板間の抵抗をテスターで測定したところすべてのサンプルで0Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで引張り強度を測定したところ、すべてのサンプルが500N以上の強度を示し、優れた接着性を示した。
実施例5
実施例2と同様にCu粉末含有フィルムを使用した接着試験を行なった。ただし、本実施例では、片方の銅版をITO板(SnO10重量%含有のIn)及びZAO板(Al2重量%含有のZnO)を使用し、200℃、1時間の熱処理条件とした。接着後、板間の抵抗をテスターで測定したところ、ITO板/銅板接着サンプルは0Ω、ZAO板/銅板接着サンプルは1Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで引張り強度を測定したところ両サンプルとも500Nの試験力でも剥がれず良好な接着性を確認した。
実施例6
製造例2で得られた無水マレイン酸をグラフトしたケン化EVA−1(以下、変性EVA−1という)、30g、銅微粒子15gをラボプラストミルを用いて、150℃で10分間、溶融混練後、冷却することにより銅微粒子が分散した変性EVA−1を得た。得られた樹脂を180℃でプレスすることにより厚みが110ミクロンのフィルムを得た。得られた銅微粒子を含有するフィルムを使用し、厚み1mm、幅15mm、長さ100mmの銅片を180℃で0.2MPaの圧力を1分間かけて接着した。接着後、銅板間の抵抗をテスターで測定したところすべてのサンプルで0Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで測定したT型剥離強度は35N/15mmであり、優れた接着性を示した。
実施例7
製造例3で得られた無水マレイン酸をグラフトしたケン化EVA−2(以下、変性EVA−2という)、30g、カーボンブラック20gをラボプラストミルを用いて、150℃で10分間、溶融混練後、冷却することによりカーボンブラックが分散した変性EVA−2を得た。得られた樹脂を180℃でプレスすることにより厚みが120ミクロンのフィルムを得た。得られたカーボンブラックを含有するフィルムを使用し、厚み1mm、幅15mm、長さ100mmの銅片を180℃で0.2MPaの圧力を1分間かけて接着した。接着後、銅板間の抵抗をテスターで測定したところすべてのサンプルで0Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで測定したT型剥離強度は30N/15mmであり、優れた接着性を示した。
実施例8
製造例4で得られたアクリル酸をグラフトしたEVA(以下、変性EVAという)、30g、銅微粒子16gをラボプラストミルを用いて、150℃で10分間、溶融混練後、冷却することにより銅微粒子が分散した変性EVAを得た。得られた樹脂を180℃でプレスすることにより厚みが105ミクロンのフィルムを得た。得られた銅微粒子を含有するフィルムを使用し、厚み1mm、幅15mm、長さ100mmの銅片を180℃で0.2MPaの圧力を1分間かけて接着した。接着後、銅板間の抵抗をテスターで測定したところすべてのサンプルで0Ωであり良好な導電性を示した。また、オートグラフで測定したT型剥離強度は30N/15mmであり、優れた接着性を示した。
実施例1〜8から、本発明における導電性フィルムは金属同士だけでなく、金属と導電性酸物の接着にも優れていることが確認された。
実施例9
カーボンブラックを混錬した接着ポリマーシート(カーボンブラック含有量:30重量%)を使用して直径76.2mm、厚み5mmの大きさの円形の純Alベアターゲット本体と銅製のバッキングプレートとの接着(ボンディング)を行なった。
直径約70mmのカーボンブラック含有フィルムを純Alベアターゲット本体と銅製のバッキングプレートの間に挟み万力で固定後、200℃、1時間の熱処理を行ないボンディングを行なった。ボンディング後、スパッタリング装置にセットし、スパッタガスとしてArを使用し0.5Paの圧力においてスパッタ放電特性(電流−電圧特性)測定、成膜レート測定、スパッタ成膜された薄膜の抵抗率を測定した。
比較として、通常のインジウム半田を使用してボンディングを行なった純Alターゲットについても同様の測定を行なった。
図2に放電特性の測定結果を示し、表2に成膜レート、薄膜抵抗率の測定結果を示す。
Figure 0005648720
図2及び表2から本発明における導電性フィルムを使用してボンディングしたスパッタリングターゲットは、通常のインジウム半田を使用してボンディングを行なったターゲットと同様な特性を有することが分かり、ボンディング材料として使用可能であることが確認された。
実施例10
銅微粒子を混錬した接着ポリマーシート(銅微粒子含有量:60重量%)を使用して直径76.2mm、厚み5mmの大きさの純Alスパッタリングターゲットと銅製のバッキングプレート本体との接着(ボンディング)を行なった。
直径約70mmの銅微粒子含有接着ポリマーシートを純Alスパッタリングターゲットと銅製のバッキングプレートの間に挟み万力で固定後、200℃、1時間の熱処理を行ないボンディングを行なった。ボンディング後、スパッタリング装置にセットし、スパッタガスとしてArを使用し0.5Paの圧力においてスパッタ放電特性(電流−電圧特性)測定、成膜レート測定、スパッタ成膜された薄膜の抵抗率を測定した。
比較として、通常のインジウム半田を使用してボンディングを行なった純Alターゲットについても同様の測定を行なった。
図3に放電特性の測定結果、表3に成膜レート、薄膜抵抗率の測定結果を示す。
Figure 0005648720
図3及び表3から本発明における導電性フィルムを使用してボンディングしたスパッタリングターゲットは、通常のインジウム半田を使用してボンディングを行なったターゲットと同様な特性を有することが分かり、ボンディング材料として使用可能であることが確認された。
本発明における導電性フィルムを使用した接着テストのサンプル構成を示す図である。 実施例9におけるスパッタ放電の際の電流と電圧の関係を示す図である。 実施例10におけるスパッタ放電の際の電流と電圧の関係を示す図である。

Claims (5)

  1. ベアターゲット本体とバッキングプレートを、導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなる導電性フィルムを用いて接着してなり、当該導電性フィルム以外に接着層を有していないことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンが、140℃に加熱したキシレンに不溶のゲルを含まない導電性フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 導電性微粒子が、金、銀、銅、モリブデン、ニッケル、炭素、錫、インジウム、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、アルミニウム、鉄、インジウム、マグネシウム、白金、珪素、錫、亜鉛、コバルト、クロム、チタン、タンタル、タングステン、カーボンブラックから選ばれる1種以上の微粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィン100重量部に対して、導電性微粒子を30〜99重量部含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のスパッタリングターゲット。
  5. ベアターゲット本体とバッキングプレートを、導電性微粒子を含有する不飽和カルボン酸をグラフトした変性ポリオレフィンからなる導電性フィルムを用いて接着させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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