JP2649011B2 - 変性低分子量ポリエチレン系重合体の製造法 - Google Patents

変性低分子量ポリエチレン系重合体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂用改質剤として有
用な変性低分子量ポリエチレン系重合体の製造法に関す
る。さらに詳しくは、不飽和ジカルボン酸類で変性した
低分子量ポリエチレン及び/またはエチレン/α−オレ
フィン共重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】低分子量のポリエチレン及び/またはエ
チレン/α−オレフィン共重合体をラジカル発生剤の存
在下、不飽和ジカルボン酸類と反応させる時、反応を制
御しない場合は、反応物の溶融粘度が上昇し、架橋やゲ
ル化物が生成する。このため従来、該反応において溶融
粘度を制御して架橋やゲル化物のない反応物を得る技術
としては、(1)反応容器から酸素を除去して酸素濃度
を5ppm未満、好ましくは2ppm未満にして反応を
行う方法(例えば米国特許第4028436号)、
(2)チオール系連鎖移動剤の存在下に反応を行う方法
(例えば、特表昭58−500813号公報)等が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)の技術においては、工業的なスケールで反応容器
内の酸素濃度を5ppm未満に維持することは非常に困
難である。また前記(2)の技術においては、チオール
系連鎖移動剤は悪臭を放ち、製造設備には臭気対策を施
すことが必要である。またチオール系連鎖移動剤をスト
リッピングして除去した後も製品中には異臭が残り、好
ましくない欠点を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、重量平均分子量2,000〜1
00,000の低分子量ポリエチレン及び/またはエチ
レン/α−オレフィン共重合体(A)を、ラジカル発生
剤(B)の存在下、不飽和ジカルボン酸類(C)と反応
させて、酸変性低分子量ポリエチレン及び/または酸変
性低分子量エチレン/α−オレフィン共重合体(Al)
を製造する方法において、該反応を炭素数が6〜36の
α−オレフィン(D)の存在下に行うことを特徴とする
製造法である。
【0005】本発明において用いられる低分子量のポリ
エチレン及び/またはエチレン/α−オレフィン共重合
体(A)としては、ポリエチレン樹脂[高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン等]、エチレンと炭素数3〜12の
α-オレフィンとの共重合体[エチレン/プロピレン共
重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、エチ
レン/1−ブテン共重合体、エチレン/1−ヘキセン共
重合体、エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体
等]のうちの低分子量体を挙げることができる。該
(共)重合体は結晶性または無定形のいずれの形でも良
い。これらのうち好ましいものは、低分子量のポリエチ
レン樹脂およびエチレン/プロピレン共重合体である。
【0006】(A)中のエチレン単位の含量は通常20
重量%以上である。エチレン単位の含量が20%未満の
場合は、変性物の溶融粘度の増加やゲル化物の発生の問
題は通常生じない。
【0007】(A)は、重合法または高分子量ポリエチ
レン及び/またはエチレン/α−オレフィン共重合体の
熱減成法により得られる。(C)による変性のしやすさ
から好ましいものは熱減成法で得られるものである。熱
減成法による(A)は例えば、重量平均分子量が10
0,000〜500,000の高分子量ポリエチレン及
び/またはエチレン/α−オレフィン共重合体を不活性
ガス中、通常300〜450℃で0.5時間〜10時間
熱減成する方法(例えば、特開平3−62804号公報
明細書に記載)によって得ることができる。
【0008】(A)の重量平均分子量は、通常2,00
0〜100,000、好ましくは5,000〜60,0
00、さらに好ましくは10,000〜50,000で
ある。(A)の重量平均分子量が2,000未満では、
添加する樹脂の機械物性が無添加の場合と比べ低下し、
100,000を超えると不飽和ジカルボン酸類が付加
しにくくなり、改質剤としての効果が低下する。重量平
均分子量は高温ゲルパーミエーション クロマトグラフ
ィー(GPC)法によって求めることができる。
【0009】本発明において用いられるラジカル発生剤
(B)としては有機過酸化物が挙げられる。該有機過酸
化物としては一般にラジカル重合開始剤として用いられ
るものが使用でき、通常150℃での半減期が1分間以
上のものが用いられる。具体的には、メチルエチルケト
ンパーオキシドのようなケトンパーオキシド;ジ−t−
ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ンのようなジアルキルパーオキシド;t−ブチルパーオ
キシベンゾエートのようなパーオキシエステル、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキシドのようなハイド
ロパーオキシド等が挙げられ、これらは単独、または2
種以上を組み合わせて用いられる。これらのうち好まし
いものは、ジ−t−ブチルパーオキシドおよびジクミル
パーオキシドである。
【0010】(B)の量は(A)の重量に基づいて通常
0.05〜2.0重量%、好ましくは0.2〜1.5重
量%である。(B)の量が0.05重量%未満では不飽
和ジカルボン酸類が付加し難く、2.0重量%を超える
と主鎖の切断が起こり、(A1)の分子量の低下をきた
す。
【0011】本発明において用いられる不飽和ジカルボ
ン酸類(C)としては、不飽和ジカルボン酸類(マレイ
ン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコ
ン酸及びこれらの無水物等)、不飽和ジカルボン酸半エ
ステル類または全エステル類(マレイン酸ブチル、マレ
イン酸メチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ブチル
等)等が挙げられ、これらは単独、または2種以上を組
み合わせて用いることができる。これらのうち特に好ま
しいものは、無水マレイン酸である。
【0012】(C)の量は(A)の重量に基づいて通常
0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜15重量%で
ある。(C)の量が0.1重量%未満では変性度が低
く、樹脂用改質剤としての効果が低下し、25重量%を
超えると粘度が高くなり、作業性が悪く、樹脂用改質剤
としての効果も低下する。
【0013】本発明における炭素数が6〜36のα−オ
レフィン(D)としては、直鎖α−オレフィン及び/ま
たは分岐鎖を有するα−オレフィンが用いられる。具体
的にはヘキセン−1、オクテン−1、ノネン(ノネン−
1、プロピレン三量体)、デセン−1、ドデセン(ドデ
セン−1、プロピレン四量体)、テトラデセン−1、ペ
ンタデセン(ペンタデセン−1、プロピレン五量体)、
ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−
1、炭素数20以上のα−オレフィン混合物等が挙げら
れ、これらは単独、または2種以上を組み合わせて用い
ることができる。これらのうち特に好ましいものは1−
ドデセンである。
【0014】(D)の量は(A)の重量に基づいて通常
2〜200重量%、好ましくは8〜50重量%である。
(D)の量が2重量%未満では溶融粘度が高くなり、ゲ
ル化物の生成抑制効果が乏しく、200重量%を超えて
用いても更なるゲル化抑制効果はなく、不経済である。
【0015】(A)と(C)との反応は、溶液法または
溶融法のいずれでも行うことができる。
【0016】溶液法の場合は、(A)、(C)および
(D)を有機溶媒に加熱溶解し、(B)の存在下で加熱
することにより(A1)を得ることができる。使用する
有機溶媒としては炭素数 6〜12の炭化水素、ハロゲ
ン化炭化水素などを用いることができる。反応温度は使
用されるポリオレフィンが溶解する温度であればよく、
通常は110〜250℃である。圧力は常圧、または必
要により加圧下で行う。
【0017】溶融法の場合は、(A)、(C)および
(D)を(B)と混合し、次いで溶融条件下で混練して
反応させることによって(A1)を得ることができる。
この混練の方法は押し出し機、ブラベンダー、ニーダー
あるいはバンバリーミキサーなどの各種混練機で行うこ
とができる。混練温度は使用される低分子量ポリエチレ
ン及び/またはエチレン/α−オレフィン共重合体
(A)の融点以上ないし300℃以下の範囲が好まし
い。
【0018】上記溶液法または溶融法において有機溶
媒、未反応の(C)および(D)は減圧蒸留、溶媒抽出
等の方法で除去することができる。
【0019】上記製造法において必要により、酸化防止
剤等の添加剤を加えることができる。
【0020】本発明の製法を用いると酸素濃度を極微量
にコントロールすることもなく、また悪臭を発するチオ
ールを使用することもなしに、容易に溶融粘度がコント
ロールされ、かつゲル化物のない(A1)を得ることが
できる。
【0021】本発明の方法で得られる酸変性低分子量ポ
リエチレン及び/またはエチレン/α−オレフィン共重
合体(A1)は、ポリマーアロイ用相溶化剤として有用
である。対象のポリマーアロイとしては、ポリオレフィ
ン/ポリアミド系、ポリオレフィン/ポリエステル系、
ポリオレフィン/ポリイミド系およびポリオレフィン/
ポリイミドアミド系が挙げられ、該ポリマーアロイは自
動車用外板、家電OA機器用のハウジング等に好適に用
いられる。また本発明の方法で得られる(A1)は、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリイミド系樹脂等の低温衝撃強度向上剤、成
形加工性向上剤、顔料やフィーラーの分散剤および塗装
性や接着性の向上剤等の樹脂用改質剤としても有用であ
る。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下に
おいて「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0023】製造例1 窒素導入管、温度計、排ガス流出管および攪拌装置を備
えた3Lの4ツ口コルベンにエチレン/プロピレン=5
0/50(重量%)のエチレン/プロピレン共重合体ゴ
ム(以下、EPRと記す。)[商品名「EP−92
1」、日本合成ゴム(株)製]1,500gを小さいブ
ロックに細断し、窒素雰囲気下で仕込んだ。以降熱減成
反応終了時までコルベン内に窒素は通気し続けた。次に
マントルヒーターにて加熱・昇温し攪拌しながら350
℃で2.5時間熱減成を行った。次いで熱減成物を20
0℃まで冷却後コルベンから取り出し、低分子量EPR
を得た。その物性を表1に示す。
【0024】製造例2 熱減成反応を355℃で2.5時間行った他は、製造例
1と同様にして低分子量EPRを得た。その物性を表1
に示す。
【0025】製造例3 製造例1において「EP−921」に代えて、エチレン
/プロピレン=78/22(重量%)のEPR[商品名
「EP−912P」、日本合成ゴム(株)製]を同量用
い、熱減成反応を355℃で3.5時間行った他は、製
造例1と同様にして低分子量EPRを得た。その物性を
表1に示す。
【0026】製造例4 熱減成反応を350℃で1時間行った他は、製造例3と
同様にして低分子量EPRを得た。その物性を表1に示
す。
【0027】製造例5 製造例1において「EP−921」に代えて、低密度ポ
リエチレン[商品名「スミカセンG806」、住友化学
工業(株)製]を同量用い、熱減成反応を350℃で2
時間行った他は、製造例1と同様にして低分子量ポリエ
チレンを得た。その物性を表1に示す。
【0028】製造例6 熱減成反応を350℃で3.5時間行った他は、製造例
5と同様にして低分子量ポリエチレンを得た。その物性
を表1に示す。
【0029】実施例1 製造例1で得られた低分子量EPR1,000g、無水
マレイン酸55gおよびドデセン−1[商品名「ダイア
レン−12」、三菱化成(株)製]100gを窒素導入
管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えた3Lの
オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で
置換した後、マントルヒーターで加熱・昇温し、180
℃で溶解した。次いでジ−t−ブチルパーオキシド5g
を、滴下ロートより添加し、180℃で1時間反応させ
た。反応後、温度を190℃にして、系内を減圧にし、
5Torrの減圧下で1時間ストリッピングを行い、1
60℃まで冷却後取り出し、無水マレイン酸変性低分子
量EPRを得た。その物性を表1に示す。
【0030】実施例2 製造例2で得られた低分子量EPR1,000g、無水
マレイン酸130g、ノネン(プロピレン三量体)[商
品名「ノネン」、エッソ化学(株)製]150gおよび
ジ−t−ブチルパーオキシド10gを使用した以外は、
実施例1と同様にして反応を行い、無水マレイン酸変性
低分子量EPRを得た。その物性を表1に示す。
【0031】実施例3 製造例3で得られた低分子量EPR1,000g、無水
マレイン酸250g、テトラデセン−1[商品名「ダイ
アレン−14」、三菱化成(株)製]500gおよびジ
−t−ブチルパーオキシド15gを使用した以外は、実
施例1と同様にして反応を行い、無水マレイン酸変性低
分子量EPRを得た。その物性を表1に示す。
【0032】実施例4 製造例4で得られた低分子量EPR1,000g、無水
マレイン酸10g、オクテン−1[商品名「ダイアレン
−8」、三菱化成(株)製]30gおよびジ−t−ブチ
ルパーオキシド2gを使用した以外は、実施例1と同様
にして反応を行い、無水マレイン酸変性低分子量EPR
を得た。その物性を表1に示す。
【0033】実施例5 製造例5で得られた低分子量ポリエチレン1,000
g、無水マレイン酸65g、「ダイアレン−12」10
0gおよびジクミルパーオキシド10gを使用した以外
は、実施例1と同様にして反応を行い、無水マレイン酸
変性低分子量ポリエチレンを得た。その物性を表1に示
す。
【0034】実施例6 製造例6で得られた低分子量ポリエチレン1,000
g、無水マレイン酸150g、「ダイアレン−12」1
00gおよびジクミルパーオキシド10gを使用した以
外は、実施例1と同様にして反応を行い、無水マレイン
酸変性低分子量ポリエチレンを得た。その物性を表1に
示す。
【0035】比較例1 実施例1において「ダイアレン−12」を使用しない以
外は、実施例1同様の操作を行い、無水マレイン酸変性
低分子量EPRを得た。その物性を表2に示す。
【0036】比較例2 実施例5において「ダイアレン−12」を使用しない以
外は、実施例1と同様の操作を行い、無水マレイン酸変
性低分子量ポリエチレンを得た。その物性を表2に示
す。
【0037】
【表1】 分子量Mw;ゲルパーミエーション クロマトグラフィ
ー(GPC)法による。 ゲル化物 ;熱キシレン中の不溶解物の有無を目視観
察。
【0038】
【表2】
【0039】表1および表2から明らかなように、本発
明の製造法により得られた酸変性低分子量ポリエチレン
及び/またはエチレン/α−オレフィン共重合体は酸変
性による溶融粘度の増加が少なく、ゲル化物の生成もな
い。
【0040】実施例7 ナイロン6[商品名「アミランCM1021」、東レ
(株)製]80部に、EPR「EP−921」10部お
よび実施例1で得た無水マレイン酸変性低分子量EPR
10部を二軸押し出し機を用いてシリンダ−温度280
℃でブレンドした後、射出成形してポリマーアロイ試験
片を得た。この試験片のアイゾット衝撃強度を測定した
ところ8.0Kgcm/cmノッチ付き(25℃)であ
った。
【0041】比較例3 ナイロン6単味の同条件下でのアイゾット衝撃強度は
1.0Kgcm/cmノッチ付き(25℃)であった。
この結果から本発明の方法で得られる無水マレイン酸変
性低分子量EPRは、優れた衝撃強度改良剤であること
が分かった。
【0042】実施例8 ナイロン66[商品名「レオナー1300S」、旭化成
(株)製]65部、ポリプロピレン[商品名「ウベポリ
プロJ609H」、宇部興産(株)製]30重量%およ
び実施例5で得た無水マレイン酸変性低分子量ポリエチ
レン5部を二軸押し出し機を用いてシリンダ−温度28
0℃でブレンドした後、射出成形してポリマーアロイ試
験片を得た。この試験片を液体窒素中で破断し破断面を
電子顕微鏡で観察してナイロン中に分散したポリプロピ
レンの分散粒子径を測定し相溶性の評価を行った。この
結果、ポリプロピレンの分散粒子径は1μm以下であ
り、分散性がよく優れた相溶化能を有していた。
【0043】比較例4 無水マレイン酸変性低分子量ポリエチレンを加えなかっ
た以外は実施例8と同様にしてポリマーアロイ試験片を
作製および相溶性の評価を行った。この結果、ナイロン
中に分散したポリプロピレンの分散粒子径は25〜30
μmであり、ポリマ−アロイとしての相溶性が低いこと
がわかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造法を用いることにより、反
応系内の酸素濃度5ppm以下の極微量にコントロール
したり、臭気の強いチオール系連鎖移動剤を用いること
なく、ゲル化物のない酸変性低分子量ポリエチレン系
(共)重合体を容易に得ることができる。また、本発明
の製造法により得られる酸変性低分子量ポリエチレン系
(共)重合体は、樹脂改質剤として下記の効果を有し、
産業上極めて有用である。 (1)ポリマーアロイ用相溶化剤として優れた相溶化能
を有する。 (2)各種樹脂の低温における衝撃強度の向上に効果を
示す。 (3)各種樹脂の成形時に流動性向上剤として用いた場
合に優れた効果を示す。 (4)各種樹脂に顔料、フィーラーなどを混合する時の
分散剤として用いた場合に優れた効果を示す。 (5)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン類に混合して用いると樹脂表面への塗料の塗装性、
またフィルムにしたときの他のフィルム等との接着性な
どを向上させる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量2,000〜100,0
    00の低分子量ポリエチレン及び/またはエチレン/α
    −オレフィン共重合体(A)を、ラジカル発生剤(B)
    の存在下、不飽和ジカルボン酸類(C)と反応させて、
    酸変性低分子量ポリエチレン及び/または酸変性低分子
    量エチレン/α−オレフィン共重合体(Al)を製造す
    る方法において、該反応を炭素数が6〜36のα−オレ
    フィン(D)の存在下で行うことを特徴とする製造法。
  2. 【請求項2】 (A)中のポリエチレン含量が20重量
    %以上である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 (C)の量が、(A)の重量に基づいて
    0.1〜25重量%である請求項1または2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】 (D)の量が、(A)の重量に基づいて
    2〜200重量%である請求項1〜3いずれか記載の製
    造法。
  5. 【請求項5】 (A)が、ポリエチレン及び/またはエ
    チレン/α−オレフィン共重合体を熱減成して得られる
    ものである請求項1〜4いずれか記載の製造法。
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