JP5648686B2 - プリノン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、一般式(I)
Figure 0005648686
(式中、すべての記号は後記と同じ意味を表す。)で示される化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、その塩、その溶媒和物、そのN−オキシド体、またはそれらのプロドラッグ(以下、本発明化合物と略記することがある。)に関する。
ブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton's tyrosine kinase;以下、Btkと略記する。)は、非受容体型チロシンキナーゼであるTecファミリーキナーゼに属し、B細胞系および骨髄球系の細胞に選択的に発現する。Btkは、B細胞のシグナル伝達に重要な役割を担い、B細胞の生存、分化、増殖および活性化等に寄与する因子である。B細胞抗原受容体(B-cell antigen receptor;BCR)を介したB細胞のシグナルは、広範囲に亘る生物学的な反応を誘導し、そのシグナル伝達が異常な場合には、B細胞の異常な活性化や病原性の自己抗体の形成等が引き起こされる。BtkはこのBCRを介したB細胞へのシグナル伝達経路の一部を担っていると考えられている。そのため、ヒトBtk遺伝子の欠損により、B細胞の異常分化が誘導され、免疫グロブリンの産生が著しく低下するため、X連鎖性無ガンマグロブリン血症(XLA)が発症することが知られている(非特許文献1参照)。この疾患の症状としては、末梢血においてB細胞が著しく減少することや、細菌感染に対する感受性が増加すること等が挙げられる。また、Btkは肥満細胞の活性化や血小板の生理機能に関与することも知られている。そのため、Btk阻害活性を有する化合物は、B細胞や肥満細胞が関与する疾患、例えば、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、血栓塞栓性疾患、癌等の治療に有用である(非特許文献2参照)。
ところで、本発明化合物の先行技術として、以下の化合物が知られている。
Btk阻害活性を有する化合物として、一般式(A)
Figure 0005648686
(式中、La Aは、CH2、O、NHまたはSを表し、;ArAは、置換または無置換のアリール、または置換または無置換のヘテロアリールを表し、;YAは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される任意の置換基を表し、;ZAはCO、OCO、NHCO、CSを表し、;R7-AおよびR8-Aは独立して、H、無置換のC1−C4アルキル、置換されたC1−C4アルキル、無置換のC1−C4ヘテロアルキル、置換されたC1−C4ヘテロアルキル、無置換のC3−C6シクロアルキル、置換されたC3−C6シクロアルキル、無置換のC2−C6ヘテロシクロアルキル、および置換されたC2−C6ヘテロシクロアルキルを表し、;またはR7-AおよびR8-Aは一緒になって結合手を形成する、;R6-Aは、H、置換または無置換のC1−C4アルキル、置換または無置換のC1−C4ヘテロアルキル、C1−C6アルコキシアルキル、C1−C8アルキルアミノアルキル、置換または無置換のC3−C6シクロアルキル、置換または無置換のアリールを表す(但し、各基の定義は抜粋した。)。)で示される化合物が知られている(特許文献1、2および3参照)。
一方、プリノン骨格を有する化合物としては、例えば、一般式(B)
Figure 0005648686
(式中、Q1BおよびQ2Bは独立して、CX1B、CX2Bおよび窒素から選択され;Q3BはNまたはCHを表し、;X1BおよびX2Bは独立して水素、(C1−C6)アルキル、シアノおよびハロ等からなるグループから選択され、;R1Bは、水素および(C1−C6)アルキルからなるグループから選択され;yBは0または1〜3の整数を表し、;R2BおよびR3Bは独立して、水素および(C1−C6)アルキルから選択され、;R4Bはアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール等からなるグループから選択され、;R5Bは、アルキル、ヘテロシクリル、および置換されたヘテロシクリルからなるグループから選択される(但し、各基の定義は抜粋した。)。)で示される化合物が知られている(特許文献4参照)。
また、一般式(C)
Figure 0005648686
(式中、XCは、窒素およびCR8Cからなる群から選択され、R8Cは水素、ハロゲン、および置換または無置換のアルキル等からなる群から選択され、;Q1Cは、O、S等からなる群から選択され、ZCは、酸素、硫黄、およびNY5Cからなる群から選択され、Y5Cは水素、および置換または無置換のアルキル等からなる群から選択され、;Q2C、Q3CおよびQ4Cは独立して、水素、置換または無置換のアルキル、および置換または無置換のアリール等からなる群から選択され、;R2Cは、水素および置換または無置換のアルキルからなる群から選択され、;nCは0、1、2、3または4を表す(但し、各基の定義は抜粋した。)。)で示される化合物が知られている(特許文献5参照)。
さらに、特許文献6には、プリノン骨格を有する化合物が、式20として開示されている(段落0028参照)。
また、一般式(D)
Figure 0005648686
(式中、R1Dは、水素、置換または無置換のアルキルおよび
Figure 0005648686
等から選択される基を表し、;R2Dは、置換または無置換のアルキル、置換または無置換のアルケニルおよび置換または無置換のアルキニル基等を表し、;YDはO、C−NO2およびSから選択される基を表し、;ZDは、
Figure 0005648686
等から選択される基を表し、;ここで、AD、DD、EDおよびMDは、それぞれ独立して、CR12D、NおよびN−オキシドを表し、;R12Dは、水素、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシおよびシアノ等から選択される基を表し、;XDは、O、C−NO2およびS等から選択される基を表し、;R6Dは、置換または無置換のシクロアルキル、置換または無置換のヘテロアルキルおよび置換または無置換のアリール等から選択される基を表し、;破線で示された記号aDは、単結合または二重結合のいずれかを表し、;nDは、0、1および2から選択される整数を表す。)で示される化合物が知られている(特許文献7参照)。
本発明化合物は、Btk選択的な阻害作用を有することに加えて、代謝安定性に優れ、CYP阻害作用や肝毒性等の副作用を回避できる化合物であるが、いずれの先行技術文献にもこのような特徴に関する記載も示唆もない。
特表2010−504324号公報 国際公開第2008/121742号パンフレット 国際公開第2010/009342号パンフレット 国際公開第2008/060301号パンフレット 国際公開第2007/142755号パンフレット 特表2003−509427号公報 国際公開第2003/037890号パンフレット
ネイチャー(Nature)、第361巻、226−233ページ、1993年 アンチキャンサー・エージェンツ・イン・メディシナル・ケミストリー(Anticancer Agents in Medicinal Chemistry)、第7巻、第6号、624−632ページ、2007年
本発明の課題は、安全性に優れた、B細胞や肥満細胞が関与する疾患の治療剤を提供するため、Btk選択的な阻害活性を有することに加え、代謝安定性に優れ、肝毒性等を回避できる化合物を開発することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、Btk選択的な阻害活性を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、本発明化合物を見出した。さらに、それら化合物が、代謝安定性に優れ、肝毒性等を回避できる化合物であることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]一般式(I)
Figure 0005648686
(式中、Lは(1)−O−、(2)−S−、(3)−SO−、(4)−SO2−、(5)−NH−、(6)−C(O)−、(7)−CH2−O−、(8)−O−CH2−、(9)−CH2−、または(10)−CH(OH)−を表し、
1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)C1〜4ハロアルキル基、または(5)C1〜4ハロアルコキシ基を表し、
ring1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、(5)C1〜4ハロアルキル基および(6)C1〜4ハロアルコキシ基からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい4〜7員の環状基を表し、ただし、ring1上の置換基が2個以上のとき、当該置換基はそれらが結合するring1を構成する原子と一緒になって4〜7員の環状基を形成してもよく、
ring2は1〜3個の−K−R2で置換されていてもよい4〜7員の飽和ヘテロ環を表し、
Kは(1)結合手、(2)C1〜4アルキレン、(3)−C(O)−、(4)−C(O)−CH2−、(5)−CH2−C(O)−、(6)−C(O)O−、または(7)−SO2−を表し(ただし、左側の結合手がring2と結合するものとする。)、
2は(1)NR34、(2)ハロゲン原子、(3)CONR56、(4)CO27および(5)OR8からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、(1)C1〜4アルキル、(2)C2〜4アルケニル、または(3)C2〜4アルキニル基を表し、
3およびR4はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)OR9またはCONR1011で置換されていてもよいC1〜4アルキル基を表し、
3およびR4は結合する窒素原子と一緒になって、オキソ基または水酸基で置換されていてもよい4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環を形成してもよく、
5およびR6はそれぞれ独立して(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、または(3)フェニル基を表し、
7は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、
8は(1)水素原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)フェニル基、または(4)ベンゾトリアゾリル基を表し、
9は(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、
10およびR11はそれぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜4アルキル基を表し、
nは0〜4の整数を表し、
mは0〜2の整数を表し、
nが2以上のとき、R1は同じでも異なっていてもよい。)で示される化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、その塩、その溶媒和物、そのN−オキシド、またはそれらのプロドラッグ、
[2]R2が(1)NR34、(2)ハロゲン原子、(3)CONR56、(4)CO27および(5)OR8からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基またはC2〜4アルキニル基である前記[1]記載の化合物、
[3]ring1が(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、および(5)CF3からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン、シクロヘキサン、またはピリジン環である前記[1]記載の化合物、
[4]ring2が1〜3個の−K−R2で置換されていてもよい、4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環である前記[1]記載の化合物、
[5]4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環がアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環である前記[4]記載の化合物、
[6]一般式(I−1)
Figure 0005648686
(式中、ring1−1は(1)ハロゲン原子、(2)C1〜4アルキル基、(3)C1〜4アルコキシ基、(4)ニトリル、および(5)CF3からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、ベンゼン、シクロヘキサン、またはピリジン環を表し、ring2−1は1〜3個の−K−R2で置換されていてもよい、4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される前記[1]記載の化合物、
[7]R2が(1)NR34、(2)ハロゲン原子、(3)CONR56、(4)CO27、および(5)OR8からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基またはC2〜4アルキニル基である、前記[6]記載の化合物、
[8](1)9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、(2)6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、(3)9−[(1−アクリロイル−4−ピペリジニル)メチル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、(4)6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、(5)6−アミノ−9−{(3S)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、(6)6−アミノ−7−[4−(3−クロロフェノキシ)フェニル]−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、(7)6−アミノ−9−[1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、または(8)6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オンである前記[1]記載の化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、
[9]前記[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、その塩、その溶媒和物、そのN−オキシド、またはそれらのプロドラッグを含有してなる医薬組成物、
[10]Btk阻害剤である前記[9]記載の医薬組成物、
[11]Btk関連疾患の予防および/または治療剤である前記[9]記載の医薬組成物、
[12]Btk関連疾患が、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、血栓塞栓性疾患、または癌である前記[11]記載の医薬組成物、
[13]癌が、非ホジキンリンパ腫である前記[12]記載の医薬組成物、
[14]B細胞活性化阻害剤である前記[9]記載の医薬組成物、
[15]前記[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、その塩、その溶媒和物、そのN−オキシド、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、Btk関連疾患の予防および/または治療方法、
[16]Btk関連疾患の予防および/または治療のための前記[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、その塩、その溶媒和物、そのN−オキシド、またはそれらのプロドラッグ、および
[17]Btk関連疾患の予防および/または治療剤を製造するための前記[1]記載の一般式(I)で示される化合物、その光学異性体またはそれらの混合物、その塩、その溶媒和物、そのN−オキシド、またはそれらのプロドラッグの使用等に関する。
本発明化合物は、Btk選択的な阻害活性を有することに加え、代謝安定性に優れ、肝毒性等を回避できる化合物であるため、安全性に優れた、非ホジキンリンパ腫等のB細胞や肥満細胞が関与する疾患の治療剤として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「Btk選択的な阻害活性を有する」とは、Btk以外のチロシンキナーゼ、特にLck(Lymphocyte specific protein tyrosine kinase)、Fyn(Protein-tyrosine kinase fyn)、LynA(v-yes-1 Yamaguchi sarcoma viral related oncogene homolog isoform A)に対してBtk選択的な阻害活性を有することを意味する。この特性により、他のチロシンキナーゼを阻害することによって引き起こされる予期できない副作用を回避できる。例えば、Lck欠損マウスでは、網膜の異常が発現することが知られている(オンコジーン(oncogene)、第16巻、2351−2356ページ、1998年)ことから、Lckを阻害すると眼に対する副作用が引き起こされる可能性がある。
本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
本発明において、C1〜4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の直鎖状または分岐鎖状のC1〜4アルキル基を意味する。
本発明において、C1〜4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびそれらの異性体等を意味する。
本発明において、C1〜4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、tert−ブトキシ等の直鎖状または分岐鎖状のC1〜4アルコキシ基を意味する。
本発明において、C2〜4アルケニル基とは、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル等の直鎖状または分岐鎖状のC2〜4アルケニル基を意味する。
本発明において、C2〜4アルキニル基とは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1,3−ブタジイニル等の直鎖状または分岐鎖状のC2〜4アルキニル基を意味する。
本発明において、C1〜4ハロアルキル基とは、C1〜4アルキル基が1又は2以上のハロゲン原子によって置換されてなる基を意味し、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、4−ブロモブチル基等が挙げられる。
本発明において、C1〜4ハロアルコキシ基とは、C1〜4アルコキシ基が1又は2以上のハロゲン原子によって置換されてなる基を意味し、例えば、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、フルオロメトキシ基、ヨードメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、3−ブロモプロポキシ基、3−クロロプロポキシ基、2,3−ジクロロプロポキシ基、1−フルオロブトキシ基、4−フルオロブトキシ基、1−クロロブトキシ基等が挙げられる。
本発明において、4〜7員の環状基とは、C4〜7の炭素環、または4〜7員のヘテロ環を意味する。
本発明において、C4〜7の炭素環とは、C4〜7の単環式の脂肪族または芳香族の炭素環を意味する。脂肪族の場合は、その一部または全部が飽和されていてもよい。例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、ベンゼン等が挙げられる。
本発明において、C5〜6の炭素環とは、C5〜6の単環式の脂肪族または芳香族の炭素環を意味する。脂肪族の場合は、その一部または全部が飽和されていてもよい。例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ベンゼン等が挙げられる。
本発明において、4〜7員のヘテロ環とは、4〜7員の不飽和ヘテロ環、または4〜7員の飽和ヘテロ環を意味する。
本発明において、4〜7員の不飽和ヘテロ環とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、不飽和の4〜7員の単環ヘテロ環を意味し、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン等が挙げられる。
本発明において、4〜7員の飽和ヘテロ環とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から各々独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された4〜7員の単環ヘテロ環を意味し、例えば、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン等が挙げられる。
本発明において、4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環とは、4〜7員の飽和ヘテロ環のうち、必ず1個以上の窒素原子を含むものをいう。例えば、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン等が挙げられる。
本発明において、4〜6員の含窒素飽和ヘテロ環としては、例えば、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、モルホリン、チオモルホリン等が挙げられる。
本発明において、Lとしては−O−、−CH2−O−、−O−CH2−、−NH−、−C(O)−、−CH2−、または−CH(OH)−が好ましい。
本発明において、R1としてはハロゲン原子、またはC1〜4アルコキシ基が好ましい。
本発明において、ring1における4〜7員の環状基としては、C5〜6の炭素環、または4〜7員の不飽和ヘテロ環が好ましく、ベンゼン、シクロヘキサン、またはピリジン環がより好ましい。
本発明において、ring2における4〜7員の飽和ヘテロ環としては、4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環が好ましく、4〜6員の含窒素飽和ヘテロ環がより好ましく、アゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環がさらに好ましく、アゼチジン、またはピロリジン環が特に好ましい。
本発明において、Kとしては、結合手、または−C(O)−が好ましい。
本発明において、R2としては、(1)NR34、(2)ハロゲン原子、(3)CONR56、(4)CO27および(5)OR8からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基、またはC2〜4アルキニル基が好ましい。
本発明において、mとしては、0または1が好ましく、0がより好ましい。
本発明において、L、R1、ring1、ring2、K、R2、およびmから選択される上記に列挙した好ましい基をそれぞれ任意に組み合わせることも好ましい。
本発明において、一般式(I)のうち、一般式(I−1)
Figure 0005648686
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物が好ましい。
一般式(I−1)において、R1としてはハロゲン原子、またはC1〜4アルコキシ基が好ましい。
一般式(I−1)において、ring1−1としてはベンゼン環が好ましい。
一般式(I−1)において、ring2−1における4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環としてはアゼチジン、ピロリジン、またはピペリジン環が好ましく、アゼチジン、またはピロリジン環がより好ましい。
一般式(I−1)において、ring2−1上の置換基である−K−R2−としては、Kが結合手または−C(O)−が好ましく、R2が(1)NR34、(2)ハロゲン原子、(3)CONR56、(4)CO27および(5)OR8からなる群より各々独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニル基、またはC2〜4アルキニル基が好ましい。
一般式(I−1)において、mとしては0または1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(I−1)において、上記に列挙した好ましい基をそれぞれ任意に組み合わせることも好ましい。
[異性体]
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、さらに、二重結合、環、縮合環における幾何異性体(E体、Z体、シス体、トランス体)、不斉炭素原子の存在等による光学異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。また、本発明においては、互変異性体による異性体をもすべて包含する。
また、本発明における光学異性体は、100%純粋なものだけでなく、50%未満のその他の光学異性体が含まれていてもよい。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
Figure 0005648686
は紙面の向こう側(すなわちα配置)に結合していることを表し、
Figure 0005648686
は紙面の手前側(すなわちβ配置)に結合していることを表し、
Figure 0005648686
はα配置、β配置またはそれらの任意の比率の混合物であることを表す。
一般式(I)で示される化合物は、公知の方法で相当する塩に変換される。塩は、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することもできる。溶媒和物は低毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)との溶媒和物が挙げられる。
また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により、一般式(I)で示される化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、一般式(I)で示される化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、イソプロピルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。さらに、一般式(I)で示される化合物は同位元素(例えば、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、35S、18F、36Cl、123I、125I等)等で標識されていてもよい。
[本発明化合物の製造方法]
本発明化合物は、公知の方法、例えば、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)に記載された方法、または実施例に示す方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。
一般式(I)のうち、ring2が無置換の4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環である化合物、すなわち、一般式(I−A)
Figure 0005648686
(式中、ring2aは、無置換の4〜7員の含窒素飽和ヘテロ環を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は、下記で示される反応工程式1によって製造することができる。
Figure 0005648686
(式中、T1およびT2はそれぞれ独立して、アミノ基の保護基(例えば、ベンジル(Bn)基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基等)を表し、X1およびX2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、ring2−1は、T3で表される保護基(例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基等)によって保護されたring2aを表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)
反応工程式1中、反応1は公知であり、一般式(a)で示される化合物と、保護されたアミン誘導体、すなわちT12−NH(式中、T1およびT2は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物を用いて、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存在下、−20℃〜室温の温度で反応させることによって行なわれる。
反応工程式1中、反応2は公知であり、一般式(b)で示される化合物と、一般式(II)で示される化合物を用いて、有機溶媒(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存在下、−20〜70℃の温度で反応させることによって行なわれる。
反応工程式1中、反応3は公知であり、一般式(c)で示される化合物を用いて、水に混和する溶媒(例えば、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等)中、酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、塩化アンモニウム、酢酸、ギ酸アンモニウム等)の存在下または非存在下、金属試薬(例えば、亜鉛、鉄、スズ、塩化スズ、塩化鉄、サマリウム、インジウム、水素化ホウ素ナトリウム−塩化ニッケル等)を用いて、0〜150℃の温度で行なわれる。
反応工程式1中、反応4は公知であり、一般式(d)で示される化合物を用いて、有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)中、試薬(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、トリホスゲン等)を用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存在下または非存在下、氷冷〜還流温度で行なわれる。
反応工程式1中、保護基の脱保護反応は公知であり、以下の方法で行うことができる。例えば、(1)アルカリ加水分解による脱保護反応、(2)酸性条件下における脱保護反応、(3)加水素分解による脱保護反応、(4)シリル基の脱保護反応、(5)金属を用いる脱保護反応、(6)金属錯体を用いる脱保護反応等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜40℃で行なわれる。
(2)酸条件下での脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、アニソール等)中、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、2,2,2−トリフルオロエタノールの存在下または非存在下、0〜100℃で行なわれる。
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば溶媒(例えば、エーテル系(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(例えば、ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(例えば、アセトニトリル等)、アミド系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(例えば、パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃で行なわれる。
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば水と混和しうる有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、0〜40℃で行なわれる。また、例えば、有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸等)、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(例えば、臭化水素/酢酸等)中、−10〜100℃で行なわれる。
(5)金属を用いる脱保護反応は、例えば酸性溶媒(例えば、酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、0〜40℃で行なわれる。
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(例えば、水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(例えば、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(例えば、トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0−40℃で行なわれる。
また、上記以外にも、例えばT. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載された方法によって、脱保護反応を行なうことができる。
アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されない。例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載されたものが用いられる。
反応工程式1中、反応5は公知であり、一般式(f)で示される化合物と、一般式(III−1)または一般式(III−2)で示される化合物とを用いて、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル等)中、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等)、銅塩(例えば、酢酸銅(II)等)および乾燥剤(例えば、モレキュラーシーブス等)の存在下、室温〜120℃で反応させることにより行われる。
一般式(I)のうち、ring2が4−7員の含窒素飽和ヘテロ環であって、1つ以上の−K−R2で置換され、KがC(O)かつR2がハロゲンで置換されていてもよいC1〜4アルキレンまたはC2〜4アルケニレン基を表す化合物、すなわち、一般式(I−B)
Figure 0005648686
(式中、ring2bは、−Kb−R2bで置換された4−7員の含窒素飽和ヘテロ環を表し、Kbは−C(O)−を表し、R2bはハロゲンで置換されていてもよいC1〜4アルキレンまたはC2〜4アルケニレン基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は、反応工程式1で製造できる一般式(I−A)で示される化合物と、一般式(I−B−1)
Figure 0005648686
(式中、Xbはハロゲン原子を表し、R2bは前記と同じ意味を表す。)で示される化合物とを用いて、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存在下、0℃〜室温で反応させることにより製造することができる。
一般式(I)のうち、ring2が4−7員の含窒素飽和ヘテロ環であって、1つ以上の−K−R2で置換され、KがC(O)かつR2がNR34で置換されていてもよいC1〜4アルキレンまたはC2〜4アルケニレン基を表す化合物、すなわち、一般式(I−C)
Figure 0005648686
(式中、ring2cは、−Kb−R2cで置換された4−7員の含窒素飽和ヘテロ環を表し、R2cはNR34で置換されていてもよいC1〜4アルキレンまたはC2〜4アルケニレン基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は、一般式(I−A)で示される化合物と、一般式(I−C−1)
Figure 0005648686
(式中、Xc-1およびXc-2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、R2c-1はC1〜4アルキレンまたはC2〜4アルケニレン基を表す。)で示される化合物とを用いて、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存在下、0℃以下で反応させることにより得られた化合物を、さらに、一般式(I−C−2)
Figure 0005648686
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物と、有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等)中、室温〜120℃で反応させることにより製造することができる。
一般式(I)のうち、ring2が4−7員の含窒素飽和ヘテロ環であって、1つ以上の−K−R2で置換され、KがC(O)かつR2がCONR56、CO27またはOR8で置換されていてもよいC1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレンまたはC2〜4アルキニレン基を表す化合物、すなわち、一般式(I−D)
Figure 0005648686
(式中、ring2dは、1つ以上の−Kb−R2dで置換された4−7員の含窒素飽和ヘテロ環を表し、R2dはCONR56、CO27またはOR8で置換されていてもよいC1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレンまたはC2〜4アルキニレン基を表し、その他の記号は前記と同じ意味を表す。)で示される化合物は、一般式(I−A)で示される化合物と、一般式(I−D−1)
Figure 0005648686
(式中、R2dは前記と同じ意味を表す。)で示される化合物とを用いて、有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、または無溶媒で、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存在下または非存在下、縮合剤(例えば、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、1−プロピルホスホン酸環状無水物(1-propanephosphonic acid cyclic anhydride、PPA)等)を用い、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)を用いるか用いないで、0℃〜室温で反応させることにより製造することができる。
本明細書中の各反応において、出発原料として用いた化合物、例えば、一般式(a)、(II)、(III−1)、(III−2)、(I−B−1)、(I−C−1)、(I−C−2)、または(I−D−1)は公知であるか、あるいは公知の方法により容易に製造することができる。
本明細書中の各反応において、加熱を伴う反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
本発明化合物の毒性は十分に低いものであり、例えば、CYP阻害作用や肝毒性等がほとんどなく、医薬有効成分として安全に使用することができる。
[医薬品への適用]
本発明化合物は、選択的なBtk阻害作用を有するため、Btk関連疾患、すなわちB細胞や肥満細胞が関与する疾患、例えば、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、血栓塞栓性疾患、癌、移植片対宿主病等の予防および/または治療剤として有用である。また、本発明化合物は、B細胞の活性化を選択的に阻害する作用も有するため、B細胞活性化阻害剤としても有用である。
本発明において、アレルギー性疾患としては、例えば、アレルギー、アナフィラキシー、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎が挙げられる。
本発明において、自己免疫疾患としては、例えば、炎症性腸疾患、関節炎、ループス、リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節炎、スティル病、若年性関節炎、I型糖尿病、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、オード甲状腺炎、バセドー病、シェーグレン症候群、多発性硬化症、ギランバレー症候群、急性播種性脳脊髄炎、アディソン病、オプソクローヌス−ミオクローヌス症候群、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、視神経炎、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター病、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ヴェグナー肉芽腫、乾癬、全身性脱毛症、バーチェット病、慢性疲労症候群、自律神経障害、子宮内膜症、間質性膀胱炎、ミオトニー、外陰部痛、全身性エリテマトーデスが挙げられる。
本発明において、炎症性疾患としては、例えば、喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頚炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、肝炎、汗腺膿瘍、喉頭炎、乳腺炎、髄膜炎、脊髄炎、心筋炎、筋炎、腎炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻炎、耳管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、へんとう炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎が挙げられる。
本発明において、血栓塞栓性疾患としては、例えば、心筋梗塞、狭心症、血管形成後の再閉塞、血管形成後の再狭窄、大動脈冠動脈バイパス後の再閉塞、大動脈冠動脈バイパス後の再狭窄、脳梗塞、一過性虚血、末梢血管閉塞症、肺塞栓、深部静脈血栓症が挙げられる。
本発明において、癌としては非ホジキンリンパ腫が含まれ、中でもB細胞性非ホジキンリンパ腫が好適であり、例えば、バーキットリンパ腫、AIDS関連性リンパ腫、辺縁体B細胞リンパ腫(節性辺縁体B細胞リンパ腫、節外性辺縁体B細胞リンパ腫、脾性辺縁体B細胞リンパ腫)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫病、濾胞性リンパ腫、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性白血病/ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、形質細胞腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病が挙げられる。また、本発明における癌としては、非ホジキンリンパ腫以外の癌として膵内分泌腫瘍が含まれ、例えば、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマ、VIP産生腫瘍(VIPoma)、PP産生腫瘍(PPoma)、GRF産生腫瘍が挙げられる。
本発明化合物は、単独で投与してもよいが、
1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)その化合物の副作用の軽減
のために、他の薬物と組み合わせて、併用薬として投与してもよい。
本発明化合物と他の薬物との併用薬は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬物を後に投与してもよいし、他の薬物を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
上記併用薬により予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明化合物のアレルギー性疾患に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬物としては、例えば、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、抗アレルギー薬、トロンボキサンA2受容体アンタゴニスト、トロンボキサン合成酵素阻害薬、ステロイドが挙げられる。
本発明化合物の自己免疫疾患に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬物としては、例えば、免疫抑制薬、ステロイド、疾患修飾型抗リウマチ薬、エラスターゼ阻害薬、カンナビノイド−2受容体刺激薬、プロスタグランジン、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテアーゼ阻害薬、接着分子阻害薬、抗TNF−α製剤、抗IL−1製剤、抗IL−6製剤等の抗サイトカインタンパク製剤、サイトカイン阻害薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗CD20抗体が挙げられる。
本発明化合物の炎症性疾患に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬物としては、例えば、ステロイド、エラスターゼ阻害薬、カンナビノイド−2受容体刺激薬、プロスタグランジン、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテアーゼ阻害薬、接着分子阻害薬、抗ロイコトリエン薬、抗コリン薬、トロンボキサンA2受容体アンタゴニスト、トロンボキサン合成酵素阻害薬、キサンチン誘導体、去痰薬、抗菌薬、抗ヒスタミン薬、抗サイトカインタンパク製剤、サイトカイン阻害薬、フォルスコリン製剤、メディエーター遊離抑制薬、非ステロイド性抗炎症薬が挙げられる。
本発明化合物の血栓塞栓性疾患に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬物としては、例えば、血栓溶解薬、ヘパリン、ヘパリン類縁体、低分子量ヘパリン、ワーファリン、トロンビン阻害薬、ファクターXa阻害薬、ADP受容体アンタゴニスト、シクロオキシゲナーゼ阻害薬が挙げられる。
本発明化合物の非ホジキンリンパ腫に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬物としては、例えば、アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗癌性抗生物質、植物性アルカロイド薬、ホルモン薬、白金化合物、抗CD20抗体、その他の抗癌剤が挙げられる。
抗ヒスタミン薬の例としては、例えば、塩酸アゼラスチン、エバスチン、塩酸エピナスチン、フマル酸エメダスチン、オーラノフィン、オキサトミド、塩酸オロパタジン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、フマル酸ケトチフェン、シメチジン、ジメンヒドリナート、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸セチリジン、デスロラタジン、テルフェナジン、ファモチジン、塩酸フェキソフェナジン、ベポタスチン、ベシル酸ベポタスチン、ミゾラスチン、メキタジン、フロ酸モメタゾン、ラニチジン、塩酸ラニチジン、ロラタジン、塩酸プロメタジン、塩酸ホモクロルシクリジンが挙げられる。
ロイコトリエン拮抗薬の例としては、例えば、プランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト、アブルカスト、ポビルカスト、スルカスト、イラルカストナトリウム、ヴェルルカスト、リトルカスト、シナルカスト、ピロドマスト、トメルカスト、ドクアラストが挙げられる。
抗アレルギー薬の例としては、例えば、アンレキサノクス、塩酸アゼラスチン、イスラパファント、イブジラスト、イミトロダストナトリウム、エバスチン、塩酸エピナスチン、フマル酸エメダスチン、オキサトミド、塩酸オザグレル、塩酸オロパタジン、クロモグリク酸、クロモグリク酸ナトリウム、フマル酸ケトチフェン、セラトロダスト、塩酸セチリジン、トシル酸スプラタスト、タザノラスト、テルフェナジン、ドミトロバンカルシウム水和物、トラニラスト、ネドクロミル、フェキソフェナジン、塩酸フェキソフェナジン、ペミロラストカリウム、メキタジン、ラマトロバン、レピリナスト、ロラタジンが挙げられる。
トロンボキサンA2受容体阻害薬の例としては、例えば、セラトロダスト、ドミトロバンカルシウム水和物、ラマトロバンが挙げられる。
トロンボキサン合成酵素阻害薬の例としては、例えば、イミトロダストナトリウム、塩酸オザグレルが挙げられる。
ステロイドの例としては、例えば、アムシノニド、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、メチルコハク酸プレドニゾロンナトリウム、シクレソニド、ジフルプレドナート、プロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタゾン、デフラザコート、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、パルミチン酸デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、ピバル酸フルメタゾン、ブチル酢酸プレドニゾロン、ブデソニド、硫酸プラステロン、フロ酸モメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、フルニソリド、プレドニゾロン、プロピロン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンスレプタネート、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート、リン酸デキサメタゾンナトリウム、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸トリアムシノロン、酢酸パラメサゾン、酢酸ハロプレドン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾンが挙げられる。
免疫抑制薬の例としては、例えば、アザチオプリン、アスコマイシン、エベロリムス、サラゾスルファピリジン、シクロスポリン、シクロホスファミド、シロリムス、タクロシムス、ブシラミン、メトトレキサート、レフルノミドが挙げられる。
疾患修飾型抗リウマチ薬の例としては、例えば、D−ペニシラミン、アクタリット、オーラノフィン、サラゾスルファピリジン、ヒドロキシクロロキン、ブシラミン、メトトレキサート、レフルノミド、ロベンザリットナトリウム、オーロチオグルコース、マレイン酸オーロチオナトリウムが挙げられる。
エラスターゼ阻害薬の例としては、例えば、ONO−5046、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、DMP−777、L−659286、L−680833、L−683845、AE−3763が挙げられる。
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、例えば、PGE1製剤(例:アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル等)、PGI2製剤(例:ベラプロストナトリウム等)、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI2受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。
プロスタグランジン合成酵素阻害薬の例としては、例えば、サラゾスルファピリジン、メサラジン、オルサラジン、4−アミノサリチル酸、JTE−522、オーラノフィン、カルプロフェン、ジフェンピラミド、フルノキサプロフェン、フルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、パルサルミド、ピプロキセン、ピロキシカム、ピロキシカムシンナメート、ザルトプロフェン、プラノプロフェンが挙げられる。
ホスホジエステラーゼ阻害薬の例としては、例えば、ロリプラム、シロミラスト、Bay19−8004、NIK−616、ロフルミラスト(BY−217)、シパムフィリン(BRL−61063)、アチゾラム(CP−80633)、ONO−6126、SCH−351591、YM−976、V−11294A、PD−168787、D−4396、IC−485が挙げられる。
接着分子阻害薬の例としては、例えば、α4インテグリンアンタゴニストが挙げられる。
抗TNF−α製剤の例としては、例えば、抗TNF−α抗体、可溶性TNF−α受容体、抗TNF−α受容体抗体、可溶性TNF−α結合タンパク質が挙げられ、特に、インフリマキシブ、エタネルセプトが挙げられる。
抗IL−1製剤の例としては、抗IL−1抗体、可溶性IL−1受容体、抗IL−1Raおよび/またはIL−1受容体抗体が挙げられ、特に、アナキンラが挙げられる。
抗IL−6製剤の例としては、抗IL−6抗体、可溶性IL−6受容体、抗IL−6受容体抗体が挙げられ、特に、トシリズマブが挙げられる。
サイトカイン阻害薬の例としては、例えば、トシル酸スプラタスト、T−614、SR−31747、ソナチモドが挙げられる。
抗コリン薬の例としては、例えば、トリヘキシフェニジル、トリヘキシフェニジル塩酸塩、ビペリデン、ビペリデン塩酸塩が挙げられる。
キサンチン誘導体としては、例えば、アミノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフィリン、ジプロフィリン等が挙げられる。
去痰薬としては、アンモニア・ウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸メチルシステイン、アセチルシステイン、L−塩酸エチルシステイン、チロキサポールが挙げられる。
抗菌薬の例としては、例えば、セフロキシムナトリウム、メロペネム三水和物、ネチルマイシン硫酸、シソマイシン硫酸、セフチブテン、PA−1806、IB−367、トブラマイシン、PA−1420、ドキソルビシン、アストロマイシン硫酸、セフェタメットピボキシル塩酸塩が挙げられる。
メディエーター遊離抑制薬の例としては、例えば、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ダザノラスト、ペミロラストカリウム等が挙げられる。
血栓溶解薬の例としては、例えば、アルテプラーゼ、ウロキナーゼ、チソキナーゼ、ナサルプラーゼ、ナテプラーゼ、t−PA、パミテプラーゼ、モンテプラーゼ、プロルキナーゼ、ストレプトキナーゼが挙げられる。
ヘパリン類縁体の例としては、例えば、フォンダパリヌクスが挙げられる。
低分子量ヘパリンの例としては、例えば、ダナパロイドナトリウム、エノキサパリン(ナトリウム)、ナドロパリンカルシウム、ベミパリン(ナトリウム)、レビパリン(ナトリウム)、チンザパリン(ナトリウム)が挙げられる。
トロンビン阻害薬の例としては、例えば、アルガトロバン、キシメラガトラン、メラガトラン、ダビガトラン、ビバリルジン、レピルジン、ヒルジン、デシルジンが挙げられる。
ADP受容体アンタゴニストの例としては、例えば、チクロピジン塩酸、クロピドグレル硫酸が挙げられる。
シクロオキシゲナーゼ阻害薬の例としては、例えば、アスピリンが挙げられる。
アルキル化薬の例としては、例えば、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、チオテパ、カルボコン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ダカルバジン、ラニムスチン等が挙げられる。
代謝拮抗薬の例としては、例えば、メトトレキサート、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、カルモフール、ドキシフルリジン、シタラビン、エノシタビン、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム、塩酸ゲムシタビン、シタラビンオクホスファート、塩酸プロカルバジン、ヒドロキシカルバミド等が挙げられる。
抗癌性抗生物質の例としては、例えば、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、ネオカルチノスタチン、塩酸ピラルビシン、(塩酸)エピルビシン、塩酸イダルビシン、クロモマイシンA3、(塩酸)ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、テラルビシン、ジノスタチン・スチマラマー等が挙げられる。
植物性製剤の例としては、例えば、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、塩酸イリノテカン、エトポシド、フルタミド、酒石酸ビノレルビン、ドセタキセル水和物、パクリタキセル等が挙げられる。
ホルモン剤の例としては、例えば、リン酸エストラムスチンナトリウム、メピチオスタン、エピチオスタノール、酢酸ゴセレリン、ホスフェストロール(リン酸ジエチルスチルベストロール)、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、塩酸ファドロゾール水和物、酢酸メドロキシプロゲステロン、ビカルタミド、酢酸リュープロレリン、アナストロゾール、エクセメスタン等が挙げられる。
白金化合物の例としては、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン等が挙げられる。
抗CD20抗体の例としては、例えば、リツキシマブ、イブリツモマブ、オクレリズマブが挙げられる。
その他の抗癌剤の例としては、例えば、L−アスパラギナーゼ、酢酸オクトレオチド、ポルフィマーナトリウム、ミトキサントロン酢酸が挙げられる。
また、本発明化合物と組み合わせる併用薬としては、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明化合物は、通常、医薬有効成分として、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。経口剤としては、例えば、内服用液剤(例えば、エリキシル剤、シロップ剤、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤)、内服用固形剤(例えば、錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、丸剤、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル、ゼラチンカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤、トローチ剤)等が挙げられる。非経口剤としては、例えば、液剤(例えば、注射剤(皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤等)、点眼剤(例えば、水性点眼剤(水性点眼液、水性懸濁点眼液、粘性点眼液、可溶化点眼液等)、非水性点眼剤(非水性点眼液、非水性懸濁点眼液等))等)、外用剤(例えば、軟膏(眼軟膏等))、点耳剤等が挙げられる。これらの製剤は、速放性製剤、徐放性製剤などの放出制御剤であってもよい。これらの製剤は公知の方法、例えば、日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。
経口剤としての内服用液剤は、例えば、有効成分を一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化されることにより製造される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
経口剤としての内服用固形剤は、例えば、有効成分を賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合し、常法に従って製剤化される。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。
非経口剤としての外用剤は公知の方法または通常使用されている処方により製造される。例えば、軟膏剤は有効成分を基剤に研和、または溶融させて製造される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(例えば、アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(例えば、ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(例えば、親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(例えば、ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(例えば、ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
非経口剤としての注射剤には溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含される。注射剤は、例えば有効成分を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
本発明化合物を医薬の有効成分として用いる場合の投与量は、症状、年令、剤型等によって適宜選択できるが、経口剤であれば、好ましくは1〜100mg、より好ましくは5〜30mgを1日1〜数回(例えば、1〜3回)投与すればよい。点眼剤であれば好ましくは0.000001〜5%(w/v)、より好ましくは0.00001〜0.05%(w/v)の濃度のものを1回量1〜数滴を1日1〜数回(例えば、1〜8回)点眼すればよい。また、眼軟膏であれば好ましくは0.000001〜5%(w/w)、より好ましくは0.00001〜0.05%(w/w)の濃度のものを1日1〜数回(例えば、1〜4回)塗布すればよい。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
NMRデータは特に記載しない限り、1H−NMRのデータである。
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、Advanced Chemistry Development社のACD/Name(登録商標)を用いるか、または、IUPAC命名法に準じて命名したものである。
実施例1:N,N−ジベンジル−6−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−アミン
4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(10g)のジクロロメタン(70mL)溶液に、氷浴下でジクロロメタン(30mL)溶液のジベンジルアミン(10.2g)を滴下した後、トリエチルアミン(14.4mL)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に水を加えた後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧濃縮することで下記物性値を有する標題化合物(19.2g)を得た。
TLC:Rf 0.50 (ヘキサン:酢酸エチル=7:1)。
実施例2:tert−ブチル 3−{[6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イル]アミノ}アゼチジン−1−カルボキシラート
実施例1で製造した化合物(10.3g)とtert−ブチル 3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラート(5.0g)をジオキサン(58mL)に溶解させ、トリエチルアミン(8.1mL)を加えた後、50℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温に戻した後、溶媒を留去し、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記物性値を有する標題化合物(10.8g)を得た。
TLC:Rf 0.40 (ヘキサン:酢酸エチル=4:1)。
実施例3:tert−ブチル 3−{[5−アミノ−6−(ジベンジルアミノ)ピリミジン−4−イル]アミノ}アゼチジン−1−カルボキシラート
氷浴下、亜鉛(23.3g)と3.0M塩化アンモニア水溶液(11.4g)の混合液に酢酸エチル(360mL)溶液の実施例2で製造した化合物(17.5 g)を滴下し、すぐに室温へと昇温した。2時間攪拌後、反応混合物をセライト(商品名)でろ過し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記物性値を有する標題化合物(12.4g)を得た。
TLC:Rf 0.69 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
実施例4:tert−ブチル 3−[6−(ジベンジルアミノ)−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]アゼチジン−1−カルボキシラート
実施例3で製造した化合物(8.4g)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(5.9g)をテトラヒドロフラン(120mL)に溶解させた後、60℃で15時間攪拌した。反応混合物の溶媒を留去した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記物性値を有する標題化合物(7.8g)を得た。
TLC:Rf 0.28 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1)。
実施例5:tert−ブチル 3−(6−アミノ−8−オキソ−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル)アゼチジン−1−カルボキシラート
実施例4で製造した化合物(7.8g)をメタノール(240mL)と酢酸エチル(50mL)に溶解させた後、20%パールマン触媒(Pd(OH)2/C)(8.0g、100wt%)を加え、水素置換をし、60℃で7.5時間攪拌した。反応混合物をセライト(商品名)でろ過し、溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(5.0g)を得た。
TLC:Rf 0.50 (酢酸エチル)。
実施例6:tert−ブチル 3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]アゼチジン−1−カルボキシラート
室温において実施例5で製造した化合物(2.5g)のジクロロメタン(200mL)懸濁液にp−フェノキシフェニルホウ酸(2.1g)と酢酸銅(II)(1.48g)、モレキュラーシーブス4A(2.5g)、ピリジン(0.82mL)を加えた後、21時間攪拌した。反応液をセライト(商品名)でろ過し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記物性値を有する標題化合物(1.3g)を得た。
TLC:Rf 0.18 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
実施例7:6−アミノ−9−アゼチジン−3−イル−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 二塩酸塩
室温において実施例6で製造した化合物(1.3g、2.76mmol、1.0当量)のメタノール(13mL)懸濁液に4N塩酸/ジオキサン(13mL)を加え1時間攪拌した。溶媒留去することで下記物性値を有する標題化合物(1.5g)を得た。
TLC:Rf 0.50 (ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)。
実施例8:9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
実施例7で製造した化合物(1.5g)のジクロロメタン(16mL)懸濁液にトリエチルアミン(1.1mL)を加えた後、−10℃においてジクロロメタン(10mL)溶液のアクリル酸クロライド(0.32mL)を滴下した。反応混合物の溶媒を留去した後、水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記物性値を有する標題化合物(0.8g)を得た。
TLC: Rf 0.43 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 4.47-4.61, 4.83-4.88, 5.06-5.11, 5.37-5.47, 5.70-5.74, 6.21-6.30, 6.36-6.43, 7.07-7.23, 7.35-7.44, 8.24。
実施例8(1)〜実施例8(22)
4,6−ジクロロ−5−ニトロピリミジンを用い、tert−ブチル 3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラートまたはその代わりに相当するアミン誘導体を用い、アクリル酸クロライドの代わりに相当する酸クロライドを用い、p−フェノキシフェニルホウ酸またはその代わりに相当するホウ酸を用いて、実施例1→実施例2→実施例3→実施例4→実施例5→実施例6→実施例7→実施例8と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
実施例8(1):9−[(3R)−1−アクリロイル−3−ピペリジニル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.33 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.64-1.78, 1.90-2.12, 2.55-2.80, 3.10-3.22, 3.63-3.74, 3.99-4.12, 4.40-4.55, 4.73-4.82, 5.66-5.72, 6.26-6.31, 6.53-6.65, 7.07-7.22, 7.36-7.44, 8.23。
実施例8(2):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−[4−(3−クロロフェノキシ)−3−メトキシフェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.25 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 3.88, 4.47-4.62, 4.83-4.89, 5.07-5.12, 5.39-5.48, 5.70-5.74, 6.21-6.30, 6.37-6.43, 6.87-6.91, 6.95-7.00, 7.08-7.13, 7.24-7.29, 8.27。
実施例8(3):9−(1−アクリロイル−4−ピペリジニル)−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC: Rf 0.38 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.88-1.96, 2.59-2.80, 3.15-3.27, 4.13-4.22, 4.48, 4.58-4.69, 4.85-4.95, 5.69-5.73, 6.27-6.34, 6.59-6.68, 7.07-7.15, 7.17-7.22, 7.34-7.44, 8.21。
実施例8(4):9−[(3R)−1−アクリロイル−3−ピロリジニル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.60 (クロロホルム:メタノール:アンモニア水=80:10:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.21-2.46, 2.82-3.08, 3.53-3.76, 3.89-4.36, 4.40-4.59, 5.11-5.32, 5.64-5.77, 6.34-6.58, 7.04-7.24, 7.34-7.49, 8.18-8.26。
実施例8(5):9−[(3S)−1−アクリロイル−3−ピペリジニル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC: Rf 0.71 (クロロホルム:メタノール:アンモニア水=80:10:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.52-1.80, 1.88-2.17, 2.51-2.84, 3.07-3.26, 3.59-3.76, 3.94-4.16, 4.38-4.63, 4.66-4.90, 5.61-5.80, 6.21-6.40, 6.48-6.72, 7.03-7.25, 7.33-7.50, 8.23。
実施例8(6):9−[(3S)−1−アクリロイル−3−ピロリジニル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.50 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.23-2.43, 2.84-3.04, 3.55-3.73, 3.91-4.08, 4.12-4.19, 4.26-4.32, 4.47-4.49, 5.13-5.27, 5.66-5.73, 6.35-6.54, 7.03-7.28, 7.33-7.43, 8.20-8.22。
実施例8(7):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−[4−(3−クロロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.53 (クロロホルム:メタノール:アンモニア水=9:1:0.01);
1H-NMR(CDCl3):δ 4.46-4.61, 4.85, 5.08, 5.42, 5.71, 6.24, 6.38, 6.96, 7.08, 7.13-7.18, 7.32, 7.42, 8.24。
実施例8(8):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.18 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 3.90, 4.45-4.65, 4.80-4.90, 5.05-5.15, 5.35-5.45, 5.72, 6.26, 6.39, 6.90-7.40, 8.25。
実施例8(9):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−(3−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.27 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 4.45-4.65, 4.80-4.90, 5.05-5.15, 5.35-5.45, 5.72, 6.25, 6.40, 7.05-7.42, 8.26。
実施例8(10):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−3−メトキシフェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.20 (酢酸エチル);
1H-NMR (CD3OD):δ 3.82, 4.47, 4.59, 4.72, 4.77-4.95, 5.00-5.09, 5.40-5.53, 5.77, 6.28, 6.41, 6.91, 7.09, 7.28, 7.43, 8.17。
実施例8(11):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−[4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.73 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.1);
1H-NMR (CDCl3):δ 4.50, 4.59, 4.85, 5.08, 5.42, 5.72, 6.25, 6.40, 6.78-6.93, 7.17, 7.33, 7.43, 8.26 。
実施例8(12):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−[4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.78 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.1);
1H-NMR (CDCl3):δ 4.50, 4.59, 4.85, 5.08, 5.42, 5.71, 6.25, 6.39, 6.57-6.62, 7.19, 7.45, 8.26 。
実施例8(13):9−(1−アクリロイル−3−アゼチジニル)−6−アミノ−7−(2−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.47 (メタノール:酢酸エチル=1:19);
1H-NMR (CDCl3):δ 4.40-4.60, 4.80-4.90, 5.00-5.10, 5.35-5.45, 5.72, 6.25, 6.39, 6.80-7.50, 8.24。
実施例8(14):9−[(1−アクリロイル−4−ピペリジニル)メチル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.50 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.27-1.44, 1.72-1.86, 2.18-2.37, 2.66, 3.04, 3.90, 4.00, 4.51, 4.67, 5.66, 6.24, 6.56, 7.03-7.24, 7.32-7.46, 8.25。
実施例8(15):6−アミノ−9−[1−(クロロアセチル)−3−アゼチジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.41 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 3.96-4.05, 4.44-4.53, 4.62-4.72, 4.80-4.87, 5.08-5.16, 5.38-5.48, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.24。
実施例8(16):6−アミノ−9−[(3R)−1−(クロロアセチル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.49 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.20-2.48, 2.78-3.01, 3.50-3.63, 3.64-3.81, 3.90-4.19, 4.26-4.36, 4.51, 5.14-5.32, 7.02-7.26, 7.27-7.46, 8.21。
実施例8(17):6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.41 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.88, 2.19-2.43, 2.82-3.05, 3.50-3.74, 3.88-4.18, 4.20-4.30, 4.48, 5.08-5.16, 6.13, 6.95, 7.05-7.23, 7.34-7.46, 8.22。
実施例8(18):6−アミノ−9−{[1−(クロロアセチル)−4−ピペリジニル]メチル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.54 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.14-1.59, 1.70-1.87, 2.19-2.37, 2.65, 3.10, 3.81-3.95, 3.91, 4.06, 4.50, 4.51-4.63, 7.05-7.23, 7.34-7.46, 8.25。
実施例8(19):9−[(1−アクリロイル−4−メチル−4−ピペリジニル)メチル]−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.55 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.15, 1.37-1.85, 3.21-3.50, 3.70-3.99, 4.03-4.23, 4.52-4.73, 5.64, 6.24, 6.56, 6.97-7.23, 7.31-7.50, 8.21。
実施例8(20):6−アミノ−9−{1−[(2E)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.63 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.89, 4.46, 4.51, 4.79, 5.03, 5.20, 5.39, 5.94, 6.93, 7.07-7.10, 7.19, 7.36-7.43, 8.23。
実施例8(21):9−{[(3R)−1−アクリロイル−3−ピロリジニル]メチル}−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−8−オン
TLC:Rf 0.49 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.77-1.97, 2.02-2.19, 2.83-3.01, 3.38-3.62, 3.66-3.83, 3.98-4.11, 4.42-4.54, 5.61-5.70, 6.30-6.45, 7.04-7.23, 7.36-7.43, 8.23。
実施例8(22):9−{[(2S)−1−アクリロイル−2−ピロリジニル]メチル}−6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.44 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.87-2.28, 3.46-3.78, 3.86-3.96, 3.99-4.10, 4.15-4.23, 4.40, 4.45-4.60, 4.81-4.91, 5.54-5.72, 6.16-6.44, 6.86-6.97, 7.04-7.22, 7.36-7.45, 8.21-8.26。
実施例9:tert−ブチル (3R)−3−{[6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例1で製造した化合物(1.5g)を用い、tert−ブチル 3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラートの代わりにtert−ブチル (3R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(0.85g)を用いて、実施例2と同様の目的の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物(1.44g)を得た。
TLC:Rf 0.23 (ヘキサン:酢酸エチル=9:1)。
実施例10:6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−[(3R)−ピペリジン−3−イル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 二塩酸塩
実施例9で製造した化合物を用い、p−フェノキシフェニルホウ酸(154mg)を用いて、実施例3→実施例4→実施例5→実施例6→実施例7と同様の目的の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物(155mg)を得た。
TLC:Rf 0.68 (メタノール:ジクロロメタン:アンモニア水=80:20:4)。
実施例11:6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピペリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
実施例10で製造した化合物(1.20g)のジクロロメタン(6mL)溶液にトリエチルアミン(1.40mL)を加えた。氷冷下で塩化4−ブロモクロトン酸(0.5Mジクロロエタン溶液、5.04mL)を加え、反応混合物を氷冷下で30分撹拌した。濃縮後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、濃縮した。残渣にテトラヒドロフラン(6mL)、ジメチルアミン(2.0Mテトラヒドロフラン溶液、6.3mL)を加え、50℃で2時間加熱した。ろ過後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=18:2:1)によって精製することにより、下記物性値を有する標題化合物(0.66g)を得た。
TLC:Rf 0.40 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=18:2:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.52-1.77, 1.87-2.00, 2.00-2.12, 2.18-2.35, 2.53-2.85, 2.93-3.22, 3.57-3.74, 3.97-4.17, 4.36-4.60, 4.66-4.89, 6.35-6.55, 6.76-6.94, 7.03-7.30, 7.32-7.48, 8.21。
実施例11(1)〜11(26)
実施例1で製造した化合物を用い、tert−ブチル (3R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシラートまたはその代わりに相当するアミン誘導体を用い、p−フェノキシフェニルホウ酸またはその代わりに相当するホウ酸を用い、ジメチルアミンまたはその代わりに相当するアミン誘導体を用いて実施例9→実施例10→実施例11と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
実施例11(1):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.21 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.27, 3.08-3.10, 4.45-4.60, 4.80-4.86, 5.05-5.10, 5.36-5.44, 6.06-6.12, 6.87-6.96, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.35-7.44, 8.24。
実施例11(2):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(4−モルホリニル)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.48 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.48, 3.14-3.16, 3.71-3.73, 4.44-4.59, 4.80-4.86, 5.04-5.09, 5.36-5.46, 6.08-6.13, 6.86-6.95, 7.07-7.15, 7.17-7.22, 7.34-7.42, 8.23。
実施例11(3):6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.21 (ジクロロメタン:メタノール=17:3);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.20-2.42, 2.84-3.14, 3.52-3.76, 3.90-4.20, 4.22-4.34, 4.42-4.51, 5.10-5.29, 6.20-6.38, 6.86-7.01, 7.03-7.24, 7.37-7.46, 8.20-8.23。
実施例11(4):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−{1−[(2E)−4−(1−ピペリジニル)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.48 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.32-1.47, 1.57-1.64, 2.38-2.44, 3.13-3.14, 4.44-4.60, 4.80-4.86, 5.04-5.09, 5.35-5.46, 6.05-6.11, 6.89-6.99, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.35-7.44, 8.24。
実施例11(5):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−{1−[(2E)−4−(4−チオモルホリニル)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.58 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.66-2.75, 3.15-3.17, 4.44-4.59, 4.80-4.86, 5.04-5.09, 5.36-5.44, 6.05-6.11, 6.85-6.94, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.35-7.44, 8.24。
実施例11(6):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(3−オキソ−1−ピペラジニル)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.16 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.67-2.71, 3.19, 3.22-3.24, 3.36-3.40, 4.45-4.59, 4.81-4.87, 5.05-5.10, 5.37-5.47, 6.05, 6.10-6.16, 6.84-6.93, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.36-7.44, 8.24。
実施例11(7):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−{1−[(2E)−4−(1−ピロリジニル)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.39 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.79-1.83, 2.50-2.65, 3.28-3.31, 4.44-4.60, 4.80-4.85, 5.04-5.09, 5.35-5.45, 6.10-6.15, 6.90-6.99, 7.06-7.14, 7.16-7.22, 7.35-7.43, 8.23。
実施例11(8):6−アミノ−9−(1−{(2E)−4−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−2−ブテノイル}−3−アゼチジニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.40 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.29, 2.57-2.61, 3.23-3.26, 3.59-3.63, 4.44-4.59, 4.80-4.86, 5.04-5.09, 5.36-5.46, 6.06-6.13, 6.86-6.95, 7.07-7.15, 7.16-7.26, 7.35-7.42, 8.24。
実施例11(9):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(1−ピロリジニル)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.42 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.74-1.92, 2.15-2.43, 2.54-2.70, 2.82-3.06, 3.32, 3.49-3.77, 3.91-4.20, 4.23-4.36, 4.51, 5.10-5.28, 6.36, 6.91-7.04, 7.06-7.24, 7.37-7.45, 8.21。
実施例11(10):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(1−ピペリジニル)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.39 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.35-1.50, 1.51-1.65, 2.20-2.48, 2.82-3.06, 3.12, 3.52-3.75, 3.88-4.19, 4.21-4.33, 4.51, 5.09-5.28, 6.27, 6.88-7.04, 7.05-7.23, 7.34-7.44, 8.22。
実施例11(11):6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(4−モルホリニル)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.51 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.19-2.54, 2.83-3.05, 3.14, 3.51-3.77, 3.89-4.19, 4.21-4.32, 4.57, 5.10-5.28, 6.31, 6.87-6.99, 7.04-7.23, 7.34-7.46, 8.21。
実施例11(12):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(4−チオモルホリニル)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.54 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.10-2.43, 2.50-2.78, 2.82-3.06, 3.15, 3.51-3.74, 3.89-4.19, 4.22-4.33, 4.51, 5.09-5.28, 6.29, 6.86-6.99, 7.04-7.23, 7.35-7.47, 8.22。
実施例11(13):6−アミノ−9−[(3R)−1−{(2E)−4−[エチル(メチル)アミノ]−2−ブテノイル}−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.34 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.05-1.19, 2.20-2.43, 2.35, 2.59, 2.82-3.08, 3.31, 3.50-3.77, 3.90-4.20, 4.23-4.33, 4.50, 5.10-5.28, 6.38, 6.88-6.99, 7.04-7.23, 7.35-7.46, 8.21。
実施例11(14):6−アミノ−9−{(3S)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.38 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.20-2.42, 2.83-3.14, 3.52-3.74, 3.92-4.20, 4.24-4.32, 4.42-4.51, 5.13-5.25, 6.20-6.38, 6.87-7.00, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.20-8.23。
実施例11(15):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(ジエチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.47 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.01-1.06, 2.51-2.58, 3.25-3.27, 4.44-4.59, 4.81-4.86, 5.04-5.09, 5.36-5.46, 6.07-6.13, 6.91-7.00, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.36-7.44, 8.24。
実施例11(16):6−アミノ−9−(1−{(2E)−4−[エチル(メチル)アミノ]−2−ブテノイル}−3−アゼチジニル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.50 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.05-1.09, 2.24, 2.41-2.48, 3.15-3.18, 4.44-4.59, 4.80-4.86, 5.04-5.09, 5.36-5.46, 6.05-6.12, 6.89-6.98, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.36-7.44, 8.24。
実施例11(17):2−{[(2E)−4−{3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]−1−アゼチジニル}−4−オキソ−2−ブテン−1−イル](メチル)アミノ}アセトアミド
TLC:Rf 0.30 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.35, 3.04, 3.23-3.25, 4.45-4.60, 4.81-4.87, 5.04-5.09, 5.37-5.47, 5.61, 6.05-6.11, 6.84-6.94, 6.99, 7.07-7.15, 7.17-7.23, 7.35-7.44, 8.24。
実施例11(18):6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジエチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.52 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 0.96-1.11, 2.21-2.43, 2.45-2.63, 2.83-3.05, 3.29, 3.52-3.78, 3.90-4.20, 4.22-4.33, 4.49, 5.10-5.28, 6.33, 6.90-7.04, 7.05-7.23, 7.34-7.47, 8.21。
実施例11(19):6−アミノ−9−[(3R)−1−{(2E)−4−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−2−ブテノイル}−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.18 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.21-2.62, 2.85-3.08, 3.21-3.28, 3.52-3.74, 3.92-4.17, 4.25-4.33, 4.61-4.63, 5.13-5.30, 6.24-6.37, 6.87-6.98, 7.07-7.23, 7.35-7.44, 8.19-8.22。
実施例11(20):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.30 (ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.30-1.75, 1.82-1.97, 2.10-2.24, 2.65-2.82, 3.05-3.20, 3.61-3.78, 4.40-4.60, 4.78-4.86, 5.00-5.11, 5.33-5.46, 6.02-6.12, 6.84-6.98, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.23。
実施例11(21):6−アミノ−7−[4−(3−クロロフェノキシ)フェニル]−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.28 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.17-2.43, 2.25, 2.83-3.05, 3.08, 3.51-3.76, 3.91-4.20, 4.22-4.33, 4.50, 5.10-5.18, 6.29, 6.88-7.01, 7.09, 7.10-7.20, 7.33, 7.42, 8.23。
実施例11(22):6−アミノ−9−[(3S)−1−{(2E)−4−[エチル(メチル)アミノ]−2−ブテノイル}−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.44 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=18:2:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.00-1.14, 2.18-2.32, 2.32-2.53, 2.82-3.06, 3.10-3.23, 3.50-3.77, 3.86-4.09, 4.09-4.35, 4.37-4.58, 5.06-5.32, 6.20-6.41, 6.87-7.03, 7.03-7.25, 7.31-7.50, 8.14-8.30。
実施例11(23):6−アミノ−9−{(3S)−1−[(2E)−4−(ジエチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.44 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=18:2:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 0.97-1.11, 2.19-2.46, 2.47-2.65, 2.85-3.05, 3.21-3.35, 3.50-3.76, 3.89-4.09, 4.09-4.33, 4.40-4.55, 5.10-5.28, 6.21-6.43, 6.88-7.05, 7.05-7.24, 7.34-7.48, 8.17-8.27。
実施例11(24):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.38 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.20-2.42, 2.83-3.14, 3.52-3.74, 3.92-4.20, 4.24-4.32, 4.42-4.51, 5.13-5.25, 6.20-6.38, 6.87-7.00, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.20-8.23。
実施例11(25):6−アミノ−9−({(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}メチル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.28 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.75-1.97, 2.00-2.16, 2.20-2.26, 2.83-3.00, 3.02-3.10, 3.38-3.62, 3.69-3.82, 3.98-4.08, 4.50-4.60, 6.19-6.31, 6.82-6.96, 7.04-7.22, 7.35-7.43, 8.23。
実施例11(26):6−アミノ−9−({(2S)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−2−ピロリジニル}メチル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.30 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.86-2.27, 2.98-3.02, 3.03-3.17, 3.45-3.76, 3.88-3.95, 3.98-4.08, 4.15-4.23, 4.39-4.42, 4.47-4.57, 4.80-4.91, 6.09-6.19, 6.66-6.83, 6.94-7.03, 7.04-7.23, 7.35-7.46, 8.20-8.27。
実施例12:ジメチルアミノアセトアルデヒド 二亜硫酸塩
ジメチルアミノアセトアルデヒド ジエチル アセタール(2.00g)に水(1mL)と濃塩酸(2.4mL)を加え、40℃で3時間加熱した。氷冷下で二亜硫酸ナトリウム(3.0M水溶液、3.6mL)、エタノール(10mL)を加えて室温で1時間30分撹拌した。ろ過後、濃縮した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥し、標題化合物(1.29g)を得た。
実施例13:tert−ブチル (3R)−3−{[6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イル]アミノ}ピロリジン−1−カルボキシラート
実施例1で製造した化合物(19g)を用い、tert−ブチル 3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラートの代わりにtert−ブチル (3R)−3−アミノピロリジン−1−カルボキシラート(10.5g)を用いて、実施例2と同様の目的の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物(27.0g)を得た。
TLC:Rf 0.29(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)。
実施例14:6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−[(3R)−ピロリジン−3−イル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 二塩酸塩
実施例13で製造した化合物(9.0g)を用い、p−フェノキシフェニルホウ酸(2.1g)を用いて、実施例10と同様の目的の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物(945mg)を得た。
TLC:Rf 0.43 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=8:1:0.1)。
実施例15:ジエチル (2−{[(3R)−3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]ピロリジン−1−イル}−2−オキソエチル)ホスホノアート
1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.827g)をテトラヒドロフラン(5mL)に加え、40℃に加熱した。この溶液にテトラヒドロフラン(5mL)に溶解したジエチルホスホノ酢酸(1.00g)を加えた。40℃で30分撹拌した。テトラヒドロフラン(0.5mL)に実施例14で製造した化合物(50mg)、トリエチルアミン(0.03mL)、上記で調製した溶液(0.28mL)を加え室温で1日撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、濃縮した。得られた残渣を減圧乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(53mg)を得た。
TLC:Rf 0.46 (クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=80:10:1)。
実施例16:6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2Z)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
実施例12で製造した化合物(53mg)にエタノール(0.9mL)に加え、塩化リチウム(4.2mg)を加えた。氷冷下で水酸化カリウム(45%水溶液、0.056mL)を加え、実施例15で製造した化合物(25mg)を水(0.25mL)に溶解し加えた。氷冷下で30分撹拌した。さらに、実施例15で製造した化合物(7.5mg)を水(0.25mL)に溶解し加えた。氷冷下で2時間撹拌し、その後、室温で一日撹拌した。酢酸エチルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=80:10:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(7.7mg)を得た。
TLC:Rf 0.43 (クロロホルム:メタノール:アンモニア水=80:10:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.14-2.45, 2.81-3.03, 3.43-3.68, 3.80-4.06, 4.06-4.28, 4.42-4.62, 5.11-5.29, 5.97-6.24, 7.03-7.25, 8.17-8.28。
実施例17:tert−ブチル 4−({[6−(ジベンジルアミノ)−5−ニトロピリミジン−4−イル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例1で製造した化合物(45.5g)を用い、tert−ブチル 3−アミノアゼチジン−1−カルボキシラートの代わりにtert−ブチル 4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(27.5g)を用いて、実施例2と同様の目的の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物(68.3g)を得た。
TLC:Rf 0.56 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1)。
実施例18:6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−(ピペリジン−4−イルメチル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン 二塩酸塩
実施例17で製造した化合物を用い、p−フェノキシフェニルホウ酸(19g)を用いて、実施例10と同様の目的の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物(1.66g)を得た。
TLC:Rf 0.10 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=18:2:1)。
実施例19:6−アミノ−9−{[1−(2−ブチノイル)−4−ピペリジニル]メチル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
実施例18で製造した化合物(100mg)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に2−ブチン酸(34mg)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(EDC)(78mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(62mg)、トリエチルアミン(114μL)を加えた後、室温において3時間攪拌させた。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=90:10:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(75mg)を得た。
TLC:Rf 0.43 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.21-1.45, 1.71-1.83, 1.99, 2.18-2.36, 2.59-2.72, 2.99-3.94, 4.34-4.61, 7.05-7.24, 7.36-7.43, 8.24。
実施例19(1)〜19(49)
実施例1で製造した化合物を用い、tert−ブチル (3R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシラートまたはその代わりに相当するアミン誘導体を用い、p−フェノキシフェニルホウ酸またはその代わりに相当するホウ酸を用いて、実施例9→実施例10→実施例19と同様の目的の操作に付すことにより、以下の実施例化合物を得た。
実施例19(1):6−アミノ−9−[1−(2−ブチノイル)−3−アゼチジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.38 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.99, 4.39-4.57, 4.75-4.83, 4.97-5.05, 5.32-5.43, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.24。
実施例19(2):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.68 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.23-2.39, 2.80-3.01, 3.50-3.63, 3.67-3.80, 3.86-4.02, 4.03-4.18, 4.23-4.33, 4.42-4.51, 5.11-5.25, 7.04-7.23, 7.34-7.45, 8.20-8.23。
実施例19(3):6−アミノ−9−[(3S)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.27 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.89-4.00, 4.03-4.18, 4.23-4.34, 4.42-4.51, 5.13-5.25, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.20-8.23。
実施例19(4):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−[(3R)−1−プロピオロイル−3−ピロリジニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.51 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 2.25-2.43, 2.82-3.01, 3.05, 3.52-3.66, 3.73-3.85, 3.92-4.04, 4.07-4.23, 4.31-4.40, 4.48, 5.17-5.27, 7.06-7.23, 7.34-7.47, 8.23。
実施例19(5):(2E)−4−{3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]−1−アゼチジニル}−4−オキソ−N−フェニル−2−ブテンアミド
TLC:Rf 0.56 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 4.43-4.72, 4.87-4.96, 5.10-5.20, 5.40-5.52, 6.20, 6.36, 7.04-7.43, 7.72, 8.22, 12.49。
実施例19(6):(2E)−4−{3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]−1−アゼチジニル}−4−オキソ−2−ブテンアミド
TLC:Rf 0.50 (酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン=9:1:0.5);
1H-NMR (DMSO):δ 4.29-4.35, 4.57-4.70, 4.86-4.91, 5.28-5.37, 5.82, 6.77-6.88, 7.10-7.20, 7.39-7.46, 7.86, 8.14。
実施例19(7):6−アミノ−7−(4−フェノキシフェニル)−9−[(1−プロピオロイル−4−ピペリジニル)メチル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.38 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.26-l.50, 1.74-1.88, 2.19-2.38, 2.69, 3.09, 3.10, 3.91, 4.41, 4.49, 4.56, 7.05-7.23, 7.35-7.44, 8.25。
実施例19(8):(2E)−4−{(3R)−3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]−1−ピロリジニル}−4−オキソ−2−ブテンアミド
TLC:Rf 0.41 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.23-2.47, 2.81-3.02, 3.45-3.82, 3.99-4.23, 4.35-4.53, 5.16-5.31, 5.50-5.65, 5.84-6.00, 6.97-7.30, 7.34-7.43, 8.19-8.22。
実施例19(9):6−アミノ−9−[1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
TLC:Rf 0.27 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.89-4.00, 4.03-4.18, 4.23-4.34, 4.42-4.51, 5.13-5.25, 7.05-7.24, 7.35-7.43, 8.20-8.23。
実施例19(10):エチル (2E)−4−{3−[6−アミノ−8−オキソ−7−(4−フェノキシフェニル)−7,8−ジヒドロ−9H−プリン−9−イル]−1−アゼチジニル}−4−オキソ−2−ブテノアート
TLC:Rf 0.35 (酢酸エチル);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.30-1.35, 4.22-4.30, 4.48-4.68, 4.84-4.90, 5.12-5.17, 5.40-5.50, 6.86-7.06, 7.07-7.16, 7.18-7.23, 7.35-7.44, 8.24。
実施例19(11):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−フェノキシ−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.55 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 4.38-4.60, 4.68-4.79, 4.80-4.89, 4.99-5.11, 5.32-5.46, 6.24-6.34, 6.87-7.43, 8.22。
実施例19(12):6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−ヒドロキシ−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.21 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.82-1.90, 4.35-4.41, 4.43-4.62, 4.79-4.87, 5.03-5.12, 5.36-5.47, 6.19-6.26, 6.98-7.23, 7.35-7.44, 8.23。
実施例19(13):6−アミノ−9−{1−[(2E)−2,4−ペンタジエノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.47 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 4.42-4.67, 4.80-4.90, 5.02-5.13, 5.33-5.50, 5.61, 6.02, 6.39-6.55, 7.04-7.27, 7.32-7.48, 8.24。
実施例19(14):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.44 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.22-2.46, 1.48-1.70, 1.72-1.88, 1.94-2.05, 2.22-2.40, 2.80-3.01, 3.51-3.62, 3.68-3.80, 3.87-4.00, 4.02-4.18, 4.22-4.37, 4.42-4.55, 5.11-5.24, 6.98-7.05, 7.29-7.36, 8.19-8.23。
実施例19(15):6−アミノ−9−({(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}メチル)−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.28 (クロロホルム:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.75-1.97, 2.00-2.16, 2.20-2.26, 2.83-3.00, 3.02-3.10, 3.38-3.62, 3.69-3.82, 3.98-4.08, 4.50-4.60, 6.19-6.31, 6.82-6.96, 7.04-7.22, 7.35-7.43, 8.23。
実施例19(16):6−アミノ−9−{[(2S)−1−(2−ブテノイル)−2−ピロリジニル]メチル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.48 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR (CDCl3):δ 1.75, 3.80-2.27, 3.58-3.73, 3.94-4.04, 4.06-4.19, 4.39-4.55, 4.66-4.82, 7.03-7.22, 7.35-7.46, 8.22-8.24。
実施例19(17):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3−クロロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.45 (ジクロロメタン:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.51, 5.13-5.25, 6.93-7.00, 7.05-7.09, 7.10-7.20, 7.26-7.35, 7.38-7.44, 8.20-8.24。
実施例19(18):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3−フルオロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.52 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.51-3.62, 3.68-3.80, 3.88-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.40-4.55, 5.13-5.25, 6.77-6.93, 7.12-7.20, 7.28-7.44, 8.20-8.25。
実施例19(19):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.48 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.52-3.63, 3.68-3.80, 3.88-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.54, 5.13-5.25, 6.53-6.66, 7.17-7.27, 7.41-7.48, 8.21-8.26。
実施例19(20):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(3−フルオロ−4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.41 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.00, 3.52-3.63, 3.68-3.80, 3.88-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.46-4.57, 5.13-5.25, 7.02-7.21, 7.29-7.42, 8.21-8.26。
実施例19(21):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.26 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.54, 5.12-5.25, 6.99-7.16, 7.35-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(22):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.28 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.02, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.54, 5.12-5.25, 7.00-7.06, 7.09-7.17, 7.30-7.43, 8.20-8.24。
実施例19(23):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3−メチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.35 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.51, 5.13-5.25, 6.84-6.92, 6.99-7.03, 7.07-7.15, 7.24-7.31, 7.36-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(24):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−メチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.33 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.22-2.42, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.55, 5.13-5.25, 6.95-7.02, 7.04-7.16, 7.17-7.23, 7.33-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(25):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]フェニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.33 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.22-2.42, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.55, 5.13-5.25, 7.12-7.20, 7.22-7.28, 7.35-7.38, 7.40-7.57, 8.20-8.24。
実施例19(26):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.23 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.83, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.41-4.55, 5.13-5.25, 6.89-6.97, 7.00-7.08, 7.30-7.38, 8.19-8.23。
実施例19(27):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3−メトキシフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.28 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.83, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.41-4.55, 5.13-5.25, 6.62-6.69, 6.71-6.78, 7.10-7.19, 7.24-7.35, 7.36-7.42, 6.89-6.97, 7.00-7.08, 7.30-7.38, 8.20-8.24。
実施例19(28):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−イソプロピルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.31 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.20-1.34, 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.47-3.63, 3.69-3.79, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.46-4.57, 5.13-5.25, 6.98-7.03, 7.06-7.15, 7.21-7.30, 7.33-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(29):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3−イソプロピルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.40 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.20-1.28, 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.47-3.63, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.46-4.57, 5.13-5.25, 6.84-6.90, 6.98, 7.04-7.16, 7.27-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(30):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(2−イソプロピルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.37 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.20-1.27, 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.16-3.30, 3.47-3.63, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.46-4.56, 5.13-5.25, 6.93-7.00, 7.01-7.08, 7.17-7.24, 7.32-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(31):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(2−メチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.64 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.47-3.63, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.44-4.55, 5.13-5.25, 6.98-7.05, 7.10-7.18, 7.20-7.40, 8.20-8.24。
実施例19(32):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3−クロロフェノキシ)−3−メトキシフェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.33 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.82-3.01, 3.47-3.63, 3.69-3.81, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.48-4.60, 5.14-5.26, 6.85-6.92, 6.95-7.01, 7.05-7.14, 7.22-7.29, 8.23-8.27。
実施例19(33):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−3−メトキシフェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.33 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.82-3.01, 3.47-3.63, 3.69-3.81, 3.87, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.48-4.60, 5.14-5.27, 6.81-6.86, 6.97-7.01, 7.06-7.16, 7.37-7.40, 8.23-8.27。
実施例19(34):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(3−メトキシ−4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.31 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.82-3.01, 3.47-3.63, 3.69-3.81, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.48-4.60, 5.14-5.27, 6.90-6.97, 7.00-7.04, 7.05-7.18, 7.32-7.41, 8.23-8.26。
実施例19(35):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.37 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.50-3.63, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.44-4.55, 5.14-5.27, 6.92-6.98, 7.12-7.22, 7.40-7.49, 8.21-8.26。
実施例19(36):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピペリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.59 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.55-1.80, 1.84-2.11, 2.55-2.76, 3.07-3.21, 3.63-3.74, 4.06-4.17, 4.38-4.59, 4.60-4.74, 7.04-7.23, 7.33-7.44, 8.20-8.24。
実施例19(37):6−アミノ−7−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.22 (酢酸エチル);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.50-3.62, 3.68-3.79, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.40-4.50, 5.08-5.27, 7.07-7.16, 7.32-7.46, 8.18-8.25。
実施例19(38):6−アミノ−7−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)フェニル]−9−[1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.69 (酢酸エチル:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.80-3.01, 3.47-3.62, 3.69-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.40-4.51, 5.12-5.25, 6.01, 6.53-6.59, 6.60-6.63, 6.79-6.83, 7.04-7.13, 7.32-7.40, 8.20-8.23。
実施例19(39):6−アミノ−7−(4−アニリノフェニル)−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.66 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.23-2.40, 2.80-3.01, 3.50-3.62, 3.68-3.80, 3.87-4.00, 4.02-4.19, 4.23-4.34, 4.46-4.60, 5.12-5.25, 6.02, 7.00-7.18, 7.22-7.40, 8.18-8.22。
実施例19(40):6−アミノ−7−(4−ベンゾイルフェニル)−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.62 (酢酸エチル:メタノール=8:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.41, 2.81-3.01, 3.52-3.63, 3.68-3.81, 3.88-4.01, 4.03-4.20, 4.25-4.36, 4.55-4.65, 5.17-5.29, 7.49-7.68, 7.81-7.86, 7.97-8.03, 8.25-8.29。
実施例19(41):6−アミノ−7−(4−ベンジルフェニル)−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.53 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.02, 2.23-2.39, 2.80-3.00, 3.50-3.61, 3.67-3.79, 3.87-4.00, 4.02-4.18, 4.23-4.32, 4.44-4.52, 5.12-5.24, 7.18-7.42, 8.19-8.23。
実施例19(42):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(フェノキシメチル)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.50 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.25-2.40, 2.82-3.01, 3.51-3.63, 3.69-3.80, 3.88-4.01, 4.05-4.19, 4.25-4.34, 4.45-4.54, 5.11-5.27, 6.95-7.05, 7.28-7.37, 7.43-7.51, 7.60-7.66, 8.22-8.27。
実施例19(43):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−{4−[(6−メチル−2−ピリジニル)オキシ]フェニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.48 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.46, 2.81-3.01, 3.50-3.62, 3.68-3.80, 3.87-4.01, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.52-4.62, 5.14-5.27, 6.73-6.78, 6.93-6.98, 7.23-7.32, 7.40-7.46, 7.60-7.67, 8.21-8.25。
実施例19(44):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−フルオロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.51 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.52-3.63, 3.68-3.80, 3.87-4.01, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.54, 5.14-5.27, 6.84-6.95, 6.99-7.12, 7.34-7.41, 8.20-8.24。
実施例19(45):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−メトキシ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.51 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.23, 2.24-2.39, 2.81-3.01, 3.52-3.62, 3.68-3.80, 3.85, 3.87-4.01, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.42-4.54, 5.14-5.26, 6.80-6.84, 6.85-6.93, 7.01-7.09, 7.31-7.39, 8.20-8.24。
実施例19(46):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−フルオロ−3−メトキシフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.48 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.48-3.63, 3.68-3.80, 3.87-4.01, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.44-4.56, 5.14-5.26, 6.57-6.63, 6.70-6.78, 7.03-7.14, 7.37-7.43, 8.20-8.24。
実施例19(47):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(3,4−ジメチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.53 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.48-3.62, 3.68-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.48-4.59, 5.14-5.25, 6.80-6.84, 6.89, 7.04-7.17, 7.32-7.40, 8.20-8.24。
実施例19(48):6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−[4−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)フェニル]−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.64 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.24-2.40, 2.81-3.01, 3.52-3.64, 3.70-3.80, 3.87-4.00, 4.03-4.19, 4.23-4.34, 4.48-4.59, 5.14-5.25, 6.82-6.88, 6.98, 7.06-7.15, 7.33-7.42, 8.20-8.24。
実施例19(49):6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−3−クロロ−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
TLC:Rf 0.64 (酢酸エチル:メタノール=19:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 2.23-2.31, 2.32-2.40, 2.54-2.60, 2.86-2.97, 3.47-3.65, 2.81-3.01, 3.52-3.64, 3.84-3.88, 3.93-4.01, 4.08-4.14, 4.20-4.25, 4.40-4.54, 5.15-5.24, 6.20-6.31, 7.07-7.17, 7.18-7.22, 7.35-7.44, 8.20-8.24。
実施例20:6−アミノ−9−{1−[(2E)−4−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−2−ブテノイル]−3−アゼチジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
Figure 0005648686
実施例7で製造した化合物(1.0g)のジメチルホルムアミド(22mL)溶液に4−ブロモクロトン酸(0.44g)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.86g)、HOBt(0.68g)、トリエチルアミン(1.3mL)を加えた後、室温において1時間攪拌させた。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記物性値を有する標題化合物(0.43g)を得た。
TLC:Rf 0.56 (ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1);
1H-NMR (CDCl3):δ 4.43-4.63, 4.79-4.88, 4.99-5.05, 5.22-5.24, 5.35-5.45, 6.26-6.34, 7.01-7.23, 7.36-7.44, 7.51-7.62, 8.22。
実施例21:6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−{4−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェニル}−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
実施例19(40)で製造した化合物(30mg)のメタノール(1mL)溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(2.4mg)を加え、30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=10:1)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(28mg)を得た。
TLC:Rf 0.58 (酢酸エチル:メタノール=9:1);
1H-NMR(CDCl3):δ 1.94-2.03, 2.23-2.39, 2.57, 2.80-3.00, 3.50-3.61, 3.67-3.79, 3.87-4.00, 4.02-4.18, 4.23-4.32, 4.45-4.54, 5.12-5.24, 5.91, 7.27-7.43, 7.56-7.62, 8.20-8.23。
[薬理実験例]
生物学的実施例1:Btk阻害活性およびBtkに対する選択性の測定(in vitro試験)
Btk酵素阻害活性の測定は、以下の試薬(Tyr−1ペプチド、Thy−1ホスホ−ペプチド、5×キナーゼバッファー、ATP、発色試薬B、発色バッファー、および反応停止試薬)を含むZ’−LYTETMキナーゼアッセイキット−Tyr1ペプチド(Invitrogen社)およびBtk(Invitrogen社)を用い、添付の説明書に準じて実施した。
被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に希釈した溶液、またはDMSOを、それぞれ5μL/ウェル、および基質/酵素混合溶液を10μL/ウェル、96−ウェルアッセイプレートに添加し、30℃で20分間反応させた。基質/酵素混合溶液は、Tyr−1ペプチドが終濃度4μM、およびBtkが終濃度5nMとなるよう、キナーゼバッファー(DL−ジチオスレイトール(DTT;2.7mM)、1.33×キナーゼバッファー)で希釈し、作成した。次に、アデノシントリホスファート(ATP;終濃度36μM)を5μL/ウェルで添加し、30℃で1時間反応させた。反応終了後、発色試薬Bを発色バッファーで128倍に希釈した発色溶液を10μL添加し、さらに30℃で1時間反応させた。その後、反応停止液を10μL添加し、酵素反応を停止させた。蛍光プレートリーダー、Fusion Universal Microplate Analyzer(PerkinElmer社)を用いて、各ウェル445nmおよび520nmの蛍光強度を測定した。リン酸化の比率は、キットの添付の説明書に従い、520nm(フルオロセイン発色)に対する445nm(クマリン発色)での発色比率によって決定した。
被験化合物の阻害率(%)は、以下の式を用いて算出した。:
Figure 0005648686
X:被験化合物添加時のリン酸化率
B:ATP非添加時(ブランク)のリン酸化率
C:DMSOのみ添加時(コントロール)のリン酸化率
被験化合物の50%阻害率の値(IC50値)は、被験化合物の各濃度における阻害率に基づく阻害曲線から算出した。
他のキナーゼ(例えば、Lck、Fyn、LynA(いずれもInvitrogen社)の阻害活性の測定は、Btkの代わりに各種キナーゼを用いて上記した方法と同様に行った。
その結果、本発明化合物のIC50値は、例えば、実施例8、実施例11(3)、実施例8(14)、実施例19(2)、および実施例19(40)の化合物については、それぞれ0.004μM、0.014μM、0.004μM、0.007μM、および0.011μMであった。
また、本発明化合物の他のキナーゼ、特にLck、Fyn、LynAに対するBtk選択的な阻害活性は、各種キナーゼのIC50値の比に基づいて算出し、以下の表1に示す通りであった。
Figure 0005648686
その結果、本発明化合物はBtk阻害活性を有するだけでなく、他のキナーゼに対するBtk選択的な阻害活性を有することがわかった。
生物学的実施例2:ヒトPBMCを用いたB細胞活性化またはT細胞活性化の測定
96ウェルプレート(Nunc社)に10mmol/Lの被験化合物のDMSO溶液を分注し、さらにDMSOで5倍公比の希釈系列を調製した。RPMI1640培地(10%HI−FBS、1%ペニシリン含有)でさらに10倍希釈して100倍濃度の被験化合物希釈溶液とした。ヒト末梢血単核球(PBMC)を、2×106細胞数/mLの密度になるよう培地で希釈した。100倍濃度の被験化合物希釈溶液、または溶媒(10%DMSO)4μLを入れた96ウェルプレートに細胞懸濁液396μLを添加し、37℃、5%CO2で10分間インキュベーションした。96ウェルプレートに抗IgM抗体(Southern Biotech社)/IL−4(R&D Systems社)溶液、または抗CD3/CD28抗体ビーズ液(Invitrogen社)を10μL添加し、そこに上記で調整した細胞懸濁液90μLを添加した(終濃度:抗IgM抗体1μg/mL、IL−4 3ng/mL、抗CD3/CD28抗体ビーズ2×106ビーズ/mL)。非刺激サンプルのウェルにはこれらの刺激物質の代わりに培地を10μL添加し、再び37℃、5%CO2で静置した。T細胞活性化評価は16時間、B細胞活性化評価は22時間インキュベーションした。Cytofix Buffer(BD Biosciences社)を100μL添加し、37℃で15分間静置し、1500rpmで10分間遠心した後、上清を除去した。−20℃のPerm buffer II(BD Biosciences社)を200μL添加し、30分間氷上で静置し、1500rpmで10分間遠心した後、上清を除去した。Stain Buffer(BD Biosciences社)を0.5mL添加し、1500rpmで10分間遠心した。抗体の混合液を100μL添加し、遮光下、氷上で30分間インキュベーションした。抗体はPerCP標識抗CD3抗体(BD Biosciences社)、AF488標識抗CD20抗体(BD Biosciences社)とPE標識抗CD69抗体(BD Biosciences社)を1:1:1に混合したものを、Stain Bufferで10倍希釈して用いた。Stain Bufferを0.4mL添加し、上清を除去した。Stain Bufferを0.3mL添加して細胞沈渣を懸濁し、FACS測定用検体とした。FACS解析にはBD FACSCalibur(BD Biosciences社)、およびデータ解析ソフトウェアCELLQuest Version 3.3(BD Biosciences社)を用いた。CD20陽性CD3陰性細胞(B細胞)またはCD3陽性CD20陰性細胞(T細胞)のCD69陽性シグナル(平均蛍光強度)を測定した。非刺激サンプルの値を差し引いてから、刺激コントロールサンプルの値に対する阻害率を計算した。Prism(ver 5.01J、GraphPad Software)を用いて阻害率をグラフにプロットし、IC50値を算出した。
その結果、本発明化合物のB細胞におけるCD69陽性シグナルのIC50値は、例えば、実施例8、実施例11(3)、実施例8(14)、および実施例19(2)の化合物は、それぞれ、0.021μM、0.032μM、0.023μM、および0.061μMであった。一方、本発明化合物のT細胞におけるCD69陽性シグナルのIC50値は、上記化合物はいずれも>10μMであった。したがって、本発明化合物はB細胞の活性化を選択的に阻害する作用があることがわかった。
生物学的実施例3:ラットおよびヒト肝ミクロソーム中での安定性評価
(1)被験化合物溶液の調製
被験化合物(10mmol/L DMSO溶液、5μL)を50%アセトニトリル水溶液(195μL)で希釈し、0.25mmol/L溶液を作製した。
(2)反応0分のサンプル調製
あらかじめ37℃に温めた反応用容器に0.5mg/mLラットおよびヒト肝ミクロソーム(Xenotech社)およびNADPH−Co−factor(BD Biosciences社)を含む0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)245μLを添加して5分間プレキンキュベーション後、先の被験化合物溶液(5μL)を加えて反応を開始した。開始直後に20μLを採取し、内部標準物質(ワルファリン)を含むアセトニトリル180μLに添加して反応を停止した。この溶液20μLを除タンパク用フィルター付プレート上で50%アセトニトリル水溶液180μLと攪拌後、吸引ろ過してろ液を標準サンプルとした。
(3)反応15分のサンプル調製
先の反応溶液を37℃にて15分間インキュベーション後、20μLを冷アセトニトリル(内部標準物質ワルファリンを含む)180μLに添加し、反応を停止した。この20μLを除タンパク用フィルター付プレート上で50%アセトニトリル水溶液180μLと攪拌後、吸引ろ過してろ液を標準サンプルとした。
(4)評価方法および結果
残存率(%)は、試料溶液1μLをLC−MS/MSに注入し、反応サンプルのピーク面積比(被験化合物のピーク面積/内部標準物質のピーク面積)を標準サンプルのピーク面積比で除した値を100倍して算出した。
被験化合物としては、本発明化合物、および比較化合物としてピラゾロピリミジン骨格を有する特許文献1記載の実施例化合物である、1−{(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジニル}−2−プロペン−1−オン(比較化合物A)、および1−{3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピロリジニル}−2−プロピン−1−オン(比較化合物B)を用いた。被験化合物のラットおよびヒト肝ミクロソーム中での残存率(%)は、以下の表2に示す通りであった。
Figure 0005648686
その結果、本発明化合物は、比較化合物に対してラットおよびヒト肝ミクロソーム中で極めて安定であることがわかった。
生物学的実施例4:薬物代謝酵素の阻害活性測定(ヒトCYP2C8およびヒトCYP2C19阻害作用)
[実験方法]
反応は96ウェルプレート上にて行った。陽性対照物質(CYP2C8:ケトコナゾール、CYP2C19:トラニルシプロミン)は最終濃度の300倍の濃度にDMSOで調整し(CYP2C8:0.6および6mmol/L、CYP2C19:0.9および9mmol/L)、2.7%のアセトニトリルを含む精製水で75倍希釈した溶液を準備した(CYP2C8:8および80μmol/L、CYP2C19:12および120μmol/L)。被験化合物はDMSOで0.3および3mol/Lに調製後、2.7%アセトニトリルを含む精製水で75倍希釈し、4および40μmol/Lに調製した。次にリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)、塩化マグネシウム(5mol/L)、基質(CYP2C8:ジベンジルフルオレセイン1μmol/L、CYP2C19:3−シアノ−7−エトキシクマリン 25μmol/L)および大腸菌発現系肝ミクロソームのCYP2C8(Cypex、10pmol/L)、CYP2C19(Cypex、3pmol/L)を加えた反応混合液を調製した(数値は最終濃度)。この反応混合液100μLと前述で準備した被験化合物および陽性対照物質溶液を各ウェルに50μL分注し、37℃で10分間プレインキュベーションした。これにNADPH溶液(最終濃度1mmol/L)を50μL加えて反応を開始し、37℃で30分間インキュベーションを行った。NADPH添加直後および30分インキュベーション後に蛍光強度を測定した(CYP2C8の励起波長は485nm、蛍光波長は538nm、CYP2C19の励起波長は409nm、蛍光波長は460nm)。阻害率は被験化合物溶液の代わりにDMSOを添加して反応をおこなったコントロールと比較した時の蛍光強度の減少率(阻害率)とし、以下の式により算出した。
阻害率(%)=100−{(被験化合物の反応後の蛍光強度−被験化合物の反応前の蛍光強度)/(コントロールの反応後の蛍光強度−コントロールの反応前の蛍光強度)×100}
IC50値は、1μmol/Lで阻害率が50%以上の時は<1μM、10μmol/Lで阻害率が50%以下の場合は>10μMとし、その間(1μmol/Lで50%以下かつ10μmol/Lで50%以上の場合)については以下の式により算出した。
IC50=(50−b)/a
ただし、a、bは、1μmol/Lの濃度と阻害率および10μmol/Lの濃度と阻害率の2点を通る線形回帰直線y=ax+bの傾きと切片とした。
上記の測定方法で、比較化合物および本発明化合物のIC50値を測定した。
その結果、比較化合物Aおよび比較化合物Bは、CYP2C8のIC50値が、それぞれ4.7μM、6.9μMであり、また、CYP2C19のIC50値が、それぞれ5.6μM、8.1μMであった。一方、本発明化合物では、例えば、実施例8、実施例11(3)、実施例8(14)、および実施例19(2)の化合物は、CYP2C8およびCYP2C19のIC50値がいずれも>10μMであった。したがって、本発明化合物は比較化合物に対してCYP阻害作用が低いことがわかった。
生物学的実験例5:培養ヒト肝癌細胞におけるミトコンドリア膜電位低下作用および細胞毒性の測定
ミトコンドリア機能障害は、腎臓および心臓など好気的平衡を保っている組織や肝臓など高濃度の薬物に暴露され、薬物代謝を行う組織において影響を及ぼしやすいことが知られている(Drug Discovery Today 12 (17-18), 777-785, 2007)。薬物によるミトコンドリア膜電位の低下・消失は、電子伝達系の直接阻害、ATP合成酵素への電子伝達に関する脱共役、あるいはミトコンドリア膜透過性遷移孔の開口により引き起こされる。そのため、肝細胞のミトコンドリア膜電位の測定は肝毒性のパラメータとなり得る。
ヒト肝細胞を30,000細胞/ウェルの細胞密度でコラーゲンコートした96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO2−95%空気の培養器中で一晩培養した。培養した細胞を5,5’,6,6’−テトラヒドロ−1,1’,3,3’−テトラメチル−ベンズアミダゾロカルボシアニン イオジド(JC−1)で1時間染色し、その後に被験化合物を処置した。被験化合物はDMSOに溶解後、培養液であるHepatocyte Culture Medium(HCM)で希釈して細胞へ添加した。被験化合物の処置濃度は、0、6.25、12.5、25、50、100、200および400μmol/Lとした。被験化合物の24時間暴露後、SpectraMax plate reader(Molecular Device社)で励起波長485nm、蛍光波長538nmおよび励起波長544nm、蛍光波長590nmの蛍光を測定した。膜電位は、544nm/590nmでの測定値と485nm/538nmでの測定値との比で算出した。その後、細胞中のATP濃度をCelltiter Glo luminescent assay kit(Promega社)を用いて測定し、被験化合物の細胞毒性作用を評価した。測定キットのアッセイバッファーは細胞を溶解させ、ルシフェリン−ルシフェラーゼ酵素活性を指標に細胞から放出されたATP濃度を測定した。発光はSpectraMax plate readerにて測定した。被験化合物のミトコンドリア膜電位低下作用および細胞毒性作用は、それぞれミトコンドリア膜電位およびATP濃度を50%低下させる濃度(IC50値)で表した。被験化合物のミトコンドリア膜電位低下作用および細胞毒性作用は、以下の表3に示す通りであった。
Figure 0005648686
その結果、本発明化合物は、いずれも比較化合物より両作用のIC50値が低いことがわかった。
[製剤例]
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・6−アミノ−9−{(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテノイル]−3−ピロリジニル}−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン… 200g
・マンニトール … 20g
・蒸留水 … 50L
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン… 100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) … 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) … 10g
・微結晶セルロース … 870g
本発明化合物は、Btk選択的な阻害活性を有することに加え、代謝安定性に優れ、肝毒性等を回避できる化合物であるため、安全性に優れた、B細胞や肥満細胞が関与する疾患の治療剤として有用である。

Claims (2)

  1. 6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン、またはその塩
  2. 6−アミノ−9−[(3R)−1−(2−ブチノイル)−3−ピロリジニル]−7−(4−フェノキシフェニル)−7,9−ジヒドロ−8H−プリン−8−オン
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