用語「動物」は、ヒト(男性または女性)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコおよびウマ)、食物源動物、動物園の動物、海洋動物、鳥類、および他の同様の動物種を指す。「食用動物」は、雌ウシ、ブタ、ヒツジおよび家禽等の食物源動物を指す。
語句「薬学的に許容できる」は、物質または組成物が、製剤を含む他の成分および/またはそれを用いて治療されている哺乳動物と、化学的にかつ/または毒物学的に適合しなくてはならないことを示す。
用語「モジュレートされる」または「モジュレートすること」または「モジュレートする」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、本発明の化合物によるアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)酵素の阻害を指す。
用語「媒介される」または「媒介すること」または「媒介する」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)酵素を阻害することによる、(i)特定の疾患、状態もしくは障害の治療もしくは予防、(ii)特定の疾患、状態もしくは障害の1つもしくは複数の症状の軽減、寛解もしくは解消、または(iii)本明細書において記述されている特定の疾患、状態もしくは障害の1つもしくは複数の症状の発症の予防もしくは遅延を指す。
用語「本発明の化合物」は(別段の明確な同定がない限り)、式(I)の化合物および該化合物の任意の薬学的に許容できる塩、ならびに、すべての立体異性体(ジアステレオ異性体および鏡像異性体を含む)、互変異性体、配座異性体および同位体標識化合物を指す。本発明の水和物および溶媒和物は、本発明の組成物とみなされ、ここで、化合物は、それぞれ水または溶媒と会合している。
用語「5から12員のヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、5から12員の芳香族基を意味する。本明細書において使用される場合、「5から12員のヘテロアリール」基の結合点は、その基の炭素原子上にある。「5から12員のヘテロアリール」基は、二環式であってもよい。二環式ヘテロアリールの好ましい実施形態は、下記の環系の基を含むがこれらに限定されない。
用語「8から12員の縮合複素環式アリール」は、非芳香族複素環式環がアリール環と縮合している8から12員の環系を意味する。本明細書において使用される場合、「8から12員の縮合複素環式アリール」基の結合点は、その基の炭素原子上にある。用語「3から7員のヘテロシクリル」は、3から7員の飽和環を意味し、ここで、原子の1から3個は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択されるヘテロ原子である。「3から7員のヘテロシクリル」基の例は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニル等の基を含むがこれらに限定されない。「3から7員のヘテロシクリル」の結合点は、特定の基に応じて適切に、炭素または窒素原子上にあってよい。
本発明の化合物は、特に本明細書に含有される記述に照らして、化学分野においてよく知られているものに類似するプロセスを含む合成経路によって合成できる。出発材料は、概して、Aldrich Chemicals(Milwaukee、WI)等の商業的供給源から入手可能であるか、または当業者によく知られている方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、1〜19巻、Wiley、New York(1967〜1999年編)またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、第4版編、Springer−Verlag、Berlin(補足を含む)において概して記述されている方法によって調製される(Beilsteinオンラインデータベースを介しても利用可能である))。
例証を目的として、以下で描写する反応スキームは、本発明の化合物および重要中間体を合成するための潜在的経路を提供する。個々の反応ステップのさらに詳細な記述については、以下の実施例の項を参照されたい。当業者であれば、他の合成経路を使用して発明化合物を合成できることを理解するであろう。特定の出発材料および試薬がスキームにおいて描写され以下で論じられているが、多様な誘導体および/または反応条件を提供するために、他の出発材料および試薬で簡単に代用することができる。加えて、以下に記述する方法によって調製される化合物の多くは、本開示に照らして当業者によく知られている従来の化学を使用し、さらに修飾することができる。
本発明の化合物の調製において、中間体の遠隔官能基(例えば、第一級または第二級アミン)の保護が必要となる場合がある。そのような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製法の条件に応じて変動することになる。適切なアミノ保護基(NH−Pg)は、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。同様に、「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ官能基をブロックまたは保護するヒドロキシ基の置換基を指す。適切なヒドロキシル保護基(O−Pg)は、例えば、アリル、アセチル、シリル、ベンジル、パラ−メトキシベンジル、トリチル等を含む。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基およびそれらの使用の概要については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、New York、1991を参照されたい。
下記の反応スキーム、反応スキームIから反応スキームVは、式(I)の化合物を調製するために使用される代表的な手順を提供する。これらの反応スキームは非限定的な様式で解釈されるべきであること、および描写されている方法の合理的な変形形態を使用して式(I)の化合物を調製できることを理解されたい。
式Xaの化合物は、亜硝酸イソアミル、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸tert−ブチル等の亜硝酸塩および臭化銅(II)等の臭化物源を使用し、アセトニトリル中、約20℃から約80℃の温度で約2から約18時間、式XIaのアリールアミンを臭化アリールに変換して、式Xaの化合物を提供することによって形成され得る。
次いで、式Xaのエステルを、水素化ジイソブチルアルミニウム(「DIBAL」)または水素化アルミニウムリチウム(「LAH」)等の還元剤で、テトラヒドロフラン(「THF」)、トルエンまたはジエチルエーテル等の非プロトン性溶媒中、約0℃から約80℃の温度で約1から約12時間処理することにより、式IXaの化合物を調製することができる。
次いで、エステル基を、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム等の強塩基水溶液により、約0℃から約100℃の温度で約1から約18時間加水分解することによって式VIaの化合物を脱保護して、式Vaのカルボン酸含有化合物を形成する。
次いで、どの保護基Pgが用いられたかによって決まる標準的な方法を使用し、式(IIIa)のラクタム化合物を脱保護して、式(IIa)の遊離スピロピペリジン誘導体を提供することができる。例えば、PgがBOCを表す場合、ジクロロメタン等の適切な溶媒中、ジオキサンまたはトリフルオロ酢酸中の4N塩酸等の標準的な強酸脱保護条件を使用して、BOC基を除去することができる。PgがCbzを表す場合、エタノール中、パラジウム炭素による水素化、またはエタノールもしくは酢酸エチル中、パラジウム炭素の存在下でのギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等の水素源による処理を用いて、脱保護を行うことができる。
次いで、標準的な方法を用いることによって式(IIa)のスピロピペリジン誘導体をアシル化して、式(Ia)の化合物を提供することができる。例えば、次いで、化合物(Ia)は、所望のカルボン酸(R2CO2H)との標準的なペプチドカップリング反応を使用して形成され得る。例えば、スピロピペリジン中間体(IIa)およびカルボン酸(R2CO2H)は、カルボン酸(R2CO2H)を、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(「HATU」)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル(dimethyllaminopropyl))カルボジイミド塩酸塩(「EDC・HCl」)等のペプチドカップリング試薬と、ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBt」)等の活性化剤の存在下または非存在下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(「DIEA」)、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリン(「NMM」)等の適切な塩基の存在下、THFおよび/もしくはDMF、ジメチルアセトアミド(「DMA」)またはジクロロメタン等の適切な溶媒中で接触させること等によって、活性化カルボン酸エステルを形成し、次いで該活性化カルボン酸エステルをスピロピペリジン誘導体(IIa)と接触させることによってカップリングされて、式(Ia)の化合物を形成することができる。
スキームIIによれば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ブロモプロパン、1−ヨードプロパン、2−ブロモプロパン、2ヨードプロパン1−ヨードブタン、2−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパンまたは1−(ブロモメチル)シクロプロパン等の第一級または第二級ハロゲン化アルキルを使用する、式XIbのピラゾール化合物から式Xの化合物へのアルキル化は、炭酸セシウム(「Cs2CO3」)または炭酸カリウム(「K2CO3」)等の塩基およびジメチルホルムアミド(「DMF」)等の溶媒の存在下、約20℃から約100℃の温度で約1から約12時間行われ得る。
次いで、式Xbを、DIBALまたはLAH等の還元剤で、THF、トルエンまたはジエチルエーテル等の非プロトン性溶媒中、約−78℃から約60℃の温度で約1から約12時間処理することにより、式IXbの化合物を調製することができる。
次いで、エステル基を、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム等の強塩基水溶液により、約0℃から約100℃の温度で約1から約18時間加水分解することによって化合物式VIbを脱保護して、式Vbのカルボン酸含有化合物を形成する。次いで、式Vbのカルボン酸を、DPPAと、Et3Nまたはジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、約60℃から約120℃の温度で約1から約12時間反応させることにより、式IVbのイソシアネート化合物を形成することができる。
次いで、n−BuLiまたはt−BuLi等のアルキルリチウムを使用し、約−78℃から約0℃の温度で約5から約120分間、イソシアネート(式IVb)を環化することにより、式IIIbのラクタム化合物を形成することができる。
次いで、どの保護基Pgが用いられたかによって決まる標準的な方法を使用し、式(IIIb)のラクタム化合物を脱保護して、式(IIb)の遊離スピロピペリジン誘導体を提供することができる。例えば、PgがBOCを表す場合、ジクロロメタン等の適切な溶媒中、ジオキサンまたはトリフルオロ酢酸中の4N塩酸等の標準的な強酸脱保護条件を使用して、BOC基を除去することができる。PgがCbzを表す場合、エタノール中、パラジウム炭素による水素化、またはエタノールもしくは酢酸エチル中、パラジウム炭素の存在下でのギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等の水素源による処理を用いて、脱保護を行うことができる。
次いで、標準的な方法を用いることによって式(IIb)のスピロピペリジン誘導体をアシル化して、式(Ib)の化合物を提供することができる。例えば、次いで、化合物(Ib)は、所望のカルボン酸(R2CO2H)との標準的なペプチドカップリング反応を使用して形成され得る。例えば、スピロピペリジン中間体(IIb)およびカルボン酸(R2CO2H)は、カルボン酸(R2CO2H)を、HATUまたはEDC・HCl等のペプチドカップリング試薬と、HOBt等の活性化剤の存在下または非存在下、DIEA、NMM等の適切な塩基の存在下、THFおよび/もしくはDMF、DMAまたはジクロロメタン等の適切な溶媒中で接触させること等によって、活性化カルボン酸エステルを形成し、次いで該活性化カルボン酸エステルをスピロピペリジン誘導体(IIb)と接触させることによってカップリングされて、式(Ib)の化合物を形成することができる。
式IVcのラクタム化合物は、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド(「LTMP」)、またはマグネシウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド等の強塩基を使用し、約−78℃から約0℃の温度で約30分から約6時間、イソシアネート(式IVa)を環化することによって形成され得る。
次いで、PgがBOCを表す場合、ジクロロメタン等の適切な溶媒中、ジオキサンまたはトリフルオロ酢酸中の4N塩酸等の標準的な強酸脱保護条件を使用してBOC基を除去し、式(IIIc)のラクタム化合物を脱保護して、式(IIc)の遊離スピロピペリジン誘導体を提供することができる。
PgがCbzを表す場合、エタノール中、パラジウム炭素による水素化、またはエタノールもしくは酢酸エチル中、パラジウム炭素の存在下でのギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等の水素源による処理により、式(IVc)のラクタム化合物を同時に脱ハロゲン化および脱保護することができる。
標準的な方法を用いることによって式(IIc)のスピロピペリジン誘導体をアシル化して、式(Ic)の化合物を提供することができる。例えば、次いで、化合物(Ic)は、所望のカルボン酸(R2CO2H)との標準的なペプチドカップリング反応を使用して形成され得る。例えば、スピロピペリジン中間体(IIc)およびカルボン酸(R2CO2H)は、カルボン酸(R2CO2H)を、HATUまたはEDC・HCl等のペプチドカップリング試薬と、HOBt等の活性化剤の存在下または非存在下、DIEA、トリエチルアミンまたはNMM等の適切な塩基の存在下、THFおよび/もしくはDMF、DMAまたはジクロロメタン等の適切な溶媒中で接触させること等によって、活性化カルボン酸エステルを形成し、次いで該活性化カルボン酸エステルをスピロピペリジン誘導体(IIc)と接触させることによってカップリングされて、式(Ic)の化合物を形成することができる。
式IIIdのラクタム化合物は、式IVcの臭化物を、メチルトリ−nブチルスタンナンもしくはビニルトリ−nブチルスタンナンもしくはアリルトリ−nブチルスタンナン等のアルキルもしくはアルケニルトリブチルスタンナン、またはトリメチルボロキシンもしくはトリビニルボロキシン等のトリアルキルボロキシンと、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等のパラジウム触媒またはプレ触媒ならびに酢酸パラジウム(II)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(「SPhos」)等の配位子の組合せの存在下、炭酸カリウム等の塩基の存在下または非存在下、エタノールもしくはt−アミルアルコール等のプロトン性溶媒またはテトラヒドロフランもしくはジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒中、マイクロ波加熱下、約20℃から約100℃の温度で約2時間から約18時間、または約100℃から約150℃の温度で約5分から約60分間、パラジウム触媒クロスカップリングすることによって形成され得る。R3基を導入するためにアルケニルトリアルキルスタンナンまたはアルケニルボロキシンが利用されるならば、得られるオレフィンの還元は、エタノール中、パラジウム炭素による水素化、またはエタノールもしくは酢酸エチル中、パラジウム炭素の存在下でのギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等の水素源による処理によって影響され得る。
次いで、どの保護基Pgが用いられたかによって決まる標準的な方法を使用し、式(IIId)のラクタム化合物を脱保護して、式(IId)の遊離スピロピペリジン誘導体を提供することができる。例えば、PgがBOCを表す場合、ジクロロメタン等の適切な溶媒中、ジオキサンまたはトリフルオロ酢酸中の4N塩酸等の標準的な強酸脱保護条件を使用して、BOC基を除去することができる。PgがCbzを表す場合、エタノール中、パラジウム炭素による水素化、またはエタノールもしくは酢酸エチル中、パラジウム炭素の存在下でのギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等の水素源による処理を用いて、脱保護を行うことができる。
次いで、標準的な方法を用いることによって式(IId)のスピロピペリジン誘導体をアシル化して、式(Id)の化合物を提供することができる。例えば、次いで、化合物(Id)は、所望のカルボン酸(R2CO2H)との標準的なペプチドカップリング反応を使用して形成され得る。例えば、スピロピペリジン中間体(IId)およびカルボン酸(R2CO2H)は、カルボン酸(R2CO2H)を、HATUまたはEDC・HCl等のペプチドカップリング試薬と、HOBt等の活性化剤の存在下または非存在下、DIEA、トリエチルアミンまたはNMM等の適切な塩基の存在下、THFおよび/もしくはDMF、DMAまたはジクロロメタン等の適切な溶媒中で接触させること等によって、活性化カルボン酸エステルを形成し、次いで該活性化カルボン酸エステルをスピロピペリジン誘導体(IId)と接触させることによってカップリングされて、式(Id)の化合物を形成することができる。
スキームVによれば、式XIeの化合物は、式XIIIeのケトエステル化合物を、t−ブチルヒドラジン塩酸塩等の式XIIeの適切なアルキルヒドラジン塩酸塩と、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン塩基の存在下、エタノール等の極性プロトン性溶媒中、約20℃から約100℃の温度で約1から約12時間縮合させることによって調製され得る。
式XIeの化合物を、(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリド(ビルスマイヤー塩、Sigma−Aldrich、カタログ番号280909)で、ジメチルホルムアミドまたはトルエンまたは1,2−ジクロロエタン等の非プロトン性溶媒中、約0℃から約120℃の温度で約1から12時間処理することにより、式Xeの化合物を調製することができる。
式Xeのアルデヒドを、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤で、メタノールまたはエタノール等のプロトン性溶媒中、約0℃から約60℃の温度で約1から約6時間処理することにより、式IXeの化合物を調製することができる。
式VIeのニトリル化合物を、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム等の水酸化塩基水溶液およびメタノールもしくはエタノールまたはテトラヒドロフラン等の溶媒等の加水分解条件に、約20℃から約100℃の温度で約1から12時間供することにより、式Veのアミド化合物を調製することができる。代替として、尿素−過酸化水素等の過酸化物複合体を、メタノールまたはエタノール等の溶媒中、約0℃から約60℃の温度で約1から12時間、水酸化ナトリウム等の水酸化塩基水溶液と組み合わせて使用してもよい。
式Veのアミド化合物から式IVeのイソシアネート化合物への転位は、重炭酸ナトリウム等の無機塩基の存在下、アセトニトリル等の溶媒中、約20℃から約60℃の温度で約1から6時間、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン等の試薬で処理することによって行われ得る。
式IVeのイソシアンテ(isocyante)化合物から式IIIeのラクタム化合物への変換は、最初にイソシアネートを、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウム等の水酸化塩基水溶液中、メタノールまたはテトラヒドロフラン等の溶媒中で加水分解することにより、進めることができる。次いで、得られたアミンを、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン等のアルキルアミン塩基を加えた1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドまたは2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート等のアミドカップリング試薬により、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド等の溶媒中、約0℃から約60℃の温度で約1から24時間処理して、式IIIeのラクタム化合物を得ることができる。
次いで、どの保護基Pgが用いられたかによって決まる標準的な方法を使用し、式(IIIe)のラクタム化合物を脱保護して、式(IIe)の遊離スピロピペリジン誘導体を提供することができる。例えば、Pgがtert−ブチルオキシカルボニル(「BOC」)を表す場合、ジクロロメタン等の適切な溶媒中、ジオキサンまたはトリフルオロ酢酸中の4N塩酸等の標準的な強酸脱保護条件を使用して、BOC基を除去することができる。Pgがカルボベンジルオキシ(「Cbz」)を表す場合、エタノール中、パラジウム炭素による水素化、またはエタノールもしくは酢酸エチル中、パラジウム炭素の存在下でのギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン等の水素源による処理を用いて、脱保護を行うことができる。
次いで、標準的な方法を用いることによって式(IIe)のスピロピペリジン誘導体をアシル化して、式(Ie)の化合物を提供することができる。例えば、次いで、化合物(Ie)は、所望のカルボン酸(R2CO2H)との標準的なペプチドカップリング反応を使用して形成され得る。例えば、スピロピペリジン中間体(IIe)およびカルボン酸(R2CO2H)は、カルボン酸(R2CO2H)を、HATUまたはEDC・HCl等のペプチドカップリング試薬と、ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBt」)等の活性化剤の存在下または非存在下、DIEA、NMM等の適切な塩基の存在下、THFおよび/もしくはDMF、DMAまたはジクロロメタン等の適切な溶媒中で接触させること等によって、活性化カルボン酸エステルを形成し、次いで該活性化カルボン酸エステルをスピロピペリジン誘導体(IIe)と接触させることによってカップリングされて、式(Ie)の化合物を形成することができる。
本発明の化合物を単離し、そのまま、またはその薬学的に許容できる塩の形態で使用することができる。本発明に従って、複数の塩基性窒素原子を有する化合物は、様々な当量数(「eq.」)の酸と塩を形成することができる。そのような塩はすべて本発明の範囲内であることが、実務家には理解されよう。
薬学的に許容できる塩は、本発明の化合物に関して本明細書において使用される場合、化合物の薬学的に許容できる無機および有機塩を含む。これらの塩は、化合物の最終単離および精製中にインサイチュで、またはその化合物を適切な有機または無機酸と別個に反応させ、そのようにして形成された塩を単離することによって調製できる。代表的な塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ベシル酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、六フッ化リン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリル硫酸塩等を含むがこれらに限定されない。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリおよびアルカリ土類金属ならびに非毒性アンモニウム、第四級アンモニウムに基づくカチオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、エチルアンモニウム等を含むがこれらに限定されないアミンカチオンも含み得る。追加の例については、例えば、Bergeら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19(1977)を参照されたい。
本発明の化合物は、複数の結晶形態で存在し得る。式(I)の化合物およびその塩(溶媒和物および水和物を含む)の多形体は、本発明の一部を形成し、異なる条件下での本発明の化合物の結晶化によって調製できる。例えば、再結晶に異なる溶媒または異なる溶媒混合物を使用すること、異なる温度での結晶化、結晶化における非常に速い冷却から非常に遅い冷却までの範囲の種々の冷却モード。多形体は、本発明の化合物を加熱または融解させ、続いて漸次または急速冷却することによって取得することもできる。多形体の存在は、固体プローブ核磁気共鳴(NMR)分光法、赤外(IR)分光法、示差走査熱量測定、粉末X線回折またはそのような他の技術によって決定することができる。
本発明は、1個または複数の原子が、自然界において通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を除き、式(1)によって記述されているものと同一である、同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例は、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、36Cl、125I、129Iおよび18F等、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、硫黄およびフッ素の同位体を含む。本発明のある特定の同位体標識化合物、例えば3Hおよび14C等の放射性同位体が組み込まれたものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち3H)および炭素−14(すなわち14C)同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性によって特に好ましい。さらに、重水素(すなわち2H)等のより重い同位体による置換は、より優れた代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増大または必要投薬量の低減を生じさせることができ、それ故、いくつかの状況においては好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物は、概して、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬で代用することによって、スキームおよび/または以下の実施例において開示されている手順を行うことにより、調製できる。
本発明の化合物は、立体中心を含有し得る。これらの化合物は、鏡像異性体の混合物として、または純粋な鏡像異性体として存在し得る。化合物が立体中心を含む場合、該化合物は、当業者に知られている方法によって、例えば結晶化により分離され得るジアステレオ異性体塩の形成、例えば結晶化、気液もしくは液体クロマトグラフィーによって分離され得る立体異性誘導体もしくは錯体の形成、1つの鏡像異性体と鏡像異性体特異的試薬との選択的反応、例えば酵素的エステル化、または、キラルな環境における、例えばキラル支持体、例えば結合キラル配位子を有するシリカ上での、もしくはキラル溶媒の存在下での気液もしくは液体クロマトグラフィーによって、純粋な鏡像異性体に分割され得る。所望の立体異性体が、上述した分離手順の1つによって別の化学的実態に変換される場合、所望の鏡像異性形態を遊離させるためにさらなるステップが必要とされることが理解されよう。代替として、特定の立体異性体は、光学活性な出発材料を使用することによって、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を使用する不斉合成によって、または不斉転換により一方の立体異性体を他方の立体異性体に変換することによって合成できる。
本発明の化合物は、分離可能であってよい異なる安定な配座形態で存在し得る。不斉単結合周囲での束縛回転によるねじれ不斉、例えば立体障害または環の歪みを理由とするものは、異なる配座体の分離を可能にし得る。本発明の化合物は、式(1)の化合物の各配座異性体およびそれらの混合物をさらに含む。
本発明の化合物は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ酵素(特に、ACC1およびACC2)の阻害によってモジュレートされる疾患、状態および/または障害を治療するために有用である。本発明の別の実施形態は、治療有効量の本発明の化合物と、薬学的に許容できる添加剤、賦形剤または担体とを含む、医薬組成物である。本発明の化合物(その中で使用される組成物およびプロセスを含む)は、本明細書において記述されている治療用途のための薬剤の製造においても使用され得る。
典型的な製剤は、本発明の化合物と、担体、賦形剤または添加剤とを混合することによって調製される。適切な担体、賦形剤および添加剤は当業者によく知られており、炭水化物、ワックス、水溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水等の材料を含む。使用される特定の担体、賦形剤または添加剤は、本発明の化合物を適用する手段および目的によって決まることになる。溶媒は、概して、哺乳動物に投与するのに安全(GRAS)として当業者によって認識されている溶媒に基づいて選択される。概して、安全な溶媒は、水等の非毒性水性溶媒および水に可溶性または混和性の他の非毒性溶媒である。適切な水性溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)等およびそれらの混合物を含む。製剤は、1つまたは複数の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、着香剤、香味剤、および整った造形の薬物(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)を提供するため、または医薬生成物の製造を支援するための(すなわち、薬剤の調製において使用するための)、他の知られている添加物も含み得る。
製剤は、従来の溶解および混合手順を使用して調製できる。例えば、原薬(すなわち、本発明の化合物または該化合物の安定化形態(例えば、シクロデキストリン誘導体または他の知られている錯体形成剤との錯体))を、上述した添加剤の1つまたは複数の存在下、適切な溶媒に溶解する。水難溶性化合物の溶解率は、参照により本明細書に組み込まれる、Takeuchi,H.ら、「Enhancement of the dissolution rate of a poorly water−soluble drug(tolbutamide)by a spray−drying solvent deposition method and disintegrants」、J.Pharm.Pharmacol.、39、769〜773(1987)、およびEP0901786B1(US2002/009494)によって記述されているもの等、噴霧乾燥分散剤の使用によって増強することができる。本発明の化合物は、典型的には、医薬剤形に製剤化されて、容易に制御可能な投薬量の薬物を提供し、整っていて扱い易い製品を患者に届ける。
医薬組成物は、本発明の化合物の溶媒和物および水和物も含む。用語「溶媒和物」は、式(I)によって表される化合物(薬学的に許容できるその塩を含む)と1個または複数の溶媒分子との分子錯体を指す。そのような溶媒分子は、レシピエントに無害であることが知られている薬学分野において一般に使用されるもの、例えば、水、エタノール、エチレングリコール等である。用語「水和物」は、溶媒分子が水である場合の錯体を指す。溶媒和物および/または水和物は、好ましくは結晶形態で存在する。メタノール、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、(S)−プロピレングリコール、(R)−プロピレングリコール、1,4−ブチン−ジオール等の他の溶媒を、より望ましい溶媒和物の調製における中間溶媒和物として使用してよい。
塗布用の医薬組成物(または製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて、多様な手法で包装され得る。概して、分配用の物品は、適切な形態の医薬製剤をその中に配置した容器を含む。適切な容器は当業者によく知られており、ボトル(プラスチックおよびガラス)、小袋、アンプル、ポリ袋、金属シリンダー等の材料を含む。容器は、包装の内容物への不用意なアクセスを防止するための不正開封防止構築物も含み得る。加えて、容器には、容器の内容物を記述するラベルがその上に貼り付けられている。ラベルは、適切な警告も含み得る。
本発明は、動物におけるアセチル−CoAカルボキシラーゼ酵素の阻害によってモジュレートされる疾患、状態および/または障害を治療する方法であって、そのような治療を必要とする動物に、治療有効量の本発明の化合物、または有効量の本発明の化合物と薬学的に許容できる添加剤、賦形剤もしくは担体とを含む医薬組成物を投与するステップを含む方法をさらに提供する。該方法は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ酵素の阻害が有益である疾患、状態および/または障害を治療するために特に有用である。
肥満および過体重は、概してボディマス指数(BMI)によって定義され、該指数は、全体脂肪と相関し、疾患の相対リスクを推定するものである。BMIは、体重(キログラム)を高さ(平方メートル)で割る(kg/m2)ことによって算出される。過体重は、典型的には25〜29.9kg/m2のBMIとして定義され、肥満は、典型的には30kg/m2のBMIとして定義される。例えば、National Heart,Lung,and Blood Institute、Clinical Guidelines on the Identification,Evaluation,and Treatment of Overweight and Obesity in Adults、The Evidence Report、Washington,DC:U.S.Department of Health and Human Services、NIH publication no.98〜4083(1998)を参照されたい。
本発明の別の態様は、糖尿病、または1型(インスリン依存性真性糖尿病、「IDDM」とも称される)および2型(非インスリン依存性真性糖尿病、「NIDDM」とも称される)糖尿病、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血糖症、ならびに糖尿病性合併症(アテローム性動脈硬化症、冠動脈性心疾患、脳卒中、末梢血管疾患、腎症、高血圧症、神経障害および網膜症等)を含む糖尿病関連障害の治療(例えば、進行もしくは発症を遅延させる)のためのものである。
本発明のまた別の態様は、代謝症候群等の肥満共存症の治療である。代謝症候群は、脂質異常症、高血圧症、インスリン抵抗性、糖尿病(例えば2型糖尿病)、冠動脈疾患および心不全等の疾患、状態または障害を含む。代謝症候群についてのさらに詳細な情報は、例えば、Zimmet,P.Z.ら、「The Metabolic Syndrome:Perhaps an Etiologic Mystery but Far From a Myth−Where Does the International Diabetes Federation Stand?」、Diabetes&Endocrinology、7(2)、(2005);およびAlberti,K.G.ら、「The Metabolic Syndrome−A New Worldwide Definition」、Lancet、366、1059〜62(2005)を参照されたい。好ましくは、本発明の化合物の投与は、薬物を含有しないビヒクル対照と比較して、血漿レプチン、C反応性タンパク質(CRP)および/またはコレステロールの低下等、少なくとも1つの心血管疾患危険因子における統計的に有意な(p<0.05)低減を提供する。本発明の化合物の投与は、グルコース血清レベルにおける統計的に有意な(p<0.05)低減も提供し得る。
約100kgの体重を有する正常な成人では、典型的には体重1キログラムにつき約0.001mgから約10mgまで、好ましくは約0.01mg/kgから約5.0mg/kgまで、より好ましくは約0.01mg/kgから約1mg/kgまでの範囲内の投薬量で十分である。しかしながら、治療されている対象の年齢および重量、意図されている投与経路、投与されている特定の化合物等に応じて、一般的な投薬量範囲における若干の変動性が必要となり得る。特定の患者のための投薬量範囲および最適投薬量の決定は、本開示の利益を有する当業者の能力内に十分入るものである。本発明の化合物は、持続放出、制御放出および遅延放出製剤中に使用され得、これらの形態も当業者によく知られていることにも留意されたい。
本発明の化合物は、本明細書において記述されている疾患、状態および/または障害の治療用の他の薬学的作用物質と併せて使用してもよい。したがって、本発明の化合物を他の薬学的作用物質と組み合わせて投与するステップを含む治療方法も提供される。本発明の化合物と組み合わせて使用され得る適切な薬学的作用物質は、抗肥満剤(食欲抑制剤を含む)、抗糖尿病剤、高血糖治療剤、脂質低下剤および降圧剤を含む。
本発明の化合物と組み合わせてよい適切な脂質低下剤は、例えば、WO2011005611の30頁20行から31頁30行において記述されているものを含む。脂質低下剤は、胆汁酸金属イオン封鎖剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HMG−CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、アシル補酵素A−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、CETP阻害剤、スクアレンシンターゼ阻害剤、PPARαアゴニスト、FXR受容体モジュレーター、LXR受容体モジュレーター、リポタンパク質合成阻害剤、レニンアンジオテンシン(angiotensisn)系阻害剤、PPARδ部分的アゴニスト、胆汁酸再吸収阻害剤、PPARγアゴニスト、トリグリセリド合成阻害剤、ミクロゾームトリグリセリド輸送阻害剤、転写モジュレーター、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、低比重リポタンパク質受容体誘導剤、血小板凝集阻害剤、5−LOまたはFLAP阻害剤、ナイアシン結合クロム、および脂質組成に影響を及ぼす他の作用物質を含む。
本発明の化合物と組み合わせてよい適切な降圧剤は、例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行において記述されているものを含む。降圧剤は、利尿薬、ベータアドレナリン遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、血管拡張剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、α/βアドレナリン遮断薬、アルファ1遮断薬、アルファ2アゴニスト、アルドステロン阻害剤、ミネラオコルチコイド(mineraocorticoid)受容体阻害剤、レニン阻害剤およびアンジオポイエチン−2−結合剤を含む。
適切な抗糖尿病剤は、WO2009144554、WO2003072197、WO2009144555およびWO2008065508において記述されているもの等のアセチル−CoAカルボキシラーゼ−(ACC)阻害剤、WO09016462またはWO2010086820において記述されているもの等のジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)阻害剤、AZD7687またはLCQ908、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ2(DGAT−2)阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害剤、AMPK活性化因子、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイアビニーズ、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミドおよびトルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレスタチンおよびAL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラディマイシン−Qおよびサルボスタチン)、PPARγアゴニスト(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンおよびトログリタゾン)、PPARα/γアゴニスト(例えば、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767およびSB−219994)、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、アゴニスト(例えば、エキセンディン−3およびエキセンディン−4)等のグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)モジュレーター、リラグルチド、アルビグルチド、エキセナチド(Byetta(登録商標))、アルビグルチド、タスポグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド(semaglutide)、NN−9924、TTP−054、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤(例えば、トロズスクエミン、ヒルチオサール抽出物、およびZhang,S.ら、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)によって開示されている化合物)、SIRT−1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840またはGSK184072)、ジペプチジルペプチダーゼ(peptidease)IV(DPP−IV)阻害剤(例えば、WO2005116014におけるもの、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチンおよびサクサグリプチン)、インスリン分泌促進物質(secreatagogue)、脂肪酸酸化阻害剤、A2アンタゴニスト、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害剤、WO2010103437、WO2010103438、WO2010013161、WO2007122482において記述されているもの等のグルコキナーゼ活性化因子(GKa)、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658またはGKM−001、インスリン、インスリン模倣物質、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えばGSK1362885)、VPAC2受容体アゴニスト、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、BI−10733、トフォグリフロジン(CSG452)、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626およびLX4211を含む、E.C.Chaoら、Nature Reviews Drug Discovery 9、551〜559(2010年7月)において記述されているもの、ならびにWO2010023594において記述されているもの等のSGLT2阻害剤、Demong,D.E.ら、Annual Reports in Medicinal Chemistry 2008、43、119〜137において記述されているもの等のグルカゴン受容体モジュレーター、WO2010140092、WO2010128425、WO2010128414、WO2010106457、Jones,R.M.ら、Medicinal Chemistry 2009、44、149〜170において記述されているもの(例えば、MBX−2982、GSK1292263、APD597およびPSN821)等のGPR119モジュレーター、特にアゴニスト、Kharitonenkov,A.ら、Current Opinion in Investigational Drugs 2009、10(4)359〜364において記述されているもの等のFGF21誘導体または類似体、Zhong,M.、Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10(4)、386〜396において記述されているものおよびINT777等のTGR5(GPBAR1とも呼ばれる)受容体モジュレーター、特にアゴニスト、TAK−875、GPR120モジュレーター、特にアゴニスト、高親和性ニコチン酸受容体(HM74A)活性化因子を含むがこれらに限定されない、Medina,J.C.、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2008、43、75〜85において記述されているもの等のGPR40アゴニスト、ならびにGSK1614235等のSGLT1阻害剤を含む。本発明の化合物と組み合わせることができる抗糖尿病剤のさらなる代表的な一覧は、例えば、WO2011005611の28頁35行から30頁19行において見ることができる。好ましい抗糖尿病剤は、メトホルミンおよびDPP−IV阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチンおよびサクサグリプチン)である。他の抗糖尿病剤は、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤またはモジュレーター、フルクトース1,6−ジホスファターゼの阻害剤、アルドースレダクターゼの阻害剤、ミネラルコルチコイド受容体阻害剤、TORC2の阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PKCアイソフォーム(例えば、PKCα、PKCβ、PKC)の阻害剤、脂肪酸シンターゼの阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの阻害剤、GPR81、GPR39、GPR43、GPR41、GPR105、Kv1.3、レチノール結合タンパク質4、グルココルチコイド受容体、ソマトスタイン(somatostain)受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3およびSSTR5)のモジュレーター、PDHK2またはPDHK4の阻害剤またはモジュレーター、MAP4K4の阻害剤、IL1ベータを含むIL1ファミリーのモジュレーター、RXRアルファのモジュレーターを含み得る。加えて、適切な抗糖尿病剤は、Carpino,P.A.、Goodwin,B.Expert Opin.Ther.Pat、2010、20(12)、1627〜51によって収載されている機序を含む。
適切な抗肥満剤(そのいくつかは、抗糖尿病剤としても作用し得る)は、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11β−HSD1型)阻害剤、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1(SCD−1)阻害剤、MCR−4アゴニスト、コレシストキニン−A(CCK−A)アゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤(シブトラミン等)、交感神経様作用剤、β3アドレナリンアゴニスト、ドーパミンアゴニスト(ブロモクリプチン等)、メラニン細胞刺激ホルモン類似体、5HT2cアゴニスト、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(テトラヒドロリプスタチン、すなわちオルリスタット等)、食欲低下剤(ボンベシンアゴニスト等)、ニューロペプチド−Yアンタゴニスト(例えば、ベルネペリット等のNPY Y5アンタゴニスト)、PYY3−36(その類似体を含む)、BRS3モジュレーター、オピオド(opiod)受容体亜型の混合アンタゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイドアゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト、毛様体神経栄養因子(Regeneron Pharmaceuticals,Inc.、Tarrytown、NYおよびProcter&Gamble Company、Cincinnati、OHから入手可能なAxokine(商標)等)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)阻害剤、ヒスタミン3アンタゴニストまたは逆アゴニスト、ニューロメジンUアゴニスト、MTP/ApoB阻害剤(例えば、ジルロタピド、JTT130、ユシスタピド、SLx4090等の腸選択的MTP阻害剤)、オピオイドアンタゴニスト、GSK1521498を含むがこれに限定されないミューオピオイド受容体モジュレーター、ZGN−433を含むがこれに限定されないMetAp2阻害剤、グルカゴンの2以上において混合調節活性を持つ作用物質、MAR−701またはZP2929等のGIPおよびGLP1受容体、ノルエピネフリン輸送体阻害剤、カンナビノイド−1−受容体アンタゴニスト/逆アゴニスト、グレリンアゴニスト/アンタゴニスト、オキシントモジュリンおよび類似体、テソフェンシン等であるがこれに限定されないモノアミン取り込み阻害剤、オレキシンアンタゴニスト、組合せ剤(ブプロピオンとゾニサミド、プラムリンチドとメトレレプチン、ブプロピオンとナルトレキソン、フェンテルミンとトピラマート等)等を含む。
本発明の併用態様において使用するのに好ましい抗肥満剤は、腸選択的MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド、ミトラタピドおよびインプリタピド、R56918(CAS番号403987)およびCAS番号913541−47−6)、CCKaアゴニスト(例えば、PCT公開第WO2005/116034号または米国公開第2005−0267100A1号において記述されているN−ベンジル−2−[4−(1H−インドール−3−イルメチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−2,3,6,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−6−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド)、5HT2cアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、MCR4アゴニスト(例えば、US6,818,658において記述されている化合物)、リパーゼ阻害剤(例えば、セチリスタット)、PYY3−36(本明細書において使用される場合、「PYY3−36」は、ペグ化(peglated)PYY3−36、例えば、米国公開第2006/0178501号において記述されているもの等の類似体を含む)、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレオイル−エストロン(CAS番号180003−17−2)、オビネピチド(obinepitide)(TM30338)、プラムリンチド(Symlin(登録商標))、テソフェンシン(NS2330)、レプチン、ブロモクリプチン、オルリスタット、AOD−9604(CAS番号221231−10−3)およびシブトラミンを含む。好ましくは、本発明の化合物および併用療法は、運動および健康的な食習慣と併せて施される。
本明細書において以下で説明する実施例は、例証のみを目的とするものである。本明細書において反映されている組成物、方法および種々のパラメーターは、本発明の種々の態様および実施形態を例示することのみを意図されており、特許請求されている発明の範囲を何ら限定することは意図されていない。
下記の市販されている出発材料を使用して、以下の実施例において記述されている化合物を調製した:メチル3−ヨード−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(Anichem LLC、North Brunswick、NJ)、(1R,5S)−8−(tert−ブトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸(AstaTech,Inc.、Bristol、PA)、6−ブロモイソキノリン−3−アミン(Ark Pharm,Inc.、Libertyville、IL)、3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(Aces Pharma,Inc.、Branford、CT)、エチルキノリン−7−カルボキシレート(ASW MedChem,Inc.、New Brunswick、NJ)、7−ブロモイソキノリン−1(2H)−オン(Alfa Aesar、Ward Hill、MA)、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−6−カルボン酸(ASW MedChem,Inc.、New Brunswick、NJ)、5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール(J&W PharmLab LLC.、Levittown、PA)、6−ブロモイソキノリン−1(2H)−オン(Anichem LLC、North Brunswick、NJ)、メチル1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボキシレート(ACS Scientific Inc.、Metuchen、NJ)、4−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(Oakwood Products,Inc.、West Columbia、SC)、7−ブロモ−3−クロロイソキノリン(Allichem LLC、Baltimore、MD)、7−ブロモイソキノリン−3−アミン(Allichem LLC、Baltimore、MD)、6−ブロモイソキノリン−3−オール(Ark Pharm,Inc.、Libertyville、IL)、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(ASDI Inc.、Newark、DE)、1−クロロイソキノリン−7−カルボン酸(American Custom Chemicals Corp.、San Diego、CA)、3,7−ジメチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(Annker Organics Co.Ltd.、Wuhan、China)、7−メチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(J&W PharmLab LLC、Levittown、PA)、2−メチル−2H−インダゾール−5−カルボン酸(Bepharm Ltd.、Shanghai、China)、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸(Sinova Inc.、Bethesda、MD)、7−クロロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(Annker Organics Co.Ltd.、Wuhan、China)、4−メトキシ−1H−インダゾール−6−カルボン酸(ASW MedChem Inc.、New Brunswick、NJ)、1−メチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(J&W PharmLab LLC、Levittown、PA)、7−エチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(Annker Organics Co.Ltd.、Wuhan、China)、3−エチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(Allichem LLC、Baltimore、MD)、3−メチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(Ark Pharm Inc.、Libertyville、IL)、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸(Aces Pharma Inc.、Branford、CT)、キノリン−3−カルボン酸(Beta Pharma Inc.、Branford、CT)、キノリン−7−カルボン酸(Ark Pharm Inc.、Libertyville、IL)、イソキノリン−6−カルボン酸(Ark Pharm Inc.、Libertyville、IL)、イソキノリン−7−カルボン酸(Indofine Chemical Company Inc.、Hillsborough、NJ)、6−メトキシキノリン−3−カルボン酸(Princeton Biomolecular Research Inc.、Monmouth Junction、NJ)、4−メトキシ−7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸(Aurora Fine Chemicals LLC、San Diego、CA)、2−アミノキノリン−6−カルボン酸(Princeton Biomolecular Research Inc.、Monmouth Junction、NJ)、8−メトキシキノリン−3−カルボン酸(BioBlocks Inc.、San Diego、CA)、2−アミノキノリン−7−カルボン酸(Princeton Biomolecular Research Inc.、Monmouth Junction、NJ)、2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸(Acros Organics、Geel、Belgium)、1H−インダゾール−5−カルボン酸(Sigma Aldrich、St.Louis、MO)、キノリン−6−カルボン酸(Acros Organics、Geel、Belgium)、6−メトキシ−2−ナフトエ酸(Sigma Aldrich、St.Louis、MO)、1H−インダゾール−6−カルボン酸(Sigma Aldrich、St.Louis、MO)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸(Sigma Aldrich、St.Louis、MO)、3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸(Princeton BioMolecular Research,Inc.、Monmouth Junction、NJ)、7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(Alfa Aesar、Ward Hill、MA)、7−ブロモキノリン(Anichem LLC、North Brunswick、NJ)。
下記のカルボン酸(以下の実施例において記述されている化合物を調製するために使用したもの)は、以前に公開された手段によって調製した:3,7−ジメチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(PCT公開第WO2009144554号)、7−メチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(PCT公開第WO2009144554号)、7−メトキシ−2−ナフトエ酸(PCT公開第WO2003018586号)、5−メトキシ−2−ナフトエ酸(PCT公開第WO2003072578号)、4,8−ジメトキシキノリン−2−カルボン酸(PCT公開第WO2007011809号)、3−クロロ−7−メチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(PCT公開第WO2009144554号)、3−クロロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(PCT公開第WO2009144554号)、8−メトキシ−2−ナフトエ酸(PCT公開第WO2003072578号)、3−クロロ−1H−インドール−5−カルボン酸(PCT公開第WO2008065508号)、3−クロロ−1H−インドール−6−カルボン酸(PCT公開第WO2008065508号)、7−メトキシ−3−メチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(WO2009144554)、4,8−ジメトキシキノリン−2−カルボン酸(PCT公開第WO2007011809)。
以下に記述する化合物および中間体は、ケムドローウルトラ(ChemDraw Ultra)、バージョン11.0.1(CambridgeSoft Corp.、Cambridge Massachusetts)で提供される命名規則を使用して命名した。ケムドローウルトラ、バージョン11.0.1で提供される命名規則は、当業者によく知られており、ケムドローウルトラ、バージョン11.0.1で提供される命名規則は、概して、Nomenclature of Organic ChemistryのIUPAC(国際純正応用化学連合)勧告およびCAS Indexルールに適合すると考えられている。特に断りのない限り、すべての反応物質は市販のものを入手した。本明細書において以下で挙げる参考文献はすべて、参照により組み込まれる。
フラッシュクロマトグラフィーは、Stillら、J.Org.Chem.、1978、43、2923によって記述されている方法に従って実施した。
本明細書において論じられているすべてのBiotage(登録商標)精製は、KP−SILシリカ(40〜63μM、60オングストローム)(Biotage AB;Uppsala、Sweden)を含有するBiotage(登録商標)SNAPカラムを使用して実施した。
本明細書において論じられているすべてのCombiflash(登録商標)精製は、充填されたRediSep(登録商標)シリカカラムを利用するCombiFlash(登録商標)Companionシステム(Teledyne Isco;Lincoln、Nebraska)を使用して実施した。
質量スペクトルは、Waters(Waters Corp.;Milford、MA)マイクロマスプラットフォームII分光計で記録した。別段の指定がない限り、質量スペクトルは、Waters(Milford、MA)マイクロマスプラットフォームII分光計で記録した。
プロトンNMR化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場に100万分の1単位で記され、Varian Unity 300、400または500MHz(メガヘルツ)分光計(Varian Inc.;Palo Alto、CA)で記録した。NMR化学シフトは、テトラメチルシラン(プロトンの場合)またはフルオロトリクロロメタン(フッ素の場合)から低磁場に100万分の1単位で記される。
HPLC保持時間は、下記の方法を使用して測定した:方法A:カラム:WatersアトランティスdC18 4.6×50mm、5μm;移動相A:水中0.05%TFA(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.05%TFA(v/v);勾配:4.0分間で95%A/5%B線形から5%A/95%B、5.0分まで5%A/95%Bでホールド;流速:2.0mL/分。方法B:カラム:WatersクロスブリッジC18 4.6×50mm、5μm;移動相A:水中0.03%NH4OH(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.03%NH4OH(v/v);勾配:4.0分間で95%A/5%B線形から5%A/95%B、5.0分まで5%A/95%Bでホールド;流速:2.0mL/分。
以下に記述する調製物を、下記の実施例において例示されている化合物の合成において使用した。
中間体および出発材料の調製
カルボン酸中間体は、市販のものを購入したか、以下に記述する通りに調製したか、PCT公開第WO2009/144554号において記述されている通りに調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他のカルボン酸中間体について上述した経路に類似する方式で調製した。
中間体1:1’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン塩酸塩
ステップ1.エチル5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
アセトニトリル(20mL)中のエチル5−アミノ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(674mg、3.19mmol、Liら、J.Heterocycl.Chem.、2007、44、749)の溶液に、臭化銅(II)(720mg、3.19mmol)および亜硝酸イソアミル(0.56mL、4.15mmol)を添加した。金色懸濁液を45℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(5〜40%酢酸エチル/ヘプタン、10gのシリカゲル)によって精製して、685mgのエチル5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを透明油として生成した。+APCI(M+H) 275.0;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.87(s, 1H), 4.32(q, J=7.0Hz, 2H), 1.77(s, 9H), 1.36(t, J=7.1Hz,
3H).
ステップ2:(5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
THF(20mL)中のエチル5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(685mg、2.49mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(7.47mL、7.47mmol、1M THF)で滴下処理した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで室温に18時間加温した。混合物を酢酸エチル10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。次いで、混合物を飽和ロッシェル塩水溶液(25mL)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(10〜80%酢酸エチル/ヘプタン勾配、25gのシリカゲル)によって精製して、460mgの(5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノールを透明油として生成した。+APCI(M+H) 233.1, (M+2+H) 235.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3,
δ): 7.51(s, 1H), 4.53(d, 2H), 1.74(s, 9H), 1.55(t,
J=5.8Hz, 1H).
ステップ3:5−ブロモ−4−(ブロモメチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール
ジクロロメタン(25mL)中の(5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(460mg、1.97mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次いで、臭化リン(III)(0.37mL、3.46mmol)で5分間かけて滴下処理した。混合物を0℃で30分間、次いで室温で1時間撹拌した。混合物を水(50mL)でゆっくりクエンチし、30分間撹拌し、次いで酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、362mgの5−ブロモ−4−(ブロモメチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾールを透明油として生成した。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.54(s, 1H), 4.39(s, 2H), 1.74(s, 9H).
ステップ4:1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
THF(15mL)中の1−tert−ブチル4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(0.37mL、1.47mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、次いで、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.48mL、1.48mmol、1Mトルエン)で滴下処理した。反応物を−78℃で15分間撹拌し、0℃に30分間加温し、次いで冷却して−78℃に戻した。THF(10mL)中の5−ブロモ−4−(ブロモメチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール(335mg、1.13mmol)の溶液を添加し、混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温で18時間撹拌させた。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチし、室温で30分間撹拌し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。結果として生じた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(5〜40%酢酸エチル/ヘプタン、25gのシリカゲル)によって精製して、256mgの1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレートを透明油として生成した。+ESI(M+H) 474.2,(M+2+H) 476.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3,
δ): 7.20(s, 1H), 4.16(q, J=7.2Hz, 2H), 3.93(br. s.,
2H), 2.84(m, 2H), 2.66(s, 2H), 2.10(d, J=12.5Hz, 2H), 1.72(s, 9H), 1.45(m,
11H), 1.25(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ5:4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸
メタノール(15mL)中の1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(256mg、0.54mmol)の溶液に、2.5M NaOH水溶液(5mL)を添加し、結果として生じた混合物を18時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、メタノールを減圧下で除去した。結果として生じたスラリーを25mLの水に溶かし、1N HCl水溶液で酸性化し、次いで酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、241mgの4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸を無色固体として生成した。+APCI(M+H) 444.2,(M+2+H) 446.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3,
δ): 7.35(s, 1H), 3.95(br. s., 2H), 2.92(br. s., 2H),
2.71(s, 2H), 2.08(d, J=12.9Hz, 2H), 1.73(s, 9H), 1.50(m, 11H).
ステップ6:tert−ブチル4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート
トルエン(10mL)中の4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(241mg、0.54mmol)の溶液に、トリエチルアミン(91μL、0.65mmol)およびジフェニルリン酸アジド(0.14mL、0.65mmol)を添加した。混合物を120℃で3時間加熱し、反応物を冷却し、揮発物を減圧下で除去した。結果として生じた油をフラッシュクロマトグラフィー(25gのシリカ、7〜60%酢酸エチル/ヘプタン勾配)によって精製して、225mgのtert−ブチル4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレートを透明油として生成した。+APCI(M+H) 385.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.40(s, 1H), 4.03(br. s., 2H), 2.97(br. t, J=12.3, 12.3Hz, 2H),
2.70(s, 2H), 1.74(s, 9H), 1.67(m, 2H), 1.62(m, 2H), 1.46(s, 9H).
ステップ7:tert−ブチル1’−tert−ブチル−7’−オキソ−1’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート
THF(10mL)中のtert−ブチル4−((5−ブロモ−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート(225mg、0.51mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、t−ブチルリチウム(0.6mL、ペンタン中1.7M)を2分間かけて滴下添加した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、0℃に加温し、次いで飽和NH
4Cl水溶液(20mL)でクエンチした。混合物を室温で30分間撹拌し、水(25mL)で希釈し、次いで酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12〜100%酢酸エチル/ヘプタン、10gのシリカゲル)によって精製して、137mgのtert−ブチル1’−tert−ブチル−7’−オキソ−1’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレートを無色固体として生成した。+ESI(M-tBu) 307.2;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 7.74(s, 1H), 7.30(s, 1H), 3.51(m, 2H), 3.20(m, 2H), 2.79(s, 2H),
1.64(s, 9H), 1.56(t, J=5.8Hz, 4H), 1.38(s, 9H).
ステップ8:1’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン塩酸塩
酢酸エチル(4mL)中のtert−ブチル1’−tert−ブチル−7’−オキソ−1’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(137mg、0.39mmol)の溶液に、ジオキサン中4N HCl(2mL)を添加した。室温で1時間撹拌した後、揮発物を減圧下で除去し、結果として生じた無色固体をヘプタン(10mL)から粉砕して、112mgの表題化合物を無色固体として生成した。+APCI(M+H) 263.3; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.84(m, 2H), 8.00(s, 1H), 7.29(s, 1H), 3.13(d, J=6.1Hz, 2H),
3.03(br. s., 2H), 2.78(s, 2H), 1.76(m, 4H), 1.60(s, 9H).
中間体2:以下に示す1’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オンは、下記の通りに調製した。
ステップ1:5−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
90%エタノール/メタノール(1.5L)中の、エチル2−シアノ−3−エトキシアクリレート(84.4g、0.50mol)、イソプロピルヒドラジン塩酸塩(55.2g、0.50mol)および炭酸カリウム(68.8g、0.50mol)の混合物を、16時間加熱還流した。次いで、溶媒を真空で除去し、水および酢酸エチルを添加した。混合物を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して、エチル5−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(92.4g、94%)を生成した。+ESI(M+H) 198.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.63(s, 1H), 4.97(br. s., 2H), 4.28(q, 2H), 4.18(m, 1H), 1.45(d,
6H), 1.31(t, 3H).
ステップ2:5−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
アセトニトリル(1L)中のエチル5−アミノ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(107.5g、0.55mol)の混合物に、臭化銅(II)(182.6g、0.82mol)を、アルゴン下室温で添加した。混合物を50℃に加熱し、亜硝酸イソアミル(109.8mL、0.82mol)を滴下添加した(発熱が観察され、温度は65℃に上昇した)。反応物を50℃で2時間撹拌し、次いで混合物を室温に冷却し、2M HCl上に注ぎ、15分間撹拌し、次いで酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、ブライン、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去してエチル5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(163g、定量的)を得、これをさらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.97(s, 1H), 4.77(m, 1H), 4.28(q, 2H), 1.35(t, 3H), 0.90(d, 6H).
ステップ3:(5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
2−メチルテトラヒドロフラン(400mL)中のエチル5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(163g、0.50mol)の溶液に、ボラン−DMS(140mL、1.50mol)を、アルゴン下0℃で添加した(50mLを添加した後、泡立ちは停止した)。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで70℃に2時間加熱し、その後、17時間還流した。追加分量のボランDMS(40mL)を添加し、混合物をさらに3時間撹拌還流した。混合物を室温に冷却し、次いで氷冷メタノール(500mL)に撹拌しながら30分間かけて徐々に添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで2M水酸化ナトリウム水溶液(1.5L)を添加した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去した。粗生成物を乾燥フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜50%酢酸エチル)によって精製して、(5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(2ステップにわたって70.8g、65%)を得た。+ESI(M+H) 220.9;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.52(s, 1H), 4.67(m, 1H), 4.47(s, 2H), 2.59(br. s., 1H), 1.41(s,
6H).
ステップ4:5−ブロモ−4−(ブロモメチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール
ジクロロメタン(200mL)中の(5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(10.0g、45.7mmol)の撹拌溶液に、PBr
3(6.5mL、68.5mmol)を0℃で添加した。添加が完了した後、混合物を室温に加温させ、3時間撹拌した。混合物を氷冷水(300mL)に注ぎ入れ、振とうし、分離し、次いで氷冷水(2×100mL)で2回、その後ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して、5−ブロモ−4−(ブロモメチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール(12.2g、95%)を得た。
1H NMR(300MHz, CDCl
3, δ): 7.58(s, 1H), 4.64(m, 1H), 4.35(s, 2H), 1.43(d, 6H).
ステップ5:1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
2−メチルテトラヒドロフラン(120mL)中の1−tert−ブチル4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(14.5g、56.3mmol)の撹拌溶液に、テトラヒドロフラン中1M LiHMDS(57mL、56.3mmol)を、アルゴン下−78℃で滴下添加した。20分後、2−メチルテトラヒドロフラン(10mL)中の5−ブロモ−4−(ブロモメチル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール(12.2g、43.3mmol)を添加した。混合物を室温に加温させ、18時間撹拌した。混合物を水(200mL)で希釈し、混合物を分離した。有機相を、10%クエン酸溶液(2×100mL)、次いでブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中10〜30%酢酸エチル)によって精製して、1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(9.3g)を得た。カラムから、出発エステルと所望生成物との7.1gの混合画分も単離された。これを90%エタノール/メタノール中1当量の水酸化ナトリウムとともに室温で2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、酢酸エチル(100mL)を添加した。混合物を、2N水酸化ナトリウム(2×50mL)、次いでブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して、1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレートの第二の収穫物(5.1g)を得た。合わせた収率は14.4g(72%)である。+ESI(M+H) 404.0;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 4.62(m, 1H), 4.12(q, 2H), 3.90(br. s., 2H), 2.82(m, 2H), 2.63(s,
2H), 2.08(d, 2H), 1.66(m, 2H), 1.42(s, 9H), 1.21(t, 3H).
ステップ6:4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸
メタノール(50mL)中の1−tert−ブチル4−エチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(14.5g、31.6mmol)の溶液に、水酸化リチウム(1.52g、36.2mmol)を添加し、混合物を80℃で18時間撹拌した。追加分量の水酸化リチウム(2.55g、63.3mmol)を添加し、混合物を激しく還流しながら3時間加熱し、室温に冷却し、溶媒を真空で除去した。残留物を酢酸エチルで洗浄し、濾過し、濾液を保存した。固体を2N水酸化ナトリウム水溶液(40mL)に溶解し、次いで10%クエン酸溶液でpH5に酸性化した。水溶液を酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで最初の濾液と合わせた。溶媒を減圧下で濾液から除去し、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(10.1g、74%)を無色固体として生じさせた。+ESI(M+H) 429.9;
1H NMR(300MHz, CDCl
3, δ): 7.41(s, 1H), 4.64(m, 1H), 3.94(m, 2H), 2.95(m, 2H), 2.68(m, 2H),
2.09(m, 2H), 1.47(m, 17H).
ステップ7:tert−ブチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート
トルエン(15mL)中の、4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(2.54g、5.9mmol)、ジフェニルリン酸アジド(1.79g、6.5mmol)およびトリエチルアミン(0.91mL、6.5mmol)の混合物を、3時間加熱還流した。次いで、混合物を室温に冷却し、溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert−ブチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート(2.8g、100%)を得た。
1H NMR(300MHz, CDCl
3, δ): 7.47(s, 1H), 4.68(m, 1H), 3.99(m, 2H), 2.95(m, 2H), 2.67(s, 2H),
1.62(m, 4H), 1.45(m, 15H).
ステップ8:tert−ブチル1’−イソプロピル−7’−オキソ−1’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート
2−メチルテトラヒドロフラン(10mL)中のtert−ブチル4−((5−ブロモ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート(1.4g、3.3mmol)の混合物に、t−ブチルリチウム(ヘキサン中1.7M、4.3mL、7.2mmol)を、アルゴン下−78℃で添加した。添加が完了した後、混合物を室温に加温させ、18時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチし、次いで酢酸エチル(20mL)で希釈した。層を分離し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert−ブチル1’−イソプロピル−7’−オキソ−1’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(0.77g、67%)を得た。+ESI(M+H) 374.1;
1H NMR(300MHz, CDCl
3, δ): 7.34(s, 1H), 6.35(s, 1H), 5.45(m, 1H), 3.57(m, 2H), 3.42(m, 2H),
2.79(s, 2H), 1.70(m, 4H), 1.45(m, 15H).
ステップ9:1’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン
4mLの酢酸エチル中のtert−ブチル1’−イソプロピル−7’−オキソ−1’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(100mg、0.29mmol)の溶液に、ジオキサン中4N HCl(2mL)を添加した。室温で30分間撹拌した後、メタノール(1mL)を添加し、結果として生じた溶液を室温で5時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、結果として生じた無色固体を1:1 アセトニトリル/ジクロロメタンで粉砕して、71mgの表題化合物を無色固体として生成した。1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.72(br. s., 2H), 8.05(s, 1H), 7.37(s, 1H), 5.36(m, 1H), 3.15(m,
2H), 3.05(m, 2H), 2.78(s, 2H), 1.78(m, 4H), 1.33(d, J=6.6Hz, 6H).
中間体3:以下に示す2’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩は、下記の通りに調製した。
ステップ1:エチル3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
20mLのN,N−ジメチルホルムアミド中のエチル3−ヨードピラゾール−4−カルボキシレート(1.58g、5.94mmol、Truongら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、19、4920(2009))の溶液に、炭酸セシウム(3.87g、11.9mmol)および2−ヨードプロパン(0.89mL、8.90mmol)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。反応混合物を150mLの水で希釈し、2×100mLのジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機物を50mLのブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。結果として生じた油をフラッシュクロマトグラフィー(7〜60%酢酸エチル/ヘプタン勾配、50gのシリカ)によって精製して、340mgのエチル5−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを静置すると結晶化する透明油として、および740mgのエチル3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを透明油として生成した。
エチル5−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:+APCI(M+H)
309.0;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ):
8.05(s, 1H) 4.82(spt, J=6.6Hz, 1H) 4.33(q, J=7.2Hz, 2H) 1.50(d, J=6.6Hz, 6H)
1.37(t, J=7.1Hz, 3H).
エチル3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:+APCI(M+H)
309.0;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ):
7.84(s, 1H) 4.52(spt, J=6.7Hz, 1H) 4.32(q, J=7.1Hz, 2H) 1.52(d, J=6.6Hz, 6H)
1.37(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ2:(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
テトラヒドロフラン(20mL)中のエチル3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(740mg、2.40mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1.5M、0.8mL、7.21mmol)で滴下処理した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温に2時間加温した。混合物を10mLの酢酸エチルでクエンチし、15分間撹拌し、次いで25mLの飽和ロッシェル塩水溶液で処理した。室温でさらに1時間撹拌した後、混合物を50mLの酢酸エチルで希釈し、100mLの水で洗浄した。水層をさらに50mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。次いで、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12〜100%酢酸エチル/ヘプタン、25gのシリカゲル)によって精製して、630mgの(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノールを透明油として生成した。+APCI(M+H) 266.8;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.37(s, 1H), 4.49(m, 3H), 1.67(t, J=5.9Hz, 1H), 1.50(s, 6H).
ステップ3:4−(ブロモメチル)−3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール
20mLのジクロロメタン中の(3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(0.63g、2.37mmol)の溶液を、0℃に冷却した。臭化リン(III)(0.67mL、7.10mmol)を溶液に添加し、混合物を0℃で30分間、室温で1時間撹拌し、次いで50mLの水でクエンチし、室温で15分間撹拌した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(10〜80%酢酸エチル/ヘプタン、25gのシリカゲル)によって精製して、400mgの4−(ブロモメチル)−3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾールを無色固体として生成した。+APCI(M+H) 329.0;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.42(s, 1H), 4.47(spt, J=6.7Hz, 1H), 4.35(s, 2H), 1.50(d,
J=6.6Hz, 6H).
ステップ4:1−tert−ブチル4−エチル4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート
窒素下、乾燥した100mLの丸底フラスコ内、テトラヒドロフラン(15mL)中の1−tert−ブチル4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(0.54mL、2.11mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、次いでリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1Mトルエン、2.13mL、2.13mmol)で処理した。−78℃で45分間撹拌した後、4−(ブロモメチル)−3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール(535mg、1.63mmol)を、10mLのテトラヒドロフラン中の懸濁液として添加した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温で18時間撹拌させた。反応混合物を20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、室温で30分間撹拌し、50mLの水で希釈し、次いで酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(10〜80%酢酸エチル/ヘプタン、25gのシリカゲル)によって精製して、1−tert−ブチル4−エチル4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(645mg)を透明油として生成した。+ESI(M-tBu) 450.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.02(s, 3H), 4.44(spt, J=6.6Hz, 1H), 4.17(m, 2H), 3.92(m, 2H),
2.86(m, 2H), 2.62(s, 2H), 2.08(m, 2H), 1.46(m, 17H), 1.25(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ5:1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸
メタノール(20mL)中の1−tert−ブチル4−エチル4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(455mg、0.9mmol)の溶液に、2N NaOH(5mL)を添加した。室温で18時間撹拌した後、メタノールを減圧下で除去し、結果として生じたスラリーを20mLの水に溶かし、2N HClで酸性化し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸(430mg)を無色固体として生成した。-APCI(M-H) 476.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.11(s, 1H), 4.45(dquin, J=13.4, 6.7Hz, 1H), 3.95(br. s., 2H),
2.91(m, 2H), 2.69(s, 2H), 2.08(m, 2H), 1.47(m, 8H).
ステップ6:tert−ブチル4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート
トルエン(10mL)中の1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)ピペリジン−4−カルボン酸(430mg、0.90mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.15mL、1.08mmol)およびジフェニルリン酸アジド(0.24mL、1.08mmol)を添加した。混合物を120℃で3時間加熱し、揮発物を減圧下で除去し、結果として生じた油をフラッシュクロマトグラフィー(7〜60%酢酸エチル/ヘプタン、25gのシリカゲル)によって精製して、tert−ブチル4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート(280mg)を透明油として生成した。FT-IR(cm
-1): 2253;
1H NMR(400MHz, CDCl
3,
δ): 7.27(s, 1H), 4.50(m, 1H), 4.03(br. s., 2H),
2.97(br. s., 2H), 2.65(s, 2H), 1.65(m, 4H), 1.50(s, 6H), 1.47(s, 9H).
ステップ7:tert−ブチル2’−イソプロピル−7’−オキソ−2’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(10mL)中のtert−ブチル4−((3−ヨード−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−イソシアナトピペリジン−1−カルボキシレート(280mg、0.59mmol)の−78℃溶液に、t−ブチルリチウム(0.7mL、ペンタン中1.7M)を滴下添加した。−78℃で30分間撹拌した後、混合物を0℃に加温し、20mLの飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、室温でさらに30分間撹拌した。反応混合物を25mLの水で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。次いで、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12〜100%酢酸エチル/ヘプタン、10gのシリカゲル)によって精製して、tert−ブチル2’−イソプロピル−7’−オキソ−2’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(130mg)を無色固体として生成した。+ESI(M+H) 349.1;
1H NMR(500MHz, CDCl
3, δ): 7.28(s, 1H), 5.78(s, 1H), 4.57(spt, J=6.6Hz, 1H), 3.59(m, 2H),
3.37(m, 2H), 2.82(s, 2H), 1.74(m, 4H), 1.55(d, J=6.6Hz, 6H), 1.47(s, 9H).
ステップ8:2’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩
酢酸エチル(5mL)中のtert−ブチル2’−イソプロピル−7’−オキソ−2’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(130mg、0.37mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4M塩酸(2mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、揮発物を減圧下で除去し、結果として生じた残留物を10mLのヘプタンで粉砕した。固体を減圧下で乾燥させて、2’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(105mg)をオフホワイトの固体として生成した。+ESI(M+H) 249.1; 1H NMR(500MHz, DMSO-d6, δ): 7.91(s, 1H) 7.69(s, 1H) 4.48-4.62(m, 1H) 3.02-3.28(m, 4H) 2.78(s,
2H) 1.74-1.89(m, 4H) 1.41(d, J=6.59Hz, 6H).
中間体4:以下に示す2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩は、下記の通りに調製した。
ステップ1:(E)−エチル2−(2−tert−ブチルヒドラゾノ)プロパノエート
エタノール(150mL)中のピルビン酸エチル(20.22g、174.1mmol)の溶液に、t−ブチルヒドラジン塩酸塩(21.7g、174mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(33.4mL、192mmol)を添加した。18時間撹拌還流した後、反応物を冷却し、揮発物を減圧下で除去した。結果として生じた金色油を300mLの酢酸エチルに溶かし、200mLの水および300mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(E)−エチル2−(2−tert−ブチルヒドラゾノ)プロパノエート(23.1g)を透明淡黄色油として生成した。+APCI(M+H) 187.3;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 5.51(br. s., 1H), 4.25(q, J=7.2Hz, 2H), 1.89(s, 3H), 1.32(t,
J=7.1Hz, 3H), 1.28(s, 9H).
ステップ2:エチル1−tert−ブチル−4−ホルミル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
トルエン(300mL)中の(E)−エチル2−(2−tert−ブチルヒドラゾノ)プロパノエート(22.9g、123mmol)の黄橙色溶液に、(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリド(ビルスマイヤー塩、34.0g、252mmol)を一度に添加した。懸濁液を室温で3時間撹拌すると、ゆっくり濃橙色油上にトルエンの二相混合物になった。反応混合物を0℃に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でゆっくり中和した。層を分離し、水層を追加の酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、200mLのブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、エチル1−tert−ブチル−4−ホルミル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(18.6g)を黄褐色〜橙色油として生成し、これを静置すると凝固した。+APCI(M+H) 225.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 10.37(s, 1H), 8.14(s, 1H), 4.48(q, J=7.0Hz, 2H), 1.65(s, 9H),
1.44(t, 3H).
ステップ3:エチル1−tert−ブチル−4−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
エタノール(50mL)中のエチル1−tert−ブチル−4−ホルミル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(2.87g、12.8mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.97g、25.6mmol)を一度に添加した。室温で30分間撹拌した後、混合物を1N塩酸水溶液(100mL)でクエンチし、15分間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和した。混合物を酢酸エチル(2×150mL)で抽出し、次いで、合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、エチル1−tert−ブチル−4−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(2.57g)を透明油として生成した。+APCI(M+Na) 249.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.49(s, 1H), 4.65(d, J=6.8Hz, 2H), 4.43(q, J=7.2Hz, 2H), 3.62(t,
J=6.9Hz, 1H), 1.59(s, 9H), 1.41(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ4:エチル4−(ブロモメチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
ジクロロメタン(120mL)中のエチル1−tert−ブチル−4−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(3.9g、17.24mmol)の0℃溶液に、三臭化リン(4.91mL、51.7mmol)を添加し、結果として生じた混合物を、0℃で30分間、次いで室温で1時間撹拌した。混合物を50mLの水でクエンチし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、30分間撹拌し、次いでジクロロメタン(2×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を100mLのブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(7〜60%酢酸エチル/ヘプタン、50gのシリカゲル)によって精製して、エチル4−(ブロモメチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(4.12g)を透明油として生成した。+APCI(M+H) 289.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.61(s, 1H), 4.70(s, 2H), 4.41(q, J=7.2Hz, 2H), 1.60(s, 9H),
1.40(t, 3H).
ステップ5:tert−ブチル4−((1−tert−ブチル−3−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(20mL)中のtert−ブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレートピペリジン(1.0g、4.76mmol)の−78℃溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(4.76mL、テトラヒドロフラン中1M)を添加した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、0℃に30分間加温し、次いで−78℃に冷却した。次いで、テトラヒドロフラン中のエチル4−(ブロモメチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(1.38g、4.76mmol)の溶液を滴下添加した。−78℃で30分間撹拌した後、混合物を室温に加温させ、さらに18時間撹拌させた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)でクエンチし、30分間撹拌し、水(50mL)で希釈し、次いで酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(7〜60%酢酸エチル/ヘプタン、100gのシリカゲル)によって精製して、tert−ブチル4−((1−tert−ブチル−3−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート(455mg)を透明油として生成した。+APCI(M+H) 419.3;
1H NMR(500MHz, CDCl
3, δ): 7.68(s, 1H), 4.40(q, J=7.2Hz, 2H), 4.13(br. s., 2H), 3.17(s, 2H),
2.97(br. s., 2H), 1.81(d, J=13.2Hz, 2H), 1.63(s, 9H), 1.56(m, 2H), 1.46(s, 9H),
1.41(t, J=7.2Hz, 3H).
ステップ6:4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−カルバモイルピペリジン−4−イル)メチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
メタノール(11mL)中のtert−ブチル4−((1−tert−ブチル−3−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−4−イル)メチル)−4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート(455mg、1.09mmol)の0℃溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(10.9mL)中の尿素−過酸化水素(1.05g、10.9mmol)の溶液を滴下添加した。室温で18時間撹拌した後、揮発物を減圧下で除去し、結果として生じたスラリーを水(50mL)に溶かし、2N塩酸水溶液で酸性化し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−カルバモイルピペリジン−4−イル)メチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(418mg)を無色固体として生成した。-APCI(M-H) 407.3;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 12.33(br. s., 1H), 7.47(s, 1H), 7.11(br. s., 1H), 6.99(s, 1H),
3.59(d, J=13.3Hz, 2H), 2.89(s, 2H), 2.77(m, 2H), 1.84(m, 2H), 1.44(s, 9H),
1.31(s, 9H), 1.16(m, 2H).
ステップ7:4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソシアナトピペリジン−4−イル)メチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
アセトニトリル(20mL)中の4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−カルバモイルピペリジン−4−イル)メチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(388mg、0.95mmol)の懸濁液に、重炭酸ナトリウム(319mg、3.80mmol)およびビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードソベンゼン(632mg、1.42mmol)を添加した。混合物を室温で90分間撹拌し、50mLの水で希釈し、1N塩酸水溶液で酸性化し、次いで酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1〜10%メタノール/ジクロロメタン、25gのシリカゲル)によって精製して、4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソシアナトピペリジン−4−イル)メチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(172mg)を無色固体として生成した。-APCI(M-H) 405.4;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 12.52(br. s., 1H), 7.82(s, 1H), 3.83(br. s., 2H), 3.03(s, 2H),
2.82(br. s., 2H), 1.49(m, 13H), 1.36(m, 9H).
ステップ8:tert−ブチル2’−tert−ブチル−7’−オキソ−2’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(5mL)中の4−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−イソシアナトピペリジン−4−イル)メチル)−1−tert−ブチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(180mg、0.44mmol)の溶液を、2N水酸化ナトリウム水溶液(0.664mL、1.33mmol)で処理した。混合物を室温で3時間撹拌し、テトラヒドロフランおよび水をロータリーエバポレーターで除去し、結果として生じた無色固体をアセトニトリル(10mL)中でスラリー化し、次いで濃縮乾固した。粉砕をアセトニトリル(10mL)からさらに2回繰り返した。結果として生じた無色固体をジクロロメタン(10mL)に溶かし、(3−(ジメチルアミノ)プロピル)エチルカルボジイミド塩酸塩(170mg、0.89mmol)で処理した。混合物を室温で18時間撹拌し、次いでジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(30mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。次いで、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(30〜100%酢酸エチル/ヘプタン、10gのシリカゲル)によって精製して、tert−ブチル2’−tert−ブチル−7’−オキソ−2’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(70mg)を無色固体として生成した。+ESI(M+H) 363.3;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 7.68(s, 1H), 7.57(s, 1H), 3.47(m, 2H), 3.20(m, 2H), 2.73(s, 2H),
1.53(t, J=5.7Hz, 4H), 1.49(s, 9H), 1.36(s, 9H).
ステップ9:表題化合物、2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩
酢酸エチル(5mL)中のtert−ブチル2’−tert−ブチル−7’−オキソ−2’,4’,6’,7’−テトラヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−1−カルボキシレート(70mg、0.19mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中4M塩酸(2mL)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、結果として生じた無色固体をヘプタン(10mL)から粉砕し、減圧下で乾燥させて、2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(56mg)をオフホワイトの固体として生成した。+ESI(M+H) 263.1; 1H NMR(500MHz, DMSO-d6, δ): 8.72(m, 2H), 7.92(s, 1H), 7.75(s, 1H), 3.20(br. s, 2H), 3.09(br.
s., 2H), 2.78(s, 2H), 1.79(m, 4H), 1.48(s, 9H).
中間体5:以下に示す2’−tert−ペンチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オンは、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
アセトニトリル(65mL)中のエチル3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(5.0g、32mmol)および臭化銅(II)(7.2g、32mmol)の0℃溶液に、亜硝酸イソアミル(12mL、86mmol)をゆっくり添加した。反応物を50℃に加熱し、終夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、1N塩酸水溶液(150mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を褐色油として得、これを真空下で終夜、部分的に凝固させた(7.1g、100%)。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 9.78(br. s., 1H), 8.10(br. s., 1H), 4.33(q, J=7.22Hz, 2H),
1.36(m, 3H).
ステップ2:(3−ブロモ−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
濃硫酸(0.45mL、4.8mmol)を、エチル3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.0g、4.6mmol)およびtert−アミルアルコール(3.0mL、27mmol)の混合物に添加した。反応物を100℃に2.5時間加熱した。次いで、反応物を室温に冷却し、終夜撹拌したまま放置した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、エチル3−ブロモ−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.3g)を粗製褐色油として生成した。
この粗生成物(1.3g)をテトラヒドロフラン(24mL)に溶解し、−78℃に冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウムの溶液(トルエン中1.5M、9.0mL、160mmol)をゆっくり添加し、反応物を−78℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を室温に加温させ、さらに2時間撹拌させた。反応物を酢酸エチル(20mL)および飽和ロッシェル塩水溶液(20mL)で希釈した。混合物を室温で終夜撹拌した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(685mg、62%)を淡黄色油として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3, δ): 7.45(s, 1H), 4.51(s, 2H), 1.86(q, J=7.41Hz, 2H), 1.66(s, 1H),
1.51(s, 6H), 0.69(m, 3H).
ステップ3:3−ブロモ−4−(クロロメチル)−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾール
ジクロロメタン(10mL)中の(3−ブロモ−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(675mg、2.73mmol)の溶液を、0℃に冷却した。トリエチルアミン(0.53mL、3.8mmol)および塩化メタンスルホニル(0.28mL、3.6mmol)を添加した。反応物を0℃で15分間撹拌し、次いで室温に加温し、1.5時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(725mg、100%)を透明油として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.48(s, 1H), 4.47(s, 2H), 1.86(q, J=7.48Hz, 2H), 1.52(s, 6H),
0.69(m, 3H).
ステップ4:3−ブロモ−4−(ヨードメチル)−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾール
アセトン(25mL)中の3−ブロモ−4−(クロロメチル)−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾール(725mg、2.73mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(4.09g、27.3mmol)を添加した。反応物を2時間加熱還流し、次いで室温に冷却し、終夜撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を酢酸エチルと水とに分配した。有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(824mg、85%)を褐色油として生成した。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.47(s, 1H), 4.26(s, 2H), 1.83(q, J=7.41Hz, 2H), 1.50(s, 6H),
0.67(t, J=7.51Hz, 3H).
ステップ5:2’−tert−ペンチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
表題化合物は、3−ブロモ−4−(ヨードメチル)−1−tert−ペンチル−1H−ピラゾールを使用し、ステップ4〜8において中間体3について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 277.3; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 7.67(s, 1H), 3.22-3.37(m, 4H), 2.93(s, 2H), 1.92(q, J=7.61Hz,
2H), 1.88-2.05(m, 4H), 1.57(s, 6H), 0.67(t, J=7.41Hz, 3H).
中間体6:以下に示す2’−シクロブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オンは、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル3−ブロモ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、エチル3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.00g、4.56mmol)、シクロブチルブロミド(0.65mL、6.9mmol)および炭酸セシウム(2.97g、9.13mmol)の混合物を、60℃に加熱し、終夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、1:1 ヘプタン/酢酸エチルと水とに分配した。水性物を1:1 ヘプタン/酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、2つの生成物位置異性体を無色油として得た。
エチル5−ブロモ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(230mg、18%):+ESI(M+H+1) 275.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.98(s, 1H), 4.98(m, 1H), 4.30(q, J=7.02Hz, 2H), 2.61-2.74(m,
2H), 2.43(m, 2H), 1.84-1.95(m, 2H), 1.34(m, 3H).
エチル3−ブロモ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(570mg、46%):+ESI(M+H+1) 275.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.87(s, 1H), 4.69(m, 1H), 4.29(q, J=7.22Hz, 2H), 2.41-2.61(m,
4H), 1.78-1.98(m, 2H), 1.34(m, 3H).
ステップ2:(3−ブロモ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール
テトラヒドロフラン(10mL)中のエチル3−ブロモ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(565mg、2.07mmol)の溶液を、−78℃に冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(4.13mL、6.02mmol、トルエン中1.5M)をゆっくり添加し、反応物を−78℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を室温に加温させ、さらに2時間撹拌させた。反応物を酢酸エチル(20mL)および飽和ロッシェル塩水溶液(20mL)で希釈した。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチルでさらに希釈し、水で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(478mg、100%)を無色油として生成した。+APCI(M+H+1) 233.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.40(s, 1H), 4.62-4.71(m, 1H), 4.51(s, 2H), 2.39-2.59(m, 4H),
1.74-1.92(m, 3H).
ステップ3:2’−シクロブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
表題化合物は、(3−ブロモ−1−シクロブチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノールを使用し、中間体5、ステップ3〜5について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 261.3; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 7.62(s, 1H), 4.84-4.92(m, 1H), 3.21-3.36(m, 4H), 2.93(s, 2H),
2.50-2.63(m, 2H), 2.40-2.50(m, 2H), 1.82-2.05(m, 6H).
中間体7:以下に示す2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロ−8−アザスピロ[ビシクロ[3.2.1]オクタン−3,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩は、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
エチル3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(860.0mg、5.54mmol)を、酢酸(5mL)および水(5mL)に溶解した。ヨウ化カリウム(921mg、5.54mmol)を添加し、混合物をすべての固体が溶解するまで撹拌した。次いで、水(2mL)中の亜硝酸ナトリウム(386mg、5.54mmol)の溶液を滴下添加した。反応物を室温で2分間撹拌すると、沈殿物形成により撹拌が妨げられた。追加の水(5mL)を添加し、反応物を終夜撹拌させた。酢酸を減圧下で除去した。褐色残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に溶かし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜80%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(863mg、59%)を白色固体として得た。+APCI(M+H) 267.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 12.63(br. s., 1H), 8.13(s, 1H), 4.34(q, J=7.0Hz, 2H), 1.38(t,
J=7.2Hz, 3H).
ステップ2:エチル1−tert−ブチル−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
tert−ブタノール(5mL)中のエチル3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.10g、3.91mmol)の溶液に、硫酸(0.40mL、4.18mmol、18M)を添加した。反応物を100℃に加熱し、3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)および水(25mL)で希釈した。pHを飽和重炭酸ナトリウム水溶液で8に調整した。層を分離し、有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(7〜60%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、2つの位置異性体生成物を得た。
エチル1−tert−ブチル−5−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート:
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.91(s, 1H), 4.32(q, J=7.2Hz, 2H), 1.83(s, 9H), 1.37(t, J=7.1Hz,
3H).
透明油としてのエチル1−tert−ブチル−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(976mg、73%):+APCI(M+H) 323.3;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.90(s, 1H), 4.31(q, J=7.0Hz, 2H), 1.59(s, 9H), 1.36(t, J=7.1Hz,
3H).
ステップ3:1−tert−ブチル−3−ヨード−4−(ヨードメチル)−1H−ピラゾール
表題化合物は、エチル1−tert−ブチル−3−ヨード−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートを使用し、中間体5、ステップ2〜4について記述されているものに類似する方法によって調製した。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.49(s, 1H), 4.25(s, 2H), 1.56(s, 9H).
ステップ4:(1R,5S)−8−tert−ブチル3−メチル8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3,8−ジカルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の(1R,5S)−8−(tert−ブトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸(500mg、1.96mmol)の溶液に、炭酸カリウム(541mg、3.92mmol)およびヨウ化メチル(0.18mL、2.94mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(50mL)およびヘプタン(50mL)で希釈し、次いで水(100mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(486mg、92%)を透明油として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 4.17-4.29(m, 2H), 3.65(s, 3H), 2.75-2.86(m, 1H), 1.93-2.01(m,
2H), 1.79-1.92(m, 2H), 1.67-1.76(m, 2H), 1.58-1.66(m, 2H), 1.45(s, 9H).
ステップ5:2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロ−8−アザスピロ[ビシクロ[3.2.1]オクタン−3,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩
表題化合物は、(1R,5S)−8−tert−ブチル3−メチル8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3,8−ジカルボキシレートおよび1−tert−ブチル−3−ヨード−4−(ヨードメチル)−1H−ピラゾールを使用し、中間体3、ステップ4〜8について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 289.2; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 7.69(s, 1H), 4.03-4.10(m, 2H), 2.74(s, 2H), 2.39-2.46(m, 2H),
2.10-2.25(m, 6H), 1.59(s, 9H).
中間体8:以下に示す1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:ジエチル2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロネート
N,N−ジメチルホルムアミド(75mL)中の水素化ナトリウム(5.08g、127mmol)の懸濁液に、マロン酸ジエチル(19.26mL、127mmol)を0℃で添加した。次いで、溶液を周囲温度で30分間撹拌し、N,N−ジメチルホルムアミド(75mL)中の5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(30g、127mmol)の溶液を滴下添加した。次いで、暗褐色混合物を100℃で2時間撹拌した後、周囲温度に冷却し、0℃の塩化アンモニウムの飽和溶液(500mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を真空で除去して暗褐色油を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、ジエチル2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロネートを褐色固体(31.8g、69%)として生じさせた。
1HNMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.86(s, 1H), 8.61(s, 1H), 5.44(s, 1H), 4.29(q, 4H), 1.27(t, 6H).
ステップ2:5−ブロモ−2−メチル−3−ニトロピリジン
塩酸水溶液(6M、1.4L)中のジエチル2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロネート(31.8g、88mmol)の混合物を、18時間撹拌還流した。反応混合物を周囲温度に冷却し、0℃の重炭酸ナトリウム水溶液の飽和水溶液(4L)に非常にゆっくり添加した。次いで、混合物をジクロロメタン(7L)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、5−ブロモ−2−メチル−3−ニトロピリジンを橙色油(13.8g、72%)として得、これを静置すると凝固した。
1HNMR(300MHz, CDCl
3, δ): 8.78(s, 1H), 8.43(s, 1H), 2.79(s, 3H).
ステップ3:5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−アミン
40℃の工業用変性アルコール(330mL)中の5−ブロモ−2−メチル−3−ニトロピリジン(13.8g、63.9mmol)の溶液に、鉄粉(20g)(凝集を回避するために小分けにして)、続いて濃塩酸水溶液(5mL)を添加した。暗褐色混合物を2時間激しく撹拌還流し、次いで冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した(これを1Lの工業用変性アルコールで洗浄した)。次いで、溶媒を真空で除去し、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶かし、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−アミンを橙色固体(10.7g、90%)として得た。
1HNMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.91(s, 1H), 7.00(s, 1H), 3.75(br. s., 2H), 2.25(s, 3H).
ステップ4:N−(5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−イル)アセトアミド
ジクロロメタン(575mL)中の5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−アミン(10.7g、57.5mmol)の溶液に、0℃で無水酢酸(12mL、126.5mmol)、続いてトリエチルアミン(22mL、158mmol)を添加した。混合物を周囲温度に加温させ、18時間撹拌し、この時点でさらなる当量の無水酢酸(6mL、63mmol)を添加した。混合物を周囲温度でさらに72時間撹拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(500mL)でクエンチし、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、褐色固体を得た。この固体をヘキサン中30%酢酸エチルで粉砕して、N−(5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−イル)アセトアミドをオフホワイトの固体(8.28g、63%)として生成した。
1HNMR(400MHz, CD
3OD, δ): 8.31(s, 1H), 8.18(s, 1H), 2.43(s, 3H), 2.18(s, 3H).
ステップ5:6−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン
周囲温度のクロロホルム(550mL)中のN−(5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−イル)アセトアミド(8.28g、36mmol)の溶液に、酢酸カリウム(4.32g、43.6mmol)、酢酸(2.5mL、43.6mmol)、続いて無水酢酸(6.86mL、72.6mmol)を添加した。混合物を周囲温度で15分間撹拌した後、40℃に加熱した。次いで、亜硝酸イソアミルを滴下添加した。次いで、反応物を60℃で48時間撹拌した。反応混合物を0℃の重炭酸ナトリウムの飽和溶液(500mL)にゆっくり注ぎ入れた。有機相を保持し、水相をジクロロメタン(500mL)で抽出した。次いで、合わせた有機物を濃縮して褐色油とし、これをメタノール(500mL)に溶解した。水酸化ナトリウム水溶液(2M、500mL)を0℃で添加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した後、メタノールを真空で除去した。次いで、水性混合物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して、6−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジンを薄褐色固体(5.5g、77%)として得た。
1HNMR(400MHz, CD
3OD, δ): 8.55(s, 1H), 8.24(s, 1H), 8.21(s, 1H).
ステップ6:メチル1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボキシレート
メタノール(125mL)およびアセトニトリル(75mL)中の6−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン(5.5g、27.9mmol)の溶液に、トリエチルアミン(22mL、156mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(1.98g、3.07mmol)および二塩化パラジウム(1.23g、6.98mmol)を添加した。混合物を20バールの一酸化炭素下に置き、100℃に加熱し、18時間激しく撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した後、溶媒を真空で除去して、褐色油を生成した。次いで、この粗油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、メチル1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボキシレートを淡黄色固体(4.52g、92%)として得た。
1HNMR(400MHz, CDCl
3, δ): 10.56(s, 1H), 9.23(s, 1H), 8.35(s, 1H), 8.40(s, 1H), 4.01(s, 3H).
ステップ7:1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボン酸
0℃のメタノール(250mL)および水(190mL)中のメチル1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボキシレート(3.52g、20mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2M、64mL、128mmol)を滴下添加した。次いで、懸濁液を周囲温度に加温させ、18時間撹拌した。次いで、メタノールを真空で除去し、水性混合物を酢酸エチル(250mL)で抽出した。水層を2N塩酸水溶液(70mL)で(pH5〜6に)酸性化した。次いで、凝結したクリーム色固体を濾過除去し、デシケーター内で乾燥させて、表題化合物(0.675g、21%)を生成した。
1HNMR(400MHz,
DMSO-d6, δ): 8.97(s, 1H), 8.45(s, 1H),
8.39(s, 1H).
中間体9:以下に示す3−カルバモイル−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1.メチル3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボキシレート
メチル3−ヨード−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(30.7g、102mmol)、シアン化亜鉛(20.3g、173mmol)、亜鉛末(4.05g、61.9mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(12g、15mmol)、およびヨウ化銅(I)(19.7g、103mmol)を、1Lの丸底フラスコ内で合わせた。N,N−ジメチルアセトアミド(500mL)を添加し、反応混合物を窒素で10分間パージした。反応物を120℃に1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチル(1L)で希釈し、20分間撹拌させた。反応混合物をセライトのプラグに通して濾過し、500mLの酢酸エチルですすいだ。濾液を、飽和塩化アンモニウムおよび濃水酸化アンモニウムの溶液(2L)(水酸化アンモニウムを塩化アンモニウムの飽和水溶液にpH=8になるまで添加することによって調製したもの)に添加し、二相溶液を1時間激しく撹拌した。得られたエマルションをセライトの小型パッドに通して濾過した。層を分離し、水性物を酢酸エチル(1100mL)でさらに2回抽出し、1回ごとに得られたエマルションをセライトに通して濾過した。合わせた有機層を水(2×900mL)およびブライン(900mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製物にメタノール(100mL)を添加し、混合物を20分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過除去し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、表題化合物(13.2g、65%)を固体として得た。-ESI(M-H) 200.0;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 8.43-8.45(m, 1H), 8.05(dd, J=8.8, 1.6Hz, 1H), 7.85(dd, J=8.9,
0.9Hz, 1H), 3.88(s, 3H).
ステップ2.3−カルバモイル−1H−インダゾール−5−カルボン酸
メタノール(1L)中のメチル3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(50.0g、249mmol)の懸濁液を、10℃に冷却した。水酸化ナトリウム(1Lの2.5N)および水(100mL)中の尿素過酸化水素(241g、2.49mol)の溶液を、内部温度を25℃未満に維持しながら滴下添加した。添加が完了したら、氷浴を除去し、反応物を室温で16時間撹拌させた。少量の未反応出発材料がHPLCによって観察された。反応物を15℃に冷却し、追加の尿素過酸化水素(50g)を小分けにして添加した。激しい発泡が見られた。反応物をさらに2時間撹拌させた。粗反応物を濾過して存在する固体を除去し、濾液を濃縮してメタノールを除去した。残りの溶液を氷浴中で冷却し、6N塩酸(420mL)を滴下添加してpHを4に調整した。溶液を20分間撹拌し、得られた黄褐色固体を濾過によって収集し、乾燥させて、57.2gの粗生成物を得た。粗製物にアセトニトリル(700mL)およびジクロロメタン(700mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、1:1 アセトニトリル:ジクロロメタン(400mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物(39.5g、77%)を黄褐色固体として得た。+ESI(M+H) 206.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.81(s, 1H), 12.85(br. s., 1H), 8.82(d, J=0.8Hz, 1H), 7.93(dd,
J=8.8, 1.6Hz, 1H), 7.79-7.85(m, 1H), 7.64(d, J=8.6Hz, 1H), 7.44(s, 1H).
中間体10:以下に示す3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
メチル3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(500mg、2.5mmol)をメタノール(12mL)に溶解し、2N水酸化リチウム水溶液(3.7mL、7mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮してメタノールを除去し、残留物を1N塩酸水溶液でpH=4に酸性化した。得られた黄色沈殿物を濾過によって収集し、水で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、表題化合物(445mg、96%)を提供した。-ESI(M-H) 186.4; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.17(br. s., 1H), 8.42(s, 1H), 8.05(dd, J=8.8, 1.6Hz, 1H),
7.83(d, 1H).
中間体11:以下に示す3−シアノ−1H−インダゾール−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:メチル1H−インダゾール−6−カルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(46mL)中の1H−インダゾール−6−カルボン酸(3.00g、18.5mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(2.06g、19.4mmol)、続いてヨードメタン(2.75g、1.21mL、19.4mmol)を滴下添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を半飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、褐色油を生じさせた。この残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(12〜100%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、メチル1H−インダゾール−6−カルボキシレートを黄色固体(2.95g、90%)として生じさせた。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 10.40(br. s., 1H), 8.26(s, 1H), 8.13(s, 1H), 7.84(d, J=8.4Hz,
1H), 7.79(d, J=8.4Hz, 1H), 3.96(s, 3H).
ステップ2:メチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(12mL)中のメチル1H−インダゾール−6−カルボキシレート(865mg、4.91mmol)の溶液に、水酸化カリウム(840mg、3.05mmol)、続いてヨウ素(1.54g、5.9mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。重硫酸ナトリウム(30mLの5%水溶液)を添加し、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5〜65%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、メチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレートを無色固体(1.16g、78%)として生じさせた。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 13.84(s, 1H), 8.13(s, 1H), 7.72(d, J=8.4Hz, 1H), 7.54(d, J=8.6Hz,
1H), 3.87(s, 3H).
ステップ3:メチル3−シアノ−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
ジメチルアセトアミド(55mL)中の、メチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(3.0g、9.9mmol)、亜鉛末(400mg、6.11mmol)、シアン化亜鉛(2.0g、17.0mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(1.15g、1.41mmol)、およびヨウ化銅(I)(1.90g、9.97mmol)の混合物を、窒素で15分間パージした。混合物を120℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(250mL)で希釈し、セライトに通して濾過し、酢酸エチル(100mL)ですすいだ。濾液に、飽和塩化アンモニウム水溶液および濃水酸化アンモニウムの約400mLの溶液(水酸化アンモニウムを塩化アンモニウムの飽和水溶液にpH=8になるまで添加することによって調製したもの)を添加した。混合物を1時間撹拌した。次いで、層を分離した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物にメタノール(40mL)を添加し、混合物を終夜撹拌した。混合物を濾過し、固体を真空で乾燥させて、メチル3−シアノ−1H−インダゾール−6−カルボキシレートを黄褐色固体(1.47g、73%)として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 13.40(br. s., 1H), 8.25(s, 1H), 7.94(d, J=8.6Hz, 1H), 7.83(d,
J=8.4Hz, 1H), 3.88(s, 3H).
ステップ4:3−シアノ−1H−インダゾール−6−カルボン酸
メタノール(36mL)およびテトラヒドロフラン(20mL)中のメチル3−シアノ−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(1.47g、7.31mmol)の溶液に、2N水酸化リチウム水溶液(16mL、32mmol)を添加した。反応物を50℃に72時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。残留物を水で希釈し、pHを1N塩酸水溶液で4に調整した。得られた沈殿物を濾過除去し、水ですすぎ、真空下で乾燥させて、表題化合物(500mg、37%)を黄褐色固体として提供した。+ESI (M+H) 188.2.
中間体12:以下に示す1−メトキシイソキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:7−ブロモ−1−メトキシイソキノリン
7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(570mg、2.4mmol)を、メタノール(10mL)およびナトリウムメトキシド(メタノール中25wt%、1.5mL、24mmol)とマイクロ波バイアル中で合わせた。バイアルを密閉し、マイクロ波中、130℃に3時間加熱した。反応物を濃縮した。粗残留物を酢酸エチルに溶かし、水および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を熱酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(520mg、93%)を得た。+ESI(M+H+1) 240.0;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 8.25-8.28(m, 1H), 8.04(d, J=5.9Hz, 1H), 7.86-7.89(m, 2H),
7.40(dd, J=6.0, 0.9Hz, 1H), 4.03(s, 3H).
ステップ2:メチル1−メトキシイソキノリン−7−カルボキシレート
メタノール(30mL)中の7−ブロモ−1−メトキシイソキノリン(520mg、2.2mmol)の溶液に、酢酸ナトリウム(517mg、6.30mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(257mg、0.315mmol)を添加した。混合物を排気し、窒素で3回再充填した。次いで、反応容器を25psiに一酸化炭素加圧した。反応物を70℃に加熱し、20時間かき混ぜた。反応物を濾過し、メタノールですすいだ。濾液を濃縮した。得られた残留物をジクロロメタンに溶かし、残りの固体を濾過除去した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、表題化合物(443mg、93%)を白色固体として得た。+ESI(M+H) 218.1;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 8.77(d, J=0.8Hz, 1H), 8.20(dd, J=8.6, 1.8Hz, 1H), 8.13(d,
J=5.9Hz, 1H), 8.00(d, J=8.6Hz, 1H), 7.46(d, J=5.9Hz, 1H), 4.08(s, 3H), 3.90(s,
3H).
ステップ3:1−メトキシイソキノリン−7−カルボン酸
メタノール(10mL)中のメチル1−メトキシイソキノリン−7−カルボキシレート(443mg、2.04mmol)の溶液に、2N水酸化リチウム水溶液(20mL)を添加した。反応物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を1N塩酸水溶液および酢酸エチルで希釈した。層を分離し、水性物を酢酸エチルでさらに2回抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(414mg、100%)を固体として生じさせた。+ESI(M+H) 204.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.24(s, 1H), 8.76(d, J=0.8Hz, 1H), 8.18(dd, J=8.6, 1.8Hz, 1H),
8.11(d, J=5.9Hz, 1H), 7.97(d, J=8.4Hz, 1H), 7.45(d, J=5.9Hz, 1H), 4.07(s, 3H).
中間体13:以下に示す3−アミノイソキノリン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
表題化合物は、6−ブロモイソキノリン−3−アミンを使用し、中間体12、ステップ2〜3について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 189.0; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.15(br. s., 1H), 8.94(s, 1H), 8.20(s, 1H), 7.91(m, 1H), 7.62-7.59(m,
1H), 6.78(s, 1H), 6.14(s, 2H).
中間体14:以下に示す3−アミノ−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
エタノール(6mL)中の3−シアノ−4−フルオロ安息香酸(980.0mg、5.94mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(0.89mL、17.8mmol)を添加した。反応物を3時間加熱還流した。反応物を室温に冷却し、エタノールを減圧下で除去した。結果として生じた黄色油を水(50mL)に溶かし、1N水酸化ナトリウム水溶液(5mL)で塩基性化した。溶液を酢酸エチル(25mL)で1回洗浄した。水相を6N塩酸水溶液でpH=3に酸性化し、室温で1時間撹拌させた。得られた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(612mg、48%)を桃色固体として得た。+ESI(M+H) 178.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.42-8.47(m, 1H), 7.76(dd, J=8.8, 1.6Hz, 1H), 7.21(d, J=8.8Hz,
1H).
中間体15:以下に示す3−アミノ−1H−インダゾール−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
n−ブタノール(9mL)中の4−シアノ−3−フルオロ安息香酸(500mg、3.0mmol)の溶液に、ヒドラジン一水和物(0.5mL、10mmol)を添加した。反応物を110℃に終夜加熱した。反応物を室温に冷却し、沈殿物を濾過によって収集した。次いで、固体を1N水酸化ナトリウム水溶液(2mL)に溶解し、酢酸エチル(2×)で抽出した。水層を1N塩酸水溶液でpH=4に酸性化した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(140mg、26%)を赤色固体として提供した。+ESI(M+H) 178.2; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 7.99-8.01(m, 1H), 7.73(dd, J=8.4, 0.8Hz, 1H), 7.61(dd, J=8.5,
1.3Hz, 1H).
中間体16:以下に示す2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−5−カルボキシレート
3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(1.5g、8.4mmol)をメタノール(17mL)に懸濁した。濃塩酸(3.11mL、101mmol)を添加し、反応物を100℃に6時間加熱した。反応物を濃縮して、表題化合物(1.60g、99%)を提供した。+ESI(M+H) 193.1;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 12.00(br. s., 1H), 8.35(s, 1H), 7.83(dd, J=8.9, 1.7Hz, 1H),
7.33(dd, J=8.9, 0.7Hz, 1H), 3.82(s, 3H).
ステップ2:1−エチル5−メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレート
メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(1.60g、8.33mmol)をピリジン(10mL)に懸濁した。クロロギ酸エチル(0.90mL、9.3mmol)をゆっくり添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。追加のクロロギ酸エチル(0.30mL、3.1mmol)を添加し、反応物をさらに30分間撹拌した。反応物を水(65mL)に注ぎ入れ、冷蔵庫内で3時間冷却した。褐色固体を濾過によって収集し、水ですすぎ、真空下で乾燥させて、表題化合物(1.75g、80%)を得た。+ESI(M+H) 265.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.56(s, 1H), 8.29(d, J=7.8Hz, 1H), 8.13(br. s., 1H), 4.59(q,
J=7.0Hz, 2H), 3.97(s, 3H), 1.56(t, J=7.0Hz, 3H).
ステップ3:1−エチル5−メチル2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレート
1−エチル5−メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレート(1.75g、6.62mmol)をアセトン(85mL)に懸濁した。炭酸セシウム(2.27g、6.95mmol)およびヨウ化メチル(1.3mL、20mmol)を添加し、反応物を22時間撹拌還流した。反応物を濃縮乾固し、残留物をジクロロメタン(60mL)と水(100mL)とに分配した。層を分離し、水性物をジクロロメタン(60mL)で再度抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(7〜60%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、2つの位置異性体生成物を得た。
白色固体としての1−エチル5−メチル3−メトキシ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレート(590mg、32%)。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.41(dd, J=1.6, 0.8Hz, 1H), 8.22(dd, J=9.2, 3.5Hz, 1H), 8.14(d,
J=9.2Hz, 1H), 4.57(q, J=7.1Hz, 2H), 4.20(s, 3H), 3.95(s, 3H), 1.51(t, J=7.1Hz,
3H).
黄色固体としての1−エチル5−メチル2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレート(699mg、38%)。+ESI(M+H) 279.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.56(dd, J=1.8, 0.6Hz, 1H), 8.30(dd, J=8.8, 1.8Hz, 1H), 7.93(d,
J=8.8Hz, 1H), 4.50(q, J=7.0Hz, 2H), 3.94(s, 3H), 3.67(s, 3H), 1.48(t, J=7.1Hz,
3H).
ステップ4:2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸
1−エチル5−メチル2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレート(300mg、1.08mmol)をエタノール(4mL)に溶解した。水酸化カリウム(485mg、8.62mmol)を添加し、反応物を室温で1.5時間撹拌した。LCMSは反応が不完全であることを示した。次いで、水酸化カリウムの水溶液(10mL、10mmol、1.0M)を添加し、反応物を65℃に2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。得られた橙色固体を水に溶解し、1N塩酸水溶液で酸性化した。沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(158mg、76%)を白色固体として得た。+ESI(M+H) 193.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 12.75(br. s., 1H), 11.06(s, 1H), 8.15(s, 1H), 7.99(dd, J=8.7,
1.5Hz, 1H), 7.28(d, J=8.6Hz, 1H), 3.37(s, 3H).
中間体17:以下に示す3−メトキシ−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
表題化合物は、ステップ3において形成された位置異性体生成物、1−エチル5−メチル3−メトキシ−1H−インダゾール−1,5−ジカルボキシレートを使用し、中間体16について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 193.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 12.65(br. s., 1H), 12.26(s, 1H), 8.18(s, 1H), 7.86(dd, J=8.9,
1.5Hz, 1H), 7.38(d, J=8.8Hz, 1H), 3.99(s, 3H).
中間体18:以下に示す7−メトキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル7−メトキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中のエチル7−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(WO2009144554)(100mg、0.34mmol)および炭酸カリウム(95.1mg、0.68mmol)の混合物に、ヨウ化メチル(32μL、0.51mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(4×)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(105mg、100%)を黄色油として得た。+ESI(M+1-THP) 221.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.07-8.10(m, 2H), 7.43(d, J=0.98Hz, 1H), 6.24(dd, J=10.24,
2.44Hz, 1H), 4.38(q, J=7.15Hz, 2H), 4.08(dt, J=11.56, 2.02Hz, 1H), 4.04(s, 3H),
3.70-3.78(m, 1H), 2.54-2.66(m, 1H), 2.09-2.19(m, 1H), 2.01-2.08(m, 1H),
1.71-1.83(m, 2H), 1.55-1.64(m, 1H), 1.41(t, J=7.12Hz, 3H).
ステップ2:7−メトキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸
テトラヒドロフラン(2mL)中のエチル7−メトキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(102mg、0.33mmol)の溶液に、1N水酸化リチウム水溶液(0.67mL、0.67mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。LCMSは反応が不完全であることを示した。追加の水酸化リチウム(0.35mL、2M、0.7mmol)を添加し、反応物を40℃に1時間加熱した。次いで、反応物を室温で70時間撹拌したまま放置した。テトラヒドロフランを真空で除去し、残留物を1N塩酸水溶液でpH=4に酸性化した。溶液を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(84mg、91%)を固体として得た。(M+1-THP) 193.2; 1H NMR(400MHz, CDCl3, δ): 8.18(d, J=1.37Hz, 1H), 8.12(s, 1H), 7.46(d, J=1.17Hz, 1H),
6.26(dd, J=10.15, 2.54Hz, 1H), 4.07-4.12(m, 1H), 4.06(s, 3H), 3.65-3.81(m, 1H),
2.54-2.72(m, 1H), 2.10-2.22(m, 1H), 2.01-2.10(m, 1H), 1.71-1.85(m, 2H),
1.57-1.67(m, 1H).
中間体19:以下に示す2−メトキシキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:7−(エトキシカルボニル)キノリン1−オキシド
ジクロロメタン(20mL)中のエチルキノリン−7−カルボキシレート(1.02g、5.05mmol)の溶液に、過酢酸(2.13mL、10.1mmol、酢酸中32wt%)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を水とジクロロメタンとに分配した。層を分離し、水性物をジクロロメタン(4×)で抽出した。合わせた有機物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。固体をヘプタンおよび酢酸エチルから数回濃縮し、次いで真空下で乾燥させて、表題化合物(1.01g、92%)を黄色固体として得た。+ESI(M+H) 218.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 9.40(s, 1H), 8.65(d, J=6.05Hz, 1H), 8.27(dd, J=8.58, 1.56Hz, 1H),
7.95(d, J=8.39Hz, 1H), 7.82(d, J=8.58Hz, 1H), 7.42(dd, J=8.49, 6.15Hz, 1H),
4.47(q, J=7.02Hz, 2H), 1.45(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ2:エチル2−メトキシキノリン−7−カルボキシレート
メタノール(5mL)中の7−(エトキシカルボニル)キノリン1−オキシド(150mg、0.69mmol)およびトルエン−4−スルホニルクロリド(171mg、0.89mmol)の0℃溶液に、トリエチルアミン(0.19mL、1.4mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。LCMSは、反応が不完全であることを示した。追加のトリエチルアミン(0.05mL)を添加し、反応物をさらに4時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと飽和炭酸ナトリウム水溶液とに分配した。層を分離し、水性物を酢酸エチルでさらに2回抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜40%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(130mg、81%)を淡黄色固体として得た。+ESI(M+H) 232.2;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.49-8.60(m, 1H), 7.95-8.05(m, 2H), 7.75(d, J=8.19Hz, 1H),
6.98(d, J=8.78Hz, 1H), 4.43(q, J=7.22Hz, 2H), 4.08(s, 3H), 1.43(t, J=7.12Hz,
3H).
ステップ3:2−メトキシキノリン−7−カルボン酸
テトラヒドロフラン(1.5mL)中のエチル2−メトキシキノリン−7−カルボキシレート(125mg、0.54mmol)の溶液に、2N水酸化リチウム水溶液(0.81mL、1.6mmol)を添加した。反応物を室温で65時間撹拌した。テトラヒドロフランを真空で除去し、残留物を1N塩酸水溶液でpH=4に酸性化した。混合物を水で希釈し、得られた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(106mg、96%)を白色固体として得た。
+ESI(M+H) 204.2; 1H NMR(400MHz,
CDCl3, δ): 8.64(d, J=1.37Hz, 1H),
8.01-8.04(m, 1H), 8.01(s, 1H), 7.79(d, J=8.58Hz, 1H), 7.01(d, J=8.78Hz, 1H),
4.09(s, 3H).
中間体20:以下に示す2−(メチルアミノ)キノリン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチルキノリン−6−カルボキシレート
エタノール(100mL)中のキノリン−6−カルボン酸(2.8g、16mmol)の溶液に、濃硫酸(2mL)を添加した。反応物を終夜加熱還流した。溶媒を蒸発させて褐色残留物を得、これを酢酸エチル(150mL)に溶かした。混合物を、水(2×30mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×30mL)およびブライン(2×30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して油とした。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(2.0g、81%)を褐色固体として得た。
ステップ2:6−(エトキシカルボニル)キノリン1−オキシド
ジクロロメタン(120mL)中のエチルキノリン−6−カルボキシレート(3.2g、16mmol)に、メタ−クロロ過安息香酸(4.9g、0.024mol)を小分けにして添加した。反応物を室温で4時間撹拌した。反応物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(3×30mL)およびブライン(2×40mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(2.45g、71%)を褐色固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.81-8.79(d, 1H), 8.62(s, 2H), 8.35-8.33(d, 1H), 7.87-7.85(d,
1H), 7.39(s, 1H), 4.49-4.44(q, 2H), 1.47-1.43(t, 3H).
ステップ3:エチル2−(メチルアミノ)キノリン−6−カルボキシレート
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.92mL、11.4mmol)を、ジクロロメタン(150mL)中の6−(エトキシカルボニル)キノリン1−オキシド(2.25g、10.4mmol)の−70℃溶液に滴下添加した。混合物を−70℃で5分間撹拌した。次いで、テトラヒドロフラン中メチルアミンの溶液(31mL、62mmol、2M)を滴下添加した。混合物を−70℃で5分間撹拌した。反応物を水(20mL)でクエンチした。層を分離し、水性物をジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(850mg、35%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.33(d, 1H), 8.16-8.13(m, 1H), 7.90-7.87(d, 1H), 7.70-7.67(d,
1H), 6.68(d, 1H), 5.30(br. s., 1H), 4.43-4.38(q, 2H), 3.13-3.12(d, 3H),
1.44-1.40(m, 3H).
ステップ4:2−(メチルアミノ)キノリン−6−カルボン酸
水酸化ナトリウム水溶液(4mL、8mmol、2N)を、エタノール(10mL)中のエチル2−(メチルアミノ)キノリン−6−カルボキシレート(850mg、3.7mmol)の溶液に添加した。反応物を50℃に終夜加熱した。エタノールを真空で除去し、残留物を1N塩酸水溶液でpH=5に酸性化した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(710mg、96%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.26(d, 1H), 7.96-7.93(m, 2H), 7.50(d, 1H), 7.43(d, 1H), 6.81(d,
1H), 2.91(d, 3H).
中間体21:以下に示す7−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:4−ブロモ−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)アニリン
アセトニトリル(85mL)中の2−メチル−6−(トリフルオロメチル)アニリン(3.0g、17mmol)の室温溶液に、N−ブロモコハク酸イミド(3.0g、17mmol)を30分間かけて少量ずつ添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応物を水/ブライン混合物に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜40%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(4.13g、95%)を褐色油として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.42(d, J=2.34Hz, 1H), 7.31(s, 1H), 2.17(s, 3H).
ステップ2:5−ブロモ−7−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール
トルエン(65mL)および氷酢酸(11.2mL、195mmol)中の4−ブロモ−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)アニリン(3.3g、13mmol)の溶液に、酢酸カリウム(10.2g、104mmol)を小分けにして添加した。15分後、大量の沈殿物が形成され、反応物の撹拌を妨げた。反応物を酢酸(10mL)で希釈した。次いで、亜硝酸イソアミル(1.92mL、14.3mmol)を滴下添加し、反応物を室温で3時間撹拌した。追加の亜硝酸イソアミル(0.5mL、3.7mmol)を添加し、反応物を15時間撹拌したまま放置した。反応物を水(100mL)で希釈し、1.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液とに分配した。層を分離し、有機物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5〜50%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(1.78g、52%)を黄色粉末として得た。-ESI(M-H+1) 264.9;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.13(s, 1H), 8.09-8.11(m, 1H), 7.76(dd, J=1.66, 0.88Hz, 1H).
ステップ3:メチル7−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート
密閉チューブに、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(45.7mg、0.056mmol)、5−ブロモ−7−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール(100mg、0.38mmol)、トリエチルアミン(105μL、0.752mmol)、およびメタノール(2mL)を添加した。チューブに蓋をし、一酸化炭素を5分間吹き込んで発泡させた。次いで、反応物を70℃に5時間加熱した。反応物を室温に冷却し、2日間撹拌したまま放置した。反応物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜50%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、表題化合物(64mg、69%)を白色粉末として得た。-ESI(M-H) 243.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.72(s, 1H), 8.37(s, 1H), 8.28(s, 1H), 3.98(s, 3H).
ステップ4:7−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸
メタノール(2mL)およびテトラヒドロフラン(2mL)中のメチル7−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(62mg、0.25mmol)の溶液に、1N水酸化リチウム水溶液(0.76mL、0.76mmol)を添加した。反応物を60℃に17時間加熱した。反応物を濃縮し、残留物を水で希釈し、1N塩酸水溶液でpH=3に酸性化した。溶液をジクロロメタン(3×)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(17mg、29%)をオフホワイトの粉末として得た。+ESI (M+H) 231.1.
中間体22:以下に示す3−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:6−ブロモ−N−メチルイソキノリン−3−アミン
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の6−ブロモイソキノリン−3−アミン(50.0mg、2.6mmol)の溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2mL)を添加した。反応容器を密閉し、Biotageスミスシンセサイザーマイクロ波中、110℃に20分間加熱した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(59mg、0.28mmol)を反応混合物に添加した。バイアルを再密閉し、Biotageスミスシンセサイザーマイクロ波で110℃に10分間、再度加熱した。反応物を濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、ブライン(2×20mL)で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(23mg、43%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.76(s, 1H), 7.74(s, 1H), 7.61(d, 1H), 7.28(d, 1H), 6.40(s, 1H),
5.09-5.07(m, 1H), 2.97(s, 3H).
ステップ2:3−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸
メチル3−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボキシレートは、6−ブロモ−N−メチルイソキノリン−3−アミンを使用し、中間体21のステップ3において記述されているものに類似する方法によって調製した。粗材料(580mg、2.7mmol)に、水(5mL)、メタノール(5mL)および水酸化リチウム一水和物(300mg、7mmol)を添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を1N塩酸水溶液でpH=5に酸性化した。得られた残留物を真空下で乾燥させ、逆相HPLCによって精製して、表題化合物(512mg、89%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 8.81(s, 1H), 8.23(s, 1H), 7.80(d, 1H), 7.72(d, 1H), 6.70(s, 1H),
2.93(s, 3H).
中間体23:以下に示す2−(メチルアミノ)キノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
表題化合物は、7−(エトキシカルボニル)キノリン1−オキシドを使用し、中間体20のステップ3〜4において記述されているものに類似する方法によって調製した。1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.08(s, 1H), 7.90(d, 1H), 7.71-7.62(m, 2H), 7.21(s, 1H), 6.84(d,
1H), 2.91(d, 3H).
中間体24:以下に示す5−メトキシキノリン−3−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
水酸化リチウム水溶液を使用して、メチル5−メトキシキノリン−3−カルボキシレート(Organic and Biomolecular Chemistry、7(12)、2612〜2618;2009)を鹸化した。+ESI(M+H) 203.9; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 9.30(d, 1H), 9.03(d, 1H), 7.84-7.80(m, 1H), 7.66(d, 1H), 7.15(d,
1H), 4.04(s, 3H).
中間体25:以下に示す2−(メチルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1.メチル2−(メチルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボキシレート
3,4−ジアミノ安息香酸(15g、0.09mol)およびイソチオシアナトメタン(6.6g、0.09mol)の混合物を、テトラヒドロフラン(90mL)に溶解した。反応物を3時間加熱還流し、次いで濃縮した。残留物を氷水に注ぎ入れた。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、メチル4−アミノ−3−(3−メチルチオウレイド)ベンゾエート(12.0g、56%)を得た。
この固体(12g、0.05mol)に、エタノール(200mL)、続いてヨウ化メチル(35.5g、0.25mol)を添加した。反応物を加熱還流し、終夜撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を水酸化アンモニウムで塩基性化した。固体を濾過によって収集し、水で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(9〜25%酢酸エチル/石油エーテル)による精製により、表題化合物(2.9g、28%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3, δ): 8.37(s, 1H), 7.92-7.96(m, 1H), 7.51(d, J=8.4Hz, 1H), 3.93(s, 3H),
2.81(s, 3H).
ステップ2.2−(メチルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸
3N塩酸水溶液(14mL、42mmol)をメチル2−(メチルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボキシレート(2.9g、14mmol)に添加し、反応物を終夜撹拌還流した。反応物を濃縮して、表題化合物(2.4g、90%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 7.96-8.00(m, 2H), 7.40(d, J=8.4Hz, 1H), 3.10(s, 3H).
中間体26:以下に示す2−アミノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
臭化シアンの溶液(5.0mL、アセトニトリル中5M、25mmol)を、水(50mL)中の3,4−ジアミノ安息香酸メチル(3.0g、18mmol)の混合物に添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。アンモニア水溶液(20mL)および酢酸エチル(100mL)を反応混合物に添加し、層を分離した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残留物に2N塩酸水溶液(18mL、36.0mmol)を添加し、混合物を終夜加熱還流した。反応物を濃縮して、表題化合物(2.90g、97%)を得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.75(s, 2H), 7.84(s, 1H), 7.77(dd, J=1.2, 8.4Hz, 1H), 7.38(d,
J=8.4Hz, 1H).
中間体27:以下に示す1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−カルボン酸
N,N−ジメチルホルムアミド(1L)中の7−ブロモイソキノリン−1(2H)−オン(70g、0.31mol)の懸濁液に、シアン化銅(56g、0.63mol)を添加した。反応物を180℃に2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(1L)で希釈した。溶液を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製の1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−カルボニトリル(37g)を得た。この粗材料をエタノール(500mL)に溶かし、1N水酸化ナトリウム水溶液(400mL)を添加した。混合物を加熱還流し、2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、1N塩酸水溶液でpHを約2に調整した。固体を濾過によって収集し、水ですすぎ、真空下で乾燥させて、表題化合物(35g、85%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 13.15(br. s., 1H), 11.49(s, 1H), 8.75(s, 1H), 8.17-8.14(m, 1H),
7.75(d, 1H), 7.34-7.29(m, 1H), 6.62(d, 1H).
ステップ2:1−クロロイソキノリン−7−カルボニルクロリド
オキシ塩化リン(74mL、793mmol)を1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−カルボン酸(3.0g、20mmol)に添加した。反応物を90℃に5時間加熱した。反応物を濃縮乾固した。材料をジクロロメタン(250mL)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)に溶かした。層を分離し、水性物をジクロロメタン(100mL)で再度抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(3.0g、80%)を黄色固体として得た。+ESI(M+H) 227.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 9.18-9.22(m, 1H), 8.44(d, J=5.7Hz, 1H), 8.32(dd, J=8.8, 1.8Hz,
1H), 7.95(d, J=8.8Hz, 1H), 7.68(d, J=5.7Hz, 1H).
ステップ3:エチル1−クロロイソキノリン−7−カルボキシレート
1−クロロイソキノリン−7−カルボニルクロリド(3.02g、13.4mmol)をテトラヒドロフラン(135mL)に溶解し、0℃に冷却した。エタノール(6.1mL、94mmol)およびトリエチルアミン(2.05mL、14.7mmol)を添加した。反応物を室温に加温させ、2時間撹拌させた。反応混合物を酢酸エチル(500mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(250mL)とに分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(3.0g、96%)を黄色固体として得た。+ESI(M+H) 236.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 9.06(s, 1H), 8.30-8.39(m, 2H), 7.89(d, J=8.6Hz, 1H), 7.63(d,
J=5.7Hz, 1H), 4.48(q, J=7.1Hz, 2H), 1.46(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ4:エチル1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(9.3mL)中のエチル1−クロロイソキノリン−7−カルボキシレート(548mg、2.32mmol)の溶液に、4−メトキシ−ベンジルアミン(4.6mL、35mmol)および炭酸カリウム(5.14g、37.2mmol)を添加した。反応物を70℃に加熱し、終夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈した。層を分離し、水性物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機物を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜35%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(430mg、55%)を帯緑色油として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.49(s, 1H), 8.16(dd, J=8.6, 1.6Hz, 1H), 8.09(d, J=5.9Hz, 1H),
7.69(d, J=8.6Hz, 1H), 7.33-7.40(m, 2H), 6.96(d, J=5.9Hz, 1H), 6.87-6.93(m, 2H),
5.67(br. s., 1H), 4.76(d, J=5.1Hz, 2H), 4.41(q, J=7.2Hz, 2H), 3.81(s, 3H),
1.37-1.43(m, 3H).
ステップ5:1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸
メタノール(8.5mL)中のエチル1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボキシレート(430mg、1.28mmol)の溶液に、6N水酸化ナトリウム水溶液(1.1mL、6.4mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を濃縮した。残留物を水に溶かし、沈殿物が形成されるまで1N塩酸水溶液で酸性化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(328mg、83%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 8.92(s, 1H), 8.30(t, J=5.8Hz, 1H), 8.06(dd, J=8.4, 1.4Hz, 1H),
7.88(d, J=5.7Hz, 1H), 7.69(d, J=8.6Hz, 1H), 7.24-7.31(m, 2H), 6.88(d, J=5.7Hz,
1H), 6.79-6.85(m, 2H), 4.62(d, J=5.9Hz, 2H), 3.67(s, 3H).
中間体28:以下に示す3−メトキシ−1H−インダゾール−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−6−カルボン酸(1.5g、8.4mmol)をメタノール(17mL)に懸濁した。濃塩酸(3.1mL、101mmol)を添加し、反応物を24時間加熱還流した。反応物を濃縮して、表題化合物(1.6g、100%)を得た。+ESI(M+H) 193.1;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 11.98(br. s., 1H), 7.89(s, 1H), 7.72(d, J=8.6Hz, 1H), 7.50(dd,
J=8.5, 1.3Hz, 1H), 3.85(s, 3H).
ステップ2:1−エチル6−メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート
メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(1.6g、8.3mmol)をピリジン(10mL)に懸濁した。クロロギ酸エチル(1.0mL、10mmol)をゆっくり添加し、反応物を室温で2時間撹拌させた。反応物を水(65mL)に注ぎ入れ、冷蔵庫内で4時間冷却した。得られた褐色沈殿物を濾過によって収集し、水ですすぎ、真空下で乾燥させて、表題化合物(1.35g、61%)をベージュ色の固体として得た。+ESI(M+H) 265.0;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.80(d, J=6.0Hz, 1H), 8.01(dd, J=8.2, 1.2Hz, 1H), 7.88(d,
J=8.6Hz, 1H), 4.60(q, J=7.0Hz, 2H), 3.98(s, 3H), 1.57(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ3:1−エチル6−メチル3−メトキシ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート
1−エチル6−メチル3−ヒドロキシ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート(1.35g、5.11mmol)をアセトン(65mL)に懸濁した。炭酸セシウム(1.75g、5.36mmol)およびヨウ化メチル(1.0mL、15mmol)を添加し、反応物を23時間加熱還流した。反応物を濃縮乾固した。残留物をジクロロメタン(100mL)および水(100mL)に溶かした。層を分離し、水性物をジクロロメタンで再度抽出した。合わせた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、2つの位置異性体生成物を得た。
白色固体としての1−エチル6−メチル3−メトキシ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート(444mg、31%)。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.78(s, 1H), 7.96(dd, J=8.2, 1.4Hz, 1H), 7.70(dd, J=8.2, 0.8Hz,
1H), 4.57(q, J=7.2Hz, 2H), 4.19(s, 3H), 3.96(s, 3H), 1.51(t, J=7.1Hz, 3H).
黄色固体としての1−エチル6−メチル2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート(514mg、36%)。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.56(s, 1H), 8.00(m, 1H), 7.92(d, J=8.6Hz, 1H), 4.49(q, J=7.2Hz,
2H), 3.97(s, 3H), 3.69(s, 3H), 1.49(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ4:3−メトキシ−1H−インダゾール−6−カルボン酸
1−エチル6−メチル3−メトキシ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート(444mg、1.60mmol)をエタノール(5mL)に懸濁した。水酸化カリウムの水溶液(16mL、16mmol、1M)を添加し、反応物を65℃に加熱し、1.5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。残留物を水に溶かし、溶液を沈殿物が形成されるまで1N塩酸水溶液で酸性化した。固体を濾過によって収集し、水ですすぎ、真空下で乾燥させて、表題化合物(232mg、76%)を橙色固体として得た。+ESI(M+H) 193.2; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 12.22(s, 1H), 7.90-7.94(m, 1H), 7.64(d, J=8.4Hz, 1H), 7.53(dd,
J=8.4, 1.4Hz, 1H), 3.99(s, 3H).
中間体29:以下に示す3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
表題化合物は、5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾールを使用し、中間体21のステップ3〜4において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI (M+H) 231.1.
中間体30:以下に示す1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸
メタノール(300mL)中の、6−ブロモイソキノリン−1(2H)−オン(30g、0.134mol)、トリエチルアミン(17.6g、0.174mol)、塩化パラジウム(II)(0.24g、1.34mmol)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.84g、1.34mmol)の混合物を、2MPaの一酸化炭素で加圧した。反応物を100℃に加熱し、12時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮した。残留物を水で洗浄し、固体を真空下で乾燥させて、粗製のメチル1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボキシレート(23.8g、95.2%)を黄色固体として得た。固体をテトラヒドロフラン(200mL)および水(200mL)で希釈した。この混合物に水酸化リチウム(16.8g、0.4mol)を添加し、反応物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×)で洗浄し、これらの洗浄液を廃棄した。水層を4N塩酸水溶液でpH=5に酸性化した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(11.3g、49%)を黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 11.48(s, 1H), 8.24(d, 2H), 7.93(d, 1H), 7.22(d, 1H), 6.68(d, 1H).
ステップ2:1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸
表題化合物は、1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸を使用し、中間体27のステップ2〜5において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 309.2; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 8.37(d, J=1.56Hz, 1H), 8.34(d, J=8.78Hz, 1H), 8.12(dd, J=8.68,
1.66Hz, 1H), 7.67(d, J=6.44Hz, 1H), 7.29-7.36(m, 2H), 7.15(d, J=6.24Hz, 1H),
6.86-6.93(m, 2H), 4.73(s, 2H), 3.76(s, 3H).
中間体31:以下に示す1−(メチルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル1−(メチルアミノ)イソキノリン−7−カルボキシレート
テトラヒドロフラン中メチルアミンの溶液(30mL、60mmol、2M)を、密閉チューブ中のエチル1−クロロイソキノリン−7−カルボキシレート(中間体27のステップ3において形成されたもの)(705mg、2.99mmol)に添加した。反応物を60℃に加熱し、終夜撹拌した。LCMSは、反応が完了していないことを示した。追加のメチルアミン(10mL、20mmol、THF中2M)を添加し、反応物を60℃にさらに18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。残留物を水とジクロロメタンとに分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(25〜65%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(584mg、85%)を黄色油として得、これを静置すると凝固した。+ESI(M+H) 231.1;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 8.83-8.94(m, 1H), 8.07(dd, J=8.58, 1.56Hz, 1H), 7.99(d, J=5.85Hz,
1H), 7.89(d, J=4.49Hz, 1H), 7.77(d, J=8.58Hz, 1H), 6.92(d, J=5.07Hz, 1H),
4.38(q, J=7.02Hz, 2H), 2.97(d, J=4.49Hz, 3H), 1.38(t, J=7.12Hz, 3H).
ステップ2:1−(メチルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸
表題化合物は、エチル1−(メチルアミノ)イソキノリン−7−カルボキシレートを使用し、中間体19のステップ3において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 203.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.03(br. s., 1H), 8.87(s, 1H), 8.06(dd, J=8.51, 1.47Hz, 1H),
7.97(d, J=5.67Hz, 1H), 7.85(d, J=4.50Hz, 1H), 7.75(d, J=8.41Hz, 1H), 6.91(d,
J=5.87Hz, 1H), 2.95(d, J=4.50Hz, 3H).
中間体32:以下に示す3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール
テトラヒドロフラン(50mL)中の4−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(1.00g、4.93mmol)の0℃溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタン(0.77mL、4.9mmol)を5分間かけて滴下添加した。反応物を0℃で10分間撹拌した。次いで、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.49mL、0.49mmol、テトラヒドロフラン中1M)をゆっくり添加し、反応物を室温に徐々に加温させ、3日間撹拌させた。反応物を濃縮し、残留物をジクロロメタンに溶かした。溶液を1N塩酸水溶液で1回およびブラインで1回洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(0〜50%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(1.0g、75%)を透明油として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.48(d, J=7.61Hz, 1H), 7.39(d, J=1.76Hz, 1H), 7.29(dd, J=9.56,
1.95Hz, 1H), 5.33-5.40(m, 1H), 2.70(d, J=5.46Hz, 1H).
ステップ2:1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン
酢酸エチル(30mL)中の1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノール(1.09g、3.99mmol)の溶液に、2−ヨードキシ安息香酸(2.28g、7.97mmol)を添加した。反応物を終夜加熱還流した。反応物を室温に冷却し、ヘプタン(30mL)で希釈した。混合物をセライトに通して濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(1.03g、95%)を淡黄色油として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.44(dd, J=10.15, 1.56Hz, 1H), 7.48(m, 1H), 7.76(m, 1H).
ステップ3:6−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール
ヒドラジン水和物(3.5mL、45mmol)を、1−ブタノール(15mL)中の1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(1.00g、3.69mmol)の溶液に添加した。反応物を5時間加熱還流し、次いで室温に冷却し、終夜撹拌したまま放置した。反応物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜50%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(310mg、32%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 7.42(dd, J=8.58, 1.56Hz, 1H), 7.72(d, J=8.58Hz, 1H), 7.75(dd,
J=1.56, 0.78Hz, 1H).
ステップ4:3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
表題化合物は、6−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)−1H−インダゾールを使用し、中間体21のステップ3〜4において記述されているものに類似する方法によって調製した。-ESI (M-H) 229.1.
中間体33:以下に示す2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
エタノール(6mL)中の1−エチル6−メチル2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インダゾール−1,6−ジカルボキシレート(中間体28のステップ3において形成されたもの)(514mg、1.85mmol)の懸濁液に、1N水酸化カリウム水溶液(18.5mL、18.5mmol)を添加した。反応物を65℃に1.5時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃縮乾固した。残留物を水に溶かし、沈殿物が形成されるまで1N塩酸水溶液で酸性化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(196mg、55%)を褐色固体として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.12(br. s., 1H), 10.61(br. s., 1H), 7.76(s, 1H), 7.70(d,
J=8.2Hz, 1H), 7.60(dd, J=8.2, 1.2Hz, 1H), 3.38(s, 3H).
中間体34:以下に示す3−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:メチル3−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボキシレート
N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中のメチル1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボキシレート(1.00g、5.68mmol)の0℃溶液に、N−クロロコハク酸イミド(895mg、5.96mmol)を添加した。反応物を室温に次第に加温させ、終夜撹拌させた。反応物を水(125mL)で希釈し、20分間撹拌した。得られた固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物(1.11g、93%)を橙色粉末として得た。+ESI(M+H) 211.0;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 11.99(br. s., 1H), 8.92(d, J=2.0Hz, 1H), 8.31(d, J=1.8Hz, 1H),
8.08(d, J=3.1Hz, 1H), 3.88(s, 3H).
ステップ2:3−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸
メチル3−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボキシレート(1.10g、5.22mmol)を1,4−ジオキサン(25mL)に懸濁し、6N塩酸水溶液(8.7mL)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌させた。次いで、反応物を濃縮して、表題化合物(1.2g、100%)を得た。+ESI(M+H) 197.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 12.50(br. s., 1H), 8.92(d, J=1.6Hz, 1H), 8.46(br. s., 1H),
8.19(br. s., 1H).
中間体35:以下に示す3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:4−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンゾチオアミド
トルエン(10mL)中の4−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(500mg、2mmol)およびローソン試薬(872mg、2.16mmol)の混合物を、100℃に加熱し、4時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、トルエンで希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/ヘプタン)による残留物の精製により、表題化合物(520mg、97%)を黄色固体として得た。+ESI(M+H+1) 250.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.09(t, J=8.58Hz, 1H), 8.03(br. s., 1H), 7.35(dd, J=8.19, 2.15Hz,
1H), 7.27(dd, J=11.41, 1.85Hz, 1H), 3.36(dd, J=4.88, 0.78Hz, 3H).
ステップ2:6−ブロモ−N−メチル−1H−インダゾール−3−アミン
無水ヒドラジン(0.25mL、8.1mmol)を、ジメチルスルホキシド(2.5mL)中の4−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンゾチオアミド(200mg、0.8mmol)の溶液に添加した。反応物を100℃に加熱し、2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈した。層を分離し、水性物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機物を飽和炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜100%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(98mg、54%)を白色固体として得た。+ESI(M+H+1) 228.0;
1H NMR(400MHz, CD
3OD, δ): 7.52(d, J=8.58Hz, 1H), 7.43(s, 1H), 7.04(d, J=8.39Hz, 1H),
2.94(s, 3H).
ステップ3:メチル3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
表題化合物は、6−ブロモ−N−メチル−1H−インダゾール−3−アミンを使用し、中間体12のステップ2において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 206.2;
1H NMR(400MHz, CD
3OD, δ): 7.95(t, J=1.17Hz, 1H), 7.67(dd, J=8.39, 0.78Hz, 1H), 7.55(dd,
J=8.49, 1.27Hz, 1H), 3.90(s, 3H), 2.96(s, 3H).
ステップ4:3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
1,4−ジオキサン(0.2mL)中のメチル3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(30.0mg、0.15mmol)の溶液に、3N塩酸水溶液(0.2mL、0.6mmol)を添加した。混合物を100℃に2時間加熱した。反応物を濃縮し、真空下で乾燥させて、表題化合物(33mg、99%)を黄褐色固体として得た。+ESI(M+H) 192.1; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 8.09(s, 1H), 7.98(dd, J=8.58, 0.78Hz, 1H), 7.85(dd, J=8.58,
1.37Hz, 1H), 3.12(s, 3H).
中間体36:以下に示す3−メトキシイソキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:7−ブロモ−3−メトキシイソキノリン
ジグリム(1mL)中の7−ブロモ−3−クロロイソキノリン(100mg、0.4mmol)およびナトリウムメトキシド(113mg、2.1mmol)の混合物を、150℃に1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、トルエンおよび水で希釈した。層を分離し、水層をトルエン(3×)で抽出した。合わせた有機物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して油とした。この油を終夜真空下で乾燥させて、表題化合物(83mg、85%)を黄色固体として得た。+ESI(M+H+1) 240.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.87(s, 1H), 8.01-8.05(m, 1H), 7.58-7.64(m, 1H), 7.53-7.58(m,
1H), 6.97(s, 1H), 4.02(s, 3H).
ステップ2:3−メトキシイソキノリン−7−カルボン酸
表題化合物は、7−ブロモ−3−メトキシイソキノリンを使用し、中間体21のステップ3〜4において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 204.2; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 9.08(s, 1H), 8.71(s, 1H), 8.14(dd, J=8.78, 1.56Hz, 1H), 7.83(d,
J=8.78Hz, 1H), 7.17(s, 1H), 4.02(s, 3H).
中間体37:以下に示す1−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル1−クロロイソキノリン−6−カルボキシレート
表題化合物は、6−ブロモイソキノリン−1(2H)−オンを使用し、中間体27のステップ1〜3において記述されているものに類似する方法によって調製した。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.56(d, J=1.6Hz, 1H), 8.38(d, J=8.8Hz, 1H), 8.34(d, J=5.7Hz, 1H),
8.25(dd, J=8.8, 1.6Hz, 1H), 7.70(d, J=6.0Hz, 1H), 4.47(q, J=7.0Hz, 2H), 1.45(t,
J=7.1Hz, 3H).
ステップ2:エチル1−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボキシレート
表題化合物は、エチル1−クロロイソキノリン−6−カルボキシレートを使用し、中間体31のステップ1において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 231.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.39(s, 1H), 8.06-8.14(m, 2H), 8.00(d, J=5.9Hz, 1H), 7.02(d,
J=6.0Hz, 1H), 4.44(q, J=7.3Hz, 2H), 3.25(d, J=4.7Hz, 3H), 1.43(t, J=7.1Hz, 3H).
ステップ3:1−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸
エタノール(2.5mL)中のエチル1−(メチルアミノ)イソキノリン−6−カルボキシレート(150mg、0.65mmol)の懸濁液に、1N水酸化カリウム水溶液(6.5mL、6.5mmol)を添加した。反応物を65℃に1.5時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃縮乾固した。固体を水に溶解し、溶液を1N HClで酸性化した。混合物を濃縮した。固体を水(50mL)に溶解し、2−ブタノール(50mL)で2回抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(95mg、72%)を白色固体として得た。+ESI(M+H) 203.2; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.07(br. s., 1H), 10.25(d, J=4.9Hz, 1H), 8.74(d, J=8.8Hz, 1H),
8.51(s, 1H), 8.15(dd, J=8.6, 1.8Hz, 1H), 7.67(d, J=6.8Hz, 1H), 7.35(d, J=7.0Hz,
1H), 3.15(d, J=4.7Hz, 3H).
中間体38:1−メトキシイソキノリン−6−カルボン酸
ナトリウム金属(870mg、37mmol)をメタノール(25mL)に撹拌しながらゆっくり添加することにより、ナトリウムメトキシドの溶液を調製した。すべてのナトリウム金属が反応した後、この溶液をエチル1−クロロイソキノリン−6−カルボキシレート(440mg、1.9mmol)に添加した。得られた懸濁液を加熱還流し、3日間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残留物を水と酢酸エチルとに分配した。層を分離し、水層を沈殿物が形成されるまで1N塩酸水溶液で酸性化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(294mg、78%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 8.50(d, J=1.2Hz, 1H), 8.23(d, J=8.8Hz, 1H), 8.02-8.10(m, 2H),
7.54(d, J=6.0Hz, 1H), 4.05(s, 3H).
中間体39:以下に示す3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:5−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド
ジクロロメタン(5mL)中の5−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(200mg、0.91mmol)の混合物に、塩化オキサリル(0.16mL、1.8mmol)、続いて1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した。反応物を濃縮し、得られた残留物をジクロロメタン(3mL)に溶解し、0℃に冷却した。メチルアミン(2.3mL、5mmol、テトラヒドロフラン中2M)を添加し、反応物を0℃で30分間撹拌させた。反応物を水でクエンチし、混合物を濃縮した。残留物を水で希釈し、得られた固体を濾過し、水ですすぎ、真空下で乾燥させて、表題化合物(196.6mg、93%)を白色固体として得た。+ESI(M+H+1) 234.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ); 8.22(dd, J=6.83, 2.73Hz, 1H), 7.55(ddd, J=8.68, 4.49, 2.63Hz,
1H), 7.00(dd, J=11.32, 8.58Hz, 1H), 6.67(br. s., 1H), 3.02(dd, J=4.88, 1.17Hz,
3H).
ステップ2:5−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンゾチオアミド
トルエン(10mL)中の5−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(500mg、2mmol)およびローソン試薬(872mg、2.16mmol)の混合物を100℃に加熱し、3.5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、トルエンで希釈し、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、表題化合物(494mg、92%)を黄色油として得、これを静置すると凝固した。+ESI(M+H+1) 250.1;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.20(dd, J=6.93, 2.63Hz, 1H), 8.06(br. s., 1H), 7.47(ddd, J=8.73,
4.44, 2.63Hz, 1H), 6.95(dd, J=11.12, 8.78Hz, 1H), 3.32(dd, J=4.88, 0.78Hz, 3H).
ステップ3:5−ブロモ−N−メチル−1H−インダゾール−3−アミン
ジメチルスルホキシド(6mL)中の5−ブロモ−2−フルオロ−N−メチルベンゾチオアミド(480mg、1.9mmol)および無水ヒドラジン(0.61mL、19mmol)の混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。温度を100℃に上昇させ、反応物を40分間撹拌した。温度を130℃にさらに上昇させ、反応物をさらに45分間撹拌した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルおよびブラインで希釈した。層を分離し、水性物を酢酸エチル(4×)で抽出した。合わせた有機物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜70%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(103mg、23%)を白色固体として得た。+ESI(M+H+1) 228.0;
1H NMR(400MHz, CD
3OD, δ): 7.78(dd, J=1.85, 0.68Hz, 1H), 7.29-7.40(m, 1H), 7.17(dd, J=8.88,
0.68Hz, 1H), 2.94(s, 3H).
ステップ4:メチル3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート
表題化合物は、5−ブロモ−N−メチル−1H−インダゾール−3−アミンを使用し、中間体21のステップ3において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 206.2;
1H NMR(400MHz, CD
3OD, δ): 8.44(dd, J=1.56, 0.78Hz, 1H), 7.92(dd, J=8.78, 1.56Hz, 1H),
7.26(dd, J=8.78, 0.78Hz, 1H), 3.88(s, 3H), 2.96(s, 3H).
ステップ5:3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−5−カルボン酸
メチル3−(メチルアミノ)−1H−インダゾール−5−カルボキシレート(60.0mg、0.29mmol)を1,4−ジオキサン(0.5mL)に溶解した。3N塩酸水溶液(0.3mL、0.9mmol)を添加し、反応物を100℃に11.5時間加熱した。熱を除去し、反応物を室温で終夜撹拌したまま放置した。反応物を濃縮して、表題化合物(63mg、95%)を黄褐色固体として得た。+ESI(M+H) 192.1; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 8.61(d, J=0.78Hz, 1H), 8.19(dd, J=8.80, 1.57Hz, 1H), 7.38(d,
J=8.80Hz, 1H), 3.02(s, 3H).
中間体40:以下に示す3−アミノイソキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
表題化合物は、7−ブロモイソキノリン−3−アミンを使用し、中間体21のステップ3〜4において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 189.2; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 8.87(s, 1H), 8.52(d, J=0.78Hz, 1H), 7.98(dd, J=8.78, 1.76Hz, 1H),
7.54(d, J=8.78Hz, 1H), 6.77(s, 1H).
中間体41:以下に示す3−(メチルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:7−ブロモ−N−メチルイソキノリン−3−アミン
1−メトキシ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(1mL)中の、7−ブロモ−3−クロロイソキノリン(100mg、0.4mmol)、メチルアミン塩酸塩(139mg、2.06mmol)および炭酸カリウム(456mg、3.30mmol)の混合物を、150℃に加熱し、60時間撹拌した。追加のメチルアミン塩酸塩(100mg、1.5mmol)および炭酸カリウム(200mg、1.4mmol)を添加し、加熱をさらに40時間続けた。反応物を室温に冷却し、水で希釈した。混合物を30分間撹拌した。得られた固体を濾過除去し、水ですすぎ、真空下で乾燥させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜30%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(82mg)を淡黄色固体として得た。-APCI(M-H+1) 237.8;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.70(s, 1H), 7.84(d, J=1.95Hz, 1H), 7.48(dd, J=8.97, 2.15Hz, 1H),
7.38(d, J=8.97Hz, 1H), 6.39(s, 1H), 2.92(s, 3H).
ステップ2:3−(メチルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸
表題化合物は、7−ブロモ−N−メチルイソキノリン−3−アミンを使用し、中間体21のステップ3〜4において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 203.1; 1H NMR(400MHz, CD3OD, δ): 8.87(s, 1H), 8.51(s, 1H), 7.98(dd, J=8.88, 1.66Hz, 1H), 7.58(d,
J=8.78Hz, 1H), 6.60(s, 1H), 2.93(s, 3H).
中間体42:以下に示す3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(250mg、1.5mmol)の懸濁液を、40℃に加温した。N−クロロコハク酸イミド(243mg、1.62mmol)を添加し、混合物を55℃で5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、2日間撹拌したまま放置した。混合物を水(20mL)で希釈し、終夜撹拌した。得られた固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(161mg、55%)を得た。+ESI(M+H) 197.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.08(br. s., 1H), 12.39(br. s., 1H), 8.86(d, J=1.8Hz, 1H),
8.40(d, J=1.2Hz, 1H), 7.84(d, J=2.5Hz, 1H).
中間体43:以下に示す6−ブロモ−3−メトキシイソキノリンは、下記の通りに調製した:
6−ブロモイソキノリン−3−オール(606mg、2.70mmol)、炭酸銀(1.5g、5.3mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)の混合物を、室温で16分間撹拌した。ヨウ化メチル(186μL、2.97mmol)を添加し、反応物を18時間撹拌したまま放置した。反応物をメタノールで希釈し、セライトに通して濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(90mg、14%)を得た。+ESI(M+H+1) 240.0; 1H NMR(400MHz, CDCl3, δ): 8.91(s, 1H), 7.86(d, J=1.8Hz, 1H), 7.73(d, J=8.8Hz, 1H), 7.43(dd,
J=8.8, 1.8Hz, 1H), 6.90(s, 1H), 4.02(s, 3H).
中間体44:以下に示す2−クロロキノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:エチル2−クロロキノリン−7−カルボキシレート
オキシ塩化リン(1.94mL、20.7mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中の7−(エトキシカルボニル)キノリン1−オキシド(450mg、2.07mmol)の溶液に添加した。反応物を50℃に3時間加熱した。次いで、反応物を室温に冷却し、200mLの水に撹拌しながらゆっくり注ぎ入れた。混合物を1時間撹拌させ、次いで1N水酸化カリウム水溶液で中和した。混合物をジクロロメタン(3×)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/ヘプタン)による精製により、表題化合物(254mg、52%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.70-8.79(m, 1H), 8.13-8.18(m, 2H), 7.87(d, J=8.39Hz, 1H),
7.47(d, J=8.58Hz, 1H), 4.44(q, J=7.02Hz, 2H), 1.43(t, J=7.12Hz, 3H).
ステップ2:2−クロロキノリン−7−カルボン酸
テトラヒドロフラン(10mL)中のエチル2−クロロキノリン−7−カルボキシレート(800mg、3.4mmol)の溶液に、1N水酸化リチウム水溶液(7mL、7mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を水で希釈し、1N塩酸水溶液で酸性化した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、表題化合物(648mg、92%)を白色粉末として得た。+ESI(M+H) 208.1; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 13.43(s, 1H), 8.53(d, J=8.7Hz, 1H), 8.44-8.45(m, 1H), 8.14(d,
J=8.4Hz, 1H), 8.07-8.11(m, 1H), 7.70(d, J=8.5Hz, 1H).
中間体44:以下に示す2−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)キノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
ステップ1:メチルキノリン−7−カルボキシレート
表題化合物は、7−ブロモキノリンを出発材料として使用し、中間体21のステップ3において記述されているものに類似する方法によって調製した。
ステップ2:以下に示す7−(メトキシカルボニル)キノリン1−オキシドは、下記の通りに調製した:
ジクロロメタン(315mL)中のメチルキノリン−7−カルボキシレート(17.8g、94.87mmol)の溶液に、過酢酸(39.9mL、190mmol、酢酸中32%)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。過酢酸(10mL、48mmol、酢酸中32%)を添加し、混合物を5時間撹拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウム水溶液の飽和溶液で希釈した。水相をジクロロメタン(2×1L)中に抽出した。抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2〜15%メタノール)による精製により、表題化合物(17.4g、90%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-d, δ): 9.41(1H, s), 8.56(1H, dd, J=6.0,
0.8Hz), 8.24(1H, dd, J=8.5, 1.7Hz), 7.93(1H, d, J=8.6Hz), 7.75(1H, d, J=8.6Hz),
7.39(1H, dd, J=8.6, 6.0Hz), 4.01(3H, s)
ステップ3:以下に示すメチル2−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)キノリン−7−カルボキシレートは、下記の通りに調製した:
0℃の7−(メトキシカルボニル)キノリン1−オキシド(200mg、0.984mmol)および2,2,2−トリフルオロエチルアミン(292mg、0.295mmol)の溶液に、4−メチルベンゼンスルホン酸無水物(964mg、2.95mmol)を45分間かけて小分けにして添加した。反応物を室温まで加温させ、終夜撹拌した。反応物をジクロロメタンで希釈し、塩化アンモニウムの飽和溶液で洗浄した。水層をジクロロメタン(1×)中に抽出した。有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(172mg、62%)を得た。+ESI (M+H) 285.1
ステップ4:2−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)キノリン−7−カルボン酸
テトラヒドロフラン(5mL)中のメチル2−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)キノリン−7−カルボキシレート(172mg、0.605mmol)の溶液に、水酸化リチウム水溶液(1.82mL、1.82mmol、1M溶液)を室温で添加した。反応物を2.5日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を1N塩酸水溶液で酸性化した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させて、表題化合物(65mg、40%)を得た。+ESI(M+H) 271.1,
1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 4.31-4.41(m, 2H) 7.01(d, J=8.87Hz, 1H) 7.69-7.80(m, 2H) 8.06(d,
J=8.66Hz, 1H) 8. 14(s, 1H) 13.03(bs, 1H)
中間体45:以下に示す2−((2,2−ジフルオロプロピル)アミノ)キノリン−7−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
表題化合物は、2,2,2−トリフルオロエチルアミンの代わりに2,2−ジフルオロエチルアミンを使用し、中間体44について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 267.2; 1H NMR(400MHz, DMSO-d6, δ): 1.63(t, J=19.02Hz, 3H) 3.89-3.99(m, 2H) 6.97(d, J=8.97Hz, 1H)
7.54(t, 1H) 7.62-7.68(m, 1H) 7.71(d, J=8.19Hz, 1H) 7.96(d, J=9.10Hz, 1H)
8.06-8.09(m, 1H) 12.95(bs, 1H).
中間体46:以下に示す7−クロロ−1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−5−カルボン酸は、下記の通りに調製した:
濃硫酸(0.45mL)中の3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸(125mg、0.67mmol)の溶液に、水(2mL)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を終夜撹拌したまま放置した。反応物を水で希釈し、得られた沈殿物を濾過して、表題化合物(124mg、94%)を褐色固体として得た。+APCI(M+H) 198.0; 1H NMR(400MHz, メタノール-d4, δ): 8.53(d, J=1.2Hz, 1H),
8.10(d, J=1.0Hz, 1H)
(実施例1)
1’−イソプロピル−1−(2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン
ジクロロメタン(2mL)中の2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸(42mg、0.13mmol)の溶液に、1’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1H)−オン塩酸塩(42mg、0.13mmol)、トリエチルアミン(0.01mL、0.07mmol)および(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(54.8mg、0.144mmol)を添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を真空で濃縮し、結果として生じた固体を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解し、逆相HPLC(カラム:WatersクロスブリッジC18 19×100、5μm;移動相A:水中0.03%NH
4OH(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.03%NH
4OH(v/v);勾配:8.5分間で90%A/10%B線形から0%A/100%B、0%A/100%Bで10.0分間ホールド;流量:25mL/分によって精製した。+ESI (M+H) 407.2; HPLC保持時間1.74分(方法A)
(実施例2)
1−(3,7−ジメチル−1H−インダゾール−5−カルボニル)−1’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン
ジメチルホルムアミド(2mL)中の1’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン塩酸塩(中間体2、430mg、1.3mmol)および3,7−ジメチル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(306mg、1.6mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.75mL、5.4mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(33mg、0.37mmol)および1−プロパンホスホン酸環状無水物(0.52mL、1.74mmol、酢酸エチル中50%溶液)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、酢酸エチルに溶かし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して固体とした。固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0〜15%メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、ガラス状固体を生じさせた。ガラス状固体を酢酸エチル中で16時間撹拌し、得られた固体を真空濾過によって収集して、所望生成物を白色固体(138mg)として生じさせた。+ESI(M+H) 421.0;
1H NMR(400MHz, CD
3OD, δ): 7.65(s, 1H) 7.42(s, 1H) 7.21(s, 1H) 5.50(m, 1H) 3.95(br. s., 1H)
3.50-3.62(br. s., 3H) 2.97(s, 2H) 2.56(m, 6H) 1.83(br. s., 4H) 1.44(d, 6H).
(実施例3)
1’−イソプロピル−1−(2−メチル−2H−インダゾール−5−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン
乾燥ジメチルホルムアミド中の2−メチル−2H−インダゾール−5−カルボン(carboxyllic)酸(28mg、0.16mmol)の溶液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(37mg、0.19mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(26mg、0.19mmol)N,N−ジイソプロピルエチルアミン(84μL、0.48mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで1’−イソプロピル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン塩酸塩を添加し(中間体2、30mg、0.12mmol)、反応物を16時間撹拌した。混合物を冷水に注ぎ入れ、得られた沈殿物を真空濾過によって収集した。得られた固体をジエチルエーテルから粉砕して、1’−イソプロピル−1−(2−メチル−2H−インダゾール−5−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(1’H)−オン(25mg)を生じさせた。+ESI(M+H) 407.3;
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6, δ): 8.41(s, 1H), 7.85(s, 1H), 7.75(s, 1H), 7.63(d, 1H), 7.40(s, 1H),
7.20(s, 1H), 5.40(m, 1H), 4.18(s, 3H), 3.60(br. s., 4H), 2.85(s, 2H), 1.70(br.
s., 4H), 1.35(d, 6H).
以下の表1に収載されている化合物は、市販されている適切な出発材料を使用する実施例1〜3の化合物の合成について上述したものに類似する手順を使用して調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他の中間体について上述した経路に類似する様式で調製した。以下に収載されている化合物は、遊離塩基として最初に単離されたものであり、試験のために薬学的に許容できる塩に変換され得る。
以下の表2に収載されている化合物は、市販されている適切な出発材料を使用する実施例1〜3の化合物の合成について上述したものに類似する手順を使用して調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他の中間体について上述した経路に類似する様式で調製した。以下に収載されている化合物は、遊離塩基として最初に単離されたものであり、試験のために薬学的に許容できる塩に変換され得る。
(実施例99)
2’−tert−ブチル−1−(7−メトキシ−1H−インダゾール−5−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
N,N−ジメチルホルムアミド(0.4mL)中の2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(中間体4、25mg、0.075mmol)および7−メトキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸(中間体18、25mg、0.090mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.05mL、0.37mmol)を添加した。混合物を5分間撹拌した。次いで、1−プロパンホスホン酸環状無水物(0.09mL、0.1mmol、酢酸エチル中50%溶液)を添加し、反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して黄色ガム状物とした。この粗材料に塩酸(0.19mL、0.75mmol、ジオキサン中4M)を添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を濃縮した。逆相HPLCによる精製により、表題化合物(3.4mg、10%)を得た。+ESI (M+H) 437.3; HPLC保持時間2.12分(方法A)。
(実施例100)
1−(1−アミノイソキノリン−7−カルボニル)−2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
ステップ1:2’−tert−ブチル−1−(1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
表題化合物は、2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(中間体4)および1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸(中間体27)を使用し、実施例3において記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI (M+H) 553.5.
ステップ2:1−(1−アミノイソキノリン−7−カルボニル)−2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
トリフルオロ酢酸(0.51mL)中の2’−tert−ブチル−1−(1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン(28mg、0.051mmol)の溶液に、アニソール(8.3μL、0.076mmol)を添加した。反応物を65℃に加熱し、19時間撹拌した。反応物を濃縮した。逆相HPLCによる精製により、表題化合物(7.1mg、32%)を得た。+ESI (M+H) 433.2; HPLC保持時間1.79分(方法A)。
(実施例101)
1−(1−アミノイソキノリン−6−カルボニル)−2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
表題化合物は、ステップ1において1−(4−メトキシベンジルアミノ)イソキノリン−6−カルボン酸(中間体30)を使用し、実施例100について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI (M+H) 433.2; HPLC保持時間1.82分(方法A)。
(実施例102)
2’−tert−ブチル−1−(3−メトキシイソキノリン−6−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
1,4−ジオキサン(6mL)中の6−ブロモ−3−メトキシイソキノリン(中間体43、89.9mg、0.378mmol)の溶液に、2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(中間体4、244mg、0.727mmol)および酢酸ナトリウム(130mg、1.5mmol)を添加した。混合物に窒素ガスを15分間吹き込んで発泡させた。次いで、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(102mg、0.125mmol)を添加し、反応容器に蓋をし、一酸化炭素ガスを5分間吹き込んで発泡させた。次いで、反応物を80℃に18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。混合物をセライトに通して濾過し、濾液を濃縮した。逆相HPLCによる精製により、表題化合物を得た。+ESI (M+H) 448.1; HPLC保持時間2.26分(方法A)。
(実施例103)
2’−tert−ブチル−1−(1−(ジメチルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
ステップ1:2’−tert−ブチル−1−(1−クロロイソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
表題化合物は、2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(中間体4)および1−クロロイソキノリン−7−カルボン酸を使用し、4−ジメチルアミノピリジンを省略して、実施例2について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 452.3;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.37(s, 1H), 8.32(d, J=5.7Hz, 1H), 7.89(d, J=8.4Hz, 1H),
7.75-7.79(m, 1H), 7.62(d, J=5.7Hz, 1H), 7.39(s, 1H), 6.42(s, 1H), 3.43-3.73(m,
4H), 2.87(s, 2H), 1.64-2.01(m, 4H), 1.61(s, 9H).
ステップ2:2’−tert−ブチル−1−(1−(ジメチルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
メタノール中ジメチルアミンの溶液(1.75mL、3.50mmol、2M)を、2’−tert−ブチル−1−(1−クロロイソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン(158mg、0.350mmol)に添加した。反応容器を密閉し、混合物を60℃に加熱し、65時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜15%メタノール/ジクロロメタン)による精製により、表題化合物(99mg、61%)を白色固体として得た。+APCI(M+H) 461.4; 1H NMR(400MHz, CDCl3, δ): 8.16-8.20(m, 1H), 8.12(d, J=5.9Hz, 1H), 7.75(d, J=8.2Hz, 1H),
7.58-7.64(m, 1H), 7.37(s, 1H), 7.14(d, J=5.9Hz, 1H), 6.00(br. s., 1H),
3.40-3.71(m, 4H), 3.10-3.28(m, 6H), 2.85(s, 2H), 1.64-1.99(m, 4H), 1.60(s, 9H).
(実施例104)
2’−tert−ブチル−1−(2−クロロキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
表題化合物は、2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(中間体4)および2−クロロキノリン−7−カルボン酸(中間体44)を使用し、実施例3について記述されているものに類似する方法によって調製した。+ESI(M+H) 452.3;
1H NMR(400MHz, CDCl
3, δ): 8.12(d, J=8.2Hz, 1H), 7.98(br. s., 1H), 7.88(dd, J=8.4Hz, 1H),
7.61(dd, J=8.4, 1.6Hz, 1H), 7.44(d, J=8.6Hz, 1H), 7.39(s, 1H), 5.91(br. s.,
1H), 4.06-4.22(m, 1H), 3.38-3.64(m, 3H), 2.85(br. s., 2H), 1.67-1.97(m, 4H),
1.61(s, 9H).
(実施例105)
2’−tert−ブチル−1−(2−(ジメチルアミノ)キノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
テトラヒドロフラン中ジメチルアミンの溶液(2.2mL、4.4mmmol、2.0M)を、2’−tert−ブチル−1−(2−クロロキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン(100mg、0.2mmol)に添加した。反応容器を密閉し、混合物を70℃に15時間加熱した。反応物を室温に冷却し、濃縮した。逆相HPLCによる精製により、表題化合物(25mg、25%)を得た。+ESI (M+H) 461.2; HPLC保持時間1.96分(方法A)。
以下の表3に収載されている化合物は、市販されている適切な出発材料を使用する実施例105の合成について上述したものに類似する手順を使用して調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他の中間体について上述した経路に類似する様式で調製した。以下に収載されている化合物は、遊離塩基として最初に単離されたものであり、試験のために薬学的に許容できる塩に変換され得る。
以下の表4に収載されている化合物は、市販されている適切な出発材料を使用する実施例1〜3の化合物の合成について上述したものに類似する手順を使用して調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他の中間体について上述した経路に類似する様式で調製した。以下に収載されている化合物は、遊離塩基として最初に単離されたものであり、試験のために薬学的に許容できる塩に変換され得る。
以下の表5に収載されている化合物は、市販されている適切な出発材料を使用する実施例103の合成について上述したものに類似する手順を使用して調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他の中間体について上述した経路に類似する様式で調製した。以下に収載されている化合物は、遊離塩基として最初に単離されたものであり、試験のために薬学的に許容できる塩に変換され得る。
(実施例123)
2’−(tert−ブチル)−1−(1−(tert−ブチルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
ステップ1:1−クロロイソキノリン−7−カルボン酸
−78℃まで冷却したTHF(12mL)およびジエチルエーテル(12mL)中の7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(2.000g、8.247mmoles)の懸濁液に、n−BuLi(3.96mL、9.9mmol、ヘキサン中2.5M)を添加した。5分間撹拌し、次いで針で通気孔を開けながら二酸化炭素をおよそ1分間吹き込んで発泡させた。反応混合物を0℃まで加温し、15mLの1N水酸化ナトリウム水溶液を添加した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、18時間撹拌した。有機層と水層とを分離し、有機物を1N水酸化ナトリウム水溶液および水で洗浄した。水性画分を合わせ、1N塩酸水溶液でpH4に酸性化した。得られた固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(1.252g、73%)を得た。+ESI(M+H) 208.1
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6)
d ppm 13.58(br. s., 1H) 8.86(m, 1H) 8.43(d, J=5.67Hz, 1H) 8.33(dd, J=8.61,
1.57Hz, 1H) 8.19(d, J=8.41Hz, 1H) 8.01(dd, 1H)
ステップ2:2’−(tert−ブチル)−1−(1−(tert−ブチルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン
ジオキサン(0.5mL)中の、1−クロロイソキノリン−7−カルボン酸(100mg、0.482mmol)、RuPhos(6.5mg、0.014mmol)、BrettPhos(11.2mg、0.014mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(70.2mg、0.723mmol)の懸濁液に、t−ブチルアミン(0.254mL、2.41mmol)を添加した。容器を密閉し、混合物を110℃に加熱し、終夜撹拌した。反応物を室温まで冷却し、リチウムビストリメチルシリルアミド(0.136mL、0.723mmol)を添加した。反応混合物を110℃に加熱し、終夜撹拌したまま放置した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトに通して濾過し、メタノールですすいだ。濾液を減圧下で濃縮し、1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を添加した。酢酸エチルと水および1N水酸化ナトリウム水溶液の混合物とに分配した。層を分離し、水層をpH4に酸性化した。水層を酢酸エチル中に抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−(tert−ブチルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸を得た。
N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の1−(tert−ブチルアミノ)イソキノリン−7−カルボン酸(24.7mg、0.101mmol)および2’−tert−ブチル−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン塩酸塩(33.9mg、0.101mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.07mL、0.50mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、1−プロパンホスホン酸環状無水物(0.07mL、0.12mmol、酢酸エチル中50%溶液)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、残留物を逆相HPLCによって精製して、2’−(tert−ブチル)−1−(1−(tert−ブチルアミノ)イソキノリン−7−カルボニル)−4’,6’−ジヒドロスピロ[ピペリジン−4,5’−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン]−7’(2’H)−オン(6.1mg、24%)を得た。+ESI (m+H) 489.3; HPLC保持時間2.94分(方法B)。
以下の表6に収載されている化合物は、市販されている適切な出発材料を使用する実施例1〜3の化合物の合成について上述したものに類似する手順を使用して調製したか、当業者によく知られている調製を使用して調製したか、または他の中間体について上述した経路に類似する様式で調製した。以下に収載されている化合物は、遊離塩基として最初に単離されたものであり、試験のために薬学的に許容できる塩に変換され得る。
薬理学的データ
生物学的プロトコール
動物、特に哺乳動物(例えばヒト)の疾患(本明細書において詳述されているもの等)の治療における本発明の化合物の有用性は、以下に記述するインビトロおよびインビボアッセイを含む当業者に知られている従来のアッセイにおいて、その活性により実証され得る。そのようなアッセイは、本発明の化合物の活性を他の知られている化合物の活性と比較することができる手段も提供する。
ACC1およびACC2の活性の直接阻害
本発明の化合物のACC阻害活性は、標準的な手順に基づく方法によって実証した。例えば、式(1)の化合物についてのACC活性の直接阻害は、組換えヒトACC1(rhACC1)および組換えヒトACC2(rhACC2)の調製を使用して決定した。アッセイにおいて使用され得る組換えヒトACC1およびACC2の代表的な配列を、それぞれ図1(配列番号1)および図2(配列番号2)において提供する。
[1]rhACC1の調製。完全長ヒトACC1 cDNAを含有する組換えバキュロウイルスに感染している2リットルのSF9細胞を、氷冷細胞溶解緩衝液(25mMトリス、pH7.5;150mM NaCl;10%グリセロール;5mMイミダゾール(EMD Bioscience;Gibbstown、NJ);2mM TCEP(BioVectra;Charlottetown、Canada);ベンゾナーゼヌクレアーゼ(10000U/100g細胞ペースト;Novagen;Madison、WI);EDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤カクテル(1tab/50mL;Roche Diagnostics;Mannheim、Germany)に懸濁した。細胞を3サイクルの凍結解凍によって溶解させ、40,000×gで40分間(4℃)遠心分離した。上清をHisトラップFF粗製カラム(GE Healthcare;Piscataway、NJ)上に直接ロードし、最大0.5Mのイミダゾール勾配で20カラム体積(CV)にわたって溶離した。ACC1含有画分をプールし、25mMトリス、pH7.5、2mM TCEP、10%グリセロールで1:5希釈し、CaptoQ(GE Healthcare)カラム上に直接ロードし、最大1MのNaCl勾配で20CVにわたって溶離した。精製されたACC1から、4℃で14時間のラムダホスファターゼ(100U/10μM標的タンパク質;New England Biolabs;Beverly、MA)とのインキュベーションによってリン酸基を除去し、オカダ酸を添加して(1μMの最終濃度;Roche Diagnostics)、ホスファターゼを阻害した。精製されたACC1を、4℃で6時間の透析によって25mMトリス、pH7.5、2mM TCEP、10%グリセロール、0.5M NaClに交換した。アリコートを調製し、−80℃で凍結させた。
[2]rhACC1阻害の測定。hACC1は、トランスクリーナーADP検出FPアッセイキット(Bellbrook Labs、Madison、Wisconsin)を使用するCostar 3676番(Costar、Cambridge、MA)384ウェルプレート中、50μM ATP反応に対する製造業者の推奨条件を使用してアッセイした。アッセイのための最終条件は、50mM HEPES、pH7.2、10mM MgCl2、7.5mMクエン酸三カリウム、2mM DTT、0.1mg/mL BSA、30μMアセチル−CoA、50μM ATPおよび10mM KHCO3であった。典型的には、10μlの反応物を25℃で120分間流し、10μlのトランスクリーナー停止および検出緩衝液を添加し、その組合せを室温でさらに1時間インキュベートした。データは、620励起Cy5 FPジェネラルデュアルミラー、620励起Cy5 FPフィルター、688発光(S)および688(P)発光フィルターを使用し、エンビジョン蛍光リーダー(Perkinelmer)で獲得した。
[3]rhACC2の調製。ヒトACC2阻害は、精製された組換えヒトACC2(hrACC2)を使用して測定した。手短に述べると、ACC2の完全長サイトマックスクローンを、Cambridge Bioscience Limitedから購入し、配列を決定し、PCDNA5 FRT TO−TOPO(Invitrogen、Carlsbad、CA)にサブクローニングした。ACC2をテトラサイクリン誘導によってCHO細胞内に発現させ、1μg/mLのテトラサイクリンとともにグルタミン、ビオチン、ハイグロマイシンおよびブラストサイジンを含む5リットルのDMEM/F12(Invitrogen、Carlsbad、CA)中に収穫した。次いで、ACC2を含有する馴化培地をソフトリンクソフトリリースアビジンカラム(Promega、Madison、Wisconsin)に適用し、5mMビオチンで溶離した。4mgのACC2を0.05mg/mL(A280によって決定)の濃度で溶離し、推定純度は95%(A280によって決定)であった。精製されたACC2を、50mMトリス、200mM NaCl、4mM DTT、2mM EDTAおよび5%グリセロール中で透析した。プールしたタンパク質を凍結させ、−80℃で貯蔵したが、解凍時に活性の損失はなかった。ACC2活性の測定およびACC2阻害の評価のために、試験化合物をDMSOに溶解し、rhACC2酵素に1%の最終DMSO濃度を有する5×ストックとして添加した。
[4]ヒトACC2阻害の測定。hACC2は、トランスクリーナーADP検出FPアッセイキット(Bellbrook Labs、Madison、Wisconsin)を使用するCostar 3676番(Costar、Cambridge、MA)384ウェルプレート中、50uM ATP反応に対する製造業者の推奨条件を使用してアッセイした。アッセイのための最終条件は、50mM HEPES、pH7.2、5mM MgCl2、5mMクエン酸三カリウム、2mM DTT、0.1mg/mL BSA、30μMアセチル−CoA、50μM ATPおよび8mM KHCO3であった。典型的には、10μlの反応物を25℃で50分間流し、10μlのトランスクリーナー停止および検出緩衝液を添加し、その組合せを室温でさらに1時間インキュベートした。データは、620励起Cy5 FPジェネラルデュアルミラー、620励起Cy5 FPフィルター、688発光(S)および688(P)発光フィルターを使用し、エンビジョン蛍光リーダー(PerkinElmer)で獲得した。
上述した組換えhACC1および組換えhACC2トランスクリーナーアッセイを使用した結果を、上記の実施例において例示した式(I)の化合物についての以下の表にまとめる。
配列表1は、トランスクリーナーインビトロアッセイにおいて用いられ得る組換えヒトACC1(配列番号1)の配列を提供する。
配列表2は、トランスクリーナーインビトロアッセイにおいて用いられ得る組換えヒトACC2(配列番号2)の配列を提供する。
実験動物におけるACC阻害の急性インビボ評価
本発明の化合物のACC阻害活性は、治療されている動物由来の肝臓および筋肉組織におけるマロニル−CoAレベルを減少させる該化合物の能力の評定によってインビボで確認することができる。
実験動物におけるマロニル−CoA生成阻害の測定は、以下の方法論を用いて決定することができる。
この方法において、標準的な食餌および水を自由にさせておいた雄スプラーグドーリーラット(225〜275g)を、研究前に無作為化した。実験の開始前18時間、動物には給餌するか絶食させるかのいずれかとした。明サイクルが始まって2時間後、動物に、5mL/kgの体積の(0.5%メチルセルロース;ビヒクル)または適切な化合物(ビヒクル中に調製したもの)を経口投薬した。ベースライン組織マロニル−CoAレベルを決定するために給餌したビヒクル対照群を含め、一方、マロニル−CoAレベルに対して絶食が有する影響を決定するために絶食した動物を含めた。化合物投与の1時間後、動物をCO2で窒息させ、組織を取り出した。具体的には、心穿刺によって血液を収集し、EDTAを含有するBDマイクロテイナーチューブ(BD Biosciences、NJ)に入れ、混合し、氷上に置いた。血漿を使用して、薬物暴露を決定した。肝臓および大腿四頭筋を取り出し、直ちに凍結固定し、ホイルに包み、液体窒素中で貯蔵した。
組織を液体N2下で微粉化して、試料採取の均一性を確実にした。ファストプレップFP120(Thermo Scientific、速度=5.5;45秒間)中、5体積の溶解マトリックスA中10%トリカルボン酸(MP Biomedicals、PN6910)で、マロニル−CoAを組織(150〜200mg)から抽出した。マロニル−CoAを含有する上清を、15000×gで30分間の遠心分離(Eppendorf遠心分離機5402)後に細胞残屑から除去した。分析が完了するまで、試料を−80℃で安定に凍結させた。
肝臓および筋肉組織中のマロニルCoAレベルの分析は、下記の方法論を使用して評定することができる。
該方法では、下記の材料を利用する:Isotec(Miamisburg、OH、USA)から購入したマロニル−CoAテトラリチウム塩およびマロニル−13C3−CoAトリリチウム塩、過塩素酸ナトリウム(Sigma、カタログ番号410241)、トリクロロ酢酸(ACROS、カタログ番号42145)、リン酸(J.T.Baker、カタログ番号0260−01)、ギ酸アンモニウム(Fluka、カタログ番号17843)、メタノール(HPLCグレード、J.T.Baker、カタログ番号9093−33)、ならびに水(HPLCグレード、J.T.Baker、4218−03)を使用して、必要な移動相を作製した。ストラータXオンライン固相抽出カラム、25μm、20mm×2.0mm内径(カタログ番号00M−S033−B0−CB)は、Phenomenex(Torrance、CA、USA)から入手した。サンファイアC18逆相カラム、3.5μm、100mm×3.0mm内径(カタログ番号186002543)は、Waters Corporation(Milford、MA、USA)から購入した。
この方法は、下記の設備を利用して実施することができる。Agilent 1100バイナリポンプ、Agilent 1100クォータナリーポンプおよび2つのValcoケミナート6ポート2ポジションバルブを使用する二次元クロマトグラフィー。試料を、10℃に維持されたペルチェ冷却スタックおよび20μLのサンプリングループ付きのLEAP HTC PALオートサンプラーによって導入した。オートサンプラー用の針洗浄液は、洗浄1では水中10%トリクロロ酢酸(w/v)、および洗浄2では90:10 メタノール:水である。MicroTech ScientificマイクロLCカラムオーブンを使用して、分析カラム(サンファイア)を35℃に維持した。溶離液を、ターボイオンスプレー付きのABI Sciex API3000三連四重極質量分析計で分析した。
二次元クロマトグラフィーは、オンライン固相抽出および逆相クロマトグラフィーのための独特な勾配溶離条件を使用し並行して実施した。該方法の一般的設計は、試料クリーンアップおよび関心対象の分析物の捕捉に第一の次元を利用し、続いて第一の次元から第二の次元への溶離に両次元の一時的な連結を利用するようなものであった。次元は、その後連結を解かれて、定量化のために第二の次元からの分析物の勾配溶離を可能にし、一方で、同時に第一の次元には配列中の次の試料のための準備をさせた。両次元が一時的に一緒に連結された場合、第一の次元における移動相の流れは分析物溶離のために第二の次元に反転し、最適なピーク幅、ピーク形状および溶離時間を可能にした。
HPLCシステムの第一の次元は、PhenomenexストラータXオンライン固相抽出カラムを利用し、移動相は、溶媒Aについては100mM過塩素酸ナトリウム/0.1%(v/v)リン酸、溶媒Bについてはメタノールからなるものであった。
HPLCシステムの第二の次元は、WatersサンファイアC18逆相カラムを利用し、移動相は、溶媒Aについては100mMギ酸アンモニウム、溶媒Bについてはメタノールからなるものであった。勾配の初期条件を2分間維持し、この時間の間に、分析物を分析カラムに移した。初期条件は、分析物を分析的に保持しながら、オンラインSPEカラムから溶離するために十分な強度であることが重要であった。その後、勾配が4.5分で74.5%Aに直線的に上昇した後、洗浄および再平衡ステップを行った。
HPLCと連結した場合の質量分析は、複雑なマトリックス中の分析物を定量的に測定するための高選択的かつ高感度な方法となり得るが、依然として干渉および抑制を受ける。二次元HPLCを質量分析計と連結することにより、これらの干渉は大幅に減少された。加えて、三連四重極質量分析計の多重反応モニタリング(MRM)特色を利用することにより、シグナル対ノイズ比は大幅に改良された。
このアッセイに、質量分析計は、2250Vのターボイオンスプレー電圧を有する陽イオンモードで操作した。霧化ガスを450℃に加熱した。クラスタ分離電位(DP)、集束電位(FP)および衝突エネルギー(CE)を、それぞれ60、340および42Vに設定した。四重極1(Q1)解像度を単位解像度に設定し、四重極3(Q3)を低に設定した。CADガスを8に設定した。モニターされたMRM遷移は、マロニルCoAでは854.1→347.0m/z(L.Gaoら(2007)J.Chromatogr.B 853、303〜313)であり、マロニル−13C3−CoAでは857.1→350.0m/z、滞留時間は200msであった。分析物の予測される溶離時間付近で溶離液を質量分析計のほうへ方向転換させ、そうでない場合は廃棄に回して、ソースを保存し計装のロバスト性を改良するのを助けた。得られたクロマトグラムを、アナリストソフトウェア(Applied Biosystems)を使用して積分した。マロニルCoAについての組織中濃度を、水中トリクロロ酢酸の10%溶液において調製した標準曲線から算出した。
組織抽出物中のマロニル−CoAの定量化のための標準曲線を含む試料を、10%(w/v)トリクロロ酢酸(TCA)中、0.01から1pmol/μLまでの範囲で調製した。マロニル−13C3−CoA(0.4pmol/μLの最終濃度)を各標準曲線成分および試料に内部標準として添加した。
6つのイントラアッセイ品質の対照を調製し、3つは絶食した動物から調製したプール抽出物由来のもの、3つは給餌した動物から作製したプール由来のものであった。これらを、0、0.1または0.3pmol/μLの12C−マロニル−CoAおよびマロニル−13C3−CoA(0.4pmol/μL)を混ぜた独立の試料として流した。各イントラアッセイ品質の対照は85%の水性組織抽出物を含有しており、残りの部分は内部標準(0.4pmol/μL)および12C−マロニル−CoAが寄与したものであった。各実行にインターアッセイ対照が含まれており、該対照は、大腿四頭筋の1つの絶食した試料および1つの給餌したプール試料ならびに/または肝臓の1つの絶食した試料および1つの給餌したプール試料からなる。そのような対照には、いずれもマロニル−13C3−CoA(0.4pmol/μL)が混ぜられている。
本明細書において列挙されている、交付済み特許、特許出願および学術論文を含むがこれらに限定されないすべての刊行物は、参照によりその全体がそれぞれ本明細書に組み込まれる。
開示されている実施形態を参照して本発明を上述したが、当業者であれば、詳述されている特定の実験は本発明の例証にすぎないことを容易に理解するであろう。本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の修正が為され得ることを理解すべきである。したがって、本発明は、下記の請求項によってのみ限定される。