JP5647012B2 - ケイ素含有硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ基を有するケイ素化合物、及びエポキシ硬化剤若しくはエポキシ硬化触媒を含有するケイ素含有硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
シロキサン骨格を繰り返し単位とし、有機基にエポキシ基を有する化合物は、従来から用いられてきたビスフェノールA型エポキシ樹脂、(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の有機樹脂骨格のエポキシ化合物に比べて、耐熱性、耐光性、耐酸化性に優れた硬化物が得られ、エポキシ基を有する環状シロキサン基が直鎖状のポリシロキサン基で連結された化合物(例えば、特許文献1〜3を参照)は、可撓性に優れており発光ダイオードやフォトダイオード等の光半導体素子の封止材料として好適であることが知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。しかしながら、このような化合物から得られる硬化物は表面にタックが出やすいという欠点があり、表面コーティングの用途には使用できなかった。
これに対して、特許文献4ではエポキシ基を有する環状シロキサン化合物、エポキシ基を有する環状シロキサン基が直鎖状のポリシロキサン基で連結された化合物、及び環状シロキサン構造が環内で直鎖状(ポリ)シロキサン基で架橋されたエポキシシロキサン化合物を含有する組成物(特許文献4を参照)が開示されており、特許文献4で開示された組成物から得られる硬化物は、表面のタックは改善されているが、耐熱性が不十分であり、表面コーティングの用途に使用した場合には、高温で長期間使用した場合にはクラックが入りやすいという問題があった。
米国特許第6313255号明細書 国際公開第2007/046399号 特開2008−266485号公報 国際公開第2008/133108号
本発明の目的は、表面タックがなく、耐熱性に優れ、高温で長期間使用してもクラックが生じにくい硬化被膜が得られる硬化性組成物を提供することにある。
本発明は、(A)成分として1分子中に少なくとも2つのエポキシ含有基と、下記一般式(1)で表わされる基とを有するエポキシシロキサン化合物、(B)成分として1分子中に1〜10のケイ素原子と少なくとも2つのエポキシ含有基とを有するエポキシシロキサン化合物、及び(C)成分としてエポキシ硬化性化合物を含有し、
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(A)成分が、下記一般式(2)で表わされる基同士、又は下記一般式(2)で表わされる基及び下記一般式(3)で表わされる基が、上記一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、
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(B)成分が、下記一般式(4)、下記一般式(25)、下記一般式(26)又は下記一般式(27)で表わされる化合物であることを特徴とするケイ素含有硬化性樹脂組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
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本発明によれば、表面タックがなく、耐熱性に優れ、高温で長期間使用してもクラックが生じにくい硬化被膜が得られる硬化性組成物を提供することができる。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物の(A)成分は、1分子中に少なくとも2つのエポキシ含有基と、上記一般式(1)で表わされる基とを有するエポキシシロキサン化合物である。
一般式(1)において、R1〜R4は同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表わす。炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2級ブチル、イソブチル、t−ブチル等が挙げられる。炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル、エチルフェニル、トルイル、クメニル、キシリル、プソイドクメニル、メシチル、t−ブチルフェニル、フェネチル等が挙げられる。R1〜R4としては、耐熱性の点からは、メチル、エチル、フェニルが好ましく、メチル、フェニルが更に好ましく、フェニルが最も好ましい。粘度が低く、結晶化が起こりにくいという点からは、メチル、エチル、プロピル、ブチルが好ましく、メチル、エチルが更に好ましく、メチルが最も好ましい。このため、R1〜R4は、メチルとフェニルの組合せであることが好ましく、一般式(1)で表わされる基に含まれるR1〜R4において、メチルとフェニルの割合は、メチル基とフェニル基の比がモル比で40:60〜100:0であることが好ましく、60:40〜97:3であることが更に好ましく、65:35〜95:5であることが最も好ましい。
一般式(1)において、aは20〜10000の数を表わす。aが20よりも小さい場合には得られる硬化物の耐熱性が不充分となり、10000より大きい場合には粘度が大きくなり、ハンドリングに支障をきたす。aは、100〜5000が好ましく、200〜2000がより好ましい。
(A)成分は、1分子中に少なくとも2つのエポキシ含有基を有する。(A)成分中のエポキシ基の数は、耐クラック性の点から、少なくとも3つであることが好ましく、少なくとも4つであることが更に好ましい。(A)成分中のエポキシ基の含有量があまりに少ない場合には、硬化物にタックが出やすくなり、またあまりに多い場合には耐クラック性が低下することから、(A)成分のエポキシ当量が500〜50000であることが好ましく、700〜20000であることが更に好ましく、1000〜10000であることが最も好ましい。なお、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量(グラム数)をいう。
(A)成分のエポキシ含有基としては、下式(5)〜(24)等が挙げられ、反応性に優れ、原料の工業的な入手も容易であることから、式(10)の3−グリシジルオキシプロピル、式(16)の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、式(17)の2−(3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル)プロピルが好ましく、3−グリシジルオキシプロピル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルが更に好ましい。
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エポキシ含有基は、一般式(1)で表わされる基に直接結合してもよいが、(A)成分中のエポキシ含有基の数を多くすることができることから、連結基を介して一般式(1)で表わされる基に結合されることが好ましい。連結基としては、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環を有する基、シラン基、線状シロキサン基、環状シロキサン基等が挙げられ、耐熱性が向上することから、環状シロキサン基が好ましい。(A)成分が、一般式(1)で表わされる基に環状シロキサン基を介してエポキシ含有基が結合された化合物である場合は、耐熱性が特に良好であることから、下記一般式(2)で表わされる基同士、又は下記一般式(2)で表わされる基及び下記一般式(3)で表わされる基が、前記一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であることが好ましい。
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一般式(2)において、R5は、同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表わす。炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基としては、一般式(1)のR1〜R4で例示した基等が挙げられる。R5としては、耐熱性が向上することから、メチル、フェニルが好ましく、メチルが最も好ましい。
一般式(2)において、bは2〜5の数を表わし、工業的な原料の入手が容易であることから、bは2〜4の数が好ましく、2〜3の数が更に好ましく、3が最も好ましい。また、E1はエポキシ含有基を表わし、具体的には、前記式(5)〜(24)等が挙げられる。
一般式(3)において、cはb−c+1が0〜4の数となる2〜6の数を表わし、R1、E及びaは一般式(1)と同義である。
一般式(2)で表わされる基同士、又は一般式(2)で表わされる基及び一般式(3)で表わされる基が、一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物は、下記一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物のSiH基に、下記一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物のビニル基を反応させた後、更にSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物をヒドロシリル化反応させることにより得ることができる。
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一般式(2a)で表わされる化合物の中で、好ましい化合物としては、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリフェニルシクロトリシロキサン、2,4−ジメチル−6−フェニルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6−トリメチル−8−フェニルシクロテトラシロキサン、2,4−ジメチル−6,8−ジフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物と一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物とのヒドロシリル化反応は、触媒を用いて行うことが好ましく、ヒドロシリル化触媒としては、例えば、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。白金系触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体(Ossko触媒)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(KaRstedt触媒)、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド錯体、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt[P(C6534、PtCl[P(C6533、Pt[P(C4934]、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OC6534)、Pt[P(OC4934)、ジカルボニルジクロロ白金等が挙げられる。パラジウム系触媒又はロジウム系触媒としては、例えば、上記白金系触媒の白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有する化合物が挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ヒドロシリル化触媒としては、反応性の点から、白金系触媒が好ましく、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体及び白金−カルボニルビニルメチル錯体が更に好ましく、白金−カルボニルビニルメチル錯体が最も好ましい。また、触媒の使用量は反応性の点から、各原料の合計量の5質量%以下が好ましく、0.0001〜1.0質量%が更に好ましく、0.001〜0.1質量%が最も好ましい。ヒドロシリル化の反応条件は特に限定されず、上記触媒を使用して従来公知の条件で行なえばよいが、反応速度の点から、室温(25℃)〜130℃で行なうのが好ましく、反応時にトルエン、ヘキサン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の従来公知の溶媒を使用してもよい。
一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物と一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物との反応物と、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物とのヒドロシリル化反応は、一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物と一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物とのヒドロシリル化反応と同様の条件で行えばよく、このヒドロシリル化反応の後に、反応物を単離・精製せずに、引き続き反応させることが好ましい。
SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物としては、例えば、下式(5a)〜(20a)、(22a)〜(24a)の化合物を挙げることができ、このような化合物を用いることにより前記式(5)〜(20)、(22)〜(24)のエポキシ含有基がそれぞれ導入することができる。
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一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物と一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物とを反応させた後、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物を反応させる場合には、通常、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物と、一般式(2)で表わされる基及び一般式(3)で表わされる基が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物との混合物になる。一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物を選択的に得る場合には、一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物に対して一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物を大過剰に使用してヒドロシリル化反応を行い、反応終了後、未反応の一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物を除去してからSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物を反応させればよい。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物の(B)成分は、1分子中に1〜10のケイ素原子と少なくとも2つのエポキシ含有基とを有するエポキシシロキサン化合物である。(B)成分としては、耐熱性が向上することから下記一般式(4)で表わされる化合物が好ましい。(B)成分としては、その他に、例えば下記一般式(25)〜(27)で表わされる化合物等が挙げられる。
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一般式(4)、(25)〜(27)において、E2はエポキシ含有基を表わす。エポキシ含有基としては、前記式(5)〜(24)等が挙げられる。(B)成分のエポキシ含有基としては、(A)成分のエポキシ含有基と反応性を同等にするため、(A)成分のエポキシ含有基と同じ基であることが好ましい。
一般式(4)において、R6は同一でも異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表わす。炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基としては、一般式(1)のR1〜R4で例示した基等が挙げられる。R5としては、耐熱性が向上することから、メチル、フェニルが好ましく、メチルが最も好ましい。dは3〜6の数を表わし、原料の工業的な入手が容易であることから、dは3〜5の数が好ましく、3〜4の数が更に好ましく、4が最も好ましい。
一般式(25)において、R7〜R9はおのおの独立して炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表わす。炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基としては、一般式(1)のR1〜R4で例示した基等が挙げられる。R5としては、耐熱性が向上することから、メチル、フェニルが好ましく、メチルが最も好ましい。eは1〜3の数を表わし、f及びgはおのおの独立して0〜6の数を表わす。但し、ケイ素原子の合計は1〜10の数である。硬化物の耐熱性が向上することから、eは2〜3の数が好ましい。また、同様の理由からf及びgは、0〜2の数が好ましく、0〜1の数が更に好ましい。
一般式(26)において、R10〜R12はおのおの独立して炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表わす。炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基としては、一般式(1)のR1〜R4で例示した基等が挙げられる。R5としては、耐熱性が向上することから、メチル、フェニルが好ましく、メチルが最も好ましい。hは0〜8の数を表わし、硬化物の耐熱性が向上することから、0〜3の数が好ましく、0〜1の数が更に好ましく、0が最も好ましい。
一般式(27)において、R13及びR14はおのおの独立して炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表わす。炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基としては、一般式(1)のR1〜R4で例示した基等が挙げられる。R5としては、耐熱性が向上することから、メチル、フェニルが好ましく、メチルが最も好ましい。
一般式(4)、(25)〜(27)で表わされる化合物はそれぞれ、下記の一般式(4a)、(25a)〜(27a)で表わされる化合物のSiH基に、SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物をヒドロシリル化反応させることにより得ることができ、ヒドロシリル化反応は、一般式(1a)で表わされる鎖状シロキサン化合物と一般式(2a)で表わされる環状シロキサン化合物とのヒドロシリル化反応と同様の条件で反応すればよい。
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SiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するエポキシ化合物としては、式(5a)〜(20a)、(22a)〜(24a)の化合物を挙げることができ、このような化合物を用いることにより式(5)〜(20)、(22)〜(24)のエポキシ含有基がそれぞれ導入することができる。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物において、(A)成分に対する(B)成分の割合があまりに少ない場合には、硬化物が柔らかすぎて表面にタックが生じやすく、あまりに多い場合には硬化物の耐熱性が低下することから、(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して3〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部であることが更に好ましく、7〜35質量部であることが最も好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物の(C)成分は、エポキシ硬化性化合物である。エポキシ硬化性化合物としては、エポキシ硬化剤とエポキシ硬化触媒が挙げられる。本発明において、エポキシ硬化剤とは、エポキシ基と反応することによりエポキシ組成物を硬化させることが可能な化合物をいい、エポキシ硬化触媒とは、熱又はエネルギー線等の作用によりエポキシ同士を反応させる酸性物質若しくはアルカリ性物質を発生してエポキシ樹脂を硬化させる化合物をいう。
エポキシ硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール等のフェノール系硬化剤;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N-アミノエチルピペラジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′―ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のポリアミン系硬化剤;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等のポリカルボン酸系硬化剤等が挙げられ、耐熱性が高い硬化物が得られることから、フェノール系硬化剤、ポリカルボン酸系硬化剤が好ましく、ポリカルボン酸系硬化剤が更に好ましい。
(C)成分のエポキシ硬化性化合物としてエポキシ硬化剤を使用する場合は、良好な硬化物が得られることから、エポキシ硬化剤の使用量は、(A)成分及び(B)成分に含まれるエポキシ基1モルに対して、エポキシ硬化剤が有するエポキシ反応性基が0.4〜1.2モルとなる量が好ましく、0.5〜0.9モルとなる量が更に好ましい。また、エポキシ硬化剤を使用する場合は、本発明の効果を確保する観点から、エポキシ硬化剤の使用量は、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく15〜40質量部が更に好ましい。
エポキシ硬化触媒としては、比較的低温で反応が進行することから、酸性物質を発生するタイプのエポキシ硬化触媒が好ましく、中でも、保存安定性及び反応性が良好であることから、有機オニウム塩系硬化触媒が更に好ましい。有機オニウム塩系硬化触媒としては、ジアゾニウム塩系触媒、ヨードニウム塩系触媒、スルホニウム塩触媒等が挙げられ、これらは熱による硬化型のものでもよいし、エネルギー線による硬化型のものでもよい。一般的には、熱による硬化には、脂肪族オニウム塩、エネルギー線による硬化には芳香族オニウム塩が使用されている。有機オニウム塩系硬化触媒は、少ない使用量で良好な硬化を得ることができ、エネルギー線により硬化を行う場合、(C)成分としては、(A)成分との相溶性が良好であることから、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が好ましい。また、熱により硬化を行う場合、(C)成分としては、(A)成分との相溶性が良好であることから、脂肪族スルホニウム塩が好ましい。
本発明において、芳香族ヨードニウム塩とは、ヨードニウムの置換基のうち少なくとも1つの基がアリール基であるヨードニウム塩をいう。芳香族ヨードニウム塩としては、4−イソプロポキシ−4'−メチルジフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、4−イソプロポキシ−4'−メチルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−イソプロポキシ−4'−メチルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(トリルクミル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(トリルクミル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ビス(ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ターシャリブチルフェニル)ヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート等が挙げられる。
本発明において、芳香族スルホニウム塩とは、スルホニウムの置換基のうち少なくとも1つの基がアリール基であるスルホニウム塩をいう。芳香族スルホニウム塩としては、4,4'−ビス[ジ(4−ヘプトキシフェニル)スルホニオフェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4'−ビス[ジ(4−ヘプトキシフェニル)スルホニオフェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾイル−フェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4'−ビス〔ビス((β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4'−ビス〔ビス((β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4'−ビス[ビス(フルオロフェニル)スルホニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4'−ビス[ビス(フルオロフェニル)スルホニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4'−ビス(ジフェニルスルホニオ)フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4'−ビス(ジフェニルスルホニオ)フェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジ−(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−エトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−エトキシカルボニルオキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
本発明において、脂肪族スルホニウム塩とは、スルホニウムの置換基のすべてが脂肪族炭化水素基又は置換基を有する脂肪族炭化水素であるスルホニウム塩をいう。脂肪族スルホニウム塩としては、ジメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(3−メチル−2−ブテニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジルテトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロアンチモネート、シンナミルジメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート、、1−(α−ナフチルメチル)テトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(α−ナフチルメチル)テトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(シンナミル)テトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(シンナミル)テトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
(C)成分のエポキシ硬化性化合物としてエポキシ硬化触媒を使用する場合は、エポキシ硬化触媒の含有があまりに少ないと硬化が不十分となり、またあまりに多い場合には、硬化物の耐熱性に悪影響が出る場合があることから、エポキシ硬化触媒の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.05〜3質量部であることが更に好ましく、0.1〜1質量部であることが最も好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物は、(C)成分のエポキシ硬化性化合物の種類を適宜選択することで、硬化の種類として、熱硬化、光硬化、あるいは光及び熱の両方による硬化を選ぶことができる。熱硬化の場合の硬化温度は60〜200℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。硬化時間は0.1〜10時間が好ましく、1〜6時間がより好ましい。光硬化の場合は、使用できる活性エネルギー線として、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等がある。ここで使用される紫外線源としては、高圧水銀ランプが好ましい。照射エネルギーは、塗布した膜厚により最適条件が異なるが、通常100〜10000mJ/cm2の範囲内である。また、光硬化の後に熱硬化を行う場合は、通常60〜150℃の範囲で加熱すればよい。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物は、本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物の性能を低下させない範囲で、他のエポキシ化合物、硬化促進剤、増感剤、金属酸化物微粉末、耐候性付与剤等の任意の添加剤を含有してもよい。但し、金属酸化物微粉末以外の添加剤については、それらを含有させる場合は、本発明の効果を確保する観点から、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量が、本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物から金属酸化物微粉末の含量を除いた量に対して90質量%以上となる範囲で含有させることが好ましい。
本発明において、上記他のエポキシ樹脂とは、分子中に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であって、本発明に係る(A)成分及び(B)成分以外の化合物をいう。好ましい他のエポキシ樹脂としては、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,1−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−m−ジオキサン、ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル]アジペート、6−(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニルオキシ)ヘキサン酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルエステル等の脂環式エポキシ化合物;ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルのようなビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂のようなノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールのような多官能型のエポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂;脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル;脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸のポリエステルポリオールのポリグリシジルエーテル;脂肪族多価カルボン酸のポリグリシジルエステル;脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸のポリエステルポリカルボン酸のポリグリシジルエステル;グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのビニル重合により得られるダイマー、オリゴマー、ポリマー;グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートと他のビニルモノマーとのビニル重合により得られるオリゴマー、ポリマー;エポキシ化ポリブタジエン、下記一般式(28)で表わされるエポキシシロキサン化合物等が挙げられる。
Figure 0005647012
上記他のエポキシ化合物としては、分子量が100〜1000のものが、得られる硬化物の機械的強度の向上が顕著となるので好ましく、またエポキシ当量としては100〜600が好ましい。他のエポキシ化合物の配合量があまりに多い場合には、得られる硬化物の耐熱性が低下することがあることから、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。また、他のエポキシ化合物を配合した場合には、(C)成分がエポキシ硬化剤である場合には、(A)成分、(B)成分及び他のエポキシ化合物のエポキシ基の合計の含量にあわせて、エポキシ硬化触媒である場合には、(A)成分、(B)成分及び他のエポキシ化合物の合計の含有量にあわせて、(C)成分の量を適宜変更することが好ましい。
上記硬化促進剤は、エポキシ基とエポキシ硬化剤との反応促進するための化合物であり、特に、エポキシ硬化剤が、フェノール系硬化剤又はポリカルボン酸系硬化剤である場合に、配合することが好ましい。硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びその塩;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルホウ酸、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルホウ酸、N−メチルモルホリン・テトラフェニルホウ酸等のテトラフェニルホウ酸塩等をあげることができる。硬化促進剤の配合量は、本発明の組成物中の(A)成分、(B)成分及び他のエポキシ化合物の合計量の100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましい。
上記増感剤は、エネルギー線により硬化する場合の、エネルギー線の適応可能な波長範囲を拡大することができる化合物である。増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、2,4−ジメトキシアセトフェノン、2,5−ジメトキシアセトフェノン、2,6−ジメトキシアセトフェノン、4,4−ジメトキシアセトフェノン、4−エトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、アントラキノン、ヒドロキシアントラキノン、1−ニトロアントラキノン、アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、アントラキノンスルホン酸、1,2−ベンズアントラキノン、1,4−ヒドロキシアントラキノン(キニザリン)等のアントラキノン類、アントラセン、1,2−ベンゾアントラセン、9−シアノアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチル)アントラセン等のアントラセン類、2,3−ジクロロ−6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、メトキシベンゾキノン、2,5−ジクロロ−p−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、9,10−フェナンスレキノン、カンファ−キノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、キサントン等のキノン類、チオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−イソプロピルチオキサンソン等のチオキサン類、ジベンゾスベロン、ジベンゾスベレン、ジベンゾスベレノール、ジベンゾスベラン等のシクロヘプタン類、2−メトキシナフタレン、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−ベンゾイルジフェニル、o−ベンゾイル安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4−メチル−ジフェニルスルフィド、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル等の芳香族化合物、及び色素系増感性物質であるクマリン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、キサンテン系化合物等が挙げられる。増感剤の添加量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることが更に好ましい。
上記金属酸化物微粉末としては、例えば鉱物等の無機材料が挙げられる。具体的には、コロイダルシリカ、シリカフィラー、シリカゲル等の二酸化ケイ素類;酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物;マイカ、モンモリロナイト、けい石、珪藻土類、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、ミネソタイト、パイロフィライト等の鉱物類等が挙げられ、また、これらを有機変性処理等によって改質したものでもよい。これらの中でも二酸化ケイ素類が好ましい。
上記の金属酸化物微粒子の粒径は、耐熱性の点から100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。金属酸化物微粒子の配合量は、本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物中において0.1〜80質量%であることが好ましく、0.5〜70質量%であることが更に好ましい。
上記耐候性付与剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の周知一般に用いられているものを使用することができる。例えば、光安定剤としてはヒンダードアミン類が挙げられ、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類、ベンゾエート類、シアノアクリレート類が挙げられ、フェノール系酸化防止剤としてはトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,6−ジ−t−ブチル−パラクレゾール(DBPC)等が挙げられ、硫黄系酸化防止剤としては、ジアルキルチオジプロピオネート類、β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられ、リン系酸化防止剤としては、有機ホスファイト類が挙げられる。
上記耐候性付与剤を使用する場合、その含有量は、耐熱性、電気特性、硬化性、力学特性、保存安定性、ハンドリング性の点から、本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物中において0.0001〜50質量%が好ましく、0.001〜10質量%がさらに好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物は、室温(25℃)で良好な流動性があり、ハンドリング性に優れる。流動性に関しては、金属酸化物微粉末を含まない状態で、室温(25℃)においてE型粘度計で測定した粘度が50Pa・以下であるのが好ましく、10Pa・以下であるのがより好ましい。
本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は、透明性、耐クラック性、耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐候性、耐汚染性、難燃性、耐湿性、ガスバリヤ性、可撓性、伸びや強度、電気絶縁性、低誘電率性等の力学特性、光学特性、電気特性等に優れ、特に表面タックが少なく、耐熱性に優れている。このため、本発明のケイ素含有硬化性樹脂組成物は、電気・電子材料分野における表示材料・光材料・記録材料・半導体等の封止材料、高電圧絶縁材料、絶縁・防振・防水・防湿を目的としたポッティング・シーリング材、プラスチック部品の試作母型、コーティング材料、層間絶縁膜、絶縁用パッキング、光導波路、光ファイバー保護材、光学レンズ、光学機器用接着剤、高耐熱性接着剤、高放熱性材料、高耐熱シール材、太陽電池・燃料電池用部材、絶縁被覆材、複写機用感光ドラム等に応用でき、特に、コーティング材料として好適に使用できる。
以下、実施例等により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
尚、特に断りのない限り、実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。また、質量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒としてGPC(Gel Permeation Chromatography)分析を行った場合のポリスチレン換算の質量平均分子量とした。また、エポキシ当量は、JIS K−7236(エポキシ樹脂の求め方)に準拠して測定した。
〔製造例1:鎖状シロキサン化合物a−1〕
温度計、攪拌装置を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水130g、48%水酸化ナトリウム水溶液550g及び溶剤としてトルエン100gを仕込み、撹拌しながら30℃以下でジメチルジクロロシラン129g(1mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に105℃で5時間撹拌を続けた。得られた反応溶液をイオン交換水500gで水洗して精製した食塩を除去した後、60℃で溶媒を減圧留去した。この反応物にピリジン63g(0.8mol)を加えて溶解した、ジメチルビニルクロロシラン12.1g(0.1mol)を加えて70℃で30分間攪拌した。その後、イオン交換水100gで水洗した後、100℃で溶媒を減圧留去し、両端にビニル基を有する鎖状シロキサン化合物a−1を得た。鎖状シロキサン化合物a−1は一般式(1a)において、R1〜R4がメチル基であり、GPCによる質量平均分子量は40000(aが538に相当する)であった。
〔製造例2:鎖状シロキサン化合物a−2〕
製造例1においてジメチルジクロロシラン129g(1mol)の代わりに、ジメチルジクロロシラン116g(0.9mol)及びジフェニルジクロロシラン25.3g(0.1mol)の混合物を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い両端にビニル基を有する鎖状シロキサン化合物a−2を得た。鎖状シロキサン化合物a−3は一般式(1a)において、R1〜R2がメチル基であり、R3〜R4がメチル基とフェニル基の混合(メチル基:フェニル基=9:1)であり、GPCによる質量平均分子量は20000(aが230に相当する)であった。
〔製造例3:鎖状シロキサン化合物a−3〕
製造例1においてジメチルジクロロシラン129g(1mol)の代わりに、ジメチルジクロロシラン90.3g(0.7mol)及びジフェニルジクロロシラン75.9g(0.3mol)の混合物を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い両端にビニル基を有する鎖状シロキサン化合物a−3を得た。鎖状シロキサン化合物a−3は一般式(1a)において、R1〜R2がメチル基であり、R3〜R4がメチル基とフェニル基の混合(メチル基:フェニル基=7:3)であり、GPCによる質量平均分子量は10000(aが88に相当する)であった。
〔製造例4:高分子量エポキシシロキサン化合物A−1〕
温度計、攪拌装置を備えたガラス製反応容器に、鎖状シロキサン化合物a−1を40g(1mmol)、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.44g(6mmol)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)10mg及び溶剤としてトルエン50gを仕込み、攪拌しながら105℃で2時間反応させた。80℃で未反応の2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンと溶媒を減圧留去した後、アリルグリシジルエーテル0.92g(8mmol)及び溶剤としてトルエン50gを仕込み、攪拌しながら105℃で3時間反応させた。反応終了後、80℃で未反応のアリルグリシジルエーテルと溶媒を減圧留去し高分子量エポキシシロキサン化合物A−1を得た。高分子量エポキシシロキサン化合物A−1は、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、一般式(1)において、R1〜R4がメチル基、aが538であり、一般式(2)においてR5がメチル基、E1が3−グリシジロキシプロピル、bが3である化合物である。また、高分子量エポキシシロキサン化合物A−1のエポキシ当量は6700であった。
〔製造例5:高分子量エポキシシロキサン化合物A−2〕
製造例4において、鎖状シロキサン化合物a−1を40g(1mmol)の代わりに、鎖状シロキサン化合物a−2を20g(1mmol)使用した以外は製造例4と同様の操作を行い、高分子量エポキシシロキサン化合物A−2を得た。高分子量エポキシシロキサン化合物A−2は、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、一般式(1)において、R1〜R2がメチル基、R3〜R4がメチル基とフェニル基の混合(メチル基:フェニル基=9:1)であり、aが230であり、一般式(2)においてR5がメチル基、E1が3−グリシジロキシプロピル、bが3である化合物である。また、高分子量エポキシシロキサン化合物A−2のエポキシ当量は3400であった。
〔製造例6:高分子量エポキシシロキサン化合物A−3〕
製造例4において、鎖状シロキサン化合物a−1を40g(1mmol)の代わりに、鎖状シロキサン化合物a−3を10g(1mmol)使用した以外は製造例4と同様の操作を行い、高分子量エポキシシロキサン化合物A−3を得た。高分子量エポキシシロキサン化合物A−3は、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、一般式(1)において、R1〜R2がメチル基、R3〜R4がメチル基とフェニル基の混合(メチル基:フェニル基=7:3)であり、aが88であり、一般式(2)においてR5がメチル基、E1が3−グリシジロキシプロピル、bが3である化合物である。また、高分子量エポキシシロキサン化合物A−2のエポキシ当量は1600であった。
〔製造例7:高分子量エポキシシロキサン化合物A−4〕
製造例4において、アリルグリシジルエーテル0.92g(8mmol)の代わりに1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン0.99g(8mmol)を使用した以外は製造例4と同様の操作を行い、高分子量エポキシシロキサン化合物A−4を得た。高分子量エポキシシロキサン化合物A−4は、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、一般式(1)において、R1〜R4がメチル基、aが538であり、一般式(2)においてR5がメチル基、E1が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、bが3である化合物である。また、高分子量エポキシシロキサン化合物A−4のエポキシ当量は6700であった。
〔製造例8:高分子量エポキシシロキサン化合物A−5〕
製造例4において、鎖状シロキサン化合物a−1を40g(1mmol)の代わりに、鎖状シロキサン化合物a−2を20g(1mmol)、アリルグリシジルエーテル0.92g(8mmol)の代わりに1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン0.99g(8mmol)を使用した以外は製造例4と同様の操作を行い、高分子量エポキシシロキサン化合物A−5を得た。高分子量エポキシシロキサン化合物A−5は、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、一般式(1)において、R1〜R2がメチル基、R3〜R4がメチル基とフェニル基の混合(メチル基:フェニル基=9:1)であり、aが230であり、一般式(2)においてR5がメチル基、E1が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、bが3である化合物である。また、高分子量エポキシシロキサン化合物A−5のエポキシ当量は3400であった。
〔製造例9:高分子量エポキシシロキサン化合物A−6〕
温度計、攪拌装置を備えたガラス製反応容器に、鎖状シロキサン化合物a−2を16g(0.8mmol)、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.144g(0.6mmol)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)10mg及び溶剤としてトルエン50gを仕込み、攪拌しながら105℃で2時間反応させ、アリルグリシジルエーテル0.92(8mmol)を添加して、更に105℃で3時間反応させた。反応終了後、80℃で未反応のアリルグリシジルエーテルと溶媒を減圧留去し高分子量エポキシシロキサン化合物A−6を得た。高分子量エポキシシロキサン化合物A−6は、一般式(2)で表わされる基同士が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物と、一般式(2)で表わされる基及び下記一般式(3)で表わされる基が一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物との混合物であり、一般式(1)において、R1〜R2がメチル基、R3〜R4がメチル基とフェニル基の混合(メチル基:フェニル基=9:1)であり、aが230であり、一般式(2)及び一般式(3)においてR5がメチル基、E1が3−グリシジロキシプロピル、bが3である化合物である。また、高分子量エポキシシロキサン化合物A−6のエポキシ当量は5100であった。
〔製造例10:低分子量エポキシシロキサン化合物B−1〕
温度計、攪拌装置を備えたガラス製反応容器に、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン48g(0.2mol)、アリルグリシジルエーテル114g(1mol)、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)10mg及び溶剤としてトルエン200gを仕込み、攪拌しながら105℃で3時間反応させた。この後、100℃で未反応のアリルグリシジルエーテルと溶媒を減圧留去し低分子量エポキシシロキサン化合物B−1を得た。低分子量エポキシシロキサン化合物B−1は、一般式(4)において、R6がメチル基、E2が3−グリシジロキシプロピル、dが4である化合物であり、エポキシ当量は174であった。
〔製造例11:低分子量エポキシシロキサン化合物B−2〕
製造例10において、アリルグリシジルエーテル114g(1mol)の代わりに1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン124g(1mol)を使用した以外は製造例10と同様の操作を行い、低分子量エポキシシロキサン化合物B−2を得た。低分子量エポキシシロキサン化合物B−2は、一般式(4)において、R6がメチル基、E2が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、dが4である化合物であり、エポキシ当量は184であった。
〔製造例12:低分子量エポキシシロキサン化合物B−3〕
製造例10において、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン48g(0.2mol)の代わりにテトラキス(ジメチルシロキシ)シラン65.6g(0.2mol)を使用した以外は製造例10と同様の操作を行い、低分子量エポキシシロキサン化合物B−3を得た。低分子量エポキシシロキサン化合物B−3は、一般式(25)において、R8〜R9がメチル基、E2が3−グリシジロキシプロピル、eが3、f及びgが1である化合物であり、エポキシ当量は226であった。
〔製造例13:比較のエポキシシロキサン組成物D−1〕
国際公開第2008/133108号の実施例1に準じ、温度計、攪拌装置を備えたガラス製反応容器に、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン80g、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン37.2g、2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン122.6g及び溶媒として1,4−ジオキサン925gを仕込み、加熱撹拌し、70℃で白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)10mgを添加した後、65〜100℃で8時間反応させた。30℃に冷却してアセトニトリル925gを添加し、30℃で2時間攪拌し、更に、活性炭800gを添加して30℃で48時間撹拌を行った。活性炭をろ過により除去した後、ろ別した活性炭をアセトニトリルで洗浄し、その洗浄液を回収して、先に得られたろ液と混合した。エバポレーターを用いて、減圧条件下、加熱温度40℃にて、回収された混合液から1,4−ジオキサン及びアセトニトリルを留去し、比較のエポキシシロキサン組成物D−1を得た。比較のエポキシシロキサン組成物D−1のエポキシ当量は251であった。
〔製造例14:比較組成物D−2〕
国際公開第2008/133108号の実施例14に準じ、温度計、攪拌装置を備えたガラス製反応容器に、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン55.0g、下記式(29)で表されるポリシロキサン化合物63.0g、2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン110g及び溶媒として1,4−ジオキサン1000gを仕込み、加熱撹拌し、70℃で白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)10mgを添加した後、65〜100℃で8時間反応させた。以下、製造例11と同様の操作を行い、比較のエポキシシロキサン組成物D−2を得た。比較のエポキシシロキサン組成物D−1のエポキシ当量は272であった。
Figure 0005647012
〔実施例1〜23、比較例1〜28〕
(A)成分として高分子量エポキシシロキサン化合物A−1〜5、(B)成分として低分子量エポキシシロキサン化合物B−1〜3、(C)成分として下記化合物C−1〜3、比較用の組成物D−1〜2及び下記化合物D−3、並びに硬化促進剤として下記化合物E−1を用いて、下記表1及び表2に示す配合で混合し実施例1〜23及び比較例1〜28のケイ素含有硬化性樹脂組成物を調製した。得られたケイ素含有硬化性樹脂組成物を用いて、下記<試験片の調製>に従って試験片を調製した。
(C)成分
C−1:エポキシ硬化触媒(光硬化触媒)として、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
C−2:エポキシ硬化触媒(熱硬化触媒)として、1−(シンナミル)テトラヒドロチオフェニウムヘキサフルオロアンチモネート
C−3:エポキシ硬化剤として、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
比較の低分子量エポキシ化合物
D−3:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(縮合度8)エポキシ当量177
硬化促進剤
E−1:ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩
<試験片の調製>
実施例1〜23及び比較例1〜28のケイ素含有硬化性樹脂組成物をそれぞれ、縦50mm、横50mm、厚さ1mmの正方形のガラス基板に膜厚が20μmになるように塗布し、下記の条件で光硬化又は熱硬化させることにより、実施例1〜23及び比較例1〜28の試験片を得た。
(光硬化条件)
実施例1〜14又は比較例1〜15のケイ素含有硬化性樹脂組成物を塗布したガラス基板に、高圧水銀灯を用いて紫外線を10mJ/cm2(波長365nm露光換算)で照射し、次いで120℃の恒温槽で10分間ポストベイクすることにより硬化させた。
(熱硬化条件)
実施例15〜23又は比較例16〜28のケイ素含有硬化性樹脂組成物を塗布したガラス基板を、120℃の恒温槽で1時間、次いで150℃で2時間加熱することにより硬化させた。
得られた試験片を用いて、以下の埃付着性試験及び耐熱密着性試験を行った。
(埃付着性試験)
試験片を粉末状シリカゲル(和光純薬社製、商品名:ワコーゲルC−100)の入った容器に、全体が埋まるまで入れた。試験片を容器から引き上げた後、ガラス板上に10cmの高さから硬化面が垂直になるように3回落下させた。この後、試験片の、800nmの光の透過率を測定した。結果を表1、2に示す。この透過率が低いほど表面のタックがあることを示す。尚、シリカゲル付着前の試験片の800nmの光の透過率は、いずれも99%以上であった。
(耐熱密着性試験)
試験片を200℃の恒温槽に入れ、120日まで30日ごとに試験片を顕微鏡観察し、硬化物の剥がれやクラックの発生を調べた。表1、2に剥がれやクラックが初めて見つかった日数を示す。なお、120日経過後も剥がれやクラックが見られなかったものは120日以上とした。
Figure 0005647012
Figure 0005647012

Claims (3)

  1. (A)成分として1分子中に少なくとも2つのエポキシ含有基と、下記一般式(1)で表わされる基とを有するエポキシシロキサン化合物、(B)成分として1分子中に1〜10のケイ素原子と少なくとも2つのエポキシ含有基とを有するエポキシシロキサン化合物、及び(C)成分としてエポキシ硬化性化合物を含有し、
    Figure 0005647012
    (A)成分が、下記一般式(2)で表わされる基同士、又は下記一般式(2)で表わされる基及び下記一般式(3)で表わされる基が、上記一般式(1)で表わされる基で連結されたエポキシシロキサン化合物であり、
    Figure 0005647012
    Figure 0005647012
    (B)成分が、下記一般式(4)、下記一般式(25)、下記一般式(26)又は下記一般式(27)で表わされる化合物であることを特徴とするケイ素含有硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005647012
    Figure 0005647012
    Figure 0005647012
    Figure 0005647012
  2. (B)成分が、記一般式(4)で表わされるエポキシ化合物である請求項に記載のケイ素含有硬化性樹脂組成物。
  3. (B)成分の含有量が(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して3〜50質量部である請求項1又は2に記載のケイ素含有硬化性樹脂組成物。
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