JP5643949B2 - 植物抽出物およびその治療上の使用 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、植物抽出物およびその治療上の使用に関する。
発明の背景
WO03/101479A1は、典型的には筋肉内注射によって一緒に投与される、様々な成分を含む組成物の有用な治療特性を記載している。実施例にて用いられた組成物はカモミール抽出物を含むが、それに起因する直接的な治療活性はない;むしろ、その存在が注射自体の好ましくない効果を軽減しうる抗刺激剤として記載されている。
WO2007/057651A1は、脂質基を有する水溶性不純物、特にカモミールの水性組成物に由来するエンドトキシンを除去する製造方法を開示している。
WO01/13929A1には、セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)から単離された実質的に純粋な生物活性のある抽出物が記載されている。この抽出物、好ましくは、メタノール抽出物は、抗悪性腫瘍活性を有し、抗癌剤として用いられている。
WO2008/146009A1には、ヒト顆粒球細胞株HL60における5−リポキシゲナーゼ活性およびヒト膠芽細胞腫細胞株U87MGにおけるDNA合成に対するカモミール精油もしくはブラッククミンの種油または両油の混合物の効果が記載されている。この参考文献には、ヒトマクロファージ細胞株THP1におけるIL−6放出およびヒト前立腺癌細胞DU145におけるDNA合成に対する該油の効果も記載されている。
US6300370B1には、カモミール精油の製造方法が記載されている。この製造方法において、カモミール抽出残渣は水蒸気蒸留または水性蒸留にさらされる。該カモミール抽出残渣は、前述の出発物質の水蒸気蒸留処理ありまたはなしの条件で、カモミールの花および茎を水性もしくは有機溶媒またはその混合物で処理することによって得られる。
「P.Vilagines, P. Delaveau and R. Vilagines "Inhibition de la replication du poliovirus par un extrait de Matricaria chamomilla (L.)", Comptes Rendus de l'Academie des Sciences, Serie III, Tome 301, No. 6, 1985, pages 289 to 294」は、ポリオウイルス1型の増殖に対するジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla L.)の含水アルコール抽出物の効果を記載している。ポリオウイルス発生の初期にこのカモミール抽出物を加えると、該抽出物は細胞およびウイルスRNA合成を阻害する。この阻害は部分的に可逆性である。
発明の目的
異常増殖性疾患および/またはウイルス性疾患の治療用の組成物を提供することは、本発明の目的である。
ヒトまたは動物の体における異常増殖性哺乳類細胞、特に癌細胞の同期化およびS期停止のための組成物を提供することは、本発明のさらなる目的である。
この同期化は、オルニチンデカルボキシラーゼの誘導および/またはトポイソメラーゼIIの阻害を含むべきである。
異常増殖性疾患の治療であって、該組成物および少なくとも1つの抗腫瘍剤の同時または連続投与を含む治療用の組成物を提供することも、本発明の目的である。
これらの目的は、本発明で達成される。
発明の概略
本発明は、独立請求項にて定義する特徴によって特徴付けられる。
好ましい実施態様は、従属請求項にて定義されている。
該組成物は、少なくとも1つのカモミール属(Chamomilla)の植物の有機抽出物、ならびに少なくとも1つの抗腫瘍剤、ならびに任意に少なくとも1つの医薬的および/または皮膚科学的に許容される助剤から成っていてもよい。
驚くべきことに、現在では、WO2007/057651A1などに記載されているように、頭状花(flower heads)から得られたカモミール抽出物は、有用な治療特性を有していることがわかっている。特に、該カモミール抽出物はタンパク質合成に対して実質的な影響を及ぼすことなくDNAおよびRNA合成を減少させることができることがわかっており、そこから癌の治療における有用性を推定することができる。
さらに驚くべきことに、ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)(フローレステュビフォルミス(Flores tubiformis))の筒状花の有機抽出物は、異常増殖性哺乳類細胞、特に癌細胞の同期化およびS期停止に適していることがわかっている。
この同期化は、オルニチンデカルボキシラーゼの誘導(G期からG期への移行)ならびにトポイソメラーゼIIの阻害(S期の初期での蓄積および停止)のために生じる。
トポイソメラーゼIIの阻害は、水性抽出物よりも有機抽出物での阻害の方が100倍を超えて強いこともわかった(酵素の完全阻害のための濃度について)。
トポイソメラーゼIIの阻害は細胞同期化の有効性に極めて重要であるという事実のために、本発明のジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)、(フローレステュビフォルミス(Flores tubiformis))の筒状花の有機抽出物は、対応する水性抽出物よりもはるかに強力である。
発明の記載
本発明は、カモミールの水性抽出物を用いて得られたデータ、およびジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)、(フローレステュビフォルミス(Flores tubiformis))の筒状花の有機抽出物、特にアルコール抽出物、例えばエタノール抽出物を用いて得られたデータに基づくものである。
利用できる証拠は、下記のようにして得られたカモミール水性抽出物は、タンパク質生合成を維持する一方、DNAおよびRNA生合成を減少させることを示している。これは、該抽出物の望ましい特性の優れた尺度である。
水性および/または有機抽出物は、当業者に周知のいずれかの適当な方法によって得られうる。該抽出物は、水性および/または有機溶媒、特にアルコール溶媒、例えばエタノール溶媒などを用いることによって得ることができ、他の成分から分離される。
水性抽出物の好ましい製造方法は、WO2007/057651A1に記載されている。
好ましくは、本発明の組成物は、医薬補助剤からなる群から選択される、好ましくは医薬品および医薬賦形剤からなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
水性抽出物は、精製工程にかけてもよい。該抽出物は水溶性成分の多成分混合物を含む。該抽出物は、適切な植物部分に水を加え、懸濁液を得、次いで通常は水の沸点以下の温度、例えば90〜94℃まで加熱し、次いで室温まで冷却することによって得られうる。
次いで、該水性抽出物を2段階の濾過ステップにかける。例証目的のためのみに、これらは以下でそれぞれ精密濾過および限外濾過として記載されているであろう。他の技術、例えば親油性バリアの使用なども適しているであろう。各濾過ステップは、必要に応じて、1、2または2を超える段階にて行われてよい。
精密濾過は、除去しなければ限外濾過ステップの有効性を損なうであろう物質を除去するために適用される。
下記のパートにて図面の簡単な説明を提供する:
図1はシステム4に関し、HepG2細胞におけるDNA合成(A)、RNA合成(B)、およびタンパク質生合成(C)に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は150、500、および1660μg/mlである。 図2は図1に類似しているが、用いた抽出物濃度は10、50、100、および150μg/mlである。 図3はシステム4に関し、RNA合成(A)およびタンパク質生合成(B)に対する実施例4の抽出物の効果を示し、図2(A)に示す結果を考慮して計算している。 図4はシステム4に関し、HT1376細胞におけるDNA合成(A)、RNA合成(B)、およびタンパク質生合成(C)に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は150、500、および1660μg/mlである。 図5はシステム4に関し、C33−A細胞におけるDNA合成(A)、RNA合成(B)、およびタンパク質生合成(C)に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は150、500、および1660μg/mlである。 図6はシステム5に関し、24時間後のHepG2細胞におけるアポトーシスの誘導に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は10、50、100、150、および300μg/mlである。 図7はシステム5に関し、24時間後のHepG2細胞における細胞毒性(膜完全性)に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は10、50、100、150、および300μg/mlである。 図8はシステム5に関し、48時間後のHepG2細胞におけるアポトーシスの誘導に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は10、50、100、150、および300μg/mlである。 図9は実施例10に関し、6、24、および48時間後のHepG2細胞におけるオルニチンデカルボキシラーゼ発現の誘導に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は30、100、および150μg/mlである。 図10は実施例11に関し、無細胞アッセイにおけるトポイソメラーゼIの阻害に対する実施例7の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は0.3、1、3、10、および30μg/mlである。陽性対照として、カンプトテシンを用いた。 図11は実施例12に関し、無細胞アッセイにおけるトポイソメラーゼIIの阻害に対する実施例7、8、および9の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は0.3、1、および3μg/mlである。陽性対照として、エトポシドを用いた。 図12は実施例13に関し、HepG2細胞におけるS期での細胞周期停止の誘導に対する実施例4の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は10、50、100、および150μg/mlである。陽性対照として、カンプトテシンを用いた。 図13は実施例12に関し、無細胞アッセイにおけるトポイソメラーゼIIの阻害に対する実施例7の抽出物の効果を示す。用いた抽出物濃度は0.3、1、3、10、および30μg/mlである。陽性対照として、エトポシドを用いた。比較目的で、0.3、3、および30μg/mlのα−ビサボロールまたは0.3、3、および30μg/mlのジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)の精油を用いた。
下記のパートにおいて、本発明の可能な実施態様が記載されている。
下記の実施例は、本発明を例証している。
実施例にて得られたサンプルの細菌性エンドトキシンの分析は、希釈係数1:10.000を用いたCambrex PyroGeneアッセイで行った。
実施例1および2
45gの黄色のカモミールの筒状花(Chamomilla recutita)を900gの水(精製水、Ph.Helv.)と混合した。この混合物を、20〜30分の間に90℃〜94℃の間の温度まで加熱した。その後、30℃〜35℃の間の温度に達するまで該混合物を室温(15℃〜25℃)で保存した。
薬物残渣を深層濾過によって除去した。得られた粗濾液を、0.22μmの膜に通す濾過によって精製した。
精製した濾液に、抽出物質量に対して0.3%(実施例1)または0.1%(実施例2)のヒマシ油(Ph.Eur.)を加えた。得られた混合物を5分間ホモジナイズした。このようにして製造した抽出物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を0.22μmの膜を用いて回収した。
得られた透過物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を0.1μmの膜を用いて回収した。最終的に、得られた透過物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を1000kDaの膜を用いて回収した。
各最終濾液の細菌性エンドトキシンの残渣は、<100EU/mlである。
実施例3〜5
ヒマシ油の代わりに、抽出物質量に対して0.3%(実施例3)、1.0%(実施例4;VIP−E_Matr’06_1003)および3.0%(実施例5)のミグリオール(mygliol)(Ph.Eur.)を精製した濾液に加えた以外は、実施例1を繰り返した。
各最終濾液の細菌性エンドトキシンの残渣は、<100EU/mlである。
実施例6
本実施例は修正したプロトコールを使用しており、オートクレーブ内ではなく10Lの二層容器内で攪拌しながら加熱および冷却を行った(加熱装置の最高温度は140℃)。
ヒマシ油の代わりにミグリオール(Mygliol)を加えた。ミグリオール(mygliol)は、ハンセラー(Hanseler)から購入した「非経口使用のためのミグリオール812(Mygliol 812 for parenteral use)」を使用した。該混合物をホモジナイゼーションする代わりに室温で10分間攪拌した。
上記の製造方法の精密濾過は、全てMillipore Pellicon 2システムで行った。実行可能性を高め、時間のかかる洗浄工程を回避するために、本実施例の精密濾過は下記の道具を用いて行った:
Figure 0005643949
さらに、該抽出物の安定化のために、フェノールを加えた。加えたフェノールの量は、6.0〜8.0mg/mlであった。フェノールは、1000kDa濾過の後に加えた。添加後、全てのフェノールが溶解するまで、懸濁液をおよそ10分間攪拌した。
各場合においてエンドトキシンレベルは低いものであった。
実施例7(液体抽出物ViP−E_Matr’08_1102の製造)
ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)の花序から100gの筒状花を500gの80%(m/m)エタノールを用いて、40℃〜60℃の間の温度で2時間、攪拌しながら抽出したが、これは溶媒に対する薬物の割合が1/5に相当するものである。その後、セルロースフィルター(AF 6 Filtrox(登録商標))を用いて該調合液を深層濾過にかけた。固体含有量が4.43%(m/m)である385gの透明な暗褐色の液体抽出物を得た。
実施例8(液体抽出物ViP−E_Matr’08_1106の製造)
ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)の花序から100gの筒状花を500gの90%(m/m)エタノールを用いて、40℃〜60℃の間の温度で2時間、攪拌しながら抽出したが、これは溶媒に対する薬物の割合が1/5に相当する。その後、セルロースフィルター(AF 6 Filtrox(登録商標))を用いて該調合液を深層濾過にかけた。固体含有量が1.89%(m/m)である398gの透明な暗褐色の液体抽出物を得た。
実施例9(液体抽出物ViP−E_Matr’08_1105の製造)
ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)の花序から100gの筒状花を500gの99.9%(m/m)エタノールを用いて、40℃〜60℃の間の温度で2時間、攪拌しながら抽出したが、これは溶媒に対する薬物の割合が1/5に相当する。その後、セルロースフィルター(AF 6 Filtrox(登録商標))を用いて該調合液を深層濾過にかけた。固体含有量が1.54%(m/m)である412gの透明な暗褐色の液体抽出物を得た。
下記の実施例は、実施例4、7、8および9の抽出物の薬理活性プロフィールを例証している。
実施例10(オルニチンデカルボキシラーゼ発現の誘導)
実施例4に従って製造した液体抽出物VIP−E_Matr’06_1003を用いて、オルニチンデカルボキシラーゼ発現実験を行った。
オルニチンデカルボキシラーゼ発現の誘導の測定のために、該抽出物をHepG2細胞に濃度150、100、または30μg/mlにて加えた。そのように処理した細胞を10%FBS培地中で6時間、24時間、または48時間培養した。
次いで、オルニチンデカルボキシラーゼの量の変化をウェスタンブロット分析によって決定した。
図9に示したデータから、本発明の抽出物が濃度依存様式にてオルニチンデカルボキシラーゼ発現を誘導することは明らかである。
実施例11(比較例;トポイソメラーゼI活性の阻害)
実施例7に従って製造した液体抽出物ViP−E_Matr’08_1102を用いて、トポイソメラーゼI活性実験を抽出物濃度0.3、1、3、10、または30μg/mlで行った。陽性対照として、カンプトテシンについても併せて実験を行った。
トポイソメラーゼI活性の阻害の測定のために、トポゲン(TopoGEN)から購入した精製ヒトDNAトポイソメラーゼIおよび「トポイソメラーゼIドラッグスクリーニングキット(Topoisomerase I Drug Screening Kit)」に該抽出物を加えた。それに関して、製造業者のプロトコールに従って進めた。アガロースゲルを用いた電気泳動によってDNAを分離し、エチジウムブロマイドで染色後、UV光の下で可視化した。この方法で、トポイソメラーゼIによって生じた弛緩型DNA(トポイソマー)が検出でき、超らせん型DNA基質からはっきりと分離できた。
図10に示したデータから、本発明の抽出物がトポイソメラーゼI活性を非常に弱くではあるが濃度依存様式にて阻害することが明らかである。
実施例12(トポイソメラーゼII活性の阻害)
実施例7に従って製造した液体抽出物ViP−E_Matr’08_1102、実施例8に従って製造した液体抽出物ViP−E_Matr’08_1106、または実施例9に従って製造した液体抽出物ViP−E_Matr’08_1105を用いて、トポイソメラーゼII活性実験を抽出物濃度0.3、1、または3μg/mlで行った。陽性対照として、エトポシドについても併せて実験を行った。
トポイソメラーゼIIの阻害は、トポゲン(TopoGEN)から購入した精製ヒトDNAトポイソメラーゼIIαおよび「トポイソメラーゼIIドラッグスクリーニングキット(Topoisomerase II Drug Screening Kit)」を用いて決定した。それに関して、製造業者のプロトコールに従って進めた。アガロースゲルを用いた電気泳動によってDNAを分離し、エチジウムブロマイドで染色後、UV光の下で可視化した。この方法で、トポイソメラーゼIIによって生じた弛緩型DNA(トポイソマー)が検出でき、超らせん型DNA基質からはっきりと分離できた。
図11に示したデータから、本発明の抽出物の全てがトポイソメラーゼII活性を濃度依存様式にて強く阻害することが明らかである。阻害の程度は、抽出溶媒としてのエタノールの%(m/m)濃度が増加するにつれて(99%>90%>80%)はっきりと増加している。99%(m/m)エタノールで製造された抽出物は、300ng/ml程度の低濃度でさえ酵素活性の実質的な完全阻害を示した。
この阻害は、実施例4の水性抽出物で得られた阻害の100倍を超える強さであった。完全阻害にはおよそ150μg/mlが必要であった(データは示していない)。
実施例13(S期における細胞周期停止の誘導)
実施例4に従って製造した液体抽出物VIP−E_Matr’06_1003を用いて、細胞周期分析実験を行った。S期における細胞周期停止についての陽性対照として、カンプトテシンについても併せて実験を行った。
細胞周期停止の誘導の測定のために、該抽出物をHepG2細胞に濃度10、50、100、または150μg/mlにて加えた。そのように処理した細胞を、10%FBS培地中で48時間培養した。
次いで、細胞サイトメトリー分析によって、細胞周期のG1、SまたはG2期にある細胞の量の変化を決定した。
図12に示したデータから、本発明の抽出物が10μg/mlの低濃度で、インキュベーションの48時間後にはすでにS期における強力な細胞周期停止を誘導することが明らかである。
実施例14(樹脂抽出物の製造)
実施例9と類似の方法で得られた液体抽出物から、減圧下(300から10mbar)でわずかに温度を上昇させて(35℃から45℃)溶媒を蒸発させた。乾燥物質含有量が>99%(m/m)である6.4gの暗褐色の樹脂抽出物を得た。
得られた樹脂抽出物は、精油がない、またはほとんどない(<0.01%(m/m))ことが分かった。エタノールの含有量は<0.05%(m/m)であり、水の含有量は<0.01%(m/m)であることが分かった。
実施例15(無水液体抽出物の製造)
実施例9と類似の方法で得られた6.4gの液体抽出物に、6.4gのオレイン酸(Ph.Eur.)および19.2gのマクロゴール400(Ph.Eur.)を加えた。
減圧下(300から10mbar)でわずかに温度を上昇させて(35℃から45℃)エタノールを蒸発させた。不揮発性成分の含有量が>99%(m/m)である31.8gの暗褐色の自由流動性の液体抽出物を得た。
得られた無水液体抽出物は、精油がない、またはほとんどない(<0.01%(m/m))ことが分かった。エタノールの含有量は<0.05%(m/m)であり、水の含有量は<0.01%(m/m)であることが分かった。
実施例16(無水液体抽出物の製造)
実施例14と類似の方法で得られた10gの樹脂抽出物に、10gのオレイン酸(Ph.Eur.)および20gのマクロゴール400(Ph.Eur.)を加えた。この混合物をホモジナイズした。
そのようにして得られた無水液体抽出物は、不揮発性成分の含有量が>99%(m/m)であった。
実施例17
20gの黄色のカモミールの筒状花(ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.))を380gの水(精製水、Ph.Helv.)と混合した。この混合物を、20〜30分の間に90℃〜94℃の間の温度まで加熱した。その後、30℃〜35℃の間の温度に達するまで該混合物を室温(22℃)で保存した。
薬物残渣を深層濾過によって除去した。得られた粗濾液を、0.22μmの膜に通す濾過によって精製した。
精製した濾液に、抽出物質量に対して0.3%のミグリオール(mygliol)(Ph.Eur.)を加えた。得られた混合物を5分間ホモジナイズした。このようにして製造した抽出物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を0.22μmの膜を用いて回収した。
得られた透過物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を0.1μmの膜を用いて回収した。最終的に、得られた透過物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を1000kDaの膜を用いて回収した。
乾燥物質含有量が1.1%(m/m)である309gの透明な水性抽出物が得られた。
実施例18
ローマカミツレ(Anthemis nobilis L)の20gの頭状花全体を使用した以外は、実施例17と同一の方法を用いた。
乾燥物質含有量が1.6%(m/m)である295gの透明な水性抽出物が得られた。
実施例19
40gの黄色の筒状花(セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L.))を760gの水(精製水、Ph.Helv.)と混合した。この混合物を、20〜30分の間に90℃〜94℃の間の温度まで加熱した。その後、30℃〜35℃の間の温度に達するまで該混合物を室温(22℃)で保存した。
薬物残渣を深層濾過によって除去した。得られた粗濾液を、0.22μmの膜に通す濾過によって精製した。
精製した濾液に、抽出物質量に対して0.3%のミグリオール(mygliol)(Ph.Eur.)を加えた。得られた混合物を5分間ホモジナイズした。このようにして製造した抽出物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を0.22μmの膜を用いて回収した。
得られた透過物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を0.1μmの膜を用いて回収した。最終的に、得られた透過物を濾過し(接線流モードにて)、残余分を1000kDaの膜を用いて回収した。
乾燥物質含有量が1.3%(m/m)である667gの透明な水性抽出物が得られた。
実施例20
40gのセイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L.)の頭状花全体を使用した以外は、実施例19と同一の方法を用いた。
乾燥物質含有量が1.4%(m/m)である634gの透明な水性抽出物が得られた。
実施例21
ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)の花序から20gの筒状花を100gの99.9%(m/m)エタノールを用いて、40℃〜60℃の間の温度で2時間、攪拌しながら抽出したが、これは溶媒に対する薬物の割合が1/5に相当する。その後、セルロースフィルター(AF 6 Filtrox(登録商標))を用いて該調合液を深層濾過にかけた。固体含有量が1.62%(m/m)である71gの透明な暗褐色の液体抽出物を得た。
実施例22
セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L.)の花序から40gの筒状花を200gの99.9%(m/m)エタノールを用いて、40℃〜60℃の間の温度で2時間、攪拌しながら抽出したが、これは溶媒に対する薬物の割合が1/5に相当する。その後、セルロースフィルター(AF 6 Filtrox(登録商標))を用いて該調合液を深層濾過にかけた。固体含有量が1.62%(m/m)である153gの透明な暗褐色の液体抽出物を得た。
実施例23(DNA合成(BrdU取り込みアッセイ))
実施例21の液体抽出物について、インビトロでヒト肝臓癌細胞(HepG2)中のDNA合成を阻害する能力を調べた。
細胞増殖を決定するために、5−ブロモ−2’−デオキシ−ウリジン(BrdU)ラベリング・アンド・ディテクションキットIII(Roche Applied Science;マンハイム、ドイツ)を用いて、新たに合成されたDNAを定量化した。BrdUは、新たな細胞DNAに取り込まれうるチミジン類似体である。[Gratzner, H. G. (1982) Science 218, 474-475を参照のこと]。
要約すると、ヒト肝臓癌細胞(HepG2)をトリプシン処理によって収集し、10000細胞/ウェルで96ウェルマイクロプレート内に播種した。37℃で5%CO中に24時間プレインキュベーションした後、下記の濃度の実施例21の液体抽出物を用いて該細胞を30時間処理した:0、1、3、10および100μg/ml。
次いで、10μlのBrdU(100μM)を該細胞に加え、さらに18時間インキュベートした。インキュベーション後、エタノールで固定する前に、該細胞を培地で3回洗浄し、過剰なBrdUを除去した。ペルオキシダーゼ(POD)で標識した抗BrdU抗体と共にインキュベーションする前に、DNAをヌクレアーゼで部分的に消化し、取り込まれたBrdUに該抗体が接近できるようにした。過剰な抗体を洗浄した後、PODの基質であるABTSを加えた。PODはABTSの切断を触媒し、有色の反応生成物が生成する。Safireマルチファンクショナルマイクロプレートリーダー(Tecan、メンネドルフ、スイス)を用いて、反応生成物の吸光度を405nm(参照波長は490nm)で測定した。ウェルあたりの測定した吸光度は、細胞DNAに取り込まれたBrdUのレベルと直接相関する。
サンプルポイントは三重測定した;誤差は標準偏差として表した(データは示していない)。
サンプルのデータは溶媒対照値のパーセンテージとして表し、IC50値はグラフパッド・ソフトウェア社(GraphPad Software Inc)(Prism、version 5、サンディエゴ、カリフォルニア州、米国)を用いて計算した。
結果
結果、実施例21の液体抽出物は、およそ7μg/ml(6.228〜7.881μg/ml)のIC50値を有した。それゆえ、該液体抽出物は、ヒト肝臓癌細胞(HepG2)の増殖を用量依存様式にて阻害した。
本発明の組成物は、当業者に周知の方法によって製剤化することができる。医薬的に許容される成分が用いられるべきである。
投与は好ましくは静脈内、または、より好ましくは、筋肉内注射によって行われる。
活性成分を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態にあってもよい。
治療上の使用は癌、例えば肺癌、肝臓癌および膵臓癌などの治療(および、おそらくは予防も)を含む。他の使用は、乾癬、強皮症および天疱瘡などの局所疾患、伝染性気管支炎、肉腫(カポジ肉腫など)を含む癌、白血病、皮膚癌ならびに下記で具体的に治療を例証している癌、ならびにAIDSを含む。より一般的には、該組成物は増殖性およびウイルス性疾患、特にDNAまたはRNAウイルスに関連する疾患の治療に用いられてよい。RNAウイルスに対する作用は直接的であってよく、一方、DNAウイルスおよび癌に対する作用は少なくとも進行性であってよい。該薬剤は、運動ニューロン疾患および多発性硬化症などの他の遺伝病の治療にも有用でありうる。
該薬剤は、他のウイルス性疾患の治療にも用いられうる。例えば、SARS(重症急性呼吸器症候群)の場合には、該ウイルスはコロナウイルスであってよい。さらに、該薬剤は獣医学において、例えばニューカッスル病および鶏痘などの鳥類病において有用性を有してよい。
下記の研究は、実施例4の抽出物を用いて得られた本発明のさらなる態様を例証している。
1)本研究の目的
システム4:RNA、DNAおよびタンパク質生合成
RNA、DNAおよびタンパク質生合成に対する実施例4の抽出物の影響を、3つの異なる細胞株(HepG2:肝臓癌細胞;C33−A:子宮頚癌細胞およびHT1376:膀胱癌細胞)を用いてインビトロで調べた。
システム5:アポトーシスおよび膜完全性
さらに、HepG2細胞でアポトーシスの誘導に対する実施例4の抽出物の影響を検査した。同時に、HepG2細胞で実施例4の抽出物の細胞毒性(膜完全性)を調べた。
2)材料および方法
2.1)サンプルおよびサンプル製造
Figure 0005643949
VIP−E_Matr’06_1003は実施例4に従って製造した。
2.2)アッセイ条件
Figure 0005643949
2.3)アッセイ
2.3.3)RNA/DNA合成
RNAおよびDNA合成のために、アッセイ細胞(HepG2:肝臓癌細胞(ヒト);C33−A:子宮頚癌細胞(ヒト)およびHT1376:膀胱癌細胞(ヒト))をトリプシン処理によって収集し、10000細胞/ウェルで96ウェルプレート内に播種した。該細胞を必要濃度のサンプルで処理した後、該プレートを37℃で5%CO中、2時間インキュベートした。24時間のさらなるインキュベーションの間、RNA合成用に該細胞を5−H−ウリジン(1μCi/ml)(Perkin Elmer)でパルス処理し、DNA合成用に6−H−チミジン(1μCi/ml)(Perkin Elmer)でパルス処理した。該細胞をPBSで洗浄し、メタノールで5分間、2回固定した。0.3NのTCAによってタンパク質を沈殿させた。洗浄ステップ後、150μlの0,3N NaOHを15分間加え、該細胞を溶解した。細胞を含まないサンプルで陰性対照t(0)を行った。
RNA合成用に取り込まれた5−H−ウリジンおよびDNA合成用に取り込まれた6−H−チミジンを検出するために、シンチレーションカクテルを入れたシンチレーションチューブに該サンプルを移した。定量化は、Tri−Carb 1900 TR液体シンチレーションカウンター(Packard、米国)で行った。
アッセイ条件下で放射標識の量(dpm)を決定することによって、いくつかの濃度のサンプルの効果を測定した。用量に依存した値は、陽性対照値のパーセンテージとして表した。サンプルポイントは二重測定し、誤差は平均値からの差として表している。
特定細胞の5−H−ウリジン取り込み率(%)は、DNA合成アッセイから得られた結果を考慮して計算した。それぞれの合成値(%)をDNA合成係数で割った。
2.3.4)タンパク質生合成
タンパク質生合成用に、アッセイ細胞(HepG2:肝臓癌細胞(ヒト);C33−A:子宮頚癌細胞(ヒト)およびHT1376:膀胱癌細胞(ヒト))をトリプシン処理によって収集し、10000細胞/ウェルで96ウェルプレート内に播種した。該細胞を必要濃度のサンプルで処理した後、該プレートを37℃で5%CO中、2時間インキュベートした。24時間のさらなるインキュベーションの間、該細胞をL−[3,4,5−H(N)]−ロイシン(1μCi/ml)(Perkin Elmer)でパルス処理した。該細胞をPBSで2回洗浄し、RIPA緩衝液で溶解し、氷上で15分間インキュベートした。溶解物をチューブに移した。250μlの氷冷TCA(20%)を加え、該サンプルを氷上でさらに15分間インキュベートした。10000xg、4℃で20分間遠心分離後、上清を除去し、ペレットを250μlのTCA(5%)中に再懸濁し、再び遠心分離した。各サンプルの回収した溶解物を250μlのNaOH(0,2N)中に再懸濁し、50℃で2分間加熱した。細胞を含まないサンプルで陰性対照t(0)を行った。
取り込まれたL−[3,4,5−3H(N)]−ロイシンを検出するために、シンチレーションカクテルを入れたシンチレーションチューブに該サンプルを移した。定量化はTri−Carb 1900 TR液体シンチレーションカウンター(Packard、米国)で行った。
アッセイ条件下で放射標識の量(dpm)を決定することによって、いくつかの濃度のサンプルの効果を測定した。用量に依存した値は、陽性対照値のパーセンテージとして表した。サンプルポイントは四重測定し、誤差は標準偏差として表している。
特定細胞のL−[3,4,5−3H(N)]−ロイシン取り込み率(%)は、DNA合成アッセイから得られた結果を考慮して計算した。それぞれの合成値(%)を増殖係数で割った。
2.3.5)アポトーシスアッセイ
HepG2細胞(肝臓癌細胞(ヒト))をトリプシン処理によって収集し、10000細胞/ウェルで100μlにて96ウェルプレート内に播種した。24時間後、20μlのサンプルおよび80μlの新鮮培地(総容量200μl)を加えた。該プレートをさらに24時間インキュベートし、追加実験では48時間インキュベートした。該プレートを200xgで10分間遠心分離後、上清を捨て、ペレットを200μlの溶解緩衝液中、室温で30分間溶解した。最終的に溶解物を200xgで10分間遠心分離した。溶媒対照(=陰性対照)は、サンプルの代わりに溶媒を用いて行った。播種およびインキュベーションは、37℃で5%CO下のインキュベーター内で行った。
溶解物上清中の細胞質ヒストン関連DNA断片(モノおよびオリゴヌクレオソーム)は、インビトロで細胞死検出ELISAplusキット(Cell Death Detection ELISAplus Kit)(Roche、カタログ番号:11 774 425 001)を業者の推奨に従って用いることによって決定した。
吸光度はマイクロプレートリーダー装置(TECAN Infinite M200)を用いて波長λ=405nmで測定し、参照波長はλ=490nmとした。細胞質に放出されたモノおよびオリゴヌクレオソームの特異的濃縮係数は、以下のように計算した:
濃縮係数=サンプルの吸光度/対応する陰性対照の吸光度
サンプルポイントは二重測定し、誤差は平均値からの差として表している。
2.3.6)LDH−細胞毒性アッセイ(壊死の誘導)
LDH−細胞毒性アッセイ(膜完全性/壊死の誘導):細胞毒性は、HepG2細胞(肝臓癌細胞(ヒト))で検査した。該細胞を一晩かけて96ウェルプレート内に10000細胞/ウェルで播種した。20μlの示された濃度の各サンプルおよび溶媒対照ならびに80μlの新鮮培地(総容量200μl)を加えた。播種およびインキュベーションは、37℃で5%CO下のインキュベーター内で行った。24時間のインキュベーション後、LDH−細胞毒性アッセイキット(BioVision、#K311−400、カリフォルニア州、米国)を用いて膜完全性を測定した。
該細胞の膜完全性は、サンプルの影響下で培地に放出された細胞質の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の活性を測定することによって決定した。該酵素の活性は、基質としてのテトラゾリウム塩(INT)から産生されたホルマザンを決定することによって測定した。ホルマザンの量は、プレートリーダー(TECAN Infinite M200)を用いて波長λ=490nmで光学濃度(OD)を決定することによって直接測定した。
各検査濃度について、バックグラウンド(サンプルを含むが細胞を含まないアッセイ混合物)のOD値を、細胞を含む場合のOD測定値から引き算した。OD490値をパーセンテージ値に変換し、溶媒で溶解した(トリトンX−100)細胞の測定値に対応する細胞毒性の表示を100%、および溶媒のみと共にインキュベートした細胞に対応する細胞毒性の表示を0%とした。光学測定は二重に行った。誤差は平均値からの差として表した。
4)まとめ
DNA、RNAおよびタンパク質生合成について、実施例4の抽出物は下記の効果を示した:DNA合成は用量依存的に抑制された一方、かなりの高用量にするまでRNA合成は依然として影響を受けず、タンパク質生合成はわずかに影響を受けるのみであるか、または、増殖性細胞の量に合わせると、増加さえした(図3)。この効果は、3種全ての細胞株について、非細胞毒性の投与量範囲にて明らかであり、細胞停止および分化可能の兆候として解釈することができる。全ての検査した癌細胞、HepG2肝臓癌細胞、HT1376膀胱癌細胞およびC33A子宮頚癌細胞は、この現象を示した。
アポトーシスと壊死(LDH漏出および細胞膜完全性の喪失によって示される)の識別のためにHepG2細胞で続いて開始した実験において、24時間後、検査した最も高い投与量においてさえ、我々はアポトーシスの誘導を検出しなかった。実施例4の抽出物は、アポトーシスにも細胞毒性にも何ら効果を示さなかった。
それゆえ、追加実験は該細胞を48時間インキュベーションして行うことを決定した。興味深いことに、48時間後においても、アポトーシスの誘導がないことが分かった。
図13から、実施例7の抽出物は濃度3μg/ml以上からトポイソメラーゼII活性の完全阻害を示すことが明らかである。3μg/ml未満の濃度では、阻害は検出できない。
α−ビサボロールは、カモミール属(Chamomilla)の植物の精油の主成分の1つであるが、検査した全ての濃度においてトポイソメラーゼII活性に影響しなかった。
ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)の精油は、トポイソメラーゼII活性をほとんど阻害しなかった。比較的高濃度の30μg/mlでの不完全阻害のみが観察された。
本発明の目的のために、用語「を含有する(containing)」または「を含む(comprising)」は付加的な化合物または成分も存在してよいことを意味するものとし、一方、用語「からなる(consist)」は明示的に言及したもの以外の付加的な化合物または成分が存在しないことを意味するものとする。
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Claims (28)

  1. 異常増殖性疾患および/またはウイルス性疾患の治療用の、少なくとも1つのカモミール属(Chamomilla)の植物の有機抽出物を含む組成物であり、該抽出物がフローレステュビフォルミス(Flores tubiformis)から得られるが、ただし、該ウイルス性疾患の治療用にはジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla(L.))の単抽出物が除外される組成物。
  2. 該組成物が少なくとも1つのカモミール属(Chamomilla)の植物の有機抽出物、ならびに任意に少なくとも1つの医薬的および/または皮膚科学的に許容される助剤からなることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 該異常増殖性疾患の治療が異常増殖性哺乳類細胞、特に癌細胞の同期化およびS期停止を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1項に記載の組成物。
  4. 該同期化がオルニチンデカルボキシラーゼの誘導および/またはトポイソメラーゼ(トポイソメラーゼIIを含む)の阻害を含むことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. 該有機抽出物が、エタノールを包含する2〜6個の炭素原子を有するアルコールでの抽出、またはアセトンを包含する3〜5個の炭素原子を有するケトンでの抽出によって得られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 該カモミール属(Chamomilla)の植物が、
    −ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)およびコシカギク(Matricaria discoidea DC.)を含むカミツレ属(Matricaria)の種
    −ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)、キゾメカミツレ(Anthemis arvensis L.)、カミツレモドキ(Anthemis cotula L.)およびコウヤカミツレ(Anthemis tinctoria L.)を含むローマカミツレ属(Anthemis)の種、
    −モロッコカモミール(Ormenis multicaulis Br.−Bl. & Maire)ならびに
    −ケープカモミール(Eriocephalus punctulatus DC.)、からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 該カモミール属(Chamomilla)の植物が、ジャーマンカモミール(Matricaria recutita L.)であることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  8. 抽出される植物部分が精油を除去するために前もって水蒸気蒸留にさらされることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 10000ダルトン未満の分子量を有する成分を収集し、10000ダルトンを超える分子量を有する成分を除去するために有機抽出物の一次液を分子量濾過にかけ、得られた液体抽出物画分を任意に乾燥粉末に処理することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 10000ダルトンを超える分子量を有する成分を収集し、10000ダルトン未満の分子量を有する成分を除去するために有機抽出物の一次液を分子量濾過にかけ、得られた液体抽出物画分を任意に乾燥粉末に処理することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 少なくとも1つの医薬的および/または皮膚科学的に許容される助剤を含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 該治療が該組成物および少なくとも1つの抗腫瘍剤の同時または連続投与を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 該治療が、
    −該異常増殖性哺乳類細胞、特に該癌細胞を同期化し、それらをS期にて停止させるために該組成物を少なくとも5日間投与し、次いで、
    −該投与が、少なくとも1つの抗腫瘍剤の投与の開始前に、少なくとも24時間中止されることを含み、
    −該抗腫瘍剤の投与の間、該組成物が投与されず、かつ、
    −続く該抗腫瘍剤の排出期の間も、該組成物が投与されない、
    ことを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  14. 該治療周期を少なくとも3回繰り返すことを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
  15. 該組成物が少なくとも1つのカモミール属(Chamomilla)の植物の有機抽出物、ならびに少なくとも1つの抗腫瘍剤、ならびに任意に少なくとも1つの医薬的および/または皮膚科学的に許容される助剤からなることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 該抗腫瘍剤が天然、半合成または合成由来であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 該抗腫瘍剤が、
    −代謝拮抗剤、
    −DNAアルキル化剤、
    −有糸分裂阻害剤、および
    −DNA挿入剤
    からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 一次抽出物が、脂質基を有する少なくとも1つの水溶性不純物であって、下記のステップ:
    (i)該不純物と複合体を形成する親油性成分と該組成物を接触させること;
    (ii)ステップ(i)にて形成された複合体より大きな粒径を有する物質を除去する第一除去ステップ;および
    (iii)ステップ(i)にて形成された複合体を除去する第二除去ステップ、
    によって除去される不純物を含有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 該不純物が、タンパク質基を有するリポ多糖および炭水化物を含み、グラム陰性菌の細胞壁の断片および細胞壁を構成する分子の断片からなる群から選択されるエンドトキシンであることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
  20. 該エンドトキシンが、少なくとも1つの脂質鎖を有する糖タンパク質であることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  21. 該エンドトキシンが500ダルトンを超える分子量を有することを特徴とする、請求項19または20に記載の組成物。
  22. 該親油性成分が、脂肪油を含む油であることを特徴とする、請求項18〜21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. ステップ(iii)が、0.001〜0.01μmの範囲の孔径を有するフィルターを用いる限外濾過を含むことを特徴とする、請求項18〜22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 該抽出物がエンドトキシンを含まない、または実質的に含まないことを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
  25. 該抽出物が25EU/ml以下の量のエンドトキシンを含有することを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 該治療が該組成物の注射、または経口、直腸もしくは局所投与によって実現することを特徴とする、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物。
  27. 異常増殖性疾患および/またはウイルス性疾患の治療用の薬剤の製造のための、少なくとも1つのカモミール属(Chamomilla)の植物の有機抽出物を含む組成物の使用であるが、ただし、該ウイルス性疾患の治療用にはジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla (L.))の単抽出物が除外される使用。
  28. 該組成物が請求項2〜26のいずれか1項に定義した組成物であることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
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