JP5642262B2 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
例えば,特許文献1に示されるものでは,電動機4と,減速機構35と,発熱部品を搭載するパワー基板41と,非発熱部品を搭載する制御基板60と,トルクセンサ用コネクタ52と車速センサ用コネクタ53と電源用コネクタ51とが一体に成型され,配線用の導電板がインサート成型された回路ケース50と,パワー基板41などの熱を放熱するヒートシンク70とを備え,ヒートシンク70に密着されたパワー基板41と,パワー基板41を覆ってヒートシンクに組み付けられた回路ケース50と,回路ケースに組み付けられた制御基板60とが順に積層状態とされて制御装置40を構成し,電動機4がハウジング21の支持部材21aによりヒートシンク70に組み付けられ,ヒートシンク70が減速機構35に組み付けられるように構成されている。
このようにモータとモータ駆動制御装置が一体型になった構造では装置の小型化が可能となる。
また,特許文献2の構造では,モータフレームとハウジングを締結するネジの位置と数が適切でなく,モータの電磁加振力によって振動が大きくなってしまうという課題があった。
前記モータ駆動制御装置は,前記モータの駆動制御を行うスイッチング素子を実装され,前記モータのフロント側またはリヤ側に配置されるヒートシンクと,前記ヒートシンクに結合されるハウジングとを含み,前記ハウジングと前記ヒートシンクの当接面が前記モータの回転軸方向と交差する単一の平面上にあり,かつ前記フレーム,ヒートシンク,ハウジングを互いに結合するためのネジ穴の位置が周方向で一致するように設けられていると共に,前記モータと前記モータの出力軸に結合されるギヤとの当接面が,前記ネジ穴に挿入されたネジの前記モータの回転軸方向に延長した直線上に位置している。
更に,ハウジングとヒートシンクの当接面がモータの回転軸方向と交差する単一の平面上にある構造としたので,加工が容易であり,材料コストも低減でき,シール性確保も容易となるという効果が得られる。
図1はこの発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の概略断面図で,モータ10と,モータ10のフロント側(モータの出力軸側)に配置され,モータ10と一体型となったモータ駆動制御装置30を備えている。
モータ駆動制御装置30において,コネクタ90は電源と操舵トルクや車速情報など所定の情報を電気信号として受け取り,電気的接続部70と制御基板60に送られる。ヒートシンク50に設けられた凹状の穴55に平滑コンデンサ74とコイル75が埋設された構造となっている。ヒートシンク50とハウジング40とがネジ102で連結され,ハウジング40とモータ10のフレーム11がネジ101で連結される。ここで,ハウジング40とヒートシンク50は金属で構成されており,例えばアルミダイキャストが適している。
なお,ハウジング40及びヒートシンク50の構造の詳細については後述する。
W相,V相も同様の構成となっている。
モータ駆動制御装置30は,図5の制御基板60,図6の電気的接続部70と平滑コンデンサ74とコイル75とスイッチング素子73,図7のヒートシンク50,図8のハウジング40をモータ10の回転軸方向に積み上げて構成されている。
この制御基板60は,ネジ止めや制御信号線73hとの半田付けにより電気的接続部70に保持される。
なお、電気的接続部70はヒートシンク50にネジ止め等で保持される。
図1のモータ駆動制御装置30では,ハウジング40とヒートシンク50を有しており,ハウジング40とヒートシンク50はモータ10の回転軸方向に2つの別部品として配置されている。このようにモータ10の回転軸方向に2つ以上の別部品が配置された場合,従来の構造では,それら部品の固定方法が適切でないため剛性が低下し,振動・騒音が大きくなるという問題があった。しかしながら,この発明ではモータ10のフレーム11と前記2つ以上の別部品で構成されたハウジング40とヒートシンク50を締結するためのネジ101,102を通すために設けられたネジ穴42,52の位置が周方向において一致する構造としている。ネジ穴42,52の位置が周方向で一致していることで,車両に組み込まれた状態やアセンブリ時にモータ10及びモータ駆動制御装置30の周辺の部品との機械的干渉を防ぐことができるという効果がある。また,剛性が上がり,振動・騒音を低減できるという効果がある。またその他,ギヤとのモータ駆動制御装置30の締結用ネジ穴53の配置の自由度が向上する。
図10はこの発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の概略断面図で,モータ駆動制御装置30を電動パワーステアリングのギヤ側(減速機構側)とは反対側(モータ10のリヤ側)に配置し一体型としたものである。
モータ駆動制御装置30はマイクロコンピュータ64を実装した制御基板60を具備し,制御基板60からみてモータ10側にコイル75と平滑コンデンサ74を電気的に接続する電気的接続部70を具備し,スイッチング素子73がスイッチング素子配置部54に配置され,更に,スイッチング素子配置部54と一体(別体でもよい)となったヒートシンク50が設けられている。ヒートシンク50には穴が設けられ,平滑コンデンサ74とコイル75が埋設されている。モータ駆動制御装置30は金属製あるいは樹脂製のカバー57で覆われている。カバー57の後方にはコネクタ90を設け,バッテリ100からの電源の供給と,トルクセンサや車速の信号などを供給する。
なお,カバー57はヒートシンク50に接着剤やネジ,あるいは接着剤とネジを併用して固定される。
上記のような構造としておけば,フレーム11,ハウジング40,ヒートシンク50の剛性がアップし低振動・低騒音化が実現できるのと同時に装置を小型化できるという効果がある。また,各締結箇所において1つのネジで締結する構造とすると,両端から2つのネジを使う場合と比べて部品点数の削減ができるという効果が得られる。
上記のような構造としておけば,フレーム11,ハウジング40,ヒートシンク50の剛性がアップし低振動・低騒音化が実現できるのと同時に装置を小型化できるという効果がある。また,ネジ101,102は両端部から固定されるため,1度でヒートシンク50とハウジング40とモータ10のフレーム11を組み立てる必要がないため組み立て性が向上し,製造プロセスの自由度が向上するという効果がある。
図16はこの発明の実施の形態3におけるモータ10の縦断面図である。この図において,永久磁石15は回転子鉄心14の表面に貼付けられていて,この例では極数は10となっている。更に,永久磁石15の断面形状はかまぼこ形となっており,磁束の高調波成分を低減し,誘起電圧を正弦波状にすることでトルク脈動を低減している。回転子鉄心14には突起部14aが設けられていて,永久磁石15が周方向に滑らないように固定する役割を果たしている。
更に,電機子巻線13の相数は3であり,それらをU相,V相,W相とすると巻線の配置は図16に示すようにU1+,U1−,V1−,V1+,W1+,W1−,U2−,U2+,V2+,V2−,W2−,W2+のように配置されている。ここで+と−は巻き方向を示していて,+と−では巻き方向は互いに逆方向であることを示している。更にU1+とU1−は直列接続され,U2−とU2+も直列接続されている。これらの2つの直列回路は並列接続されていてもよいし,直列接続されていてもよい。V相,W相も同様である。更に,三相はY結線でもデルタ結線でもよい。
0.75<N/M<1.5
なる関係式が成り立つときには,N/M=0.75やN/M=1.5の場合に比べて巻線係数が高く永久磁石15の磁束を効率的に利用し小型で高トルクの永久磁石型回転電機が得られることが知られている。
MとNの最大公約数が2であり,かつ
0.75<N/M<1.5
とし,更に,モータ10のフレーム11とモータ駆動制御装置30のハウジング40の固定部のネジ穴42の数と上記ハウジング40とヒートシンク50の固定部のネジ穴52の数を3個以上とすることで,モータ10とモータ駆動制御装置30の小型化,低コギングトルク化と低振動・低騒音化の両立ができる。
0.75<N/M<1.5
をみたすモータの中で,極数Mが最も小さいモータである。
電動パワーステアリング装置のモータの回転子の回転角度を検出するセンサとしては,安価であることや耐環境性を考慮して,バリアブルリラクタンス型レゾルバや磁気抵抗素子(GMRセンサやMRセンサ)と永久磁石15を組み合わせたセンサなどが用いられることが多い。しかしながら,バリアブルリラクタンス型レゾルバや磁気抵抗素子と永久磁石を組み合わせたセンサは角度検出の際に誤差を生じ,更にその誤差の値は回転角度に対して変化する。また,角度誤差の値は光学式エンコーダに比べて大きいため,この角度誤差が原因でモータのトルク脈動が発生する。これは,正しい回転角度から誤差が生じると,モータ10の電機子巻線13に流すべき電流の位相がずれてしまうため,所望のトルクが発生しないことが原因となっている。また,モータ10の電気角で表した角度誤差が大きいほどトルク脈動も大きい。
したがって,極数が大きいモータ10では,電気角で表した角度誤差も極数に比例して大きくなってしまい,トルク脈動が大きくなるという課題があった。したがって,角度誤差によるトルク脈動を小さくするには極数が小さいことが望ましい。図16で示したM=10,N=12の場合は,M=14,N=12の場合やM=16,N=18の場合等に比べて極数が小さいため,回転角度センサの角度誤差によるトルク脈動を小さくできるという格別の効果がある。
図19はこの発明の実施の形態4における電動パワーステアリング装置の要部を示す概略側面図で,モータ駆動制御装置30をモータ10のリヤ側に配置し,更にラック軸と平行にモータ10とモータ駆動制御装置30を配置したラックパラレルタイプの電動パワーステアリング装置を示している。図19は簡単のため詳細は省略しているが,ギヤボックス201にはベルトとボールネジによる減速機構が設けられており,モータ10の回転を減速するとともにラック軸202の推力に変換している。図19のX-Y平面の断面付近を矢印の方向から見た図が図20である。
図20ではラック軸202の一部が,上記ネジ穴の部分で決まる最大外径を示す円の中に入った状態でアセンブリされているため,電動パワーステアリング装置の小型化ができるという効果が得られる。更に,実施の形態1や実施の形態2で既に述べたようにフレーム−ハウジング間とハウジング−ヒートシンク間の固定用のネジ穴の周方向の位置を一致させているため,剛性が上がり,振動騒音の低減が得られるという効果もあり,更に,組み付け精度が向上するという効果も得られる。
図21はこの発明の実施の形態5における電動パワーステアリング装置を示す概略側面図で,ギヤボックス201側とヒートシンク50との締結のためのネジ穴の周方向の位置をヒートシンク50,ハウジング40,モータ10のフレーム11間の締結のためのネジ穴の位置と一致させた例である。モータ10のフレーム11側から挿入されているネジ101はフレーム11とハウジング40とヒートシンク50を締結し,モータ10とモータ駆動制御装置30を一体型をなす構成とする。一方,ギヤボックス201側から挿入されているネジ102はギヤボックス201とヒートシンク50を締結するものとなっている。
このような構成とすることでギヤボックス201とモータ駆動制御装置30とモータ10の剛性が向上し,振動・騒音を低減できるという効果が得られる。更に,ネジ穴部分の周方向位置がギヤボックス201,ヒートシンク50,ハウジング40,フレーム11の全てで一致しているので,一致していない場合に比べて,他の部品との機械的干渉を防ぐことができるという効果がある。
図22はこの発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置の概略平面図及び側面図で,
ギヤボックス201側とヒートシンク50の当接面111の接触面積を拡大した例を示すものである。図22の右側はモータ10とモータ駆動制御装置30を側面から見た図であり,図22の左側はフロント側から見た図である。図2との違いは,ヒートシンク50とハウジング40を締結しているネジ102が図2比べて所定の距離だけ径方向内側に配置されている点と,ヒートシンク50にネジ102が収まる穴58を設けている点である。なお,ヒートシンク50とハウジング40を締結するネジ102とハウジング40とフレーム11を締結するネジ101は側面から見えないが,図21では理解を助けるため図示している。
図22の左側の図を見るとギヤボックス201側とヒートシンク50が接触する当接面111の面積が大きくなっていることが分かる。このような構造とすることで,ヒートシンク50からの熱をギヤボックス側に効率よく伝達し,モータ駆動制御装置30の温度上昇を防ぐことができるという効果がある。
図23はこの発明の実施の形態7におけるモータ駆動制御装置のヒートシンクの平面図で,モータ駆動制御装置30のヒートシンク50をフロント側から見たものである。ボス17と回転センサであるレゾルバ80も図示している。180度対向した2ヵ所にギヤボックス201側との取り付け用フランジ部56を設けてあり,フランジ部56に1ヶ所ずつネジ穴53が設けられている。また,このフランジ56にはヒートシンク50とハウジング40を締結するためのネジ穴52を設けており,そのネジ穴52の周辺はモータ回転軸方向に窪んだ凹部52aを設けることで,ネジがギヤボックスと接触しないように1段下げた構成となっている。また,このネジ穴52は各フランジ部56に2ヵ所ずつ,計4箇所設けられている。4箇所にすることで,剛性が上がり,振動・騒音低減の効果が得られる。
11:フレーム 11a:ネジ穴
12:固定子鉄心 12a:スロット 12b:ティース
13:電機子巻線 13a:ターミナル
14:回転子鉄心 14a:突起部
15:永久磁石
16:シャフト
17:ボス
18,19:軸受
20,21:カバー
30:モータ駆動制御装置
40:ハウジング
41:シャフト挿通用の穴
42:ヒートシンク連結用のネジ穴
43:バスバー挿通用の穴
50:ヒートシンク
51:シャフト挿通用の穴
52:ハウジング連結用のネジ穴
53:ギヤ側連結用の穴
54:スイッチング素子配置部
55:平滑コンデンサ・コイル収容用の穴
56:フランジ部
57:カバー
58:穴
60:制御基板
61:シャフト挿通用の穴
62:制御信号線挿通用の穴
63:ターミナル挿通用の穴
64:マイクロコンピュータ
65:FET駆動回路
70:電気的接続部
71:シャフト挿通用穴
72:フレーム
73:スイッチング素子 73a,73b,73c:FET 73d:シャント抵抗 73e:モータ側端子 73f:+側端子 73g:−側端子 73h:制御信号線
74:平滑コンデンサ
75:コイル
76:電源リレー 76a,76b:FET 76c:制御信号線
77:+側バスバー
78:−側バスバー
79:ターミナル
80:レゾルバ
90:コネクタ 90a: 電源コネクタ 90b:制御コネクタ
100:バッテリ
101:フレーム・ハウジング連結用のネジ
102:ハウジング・ヒートシンク連結用のネジ
103:フレーム・ハウジング・ヒートシンク連結用のネジ
110:ハウジング・ヒートシンクの当接面
111:ギヤ・ヒートシンクの当接面
112:モータの最大径を示す円
201:ギヤボックス
202:ラック軸
Claims (12)
- フレームに収容されたモータと,前記モータの回転軸方向に配置され,前記モータの駆動制御を行うモータ駆動制御装置を一体的に備えたモータ駆動装置において,
前記モータ駆動制御装置は,
前記モータの駆動制御を行うスイッチング素子を実装され,前記モータのフロント側またはリヤ側に配置されるヒートシンクと,前記ヒートシンクに結合されるハウジングとを含み,
前記ハウジングと前記ヒートシンクの当接面が前記モータの回転軸方向と交差する単一の平面上にあり,かつ前記フレーム,ヒートシンク,ハウジングを互いに結合するためのネジ穴の位置が周方向で一致するように設けられていると共に,
前記モータと前記モータの出力軸に結合されるギヤとの当接面が,前記ネジ穴に挿入されたネジの前記モータの回転軸方向に延長した直線上に位置している
ことを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記モータは1個あるいは複数の軸受を有し,前記軸受のうち少なくとも1個が前記ハウジングとヒートシンクの当接面よりも前記モータのフロント側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
- 前記ハウジングとヒートシンクは,2つの別部品として配置され,前記モータの回転軸方向に配置されたことを特徴とする請求項1または2記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンク,ハウジング及びフレームは,前記モータの回転軸方向の両側から別個のネジを使って結合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンク,ハウジング及びフレームは,前記モータの回転軸方向の一方向から共通のネジを使って結合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクとハウジングを結合するネジの座面の位置が,前記モータの出力軸に結合されるギヤと前記ヒートシンクの結合部から前記モータのリヤ側に離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のモータ駆動装置。
- 前記モータ駆動制御装置は,前記モータのリヤ側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクは,前記スイッチング素子が配置される複数のスイッチング素子配置部を前記モータの回転軸を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のモータ駆動装置。
- 前記モータは,電機子の極数をM,スロット数をNとしたとき,
(Mは整数,Nは整数)MとNの最大公約数が2であり,かつ,
0.75<N/M<1.5
を満たし,かつ,前記フレーム,ハウジング及びヒートシンクを結合するネジ穴の数が周方向に3ヶ所以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のモータ駆動装置。 - 前記モータは,極数Mが10であり,スロット数Nが12であり,
モータの回転子の回転角度を検出するセンサとして,バリアブルリラクタンス型レゾルバ
あるいは磁気抵抗素子と永久磁石を具備したセンサを有することを特徴とする請求項9記載のモータ駆動装置。 - 前記モータは,極数Mが14であり,スロット数Nが18であり,
回転子鉄心に永久磁石を埋め込んだ構成を有し,前記永久磁石の径方向の長さが周方向厚みに比べて大きいことを特徴とする請求項9記載のモータ駆動装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一つに記載されたモータ駆動装置を含み,前記モータのフレームと前記モータ駆動制御装置のハウジングとを結合するためのネジのネジ穴部で決まる最大外径の範囲内に装置の一部がアセンブリされた電動パワーステアリング装置。
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