JP5641913B2 - 除去効率測定システム - Google Patents

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本発明は、気体中に含まれる各種複数のガス成分のうちの所定の除去対象ガスを除去するガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定システムに関する。
原子力施設から放出される排気ガスに含まれる放射性ヨウ素をヨウ素吸着材によって除去するヨウ素フィルタの漏れを試験するリーク試験方法がある(特許文献1参照)。このリーク試験方法は、空気の組成を変化させる所定のガス成分を含ませた試験空気をヨウ素フィルタに流入させ、その試験空気がヨウ素フィルタの入口から出口に達したときの時間を検出することでヨウ素フィルタにおけるヨウ素の漏れの可能性を試験する。
このリーク試験方法では、正常にヨウ素吸着材が設置されたヨウ素フィルタのガス成分の通過時間がガス成分の種類や濃度(流量)、ヨウ素吸着材の量(層厚)に依存することに着目し、空気の組成を変化させるガス成分を含ませた試験空気の正常なヨウ素フィルタにおける比較通過時間をあらかじめ事前の試験によって求めておく。ヨウ素フィルタにおける大気中のガス成分のリークがあると、そのガス成分がヨウ素吸着剤と吸着・脱着反応を起こさずにヨウ素フィルタ中を通過し、リークがない場合と比較して試験空気が早くヨウ素フィルタから出てしまう。ゆえに、リークがある場合のヨウ素フィルタにおける試験空気の通過時間はリークがない場合のヨウ素フィルタにおける試験空気の通過時間よりも早い。したがって、正常なヨウ素フィルタにおいてあらかじめ求めた試験空気の比較通過時間と試験対象のヨウ素フィルタにおける試験空気の通過時間とを比較することで、そのヨウ素フィルタにおけるリークの有無を判定することができる。
特開平7−148418号公報
前記特許文献1に開示のリーク試験方法は、ヨウ素とは異なるガス成分を含む試験空気をヨウ素フィルタにおけるヨウ素のリーク有無の試験に利用し、その試験空気がヨウ素フィルタの入口から出口に達したときの時間を検出することでヨウ素フィルタにおけるヨウ素のリークの有無を推定する。ゆえに、ヨウ素そのものを利用してヨウ素フィルタにおけるヨウ素のリークを試験するものではないから、そのヨウ素フィルタにおいてヨウ素そのもののリークがあるかの確証を得ることが難しく、試験結果に高い信頼性や信憑性を求めることはできない。また、このリーク試験方法は、ヨウ素フィルタの入口側に空気導入装置を設置し、ヨウ素フィルタの出口側にガス測定装置を設置するとともに、それら装置とヨウ素フィルタとの間を密閉する密閉機構を取り付け、試験空気の漏れを防止しつつ、試験空気の流速や流量を一定に保持する必要があり、試験に手間と時間とを要するのみならず、試験空気の流速や流量を一定に保持することができない環境下で使用されている使用中のヨウ素フィルタでは試験を行うことができない。
本発明の目的は、除去対象ガスを直接利用してガス除去装置におけるその対象ガスの除去効率を測定することができ、信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる除去効率測定方法を提供することにある。本発明の他の目的は、使用中にあるガス除去装置の除去効率を測定することができる除去効率測定方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、気体中に含まれる各種複数のガス成分のうちの所定の除去対象ガスを除去するガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定システムである。
前記前提における本発明の特徴としては、除去効率測定システムが、除去対象ガスと同一の試験用ガスをガス除去装置に供給する試験用ガス供給装置と、ガス除去装置に除去されずにそれを通過するトレーサーガスをガス除去装置に供給するトレーサーガス供給装置と、気体中に含まれる試験用ガスおよびトレーサーガスの濃度を所定の時間間隔で間欠的に複数回測定することが可能な光音響ガスモニタと、コントローラとから形成され、コントローラが、試験用ガス供給装置を利用して所定量の試験用ガスをガス除去装置の入口側から供給しつつ、トレーサーガス供給装置を利用して所定量のトレーサーガスを試験用ガスと同時にガス除去装置の入口側から供給するガス供給手段と、ガス除去装置の入口に流入する気体に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第1測定手段と、ガス除去装置を通ってその出口から流出した気体に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第2測定手段と、光音響ガスモニタによって時系列に測定された複数の測定濃度データに基づいて、ガス除去装置の欠陥をガス除去機能の低下であるか、または、ガス除去装置やその設置器具の気体漏れであるかを分析する欠陥種類分析手段とを実行し、欠陥種類分析手段では、ガス濃度第2測定手段によって測定された試験用ガスの濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガスの濃度が急激に下降している場合、ガス除去装置やその設置器具の気体漏れであると判断し、ガス濃度第2測定手段によって測定された試験用ガスの濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガスの濃度が徐々に下降している場合、ガス除去装置のガス除去機能の低下であると判断することにある。
本発明の一例としては、コントローラが、試験用ガスとトレーサーガスとの供給を停止した後、ガス除去装置の入口に流入する気体に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第3測定手段と、ガス除去装置から飛散してその出口から流出した気体に含まれる試験用ガスの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第4測定手段とを含む。
本発明の他の一例としては、除去効率測定システムが、ガス除去装置の上流側に流れる気体を採集する気体第1採集装置と、ガス除去装置の下流側に流れる気体を採集する気体第2採集装置とを含み、気体第1採集装置と気体第2採集装置とが、気体を収容する所定容積の複数の第1〜第n気体採集袋を利用し、あらかじめ設定された量の気体をそれら気体採集袋に順番に収容しつつ、それら気体採集袋に気体を所定時間連続して収容し、ガス濃度第1測定手段〜ガス濃度第4測定手段では、光音響ガスモニタを利用してそれら気体採集袋に収容された気体に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度を測定する。
本発明の他の一例としては、コントローラが、ガス濃度第1測定手段によって測定したガス除去装置の上流側の試験用ガスの濃度とガス濃度第2測定手段によって測定したガス除去装置の下流側の試験用ガスの濃度とからそのガス除去装置における試験用ガス除去効率を算出する除去効率算出手段を含む。
本発明の他の一例としては、コントローラが、ガス除去装置の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの気体に対する濃度の倍率を決定する濃度倍率決定手段を含む。
本発明の他の一例として、除去効率測定システムでは、ガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの濃度が光音響ガスモニタの検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高く、試験用ガスとトレーサーガスとの供給時間が同一である。
本発明の他の一例として、試験用ガスとトレーサーガスとのガス除去装置の入口側への供給時では、ガス除去装置の周囲の気体の風量または風速が不均一である。
本発明の他の一例として、除去効率測定システムでは、除去対象ガスを除去する使用中の状態にあるガス除去装置の除去効率を測定する。
本発明の他の一例としては、ガス除去装置が、気体に含まれる除去対象ガスを吸着するガス除去エアフィルタである。
本発明の他の一例としては、気体が空気であり、ガス除去エアフィルタが、原子力関連施設または放射性ヨウ素を取り扱う施設に設置され、それら施設の空気に含まれる放射性ヨウ素を吸着する放射性ヨウ素除去エアフィルタであり、試験用ガスが試験用ヨウ化メチルガスである。
本発明にかかる除去効率測定システムによれば、所定量の試験用ガスとトレーサーガスとをガス除去装置の入口側から同時に供給し、ガス除去装置の入口に流入する気体に含まれる試験用ガスおよびトレーサーガスの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するとともに、ガス除去装置を通ってその出口から流出した気体に含まれる試験用ガスおよびトレーサーガスの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するから、その測定中にトレーサーガスがガス除去装置の出入口側において光音響ガスモニタに検出された場合、試験用ガスがガス除去装置に確実に流入したことが実証され、逆に、その測定中にトレーサーガスがガス除去装置の出入口側において光音響ガスモニタに検出されない場合、試験用ガスもガス除去装置に流入していないことが実証される。ゆえに、ガス除去装置の出入口側においてトレーサーガスが検出されることでその測定中における試験用ガスのガス除去装置への流入を認定することができ、試験用ガスを使用してガス除去装置が設置された環境下の気体に含まれる除去対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定システムは、除去対象ガスと同一の試験用ガスを利用してガス除去装置における除去効率を測定するから、対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を測定したものとみなすことができ、さらに、複数種類のガスの濃度を所定の時間間隔で間欠的に複数回測定することが可能な光音響ガスモニタを使用することで、試験用ガスとトレーサーガスとを所定時間連続してガス除去装置に流入させたとしても、それらガスの濃度が光音響ガスモニタによって時系列に複数回測定されるから、対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を高い精度で測定することができ、対象ガスに対するガス除去装置の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。除去効率測定システムは、ガス除去装置の出口側においてトレーサーガスとともに所定濃度の試験用ガスが光音響ガスモニタに検出され、その試験用ガスの濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガスの濃度が急激に下降している場合、ガス除去装置やその設置器具の気体漏れであると判断し、その試験用ガスの濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガスの濃度が徐々に下降している場合、ガス除去装置のガス除去機能の低下であると判断するから、ガス除去装置が劣化して対象ガス除去機能が低下していることを判定することができ、または、ガス除去装置やその設置器具に気体漏れ(リーク)等の構造的な欠陥があることを判定することができる。除去効率測定システムは、除去効果の測定結果を参照しつつ、試験用ガスの時系列に測定された複数の測定濃度によってガス除去装置の欠陥種類を判断することができるから、そのガス除去装置の交換時期を的確に判断することができ、ガス除去装置の設置器具の修理の必要性を判断することができるとともに、欠陥種類によってガス除去装置の交換またはガス除去装置や設置器具の修理のいずれかの方法を選択することができる。除去効果測定システムは、それを利用することでガス除去装置を適時に交換することができ、設置器具を適時に修理することができるから、常にガス除去機能を備えたガス除去装置を使用することができ、気体中に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置によってその対象ガスを気体から確実に除去することができる。
試験用ガスとトレーサーガスとの供給を停止した後、ガス除去装置の入口に流入する気体に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定するとともに、ガス除去装置から飛散してその出口から流出した気体に含まれる試験用ガスの濃度を光音響ガスモニタを利用して測定する除去効率測定システムは、試験用ガスとトレーサーガスとの供給を停止した後、ガス除去装置の入口側において所定濃度の試験用ガスやトレーサーガスが濃度測定装置に検出されない場合、それらガスの供給が確実に停止したことが実証される。除去効率測定システムは、ガス除去装置の出口側において所定濃度の試験用ガスが光音響ガスモニタに検出された場合、そのガス除去装置に構造的な欠陥以外の化学的な欠陥等の他の欠陥があることを知ることができる。また、それによってそのガス除去装置の使用限界を知ることができ、ガス除去装置を交換する時期を正確に判断することができる。除去効率測定システムは、ガス除去装置を適時に交換することができ、設置器具を適時に修理することができるから、常にガス除去機能を備えたガス除去装置を使用することができ、気体に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを気体から確実に除去することができる。
ガス除去装置の上流側に流れる気体を採集する気体第1採集装置とガス除去装置の下流側に流れる気体を採集する気体第2採集装置とを含み、気体第1採集装置と気体第2採集装置とが気体を収容する所定容積の複数の第1〜第n気体採集袋を利用し、あらかじめ設定された量の気体をそれら気体採集袋に順番に収容しつつ、それら気体採集袋に気体を所定時間連続して収容し、光音響ガスモニタを利用してそれら気体採集袋に収容された気体に含まれる試験用ガスとトレーサーガスとの濃度を測定する除去効率測定システムは、試験用ガスの濃度がそれら気体採集袋において平均化されるから、試験用ガスの濃度の平均値を使用することができ、気体に含まれる試験用ガスの濃度上昇から濃度下降までの時系列的な濃度変化を正確に把握することができる。除去効率測定システムは、試験用ガスの気体中における濃度変化を正確に確認することができ、濃度変化に基づいて、ガス除去装置の対象ガス除去機能の低下、または、ガス除去装置やその設置器具の構造的な欠陥あるいは化学的な欠陥のいずれかを確実に判断することができる。
ガス除去装置の上流側から検出された試験用ガスの濃度とガス除去装置の下流側から検出された試験用ガスの濃度とからそのガス除去装置における試験用ガス除去効率を算出する除去効率算出手段を含む除去効率測定システムは、ガス除去装置の現在における対象ガス除去効率を把握することができるから、その除去効率からガス除去装置の使用限界を判断することができ、ガス除去装置の交換時期を的確に判断することができる。除去効果測定システムは、対象ガス除去効率に基づいてガス除去装置を適時に交換することができるから、常に対象ガスの除去機能を備えたガス除去装置を使用することができ、気体中に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置によってその対象ガスを気体から確実に除去することができる。
ガス除去装置の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの気体に対する濃度の倍率を決定する除去効率測定システムは、ガス除去装置の使用環境を考慮しつつ、ガス除去装置の交換の指標となる限界効率に応じて試験用ガスの気体に対する濃度の倍率を自由に決定することができる。除去効率測定システムは、ガス除去装置の限界効率に応じた倍率の濃度の試験用ガスが光音響ガスモニタに検出された場合、そのガス除去装置の使用限界を知ることができ、ガス除去装置を交換する時期を正確に判断することができる。
ガス除去装置の入口側から供給する試験用ガスの濃度が光音響ガスモニタの検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高く、試験用ガスとトレーサーガスとの供給時間が同一である除去効率測定システムは、必要以上に高い濃度の試験用ガスを供給すると、その試験用ガスによってガス除去装置の性能を低下させることになるが、トレーサーガスを利用して試験用ガスのガス除去装置への流入を実証することができるから、光音響ガスモニタの検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い濃度の試験用ガスを除去効率の測定に使用することができるとともに、試験用ガスの供給時間を短くすることができ、ガス除去装置の性能を低下させることなく、そのガス除去装置の除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定システムは、光音響ガスモニタの検出限界濃度にあわせて試験用ガスの濃度を自由に設定することができる。除去効率測定システムは、試験用ガスとトレーサーガスとの供給時間が同一であるから、その測定中にトレーサーガスが光音響ガスモニタに検出された場合、試験用ガスがガス除去装置に流入したことが確実に実証され、逆に、その測定中にトレーサーガスが光音響ガスモニタに検出されない場合、試験用ガスもガス除去装置に流入していないことが確実に実証される。ゆえに、ガス除去装置の出口側においてトレーサーガスが検出されることでその測定中における試験用ガスのガス除去装置への流入を確証することができ、試験用ガスを使用してガス除去装置が設置された環境下の気体に含まれる除去対象ガスに対するガス除去装置の除去効率を確実に測定することができる。
試験用ガスとトレーサーガスとのガス除去装置の入口側への供給時においてガス除去装置の周囲の気体の風量または風速が不均一である除去効率測定システムは、ガス除去装置の実際の使用環境では気体の風量または風速が不均一であり、そのような環境下でガス除去装置の除去効率を測定することで、ガス除去装置の実際の使用環境に応じた除去効率を測定することができ、ガス除去装置の現実的な使用限界を知ることができるとともに、ガス除去装置を交換する時期を具体的に判断することができる。除去効率測定システムは、ガス除去装置の実際の使用環境を考慮しつつガス除去装置を適時に交換することができ、気体に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを気体から確実に除去することができる。
除去対象ガスを除去する使用中の状態にあるガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定システムは、実際に設置された使用状態のガス除去装置の除去効率を測定することで、ガス除去機能が低下していることやガス除去装置やその設置器具に気体漏れ(リーク)等の構造的な欠陥または化学的な欠陥があることを判定することができ、それによって使用中のガス除去装置の使用限界を知ることができるとともに、ガス除去装置を交換する時期を具体的に判断することができ、設置器具の修理の必要性を判断することができる。除去効率測定システムは、ガス除去装置の実際の使用環境においてガス除去装置を適時に交換することができ、設置器具を適時に修理することができるから、気体に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置を利用してその対象ガスを気体から確実に除去することができる。
ガス除去装置が気体中の除去対象ガスを吸着するガス除去エアフィルタである除去効率測定システムは、ガス除去エアフィルタの出口側においてトレーサーガスが検出されることで、その測定中における試験用ガスのガス除去エアフィルタへの流入を確証することができ、試験用ガスを使用してガス除去エアフィルタが設置された環境下の気体に含まれる対象ガスに対するガス除去エアフィルタの除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定システムは、対象ガスと同一の試験用ガスを利用してガス除去エアフィルタにおける除去効率を測定するから、対象ガスに対するエアフィルタの除去効率を測定したものとみなすことができ、対象ガスに対するエアフィルタの除去効率を高い精度で測定することができるとともに、対象ガスに対するエアフィルタの信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。除去効率測定システムは、ガス除去エアフィルタの出口側においてトレーサーガスとともに所定濃度の試験用ガスが光音響ガスモニタに検出された場合、ガス除去装置が劣化して対象ガス除去機能が低下していることを判定することができ、または、ガス除去装置やその設置器具に気体漏れ(リーク)等の構造的な欠陥あるいは化学的な欠陥があることを判定することができるから、除去効果の測定結果を参照しつつ、そのガス除去装置の交換時期を的確に判断することができるとともに、ガス除去装置の設置器具の修理の必要性を判断することができる。除去効果測定システムは、それを利用することでガス除去装置を適時に交換することができ、設置器具を適時に修理することができるから、常にガス除去機能を備えたガス除去装置を使用することができ、気体中に除去対象ガスが含まれたとしても、ガス除去装置によってその対象ガスを気体から確実に除去することができる。
気体が空気であり、ガス除去エアフィルタが原子力関連施設または放射性ヨウ素を取り扱う施設の空気に含まれる放射性ヨウ素を吸着する放射性ヨウ素除去エアフィルタであり、試験用ガスが試験用ヨウ化メチルガスである除去効率測定システムは、フィルタの下流側に流れる空気に含まれる試験用ヨウ化メチルガスの濃度を測定することで、原子力関連施設や放射性ヨウ素を取り扱う施設に設置された放射性ヨウ素除去エアフィルタの除去効果を測定するから、フィルタが設置された施設の空気中に含まれる放射性ヨウ素に対するフィルタ除去効率を高い精度で測定することができるとともに、フィルタの放射性ヨウ素に対する除去効率を高い信頼性および高い信憑性で検証することができる。除去効果測定システムは、放射性ヨウ素除去エアフィルタの下流側において試験用ヨウ化メチルガスが検出された場合、原子力関連施設や放射性ヨウ素を取り扱う施設に設置されたフィルタが劣化して放射性ヨウ素除去機能が低下していることを判定することができ、または、フィルタやその設置器具に空気漏れ(リーク)等の構造的な欠陥あるいは化学的な欠陥があることを判定することができるから、測定結果を参照しつつ、アフィルタの交換時期を的確に判断することができるとともに、フィルタの設置器具の修理の必要性を判断することができる。除去効果測定システムは、それを利用することで原子力関連施設や放射性ヨウ素を取り扱う施設に設置された放射性ヨウ素除去エアフィルタを適時に交換することができ、設置器具を適時に修理することができるから、それら施設において常に放射性ヨウ素の除去機能を備えたフィルタを使用することができ、それら施設の空気中に放射性ヨウ素が含まれたとしても、フィルタによってその放射性ヨウ素をそれら施設の空気から確実に除去することができる。
一例として示す除去効率測定システムの構成図。 一例として示すガス除去エアフィルタの斜視図。 ディスプレイに表示された初期画面の一例を示す図。 濃度倍率設定画面の一例を示す図。 ガス濃度第1および第2測定における条件設定画面の一例を示す図。 ガス濃度第3および第4測定における条件設定画面の一例を示す図。 システムによって実行される除去効率測定のフローチャート。 図7から続くフローチャート。 図8から続くフローチャート。 フィルタ指定画面の一例を示す図。 グラフ表示画面の一例を示す図。 グラフ表示画面の他の一例を示す図。 グラフ表示画面の他の一例を示す図。 濃度第1および第2測定データ表示画面の一例を示す図。 濃度第3および第4測定データ表示画面の一例を示す図。 他の一例として示す除去効率測定システムの構成図。 光音響ガスモニタによるガス濃度測定を説明する図。 システムによって実行される除去効率測定のフローチャート。 図18から続くフローチャート。 図19から続くフローチャート。
一例として示す除去効率測定システムの構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる除去効率測定システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、一例として示すガス除去エアフィルタ11の斜視図である。除去効率測定システム10Aは、所定の施設の除去対象ガスが発生するおそれがある環境下に設置されたガス除去エアフィルタ11(ガス除去装置)の除去対象ガスに対する除去効率を測定する。
所定の施設には、原子力関連施設や放射性ヨウ素を取り扱う施設(たとえば、病院や研究所)、半導体製造施設、液晶製造施設等があるが、施設をそれらに限定するものではなく、除去対象ガスが発生するおそれがあるあらゆる施設が含まれる。原子力関連施設には、原子力発電所、中間貯蔵施設、再処理工場、MOX燃料工場、高速増殖炉、高速増殖炉用燃料工場、高速増殖炉用再処理工場、高レベル放射性廃棄物最終処分施設等がある。なお、原子力関連施設や放射性ヨウ素を取り扱う施設では、除去対象ガスが放射性ヨウ素であり、ガス除去エアフィルタ11としてヨウ素ガス除去エアフィルタが設置される。
除去効率測定システム10Aは、ガス除去エアフィルタ11と、試験用ガス供給ユニット12(試験用ガス供給装置)と、トレーサーガス供給ユニット13(トレーサーガス供給装置)と、空気第1採集ユニット14(気体第1採集装置)と、空気第2採集ユニット15(気体第2採集装置)と、光音響ガスモニタ16,17と、流量計18と、コントローラ19とから形成されている。本実施の形態ではガス除去装置としてガス除去エアフィルタ11を例示しているが、ガス除去装置をガス除去エアフィルタ11に限定するものではなく、他のすべてのガス除去装置を用いて本発明にかかる除去効率測定を実行することができる。また、ガス濃度測定装置として光音響ガスモニタ16,17を例示しているが、ガス濃度測定装置を光音響ガスモニタ16,17に限定するものではなく、ガスクロマトグラフィー等の他のすべてのガス濃度測定装置を利用することができる。
ガス除去エアフィルタ11には、セパレータ型エアフィルタやミニプリーツ型エアフィルタ等があり、その除去対象ガスには、酸性ガスや有機ガス、塩基性ガス等があり、二酸化炭素や酸素も含まれる。ガス除去エアフィルタ11には、ガラス繊維や炭素繊維、合成樹脂繊維に吸着剤(化学薬品)を付着させたフィルタ、ガラス繊維や炭素繊維、合成樹脂繊維に活性炭を担持させたフィルタ、活性炭素繊維から作られたフィルタ等があり、図2に示すように、フィルタ収納カートリッジ20(収納枠)に気密に収納されて使用される。ガス除去エアフィルタ11は、蛇腹状に折り畳まれた四角柱状の立体構造を有する。なお、ガス除去エアフィルタ11には、立体構造を有するそれの他に、略扁平のそれも含まれ、さらに、円柱状や多角柱状のものも含まれる。
なお、他のガス除去装置として、たとえば脱臭機能や有毒ガス除去機能を有する活性炭フィルタを例示することができる。活性炭フィルタは、空調用フィルタや空気清浄用フィルタ、排気処理用フィルタ、車両用エアフィルタとして使用される。活性炭フィルタの除去対象ガスには、アンモニアやアセトアルデヒド、トルエン、スチレン、キシレン、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、プロピオン酸、ノルマル酸等がある。
ガス除去エアフィルタ11は、図1に示すように、通気ダクト21に設置器具(図示せず)を利用して着脱可能かつ気密に設置され、ダクト21を通る空気に含まれる除去対象ガスを除去し、清浄空気を施設内または施設外に放出する。通気ダクト21は、金属または合成樹脂から作られ、一方向へ略直状に延びる断面四角形の空気流路22を有する。通気ダクト21は、ガス除去エアフィルタ11の上流側に開口する空気取り入れ口23と、フィルタ11の下流側に開口する空気排気口24とを備えている。通気ダクト21には、図示はしていないが、その上流側と下流側との少なくとも一方に給気ファンや排気ファンが取り付けられている。それらファンは、施設内の空気を通気ダクト21内に強制的に流入させる。
ガス除去エアフィルタ11は施設において実際に使用中のそれであり、このシステム10Aでは除去対象ガスを除去する使用中の状態にある中古品のフィルタ11の除去効率が測定される。なお、システム10Aは、使用中のガス除去エアフィルタ11に限らず、使用する以前の新品のガス除去エアフィルタ11の除去効率の測定に使用される場合もある。
試験用ガス供給ユニット12は、通気ダクト21の空気取り入れ口23(ガス除去エアフィルタ11の上流側)からダクト21内に除去対象ガスと同一の試験用ガス25を設定時間・設定量だけ供給する。試験用ガス供給ユニット12は、圧縮された試験用ガス25を貯蔵したガスボンベ26と、試験用ガス25の供給量を調節する質量流量計27(定風量装置)と、切替バルブ28(電磁弁)と、試験用ガス25をダクト21内に噴霧する噴霧器(図示せず)とから形成されている。試験用ガス供給ユニット12では、ガス除去エアフィルタ11に向かってボンベ26、定流量装置27、切替バルブ28、噴霧器の順に並んでいる。
ガスボンベ26や質量流量計27、切替バルブ28、噴霧器は、供給管路29を介して接続されている。質量流量計27や切替バルブ28は、インターフェイス30(有線または無線)を介してコントローラ19に接続されている。噴霧器は、通気ダクト21の空気取り入れ口23に配置されている。切替バルブ28は、その弁機構を開閉することで、試験用ガス25の供給管路29における流通をON/OFFする。質量流量計27は、供給管路29を通る試験用ガス25を一定量に保持し、ガスボンベ26内の試験用ガス25の一定量を切替バルブ28に向かって流入させる。
トレーサーガス供給ユニット13は、通気ダクト21の空気取り入れ口23(ガス除去エアフィルタ11の上流側)からダクト21内にトレーサーガス31を設定時間・設定量だけ供給する。トレーサーガス供給ユニット13は、圧縮されたトレーサーガス31を貯蔵したガスボンベ32と、トレーサーガス31の供給量を調節する質量流量計33(定風量装置)と、切替バルブ34(電磁弁)と、トレーサーガス31をダクト21内に噴霧する噴霧器(図示せず)とから形成されている。トレーサーガス供給ユニット13では、ガス除去エアフィルタ11に向かってボンベ32、定流量装置33、切替バルブ34、噴霧器の順に並んでいる。
ガスボンベ32や質量流量計33、切替バルブ34、噴霧器は、供給管路35を介して接続されている。質量流量計33や切替バルブ34は、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。噴霧器は、通気ダクト21の空気取り入れ口23に配置されている。切替バルブ34は、その弁機構を開閉することで、トレーサーガス31の供給管路35における流通をON/OFFする。質量流量計33は、供給管路35を通るトレーサーガス31を一定量に保持し、ガスボンベ32内のトレーサーガス31の一定量を切替バルブ34に向かって流入させる。
空気第1採集ユニット14は、ガス除去エアフィルタ11の上流側における通気ダクト21(ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間に延びるダクト21)に着脱可能に設置され、フィルタ11の上流側に流れる空気を採集する。空気第1採集ユニット14は、通気ダクト21の空気流路22を通る空気を採集する採集口36と、採集した空気をダクト21に戻す放出口37と、吸引ポンプ38と、流量計付き調節バルブ39および切替バルブ40,41とから形成されている。採集口36や放出口37は、通気ダクト21の空気流路22に配置されている。採集口36や放出口37、吸引ポンプ38、流量計付き調節弁39、切替バルブ40,41はサンプリング管路42を介して接続されている。空気第1採集ユニット14では、通気ダクト21の空気取り入れ口23の側から採集口36、吸引ポンプ38、流量計付き調節弁39、切替バルブ40,41、放出口37の順に並んでいる。
空気第2採集ユニット15は、ガス除去エアフィルタ11の下流側における通気ダクト21(フィルタ11の出口とダクト21の空気排気口24との間に延びるダクト21)に着脱可能に設置され、フィルタ11の下流側に流れる空気を採集する。空気第2採集ユニット15は、通気ダクト20の空気流路21を通る空気を採集する採集口43と、採集した空気をダクト21の空気流路22に戻す放出口44と、吸引ポンプ45と、流量計付き調節バルブ46(電磁弁)および切替バルブ47,48(電磁弁)とから形成されている。採集口43や放出口44は、通気ダクト21の空気流路22に配置されている。採集口43や放出口44、吸引ポンプ45、流量計付き調節バルブ46、切替バルブ47,48はサンプリング管路49を介して接続されている。空気第2採集ユニット15では、ガス除去エアフィルタ11の出口側から採集口43、吸引ポンプ45、流量計付き調節弁46、切替バルブ47、切替バルブ48、放出口44の順に並んでいる。
吸引ポンプ38,45は、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。吸引ポンプ38,45は、その出力が一定に保持され、通気ダクト21の空気流路22を流れる空気を採集口36,43からサンプリング管路42,49に強制的に流入させる。流量計付き調節バルブ39,46は、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。流量計付き調節バルブ39,46は、サンプリング管路42,49を通るサンプル空気を一定量に保持し、吸引ポンプ38,45が吸引したサンプル空気の一定量を各切替バルブ40,41,47,48に向かって流入させる。切替バルブ40,41,47,48は、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。切替バルブ41,48は、その弁機構を開閉することで、サンプル空気のサンプリング管路42,49における流通をON/OFFする。切替バルブ40,47は、その弁機構を開閉することで、サンプル空気の光音響ガスモニタ16,17への流通をON/OFFする。
光音響ガスモニタ16,17は、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。光音響ガスモニタ16,17は、サンプリング管路42,48に流れるサンプル空気に含まれる除去対象ガスや試験用ガス25、トレーサーガス31の濃度(各種複数のガスの濃度)を所定の時間間隔で間欠的に複数回測定し、測定した除去対象ガスや試験用ガス25、トレーサーガス31の複数の濃度データをコントローラ19に出力する。光音響ガスモニタ16,17は、その接続端子(図示せず)がサンプリング管路42,49に接続されている。流量計18は、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。流量計18は、通気ダクト21の空気流路22を流れる空気の流量を計測し、計測した流量をコントローラ19に出力する。
コントローラ19は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリと大容量ハードディスクとを有するコンピュータである。コントローラ19には、キーボード50やマウス51、ディスプレイ52、プリンタ(図示せず)等の入出力装置(図示せず)がインターフェイスを介して接続されている。コントローラ19のメモリには、後記する各種手段をコントローラ19やそれら光音響ガスモニタ16,17に実行させるための除去効率測定アプリケーションが格納されている。
コントローラ19は、試験用ガス25やトレーサーガス31の供給量の指示信号を質量流量計27,33に出力するとともに、切替バルブ28,34の弁機構を開放し、設定量の試験用ガス25やトレーサーガス31を噴霧器から通気ダクト21の空気流路22に供給する。コントローラ19は、所定時間経過後に切替バルブ28,34の弁機構を閉鎖し、試験用ガス25やトレーサーガス31のダクト21内への供給を停止する。なお、コントローラ19は、試験用ガス25とトレーサーガス31とを同一時間同期してダクト21内に供給する。
コントローラ19は、サンプル空気の採集量の指示信号を流量計付き調節バルブ39,46に出力し、切替バルブ41,48の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ40,47の弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ39,46から切替バルブ40,47に達したサンプル空気の一定量を光音響ガスモニタ16,17に流入させる。コントローラ19は、設定量のサンプル空気が設定時間(測定時間)光音響ガスモニタ16,17に流入すると、切替バルブ40,47の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ41,48の弁機構を開放し、サンプル空気のガスモニタ16,17への流入を停止しつつ、採集したサンプル空気を放出口37,44から通気ダクト21の空気流路22に放出する。
コントローラ19の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリから除去効率測定アプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、以下の各手段を実行する。中央処理部は、ガス除去エアフィルタ11のフィルタ名をハードディスクに格納するフィルタ名格納手段を実行し、入力された試験用ガス25およびトレーサーガス31の供給量をバードディスクに格納するガス供給量格納手段を実行するとともに、入力された試験用ガス25およびトレーサーガス31の供給時間をバードディスクに格納するガス供給時間格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、ガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてフィルタ11に供給する試験用ガス25のダクト21内の空気に対する濃度の倍率を決定する濃度倍率決定手段を実行し、決定した濃度倍率をハードディスクに格納する濃度倍率格納手段を実行する。なお、中央処理部は、濃度倍率決定手段を実行することなく、あらかじめ入力された濃度倍率をハードディスクに格納する濃度倍率格納手段を実行し、入力された濃度の試験用ガス25をガス除去エアフィルタ11に供給する場合もある。
コントローラ19の中央処理部は、選択された除去対象ガス25をハードディスクに格納する除去対象ガス格納手段を実行し、選択されたトレーサーガス31をハードディスクに格納するトレーサーガス格納手段を実行する。中央処理部は、トレーサーガス濃度倍率をハードディスクに格納するトレーサーガス濃度倍率格納手段を実行し、サンプル空気の採集時間をハードディスクに格納する空気採集時間格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、サンプル空気の採集量をハードディスクに格納する空気採集量格納手段を実行し、光音響ガスモニタ15,16におけるサンプル空気の濃度測定時間間隔をハードディスクに格納する濃度測定時間間隔格納手段を実行する。中央処理部は、通気ダクト21の空気取り入れ口23(ガス除去エアフィルタ11の入口側)からガス除去エアフィルタ11に向かって所定量の試験用ガス25とトレーサーガス31とを同時に供給するガス供給手段を実行する。
ガス供給手段では、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス25の濃度が光音響ガスモニタ16の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い場合、または、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス25の濃度が光音響ガスモニタ16の検出限界濃度よりも高い場合がある。ガス供給手段では、試験用ガス25とトレーサーガス31との供給時間が同一である。なお、ガス供給手段における試験用ガス25やトレーサーガス31の供給時では、ガス除去エアフィルタ11が施設において実際に使用中であり、通気ダクト21の空気取り入れ口23から取り入れられた空気の風量や風速が一定ではなく、ガス除去エアフィルタ11の周囲の空気流路22の空気の風量または風速が不均一である。
コントローラ19の中央処理部は、ガス供給手段の実行前に、通気ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間のダクト21に流れる空気(ガス除去エアフィルタ11の入口側に流れる空気)の一部を空気第1採集ユニット14に採集させるバックグラウンド空気第1採集手段を実行する。中央処理部は、バックグラウンド空気第1採集手段によってサンプル空気を採集した後、そのサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を光音響ガスモニタ16を利用して測定するバックグラウンドガス濃度第1測定手段を実行する。中央処理部は、バックグラウンドガス濃度第1測定手段によって測定した除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をハードディスクに格納するバックグラウンドガス濃度第1格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、ガス供給手段の実行前に、ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト21の空気排出口24との間のダクト21に流れる空気(ガス除去エアフィルタ11の出口側に流れる空気)の一部を空気第2採集ユニット15に採集させるバックグラウンド空気第2採集手段を実行する。中央処理部は、バックグラウンド空気第2採集手段によってサンプル空気を採集した後、そのサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を光音響ガスモニタ17を利用して測定するバックグラウンドガス濃度第2測定手段を実行する。中央処理部は、バックグラウンドガス濃度第2測定手段によって測定した除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をハードディスクに格納するバックグラウンドガス濃度第2格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、ガス供給手段の実行中に、通気ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間のダクト21に流れる空気(ガス除去エアフィルタ11の入口側に流れる空気)の一部を空気第1採集ユニット14に採集させるサンプル空気第1採集手段を実行する。中央処理部は、サンプル空気第1採集手段によってサンプル空気を採集した後、そのサンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度を光音響ガスモニタ16を利用して測定するガス濃度第1測定手段を実行する。中央処理部は、ガス濃度第1測定手段によって測定した試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度をハードディスクに格納するガス濃度第1格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、ガス供給手段の実行中に、ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト21の空気排出口24との間のダクト21に流れる空気(ガス除去エアフィルタ11の出口側に流れる空気)の一部を空気第2採集ユニット15に採集させるサンプル空気第2採集手段を実行する。中央処理部は、サンプル空気第2採集手段によってサンプル空気を採集した後、そのサンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度を光音響ガスモニタ17を利用して測定するガス濃度第2測定手段を実行する。中央処理部は、ガス濃度第2測定手段によって測定した試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度をハードディスクに格納するガス濃度第2格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、試験用ガス25およびトレーサーガス31の供給を停止した後(ガス供給手段を停止した後)、ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間のダクト21に流れる空気(ガス除去エアフィルタ11の入口側に流れる空気)の一部を空気第1採集ユニット14に採集させるサンプル空気第3採集手段を実行する。中央処理部は、サンプル空気第4採集手段によってサンプル空気を採集した後、そのサンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度を光音響ガスモニタ14を利用して測定するガス濃度第3測定手段を実行する。中央処理部は、ガス濃度第4測定手段によって測定した試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度をハードディスクに格納するガス濃度第3格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、試験用ガス25およびトレーサーガス31の供給を停止した後(ガス供給手段を停止した後)、ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト21の空気排出口24との間のダクト21に流れる空気(ガス除去エアフィルタ11の出口側に流れる空気)の一部を空気第2採集ユニット15に採集させるサンプル空気第4採集手段を実行する。中央処理部は、サンプル空気第3採集手段によってサンプル空気を採集した後、そのサンプル空気に含まれる試験用ガス25の濃度を光音響ガスモニタ17を利用して測定するガス濃度第4測定手段を実行する。中央処理部は、ガス濃度第3測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度をハードディスクに格納するガス濃度第4格納手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、試験用ガス25やトレーサーガス31の測定濃度データを出力する測定濃度データ出力手段を実行し、試験用ガス25の測定濃度データを時系列に表示したグラフを生成するグラフ生成手段を実行する。中央処理部は、生成したグラフを格納するグラフ格納手段を実行し、そのグラフを出力するグラフ出力手段を実行する。中央処理部は、通気ダクト21の空気取り入れ口23から供給した試験用ガス25の供給量とフィルタ11の下流側から検出された試験用ガス25の検出量とからフィルタ11における現在の放射性ヨウ素除去効率を算出する除去効率算出手段を実行し、算出した除去効率をバードディスクに格納する除去効率格納手段を実行する。中央処理部は、ガス除去エアフィルタ11の現在の対象ガス除去効率を出力する除去効率出力手段を実行する。
コントローラ19の中央処理部は、光音響ガスモニタ17によって時系列に測定された複数の測定濃度データに基づいて、ガス除去エアフィルタ11の欠陥をそのガス除去機能の低下であるか、または、フィルタ11やその設置器具の空気漏れ(リーク)であるかを分析する欠陥分析手段を実行し、その分析結果をバードディスクに格納する欠陥分析結果格納手段を実行する。中央処理部は、その分析結果を出力する欠陥分析結果出力手段を実行する。中央処理部は、フィルタ11の現在の対象ガス除去効率とフィルタ11の除去効率の下限値とを比較し、そのフィルタ11の継続使用または交換を判定するフィルタ状態判定手段を実行する。中央処理部は、ヨウ素ガス除去エアフィルタ11の継続使用または交換の判定結果をハードディスクに格納するフィルタ判定結果格納手段を実行し、フィルタ11の継続使用または交換の判定結果を出力するフィルタ判定結果出力手段を実行する。
図3は、ディスプレイ52に表示された初期画面の一例を示す図であり、図4は、濃度倍率設定画面の一例を示す図である。図5は、ガス濃度第1および第2測定における条件設定画面の一例を示す図であり、図6は、ガス濃度第3および第4測定における条件設定画面の一例を示す図である。図7は、このシステム10Aによって実行される除去効率測定のフローチャートの一例であり、図8は、図7から続くフローチャートである。図9は、図8から続くフローチャートである。図3〜図6では、各入力エリアや表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。
図7〜図9のフローチャートに基づいて、このシステム10Aにおける除去効率測定手順の一例を説明すると、以下のとおりである。システム10Aを起動すると、試験用ガス供給ユニット12、トレーサーガス供給ユニット13、空気第1採集ユニット14、空気第2採取ユニット15、光音響ガスモニタ16,17、流量計18、コントローラ19が稼動する。さらに、ダクト21に設置された給気ファンや排気ファンを別途起動させる。給気ファンや排気ファンを起動させると、図1に矢印L1で示すように、施設内の空気がダクト21の空気取り入れ口23からダクト21の空気流路22に進入し、その空気がガス除去エアフィルタ11を通ってダクト21の空気排気口24から排気される。ダクト21の空気流路22に進入した空気に除去対象ガスが含まれている場合、その除去対象ガスがガス除去エアフィルタ11によって吸着・除去される。
システム10Aを起動した後、コントローラ19は、図3の初期画面をディスプレイ52に表示する。初期画面には、濃度倍率設定ボタンA1、条件設定ボタンA2、バックグラウンド測定ボタンA3、ガス濃度第1および第2測定ボタンA4、ガス濃度第3および第4測定ボタンA5、第1測定グラフ表示ボタンA6、第1および第2測定データ表示ボタンA7、第3および第4測定データ表示ボタンA8、ログアウトボタンA9が表示される。ログアウトボタンA9をクリックすると、コントローラ19は、除去効率測定アプリケーションを終了する。システム10Aを利用した除去効率測定を継続する場合、最初に濃度倍率を設定する(S−1)。濃度倍率設定ボタンA1をクリックすると、コントローラ19は、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ52に表示する。濃度倍率設定画面には、測定対象フィルタ名入力エリアB1、限界効率入力エリアB2、除去対象ガス濃度倍率入力エリアB3、実行ボタンB4、キャンセルボタンB5、クリアボタンB6が表示される。
キーボード50やマウス51等の入力装置を利用して測定対象フィルタ名入力エリアB1に測定対象フィルタを特定する名称(番号や記号、仮称等を含む)を入力(フィルタ名入力エリアB1のプルダウンリストからフィルタ名称を選択)する。限界効率入力エリアB2にガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率を入力(限界効率入力エリアB2のプルダウンリストから限界効率を選択)する。または、限界効率を入力せずに、除去対象ガス濃度倍率入力エリアB3に除去対象ガスの濃度倍率を入力(除去対象ガス濃度倍率入力エリアB3のプルダウンリストから濃度倍率を選択)する。キャンセルボタンB5をクリックすると、図3の初期画面に戻る。クリアボタンB6をクリックすると、入力エリアB1〜B3に入力された各データが消去され、入力エリアB1〜B3に各データを再入力する。
フィルタ名を入力するとともに限界効率を入力した後、実行ボタンB4をクリックすると、コントローラ19は、限界効率入力エリアB2に入力された限界効率に基づいて、ガス除去エアフィルタ11に供給する試験用ガス25のダクト21内の空気に対する濃度倍率を決定し(濃度倍率決定手段)、図示はしていないが、濃度倍率確認画面をディスプレイ52に表示する。また、フィルタ名を入力するとともに濃度倍率を入力した後、実行ボタンB4をクリックすると、コントローラ19は、図示はしていないが、濃度倍率確認画面をディスプレイ52に表示する。
コントローラ19は、たとえば、ガス除去エアフィルタ11の限界効率が90%の場合、通気ダクト21内の空気に対する試験用ガス25の濃度の倍率を10倍(ダクト21内の空気を1とした場合、試験用ガス25は10)に決定する。また、ガス除去エアフィルタ11の限界効率が99%の場合、ダクト21内の空気に対する試験用ガス25の濃度の倍率を100倍(ダクト21内の空気を1とした場合、試験用ガス25は100)に決定する。
濃度倍率確認画面には、濃度倍率表示エリア、濃度倍率確認ボタン、濃度倍率変更ボタンが表示される。濃度倍率表示エリアには、除去対象ガス(試験用ガス25)の決定した濃度倍率が表示される。濃度倍率に変更があれば、濃度倍率変更ボタンをクリックする。濃度倍率変更ボタンをクリックすると、図4の濃度倍率入力画面に戻り、フィルタ名称や限界効率、濃度倍率の各データを再入力する。濃度倍率に変更がなければ、濃度倍率確認ボタンをクリックする。濃度倍率確認ボタンをクリックすると、コントローラ19は、測定対象フィルタ名入力エリアB1に入力された測定対象フィルタを特定するフィルタ識別子を生成し、フィルタ名(格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(フィルタ名格納手段)、濃度倍率(測定対象フィルタ名、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度倍率格納手段)。コントローラ19は、濃度倍率を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ52に表示する。
次に、ガス濃度測定条件を設定する(S−2)。初期画面において条件設定ボタンA2をクリックすると、コントローラ19は、図示はしていないが、ガス濃度第1および第2測定条件設定ボタン(ガス供給手段実行中サンプリングにおける条件設定ボタン)、ガス濃度第3および第4測定条件設定ボタン(ガス供給停止後サンプリングにおける条件設定ボタン)、キャンセルボタンをディスプレイ52に表示する。キャンセルボタンをクリックすると、図3の初期画面に戻る。
ガス濃度第1および第2測定条件設定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、図5のガス濃度第1および第2測定条件設定画面をディスプレイ52に表示する。図5の条件設定画面には、測定対象フィルタ名表示エリアC1、除去対象ガス入力エリアC2、トレーサーガス入力エリアC3、ガス供給時間入力エリアC4、ガス供給量入力エリアC5、トレーサーガス濃度倍率入力エリアC6、空気採集時間入力エリアC7、空気採集量入力エリアC8、濃度測定時間間隔入力エリアC9、実行ボタンC10、キャンセルボタンC11、クリアボタンC12が表示される。
測定対象フィルタ名表示エリアC1には、図4の濃度倍率設定画面において入力された測定対象フィルタ名が表示される。除去対象ガス入力エリアC2に除去対象ガスを入力(除去対象ガス入力エリアC2のプルダウンリストから除去対象ガスを選択)し、トレーサーガス入力エリアC3にトレーサーガスを入力(トレーサーガス入力エリアC3のプルダウンリストからトレーサーガスを選択)する。ガス供給時間入力エリアC4にそれらガスの供給時間を入力(供給時間入力エリアC4のプルダウンリストから供給時間を選択)(たとえば、30秒、1分、3分等で任意に設定可能)し、ガス供給量入力エリアC5にそれらガスの供給量を入力(ガス供給量入力エリアC5のプルダウンリストから供給量を選択)(たとえば、10ppm、30ppm、50ppm等で任意に設定可能)する。
さらに、トレーサーガス濃度倍率入力エリアC6にトレーサーガスの濃度倍率を入力(トレーサーガス濃度倍率入力エリアC6のプルダウンリストからトレーサーガス濃度倍率を選択)し、空気採集時間入力エリアC7にガス濃度第1および第2測定における空気採集時間を入力(空気採集時間入力エリアC7のプルダウンリストから採集時間を選択)(たとえば、1分、3分、5分等で任意に設定可能)する。空気採集量入力エリアC8にガス濃度第1および第2測定における空気採集量を入力(空気採集量入力エリアC8のプルダウンリストから採集量を選択)(たとえば、20ミリリットル、50ミリリットル、1リットル等で任意に設定可能)し、濃度測定時間間隔入力エリアC9にガス濃度第1および第2測定における濃度測定時間間隔を入力(濃度測定時間間隔入力エリアC9のプルダウンリストから測定時間間隔を選択)(たとえば、20秒、30秒、40秒等で任意に設定可能)する。なお、キャンセルボタンC11をクリックすると、図3の初期画面に戻る。クリアボタンC12をクリックすると、入力エリアC2〜C9に入力された各データが消去され、入力エリアC2〜C9に各データを再入力する。
それら入力エリアC2〜C9に各データを入力した後、実行ボタンC10をクリックすると、コントローラ19は、図示はしていないが、条件設定確認画面をディスプレイ52に表示する。条件設定確認画面では、表示エリアC1や各入力エリアC2〜C9にデータが表示されるとともに、条件確認ボタン、条件変更ボタンが表示される。入力したデータに変更があれば、条件変更ボタンをクリックする。条件変更ボタンをクリックすると、図5の条件設定画面に戻り、それら入力エリアC2〜C9に各データを再入力する。入力したデータに変更がなければ、条件確認ボタンをクリックする。
条件確認ボタンをクリックすると、コントローラ19は、入力(選択)された除去対象ガス(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(除去対象ガス格納手段)、入力(選択)されたトレーサーガス(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(トレーサーガス格納手段)。ガス供給時間(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(ガス供給時間格納手段)、ガス供給量(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス供給量格納手段)。
さらに、コントローラ19は、入力(選択)されたトレーサーガス濃度倍率(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(トレーサーガス濃度倍率格納手段)、空気採集時間(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(空気採集時間格納手段)。コントローラ19は、空気採集量(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(空気採集量格納手段)、濃度測定時間間隔(第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度測定時間間隔格納手段)。
コントローラ19は、第1および第2測定における除去対象ガスやトレーサーガス、ガス供給時間、ガス供給量、トレーサーガス濃度倍率、空気採集時間、空気採集量を格納すると、ガス濃度第1および第2測定条件設定ボタン、ガス濃度第3および第4測定条件設定ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ52に表示する。ガス濃度第3および第4測定を行わず、ガス濃度第1および第2測定のみを行う場合は、キャンセルボタンをクリックする。ガス濃度第3および第4測定を行う場合、ガス濃度第3および第4測定条件設定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、図6のガス濃度第3および第4測定条件設定画面をディスプレイ52に表示する。図6の条件設定画面には、測定対象フィルタ名表示エリアD1、空気採集時間入力エリアD2、空気採集量入力エリアD3、濃度測定時間間隔入力エリアD4、実行ボタンD5、キャンセルボタンD6、クリアボタンD7が表示される。
測定対象フィルタ名表示エリアD1には、図4の濃度倍率設定画面において入力された測定対象フィルタ名が表示される。空気採集時間入力エリアD2にガス濃度第3および第4測定における空気採集時間を入力(空気採集時間入力エリアD2のプルダウンリストから採集時間を選択)(たとえば、1分、3分、5分等で任意に設定可能)し、空気採集量入力エリアD3にガス濃度第3および第4測定における空気採集量を入力(空気採集量入力エリアD3のプルダウンリストから採集量を選択)(たとえば、20ミリリットル、50ミリリットル、1リットル等で任意に設定可能)する。濃度測定時間間隔入力エリアD4にガス濃度第3および第4測定における濃度測定時間間隔を入力(濃度測定時間間隔入力エリアD4のプルダウンリストから測定時間間隔を選択)(たとえば、20秒、30秒、40秒等で任意に設定可能)する。なお、キャンセルボタンD6をクリックすると、図3の初期画面に戻る。クリアボタンD7をクリックすると、入力エリアD2〜D4に入力された各データが消去され、入力エリアD2〜D4に各データを再入力する。
それら入力エリアD2〜D4に各データを入力した後、実行ボタンD5をクリックすると、コントローラ19は、図示はしていないが、条件設定確認画面をディスプレイ52に表示する。条件設定確認画面では、表示エリアD1や各入力エリアD2〜D4にデータが表示されるとともに、条件確認ボタン、条件変更ボタンが表示される。入力したデータに変更があれば、条件変更ボタンをクリックする。条件変更ボタンをクリックすると、図6の条件設定画面に戻り、それら入力エリアD2〜D4に各データを再入力する。入力したデータに変更がなければ、条件確認ボタンをクリックする。
条件確認ボタンをクリックすると、コントローラ19は、空気採集時間(第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(空気採集時間格納手段)、空気採集量(第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(空気採集量格納手段)、濃度測定時間間隔(第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時を含む)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度測定時間間隔格納手段)。
コントローラ19は、第3および第4測定における空気採集時間、空気採集量、濃度測定時間間隔を格納すると、図3の初期画面をディスプレイ43に表示する。ガス濃度第3および第4測定における条件設定が完了した後、バックグラウンドの測定を行う。図3の初期画面において、バックグラウンド測定ボタンA3をクリックする。バックグラウンド測定ボタンA3をクリックすると、コントローラ19は、空気第1採集ユニット14を利用し、ガス除去エアフィルタ11の上流側に延びるダクト21(ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間に延びるダクト21)からサンプル空気を採集する(バックグラウンド空気第1採集手段)。さらに、空気第2採集ユニット15を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト21(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト21の空気排出口24との間に延びるダクト21)からサンプル空気を採集する(バックグラウンド空気第2採集手段)(S−3)。
コントローラ19は、図示はしていないが、バックグラウンド測定中メッセージをディスプレイ52に表示する。なお、通気ダクト21には図示しない給気ファンや排気ファンを介して施設内の空気が強制的に流入している。コントローラ19は、設定量のサンプル空気の採集指示信号を流量計付き調節バルブ39,46に出力し、吸引ポンプ38,45を稼動させ、切替バルブ41,48の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ40,47の弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ39,46から切替バルブ40,47に達したサンプル空気の一定量を光音響ガスモニタ16,17に流入させる。
ガス除去エアフィルタ11の入口側を流れる空気(ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間に延びる空気流路22を流動する空気)は、その一部(サンプル空気)が採集口36からポンプ38に進入し、サンプリング管路42を通って光音響ガスモニタ16に流入し、ガスモニタ16から再びサンプリング管路42を通って放出口37からダクト21の空気流路22に放出される。ガス除去エアフィルタ11を通過した空気(フィルタ11の出口とダクト21の空気排気口24との間に延びる空気流路20を流動する空気)は、その一部(サンプル空気)が採集口43からポンプ45に進入し、サンプリング管路49を通って光音響ガスモニタ17に流入し、ガスモニタ17から再びサンプリング管路49を通って放出口44からダクト21の空気流路22に放出される。
コントローラ19は、空気第1採集ユニット14が採集したサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をガスモニタ16に測定させる(バックグラウンドガス濃度第1測定手段)(S−4)。光音響ガスモニタ16は、コントローラ19からの指示にしたがって、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を設定された時間間隔(図5の条件設定画面の濃度測定時間間隔入力エリアC8において設定された時間間隔)で間欠的に複数回測定する。なお、サンプル空気は、光音響ガスモニタ16からサンプル管路42を通って放出口37からダクト21内に放出される。
コントローラ19は、空気第2採集ユニット15が採集したサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ17に出力し、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をガスモニタ17に測定させる(バックグラウンドガス濃度第2測定手段)(S−4)。光音響ガスモニタ17は、コントローラ19からの指示にしたがって、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を設定された時間間隔(図5の条件設定画面の濃度測定時間間隔入力エリアC8において設定された時間間隔)で間欠的に複数回測定する。なお、サンプル空気は、光音響ガスモニタ17からサンプル管路49を通って放出口44からダクト21内に放出される。
コントローラ19は、バックグラウンドの測定時間が経過したかを判断する(S−5)。なお、バックグラウンドの測定時間は、コントローラ19のハードディスクにあらかじめ格納されており、自由に設定することができる。測定時間が経過していない場合、コントローラ19は、ステップ3(S−3)に戻ってバックグラウンドの測定を継続する。測定時間が経過した場合、コントローラ19は切替バルブ40,47の弁機構を閉鎖し、サンプル空気の光音響ガスモニタ16,17への流入を停止し、切替バルブ41,48の弁機構を開放し、サンプル空気を放出口37,44からダクト21の空気流路22に放出する。次に、切替バルブ41,48の弁機構を閉鎖し、ポンプ38,45を停止してサンプル空気の採集を停止する(S−6)。
サンプル空気の採集を停止した後(バックグラウンド測定が完了した後)、コントローラ19は、図示はしていないが、バックグラウンド測定完了メッセージ、バックグラウンド測定終了ボタンをディスプレイ52に表示する。バックグラウンド測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ19は、バックグラウンド測定が終了したと判断し、測定した濃度データの転送指示信号を光音響ガスモニタ16,17に出力する。光音響ガスモニタ16,17は、転送指示にしたがって、測定した複数の除去対象ガスバックグラウンド濃度データとトレーサーガスバックグラウンド濃度データとをコントローラ19に出力する(S−7)。
コントローラ19は、光音響ガスモニタ16,17から出力されたバックグラウンド濃度測定データ(複数の濃度データを平均した除去対象ガスバックグラウンド濃度、複数の濃度データを平均したトレーサーガスバックグラウンド濃度、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(バックグラウンドガス濃度第1格納手段、バックグラウンドガス濃度第2格納手段)(S−8)。コントローラ19は、図示はしていないが、バックグラウンド測定完了メッセージとバックグラウンド測定完了確認ボタンとをディスプレイ52に表示する。バックグラウンド測定完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ19は、図3の初期画面をディスプレイ52に表示する。
バックグラウンドガス濃度の格納が完了した後、ガス除去エアフィルタ11の除去効率の測定を行う。図3の初期画面においてガス濃度第1および第2測定ボタンA4をクリックする。ガス濃度第1および第2測定ボタンA4をクリックすると、コントローラ19は、ガス除去エアフィルタ11の上流側の空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31との濃度測定を行うとともに、ガス除去エアフィルタ11を透過した空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度測定を行う。コントローラ19は、設定された供給量の試験用ガス25およびトレーサーガス31の供給指示信号を質量流量計27,33に出力し、切替バルブ28,34の弁機構を開放するとともに、質量流量計27,33を調節し、ダクト21を流れる空気に対して試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度があらかじめ設定された濃度倍率になるように、設定量(図5の条件設定画面のガス供給量入力エリアC5において設定された供給量)の試験用ガス25およびトレーサーガス31を噴霧器から通気ダクト21の空気流路22に供給する(ガス供給手段)(S−9)。
コントローラ19は、あらかじめ設定された供給時間(図5の条件設定画面のガス供給時間入力エリアC4において設定された供給時間)の間、それらガス25,31をダクト21に供給し、供給時間が経過すると、切替バルブ28,34の弁機構を閉鎖し、それらガス25,31の供給を停止する。コントローラ19は、それらガス25,31の供給開始と供給停止とを同期して行い、それらガス25,31を同一時間ダクト21に供給する。コントローラ19は、図示はしていないが、ガス供給中メッセージおよびガス濃度測定中メッセージをディスプレイ52に表示する。
噴霧器からダクト21の空気流路22に供給された試験用ガス25およびトレーサーガス31は、空気取り入れ口23から流入する施設内の空気と混合されながらガス除去エアフィルタ11に達する。空気は、除去エアフィルタ11を透過し、空気流路22を通って空気排気口24から施設内または施設外に排気される。なお、通気ダクト21には図示しない給気ファンや排気ファンを介して施設内の空気が強制的に流入しており、ガス除去エアフィルタ11の周囲の空気の風量や風速が均一ではない。
ガス除去エアフィルタ11が試験用ガス25の十分な除去機能を有する場合、試験用ガス25がフィルタ11に吸着・除去され、試験用ガス25がフィルタ11を透過することはなく、または、試験用ガス25がフィルタ11から徐々に漏出することはない。逆に、ガス除去エアフィルタ11の試験用ガス25に対する除去機能が低下し、または、除去機能を喪失している場合、試験用ガス25がフィルタ11に吸着されず、試験用ガス25が空気とともにフィルタ11を透過し、または、試験用ガス25が空気とともにフィルタ11から徐々に漏出する。また、ガス除去エアフィルタ11にピンホールや破損等の不具合が生じていたり、フィルタ11の設置器具(フィルタ収納カートリッジ20やパッキン、締め付け螺子等)に隙間や破損等の不具合が生じていると、試験用ガス25が空気とともにフィルタ11や設置器具を透過する。なお、トレーサーガス31は、ガス除去エアフィルタ11に吸着・除去されることはなく、空気とともにフィルタ11を透過する。
コントローラ19は、試験用ガス25とトレーサーガス31とを供給した直後から採集時間が経過するまでの間、空気第1採集ユニット14を利用し、ガス除去エアフィルタ11の上流側に延びるダクト21からサンプル空気を採集するとともに、空気第2採集ユニット15を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト21からサンプル空気を採集する。コントローラ19は、設定された採集量のサンプル空気の採集指示信号を流量計付き調節バルブ39に出力し、吸引ポンプ38を稼動させ、切替バルブ41の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ40の弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ39から切替バルブ40に達したサンプル空気の設定量を光音響ガスモニタ16に流入させる(サンプル空気第1採集手段)(S−10)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16に濃度測定指示信号を出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させる(ガス濃度第1測定手段)(S−11)。
コントローラ19は、設定された採集量のサンプル空気の採集指示信号を流量計付き調節バルブ46に出力し、吸引ポンプ45を稼動させ、切替バルブ48の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ47の弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ46から切替バルブ47に達したサンプル空気の設定量を光音響ガスモニタ17に流入させる(サンプル空気第2採集手段)(S−10)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ17に濃度測定指示信号を出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ17に測定させる(ガス濃度第2測定手段)(S−11)。さらに、コントローラ19は、通気ダクト21の空気流路22に流れる空気の風量の測定指示信号を流量計18に出力し、測定した風量データの転送指示信号を流量計18に出力する。
空気取り入れ口23から流入した空気は、フィルタ11の上流側においてその一部(サンプル空気)が採集口36からサンプリング管路42に進入し、吸引ポンプ38から流量計付き調節バルブ39を通って光音響ガスモニタ16に流入し、ガスモニタ16から再びサンプリング管路42を通って放出口37からダクト21の空気流路22に放出される。光音響ガスモニタ16は、コントローラ19からの濃度測定指示にしたがって、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度を設定された時間間隔(たとえば、10秒間隔、20秒間隔、30秒間隔)で間欠的に複数回測定する。
ガス除去エアフィルタ11を透過した空気は、フィルタ11の下流側においてその一部(サンプル空気)が採集口43からサンプリング管路49に進入し、吸引ポンプ45から流量計付き調節バルブ46を通って光音響ガスモニタ17に流入し、ガスモニタ17から再びサンプリング管路49を通って放出口44からダクト211の空気流路22に放出される。光音響ガスモニタ17は、コントローラ19からの濃度測定指示にしたがって、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度を設定された時間間隔(たとえば、10秒間隔、20秒間隔、30秒間隔)で間欠的に複数回測定する。流量計18は、コントローラ19からの風量測定指示にしたがって、通気ダクト21の空気流路22に流れる空気の風量を測定し、転送指示にしたがって、測定した風量データをコントローラ19に出力する。コントローラ19は、流量計18から出力された風量データ(格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する。
コントローラ19は、濃度測定時間(空気採集時間)が経過したかを判断する(S−12)。濃度測定時間が経過していない場合、コントローラ19は、ステップ10(S−10)に戻って濃度測定を継続する。濃度測定時間が経過した場合、コントローラ19は切替バルブ40,47の弁機構を閉鎖し、サンプル空気の光音響ガスモニタ16,17への流入を停止し、切替バルブ41,48の弁機構を開放し、サンプル空気を放出口37,44からダクト21の空気流路22に放出する。次に、切替バルブ41,48の弁機構を閉鎖し、ポンプ38,45を停止してサンプル空気の採集を停止する(S−13)。
サンプル空気の採集を停止した後(濃度測定が完了した後)、コントローラ19は、図示はしていないが、濃度測定完了メッセージ、濃度測定終了ボタン、濃度測定継続ボタンをディスプレイ52に表示する。濃度測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ19は、濃度測定が終了したと判断し(S−14)、測定した濃度データの転送指示信号を光音響ガスモニタ16,17に出力する。なお、光音響ガスモニタ16は、バックグラウンドガス濃度第1測定手段によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度を補正するとともに、バックグラウンドガス濃度第1測定手段によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段によって測定したトレーサーガス31の濃度を補正する。光音響ガスモニタ17は、バックグラウンドガス濃度第2測定手段によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第2測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度を補正するとともに、バックグラウンドガス濃度第2測定手段によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第2測定手段によって測定したトレーサーガス31の濃度を補正する。
光音響ガスモニタ16は、コントローラ19からの転送指示にしたがって、サンプル空気の試験用ガス25の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)およびトレーサーガス31の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)をコントローラ19に出力する(S−15)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データ(複数の試験用ガス実測濃度、複数のトレーサーガス実測濃度、第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第1格納手段)(S−16)。
光音響ガスモニタ17は、コントローラ19からの転送指示にしたがって、サンプル空気の試験用ガス25の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)およびトレーサーガス31の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)をコントローラ19に出力する(S−15)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ17から出力された実測濃度データ(複数の試験用ガス実測濃度、複数のトレーサーガス実測濃度、第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第2格納手段)(S−16)。コントローラ19は、図示はしていないが、ガス濃度測定完了メッセージ、ガス濃度測定完了確認ボタン、濃度測定継続ボタンをディスプレイ52に表示する。ガス濃度測定完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ19は、図3の初期画面をディスプレイ52に表示する。
同じガス除去エアフィルタ11においてサンプル空気(ガス供給手段実行中におけるサンプル空気)の試験用ガス25とトレーサーガス31との濃度測定を2回以上行う場合、濃度測定継続ボタンをクリックする。濃度測定継続ボタンをクリックすると、コントローラ19は、濃度測定が終了していないと判断し(S−14)、光音響ガスモニタ16,17に濃度測定データの転送を指示する。光音響ガスモニタ16,17は、コントローラ19からの転送指示にしたがって、サンプル空気の試験用ガス25の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)およびトレーサーガス31の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)をコントローラ19に出力する(S−17)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16,17から出力された実測濃度データ(複数の試験用ガス実測濃度、複数のトレーサーガス実測濃度、第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第1格納手段、ガス濃度第2格納手段)(S−18)。コントローラ19は、濃度測定データを格納すると、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ52に表示し、ステップ1(S−1)からの手順を繰り返す。その場合、濃度倍率や条件設定を従前と同一としつつ、バックグラウンド測定を省略した状態でステップ9(S−9)以降の手順を実施することができる。
次に、図3の初期画面において、ガス濃度第3および第4測定ボタンA5をクリックする。ガス濃度第3および第4測定ボタンA5をクリックすると、コントローラ19は、試験用ガス25とトレーサーガス31との供給を停止した後、空気第1採集ユニット14を利用し、ガス除去エアフィルタ11の上流側に延びるダクト21からサンプル空気(ガス供給停止後のサンプル空気)を採集するとともに、空気第2採集ユニット15を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト21からサンプル空気(ガス供給停止後のサンプル空気)を採集する。
コントローラ19は、設定された採集量のサンプル空気の採集指示信号を流量計付き調節バルブ39に出力し、吸引ポンプ38を稼動させ、切替バルブ41の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ40の弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ39から切替バルブ40に達したサンプル空気の設定量を光音響ガスモニタ16に流入させる(サンプル空気第3採集手段)(S−19)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16に濃度測定指示信号を出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させる(ガス濃度第3測定手段)(S−20)。
コントローラ19は、設定された採集量のサンプル空気の採集指示信号を流量計付き調節バルブ46に出力し、吸引ポンプ45を稼動させ、切替バルブ48の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ47の弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ46から切替バルブ47に達したサンプル空気の設定量を光音響ガスモニタ17に流入させる(サンプル空気第4採集手段)(S−19)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ17に濃度測定指示信号を出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25の濃度をガスモニタ17に測定させる(ガス濃度第4測定手段)(S−20)。
コントローラ19は、濃度測定時間(空気採集時間)が経過したかを判断する(S−21)。濃度測定時間が経過していない場合、コントローラ19は、ステップ19(S−19)に戻って濃度測定を継続する。濃度測定時間が経過した場合、コントローラ19は切替バルブ40,47の弁機構を閉鎖し、サンプル空気の光音響ガスモニタ16,17への流入を停止し、切替バルブ41,48の弁機構を開放し、サンプル空気を放出口37,44からダクト21の空気流路22に放出する。次に、切替バルブ41,48の弁機構を閉鎖し、ポンプ38,45を停止してサンプル空気の採集を停止する(S−22)。
サンプル空気の採集を停止した後(濃度測定が完了した後)、コントローラ19は、図示はしていないが、濃度測定完了メッセージ、濃度測定終了ボタン、濃度測定継続ボタンをディスプレイ52に表示する。濃度測定終了ボタンをクリックすると、コントローラ19は、濃度測定が終了したと判断し(S−23)、測定した濃度データの転送指示信号を光音響ガスモニタ16,17に出力する。なお、光音響ガスモニタ16は、バックグラウンドガス濃度第1測定手段によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第3測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度を補正するとともに、バックグラウンドガス濃度第1測定手段によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第3測定手段によって測定したトレーサーガス31の濃度を補正する。光音響ガスモニタ17は、バックグラウンドガス濃度第2測定手段によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第4測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度を補正する。
光音響ガスモニタ16は、コントローラ19からの転送指示にしたがって、サンプル空気の試験用ガス25の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)およびトレーサーガス31の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)をコントローラ19に出力する(S−24)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データ(複数の試験用ガス実測濃度、複数のトレーサーガス実測濃度、第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第3格納手段)(S−25)。
光音響ガスモニタ17は、コントローラ19からの転送指示にしたがって、サンプル空気の試験用ガス25の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)をコントローラ19に出力する(S−24)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ17から出力された実測濃度データ(複数の試験用ガス実測濃度、第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第4格納手段)(S−25)。コントローラ19は、図示はしていないが、ガス濃度測定完了メッセージ、ガス濃度測定完了確認ボタン、濃度測定継続ボタンをディスプレイ52に表示する。ガス濃度測定完了確認ボタンをクリックすると、コントローラ19は、図3の初期画面をディスプレイ52に表示する。
同じガス除去エアフィルタ11においてサンプル空気(ガス供給後におけるサンプル空気)の試験用ガス25とトレーサーガス31との濃度測定を2回以上行う場合、濃度測定継続ボタンをクリックする。濃度測定継続ボタンをクリックすると、コントローラ19は、濃度測定が終了していないと判断し(S−23)、光音響ガスモニタ16,17に濃度測定データの転送を指示する。光音響ガスモニタ16,17は、コントローラ19からの転送指示にしたがって、サンプル空気の試験用ガス25の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)およびトレーサーガス31の実測濃度データ(補正した複数の実測濃度データ)をコントローラ19に出力する(S−26)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16,17から出力された実測濃度データ(複数の試験用ガス実測濃度、複数のトレーサーガス実測濃度、第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第3格納手段、ガス濃度第4格納手段)(S−27)。コントローラ19は、濃度測定データを格納すると、図4の濃度倍率設定画面をディスプレイ52に表示し、ステップ1(S−1)からの手順を繰り返す。その場合、濃度倍率や条件設定を従前と同一としつつ、バックグラウンド測定を省略した状態でステップ19(S−19)以降の手順を実施することができる。
図10は、フィルタ指定画面の一例を示す図であり、図11は、グラフ表示画面の一例を示す図である。図12は、グラフ表示画面の他の一例を示す図であり、図13は、グラフ表示画面の他の一例を示す図である。図14は、濃度第1および第2測定データ表示画面の一例を示す図であり、図15は、濃度第3および第4測定データ表示画面の一例を示す図である。図10,14,15では、各入力エリアや各表示エリアに表示されるデータの図示を省略している。図11〜図13のグラフF2,G2,H2では、縦軸に測定した試験用ガス25の濃度が表示され、横軸に経過時間が表示されている。図11〜図13のグラフF2,G2,H2では、濃度測定時間内の経過時間における測定濃度の変化を表している。
ガス濃度第1および第2測定、ガス濃度第3および第4測定が終了した後、コントローラ19は、横軸の時間軸に、複数の試験用ガス実測濃度を設定された時間間隔で表示し、それら濃度どうしを線分で結ぶことによって図11〜図13の折れ線グラフF2,G2,H2を生成する(グラフ生成手段)。コントローラ19は、生成したグラフF2,G2,H2をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(グラフ格納手段)、その後、図3の初期画面をディスプレイ52に表示する。
コントローラ19は、試験用ガス25の供給量と試験用ガス25の検出量とから濃度測定が終了したガス除去エアフィルタ11の除去効率を算出する(除去効率算出手段)。具体的には、式:η(%)=(h1/h2)×100={(∫g1×f)/(∫g2×f)}×100によって算出する。ここで、ηは、除去効率、h1は、試験用ガス25の供給量であり、h2は、試験用ガス25の検出量である。∫g1は、光音響ガスモニタ16によって測定された試験用ガス25の濃度の積分値、∫g2は、光音響ガスモニタ17によって測定された試験用ガス25の濃度の積分値であり、fは、流量計18から出力された風量である。コントローラ19は、算出した除去効率をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(除去効率格納手段)。
コントローラ19は、算出したガス除去エアフィルタ11の現在の除去対象ガスに対する除去効率(%)とフィルタ11の除去効率下限値(%)(フィルタ11の継続使用に必要な除去効率の下限値)とを比較し、そのフィルタ11の継続使用または交換を判定する(フィルタ状態判定手段)。コントローラ19は、ガス除去エアフィルタ11の継続使用または交換の判定結果をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(フィルタ判定結果格納手段)実行する。
コントローラ19は、図12,13のグラフG2,H2(光音響ガスモニタ17によって時系列に測定された複数の測定濃度データ)に基づいて、ガス除去エアフィルタ11の欠陥をその除去機能の低下であるか、または、フィルタ11やその設置器具の空気漏れ(リーク)であるかを分析する(欠陥分析手段)。コントローラ19は、その分析結果(除去機能の低下またはリーク)をフィルタ識別子に関連付けた状態でバードディスクに格納する(欠陥分析結果格納手段)を実行する。
図3の初期画面において第1測定グラフ表示ボタンA6をクリックすると、コントローラ19は、図10に示すフィルタ指定画面をディスプレイ52に表示する。図10のフィルタ指定画面には、フィルタ名入力エリアE1、グラフ表示ボタンE2、データ表示画面E3、クリアボタンE4、キャンセルボタンE5が表示される。フィルタ名入力エリアE1にグラフ表示をするフィルタ名を入力(フィルタ名入力エリアE1のプルダウンリストからフィルタ名を選択)し、グラフ表示ボタンE2をクリックする。なお、クリアボタンE4をクリックすると、入力エリアE1に入力されたデータがクリアされ、入力エリアE1にフィルタ名を再入力する。キャンセルボタンE5をクリックすると、図3の初期画面が表示される。
図10のフィルタ指定画面においてグラフ表示ボタンE2をクリックすると、コントローラ19は、指定されたガス除去エアフィルタ11に対応する図11〜図13のグラフF2,G2,H2をディスプレイ52に表示する(グラフ出力手段)(S−19)。なお、図11〜図13のグラフH2,I2,H2は、プリンタを介して出力することができる。図11に示すグラフ表示画面には、フィルタ名が表示されたフィルタ名表示エリアF1、グラフ表示エリアF2、印刷ボタンF3、閉じるボタンF4が表示される。
図11のグラフF2は、試験用ガス25が検出されなかった場合のグラフF2であり、指定されたガス除去エアフィルタ11が除去対象ガスの十分な除去機能を有し、また、フィルタ11にピンホールや破損等の不具合がなく、フィルタ11の設置器具(フィルタ収納カートリッジ20やパッキン、締め付け螺子等)に隙間や破損等の不具合(リーク)がない場合である。図11のグラフF2に示す濃度測定結果では、試験用ガス25がガス除去エアフィルタ11に吸着・除去され、試験用ガス25がフィルタ11を透過することはなく、そのフィルタ11が除去対象ガスの十分な除去機能を有し、フィルタ11の交換の必要はなく、設置器具の修理の必要はない。
図11のグラフ表示画面を確認することで、その表示画面に表示されたガス除去エアフィルタ11が試験用ガス25(除去対象ガス)の十分な除去機能を有するとともに、フィルタ11に不具合がなく、フィルタ11の設置器具に不具合がないことを把握することができ、フィルタ11の交換不要を判断することができるとともに、フィルタ11の設置器具の修理不要を判断することができる。
図12に示すグラフ表示画面には、フィルタ名が表示されたフィルタ名表示エリアG1、グラフ表示エリアG2、印刷ボタンG3、閉じるボタンG4が表示される。図12のグラフG2は、試験用ガス25が検出された場合のグラフG2であり、指定されたガス除去エアフィルタ11にピンホールや破損等の不具合がある場合やフィルタ11の設置器具に隙間や破損等の不具合(リーク)がある場合である。図12のグラフG2に示す濃度測定結果では、試験用ガス25の濃度が短時間に急激に上昇し、その後、急激に下降している。これは、試験用ガス25が瞬時にガス除去エアフィルタ11を通過し、または、試験用ガス25が瞬時に設置器具を通過したことを表している。図12のグラフG2に示す濃度測定結果では、試験用ガス25がガス除去エアフィルタ11に吸着・除去されず、試験用ガス25がフィルタ11や設置器具を透過し、そのフィルタ11が除去対象ガスの十分な除去機能を有さず、フィルタ11の交換が必要となり、設置器具の修理が必要となる。
図12のグラフ表示画面を確認することで、その表示画面に表示されたガス除去エアフィルタ11が試験用ガス25(除去対象ガス)の除去機能を有さず、フィルタ11に不具合があり、または、フィルタ11の設置器具に不具合があることを把握することができ、フィルタ11の交換必要を判断することができるとともに、フィルタ11の設置器具の修理必要を判断することができる。
図13に示すグラフ表示画面には、フィルタ名が表示されたフィルタ名表示エリアH1、グラフ表示エリアH2、印刷ボタンH3、閉じるボタンH4が表示される。図13のグラフH2は、図12と同様に、試験用ガス25が検出された場合のグラフH2であり、指定されたガス除去エアフィルタ11の試験用ガス25に対する除去機能が低下している場合やフィルタ11の試験用ガス25に対する除去機能が喪失している場合である。図13のグラフH2に示す濃度測定結果では、試験用ガス25の濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガス25がフィルタ11から徐々に漏出し、試験用ガス25の濃度が徐々に下降している。これは、試験用ガス25が一旦ガス除去エアフィルタ11に吸着された後、フィルタ11に吸着した試験用ガス25を保持する機能が低下または喪失していることを表している。
図13のグラフH2に示す濃度測定結果では、試験用ガス25がガス除去エアフィルタ11から次第に放出され、そのフィルタ11が試験用ガス25(除去対象ガス)の十分な除去機能を有さず、フィルタ11の交換が必要になる。図13のグラフ表示画面を確認することで、ガス除去エアフィルタ11の試験用ガス25に対する除去機能が低下し、または、フィルタ11の試験用ガス25に対する除去機能が喪失し、フィルタ11に不具合があることを把握することができ、フィルタ11の交換必要を判断することができる。
第1および第2測定データを表示する場合、図3の初期画面において、第1および第2測定データ表示ボタンA7をクリックする。第1および第2測定データ表示ボタンA7をクリックすると、コントローラ19は、図10に示すフィルタ指定画面をディスプレイ52に表示する。図10のフィルタ指定画面において、フィルタ名入力エリアE1にデータ表示をするフィルタ名を入力し、データ表示ボタンE3をクリックすると、コントローラ19は、図14に示す第1および第2測定データ表示画面をディスプレイ52に表示する(測定濃度データ出力手段)(S−28)。なお、図14の測定データ表示画面に表示されたデータは、プリンタを介して出力することができる。
図14の第1および第2測定データ表示画面には、フィルタ名表示エリアI1、測定日時表示エリアI2、ガス供給量表示エリアI3、ガス供給時間表示エリアI4、空気採集量表示エリアI5、空気採集時間表示エリアI6、濃度測定時間間隔表示エリアI7、除去対象ガス表示エリアI8、除去対象ガス濃度倍率表示エリアI9、トレーサーガス表示エリアI10、トレーサーガス濃度倍率表示エリアI11、入口側試験用ガス実測濃度表示エリアI12、入口側トレーサーガス実測濃度表示エリアI13、出口側試験用ガス実測濃度表示エリアI14、出口側トレーサーガス実測濃度表示エリアI15、除去効率表示エリアI16、欠陥種類表示エリアI17、フィルタ判定結果表示エリアI18、印刷ボタンI19、閉じるボタンI20が表示される。
フィルタ名表示エリアI1には、図10のフィルタ指定画面で指定したフィルタ名が表示され、測定日時表示エリアI2には、そのフィルタ名のフィルタの濃度測定日時が表示されるとともに、ガス供給量表示エリアI3には、試験用ガス25やトレーサーガス31の供給量が表示される。ガス供給時間表示エリアI4には、試験用ガス25やトレーサーガス31の供給時間が表示され、空気採集量表示エリアI5には、サンプル空気の採集量が表示されるとともに、空気採集時間表示エリアI6には、サンプル空気の採集時間が表示される。濃度測定時間間隔表示エリアI7には、濃度測定の時間間隔が表示され、除去対象ガス表示エリアI8には、図5の条件設定画面において指定した除去対象ガスが表示されるとともに、除去対象ガス濃度倍率表示エリアI9には、除去対象ガスの濃度倍率が表示される。トレーサーガス表示エリアI10には、図5の条件設定画面において指定したトレーサーガスが表示され、トレーサーガス濃度倍率表示エリアI11には、レーサーガスガスの濃度倍率が表示される。
入口側試験用ガス実測濃度表示エリアI12には、ガス濃度第1測定における試験用ガスの実測濃度が表示され、入口側トレーサーガス実測濃度表示エリアI13には、ガス濃度第1測定におけるトレーサーガスの実測濃度が表示される。出口側試験用ガス実測濃度表示エリアI14には、ガス濃度第2測定における試験用ガスの実測濃度が表示され、出口側トレーサーガス実測濃度表示エリアI15には、ガス濃度第2測定におけるトレーサーガスの実測濃度が表示される。除去効率表示エリアI16には、除去効率が表示され(除去効率出力手段)、欠陥種類表示エリアI17には、欠陥種類(除去機能の低下またはリーク)が表示されるとともに(欠陥分析結果出力手段)、フィルタ判定結果表示エリアI18には、フィルタ11の継続使用または交換の判定結果が表示される(フィルタ判定結果出力手段)。
第3および第4測定データを表示する場合、図3の初期画面において、第3および第4測定データ表示ボタンA8をクリックする。第3および第4測定データ表示ボタンA8をクリックすると、コントローラ19は、図10に示すフィルタ指定画面をディスプレイ52に表示する。図10のフィルタ指定画面において、フィルタ名入力エリアE1にデータ表示をするフィルタ名を入力し、データ表示ボタンE3をクリックすると、コントローラ19は、図15に示す第3および第4測定データ表示画面をディスプレイ52に表示する(測定濃度データ出力手段)(S−28)。なお、図15の測定データ表示画面に表示されたデータは、プリンタを介して出力することができる。
図15の第3および第4測定データ表示画面には、フィルタ名表示エリアJ1、測定日時表示エリアJ2、空気採集量表示エリアJ3、空気採集時間表示エリアJ4、濃度測定時間間隔表示エリアJ5、入口側試験用ガス実測濃度表示エリアJ6、入口側トレーサーガス実測濃度表示エリアJ7、出口側試験用ガス実測濃度表示エリアJ8、印刷ボタンJ9、閉じるボタンJ10が表示される。
フィルタ名表示エリアJ1には、図10のフィルタ指定画面で指定したフィルタ名が表示され、測定日時表示エリアJ2には、そのフィルタ名のフィルタの濃度測定日時が表示される。空気採集量表示エリアJ3には、サンプル空気の採集量が表示され、空気採集時間表示エリアJ4には、サンプル空気の採集時間が表示される。濃度測定時間間隔表示エリアJ5には、濃度測定の時間間隔が表示され、入口側試験用ガス実測濃度表示エリアJ6には、ガス濃度第3測定における試験用ガスの実測濃度が表示される。入口側トレーサーガス実測濃度表示エリアJ7には、ガス濃度第3測定におけるトレーサーガスの実測濃度が表示され、出口側試験用ガス実測濃度表示エリアJ8には、ガス濃度第4測定における試験用ガスの実測濃度が表示される。
図7〜図9のフローチャートに基づいて説明した除去効率測定システム10Aは、所定量の試験用ガス25とトレーサーガス31とをダクト21に同時に供給し、ガス除去エアフィルタ11(ガス除去装置)の入口に流入する空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度を光音響ガスモニタ16を利用して測定するとともに、ガス除去エアフィルタ11を通ってその出口から流出したサンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度を光音響ガスモニタ17を利用して測定するから、その測定中にトレーサーガス31がエアフィルタ11の出入口側においてそれら光音響ガスモニタ16,17に検出された場合、試験用ガス25がガス除去エアフィルタ11に確実に流入したことが実証され、逆に、その測定中にトレーサーガス25がエアフィルタ11の出入口側においてそれら光音響ガスモニタ16,17に検出されない場合、試験用ガス25もガス除去エアフィルタ11に流入していないことが実証される。ゆえに、ガス除去エアフィルタ11の出入口側においてトレーサーガス31が検出されることで、その測定中における試験用ガス25のガス除去エアフィルタ11への流入を認定することができ、試験用ガス25を使用してガス除去エアフィルタ11が設置された環境下の空気に含まれる除去対象ガスに対するガス除去エアフィルタ11の除去効率を確実に測定することができる。
除去効率測定システム10Aは、除去対象ガスと同一の試験用ガス25を利用してガス除去エアフィルタ11における除去効率を測定するから、除去対象ガスに対するフィルタ11の除去効率を測定したものとみなすことができ、対象ガスに対するフィルタ11の除去効率を高い精度で測定することができるとともに、対象ガスに対するフィルタ11の信頼性や信憑性の高い除去効率を測定することができる。除去効率測定システム10Aは、試験用ガス24とトレーサーガス31との供給を停止した後、ガス除去エアフィルタ11の入口側において所定濃度の試験用ガス25やトレーサーガス31が検出されない場合、それらガス25,31の供給が確実に停止したことが実証される。また、試験用ガス24とトレーサーガス31との供給を停止した後、ガス除去エアフィルタ11の出口側において所定濃度の試験用ガス25が検出された場合、フィルタ11に構造的な欠陥以外の化学的な欠陥等の他の欠陥があることを知ることができるから、それによってフィルタ11の使用限界を知ることができ、フィルタ11を交換する時期を正確に判断することができる。
除去効率測定システム10Aは、実際に設置された使用状態にあるガス除去エアフィルタ11の出口側においてトレーサーガス31とともに所定濃度の試験用ガス25が光音響ガスモニタ17に検出された場合、使用状態にあるフィルタ11が劣化して対象ガス除去機能が低下していることを判定することができ、または、フィルタ11やその設置器具に空気漏れ(リーク)等の構造的な欠陥があることを判定することができるから、除去効率の測定結果を参照しつつ、フィルタ11の交換時期を的確に判断することができるとともに、フィルタ11の設置器具の修理の必要性を判断することができる。除去効率測定システム10Aは、それを利用することでガス除去エアフィルタ11を適時に交換することができ、設置器具を適時に修理することができるから、常に除去対象ガスに対する除去機能を備えたフィルタ11を使用することができ、空気中に除去対象ガスが含まれたとしても、フィルタ11によってその除去対象ガスを空気から確実に除去することができる。
除去効率測定システム10Aは、ガス除去エアフィルタ11の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させてフィルタ11の入口側から供給する試験用ガス25の空気に対する濃度の倍率を決定するから、フィルタ11の使用環境を考慮しつつ、フィルタ11の交換の指標となる限界効率に応じて試験用ガス25の空気に対する濃度の倍率を自由に決定することができる。除去効率測定システム10Aは、ガス除去エアフィルタ11の限界効率に応じた倍率の濃度の試験用ガス25が光音響ガスモニタ17に検出された場合、そのフィルタ11の使用限界を知ることができ、フィルタ11を交換する時期を正確に判断することができる。
必要以上に高い濃度の試験用ガス25を使用するとフィルタ11の性能を低下させることになるが、除去効率測定システム10Aは、トレーサーガス31を利用して試験用ガス25のフィルタ11への流入を実証することができるから、光音響ガスモニタ16の検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高い濃度の試験用ガス25を除去効率の測定に使用することができるとともに、試験用ガス25の供給時間を短くすることができ、フィルタ11の性能を低下させることなく、そのフィルタ11の除去効率を確実に測定することができる。除去効率測定システム10Aは、光音響ガスモニタ16の検出限界濃度にあわせて試験用ガス25の濃度を自由に設定することができる。
図16は、他の一例として示す除去効率測定システム10Bの構成図であり、図17は、光音響ガスモニタ16によるガス濃度測定を説明する図である。図18は、このシステム10Bによって実行される除去効率測定のフローチャートの一例であり、図19は、図18から続くフローチャートである。図20は、図19から続くフローチャートである。
このシステム10Bが図1のそれと異なるところはサンプル空気を所定容積の複数のテドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3(第1〜第n空気採集袋)(第1〜第n気体採集袋)によって採集する点にあり、その他の構成は図1のシステム10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、このシステム10Bのその他の構成の説明は省略する。
それらテドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3は、合成樹脂フィルムから作られ、サンプル空気を気密に収容する。サンプル空気を収容した後、テドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3は管路40から取り外される。除去効率測定システム10Bは、ガス除去エアフィルタ11(ガス除去装置)と、試験用ガス供給ユニット12(試験用ガス供給装置)と、トレーサーガス供給ユニット13(トレーサーガス供給装置)と、空気第1採集ユニット14(空気第1採集装置)と、空気第2採集ユニット15(空気第2採集装置)と、光音響ガスモニタ16と、流量計18と、コントローラ19とから形成されている。
空気第1採集ユニット14のサンプリング管路42の接続端子(図示せず)には、4個のテドラーバックTA1〜TD1が接続されている。管路42に設置された切替バルブ40A〜40Dは、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。空気第2採集ユニット15のサンプリング管路49の接続端子(図示せず)には、4個のテドラーバックTE1〜TH1が接続されている。管路49に設置された切替バルブ47A〜47Dは、インターフェイス30を介してコントローラ19に接続されている。
なお、図1では、24個のテドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3を図示しているが、テドラーバックの個数を24個に限定するものではなく、30個以上のテドラーバックを使用することもできる。光音響ガスモニタ16は、テドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3に収納されたサンプル空気に含まれる除去対象ガスや試験用ガス25、トレーサーガス31の濃度を所定の時間間隔で間欠的に複数回測定し、測定した除去対象ガスや試験用ガス25、トレーサーガス31の複数の濃度データをコントローラ17に出力する。
図17〜図19に基づいて、このシステム10Bにおける除去効率測定手順を説明すると、以下のとおりである。なお、テドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3にサンプル空気を収容する手順、テドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3に収納されたサンプル空気に含まれる除去対象ガスや試験用ガス25、トレーサーガス31の濃度の測定手順以外の除去効率測定手順の詳細は、図7〜図9のフローチャートにおいて既に説明済みであるから、図7〜図9の説明を援用することで、このシステム10Bにおけるサンプル空気収容手順や濃度測定手順以外の他の除去効率測定手順の詳細な説明は省略する。
図4の濃度倍率設定画面において濃度倍率を決定した後(濃度倍率決定手段)(S−30)、コントローラ19は、フィルタ名をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納するとともに(フィルタ名格納手段)、濃度倍率をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度倍率格納手段)。次に、図5のガス濃度第1および第2測定における条件設定画面において測定条件を設定し、図6のガス濃度第3および第4測定における条件設定画面において測定条件を設定した後(S−31)、コントローラ19は、除去対象ガスをフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(除去対象ガス格納手段)、トレーサーガスをフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(トレーサーガス格納手段)。ガス供給時間をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(ガス供給時間格納手段)、ガス供給量をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス供給量格納手段)。
さらに、コントローラ19は、トレーサーガス濃度倍率をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(トレーサーガス濃度倍率格納手段)、テドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3への空気採集時間をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(空気採集時間格納手段)。コントローラ19は、テドラーバックTA1〜TA3,TB1〜TB3,TC1〜TC3,TD1〜TD3,TE1〜TE3,TF1〜TF3,TG1〜TG3,TH1〜TH3への空気採集量をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納し(空気採集量格納手段)、濃度測定時間間隔をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(濃度測定時間間隔格納手段)。
図3の初期画面においてバックグラウンド測定ボタンA3をクリックすると、コントローラ19は、空気第1採集ユニット14を利用し、ガス除去エアフィルタ11の上流側に延びるダクト21(ダクト21の空気取り入れ口23とガス除去エアフィルタ11の入口との間に延びる空気流路22)からサンプル空気を採集する(バックグラウンド空気第1採集手段)(S−32)。さらに、空気第2採集ユニット15を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト21(ガス除去エアフィルタ11の出口とダクト21の空気排気口24との間に延びる空気流路22)からサンプル空気を採集する(バックグラウンド空気第2採集手段)(S−32)。なお、バックグラウンド空気第1採集手段では、サンプリング管路42の接続端子にテドラーバックTA1〜TD1が接続され、バックグラウンド空気第2採集手段では、サンプリング管路49の接続端子にテドラーバックTE1〜TH1が接続されている。
コントローラ19は、設定量のサンプル空気の採集指示信号を流量計付き調節バルブ39,46に出力し、吸引ポンプ38,45を稼動させ、切替バルブ40B〜40D,41,47B〜47D,48の弁機構を閉鎖するとともに、切替バルブ40A,47Aの弁機構を開放し、流量計付き調節バルブ39,46から切替バルブ40A,47Aに達したサンプル空気の一定量をテドラーバックTA1,TE1に流入させる。サンプル空気は、採集口36,43からポンプ38,45に進入し、サンプリング管路42,49を通ってテドラーバックTA1,TE1に収容される。
コントローラ19は、切替バルブ41,48の弁機構を閉鎖しつつ、切替バルブ40B〜40D,47B〜47Dの弁機構を順に開放し、流量計付き調節バルブ39,46から切替バルブ40B〜40D,47B〜47Dに達したサンプル空気の一定量をテドラーバックTB1〜TD1,TF1〜TH1に順に流入させ、テドラーバックTB1〜TD1,TF1〜TH1にサンプル空気を収容させる(バックグラウンド空気第1採集手段、バックグラウンド空気第2採集手段)(S−32)。コントローラ19は、すべてのテドラーバックTA1〜TH1にサンプル空気が収容されたかを判断し(S−33)、サンプル空気がそれらテドラーバックTA1〜TH1に収容されたと判断すると、サンプル空気の採集を停止し(S−34)、切替バルブ40A〜40D,47A〜47Dの弁機構を閉鎖し、切替バルブ41,48の弁機構を開放し、サンプル空気を放出口37,44から通気ダクト21の空気流路22に放出する。
サンプル空気の採集が終了した後、サンプリング管路42,49の接続端子からテドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1を取り外し、図16に示すように、それらテドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1を光音響ガスモニタ16の接続端子に順番に接続する。テドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1を光音響ガスモニタ16に接続すると、コントローラ19は、図示はしていないが、テドラーバックバックグラウンド濃度第1測定ボタン、テドラーバックバックグラウンド濃度第2測定ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ52に表示する。
テドラーバックバックグラウンド濃度第1測定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、テドラーバックTA1〜TD1に収容されたサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をガスモニタ16に測定させる(バックグラウンドガス濃度第1測定手段)(S−35)。テドラーバックバックグラウンド濃度第2測定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、テドラーバックTE1〜TH1に収容されたサンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度をガスモニタ16に測定させる(バックグラウンドガス濃度第2測定手段)(S−35)。
光音響ガスモニタ16は、サンプル空気に含まれる除去対象ガスやトレーサーガスの濃度を設定された時間間隔で間欠的に複数回測定する。なお、それらテドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1に収容されたサンプル空気に除去対象ガスやトレーサーガスが含まれている場合、除去対象ガスやトレーサーガスが所定容積のテドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1内のサンプル空気と混合され、除去対象ガスやトレーサーガスの濃度が平均化される。
光音響ガスモニタ16は、測定した複数の除去対象ガスバックグラウンド濃度データとトレーサーガスバックグラウンド濃度データとをコントローラ19に出力する(S−36)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力されたバックグラウンド濃度測定データ(テドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1において平均化された複数の除去対象ガスバックグラウンド濃度データ、テドラーバックTA1〜TD1,TE1〜TH1において平均化された複数のトレーサーガスバックグラウンド濃度データ、格納日時)をフィルタ識別子(テドラーバックを個別に特定するテドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納する(バックグラウンドガス濃度第1格納手段、バックグラウンドガス濃度第2格納手段)(S−37)。
バックグラウンドガス濃度の格納が完了した後、ガス除去エアフィルタ11の除去効率の測定を行う。図3において初期画面のガス濃度第1および第2測定ボタンA4をクリックすると、コントローラ19は、ガス除去エアフィルタ11の上流側に流れる空気に含まれる除去対象ガスと同一の試験用ガス25とトレーサーガス31との濃度測定を行うとともに、フィルタ11を透過した空気に含まれる除去対象ガスと同一の試験用ガス25とトレーサーガス31との濃度測定を行う。コントローラ19は、ダクト21を流れる空気に対して試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度があらかじめ設定された濃度倍率になるように、設定量の試験用ガス25およびトレーサーガス31を噴霧器から通気ダクト21の空気流路22に供給する(ガス供給手段)(S−38)。なお、サンプリング管路42の接続端子には、テドラーバックTA2〜TD2が接続され、サンプリング管路49の接続端子には、テドラーバックTE2〜TH2が接続されている。
コントローラ19は、試験用ガス25とトレーサーガス31とを供給した直後から採集時間が経過するまでの間、空気第1採集ユニット14を利用し、ガス除去エアフィルタ11の上流側に延びるダクト21からサンプル空気を採集するとともに、空気第2採集ユニット15を利用し、ガス除去エアフィルタ11の下流側に延びるダクト21からサンプル空気を採集する。コントローラ19は、バックグラウンド濃度測定と同様に、流量計付き調節バルブ39,46から切替バルブ40A,47Aに達したサンプル空気の一定量をテドラーバックTA2,TE2に流入させる。サンプル空気は、採集口36,43からポンプ38,45に進入し、サンプリング管路42,49を通ってテドラーバックTA2,TE2に収容される(サンプル空気第1採集手段、サンプル空気第2採集手段)(S−39)。コントローラ19は、サンプル空気の一定量をテドラーバックTB2〜TD2,TF2〜TH2に順に流入させ、テドラーバックTB2〜TD2,TF2〜TH2にサンプル空気を収容させる(サンプル空気第1採集手段、サンプル空気第2採集手段)(S−39)。コントローラ19は、すべてのテドラーバックTA2〜TH2にサンプル空気が収容されたかを判断し(S−40)、サンプル空気がそれらテドラーバックTA2〜TH2に収容されたと判断すると、サンプル空気の採集を停止し(S−41)、サンプル空気を放出口37,44から通気ダクト21の空気流路22に放出する。
コントローラ19は、サンプル空気採集を終了するかを判断する(S−42)。サンプル空気の採集が終了した後、サンプリング管路44,49の接続端子からテドラーバックTA2〜TD2,TE2〜TH2を取り外し、図16に示すように、それらテドラーバックTA2〜TD2,TE2〜TH2を光音響ガスモニタ16の接続端子に順番に接続する。テドラーバックTA2〜TD2,TE2〜TH2を光音響ガスモニタ16に接続すると、コントローラ19は、図示はしていないが、テドラーバックガス濃度第1測定ボタン、テドラーバックガス濃度第2測定ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ43に表示する。
テドラーバックガス濃度第1測定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、テドラーバックTA2〜TD2に収容されたサンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させる(ガス濃度第1測定手段)(S−43)。テドラーバックガス濃度第2測定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、テドラーバックTE2〜TH2に収容されたサンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させる(ガス濃度第2測定手段)(S−43)。
光音響ガスモニタ16は、サンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度を設定された時間間隔で間欠的に複数回測定する。なお、それらテドラーバックTA2〜TD2,TE2〜TH2に収容されたサンプル空気に試験用ガス25やトレーサーガス31が含まれている場合、試験用ガス25やトレーサーガス31が所定容積のテドラーバックTA2〜TD2,TE2〜TH2内のサンプル空気と混合され、試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度が平均化される。
光音響ガスモニタ16は、バックグラウンドガス濃度測定によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段やガス濃度第2測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度を補正する。さらに、バックグラウンドガス濃度測定によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第1測定手段やガス濃度第2測定手段によって測定したトレーサーガス31の濃度を補正する。
光音響ガスモニタ16は、測定した複数の試験用ガス25の実測濃度データ(補正後の濃度データ)とトレーサーガス31の実測濃度データ(補正後の濃度データ)とをコントローラ19に出力する(S−44)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データ(テドラーバックTA2〜TD2において平均化された複数の試験用ガス25の実測濃度データ、テドラーバックTA2〜TD2において平均化された複数のトレーサーガス31の実測濃度データ、第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子(テドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第1格納手段)(S−45)。さらに、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データ(テドラーバックTE2〜TH2において平均化された複数の試験用ガス25の実測濃度データ、テドラーバックTE2〜TH2において平均化された複数のトレーサーガス31の実測濃度データ、第1および第2測定識別子または第1および第2測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子(テドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第2格納手段)(S−45)。
ステップ42(S−42)において、サンプル空気採集を終了しない場合、コントローラ19は、テドラーバックTA〜TD,TE2〜TH2に収容されたサンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させ(ガス濃度第1測定手段、ガス濃度第2測定手段)(S−46)、光音響ガスモニタ16は、測定した複数の試験用ガス25の実測濃度データとトレーサーガス31の実測濃度データとをコントローラ19に出力する(S−47)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データをフィルタ識別子(テドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納した後(ガス濃度第1格納手段、ガス濃度第2格納手段)(S−48)、ステップ30(S−30)からの手順を繰り返す。
ガス濃度第1および第2測定が終了した後、ガス濃度第3および第4測定を行う。なお、サンプリング管路42の接続端子には、テドラーバックTA3〜TD3が接続され、サンプリング管路49の接続端子には、テドラーバックTE3〜TH3が接続されている。図3の初期画面において、ガス濃度第3および第4測定ボタンA5をクリックすると、コントローラ19は、試験用ガス25とトレーサーガス31との供給を停止した後、バックグラウンド濃度測定やガス濃度第1および第2測定と同様に、流量計付き調節バルブ39,46から切替バルブ40A,47Aに達したサンプル空気の一定量をテドラーバックTA3,TE3に流入させる。サンプル空気は、採集口36,43からポンプ38,45に進入し、サンプリング管路42,49を通ってテドラーバックTA3,TE3に収容される(サンプル空気第3採集手段、サンプル空気第4採集手段)(S−49)。コントローラ19は、サンプル空気の一定量をテドラーバックTB3〜TD3,TF3〜TH3に順に流入させ、テドラーバックTB3〜TD3,TF3〜TH3にサンプル空気を収容させる(サンプル空気第3採集手段、サンプル空気第4採集手段)(S−49)。コントローラ19は、すべてのテドラーバックTA3〜TH3にサンプル空気が収容されたかを判断し(S−50)、サンプル空気がそれらテドラーバックTA3〜TH3に収容されたと判断すると、サンプル空気の採集を停止し(S−51)、サンプル空気を放出口37,44から通気ダクト21の空気流路22に放出する。
コントローラ19は、サンプル空気採集を終了するかを判断し(S−52)、サンプル空気の採集が終了した後、サンプリング管路42,49の接続端子からテドラーバックTA3〜TD3,TE3〜TH3を取り外し、図16に示すように、それらテドラーバックTA3〜TD3,TE3〜TH3を光音響ガスモニタ16の接続端子に順番に接続する。テドラーバックTA3〜TD3,TE3〜TH3を光音響ガスモニタ16に接続すると、コントローラ19は、図示はしていないが、テドラーバックガス濃度第3測定ボタン、テドラーバックガス濃度第4測定ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ52に表示する。
テドラーバックガス濃度第3測定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、テドラーバックTA3〜TD3に収容されたサンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させる(ガス濃度第3測定手段)(S−53)。テドラーバックガス濃度第4測定ボタンをクリックすると、コントローラ19は、テドラーバックTE3〜TH3に収容されたサンプル空気に含まれる試験用ガス25の濃度測定指示信号を光音響ガスモニタ16に出力し、サンプル空気に含まれる試験用ガス25の濃度をガスモニタ16に測定させる(ガス濃度第4測定手段)(S−53)。
光音響ガスモニタ16は、サンプル空気に含まれる試験用ガス25およびトレーサーガス31の濃度を設定された時間間隔で間欠的に測定する。なお、それらテドラーバックTA3〜TD3に収容されたサンプル空気に試験用ガス25やトレーサーガス31が含まれている場合、試験用ガス25やトレーサーガス31が所定容積のテドラーバックTA3〜TD3内のサンプル空気と混合され、試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度が平均化される。また、それらテドラーバックTE3〜TH3に収容されたサンプル空気に試験用ガス25が含まれている場合、試験用ガス25が所定容積のテドラーバックTE3〜TH3内のサンプル空気と混合され、試験用ガス25の濃度が平均化される。
光音響ガスモニタ16は、バックグラウンドガス濃度測定によって測定した除去対象ガスの濃度を参照し、ガス濃度第3測定手段やガス濃度第4測定手段によって測定した試験用ガス25の濃度を補正する。さらに、バックグラウンドガス濃度測定によって測定したトレーサーガスの濃度を参照し、ガス濃度第3測定手段によって測定したトレーサーガス31の濃度を補正する。
光音響ガスモニタ16は、測定した複数の試験用ガス25の実測濃度データ(補正後の濃度データ)とトレーサーガス31の実測濃度データ(補正後の濃度データ)とをコントローラ19に出力する(S−54)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データ(テドラーバックTA3〜TD3において平均化された複数の試験用ガス25の実測濃度データ、テドラーバックTA3〜TD3において平均化された複数のトレーサーガス31の実測濃度データ、第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子(テドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第3格納手段)(S−55)。さらに、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データ(テドラーバックTE3〜TH3において平均化された複数の試験用ガス25の実測濃度データ、第3および第4測定識別子または第3および第4測定フラグ、格納日時)をフィルタ識別子(テドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納する(ガス濃度第4格納手段)(S−55)。
ステップ52(S−52)において、サンプル空気採集を終了しない場合、コントローラ19は、テドラーバックTA3〜TD3,TE3〜TH3に収容されたサンプル空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度をガスモニタ16に測定させ(ガス濃度第3測定手段、ガス濃度第4測定手段)(S−56)、光音響ガスモニタ16は、測定した複数の試験用ガス25やトレーサーガス31の実測濃度データをコントローラ19に出力する(S−57)。コントローラ19は、光音響ガスモニタ16から出力された実測濃度データをフィルタ識別子(テドラーバック識別子を含む)に関連付けた状態でハードディスクに格納した後(ガス濃度第3格納手段、ガス濃度第4格納手段)(S−58)、ステップ30(S−30)からの手順を繰り返す。
ガス濃度第1および第2測定、ガス濃度第3および第4測定が終了した後、コントローラ19は、横軸の時間軸に、複数の試験用ガス実測濃度を設定された時間間隔で表示し、それら濃度どうしを線分で結ぶことによって図11〜図13の折れ線グラフF2,G2,H2を生成する(グラフ生成手段)(図11〜図13援用)。コントローラ19は、生成したグラフF2,G2,H2をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(グラフ格納手段)。
次に、コントローラ19は、試験用ガス25の供給量と試験用ガス25の検出量とから濃度測定が終了したガス除去エアフィルタ11の除去効率を前記式:η(%)=(h1/h2)×100={(∫g1×f)/(∫g2×f)}×100によって算出する(除去効率算出手段)。コントローラ19は、算出した除去効率をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(除去効率格納手段)。コントローラ19は、算出したガス除去エアフィルタ11の現在の除去対象ガスに対する除去効率(%)とフィルタ11の除去効率下限値(%)とを比較し、そのフィルタ11の継続使用または交換を判定する(フィルタ状態判定手段)。コントローラ19は、ガス除去エアフィルタ11の継続使用または交換の判定結果をフィルタ識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(フィルタ判定結果格納手段)。
コントローラ19は、図12,13のグラフG2,H2に基づいて、ガス除去エアフィルタ11の欠陥をその除去機能の低下であるか、または、フィルタ11やその設置器具の空気漏れ(リーク)であるかを分析する(欠陥分析手段)。コントローラ19は、その分析結果(除去機能の低下またはリーク)をフィルタ識別子に関連付けた状態でバードディスクに格納する(欠陥分析結果格納手段)。
なお、図3の初期画面において第1測定グラフ表示ボタンA6をクリックし、図10のフィルタ指定画面においてフィルタ名を入力した後、グラフ表示ボタンE2をクリックすると、コントローラ19は、指定されたガス除去エアフィルタ11に対応する図11〜図13のグラフF2,G2,H2をディスプレイ52に表示する(グラフ出力手段)(図11〜図13援用)。また、データ表示ボタンE3をクリックすると、コントローラ19は、図14の濃度第1および第2測定データ表示画面や図15の濃度第3および第4測定データ表示画面をディスプレイ52に表示する(測定濃度データ出力手段)。(図14、図15援用)。なお、測定データ表示画面には、除去効率が表示され(除去効率出力手段)、欠陥種類が表示されるとともに(欠陥分析結果出力手段)、フィルタ11の継続使用または交換の判定結果が表示される(フィルタ判定結果出力手段)。
除去効率測定システム10Bは、除去効率測定システム10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。除去効率測定システム10Bは、空気をそれらテドラーバックTA〜TH(第1〜第n空気採集袋)に順番に収容しつつ所定時間連続して収容することで、それらテドラーバックTA〜TH毎に空気に含まれる試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度が平均化され、試験用ガス25やトレーサーガス31の濃度の平均値を求めることができる。除去効果測定システム10Bは、試験用ガス25の濃度の平均値を使用することで、空気における試験用ガス25の濃度上昇から濃度下降までの時系列的な濃度変化を正確に把握することができ、試験用ガス25の濃度変化に基づいて、ガス除去エアフィルタ11の対象ガス除去機能の低下、または、フィルタ11やその設置器具の構造的な欠陥あるいは化学的な欠陥のいずれかを確実に判断することができる。
10A 除去効率測定システム
10B 除去効率測定システム
11 ガス除去エアフィルタ(ガス除去装置)
12 試験用ガス供給ユニット(試験用ガス供給装置)
13 トレーサーガス供給ユニット(トレーサーガス供給装置)
14 空気第1採集ユニット(空気第1採集装置)
15 空気第2採集ユニット(空気第2採集装置)
16 光音響ガスモニタ(ガス検出装置)
17 光音響ガスモニタ(ガス検出装置)
18 流量計
19 コントローラ
25 試験用ガス
31 トレーサーガス
TA〜TD テドラーバック(第1〜第n空気採集袋)
TE〜TH テドラーバック(第1〜第n空気採集袋)

Claims (10)

  1. 気体中に含まれる各種複数のガス成分のうちの所定の除去対象ガスを除去するガス除去装置の除去効率を測定する除去効率測定システムにおいて、
    前記除去効率測定システムが、前記除去対象ガスと同一の試験用ガスを前記ガス除去装置に供給する試験用ガス供給装置と、前記ガス除去装置に除去されずにそれを通過するトレーサーガスを該ガス除去装置に供給するトレーサーガス供給装置と、気体中に含まれる前記試験用ガスおよび前記トレーサーガスの濃度を所定の時間間隔で間欠的に複数回測定することが可能な光音響ガスモニタと、コントローラとから形成され、
    前記コントローラが、前記試験用ガス供給装置を利用して所定量の試験用ガスを前記ガス除去装置の入口側から供給しつつ、前記トレーサーガス供給装置を利用して所定量のトレーサーガスを前記試験用ガスと同時に前記ガス除去装置の入口側から供給するガス供給手段と、前記ガス除去装置の入口に流入する気体に含まれる前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの濃度を前記光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第1測定手段と、前記ガス除去装置を通ってその出口から流出した気体に含まれる前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの濃度を前記光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第2測定手段と、前記光音響ガスモニタによって時系列に測定された複数の測定濃度データに基づいて、前記ガス除去装置の欠陥をガス除去機能の低下であるか、または、前記ガス除去装置やその設置器具の気体漏れであるかを分析する欠陥種類分析手段とを実行し、
    前記欠陥種類分析手段では、前記ガス濃度第2測定手段によって測定された試験用ガスの濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガスの濃度が急激に下降している場合、前記ガス除去装置やその設置器具の気体漏れであると判断し、前記ガス濃度第2測定手段によって測定された試験用ガスの濃度が短時間に急激に上昇し、その後、試験用ガスの濃度が徐々に下降している場合、前記ガス除去装置のガス除去機能の低下であると判断することを特徴とする除去効率測定システム。
  2. 前記コントローラが、前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの供給を停止した後、前記ガス除去装置の入口に流入する気体に含まれる前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの濃度を前記光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第3測定手段と、前記ガス除去装置から飛散してその出口から流出した気体に含まれる前記試験用ガスの濃度を前記光音響ガスモニタを利用して測定するガス濃度第4測定手段とを含む請求項1記載の除去効率測定システム。
  3. 前記除去効率測定システムが、前記ガス除去装置の上流側に流れる気体を採集する気体第1採集装置と、前記ガス除去装置の下流側に流れる気体を採集する気体第2採集装置とを含み、前記気体第1採集装置と前記気体第2採集装置とが、気体を収容する所定容積の複数の第1〜第n気体採集袋を利用し、あらかじめ設定された量の気体をそれら気体採集袋に順番に収容しつつ、それら気体採集袋に気体を所定時間連続して収容し、前記ガス濃度第1測定手段〜ガス濃度第4測定手段では、前記光音響ガスモニタを利用してそれら気体採集袋に収容された気体に含まれる前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの濃度を測定する請求項2記載の除去効率測定システム。
  4. 前記コントローラが、前記ガス濃度第1測定手段によって測定した前記ガス除去装置の上流側の前記試験用ガスの濃度と前記ガス濃度第2測定手段によって測定した該ガス除去装置の下流側の該試験用ガスの濃度とからそのガス除去装置における試験用ガス除去効率を算出する除去効率算出手段を含む請求項1ないし請求項3いずれかに記載の除去効率測定システム。
  5. 前記コントローラが、前記ガス除去装置の除去対象ガスに対する使用可能な限界効率に対応させて該ガス除去装置の入口側から供給する前記試験用ガスの気体に対する濃度の倍率を決定する濃度倍率決定手段を含む請求項1ないし請求項4いずれかに記載の除去効率測定システム。
  6. 前記除去効率測定システムでは、前記ガス除去装置の入口側から供給する前記試験用ガスの濃度が前記光音響ガスモニタの検出限界濃度と同一またはそれよりもわずかに高く、前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの供給時間が同一である請求項1ないし請求項5いずれかに記載の除去効率測定システム。
  7. 前記試験用ガスと前記トレーサーガスとの前記ガス除去装置の入口側への供給時では、前記ガス除去装置の周囲の気体の風量または風速が不均一である請求項1ないし請求項6いずれかに記載の除去効率測定システム。
  8. 前記除去効率測定システムでは、前記除去対象ガスを除去する使用中の状態にある前記ガス除去装置の除去効率を測定する請求項1ないし請求項7いずれかに記載の除去効率測定システム。
  9. 前記ガス除去装置が、気体に含まれる前記除去対象ガスを吸着するガス除去エアフィルタである請求項1ないし請求項8いずれかに記載の除去効率測定システム。
  10. 前記気体が、空気であり、前記ガス除去エアフィルタが、原子力関連施設または放射性ヨウ素を取り扱う施設に設置され、それら施設の空気に含まれる前記放射性ヨウ素を吸着する放射性ヨウ素除去エアフィルタであり、前記試験用ガスが、試験用ヨウ化メチルガスである請求項9記載の除去効率測定システム。
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