JP5641783B2 - 部品実装機の部品実装方法および部品実装機 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品などを基板に実装する部品実装機の部品実装方法に関し、より詳細には、複数の部品実装ヘッドを備えた部品実装機におけるヘッド相互の干渉回避制御方法に関する。
多数の部品が実装された基板を生産する設備として、スクリーン印刷機、部品実装機、リフロー機などを搬送装置で連結して基板生産ラインを構築することが一般的になっている。このうち部品実装機は、基板搬送装置、部品供給装置、および部品移載装置で構成されるのが一般的である。部品移載装置は、部品実装ロボットとも呼ばれ、部品実装ヘッドおよびヘッド駆動機構を有している。部品実装ヘッドは、例えば、空気圧を制御可能な一つまたは複数のホルダを有し、負圧を利用して部品供給装置から部品を吸着採取し、基板上の所定位置に当該部品を装着するものである。部品実装ヘッドは、例えば、水平面内の直交2方向への移動および昇降移動を可能とするヘッド駆動機構により駆動されるようになっている。部品実装ヘッドが部品供給装置で部品を吸着採取し、基板上に移動して部品を装着し、部品供給装置に戻る一連の動作が部品実装サイクルであり、ピックアップアンドプレイスサイクルと呼ばれている。
また、部品実装効率を向上するために、複数の部品実装ロボット(部品移載装置)を向かい合わせに構成し、複数の部品を並行して実装する部品実装機が実用化されている。当該部品実装機では、複数の部品実装ヘッドを独立して移動制御すると、物理的に干渉してしまうおそれがある。そのため、お互いに交錯する目的地への移動に際して物理的に干渉しないように、一方のみが進入できる干渉エリアを設定し、干渉エリアの占有および解放を行いつつ、順番に目的地への移動を行う制御が必須となる。このような干渉回避制御では、いかに干渉エリアを小さくするかということが、実装効率向上の点で重要となる。従来の干渉エリアの設定方法の例が、特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1の部品実装装置は、一の部品実装ヘッドが他の部品実装ヘッドと干渉しない一の境界と、他の部品実装ヘッド側の他の境界とに囲まれる領域を干渉領域に設定している。そして、制御装置は、他の部品実装ヘッドが干渉領域内へ移動中である若しくは既に干渉領域内に存在するときに、一の部品実装ヘッドの干渉領域への移動を停止させる動作制御を行なっている。つまり、先行動作している他の部品実装ヘッドに干渉領域を占有させ、後続動作する一の部品実装ヘッドを待機させている。さらに、特許文献2の部品実装装置では、制御装置は、後続動作する一の部品実装ヘッドを干渉領域外にて電子部品を実装動作させる動作制御を行うようになっている。特許文献1および2の実施形態には、2つの部品実装ヘッドが相手側に最も接近する移動境界および2つのY駆動部で囲まれる矩形の干渉領域が示されている。
また、特許文献3の電子部品実装方法は、干渉エリアに相当する排他動作領域の設定処理を実行することを特徴とし、基板の寸法情報や部品搭載位置情報に基いて排他動作領域が設定されるようになっている。また、部品実装サイクルに相当する実装ターン毎に部品搭載位置情報に基いて排他動作領域が設定される、とされている。さらに、実施形態には排他動作領域の例として、基板の全幅範囲や実装領域の幅範囲などで示される矩形エリアがヘッド干渉エリアとして設定される、とされている。
特許第4166263号公報 特許第4043253号公報 特開2007−53271号公報
ところで、特許文献1〜3では干渉エリア(干渉領域、排他動作領域)は単一の矩形とされており、基板を搬入出するX軸方向に関しては移動し得る全幅範囲を考慮し、直交するY軸方向の干渉のみを実質的に考慮して干渉エリアを設定している。これに対し、近年では軽薄短小化の要請を受けて部品実装ヘッドが小形化された結果、干渉エリアを占有している一方の部品実装ヘッドのX軸方向に空きエリアができるようになってきた。この空きエリアに他の部品実装ヘッドが進入しても物理的に干渉せず、並行して部品実装を行うことができる。しかしながら、従来のY軸方向の干渉のみを考慮した干渉エリアの設定では、X軸方向に複数の部品実装ヘッドを並べて同時に並行動作させることができないという問題がある。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、複数の部品実装ヘッドの干渉エリアを狭小化して同時並行動作の機会を拡げ、実装効率を格段に向上した部品実装機の部品実装方法および部品実装機を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る部品実装機の部品実装方法の発明は、基台上の部品実装位置に基板を搬入し、位置決めし、搬出する基板搬送装置と、複数種類の部品を供給する部品供給装置と、該部品供給装置から供給される前記部品を採取して位置決めされた前記基板上の実装ポイントに装着する部品実装ヘッド、該部品実装ヘッドを水平面内の直交2軸の一軸方向に移動可能に支持するとともに前記基台に装架されて前記直交2軸の他軸方向に移動可能なヘッド移動ビーム、および前記部品実装ヘッドと前記ヘッド移動ビームとを駆動するヘッド駆動機構をそれぞれ有する複数の部品移載装置と、該複数の部品移載装置を関連付けて制御する制御装置とを備え、複数ある部品実装タスクを前記複数の部品移載装置にそれぞれ割り当て、割り当てた部品実装タスクを実施するために各前記部品実装ヘッドが移動する予定の移動予定範囲を求める移動予定範囲検出ステップと、各前記部品移載装置の前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲が重なる干渉エリアを求める干渉エリア検出ステップと、優先度の高い高優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記移動予定範囲内で駆動して前記高優先部品実装タスクを終了させる高優先実装ステップと、優先度の低い低優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記高優先実装ステップと並行して前記干渉エリアに進入させない範囲で駆動して前記低優先部品実装タスクの一部を実施し、前記高優先実装ステップが終了すると前記干渉エリアに進入させて前記低優先部品実装タスクの残部を実施して終了させる低優先実装ステップと、を有する部品実装機の部品実装方法において、前記移動予定範囲検出ステップで求める各前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲は、前記部品実装ヘッドを前記部品実装タスクにおける全ての実装ポイントに移動させたときに、前記ヘッド移動ビームが最も相手側まで移動して通過する矩形エリアと、前記部品実装ヘッドが各実装ポイントに位置したときにカバーする矩形エリアとを足し合わせた和であり、前記高優先実装ステップで、低優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲から前記干渉エリアを除いた範囲を低優先移動可能範囲とし、高優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が前記低優先移動可能範囲に重なる場合に、前記高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲の内側に中継点を設定し、前記高優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記移動予定範囲内のみを通過し、前記低優先実装ステップで、前記高優先実装ステップと並行して前記低優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲に重なる場合に、前記低優先移動可能範囲の内側に中継点を設定し、前記低優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記低優先移動可能範囲内のみを通過する、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記部品実装タスクは、各前記部品移載装置が前記部品供給装置から前記部品を採取し、位置決めされた前記基板上の前記実装ポイントに移動して前記部品を装着し、前記部品供給装置上に戻る部品実装サイクルを1個または複数個含むことを特徴とする。
上記課題を解決する請求項3に係る部品実装機の発明は、基台上の部品実装位置に基板を搬入し、位置決めし、搬出する基板搬送装置と、複数種類の部品を供給する部品供給装置と、該部品供給装置から供給される前記部品を採取して位置決めされた前記基板上の実装ポイントに装着する部品実装ヘッド、該部品実装ヘッドを水平面内の直交2軸の一軸方向に移動可能に支持するとともに前記基台に装架されて前記直交2軸の他軸方向に移動可能なヘッド移動ビーム、および前記部品実装ヘッドと前記ヘッド移動ビームとを駆動するヘッド駆動機構をそれぞれ有する複数の部品移載装置と、該複数の部品移載装置を関連付けて制御する制御装置とを備え、該制御装置は、複数ある部品実装タスクを前記複数の部品移載装置にそれぞれ割り当て、割り当てた部品実装タスクを実施するために各前記部品実装ヘッドが移動する予定の移動予定範囲を求める移動予定範囲検出ステップと、各前記部品移載装置の前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲が重なる干渉エリアを求める干渉エリア検出ステップと、優先度の高い高優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記移動予定範囲内で駆動して前記高優先部品実装タスクを終了させる高優先実装ステップと、優先度の低い低優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記高優先実装ステップと並行して前記干渉エリアに進入させない範囲で駆動して前記低優先部品実装タスクの一部を実施し、前記高優先実装ステップが終了すると前記干渉エリアに進入させて前記低優先部品実装タスクの残部を実施して終了させる低優先実装ステップと、を行う部品実装機において、前記移動予定範囲検出ステップで求める各前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲は、前記部品実装ヘッドを前記部品実装タスクにおける全ての実装ポイントに移動させたときに、前記ヘッド移動ビームが最も相手側まで移動して通過する矩形エリアと、前記部品実装ヘッドが各実装ポイントに位置したときにカバーする矩形エリアとを足し合わせた和であり、前記高優先実装ステップで、低優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲から前記干渉エリアを除いた範囲を低優先移動可能範囲とし、高優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が前記低優先移動可能範囲に重なる場合に、前記高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲の内側に中継点を設定し、前記高優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記移動予定範囲内のみを通過し、前記低優先実装ステップで、前記高優先実装ステップと並行して前記低優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲に重なる場合に、前記低優先移動可能範囲の内側に中継点を設定し、前記低優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記低優先移動可能範囲内のみを通過する、ことを特徴とする。
請求項1に係る部品実装機の部品実装方法の発明では、移動予定範囲検出ステップで求める各部品実装ヘッドの移動予定範囲は、部品実装ヘッドを部品実装タスクにおける全ての実装ポイントに移動させたときに、ヘッド移動ビームが最も相手側まで移動して通過する矩形エリアと、部品実装ヘッドが各実装ポイントに位置したときにカバーする矩形エリアとを足し合わせた和とされている。つまり、水平面内の実装ポイントの割り当て数および分布位置に合わせて、各部品実装ヘッドの移動予定範囲が複数の矩形エリアの和に狭小化される。したがって、干渉エリア検出ステップで求められる複数の部品実装ヘッドの干渉エリアが従来よりも小さくなって同時並行動作の機会が拡がり、実装効率を格段に向上できる。
さらに、高優先実装ステップで、高優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が低優先移動可能範囲に重なる場合に、高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲の内側に中継点を設定し、高優先側の部品実装ヘッドは中継点を経由する経路を移動して移動予定範囲内のみを通過し、目的地に移動する。加えて、低優先実装ステップで、高優先実装ステップと並行して低優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲に重なる場合に、低優先移動可能範囲の内側に中継点を設定し、低優先側の部品実装ヘッドは中継点を経由する経路を移動して低優先移動可能範囲内のみを通過し、目的地に移動する。したがって、高優先実装ステップおよび低優先実装ステップにおける複数の部品実装ヘッドの相互間の物理的な干渉を確実に回避できる。
請求項2に係る発明では、部品実装タスクは、各部品移載装置が部品供給装置から部品を採取し、位置決めされた基板上の実装ポイントに移動して部品を装着し、部品供給装置上に戻る部品実装サイクルを1個または複数個含んでいる。各部品実装ヘッドの移動予定範囲を求める際に、1個の部品実装サイクル中の全実装ポイントを対象としてもよく、あるいは、複数の部品実装サイクル中の全実装ポイントを対象としてもよい。部品実装サイクルと別に部品実装タスクを自由に設定できるようにすることで、応用性、拡張性に優れた部品実装方法とすることができる。例えば、一方の部品移載装置に割り当てた大形部品の部品実装サイクルの所要時間が特に長い場合に、連続する2個の部品実装サイクルを含む部品実装タスクを他方の部品移載装置に割り当てて、より一層の効率化を図ることができる。
請求項3に係る発明では、請求項1に係る部品実装方法の発明を部品実装機として実現できる。
実施形態の部品実装方法を行う部品実装機を模式的に説明する平面図である。 実施形態の部品実装方法を要約して説明するフローチャートの図である。 実施形態の部品実装方法で移動予定範囲の求め方を模式的に説明する図であり、(1)は基板上の実装ポイントの配置を例示した図、(2)は第1部品実装ヘッドの移動予定範囲を示した図、(3)は第2部品実装ヘッドの移動予定範囲を示した図である。 実施形態の部品実装方法で干渉エリアの求め方を模式的に説明する図であり、(1)は本実施形態で求めた干渉エリア、(2)は従来方法で求めた干渉エリアを示している。 実施形態の部品実装方法の効果を具体的に説明する図である。 移動予定範囲の形状例を説明する図であり、(1)は「凸」形状の凹八角形、(2)および(3)は「L」形状の凹六角形、(4)は矩形の形状例である。 (1)は第1部品実装ヘッドの移動予定範囲、(2)は第2部品実装ヘッドの移動予定範囲、(3)は干渉範囲、の具体例をそれぞれ示した図である。 実施形態における移動経路の制御方法を模式的に説明する図であり、(1)は高優先側の部品実装ヘッドの現在位置と目的地とを結ぶ経路の一部が低優先移動可能範囲に重なる場合を例示し、(2)はこの場合の実際の移動経路を例示している。 図8に示される高優先側の移動予定範囲の全範囲にわたる移動経路の制御方法を説明する図であり、(1)は移動予定範囲の細分範囲図、(2)は細分範囲間の移動制御方法の一覧表の図である。 低優先側の低優先移動可能範囲の全範囲にわたる移動経路の制御方法を説明する図であり、(1)は低優先移動可能範囲の細分範囲図、(2)は細分範囲間の移動制御方法の一覧表の図である。 図10に示される移動経路の制御方法の具体的な2例を示した図である。
本発明の実施形態の部品実装機の部品実装方法について、図1〜図5を参考にして説明する。図1は、実施形態の部品実装方法を行う部品実装機1を模式的に説明する平面図である。部品実装機1は、基板搬送装置2、2台の部品供給装置31、32、2台の部品移載装置41、42、図略の制御コンピュータなどで構成されている。
基板搬送装置2は、実装対象となる基板K(図1では斜線を付して示す)を部品実装機1の図中左側から図中X軸方向に搬入し、図示された略中央の部品実装位置に位置決めし、部品実装後の基板Kを図中右側へとX軸方向に搬出するものである。基板搬送装置2には、例えばX軸方向への搬送を行う搬送コンベヤを用いることができる。第1および第2部品供給装置31、32は、それぞれ第1および第2部品移載装置41、42に複数種類の部品を供給するものであり、基板搬送装置2の両側(図中では上下)に1台ずつ配置されている。第1および第2部品供給装置31、32には、例えば複数のテープ型フィーダをもつ装置を用いることができる。
第1および第2部品移載装置41、42は、第1および第2部品供給装置31、32から供給される部品を採取して位置決めされた基板K上の所定の実装ポイントに装着するものである。第1および第2部品移載装置41、42は類似の構造を有しており、基板搬送装置2を挟んで概ね対称に配置されている。第1および第2部品移載装置41、42は、ヘッド駆動機構を構成する共通の一対の固定レール43、44、個別の第1および第2ヘッド移動ビーム45、46、および図略の複数のサーボモータと、個別の第1および第2部品実装ヘッド51、52と、を有している。
一対の固定レール43、44は、基板搬送装置2よりも上方に設けられ、基板Kを搬送するX軸方向と水平面内で直交するY軸方向に平行に配置されている。第1および第2ヘッド移動ビーム45、46は、両固定レール43、44と直交してX軸方向に延在するように配置されている。第1および第2ヘッド移動ビーム45、46は、その両端が両固定レール43、44に装架されてY軸方向に移動可能となっている。また、第1および第2ヘッド移動ビーム45、46はそれぞれ、第1および第2部品実装ヘッド51、52をX軸方向に移動可能に支持している。図略の複数のサーボモータは、制御コンピュータからの指令に基づき、各ヘッド移動ビーム45、46を駆動してY軸方向の位置を制御し、各部品実装ヘッド51、52を駆動してX軸方向の位置を制御するようになっている。
第1および第2部品実装ヘッド51、52はそれぞれ、その先端51H、52H付近に3個の交換可能なホルダ51A〜51C、52A〜52Cを有している。各ホルダ51A〜51C、52A〜52Cは、下方に向かい基板Kに対向するように配置されている。また。各ホルダ51A〜51C、52A〜52Cには、独立して動作する吸着機構が設けられている。各ホルダ51A〜51C、52A〜52Cは、第1および第2部品供給装置31、32の上方に移動し吸着機構の負圧を利用してそれぞれ1個の部品を吸着して採取し、基板Kの上方に移動し負圧を解除して部品を基板K上に装着するようになっている。必要に応じて、各ホルダ51A〜51C、52A〜52Cは、第1および第2ホルダステーション53、54で交換されるようになっている。
また、各ホルダ51A〜51C、52A〜52Cが吸着した部品の傾きや回転、位置オフセットなどの状態を確認するために、第1および第2画像取り込み装置47、48が各部品供給装置31、32の前方に設けられている。なお、第1および第2部品実装ヘッド51、52が有するホルダの個数は3個に限定されない。例えば、より多数のホルダを円周上に回動可能に有する、いわゆるロータリ式ヘッドであってもよい。
図略の制御コンピュータは、実装対象となる基板Kの種類に応じて部品実装動作を管理制御するものである。第1実施形態の部品実装機の部品実装方法は、制御コンピュータで実行されるプログラムにより実現されている。制御コンピュータは、前述のサーボモータを制御して各部品実装ヘッド51、52を駆動し、前述の吸着機構を制御して部品の吸着および装着を行い、第1および第2画像取り込み装置47、48における部品状態の確認情報を取り込む。制御コンピュータは、水平面内の直交X軸−Y軸座標系および鉛直方向のZ軸座標系を用いてこれらの制御を行う。また、制御コンピュータは、マンマシンインターフェイスによりオペレータと情報交換するように構成されている。
部品実装機1において、通常各部品移載装置41、42の部品実装ヘッド51、52はそれぞれ、各部品供給装置31、32に移動して3個の部品をホルダ51A〜51C、52A〜52Cに吸着し、各画像取り込み装置47、48による部品状態の確認の後、基板Kの上方に移動して部品を装着し、装着後に各部品供給装置31、32に戻る。この一連の動作が部品実装サイクル(ピックアップアンドプレイスサイクル)である。場合によっては、1個または2個の部品のみを実装する部品実装サイクルもある。1個または複数の部品実装サイクルを含んで部品実装タスクを設定することができる。基板Kに所望する全部品を実装するために、通常多数の部品実装タスクが必要となる。
次に、上述の部品実装機1で実施する実施形態の部品実装方法について説明する。図2は、実施形態の部品実装方法を要約して説明するフローチャートの図である。図示されるように、実施形態の部品実装方法は、段取りステップS1、移動予定範囲検出ステップS2、干渉エリア検出ステップS3、高優先実装ステップS4、低優先実装ステップS5、および後処理ステップS6を有している。段取りステップS1では、基板Kへの部品実装に必要な段取りを行う。段取りでは、基板搬送装置2が基板Kを搬入し、部品実装位置に位置決めする。また、必要に応じて、部品供給装置31、32の部品の種類の変更や、数量の補充が行われる。
移動予定範囲検出ステップS2では、複数ある部品実装タスクを第1および第2部品移載装置41、42にそれぞれ割り当てる。そして、割り当てた部品実装タスクを実施するために、第1および第2実装ヘッド51、52が移動する予定の各移動予定範囲AR1、AR2を求める。次の干渉エリア検出ステップS3では、第1および第2部品移載装置41、42の第1および第2部品実装ヘッド51、52の各移動予定範囲AR1、AR2が重なる干渉エリアARSを求める。
高優先実装ステップS4では、優先度の高い高優先部品実装タスクを割り当てた一方の部品移載装置の部品実装ヘッドを、移動予定範囲(AR1またはAR2)内で駆動して高優先部品実装タスクを終了させる。また、低優先実装ステップS5では、優先度の低い低優先部品実装タスクを割り当てた他方の部品移載装置の部品実装ヘッドを、高優先実装ステップと並行して干渉エリアARSに進入させない範囲で駆動して低優先部品実装タスクの一部を実施し、高優先実装ステップS4が終了すると干渉エリアARSに進入させて低優先部品実装タスクの残部を実施して終了させる。
高優先実装ステップS4または低優先実装ステップS5のいずれかが終了すると、分岐ステップB1で、すべての部品実装タスクが終了したか否かを判断する。すべての部品実装タスクが終了していれば後処理ステップS6に移行し、部品実装タスクが残っていれば移動予定範囲検出ステップS2に戻り、実装ステップS4またはS5を終了させた側の部品移載装置に新たな部品実装タスクを割り当てる。このとき、第1および第2部品移載装置41、42の間で優先度の高低が再度確認されて以降のステップに反映される。優先度の高低は、第1および第2部品移載装置41、42に固定的に定められるのではなく、割り当てられた部品実装タスクに応じて流動的に定められる。
移動予定範囲検出ステップS2から低優先実装ステップS5までを繰り返してすべての部品実装タスクが終了した後には後処理ステップS6に進む。後処理ステップS6では、実装の終了した基板Kを基板搬送装置2が搬出し、制御コンピュータは生産実績枚数をカウントアップする。
次に、移動予定範囲検出ステップS2で求める各移動予定範囲AR1、AR2、および干渉エリア検出ステップS3で求める干渉エリアARSについて、具体例で説明する。図3は、実施形態の部品実装方法で移動予定範囲の求め方を模式的に説明する図であり、(1)は基板K上の実装ポイントの配置を例示した図、(2)は第1部品実装ヘッド51の移動予定範囲AR1を示した図、(3)は第2部品実装ヘッド52の移動予定範囲AR2を示した図である。図3(1)で、基板K上の実装ポイントP1、P2、P3は、第1部品移載装置41に割り当てられた高優先部品実装タスクで第1実装ヘッド51が装着する部品の装着位置を例示し、さらにこの順番で装着することを示している。同様に、基板K上の実装ポイントP4、P5、P6は、第2部品移載装置42に割り当てられた低優先部品実装タスクで第2実装ヘッド52が装着する部品の装着位置を例示し、さらにこの順番で装着することを示している。
本実施形態では、第1部品移載装置41の第1実装ヘッド51を実装ポイントP1からP2を経由してP3に移動させるとき、第1実装ヘッド51自体が移動する1個または複数の矩形エリアと、第1ヘッド移動ビーム45が移動する1個の矩形エリアとの和で移動予定範囲AR1を求める。各矩形エリアを区画する各辺は、水平面内のX軸またはY軸に平行しているものとする。これにより、制御コンピュータは、X軸座標値およびY軸座標値を用いて、各矩形エリアを求めることができる。
図3(2)を参考にして詳述すると、第1部品移載装置41では実装ポイント3点のうち実装ポイントP1(Y=Y3)が最も相手側にある。実装ポイントP1まで第1部品実装ヘッド51を到達させるために、第1ヘッド移動ビーム45はY軸方向の座標値Y1まで移動する。第1ヘッド移動ビーム45の移動予定範囲は、X軸方向の全幅にわたり、Y軸方向の座標値Y1までの矩形エリアab1(X=0〜XmaX、Y=0〜Y1)となる。また、第1部品実装ヘッド51自体が移動する移動予定範囲は、実装ポイントP1,P2、P3ごとの矩形エリアah1、ah2、ah3に分解して考えることができる。これらのうち、矩形エリアah3は、第1ヘッド移動ビーム45の矩形エリアab1に隠れて表出しない。したがって、移動予定範囲AR1は、図中の二重線で囲まれた3個の矩形エリアの和で求めることができる(AR1=ab1+ah1+ah2)。
なお、各矩形エリアab1、ah1、ah2、ah3は、第1部品実装ヘッド51および第1ヘッド移動ビーム45の外形線が通過してカバーする範囲を考慮して定める。さらに、必要に応じて、第1部品実装ヘッド51が採取した部品のはみ出しや、位置制御の誤差、移動経路のばらつきなども考慮して定める。
同様にして、図3(3)に示されるように、第2部品移載装置42では、最も相手側の実装ポイントP6(Y=Y4)まで第2部品実装ヘッド52を到達させるために第2ヘッド移動ビーム46は矩形エリアab2(X=0〜XmaX、Y=Y2〜YmaX)を移動する。また、第2実装ヘッド52自体が移動する移動予定範囲は、3個の矩形エリアah4、ah5、ah6に分解して考えることができる。図の例では矩形エリアah4およびah5が第2ヘッド移動ビーム46の矩形エリアab2に隠れて表出しない。したがって、第2実装ヘッド52の移動予定範囲AR2は、図中の二重線で囲まれた2個の矩形エリアの和となる(AR2=ab2+ah6)。
図4は、実施形態の部品実装方法で干渉エリアの求め方を模式的に説明する図であり、(1)は本実施形態で求めた干渉エリアARS、(2)は従来方法で求めた干渉エリアAZZを示している。本実施形態では、図3の(2)および(3)で求めた各移動予定範囲AR1、AR2が重なる範囲を干渉エリアARSとする。干渉エリアARSは、図4(1)に示される二重線で囲まれた凹十角形となる。
一方、従来方法では、Y方向の干渉のみを実質的に考慮している。つまり、図4(2)に示されるように、第1部品実装ヘッド51が最も相手側まで進むY軸座標値Y3と、第2部品実装ヘッド52が最も相手側まで進むY軸座標値Y4との間で、X軸方向の全幅が干渉エリアAZZとされる。図示されるように、従来の干渉エリアAZZは単一の矩形(X=0〜XmaX、Y=Y4〜Y3)となる。
次に、実施形態の部品実装方法の作用、効果について説明する。図4の(1)と(2)とを比較すれば明らかなように、実施形態の干渉エリアARSは従来の干渉エリアAZZよりも格段に小さくなって同時並行動作の機会が拡がり、実装効率を格段に向上できる。
図5は、実施形態の部品実装方法の効果を具体的に説明する図である。具体例では、実装ポイントP1〜P3に部品を実装する高優先実装タスクが第1部品移載装置41に割り当てられ、実装ポイントP4〜P6に部品を実装する低優先実装タスクが第2部品移載装置42に割り当てられている。したがって、移動予定範囲検出ステップS2で図3の各移動予定範囲AR1,AR2が求められ、干渉エリア検出ステップS3で、図4(1)の干渉エリアARSが求められる。次に、高優先実装ステップS4で、第1部品実装ヘッド51を移動予定範囲AR1内で駆動して、実装ポイントP1〜P3で部品実装を終了させる。このとき、低優先実装ステップS5で、高優先実装ステップS4と並行して第2部品実装ヘッド52を干渉エリアARSに進入させない範囲で駆動することができる。
つまり、図5に示されるように、X軸方向に第1および第2部品実装ヘッド51、52を並べて同時に並行動作させることができる。したがって、第1部品実装ヘッド51が実装ポイントP1およびP2で実装動作する間に、第2部品実装ヘッド52が干渉領域ARSに進入せずに実装ポイントP4およびP5で実装動作できる。さらに、第1部品実装ヘッド51が干渉領域ARSから出て実装ポイントP3で実装動作する間に、第2部品実装ヘッド52が干渉領域ARSに進入し実装ポイントP6で実装動作できる。この同時並行動作は、図4(2)に示された従来の干渉エリアAZZを用いた干渉回避制御では実施できず、本実施形態で実装効率を格段に向上できる。
次に、実施形態の部品実装方法で移動予定範囲を簡素化する応用例について説明する。上述したように、移動予定範囲検出ステップS2で移動予定範囲AR1を求める際に、第1部品実装ヘッド51自体が移動する実装ポイントP1,P2、P3ごとの矩形エリアah1、ah2、ah3を考えている。しかしながら、第1部品実装ヘッド51のホルダ個数が多い場合や、多数の部品実装サイクルをまとめた部品実装タスクを行う場合に、1タスクで実装する部品点数が増加する。これは、考慮すべき矩形エリアの数が増加して、移動予定範囲AR1の形状が複雑化することを意味する、さらに、干渉エリアの形状が複雑化して、干渉回避の判定や位置制御が煩雑化するおそれがある。したがって、第1実装ヘッド51自体が移動する移動予定範囲を単一の矩形エリアAHに簡素化してもよい。これにより、ヘッド移動ビーム45が移動する1個の矩形エリアABとの和、すなわち合計2個の矩形エリアの和で移動予定範囲AR1を求めることができる。
上述の簡素化において、単一の矩形エリアAHは、第1実装ヘッド51がX軸方向に移動する最も広い範囲で、Y軸方向の最相手側位置までを考慮する。この簡素化により、第1実装ヘッド51の移動予定範囲AR1は、図6に示されるいずれかの形状となる。図6は、移動予定範囲AR1の形状例を説明する図であり、(1)は「凸」形状の凹八角形、(2)および(3)は「L」形状の凹六角形、(4)は矩形の形状例である。図中で、第1ヘッド移動ビーム45の矩形エリアABは共通であり、第1実装ヘッド51自体のX軸方向の移動範囲が異なる。つまり、第1実装ヘッド51がX軸方向の中間部分のみを移動する場合には(1)の「凸」形状の移動予定範囲AR11となり、X軸方向のいずれか一方の端部まで移動する場合には(2)または(3)の「L」形状の移動予定範囲AR12、AR13となり、X軸方向の両端部まで移動する場合には(4)の矩形の移動予定範囲AR14となる。なお、凹八角形や凹六角形は、内角が180°を超える(本発明では270°の)凹頂点を有する多角形を意味している。
同様に、第2実装ヘッド52の移動予定範囲AR2も簡素化して、図6に示されるいずれかの形状とすることができる。このとき、干渉エリアARSの形状は、(1)〜(4)の形状のうちの2個(第2実装ヘッド52側は180°回転させた形状)が重なった範囲となる。したがって、干渉エリアARSの形状はあまり複雑化せず、干渉回避の判定や位置制御を適正に行える。
次に、第1および第2部品実装ヘッド51、52の移動経路の制御方法を、図7〜図11に具体例を挙げて説明する。まず、図7に示される簡素化された移動予定範囲AR3、AR4の例を考える。図7(1)は第1部品実装ヘッドの移動予定範囲AR3、(2)は第2部品実装ヘッド52の移動予定範囲AR4、(3)は干渉範囲ARS2、の具体例をそれぞれ示した図である。第1部品実装ヘッド51の移動予定範囲AR3は「凸」形状であり、第1ヘッド移動ビーム45の矩形エリア(X=0〜XmaX、Y=0〜Y7)と、第1部品実装ヘッド51の矩形エリア(X=X7〜X8、Y=Y7〜Y8、ただし、0<X7<X8<XmaX、0<Y7<Y8<YmaX)の和になっている。また、第2部品実装ヘッド52の移動予定範囲AR4は単一の矩形エリア(X=0〜XmaX、Y=Y7〜YmaX)になっている。したがって、干渉エリアARS2は、移動予定範囲AR3と移動予定範囲AR4とが重なる 図7(3)に示された矩形(X=X7〜X8、Y=Y7〜Y8)となる。
ここで、第1部品実装ヘッド51が高優先側の場合、第1部品実装ヘッド51は干渉エリアARS2を含む移動予定範囲AR3を占有でき、その内部を自由に移動できる。一方、低優先側の第2部品実装ヘッド52は、低優先実装ステップS5で干渉エリアARS2に進入することができず、移動予定範囲AR4から干渉エリアARS2を除いた「凹」形状の低優先移動可能範囲AR5(図8の(1)を参照)を占有でき、その内部を移動することになる。ところが、移動予定範囲AR3や低優先移動可能範囲AR5の形状は従来と異なって凹多角形であることから、第1および第2部品実装ヘッド51、52の移動経路が相手側の低優先移動可能範囲AR5や移動予定範囲AR3に重なるおそれがある。つまり、第1および第2部品実装ヘッド51、52が或る現在位置から目的地に移動する場合に、X軸方向およびY軸方向の速度成分の与え方によっては、移動経路が自分の範囲AR3、AR5の外側にはみだし、誤って相手側範囲AR5、AR3に進入してしまうおそれがある。
図8は、実施形態における移動経路の制御方法を模式的に説明する図であり、(1)は高優先側の部品実装ヘッド51の現在位置Sと目的地Eとを結ぶ経路m0の一部が低優先移動可能範囲AR5に重なる場合を例示し、(2)はこの場合の実際の移動経路(m1+m2)を例示している。図8(1)において、高優先側の部品実装ヘッド51の現在位置Sと目的地Eとを結ぶ概ね直線的な経路m0は、移動予定範囲AR3の外周の凹頂点Fの外側にはみ出し、相手側の低優先移動可能範囲AR5に進入している。したがって、この経路m0を採用することはできない。また、標準的なX軸、Y軸両方向の速度成分によるアーチモーション制御を用いても、低優先移動可能範囲AR5への進入のおそれは解消できない。
そこで、図8(2)に示されるように、移動予定範囲AR3の内側に中継点Mを設定する。中継点Mの座標値(XM、YM)は、X軸座標値XMが目的地Eのそれに等しく(XM=X9)、Y軸座標値YMが凹頂点Fのそれに等しい(YM=Y7)ものとする。そして、現在位置Sから中継点MへはXY両軸方向の速度成分を制御する標準的なアーチモーション経路m1を移動し、中継点Mから目的地EへはY軸方向の速度成分のみの経路m2を移動する。また、現在位置Sと目的地Eとが入れ替わった場合も同じ位置に中継点Mを設定し、同じ経路を逆方向に移動する。これにより、高優先側の第1部品実装ヘッド51が現在位置Sから目的地Eに移動する際に、誤って低優先移動可能範囲AR5へ進入するおそれがなくなる。
次に、図9を参考にして、高優先側の移動予定範囲AR3の全範囲にわたる移動経路の制御方法を説明する。図9は、図8に示される高優先側の移動予定範囲AR3の全範囲にわたる移動経路の制御方法を説明する図であり、(1)は移動予定範囲AR3の細分範囲図、(2)は細分範囲間の移動制御方法の一覧表の図である。図9(1)に一点鎖線で示されるように、まず、「凸」形状の移動予定範囲AR3を4個の矩形の細分範囲ar31〜ar34に分割する。次に、部品実装ヘッド51の現在位置Sが属する細分範囲、および目的地Eが属する細分範囲を求める。最後に、図9(2)の一覧表中で、求めた2つの細分範囲が交わった桝目の内容に相当する制御方法を採用する。
一覧表中の“XY→Y”は、図8で示した中継点Mを経由する制御方法を示し、細分範囲ar31からar34への移動、および細分範囲ar33からar34への移動に用いる。また、一覧表中の“Y→XY”は、図8の現在位置Sと目的地Eとが入れ替わった場合に相当する制御方法を示し、細分範囲ar34からar31への移動、および細分範囲ar34からar33への移動に用いる。つまり、細分範囲ar34内の現在位置SからまずY軸方向に移動して中継点Mに達し、次に、XY両軸方向の速度成分を制御するアーチモーションにより細分範囲ar31またはar33内の目的地Eに達するように制御する。上記以外の桝目の“標準”は、標準的なXY両軸方向の速度成分によるアーチモーションの移動を示している。
上述のように、必要に応じて中継点Mを設定し、中継点Mを経由する移動経路の制御を実施することにより、高優先側の第1部品実装ヘッド51が誤って低優先移動可能範囲AR5へ進入するおそれがなくなる。したがって、高優先実装ステップS4における第1および第2部品実装ヘッド51、52の相互間の物理的な干渉を確実に回避できる。
この移動経路の制御方法は、低優先側の第2部品実装ヘッド52に対しても同様に実施することができる。図10は、低優先側の低優先移動予定範囲AR5の全範囲にわたる移動経路の制御方法を説明する図であり、(1)は低優先移動可能範囲AR5の細分範囲図、(2)は細分範囲間の移動制御方法の一覧表の図である。図10(1)に一点鎖線で示されるように、まず、「凹」形状の低優先移動可能範囲AR5を5個の矩形の細分範囲ar51〜ar55に分割する。次に、部品実装ヘッド52の現在位置S1が属する細分範囲、および目的地E1が属する細分範囲を求める。最後に、図10(2)の一覧表中で、求めた2つの細分範囲が交わった桝目の内容に相当する制御方法を採用する。また、図11は、図10に示される制御方法の具体的な2例を示した図である。
図10(2)の一覧表中の“XY→Y”、“Y→XY”、および “標準”は、図8および図9と同様の制御方法を示している。例えば、現在位置S1が細分範囲ar53に属し目的地E1が細分範囲ar54に属する場合、図10(2)の一覧表中の桝目は“XY→Y”である。これは、図11(1)に示されるように、中継点M2を設定して移動することを意味している。また、図10(2)の一覧表中の細分範囲ar54とar55とが交わった桝目は“Y→X→Y”である。これは、図11(2)に示されるように、2つの中継点M3、M4を経由する移動を意味している。すなわち、細分範囲ar54内の現在位置SからまずY軸方向に移動して中継点M3に達し、次にX軸方向に移動して中継点M4に達し、最後にY軸の負方向に移動して細分範囲ar55内の目的地E1に達することができる。
上述のように、必要に応じて複数の中継点M3、M4を設定し、中継点M3、M4を経由する移動経路の制御を実施することにより、低優先側の第2部品実装ヘッド52が誤って高優先移動可能範囲AR3へ進入するおそれがなくなる。したがって、低優先実装ステップS5における第1および第2部品実装ヘッド51、52の相互間の物理的な干渉を確実に回避できる。
なお、移動経路の制御方法を説明する図7〜図11では、具体例として高優先側の「凸」形状の移動予定範囲AR3および低優先側の矩形の移動予定範囲AR4を示したが、これに限定されない。すなわち、高優先側および低優先側の各移動予定範囲の形状に対応して適正に細分範囲に分割し、適宜中継点を設定して移動経路を制御することができる。これにより、第1および第2部品実装ヘッド51、52の干渉エリアを従来よりも格段に小さく狭小化しても、両ヘッド51、52の相互間の物理的な干渉を確実に回避できる。その他、本発明は様々な応用、変形が可能である。
1:部品実装機
2:基板搬送装置 31、32:部品供給装置
41、42:第1および第2部品移載装置 43、44:固定レール
45、46:第1および第2ヘッド移動ビーム
47、48:第1および第2画像取り込み装置
51:第1部品実装ヘッド 51H:先端 51A、51B、51C:ホルダ
52:第2部品実装ヘッド 52H:先端 52A、52B、52C:ホルダ
K:基板
AR1〜AR4:移動予定範囲
AR5:低優先移動可能範囲
ARS、ARS2:干渉エリア
AZZ:従来の干渉エリア
ab1:第1ヘッド移動ビームの矩形エリア
ab2:第2ヘッド移動ビームの矩形エリア
ah1、ah2:第1部品実装ヘッドの実装ポイントごとの矩形エリア
ah6:第2部品実装ヘッドの実装ポイントごとの矩形エリア
ar31〜ar34:移動予定範囲AR3の細分範囲
ar51〜ar55:低優先移動可能範囲AR5の細分範囲
P1〜P6:実装ポイント

Claims (3)

  1. 基台上の部品実装位置に基板を搬入し、位置決めし、搬出する基板搬送装置と、複数種類の部品を供給する部品供給装置と、該部品供給装置から供給される前記部品を採取して位置決めされた前記基板上の実装ポイントに装着する部品実装ヘッド、該部品実装ヘッドを水平面内の直交2軸の一軸方向に移動可能に支持するとともに前記基台に装架されて前記直交2軸の他軸方向に移動可能なヘッド移動ビーム、および前記部品実装ヘッドと前記ヘッド移動ビームとを駆動するヘッド駆動機構をそれぞれ有する複数の部品移載装置と、該複数の部品移載装置を関連付けて制御する制御装置とを備え、
    複数ある部品実装タスクを前記複数の部品移載装置にそれぞれ割り当て、割り当てた部品実装タスクを実施するために各前記部品実装ヘッドが移動する予定の移動予定範囲を求める移動予定範囲検出ステップと、
    各前記部品移載装置の前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲が重なる干渉エリアを求める干渉エリア検出ステップと、
    優先度の高い高優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記移動予定範囲内で駆動して前記高優先部品実装タスクを終了させる高優先実装ステップと、
    優先度の低い低優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記高優先実装ステップと並行して前記干渉エリアに進入させない範囲で駆動して前記低優先部品実装タスクの一部を実施し、前記高優先実装ステップが終了すると前記干渉エリアに進入させて前記低優先部品実装タスクの残部を実施して終了させる低優先実装ステップと、を有する部品実装機の部品実装方法において、
    前記移動予定範囲検出ステップで求める各前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲は、前記部品実装ヘッドを前記部品実装タスクにおける全ての実装ポイントに移動させたときに、前記ヘッド移動ビームが最も相手側まで移動して通過する矩形エリアと、前記部品実装ヘッドが各実装ポイントに位置したときにカバーする矩形エリアとを足し合わせた和であり、
    前記高優先実装ステップで、低優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲から前記干渉エリアを除いた範囲を低優先移動可能範囲とし、高優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が前記低優先移動可能範囲に重なる場合に、前記高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲の内側に中継点を設定し、前記高優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記移動予定範囲内のみを通過し、
    前記低優先実装ステップで、前記高優先実装ステップと並行して前記低優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲に重なる場合に、前記低優先移動可能範囲の内側に中継点を設定し、前記低優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記低優先移動可能範囲内のみを通過する、
    ことを特徴とする部品実装機の部品実装方法。
  2. 請求項1において、前記部品実装タスクは、各前記部品移載装置が前記部品供給装置から前記部品を採取し、位置決めされた前記基板上の前記実装ポイントに移動して前記部品を装着し、前記部品供給装置上に戻る部品実装サイクルを1個または複数個含むことを特徴とする部品実装機の部品実装方法。
  3. 基台上の部品実装位置に基板を搬入し、位置決めし、搬出する基板搬送装置と、複数種類の部品を供給する部品供給装置と、該部品供給装置から供給される前記部品を採取して位置決めされた前記基板上の実装ポイントに装着する部品実装ヘッド、該部品実装ヘッドを水平面内の直交2軸の一軸方向に移動可能に支持するとともに前記基台に装架されて前記直交2軸の他軸方向に移動可能なヘッド移動ビーム、および前記部品実装ヘッドと前記ヘッド移動ビームとを駆動するヘッド駆動機構をそれぞれ有する複数の部品移載装置と、該複数の部品移載装置を関連付けて制御する制御装置とを備え、該制御装置は、
    複数ある部品実装タスクを前記複数の部品移載装置にそれぞれ割り当て、割り当てた部品実装タスクを実施するために各前記部品実装ヘッドが移動する予定の移動予定範囲を求める移動予定範囲検出ステップと、
    各前記部品移載装置の前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲が重なる干渉エリアを求める干渉エリア検出ステップと、
    優先度の高い高優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記移動予定範囲内で駆動して前記高優先部品実装タスクを終了させる高優先実装ステップと、
    優先度の低い低優先部品実装タスクを割り当てた部品移載装置の部品実装ヘッドを、前記高優先実装ステップと並行して前記干渉エリアに進入させない範囲で駆動して前記低優先部品実装タスクの一部を実施し、前記高優先実装ステップが終了すると前記干渉エリアに進入させて前記低優先部品実装タスクの残部を実施して終了させる低優先実装ステップと、を行う部品実装機において、
    前記移動予定範囲検出ステップで求める各前記部品実装ヘッドの前記移動予定範囲は、前記部品実装ヘッドを前記部品実装タスクにおける全ての実装ポイントに移動させたときに、前記ヘッド移動ビームが最も相手側まで移動して通過する矩形エリアと、前記部品実装ヘッドが各実装ポイントに位置したときにカバーする矩形エリアとを足し合わせた和であり、
    前記高優先実装ステップで、低優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲から前記干渉エリアを除いた範囲を低優先移動可能範囲とし、高優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が前記低優先移動可能範囲に重なる場合に、前記高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲の内側に中継点を設定し、前記高優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記移動予定範囲内のみを通過し、
    前記低優先実装ステップで、前記高優先実装ステップと並行して前記低優先側の部品実装ヘッドが移動するときに、現在位置と目的地とを結ぶ直線的な経路が高優先側の部品実装ヘッドの移動予定範囲に重なる場合に、前記低優先移動可能範囲の内側に中継点を設定し、前記低優先側の部品実装ヘッドは前記中継点を経由する経路を移動して前記低優先移動可能範囲内のみを通過する、
    ことを特徴とする部品実装機。
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