本発明のトナー外添用アルミナ微粒子の製造装置を図3(a)(b)に示す。図3に示すトナー外添用アルミナ微粒子の製造装置は、特開2002−253953に記載される超微粒子製造装置を使用するものであり、(a)は装置を上方から見た状態を示す図であり、(b)は側面から見た状態を示す図である。
トナー外添用アルミナ微粒子製造装置は、外部の雰囲気を遮断するチャンバ1と、プラズマトーチ4および電源5を有するプラズマアーク発生手段6と、プラズマトーチ4に供給するアルゴンガス等の作用ガスが充填された作用ガスタンク7と、反応・冷却ガスタンク8に充填された酸素ガス等の反応・冷却ガスを原料体(金属アルミニウム)3が蒸発して発生した蒸発ガスに吹き付ける反応・冷却ガス吹き付けノズル9と、チャンバ1と連設し、原料体3が蒸発した蒸発ガスを膨張させて冷却し、かつ蒸発ガスと生成した微粒子(アルミナ微粒子)を分離する蒸発ガス冷却タンク10とを有するものである。この装置において、プラズマトーチ4は、発生したプラズマアークの軸方向が、原料体3の蒸発面に対して斜め方向に配置される。また、反応・冷却ガス吹き付けノズル9は、プラズマトーチ4との間に原料体3が配置されるように設けられる。さらに、原料体3をチャンバ1の外から保持し、原料体3を送り出す原料体保持・送り出し装置12と、原料体3が蒸発している位置を検出し、その情報を解析し、信号を原料体保持・送り出し装置12に出力して原料体3の送り出し速度を決定する蒸発面位置検出装置13とを有している。
原料体として金属アルミニウムを使用し、上記公報における実施例1、実施例2と同様にして、中心電極22と移行型プラズマトーチ4bの電極24との間にV字状プラズマアークCを形成させる。このV字状プラズマアークCのV字先端付近のアーク高温部Hを、蒸発用るつぼ中の金属アルミニウムにあてて金属アルミニウムを蒸発させる。金属アルミニウムから発生したアルミニウム蒸気をプラズマアークのガス圧によってプラズマアークの前方に流すと共にアルミニウム蒸気を横切るように、反応・冷却ガス吹き付けノズル9から酸素ガスを吹き付け、アルミニウム蒸気を急速に酸化させてAl2 O3 超微粒子を形成させる。形成したAl2 O3 超微粒子および酸化された蒸発ガスを蒸発ガス冷却タンク10に移動して冷却した後に、コレクタ11によりAl2 O3 超微粒子と気体とに分離する。分離したAl2 O3 超微粒子を蒸発ガス冷却タンク10下部に設置された捕集容器で捕集する。
本発明のトナー外添用アルミナ微粒子は、このように、金属アルミニウムを直流アークプラズマで蒸発させ、その蒸気を酸化して得られるものである。この方法によるとアルミナ純度は99.9%以上であり、一次粒径24nm〜55nm、BET比表面積30m2 /g〜70m2 /gのものが得られる。市販品としてはシーアイ化成社製「Nano・Tek、Al2 O3 、一次粒径30nm、BET比表面積49.3m2 /g」が例示される。また、本発明のアルミナ微粒子の走査電子顕微鏡写真(10万倍)を、図2に示す。図2からわかるように、本発明のアルミナ微粒子は球形状微粒子であり、その各微粒子の粒子径も看取されるものである。
また、図1に本発明のトナー外添用アルミナ微粒子のX線回折データを示す。図1から明らかなように、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子は、γ−アルミナ結晶特有のピーク(例えば2θが45.9°、67.0°等)を有し、しかも、それぞれのピークの半値幅は0.314、0.415である。X線スペクトルを、例えば特許文献3のごとくCPS強度比Ia-max /Ia-min で表現する場合には、γ−アルミナが結晶質であるのか非晶質であるのかについて比較することが容易になるが、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子においては、図1から2θが45.9°にピーク値を有し、そのIa-max =略4500CPS、そのIa-min =略250CPSと看取されることから、Ia-max /Ia-min =18と算出されるものであり、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子は結晶性であることがわかる。
また、その半値幅{ピーク値の高さの1/2高さ、すなわち、Ia-min +(Ia-max −Ia-min )/2に対応するそれぞれの2θ値の差}は、結晶粒(結晶子)の不完全さを示す場合に用いられる一般的な表現方法であるが、2θが45.9°のピークにおいては0.314°と測定され、2θが67.0°のピークにおいては0.405°と測定される。ちなみに、図6(a)(b)に後述する比較例1、2の市販のγ−アルミナ微粒子についてのX線回折データを示すが、半値幅は、比較例1では2θが45.9°のピークにおいては1.756°と測定され、2θが67.0°のピークにおいては1.496°と測定され、また、比較例2では2θが45.9°のピークにおいては1.673°と測定され、2θが67.0°のピークにおいては1.784°と測定される。
比較例1、2のものは半値幅が大きく、結晶子の不完全さが大きいことがわかる。半値幅が小さいと結晶子の不完全さが小さくなり、半値幅が大きいと結晶子の不完全さが大きくなるように、半値幅は結晶子の不完全さとの対応を示すものである。結晶子との不完全さは酸素欠陥(格子欠陥)の程度を反映していると考えられ、さらには電荷リーク作用発現の程度を反映していると考えられる。本発明のトナー外添用アルミナ微粒子にあっては、γ−アルミナ特有のピークである例えば2θが45.9°や67.0°のピークにあって、その半値幅が1.0°以下、好ましくは0.1°〜0.8°とするとよく、半値幅が大きいと本発明の効果を示さない。
また、図1には、α−アルミナ結晶特有のピーク(例えば2θが35°等)も示しており、γ−アルミナ相とα−アルミナ相とが混在し、しかも、強度比を考慮すると、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子はγ−アルミナ相が大部分で、γ−アルミナを主相とするものであること、また、少量のα−アルミナ相を含むものであることがわかる。また、X線回折データから結晶構造を有するものである。これに対して後述する比較例1のトナー外添用アルミナ微粒子は、そのX線回折データから、γ−アルミナ相と共にδ−アルミナ相を1/3程度含まれるものである。
本明細書においては、BET比表面積は、(株)マウンテック社製「全自動比表面積計Macsorb HM model−1201」を使用して求められ、また、アルミナ微粒子の粒径は、透過電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の粒子径を測定して平均粒子径を求める。また、X線構造回折は、リガク社製「RINT−1400(ゴニオ半径185mm)」を使用して測定するもので、半値幅等の測定等のスペクトル分析を可能とするものであり、その測定条件は
発散スリット: 1/2deg
散乱スリット: 1/2deg
受光スリット: 0.3mm
スキャンステップ:0.02°
である。
本発明のトナー外添用アルミナ微粒子は、(1)トナー母粒子表面に付着したアルミナ微粒子が所定の電荷リーク作用を発現し、トナーの摩擦帯電を安定化させる効果を有する、(2)アルミナ微粒子の研磨作用により感光体表面をリフレッシュして感光体の帯電性能を安定化させる効果がある、(3)さらに、現像装置がトナーを補給可能とする場合は、残留トナーに加えて新たに補給されるトナーであるトナー補給形式の現像装置において、もしくは現像装置がトナーを補給可能としない場合は、残留トナーに加えて新たに充填されるトナーであるトナー使い切り形式の現像装置において、トナー補給カブリを低減したり、(4)感光体上に残留する遊離外添剤に起因して発生する残留メモリーを低減することができる。
(1)のトナーの摩擦帯電を安定化するのは、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子が、γ−アルミナ相を主相としα−アルミナ相を含む遷移アルミナでありながら、明確な結晶形態を有するためと考えられる。明確な結晶形態を有することにより、電荷リーク作用発現の起点となる酸素欠陥(格子欠陥)を適度に形成しながら、粒子表面のAl−OH基が少ないことで化学吸着する構造水を低減でき、その結果、摩擦帯電電荷の制御が容易になり、大気中の水分量に依存することなく、環境安定性が向上するものと考えられる。
特に、X線回折データにおけるγ−アルミナ由来スペクトルの半値幅を1.0°以下とするのは、アルミナ微粒子のγ−アルミナ相の結晶子の不完全さを小さくするためであり、γ−アルミナ相の不完全さが小さくなることで、微弱な電荷リーク作用の発現を安定化させることに効果がある。
(2)の感光体の帯電性能を安定化するのは、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子が、γ−アルミナ相を主相としα−アルミナ相を含む遷移アルミナでありながら、明確な結晶形態を有するためと考えられる。アルミナ微粒子がγ−アルミナ相を主相とすることで感光体表面をリフレッシュするに適した適度な研磨作用を発現するものと考えられる。また、粒子表面の活性基が少ないことにより、二次凝集体を形成することなく容易に分散する球状の一次粒子を構成するので、感光体表面に研磨痕を発生させることなく適度な研磨作用を持続させることができるものと考えられる。
特に、X線回折データにおけるγ−アルミナ由来スペクトルの半値幅を1.0°以下とするのは、アルミナ微粒子のγ−アルミナ相の結晶子の不完全さを小さくするためであり、γ−アルミナ相の不完全さが小さくなることで、研磨作用を制御しうるのではないかと考えられる。
(3)のトナー補給カブリを低減するのは、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子が、γ−アルミナ相を主相としα−アルミナ相を含む遷移アルミナであるため適度な電荷リーク作用を発現し、粒子表面の活性基が少ない理由により、二次凝集体を形成することなく容易に分散する球状の一次粒子を構成するので、トナー表面に付着するアルミナ微粒子が埋没もしくは遊離が抑制されると共に摩擦帯電の立ち上がり性能が維持されるものと考えられる。その結果、劣化トナーと新トナーが現像装置内において共存する状況下で、摩擦帯電の立ち上がりにトナー差が発生しなくなり、新トナー補給後の画像形成時に感光体上の非画像形成部にカブリが発生しなくなるものと考えられる。
特に、X線回折データにおけるγ−アルミナ由来スペクトルの半値幅を1.0°以下とするのは、アルミナ微粒子のγ−アルミナ相の結晶子の不完全さを小さくするためであり、γ−アルミナ相の不完全さが小さくなることで、摩擦帯電の立ち上がり性能を維持しうるものと考えられる。
(4)の感光体メモリーを低減するのは、本発明のトナー外添用アルミナ微粒子においては、粒子表面の活性基が少ない理由により、二次凝集体を形成することなく容易に分散する球状の一次粒子を構成するためと考えられる。トナー表面にアルミナ微粒子を外添処理する際に、一次粒子の形態で均一に分散した状態で付着させることができるので、トナー表面から遊離して振る舞う非同期成分の発生を抑えることができる。その結果、現像動作から転写動作時に感光体上に残留する外添剤が発生しないので、感光体メモリーを低減できるものと考えられる。
特に、X線回折データにおけるγ−アルミナ由来スペクトルの半値幅を1.0°以下とするのは、アルミナ微粒子のγ−アルミナ相の結晶子の不完全さを小さくするためであり、γ−アルミナ相の不完全さが小さくなることで、二次凝集体を形成することなく、容易に分散する球形状の一次粒子を構成しうるものと考えられる。
本発明のトナー外添用アルミナ微粒子は、トナー母粒子100質量部に対して、0.2質量部〜5.0質量部、好ましくは0.5質量部〜2.0質量部の割合で外添処理させるとよい。トナー母粒子に対する処理量がこれより多いと電荷リーク作用が過剰に発現したり、遊離外添剤が発生する問題があり、また、少ないと所望の研磨効果が得られない。
アルミナ微粒子は、後述する実施例においては、疎水化処理をしていないものを使用したが、アルキルアルコキシシラン、シロキサン、シラン、シリコーンオイル等のシラン系有機化合物で疎水化処理をしてもよい。特に、アルキルアルコキシシランを用いるのが好ましく、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、トナー外添剤として、アルミナ微粒子の他に(1)疎水性小シリカ粒子(以下、疎水性小シリカ粒子)、(2)疎水性単分散球形大シリカ粒子、(3)正帯電性シリカ粒子をしようするとよい。
(1) 疎水性小シリカ粒子は、個数平均一次粒子径としては7〜16nm、好ましくは10〜12nm、かつ、嵩比重が0.1〜0.2g/cm3 で、2成分帯電量(5min値)が−20〜−80μC/gのものであり、日本アエロジル(株)製の「R8200」、また、「RX200(嵩比重が0.02〜0.06g/cm3 、2成分帯電量(5min値)−100〜−300μC/g)」が例示される。共に、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化(乾式法)により得られるもので、嵩比重、2成分帯電量(5min値)において相違するものである。
疎水性小シリカ粒子は、個数平均一次粒子径が小さい程、得られるトナーの流動性が高くなるが、個数平均一次粒子径が7nmより小さいと、外添に際してシリカ微粒子がトナー母粒子に埋没してしまう虞があり、逆に、個数平均一次粒子径が16nmを超えると、流動性が悪くなる虞がある。疎水性小シリカ粒子は、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜3.0質量部、好ましくは1.0〜2.0質量部添加されることにより、疎水性小シリカ粒子の低帯電性・高流動化により、ゴム薄層規制部における圧縮凝集塊の形成を抑制することができる。
なお、嵩比重は、100mlのメスシリンダーにロートを通して粉体を注ぎ、100mlに達した時点で注入を止め、この時の重量を計測し、次式に代入して得られる。
嵩比重(g/cm3 )={(サンプル注入後の重量)−(サンプル注入前の重量)}/{メスシリンダーの容量(100ml)}。
次に、(2) 疎水性単分散球形大シリカ粒子は、個数平均一次粒子径が50〜250nm、好ましくは80〜150nmである。疎水性単分散球形大シリカ粒子は、形状としてはWadellの球形度が0.6以上、好ましくは0.8以上の球形である。単分散球形シリカ微粒子は、湿式法であるゾルゲル法により得られ、比重が1.3〜2.1のものである。疎水性単分散球形大シリカ粒子は、平均粒径が50nmより小さいと、小粒径のシリカ微粒子のトナー母粒子表面への埋没を防止して流動性や帯電安定性を維持することができなくなったり、また、スペーサ効果が得られず、また、250nmより大きいと、トナー母粒子に付着しにくくなると共にトナー母粒子表面から脱離しやすくなる。
疎水性単分散球形大シリカ粒子としては、(株)日本触媒製の「シーホスターKE−P10S2」(個数平均一次粒子径100nm)等が例示され、結晶形は一部結晶質とも考えられるアモルファス、球状、個数平均一次粒子径は100nm、シリコーンオイルにより疎水化(表面)処理され、真比重が2.2、嵩比重が0.25〜0.35、BET比表面積10〜14m2 /g、2成分帯電量(5min値)0〜−50μC/gである。
疎水性単分散球形大シリカ粒子は、トナー母粒子100質量部に対して0.2〜2.0質量部、好ましくは0.5〜1.5質量部添加される。疎水性単分散球形大シリカ粒子の添加量が0.2質量部より少ないと、トナー充填密度が上昇し、現像ローラ回転時に規制ブレードでトナー層を薄層規制する際、トナーの薄層化が困難となり、規制モレや飛散する問題が生じる。また、2.0質量部より多く添加すると、トナー層充填密度が低下しすぎ、現像ローラ回転時に規制ブレードをトナー層が通過する際、トナーの一部が現像ローラに保持されず漏洩したり、また、トナー層の現像ローラ周期で発生する層厚形成ムラにより、全面ベタ画像を出力すると用紙送り方向に対する濃度均一性が損なわれ、現像ローラ周期ムラが出現するという問題が発生する。
(2)の大粒子径のシリカ:(1)の小粒子径のシリカの添加比(質量比)は、1:4〜4:1、好ましくは2:3〜3:2とするとよく、トナーに流動性を付与し、かつ帯電の長期安定性を得る上で好ましい。大粒子径シリカと小粒子径シリカは、両者の混合比率を考慮しつつトナー母粒子100質量部に対して合計量で1.25〜5.0質量部、好ましくは2.0〜3.0質量部添加される。
シリカ微粒子は疎水化処理されていることが好ましい。負帯電性シリカ微粒子の表面を疎水性にすることにより、トナーの流動性および帯電性がさらに向上する。シリカ微粒子の疎水化は、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシランなどのシラン化合物;あるいはジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フッ素変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルを用いて、例えば、湿式法、乾式法など当業者が通常使用する方法により行われる。
(3) 正帯電性シリカ粒子は、個数平均一次粒子径としては20nm〜40nmである。正帯電性シリカ微粒子は、疎水化処理されていることが好ましく、外部環境の変化に対する帯電性の変化を小さく、安定な帯電性を維持し、かつトナーの流動性を良好にするために添加される。正帯電性シリカ微粒子の疎水化は、アミノシランカップリン剤やアミノ変性シリコンオイル等を使用して行われる。疎水性正帯電性シリカ微粒子としては、市販の日本アエロジル(株)製のNA50H(結晶形はアモルファス、球状、個数平均一次粒子径は30nm、ヘキサメチルジシラザンとアミノシランにより疎水化(表面)処理され、真比重が2.2、嵩比重が0.0671、BET比表面積44.17m2 /g、炭素量2%以下、2成分帯電量(5min値)40μC/g)や、キャボット(株)製のTG820Fなどが例示される。
次に、本発明におけるトナー母粒子は、小粒径の着色粒子とするものであり、好ましくは乳化凝集法で得られるものとするとよいが、転相乳化合一法や粉砕法で得られるものでもよい。
乳化凝集法においては、単量体、重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、形成された樹脂粒子からなる分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて荷電制御剤等と凝集剤(電解質)等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させた着色粒子を得る。このようにして得られる着色粒子は、更に樹脂粒子からなる分散液を混合し、着色粒子をコアとして樹脂粒子を付着・加熱融合して被膜(シェル)を形成してコアシェル構造とするとよく、離型剤成分の着色粒子表面への露出を防止して現像ローラ等への機器へのワックス(離型剤)成分の付着をより防止することができ、フィルミング防止に優れるトナー母粒子とできる。
乳化凝集法トナーにおける単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。中でも、帯電性の観点からはスチレンアルリル系共重合体が好ましい。
また、着色剤としてはカーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
乳化凝集法における重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
乳化剤(界面活性剤)としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
凝集剤(電解質)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
着色粒子(トナー母粒子)における成分比としては、重合モノマー100質量部に対して、離型剤は3〜10質量部、好ましくは4〜8質量部であり、また、着色剤は3〜15質量部、好ましくは5〜10質量部である。
また、乳化重合に際しての重合開始剤としては、重合モノマー100質量部に対して0.03〜2質量部、好ましくは0.1〜1質量部、乳化剤(界面活性剤)としては0.01〜0.1質量部、凝集剤(電解質)としては0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部の割合で使用される。
また、転相乳化合一法により得られるものとしてもよい。転相乳化合一法は、例えば特許第3,867,893号に記載されるもので、(1)少なくともポリエステル樹脂と有機溶剤とを含有する混合物を水性媒体中で乳化させることにより、水性媒体中に混合物の微粒子を形成させる第一工程、次いで、(2)分散安定剤を添加し、更に電解質を順次添加することで微粒子を合一させ、微粒子の凝集体を製造する第二工程、(3)凝集体中に含有される有機溶剤を脱溶剤した後、水性媒体から微粒子を分離、洗浄し、その後、乾燥させる第三工程を順次行うことにより得るものである。また、結着樹脂としてスチレンアクリル樹脂とすると、耐湿性に優れることから帯電安定性に優れる結着樹脂とでき、また、ポリエステル樹脂とすると、得られる画像の透明性に優れ、カラー画像に適したものとできる。
本発明における着色粒子(トナー母粒子)の粒径は、ベックマンコールター社製「マルチサイザーIII 」型による測定でその50%体積平均粒径(D50)が2.0〜12.0μm、好ましくは3.0〜9.0μmである。平均粒径が12.0μm以下であることにより、600dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、解像度の再現性に優れるものとできる。なお、2.0μm以下になると、現像効率が低下することでトナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向がある。
トナー母粒子形状としては、真球に近い形状のトナー粒子が好ましい。具体的には、トナー母粒子は下記式
R=L0 /L1
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度(R)が0.95〜0.99、好ましくは0.96〜0.98とするとよい。トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。これにより、転写効率が高く、連続印字しても転写効率の変動が少なく、帯電量の安定すると共に、クリーニング性にも優れるトナーとできる。
トナー母粒子への上述した外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、Q型ミキサー(三井鉱山社製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等より行うとよい。ヘンシェルミキサーを使用して多段処理がなされる場合、各段階の処理操作条件は、回転周速度30〜50m/s、処理時間2分〜15分の範囲から適宜選択される。
また、外添剤の添加順序として3段階からなる多段処理するとよく、トナー母粒子にまず、1段目としてアルミナ微粒子をまず処理し、2段処理として疎水性単分散球形大シリカ粒子と共に疎水性小シリカ粒子を処理・付着させ、3段目として正帯電性シリカ微粒子を処理するとよい。これにより、薄層規制に際し帯電分布調整を可能とし、チャージアップ現象による静電凝集塊の形成を抑制できる負帯電性一成分非磁性トナーとできる。
なお、本発明においては、上述した外添剤粒子の添加趣旨を損なわない範囲で、他の疎水化処理された外添剤、例えば疎水性中シリカ粒子{ヒュームドシリカ、日本エアロジル社製「RX50」真比重2.2、体積平均粒径D50=40nm(標準偏差=20nm)}、金属石けん粒子である高級脂肪酸の亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミウムから選ばれる金属塩であり、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸モノアルミニウム、ステアリン酸トリアルミニウム等を外添処理してもよく、また、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化チタン、酸化セリウム等の金属酸化物の微粒子、また、窒化珪素等窒化物の微粒子、炭化珪素等の炭化物の微粒子、樹脂粒子、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等の金属塩の微粒子、並びに、これらの複合物等の無機微粒子等を添加してもよい。
本発明のトナーは、フロー軟化温度(Tf1/2)が90℃〜140℃であり、また、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜70℃の範囲にある。フロー軟化温度(Tf1/2)は、島津製作所製フローテスタ(CFT−500)を用いて、ノズル径1.0mmΦ×1.0mm、単位面積(cm2 )当たりの荷重10kg、毎分6℃の昇温速度で測定した値である。更に、ガラス転移温度(Tg)は、セイコーインスツルメンツ社製「示差走査熱量計(DSC−220C)」を用い、セカンドラン法により毎分10℃の昇温速度で測定した値である。
次に、本発明の画像形成方法、画像形成装置について説明する。
図4は、本発明の画像形成装置の概要を説明するための図で、図中、プリンタ10は、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像器保持ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90等を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、矢印で示すように時計回りに回転する。帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、画像信号に基づいて、変調されたレーザビームを帯電された感光体20上に照射する。そして、所定のタイミングにてレーザビームがON/OFFされて、所定の速度で回転する感光体20上の格子状に区画された領域にドット状潜像が形成される。
現像器保持ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、ブラック現像器51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像器52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像器53に収容されたシアン(C)トナー及びイエロー現像器54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。この現像器保持ユニット50は、回転することにより、前記4つの現像器51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。そして、感光体20が1回転する毎に、4つの現像器51、52、53、54のうちの1つを選択的に感光体20と対向させ、対向された現像器51、52、53、54に収容されているトナーにより感光体20上に形成された潜像を順次現像する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。この中間転写体70は、エンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の記録媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、記録媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を紙等の記録媒体に融着させて永久像とするための装置である。クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
次に、図5は、シアン現像器に代表させて現像器を説明するための図で、現像器の主要構成要素を示した断面図である。現像器54は、トナーTを収容するハウジング540、現像ローラ510、現像ローラ510にトナーを供給するためのトナー供給ローラ550、現像ローラ510に担持されたトナーの層厚を規制するための層厚規制ブレード560、ハウジング540と現像ローラ510との上方側の間隙をシールするための上シール520、ハウジング540と現像ローラ510との端部側の間隙をシールするための端部シール527等を有している。
ハウジング540の内部に、トナー収容部530が形成されている。トナー収容部530は、仕切り壁545により、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに分けられている。現像器保持ユニット50が回転する際には、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに収容されていたトナーが、現像位置における上部側の連通している部位側に一旦集められ、図5に示す状態に戻るときには、それらのトナーが混合されて第一トナー収容部530a及び第二トナー収容部530bに戻されることになる。すなわち、現像器保持ユニット50が回転することにより現像器内のトナーTは撹拌されることになる。このため、トナー収容部530に攪拌部材を設けていないが、トナー収容部530に収容されたトナーTを攪拌するための攪拌部材を設けてもよい。図5に示すように、ハウジング540は下部に開口572を有しており、後述する現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
トナー供給ローラ550におけるローラ部は、弾性を有する例えば発泡ウレタンにて形成されている。そして、トナー供給ローラ550は、回転自在に支持されて、第一トナー収容部530aに収容されており、トナーTを現像ローラ510に供給し、現像後に現像ローラ510に残存している余剰なトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る。
トナー供給ローラ550と金属表面を有する現像ローラ510とは、互いに押圧された状態にてハウジング540に組み付けられている。トナー供給ローラにおけるローラ部は、アスカーF硬度70°の発泡部材で構成されており、接触深さ0.7mm〜1.3mmで弾性変形された状態で現像ローラ510に当接するとよい。トナー供給ローラの接触深さを大きくするほど消費部に供給されるトナーの帯電立ち上がりを向上させることができる。そして、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図5において反時計方向)と逆の方向(図5において時計方向)、すなわちトナー供給ローラ550を現像ローラ510に対してウイズ回転方向で回転させる。
また、現像装置は、トナーを補給可能とする場合には、残留トナーに加えて新に補給されるトナーとの混合トナーとされ、もしくはトナーを補給可能としない場合には、残留トナーに加えて新たに充填されるトナーとの混合トナーとされる。
本発明のトナーにおける帯電性を十分なものとするためには、現像ローラ上で規制部材による薄層規制により帯電させる必要があるが、乳化凝集法や転相乳化合一法で得られる着色粒子は、薄層規制時のストレスにより部分欠損(凝集粒子の部分的欠落)し易い。そのため、内包されたワックス成分が露出して、現像ローラ510、規制部材560、上シール520のフィルミングの発生の原因ともなる。
本発明の外添処理の順序として、アルミナ微粒子の外添処理後に、疎水性単分散球形大シリカ粒子を外添処理することにより、着色粒子表面において疎水性単分散球形大シリカ粒子が移動し易くなるものと考えられる。多数枚印字での耐久時においては、発生する欠損部に疎水性単分散球形大シリカ粒子が移動し、トラップされて欠損部を埋めるように再配置され、ワックス部を被覆してフィルミングが抑制されるものと考えられる。
現像ローラ510の周速度は250〜400mm/sとするとよく、周速度が大きいほど大シリカの再配列がしやすい。また、トナー供給ローラ550の周速度は400〜600mm/sとするとよく、大きいほど現像室内でのトナー流動を活性化させて、トナーの摩擦帯電状態を均質化させることができる。また、疎水性単分散球形大シリカ粒子の着色粒子表面での移動を促進するのは、現像ローラと供給ローラの周速度と周速差であるが、同時に現像ローラ上トナーのリセット性(剥離・供給)が高まり、トナー消費部/トナー未消費部に対応した摩擦帯電コントラスト差が生じにくくなる。供給ローラ周速度/現像ローラ周速度で示される周速差(周速度比)は1.4〜1.7とするとよい。周速度比が大きいほど大シリカの再配列がしやすく、同時に現像ローラ上トナーのリセット性(剥離・供給)が高まり、現像ローラ上トナーの入れ替わりを促進させることができる。
本発明においては、現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する。この現像ローラ510は、金属製であり、5056アルミ合金や6063アルミ合金等のアルミ合金、STKM等の鉄合金等により製造されており、必要に応じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されていてもよい。現像ローラ510の表面は、サンドブラストによる粗面化処理により、その表面粗さ(Rz)は5〜8μmとされる。
また、現像ローラ510は、中心軸を中心として回転可能であり、感光体20の回転方向(図5において時計方向)と逆の方向(図5において反時計方向)に回転する。また、図5に示すように、現像器54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する。この規制ブレード560は、ゴム部560aと、ゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、(株)レスカ製のタッキング試験機「TAC−II」により下記の測定条件でのタック力が60〜80gfを有するゴムとするものである。
測定プローブ:φ5
押込み荷重:10g
押込み速度:30mm/min
引剥がし速度:600mm/min
測定温度24℃(室内温度)。
本実施例の規制ブレード用ゴム{EPSON(LP−9000C)熱硬化性ウレタンゴム}についてタック力を測定した結果、標準プローブ71〜72gf、プローブ先端にトナー貼付けでは110〜130gfであった。
ゴム支持部560bは、リン青銅、ステンレス等のバネ性を有する薄板である。ゴム部560aは、ゴム支持部560bの長手方向に沿わされてゴム支持部560bの短手方向の一端側に支持されており、ゴム支持部560bは、その他端側がブレード支持板金562に支持された状態で当該ブレード支持板金562を介してハウジング540に取り付けられている。また、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側にはモルトプレーン等からなるブレード裏部材570が設けられている。
ここで、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、ゴム部560aが現像ローラ510の中央部から両端部に亘って押しつけられている。また、ブレード裏部材570は、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止して、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力を安定させるとともに、ゴム部560aの真裏からゴム部560aを現像ローラ510の方向へ付勢することによって、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。したがって、ブレード裏部材570は、ゴム部560aの現像ローラ510への均一当接性を向上させている。
規制ブレード560の、ブレード支持板金562に支持されている側とは逆側の端、すなわち、先端は、現像ローラ510に接触しておらず、該先端から所定距離だけ離れた部分が、現像ローラ510に幅を持って接触している。換言すると、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、ゴム部560aが有する平面にて腹当たりにて当接している。また、規制ブレード560は、その先端が現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。
また、ゴム支持部560bは、ゴム部560aより現像ローラ510の軸方向に長く設けられており、ゴム部560aの両端より外側にそれぞれ延出されている。ゴム支持部560bの延出された部位には、ゴム部560aより厚い厚みを有する例えば不織布製の端部シール527が、ゴム部と560aと同一面に貼着されている。このとき、ゴム部560aの軸方向の端面は端部シール527の側面に当接されている。
端部シール527は、現像ローラ510を取り付けた際に、現像ローラ510の表面における溝部が設けられていない両端部に当接するように設けられ、現像ローラ510の端部より外側に至る幅を有している。また、端部シール527は、規制ブレード560のゴム部560aの先端より十分に長く延出されている。規制ブレード560がハウジング540に取り付けられると、端部シール527は、現像ローラ510外周面と対向するように形成されたハウジング540の部位に沿わされ、ハウジング540と現像ローラ510との間隙を閉塞する。
上シール520は、現像器54内のトナーTが器外に漏れることを防止するとともに、現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTを、掻き落とすことなく現像器内に回収する。この上シール520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール520は、シール支持板金522によって支持されており、シール支持板金522を介してハウジング540に取り付けられている。また、上シール520の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるシール付勢部材524が設けられており、上シール520は、シール付勢部材524の弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。
このように構成された現像器54において、トナー供給ローラ550がトナー収容部530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、電荷が付与されるとともに層厚が規制される。
帯電された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。さらに、現像ローラ510の回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール520を通過して、上シール520によって掻き落とされることなく現像器内に回収される。未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
トナー母粒子の製造方法について説明する。以下、「部」は質量部である。
(樹脂微粒子分散液の調製)
・ スチレン ・・・ 370g
・ n−ブチルアクリレート ・・・ 30g
・ アクリル酸 ・・・ 8g
・ ドデカンチオール ・・・ 24g
・ 四臭化炭素 ・・・ 4g。
を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒子径が150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散した樹脂微粒子分散液を得た。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
(着色剤分散液の調製)
・ シアン顔料B15:3 ・・・ 60g
・ 非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)・・ 5g
・ イオン交換水 ・・・ 240g。
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーによって分散処理し、平均粒径が250nmの着色剤粒子が分散した着色剤分散液を調製した。
(離型剤分散液の調製)
・ ポリエチレンワックス(PW725:東洋ペトロライト(株)製)・ 100g
・ イオン性界面活性剤(ネオゲンRK:第一工業製薬(株)製)・・ 5g
・ イオン交換水 ・・・ 200g。
以上の成分を混合した溶液を95℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)にて十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、
平均粒子径が210nmである離型剤粒子が分散した離型剤分散液を調製した。
(トナー母粒子の調製)
・ 上記で調製した樹脂微粒子分散液 ・・・ 234部
・ 上記で調製した着色剤分散液 ・・・ 30部
・ 上記で調製した離型剤分散液 ・・・ 40部
・ ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製「PAC100W」)・・ 1.8部
・ イオン交換水 ・・ 600部。
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後に加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で30分間保持した後、D50(体積平均粒径)が4.5μmの凝集粒子が形成されていることを確認した。さらに加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50(体積平均粒径)が5.3μmとなった。
その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液に1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、4時間保持し、カプセル化した。冷却後、濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子を得た。このトナー母粒子のD50(体積平均粒径)は5.5μmであった。
(トナーの調製)
上記で得たトナー母粒子2kgをヘンシェルミキサー(20L)に投入した後、トナー母粒子100gあたりの添加量で、アルミナ微粒子(シーアイ化成社製「Nano・Tek、Al2 O3 、一次粒径30nm、BET比表面積49.3m2 /g」)2.0g(以下、同様)を投入して、周速40m/sで2分間処理した。
ついで、疎水性単分散球形大シリカ粒子(日本触媒社製「KEP10S2」一次粒子サイズ100nm、シリコンオイル処理品)0.5gと、疎水性小シリカ粒子(日本アエロジル社製「RX200」一次粒子サイズ12nm、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理品)2.0gを投入して、周速40m/sで2分間処理した。処理後、63μm目開きの金属メッシュを用いて音波フルイで粗大粒子を除去し、本発明におけるトナーとした。
(比較例1)
実施例1のトナーの調製において、アルミナ微粒子、およびその添加量を日本アエロジル製「AEROXIDE C805、結晶系(割合):γ相2/3、δ相1/3、一次粒径13nm、BET比表面積100m2 /g」1.0gに代えた以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナーとした。
(比較例2)
実施例1のトナーの調製において、アルミナ微粒子、およびその添加量を大明化学社製「ダイミクロン TM−300、結晶系:γ相約90%、純度99.99%、一次粒径7nm、BET比表面積225m2 /g」0.5gに代えた以外は実施例1と同様にして、比較例2のトナーとした。
(画像形成)
得られた各トナーを図4に示す画像形成装置(LP9000C、セイコーエプソン社製)に搭載した。現像ローラは外径φ18の鉄製中空素管の表面をサンドブラスト処理後にNi−Pメッキを施したRz=7μmの表面粗さに形成した。規制部材の突出量は0.76mmとした。また、供給ローラは外径φ19でアスカーF硬度70°のウレタンスポンジからなり、現像ローラに接触深さ1.0mmで圧接した。また、プロセス速度210mm/sとし、現像ローラの周速度は336mm/s、供給ローラの周速度は504mm/sであり、供給ローラ周速度/現像ローラ周速度で示される周速差(周速度比)は1.5とした。また、感光体との現像ギャップ100μm、直流バイアス−150v、周波数3.0kHzの交流バイアス1000v(p−p)、Duty60%の条件下で、ACジャンピング現像法によりカラー画像を形成した。なお、各プロセスユニットのバイアス電位設定値はデフォルト設定した固定バイアス電位を採用し、トナー量調整用パッチセンサの動作無しとした。また、試験環境は22〜24℃/45〜55%RHであった。
次に、評価項目と評価方法についての評価基準を以下に示す。
(1) 規制通過モレ
現像ローラ上のトナー層が規制ブレードを通過する際、トナーの一部が現像ローラに保持されずに漏洩する現象をいい、次の4段階で目視評価した。下記の判定基準で3以上を可とする。
Lv4(○):規制ブレードから現像ローラ上へのトナー漏れが全くなく、トナーによる汚れのない状態。
Lv3(△):トナー漏れが現像ローラ回転時に間欠的に発生し、ゴマ粒大より少ないトナー量が下地が見える程度に付着した状態。
Lv2(×):トナー漏れが現像ローラ回転時に間欠的に発生し、トナー量が下地が見えない程度に付着して堆積した状態。
Lv1(×):トナー漏れが現像ローラ回転時に間欠的に発生し、トナーが制限なく漏れ続ける状態。
(2) 上シール飛散
現像ローラ上のトナー層が上シールを通過する際、トナーの一部が現像ローラに保持されずに飛散する状態をいい、次の4段階で目視判定。判定基準は下記の通りである。
Lv4(○):上シール回収部で現像ローラ上のトナー飛散が全く生じなく、トナーによる汚れのない状態
Lv3(△):飛散したトナーがホルダー/ハウジング上の一部に下地が見える程度に薄く付着した状態
Lv2(×):飛散したトナーがホルダー/ハウジング上の一部に下地が見えなくなるまで堆積した状態
Lv1(×):飛散したトナーがホルダー/ハウジング上の半分以上の面積に下地が見えなくなるまで堆積した状態。
(3) 飛翔性(OD値)
全面ベタ(ソリッド)画像を形成する際の現像能力の高さを示し、画像濃度の大きさとその均一性で表す。画像の先端/中央/後端の3箇所、画像の左側/中央/右側の3箇所を組み合わせた合計9点の平均OD値と最低OD値を用いる。
Lv4(○):平均OD値が1.30以上、最低OD値が1.20以上の状態
Lv3(△):平均OD値が1.20以上、最低OD値が1.10以上の状態
Lv2(×):平均OD値が1.10以上、1.20未満の状態
Lv1(×):平均OD値が1.10未満の状態。
(4) カブリ(OD値)
感光体(OPC)上でのカブリ量は、白ベタパターン印字時に画像形成プロセスを強制的に途中停止して、感光体上に残留する白ベタ(背景部)のカブリトナーをメンディングテープ(住友スリーエム社製)で転写・回収する。転写回収後のテープをJ紙(富士ゼロックス社製)に貼り付けた後、そのテープ濃度の変化をマクベス濃度計でOD値(光学反射濃度)を測定する。テープ単体でのOD値は0.1程度を示し、そのOD値差引分をカブリトナー濃度とした。
Lv4(○):カブリトナー分のOD値が0.10以下である状態
Lv3(△):カブリトナー分のOD値が0.15以下、0.10超えである状態
Lv2(×):カブリトナー分のOD値が0.20以下、0.15超えである状態
Lv1(×):カブリトナー分のOD値が0.20超えである状態。
(5) 供給遅れ
ベタ(ソリッド)画像先端である現像ローラ周期1周目に対して、現像ローラ2周目以降から後端まで用紙送り方向(露光副走査方向)の画像濃度の均一性が低下し、濃度低下(カスレ)が発生する現象をいい、目視判定した。
Lv4(○):画像先端である現像ローラ周期1周目から画像後端までの領域で濃度低下が全くない状態(透かしても判別不能)
Lv3(○):画像先端である現像ローラ周期1周目から画像後端までの領域で濃度低下がない状態(透かすと判別可能)
Lv2(△):供給遅れ起因の濃度低下が現像ローラ周期2周目以降の一部に発生した状態
Lv1(△):供給遅れ起因の濃度低下が現像ローラ周期2周目以降の半域以上に発生した状態。
(6) 総合判定
Lv4(○):全ての項目が○判定である状態
Lv3(○):△判定が2項目以下であり、それ以外の項目が○判定である状態
Lv2(×):×判定の項目がなく、総合判定Lv3、Lv4に該当しない状態
Lv1(×):×判定の項目が1項目以上該当する状態。
実施例、比較例1、2の各トナーについての実機評価結果を表1に示す。
次に、課題との対応についての評価基準を以下に示す。
(1) トナー帯電安定性
上述した(1) 規制通過モレ、(2) 上シール飛散、(3) 飛翔性、(4) カブリの4項目について、不具合なく成立している状態
Lv4(○):(1) 〜(4) において、すべての項目が○判定である状態
Lv3(○):(1) 〜(4) において、△判定が1項目以下であり、上記Lv4に該当しない状態
Lv2(△):(1) 〜(4) において、×判定を含まず、上記Lv3、Lv4に該当しない状態
Lv1(×):(1) 〜(4) において、×判定が1項目以上該当する状態。
(2) 感光体帯電安定(感光体フィルミング)
感光体(OPC)表面に放電生成物やトナー組成物の一部が固着して一様帯電が阻害される感光体のフィルミング現象をみるもので、感光体フィルミングのレベルの定量化は予め作製する顕微鏡拡大像の固着限度見本と照らし合わせてスコアを決める。
Lv4(○):感光体表面の顕微鏡拡大像の一視野内に固着が全く認められない状態
Lv3(○):感光体表面の顕微鏡拡大像の一視野内に100μm以下の固着が20箇所以下である状態
Lv2(△):感光体表面の顕微鏡拡大像の一視野内に500μm以下の固着が50箇所以下である状態
Lv1(×):感光体表面の顕微鏡拡大像の一視野内の固着が上記に該当しない状態。
(3) トナー補給規制通過モレ
白ベタ画像をA4サイズ6千枚相当形成してカブリトナー量を消費後に、新トナーを残トナー重量の10相当分だけ現像装置に補給する。新トナーを現像装置に補給した直後に現像ローラ上のトナー層の規制通過モレか一時的に増加する現象をみるもので、トナー補給規制通過モレの判定は通常カブリの規制通過モレの判定方法と同一手順で実施する。
Lv4(○):規制ブレードから現像ローラ上へのトナー漏れが全くなく、トナーによる汚れのない状態。
Lv3(△):トナー漏れが現像ローラ回転時に間欠的に発生し、ゴマ粒大より少ないトナー量が下地が見える程度に付着した状態。
Lv2(×):トナー漏れが現像ローラ回転時に間欠的に発生し、トナー量が下地が見えない程度に付着して堆積した状態。
Lv1(×):トナー漏れが現像ローラ回転時に連続的に発生し、トナーが制限なく漏れ続ける状態。
(4) トナー補給上シール飛散
白ベタ画像をA4サイズ6千枚相当形成してカブリトナー量を消費後に、新トナーを残トナー重量の10相当分だけ現像装置に補給する。新トナーを現像装置に補給した直後に現像ローラ上のトナー層の上シール飛散が一時的に増加する現象をみるもので、トナー補給上シール飛散の判定は通常カブリの規制通過モレの判定方法と同一手順で実施する。
Lv4(○):上シール回収部で現像ローラ上のトナー飛散が全く生じなく、トナーによる汚れのない状態
Lv3(△):飛散したトナーがホルダー/ハウジング上の一部に下地が見える程度に薄く付着した状態
Lv2(×):飛散したトナーがホルダー/ハウジング上の一部に下地が見えなくなるまで堆積した状態
Lv1(×):飛散したトナーがホルダー/ハウジング上の半分以上の面積に下地が見えなくなるまで堆積した状態。
(5) トナー補給カブリ
白ベタ画像をA4サイズ6千枚相当形成してカブリトナー量を消費後に新トナーを残トナー重量の10%相当分だけ現像装置に補給する。新トナーを現像装置に補給した直後に形成する白ベタ画像に発生するカブリが一時的に増加する現象をみるもので、トナー補給カブリ量の判定は、通常カブリの判定方法と同一手順で実施する。
Lv4(○):カブリトナー分のOD値が0.10以下である状態
Lv3(△):カブリトナー分のOD値が0.15以下、0.10超えである状態
Lv2(×):カブリトナー分のOD値が0.20以下、0.15超えである状態
Lv1(×):カブリトナー分のOD値が0.20超えである状態。
(6) 感光体メモリー
白ベタ画像内に孤立するベタ画像を形成した直後の感光体1周期内に低いハーフの濃度画像を形成する際、ハーフ濃度画像にベタ画像の履歴が残像として出現する現象を見る。トナー表面の外添剤の一部が感光体上のベタ画像輪郭に集中して残留しやすく、クリーニングにより除去できない残留外添剤が露光を遮ることでハーフ画像の潜像電位にムラが発生することで出現する。残像レベルの定量化は予め作成する画像限度見本と照らし合わせてスコアを決める。
Lv4(○):ハーフ画像内に残像が全く認められない状態
Lv3(△):ハーフ画像内に不鮮明な輪郭の残像が薄っすらと認められる状態
Lv2(×):ハーフ画像内に鮮明な輪郭の残像が薄っすらと認められる状態
Lv1(×):ハーフ画像内に鮮明な輪郭の残像が明らかに周囲の濃度以上(OD値0.1以上)で認められる状態。
実施例、比較例1、2の各トナーについて、課題との対応の評価結果を表2に示す。
表1、2から明かなように、本発明のアルミナ微粒子は、摩擦帯電安定性、感光体帯電安定性に優れると共に、トナー補給カブリや感光体メモリーの生じないトナーとするのに適した外添剤であることがわかる。