JP2010249987A - トナー、画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

トナー、画像形成方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、小粒径トナーであっても、帯電の均一性に優れ、現像装置から漏れて画像形成装置内や画像形成装置外に飛散したりすることがないトナー、画像形成方法、画像形成装置の提供を課題とする。
【解決手段】
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、小粒径シリカ、大粒径シリカ、小粒径遷移アルミナ、および大粒径α型アルミナ又は大粒径酸化セリウムを含有するものであり、また、画像形成方法、画像形成装置は、現像ローラとして転造ローラを使用し、層厚規制部材に規制バイアスを印加して感光体に担持された静電潜像を交流電界下で現像するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー、画像形成方法および画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置として、潜像担持体である感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を画像形成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には感光体における感光層に静電潜像を形成した後、この潜像をトナーによって接触方式または非接触方式で可視像化し、次いでその可視像をコロナ転写や転写ローラを使用して転写材に直接転写する方式や、また、転写ドラムまたは転写ベルト等の中間転写媒体に可視像を一旦転写した後、転写材に再転写する方式がある。これらの画像形成装置にあって、トナーとしては一般的には二成分トナーが知られ、比較的安定した現像を可能とするが、現像剤と磁性キャリアとの混合比の変動が発生しやすく、その維持管理をする必要がある。また、一成分磁性トナーは、磁性材料の不透明性から鮮明なカラー画像を得られないという問題がある。
近年、電子写真方式の画像形成装置から機外に放出される冷却気流中にダストが含まれ、そのダストが人体に悪影響を及ぼすのではないかとの懸念が報告されている。大気中のダストを規制する基準としては、環境省が検討している微小粒子状物質(PM2.5)に関するものがあり、近々環境基準として法的な指針が開示されると伝えられているが、電荷リーク性を有する外添剤がトナー表面から遊離して、画像形成動作中に機外に放出されることが、ダスト発生リスクの一因となると予想されている。また、トナーにしても近年、画像の鮮明化を図る観点から小粒径化が進められ、特に体積平均粒径が2〜4μmの小粒径トナーが主流となるものと考えられるが、現像ローラと感光体間にAC(交流)電界を印加して画像形成するシステムにおいては、現像電界中でトナーが往復運動しながら感光体上に移行するため、現像電界中でクラウド状に活性状態となるトナーの一部が画像形成装置内に流れる気流に乗じることで、外添剤のみならず、トナー粒子自体もダスト化するというリスクも懸念される。
このような小粒径トナーでは、通常のトナーに比してトナー個数が指数関数的に増加するために、トナー帯電の高速・均一化が極めて困難となり、トナー帯電の不均一性に起因するカブリ、トナー飛散、漏れ、現像履歴等の多くの問題が生じる。トナー帯電を改善する一般的な方法としては、規制ブレードと現像ローラとで電位差を設ける、所謂「規制バイアス」が知られている(特許文献1)が、規制バイアスでは電位差を大きく設ける方が、トナー帯電としては改善する傾向を示すが、大きすぎると電子移動の局所集中を生じ、トナー凝集塊の発生や帯電極性反転トナーの発生、トナー搬送面の白抜け等の原因となる。この電位差の限界となる電位差が、小粒径トナーでは極端に低く、単に規制バイアスによる方法では十分な効果が得られていない。
また、トナー粒子は現像ローラ表面に担持され、また、層厚規制部材に押圧されることにより、押圧される表面や層厚規制部材等により摩擦されつつ帯電される。現像ローラには、トナー担持表面がブラスト処理されて表面に細かな凹凸が設けられているものがあるが、凹凸における凹部の大きさ、深さ、形状、及び並び方が不均一である。このため、例えば深い凹部に入り込んだトナー粒子は、転動されないため良好に帯電されないおそれがある。このように、現像ローラ表面における凹凸部の不均一さに起因して、局所的にトナー粒子の帯電不良が発生したり、小さな凹部にトナー粒子がはまりこんで、フィルミングが発生するおそれがある。また、トナー粒子が良好に帯電されない場合には、トナー粒子が現像装置から漏れて画像形成装置内や画像形成装置外に飛散したりするおそれがある。
特開2005−331780
本発明は、平均体積粒径が2μm〜6μm、特に2μm〜4μmの小粒径トナーであっても、帯電の均一性に優れ、現像装置から漏れて画像形成装置内や画像形成装置外に飛散したりすることのないトナー、画像形成方法、画像形成装置の提供を課題とする。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、平均粒径が7nm〜15nmの小粒径シリカ、平均粒径が50nm〜400nmの大粒径シリカ、平均粒径が7nm〜20nmの小粒径遷移アルミナ、および平均粒径が50nm〜400nmの大粒径α型アルミナ又は平均粒径が50nm〜400nmの大粒径酸化セリウムを含有することを特徴とする。
上記のトナー母粒子の平均粒径が2μm〜4μmであり、乳化重合法により作製されたものであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、静電潜像を担持した感光体と、該感光体と非接触の状態で対向配置される現像装置とを有し、該現像装置が、前記感光体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを担持させる表面を有すると共に該表面には軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部を有する現像ローラと、該現像ローラにトナーを供給するための供給ローラとを有すると共に前記現像ローラにトナーを担持させるに際して規制バイアスを印加して担持させる層厚規制部材とを有し、該現像装置に前記トナーとして少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、平均粒径が7nm〜15nmの小粒径シリカ、平均粒径が50nm〜400nmの大粒径シリカ、平均粒径が7nm〜20nmの小粒径遷移アルミナ、および平均粒径が50nm〜400nmの大粒径α型アルミナ又は平均粒径が50nm〜400nmの大粒径酸化セリウムを含有するトナーを供給して前記感光体に担持された静電潜像を交流電界下で現像することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持した感光体と、該感光体と非接触の状態で対向配置される現像装置とを有し、該現像装置が、前記感光体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを担持させる表面を有すると共に該表面には軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部を有する現像ローラと、該現像ローラにトナーを供給するための供給ローラとを有すると共に前記現像ローラにトナーを担持させるに際して規制バイアスを印加して担持させる層厚規制部材とを有し、該現像装置に前記トナーとして少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、平均粒径が7nm〜15nmの小粒径シリカ、平均粒径が50nm〜400nmの大粒径シリカ、平均粒径が7nm〜20nmの小粒径遷移アルミナ、および平均粒径が50nm〜400nmの大粒径α型アルミナ又は平均粒径が50nm〜400nmの大粒径酸化セリウムを含有するトナーを供給して前記感光体に担持された静電潜像を交流電界下で現像するものであることを特徴とする。
本発明は、平均体積粒径が2μm〜6μm、特に2μm〜4μmの小粒径トナーであっても、帯電の均一性に優れ、現像装置から漏れて画像形成装置内や画像形成装置外に飛散したりすることのないトナー、画像形成方法、画像形成装置とできる。
図1は、本発明の画像形成装置の概要を説明するための図である。 図2は、現像装置の主要構成要素を説明するための図である。 図3は、現像ローラの表面形状を説明するための図である。 図4は、現像ローラを、軸を通る平面で切断した際の断面を説明するための図である。 図5は、現像ローラが転造により形成される様子を説明するための図である。 図6は、現像ローラが形成される手順を示す図である。 図7は、トナー粒子を担持した現像ローラに規制ブレードが当接された状態を説明するための図である。
本発明におけるトナー母粒子は、小粒径の着色粒子とするものであり、好ましくは乳化凝集法で得られるものとするとよいが、転相乳化合一法や粉砕法で得られるものでもよい。
乳化凝集法においては、単量体、重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、形成された樹脂粒子からなる分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて荷電制御剤等と凝集剤(電解質)等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させた着色粒子を得る。このようにして得られる着色粒子は、更に樹脂粒子からなる分散液を混合し、着色粒子をコアとして樹脂粒子を付着・加熱融合して被膜(シェル)を形成してコアシェル構造とするとよく、離型剤成分の着色粒子表面への露出を防止して現像ローラ等への機器へのワックス(離型剤)成分の付着をより防止することができ、フィルミング防止に優れるトナー母粒子とできる。
乳化凝集法トナーにおける単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。中でも、帯電性の観点からはスチレンアルリル系共重合体が好ましい。
また、着色剤としてはカーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
乳化凝集法における重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル等がある。
乳化剤(界面活性剤)としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等がある。
凝集剤(電解質)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等が挙げられる。
着色粒子(トナー母粒子)における成分比としては、重合モノマー100質量部に対して、離型剤は3〜10質量部、好ましくは4〜8質量部であり、また、着色剤は3〜15質量部、好ましくは5〜10質量部である。
また、乳化重合に際しての重合開始剤としては、重合モノマー100質量部に対して0.03〜2質量部、好ましくは0.1〜1質量部、乳化剤(界面活性剤)としては0.01〜0.1質量部、凝集剤(電解質)としては0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部の割合で使用される。
また、転相乳化合一法により得られるものとしてもよい。転相乳化合一法は、例えば特許第3,867,893号に記載されるもので、(1)少なくともポリエステル樹脂と有機溶剤とを含有する混合物を水性媒体中で乳化させることにより、水性媒体中に混合物の微粒子を形成させる第一工程、次いで、(2)分散安定剤を添加し、更に電解質を順次添加することで微粒子を合一させ、微粒子の凝集体を製造する第二工程、(3)凝集体中に含有される有機溶剤を脱溶剤した後、水性媒体から微粒子を分離、洗浄し、その後、乾燥させる第三工程を順次行うことにより得るものである。また、結着樹脂としてスチレンアクリル樹脂とすると、耐湿性に優れることから帯電安定性に優れる結着樹脂とでき、また、ポリエステル樹脂とすると、得られる画像の透明性に優れ、カラー画像に適したものとできる。
本発明における着色粒子(トナー母粒子)の粒径は、ベックマンコールター社製「マルチサイザーIII 」型による測定でその50%体積平均粒径(D50)が2.0〜6.0μm、好ましくは2.0〜4.0μmである。平均粒径が6.0μm以下であることにより、600dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、解像度の再現性に優れるものとできる。なお、2.0μm以下になると、現像効率が低下することでトナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向がある。
トナー母粒子形状としては、真球に近い形状のトナー粒子が好ましい。具体的には、トナー母粒子は下記式
R=L0 /L1
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度(R)が0.95〜0.99、好ましくは0.96〜0.98とするとよい。これにより、転写効率が高く、連続印字しても転写効率の変動が少なく、帯電量の安定すると共に、クリーニング性にも優れるトナーとできる。トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定される。
本発明で使用するトナー母粒子の製造方法について説明する。以下、「部」は質量部である。
(樹脂微粒子分散液の調製)
・ スチレン ・・・ 370g
・ n−ブチルアクリレート ・・・ 30g
・ アクリル酸 ・・・ 8g
・ ドデカンチオール ・・・ 24g
・ 四臭化炭素 ・・・ 4g。
を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒子径が150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散した樹脂微粒子分散液を得た。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
(着色剤分散液の調製)
・ シアン顔料B15:3 ・・・ 60g
・ 非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)・・ 5g
・ イオン交換水 ・・・ 240g。
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーによって分散処理し、平均粒径が250nmの着色剤粒子が分散した着色剤分散液を調製した。
(離型剤分散液の調製)
・ ポリエチレンワックス(PW725:東洋ペトロライト(株)製)・ 100g
・ イオン性界面活性剤(ネオゲンRK:第一工業製薬(株)製)・・ 5g
・ イオン交換水 ・・・ 200g。
以上の成分を混合した溶液を95℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)にて十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒子径が210nmである離型剤粒子が分散した離型剤分散液を調製した。
(トナー母粒子の調製)
・ 上記で調製した樹脂微粒子分散液 ・・・ 234部
・ 上記で調製した着色剤分散液 ・・・ 30部
・ 上記で調製した離型剤分散液 ・・・ 40部
・ ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製「PAC100W」)・・ 1.8部
・ イオン交換水 ・・ 600部。
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後に加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で30分間保持した後、D50(体積平均粒径)が2.4μmの凝集粒子が形成されていることを確認した。さらに加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50(体積平均粒径)が2.8μmとなった。
その後、この凝集体粒子を含む分散液に26部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液に1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、4時間保持し、カプセル化した。冷却後、濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子を得た。このトナー母粒子のD50(体積平均粒径)は3.0μmであった。
次に、本発明の特徴をなす外添剤粒子について説明する。
なお、外添剤粒子の平均粒径(単に粒子径ともいう)は、透過電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の粒子径を測定して平均粒子径を求める。また、BET比表面積は、(株)マウンテック社製「全自動比表面積計Macsorb HM model−1201」を使用して求める。
小粒径シリカは、一次粒子径としては7〜15nm、好ましくは10〜12nm、かつ、嵩比重が0.1〜0.2g/cm3 で、2成分帯電量(5min値)が−20〜−80μC/gのものであり、日本アエロジル(株)製の「R8200」、また、「RX200(嵩比重が0.02〜0.06g/cm3 、2成分帯電量(5min値)−100〜−300μC/g)」が例示される。共に、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化(乾式法)により得られるもので、嵩比重、2成分帯電量(5min値)において相違するものである。
疎水性小シリカ粒子は、一次粒子径が小さい程、得られるトナーの流動性が高くなるが、個数平均一次粒子径が7nmより小さいと、外添に際してシリカ微粒子がトナー母粒子に埋没してしまう虞があり、逆に、一次粒子径が16nmを超えると、流動性が悪くなる虞がある。疎水性小シリカ粒子は、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜3.0質量部、好ましくは1.0〜2.0質量部添加されるとよい。
なお、嵩比重は、100mlのメスシリンダーにロートを通して粉体を注ぎ、100mlに達した時点で注入を止め、この時の重量を計測し、次式に代入して得られる。
嵩比重(g/cm3 )={(サンプル注入後の重量)−(サンプル注入前の重量)}/{メスシリンダーの容量(100ml)}。
次に、大粒径シリカは、一次粒子径が50〜400nmである。大粒径シリカは、形状としてはWadellの球形度が0.6以上、好ましくは0.8以上の球形である。大粒径シリカは、湿式法であるゾルゲル法により得られ、比重が1.3〜2.1のものである。大粒径シリカは、平均粒径が50nmより小さいと、小粒径のシリカ微粒子のトナー母粒子表面への埋没を防止して流動性や帯電安定性を維持することができなくなったり、また、スペーサ効果が得られず、また、400nmより大きいと、トナー母粒子に付着しにくくなると共にトナー母粒子表面から脱離しやすくなる。
大粒径シリカとしては、(株)日本触媒製の「シーホスターKE−P10S」(一次粒子径100nm)等が例示され、結晶形は一部結晶質とも考えられるアモルファス、球状、一次粒子径は100nm、シリコーンオイルにより疎水化(表面)処理され、真比重が2.2、嵩比重が0.25〜0.35、BET比表面積10〜14m2 /g、2成分帯電量(5min値)0〜−50μC/gである。
大粒径シリカは、トナー母粒子100質量部に対して0.2〜2.0質量部、好ましくは0.5〜1.5質量部添加される。大粒径シリカの添加量が0.2質量部より少ないと、トナー充填密度が上昇し、現像ローラ回転時に規制ブレードでトナー層を薄層規制する際、トナーの薄層化が困難となり、規制モレや飛散する問題が生じる。また、2.0質量部より多く添加すると、トナー層充填密度が低下しすぎ、現像ローラ回転時に規制ブレードをトナー層が通過する際、トナーの一部が現像ローラに保持されず漏洩したり、また、トナー層の現像ローラ周期で発生する層厚形成ムラにより、全面ベタ画像を出力すると用紙送り方向に対する濃度均一性が損なわれ、現像ローラ周期ムラが出現するという問題が発生する。
大粒子径のシリカ:小粒子径のシリカの添加比(質量比)は、1:4〜4:1、好ましくは2:3〜3:2とするとよく、トナーに流動性を付与し、かつ帯電の長期安定性を得る上で好ましい。大粒子径シリカと小粒子径シリカは、両者の混合比率を考慮しつつトナー母粒子100質量部に対して合計量で1.25〜5.0質量部、好ましくは2.0〜3.0質量部添加される。
シリカ微粒子は疎水化処理されていることが好ましい。シリカ微粒子の表面を疎水性にすることにより、トナーの流動性および帯電性がさらに向上する。シリカ微粒子の疎水化は、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシランなどのシラン化合物;あるいはジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フッ素変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルを用いて、例えば、湿式法、乾式法など当業者が通常使用する方法により行われる。
また、正帯電性シリカ粒子が添加されてもよい。正帯電性シリカ粒子は、一次粒子径としては20nm〜40nmである。正帯電性シリカ微粒子は、疎水化処理されていることが好ましく、外部環境の変化に対する帯電性の変化を小さく、安定な帯電性を維持し、かつトナーの流動性を良好にするために添加される。正帯電性シリカ微粒子の疎水化は、アミノシランカップリン剤やアミノ変性シリコンオイル等を使用して行われる。疎水性正帯電性シリカ微粒子としては、市販の日本アエロジル(株)製のNA50H(結晶形はアモルファス、球状、個数平均一次粒子径は30nm、ヘキサメチルジシラザンとアミノシランにより疎水化(表面)処理され、真比重が2.2、嵩比重が0.0671、BET比表面積44.17m2 /g、炭素量2%以下、2成分帯電量(5min値)40μC/g)や、キャボット(株)製のTG820Fなどが例示される。
次に、アルミナ微粒子について説明する。本発明において、小粒径遷移アルミナは小粒径シリカを代表とする微小な帯電サイトと極めて効率的な電荷接受を行うことを目的として外添させるもので、結晶構造としては特に遷移アルミナであるγ型、またはθ型が主体のアルミナがこの働きに優れ、特にθ型が主体であることが望ましい。
小粒径遷移アルミナとしては、一次粒径が7nm〜20nm、好ましくは10nm〜15nmのものであり、結晶型としては、遷移型、すなわち、θ型、γ型、δ型、η型アルミナが例示され、また、添加量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.3質量部〜3質量部、好ましくは0.5質量部〜1.5質量部である。トナー母粒子に対する処理量がこれより多いと電荷リーク作用が過剰に発現したり、遊離外添剤が発生する問題があり、また、少ないと所望の効果が得られない。
市販品としては、シーアイ化成社製「Nano・Tek、Al2 3 、γ−アルミナ相を主相とし、一次粒径30nm、BET比表面積49m2 /g」、大明化学社製「タイミクロンTM−300、Al2 3 、γ−アルミナ相を主相とし、一次粒径7nm、BET比表面積225m2 /g」、大明化学社製「タイミクロンTM−100、Al2 3 、θ−アルミナ相を主相とし、一次粒径14nm、BET比表面積132m2 /g」、日本アエロジル社製「C805、Al2 3 、γ−アルミナ相を主相(2/3)とし、δ−アルミ ナ相(1/3)を含有、粒径13nm、BET比表面積100m2 /g」等が例示される。また、一方で、このような小粒径アルミナは粒子径が小さく、相互に物理的な接触機会が乏しいため連続印字を重ねた場合などにはトナー間を繋ぐ帯電経路としては十分に機能を果たさない場合がある。
そのため、本発明においては大粒径のα型アルミナや大粒径の酸化セリウムが外添される。大粒径アルミナにおける結晶構造としては特にα型アルミナがこの働きに優れ、望ましい。大粒径α型アルミナや大粒径の酸化セリウムは、平均粒径が50nm〜400nm、好ましくは100nm〜350nmのものである。外添後も焼結凝集体を形成して存在する場合には、凝集体粒径がこの範囲のものであることが望ましい。平均粒径が小さいとトナー間を繋ぐ電荷受渡し経路としての働きが低下し、また、平均粒径が400nmを超えるとトナー母粒子から遊離しやすくなる。また、添加量としては、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部〜2.5質量部、好ましくは1.0質量部〜1.5質量部である。トナー母粒子に対する処理量がこれより多いと電荷リーク作用が過剰に発現したり、遊離外添剤が発生する問題があり、また、少ないと所望の効果が得られない。
大粒径アルミナとしては、市販品としては、α相100%のα−アルミナ粒子である大明化学製「タイミクロンTM−DAR、一次粒径160nm」等が例示される。また、酸化セリウム粒子としては、阿南化成製「Type S、一次粒径50nm−100nm」、信越化学製「AU、一次粒径50nm−100nm」、信越化学製「UU、一次粒径20nm−50nm、焼結凝集体粒径200nm〜400nm」等が例示される。
これらの外添剤微粒子は、アルキルアルコキシシラン、シロキサン、シラン、シリコーンオイル等のシラン系有機化合物で疎水化処理をしてもよい。特にアルキルアルコキシシランを用いるのが好ましく、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
トナー母粒子への外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)、Q型ミキサー(三井鉱山社製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等より行うとよい。ヘンシェルミキサーを使用して多段処理がなされる場合、各段階の処理操作条件は、回転周速度30〜50m/s、処理時間2分〜15分の範囲から適宜選択される。
また、外添剤の添加順序として2段階からなる多段処理してもよく、トナー母粒子にまず、1段目として小粒径外添剤以外の外添剤をまず処理し、2段目処理として小粒径外添剤を処理・付着させるとよい。これにより、小シリカによる流動性と、大粒径シリカや小粒径および大粒径のアルミナ、大粒径の酸化セリウムの機能が長期の印字に渡り確保できる。
なお、本発明においては、上述した外添剤粒子の添加趣旨を損なわない範囲で、他の疎水化処理された外添剤、例えば疎水性中シリカ粒子{ヒュームドシリカ、日本エアロジル社製「RX50」真比重2.2、体積平均粒径D50=40nm(標準偏差=20nm)}、金属石けん粒子である高級脂肪酸の亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミウムから選ばれる金属塩であり、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸モノアルミニウム、ステアリン酸トリアルミニウム等を外添処理してもよく、また、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化チタン等の金属酸化物の微粒子、また、窒化珪素等窒化物の微粒子、炭化珪素等の炭化物の微粒子、樹脂粒子、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等の金属塩の微粒子、並びに、これらの複合物等の無機微粒子等を添加してもよい。
本発明のトナーは、フロー軟化温度(Tf1/2)が90℃〜140℃であり、また、ガラス転移温度(Tg)が40℃〜70℃の範囲にある。フロー軟化温度(Tf1/2)は、島津製作所製フローテスタ(CFT−500)を用いて、ノズル径1.0mmΦ×1.0mm、単位面積(cm2 )当たりの荷重10kg、毎分6℃の昇温速度で測定した値である。更に、ガラス転移温度(Tg)は、セイコーインスツルメンツ社製「示差走査熱量計(DSC−220C)」を用い、セカンドラン法により毎分10℃の昇温速度で測定した値である。
次に、本発明の画像形成方法、画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の概要を説明するための図で、図中、プリンタ10は、感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像器保持ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90等を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、矢印で示すように時計回りに回転する。帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、画像信号に基づいて、変調されたレーザビームを帯電された感光体20上に照射する。そして、所定のタイミングにてレーザビームがON/OFFされて、所定の速度で回転する感光体20上の格子状に区画された領域にドット状潜像が形成される。
現像器保持ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、ブラック現像器51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像器52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像器53に収容されたシアン(C)トナー及びイエロー現像器54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。この現像器保持ユニット50は、回転することにより、前記4つの現像器51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。そして、感光体20が1回転する毎に、4つの現像器51、52、53、54のうちの1つを選択的に感光体20と対向させ、対向された現像器51、52、53、54に収容されているトナーにより感光体20上に形成された潜像を順次現像する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。この中間転写体70は、エンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の記録媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、記録媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を紙等の記録媒体に融着させて永久像とするための装置である。クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
現像器保持ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像器51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像器52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像器53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像器54が設けられているが、各現像器の構成は同様であるので、以下、シアン現像器53について説明する。
図2は、シアン現像器に代表させて現像器を説明するための図で、現像器の主要構成要素を示した断面図てある。現像器53は、トナーTを収容するハウジング540、トナーを担持するためのトナー粒子担持ローラの一例としての現像ローラ510、現像ローラ510にトナーを供給するためのトナー供給ローラ550、現像ローラ510に担持されたトナーの層厚を規制するための層厚規制部材の一例としての規制ブレード560、ハウジング540と現像ローラ510との上方側の間隙をシールするための上シール520、ハウジング540と現像ローラ510との端部側の間隙をシールするための端部シール527等を有している。
ハウジング540は、一体成型された樹脂製の上ハウジング部542と下ハウジング部544とを溶着して製造されたものであり、その内部に、トナーTを収容するための収容部としてのトナー収容部530が形成されている。トナー収容部530は、内壁から内方へ(図2の上下方向)突出させたトナーTを仕切るための仕切り壁545により、二つのトナー収容部、すなわち、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bと、に分けられている。
そして、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとは、上部が連通されているが、図2に示す状態では、仕切り壁545によりトナーTの移動が規制されている。しかしながら、現像器保持ユニット50が回転する際には、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとに収容されていたトナーが、現像位置における上部側の連通している部位側に一旦集められ、図2に示す状態に戻るときには、それらのトナーが混合されて第一トナー収容部530a及び第二トナー収容部530bに戻されることになる。すなわち、現像器保持ユニット50が回転することにより現像器内のトナーTは撹拌されることになる。このため、本実施の形態では、トナー収容部530に攪拌部材を設けていないが、トナー収容部530に収容されたトナーTを攪拌するための攪拌部材を設けてもよい。図2に示すように、ハウジング540は下部に開口572を有しており、後述する現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
トナー供給ローラ550は、弾性を有する例えば発泡ウレタンにて形成されたローラ部550aと、ローラ部550aの回転中心となる軸体550bとで構成されている。そして、トナー供給ローラ550は、軸体550bの両端側にてハウジング540に支持されることにより、軸体550bまわりに回転自在に支持されている。前記ローラ部550aは、ハウジング540の前述した第一トナー収容部530a(ハウジング540内)に収容されており、第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する。トナー供給ローラ550は、第一トナー収容部530aの鉛直下方に設けられている。第一トナー収容部530aに収容されたトナーTは、該第一トナー収容部530aの下部にてトナー供給ローラ550によって現像ローラ510に供給される。また、トナー供給ローラ550は、現像後に現像ローラ510に残存している余剰なトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る。
トナー供給ローラ550と、現像ローラ510とは、互いに押圧された状態にてハウジング540に組み付けられている。このため、トナー供給ローラ550のローラ部550aは、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。そして、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図2において反時計方向)と逆の方向(図2において時計方向)に回転する。軸体550bは、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。
現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する。この現像ローラ510は、金属製であり、5056アルミ合金や6063アルミ合金等のアルミ合金、STKM等の鉄合金等により製造されており、必要に応じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されていてもよい。現像ローラ510の表面には、現像ローラ510の軸方向における中央部に螺旋状の溝部が設けられている。現像ローラ510の表面形状については後で詳述する。
また、現像ローラ510は、その長手方向両端部で支持されており、中心軸を中心として回転可能である。図2に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図2において時計方向)と逆の方向(図2において反時計方向)に回転する。その中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。
また、図2に示すように、イエロー現像器54が感光体20と対向している状態では、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像器54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される。
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する。この規制ブレード560は、ゴム部560aと、ゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、ゴム支持部560bは、リン青銅、ステンレス等のバネ性を有する薄板である。ゴム部560aは、ゴム支持部560bの長手方向に沿わされてゴム支持部560bの短手方向の一旦側に支持されており、ゴム支持部560bは、その他端側がブレード支持板金562に支持された状態で当該ブレード支持板金562を介してハウジング540に取り付けられている。また、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるブレード裏部材570が設けられている。
また、本発明においては、規制ブレード560と現像ローラ510間にトナーTに電荷を付与するための規制バイアスが印加される。規制バイアスとしては70V〜400V、好ましくは100V〜300Vの電位差を設ける。負帯電性トナーを使用する場合は、規制ブレード560側を現像ローラ510に対してマイナス電位として大きくしながらトナー層厚を規制するとよい。現像ローラに交流電圧を印加する場合であっても、規制ブレードにはそれと同期させた交流電圧を所望の電位差が設けられるように印加すればよい。
ここで、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、ゴム部560aが現像ローラ510の中央部から両端部に亘って押しつけられている。また、ブレード裏部材570は、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止して、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力を安定させるとともに、ゴム部560aの真裏からゴム部560aを現像ローラ510の方向へ付勢することによって、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。したがって、ブレード裏部材570は、ゴム部560aの現像ローラ510への均一当接性を向上させている。
規制ブレード560の、ブレード支持板金562に支持されている側とは逆側の端、すなわち、先端は、現像ローラ510に接触しておらず、該先端から所定距離だけ離れた部分が、現像ローラ510に幅を持って接触している。換言すると、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、ゴム部560aが有する平面にて腹当たりにて当接している。また、規制ブレード560は、その先端が現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。なお、規制ブレード560が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも下方であり、かつ、トナー供給ローラ550の中心軸よりも下方である。
また、ゴム支持部560bは、ゴム部560aより現像ローラ510の軸方向に長く設けられており、ゴム部560aの両端より外側にそれぞれ延出されている。ゴム支持部560bの延出された部位には、ゴム部560aより厚い厚みを有する例えば不織布製の端部シール527が、ゴム部と560aと同一面に貼着されている。このとき、ゴム部560aの軸方向の端面は端部シール527の側面に当接されている。
端部シール527は、現像ローラ510を取り付けた際に、現像ローラ510の表面における溝部が設けられていない両端部に当接するように設けられ、現像ローラ510の端部より外側に至る幅を有している。また、端部シール527は、規制ブレード560のゴム部560aの先端より十分に長く延出されている。規制ブレード560がハウジング540に取り付けられると、端部シール527は、現像ローラ510外周面と対向するように形成されたハウジング540の部位に沿わされ、ハウジング540と現像ローラ510との間隙を閉塞する。
上シール520は、イエロー現像器54内のトナーTが器外に漏れることを防止するとともに、現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTを、掻き落とすことなく現像器内に回収する。この上シール520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール520は、シール支持板金522によって支持されており、シール支持板金522を介してハウジング540に取り付けられている。また、上シール520の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるシール付勢部材524が設けられており、上シール520は、シール付勢部材524の弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。なお、上シール520が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも上方である。
(シアン現像器53の動作)
このように構成されたシアン現像器53において、トナー供給ローラ550がトナー収容部530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、電荷が付与されると共に、層厚が規制される。
帯電された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール520を通過して、上シール520によって掻き落とされることなく現像器内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
(現像ローラの表面形状)
図3は、現像ローラの表面形状を説明するための概念図である。図4は、現像ローラを、軸を通る平面で切断した際の断面を説明するための断面図である。図3では現像ローラ510の表面の溝部が便宜上直線にて示されているが、溝部は螺旋状に形成されているため、正確には曲線に見えるように形成されている。
現像ローラ510は、軸方向における中央部510aにトナー粒子を担持するための凹凸部が設けられ、両端部510bには前記端部シール527が密着するように滑らかな周面とを備えている。
図3に示すように、本実施形態における現像ローラ510の中央部510aには、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部511が形成されている。この溝部511は、現像ローラ510の軸方向及び周方向に対する傾斜の角度を異ならせて2種類形成されている。前記2種類の溝部511は、互いに交差して格子状をなし、前記2種類の前記溝部511に囲まれた凸部512の頂面512aがほぼ正方形となるように形成されている。また、2種類の前記溝部511は、凸部512の頂面512aの正方形が有する2本の対角線の一方が周方向に沿うように形成されている。
すなわち、2種類の溝部511のうち一方は、現像ローラ510の軸と時計回り方向に45°の角度をなすように螺旋状に形成されており、他方は、現像ローラ510の軸と反時計回り方向に45°の角度をなすように螺旋状に形成されている。このため一方の溝部511aと他方の溝部511bとの交差する角度は90°となる。また、一方の溝部511a及び他方の溝部511bの、現像ローラ510の軸方向におけるピッチは、等しく形成されているため、2種類の溝部に囲まれた凸部512の頂面512aの形状はほぼ正方形となる。
2種類の溝部511は、図4に示すように、各々現像ローラ510の軸方向に80μmの間隔にて形成されており、凸部512の頂面512aから溝部511の底面511cに至る傾斜部分511dの角度は、溝部511を形成する2つの斜面を軸心C方向に延長した仮想面の交差角度αが90°になるように形成されている。
また、溝部511の深さ、すなわち、凸部512の頂面512aから溝部511の底面511cまでの距離は、約7μmで一定になるように形成されている。ここで、トナーの体積平均粒径が3μmである場合には、溝部511の深さは、トナーの体積平均粒径の2倍以下となるように設定されている。
このような現像ローラ510は、転造により形成される。図5は、現像ローラ510が転造により形成される様子を説明するための図である。図6は、現像ローラが形成される手順を示す図である。
現像ローラ510は、円筒状の中空の素材から形成される。円筒状の素材は、まず、現像ローラ510としてトナーを担持するための中央部510aと端部シール527が当接される端部510bとを形成可能な長さに切断されて円筒部材515が切り出される(S001)。円筒部材515には、両端部の内周部に現像ローラ510の軸を有するフランジ513を嵌入するための段部510c(図4)が切削加工により形成される(S002)。ここで、フランジ513は、形成された段部510cに圧入される直径を有する円盤状のフランジ本体513aと、その中心から円盤面に垂直となるように凸設された軸部513bとを有している。
次に、両端部の内側に段部510cが形成された円筒部材515に軸部513bを有するフランジ513が、その軸部513bが円筒部材の外方に突出するようにそれぞれ嵌入される(S003)。
その後、フランジ513が嵌入された円筒部材515は両端の軸部513bが支持されて軸を中心として回転され、円筒部材515の外周面が全周に亘って僅かに切削されることにより、表面の全領域が軸と同心、すなわちから一定の距離Lとなるように円筒部材515の表面が研磨されて未転造加工現像ローラ509が形成される(S004)。
表面が研磨された円筒部材515は、図5に示すような2種類の加工工具としてのダイス900を備えた装置により転造にて、表面に2種類の溝部511a,511bが形成される(S005)。転造装置は、対向する位置に配置された2種類のダイス900が同方向に回転している間にワーク(ここでは、未転造加工現像ローラ509)を配置し、2種類のダイス900を未転造加工現像ローラ509に押圧させ、未転造加工現像ローラ509をダイス900と反対方向に回転させつつ軸方向に搬送する。ダイス900には、上述した溝部511a,511bを形成するための刃900aが、各々設けられており、互いの刃900aは、未転造加工現像ローラ509の表面に互いの刃にて形成された溝部511a、511bが直行するように傾斜が設けられている。ここで、ダイス900が未転造加工現像ローラ509の表面に当接される部位を刃900aとしているが、転造においてはワークを積極的に切削するものではなく、押圧力によりワークを押し潰して窪みを形成するように作用する。また、この転造の際には、未転造加工現像ローラ509には、その両端部510bにてダイス900が当接されないようにして、両端部510bには凹凸のない滑らかな面を残しておく。すなわち、現像ローラ510の中央部510aにてダイス900が接触しなかった凸部512の頂面512aと、転造による加工対象とされない両端部510bとは、軸心Cからの距離Lが一定になるように切削されたままなので、軸心Cから等距離に位置している。そして、現像ローラ510の表面510dは、ダイス900が接触して凹設された溝部511a,511bの底面511cと、ダイス900が接触しなかった非加工面とで、ほぼ覆われている。転造にて形成した現像ローラ510には必要に応じて、例えば無電解Ni−Pめっき、電気めっき、硬質クロームめっき等を施してもよい。
このような現像ローラ510には、両端部510bにてそれぞれ当接された端部シール527間にトナー供給ローラ550からトナーが供給され、規制ブレード560の押圧位置にてトナー層の層厚が規制される。このとき、規制ブレード560は、現像ローラ510の両端部510bと中央部510aとに亘って押圧されるが現像ローラ510の両端部510bと凸部512の頂面512aは軸心Cからの距離Lが等しいので、規制ブレード560は大きく屈曲することなくほぼ平坦な状態にて現像ローラ510を押圧する。このため、例えば、両端部510bと中央部510aとの境界付近であっても現像ローラ510の表面510dと規制ブレード560との間に極端に大きな間隙は生じない。
さらに、溝部511の深さは、トナー粒子の体積平均粒径の2倍以下なので、溝部511に入り込んだトナー粒子は溝部511内のいずれの位置においても、深さ方向に2つ以上重なることはない。すなわち、溝部511に多量のトナー粒子が入り込むことはなく、規制ブレード560に押圧された際には、ほとんどのトナーの粒子が現像ローラ510の表面510d及び規制ブレード560の表面のいずれかと接触する。よって、各トナー粒子Tは転動され易く、また、溝部511内にてトナー粒子が滞留しにくいのでトナー粒子Tを良好に帯電させることが可能である。このため、トナー粒子は現像ローラ510に確実に担持されて現像に供されるとともに、現像ローラ510の表面510dと規制ブレード560との間に極端に大きな間隙が生じないことと相俟って、現像器51,52,53,54外にトナー粒子Tが漏れることを防止することが可能である。
図7は、トナー粒子を担持した現像ローラに規制ブレードが当接された状態を説明するための図である。特に、本実施形態の現像ローラ510の溝511は深さが4μmであり、トナー粒子Tの体積平均粒径(3μm)と比較すると、ほぼ2倍以下である。このため、規制ブレード560がゴム製であり現像ローラ510の表面510dの凹凸に沿わされるので、各々のトナー粒子Tを中央部510aの凸部512と溝部511とを含む全域にて確実に帯電させることが可能であり、現像ローラ510に確実に担持させて、現像時における転写性を向上させ、さらには現像器外へのトナーの漏れも防止することが可能である。
すなわち、現像ローラ510の表面510dに大きさ、深さ、形状等が不均一な凹凸が形成されていると担持されたトナー粒子のうち深い凹部に入り込んだトナー粒子は転動されにくく帯電されにくい。また、軸方向に所定の間隔を隔てて周方向に沿った溝部が形成されている場合には、感光体20が回転しても溝部と対向する感光体20の軸方向における位置が変化しないため、現像されたトナー像は溝部と対向していた部位のみが濃度が高くなる畏れがある。一方、軸方向に沿って溝部が形成されている場合には、トナー粒子担持ローラの回転方向と溝部との向きがほぼ直交するので、担持されたトナー粒子は転動されにくく帯電されにくい。
本実施形態の現像器51,52,53,54及び現像ローラ510によれば、現像ローラ510の表面510dに、軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに螺旋状の溝部511が形成されているので、現像ローラ510の回転に伴ってトナー粒子Tを転動させつつ移動させるため、トナー粒子Tを良好に帯電させることが可能である。また、現像ローラ510の回転に伴って感光体20と溝部511とが対向する位置が軸方向及び周方向に順次変化していくので、現像されたトナー像に濃度ムラが生じることを抑えることが可能である。
また、本実施形態の現像ローラ510は、傾斜の角度が異なる2種類の溝部511a、511bが形成されているので、トナー粒子Tは、溝部511a、511bに沿って2種類の方向に移動されることになる。このため、トナー粒子Tが所定の一方向のみに移動して偏ることを防止することが可能である。さらに、2種類の前記溝部511a、511bは、互いに交差して格子状をなしているので、一旦は一方の溝部511a(511b)に沿って転動し始めたトナー粒子Tが、途中から他方の溝部511b(511a)に沿って転動することが可能である。このため、トナー粒子Tの移動方向が偏ることを、より効果的に抑えることが可能である。
さらに、2種類の溝部511に囲まれた凸部512の頂面512aが正方形であり、その正方形が有する一方の対角線が周方向に沿わされているので、凸部512は周方向に沿って位置する2つの頂角、及び、軸方向に沿って位置する2つの頂角がいずれも直角となり、2種類の溝部511a,511bは周方向及び軸方向に対して同角度の傾斜を有することになる。このため、トナー粒子Tが周方向及び軸方向に向かって同様に移動し易い構成とすることが可能である。このため、トナー粒子をより均一に転動させて均一に帯電させることが可能である。
また、現像ローラ510の表面に担持されたトナー粒子Tは、規制ブレード560が有するゴム部560aの平面にて、その層厚が規制されるので、現像ローラ510の表面、特に凸部512に担持されたトナー粒子Tが規制ブレード560によって完全に掻き取られることはない。すなわち、現像ローラ510の溝部511にも、凸部512にもトナー粒子Tを担持させた状態にてトナー粒子Tの層厚を規制することが可能である。また、表面510dに担持されたトナー粒子Tは、規制ブレード560が有する平面により押圧されているので、現像ローラ510の表面、規制ブレード560、及び、トナー粒子同士のいずれかとトナー粒子Tとを互いに摩擦させることにより良好に帯電させることが可能である。
また、現像装置は、トナーを補給可能とする場合には、残留トナーに加えて新たに補給されるトナーとの混合トナーとされ、もしくはトナーを補給可能としない場合には、残留トナーに加えて新たに充填されるトナーとの混合トナーとされる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
(実施例)
上記の乳化凝集法で得たトナー母粒子2kgをヘンシェルミキサー(20L)に投入した後、トナー母粒子(平均体積粒径3.0μm)100gあたりの添加量で、小粒径シリカ(日本アエロジル社製「RX200」一次粒子サイズ12nm、HMDS(ヘキサメチルシラザン)処理品)2.0g、大粒径シリカ(日本触媒社製「KEP10S」、一次粒子サイズ100nm、シリコンオイル処理品)0.5gに加えて、下記の表1〜4の縦軸に示す大粒径アルミナ、大粒径酸化セリウム、大粒径チタニアから選ばれる各大粒径粒子1.0gと横軸に示す小粒径遷移アルミナ、小粒径チタニアから選ばれる各小粒径粒子1.0gとをそれぞれ組合せて投入して、周速40m/sで2分間処理した。処理後、63μm目開きの金属メッシュを用いて音波フルイで粗大粒子を除去し、トナーとした。
なお、表1〜表4において、大粒径粒子として大粒径アルミナ1)、大粒径酸化セリウム2)-4) を使用すると共に小粒径粒子として遷移アルミナ粒子10)-13) をそれぞれ組合せて使用する場合は本発明の実施例である。また、大粒径粒子として粒径100−300nmのチタニア5)を使用する場合、また、小粒径粒子として粒径14nmのチタニア14) を使用する場合、また、これらの外添剤をなしとする場合を組合せる場合は、いずれも比較例である。
(画像形成)
得られた各トナーを図1に示す画像形成装置(LP9000C、セイコーエプソン社製)に搭載した。現像ローラは、転造形成品であり、φ=18mm、長さ370mmの鉄製中空素管の表面を図4に示す形状で軸方向、周方向に角度45°でピッチ80μmで形成された螺旋状溝を有するもので、その溝形状は頂部幅30μm、非頂部幅50μm、深さ4μmの形状を有する。
また、層厚規制部材は厚みが2mmであり、かつ、ゴム硬度がJIS−Aで65度のシリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、層厚規制部材支持部材により支持されている。層厚規制部材支持部材は、薄板と薄板支持部材とから構成されており、その短手方向−端部で層厚規制部材を支持する。薄板は0.15mmの厚みを有するリン青銅、ステンレス等からなり、バネ性を有している。薄板は、層厚規制部材を直接的に支持しており、その付勢力によって層厚規制部材を現像ローラに押しつけている。層厚規制部材の規制形態としては、層厚規制部材の短手方向及び厚み方向における先端が所定幅をもった当接ニップ内に位置する規制形態(所謂エッジ規制)を採用する。また、層厚規制部材には、規制バイアス150Vを印加した。また、供給ローラは外径φ19でアスカーF硬度70°のウレタンスポンジからなり、現像ローラに接触深さ1.0mmで圧接した。
また、プロセス速度{感光体周速}210mm/sとし、感光体暗電位は−550V、感光体明電位は−50V、現像ローラの周速度は336mm/s、供給ローラの周速度は504mm/sであり、感光体−現像ローラ周速比は1.6、現像ローラ−供給ローラ周速比は1.5とすると共に、
感光体−現像ローラギャップ 100μm
感光体−現像ローラ交流バイアス成分Vpp:1100V
感光体−現像ローラ直流バイアス成分Vdc:−300V
感光体−現像ローラ交流周波数(f):6kHz
感光体−現像ローラ交流Duty(引き剥がし側印加時間比率):60%
の条件下で、ACジャンピング現像法によりカラー画像を形成した。なお、トナー量調整用パッチセンサの動作無しとした。また、試験環境は22〜24℃/45〜55%RHであった。
次に、得られた各トナーについて、実機で現像ギャップ飛散とトナー補給・現像ギャップ飛散を評価した。その評価方法は下記の通りである。
(現像ギャップ飛散)
感光体と現像ローラ間に印加される交流電界により、現像ローラ上のトナーが感光体に移行する際に、交流電界中の往復運動により活性化したトナーの一部が、現像電界に捕捉されずに周囲の気流に乗って、周囲に飛散する現象。飛散の定量化は感光体と現像ローラ間の最近接点から両中心軸を結ぶ線の鉛直方向に10mm移動した点を稜線として位置する1cm角の粘着テープ面に捕捉されるトナーの付着状態を予め作成する顕微鏡拡大像の限度見本と照らし合わせて下記のスコアを決める。その結果を表1、2に同時に示す。
Lv4(○):粘着面に捕捉されたトナーが5個/1cm2 以下の状態
Lv3(△):粘着面に捕捉されたトナーが5個/1cm2 より多く、20個/1cm2 以下の状態
Lv2(×):粘着面に捕捉されたトナーが20個/1cm2 より多く、100個/1cm2 以下の状態
Lv1(×):粘着面に捕捉されたトナーが100個/1cm2 を超える状態。
表1〜4で使用した各外添剤は下記の通りである。
1) :大明化学製「タイミクロンTM−DAR」α−アルミナ、粒径160nm
2) :阿南化成製「S」酸化セリウム、粒径50−100nm
3) :信越化学製「AU」酸化セリウム、粒径50−100nm
4) :信越化学製「UU」酸化セリウム、粒径200−400nm
5) :東邦チタニウム製「HT1701」チタニア、粒径100−300nm
10) :大明化学社製「タイミクロンTM−100」θ−アルミナ相、粒径14nm
11) :大明化学社製「タイミクロンTM−300」γ−アルミナ相、粒径7nm
12) :日本アエロジル社製「C805」アルミナ、γ−アルミナ相(2/3)、δ−アルミナ相(1/3)、粒径13nm
13) :シーアイ化成社製「Nano・Tek」アルミナ、γ−アルミナ相を主相とし、α−アルミナ相一部、粒径30nm
14) :チタン工業製「STT30S」、粒径14nm、チタニア
Figure 2010249987
Figure 2010249987
表1における実施例の一例を示すと、トナー母粒子に外添剤として小粒径シリカ2.0gと大粒径シリカ0.5gに加えて、大粒径アルミナ1.0g、小粒径遷移アルミナ1.0gを添加した場合、現像ギャップ飛散の結果はLv4であったことを示し、また、表2における比較例の一例を示すと、トナー母粒子に外添剤として小粒径シリカ2.0gと大粒径シリカ0.5gに加えて、大粒径チタニア1.0g、小粒径チタニア1.0gを添加した場合、現像ギャップ飛散の結果はLv1であったことを示すものである。
(トナー補給・現像ギャップ飛散)
白ベタ画像をA4サイズ6千枚相当形成してカブリトナー量を消費後に新トナーを残トナー重量の10%相当分だけ現像装置に補給する。新トナーを現像装置に補給した直後に形成する白ベタ画像に発生する現像ギャップ飛散が一時的に増加する現象。トナー補給・現像ギャップ飛散の判定は通常カブリの判定方法と同一手順で実施する。その結果を表3、4に示す。
Lv4(○):粘着面に捕捉されたトナーが5個/1cm2 以下の状態
Lv3(△):粘着面に捕捉されたトナーが5個/1cm2 より多く、20個/1cm2 以下の状態
Lv2(×):粘着面に捕捉されたトナーが20個/1cm2 より多く、100個/1cm2 以下の状態
Lv1(×):粘着面に捕捉されたトナーが100個/1cm2 を超える状態。
Figure 2010249987
Figure 2010249987
表1〜4から明かなように、本発明においては、小粒径トナーであっても、帯電の均一性に優れ、現像装置から漏れて画像形成装置内や画像形成装置外に飛散したりすることがないトナーとでき、また、画像形成方法、画像形成装置とできることがわかる。
10プリンタ、20感光体、30帯電ユニット、40露光ユニット、50現像器保持ユニット、60一次転写ユニット、70中間転写体、75クリーニングユニット、80二次転写ユニット、90定着ユニット、509未転造加工現像ローラ、510現像ローラ、510a中央部、510b端部(両端部)、510c段部、510d表面、511溝部、
511a一方の溝部、511b他方の溝部、511c底面、511d傾斜部分、512凸部、512a頂面、513フランジ、513aフランジ本体、513b軸部、515円筒部材、520上シール、522シール支持板金、524シール付勢部材、527端部シール、530トナー収容部、530a第一トナー収容部、530b第二トナー収容部、540ハウジング、542上ハウジング部、544下ハウジング部、545仕切り壁、550トナー供給ローラ、550aローラ部、550b軸体、560規制ブレード、560aゴム部、560bゴム支持部、562ブレード支持板金、570ブレード裏部材、572開口、Tはトナー

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、平均粒径が7nm〜15nmの小粒径シリカ、平均粒径が50nm〜400nmの大粒径シリカ、平均粒径が7nm〜20nmの小粒径遷移アルミナ、および平均粒径が50nm〜400nmの大粒径α型アルミナ又は平均粒径が50nm〜400nmの大粒径酸化セリウムを含有することを特徴とするトナー。
  2. トナー母粒子の平均粒径が2μm〜4μmであり、乳化重合法により作製されたものである請求項1記載のトナー。
  3. 静電潜像を担持した感光体と、該感光体と非接触の状態で対向配置される現像装置とを有し、該現像装置が、前記感光体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを担持させる表面を有すると共に該表面には軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部を有する現像ローラと、該現像ローラにトナーを供給するための供給ローラとを有すると共に前記現像ローラにトナーを担持させるに際して規制バイアスを印加して担持させる層厚規制部材とを有し、該現像装置に前記トナーとして少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、平均粒径が7nm〜15nmの小粒径シリカ、平均粒径が50nm〜400nmの大粒径シリカ、平均粒径が7nm〜20nmの小粒径遷移アルミナ、および平均粒径が50nm〜400nmの大粒径α型アルミナ又は平均粒径が50nm〜400nmの大粒径酸化セリウムを含有するトナーを供給して前記感光体に担持された静電潜像を交流電界下で現像することを特徴とする画像形成方法。
  4. 静電潜像を担持した感光体と、該感光体と非接触の状態で対向配置される現像装置とを有し、該現像装置が、前記感光体に担持された静電潜像を現像するためのトナーを担持させる表面を有すると共に該表面には軸方向及び周方向に対し傾斜を有し軸方向に等ピッチに形成された螺旋状の溝部を有する現像ローラと、該現像ローラにトナーを供給するための供給ローラとを有すると共に前記現像ローラにトナーを担持させるに際して規制バイアスを印加して担持させる層厚規制部材とを有し、該現像装置に前記トナーとして少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、平均体積粒径が2μm〜6μmのトナー母粒子と、平均粒径が7nm〜15nmの小粒径シリカ、平均粒径が50nm〜400nmの大粒径シリカ、平均粒径が7nm〜20nmの小粒径遷移アルミナ、および平均粒径が50nm〜400nmの大粒径α型アルミナ又は平均粒径が50nm〜400nmの大粒径酸化セリウムをを含有するトナーを供給して前記感光体に担持された静電潜像を交流電界下で現像するものであることを特徴とする画像形成装置。
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