JP5639683B2 - 掛け布団 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、掛け布団において、使用者の上に掛ける掛け部よりも、その両側部における充填材の密度を相対的に高くした構成が開示されている。
また、特許文献2には、肩口部が表裏2層構造とされ、裏側の層は、掛け布団の幅方向に複数の区画が形成され、幅方向中央部の区画は、その両側の区画に比較して充填物の充填量が少なくなるよう設定された構成が開示されている。
そこでなされた本発明の目的は、高い保温性を確保しつつ、軽量で取り扱いの容易な掛け布団を提供することである。
すなわち、本発明は、本体部と、本体部の一端側に設けられ、使用者の肩口を覆う肩口部とを有し、前記肩口部は、表裏2層構造とされ、それぞれキルト線によって幅方向に複数に区分された各区画に充填物が充填され、裏側の層は、使用者の首部分を覆う幅方向中央部に位置する中央区画に対し、幅方向両外側に隣接する両側区画の方が、前記充填物の充填量が多く設定されるとともに、幅方向両端部に位置する両端部区画が、前記中央区画および前記両側区画よりも前記充填物の充填量が少なく設定されていることを特徴とする。
このような掛け布団によれば、肩口部において、中央区画の充填物の充填量が、その両側で隣接する両側区画よりも少ないことから、使用者の首にフィットしやすくなる。
また、中央区画に対し、両側区画の方が充填物の充填量が多く設定されることで、充填物の重量により、肩口部が使用者の肩に沿い、襟元、肩口の隙間を小さくするとともに、その両側でも敷布団との隙間が生じるのを防ぐ。
さらに、幅方向両端部の区画における充填物の充填量が少なく設定されているので、これにより、掛け布団の軽量化を図ることができる。
これにより、使用者の首を覆う部分では、裏側の層においては、中央区画の充填物の充填量が両外側の両側区画よりも少ないが、表側の層では、表側中央区画が、その両側の表側両側区画よりも充填物の充填量が多いため、保温性を確保することができる。
これにより、肩口部が使用者の肩部の形状に沿って倣いやすく、掛け布団の使用者に対するフィット性を高めることができる。
これにより、横長キルト線、斜め方向キルト線により、肩口部が使用者の肩部の形状に沿って倣いやすく、掛け布団の使用者に対するフィット性を高めることができる。
これによっても、肩口部が使用者の肩部の形状に沿って倣いやすく、掛け布団の使用者に対するフィット性を高めることができる。
図1、図2に示すように、掛け布団10は、平面視長方形で、本体部20と、本体部20の一端に設けられた肩口部30Aとを備える。
この掛け布団10は、使用者に掛けた状態で、本体部20が使用者の身体の胸部や腹部から下肢全体を覆い、肩口部30Aが使用者の肩口や襟元を覆う。
また、表側層23は、表地21と中間層40との間に、本体部20の幅方向に延びる横キルト線26が、本体部20の長さ方向に間隔を隔てて、例えば3本形成されている。これにより、表側層23には、本体部20の幅方向中央部に、長さ方向に計4つの矩形状の表側中央区画F1〜F4が形成されている。そして、表側中央区画F1〜F4の幅方向両側には、それぞれ、本体部20の長さ方向に計4つの矩形状の両側区画F5〜F8が形成されている。表側中央区画F1〜F4、および両側区画F5〜F8のそれぞれの区画には、羽毛等の充填物が所定量充填されている。
このような表側層23の全体を覆うように、化粧生地29が取り付けられている。
これら裏側中央区画F11〜F18の幅方向両側は、前記表側層23の両側区画F5〜F8が裏側に回り込んで形成されている。
輻射材41は、例えばベースとなる不織布にアルミニウム合金を蒸着させたものや、セラミック材料を用いたフィルム等を用いることができる。この輻射材41は、裏側層24側からの熱の大半を輻射し、一部のみが透過する。
生地層43は、少なくとも保温層42を覆うよう設けられるが、保温層42および輻射材41の全体を覆うよう袋状に設けてもよい。
さらに、本体部20の幅方向中間部の表側中央区画F1〜F4の部分と、裏側中央区画F11〜F18とに充填する羽毛等の充填物の充填量の合計よりも、幅方向両側の両側区画F5〜F8における充填量の方が少なく設定されている。これにより、掛け布団10の軽量化を図ることができる。
内側斜めキルト線34,34、外側斜めキルト線35,35は、肩口部30Aの上辺30aから本体部20側の下辺30bに向けて、肩口部30Aの幅方向中心から漸次離間する方向に傾斜して設けられている。
そして、羽毛などの充填物の充填量は、表側中央区画K1に対して、その両側の表側両側区画K2,K3の方が少なく、さらに、表側両端部区画K4,K5は、表側両側区画K2,K3よりも充填物の充填量がさらに少なくなるよう設定されている。
内側斜めキルト線37,37、外側斜めキルト線38,38は、肩口部30Aの上辺30aから本体部20側の下辺30bに向けて、肩口部30Aの幅方向中心から漸次離間する方向に傾斜して設けられている。また、これら内側斜めキルト線37,37、外側斜めキルト線38,38は、表側の内側斜めキルト線34,34、外側斜めキルト線35,35に対して重ならない位置に、肩口部30Aの幅方向に沿ってオフセットして形成されている。
そして、羽毛などの充填物の充填量は、裏側中央区画K11,K12に対して、その両側の裏側両側区画K13,K14が多く、裏側両端部区画K15,K16は、裏側中央区画K11,K12および裏側両側区画K13,K14よりもさらに少なくなるよう設定されている。
一方、肩口部30Aの表側では、表側中央区画K1における充填物の充填量が、その両側の表側両側区画K2,K3よりも多いため、使用者の首の部分の保温性が損なわれることもない。
そして、その両側の裏側両側区画K13,K14は、充填物の充填量が、裏側中央区画K11,K12よりも多いので、充填物の重量により、肩口部30Aが使用者の肩に沿い、襟元、肩口の隙間を小さくするとともに、その両側でも敷布団との隙間が生じるのを防ぐことができる。
さらに、肩口部30Aの両外側は、表側、裏側とも、表側両端部区画K4,K5、裏側両端部区画K15,K16における充填物の充填量が、表側両側区画K2,K3、裏側中央区画K11,K12および裏側両側区画K13,K14よりも少なく設定されている。これにより、掛け布団10の軽量化を図ることができる。
次に、本発明にかかる掛け布団の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態に対して、肩口部30Bの構成が異なるのみであり、本体部20の構成は上記第1の実施形態で示したものと同様である。そこで、以下においては、肩口部30Bの構成のみ説明する。
また、肩口部30Bの幅方向両側には、横長キルト線51から肩口部30Bの側辺30c、30cに向けて斜めに延びる斜め方向キルト線53が形成されている。
そして、表側中央区画S11は、羽毛等の充填物の充填量が、両側の表側両側区画S12,S13,S14,S15よりも多くなるよう設定されている。
内側斜めキルト線54,54は、肩口部30Bの上辺30aから本体部20側の下辺30bに向けて、肩口部30Bの幅方向中心から漸次離間する方向に傾斜して設けられている。外側斜めキルト線55,55は、肩口部30Bの上辺30aから本体部20側の下辺30bに向けて、肩口部30Bの幅方向中心に漸次接近する方向に傾斜して設けられている。また、これら内側斜めキルト線54,54、外側斜めキルト線55,55は、縦方向キルト線52に対して重ならない位置に、肩口部30Bの幅方向に沿ってオフセットして形成されている。
そして、充填物の充填量は、裏側中央区画S21よりも、その両外側の裏側両側区画S22,S23の方が多く、さらに、両外側の裏側両端部区画S24,S25は、裏側中央区画S21および裏側両側区画S22,S23よりも充填物の充填量が少なくなるよう設定されている。
また、充填物の充填量は、裏側中央区画S21の方が、その両外側の裏側両側区画S22,S23よりも少ないために、使用者が首回りを裏側中央区画S21の下に位置させると、肩口部30Bが使用者の首にフィットしやすい。
一方、肩口部30Bの表側では、表側中央区画S11における充填物の充填量が、その両側の表側両側区画S12,S13,S14,S15よりも多いため、使用者の首の部分の保温性が損なわれることもない。
上記第2の実施形態において、肩口部30Bの裏側は、以下に示すような構成としてもよい。
図7に示すように、肩口部30Bにおいて、裏地32と中間地(不図示)との間には、掛け布団10の長さ方向に連続する縦方向キルト線58が、掛け布団10の幅方向に間隔を隔てて複数形成されている。
これら縦方向キルト線58によって、肩口部30Bにおいて、裏地32と中間地(不図示)との間には、複数の区画S31、S32、…が形成されている(例えば本実施形態では、7個の区画S31〜S37)。そして、肩口部30Bの中央部の区画S31は、その両側の区画S32、S33に比較し、羽毛等の充填物の充填量が少なく設定されている。
さらに、区画S32,S33のさらに両外側の区画S34〜S37は、区画S31および区画S32,S33よりも充填物の充填量が少なく設定されている。
さらに、その両外側の区画S32,S33は、充填物の充填量が、中央の区画S31よりも多いために、その重量により、肩口部30Bが使用者の首に沿い、襟元、肩口の隙間を小さくするとともに、その両側でも敷布団との隙間が生じるのを防ぐことができる。
加えて、肩口部30Bの両外側の区画S34〜S37は、充填物の充填量が少ないので、掛け布団10の軽量化を図ることができる。
上記各実施形態および変形で示した各キルト線は、表地31と中間地(不図示)、裏地32と中間地(不図示)を直接縫合して形成することもできるが、表地31と中間地(不図示)との間、裏地32と中間地(不図示)との間に、掛け布団10の厚さ方向に位置する布地を挟み込んで縫合した、立体キルトによって形成することもできる。
また、本体部20の構成は、上記に限るものではなく、適宜変更することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、互いに組み合わせたり、さらには他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
20 本体部
23 表側層
24 裏側層
30A、30B 肩口部
30a 上辺
31 表地
32 裏地
33 中間地
34 内側斜めキルト線(キルト線)
35 外側斜めキルト線(キルト線)
36 中心キルト線
37 内側斜めキルト線(キルト線)
38 外側斜めキルト線(キルト線)
40 中間層
41 輻射材
42 保温層
43 生地層
51 横長キルト線
51a 両端部
51b 幅方向中央部
52 縦方向キルト線
53 斜め方向キルト線
54 内側斜めキルト線
55 外側斜めキルト線
58 縦方向キルト線
K1,S11 表側中央区画
K2,K3,S12,S13,S14,S15 表側両側区画
K4,K5 表側両端部区画
K11,K12,S21 裏側中央区画(中央区画)
K13,K14,S22,S23 裏側両側区画(両側区画)
K15,K16,S24,S25 裏側両端部区画(両端部区画)
Claims (5)
- 本体部と、
本体部の一端側に設けられ、使用者の肩口を覆う肩口部とを有し、
前記肩口部は、表裏2層構造とされ、それぞれキルト線によって幅方向に複数に区分された各区画に充填物が充填され、
裏側の層は、使用者の首部分を覆う幅方向中央部に位置する中央区画に対し、幅方向両外側に隣接する両側区画の方が、前記充填物の充填量が多く設定されるとともに、
幅方向両端部に位置する両端部区画が、前記中央区画および前記両側区画よりも前記充填物の充填量が少なく設定されていることを特徴とする掛け布団。 - 表側の層は、幅方向中央部に位置する表側中央区画が、幅方向両外側に隣接する表側両側区画よりも、前記充填物の充填量が多く設定されるとともに、
幅方向両端部に位置する表側両端部区画が、前記表側中央区画および前記表側両側区画よりも前記充填物の充填量が少なく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の掛け布団。 - 前記表側および前記裏側の少なくとも一方の層には、
前記肩口部の幅方向中心を挟んでその両側に複数対の前記キルト線が形成され、前記キルト線は、前記本体部側に向けて、前記肩口部の幅方向中心から漸次離間する方向に傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の掛け布団。 - 前記表側の層は、使用者の首部分を覆う幅方向中心部を中心として横長に広がる横長キルト線と、
前記横長キルト線から前記使用者の足元部側に向けて両側に広がる斜め方向キルト線と、を有し、
前記横長キルト線は、その両端部が、前記肩口部の上辺において、その中央部を挟んだ両側に間隔を隔てて位置し、幅方向中央部が、前記両端部に対して前記本体部側に位置するよう、円弧状に湾曲形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の掛け布団。 - 前記裏側の層には、
前記肩口部の幅方向中心を挟んでその両側に設けられた複数対の前記キルト線が形成され、
幅方向内側に配置された前記キルト線は、前記本体部側に向けて、前記肩口部の幅方向中心から漸次離間する方向に傾斜して設けられ、
幅方向外側に配置された前記キルト線は、前記本体部側に向けて、前記肩口部の幅方向中心に漸次接近する方向に傾斜して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の掛け布団。
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