JP5638998B2 - 放射線硬化性半導体加工用粘着テープ - Google Patents
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半導体のダイシング工程では、半導体加工用粘着テープからセパレーターを剥離し、該粘着テープが貼合された状態で半導体ウェハのダイシング加工を行い、電気絶縁性の高い超純水により切削粉を洗浄し、切断・分離された半導体チップのピックアップが行われる。これらの工程で基板(ウェハ)や樹脂封止パッケージなどの被着体に静電気が発生する。回路を形成する部品の基板がセラミックスやガラスなどの絶縁材料である場合には、静電気が速やかに漏洩されず、短絡による回路の放電破壊や埃などの異物の付着などが起こる場合がある。
また、半導体ウェハや樹脂封止パッケージなどの被着体には、粘着テープの貼合面に凹凸を有しているものや、一般にレーザーマークと言われる刻印(凹部)を有しているものがある。当該凹凸部分に対する粘着剤の追従性には限界があるため、粘着剤層と被着体の間に密着していない隙間が介在する場合がある。この隙間部分は空気と接しているため、粘着剤層として放射線照射により粘着力を大きく低減させて、ダイシング加工後のピックアップ工程で、切断されて得られた半導体チップをピックアップしやすくする場合には、空気中の酸素によって粘着剤の放射線硬化反応が阻害され、被着体の凹部分に糊残りが発生する場合がある。
<1>基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された放射線硬化性半導体加工用粘着テープであって、
該基材樹脂フィルムがエチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)90〜70質量%と、構成成分として少なくともエチレン成分及び(メタ)アクリル酸成分を有する共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(a2)10〜30質量%を含有する樹脂組成物であって、該基材樹脂フィルムの体積抵抗率が1×1011Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であり、
該基材樹脂フィルム上に、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体(B)を含有する粘着剤層が形成されており、前記主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体(B)が、構成成分(b1)として65〜87質量%の2−エチルヘキシルアクリレートを含むことを特徴とする放射線硬化性半導体加工用粘着テープ、
<2>前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の含有量が5〜25質量%であることを特徴とする<1>記載の放射線硬化性半導体加工用粘着テープ、
<3>前記粘着剤層の放射線硬化前のガラス転移開始温度が−65〜−45℃であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の放射線硬化性半導体加工用粘着テープ、
を提供するものである。
帯電防止性の基材樹脂フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)90〜70質量%と、構成成分として少なくともエチレン成分及び(メタ)アクリル酸成分を有する共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(a2)10〜30質量%を含有する樹脂組成物であって、該基材樹脂フィルムの体積抵抗率が1×1013Ω・cm以下である。
構成成分として少なくともエチレン成分及び(メタ)アクリル酸成分を有する共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(a2)は、共重合体成分としてエチレン成分と、(メタ)アクリル酸成分を含み、(メタ)アクリル酸成分のカルボキシル基がカリウムイオンで架橋された樹脂である。本発明で共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋するとはカルボキシル基の少なくとも0.5mmol/gを架橋することをいい、好ましくは1.5mmol/g以上である。なお、本明細書において、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とは、エチレン−アクリル酸共重合体とエチレン−メタクリル酸共重合体の両方を含むものである。樹脂(a2)は、エチレン成分と、(メタ)アクリル酸成分を含む2元系の共重合体でもよいが、さらにその他の成分を含む3元系以上の共重合体でもよい。その他の成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル成分を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等を挙げることができる。その他の成分としては、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアマイド、スチレン、イタコン酸、アクリルアマイド、メチロールアクリルアマイド、無水マレイン酸等を挙げることができる。
基材樹脂フィルムを構成する樹脂組成物には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)が含まれる。エチレン−酢酸ビニル共重合体と前記の樹脂(a2)を含む樹脂組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)中の酢酸ビニル成分が、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂のカリウムイオンと相互作用する。その結果、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂相が、エチレン−酢酸ビニル共重合体中に筋状に微分散した相分離構造を形成しやすい。これにより、伝導経路が形成され、優れた帯電防止性を奏することができる。
これに対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)に代えて、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を使用した場合には、基材樹脂フィルムと粘着剤層との密着性は良好であるが、(a2)樹脂との相分離構造を形成できないため、十分な帯電防止性を得ることは困難である。
基材樹脂フィルムは上記の樹脂組成物を用い、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以下のものであれば、2層以上で積層されていてもよい。その場合、粘着剤層に接する層がエチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)90〜70質量%と、構成成分として少なくともエチレン成分及び(メタ)アクリル酸成分を有する共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(a2)10〜30質量%を含有する樹脂組成物であれば、異なる組成物からなる層を積層してもよい。
本発明の放射線硬化性半導体加工用粘着テープの粘着剤は、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体を含有するため、放射線硬化性を有する。本発明において、「主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体」とは、分子内に放射線硬化性不飽和炭素−炭素二重結合含有基が結合した(すなわちペンダントした)重合体である。放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有しない重合体と、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するオリゴマーを含む樹脂組成物からなる粘着剤は、放射線硬化前の粘着力が高いため、十分なピックアップ性を確保するには、放射線照射により粘着力を大きく低下させる必要がある。このように放射線硬化性が高い粘着剤は放射線硬化時の硬化収縮が大きく、この硬化収縮によってレーザーマーク等の粘着剤層と接触している被着体表層の凹部に粘着剤が噛み込みやすい。被着体表層の凹部に粘着剤が噛み込むと、ピックアップ時に基材樹脂フィルムと粘着剤層との間で層間剥離しやすくなり、上記凹部に糊残りが発生しやすい。さらに、基材樹脂フィルムに(a2)樹脂を含む樹脂組成物を用いた場合には、基材樹脂フィルムと粘着剤層との密着性が低下し、上記凹部により糊残りが発生しやすくなる。
基材樹脂フィルムを構成する樹脂組成物として、以下の基材樹脂フィルム樹脂混合物A1〜A7、B1〜B4、C1、D1、E1及びE2を用いた。なお、基材樹脂フィルムを構成する樹脂のメルトフローレートは、JIS K 7210によって求め、190℃、2.16kg荷重条件で測定した。またエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は、JIS K 6730によって求めた。
酢酸ビニル含有量が14質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:NUC−8451 日本ユニカー(株)製、メルトフローレート1.5g/10min)80質量%とエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(商品名:エンティラMK400 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート1.0g/10min)20質量%をドライブレンドし、基材樹脂フィルム樹脂混合物A1を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(商品名:エンティラMK400 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート1.0g/10min)の配合量を12質量%とし、樹脂混合物A1におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の配合量を88質量%にした以外は、基材樹脂フィルム樹脂組成物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物A2を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(商品名:エンティラMK400 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート1.0g/10min)の配合量を25質量%とし、樹脂組成物A1におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の配合量を75質量%にした以外は、基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物A3を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を酢酸ビニル含有量が7.5質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:NUC−8430 日本ユニカー(株)製、メルトフローレート2.3g/10min)にした以外は基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物A4を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を酢酸ビニル含有量が20質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:ウルトラセン631 東ソー(株)製、メルトフローレート1.5g/10min)にした以外は基材樹脂フィルム樹脂組成物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物A5を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を酢酸ビニル含有量が1.5質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:ノバテックLV170 日本ポリエチレン(株)製、メルトフローレート3.0g/10min)にした以外は基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物A6を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−酢酸ビニル共重合体を酢酸ビニル含有量が33質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:エバフレックスEV170 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート1.0g/10min)にした以外は、基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物A7を得た。
酢酸ビニル含有量が14質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:NUC−8451 日本ユニカー(株)製、メルトフローレート1.5g/10min)を用いた。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(商品名:エンティラMK400 三井・デュポンポリケミカル(株)製)の配合量を7質量%にし、樹脂混合物A1におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の配合量を93質量%にした以外は、基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物B2を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(商品名:エンティラMK400 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート1.0g/10min)の配合量を35質量%にし、樹脂混合物A1におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体の配合量を65質量%にした以外は、基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物B3を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−酢酸ビニル共重合体を酢酸ビニル含有量が10質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:ウルトラセン546K 東ソー(株)製、メルトフローレート6.0g/10min)にした以外は基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物B4を得た。
基材樹脂フィルム樹脂混合物A1のエチレン−酢酸ビニル共重合体をエチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレルN0903HC 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート3.0g/10min)にした以外は基材樹脂フィルム樹脂混合物A1と同様にして基材樹脂フィルム樹脂混合物C1を得た。
高密度ポリエチレン(商品名:ノバテックHD HF560 日本ポリエチレン(株)製、メルトフローレート7.0g/10min)を用いた。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基を亜鉛イオンで架橋した樹脂(商品名:ハイミランAM7316 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート1.1g/10min)を用いた。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基をナトリウムイオンで架橋した樹脂(商品名:ハイミラン1707 三井・デュポンポリケミカル(株)製、メルトフローレート0.9g/10min)を用いた。
粘着剤層を構成する樹脂組成物として、以下のα1〜α3、β1、γ1及びδ1を用いた。
2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)80質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート19質量%、メタクリル酸1質量%を原料として溶液ラジカル重合により共重合体を得た。次にこの共重合体に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズMOI 昭和電工(株)製)を滴下反応させることで、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合したアクリル重合体を作製した。当該2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの滴下量と重合反応時間を調節することで、このアクリル重合体が有する放射線硬化性不飽和炭素結合の量(濃度)を0.6meq/gとした。また、得られたアクリル重合体をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名:150−C ALC/GPC Waters製)により測定した値をポリスチレン換算して算出した重量平均分子量は800,000であった。
上記で作製したアクリル重合体100質量部に対して、硬化剤であるポリイソシアネート化合物(商品名:コロネートL 日本ポリウレタン工業(株)製)を0.3質量部と放射線重合開始剤であるα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2質量部配合し、粘着剤樹脂組成物α1を調製した。
粘着剤樹脂組成物α1のアクリル重合体におけるモノマーの配合比を2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)量を70質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート29質量%、アクリル酸1質量%にした以外は粘着剤樹脂組成物α1と同様にして、粘着剤樹脂組成物α2を調製した。
粘着剤樹脂組成物α1のアクリル重合体におけるモノマーの配合比を2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)量を85質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート14質量%、アクリル酸1質量%にした以外は粘着剤樹脂組成物α1と同様にして、粘着剤樹脂組成物α3を調製した。
粘着剤樹脂組成物α1のアクリル重合体におけるモノマーの配合比を2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)量を60質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート39質量%、アクリル酸1質量%にした以外は粘着剤樹脂組成物α1と同様にして、粘着剤樹脂組成物β1を調製した。
粘着剤樹脂組成物α1のアクリル重合体における2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)をn−ブチルアクリレート(n−BA)にした以外は粘着剤樹脂組成物α1と同様にして、粘着剤樹脂組成物γ1を調製した。
n−ブチルアクリレート55質量%、メチルメタクリレート17質量%、メタクリル酸2質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート26質量%からなり、ポリスチレン換算して算出した重量平均分子量が80,000であるアクリル共重合体100質量部に対して、6官能であり、ポリスチレン換算して算出した重量平均分子量が1,500である放射線硬化性オリゴマー(商品名:UN−3320HA 根上工業(株)製)100質量部、さらに、硬化剤であるポリイソシアネート化合物(商品名:コロネートL 日本ポリウレタン工業(株)製)2質量部と放射線重合開始剤であるα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3質量部を配合し、粘着剤樹脂組成物δ1を調製した。
表3、4に示すように、基材樹脂フィルム混合物を押出機に投入し、溶融混練して得られた各樹脂組成物を、粘着剤層に接する層の厚さ55μm、テープ背面側の層の厚さ55μm、これらの基材樹脂フィルム層に挟まれた中間層の厚さ40μmになる様に押出成形し、厚さの合計が150μmの各基材樹脂フィルムを製造した。
その後、コンマコーターを用いてシリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)に粘着剤樹脂組成物を線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して厚さ20μmの粘着剤層を形成させた。その後、得られた各基材樹脂フィルムの粘着剤層に接する層に、上記の粘着剤を表3、4の通りに組み合わせ、放射線硬化性半導体加工用粘着テープを製造した。
各粘着テープにおける粘着剤層のガラス転移温度をDSC法により測定した(JIS K 7121に準拠)。粘着剤層の状態は紫外線硬化前の状態であり、ここで言うガラス転移温度は補外ガラス転移開始温度のことである。なお、リファレンスとしてはAl2O3を用い、10mg程度の試料片を−100℃まで急冷し、40ml/minの流量の窒素雰囲気下で10℃/minで昇温測定した。結果を表3、4に示す。
得られた各粘着テープを23℃、50%RHの環境下で3日間保持した後、デジタル超高抵抗/微小電流計R8340/8340Aとレジスティビティ・チェンバR12702A(共に(株)アドバンテスト製)を用いて23℃、50%RHの環境下で500Vの電圧を印加し、印加後60秒後の電流値を読み取り、得られた各粘着テープにおけるダイシング前(DC前)とダイシング後(DC後)の粘着剤面及びテープ背面の表面抵抗率を測定した。ここで、ダイシング前は紫外線硬化前の状態であり、ダイシング後は紫外線硬化後の状態である。下記に示す条件でダイシングを行い、高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2の紫外線を照射することで紫外線硬化を行った。粘着剤面及びテープ背面の表面抵抗率がいずれも1×1013Ω/□以下である場合を「○」、それ以上の場合を「×」として評価し、「○」の場合を合格とした。結果を表3、4に示す。
また、デジタル超高抵抗/微小電流計R8340/8340Aとレジスティビティ・チェンバR12702A(共に(株)アドバンテスト製)を用いて500Vの電圧を印加し、印加後60秒後の電流値を読み取り、得られた各粘着テープの基材樹脂フィルムにおける体積抵抗率も測定した。結果を表3、4に示す。
ダイシング条件
ダイシング装置:(株)DISCO製 DFD−6340
ブレード:(株)DISCO製 B1A801 SD320N100M42
ブレード回転数:20000rpm
切削速度:50mm/s
切削水量:1L/min
ダイシングサイズ:2mm角
ブレードハイト:60μm
得られた各粘着テープを用いて、レーザーマークを有する樹脂封止パッケージのレーザーマークを有する表面と粘着テープとを貼合して下記に示す条件でダイシングを行った。その後、ブラックライトを用いて500mJ/cm2の紫外線を照射することで紫外線硬化させ、ピックアップを行った。ピックアップ条件は、ダイスピッカーCAP−300II(キヤノンマシナリー(株)製)で2mmエキスパンドし、先端径Rが150μmであるピンで、突き上げスピード:50mm/sec、ピン突き上げ高さ:0.7mmとした。ピックアップを行った200チップを観察し、レーザーマーク部への粘着剤の付着の様子を観察した。1チップあたり、レーザーマーク部において10μm角以上の粘着剤が一つでも付着しているチップの割合を粘着剤付着率とした。粘着剤付着率が1%未満の場合を「○」、1%以上2%未満の場合を「△」、2%以上の場合を「×」とした。結果を表3、4に示す。
ダイシング条件
ダイシング装置:(株)DISCO製 DFD−6340
ブレード:(株)DISCO製 B1A801 SD320N100M42
ブレード回転数:20000rpm
切削速度:50mm/s
切削水量:1L/min
ダイシングサイズ:2mm角
ブレードハイト:80μm
Claims (3)
- 基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された放射線硬化性半導体加工用粘着テープであって、
該基材樹脂フィルムがエチレン−酢酸ビニル共重合体(a1)90〜70質量%と、構成成分として少なくともエチレン成分及び(メタ)アクリル酸成分を有する共重合体のカルボキシル基をカリウムイオンで架橋した樹脂(a2)10〜30質量%を含有する樹脂組成物であって、該基材樹脂フィルムの体積抵抗率が1×1011Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であり、
該基材樹脂フィルム上に、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体(B)を含有する粘着剤層が形成されており、前記主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基が結合した重合体(B)が、構成成分(b1)として65〜87質量%の2−エチルヘキシルアクリレートを含むことを特徴とする放射線硬化性半導体加工用粘着テープ。 - 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量が5〜25質量%であることを特徴とする請求項1記載の放射線硬化性半導体加工用粘着テープ。
- 前記粘着剤層の放射線硬化前のガラス転移開始温度が−65〜−45℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線硬化性半導体加工用粘着テープ。
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