JP2013209559A - 紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ - Google Patents

紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ Download PDF

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Tsutomu Yoshitani
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Abstract

【課題】半導体デバイス加工工程において優れた帯電防止性を発揮し、かつ、保管中に蛍光灯光に暴露された場合においても紫外線による硬化反応を抑制できる安定した紫外線硬化性を示す半導体デバイス加工用粘着テープを提供する。
【解決手段】紫外線透過性基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープであって、該粘着剤層に、少なくとも(A)、(B)、(C)、を含み、(A)100質量部に対して、(C)0.5〜2質量部を含有することを特徴とする紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ。
(A)分子中に炭素−炭素二重結合含有基を有したアクリル系共重合体
(B)有機カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン液体
(C)光重合開始促進剤
【選択図】なし

Description

本発明は、電気部品や電子部品に用いられる半導体デバイスを加工する際に使用される紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープに関する。
従来から、電気部品や電子部品に用いられる半導体デバイスを加工する際に、半導体デバイスウェハを研削するバックグラインド工程や、半導体デバイスウェハや半導体樹脂封止パッケージなどを小片化するダイシング工程や、その他の工程において、部品の固定や保護を目的とする半導体デバイス加工用粘着テープが用いられている。このような粘着テープとしては、基材上に、貼付時には外力に対し強い抵抗性があるが、剥離時には小さい力で剥離可能な紫外線硬化型再剥離性粘着剤層が設けられたものがある。
前記粘着テープを用いた工程では、セパレーターの剥離時・バックグラインド時・ダイシング時・電気絶縁性の高い超純水による切削粉の洗浄時・ピックアップ時などの、剥離・摩擦・接触などによって静電気が発生する。しかし、被着体の、回路を形成する部品の基板が、セラミックスやガラスなどの絶縁材料である場合には、静電気が速やかに漏洩されず、短絡による回路の放電破壊や埃などの異物の付着などの発生が懸念される。この様な場合、電気障害を改善するため、イオナイザーなどの静電気除去装置の導入は行われている。しかし十分な帯電防止効果が得られていないのが実情である。そこで、前記粘着テープ自体を帯電防止化することが望まれている。さらに、近年ウェハの薄膜化に伴い回路の高集積化が進み、静電気による回路破壊の危険性が更に高まり、帯電防止粘着テープに対する需要がより高まっている。
そこで、基材樹脂フィルムの片面又は両面にポリチオフェンやポリピロールなどの導電性高分子を含有する帯電防止層を設けた半導体固定用粘着テープが提案されている(例えば、特許文献1と特許文献2を参照。)。この粘着テープでは、帯電防止層を設けるために余計な加工工程が必要となるなど、手間や加工費が嵩み、コスト上満足できないのが難点であった。
また、基材樹脂フィルムに高分子型帯電防止剤をブレンドする半導体固定用粘着テープの技術も提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。この粘着テープでは、基材樹脂フィルムの製膜と同時に帯電防止化を行えるので、加工工程は増えないが、帯電防止性能を発現できる基材樹脂フィルムのベース樹脂が限られ、また、帯電防止剤によって製膜時に冷却ロールが汚染されることが問題であった。
特開2008−255345号公報 特開2008−280520号公報 特開2008−222781号公報 特許4851753号公報
粘着剤にイオン性液体を添加する紫外線硬化型粘着テープが開発されている(例えば、上記特許文献4を参照。)。この手法により、紫外線硬化型粘着テープへ安価でかつ汚染性も少なく帯電防止性能を付与させることが技術的には可能となった。しかし、他方でイオン性液体を添加することによって、粘着剤が蛍光灯光にさらされた際に微量に含まれる紫外線による硬化反応が促進され、使用前保管中に粘着力が大きく低下してしまい半導体固定用粘着テープの実用上の問題となることがよく起きた。そのため粘着力安定性に優れた帯電防止性能を有する粘着テープが必要となっている。
本発明は、半導体デバイス加工工程において優れた帯電防止性を発揮し、かつ、保管中に蛍光灯光にさらされた場合においても紫外線による硬化反応を抑制できる安定した紫外線硬化性を示す半導体デバイス加工用粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープであって該粘着剤層が、紫外線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有するアクリル系共重合体、イオン液体、及び前記紫外線硬化性アクリル系共重合体に対し、少量で、特定量の光重合開始促進剤を含有することを特徴とする紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープが、半導体デバイス加工工程において優れた帯電防止性を示し、かつ、保管中に蛍光灯光にさらされた場合においても粘着力の低下を抑制でき、安定した紫外線硬化性を維持できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、
(1)紫外線透過性基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープであって、該粘着剤層に、少なくとも(A)、(B)、(C)、を含み、(A)100質量部に対して、(C)0.5〜2質量部を含有することを特徴とする紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ、
(A)分子中に炭素−炭素二重結合含有基を有したアクリル系共重合体
(B)有機カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン液体
(C)光重合開始促進剤、
(2)前記(C)の光重合開始促進剤が芳香族アミン化合物である(1)記載の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ、及び
(3)前記(B)のイオン液体がカチオン成分がピリジニウムカチオンであり、アニオン成分がビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである(1)又は(2)記載の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ
を提供するものである。
本発明の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープは、半導体デバイス加工工程において優れた帯電防止性を発揮し、かつ、蛍光灯光に暴露された状態下で保管された場合においても粘着力の低下を抑制できる保管安定性を有する。
本発明の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープの一実施形態を拡大して示す断面図である。
以下、本発明について、その好ましい実施態様の基づき詳細に説明する。
本発明の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープは、図1に示すように、基材樹脂フィルム1上に粘着剤層2が形成されており、粘着剤層2の表面には使用されるまで任意のセパレーター(図示せず)が貼付され保護されている。
本発明の粘着テープに用いられる粘着剤は、アクリル系共重合体(A)を主成分とし、イオン液体(B)を含有し、前記アクリル系共重合体(A)が主鎖の繰り返し単位に対して少なくとも炭素−炭素二重結合含有基を有する。
アクリル系粘着剤に紫外線硬化性を付与する手法としては、本発明のように分子鎖に炭素−炭素二重結合含有基を有するアクリル系共重合体を用いる手法と、分子鎖に炭素−炭素二重結合含有基を有さないアクリル系共重合体と炭素−炭素二重結合含有基を有する化合物を混合する手法がある。分子鎖に炭素−炭素二重結合含有基を有さないアクリル系共重合体と炭素−炭素二重結合含有基を有する化合物を混合した粘着剤を用いると、紫外線硬化前の粘着力が高いため、十分なピックアップ性を確保するには、紫外線照射により粘着力を大きく低下させる必要があり、多量の炭素−炭素二重結合量が必要である。一方で、分子鎖に炭素−炭素二重結合含有基を有するアクリル系共重合体を用いると、少量の炭素−炭素二重結合量で十分なピックアップ性を確保できる。
紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープの帯電防止性は、紫外線硬化によって悪化し、また紫外線硬化後の架橋密度が高いほど、帯電防止性は悪化する。これらは紫外線硬化によって粘着剤分子鎖の柔軟性が低下し、分子鎖のセグメント運動によるイオン輸送が不活発になることに起因する。そのため、分子鎖に炭素−炭素二重結合含有基を有するアクリル系共重合体からなる粘着剤を用いると、分子鎖に炭素−炭素二重結合含有基を有さないアクリル系共重合体と炭素−炭素二重結合含有基を有する化合物を混合した粘着剤を用いるよりも紫外線硬化後の架橋密度を抑えられるので、紫外線硬化後も帯電防止性に優れている。
主鎖の繰り返し単位に対して少なくとも炭素−炭素二重結合含有基を有するアクリル系共重合体(以下「アクリル系共重合体(A)」と称する)は、例えば、構成成分(a1)として、(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物等からなる共重合体(A1)の炭素鎖を主鎖とし、この共重合体が有する官能基に対して付加反応することが可能な官能基と紫外線硬化性不飽和炭素結合を有する化合物(a2)とを付加反応して得ることができる。
上記共重合体(A1)を構成する(a1)成分の(メタ)アクリレートとしては、炭素数6〜12のアルキル基でエステル化したn−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、炭素数5以下のアルキル基のエステル、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなどを列挙することができる。特定の炭素数の(メタ)アクリレートを使用することで、所望のガラス転移温度を有する共重合体を作製することができる。また、所望のガラス転移温度や相溶性などの性質を付与するために、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの不飽和炭素結合をもつ低分子化合物を共重合成分として配合して上記共重合体を得ることもできる。当該不飽和炭素結合をもつ低分子化合物の配合量は5質量%以下であることが好ましい。
上記共重合体(A1)の構成成分(a1)としては、炭素数4〜9のアルキル基でエステル化したアクリレートの1種以上が主成分であることが好ましく、構成成分(a1)中の炭素数4〜9のアルキル基を有するアクリレート量は50〜87質量%であることが好ましい。アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度は低い程、分子鎖のセグメント運動によるイオン輸送は活発になり、帯電防止性を発現しやすい。アクリレートはメタアクリレートよりもガラス転移温度は低いので、構成成分(a1)の主成分はメタアクリレートであるよりもアクリレートである方が、帯電防止性に優れる。また、アルキル基を有するアクリレートにおけるアルキル基の炭素数は4〜9の範囲が、ガラス転移温度は低く、帯電防止性に優れる。アクリル系共重合体(A1)のガラス転移温度は−80〜0℃が好ましく、−70〜−10℃がより好ましい。また、炭素数4〜9のアルキル基を有するアクリレートを用いることによりダイシング時における半導体デバイスのダイフライは発生しにくくなり、また半導体デバイスのピックアップ性にも優れる。
炭素数4〜9のアルキル基を有するアクリレートとしては、n−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレートなどを列挙できる。アルキル基を有するアクリレートの炭素数としては、炭素数8が最もガラス転移温度が低くなるので、特に2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
構成成分(a1)としては、炭素数4〜9のアルキル基を有するアクリレートの1種以上を主成分にすると、ダイシング時の半導体デバイス側面への粘着剤の付着は悪化する。しかし、粘着剤にイオン液体(B)を添加することにより粘着剤の表面自由エネルギーの分散成分は低下し、ダイシング時の半導体デバイス側面への粘着剤の付着は低減される。
構成成分(a1)の水酸基含有不飽和化合物の例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。構成成分(a1)のカルボキシル基含有不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
構成成分(a1)を有する共重合体(A1)が有する官能基に対して付加反応することが可能な官能基としては、共重合体(A1)が有する官能基がカルボキシル基又は環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。共重合体(A1)が有する官能基が水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができる。共重合体(A1)が有する官能基がアミノ基である場合には、イソシアネート基などを挙げることができる。化合物(a2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基と紫外線硬化性不飽和炭素結合とを有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
上記共重合体(A1)の合成において、共重合を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系の有機溶剤が挙げられるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどの、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α'−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾベルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節し、その後官能基における付加反応を行うことにより、所望の分子量のアクリル系共重合体(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この共重合は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
さらに上記アクリル系共重合体(A)は、接着性や凝集力を制御する目的でアクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーが共重合されていてもよい。これらのモノマーを重合して得られるアクリル系共重合体(A)の質量平均分子量は、5×10〜2×10であることが好ましく、1×10〜1×10であることがより好ましい。
上記アクリル系共重合体(A)の水酸基価が5〜100の場合は、紫外線照射後の粘着力を減少させることによりピックアップミスの危険性をさらに低減することができるので好ましい。また、上記アクリル系共重合体(A)の酸価は0.5〜30となることが好ましい。ここで水酸基価はJIS K 0070に記載のピリジンー塩化アセチル法により測定された値をいい、酸価はJIS K 0070に記載の中和滴定法により測定された値をいう。上記アクリル系共重合体(A)の水酸基価を適切な範囲内とすることにより、紫外線照射後の粘着剤層の流動性を適切な範囲内とすることができ、紫外線照射後の粘着力を十分に低下させることができる。また、上記アクリル系共重合体(A)の酸価を適切な範囲内とすることにより、紫外線照射後の粘着剤層の流動性を適切な範囲内とすることができ、テープ復元性を満足させることができる。
イオン液体(B)とは、室温(25℃)において液体状態を保ち、主として室温以下で溶解する塩であり、有機カチオン(b1)と無機アニオン(b2)の組み合わせからなる。
イオン液体(B)を構成する有機カチオン(b1)としては、たとえば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオンなどが挙げられるが、このうちピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、が好ましく用いられる。特に、ピリジニウムカチオンを用いると、紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープの帯電防止性に優れ、またダイシング後の半導体のピックアップ性に優れるため、好ましい。
ピリジニウムカチオンの具体例としては、例えば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオンなどが挙げられ、このうち、1−へキシル−4−メチルピリジニウムカチオンなどが好ましく用いられる。
無機アニオン(b2)としては、イオン液体になることを満足するものであれば特に限定されず、たとえば、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、(FSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF)n、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)Nなどが用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン伝導性に優れ、特に、(CFSO(TFSI)を用いると紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープの帯電防止性能に優れるため、好ましい。
イオン液体(B)の添加量は、アクリル系共重合体(A)100質量部に対して1〜25質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。この範囲のイオン液体(B)を粘着剤に添加することにより、優れた帯電防止性を得られるだけでなく、ダイシング時の半導体デバイス側面への粘着剤の付着を抑制することができる。これは、粘着剤における表面自由エネルギーの分散成分の低下に起因する。イオン液体(B)を粘着剤に添加することにより粘着剤の表面自由エネルギーの分散成分は低下し、添加量が少なすぎると帯電防止性に劣り、多すぎると添加による粘着剤の凝集力低下効果が表面自由エネルギーの分散成分の低下効果よりも強く働き、半導体デバイス側面への粘着剤の付着は悪化する。
光重合開始促進剤(C)としては、アミン化合物およびカルボン酸化合物などが知られているが、アミン化合物が好ましく、その中でも芳香族アミン化合物がさらに好ましい。
本発明において、光重合開始促進剤は、単独では光重合開始剤の能力を持たない。
芳香族アミン化合物の具体例としては、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルが特に好ましい。
紫外線硬化性粘着テープが使用される工程においては紫外光を含まない照明下であることが好ましいが、一般的には基材フィルムが紫外光透過性であるので通常の蛍光灯下に晒されたのち使用される場合もありうる。
具体的には、被加工物との貼り合せ装置に設置された場面、被加工物と貼り合せ後、紫外線照射がされるまでの保管の場面がありうる。前者の場合、被加工物との貼り合せは、一般的に被加工物を貼り合せ装置内あるいは貼り合せ冶具に置き、非加工物上から粘着テープを貼り合せる。したがって、粘着テープは基材フィルム面が上となり、蛍光灯光は基材フィルム面側から照射される。一方、後者の被加工物との貼り合せ後においては被加工物が光を遮るため、蛍光灯光に暴露された場合においても粘着層部への直接の照射はなく、基材フィルム側からのみとなる。
これらの場合において、蛍光灯光に含まれる微量な紫外線によって、粘着剤の硬化反応が進行されうる。その結果、強固に被加工物を保持すべきダイシング工程において、十分な粘着力が失われ、被加工物のダイフライが発生する恐れがある。
光重合開始促進剤を一定量粘着剤中に添加することにより、粘着力の低下が抑制できる。上記のように、紫外線硬化性粘着テープの基材フィルム側から蛍光灯光が照射されることがあり、粘着剤層は基材フィルムの接する面側から硬化反応が進行する。蛍光灯に含まれる紫外線は極微量であるため、基材フィルム側付近にある光重合開始剤および光重合開始促進剤の一部に吸収される。そこで光重合反応が発現するが、光重合開始助剤が存在することによって吸収媒体が複数種存在するため、紫外線は基材フィルム側付近にてほとんどが吸収される。
本発明では、光重合開始促進剤はアクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.5〜2質量部配合する。1.0〜1.5質量部配合することが好ましい。光重合開始促進剤が少なすぎる場合は、期待する効果が発現できない。また、多すぎると、本来の効果である光重合が促進されすぎてしまい、粘着力の低下に繋がる。なお、同様の効果を狙うため、光重合開始剤を適当配合量よりも多く配合した場合においては、基材フィルム側の粘着剤にて多数の光重合反応がほぼ同時に進行するため、重合停止反応が起こりやすくなり、比較的低分子量の重合体が多く形成されてしまう。その結果として、ピックアップ時のピンの突き上げの衝撃時に破壊され、糊残りとして被加工物に付着してしまうため好ましくない。
粘着剤にはさらに硬化剤を含ませることができ、これによりにより接着力と凝集力とを所望の値に設定することができる。このような硬化剤としては、多価イソシアナート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等が挙げられる。多価イソシアナート化合物の具体例として、トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート及びこれらのアダクトタイプのもの等が挙げられる。多価エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が挙げられる。多価アジリジン化合物の具体例としては、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が用いられる。また、キレート化合物の具体例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
粘着剤にはさらに放射線重合開始剤を含ませることができ、放射線で重合硬化反応を開始させることが可能になる。このような放射線重合開始剤の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。放射線重合開始剤は、通常にはアクリル重合体(A)100質量部に対して0.1〜10質量部配合される。
本発明の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープが有する粘着剤層は、上述した構成をとることにより、紫外線照射前には被着体に対して十分な粘着力を有し、紫外線照射後には粘着力が著しく低下する。また、微量に紫外線が含まれる蛍光灯のような光源下に放置した場合においても粘着力の低下を抑制することができる。本発明のテープにおける粘着剤層の厚さに特に制限はなく、適用しようとする被着体により適宜設定することができるが、好ましくは4〜100μm、特に好ましくは5〜30μmである。粘着剤層の厚さについては配合組成にもよるが、厚さが薄すぎると、半導体デバイスパッケージへの密着性不足や、ダイシング中のダイフライによる歩留まり低下、さらには飛散したダイがダイシングブレードに当たることによるブレード破損が起こる場合がある。粘着剤層の厚さが厚すぎると、ピックアップ工程において半導体デバイスからの剥離不良が起こる場合がある。
本発明の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープに用いられる基材樹脂フィルムとしては、半導体デバイスを加工するときの衝撃からの保護を主目的とするものであって、特に水洗浄等に対する耐水性等を有することが重要である。従って、基材樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。そして、これらは単層フィルムで、またはそれぞれの複層フィルムとして用いられる。
なお、粘着剤層は紫外線硬化性であるので、基材樹脂フィルムは紫外線透過性であるものが好ましい。
基材樹脂フィルムの厚さは、特に制限するものではないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは40〜250μm、特に好ましくは70〜170μmである。
本発明の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープにおける粘着剤層側の表面抵抗率は、1×1013Ω/□以下であることが好ましい。好ましくは1×1012Ω/□以下であり、更に好ましくは5×1011Ω/□以下である。表面抵抗率が低ければ、優れた帯電防止性を発現できるが、表面抵抗率が高すぎると、帯電した静電気により半導体デバイスが破壊されることがある。
以上、本発明にかかる粘着テープの好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明し、比較例と共に性能試験例を示し、
本発明の優れた効果を明示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
アルキル基の炭素数が8である2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)75質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート24質量%、メタクリル酸1質量%を原料として溶液ラジカル重合により共重合体を得た。次にこの共重合体に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:カレンズMOI 昭和電工社製)を滴下反応させることで、主鎖の繰り返し単位に対して紫外線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を結合させ、当該2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの滴下量と重合反応時間を調節することで、紫外線硬化性炭素−炭素二重結合の量(濃度)が0.6meq/gであるアクリル系共重合体を得た。また、得られたアクリル系共重合体をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名:150−C ALC/GPC Waters社製)により測定した値をポリスチレン換算して算出した質量平均分子量は500,000であった。
上記で作製したアクリル系重合体100質量部に対して、イオン液体である1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(カチオン成分:ピリジニウムカチオン、アニオン成分:TFSI)を10質量部、光重合開始促進剤である4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを1質量部、硬化剤であるポリイソシアネート化合物(商品名:コロネートL 日本ポリウレタン工業社製)を0.2質量部と放射線重合開始剤であるα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2質量部配合し、粘着剤樹脂組成物を調製した。
低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLD LF640MA 日本ポリエチレン社製)を押出機に投入し、押出成型にて厚みが150μmである基材樹脂フィルムを製造した。
次に、コンマコーターを用いてシリコン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)に粘着剤樹脂組成物を線速2m/分で塗工し、110℃に設定した温風乾燥炉を通して厚さ10μmの粘着剤層を形成させた。その後、上記の方法で得られた基材樹脂フィルムと貼り合わせ、粘着テープを製造した。
(実施例2)
実施例1におけるアクリル系共重合体の2−EHAの代わりにアルキル基の炭素数が4であるn−ブチルアクリレート(n−BA)を同質量%用い、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを0.5質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例3)
実施例1におけるアクリル系共重合体の2−EHAの代わりにアルキル基の炭素数が9であるn−ノニルアクリレート(n−NA)を同質量%用い、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを1.5質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例4)
実施例1におけるアクリル系共重合体のモノマー比率を2−EHA55質量%、メチルアクリレート(MA)20質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート24質量%、メタクリル酸1質量%にした以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例5)
実施例4におけるアクリル系共重合体の2−EHAの代わりにn−BAを同質量%用いた以外は実施例4と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例6)
実施例4におけるアクリル系共重合体の2−EHAの代わりにn−NAを同質量%用いた以外は実施例4と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例7)
実施例1におけるアクリル系共重合体のモノマー比率を2−EHA85質量%、2−HEA14質量%、メタクリル酸1質量%、光重合開始促進剤を同質量部の4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルとした以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例8)
実施例2におけるアクリル系共重合体のモノマー比率をn−BA85質量%に変更し、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを2.0質量部とした以外は実施例2と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例9)
実施例8におけるアクリル系共重合体のn−BAの代わりに同質量%のn−NAを用い、4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを1.0質量部とした以外は実施例8と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例10)
実施例1における粘着剤樹脂組成物の1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド量を20質量部にしたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例11)
実施例1におけるアクリル系共重合体の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの滴下量と重合反応時間を調節し、紫外線硬化性炭素−炭素二重結合の量(濃度)を0.35meq/gとし、粘着剤樹脂組成物の1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド量を2質量部にしたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例12)
実施例1における粘着剤樹脂組成物の1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりに同質量部のメチルトリ−n−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(カチオン成分:テトラアルキルアンモニウムカチオン、アニオン成分:TFSI)にしたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例13)
実施例1における粘着剤樹脂組成物の1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりに同質量部の1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート(カチオン成分:ピリジニウムカチオン、アニオン成分:PF6)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例1)
実施例1における粘着剤樹脂組成物の1−n−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの添加、および、光重合開始促進剤の添加を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例2)
実施例1におけるアクリル系共重合体の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの滴下、および、光重合開始促進剤の添加を行わなかったこと以外は同様にして実施例1と同様にして紫外線硬化性炭素−炭素二重結合を有していない粘着テープを製造した。
(比較例3)
実施例1におけるアクリル系共重合体の2−EHAの代わりにアルキル基の炭素数が2であるエチルアクリレート(EA)を同質量%用い、および、光重合開始促進剤の添加を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例4)
実施例1における4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを2.5質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例5)
実施例1における4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステルを0.3質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例6)
n−BA55質量%、メチルメタクリレート17質量%、メタクリル酸2質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレート26質量%からなり、ポリスチレン換算して算出した質量平均分子量が800,000であるアクリル系共重合体100質量部に対して、6官能であり、ポリスチレン換算して算出した質量平均分子量が1,500である紫外線硬化性オリゴマー(商品名:UN−3320HA 根上工業(株)製)70質量部、さらに、硬化剤であるポリイソシアネート化合物(商品名:コロネートL 日本ポリウレタン工業(株)製)2質量部と紫外線重合開始剤であるα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3質量部、光重合開始促進剤である4−ジメチルアミノ安息香酸エチルを1質量部、を配合し、粘着剤樹脂組成物を調製した。
上記粘着剤樹脂組成物を用い、基材樹脂フィルムと粘着テープ製造は実施例1と同様にして行った。
上記実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた各粘着テープについて、以下に示す試験により、帯電防止性、ダイフライ、ピックアップ性、側面糊残り、蛍光灯下放置後の粘着力安定性を評価した。
(1)帯電防止性の評価
得られた各粘着テープを高圧水銀灯にて500mJ/cmの紫外線をテープ背面側より照射することで紫外線硬化を行った後、デジタル超高抵抗/微小電流計R8340/8340Aとレジスティビティ・チェンバR12702A(共に(株)アドバンテスト社製)を用いて23℃、50%RHの環境下で500Vの電圧を印加し、印加後60秒後の電流値を読み取り、得られた各粘着テープにおける粘着剤面の表面抵抗率を測定した。表面抵抗率が5×1011Ω/□未満である場合を「○」、5×1011Ω/□以上であり1×1012Ω/□未満である場合を「△」、1×1012Ω/□以上の場合を「×」として評価し、「○」と「△」を合格とした。結果を表1、2に示す。
(2)ダイフライの評価
リングフレームに得られた各粘着テープを貼合し、リングフレーム中央部に、巾50mm、長さ150mm、厚さ500μmの一括封止型樹脂封止パッケージを固定した。その後、下記に示す条件でダイシングを行い、洗浄・乾燥を行った。パッケージの飛散がなかった場合を「○」、飛散があった場合を「×」と評価し、「○」を合格とした。結果を表1、2に示す。
ダイシング条件
ダイシング装置:(株)DISCO製 DFD−6340
ブレード:(株)DISCO製 メタルボンドブレード
B1A801 SD320N100M42
56.5mm×0.22mm×40mm
ダイシングサイズ:2mm角
ブレード回転数:20000rpm
切削速度:50mm/秒
ブレードクーラー水量:2L/min
シャワー水量:1L/min
スプレー水量:1L/min
ダイシングサイズ:2mm角
ブレードハイト:80μm
洗浄時間:20秒
洗浄回転数:1800rpm
乾燥時間:20秒
乾燥尾回転数:1800rpm
(3)ピックアップ性の評価
(2)のダイフライの評価後、高圧水銀灯にて500mJ/cmの紫外線をテープ背面側から照射することで紫外線硬化させ、ピックアップを行った。ピックアップ条件は、ダイスピッカーCAP−300II(キヤノンマシナリー(株)製)で2mmエキスパンドし、先端径Rが150μmであるピンで、突き上げスピード:50mm/secにて実施し、ピックアップ成功率が100%であるピンハイトを求めた。ピックアップ成功率が100%であるピンハイトが400μm未満である場合を「○」、400μm以上であり700μm未満である場合を「△」、700μm以上である場合を「×」とし、「○」と「△」を合格とした。結果を表1、2に示す。
(4)側面糊残りの評価
(3)のピックアップ性の評価後、100チップを観察し、樹脂封止パッケージ側面に付着する20μm以上の粘着剤付着物の数を数え、1チップ当たりの粘着剤付着物数の平均値を求めた。1チップ当たりの粘着剤付着物数が5個未満である場合を「○」、5個以上である場合を「×」とし、「○」を合格とした。結果を表1、2に示す。
(5)蛍光灯下放置後の粘着力安定性
(5−1)蛍光灯下放置前の粘着力の測定
実施例1〜13および比較例1〜4の半導体加工用粘着テープから、幅25mm×長さ300mmの試験片を3点採取し、それらをJIS R 6253に規定する280番の耐水研磨紙で仕上げたJIS G 4305に規定する厚さ1.5mm〜2.0mmのSUS304鋼板上に貼着した後、2kgのゴムローラを3往復かけて圧着し、1時間放置後、測定値がその容量の15〜85%の範囲に入るJIS B 7721に適合する引張試験機を用いて粘着力を測定した。測定は、90°引き剥がし法によるものとし、この時の引張速さは50mm/minとした。測定温度は23.2℃、測定湿度は50.1%であった。なお、上記試験方法は、実際よりも非常に過酷な蛍光灯下放置(ランプとの距離が近い)での試験である。
(5−2)蛍光灯下放置後の粘着力の測定
(5−1)と同様に採取した試験片を、蛍光灯から30cm離した位置に、蛍光灯側に基材フィルム面として1週間放置した。それらを(5−1)と同様の試験方法にて粘着力を測定した。測定温度は23.2℃、測定湿度は50.1%であった。
(5−3)蛍光灯下放置後粘着力の安定性の評価
以下の式から得られた比率より、蛍光灯下放置後の粘着力安定性を評価した。
(蛍光灯下放置後の粘着力安定性(%))
={(5−2)で得られた粘着力/(5−1)で得られた粘着力}×100
30%以上である場合を「○」とし、30%未満〜25%である場合を「△」、25%未満である場合を「×」とした。
実施例の評価結果を下記の表1に示す。本発明の粘着テープに包含される実施例1〜10の粘着テープは、帯電防止性に優れ、ダイフライは起こらず、ピックアップ性に優れ、側面糊残りは少なかった。実施例11の粘着テープは、アクリル系共重合体の二重結合量が少ないため、ピックアップ性は劣るものの、問題ないレベルであった。また、二重結合量が少ないため、少ないイオン液体量で良好な帯電防止性を得られた。実施例12の粘着テープは、イオン液体のカチオン成分がピリジニウムカチオンではなく、テトラアルキルアンモニウムカチオンであるため、帯電防止性とピックアップ性に若干劣っていた。実施例13の粘着テープは、イオン液体のアニオン成分がTFSIではなく、PF であるため、帯電防止性に若干劣っていた。
Figure 2013209559
比較例の評価結果を下記の表2に示す。比較例1の粘着テープは、粘着剤にイオン液体を添加していないため、帯電防止性と側面糊残りに劣っていた。比較例2の粘着テープは、アクリル系共重合体に二重結合を含有しておらず、粘着剤は紫外線硬化性を有していないため、ピックアップ性に劣っていた。比較例3の粘着テープは、光重合開始促進剤を有していないため、蛍光灯下放置後の粘着力安定性が劣っていた。比較例4の粘着テープは、光重合開始促進剤が過剰に添加されているため、蛍光灯光により硬化反応が進行してしまい、蛍光灯下放置後の粘着力安定性が劣っていた。比較例5の粘着テープは、光重合開始促進剤の添加量が少ないため、蛍光灯光による硬化反応抑制が発現せず、蛍光灯下放置後の粘着力安定性が劣っていた。比較例6の粘着テープは、分子鎖に炭素−炭素二重結合を有していないアクリル系共重合体と紫外線硬化性オリゴマーからなる粘着剤を用いたため、帯電防止性に若干劣り、ダイフライにも劣っていた。
Figure 2013209559
1 基材樹脂フィルム
2 粘着剤層


Claims (3)

  1. 紫外線透過性基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープであって、該粘着剤層に、少なくとも(A)、(B)、(C)、を含み、(A)100質量部に対して、(C)0.5〜2質量部を含有することを特徴とする紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ。
    (A)分子中に炭素−炭素二重結合含有基を有したアクリル系共重合体
    (B)有機カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン液体
    (C)光重合開始促進剤
  2. 前記(C)の光重合開始促進剤が芳香族アミン化合物である請求項1記載の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ。
  3. 前記(B)のイオン液体がカチオン成分がピリジニウムカチオンであり、アニオン成分がビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである請求項1又は2記載の紫外線硬化性半導体デバイス加工用粘着テープ。
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