JP3926112B2 - 半導体ウエハ固定用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板状の半導体ウエハをダイシングする際に、半導体ウエハをダイシング装置のチャックテーブル上で固定する半導体ウエハ固定用シートに係り、特に、半導体ウエハ固定用シートを半導体ウエハの形状に沿って切断する際のシートカット性を維持しつつ、半導体ウエハをダイシングする際に発生する摩擦熱を受けても溶融しない耐熱性を有する半導体ウエハ固定用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ固定用シートは、基材フィルムとしての合成樹脂製フィルムと、その片面に積層された粘着剤層を有するものである。半導体ウエハ固定用シートにあっては、粘着剤層が平板状の半導体ウエハを保持すると共に基材フィルムがダイシング装置のチャックテーブルに吸着されて、半導体ウエハをチャックテーブルへ安定的に位置固定されるものである。
【0003】
ここで、基材フィルムの材料としてビカット軟化点(JIS K 7206)の低いものを採用すると、ダイシングブレードと半導体ウエハの摩擦熱によって基材フィルム自体が溶融し、チャックテーブルを汚染してしまう場合があった。
【0004】
この課題を解決するために、基材フィルムを多層化し、そのうちの少なくとも一層をビカット軟化点が120℃以上の樹脂層とする手段(特許第2662033号)や、基材フィルムを多層化し、基材フィルムにおける粘着剤層側の表面層に第2フィルムを設ける手段(特開平10−209087号)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多層化した基材フィルムの少なくとも一層をビカット軟化点が120℃以上の樹脂層とする手段においては、樹脂層自体が硬く、半導体ウエハ固定用シートを半導体ウエハの形状に沿って切断する際のシートカット性が劣ってしまうという新たな課題が発生してしまった。また、多層化した基材フィルムにおける粘着剤層側の表面層に耐熱層を設ける手段は、通常の使用では問題がなかったが、ダイシングする半導体ウエハが厚くなると、ダイシングの際に発生する摩擦熱が急激に上昇して基材フィルムが溶融し、ダイシング装置のチャックテーブルを汚染してしまった。
【0006】
したがって本発明の目的は、半導体ウエハ固定用シートのシートカット性を維持しつつ、半導体ウエハをダイシングする際に発生する摩擦熱を受けても溶融しない耐熱性を有する半導体ウエハ固定用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記に鑑み鋭意検討を行った結果、シート状の基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に積層された第2フィルムと、基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ固定用シートにおいて、第2フィルムのビカット軟化点が90〜120℃であり且つその厚さが3〜200μmとすることにより、上記課題を解決できることを見出だし本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる半導体ウエハ固定用シートの第2フィルムは、シートカット性を維持しつつ、ダイシングブレードの摩擦熱による溶融を防止するために採用したものである。
【0009】
第2フィルムは、基材フィルムの一方の面に積層されると共にダイシング装置のチャックテーブルに吸着され、基材フィルム及び粘着剤層を介して半導体ウエハを安定的に位置固定すると共に基材フィルムを介して半導体ウエハをダイシングする際の摩擦熱を受けるものである。なお、この際の摩擦熱は、ダイシングブレードの回転数や厚さ、押圧等によって異なるが、90℃程度になるものである。
【0010】
ここで、第2フィルムのビカット軟化点があまりに低いと、ダイシングブレードの摩擦熱によって溶融し、ダイシング装置のチャックテーブルを汚染してしまう。また、あまりに高いと第2フィルム自体が硬くなりシートカット性が劣ってしまう。このため、第2フィルムのビカット軟化点は、90〜120℃が良い。
【0011】
さらに、第2フィルムの厚さがあまりに薄いと、フィルム成形時にピンホールが発生したり、破れて成形できなくなってしまう。また、あまりに厚いとシートカット性が劣ってしまう。このため、第2フィルムの厚さは、3〜200μmが良い。
【0012】
第2フィルムの材料としては、上記効果を有するものであれば適宜選択して採用できるが、好ましくは高密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、ポリブテンなどが良い。
【0013】
本発明にかかる半導体ウエハ固定用シートの基材フィルムは、第2フィルムと粘着剤層の中間に配置されて、半導体ウエハをダイシングする際のダイシングブレードの衝撃を緩和すると共に半導体ウエハ固定用シートの基本特性である柔軟性を維持するために採用したものである。
【0014】
基材フィルムの材料としては、半導体ウエハ固定用シートの基材フィルムとして使用される従来公知の合成樹脂を採用でき、具体的には、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステルの3元共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等の単体及び/又は複合体のカルボキシル基をナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンで架橋したアイオノマ樹脂、ポリプロピレン樹脂にスチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、エチレン−プロピレンゴム等をブレンドした軟質ポリプロピレン樹脂、低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−1オクテン共重合体、ポリブテン、等の単独層、複合層又は複数層がある。なお、基材フィルムの厚みは3〜200μmの範囲内から選択される。
【0015】
本発明にかかる半導体ウエハ固定用シートの粘着剤層は、基材フィルムの上記第2フィルムが積層されていない面に積層され、半導体ウエハを保持するために採用したものである。
【0016】
粘着剤層としては、一般感圧型粘着剤、紫外線硬化型粘着剤、加熱硬化型粘着剤等を適宜選択して採用することができる。一般感圧型粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系など従来公知の粘着剤を適宜選択して採用することができる。また、紫外線硬化型粘着剤は、一般感圧型粘着剤に硬化性化合物及び紫外線硬化開始剤を配合したものであり、紫外線の照射によりその粘着力を低下させることができるものである。さらに、加熱硬化型粘着剤は、一般感圧型粘着剤に硬化性化合物及び加熱硬化開始剤を配合したものであり、加熱によりその粘着力を低下させることができるものである。
【0017】
アクリル系粘着剤には、従来公知のアクリル系粘着剤を適宜選択して使用でき、一般的には、アクリル酸エステル系を主たる構成単量体単位とする単独重合体(主モノマ)及びコモノマとの共重合体から選ばれたアクリル系共重合体、その他の官能性単量体(官能基含有モノマ)との共重合体及びこれら重合体の混合物がある。ここで、主モノマとしては、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等があり、上記コモノマとしては、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアマイド、スチレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等がある。また、官能基含有モノマとしては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアマイド、メチロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等がある。
【0018】
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンブロツク共重合体、スチレン・イソプレンブロツク共重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリビニルエーテル、シリコーンゴム、ポリビニルイソブチルエーテル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、クラフトゴム、再生ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・ブロツクコポリマ、スチレン・プロピレン・ブチレン・ブロツクコポリマ、スチレン・イソプレン・ブロツクポリマ、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・アクリルエステル共重合体、メチル・メタアクリレート・ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン・エチレン・プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン・シリコンゴム、ポリビニルイソブチルエーテル・クロロプレン等があり、これらの単独物のみならず混合物であってもよい。
【0019】
ゴム系粘着剤には粘着力を高めるため、粘着付与樹脂を加えることが好ましい。この粘着付与樹脂としては、あまりに少ないとエラストマを主成分とする粘着剤の粘着効果が出ず、あまりに多いと性能が頭打ちになるため、ゴム系粘着剤100重量部に対して5〜100重量部配合するのが好ましく、さらに好ましくは10〜30重量部配合するのがよい。
【0020】
粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフエノール樹脂、キシレン樹脂等の単独物又は混合物があり、エラストマとの相溶性を考慮するとテルペン系樹脂が好ましい。ロジン系樹脂としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジン変成フエノール樹脂等があり、テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、テルペンフエノール樹脂、芳香族変成テルペン樹脂、ロジンフエノール樹脂等がある。また、水添石油樹脂としては、芳香族系のもの、ジシクロペンタジエン系のもの、脂肪族系のもの等がある。
【0021】
上記硬化性化合物は、上記紫外線硬化開始剤や上記加熱硬化開始剤と相俟って、半導体ウエハ固定用シートから半導体ウエハを剥離させる際の、粘着剤層の粘着力を調整するために採用したものである。硬化性化合物の配合比にあっては、あまりに少ないと硬化する部分が少なくなるため粘着剤層の粘着力を調整することができず、あまりに多いと熱や光に敏感になり環境温度や日常の光で硬化してしまい保存安定性が悪くなるため、上記一般感圧型粘着剤100重量部に対して5〜900重量部が良く、好ましくは20〜200重量部が良い。
【0022】
硬化性化合物としては、具体的には2個以上の官能基を有する官能性の硬化性化合物がよく、例えばアクリレート系化合物、ウレタンアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマ及び/又はモノマ、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等の単体又は混合系がある。
【0023】
アクリレート系化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート等がある。
【0024】
ウレタンアクリレートとしては、例えばポリエステルウレタンアクリレート、ポリエーテルウレタンアクリレート、4官能ウレタンアクリレート、6官能ウレタンアクリレート等がある。
【0025】
ウレタンアクリレート系オリゴマは、炭素−炭素二重結合を少なくとも二個以上有する紫外線硬化性化合物であり、例えばポリエステル型又はポリエーテル型等のポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフエニルメタン4,4−ジイソシアナート等を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいは、メタクリレート例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等を反応させて得られるものがある。
【0026】
また、ウレタンアクリレート系オリゴマを採用する場合、特に限定するわけではないが、分子量300〜30000のものを粘着剤層に用いると、半導体ウエハ裏面研磨後においても粘着剤が半導体ウエハに付着することがない。
【0027】
上記エポキシアクリレートとしては、エポキシ基とアクリル酸又はメタクリル酸との反応によって合成されるものであり、ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型、エポキシ油化型、フェノールノボラック型、脂環型等がある。
【0028】
上記ポリエステルアクリレートとしては、ジオール、ポリオールと2塩基酸より合成したポリエステル骨格に残ったOH基に、アクリル酸を縮合してアクリレートにしたものであり、例えば無水フタル酸/プロピレンオキサイドジオール/アクリル酸、アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸、トリメリツト酸/ジエチレングリコール/アクリル酸等がある。
【0029】
上記粘着剤層に配合される紫外線硬化開始剤及び加熱硬化開始剤は、硬化性化合物の硬化を促進させるために採用したものである。紫外線硬化開始材及び加熱硬化開始剤の配合比はあまりに多いと熱や光に敏感になり環境温度や太陽光等でも硬化してしまい保存安定性が悪くなり、あまりに少ないと硬化が遅く作業効率が悪いため、硬化性化合物100重量部に対して0.1〜10重量部が良く、好ましくは0.5〜5重量部が良い。
【0030】
紫外線硬化開始剤としては、具体的には、クロロアセトフエノン、ジエトキシアセトフエノン、ヒドロキシアセトフエノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン、α−アミノアセトフエノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フエニル)−2−モルホリノープロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フエニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、混合光開始剤、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フエニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、アリルケトン含有光開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフエノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フエニルベンゾフエノン、ヒドロキシベンゾフエノン、アクリル化ベンゾフエノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフエニルサルフアイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフエノン、メチル−O−ベンゾイルベンゾエート、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、α−アシルオキシムエステル、α−アシロキシムエステル、アシルホスフインオキサイド、メチルフエニルグリオキシレート、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンフアーキノン、ベンジル、9,10−フエナンスレンキノン、アンスラキノン、ジベンゾスベロン、4’,4’’−ジエチルイソフタロフエノン、ミヒラーケトン、環状光開始剤、テトラメチルチウラムモノサルフアイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフエノン等がある。上記クロロアセトフエノンとしては、4−フエノキシジクロロアセトフエノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフエノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフエノン等がある。
【0031】
上記加熱硬化開始剤としては、有機過酸化物誘導体、アゾ系重合開始剤があり、アゾ系重合開始剤は加熱時に窒素が発生するため有機過酸化物誘導体の方が好ましい。加熱硬化開始剤の具体的な例としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル等がある。
【0032】
また、本発明の粘着剤層として上記紫外線硬化型粘着剤を採用した際には、必要に応じて光開始助剤を配合しても良い。光開始助剤は、それ自体は紫外線照射によって活性化はしないが、紫外線硬化開始剤と併用することにより紫外線硬化開始剤単独使用より開始反応が促進され、硬化反応を効率的にするものである。さらに、必要に応じてトリエチルアミン、テトラエチルペンタアミン、ジメチルアミノエーテル等のアミン化合物を重合促進剤として併用しても良い。
【0033】
光開始助剤としては、主として脂肪族、芳香族アミンがあり、具体的にはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノフエノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフエノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(nブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヒキシル、重合性3級アミン、トリエチルアミン、テトラエチルペンタアミン、ジメチルアミノエーテル等がある。
【0034】
上記紫外線硬化性化合物や上記加熱硬化性化合物の硬化を開始するためには、それぞれ紫外線の照射や加熱が必要になる。これらの硬化性化合物を硬化させるために紫外線の照射や加熱するタイミングとしては、半導体ウエハ固定用シートから半導体ウエハを剥離させる際に行なわれる。紫外線の照射量にあっては、波長365nmで20〜500mJ/cm2の範囲が良く、好ましくは50〜150mJ/cm2の範囲が良い。また、加熱温度としては、50〜150℃の温度範囲が良い。これは紫外線の照射や加熱があまりに少ないと凝集力向上が図れず、あまりに多いと時間がかかり生産性が悪くなるためである。
【0035】
本発明の半導体ウエハ固定用シートは、以下の製法によって製造される。まず、基材フィルムの一方の面に第2フィルムが積層され、さらに、基材フィルムの他方の面に粘着剤層が積層されて完成する。なお、必要に応じて基材フィルムの粘着剤層を積層する面にコロナ処理および/またはプライマ処理を行い、基材フィルムと粘着剤層の密着性を向上させても良い。
【0036】
本発明にあっては、シート状の基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に積層された第2フィルムと、基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ固定用シートにおいて、第2フィルムのビカット軟化点が90〜120℃であり且つその厚さが3〜200μmとすることにより、半導体ウエハ固定用シートを半導体ウエハの形状に沿って切断する際のシートカット性を維持しつつ、半導体ウエハをダイシングする際に発生する摩擦熱を受けても溶融しない耐熱性を有する半導体ウエハ固定用シートを提供できた。
【0037】
【実施例】
本発明の一実施例を、表1を参照しつつ説明する。本実施例の半導体ウエハ固定用シートは、厚さ100μmの基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に積層された厚さ130μmの第2フィルムと、基材フィルムの他方の面に積層された厚さ20μmの粘着剤層を有するものである。基材フィルムは、アイオノマ樹脂製であり、第2フィルムは、ビカット軟化点が110℃のポリスチレン製である。また、粘着剤層は、ベースポリマとしてのアクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、硬化性化合物としてのウレタンアクリレート系オリゴマ30重量部と、紫外線硬化開始剤としてのベンゾインイソプロピルエーテル8重量部が配合されたものである。なお、以下の比較例は、特に説明しない限り本実施例と同様なものである。
【0038】
【表1】
【0039】
表1中、耐熱性の測定は、半導体ウエハを半導体ウエハ固定用シートに貼り付け、0.3mm×0.3mm角のチップ状にダイシングした後に、半導体ウエハ固定用シートを目視で確認し、摩擦熱を受けても溶融せず、チャックテーブルを汚染しなかったものを○、そうでなかったものを×とした。さらに、シートカット性は、半導体ウエハ固定用シートをディスコ社製ウエハマウンタDSM080に固定して備え付けの回転刃にて半導体ウエハの形状に沿って切断した際に、3回以内で切断できたものを○、できなかったものを×とした。なお、耐熱性及びテープカット性の測定にあっては、それぞれ30サンプルについて測定したものである。
【0040】
また表1中、成形性は、基材フィルムの材料及び/又は第2フィルムの材料を、フィルム状に成形する際に、ピンホールや破れが生じなかったものを○、ピンホールが発生したり、破けてしまったものを×とした。
【0041】
本実施例にあっては、シートカット性、耐熱性及び成形性とも○となり、目標とする半導体ウエハ固定用シートが得られた。
【0042】
実施例の第2フィルムを、ビカット軟化点が130℃のポリカーボネート製に変更した比較例1では、シートカット性が悪くなった。また、ビカット軟化点が80℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体製に変更した比較例2では、耐熱性が悪くなった。
【0043】
実施例の第2フィルムの厚さを250μmに変更した比較例3では、シートカット性が悪くなった。また、第2フィルムの厚さを1μmにした比較例4では、耐熱性、シートカット性とも○であったが、フィルムにピンホールが発生し、成形性が悪くなってしまった。
【0044】
【発明の効果】
本発明にあっては、シート状の基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に積層された第2フィルムと、基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ固定用シートにおいて、第2フィルムのビカット軟化点が90〜120℃であり且つその厚さが3〜200μmとすることにより、半導体ウエハ固定用シートを半導体ウエハの形状に沿って切断する際のシートカット性を維持しつつ、半導体ウエハをダイシングする際に発生する摩擦熱を受けても溶融しない耐熱性を有する半導体ウエハ固定用シートを提供できた。
Claims (5)
- シート状の基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層された第2フィルムと、該基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ固定用シートにおいて、基材フィルムがアイオノマ樹脂からなり、上記第2フィルムがビカット軟化点90〜120℃のポリスチレンであり且つその厚さが3〜200μmであることを特徴とする半導体ウエハ固定用ダイシングシート。
- アクリル酸エステル共重合体100重量部、ウレタンアクリレートオリゴマ5〜900重量部、紫外線硬化開始剤0.5〜10質量部を含有する粘着剤層を用いた請求項1に記載の半導体ウエハ固定用ダイシングシート。
- ウレタンアクリレート系オリゴマの分子量が300〜30000である請求項2に記載の半導体ウエハ固定用ダイシングシート。
- シート状の基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層された第2フィルムと、該基材フィルムの他方の面に積層された粘着剤層を有する半導体ウエハ固定用シートにおいて、基材フィルムがアイオノマ樹脂からなり、上記第2フィルムがビカット軟化点90〜120℃の高密度ポリエチレンであり且つその厚さが3〜200μmであることを特徴とする半導体ウエハ固定用ダイシングシート。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体ウエハ固定用ダイシングシートに照射量20〜500mJ/cm 2 の紫外線を照射することを特徴とする半導体チップの製造方法。
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