JP5184409B2 - ウエハ加工用テープ - Google Patents
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Description
即ち、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープは、基材フィルムと粘着剤層と接着剤層とがこの順に形成されたウエハ加工用テープであって、80℃での前記接着剤層のタック力をAとし、80℃での前記粘着剤層のタック力をBとしたとき、B≦0.584(N)であり、かつ、6.0≦(A/B)≦7.0であることを特徴とする。また、0.531(N)≦Bであることが好ましい。
図1は一実施形態に係るウエハ加工用テープ10を示す断面図である。このウエハ加工用テープ10は、フィルム状の基材フィルム12aとその上に形成された粘着剤層12bとからなる粘着フィルム12と、この粘着フィルム12上に積層された接着剤層13とを有する。このように、ウエハ加工用テープ10では、基材フィルム12aと粘着剤層12bと接着剤層13とがこの順に形成されている。
なお、粘着剤層12bは一層の粘着剤層により構成されていてもよいし、二層以上の粘着剤層が積層されたもので構成されていてもよい。なお、図1においては、接着剤層13を保護するため、剥離ライナー11がウエハ加工用テープ10に設けられている様子が示されている。
以下、本実施形態のウエハ加工用テープ10の各構成要素について詳細に説明する。
接着剤層13は、半導体ウエハ1等が貼り合わされてダイシングされた後、半導体チップ2をピックアップする際に、粘着フィルム12から剥離して半導体チップ2に付着し、半導体チップ2を基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。従って、接着剤層13は、ピックアップ工程において、個片化された半導体チップ2に付着したままの状態で、粘着フィルム12から剥離することができる剥離性を有し、さらに、ダイボンディング工程において、半導体チップ2を基板やリードフレームに接着固定するために、十分な接着信頼性を有するものである。
粘着フィルム12は、半導体ウエハ1をダイシングする際には半導体ウエハ1が剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後に半導体チップ2をピックアップする際には容易に接着剤層13から剥離できるよう低い粘着力を有するものである。本実施形態において、粘着フィルム12は、図1に示すように、基材フィルム12aに粘着剤層12bを設けたものを使用した。
80℃での接着剤層13のタック力をAとし、80℃での粘着剤層12bのタック力をBとしたとき、
B ≦ 0.9(N)であり、かつ、6.0 ≦ (A/B) ≦ 7.0であることを満たしている。
半導体装置の製造工程の中で、ウエハ加工用テープ10は、以下のように使用される。図2においては、ウエハ加工用テープ10に、半導体ウエハ1とリングフレーム20とが貼り合わされた様子が示されている。まず、図2に示すように、粘着フィルム12の粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付け、半導体ウエハ1を接着剤層13に貼り合わせる。これらの貼り付け順序に制限はなく、半導体ウエハ1を接着剤層13に貼り合わせた後に粘着フィルム12の粘着剤層12bをリングフレーム20に貼り付けてもよい。また、粘着フィルム12のリングフレーム20への貼り付けと、半導体ウエハ1の接着剤層13への貼り合わせとを、同時に行っても良い。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。まず、基材フィルム12a及び下記の表1に示す粘着剤層組成物1A〜1Gを調製した後、基材フィルム12a上に粘着剤層組成物1A〜1Gの乾燥後の厚さが10μmになるように粘着剤層組成物1A〜1Fを塗工し、110℃で3分間乾燥させて粘着フィルム12を作成した。次いで、下記の表2に示す接着剤層組成物2A〜2Hを調製し、接着剤層組成物2A〜2Hを離型処理した厚さ25μmのポリエチレン−テレフタレートフィルムよりなる剥離ライナー11に、乾燥後の厚さが40μmになるように接着剤層組成物2A〜2Hを塗工し、110℃で3分間乾燥させて剥離ライナー11上に接着剤層13を作成した。そして、粘着フィルム12及び接着剤層13を図2に示す形状に裁断した後、粘着フィルム12の粘着剤層12b側に接着剤層13を貼り合わせて、下記の表3に示す実施例1〜3及び下記の表4に示す比較例1〜9を作成した。
フィルム状の基材フィルム12aとして、厚さ100μmのエラストマー添加ポリプロピレンを使用した。
粘着剤層組成物1Aは、表1に示すように、ポリマー共重合体(1)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.5質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3質量部と、溶剤(1)80質量部と、を加えて混合した組成物である。尚、ポリマー共重合体(1)は、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する官能基を持つ2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシアルキルアクリレート類の共重合体であり、ガラス転移点(Tg)が−53℃である。また、溶剤(1)は、トルエンである。
粘着剤層組成物1Bは、表1に示すように、ポリマー共重合体(1)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.5質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3質量部と、溶剤(2)80質量部と、を加えて混合した組成物である。尚、溶剤(2)は、酢酸エチルである。
粘着剤層組成物1Cは、表1に示すように、ポリマー共重合体(2)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.5質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3質量部と、溶剤(2)80質量部と、を加えて混合した組成物である。尚、ポリマー共重合体(2)は、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する官能基を持つ2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシアルキルアクリレート類の共重合体であり、ガラス転移点(Tg)が−72℃である。
粘着剤層組成物1Dは、表1に示すように、ポリマー共重合体(1)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.5質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)1質量部と、溶剤(2)80質量部と、を加えて混合した組成物である。
粘着剤層組成物1Eは、表1に示すように、ポリマー共重合体(1)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.5質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)4質量部と、溶剤(2)80質量部と、を加えて混合した組成物である。
粘着剤層組成物1Fは、表1に示すように、ポリマー共重合体(1)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.2質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3質量部と、溶剤(2)80質量部と、を加えて混合した組成物である。
粘着剤層組成物1Gは、表1に示すように、ポリマー共重合体(2)33質量部と、硬化剤(イソシアネート化合物)0.5質量部と、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3質量部と、溶剤(1)80質量部と、を加えて混合した組成物である。
エポキシ樹脂4質量部、シランカップリング剤(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、フィラー2質量部を、溶剤(2)80質量部を加えて撹拌混合し、更にビーズミルを用いて90分間混練した。その後、アクリル樹脂(1)16質量部、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部とを撹拌混合し、真空脱気し、接着剤層組成物2Aを得た。エポキシ樹脂は、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量265、分子量1200、軟化点63℃)である。フィラーは、平均粒径16nmのシリカフィラーである。また、溶剤(2)は、メチルエチルケトン(MEK)と酢酸エチルの混合物である。アクリル樹脂(1)は、重量平均分子量(Mw)が80万、ガラス転移点(Tg)が17℃である。硬化剤としては市販品のDICY15(ジャパンエポキシレジン(株))、硬化促進剤としては市販品のキュアゾール2PZ(四国化成(株))を用いた。
接着剤層組成物2Bは、表2に示すように、アクリル樹脂(1)16質量部と、エポキシ樹脂4質量部と、フィラー2質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(1)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。溶剤(1)は、トルエンとシクロヘキサノンの混合物である。
接着剤層組成物2Cは、表2に示すように、アクリル樹脂(2)16質量部と、エポキシ樹脂4質量部と、フィラー2質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(2)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。アクリル樹脂(2)は、重量平均分子量(Mw)が85万、ガラス転移点(Tg)が−15℃である。
接着剤層組成物2Dは、表2に示すように、アクリル樹脂(1)16質量部と、エポキシ樹脂4質量部と、フィラー1質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(2)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。
接着剤層組成物2Eは、表2に示すように、アクリル樹脂(1)19質量部と、エポキシ樹脂1質量部と、フィラー2質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(2)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。
接着剤層組成物2Fは、表2に示すように、アクリル樹脂(1)16質量部と、エポキシ樹脂4質量部と、フィラー3質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(2)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。
接着剤層組成物2Gは、表2に示すように、アクリル樹脂(2)16質量部と、エポキシ樹脂4質量部と、フィラー2質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(1)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。
接着剤層組成物2Hは、表2に示すように、アクリル樹脂(2)19質量部と、エポキシ樹脂1質量部と、フィラー2質量部と、硬化剤4質量部と、硬化促進剤0.2質量部と、溶剤(1)80質量部とを用いて、接着剤層組成物2Aと同様にして得た。
実施例1〜3の各ウエハ加工用テープ10及び比較例1〜9の各ウエハ加工用テープにおける粘着テープ12を80℃に維持しながら、粘着剤層12bのタック力を、JIS Z 0237に準拠し、レスカ製タック測定試験機を用いて測定した。また、実施例1〜3の各ウエハ加工用テープ10及び比較例1〜9の各ウエハ加工用テープにおける接着剤フィルムを80℃に維持しながら、接着剤層13のタック力を、JIS Z 0237に準拠し、レスカ製タック測定試験機を用いて測定した。
実施例1〜3の各ウエハ加工用テープ10及び比較例1〜9の各ウエハ加工用テープに厚み100μmのシリコンウエハ(半導体ウエハ)1を70℃で10秒間、加熱貼合した後、10mm×10mmの半導体チップ2にダイシングした。その後、粘着剤層12bに紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200J/cm2照射した。その後、シリコンウエハ(半導体ウエハ)1の中央部に位置する50個の半導体チップ2について、ダイボンダー装置(NECマシナリー製、商品名CPS−100FM)によりピックアップを行い、ピックアップ成功率を求め、その結果を評価した。尚、ピックアップされた半導体チップ2に粘着剤層12bから剥離した接着剤層13が保持されているものをピックアップが成功したものとし、ピックアップ成功率を算出した。
B ≦ 0.9(N)であり、かつ、6.0 ≦ (A/B) ≦ 7.0であることを満たしている。
2:半導体チップ
10:ウエハ加工用テープ
12a:基材フィルム
12b:粘着剤層
12:粘着フィルム
13:接着剤層
Claims (2)
- 基材フィルムと粘着剤層と接着剤層とがこの順に形成されたウエハ加工用テープであって、
80℃での前記接着剤層のタック力をAとし、80℃での前記粘着剤層のタック力をBとしたとき、
B≦0.584(N)であり、かつ、6.0≦(A/B)≦7.0であることを特徴とするウエハ加工用テープ。 - 80℃での前記粘着剤層のタック力をBとしたとき、0.531(N)≦Bであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
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